06/10/25 中医協薬価専門部会 第35回議事録 平成18年10月25日 中医協薬価専門部会             第35回議事録 (1)日     時  平成18年10月25日(水)11:53〜12:26 (2)場     所  厚生労働省専用18会議室 (3)出  席  者  遠藤久夫部会長 土田武史委員 小林麻理委員 室谷千英委員 対馬忠明委員 小島茂委員 丸山誠委員 松浦稔明委員            竹嶋康弘委員 鈴木満委員 黒崎紀正委員 山本信夫委員            向田孝義専門委員 長野明専門委員 渡辺自修専門委員            〈事務局〉 白石審議官 唐澤総務課長 原医療課長 武田経済課長 磯部薬剤管理官 他 (4)議     題  ○薬価改定の頻度を含めた在り方について ○遠藤部会長  それでは、委員の皆様、お席に着かれたようですので、ただいまより、第35回中央社 会保険医療協議会薬価専門部会を開催いたしたいと思います。  まず、委員の出欠状況について御報告いたします。本日は、全員の委員の方が御出席で あります。  また、保険局長は公務のため欠席させていただく旨の連絡を受けております。  予定していた時間よりほぼ1時間遅れのスタートでございますので、できるだけ効率的 な運営をしたいと思っております。  前回の薬価専門部会におきまして、これまで当部会において御議論をしてまいったわけ でありますけれども、「薬価改定の頻度を含めた薬価算定基準の在り方」というものが事 務局から出まして、それにつきましてさらに御議論いただきました。これはどんなものか と申しますと、お手元の資料にございますけれども、従来、頻回改定を含めた形の薬価改 定の在り方について御議論をいただいた中で、事務局からさらに議論の範囲を広げるとい いますか、多様な視点をということで、主に2つのことが書かれた内容が出てきたわけで ありまして、これは新薬へのアクセス、いわゆる「ドラッグ・ラグ」が頻回改定によって 生ずるのではないかというような御議論がかなりあったわけでありますけれども、それに ついて「ドラッグ・ラグ」というのは必ずしもこの頻回改定という薬価の問題だけではな くて、さまざまな要因があって、なおかつ前回の改定におきましては、新薬については有 効性の高い、画期性の高いものについては高い薬価をつけることが決まった。つまり、薬 価の問題だけで「ドラッグ・ラグ」の議論をするのは十分ではないのではないかという指 摘。  それから、そもそも未妥結・仮納入といったような問題があり頻回改定では、適切な実 勢価格を把握できないのではないかという指摘があったわけですけれども、それについて、 実はその未妥結・仮納入といったようなことは、バイイングパワーのあるような大病院だ けでの話であって、中小病院も含めたらどうなるのであろうかというような問題提起が出 てきて、それについて御議論いただいたわけであります。ただ、こういう文章だけではわ からないので、その実態についてもう少しきちんとしたものを出すようにということの御 意見を賜ったものですから、事務局にそれについて追加の資料を出していただいたという ことであります。  それにつきまして、事務局から追加の資料の説明をお願いしたいと思います。よろしく お願いいたします。 ○事務局(磯部薬剤管理官)  薬剤管理官でございます。  それでは、私の方から、資料、中医協薬−2の御説明をさせていただきたいと思います。 今部会長からお話しございましたように、私の方からは、新薬へのアクセスの問題に関し まして、平成18年度薬価制度改革前後におきます加算率の変更の状況につきまして御説 明をさせていただきたいと思います。  結論から申し上げますと、制度改革前と後では、同じ有用性加算(II)という区分にお きまして、加算率でありますAが5.4から14.2に増加をしているということでござ います。  次のページをちょっとお開きいただきたいと思いますが、もともとこの薬価制度改革に おきましてどのような改善を行ったかということでございますが、画期性加算につきまし ては、40〜100%の増を50〜100%に、また、有用性加算(I)につきましては、 加算率を15〜30%を25〜40%に、また要件について、イまたはハと、ハまたはロ という、そういう意味で、ロは必須という要件を外しまして、イ、ロ、ハの要件のうちの 2つを満たせばいいと、こういうことをやらせていただいております。それから有用性加 算(II)におきましては、5〜10%の加算率を5〜20%ということで、10%の増を させていただいている。そういう意味で、有用性加算(II)を見ていただきましたときに、 5〜10%を5〜20%ということで、上限を10%増をさせていただいております。  