06/12/04 第34回独立行政法人評価委員会労働部会(議事録) 第34回独立行政法人評価委員会労働部会                            平成18年12月4日(月)         17:00〜20:00 厚生労働省省議室 出席者:井原部会長、篠原部会長代理、今村委員、宇佐美委員、小畑委員、川端委員、 寺山委員、松田委員、宮本委員 ○部会長  まだ時間前ですが、皆様おそろいですので、ただいまから第34回の独立行政法人評 価委員会労働部会を開かせていただきたいと思います。委員の皆様におかれましては、 お忙しい中をお集まりいただきまして、まことにありがとうございます。今回は久道委 員と本寺委員が御欠席でございます。初めに事務局から、本日の議事について簡単に説 明をお願いいたします。 ○事務局  議事の御説明に先立ちまして、9月1日付で事務局の人事異動がございましたので、 冒頭、御説明させていただきます。  中野政策評価審議官でございます。 ○政策評価審議官  中野でございます。 ○事務局  中島政策評価官でございます。 ○政策評価官  中島でございます。 ○事務局  委員の皆様方におかれましては、10月21日及び31日に「私のしごと館」を御視察 いただきました。御要望いただきながら、日程の関係でお応えできなかった委員の皆様 にお詫び申し上げるとともに、御多忙中、御視察いただきました委員の皆様方に御礼申 し上げます。なお、今般の部会及び7日に開催されます総会の日程調整に関しまして、 総務省を初めとする政府全体のスケジュールが錯綜したことから、委員の皆様方には大 変御迷惑をおかけいたしました。この場をお借りしてお詫び申し上げます。  それでは、本日御審議いただきます議事について、政策評価官の中島より御説明させ ていただきます。 ○政策評価官  中島でございます。きょうは3時間という時間をお取りいただきまして、大変申し訳 ございません。よろしくお願いいたします。  本日、当部会において御審議いただく事項につきましては、議事次第という形でA4 版1枚を用意させていただいております。2の議事というところに、(1)から(7) まで列記させていただいているところでございます。冒頭、それぞれの議事の概要につ いて御説明を申し上げて、順次、御審議に入っていただきたいと思っている次第でござ います。  まず、議事(1)でございます。労働者健康福祉機構の重要な財産の譲渡についてで ございます。このたび、労働者健康福祉機構より重要な財産の譲渡に係る申請がありま したので御審議をいただくということでございます。なお、本議事にかかわる資料等の 扱いにつきましては、先般、8月に雇用・能力開発機構の重要な財産の譲渡について御 審議いただいた際にも、事務局より御説明させていただいたとおり、契約締結まで非公 開とさせていただきますので、この議事(1)に関する資料の取扱いについては特段の 御留意をいただければと思っております。  議事(2)でございます。勤労者退職金共済機構及び高齢・障害者雇用支援機構の役 員の退職金に係る業績勘案率の決定についてでございまして、それぞれの機構より、業 績勘案率の算定依頼が来ていますので、御審議いただき、業績勘案率を決定していただ きたく存じます。  議事(3)でございます。高齢・障害者雇用支援機構の役員給与規程の変更について でございます。当機構におきまして、役員給与規程が改正されておりますので御審議を いただきたいということでございます。  議事(4)でございます。雇用・能力開発機構の中期目標・中期計画の変更について ということでございます。当機構につきましては、これまで中期目標期間を平成19年 度末、すなわち平成20年3月という形で定めさせていただいたところでございますけ れども、詳細につきましては後ほど担当課より説明申し上げますが、これを1年前倒し をして、平成18年度末、すなわち19年3月までとする中期目標期間に変更したいとい うことでございます。それについて、後ほど御審議をいただくということでございます。  議事(5)でございます。雇用・能力開発機構の中期目標期間の業務実績の暫定評価 結果についてでございます。中期目標期間の暫定評価につきましては、8月下旬の本部 会におきまして、労働政策研究・研修機構の暫定評価について取りまとめていただいた ところでございます。先ほど御説明いたしましたように、今般、雇用・能力開発機構の 中期目標期間を今年度末までという形に前倒しをするということになりますと、本年度 が中期目標期間最終年度に当たるということになります。したがいまして、次期平成 19年4月以降の中期目標の策定等に資するため、この雇用・能力開発機構においても 暫定評価を取りまとめていただく必要が生じているということでございます。つきまし ては、これまで本機構の各年度の業務実績の評価などをもとに、起草委員の先生方にお 願いをして、暫定評価結果の案を作成していただきましたので、これについて御審議い ただくということでございます。なお、暫定評価については年度の実績評価とは異なり まして、部会において暫定評価結果案を御審議いただいた後、総会において最終的に結 果を決定していただくという手続きとなっておりますので、よろしくお願い申し上げま す。  それから議事(6)でございます。雇用・能力開発機構及び労働政策研究・研修機構 の組織・業務全般の見直し案についてということでございます。これについては8月の 部会において両機構の組織・業務の見直し当初案について御審議をいただいたところで ございます。この独立行政法人の見直しの経緯につきましては、お手元にお配りしてお ります参考資料1という形で、昨年末以来の行革等諸々の閣議決定等の方針の流れを整 理させていただいているところでございます。  お手元に配布しております、独立行政法人評価関係資料集というものがございますが、 その11ページをごらんください。今般の独立行政法人の業務全般の見直しにつきまし ては、いわゆる政策金融の見直し等が昨年末の閣議決定等で決定されたところでござい まして、それを受けまして、政策金融等にかかわる独立行政法人の業務を見直していく 必要性が生じているところでございます。そういう観点から、厚生労働大臣の方で、い わゆる見直し当初案というものを策定したのが今年の夏でございます。  そして独立行政法人の組織・業務につきましては、独立行政法人評価委員会での御審 議をいただかなければならないということでございますので、今般、8月に本部会にお いて、この見直し当初案といったものを御議論いただいたところでございます。その後、 その御意見を踏まえて、厚生労働省としての見直し当初案を総務省に提出いたしまして、 総務省の方では、この11ページの右上にございます、政策評価・独立行政法人評価委 員会(政・独委)というところで、政府全体についての基本的な考え方等について御審 議をされ、その上で、改めて私どもの方に「勧告の方向性」といったものを先月末にお 寄せいただいたところでございます。  したがいまして、今回御審議いただく法人の見直し案というものについては、この 政・独委から寄せられた意見も踏まえて、厚生労働省で検討いたしました見直し案とい ったものを改めて、再度、お諮りをするということでございます。そして本日の御議論、 さらには総会での御議論を踏まえて、厚生労働省の考えとして、再度、総務省の方に提 出をしていくという形になるわけでございます。  改めて、今回、本部会において見直しの対象となっている2法人について説明させて いただきますと、まず、雇用・能力開発機構につきましては、後ほどまたこれも御説明 いたしますが、雇用保険3事業の見直しや政策金融の見直しなどを踏まえて、当初の中 期目標期間を1年前倒しをして、19年度末までという形としていたところを本年度末 をもってするということで、組織・業務全般を見直すことになるということでございま す。それから労働政策研究・研修機構につきましては、そもそも中期目標期間が本年度 末、18年度末に終了することから、それを踏まえて見直しを進めているところでござ います。この2法人について、本日、御審議をいただくということでございます。  なお、当省所管の独立行政法人におきまして、政策医療を扱っているものとして福祉 医療機構というものがございます。医療機関等への融資等を担当しているところでござ いますが、これにつきましても同様に、近々に開かれる医療・福祉部会の方で、同じよ うな形での御審議をお願いするという予定になっております。この見直し案につきまし ては、本日、御意見をいただいた上で、改めて、今週中に開くことになっております総 会にて、決定させていただくということでございます。  最後の議事、その他でございます。その他につきましては、適宜、当部会においても 御報告申し上げているところでございますけれども、労働者健康福祉機構の長期借入金、 雇用・能力開発機構の債券発行と長期借入金といったものについて御報告をさせていた だきたいと考えているところでございます。  本日予定している議事は以上でございます。よろしくお願いいたします。 ○部会長  では、審議に入りたいと思います。まず、重要な財産の譲渡について。これは独立行 政法人評価委員会の意見を聞いた上で、厚生労働大臣が認可を行うということになって おります。そこで今回の財産譲渡につきまして、法人に説明をお願いし、その上で委員 の皆様の御意見を伺いたいと思います。それでは説明を、労働者健康福祉機構からお願 いいたします。 ○労働者健康福祉機構経理部長  経理部長の小池です。よろしくお願いします。資料1の関係について御説明します。 1ページ目、岩手労災病院を花巻市に譲渡する案件でございます。岩手労災病院は岩手 県の花巻市にありますけれども、労災病院の再編計画に基づき、19年3月末で廃止に なりまして、廃止後は病院の機能を継続して行うということで、地元の花巻市に土地と 建物を譲渡することとしております。  次に4ページ目、西有田労災委託病棟を有田町に譲渡する案件です。西有田労災委託 病棟は佐賀県有田町にありまして、町が運営しておりましたけれども、病院機能の向上 を図りたいとの町の要望を受けまして、有田町に建物を譲渡することとしております。  次の6ページ目、南烏山地区所在の財産を世田谷区に譲渡する案件でございます。南 烏山地区所在の財産は、東京都世田谷区にありまして、機構の研修施設等として使用し ておりましたけれども、建物の老朽化等により、これを取り壊し、世田谷区から子育て 支援施設として使用したいとの要望を受けまして、世田谷区に土地を譲渡するという案 件でございます。  これらの譲渡案件は、いずれも地方公共団体に譲渡すること等の理由から、当機構の 会計規程等に基づきまして、随意契約をしたいと思っております。  それでは戻りまして、2ページから順次御説明いたします。岩手労災病院の譲渡に係 る申請でございます。岩手労災病院は労災病院の再編計画におきまして、平成18年度 に廃止するということから、当機構は当院を19年3月31日までに廃止することとして おります。当院の廃止に当たりまして、花巻市等、地元関係者と協議した結果、花巻市 としては、当該地域においては当院廃止後も医療機関が必要であり、花巻市が機構から 財産の譲渡を受け、それを適切な医療事業者に貸与することによって後継医療機関を確 保したいと考えているということです。  機構といたしましては花巻市からの、こうした要望等を踏まえまして、処分の方向等 について検討し、今回、認可申請に至ったところでございます。この中の第1、処分等 に係る財産の内容です。土地につきましては病院敷地の関係が約2万5,000平米、建物 については病院と職員宿舎を合計して延べ床面積で約1万8,000平米。次に財産の評価 の関係ですけれども、これについて公になりますと今後の契約交渉上及び業務の都合上、 支障が出ることから、読み上げは差し控えます。なお、評価額につきましては、民間精 通者の不動産鑑定評価によるところでございます。  第2が処分等の条件です。当機構といたしましては、花巻市からの要望、地域におけ る医療事情を考慮し、3ページに4点ほど書いています。花巻市が自ら策定した基本構 想に即した医療を適切に提供し、医療活動を安定的に遂行する意思と能力を有すると認 められる医療事業者を選定すること。また、花巻市の選定する医療事業者が、基本構想 に基づいた医療活動を継続して実施することについて花巻市と合意していること。さら に、花巻市が当院財産の譲渡を受けた後、特別な事情のない限り10年以上医療機関の 用に供すること。そして4点目、花巻市が、花巻市の選定する医療事業者に対し、後継 医療機関における当院患者の引き継ぎ及び当院職員の雇用について配慮させること。以 上を条件に、花巻市に譲渡することといたしました。  第3番目が、処分の方法です。機構と花巻市の協定締結、それから花巻市の医療事業 者内定によって、譲渡条件が満たされたと認められることから、当機構の規定に基づき まして、随意契約をしたいということです。それから譲渡価格です。これについては、 先ほど病院敷地が約2万5,000平米と言いましたけれど、その中の所在地が志戸平に該 当する部分については約2万3,000平米あります。これについては昭和35年に岩手労 災病院を開設する際、国が花巻市から寄付を受けたものという点と、それから今回、花 巻市が医療事業者に貸与することによって当院の後継医療機関の用に供する等々のこと、 これらを考慮いたしまして、これを無償とし、志戸平以外の土地と建物については不動 産鑑定に基づいて適切に算出した時価としております。  それから第4につきましては、当機構の業務運営上の問題ですけれども、本件譲渡に つきましては機構法及び労災病院の再編計画並びに18年度の計画に基づき譲渡するも のですから、機構の業務運営上、支障はないと考えております。  次に、西有田の関係です。5ページになります。西有田の関係について説明する前に、 労災委託病棟について若干御説明します。労災委託病棟というのは、労災に対する医療 サービスの充実を図ることによって、労災病院のない地域、または委託病棟の設置によ り労災病院の分院的な機能を果たし得ると認められた地域の病院に設置して、地方公共 団体等に運営を委託しているものでございます。当機構は、当初、病棟の建設経費や設 備費についても出資しておりますけれども、病棟の運営費についてはすべて受託者が負 担しています。最初に設置されたのは昭和39年に、栃木県から始まって、昭和57年ま でに15の施設が設置されました。しかしながら、近年、労働災害の発生が少なくなっ たということから、現時点では5病院に委託しています。  今回の処分対象である西有田労災委託病棟については、5ページの4番に書いてあり ますけれど、昭和42年当時、近くに松浦炭田の炭鉱が存在し、じん肺患者の収容及び 外傷等による長期の入院患者の収容等を目的として、西有田町から労災委託病棟の設立 の申請がありまして、47床の病棟として設置したものであります。3番にありますよ うに、17年12月の段階で、当時の西有田町長から、労災患者が減少していること、及 び病院機能の再調整を行う必要性があるということから、委託解除の申請がありました。 当機構といたしましては、これ以上労災患者の増加が考えられないこと、それから病院 機能の再調整が必要であるとする西有田町の要望等を踏まえまして、処分方法について 検討し、今回、認可申請に至ったものでございます。  処分の内容でございます。これについては病棟が1棟、延べ床面積が約900平米、委 託先は町立の有田共立病院でありまして、土地につきましては有田町から借りておりま す。この財産の評価額につきましては、先ほどの岩手と同様に、読み上げは差し控えま す。評価額につきましては不動産鑑定評価によって行っています。処分等の条件ですけ れども、譲渡価格につきましては不動産鑑定評価の手法に基づきまして、適切に算出し て設定した時価としております。第3番目が、処分等の方法です。西有田労災委託病棟 は、町立の有田共立病院に併設されたものであります。そういうことから、病院の構造 上、分断することは不可能であるという問題点と、有田町が労災委託病棟を含めた病院 全体を地域医療の中核病院として、病院機能の再調整を計画していることから、当機構 の会計規程に基づいて、随意契約にしたいと考えております。第4につきましては、機 構の業務運営上の問題でございますけれども、本件譲渡は委託解除のものであることか ら、機構の業務運営上、支障はないものと考えています。  次に7ページ目、南烏山地区財産の処分に係る申請です。