06/10/24 労働政策審議会労働条件分科会 第66回(議事録) 第66回 労働政策審議会労働条件分科会               日時 平成18年10月24日(火)          17:00〜          場所 厚生労働省専用第18、19、20会議室 ○分科会長(西村) それでは、第66回労働政策審議会労働条件分科会を開催いたし ます。本日は久野委員、渡辺章委員、島田委員、山下委員、渡邊佳英委員が欠席されて おります。島田委員の代理として中村さんが、渡邊佳英委員の代理として、林さんが出 席されております。  それでは本日の議題に入ります。本日は労働契約法制のうち、「有期労働契約関係」、 労働基準法制のうち「管理監督者等の現行制度の見直し等」、「労働契約関係」について、 ご議論を深めていただきたいと思います。また、9月29日に議題として、企画業務型裁 量労働制の見直しについて、全く時間が取れませんでしたので、この点についても、ご 議論を深めていただきたいと思います。これらの項目の論点につきましては、既に事務 局に整理してもらっておりますので、事務局から資料の説明をお願いします。 ○監督課長 お手元の資料No.1−1からご説明します。労働契約法制関係の有期労働契 約の関係と労働基準法制関係の現行制度の見直し等と労働契約の関係のパーツの部分で ございます。  まず有期労働契約の関係ですが、横長の表の左側です。「有期労働契約が良好な雇用形 態として活用されるよう、使用者は、有期労働契約の契約期間中はやむを得ない理由が ない限り解約できないものとすることについて検討を深めてはどうか。その際、不必要 に短期の有期労働契約を反復更新することのないよう、十分配慮することについても併 せて検討を深めてはどうか」ということです。その後、これは労働基準法の関係の告示 ですが、「有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準」について、有期労働契約 が労使双方に良好な雇用形態として活用されるよう、有期労働契約労働者の就業意識や ニーズ等にも考慮しながら見直すことについて、検討を深めてはどうか」ということで す。  労使各側のご意見としまして、使用者側から、ルールの明確化の名のもとに有期労働 契約を規制することによって、かえって企業は厳格な手続のもとで短期の雇止めを余儀 なくされ、労使の望まない結果となるというご意見があります。労働側からは、「入口規 制」(有期労働契約を利用できる利用の制限)「出口規制」(更新回数や期間の制限) 「均等待遇」の3点がそろわない限り、本質的な解決にはならないというご意見がありまし た。これに関連しまして、論点ですが、右側のいちばん上の丸です。  「有期労働契約の契約期間中は原則として解約できないものとすることについて」と いう論点があります。次の丸で、「不必要に短期の有期労働契約の反復更新の防止につい て」という論点があります。3つ目の丸で、「有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関 する基準の見直しについて」が論点として挙げられると思います。  2頁、労働基準法制の関係で、現行制度の見直し等です。左側の列ですが、企画職が 多様化していることを踏まえて管理監督者になり得るスタッフ職の範囲を明確化するこ とや、管理監督者である旨を賃金台帳に明示することについて検討を深めてはどうか。 管理監督者について、健康確保措置を整備した上で、深夜業の割増賃金に関する規定の 適用を除外することについても併せて検討を深めてはどうか。事業場外みなし制度につ いて、制度の運用実態を踏まえた必要な見直しをすることについて検討を深めてはどう か、ということにつきまして、ご意見としまして、使側から、仮に法制化するなら、実 態に合わせ管理監督者の範囲を広げるべきである。労側から具体的な定義を法律で明確 化し、不適切に拡大されて運用されている実態を是正すべき。深夜業の割増賃金支払い からの適用除外は反対というご意見。実労働時間の把握、休息時間の保障、長期連続休 暇の保障等を義務づけるべきというご意見がありました。  論点につきましては、表の右側ですが、1つ目の丸が管理監督者となり得るスタッフ 職の範囲の明確化について、続いて管理監督者である旨の賃金台帳への明示について。 続いて管理監督者の健康確保措置の整備及び深夜業の割増賃金の適用除外についてとい う論点があります。また4つ目の丸で、事業場外みなし制度について、どのように考え るかという論点があろうかと思います。  3枚目です。これは労働基準法36条等にありますいわゆる「過半数代表者」について、 選出要件を民主的な手続にすることを明確にすることについて検討を深めてはどうか、 ということです。これに対するご意見としましては、使用者側から企業の実情を考慮し、 過半数組合がなくても、過半数組合がある場合と同様に対応できるようにすべきである というご意見。労働側からは労働基準法の過半数代表者には問題があるので、労働者代 表制度とすべき。しかし集団的労使関係にも多大な影響があるので、労働契約法から切 り離して議論することや、労働組合との役割分担を明確にするためにも現行の過半数代 表者等が担っている役割に限定することが必要とのご意見がありました。  論点としましては、「過半数代表者」の選出要件についてで、投票、挙手、労働者の話 合い、持ち回り決議という、この4つが挙げられているわけです。  続きまして、資料No.1−2ですが、これは先ほど、分科会長からご説明がありました ように9月29日の分です。資料も前回と同じですので、説明は省略します。  資料No.1−3ですが、議論の参考となる資料で、有期労働契約についての実態調査の 関係です。有期労働契約で、契約期間を定めて就業している理由についてもアンケート したところ、1位、2位で「契約期間中は雇用が保障されるから」、「現在従事している 仕事は有期契約が一般的だから」ということで、それぞれ28.4%、28.3%というところが 多くなっています。  2頁、これは平成15年の労働基準法の改正で有期労働契約の上限延長というのを行っ たわけですが、それに関係する相談件数で労働基準監督署の相談窓口において把握した もの、平成16年4月から平成18年6月までの件数です。これは上限延長に伴う労使間 のトラブルの件数に限っているわけでして、全体で109件、期間の定めのない労働契約 を締結している労働者に対して、使用者が有期労働契約への契約変更を申し入れたこと によるトラブル例というのが81件でいちばん多くなっています。  3頁、契約更新回数と契約更新への期待です。契約更新の回数別に労働者が次に契約 更新してもらえるかどうかということで、労働者側に対するアンケートで、会社側は契 約を更新するつもりだと思うというのが黒い網かけになっているわけですが、これにつ きましては更新回数3回のときに93.0%というピークが現われて、4回、5〜7回ちょ っと減って、また増えていくという結果になっています。  続きまして、過半数代表者に関する資料が資料No.1−4です。過半数代表者の選出方 法ですが、円グラフがありまして、選挙、信任、全従業員の話合いというものを足しま すと、47.7%になっています。その次は一部従業員の話合いと社員会や親睦会等の代表者 が自動的に労働者代表となる慣行になっているというのを足しますと30.6%です。事業 主が指名というのが13.1%となっています。  資料No.1−5ですが、これはご議論の参考となる条文です。期間の定めのある労働契 約に関しましては、3つ目に書いてある民法628条ですが、「当事者が雇用の期間を定め た場合であっても、やむを得ない事情があるときは、各当事者は、直ちに契約の解除を することができる」ということです。上の626条では、「雇用の期間が5年を超え、又は 雇用が当事者の一方若しくは第三者の終身の間継続すべきときは、当事者の一方は、5 年を経過した後、いつでも契約の解除をすることができる」と書かれているのとは違っ ているということです。  2頁、これは労働基準法の契約期間の関係の条文です。「労働契約は、期間の定めのな いものを除き、一定の事業の完了に必要な期間を定めるもののほかは、3年(次の各号 のいずれかに該当する労働契約にあっては、5年)を超える期間について締結してはな らない」と書いています。これに関しまして、前回の改正時には、その真ん中に附則第 137条がありまして、さらにその下に附則第3条が付いているということです。  この契約期間の第14条に関連しまして、基準ということで、これは3頁ですが、「有 期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準」というのが平成15年の告示第357 号として締結されています。1条、2条、3条、4条立てでして、第1条が「契約締結 時の明示事項」ということで、「有期労働契約の締結に際し、労働者に対して、当該契約 の期間の満了後における当該契約に係る更新の有無を明示しなければいけない」。第2項 で、「更新する場合がある旨明示したときは、当該契約を更新する場合又はしない場合の 判断の基準を明示しなければならない」。3項で「その判断の基準を変更した場合には、 速かにその内容を明示しなければいけない」ということです。  第2条は雇止めの予告です。有期労働契約のうち、「雇入れの日から起算して1年を超 えて継続勤務している者に係るものに限り、あらかじめ労働契約を更新しない旨明示さ れているものを除く」ということで、更新しないこととしようとする場合には、少なく とも、その30日前までに予告をしなければいけないというようなことが告示されていま す。