資料7

飲食店営業及び喫茶店営業の振興指針(案)

 飲食店営業(一般飲食業、中華料理業、料理業又は社交業を営むものをいう。以下同じ。)及び喫茶店営業の営業者(以下「営業者」という。)は、食品衛生法(昭和22年法律第233号)等の関係法令を遵守しつつ、新たな衛生上の課題に対応するなど、常に衛生水準の向上を図らなければならない。
 また、より高い消費者の利便への対応等の経営上の課題への取組が求められる一方、個人経営が多いため、個々の営業者による取組だけでは、必ずしも十分な対策を講じることができず、十分な成果を得るまでに相当な時間を要する面がある。このため、生活衛生同業組合及び生活衛生同業小組合(以下「組合」という。)並びに全国生活衛生同業組合連合会(以下「連合会」という。)が実施する共同事業や研修事業、都道府県生活衛生営業指導センター(以下「都道府県指導センター」という。)等が実施する経営相談による支援に加え、国民生活金融公庫による融資等により、各営業者の自主的な取組を支援し、もって公衆衛生の向上の計画的な推進を図ることが必要である。
 本指針は、現在、飲食店営業及び喫茶店営業が抱えている諸問題を克服し、専門店としての独自性を発揮できるよう営業の振興を計画的に図り、もって公衆衛生の向上と消費者の利益の擁護に資することを目的として定めるものである。営業者及び組合においては、本指針を踏まえ、行政等と連携を図りつつ、経営の改善等に積極的に取り組み、国民生活の食生活の向上に貢献することが期待される。
 また、本指針は、飲食店営業及び喫茶店営業が活力ある発展を遂げるための方策について取りまとめたものであり、本指針の積極的な活用により、真の豊かさを実感できる国民生活の実現、地域社会づくりへの貢献など、飲食店営業及び喫茶店営業の役割を増大させ、新たな発展の可能性をもたらすものである。

第1  営業の振興の目標に関する事項
 I  飲食店営業及び喫茶店営業を取り巻く環境
 飲食店営業及び喫茶店営業は、国民の生活において欠かせない位置を占めており、食生活の充実に大きく貢献するとともに、サービスの比重が高い産業として、消費者の日常生活に溶け込んで発展してきた。
 他方で、大手資本等による大型店、チェーンストアー等の進出による競争の激化やコンビニエンスストアの進出、消費者の食生活の多様化や食事に対する嗜好の変化等の外的条件が激しく変化する状況にあり、小規模経営特有の経営体質の脆弱性等と相まって、経営上の問題が深刻なものとなっている。さらに、これまでの景気の低迷に伴う売上げの減少、営業者の高齢化による後継者問題、施設設備の老朽化、諸経費の上昇等飲食店営業及び喫茶店営業を取り巻く現状は極めて厳しいものとなっている。
 しかし、一方においては、飲食店営業及び喫茶店営業は、各地域に密着して、国民生活の食生活の向上に、また、交友や団らん等の場としても大いに役立っており、今後も、消費者の嗜好に応じて、環境面にも配慮した安全で安心、かつ信頼できる商品及びサービスを提供する専門店として、国民生活の充実に一層貢献していくことが期待される。

 II  今後5年間(平成23年度末まで)における営業の振興の目標
 営業者は、自店の営業方針を明確にし、多様な営業形態を持つ生活衛生営業関係の特質を生かしながら、営業の振興を図る必要がある。
 第一に、飲食店営業及び喫茶店営業は、飲食物を調理及び調製し、直接消費者に飲食させ、あるいは、販売する営業であり、調理及び調製並びに流通の過程で細菌等の汚染を受けやすく、食中毒等食品衛生上の問題が起こりやすい環境にある。衛生面で問題が起きた場合には、多くの消費者に被害が及ぶことはもとより、営業自体の存続が困難になる可能性がある。したがって、これらの食品衛生上の問題を防止し、消費者に対して安全で良質な商品を提供することは営業者の責務であり、基本的な目標である。
 第二に、営業者は、インターネット等を活用して情報の収集や分析を行い消費者の要望を的確に把握した上、情報分析の結果や持てる経営資源等を踏まえ、自店の営業方針を明確にし、人材、設備等の集約化やその効率的な活用を図るとともに、商品に関する多角的な情報発信や広告や宣伝の強化に取り組むなど、消費者を意識した営業を展開することが必要である。
 第三に、営業者は、自店の特色や地域の特色を踏まえた商品の提供や開発、商品の品質の向上やサービスの充実など、自店の付加価値を高め、良質な商品を安定的に供給できるよう、恒常的な努力を重ねることが必要である。
 営業者は、これらを十分に認識し、衛生水準の向上、消費者の要望を踏まえた営業や情報の発信、良質な商品の安定的な供給等に積極的に取り組むことにより、専門店としての独自性を発揮し、消費者の理解及び信頼の向上を図ることを目標とする。