7ページの4番にあります けれど、世田谷区南烏山地区には烏山倶楽部、烏山会館、烏山第一及び第二宿舎がござ います。設置後、職員の研修や宿泊施設、職員の宿舎として利用しておりましたけれど も、これらの建物はいずれも築35年以上経っていることから、耐震性等の問題から、 平成18年3月31日をもって廃止しています。当該土地につきまして、世田谷区長から、 子育て支援などに使いたいので譲渡してほしいという要望書が機構宛に提出されました。 そこで当機構といたしましては、世田谷区が公共用に利用する計画であること等から、 世田谷区からの要望を踏まえまして、処分等の方法について検討し、今回、認可申請に 至ったものでございます。  第1に、処分の内容でございますけれども、土地が約2,300平米、財産の評価額につ きましては、先ほどの岩手労災病院と同様に、読み上げは控えます。評価額につきまし ては不動産鑑定評価でございます。処分等の条件でございます。譲渡価額については不 動産鑑定の手法に基づいて適切に算出したものでございます。それから処分の方法等で ございます。これは世田谷区が、全国的な課題となっている少子化や次世代育成支援対 策の一環として、当該土地を子育て支援施設等に利用したいこと等の理由から、当機構 といたしましては随意契約をすることとしております。第4番目に、当機構の業務運営 上の問題点につきましては、今後、当該土地の利用計画がないこと等から、機構の業務 運営に支障はないものと考えています。  以上、3案件についての譲渡に係る審査でございます。よろしくお願いいたします。 ○部会長  ありがとうございました。今の説明に関して、何か御質問、御意見があればお願いい たします。 ○宇佐美委員  最初の、花巻市の件ですが、ここに今おられる先生や職員の方も、そのまま引き継ぐ というお話ですが、その際、よくわからないのが、いわゆる民間でいうところの退職金 の引当金だとか、今までいたことに対する引き継ぎといいますか、そういうものは、ど ういうふうになっているのでしょうか。特に従業員の退職金の引当金など、そういう退 職金の規程がそのまま引き継がれてそのまま支払われるとか、いろいろ、その辺の話し 合いがないといけないのではないかと思いますが、その辺についてお教え願います。 ○労働者健康福祉機構経理部長  当然、今回、3月31日をもって廃止します。そういった関係では、百数十名の職員 がおられ、基本的にその方々に対しての退職の関係はございますけれども、一方で、岩 手労災病院から他の労災病院へ移る方については、当然、異動が伴いますから、それは 退職金は出ません、例えば看護師さんで、そこでやめられるという場合にあっては、当 然、そういった退職費用がありますし、先生の御質問の関係の退職金の引当金の関係等 については、当然、我々としては、労災病院としての資金として用意しております。 ○部会長  ほかにないようでしたら、今回のこの、重要な財産の譲渡については、了承すること としたいと思いますが、よろしいでしょうか。 〔了承〕  ありがとうございます。それでは、厚生労働大臣に対し、意見なしである旨を書面に て回答することといたします。具体的な文案につきましては、私が事務局と調整して決 めさせていただくという形で御一任いただければと思いますが、よろしいでしょうか。 〔了承〕  では、そのようにさせていただきます。  それでは次に、勤労者退職金共済機構及び高齢・障害者雇用支援機構の役員退職金の 業績勘案率でございます。これについての御審議をいただきます。まずは事務局から試 算結果についての説明をお願いいたします。 ○事務局  資料2−1と2−2をごらんください。勤労者退職金共済機構と高齢・障害者雇用支 援機構の2法人の役員退職金の業績勘案率についてでございます。  まず、資料2−1でございます。勤労者退職金共済機構の茂木繁理事につきまして、 在籍期間は平成15年10月1日から18年9月14日となっておりまして、夏の部会等で も御説明しましたとおり、いつものとおりでございますが、業績勘案率を個別評価項目 に基づいて算出した数字が、ここにありますように15年度が1.22、16年度が1.25、 17年度が1.31となっておりまして、これに対応する平均値の分類がY、そして各分類 に対する率が、それぞれ1.0となっております。これらをあわせて36カ月分というこ とで、業績勘案率の算定は1.0となっております。  それから(3)にあるように、目的積立金につきましては当該法人はございません。 それから(4)にあるように、当該法人からの退職役員に関する申請はございません。 これを踏まえまして、当該退職役員につきまして、評価官室における試算は1.0となっ ております。  続きまして、資料2−2をごらんください。高齢・障害者雇用支援機構の2名の退職 役員について、評価官室にて試算してございます。まず木村富美雄理事につきまして、 在籍期間は平成15年10月1日から平成18年9月1日。征矢紀臣理事長につきまして、 在籍期間が平成15年10月1日から平成18年9月25日。ということで、同じ月までで すので同じ勘案率の算定となります。算定につきましては、先ほどと同様に、個別の評 価項目の平均値を用いまして、15年度が1.18、16年度が1.23、17年度が1.42。これ に対応する分類はYとなりまして、対応する率が1.0となります。こちらも同様に36 カ月ということで1.0となりまして、目的積立金もありませんし、当該法人からの申請 もありませんので、評価官室の試算結果は1.0となっております。以上です。 ○部会長  ありがとうございます。続きまして、勤労者退職金共済機構の退職役員について、法 人からの説明をお願いいたします。 ○勤労者退職金共済機構総務部長  勤労者退職金共済機構でございます。茂木理事につきまして、御説明申し上げます。 資料2−1の冒頭にございますように、在籍期間につきましては法人設立時点の15年 10月1日から18年9月14日までの約3年間でございます。担当職務でございますが、 総務担当理事といたしまして、機構の中期計画の達成のための進行管理、あるいは業務 の全般的な調整、あるいは組織・人員体制の整備等に、この間、尽力してまいったとい う状況でございます。以上でございます。 ○部会長  次に、今度は高齢・障害者雇用支援機構の退職役員について、法人から説明をお願い いたします。 ○高齢・障害者雇用支援機構総務部長  高齢・障害者雇用支援機構の藤澤でございます。今年の夏の労働部会の業績評価の際 には、いろいろ委員の皆様方から御指導をいただきまして、ありがとうございました。 私、去る9月の人事異動で、企画啓発部長から総務部長に異動をしております。引き続 き、どうぞよろしくお願い申し上げます。  資料2−2に基づき、御説明を申し上げたいと思います。本年9月に理事と理事長が 相次いで退職をしております。木村が理事で、征矢が理事長でございました。木村は理 事として、企画啓発と障害者助成の2つの部門を担当しておりました。いずれも独法の 発足以来3年間、役員として務めまして、理事長は独法化以前の協会の理事長時代を含 めると通算で7年間、勤務をしたということになろうかと思います。理事長は今年の夏 のこの労働部会にも出席をいたしまして、17年度の実績について説明を申し上げたと ころでございます。幸いにいたしまして、昨年度よりも高い評価をいただいたものと考 えておりますが、その結果を見届けて退職をしたということであろうかと思います。  なお蛇足ですが、前理事長及び理事、ともに役所の出身者でございましたが、後任の 理事長には、余り報道されておりませんでしたが民間出身者が就任しております。新規 採用になった者ではなく、従来から理事として勤務していた者が理事長に昇格したわけ でございますけれども、民間出身者が理事長となりましたのは、独法化以前も含めて初 めてのことでございます。以上、報告を申し上げます。よろしくお願いいたします。 ○部会長  以上の説明に関しまして、何か御質問、御意見がありましたらお願いいたします。 〔了承〕  それでは、申請のありました業績勘案率につきましては、原案のとおり1.0と決定し ますので、事務局より政・独委に通知をいただくようお願いいたします。  次に、高齢・障害者雇用支援機構の役員給与規程の変更について、御審議いただきま す。まず、法人から変更内容についての説明をお願いいたします。 ○高齢・障害者雇用支援機構総務部長  引き続きまして、御説明を申し上げます。資料3をごらんください。1枚目から3枚 目までが横になっておりまして、左側が、今回、改定された後の部分、それから右側が 旧ということで、これまでの規定でございます。大きく言いまして、改定の内容が2項 目ございます。  まず1項目目、これは資料3の1ページにありますように、役員給与の水準そのもの の引き下げでございます。夏の業績評価の際には、職員につきましては平均して4.8% 引き下げたというふうに御説明を申し上げたところでございましたが、役員につきまし ては7%の引き下げとさせていただいたところでございます。右側の旧の欄の、附則の 第3条で、例えば理事長が101万5,000円とございますが、これが94万4,000円。四 捨五入の関係がありますが、要するに7%ほど引き下げたというような改定をしたとこ ろでございます。理事長は平成15年10月の独法の設立時と比較して、通算で15%ぐ らいの引き下げになるところでございます。以上が1項目目でございます。  2項目目でございますが、資料3を1枚めくっていただきますと、同じように新旧対 照表がございます。旧と新を見ていただきますと、新のところにアンダーラインが引い てあります。第8条の4というところですが、今回、新たに規定を設けようという趣旨 のものでございます。これは期末特別手当でございまして、役員に対して支払われる、 いわゆるボーナスでございます。  これにつきまして、現職の公務員から出向してきた場合には、期間として通算しよう という措置を設けるものでございます。期末特別手当は、従来、6月と12月の年2回 に分けて支給しているものでございます。例えばその途中、9月とか10月に、公務員 から現職出向という形で機構に出向してきた役員につきましては、その年の12月の支 給の際に、半年分を在職したものとみなすという規定を設けるものでございます。たま たま当機構には、このような規定はこれまでありませんでしたが、他の独法をいろいろ 調べてみたところ、みんな同様の規定を持っているということもありまして、今回、こ のような規定を設けたいというものでございます。  逆に半期の途中で独法を退職して公務員に戻る場合には、こちらの方、独法の方では、 その後、半年分まとめての支給はしないという規定もあわせてつくったものでございま す。これは公務員給与法や人事院規則に、独法から戻ったときには公務員の方で通算し て支給するというような規定がございます。なお、これはあくまで現職出向という形で 出向があった場合の話でございまして、例えば事務次官を退職して機構に再就職をされ た場合など、そもそも役人に戻る予定のない方には適用されないものでございます。  さらに、これはボーナスの話でございますが、毎月の給与収入そのものにつきまして は、現職出向者につきましても、先ほど申し上げましたように、7%引き下げ後の当機 構の給与は支給されるということです。これは当然のことでございますが、そのように なっているところでございます。以上、よろしくお願い申し上げます。 ○部会長  以上の御説明に関して、何か御質問、御意見があればお願いいたします。 ○部会長代理  前回、他のところで私が質問したか、あるいは誰かが質問したと思うのですが、監事 の方は低くなっておらず同額です。これは、その額が規定の最低限であると聞いていま すが、その理解でいいのかどうか。それから、非常勤の監事も金額が変わっていません。 これもやはり同じような意味で変更しないということでしょうか。 ○高齢・障害者雇用支援機構総務部長  前回の議論は、私もその際、出席しておりませんでしたので、つまびらかでございま せん。そこはお許しいただきたいと思いますが、今の御質問は、ほかの独立行政法人も 監事の給与については同じ数字になっているのかというお尋ねでしょうか。 ○部会長代理  いえ、そうではなくて、ほかはみんな下がっているのに、監事だけ下げていないので はないかということです。 ○高齢・障害者雇用支援機構総務部長  監事につきましても、75万9,000円から70万6,000円への引き下げということでご ざいまして、6.983%、約7%の引き下げになっているところでございます。 ○部会長代理  私の質問は、第4条と附則の第3条との関係で、理事長や理事長代理、理事は、全部、 「4条の規定にかかわらず」ということで下がっていますが、監事だけは同額であるこ とについて、これは確か、他の独法だったかもしれませんが、最低がこの額であるとい うことで下げていないというふうに伺ったような気がします。そういう理由があれば構 わないのですが、この点について確認したいということです。 ○高齢・障害者雇用支援機構総務部長  確かに私どもでは、本則で役員給与を定めておりまして、さらに附則において、別の 水準で、当分の間はこのような低い額で行うというふうな規定をしているところでござ います。これは確か平成16年だったかと思いますが、我々としても、やはり役員がま ず一義的に姿勢を示そうということで、役員給与規定を附則という形で引き下げたもの でございます。ただ、今の御質問は、監事については本則の定めも附則の定めも同じで はないかという御指摘だと思いますが、どういう経緯でそうしているのか、今、この場 でわかりかねるところがございますので、またお時間をいただければ御報告申し上げた いと思います。申しわけございません。 ○宇佐美委員  本則と付則の関係ですが、この「当分の間」とは何かという規定はないのか。もう一 つは、次の附則の2並びに3ですが、具体的な額なり何なりで御説明いただかないと、 すぐには意味を理解できません。例えばこういう人が、いくらいただいていたけれども、 こういうことで、というような御説明をいただければ、理解がしやすいかと思います。 以上2点についてお願いいたします。 ○高齢・障害者雇用支援機構総務部長  先ほど申し上げましたように、やはり独法の役員として、経営に当たる上で対外的な 姿勢を示すというような意味もありまして、「当分の間」の引き下げを行ったわけでご ざいますが、その「当分の間」につきましては、特段の取り決めは内部でもございませ んで、そこは、我々、独立行政法人全体を取り巻く環境が同じであれば、やはり、こう いう形が続いていくのかなあというふうに思っているところでございます。  2つ目の御質問の、さらにその下の附則の2番、3番についてのお尋ねについて。今 回の役員給与規定の引き下げにつきましては、現在、この改定の段階で勤務をしている 役員につきましては、これは前にも確かこの場で御議論があったと思いますが、要はそ のままということで、役員が交代をした場合には、次に就任した者については新しい給 与規定を適用する。それからさらに、同じ役員であっても、役員任期が当機構は2年で すので、その2年間が切れてさらに再任をされる場合には、新しいといいますか、この 引き下げがあった後の額が適用されるという趣旨でございます。 ○宇佐美委員  そこは変えないという意味ですね。そういうやり方といいますか。 ○高齢・障害者雇用支援機構総務部長  そうですね。そこは公務員もそうですし、機構の職員についても同じでございます。 さらに役員につきましては、まさにこの本則、附則にございますように、附則で引き下 げるということで、一応、我々の立場、姿勢を示しているということもございまして、 こういう形でやらせていただければということでございます。 ○宇佐美委員  非常に変な質問ですが、古い方で、この本則の方の額のままの方はおられないわけで すね。全部、この附則の3条による支給ということに現在はなっているんでしょうか。 ○高齢・障害者雇用支援機構総務部長  おっしゃるとおりです。さらに申し上げますと、今回はこういう形で経過措置を設け ているわけですが、過去に引き下げた際にも、経過措置を設けた場合と設けていない場 合も一律に、在職している者も引き下げを行ったというようなこともございます。 ○部会長  よろしいでしょうか。 ○宇佐美委員  はい。 ○部会長  さらに御意見がなければ、高齢・障害者雇用支援機構の役員給与規程については、了 承してよろしいでしょうか。 〔了承〕  それでは、了承とさせていただきます。  