また、雇止めの理由の明示ですが、「前条の場合において、労働者が使用者に対して、 更新しないこととする理由について証明書を請求したときは、遅滞なく交付しなければ ならない」、あるいは更新されなかった場合、「更新しなかった理由について証明書を請 求したときは、遅滞なく交付しなければならない」となっています。  4条は「有期労働契約(当該契約を1回以上更新し、かつ、雇入れの日から起算して 1年を超えて継続勤務している者に係るものに限る。)を更新をしようとする場合におい ては、当該契約の実態及び当該労働者の希望に応じて、契約期間をできる限り長くする よう努めなければならない」と書かれています。こういう告示が現在あるわけです。  4頁、5頁の管理監督者ですが、労働基準法の第41条が真ん中より、少し上にありま すが、「労働時間、休憩及び休日に関する規定は、次の各号の一に該当する労働者につい ては適用しない」とあり、その中の2号として、「事業の種類にかかわらず監督若しくは 管理の地位にある者又は機密の事務を取り扱う者」というのが定められています。「監督 又は管理の地位にある者」の範囲がありまして、(1)原則、(2)適用除外の趣旨、 (3)実態に基づく判断、(4)待遇に対する留意というようなことが書かれています。 (5)で、「スタッフ職の取扱い」ということです。ここで「法制定当時には、あまり見 られなかったいわゆるスタッフ職が、本社の企画、調査等の部門に多く配置されており、 これらスタッフの企業内における処遇の程度によっては、管理監督者と同様に取扱い、 法の規制外においても、これらの者の地位からして特に労働者の保護に欠けるおそれが ないと考えられ、かつ、法が監督者のほかに、管理者も含めていることに着目して、一 定の範囲の者については、労働基準法第41条第2号該当者に含めて取扱うことが妥当で あると考えられること」というのが通達です。  これに関連して、都市銀行の場合が5頁の下からに出ています。あるいは都市銀行以 外の金融機関の場合が6頁から7頁の上のほうに書いてあります。これにつきましては、 1から4といわゆる伝統的な管理監督者といった方と銀行内において「同格以上に位置 づけられている者であって、経営上の重要な事項に関する企画、立案、調査等の業務を 担当する者」(いわゆるスタッフ職)としています。これらがスタッフ職であって、管理 監督者の範囲に含めて差し支えないと通達も出ています。  管理監督者の深夜業についての適用関係の解釈例規につきましては、7頁の真ん中辺 りです。「本条(労働基準法第41条)は労働時間、休憩及び休日の規定を適用除外とし ているものであり、深夜業の関係規定は適用が排除されるものではない」。「したがって、 本条により労働時間等の適用除外を受ける者であっても、第37条に定める時間帯に労働 をさせる場合は、深夜業の割増賃金を支払わなければならない。ただし、労働契約、就 業規則その他によって深夜業の割増賃金を含めて所定賃金が定められていることが明ら かな場合には別に深夜業の割増賃金を支払う必要はない」という通達が出ています。  続いて「事業場外みなし制度」については、8頁です。基準法の第38条の2というこ とです。「労働者が労働時間の全部又は一部について事業場外の業務に従事した場合にお いて、労働時間を算定し難いときは、所定労働時間労働したものとみなす。ただし、当 該業務を遂行するためには通常所定労働時間を超えて労働することが必要となる場合に おいては、当該業務に関しては、厚生労働省令で定めるところにより、当該業務の遂行 に通常必要とされる時間労働したものとみなす」というようなことが書かれております。  その下の欄の解釈例規ですが、「みなし労働時間制による労働時間の算定の対象となる のは、事業場外で業務に従事した部分であり、労使協定についても、この部分について 協定する。事業場内で労働した時間については別途把握しなければならない」と書かれ ています。  9頁、過半数代表者の選出要件ですが、これは労働基準法第36条、第90条で、「労働 者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者」と いうようなものが出てきているわけですが、その労働基準法施行規則、9頁の下のとこ ろですが、「次の各号のいずれにも該当する者とする」ということで、1号で「監督又は 管理の地位にある者でないこと」、2号で「法に規定する協定をする者を選出することを 明らかにして実施される投票、挙手等の方法による手続により選出された者であること」 ということで、ここも手続が書いてあるわけです。  10頁、最後のところですが、先ほど読み上げた省令の「投票、挙手等」の「等」につ いては、何ですかという質問について、労働者の話合い、持ち回り決議等の労働者の過 半数が当事者の選任を支持していることが明確になる民主的な手続がこれに該当すると いう具合に整理されています。  資料No.1−6ですが、これは裁判例です。期間の定めのある労働契約に関する裁判例 で東芝柳町工場事件、日立メディコ事件があります。まず、1頁ですが、東芝柳町工場 事件ですが、これは雇止めの意思表示に関するものです。判決の要旨ですが、「期間の満 了毎に当然更新を重ねてあたかも期間の定めのない契約と実質的に異ならない状態で存 在していたものといわなければならず、本件各雇止めの意思表示は右のような契約を終 了させる趣旨のもとにされたのであるから、実質において解雇の意思表示にあたる、と するのであり、また、そうである以上、本件各雇止めの効力の判断に当たっては、その 実質にかんがみ、解雇に関する法理を類推すべきである」ということです。  「本件各労働契約が期間の終了毎に当然更新を重ねて実質上期間の定めのない契約と 異ならない状態にあったこと」、あるいは「本件労働契約においては、単に期間が満了し たという理由だけではY(会社)においては雇止めを行わず、Xらもまたこれを期待、 信頼し、このような相互関係のもとに労働契約関係が存続、維持されてきたものという べきである」ということです。「このような場合には、経済事情の変動により剰員を生じ る等Y(会社)において従来の取扱いを変更して右条項を発動してもやむを得ないと認 められる特段の事情の存しないかぎり、期間満了を理由として雇止めをすることは、信 義則上からも許されない」というようなことが判示されています。  3、4頁は日立メディコ事件です。これは期間2カ月の労働契約が5回更新されたと、 事案の概要のところに書いてありますが、判決の要旨です。「工場の臨時員は、季節的労 務や特定物の製作のような臨時的作業のために雇用されるものではなく、その雇用関係 はある程度の継続が期待されていたものであり、X(労働者)との間においても5回に わたり契約が更新されているのであるから、このような労働者を契約期間満了によって 雇止めするに当たっては、解雇に関する法理が類推され、解雇であれば解雇権の濫用、 信義則違反または不当労働行為などに該当して解雇無効とされるような事実関係の下に 使用者が新契約を締結しなかったとするならば、期間満了後における使用者と労働者間 との法律関係は従前の労働契約が更新されたものと同様の法律関係となるものと解せら れる」というようなことが述べられているわけです。  資料No.1−7ですが、「企画業務型裁量制の制度及び実態について」です。これは参照 条文と制度の流れの話と、あとアンケート調査の結果等がありますが、これについては、 9月29日の資料と同一ですので、説明は省略します。以上簡単ですが、説明を終わりま す。 ○分科会長 それでは横長のペーパーの各側意見の調整のための論点の1頁です。まず、 「有期労働契約が良好な雇用形態として活用されるよう」ということで、3つの○があ りますが、「有期労働契約期間中は原則として解約できないものとすることについて」、 2つ目に「不必要に短期の有期労働契約の反復更新の防止について」。併せて3つ目に 「有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準の見直しについて」です。この点 についてご意見をいただきたいと思います。 ○長谷川委員 この有期労働契約の締結更新及び雇止めに関する基準ですが、この基準 が作られたときの議論でそのときに期待していたものと、実際にこれができてからどの ようなことが起きてきたのかについて、少し事務局からご意見を聞かせていただければ と思います。私どもは1年に何回か労働相談を電話でやっていますが、この基準ができ て以降、細切れな労働契約、2カ月ぐらいの契約で、更新していくことが非常に多くな ったと言えます。そもそもこの基準を作ったときはそういうことではなかったと思いま すが、結果的にはこの基準がある意味では細切れ契約、期間が非常に短く、2カ月ぐら いの短さになって、更新回数が多くなってきました。それが果たして本当に有期契約が 良好な雇用形態と言えるのかどうかです。それについて事務局はどのように考えている かをお聞きしたいと思います。  2つ目は、今回の有期労働契約が良好な雇用形態として活用されるようという期待が 書かれていますが、現在、格差が問題にされているときに、1つは典型雇用と非典型雇 用、正規と非正規だと思いますが、その正規と非正規、典型雇用と非典型雇用を分解す ると、特徴的なのは、期間の定めのない雇用と期間の定めのある雇用、そしてフルタイ マーとパートタイマー、それから非典型の中に派遣、請負、契約というのが入ってきま す。その請負の労働者の中でも期間の定めのある雇用、派遣労働も結果的にはやはり期 間の定めのある雇用となります。