第2  飲食店営業及び喫茶店営業の振興の目標を達成するために必要な事項
 I  営業者が取り組むべき事項
 衛生水準の向上に関する事項
(1)  日常の衛生管理に関する事項
 営業者は、食品衛生法等の関係法令を遵守することは当然であり、加えて、衛生水準の一層の向上を図るため、食品衛生に関する専門的な知識を深めるとともに、食品衛生責任者の活用及び使用する機材の衛生管理の改善に取り組むことが必要である。
 さらに、営業者は、消費者が納得し、安心できる商品を提供するために、店舗及び従業者の清潔を保ち、従業者の健康管理を行うとともに、商品の衛生的取扱いに留意し、食中毒等食品衛生上の問題の発生の防止に努めることが重要である。
 また、営業者は、衛生管理状況の自主点検を行い、その結果を店内に表示するなど、衛生管理のために自店が講じている措置について消費者に対し積極的に周知することが必要である。特に、従業員の清潔な着衣の使用や手洗いの励行及び店舗の清掃等により、消費者に不快感を感じさせない配慮が必要である。
(2)  衛生面における施設及び設備の改善に関する事項
 営業者は、日常の衛生的管理への取組に加えて、定期的かつ適切に自店の施設及び設備の衛生面の改善に取り組むとともに、衛生的に食材を調理及び調製し、顧客に提供するために必要な設備の整備を図ることが必要である。
 営業者は、自店が食品を提供する営業施設であることを十分に認識し、清潔で好ましい施設となるよう、定期的な内外装の改装に努めるとともに、施設及び冷凍設備等の衛生面の改善に努める必要がある。