これの影響が、先ほどのまた1枚目に戻っていただきまして、この実績で見ましても、 Aが5.4からAが14.2ということに変化をして、ほぼこの想定したとおりに改善が 見られているというデータでございます。  続いて、経済課長の方からお願いいたします。 ○事務局(武田経済課長)  経済課長でございます。  資料、中医協薬−3を見ていただきたいと思いますが、私から、価格妥結状況調査の結 果の御報告をさせていただきたいと思います。  この調査結果の背景を簡単に申し上げますと、昨年12月に中医協でまとめられた「1 8年度薬価制度改革の骨子」の中で、長期にわたる未妥結・仮納入というのは不適切な取 引としてその是正を図るという方向が出されたところでございまして、これを受けまして、 私ども本年3月、関係団体に、本年度からこの価格妥結状況調査を定期的に行う、それか ら未妥結・仮納入が長期にわたらないように周知徹底をされたい、というような通知を出 したところでございます。したがって、今年度から定期的な価格妥結状況調査ということ で、まず第1回目、7月1カ月分の取引の状況がまとまりましたので、御報告をさせてい ただくものでございます。  資料の1つ目、「調査客体及び回収状況」のところにありますように、今回の調査は、 私どもから卸連加盟会社、ジェネリック販社協会加盟会社ということで、卸さんにお伺い をして結果を得たものでございます。  「調査概要」のところでございますが、調査内容といたしまして、回答をいただいた卸 さんが取引のあるすべての医療機関、薬局について御報告をいただいております。それか ら、その妥結率という定義でございますが、ここでは薬価ベースで調査をしてございます。 価格がまだ妥結しておりませんので、実際の価格というものが把握をできないわけでござ いますが、取引数量と薬価との関係で、総販売額と価格が妥結したものの販売額の薬価ベ ースということで妥結率を調査をしております。  調査結果でございますが、医療機関につきましては、病院妥結率30.7%、診療所7 3.9%、医療機関全体で見ますと46.8%ということでございます。妥結率が、販売 総額、薬価ベースということになりますので、購入量の多いところに引きずられて、妥結 率全体としては46.8%ということになります。  それから薬局につきましては、チェーン薬局とその他薬局というふうに分類をいたしま して、チェーン薬局については20店舗以上というふうなことで整理をいたしましたが、 これが8.5%、その他薬局が47.4%、合計39.2%という状況でございました。 私ども、この調査と並行いたしまして、卸連加盟会社などに個別の事情もお伺いしており ますけれども、早期妥結の取り組みはやっているけれども、この調査時点、7月段階では 必ずしも結果に結びついていない状況である、このような報告をいただいているところで ございます。  以上でございます。 ○遠藤部会長  ありがとうございました。  それでは、ただいまの2つの報告に対する質問あるいは、2の資料を踏まえまして、こ れまで議論してきたことについて御意見賜ればと思いますけれども、いかがでございまし ょうか。 ○対馬委員  価格の妥結状況についてですけれども、率直に言って、かなり低いかなという感じを受 けるのですが、2つ質問があるのですが、1つは病院の中では、先般、卸の方からですと、 大病院、200床以上の病院の妥結率が極めて低いというような資料も出されたのですけ れども、そういった病院の規模別に妥結率の差異があるのかどうかということと、あと、 通知を出したところが7月段階では必ずしもということですが、この通知を出した、その あたり難しいのでしょうか、効果というのでしょうか、そこをどう受けとめておられるの か、この2つです。 ○遠藤部会長  それでは、事務局、今の2つにつきましてお答えできればお願いします。 ○事務局(武田経済課長)  今対馬委員の方から妥結率、低いというコメントございましたが、私ども、今回のよう な調査というのは初めてでございますので、これが例年に比べて低いのかどうかというの は必ずしも判断できないわけでございますが、卸の方々にお伺いしたところでは、改定の あった年の7月時点ということでは、過去と比べて、今年改善が見られているということ では必ずしもない。そういう意味では、まだまだ低い水準であるということだろうかと思 います。  それから、200ベッド以上のところとそうでないところというふうなことでございま すが、私ども今回の調査では、そういう区分では調査を行っておりませんので、御指摘の ような数字を、今回7月分についてはお出しすることができませんので、その点、御了解 いただきたいというふうに思います。 ○遠藤部会長  ありがとうございます。  規模別というのは結構重要な要素でありますので、もし調査を継続されるのでしたらば、 そういう視点も重要かと思います。  対馬委員、今のお答えでよろしゅうございますでしょうか。 ○対馬委員  はい。 ○遠藤部会長  ほかに御質問、御意見ございますでしょうか。あるいは、今回の御報告に限らずに、頻 回改定を含めた薬価基準制度の見直しということ、これにつきましては随分議論を重ねて まいりましたので、相当もう煮詰まっているという感じがいたしますが。 ○長野専門委員  取りまとめて意見を申し述べさせていただきます。  まず、前回の薬価専門部会、9月6日でございましたが、その場でも申し上げましたと おり、7月26日の業界代表の意見陳述内容を踏まえて論点を再整理していただけないか というお願いをしております。そこを再確認させていただきたいということが1点でござ います。  それから、業界として意見陳述をしておりますので、論点再整理の際に参考にしていた だきたいという具体的な主張などを取りまとめたものを、お許しいただければ、この後に 提出をしたいと思っておりまして、それが2点目でございます。  それで、あともう1つ、今事務局から御説明のあった新薬の新しい加算率、加算制度に ついての業界サイドの客観的な見方というものを一言つけ加えさせていただきます。確か に18年4月の算定ルールの見直しによりまして、加算率は大幅に引き上げられまして、 これは中医協での御議論の結果というふうに承知しておりますし、感謝するところであり ます。  一方で、では、その価格がどうだったかという、具体的、客観的な比較でありますが、 今御紹介のあった4月以降、加算が適用された新薬が7成分ありまして、これらの中には 外国価格の水準に及ばないものが多く存在しております。7成分のうち外国価格がなかっ たものが2成分ありまして、残りの5成分は外国価格がございました。では、それとの比 較でどうかということでありますが、例えば新しい加算率でその7成分、海外薬価がある 5成分も加算が加えられまして、加算の後に海外薬価で引き上げられたもの、これがあり ます。引き上げられた結果、海外薬価と比較してどうかといいますと、極端な例、1成分 は大体2.5分の1、40%ぐらいの水準までしか至っていないと。その他についても、 加算率は引き上がったわけですけれども、まだ海外価格に及ばない状況であります。  一歩前進、そして現在ということでございますので、ぜひとも論点の中にも再整理して いただきたいということで、新薬の適切な評価に向けたさらなる御検討というものも再度 入れていただきたいというのが、7月26日の意見陳述の中にもございました。  今日はくどくど申し上げませんけれども、7点、8点、再整理の際に入れていただきた いものがございますので、ぜひよろしくお願いします。  それから、最後でありますが、再整理された後、その上で今後もテーマ別にぜひ継続的 な御検討をいただきたいというのが私どもの希望であります。頻回改定の問題につきまし ては、薬価制度全体を見直す中で御議論いただきたい。そして、調整幅、あるいは特例引 き下げなどの薬価改定ルール、新薬の薬価算定ルール、まだ足りない点、こういったもの を論点として整理していただいて、おのおのぜひ御検討をお願いしたいというのが切なる 希望であります。  以上であります。 ○遠藤部会長  ありがとうございました。  ただいま御要望と御意見があったかと思いますけれども、御要望につきましては、次回 に論点の再整理をしてほしいと。そのときの論点というのは、先にありました業界ヒアリ ングの内容を再整理をしてほしいというお考えですね。それで、ただそれとはまた別に、 新たな幾つかの今後の審議案件といいましょうか、要求といいましょうか、そういったも のを幾つか述べさせてもらいたいというようなお話だったと思います。  それでよろしゅうございますか。 ○長野専門委員  すみません、私の日本語が不的確で。 ○遠藤部会長  いえ、私の理解力の問題もありますが。 ○長野専門委員  7月26日の業界の意見陳述内容の中で、7〜8項目に絞りましたので、それをぜひ再 整理の際に御参考にしていただきたいと、こういうお願いでございます。 ○遠藤部会長  わかりました。その再整理はいずれ論点を集約する過程でまたまとめる必要はあるかと 思いますけれども、内容につきましては、また事務局と御相談をさせていただいて、御趣 旨はできるだけ反映したいと思っております。  ほかにどうぞ。 ○山本委員  調査をしていただきまして、ありがとうございました。それで、この先、論点を再整理 されるということでありますし、薬価制度そのものの議論が進むわけでありますが、例え ば今回の未妥結の調査だけ見ますと、薬局が悪いのだろうというふうに言われかねない数 字に見えます。先般前回も薬局に、差益が残っているのではという御指摘もありましたの で、ちょっとこの数字が私としては気になります。