それに契約社員も企業の中では、契約社員は普通より は有期の期間が長い、大体1年ぐらいの長さが契約社員の形になっているようですが、 これが結果的に所得格差にもつながっていると言われているわけです。  これらが本当に前回の改正がよかったのかどうなのか。今回は期間の長さは議論にな っていないわけですが、あのときは良好な雇用形態など、中期雇用という言葉がこの審 議会でも飛び交ったことを記憶しています。そういう中でいま典型と非典型の格差の拡 大を是正するというときに、果たして有期契約が良好な雇用形態となるのかどうなのか は、私は非常に疑問があると思っています。  連合は有期雇用契約については、基本的に3点、フルセットでないと、なかなかうま くいかないだろうと考えています。1つは、有期にする理由、有期というのは基本的に は一時的、臨時的であるという考え方でないと、いけないのではないか。もう1つは、 有期であっても期間の定めのない人たちと同じ仕事をしていれば、やはり均等処遇、均 等待遇が重要ではないか。3つ目は、出口の規制で、ある一定の期間、ある一定の更新 回数が行われたならば、期間の定めのない雇用にするなど、そういうものがフルセット でないと、結果的に有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準のようなものを いくら作っても、細切れの反復更新は続くのではないかということです。したがって非 正規と正規の典型的である有期契約労働、有期雇用に対してどのような有効な政策が必 要なのか。法でどのようにしてそのような不安定な非典型とならないようにするかにつ いて、もう少し議論が必要なのではないかと思っています。労働組合のことについては、 ここでは労側意見で3点セットだということが書かれているので、是非有期について、 もう少し議論をしていただきたいと思います。  今日の資料の中でいろいろ説明されていますが、例えば資料1−3、有期契約につい て現在従事している仕事は有期契約が一般的だからとか、契約期間中は雇用は保証され ているからだということが、有期労働契約を選択する人の理由をここで示していますが、 結局このバブル崩壊後の10年間、やはり企業は正規の社員、正規の雇用、期間の定めの ない雇用、正社員を非常に抑えて非正規を拡大していったわけです。結果的に仕事を探 そうと思っても、期間の定めのない正規の仕事がないから、有期が増えたと思うのです。 結果的にはそれが有期契約が一般的だからという所に端的に現われているのではないか と思います。それと契約期間中は雇用は保障されるからというのは、おそらく期間が1 年であれば1年間は解雇しませんというようなことがあったからだと思うのです。だか ら28.4%を占めているという、この見方はこの10年の状況をきちっと把握して見るこ とが必要なのではないかと思います。  2頁では、この間の特徴だったと思うのですが、期間の定めのない労働契約を締結し ている労働者に対して、使用者が有期労働契約の契約変更を申し入れたことによるトラ ブル例が81件、とても多いわけです。これは私も電話の労働相談で扱ったのでありまし たが、幼稚園の保母さんがいままで期間の定めのない雇用だったけれども、期間の定め のある契約社員になってくれと言われたと、そういうのがありました。結局これもこの ように多いというのは、この時期に期間の定めのない雇用から、有期契約、期間の定め のある雇用にやはり転換していったわけです。実際に20何パーセント台の非典型が、 32%に増えてきたときに、まさにこの方法だったわけです。そうすると有期契約という のは、何なのかということについて、もう少し議論が必要なのではないかと思います。 有期に対しては、中途半端な施策は有期労働者にとっては、かえって混乱が生じるので はないかと思います。 ○分科会長 事務局いかがですか。 ○監督課長 ご意見にわたる部分と事実関係にわたる部分があり、事務局から資料の提 供ということで、事実関係についてご説明します。現在、労働基準法の告示を直接の契 機として大幅に有期労働者が増えたなど、あるいは有期労働契約者の労働契約期間が顕 著に短くなっているなど、そういう統計データについては現在私どもとしては把握して いないということです。少し古い資料でお手元のバインダーの中にありますが、例えば 有期労働契約者の割合については、確かに最近経年的には増加傾向にあると統計データ は示していますが、ここ最近において急に増えているというわけでもないことであろう かと思います。  3点セットが揃わないとならないという点についてはご意見ですので、私からは直接 それに対してのコメントは、いまの時点では控えさせていただきます。 ○田島委員 いまの長谷川委員の発言に対する監督課長のお答えで少し不十分なのが、 例えば資料1−3の2頁で、この間に有期労働契約のトラブル、相談件数についてやは り圧倒的に多いのがいわゆる期間の定めのない雇用から、有期に切り替えているという ことです。統計からでは説明にならないと思うのです。これは見ればわかることであり、 何でそういう形で使用者側が有期に置き換えようとしているのか。監督署がどのように そのトラブル相談で対応してきたのか、もちろん何で使用者側もこういう形で置き換え ようとするのか。そのことをほかのデータで見てみると、やはり有期に置き換えたほう が安上りで済むという、雇用調整が容易、繁忙期に対応できるというようなことで、結 果的には労働者に皺寄せがくるような、安上がり、コストダウン政策の下でこういう形 で有期か増えてきたのではないかと思います。現在、雇用されているにもかかわらず、 有期に切替えられたということは、新たに入ろうという、人たちに対しては、正規の道 は狭くて、有期が広がったという結果を表わしているのではないかと思うのです。そう いう意味では、こういう形で増えてきたことに対して、監督行政としてどのように分析 しているか、あるいはトラブル内容についてどのように把握しているのかをお聞かせく ださい。  また使用者側もなぜ有期に置き換えなければいけないのかということをお聞かせ願え ればと思います。そこに問題の本質が出てくるのではないかと思います。 ○監督課長 いま委員がご指摘の有期労働契約の変更内容の詳細については、現在手元 に資料がないのでご説明できない状況です。確かに過去の有期労働契約者に関する、雇 用する理由は、私どもが提出したアンケート調査の中で、例えば人件費節約のためとい うのが、有期のパートタイマーについて多かったというデータ、あるいは臨時、季節的 業務への対応が、臨時雇いで多かったというデータはそれはそれとしてあるわけです。 それに対する評価については、この場でご審議いただきたいと考えております。 ○奥谷委員 いまご質問があった、なぜ有期労働契約に切り替えたのかは、働いている 側から自分の都合で急に留学をしたい、育児休業に専念したい、そういう形で契約社員 的なほうが自分の働き方、ライフスタイルに合うという希望があって、そういう雇用形 態にするということがあって、一方的にこちら側から契約になれということは少ないと 思います。ですからむしろ働く側が、自分のライフスタイルに合わせて、契約的な仕事 のほうが責任という部分も含めて軽くなるという意識があっての申し入れが多いのだと 思います。 ○渡邊佳英委員(林氏代理出席) いまの労働側のご意見ですと、正規雇用が何が何で も絶対いいのだということが前提にあるように思うのです。必ずしもそうではないとい うのが、資料1−3にも表われているように、有期契約のほうが賃金等の対遇がよいか らというのも現にあるわけです。これは我々の会社の実例でも現にあるわけで、有期雇 用のほうがはるかに対遇がいいという、そういう特別職の対遇もあります。あるいはい ま意見があったように、勤務時間、日数を短くしたいという希望もあって我々が対応し ているわけです。ですから必ずしも労働側がおっしゃるように正規雇用だけがいい、使 用者側は正規雇用ではコストが高いのだから、何が何でも有期雇用にするということだ けで増えているというのは、あまりにも一方的な見方だと思います。  時代がどんどん動いているわけであり、動いている時代の中で、我々はやっているわ けですから、例えばこれが労働側がおっしゃるようなものもあるかもしれませんけれど も、それは個々のケース、ケース・バイ・ケースで判断しなければならないことだと思 うのです。だとすれば、こういう実定法で法律上の条文で何が何でも規制するのだとい うのは反って、労働側をも縛ることになるし、もちろん我々も縛られる。実態に合わな いものを作るのは、絶対にこれは許すべきではないと思います。 ○八野委員 有期契約労働というものの中でも、契約社員であったり、パートタイマー 労働者であったり、そこで働く人たちの認識、意識にはかなり違いがあるのではないか なと思います。その中でいま指摘があった有期契約の方が賃金等の対遇がよいからとか、 ライフスタイルに合わせて有期契約に移っていきたいというのは、一部の恵まれた有期 契約労働者であって、パートタイマーの労働者は賃金がかなり低く抑えられて、最賃ぎ りぎりという状況の中で生活をしているのが現実なのではないかと思います。  本当に恵まれた有期契約労働者の話をここでしているのではない。やはり、かなり幅 の広い有期契約労働者の全般のところのミニマム基準をどのようにして作っていくのか が、ここの議論なのではないか。ですからここのアンケートの見方も1つだけの見方を するのではなく、もう少し広い見方をしていただきたいと思います。 ○石塚委員 いまの主張を敷衍する主張になりますが、何が何でも正社員オンリーでな ければならないとか、何とかという主張をしているつもりは全くないのです。