 経営課題への対処に関する事項
 個別の経営課題への対処については、営業者の自立的な取組が前提であるが、多様な消費者の要望に対応する商品を提供し、国民生活の食生活の向上に貢献する観点から、営業者においては、次に掲げる事項を念頭に置き、経営の改善に積極的に取り組むことが期待される。
(1)  経営方針の明確化及び独自性の発揮
 営業者の中には、明確な経営方針が確立されないまま現状維持的な経営を行っている者もおり、経営の合理化及び効率化が遅れているのが現状である。現在置かれている経営環境を十分に考慮し、自店の経営能力に適合した経営規模を実現するとともに、経営管理の合理化及び効率化を図ることが必要である。
 また、営業者は、自店の立地条件、客層、経営規模等自店の経営上の特質を十分把握した上で、自店がどのような客層を対象に、どのような商品を重点的に提供するのかという経営方針を明確化することが重要である。
 特に、小規模経営の店では経営者や従業員が変わることがほとんどないため、経営手法が固定的になりやすく、新たな経営課題が発生した場合に、経営の改善に取り組むことが難しい面がある。このため、営業者は、都道府県指導センター等の経営指導機関による経営診断を積極的に活用することが望まれる。
(2)  サービスの見直し及び向上
 営業者は、営業におけるサービスの比重が高いことを考慮し、従業員等の教育・研修を徹底して行い、常に消費者に対する丁重なもてなしに心がけるなどサービスの充実維持向上に努め、消費者との信頼関係を高めるとともに、自店の付加価値を高めることが重要である。また、優秀な人材の獲得に努め、若手従業員の育成及び指導を図るとともに、若者に魅力ある職場づくりに努めることが必要である。
 営業者は、消費者の食を通じた健康づくりなどの健康志向に対応するため、ヘルシーメニューの提供や総カロリー表示等への取組が求められるほか、食の安全への関心の高まりに対応するためには、食材の原産地表示等に積極的に取り組み、消費者自らが安全で良質な商品を納得して選択できる環境の整備に努めることが必要である。また、インターネット等による注文、予約等の実施、宅配サービス、持ち帰り販売等幅広い販路への取組もサービス向上につながるものである。さらに、グルメブームを端緒とする本物志向の消費者等向けに、高級、高品質な商品の設定や地産地消の食材を使用した地域に特化した商品の開発、消費者の嗜好の変化に対応した味の工夫なども留意すべき視点である。
 今後、より良質なサービスの提供が期待されるとともに、ますます消費者の嗜好が多様化すると考えられることから、これに的確に対応し、消費者が安心して利用できるよう業種業態にあった接客サービスの充実に努め消費者の満足度を向上させることが重要である。
(3)  施設及び設備の改善
 営業者は、自店が飲食物を提供する営業施設であることを十分認識し、安全で衛生的な施設となるよう、定期的な内外装の改装に努めるとともに、客層、経営方針、店の規模等に応じ、各店舗の特性を踏まえて清潔な雰囲気の醸成、高齢者等に配慮したバリアフリー対策の実施や省エネルギー対応の冷凍・冷房設備等の導入など、合理的で効率的な経営のために必要な施設及び設備の改善に努める必要がある。
 また、施設を改善するに当たっては、経営方針、客層、店の構造や規模に配慮した上で、店内の分煙や喫煙時間の設定を含む禁煙等受動喫煙を防止するために必要な措置を講ずるように努めなければならない。
(4)  情報通信技術を利用した新規顧客の獲得及び顧客の確保
 営業者は、顧客との信頼関係に基づき顧客情報を適正に管理し、その情報を基に誕生日又は記念日に合わせて季節の献立やサービス等について顧客へダイレクトメールを発送するなど、顧客への積極的な働きかけをするとともに、パーソナルコンピュータを利用して業務の合理化及び効率化を図ることが重要である。
 また、インターネット等の情報通信技術を効果的に活用し、ホームページ上における店舗の開設、割引サービス等の宣伝・広告、インターネット注文による中食産業への展開、異業種との提携等を行うなど、新たな顧客の確保に努めることが必要である。
 また、消費者の利便を考慮して、クレジットカード等による電子決済の普及に努めることも必要である。
 営業者は、必ずしも個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号)に規定される個人情報取扱事業者に該当するとは限らないが、同法の主旨を踏まえ、顧客データ等の管理に当たっては、適正に対応することが必要である。
(5)  表示の適正化と苦情の適切な処理
 営業者は、消費者に納得と安心感を与えるため、自店の特質に応じ、分かりやすい献立等の表示に努めることが必要である。特に、消費者の食品の安全への関心の高まりに対応するため、食材の原産地表示、食品アレルギー患者を中心とした消費者の健康被害防止を目的とした表示が必要である。消費者の健康志向に対しては、生活習慣病予防を中心とした健康づくりという観点から厚生労働省及び農林水産省が平成17年6月に作成した食事バランスガイドの活用、総カロリー表示や塩分量表示等様々な知識の提供にも努めるとともに、料金についても総額表示とすることが必要である。
 また、一般飲食店の営業者にあっては、財団法人全国生活衛生営業指導センター(以下「全国指導センター」という。)が定めるサービスの内容並びに施設及び設備の表示の適正化に関する事項等を内容とする一般飲食店営業の標準営業約款に従って営業を行う旨の登録を行い、標識及び当該登録に係る約款の要旨を掲示するよう努めるものとする。
 消費者からの苦情には、誠実に対応し、問題の早急かつ円満な解決に努めることが重要である。あらかじめ,問題発生時の対応マニュアルを作成し、従業員の危機管理教育を徹底するなど,日頃から様々な事故に備え、消費者及び利用者の安全の確保を図るとともに,万が一、食中毒事故が生じた場合には、賠償責任保険等の活用により、消費者との信頼回復に努めるものとする。