次に、審議事項の順番が入れかわりますが、7番目にその他というのがありました。 平成18年度の長期借入金等について、各法人ごとに報告をお願いいたします。まずは 労働者健康福祉機構に関してお願いいたします。 ○労働者健康福祉機構経理部長  資料7−1をごらんください。これは平成18年の9月と11月末現在の、当機構の長 期借入金実績でございます。この借入は労働安全衛生融資の原資として、平成6年まで 借り入れていた財政融資資金の償還金の不足に充てるため、民間金融機関から資金の借 入を行っているものでございます。平成18年度の長期借入の関係につきましては、2 番にありますように、18年3月29日の労働部会の中で、年度計画の全体についての御 了承を得ております。  1番のところで、平成18年9月の借入について御説明します。新規借入金として5 億6,700万。注2にありますように、17年9月の借入金の償還に伴う借換分について 約8億5,900万。注3で、16年9月の借入金の償還に伴う借換の関係で6億4,200万。 合計すると20億6,800万になりますけれども、これについて平成18年9月に借入を行 っています。  18年11月につきましては、償還額が3億5,800万ほどありましたが、回収金や繰上 償還の関係等々がございまして、償還金の不足はないということから、借入は行ってお りません。以上でございます。 ○部会長  続きまして、雇用・能力開発機構についての報告をお願いいたします。 ○労働基準局勤労者生活部企画課長補佐  勤労者生活部企画課でございます。雇用・能力開発機構における債券発行及び長期借 入金の9月期の実績につきまして、資料7−2で報告させていただきます。財形融資貸 付のため、債券が321億円、長期借入金が355億円となっております。また借入条件で すが、債券については償還期間が5年で金利は年1.2%、長期借入金については償還期 間が1年で金利は年1.728%でございます。なお、下の参考につきましては、平成18 年度における長期借入計画と、それに対する9月期までの実績でございます。 ○部会長  以上、2法人の借入金の報告について、御意見、御質問があればお願いいたします。 ○部会長代理  少し細かいことで申しわけないのですが、労働者健康福祉機構の長期借入金で、借換 が2件、8億5,900万と6億4,200万ということで、利率が0.72と書いてありますが、 これは前の金利なのか、それとも今度借りかえた金利なのか、どちらを書いてあるのか。 あるいはこれは同額で借りかえたのでしょうか。 ○労働者健康福祉機構経理部長  借換は、その前のものについての借換でございまして、基本的にはその都度ごとに入 札をかけまして、その中で金利が一番安いものでやっております。したがって平成18 年9月26日の段階の金利の関係についても、9月27についても、その都度ごとに一番 低い金利のところでやっております。ですから1年間の中でやっていく中で、前のもの の金利の関係はありますが、その都度ごとに一番低い金利のものとなっています。入札 のあった中で一番低い金利の金融機関とやっております。 ○部会長  ほかにないようでしたら、長期借入金についての報告を承りました。これは報告事項 でございます。  次の議題に入る前に事務局の入れ替えがございますので、5分ほど休憩といたします。 ○部会長  それでは再開いたします。次に、雇用・能力開発機構の中期目標・中期計画の変更に ついての御審議をいただきます。まずは変更内容について御説明をお願いいたします。 ○職業能力開発局総務課長  職業能力開発局総務課長でございます。中期目標の変更の内容について御説明させて いただきます。資料はお手元の資料4−1、4−2の関係でございます。まず、資料 4−1をごらんください。現在の雇用・能力開発機構の中期目標でございますけれども、 この資料4−1の1ページの一番下にあるように、中期目標期間、平成16年3月1日 から平成20年3月31日までの4年1カ月、19年度末までの中期目標でやってきたと ころでございます。  現在、それぞれ目標に掲げた内容につきましても、例えば雇用開発業務では、相談件 数の増大ということで10%増の目標を掲げましたが、中小企業の相談においても平成 17年で27.2%の増を得られている。また80%以上の評価を得るという目標につきまし ても、中小企業の相談の17年で見ますと98%の評価を得ているというような状況です。 また、在職者訓練につきましても、80%以上の評価を得るという中におきまして、平成 17年には97%の評価を得ております。また離職者訓練につきまして、就職率75%以上 を目標としておりましたが、平成17年におきまして、79.6%の就職率となっておりま す。また委託訓練につきましても66%の就職率といった形で、それぞれ、おおむね目 標を達成してきたところでございます。  また、業務の効率的な実施につきましても、下の青枠で書いてございますが、一般管 理費及び業務費の15%以上削減、また助成金の支給等平均処理期間の10%以上短縮と いう目標を掲げておりましたけれども、平成17年度決算において17.2%減、また支給 等の平均処理期間についても17.9%の短縮を見たところでございます。  一方、職員数の600名削減につきまして、年間約150名ずつの削減で行ってきており ましたが、こちらは、19年度分の150名については、まだ現在、削減予定として残っ ているところでございます。  そういう状況でございまして、次の2ページをごらんください。中期目標の設定につ いて、この中期目標をほぼ達成しました。一般管理費及び業務経費について、中期目標 の「15%以上の削減」を、既に、17年度決算で対14年度17.2%減になっております。 また各業務においても、ほぼ目標を達成する見込みであるということです。また、この 「雇用保険三事業の見直しについて」の報告書におきましても、機構の支出も歩調をあ わせて中期的な視点で削減する必要がある。また、この「中期目標・中期計画を前倒し で見直すことを検討すべき」であるといった御指摘をいただいたところでございます。  これらを踏まえまして、19年度までの中期目標について1年前倒ししまして、19年 度から新たな中期目標を設定し、効率化に向けて取り組みたいと考えているところでご ざいます。そういうことから、現中期目標につきまして、3ページにございますように、 第1の中期目標の期間、平成20年3月31日までの4年1カ月としている期間につきま して、平成19年3月31日までの3年1カ月ということで修正をお願いしたいと考えて いるところでございます。  資料4−2が、現在の中期目標でございます。これにつきまして、この第1のところ に赤字で入れさせていただいておりますが、こういった形で修正をするということでご ざいます。よろしくお願いいたします。 ○部会長  ということで、1年前倒しにするということに伴う中期目標の修正というふうに考え てよろしいわけですね。 ○職業能力開発局総務課長  はい。 ○部会長  それでは、今の中期目標等の変更について御質問、御意見があればお願いいたします。 ○部会長代理  確認ですが、資料4−2にあるように、4年1カ月から3年1カ月に変更されるとい うことは、中期目標期間のいろんな数値等は、1年前倒しになっても、ほぼクリアでき るから、その部分は全部変更しなくていいという前提でしょうか。 ○職業能力開発局総務課長  御指摘のとおりでございます。一部、クリアできていない数字として、人の削減につ いて、また、雇用促進住宅の業務費の関係で、管理コストのおおむね3割削減という、 1ページの一番下の方にあるものにつきまして、19年度末までには達成できる予定で すけれども、これら達成できていないものにつきましては、次の中期目標の中に盛り込 んでやるということを考えているところでございます。 ○部会長  よろしいでしょうか。 〔了承〕  それでは、雇用・能力開発機構の中期目標等の変更について、了承したいと思います。 また、中期目標等の変更につきましては、万が一、誤字・脱字等による修正が必要とな った場合には、その対応を私に御一任いただければと思います。  次に、雇用・能力開発機構の中期目標期間の暫定評価結果(案)の審議に入ります。 暫定評価結果(案)につきまして、まず、起草委員である宮本委員から、暫定評価結果 の概要について御説明をいただきます。その後、法人より、中期目標期間の業務実績に ついて、10分程度で御報告いただきまして、その後、委員の皆様方の御審議をいただ きたいと思います。それでは、中期目標期間の暫定評価結果の概要についての説明をお 願いいたします。 ○宮本委員  資料5をごらんください。雇用・能力開発機構の中期目標期間の暫定評価結果(案) を説明します。1ページですが、まず1の(2)の、全般的な評価です。当委員会にお いては、機構が独立行政法人として発足以来、業務により得られた成果が、「良好な雇 用の機会の創出その他の雇用開発、職業能力の開発及び向上並びに勤労者の生活の安 定」という当機構の設立目的に照らし、どの程度寄与するものであったか、効率性、有 効性等の観点から、適正に業務を実施したかなどの視点に立って評価を行ってきたとこ ろですが、中期目標期間全般については、おおむね適正に業務を実施してきたと評価で きると考えます。  一方で、今後、主に以下の点で留意する必要があります。  同じ政策目標に向け、類似した業務を実施している各種機関が存在しますが、その中 で機構の果たすべき使命を明確にした上で、あらゆる場面において他の機関との連携を より一層深めることにより、有機的な施策の実現を図る必要があります。  また、サービスの質の向上の指標としてアンケート調査の満足度を掲げており、中期 目標・中期計画を上回っているところでありますが、否定的な回答とともに、「どちら かといえば役に立った」等の比率が高いことについても分析を行い、満足度を適切に業 務に反映できる仕組みを検討する必要があります。  機構が各種の目標の大部分をかなりのスピードで、かつハイレベルで達成したことを 高く評価するとともに、次期中期目標の設定において機構のより一層の実力向上に資す る厳正な目標となるよう、配慮願います。また、次期中期目標においても、ある特定の 項目において早期に目標を達成した場合、機構独自のより高い目標設定を行うことが望 まれます。  一方、中期目標期間を1年前倒ししたため達成できなかった項目、具体的には雇用促 進住宅の経費削減及び常勤職員数の削減、並びに「私のしごと館」の自己収入額と経費 削減は、次期中期目標の最優先課題として取り組んでいただきたいと思います。  次に2ページの中段をごらんください。2の、具体的な評価内容について、ポイント を申し上げます。まずは(1)業務運営の効率化について。組織体制については、関係 委員会を設置して、本部組織及び地方組織の見直しを行っていることは評価できますが、 今後は、機構内における人材育成の取組についても検討していく必要があると考えます。  経費削減に関しては、一般管理費及び業務経費について、既に平成16年度において 中期目標・中期計画の目標値を上回り、平成17年度においても、さらにその目標値を 2.2%上回る17.2%の削減を行ったことは評価できます。  助成金等の支給にかかわる処理期間の短縮については、中期目標・中期計画の目標値 を上回っており、今後も審査能力の向上や手続きの簡素化について、更なる取組が図ら れることを期待します。  各個別事業の効率的実施に関しましては、在職者訓練及び離職者訓練については、地 域の人材ニーズ等を踏まえた訓練コースの設定が行われており、また離職者訓練につい ては積極的な民間委託の拡大が行われていると評価できます。  民間外部講師の活用については、中期計画の達成が困難な見通しですが、この背景に は、離職者訓練の民間委託の割合を、平成14年度の49.8%から平成17年度には 72.4%にまで高めたこともあると考えられ、今後とも、離職者訓練の民間委託が積極的 に行われることが強く望まれます。  私のしごと館の業務運営については、自己収入の増加と経費の効率化に向けて、様々 な取組が行われていますが、自己収入額にその効果が余り反映されていないところです。 今後は厳しい財政事情を踏まえ、経費の削減を図るとともに、自己収入の増加に向けた 抜本的な取組の強化が望まれます。  次に3ページの中段、(2)をごらんください。国民に対して提供するサービスその 他の業務の質の向上についてです。まずは、業績評価の実施及び公表による業務内容の 充実について。業績評価に当たっては、各事業について施設ごとの目標の設定及び進捗 管理を行い、その結果をホームページで公開するとともに、サンプル調査も行っていま すが、今後は事業効果測定についてのサンプル調査の方法・内容について検討する必要 があると考えます。  2番目に、雇用開発業務について。相談業務については相談件数、評価とも、中期目 標・中期計画を上回っていますが、今後はアンケートでの「役に立たなかった」という 回答の理由を重く受けとめ、満足度調査の指標が雇用開発の政策目標と合致しているか どうかの視点が必要であると考えます。  助成金業務についても高い評価を受けていますが、「どちらかといえば理解できた」 の評価の割合が高いことを重く受けとめるとともに、助成金申請に当たって、どのよう な説明・支援が役に立ったのかを把握することが重要です。また、不正受給の防止につ いても、その徹底・強化を図るとともに、これらの措置の効果について検証が可能とな るような指標の設定を検討すべきであると考えます。  次に4ページの中段、3番をごらんください。職業能力開発業務についてです。まず、 職業訓練の実施については、適宜、訓練コースの見直しが行われておりますが、今後も 人材ニーズの把握を継続していくとともに、企業側のニーズだけでなく、求職者側のニ ーズ把握も行うべきであると考えます。  在職者訓練については高い評価を得ていますが、「どちらかといえば役に立った」と の評価も多く、習得度の測定・評価の実施について、より一層の取組を期待します。  離職者訓練の就職率については、施設内訓練及び委託訓練ともに中期目標・中期計画 を上回って上昇していますが、委託訓練については、さらなる就職率の引き上げが図ら れることを期待します。  学卒者訓練については、高い就職率は評価できますが、今後、工業高校等との連携を 一層深めるとともに、地域とも連携し、労働市場の需要に合った人材育成が引き続き行 われることを期待します。  若年者対策について。まず、ヤングジョブスポットについては、若年者のキャリア形 成支援に一定の役割を果たしていることは評価できますが、今後は地方自治体とも連携 した取組を展開するとともに、支援拠点の重点化を図る必要があると考えます。  私のしごと館については、サービス利用者の延べ数が平成17年度には約52万人と、 中期目標・中期計画を上回り、アンケート調査でも高い満足度評価を得ており、若年者 のキャリア支援を総合的に支援する施設としての役割を果たしているものと評価できま す。今後は一層効果的な施設運営を目指すとともに、職業意識の形成から適職の選択、 キャリア形成に至るまでの体系的な事業の充実を図ることを期待します。  また、日本版デュアルシステムの就職率については、相当程度の定着と成果を挙げた と考えられます。  技能者育成資金についても制度の周知を図り、審査能力の向上にも努めているところ ではありますが、その回収状況については十分な措置が講じられないまま回収不能にな っているなどの問題点も指摘されておりますので、今後、様々な回収強化策を講じるこ とにより、その回収率の向上を図る必要があると考えます。  次に6ページの中段、4番をごらんください。勤労者財産形成促進業務についてです。 勤労者財産形成促進業務については、中期目標・中期計画に沿った取組を実施しており、 評価できます。また、助成金については手続の簡略化や職員研修等の実施により、助成 金申請者の負担軽減、審査能力の向上等も図っております。  5のその他ですが、業務内容については、ホームページにおける内容を充実させ、ア クセス件数を増加させており、また勤労者福祉施設については、平成17年度末までに すべての施設の譲渡等を完了しております。  7ページの(3)、財務内容の改善等についてです。雇用促進住宅については、家賃 の改定や計画修繕の適切な実施を行っていますが、人件費及び事務費の管理経費等につ いては中期目標期間を1年前倒ししたため、目標の達成が困難な見通しであり、次期中 期目標期間において、早急かつ適正に措置されることを強く望みます。  