これだけ 事実として有期雇用が広がってきて、非典型と言われる人たちが3割、相当高い比率に なっているわけです。そうするとここで私たちが主張しているのは、ここに書いている ように有期労働契約は労使双方に良好な雇用形態として活用されるよう、どうしたらい いのかというのが、議論の筋論だと思っています。そのときに先ほど長谷川委員が主張 しましたが、大臣告示だけではやはり力不足で、やるのであればきっちり法制化すべき であろうというのが、基本的な主張なわけです。その際には出口と入口と均等という3 点セットが、原理原則としてなくてはならないだろうというのが、基本的な我々の考え 方です。  そのときになぜそういうことを言うのかですが、いま私の手元にある例えば第51回の この審議会で、諸外国の法制度、概要がきっちりと紹介されています。それを見ると一 見何か自由に見えますが、結構きつい縛りがかかっていて、この第51回の資料では、ド イツ、フランス、イギリス、アメリカはありませんが、この3つの国が載っています。 ドイツ、フランス、イギリス各国の法の中身を見ると、有期労働契約の利用はどういう 目的でと、制限的なものです。どうしたら有期労働契約が利用できるのかという制限を 設けています。書面制であるとか、あるいは各国に共通するものはいわゆる平等取扱い 原則というものが入ってきているわけで、誤解ないように言っておきますが、私は機械 的に日本に適用しろと主張しているつもりはありません。ただ有期労働契約がこれだけ 普遍的に増えてきて、しかもそれがここまできた以上、まさに労使双方に良好な雇用形 態としてなければならないという主張をするときに、参考になるのはやはりそうした諸 外国における法制度の整備を視野に入れていいのではないか。真面目に真正面から考え たときには、相当きつい法の縛りがかかって、その下で労使双方がハッピーな姿として、 これを使っていこうということが見えているわけです。正社員がいいとか悪いなどとい うよりも、やるのであればもっときちっとしたものをやるべきだろうというのが、我々 の基本的な主張です。そうした基調の下に議論をしたほうが生産的なのかなと思います。 先ほどから気になっているのは、同じ有期といっても千差万別ですから、一方的に良い とか悪いとか言っても始まらないような気がします。もっと議論の筋道としては、法律 できちんとやらなくてはいけないのだと思います。その下でやるとすれば、どうしたら 公平なルールができるのかという主張をやはりすべきなのだろうというのが、我々の立 場です。 ○紀陸委員 労側の方々も自ら言われているように、千差万別なものを入口も出口もし かも均等対遇もというようなところで、通俗的な規定というものは設けられるのか。女 性もおられるし、特にヨーロッパなどは高齢者の方々で短時間雇用などないです。高齢 者もいるし、若い人も中年の方もおられるとか、しかも直雇用だけでなく、派遣で働く、 請負で働く、業種、業様も仕事の内容も全然違うような、さまざまな有期の方々を3点 のセットでといっても、そういうことが果たして定めることができるのか。期間が長い 人と短い人とで均衡、均等といっても全然話のレベルが違ってくるわけです。ですから こういうのはやはり、基本的なことだけしか定められないだろうと思います。  特に私どもは技術的な問題で恐縮ですが、最終的に法文の案がどのようになるかわか りませんが、使用者は解約できないというような書きぶりになっていますが、本来なら ば契約法制であれば当事者は何々できるなど、条文の立てつけ上そのようなことも必要 ではないかと思います、これは細かい技術的な話ですが。かつ問題はやむを得ない事由 というのが、どういうことなのか。これはお伺いしたい点なのですが、正規雇用の場合 の権利濫用の法理とここで考えているやむを得ないというのが、どのような関係になっ ているのかです。ここでもし、権利濫用をより厳しいようなことを考えているのであれ ば、これは全然乗れない話で、乗れないと言うか理屈に合わない話ではないかなと思っ ております。その点を確認をさせていただきたいと思っています。 ○分科会長 民法第628条の「やむを得ない」という中身ですか。 ○紀陸委員 今度、これに移し換えるわけですよね。その場合に権利濫用の法理と移し 換えて同じですよというのか、あるいはもう少し期間の限定の中で解雇するのならば、 よほどの事由が云々というようなことを後ろで考えておられるのかです。その辺の。 ○分科会長 荒木委員いかがですか。 ○荒木委員 民法第628条の「やむを得ない事由」というのは、有期契約の期間途中の 解雇ですから、通常の無期契約における解雇権の濫用法理において、解雇の濫用と認め られる場合よりも、もっと厳しい事由というように理解していると思います。一定期間 雇用することを約束し、期間の満了の場合には、解雇によらずに雇用契約が終了するの が有期契約ですので、その約束した期間の途中の解雇については、無期契約の通常の解 雇の規制よりも厳しい事由が要求されるという理解ではないかと思います。 ○分科会長 今日配られた資料1−3の1頁に、いちばん多いのが契約期間中は雇用は 保障されるから、原則的には解約されないと、こういう話を有期雇用労働者のほうも前 提としていると、そういう感じなのでしょうかね。 ○島田委員(中村氏代理出席) 代理で恐縮ですが、この議論は当初長谷川委員が申し 上げたように、あるいは省として説明があったように、この間に有期雇用が増えている わけです。これは直接前回に延長したところの因果関係云々という、正確にはできない というお話はありましたが、歴然と増えています。格差は確実に拡大しています。個別 の条件で高い条件もありますという話ももちろんあるけれども、基本的に格差は拡大し ています。それで有期雇用が増えていることもまた事実です。このことに対して、どう いう措置を取るかが1つの論点だと思っています。そのことについて一応労働側は長谷 川委員が言ったように、3点セットのようなものが必要なのではないかということです。 それが必要ないと、自由にとおっしゃるのだけれども、それでいいのかという部分は、 これはきちっと議論しておく必要があると思います。  それからこれは労働法全体に関わることですが、契約のところで労働者の立場という のは非常に弱い、実際には弱いです。契約が嫌だったら結ばなければいいではないかと いう話はありますが、それではできない。多分現実には使用者はさまざまな選択肢を提 示しているとおっしゃるのだけれども、この間この調査に出ているように、有期雇用し かないからなど、そういう部分の選択というのがあるわけです。有期雇用ということで あったら、条件はそれぞれ低いのがかなりスタンダード、一般的です。やはり雇用の更 新の不安が最大の問題です。それについての選択肢というのは、もとの段階できちっと 公平、イーブンではないです。そういう部分に手当をするというのが、この間のこの法 の議論だと思っています。そこは少し論点がずれているような気がします。はっきりそ れは議論していただきたいと思います。 ○紀陸委員 いま解約のやむを得ない事由というのは、もう当然ながら厳しくなるとい うお話ですが、現実の機能としてこういう短期の契約の解除事由、入口から出口までと いうことになると、そういうものを規制を厳しくすればするほど逆に、経営側、雇う側 としてはリスクを回避するためにもっと短い期間でというようなことになります。いろ いろなパートの方々が必要な場合に、リスクを避けるために、避けられるリスクだった ならば契約を短期にしてという可能性が当然出てくるわけです。それでもいいという自 由な方々もおられる。  その辺のことは、 現実の機能として考えておかなければいけないわけです。いいとか 悪いとかの話ではなくて、雇用形態の多様化というのは現実にそういうような背景事情 により進むわけです。片方だけ縛っておいて、それで懸念される面が払拭するというよ うなことではないと思うのです。規制をかければかけるほど、それを回避するために違 った道を選ぶということが、現実にいままでもあったし、これからもあるだろう。それ は常に法のあれを考える場合に、視野に入れておかなければいけない問題だと思うので す。その点を考えて法の検討をするというのは、当然ではないかと思います。これは労 とか使とかという立場を超えた話だと思います。 ○八野委員 いまの発言で非常に気になるところが、雇用をリスクとして見るという考 え方自体が問題があると。人を採用するには採用責任があって、その人たちを活用して より生産性を上げていくというのが、企業の原理原則と思います。しかし、これだけ非 典型雇用もしくは有期の契約の労働者がさまざまな施策の中で増えてきたなかでいかに この契約のところを守っていくのかという議論をしているわけで、採用のリスクのこと についての話をしているのではない。やはりそこで採用した人たち、そういう人たちを その期間の中、いかに均衡、均等という考え方の下で、さまざまな雇用形態の人たちを 企業として責任をもっていくのか。  例えばパートタイマーや契約社員であれば、企業が直接雇用契約を結んだ従業員であ るわけですから、そこに対して契約期間満了まできちんと働いていただく、そういうこ とが重要であると。ここの労働力人口は非常に増えているわけですから、いまこの人た ちがいないとなったら、企業は回らなくなるというようなことも実情としてあるわけで す。そういう中で見ていくときに、入口の所での契約のきちんとした理由の制限を見据 えて契約をしていく。採用をしてからが均等、均衡で、先ほど均等、均衡をわからない と言ったのですが、いま職務弁析もされて職務給というものが企業の中にも明確に位置 づけられていて、役割給も明確になってきています。