 II  営業者に対する支援に関する事項
 組合及び連合会による営業者の支援
 組合及び連合会においては、営業者における自立的な経営改善の取組を支援するため、都道府県指導センター等の関係機関との連携を密にし、以下に掲げるような事項についての取組を行うよう努めるものとする。
(1)  衛生に関する知識及び意識の向上に関する事項
 営業者に対して衛生管理を徹底するための研修会及び講習会の開催、衛生管理に関するパンフレットの作成等による普及啓発、ポスター等による消費者に対する広報の推進、消費者の安全衛生の確保、商品の衛生的取扱い、施設及び設備、食材の調理及び調整等の清潔の保持等に関する飲食店営業及び喫茶店営業の衛生基準の設定など、食品衛生上の安全を確保し、かつ良質な食材の調理及び調製を行うために必要な支援
(2)  施設及び設備の改善に関する事項
 衛生水準の向上、経営管理の近代化、消費者の利益の増進等に対応するための施設及び設備の改善の推進
(3)  消費者の利益の増進及び商品の提供方法に関する事項
 営業者が、自店の特質に応じ作成する接客手引きの基本となるマニュアルの作成、消費者を対象とした飲食店営業及び喫茶店営業に関する啓発講座の実施や啓発パンフレットの作成、苦情相談窓口の開設や苦情処理の対応に関するマニュアルの作成、危機管理に関するマニュアルの作成、賠償責任保険への加入促進
(4)  経営管理の近代化及び合理化に関する事項
 先駆的な経営事例等経営管理の近代化に必要な情報、地域的な経営環境条件に関する情報及び飲食店営業及び喫茶店営業の将来の展望に関する情報の収集及び整理並びに営業者に対するこれらの情報の提供
(5)  営業者及び従業者の技能の改善向上に関する事項
 基礎的な調理技術や接遇に関する研修会及び講習会の定期的開催等教育研修制度の充実強化、新しいメニュー開発や従業員を対象とした技術講習会、技能コンテスト等の開催による技術水準の向上、消費者の要望に対応したメニューやサービスの普及啓発
(6)  事業の共同化及び協業化に関する事項
 事業の共同化及び協業化の企画立案並びに実施に係る指導
(7)  取引関係の改善に関する事項
 共同購入等取引面の共同化の推進、食品等関連業界の協力を得ながらの取引条件の合理的改善及び組合員等の経済的地位の向上
 関連業界との連携を深め、情報の収集及び交換の機会の確保
(8)  従業員の福祉の充実に関する事項
 従業員の労働条件の整備、作業環境の改善及び健康管理の充実のための支援、組合員等の大多数の利用に資する福利厚生の充実並びに共済制度(退職金、生命保険等)の整備及び強化
(9)  事業の承継及び後継者支援に関する事項
 事業の円滑な承継に関するケーススタディ及び成功事例等の経営知識の情報提供の促進
(10)  食品関連情報の提供や行政施策の推進に関する事項
 国内外における食に関する最新の情報や行政施策の動向の把握,行政機関との連携等を通じた組合員等への適切な情報提供及び行政施策の指導・支援

 行政施策及び政策金融による営業者の支援、消費者の信頼性の向上
(1)  都道府県指導センターにおいては、組合との連携を密にして、営業者に対する経営改善のための具体的指導及び助言等の支援を行うとともに、消費者からの苦情及び要望を組合を通じて個々の営業者に伝え、その営業に反映させるなど、消費者の信頼の向上に積極的に取り組むものとする。
 また、保健所を始めとする都道府県生活衛生営業関係部局と連携を図り、新規開業者に対する組合加入促進策を講じるものとする。
(2)  全国指導センターにおいては、これらの都道府県指導センターの取組を推進するため、消費者の意見も反映した営業者の経営改善の取組に役立つ情報の収集及び整理並びに営業者に対するこれらの情報の提供、危機管理に関するマニュアルの作成、苦情処理マニュアルの作成等に積極的に取り組むものとする。
(3)  国、都道府県等においては、飲食店営業及び喫茶店営業に対する消費者の信頼性の向上及び営業の健全な振興を図る観点から、食品衛生法等関係法令の施行業務等を通じ、営業者に対し、食品衛生に関する監督指導、情報の提供その他支援措置に努めるものとする。
(4)  国民生活金融公庫においては、施設及び設備の改善等について、営業者等が利用しやすい生活衛生資金貸付による融資の実施等必要な支援に努めるものとする。