常勤職員数については、毎年度、約150名の削減を行っておりますが、同様に中期目 標期間の短縮により、中期計画の600名を削減することは困難な見通しであり、次期中 期目標期間において、早急かつ適正に措置されることを強く望みます。  人件費については、ラスパイレス指数の改善を図るべきと考えます。以上で説明を終 わります。 ○部会長  続きまして、法人からの報告をお願いいたします。 ○雇用・能力開発機構企画部長  雇用・能力開発機構の佐藤と申します。まず評価シート1、組織体制、経費削減関係 でございます。組織体制につきましては、本部に委員会を設置し、(3)の検討結果に ありますように、本部・地方組織の見直しを図ったところでございます。特にAにある、 地方組織の見直しについては、都道府県センター、職業能力開発促進センターの事務・ 業務の一元処理を平成18年度までに計46道府県で行い、一元処理を完了させたところ でございます。  2の一般管理費及び業務経費の削減につきましては、あらゆる面での削減に努めた結 果、2ページの下の方にありますように、16年度、17年度ともに予算計画を上回る削 減となりました。右側に14年度との対比がございますけれども、両年度とも16.9%、 17.2%と、中期目標の15%を大きく上回る削減となっております。  さらに3ページ、助成金の支給関係でございます。助成金の支給については、3にあ りますように、(1)の平均処理期間の短縮に向けた措置を講じております。その結果 が5ページでございます。(2)にありますように、特に長い助成金について重点的に 短縮に努めました。その結果、平成17年度においては平均処理期間が23日となり、14 年度の28日に比べて17.9%短縮しております。目標の10%を7.9%上回ったというこ とでございます。  続きまして6ページでございます。職業能力開発関係業務の効率化の実績を記載して おります。在職者訓練、離職者訓練ともに、民間教育訓練機関との役割分担などを踏ま えながら、コースの見直しを進めた旨、記載させていただいております。  7ページの中ほどに、委託訓練がございます。委託訓練につきましては、(2)にあ りますように、委託訓練機関の開拓に努めました。その結果、(1)の4つ目の「・」 にあるように、民間委託の割合を、平成16年度で67.1%、17年度で72.4%と引き上 げ、民間活用を進めたところでございます。  続きまして8ページ、民間外部講師の活用でございます。こちらについては7にあり ますように、生産現場における先端的技術に関する分野などにおいて活用を図りました。 その結果、17年度には17.1%となっております。平成14年度の、16%の活用割合を 10%以上引き上げるという目標に対し、2年次において6.9%となっております。  また、その下の「私のしごと館」関係でございます。経済団体や教育関係者で構成す る、私のしごと館支援協議会といった場を活用しまして、集客あるいは顧客満足度の向 上に努めております。  9ページの、自己収入の増加、経費の効率化につきましては、PR活動などに取組ま した。その結果は10ページにあるように、自己収入については16年度、17年度とも に1億1,000万円ということでございます。(2)の、経費の効率化については、業務 の見直し、委託関係の精査といったものを徹底いたしました。16年度が16億円、17年 度が14.9億円ということで、経費の効率化に取り組んでいるところでございます。  11ページからは、サービスその他の業務の質の向上に関する事項でございます。ま ず、業績評価の実施、業務内容の充実の関係です。ここにつきましては(2)の業務の 見直しについて、下にある8つの事業について事業効果測定に関するフォローアップ調 査を実施しました。業務に反映する観点から検討会を設置し、改善方策について種々検 討を行った旨の御説明で代えさせていただきたいと思います。  続きまして13ページでございます。13ページから18ページまでは、雇用改善の支 援に関する取組の結果を記載しております。代表的なもので御説明させていただきたい と思います。まず(1)の、中小企業事業主等に対して行う雇用管理の改善に関する相 談でございます。ホームページ、あるいはパンフレットを通じて周知を図りました。そ の結果、中期目標期間最終年度までに、14年度に比して10%、7万2,000件以上とす るという目標に対し、16年度、17年度ともに8万件を超える結果となっております。  また、Aのアンケート調査の実施についても、「ロ」に結果がありますように、「役に 立った」あるいは「どちらかといえば役に立った」といった結果が、96.6%あるいは 98.0%と、いずれも80%以上の目標を達成しております。  続きまして14ページでございます。もう一つ主要なものとして、研究会、講習会の 実施がございます。その結果を記載しております。雇用管理研究会・講習会につきまし ては、17年度において、@にありますように受講者が約2万人でございます。そうい った方々に対して、雇用管理の改善の上で役立ったかどうかの調査をしております。い ずれも、16年度、17年度ともに、80%を超える結果となっております。さらに「ハ」 にありますように、平成17年度からは事業効果測定に関する調査も実施しております。 3カ月後の時点ではありますけれども、雇用管理の必要性を認識したという方々が、17 年度は71.5%となっているところでございます。  以下、18ページまで、建設業事業主に対する相談・研修を含めまして、業務の種類 ごとに講習会等に関する満足度あるいはフォローアップの結果などを記載しております。 満足度については88〜98%といった間で推移しております。いずれも目標を達成して いるということですので、説明を省略させていただきます。  続きまして19ページ、助成金の支給関係でございます。助成金の支給については、 制度の周知、あるいは相談の実施ということがございます。制度の周知などにつきまし ては、ホームページの周知、あるいはAにあるようにパンフレットの作成、配布による 周知といったことを進めまして、19ページの一番下にありますように、16年度におい ては13万7,000人、次のページに移りまして17年度には9万人、あるいは、その他7 万件余りの相談を実施しております。アンケートなどにおきましては、「どちらかとい えば理解できた」あるいは「理解できた」という方々が9割を超えております。しかし ながら、「どちらかといえば理解できた」という方々が5割に達するところもあります。 アンケート結果の分析などを踏まえ、改善に努めているところでございます。  さらに20ページの(4)でございます。助成金については、不正受給の防止に向け た事業所訪問を行っております。21ページに、その実施数などを書いています。17年 度においては5,000件余りとなっております。不正受給防止に努めているところでござ います。  続きまして22ページ、評価シート7の関係でございます。22ページから29ページ は、職業訓練の実施に関するコース設定、あるいは訓練の実績を記載しております。職 業訓練コースの設定については、関係機関との連携を図りながら、人材ニーズの把握に 努め、コースを設定した旨、御説明させていただきたいと思います。  続きまして25ページでございます。個別の訓練の実績について、若干、御説明を申 し上げたいと思います。一番上にあります、在職者訓練関係でございます。在職者訓練 については、特に事業主のニーズに基づきまして、ものづくりを中心にした高度な訓練 の実施に努めたところでございます。その結果については(1)にありますように、受 講者のアンケートについては両年度ともに97%台と、80%以上の目標を達成しており ますし、(2)の派遣事業主の調査においても90%を超えております。いずれも80%の 目標を達成しているところでございます。  続きまして26ページ、離職者を対象とする職業訓練でございます。ここについては、 (1)の@にあります、適切な訓練コースの選定、Aにあります受講者の意欲・適性を 踏まえた受講者の選考、施設内訓練の就職支援、あるいは委託先への支援といったこと を通じまして、27ページのDにありますように、中期目標の最終年度までの目標であ る、施設内の75%、委託の60%以上を16年度、17年度、両年度において達成してい るところでございます。  続きまして28ページでございます。学卒者訓練についても、市場ニーズに対応した コースの設定、見直しを進めました。その結果、(1)の就職支援にありますように、 生産現場で直接体験するインターンシップをカリキュラムに取り入れまして、中期目標 期間最終年度までに達成すべき就職希望者の就職率95%以上を、両年度において達成 したところでございます。  続きまして30ページでございます。30〜31ページについては新分野展開関係でござ います。東京、大阪の支援センターを拠点に、創業・経営革新について能力開発の面か ら支援した旨、報告をさせていただき、詳細は省略させていただきたいと思います。  続きまして、32ページの若年者対策関係。(1)のAにありますように、ヤングジョ ブスポットを設置・運営しております。若年者の職業意識の啓発を図るために、また、 特に中ほどにありますけれど17年度からは参加者が見込まれるところに出向く方法を とり、以下に記載したいずれの事業についても17年度には相当大きな数となってきて おります。さらに33ページの「ロ」にありますように、利用後の調査においても80% の者から「就職に対する行動の変化があった」旨の回答をいただいているところです。  続きまして34ページ、「私のしごと館」関係でございます。「私のしごと館」につい ては、利用者数を40万人以上にすること、利用者のアンケート評価を80%以上にする ことを目標に実施しました。その結果は、利用者数についてはCの「イ」にありますよ うに、16年度、17年度ともに40万人を大幅に超えています。また、アンケート調査に おいては「ロ」にありますように、80%を超えて「参考になった」旨の評価をいただい ています。また、「ハ」のフォローアップ調査においても約85%の方々から、具体的な 変化があった旨の回答をいただいているところでございます。  35ページ、訓練の実施でございます。フリーター等の若年者を対象に、座学と企業 実習を組み合わせて行うデュアル訓練の実施の関係です。@〜Bにありますように、機 構の施設内あるいは委託を活用したものなど3種類の訓練を行っています。実習企業を 確保しつつ、2万5,000人強の方々に訓練を実施しました。@にありますように委託に ついては就職率が約72%、Bの職業能力開発促進センターにおいては約95%の就職率 となっているところでございます。  36ページでございます。キャリア形成相談に関する内容については、100万件を超え る相談を実施しました。(3)にあるように、受けた方々の、回答者の98%から「役立 った」旨の回答をいただいたところでございます。  続きまして38ページでございます。評価シート13、調査・研究については職業訓練 の実施に関する調査研究に努めたことを、ここで御報告申し上げまして、以下、省略を させていただきたいと思います。  39ページでございます。職業能力開発関係の、キャリア形成助成金の関係でござい ます。助成金の目標については、先ほどの雇用開発関係と同様でございます。制度の周 知と理解の促進、あるいは不正受給の防止に向けた事業所訪問というところでございま す。制度の理解度は39ページの「ニ」にありますように、雇用開発関係とほぼ同様の 結果となっておりますので、省略させていただきたいと思います。  続きまして42ページ、勤労者財産形成関係でございます。勤労者財産形成関係業務 に関しては、制度や申請手続きなどについて、ホームページでの公開あるいは説明会の 実施ということがあります。(3)にあるように、ホームページのアクセス件数につい ては目標を大きく上回る状況にあります。  続きまして44ページの情報提供関係でございます。必要とされる情報を、分かりや すい表現で公開いたしました。45ページの(4)にあるように、目標のアクセス件数 である200万件を大幅に上回っている状況にあります。また、6にあるように、福祉施 設の譲渡については17年度をもって完了したところでございます。  続きまして46ページ、評価シート17でございます。予算、収支関係については、最 初にある財形融資の累積欠損金の解消が順調に進んでいる旨の御報告をさせていただき まして、その他については計画どおり進展しておりますので、省略をさせていただきた いと思います。  47ページ、雇用促進住宅でございます。Bとして管理経費の削減がございます。最 終年度までに30%の管理経費を削減するということに対して、2年次の17年度におい ては22%の削減状況となっております。約半分を超える22%の削減状況ということで ございます。  続きまして49ページ、評価シート18でございます。このシートについては、中ほど の、人員に関する計画について御説明させていただきたいと思います。4年の計画期間 中に600人、毎年度当たりほぼ150名を削減するとしております。16年度、17年度の 目標、150名ずつの300名に対して、16年度、17年度で313名削減していることを御 報告させていただきます。  以上、実績について御説明させていただきました。期間中、理事長の運営方針、リー ダーシップのもと、職員一丸となって取り組んだ結果でございます。さらに高いレベル を目指しまして、今後とも効果的・効率的な業務展開に努めたいと思います。以上でご ざいます。 ○部会長  ただいま報告いただきました業務実績についての御質問、それから中期目標期間の暫 定評価結果への御意見等をいただきたいと思います。 ○今村委員  最初に宮本委員から説明のあった内容について質問させていただきます。かなり、評 価の指標、アンケートの仕方について踏み込んで意見が述べられていると思いますが、 この委員会の中でもいろいろと議論が出たのですけれど、今後どのぐらい改善すべきか という取組について、もう少し具体的に方向が見えた方がいいと思います。問題は指摘 されているのですが、具体的にどういう方向にすべきかということが、もう一歩足りな いというか、その辺はもう少し議論があったというふうに思うのですが、このくらいで よろしいのでしょうか。 ○部会長  これは過去の評価ですよね。そうすると、どこまで踏み込むかというので、今後、こ れからの中期目標をどうするかという、その話が出てくるのですが、そちらに入れてい いか、それとも、この段階でするかということだろうと思いますが。 ○今村委員  そうですね、全般的な問題だと思うのですが、評価の仕方については、今後、かなり 改善する必要があるというのが全員の共通の認識だと思っておりまして、そういう意味 で、ここでかなり具体的に踏み込んで書かれたことは大いに評価するべきだと思います。 ただ、部会長が言われるように、どちらに入れるかというのは今後の課題だと思います。 ○部会長  事務局の方では、今のような話は、これからの見直し案の方に出てくるというふうに 解釈してよろしいですか。 ○職業能力開発局総務課長  今回の暫定評価結果の中で、こういう御指摘をいただいたということを受けまして、 事務局の方で中期目標を作成して、また御審議願う段階において、具体的な方策等を盛 り込んでいきたいというふうに考えております。 ○部会長  そうすると、今は、こういうことを盛り込んでくれというふうに言ってもらった方が いいわけですね。 ○職業能力開発局総務課長  本日いただいた御意見を受けまして、具体的な方策等についても、事務局の方で検討 させていただきまして、また御相談させていただければというふうに思います。 ○今村委員  あくまでも、これは過去の評価ですので、今後に向けては、また、その機会に発言さ せていただければと思います。 ○部会長  ほかに、いかがでしょうか。 ○宮本委員  評価シートの10ページのところに、「私のしごと館」の16年度及び17年度の自己収 入額が書いてあります。両年度とも1.1億円ということで、金額がぴったり同じ結果に なっているのですが、これはどうして、こういう同じ金額になるのか、御説明願います。 ○雇用・能力開発機構企画部長  正確には、昨年度の収入は1億800万円、16年度は1億1,000万円でございます。 切り上げの関係で、ともに1億1,000万円と表示させていただいております。 ○宮本委員  伺いたいことは、自己収入の努力ということで、毎年いろいろな形で入ってくるもの があるのだろうと思いますけれど、この前は入場料がいくらというような話が出ていま したが、そのあたりの努力をしても、16年度と17年度に関しては、ほぼ同額であった という理解でよろしいのでしょうか。つまり入場者の数やイベントなどで、少ないとは いえ、それなりの収入があるわけですが、そのあたりが両年度とも、ほぼ同じだったと いうことになりますね。 ○雇用・能力開発機構企画部長  有料入館者が若干減っているというのが一つあります。それからもう一つは、小学生 といいますか団体割引の方が相当増えたのですが、割引のために収入が思うほど上がっ ていなかったというのがあります。さらにもう一つは一般入場者の方で、やや料金の高 い方、100円ぐらい高い方ですが、この方が16年度に比べて少し落ちています。かな りPR活動などを進めてはおりまして、学校関係は増えているのですけれど、一般関係 が少し落ちたというのが主な要因でございます。 ○職業能力開発局総務課長  私のしごと館につきましては、先ほど企画部長からも話がありましたけれど、一方、 修学旅行生等の入館者については、2年以上前から予約を取っているというやり方であ りまして、その段階において、いくらというのを契約してしまっております。したがい まして、最近においては駐車場代を取る等の改定を行ったところでございますけれども、 17年度においては、まだその結果が反映されていないというものでございまして、今 後、そういった改善努力についての結果が18年度以降、反映されてくるというふうに 考えております。また、企業等からいろいろ御協力いただくというようなことについて は、次の中期目標の段階において、さらに検討していきたいというふうに考えていると ころでございます。 ○宮本委員  分かりました。 ○今村委員  今の宮本委員の質問に関連して、もう一つ、ここには書かれていませんが、この間、 私のしごと館にお邪魔したときに、企業等の広告スペースという形で料金をいただいて いるという説明がありました。それは、金額的には本当に微々たるものなのでしょうか。 ○雇用・能力開発機構企画部長  金額的には今のところ、大きい状況にはございません。 ○今村委員  つまり、この1.1億円の、さらに下の桁ということですね。 ○雇用・能力開発機構企画部長  はい、数100万単位というふうに聞いております。 ○松田委員  先般、私のしごと館を見学させてもらいましたが、改善するというのは、実質的には ほとんど無理ですね。ですから廃止をするか、抜本的な見直しをするか。廃止しない場 合、その抜本的な見直しは、どういう手を打つのか、それをお聞かせください。 ○職業能力開発局総務課長  しごと館については、また後ほど御説明させていただきたいと思っておりますけれど も、この次の中期目標において3年間でアクションプランを作りまして、実際の、具体 的な改善内容等を定めまして、それに基づいて行っていくということをやりたいという ふうに考えているところでございます。その結果を踏まえまして、さらに、どういうあ り方がよいかという見直しを行うということを、次の中期目標の段階でまた御説明させ ていただければと考えております。 ○部会長  その3年間のアクションプランが終わった段階で、廃止も含めて検討するという理解 でよろしいのでしょうか。 ○職業能力開発局総務課長  それは見直しの方向の段階で御説明させていただきますけれど、そういった考えでご ざいます。 ○宇佐美委員  担当でありながら、やや細かいところで恐縮ですけれど、2ページの4番、「中期目 標期間を1年前倒ししたために達成できなかった項目(雇用促進住宅の経費削減及び常 勤職員数の削減)」と書いてありますが、この次のところにもあるとおり、民間外部講 師も達成していないところがあるので、ここに「など」と入れた方がいいのではないか と思うのですが、いかがでしょうか。この2つだけではないのではないかと思いますが。 ○職業能力開発局総務課長  外部講師の活用について、目標が10%以上の増加に対して7%の増加ということで、 目標を達成していないという状況は、委員からの御指摘のとおりでございます。これに ついては、暫定評価結果の3ページの上の方で書かせていただいておりますけれども、 民間外部講師の活用について、平成14年と比較して「10%以上の増加を行うことは困 難な見通しである。この背景には、離職者訓練の民間委託の割合を平成14年度の 49.8%から平成17年度には72.4%にまで高めたこともあると考えられるが、今後とも、 離職者訓練の民間委託が積極的に行われることを強く望む」と書かせていただいており ます。この外部講師の活用については、今後、機構において、民間でできる訓練につい ては、もう、民間にお任せするという考え方に立って進めていきたいと考えていること から、こうした民間委託そのものを活用していくという形で実施していきたいというふ うに考えているところでございます。そういうことから、確かに目標を達成していない のは事実ですけれども、ここの括弧の中の、今後さらにやるというところには書かない ことにさせていただいたという考えでございます。 ○宇佐美委員  ですから、「など」と入れてはどうか。このままでは、この2つだけに限定されてし まっていることになりますから、そうしてはどうでしょうか。大きいのはこの2つだと 思いますが、民間外部講師も、いわば職員削減数など、意外といろんなところに波及す るのではないかとも思いますし、この2つが非常に大きな項目とは思いますが、「な ど」と入れてはいかがかという感じで読ませていただいたのですけれど。 ○寺山委員  2ページの冒頭にはちょっと書いてあると思いますが、我々評価委員として出したと きに、1年前倒しして評価するということ自体をどう見るか。それは書くべきかどうか、 ちょっと分からないので御質問したいと思うのですが、前倒しせよと言ったのは、私た ちでしたか。つまり御説明では、当局の御努力で、理事長以下、職員一丸となって、ハ イスピードかつハイレベルで達成したということをおっしゃっていて、私どもも一部を 除いてそう評価するわけですけれど、その辺のところを、これから1年前倒しするとい う法人も幾つかあるかと思うのですが、そのときに、そのこと自体をどう評価するかと いうことは、どうなのでしょうか。 ○部会長  結局、前倒しをするというアクションを起こした主体と理由はどこにあるかという話 ですね。 ○寺山委員  そうです。それをよいとするのか、それとも、それなら最初から評価自体をそうする べきかという、2つに分かれると思うのですが。 ○部会長  まあ、事情が変わったということだろうと思いますけれど、機構または所管課からの コメントはありますか。 ○職業能力開発局総務課長  前倒しで見直しをお願いしているのは、あくまでも、この機構において、15%の経費 削減という目標に対して17.2%の削減ということで、目標を達成したということから、 あと1年間、この目標のまま置いておいても、もったいないといいますか、それよりも 新しい目標を作って、新たな目標に向けて取り組ませたいということから見直しをお願 いしているところでございます。 ○部会長  分かりました。つまり厚生労働省の方から見直しをお願いしている、我々はそれを了 承する、ということだろうと思います。 ○今村委員  それに関連してですが、中期目標・中期計画を設定する際に、いつも議論になるのは 目標設定の水準に関してですけれど、1年前倒しで達成できたということは、目標設定 水準が甘かったのではないかという見方も可能になるわけで、それについて、そういう 質問が出たときに答えられるような準備というか説明は必要かと思うのですが、いかが でしょうか。 ○職業能力開発局総務課長  目標設定については、暫定評価の2ページの上の3番のところにおいても、「高く評 価するとともに、次期中期目標の設定において機構のより一層の実力向上に資する厳正 な目標となるよう、配慮願いたい」という御指摘をいただいているところでございます。 これを受けまして、次の中期目標を作る段階においても、現在、機構の方で、こうした 17.2%の削減を達成してきたという実績も踏まえた目標を作っていきたいというふうに 考えているところでございます。 ○部会長  この労働部会で承認してしまったという、我々の責任もありますので。ということで、 よろしいでしょうか。 〔了承〕  それでは、「など」というのを修正していただきまして、そういう形で、この中期目 標期間の業務実績の暫定評価結果として、12月7日の総会に報告したいと思います。 万が一、誤字、脱字、事実誤認などによる修正が必要となった場合の対応については私 に御一任いただき、そのように扱わせていただきたいと思います。  それでは、次の議題に移らせていただきます。冒頭、事務局より説明がありましたが、 8月の部会において、雇用・能力開発機構及び労働政策研究・研修機構の「見直し当初 案」について御審議いただいたところでございます。まずは事務局より、この組織・業 務全般の見直しに係る経緯等を御説明いただきまして、個別法人ごとに見直しの内容を 説明いただくことにしたいと思います。法人ごとの説明は20分程度でお願いいたしま す。 ○室長補佐  8月に御審議いただきました見直し当初案につきましては、総会にお諮りした後、8 月末に総務省に提出いたしました。その後、参考資料1にあるとおり、政・独委及び内 閣総理大臣を本部長といたします内閣の行政改革推進本部に設置されている行政減量・ 効率化有識者会議などでのヒアリング等により、見直し案についての検討を進めてまい りました。  今般、11月27日に発出された資料6−1「勧告の方向性」を踏まえました法人の見 直し案について、資料6−2、6−3を各法人所管課より御説明させていただきます。 ○部会長  それでは、御説明をお願いいたします。 ○職業能力開発局総務課長  雇用・能力開発機構の見直し案につきまして、資料6−2−1に基づきまして、御説 明させていただきます。まずは1ページをごらんください。せっかくの機会ですので、 機構の概要及び業務全体がどうなっているかということを整理させていただいておりま す。雇用・能力開発機構については、平成16年3月、特殊法人から独法化したもので ございまして、役員は8名、職員は4,228名でございます。所在地は神奈川県にござい まして、本部として7部1室、事務所として47カ所、能力開発施設として75カ所を持 っております。事業概要としては、能力開発業務、こちらは能力開発施設の運営等でご ざいます。それから勤労者財形業務。雇用開発業務は相談、助成金支給等でございます。 その他として、雇用促進住宅の関係の業務がございます。  業務の概要でございますけれども、2ページをごらんください。能力開発業務のとこ ろでございます。職業能力開発促進センター、いわゆるポリテクセンターで実施してい るものでございますが、このポリテクセンターは離職者訓練を中心とする施設でござい ます。この離職者訓練については、ハローワークの求職者を対象に、職業に必要な技能 及び知識を習得させることによって、再就職を容易にするための訓練でございます。  また、民間でできる訓練については、民間による委託訓練で実施しているところでご ざいまして、この受講者数についても、施設内訓練が、15年度は6万人であったもの が17年度は3万9,000人となっています。一方、委託訓練については7万5,000人か ら17年度には10万4,000人ということで、民間の訓練機関への委託割合が55%から 72%に増加しているところでございます。また、離職者訓練の就職率については、施設 内訓練は79.9%、委託訓練は66.0%であり、委託訓練についてもインセンティブ制度 等を設けまして、就職率の一層の向上に努めているところでございます。  在職者訓練については、在職者の方に対する技術革新や職務内容の高度化のための訓 練でございますけれども、訓練コースについて14年度の1万3,670コースから17年度 には1万1,478コースということで削減を図っているところでございます。  3ページでございます。生涯職業能力開発促進センター、これは錦糸町にあるアビリ ティガーデンでございます。ここはホワイトカラーの職業能力開発に関する研究、先導 的・モデル的な教育訓練コースの開発・試行、情報提供、相談援助等を行っております が、訓練コースの開発実績で見ると平成17年度は26コースの開発を行っております。  また、職業能力開発大学校。これは高卒者等に対する専門課程または応用過程の職業 訓練を実施しております。大学校が10校、短大が12校ございまして、定員は3,140名 でございます。17年度は98.4%の就職率を挙げているところでございます。  また職業能力開発総合大学校は、訓練指導員の養成を行っておりまして、相模原に1 校あるものでございます。定員は220名であったものを、平成16年度から200名に減 らしているところでございますが、就職率については97%でございます。  私のしごと館につきましては、若者を中心に職業意識の効率的な形成を図るための、 さまざまな職業体験機会、体系的な職業情報及び相談等をワンストップで提供しており まして、平成17年度は約52万人のサービス利用者がありました。  さらには事業主が訓練を行う場合の指導員の派遣、あるいはキャリア形成の支援のた めのキャリア・コンサルティング等の実施を行っております。  次に4ページ、財形業務でございます。銀行などに蓄積された財形貯蓄を原資に、社 内融資として勤労者に持家取得資金を融資する事業主等への資金の貸付等を行っており ます。この転貸融資について、貸付件数は3,912件でございます。  また、財産形成の助成金業務として、勤労者の財産形成を促進するための措置を行う 事業主に対しての助成金の支給も行っているところでございます。  それから雇用開発業務については、雇用管理に関する相談業務を行っております。こ れは労働者の募集・採用、適正配置、労働条件などの雇用管理全般に関する相談につい て、中小企業事業主、建設事業主等に対する相談を、それぞれ、ここに示したような件 数で行っているところでございます。  また、助成金の支給についても、中小企業における人材確保のための助成金等の支給 を行っているところでございます。  5ページでございます。雇用促進住宅についても、廃止は決定しておりますが、現在 の段階で14万1,000戸の雇用促進住宅を所有しているところでございます。  これらについて、それぞれ、訓練の写真等をつけてございますが、どういう見直しを 行うかということについて、12ページの方で御説明させていただきたいと思います。  まず、能力開発業務関係でございます。在職者訓練については、中小企業事業主等を 主な対象として、ものづくり分野を中心に真に高度なもののみに真に限定して実施する。 次期中期目標に訓練コースの削減幅を盛り込み、着実に実行する。勧告の方向の中では、 この削減幅ということは書かれておりませんが、我々としては、こういった形で考えて おります。また訓練の実施に当たっては、適切な受益者負担を求める。これは、在職者 訓練については事業主負担をいただいておりますけれども、これについて見直していき たいということでございます。  離職者訓練については、主にものづくり分野であって、その地域において民間にはで きないものに限定する。求人と求職のミスマッチの状況も踏まえ、訓練コースを精査し た上で実施する。したがって、民間で対応可能な訓練については、民間教育訓練機関等 への委託訓練を積極的に推進していくということでございます。  次に、学卒者訓練については、主として若年者を対象とした高度職業訓練に特化・重 点化します。  また、職業訓練指導員の養成については、単なる技能の習得の指導だけではなく、訓 練のコーディネートやキャリア・コンサルティングなど、公共だけではなく民間におい ても対応できる職業訓練指導員の養成を行っていきたい。指導員の方については、これ は定員が減っておりますので、この指導員の養成についても定員を削減していくことと しております。  それから、私のしごと館でございます。先ほど、委員からの御指摘もございましたが、 この見直しについては、この中期目標は5年間の目標として定めますけれども、私のし ごと館については、19年度からの3年間を改革期間として、これは厚生労働省の方で 改革推進計画を作ります。こちらの方では、私のしごと館の役割、また政策体系の中で の位置づけ、改革に向けて厚生労働省が講じる具体的措置内容等について盛り込みます。 また、雇用・能力開発機構の方で実際に行う改革実行計画、アクションプランを作成し ます。