そういう中で職務弁析もかなり進 んだ企業はきちんと整備されてきています。そういう中でこういうものを入れていこう ということは、いまフルタイマーを中心にやられている人事制度とリンクするものでは ないか。人事賃金制度だけではなくて、あらゆる労働条件の面で均等、均衡というのは 考えていかなければいけないのではないか。そのように考えるのでいまの発言ですと、 有期契約労働者は、本当にまだまだ雇用の調整弁だというような認識をもたれているの だという感じを受けます。ここの場では先ほども何度も出ているように、良好な雇用形 態としてどのようにして位置づけていくのかを前提として、議論をしていくべきなので はないかと思います。 ○分科会長 時間の都合もありますので、次の2頁の。 ○田島委員 こういう重要な問題を、今日はこれだけやらなければいけないからという ことで、進めないでいただきたいと思います。関連して先ほど紀陸委員が制度を厳しく すればするほど別の手、それを逃れる方法という形の発言がありました。それに関連し て前回の審議会の場でいわゆる労働基準法第18条の2、解雇ルールをしっかりと書いた と。そうするとそれを逃れるために有期にしている。ではそのようにしては駄目ですよ というのが、ヨーロッパの法制であるということです。文献で読んだことがあるのです が、そういう形で折角労働基準法第18条の2にいわゆる権利濫用の法理を書いておきな がら、それを逃れるために有期にしている向きもあるのではないかと思います。そうい うことはやはり駄目ですよというのはヨーロッパの労働法制であるということについて は、ヨーロッパに詳しい荒木委員にお聞きしたいなと思っています。  もう1点は、この議論はあまりにもきれいになりすぎているなと。有期の人たちは本 当に必死になって生活のために働いていて、しかしあまりにも差別、格差がありすぎる と。あるいは社会保険料そのものも結果的には自分で国民健康保険、国民年金に入らざ るを得ないと。しかし入りたいけれども、そこに払うお金もないというような、有期の 人たちも非常に増えているというのが、現実なわけです。そういう人たちの相談にずっ と対応していると、やはりいちばん悩むのが、やはり更新時期なのです。自分自身は更 新されるのか、私は更新されるのかということで、非常に悩まれる。そのときに恒常的 な仕事なのに有期にして、小間切れにしてやる理由が本当にあるのか。理由そのものは コストダウン以外の何ものでもないだろう。あるいは雇用調整も解雇法制が厳しくなる から、それを逃れるために有期にして更新拒否でやれば、雇止めで解雇ではありません ということで雇用調整がしやすいとなってしまう。しかし、そこで働いている人たちの 身になってみると、本当に良好な雇用関係、雇用形態にはなっていません。  もう一点、資料No.1−3のトラブルで、労働者のほうから申し出たのは、トラブルで はないから、ここには件数として挙がってこないのです。ここの場合にはトラブルです。 私たちは実は労働組合のない所だけではなく、ある所でも現にバブル以降の相談では正 規から有期に切り換えるという提案がされて、やむを得ず呑んで妥決してきた職場はあ りますが、そのときにはやはり大きな理由は、経営困難の中でコストダウンだったので す。そういう意味では理由のない有期については規制を加えていかないといけないだろ う。均等処遇があれば正規にはこだわらないし、有期でもいいのです。  つい先日も『エコノミスト』という雑誌に若い学者が、フランスなどは逆に有期のほ うが処遇がいいのだという紹介をされていたのを読んだ記憶がありますが、そういう意 味では、日本はあまりにも有期が底辺労働に落ち込んでいる問題があるのではないかと 思いますので、先ほどの解雇ルールのところについては、ヨーロッパがどうなっている のかをお聞かせ願えればと思います。 ○荒木委員 ヨーロッパ各国には、解雇に正当事由を要求するという規制があります。 したがって、その潜脱を許してはいけないということから、有期契約の利用について客 観的な事由を要求するという立法があるということも、ご指摘のとおりだと考えており ます。  しかし、同時にそのことによって労働市場の硬直化がもたらされているのではないか という指摘があるのも事実だと思います。ヨーロッパ、ドイツなどでは失業率が10%を 超えています。そういう労働市場の規制は硬直的すぎるのではないかということから、 例えばドイツでは、有期契約に対して客観的事由を要求しない、という例外をどんどん 拡大してきています。フランスについては、客観的な理由を常に要求していますが、先 般、新しく雇い入れる初期雇用契約の場合には、解雇の規制を外すということが、大変 な議論になりデモも起きました。そういう提案がなされるのも、労働市場に対する硬直 的な規制に対する対応という面がある。したがって、日本においては、解雇の規制の必 要性と、過剰な硬直的な規制にならないかという双方を見ながら考える必要があるので はないかと思います。 ○谷川委員 有期雇用が非常にあれで、ポスト、管理上の点があまり強調されすぎると、 実際にものづくりをやる所であっても、かつてはかなり長期的にこの事業をやれるとい う仕事が結構あったのです。それはキャッチアップをしようとしているような時期であ れば、かなり長期的な計画を立てながらやることができました。  しかし、実際には周辺諸国との間で産業も事業も仕事もうまく棲み分けをしてくる中 で、新しい仕事をやっていかなければいけないということになってきますと、そういう 新しい仕事が定着するまでの間は、彼らにある期間を限ってしたいという仕事はかなり 出てきているのです。そういう中で、使用者側も労働者側も、お互いのワークライフバ ランスを考慮しながら、こういった有期労働契約を活用していくことは、日本の産業の 活性化にとって大いに役立っているのではないかと思います。そのときの条件のあり方 などについて、何と相対的に比較したらバランスをするのかを考えないと、単純に賃金 高、あるいは賃金の高に代えられない生活だったり、やりがいであったり、期限のない 人とは違う利点などもあって成り立っている部分はかなりあるのだろうと思います。で すから、そういう現実を踏まえた上で、有期労働のあり方は考えていくべきではないか と思っています。 ○長谷川委員 有期についての使用者側の話を聞きながら思ったのですが、私たちはそ の会社に働いている人はすべて会社の従業員だと考えて、正社員などという言葉は使わ ないのです。正社員とか、そういう使い方は差別になるからやめようと言われており、 そういう差別的なものは使わないようにしています。すべての人を正社員にしろと言っ ているのではないのです。何が起きているかというと、この10年間でバブルが崩壊した あと、企業の皆さんだからよくご存じだと思いますが、自分の会社で考えてみれば、人 件費コストを削減するために、私は期間の定めのない雇用と言っていますが、期間の定 めのない人たちを、ある意味では期間の定めのある雇用に置き換えたのです。それは形 としては契約社員であったり、契約社員は大体1年ですが、あとは派遣だったり、請負 いであったり、パートだったり多様だったと思います。  置き換えたときの共通点は何かと言ったら、期間の定めのある雇用は全部共通してい るのです。これが特徴です。それは駄目だと言っているのではありません。だってそう やって作ってきたわけですから。しかし、この結果、何が起きたかと10年を過ぎてみた ら、どうも格差が拡大しているみたいだなと。労働者の間でも格差が拡大している。そ れは何だったのかと見たときに、今まで期間の定めのない雇用だった何割かが期間の定 めのある雇用で、非正規とか、非典型と統計上はしていますが、そういう働き方だった のです。  10年間で、1999年には派遣法の改正があり、そのあとも改正がありました。労働基準 法でいえば、有期が1年から3年、3年から5年に延びたわけです。そのようないろい ろな改正の中で、ある意味では有期雇用が非常に使いやすくなってきたことも事実です。 ここで立ち止まったときに、有期に対してこのままでいいのだろうかと。原則1年を3 年にし、3年を5年にした。あのときの議論を思い浮かべてみれば、長いほうが雇用保 障もあっていいでしょうということでやったのです。だから中期雇用だという意見もあ りました。でも、本当にそうなのですか、どうなのですか。ここはもう一回見直しませ んか、検討する必要があるのではありませんか。有期雇用が良好な雇用だと言うのなら、 いま問題があることに対して、何らかの法的な措置が必要なのではないかというところ の議論だと思います。  私たちが入口規制、出口規制、均等待遇と言うものですから、規制ばかり掲げて、こ れでいいのかと言われています。入口規制と言っていますが、有期であるときの理由は、 プロジェクト型もあったりいろいろあります。5年有期の所もいろいろな理由が書いて あります。もし有期を使うとすれば、こういうときは有期ですね、それ以外は基本的に は期間の定めのない雇用にしませんかという議論をしてもいいのではないかと思います。  それと有期で働いて、労働者がとても幸せなのだと言うのだったら、幸せではない最 賃プラス100円でギリギリで働いている人たちがいるから、これではとてもかなわない。 同じような仕事をしているのだったら、時間当たり同じような賃金が支払われてもいい のではないか。生活もできない状況でいいのか。私は有期が悪いと言っているのではあ りません。