今後の薬価基準の在り方そのものもそ うでありますし、改定の頻度もそうでありますが、そうした議論を続ける中で、在り方の 議論と同時に、先程経済課長がこの先も調査を続けるというふうにおっしゃっておられま したので、ぜひそれぞれの実態をうまく把握できるような工夫をした調査をしていただく ことをお願いをしたいと思います。 ○遠藤部会長  では、そのようなことでよろしくお願いいたします。 ○小島委員  前回の部会で、私は論点に入れる項目ということで発言をしましたので、重なることは 避けます。1つだけ、先ほども長野専門委員から指摘されましたけれども、特例引き下げ の問題、これをどういうふうに位置づけするかということも含めて、これらを論点に入れ るべきだと思っております。今回は、従来の特例引き下げ4〜6%にプラス2%して引き 下げています。これをどういう性格のものとして位置づけるかということは、頻回改定、 あるいは2年に1度の改定とは極めて密接な関係にあると思っております。あるいは、こ の論点の2ページに出ていますその他の項目の先発品の薬価改定方式の中にもかかわる問 題だと思います。そういう観点から、これもぜひ論点として入れるべきだと思っておりま す。  あと、この特例引き下げをどう位置づけるのか。全体の医療費の上げ下げ、総枠につい ては内閣の予算編成権にかかわるということですけれども、この特例引き下げの問題は、 そういうところにかかわってくるのかどうかということもあると思います。全体の薬価を 圧縮するということ、その辺の性格をどう整理するのかということにもかかわってくると 思いますので、そのことも含めてぜひ論点に入れるべきだと思います。 ○遠藤部会長  貴重な御意見、ありがとうございます。 ○丸山委員  意見と質問がありますが、質問から先に申し上げます。  説明でおっしゃったのをちょっと聞き逃したのですが、この妥結率を示めす販売総額分 の妥結した販売額となっていますが、この薬価はどの薬価を言っておられるのか、ちょっ と聞き漏らしてしまったので。 ○遠藤部会長  では、経済課長、お願いいたします。 ○事務局(武田経済課長)  薬価基準に載っております薬価そのものでございます。 ○丸山委員  分母も分子も。基準価格ですね。わかりました。  それから、意見なのですが、これはもう意見を言うのももう何遍も言ってしまって、今 さら繰り返すのもどうかと思いますが、今後どういうスケジュールでどういうふうになさ るのか。それがないともう議論がここから進まない。私は前回一定期限を定めてはどうか という余計なことを申し上げましたけれども、その辺いかがでしょうか。 ○遠藤部会長  議論のスケジュールですけれども、私も丸山委員に共感を持つわけであります。頻回改 定の話以外の薬価基準制度の在り方については、実は今回改定についてかなりいろいろと 集中的な議論をしました。変えるべきところは変えたということがありますし、この問題 は、ある意味ずっと続いているわけでありまして、常に環境に合わせた形で変えていかな ければいけないという形になるかと思うのです。そういう意味では、今後も継続して議論 をしていく必要があるだろう。また、そのための論点も整理する必要があると思います。  ただ、頻回改定というのは、昨年度の年度末に出てきた話でありまして、これについて かなり集中的に議論を続けてきたので、恐らくもうこれにつきましては業界ヒアリングも いたしましたし、かなりの時間をとりまして議論もしましたので、次回ぐらいをめどに意 見の集約を図りたいなというふうに私は考えておるのでありますけれども、皆様いかがで ございましょうか。もう少し継続的に審議をしたいというのであれば考えますが。もちろ ん次回の議論の進展の仕方によってはまたまとまらないということはいくらでもあり得る 話だと思いますけれども、めどとして、そろそろ、頻回改定については次回ぐらいに意見 集約を図っていきたいと思っておりますけれども、皆様方の御意見、いかがでございまし ょうか。 ○対馬委員  私が主張してきたのは、頻回改定は単味で議論するとなかなか我々と診療側も、ないし は医薬品メーカー等、どうしても膠着状態になるところがあるので、もっと幅広に、場合 によってはそういったものを一括して議論せざるを得ないのかなと、こういう感じは持っ たものですから、頻回改定、単味でそこで結論を出すのが本当にいいのか、それとも、お っしゃられましたように、薬価基準制度全体の中での一つの大きな柱でございますので、 そこも来年の春先もしくは夏ぐらいまでに、大きな方向性議論を。その中で、当初は、御 承知のとおりですけれども、この頻回改定については、場合によっては来年度からという 議論もありましたから、そうしますと、早急に結論を出さなければいけないということだ ったのですけれども、幸か不幸か、少し時間が出ることになりましたので、そうしますと、 無理に次回といっても、何となく今の議論を見ていますとあまり進展がないような感じも しますので、もう少し全体の中での議論をしてはいかがかなと、こういうふうに思うので す。 ○遠藤部会長  もちろんそういう御議論であればそのようにいたします。ただ、もう既に御意見は出尽 くしたような雰囲気で会が運営されていたものですから、そのように申し上げたわけであ ります。 ○山本委員  確かに部会長御指摘のように、議論は多分出ているのだろうと思うのですが、対馬委員 もおっしゃったように、双方の意見は必ずしも収束しているとはなかなか思えませんし、 薬価基準そのものとその価格については不可分に連動しているということは皆さん御承知 でありますので、そういった意味からすると、早急に次回取りまとめるというのはかなり 強引なまとめ方になるのではないかという懸念があります。決して薬価基準そのものにつ いて議論したくないとかということではございませんけれども、もう少し議論を詰めてみ た方が私はよろしいかという気がいたしております。 ○遠藤部会長  わかりました。 ○松浦委員  筋の話をさせてもらいますけれども、改定率との関係ですね、ですから、例えば頻回改 定をやるのだという、仮にここで結論が出たとすれば、それを内閣が受けて、それで改定 率を変更すると、こういうことになるのだということで了解してもいいのですか。 ○遠藤部会長  それ、事務局お答えいただけますか。 ○事務局(磯部薬剤管理官)  改定率については、今までのやり方から申し上げますと、薬価改定をするということを 決めた上で薬価調査をいたします。その上で乖離率が、いわゆる薬価と実際の実勢価がど のくらい価格の差が開いているか、前回ですと、平均8%でございますけれども、そうい った調査結果を出した上で、では今回の薬価の改定は幾らにするかということを決めてや りますので、そういった前提を踏んだ上でのお話になろうかと思います。 ○松浦委員  とすると、改定率は当然中医協で何か一つの結論が出たら、内閣の方で改定率を変える わけですね。 ○事務局(唐澤総務課長)  総務課長でございます。  この薬価につきましては、松浦委員のお話しございましたけれども、基本的には薬価調 査に従いまして、その調査結果に基づいてその改定率を決めるというのが原則でございま す。  ただ、薬価改定につきましては、御承知のように、大きな改定というものは診療報酬改 定と同時に実施をされてきております。これは経営に与える影響というものが現実にござ いますので。だから、そういう点、それから頻回改定につきましては、これは価格が変動 している以上は、できるだけ速やかに国民の皆さんに正しい状態の価格に合わせて還元を すべきだと、これも理屈でございますので、改定率そのものは調査に従って出てくるわけ でございますけれども、その改定された結果を予算編成にどう反映するかというのは内閣 で決めていかなければいけないという事柄になるわけでございます。  ちょっと振り出しに戻ったような話で恐縮でございますが、調査そのものはデータに基 づきますが、その処理につきましては内閣で決めていくということになると思います。 ○遠藤部会長  松浦委員、よろしいですか。 ○松浦委員  それでは、例えばそれによって一つの価格が変わっていって、改定率も当然変わってい きますから、予算と決算のような関係、だから、決算というようなことをやって、結果と しては改定率がこの期間何%だったというようなことはするのですか、しないのですか。 ○事務局(原医療課長)  薬価をどれだけ数字は引き下げるかというのは、ある意味ルールがあれば機械的に出て きます。それに従って、金額としてどれぐらい出てくるかというのは、これも計算だけで 出てきます。それに対して、診療報酬全体としてどれだけの改定をするのかというところ の改定率ということであれば、それは内閣の方で全体を見て決めていくというのが前回の ときのルールであったということです。ですから、別のものというか、診療報酬全体の中 に当然含まれて、その中にも織り込まれてくるわけですけれども、薬価そのものをどれだ け下げるか上げるかとかいうのは、これはルールが決まりさえすれば、例えば今2%の調 整幅ですか、それがあれば、調査結果が出てくれば自然に決まってくる。その後、先ほど の特別引き下げとかいろいろなルールがありますから、それらをあわせて、結果はもうお のずと出てくるということになろうと思います。 ○松浦委員  私は、中医協の有識者の会議があって、一つの方向は社会保障審議会が決める、それか ら内閣が改定率を決める、それによって診療報酬の点数を中医協が決めると、こういう方 針が決まりましたね。これは私は大変いい制度だと思います。というのは、我々もそれに よって、改定率が決まったら、この部分を上げなさい、この部分は下げましょうとかいう ことが言えるようになったわけですよ。