こちらの方では、今後の運営全般に係る実施目標、また収支改善目標等、その目 標達成のために機構が講じる具体的措置内容等を策定することとしております。この、 3年間を改革期間とするアクションプランなどを策定し、毎年度の進捗状況を評価・検 証します。また、この3年間の改革期間終了後、これを政策目標にあわせて評価し、そ の廃止も含めた抜本的なあり方の見直しを行いまして、厚生労働省及び機構は、その結 論に沿って、次期中期目標期間終了時までに具体的な措置を講じるということを盛り込 むこととしております。  次に技能者育成資金でございます。これについては、現在、貸付金の原資となってい る国からの補助を、次期中期目標期間内に廃止します。この国の補助は、返還がなされ なかった分について補助されているという面もありますので、貸付対象者を真に必要な 者に限定するとともに、この返還について、十分、実施していきたいというふうに考え ております。  次に、この在職者訓練、離職者訓練を行っている職業能力開発促進センター(ポリテ クセンター)については、こうした在職者訓練、離職者訓練の見直しを踏まえまして、 雇用失業情勢等に配慮しつつ、各施設の訓練内容及び実施規模の縮小を図ることとして おります。  また、生涯職業能力開発促進センター(アビリティガーデン)という、ホワイトカラ ー向けの施設については、訓練コースの開発・試行実施に特化。また施設の有効活用の 推進とともに、次期中期目標期間内に施設のあり方の見直しを検討します。このアビリ ティガーデンにおいては、ホワイトカラー向けの訓練コースの開発・試行のほか、一部、 継続実施も行っておりましたが、ホワイトカラー向けの訓練の実施については民間機関 等でもできるということから、継続実施は民間機関等に行っていただくことにしたいと いうものでございます。  学卒訓練を行っている職業能力開発大学校・短期大学校については、訓練定員の見直 しや訓練科の整理・縮小を行うとともに、その状況を踏まえ、施設のあり方及び配置に ついて、実績の低調な施設の統廃合を含め、次期中期目標期間内に検討し、必要な措置 を講じることとしております。  これらポリテクセンター、アビリティガーデン、能開大・短大について、それぞれ施 設ごとのセグメント情報を踏まえた具体的な業務運営の達成目標を定めた上で検討を行 っていくこととしております。  次に、雇用開発業務等関係でございます。相談等業務については、中小企業事業主に 対する相談等について、中小企業の人材確保や職場定着に資する内容に重点化していく こととしております。また助成金の支給業務についても、こうした形で労働者の雇用の 安定に資する取組への助成、また人材確保や職場定着といったものに重点化していくこ ととしております。就職資金の貸付については、アイヌ地区住民の方に対する貸付の返 還基準の見直し、また沖縄県内の居住者に対する貸付については、利用状況が低いとい うことも踏まえまして、平成18年度末をもって廃止したいと考えております。また、 介護労働者を雇っている事業主の方が、介護労働者が働きやすくなるような施設整備を 行った場合において介護労働者の債務保証を行っている介護労働者債務保証については 廃止いたします。雇用促進住宅業務については、既に廃止することは決定していますが、 この事業をできるだけ早期に廃止するということについて、次期中期目標等の策定時ま でに結論を得たいというふうに考えております。その結論を踏まえて、次期中期目標等 に具体的な計画を明記し、適切に対応してまいります。  勤労者財産形成促進業務でございます。助成金業務については、経過措置を設けた上 ですべて廃止いたします。また、融資業務については、労働者の方が家を買った場合に 事業主が融資している転貸融資、また教育訓練等の融資を除いて、ほかのものは廃止と いうことにしております。また一般利子補給業務についても廃止いたします。  その他でございます。雇用・能力開発機構について、非常に厳しい御指摘をいただい たことを受けまして、機構が行う業務については、次期中期目標期間終了時までに、ゼ ロベースでの見直しを実施することとしております。また、以下の4つについては、独 立行政法人すべてに指摘されている事項でございます。これについても、セグメント情 報の公表の充実等による中期目標等における業務の重点化・効率化に向けた取組の明確 化等の実施をいたします。また、一般管理費及び事業費に係る効率化目標について、現 行の中期目標等と同程度以上の水準の目標を具体的に示す。また、国における見直しの 取組を踏まえた随意契約の見直し。それから会議所等の施設の有効活用といったことに ついて、盛り込むこととしているところでございます。  資料6−2−2として、「勧告の方向性」と「見直し案」の対比表を作らせていただ いております。少し長くなっているのは、雇用・能力開発機構の意義等を書き込んでい ることによりますけれども、「勧告の方向性」において指摘された見直し事項について は、すべて盛り込んでいるところでございます。以上でございます。 ○部会長  ただいまの雇用・能力開発機構の見直し案について、御質問、御意見があればお願い いたします。 ○松田委員  13ページのその他で、随意契約と書いてあります。随意契約というのは、それは必 要でしょうけれど、あくまでも競争入札にしてはどうですか。予算の限度があるでしょ うけれど。今は、ほとんど競争入札ですよ。 ○職業能力開発局総務課長  これについては、全独立行政法人について共通で書かれておりますけれども、雇用・ 能力開発機構においては、随意契約に関して、また機構の方から補足していただければ と思いますが、特殊なものを除き、100万未満でしたでしょうか、その範囲に限られて いるところでございますし、基本的には一般競争入札及び企画競争入札において契約を 締結しているところになっております。さらに見直しを行っていくということでござい ます。 ○松田委員  ですから原則は競争入札です。それができない場合には随意も必要ですが、あくまで も競争入札が原則です。予算には限度があるでしょうけれど。 ○部会長  この随意契約の見直しの趣旨ですが、競争入札を原則として、そちらの方向に持って いきたいという意味ですか。 ○職業能力開発局総務課長  随意契約については、既に競争入札の方に移行するように見直しを行ってきていると ころでございます。これについても、今後ともそういった見直しを行っていくというこ とでございます。 ○部会長  要するに、そちらの方向に持っていくということですね。原則、競争入札の方に持っ ていきたいというのが、見直しという意味ですね。 ○職業能力開発局総務課長  はい。 ○川端委員  見直し案を拝見すると、大半が廃止・縮小ということで、これは時代に沿ったものだ というふうに考えますが、機構としては、無駄の排除をどんどんしているのか、それと も、もう、役割が減って、あるいは終焉して、整理・縮小に向かうのか。そういうとこ ろを、もしも両方を見るとすれば、どちらの方でしょうか。 ○職業能力開発局総務課長  今回、この見直し案における考え方でございますけれども、機構においては、民間で できるものは民間にという考え方の中において、ホワイトカラー向け等の訓練について は民間の教育訓練機関が大分充実してきたということを踏まえ、基本的にはものづくり 分野を中心に特化していこうという考えでございます。  今後、日本がものづくり立国としてやっていく中においても、この、ものづくり分野 の訓練の重要性というのは、当然残っているところであり、そこの分野について機構が 担っていく役割というのは当然あるし、また、大きなものであるというふうに考えてい るところでございます。 ○川端委員  ということは、従来担っていたところのものは、もうほとんど、今後、必要がなくな ってきて、ものづくりのところで新たに再生をするという考えになるのでしょうか。 ○職業能力開発局総務課長  雇用・能力開発機構の職業訓練については、基本的には従来からものづくり分野を中 心に行われてきておりました。景気が非常に悪かった時期において、その中で、一部、 短期のIT訓練等、そういったものについても機構の方で担ってきておりましたけれど も、こういったものについては民間に委託してできるということですので、そういった 部分については、もう、民間に委託していく。一方、従来から行われてきたものづくり 分野の訓練については、重要ですので、これについて、しっかりと取り組んでいくとい うことでございます。 ○部会長  恐らく、川端先生の御質問の中には、廃止したり縮小したり、これは一つの方向性と して、流れとして、あると思っていて、それは分かるんです。問題は、機構として残し ていく仕事について、それはなぜ残していくのかという基本的な考え方を、しっかりと 説明できるようにしておくことが重要であるという意味合いが込められているのだろう と思いますが、そういうことですよね。 ○川端委員  はい、そうです。 ○職業能力開発局総務課長  どうもありがとうございます。そういった、残すべきものについての意味あいに関し ては、中期目標を作成する段階においても、しっかりと踏まえて作らせていただきたい と考えております。 ○宮本委員  民間委託といわれていますが、具体的には、それはどういうことを考えているのでし ょうか。例えば、離職者訓練に関して民間に任せるといった場合には、雇用保険の範囲 で委託をしていくのか。 ○職業能力開発局総務課長  離職者訓練の民間委託については既に行っているところであり、安定所の求職者につ いて、こういう人については民間でもできるような訓練の方が向いているというような 場合については、機構の方で、ある程度、コーディネートをして、こうしたホワイトカ ラー向け的な離職者訓練をやりませんかということで、企画競争入札にかけます。それ によって、その民間教育訓練機関の方から手を挙げてきたところで、どういう講師を使 うか等は訓練機関でやるわけですけれど、そこに委託費を、雇用保険の事業の方からお 支払いしてお願いするという形になります。 ○宮本委員  そうすると機構の役割は、コーディネートとか、教育内容の開発とか、そういう部分 をやるということになりますか。 ○職業能力開発局総務課長  機構においても、ものづくり分野等の訓練については、これは機構で自ら行います。 一方、そうでないもの、民間でできるものについては、機構としてはコーディネートな どの役割を担っていって、実施は民間にお願いしていくということでございます。 ○宮本委員  分かりました。 ○今村委員  今の問題に関連して2つほど伺います。資料6−2−1の12ページ以降、見直し案 が幾つか出ています。また資料6−1の勧告の中には、「「真に高度なもの」の基準を 明確化して公表するものとし」とあります。今後そういう形で、この「真に高度なも の」というのは、どういうものかというのが具体化されて出てくると思うのですが、政 策的な優先順位として緊急性の高いものは何かという視点が余り伝わってこないような 気がします。  1番目の質問は、例えばワーキングプアーといわれるような、職業訓練が緊急に必要 な者に対して、これは厚生労働省の中での役割分担の問題もあるだろうと思いますが、 ここでは、そういうことは緊急性の高いものとして対応できないのか。これが一つです。  それからもう一つは、もう少し大きな問題ですが、先程来出ている、縮小とか廃止と いう形で私が一番心配しているのは、雇用・能力開発機構というのは、世の中で働く人 のための組織ですが、雇用・能力開発機構の中で働いている人たちのインセンティブと か、働く人の気持ちというのはどうなっているのかというのが、ちょっと心配になりま す。つまり、そういうふうにして縮小・廃止していく中で、やる気というか、前向きに 何か解決しようという意欲が、組織の中で減退していくのではないかという心配があり ます。もっと言うと、例えば市場という問題に関して、すぐ、二言目には民間委託とか そういう形で出てくるわけですが、実は組織の中、職員の中に市場という意識がやはり 必要なのではないか。つまり、もっと言うと、例えば機構を出て、民間企業なりに再就 職したりするときの、機構職員そのものの市場性みたいなもの、つまりプロジェクトを マネジメントして効率化して、私のしごと館も一つの例ですけれど、いかに収入を増や し効率化するということに対して、もっと、市場という意識を、機構の職員の中に育て ていくような、そういう計画があって然るべきではないか。これは以前、私が何回か前 の委員会で質問したことですけれど、そういうことに関しては、この計画の中に盛られ ているのか、いないのか。よろしくお答えをお願いいたします。 ○職業能力開発局総務課長  見直し案については、あくまでも、それぞれの項目について、どういう形で見直すか ということについて、政・独委等と調整の上、まとめたものでございます。先生から御 指摘いただきました、ワーキングプアーへの対策等、特に若年者ニート等の対策も重要 性を増しているわけでありまして、こういった対策について、機構が今後どういう役割 を果たしていくかということについては、中期目標を策定する段階において、そちらの 方で盛り込んでいきたいと考えております。  また、機構の中の職員の意識、あるいは機構の中の職員の市場的な見地ですが、縮小 等によって意識が縮こまらないようにというのは、これは当然、機構の中において努力 すべきことですし、我々としても注意しなければいけないことですが、市場についての 価値観等を持たせるということについては、やはり民間との交流が重要であるというふ うに考えておりまして、民間から機構に出向していただく、また逆に機構の職員が民間 に行って、こういう派遣で仕事をやっていくということによって、民間の考え方を吸収 していくことが重要であろうというふうに考えておりまして、そういった点についても 中期目標の段階において整理させていただければと考えております。 ○川端委員  先ほどの私の質問もそうですが、今の質問もそうだと思います。要するに、先ほど委 員長も言われましたが、全体に廃止・縮小という方向だけではなくて、最終的にどうい うふうになるのか、あるいは、したいのかというビジョンが見えない。もちろんそれは、 役割がどうか、存在意義がどうかという点にかかわってくるのですけれど、どういうふ うに持っていきたいのか。そのビジョンを明確にし、機構全体のビジョンとして、次の 目標のときに打ち出すべきではないかと考えます。 ○職業能力開発局総務課長  まさに御指摘いただいたとおりでありまして、現在、労働行政において重要性を持っ ているニート対策や、ものづくり立国という中における機構の位置づけと、これをどう 持っていくかということについて、当然、それを踏まえた次期中期目標を作成したいと 考えております。これについても、また、御審議等をよろしくお願いいたします。 ○部会長代理  その関係で、例えば私のしごと館について、費用削減という流れで来ていますが、と ころが先日、見学に行った感じでは、ソフトなどについては、もう、メインテナンスし なければならない部分が出てきている。また、やはり全体の位置づけで、海外にもある し、最近、日本でも民間でできましたよね。そういうところとの棲み分けの面で、見直 しの時期が来ているように思います。そういう意味で、減らすことばかりではなくて、 まさにプラスの部分があるのではないか。そうしないと、私のしごと館も、逆に言うと 立ち枯れていって、それこそ、やめた方がいいという話になっていって、なかなか、プ ラスの予算というのはつけにくいわけですが、今言ったビジョンの方をきちっとやれば、 取れるのではないかという気がしているんですけれど、そこはどうでしょうか。 ○職業能力開発局総務課長  私のしごと館について、暫定評価結果の5ページのところでも、@〜Bとして、キャ リア形成に至るまでの体系的な事業の充実への期待ということで御指摘いただいたとこ ろでございます。一方、財政状況が非常に厳しいということもありますので、できる限 りの経費の削減を図るとともに、魅力を高めることによって入館者等を増やすことによ って自己収入の増加等を図りながら、より効果的なものにしていくことが重要であろう と考えておりまして、中期目標の作成に当たっては、そういった点を踏まえた作成をし ていきたいと考えております。 ○宮本委員  私のしごと館に関して、御指摘は分かるといえば分かるのですが、例えば資料6− 2−2の3ページに見直し案と旧案とが並んでいて、例えば建設費に580億円、維持管 理費等で17億という数値が示されています。