有期の結果、そういうことが起きていることに対して、国はどういう所で法 的な手立てをすればいいのか、雇用政策でやるものは何なのかについては議論する必要 があるのではないかと思います。  有期についてはここしか議論をする場所がないわけですから、有期契約の問題点につ いて何があるのか。それに対して公的な手立ては何なのか。労使自治でやるものは何か、 雇用政策でやるものは何かについて、ここの議論が必要なのではないかと思います。  出口規制というのは、20回も更新したとか、何回も更新したら、なぜ最初から期間の 定めのない雇用にしないのか。7回も更新をして、1年契約で7年もやったら、期間の 定めのない雇用だっていいではないですかとか、13回、19回更新したら、19年もそこ で働いてきたのだから、それだったら期間の定めのない雇用でもいいのではないですか ということは、検討してもいいのではないかと思います。有期が今日的に持っている問 題を、労使ですから、何が問題なのかをはっきりさせながら、それに対してどういう手 立てが必要なのかという議論をしてほしい。私は有期が悪いとは言っていません。現に 派遣で働いている労働者もたくさんいますし、契約社員の労働者もいっぱいいますので、 それを全部否定することはとてもできません。 ○渡邊佳英委員(林氏代理出席) まさにおっしゃるとおりで、そういう論点を整理す ることについては、私は異議を申し立てているわけではありません。ただ、一方的に使 用者はこうしてきたではないかという論議だけで終わったのでは、現に資料No.1−3に あるように、先ほど少なくとも一部の恵まれた人だと言われましたが、現にポジティブ に1の有期契約のほうが賃金等の待遇が良いから、あるいは定年まで1つの会社に縛ら れたくないから、正社員としては働けないからという3つを足しただけで4分の1ある のです。決して一部の恵まれた人だけではないはずですということを、私は申し上げて いるので、ご指摘のことがないと言っているわけではありません。確かにそういうこと もあるでしょう。でも、このようにまさに時代は流れているのだ、労働者はこういう働 き方もしているのだ、このように望んでいるのだということも前提としてあるのだとい うことを強調しているだけです。ということは、ケース・バイ・ケースで考えていかざ るを得ないことなのだから、一律で実定法で規制するのはどこまでいいのだろうか。特 に長谷川委員が言われたように、規制という言葉を使うから規制のように聞こえるのだ と。でも現に規制とおっしゃっているではないですか。ですから、規制の問題ではなく、 実定法で規制することではなくて、いかに契約の段階で労使の自治が良好な関係を保て るかということで論議をすることについては全く異議はありません。  ただし、今日、論点で整理されたのは、「原則として解約できないものとすることにつ いて」書いてありますが、左側の「やむを得ない事由」は、現にもう既に民法で書いて あるわけですから、やむを得ない事由を具体的にどのような条文で規制しようとしてい るのかということが明らかにされない限り、議論にはならないと思います。今までの議 論は一般論、抽象論でいいとか、悪いという話になっていますが、今日の論点は完全に すれ違っていますから、この論点で本当にやりたいのであれば、やむを得ない事由をど のように契約法で具体的にしようとしているのか。それが今の流れの中で妥当なのかど うかという議論をすべきだと思います。ですから、今までの議論はあまりにも抽象的に なりすぎているように思います。 ○新田委員 私は、今、どんな状況下にあるか考えた上で議論して欲しいと思います。 それは「失われた10年」、あるいはバブル崩壊後どうとか、いろいろ言われていますが、 それでずっときて今があるのです。今はどういうことになっているかというと、いざな ぎ景気などと言われるのですが、ほとんど実感がないというのが働く側に強くあります。 しかし、経営サイドも全部には行きわたっていないということも聞いています。しかし、 そういう所にまできているときに、この10年、競争に勝つためにということも大きな要 素としてありました。  片一方で耳触わりのいいと私は表現するのですが、雇用の選択肢が増えるからという 言い方で規制緩和をされてきた。おっしゃるように、留学やそれぞれの都合に合わせて 選べる制度もできたということで言えば良かったのでしょう。しかし、現在を見ると、 格差二極化は、実は雇用形態の、有期のところに振り分けられていくということに起因 しているのではないか。それは前に出た資料で見れば、「パートを雇用する理由は何です か」と聞いている中では、人件費が割安だからというのが66.5%もあることからもわか ります。そのほかでは、雇用の調整をしやすいということもあげられています。そうい うことは実は競争力を付けるために必要だったのだと聞いていますが、現実にそうだっ たのだと思います。しかし、これ以上このことを続けたらどうなるのですかと聞いてい るのです。  ライフワークバランスだ、あるいは少子化対策だと言っている。いろいろなことを言 っているときに、このことを続けていくことはどうなのですか。いみじくもここに「良 好な雇用形態として活用されるよう」と書いてあるということは、良好ではないことの ほうがはるかに多いのだということです。そうではない認識ならば違うということをは っきり言えばいいと思いますが、使用者側と働く側とで自分の働きたい、あるいは雇い たいということに合致する部分については、問題になってないのですからいいのです。  議論が噛み合わない、すれ違っていると言われますが、すれ違わないように私たちは 議論をしたいし、訴えていること、そのことをどうするのかを、どう答えるかというこ とではないかと思います。使用者側としてどんな認識なのかを聞かせてもらえれば、も っと違う角度で納得があるのかもしれないのです。そこが今までの議論では納得し難い。 どう変えていくのか。良好な雇用関係だと双方が思えるものをどう作るのかということ ではないかと思います。 ○廣見委員 いま有期契約、有期雇用の問題をめぐって、かなり突っ込んだ意見が戦わ されていますし、私も大変重要な問題であると思います。ただ、この問題は、先ほど長 谷川委員もおっしゃったのですが、大変重要な問題であって、幅が非常に広く、深い問 題だと思います。雇用政策あるいは今我々が当面労働契約法制、一部の労働基準法の改 正を視野に入れて議論している範疇だけで議論の整理がし切れるのかとなると、かなり 重要な問題を含んでいると思います。  その意味では、私も個人的には有期雇用の問題は、それ1つだけで相当議論をし、整 理をしなければならない問題を含んでいると思っており、ある意味では非常に重要な、 また急を要する問題であるとは思っていますが、さて、この場でそういう問題を含めて、 有期雇用の問題の本質について、どこまで議論ができるのかと現実論を考えてみますと、 それはそれとして、また何らかの形で工夫がされて然るべきなのではないかという気も します。  現実に有期雇用の問題で最小限の論点として出されている問題の整理と、もう1つは 非常に重要な問題として均等待遇というか、待遇の問題があります。この辺りは総論で どのように議論を整理するかということで若干議論しました。例えば、労働契約法制を した場合、その契約の基本的な考え方の中に、それをどのように整理するかという問題 とも絡んでいるわけです。そのようなことでなかなか難しい問題が非常に多いし、広い のです。労働側の委員、使用者側の委員がおっしゃっていることは、ある意味ではそれ ぞれの立場からすると、そういう面があることも当然だと思います。全部否定されてい るわけではないと思います。そういう意味では、現実にこの議論の進め方は大変難しい と思いますが、この議論をここでとことん尽くすことも難しいとすれば、論点整理の中 と、いま言った基本論の基本的考え方の辺りの整理をどうするかを考え、いまのような 問題は何らかの形で然るべき整理をされて、また機会をもつというか、そういうことが 必要なのではないかという感じがします。厚生労働省もパート労働の問題を別に議論さ れようとしているわけで、それとも直接かかわるかどうかは別にして、ここは少し現実 的な議論の進め方も考えられて然るべきなのかという感じがいたします。 ○分科会長 確かにそのとおりで、問題自身が非常に難しいわけですが、かなり深まっ た議論ができたのではないかと思います。今日で結論が出るとは思いません。次回にこ のテーマが出てきたときには、具体的な論点を整理して、もう少し具体的な結論が出る ような議論をしてみたいと思います。  ということで、2頁の管理監督者足り得るスタッフ職の範囲の問題、範囲を明確化す るというほうに移りたいと思いますが、この点についてはいかがでしょうか。 ○小山委員 管理監督者の問題については、現在の法律と実態との乖離が極めて大きい ことは、共通認識として労使双方持てるのではないかと思います。というのは、ご承知 のとおり、普通は製造業では工場長、部長クラスが管理監督者のはずだったのですが、 実態では1事業所の中で2割、3割を占める方が管理監督者になっている事業所まで出 ているわけです。既に厚生労働省が委託研究を依頼した「管理監督者の実態に関する調 査研究報告書」等を見ても、その実態の乖離が明白になっているわけです。ですから、 実態と法律が乖離するとすれば、その実態を正していくためには法律の中で今まで曖昧 な表現しかされていなかった条文について、基準を明確にして、実態を正していくこと が必要とされていると思いますので、むしろ遅きに失したのではないかというのが今日 の状況だろうと思います。  