第3  営業の振興に際し配慮すべき事項
 I  環境の保全及び食品循環資源の再生利用の推進
 営業者は、仕入れた食材を調理及び調整するため、食品廃棄物が発生しやすいが、中小零細企業が大部分であるため、営業者が取り組む環境の保全や食品循環資源の再生利用が必ずしも十分でなく、組合等が積極的に支援する必要がある。また、これらの対策は、住民の生活環境に身近な問題であり、個々の営業者や組合だけではなく、地域の自治体及び自治会が関与しながら、消費者も含めて地域全体で取り組むことにより、効果的で効率的な取組が可能となる。
 このため、組合及び連合会においては、地域の自治体等と連携しながら、飲食店営業及び喫茶店営業における食品循環資源を再生利用するための仕組みを構築するとともに、業種を超えた組合間で相互に協力し、組合員以外の営業者にも参加を促すなどの普及啓発を行い、飲食店営業及び喫茶店営業における環境の保全や食品循環資源の再生利用に関する取組を推進する。
 これらの取組を通じて、飲食店営業及び喫茶店営業においては、食品循環資源の再生利用等の実施率を平成23年度までに20パーセントに向上させるよう努め、食品循環資源の再生利用並びに食品廃棄物の発生の抑制及び減量を推進するものとする。
 国民生活金融公庫においては、これら営業者の取組に対して、生活衛生資金貸付による融資の実施等必要な支援に努めるものとする。

 II  少子高齢社会等への対応
 飲食店営業及び喫茶店営業は、商店街や繁華街にある店舗が多いため、地域に密着した業態であるといえる。営業者は、足腰の弱い高齢者や障害者が住み慣れた地域社会で安心して充実した日常生活を営むことができるよう、バリアフリー対策に積極的に取り組むとともに、店に来ることができない場合の出前サービス、食べやすい食材を使用したメニューの開発など、高齢社会における幅広い取組が期待される。
 また、営業者は、飲食店営業及び喫茶店営業の施設が身体障害者補助犬法(平成14年法律第49号)において身体障害者が同伴する身体障害者補助犬の入店を拒否できないことを十分認識し、対応することが必要である。
 組合及び連合会においては、例えば、高齢者等の利便性を考慮した店舗の設計やサービスの提供等について研究を行うことにより、営業者の取組を支援することが重要である。
 このほか、営業者は、少子化が進み消費者が高齢化することを考慮した従業者への教育及び研修に努めるものとする。特に、妊産婦に対して理解のある地域環境の実現、受動喫煙の防止、優先的な席の確保等について、取り組むことが必要である。
 国民生活金融公庫においては、これらの営業者の取組に対して生活衛生資金貸付による融資の実施等必要な支援に努めるものとする。

 III  食育への対応
 飲食店営業及び喫茶店営業は、国民の生活に大きく関わりを持つことから、健康づくりのための食育の推進に積極的に取り組むことが期待される。具体的には、学校等において食文化の継承のための食事マナー、調理の教育等を通じて地域における食生活の改善、食品の安全性に関する知識の普及等の支援に努める。
 国民生活金融公庫においては、これらの営業者の取組に対して生活衛生資金貸付による融資の実施等必要な支援に努めるものとする。

 IV  禁煙、分煙対策
 営業者は、経営方針、客層、店の構造や規模に配慮した上で、店内の分煙や喫煙時間の設定を含む禁煙等受動喫煙を防止するために必要な措置を講ずるように努めなければならない。
 国民生活金融公庫においては、これらの営業者の取組に対して生活衛生資金貸付による融資の実施等必要な支援に努めるものとする。

 V  地域との共生
 営業者は、地域社会における行事等に積極的に参加し、地域住民に対して飲食店営業及び喫茶店営業の店舗の存在、提供する商品やサービスの内容をアピールできる機会を設けるものとする。例えば、地域の祭りなどの街づくりに積極的に参加するとともに、地域ぐるみの防犯活動の推進に対する協力、地震等の大規模災害が発生した場合においては、自ら被災者となることも予想されるが、知識経験を生かして地域住民への支援を展開するなど、様々な地域社会活動の一翼を担い、地域と共生していくことが期待される。
 このため、組合及び連合会においても、地域の自治体等と連携しながら、社会活動を企画し、指導又は援助できる指導者の育成に積極的に取り組むとともに、営業者を支援することが期待される。また、業種を超えて相互に協力を推進し、地域における特色のある取組を支援することが期待される。

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