私のしごと館の計画がいつ始まったのか、 そのあたりはきちんと押さえていませんけれど、もともと非常に経費をかけてやるとい うことが前提で始まったことで、しかもこういう仕事の内容からして、そこから大きな 収益を挙げるということは非常に困難であるということは分かった上で、意義があるこ ととして始まったと思うわけです。それが、わずか3年の間で見直しが始まっている。 当初これを計画したのがどこか分かりませんけれど、そこの責任問題がうやむやのまま に、経費縮小、コスト削減というふうな形でどんどん流れていって、次期の計画では改 革方策まで来ていますが、当初に戻って、改革の前に、これは一体何のためにやったの かということなしには、この、見直し案というのは、あり得ないのではないかという感 じがします。これは機構の問題ではなくて厚労省の問題かもしれませんが、そのあたり を、もう一度きちんとした上で、単に経費がかかっているということではなく、世論の 非難に対しては、やはり当初に返って、何のために作ったのかということを明らかにす る必要があるのではないかと思いますが。 ○職業能力開発局総務課長  私のしごと館については、作るときにおいては、雇用対策基本計画閣議決定の中にお いても、こういう施設が必要であるという御指摘もいただき、また、いろいろ報告等も いただいた中で作ったものでございます。こうした点も踏まえまして、今度の改革推進 計画、厚生労働省で作成する計画においては、私のしごと館の役割及び政策体系の中で の位置づけといったものを、もう一度、しっかり書かせていただきまして、それに向け てどうしていくか、どうすべきであるかということを考えていく必要があるというふう に考えているところでございます。 ○部会長代理  その関連ですが、私のしごと館は、マスコミでかなり取り上げられています。最近、 いろんな情報が入ってくると、ポイントが何なのかというのが分からなくて、建設費が 高すぎたのか、あるいは中の、例えばテーブルなどがものすごく良すぎたのか、何が問 題なのか。政・独委から来ているものが、ちょっとずれているのではないかという気が します。だから本来の目的を、ある意味で、やりつつあるなあという気がするんですけ れど、ところが現に非難されている。どうして3年でこんな問題になっているのか。と いうのは、自己収入で賄えということを言っているのか、金をかけすぎたのか、無駄だ と言っているのか。その辺が、なかなか、私たちには分かりにくいというか、考えづら いところですが、そこはどういう理解をすればいいのでしょうか。 ○職業能力開発局総務課長  マスコミでいろいろ御指摘いただく中においては、当初は580億かけて作っています ので、この580億というお金についての指摘があります。また、近年いろいろ指摘され る中においては、交付金を使っているわけであり、この交付金について、マスコミでは 赤字という言い方をするわけですけれど、これが高すぎるのではないかという御指摘で す。それから最近出たものとしては、実際にやっている職業体験の内容について、リカ ちゃん人形をやっているというのを取り上げた御指摘をいただいたところでございます。 これについては、政・独委からの指摘にもありますが、こういう高いお金をかけて作っ たものですので、より有効に使う必要があるということと、交付金については、この財 政状況の中において、なるべく減らす必要がありますので、これについては減らすとい うことです。一方、政策効果については、当然、高めていかなくてはいけませんので、 それも高めなくてはいけない。また、体験業務等については、今後とも、より有効なも のになるよう、不断の見直しを図っていきたいということで考えているところでござい ます。 ○宇佐美委員  何回も出ている話で恐縮ですけれど、これからこの機構が、どういうことを重点にし ながら、どういうふうになるかというのが本当に大切だなあ、と。すべてが「縮小、縮 小」では、存在意義も問われるでしょうし、それこそ、そこにいる職員の方々のモラル にも影響するだろうと考えるわけです。そういう意味では、お話のあった中で、私ども のように、いわばメーカーにいる人間にとって、ものづくりに特化する。その、ものづ くりの中で、特に技能者に特化するんだというお話がありまして、全体には御存じのと おり、かなり単純的な労働というのは、中国を初めとするアジアに行っていて、日本が ものづくりで技能を放棄するわけには絶対にいかないわけです。  そういう世界の工場を指導できる技能者、より高度化した技能者と言った方がよろし いかと思いますが、これが、だんだん日本の中で少なくなっています。日本人でそうい うものを育成するのも、私どものような企業でも、なかなか難しくなっていますから、 こういうところで、しっかりとしていただくというのは、本当に意義があるなあ、と。 だから、ものづくりの技能者訓練において、雇用・能力開発機構がどういう役割を担っ て、どういうふうにしていくのかというのを、ぜひ、マイナス一辺倒でなく、時にはプ ラスで、他を削ってでもここをやるんだとか、そういうことが明快だといいなあという ふうに思いました。  それからもう一つ、私のしごと館が非常に問題になっているわけですが、広く見ると、 特に若者の勤労観とか仕事観について、こういうキャリア教育というのが非常に言われ ていて、このキャリア教育における、私のしごと館ではなくて、厚生労働省なり雇用・ 能力開発機構の役割というものが、どこにあるのか。本当に広い目で見たら、京都のあ そこだけでなく、日本全体にいろいろあった方がいい。どんどん学校に行って、小学生 なり中学生に職業の指導をしたり、あるいは体験したりする場所というのは、日本全体 から見たら本当にプアーだなあと思うんです。こういう状況において考えづらい立場に あるのは分かりますけれど、そういうキャリア教育において、厚生労働省なり雇用・能 力開発機構が、どういう位置づけにあって、どういうふうにするんだという、そういう のがなくてはいけない。どうも今、お話を聞いていて、今後の考えとしては、例えば技 能者の訓練と、学生の時代のキャリア教育という、そういう2本柱にして、こういうこ とを全体の中で、ここをやるんだとか、その辺が明快になっていくといいのではないか という感じが非常にいたしました。これは感想だけで恐縮ですけれど。 ○部会長代理  私の知り合いで、映画を撮っているカメラマンがいます。この人は60過ぎのベテラ ンですけれど、彼らが若いときは、5年も10年も食っていけなかった。そういう業界 が今でもあるとしたら、そういう部分のレベルを上げることができないか。闇雲ではな く、きちっと調べていけば、結構あるんじゃないか、と。特に伝統工芸などは、ただ働 きみたいなところが多いですよね。だんだん、技能を求められるところが立ち枯れてく るという感じがしているんですが、やはり大きなところとは別に、個々に見ていく必要 もある。映画なんかも、インドや韓国などは、明らかに政府が支援しています。だから 急激に進歩しているんですが、それは映画だけではなくて、他にも、そういう分野があ るので、きちんと調べて、そういう部分を支援していくというのも必要なのではないか という気がしています。  それからもう一つ、13ページの相談等業務で、特に建設労働者というのが書かれて います。1990年代に、ある筋の情報によると、不景気対策で、建設労働者がおよそ倍 になって企業数も倍になった、と。わざわざ、ここに建設労働者と書いているのは、こ れを減らすための、職業転換のためにやっているのか、そこはどうでしょうか。という のは、わざわざこれを書くなら、ほかにもいろいろあるのではないかという気もするも のですから。ここに具体的に建設労働者と書いている意図というのは、どこにあるので しょうか。 ○職業安定局総務課長補佐  職業安定局総務課でございます。これは公的に位置づけられた業務ということでござ いまして、その意味で特記するような形になっております。 ○職業能力開発局総務課長  建設労働者については、雇用保険の3事業の中で、建設業について別途いただいてお りまして、そこにおいて建設労働者の雇用改善という面から、特に問題のある業界とい うこともありまして、これを実施しているということでございます。 ○部会長  いろいろ御意見をいただいたわけですけれど、今いただいた御意見というのは、きょ う、御報告いただいた見直し案、それ自身というよりも、今後、中期目標・中期計画を 作っていく段階で盛り込んでほしい、はっきりさせてほしい、ということに集中してい たようです。この見直し案の扱いですけれど、次のようにしてはどうかと思いますが、 いかがでしょうか。すなわち、雇用・能力開発機構の中期目標の終了時における独立行 政法人の組織、業務全体の見直し案については、一応、了承して、今後、中期目標・中 期計画を作る段階においての、委員の意見がいろいろ出ました、と。それを集約すると、 雇用・能力開発機構が、今後、社会の中でどういう役割を果たしていこうと思っている のか。それが、どういう筋道で国民の幸せに結びついていくのか。それには、現実の環 境はこうなっているからだというビジョンを明快にしてほしいというのが一つあると思 うんです。そこを明快にすると、今度は、今日出てきたものの具体的な意味付けが、は っきりしてくる。例えば民間委託に出すものと、それから、機構が自身で絶対これはや らなければいけないものだという棲み分けが必然的に出てくるでしょう。  また、それがはっきりしてくれば、例えば私のしごと館にしても、その中には、公共 財的な要素が当然含まれているわけです。そこには、社会的な装置として必要な部分が 含まれている。今の世の中において、なぜ、それをしなければいけないのかということ が、最初のビジョンから導かれてくる、そういうビジョンが当然必要になってくるわけ です。そういうものを、しっかりと作ってほしい。ただ節約一辺倒ではなくて、とにか く国民の幸せのために、どのように機構が今後、役割を果たしていくのかということが 重要なわけですから、そこのところが、誰にでも分かるように、ぜひ、そこの筋道をう まく考えてくださいというのが皆さんの御意見だったような気がいたします。  そういうことをメモとして作成し、雇用・能力開発機構の見直し案に対する労働部会 の意見として、12月7日の総会において報告し、そして総会において結論を出してい ただきたいというふうに考えます。そのような取り扱いでよろしいでしょうか。 〔了承〕  では、そのようにさせていただきます。ここで事務局が入れ替わりますので、また5 分程度の休憩を入れたいと思います。 ○部会長  時間も押しておりますので、再開したいと思います。労働政策研究・研修機構の見直 し案について、担当課より説明をお願いいたします。 ○政策統括官付労政担当参事官  労政担当参事官の川口でございます。労働政策研究・研修機構、JILPTの見直し 案について御説明させていただきます。資料6−3−1の3ページに概要がございます。 時間の関係もありますので、概要で御説明させていただきたいと思います。  まず、これまでの経緯でございますけれども、夏に、当労働部会で見直し当初案を御 審議いただきました。その後、総務省の、いわゆる政・独委で御議論いただいたわけで ございます。政・独委の中ではいろいろと厳しい御指摘、御議論がございました。幾つ か御紹介いたしますと、まず、当機構の研究成果がどのように政策に結びついているの かが必ずしも明らかではないというような議論がございました。また、独法ではなく民 間でできる研究というものが相当数あるのではないか。あるいは、外部に委託できる研 究、さらには外部研究員の活用ということが、もっとできるのではないか、と。そのよ うに考えていくと、経済産業省の経済産業研究所と比べても、予算あるいは人員が多す ぎるのではないかというような議論がございました。  これに対し、私どもとしましては、労働政策の研究に当たっては、労働現場の実情あ るいは労働者の意識といったものを踏まえる必要があり、民間ではできない調査研究が 必要であるという主張をし、一定程度の理解は得たと思っておりますけれども、その結 果として、そのような民間ではできない研究ということに、大幅に重点化すべきである というような勧告の方向性になったわけでございまして、簡単に言いますと、研究業務 の大幅な重点化、それに合わせて予算・人員の大幅な削減をすべきであるという内容の 勧告の方向性になったわけでございます。その、総務省の政・独委の勧告の方向性を踏 まえまして、改めて見直し案を策定したところでございます。  以上が経緯でございまして、早速、その見直し案の概要について御説明申し上げたい と思います。3ページの図の左側、第1のところでございます。ただいま申し上げたよ うな議論を踏まえての事業の重点化でございます。労働政策研究事業の重点化として、 より一層質の高い労働政策研究を効果的・効率的に実施していくため、次のような措置 を実施することで、より一層質の高い研究を実施していくという観点から、プロジェク ト研究につき、まず重点化をするということでございます。プロジェクト研究の重点化 ということでございます。  それから個別研究については、機構がテーマを設定して実施する調査研究と、厚生労 働省の側から要請したテーマを研究してもらう要請研究という2つの範疇がありました が、機構がテーマ設定して実施する調査研究については廃止することとしております。 そして緊急性・重要性の高い、新たな政策課題に関する要請研究のみを実施していくと いう形で、大幅な重点化を図ることとしたいというふうに考えております。  3点目としましては、厚生労働省と機構との意見交換の仕組み。これについては見直 し当初案にも入っていたところでございますけれども、企画立案等への活用を検証する 仕組みを構築するということを書き加えております。  2番、3番は、研究事業の重点化に伴い、研究者等の招聘の事業、あるいは成果普及 などの事業についても重点化をしていくというものでございます。これらについては、 見直し当初案にも盛り込んでいたところではありますけれども、さらに大幅に重点化を 図っていくということにしているところでございます。  右側にまいりまして、研究と研修の一層の連携強化。これは当初案どおりでございま す。第1の点の、事業の重点化を踏まえまして、第3の実施体制の点でございます。事 務職員及び研究員の人数を大幅に削減するということでございます。これについては、 この見直し案そのものには、量的というか数字的な部分は含んでいませんけれども、事 務職員及び研究員の大幅な削減については、大体、約2割を削減するということで考え ているところでございます。さらに研究員の流動化を促進する観点から、任期付研究員 の採用を引き続き実施します。また、外部の研究者を活用しているケースも多数ありま すが、外部の研究者を活用する場合には、公募による調査研究への参加も行うというこ とでございます。  それから第4の点は、各法人共通の点であり、効率化に向けた取り組みの明確化等で ございます。見直し案の内容について、大変簡単な説明でしたけれども、以上でござい ます。 ○部会長  ただいま御説明いただいた見直し案についての御意見、御質問等があればお願いいた します。 ○部会長代理  今後、独自の研究はやらないで、厚労省からの指示でやるという御説明でした。そう いう前提で、ここの2番目に、緊急性・重要性の高い新たな政策課題というのがあって、 これは非常に重要だと思うのですが、一つ質問したいのは、私が知っているところでは、 たった10人の職場で、3月に1人、50代の人が死んで、つい最近、50代の女性が亡く なりました。これは1日に12時間働いていて、恐らく、1週間に1日ぐらいしか休ん でいないと思うんです。そういう、今の流通とか外食産業の現場のニーズがどうなのか というのを、本当に把握しているのかという感じがあります。ここで言っていることは、 うたい文句としてはいいけれど、こういうものを、どこが把握しているのか。というの は、独法がいろんな研究をしている中で、そこからニーズも出てくるのではないか、と。 独自に決めるというより、そういうニーズが出てくるのではないか、と。そのことは、 うたわないんでしょうか。 ○政策統括官付労政担当参事官  実はそういう点も含めて、機構が自主的にテーマを設定する研究というのを、現在の 機構においては行っているところでございますけれども、ただ、政・独委の議論の中で は、より政策立案に結びつく研究に重点化していくべきであるということで、機構がテ ーマを設定する研究という類型については廃止するという形になったわけでございます。  