そうした点については、先ほど申し上げた実態に関する調査研究報告書でも指摘して いることで、当然、この機会にきちんと法律の中に基準を明記して、正しい運用がされ るようにしていくべきだということでお願いしたいと思います。  残念ながら、このペーパーの記載にはスタッフ職が多様化していることを踏まえてと いう、スタッフ職の範囲の明確化にしか触れていないのですが、実態はスタッフ職だけ ではなく、ライン職も含めて法律との乖離が問題になっているわけで、改めてそこを明 確に法文化することを求めたいと思います。  今日は資料が提示されていませんから、実態として課長クラスが本当に事業所の重要 事項に関する決定権等を持っているのかと言ったら、ほとんどの場合、持っていないと いう実態が既に明らかになっているわけですから、この辺はあまり議論の余地がないと 思いますので、実態を踏まえて、きちんとした明確な法制化をお願いしたいと思います。 時間がだいぶ過ぎていますので、もう1つの深夜業の割増賃金についても同時に申し上 げておきたいと思います。  今まで管理監督者についても、深夜業の割増賃金の規定が適用されていたわけで、適 用されていたものを除外するには、それなりの大きな理由があってのことだろうと思い ますが、その理由はどこからも見出せない。むしろ深夜にわたって働くことが健康に大 きな影響をもたらすことは、従前から明らかになっていることで、それに対するチェッ ク機能をきちんと果たしていかなければなりません。ましてや今日のようにグローバル 化された時代の中で、企業の活動も海外との連絡等を含めて、深夜にわたることが管理 監督者も含めて多くなっているわけです。とすれば余計にそうした時間管理を明確にし て、そこで過重労働にならないようにしていく措置が求められているわけで、新たに適 用除外をするなどというのは、まさに時代の要請に逆行する検討になるということで、 今までどおりの適用をすべきだということを主張しておきたいと思います。  その上で1つだけ質問しておきたいのは、今まで労働基準法の中で、管理監督者の深 夜業に対する割増賃金に対する適用をしてきた理由は、立法過程、あるいはこれまでの 中でどう理由があってされてきたのかということで、これは専門の研究者にお聞きした ほうがいいのか、事務局にお聞きしたほうがいいのか、併せてお聞きしておきたいと思 います。 ○監督課長 深夜業に関する規定との関係については、立法過程の事由というか、私ど ものほうで、現在、通達の解釈として37条の適用があることについては、先ほど説明し ました資料の7頁ですが、管理監督者については、「本条4章、6章及び6章の2で定め る労働時間、休憩及び休日の規定を適用排除しているものであり、深夜業の関係規定は、 適用が排除されるものではない」と書かれておりまして、こういうことにつき、現時点 での説明としては、こういうことであるということです。 ○分科会長 この点について、使用者側はいかがですか。 ○紀陸委員 私どもは言うまでもないのですが、いま実情とおっしゃられましたが、実 情というのは、認識に相当誤差があると思います。競争が激しくなるということは、意 思決定を早くしなければいけないということで、意思決定を早くするためには、どんど ん下のほうへ権限委譲をしていくということですので、従来の部長がおられて、次長が おられてという時代ではありません。4階層、5階層が、本当に3階層、2階層、場合 によっては1階層につながっていくという会社がたくさんあるわけです。言葉で表すと 会社と言っていいのか、抽象的な規定によらざるを得ないのでしょうが、実態はさまざ まで、でも相対的には権限を下のほうへどんどん下ろさざるを得ない。そうしないと遅 れるという状況です。スタッフ職の話もそれに入るのだと思います。労働側の皆様も、 本当は実態認識は同じだと思います。  深夜業云々ですが、お話のように、24時間の使い方がさまざまに変わってきていると いうことは、従来は朝からやって夜中までというという延長線上で、深夜割増を考えた 時代と違ってきています。ですから、実態に合わせて変えるべきです。一方で健康管理 の安全衛生の問題は安衛法できちんと手当てされており、管理監督者について新しい仕 組みも始まっています。問題は健康確保をきちんとやる手立てがあれば、割賃で云々と いう制度から取り外してもいいだろう。これは別途割増賃金の引上げの問題があります が、私どもはそれには反対しますし、特に大事なことは健康確保措置がきちんとなされ るかどうかという点にかかっていると思います。そういう事情で深夜労働の割増賃金は 外すべきだと考えております。管理監督者の問題については以上のとおりです。  併せて事業場外のみなしですが、これも事業場の外でやって、中で少し集計するとい うのが仕事で付いて回っているわけです。そうすると、ほとんど外でやっていて、その カウントが不可で、中に入った分だけは確認できるでしょうが、そこの部分と足し合わ せてみなしをカウントするというのは、本来はおかしいのではないか。事業場外の仕事 も確かに一部ありますが、それはあくまで全体の仕事の一部なのです。そういう考え方 からいくと、全体を通してみなしをカウントすべきではないか。そのほうが筋としてや りやすいと思いますし、実態に合っていると思い、製造業の実態を踏まえた必要な見直 しを、是非ともお願いしたいと思っています。 ○八野委員 前にここでこの件について議論したときに、管理職と言われる企業内での 位置づけ、いま言われたような決定をどうするかというところで、下にだんだんと下り ていっていると言われていましたが、それは企業内で企業活動を進めていく上では、そ ういうことが出てくるのだろう。しかし、ここで言っているのは、労基法41条2項に該 当する管理監督者たちが、企業の中できちんと位置づけられているのかが問題点なので はないか。それがかなりあやふやになっているのではないかということが議論になって いたのではないかと思います。  1つは、戦略的な決定領域の権限で見ても、部次長クラスに権限が委譲されており、 課長クラスは調査によると、決定に至るプロセスに関与しているということが出ていま す。もう1つ重要なのは、人事労務の決定権限がどうなっているのか。解雇、懲戒、賞 与等の賃金、採用、労務という重要な権限については、部長クラス以上が権限を有して いるという調査が出ているのを見ていくと、経営の一体性が曖昧ではなく、曖昧にして きたから、そのようになっているわけです。  そのように見ていったときに、従来考えていた管理監督者をもう一度明確にして、こ れを作ったときの精神に戻った管理監督者を見ていくべきではないかと思います。これ はスタッフの所だけが問題ではなく、ライン業務の中でもかなり課題が出てきているの ではないか。ある意味では時間外が自分たちの管理ということですから、時間外は付い ていない。手当を見れば、役職手当という名前になっているのかどうかわかりませんが、 管理職の手当は仕事に値する手当と、時間外相当分がごっちゃになって、一緒に考えら れているような気もします。経営の一体性の曖昧なものはもう一度正していく。管理監 督者は企業内の管理職のことを言っているわけではないので、41条2項に該当する人た ちというのはどういうものなのかを、もう一度ここできちんと整理をしておく必要があ るのではないかと思います。 ○小山委員 先ほど健康確保措置があれば外してもいいのではないかという話がありま したが、議論が逆で、今なぜこれを外さなければならないかという理由が、全然先ほど から伺えないわけです。深夜の割増しを適用除外にしたほうが、その労働者にとっても、 企業にとってもいいことなのだという理由があって、初めて外すなら外すという議論が できるわけですが、何らそういう理由が示されておりませんし、これでは議論ならない。 理由があるのだったら、きちんとした合理的な理由を示していただきたいと思います。 ○平山委員 管理監督者の件について言うと、たぶんこれは先ほどから部長という役職 や、工場長という役職、課長という役職、いろいろな役職が出されていますが、非常に 伝統的な組織として一般的にわかりやすいということがありますが、それぞれの企業の 中の決定機構の有り様は、随分バラエティーに富んできたと思います。  たぶんいろいろな企業が階層を踏む仕組みを維持している所と、フラット化を目指し た所では、かなり階層が違うし、その過程の中で名称では横並びで、同じに定義づけら れない名称も出てきているし、名称自体もいろいろなバラエティーがあります。一般的 に我々が考える部長、工場長、課長という役職で一律に何かを律しようということ自体 は、それぞれの企業にとっては現実に合わないということに、随分変わってきているの だろうと思います。人の管理、経営と一体となった業務の指揮権、扱う業務の経営と一 体の機密性などの実態的なものがどうなっているかということは、たぶんいちばん大事 な判断軸になるのだろうと思います。おそらくそういうことが現実的にそれぞれの会社 の中にある人事制度の中の役職層、職務層、資格区分など、いろいろな形の中で処遇に も反映されながら、それが担保されているということではないかと思っています。役職 だけでドンと切るような一律論は、もともと実態に馴染まないと思います。  割増しのところは、基本的には管理監督者、時間管理の枠外にいる存在だということ で、理屈としていえば、深夜だけが労働基準法上、時間管理の対象になることは理屈と してはないのではないのだろうということで、除外されることについては理屈の上では そういうことだと思います。 ○渡邊佳英委員(林氏代理出席) 確認ですが、今後の検討の方向性で書かれている左 側のほうですが、これはすべて法制化をすることが前提ですね。今までは解釈例規で全 部行われてきた。