それまでは全体的に全部中医協がやりますと、や はり2号側は例えば医療安全で1兆何千億というような話、こっちは全員でもって全然上 げたらいかぬぞというような話ばかり、そういうような話になって、非常に議論がかみ合 わないことをやっていたのです。ですから、私はそのことだけは前提は崩したくないとい う思いがあるものですから、あえてこういうことをお聞きしておるわけですけれども、そ の改定率を決める内閣と中医協との関係というのは、今のお話では、ちょっと私はよくわ からない。 ○事務局(唐澤総務課長)  今松浦委員のお話しでございました原則は、これは全く変わりません。同じでございま す。変更なしと。これは頻回改定の議論がどういう形になっても、原則は今おっしゃった とおりの原則で運営をするということでございます。 ○遠藤部会長  よろしいですか、松浦委員。 ○松浦委員  いや、それは…… ○土田委員  1つ、今の遠藤部会長の提案に関連して発言したいのですが、次の医療費改定は20年 度改正になりますね。ですから、あと1年ちょっとかけて改定の議論をしていただくわけ ですが、今回薬価について頻回改定の話が出てきたのは、20年度改正の前にやるかどう かという具体的な話だったというふうに理解しております。それで緊急にヒアリングを行 ったり、いろいろ対応したわけで、その間に、幸か不幸か、こういう時間がたっていった ということで、ここで今部会長が発言されたのは、少なくとも19年度はしないというこ とで、それで20年度改正のときに、さらに言えば21年度やるかどうかという議論で仕 切り直しをしたいという、そういう趣旨だろうと思います。したがって、ここでとりあえ ず結論を出したいというのは、20年度改正までは、その間に医療費改定は、あるいは薬 価調査は20年度改正に向けて行うけれども、その前の改正を行うための薬価調査は行わ ないということで一応けりをつけて、それで20年度改正のときにさらに21年度やるか どうかという、薬価に対する、頻回改定を含めてもう一回議論し直しした方がいいのでは ないかということだというふうに僕は理解しております。したがって、一応けりをつけた いというのは、今回19年度改正はやらない、それで、この間に今回の議論に出てきた論 点はこういうことですということをまとめて、20年度改正に向けて新たに仕切り直しを したいということだと思います。 ○松浦委員  よくわかりました。 ○遠藤部会長  ありがとうございました。さすがに会長でありまして、私の言わんとしたことをおまと めいただきました。  ただし、19年度にやらないかやるかは早めに決めたいということです。 ○土田委員  そうです、それを決めたい。 ○遠藤部会長  また19年度やらないということではなくて、やるかやらないかについてけりをつける。 ○土田委員  ちょっと気持ちが出てしまいました。 ○遠藤部会長  ありがとうございました。  とりあえず、この問題そのものは今後も検討課題であるけれども、19年度やるかどう かということについては、早急に結論は得たいということであります。  関連でよろしゅうございますか、鈴木委員、どうぞ。 ○鈴木委員  先ほどのような妥結率で薬価改定をされても高値になるだけだと、やはり私は思います。 ○土田委員  それは次回の議論です。 ○鈴木委員  そうですか。  今年薬価改定が行われれば、これだけひずみのある改定がされて、あれだけ実調よりも 大幅に下がっているような部門があるのに、なおそこをたたくような結果というのはとて も信じられません。 ○遠藤部会長  わかりました。そのような議論を次回することになるかと思いますので、次回はしたが いまして、19年度改定をするかどうかというようなことにほぼ意見の集約を得たいとい うふうに思っております。と同時に、今後薬価部会として検討していく内容の整理という ことをしていきたいと考えておりますけれども、そのような進め方でよろしゅうございま すでしょうか。              〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○遠藤部会長  ありがとうございます。  それでは、事務局、いろいろとそれについて論点整理等々お願いいたしますので、よろ しくお願いいたします。  それでは、時間もたっておりますので、これをもちまして薬価部会を閉会したいと思い ます。  次回の日程につきましては、追って事務局より連絡いたしますので、よろしくお願いい たします。  引き続き診療報酬の改定結果検証部会がありますので、準備が整うまで、しばらくお待 ちください。ありがとうございました。                                【照会先】                 厚生労働省保険局医療課企画法令第2係               代表 03−5253−1111(内線3276)