ただ、1の3点目にあるように、厚生労働省と機構との意見交換の仕組みを設けるこ とにしておりますので、その中で、お互いに問題意識を出しあう形で研究テーマの設定 を行っていきたいということで、これは今後の課題として考えていきたいと思っており ます。 ○松田委員  事務職員と研究員を大幅に削減とあります。2割削減ということですから、今の人数 でいくと、大体100名ぐらいになるでしょうか。これまでも、この研究機構は質の高い 仕事をやってきています。それを今度は外部に委託するというようなことをやって、果 たして質の高い仕事ができるかどうか、そこが懸念されます。ですから、事務職員はカ ットしても研究者は増やすべきではないでしょうか。両方とも大幅に削減して、質の高 い仕事ができると思いますか。 ○政策統括官付労政担当参事官  研究員と事務職員を、どういうバランスで配置していくかということは、これはまだ、 今後の課題でありまして、確かに研究が当機構の売りでございますので、なるべく研究 員の方に重点を置いた形の組織、人員体制を図っていきたいとは考えております。ただ、 政・独委の指摘は、研究の中にも、民間でできる研究もあるのではないか、この法人が 今やっている研究をすべてやらなくてもいいのではないか、という指摘でしたので、私 どもも御指摘のように、量よりも質の高さを保つ、より質の高い研究を行ってもらうこ とが重要ですので、研究の量的な部分については考え直していかなくてはいけないとい うふうに考えているところでございます。 ○宮本委員  外部研究者等を大幅に活用して、プロパーの研究員の数を減らすということですけれ ど、恐らく外部研究者というのは大学等の研究者のことをいっているのだと思います。 これまでの労働政策研究・研修機構の毎年の研究成果というのは、大学等と違って非常 に完成度が高いもので、そのまま使えるような形にまで、きちんとまとめられた形で出 しているわけです。大学の研究者には、そこまではできません。というのは、つまり、 教育、研究、その他、いろいろ持っている大学の者が、そこまでやることは不可能とい う性格のものだと思うんです。そういう意味で、研究員を何名くらい減らす計算になる のか、そこを具体的に伺う必要があると思います。今のような完成度の高いレベルの研 究というのは、恐らくできなくなるだろうと思います。外部研究員と、それから任期付 研究員で代えていくというわけですよね。恐らく任期付というのは若い研究員というこ とでしょう。そうすると、ベテランのプロパーの研究員が非常に少ない中で、完成度の 高い、しかも緊急性・重要性の高いものをというのは、非常に、無理な話ではないかと 思います。 ○政策統括官付労政担当参事官  総務省の政・独委への説明の時間が非常に限られていたということもありますし、ま た、私どものプレゼンの能力が足りなかった点もありまして、大学の研究に比べて、こ の法人の研究の方が非常に完成度が高いという点について、十分、政・独委の理解を得 られなかったということは残念でございます。  ただ、民間にできる研究は民間にやってもらう。あるいは外部研究員、その他、いろ いろな形で研究員の流動化を図っていくことで、ある程度の体制の削減ということは可 能ではないだろうかと、最終的に判断いたしまして、いわば政・独委の議論を受け入れ たところでございます。  具体的な数字をという御質問でしたけれども、現在、常勤職員が、2ページにあるよ うに134名です。これを5年間で19名削減するという計画でございます。その19名の うち研究員が何名、事務職員が何名というのは、まだこれからの検討でございます。  それと、外部研究員で、この常勤の内部研究員を置きかえていくのかという御質問で すけれども、一定程度、そういう面もありますが、基本的に外部研究員に任せきりにす るといいますか、言葉は悪いですが丸投げにするというか、そういう研究をやってもら う考えはございません。あくまで内部の常勤の研究員が核となって、そこに外部研究員 が参加するという形は維持してもらおうというふうに思っております。 ○宮本委員  少し付け加えさせていただくと、これまでの研究も、外部研究員はかなり使っている わけで、それの取りまとめをプロパーの研究員がやっているわけです。その仕事量だけ でも相当なものですよね。外部研究員ができることというのは、自分のところだけはや りますけれども、それを全体としてまとめながら、しかも従来から政策シフトになって いましたから、そういう取りまとめをする研究員の負担は、時間的にも能力的にも、か なりのものがある中でやってきたものだと思います。そこのところを削減しながら、外 部研究員をといいますけれど、それができるかというと非常に難しい。つまり研究の数 を減らすとか、そういうことになっていくだろうと思いますけれど、それで労働政策は いいのかという問題になるかと思うのですが。 ○政策統括官付労政担当参事官  当然、数を減らすことも考えていかなくてはいけないと思っておりまして、その分は、 いわゆる民間研究機関への委託ということを考えていかなくてはいけないと思っており ます。まさに、当機構でしかできない研究に絞ってやっていくということでございます。 ○松田委員  実際には、総人件費を5%削減するんですよね。人員を20%を削減するということ は、その5%の範囲内ですか。 ○政策統括官付労政担当参事官  5%を上回って削減いたします。 ○松田委員  その必要があるのでしょうか。 ○宇佐美委員  結局は再確認になるのですが、この機構独自にお金を稼ぐというのは絶対にできない のでしょうか。例えば委託研究を受けるとか。私自身もいわば労務屋といいますか、民 間から見て、非常にいい研究をされているなあというふうに思っていますし、そういう ふうに、かなりの人が認識していると思うんです。あるいは大学の先生からもあるかも しれませんし、よくわかりませんが、委託研究という形で、この機構独自に収入を得る というようなことは、絶対に不可能なのかどうか、もう一度確認させてください。 ○政策統括官付労政担当参事官  例えばシンポジウムやセミナーなどの事業もやっております。その中で一定程度、ま さに実費程度といいますか、そのような費用を徴収するということは可能性があるわけ でありまして、そこは検討していかなくてはいけないと思っております。  ただ、今、お話がありましたように、研究そのもので、まさに稼ぐということになり ますと、これは、いわゆる民業という形に近くなってくるわけですので、なかなか、今 の状況の中で受け入れられるのは難しいのではないかというふうに思います。 ○今村委員  JILPTの業務方法書を拝見すると、研究だけに特化してやるべきだというふうに は書いていなくて、いろいろと、調査や資料収集なども、はっきりうたってあるわけで す。そういう意味では、部会長が先ほどおっしゃった、公共財的な部分というのが随分 あるわけで、それを全く度外視して、調査研究で採算が取れないから縮小しろというの は、かなり乱暴な議論という印象を持ちます。  それから、利益を比較の軸にしているようですが、利益自体を単純に比較するのは不 可能と思われるぐらい、他の組織とは質的に違っていると思うので業務方法書に研究以 外にもいろいろとちゃんとうたってありますし、それから先ほどの受託に関しては、 国・地方公共団体、公益法人からしか受託できないということが書いてあるので、そこ は方法書の書きかえというか、そういう必要があると思いますけれど、他にないものは 残すべきではないか。この機構というのは、他には例はなくて、先ほどから出ているよ うに評価の高い効果がありますから、もう少し何か、プレゼンの仕方があるのではない かという感じがしています。  ただ、気を付けなくてはいけないのは、私の知っているところで、スウェーデンのあ る労働に関する重要な研究所が、政権が代わった途端に廃止になっています。そういう ことは決して珍しいことではないんです。逆に、フランスのCEREQという類似の機関 に関しては、もうずっと長いこと、データとか、調査資料等の蓄積をしている。そうい うところもありますから、もう少し幅広く、比較の材料などを使いながら、機構の業務 の重要性をしっかりアピールしていくことが必要ではないかと思います。すみません、 意見になってしまいましたけれど。 ○政策統括官付労政担当参事官  先ほども申し上げましたように、限られた政・独委の時間の中で、十分にプレゼンす るというのは非常に困難なことでありまして、私どもも、今回の経験からしましても、 日ごろからの世の中へのアピールということも、もう少し考えていかないと、そのとき になって急にアピールしようと思っても、なかなか難しいかなあというのが反省点でご ざいます。今後はその点も十分に気をつけていきたいと思っております。  それから、調査というようなお話がございました。そこがまさに当機構の売りであり まして、冒頭申し上げましたように、労働問題というのは現場実態の調査であるとか、 労働者や失業者の意識というものを十分調査した上で企画立案していくということが非 常に重要でありまして、単に分析だけしていればいいというものではありませんので、 調査の重要性というものは非常にあると思っております。その点は、幾分かは政・独委 の方にも理解してもらえたのではないかというふうに思っています。 ○部会長代理  民間のシンクタンクと比較して、論文数や労働時間といったあたりで遜色はないのか というのが一点と、もう一つ質問したいのは、今、雇用状況、労働状況がうんと変わっ ていますよね。そうすると、結構、いろんな研究が必要ではないかというふうに僕なん かは感じているんですけれど、それを「減らせ」、「はい」、ということでいいのか。そ の部分で、恐らく、これだけはやりたいということがあるはずです。十分、やりたいこ とがやれているのか、あるいは、今後こういうことをやりたいという部分で、19人で すか、それだけの人員を減らしてもできるという見通しがあるんでしょうか。 ○政策統括官付労政担当参事官  見通しがあるかと言われると、非常に厳しいところがありまして、見通しがないとは 言えませんし、しかし他方で、見通しが十分あってやっているわけでもございません。 一応、5年間という期間で考えていますので、その5年間の最終形として19名の削減 ですので、5年間の中で、研究のやり方、あるいは私ども厚生労働省の方からの研究の 要請の仕方というものを、かなり工夫していかなくてはいけないというふうに考えてお ります。結論が出てしまってからで、やや手おくれなところもあるかもしれませんが、 これから検討していきたいと考えております。 ○川端委員  感想というふうに言わざるを得ないんですけれど、もともと、日本労働研究機構と労 働研修所が一緒になって独法になったときに、通常であれば自立的経営が高まって、機 構独自の研究というのが、いろんな形で展開できるだろうと、そのように私は以前から 時々申し上げていたわけです。厚生労働省の方向に沿った研究だけではなくて、独自の 研究によって、むしろ社会とか厚生労働省に提案できるという、そういうところが新し い使命として非常に重要なのではないかというふうに考えていたのですけれど、今言わ れたような要請研究ばかりになると、直轄研究所とほとんど変わらない。独法にした意 味はどこにあったのか。公務員削減等いろんなことがあったのかもしれませんけれど、 大変残念だなあというのが私の感想です。もう、こういうふうに方向を決めたというこ とですから、やむを得ないのかもしれませんけれど。 ○政策統括官付労政担当参事官  確かに自主的な研究を廃止するという点については、いろいろ内部で議論もしたとこ ろでありますけれども、このような、機構がテーマを設定する研究については廃止とい う形になったわけであります。ただ、今後も自主性というものは最大限に尊重していき たいと思っておりまして、例えばプロジェクト研究については、プロジェクト研究のテ ーマ自体は私どもの方で決めるわけですけれども、できるだけ、いろいろな自主的な研 究が、その枠の中でできるようなテーマ設定を考えたいと思っております。  また、要請研究についても、日ごろからの意見交換の中で、法人の側で何か問題意識 があった場合は、意見交換の中で省の側へ言ってもらって、そして省から要請するとい う形をとることは可能だと思っておりますので、そういう、いろいろな工夫の中で、自 主性をなるべく残していきたいという考えでございます。 ○部会長  ここで見直しの案は頂戴したのですけれど、この方向性は、もう決まったというふう な性質のものなんですか。どちらかというと、応援団的な意見が多いんですよ。だから、 この見直し案の概要に書いてあるような文章のニュアンスをちょっと直すとか、そうい う余地はあるのかどうかという話です。 ○政策統括官付労政担当参事官  もちろんそれは、内容次第ではありますけれども、絶対にこの文章を直せないという 性質のものではございません。勧告の方向性に抵触しない限りは大丈夫かと思います。 ○部会長  勧告の性質というのは、大体こういう内容だなあというのは、我々、話を聞いていて わかるんですけれど、それがちょっと行き過ぎではないかという意見が、委員の中から 出ているというのが実情だろうと思うんです。だからその2つを、うまく両方ともを立 てるような形での表現を、何か、できればなあというふうに、ちょっと私は思ったわけ ですけれど、そこは評価官室の意見からするとどうなんでしょうか。 ○政策評価官  本来は独立行政法人に係る全般的なものは官房総務課が仕切っておりまして、きょう、 私にどこまで権限があるかどうかということはありますが、基本的には、このJILP Tについては、今、担当参事官に聞きますと、全く一言一句変えられないものではない ということでございます。しかし一方で、内閣官房に置かれた行革本部、さらには政・ 独委のこともありますので、方向性を全く否定するということも難しいわけです。総会 が木曜日ですので、火曜、水曜と、それにこの後、きょうの深夜まで含めれば残り五十 数時間あります。その間に、もう一度、担当課の方から、もし宜しければ部会長に御一 任をいただいて、どこのどういう形の部分に、きょうの御審議の結果を踏まえてニュア ンスを盛り込むかということについて、改めて部会長と御相談させていただきたい。  それとともに、先ほどの雇用・能力開発機構についても総会で部会長から御報告いた だきますけれども、その際のメモについても、部会長に御一任をいただいて、事務局の 方で部会長と相談させていただいて、御発言いただきたいと思っております。それで宜 しければ、そういう方向で進めさせていただきますが、いかがでしょうか。 ○部会長  よろしいでしょうか。どう、うまく我々の意見が入るかどうか、ちょっとわからない んですが、できるだけ工夫をしていただくという形で、12月7日の総会で報告して、 総会において結論を出したいというふうに考えております。それがどういうふうなこと になるかということは、私の方に御一任いただくようにお願いしたいと思いますが、そ れでよろしいでしょうか。 〔了承〕  それでは、そのように取り扱わせていただきたいと思います。  以上で終わりでございますが、何か事務局から御連絡事項があればお願いいたします。 ○政策評価官  本日は長い間、大変ありがとうございました。きょうは主に業務の見直し案について 御審議をいただいたわけでございますけれども、本日、お手元にお配りしております資 料の、参考資料3というものがございます。これにつきましては、当独立行政法人評価 委員会で評価していただいた結果について、改めて政・独委の方から、また意見を寄せ られているということでございまして、いわゆる総務省二次評価という形で、これまで 呼んできたものでございます。これも組織・業務全般の見直しについての勧告の方向性 と同じ日付で送られてまいりました。これについては、各法人ごとに指摘されているこ とについて、本部会においても後日、説明をさせていただきたいと思っておりますので、 改めて、参考資料3につきましては、御審議をいただく材料といたしたいと思ってござ います。  また次回以降の本部会につきましては、2月下旬から3月下旬にかけて、能開機構及 び、このJILPTの第2期中期目標等について御審議をいただくということで予定し ておりますので、またよろしくお願い申し上げます。事務局からは以上でございます。 ○部会長  以上で当部会を終わりにさせていただきます。長時間にわたり、熱心な御審議をどう もありがとうございました。 <了> 照会先:政策統括官付政策評価官室 独立行政法人評価係 連絡先:03−5253−1111(内線7790)