これを法律あるいは労基法そのもの、あるいは労基法の規則そのもの の中へ入れていこうというのが、もともとの案を出された論点だろうと思います。  そうしますと、今まで解釈例規を見ていただいてもわかるように、大変膨大なものが あるし、解釈例規そのものに「名称にとらわれず、実態に即して判断すべきものである」 と、わざわざ書かれているわけで、私はそのとおりだと思います。これは実定法の条文 の中に書けば済むという問題では絶対になくて、もし明確にするのであれば、実情に即 してやっていただきたいという、一言に尽きるのです。でも、実情に即すと言えば、ど ういう形で書くか。解釈例規もいくつも出ているわけですし、大変長文な解釈例規です。 それを規則に被せたら、一体どういう書き方をすればいいのだろうか。非常に使いづら い、現実に合わないものになってしまうのではないか。一旦、規則あるいは法文化すれ ば、そんなに機動的に変えられるものではありませんし、ますます実態に合わなくなる のではないかという心配をするわけです。  もう1つ企業の実態として付け加えますと、権限が下に下りていると言われましたが、 そのとおりです。これは大企業であれば下に下ろすということになるのでしょうが、中 小企業は下に下ろすような専門の部署などがあるわけがありません。経営者と一体とな って判断している人間というのは、みんな現場にいるわけです。現場の中で経営者と一 体となって判断している人間がいるわけですから、そういう階層別の構想をなしている だけではなく、横にもどんどん広がっているのです。  ひと昔前は、労務管理については人事部がほとんどの権限を握っていたわけです。と ころが、それらの権限というのは、大部分が職場の管理監督者に下りていっているわけ ですから、そういう実態も踏まえますと、まさに法律で簡単に規制できるようなもので はなく、現場現場のその場、その場で、ケース・バイ・ケースで判断していくしかない かと思います。 ○新田委員 この問題は労働基準法でこのように決めている、判例もできています。要 するに、基準法で守ろうとしているのは何かと言えば、働く者をどう守っていこうかと いうことです。そのときに適用除外するということは、大変なことなのです。それは大 変なことなのだからこそ、こういう理由で適用除外、こういう仕事、権限がある人は外 すのですと明確にしてあるわけです。例えば、いま役職の名前で課長だから管理者だと いうことで、会社の中で課長だ、何長だと呼ぶのはいいのです。しかし、法に照らして 言えば違うでしょうというのを、明確にするのですかということなのです。そういうこ とをきちんとしないと、適用除外ということは進められないのです。そういう実態はな い。そのことをきちんとしてからでなければ、次の話はないでしょう。  もう1つは、私はこの時代のことを言うのですが、ライフワークバランスや何とかと いったところを求められるのなら、夜中に働いて、それが普通なのだという話ではない というのがあるのではありませんか。そのことをどう考えるのかは、全体にわたっての 考え方として大変重要なことだと思うのです。昔は太陽が出ている間は働くのだという ことがあったかもしれませんが、そんなにまでとは言いませんけれども、働き方とか、 生活の仕方をどう考えるのかということも含めて考えていくことが、重要ではないかと いうことから言えば、適用除外もどう考えるかというのは、大変重要な問題だと思いま す。 ○八野委員 いま渡邊委員の代理からご発言がありましたが、管理監督者は実態に合わ せてと言われたし、このペーパーでも使用者側の委員では、実態に合わせて広げるべき だということは、昭和63年の基発150号の発文に対して、あまりにも範囲が広いという のは、たぶん使用者側も認められるだろうと思います。  そういう中で、本来41条2項の管理監督者適用除外であるべき人たちが、管理監督者 の実態に関する調査研究報告書の調査によれば、適用除外の管理監督者の54%が勤怠で 制裁や不利益があり、8割が時間管理をされています。適用除外であるにもかかわらず 8割が時間管理をされているというのが現実です。  では、なぜ41条2項で適用除外です、残業代も払いませんと言っているのに、8割が 労働時間を管理をしているのですかと。これはあまりにも範囲を広げ過ぎている。企業 の運営そのものはピラミッドではなく、フラット化している。あるいはスピード化は私 はそうだろうと思います。  ただ、この調査研究で現在の範囲のスタッフ職をそのまま含めるのは、必ずしも適切 ではないというまとめになっていますが、現行の管理監督者があまりにも範囲が広すぎ る。したがって、以前の審議会でも、基発150号に基づいて局長通達文書ではなく、法 律の中にきちんと明記したほうがいいでしょうというのは、以前からの論議だったのだ ろうと思います。現在使われているのは、時間外の手当の対象ではないのに対象者にし ているのが実態だろうと思います。その辺は法で厳格に指定したほうがフェアではない かと思います。 ○渡邊佳英委員(林氏代理出席) 私の議論はどのように規制したらいいかということ を問うているのであって、もし今のような実態が事実だとすれば、今の法律の中でも管 理監督者ではないではありませんか。だとすれば、法律でそれを規制することが非常に 困難だから、現実の運用の中でやっていくしかないでしょうということを申し上げたわ けです。一律に決めることによって漏れてくるのもたくさん出てくるし、1万5,000人 の会社と15人の会社と管理監督者が一緒なわけがないではありませんか。そういう現実 があるわけですから、そういう現実にいちいち法令の条文でそういう規制ができるはず がない。まさに労基法は規制条文で、規制法ですから、契約法とは性格が少し違います。 だとすれば、1万5,000人の会社の実態と、15人の会社の実態と1つの法律で規制でき るわけがないではないかということを申し上げているのです。 ○長谷川委員 これは法律に判断基準を書けばいいのです。いま判断基準がいろいろ言 われていますが、基本的な判断基準だけをきちんと書けばいいのではありませんか。そ うすれば今よりは混乱は少なくなります。今のように会社のうちの半分が管理監督者だ ということにはなりません。200人いる会社で、開いてみたら150人が管理監督者だっ たなどということにはなりません。いまだったら管理監督者の41条2項の判断基準を法 律に書けばいいのではありませんか。判断基準のようなものについて、法律にちゃんと 書いておけば、無用な混乱はなくなるのではないかと思います。 ○奥谷委員 組合側がおっしゃっていることは、深夜割増賃金を出せば、労働時間が短 くなって、過労死が少なくなる。だから、管理職にも深夜割増料金を規定しろというこ とが趣旨なのですか。 ○長谷川委員 管理監督者のところは、いくつか論点があって、1つだけ言われてもな かなか答えにくいのです。基本的な部分は管理監督者が広がって、会社のうちの半分が 管理監督者などに広がってしまったのは直しましょうと。管理監督者というのはこうで すという判断基準は書いたほうがいいのではないですかということが1つです。これで 少し是正されます。  その次に管理監督者の深夜割増を削除するというのは、どういう理由か。いまあった ほうがいいと思うのは、それをやることによって管理監督者の労働時間についても、あ る意味では逆に把握できるのだと思います。  もう1つは、基本的には深夜は働かないというのが原則ですから、10時以降働いたら 管理監督者であろうが、その人たちについては割増賃金を払うのは当然ではないか、い いのではありませんか。  私が委員に聞きたいのは、夜中の2時、3時に働いているときに、管理監督者と通常 の労働者がいるわけですから、なぜ割増賃金を払うことを削除しなければいけないかの ほうが、むしろ私はわからないのです。委員はどういう理由ですか。 ○奥谷委員 私の言っているのは、ホワイトカラーエグゼンプションに変えて、好きな 時間帯で夜も働けばいいわけで、朝から夜中まで働けとは言っていないわけです。です から、朝9時から夜中の3時、4時まで働くことに対して割増賃金がどうのこうのとい うことをおっしゃっているわけでしょう、そうではなくて、8時間だったら、1時から 9時なり10時まで働くのは構わないのです。  そういう意味で自主管理とか、自分の仕事を管理するとか、自分の裁量で決めるとい うことを、なぜ任せないのか。なぜいちいち法律で決めてやっていかなければいけない のかということがわからないのです。 ○田島委員 いま委員が言われたことは、41条2項の労働時間の適用除外の人は本来は できるはずなのです。そういう人たちでさえ、遅刻したり、勤怠で制裁を受けたり、査 定を受けたり、あるいは適用除外の人たちの8割が会社側に時間管理をされていますと いうのが実態なのです。いま言っている適用除外でさえ、そうではないでしょうという 現実をどう見るかということです。 ○奥谷委員 現実の企業では、そこまでの部分はありません。ある程度フレキシブルに やっています。夜中もし働くのであれば午後から出てきていいとか、そういう形で健康 管理も含めて。人材が大事なわけです。またそういう会社であれば人が来なくなります。 ですから、今度は企業が選ばれてしまうわけですから、そういうことに対しては、いか に、どう労働者が働いてくれるかということに対して、企業はかなり神経質になってき ます。私は皆さんがタコ部屋みたいな発想で、そんなに心配することはないと思います。 ○長谷川委員 すべて日本の企業が、委員のような会社だったら、本当にみんな幸せだ と思います。そういう会社だけではないのです。先日、家族が過労自殺したとか、過労 死した人たちが、いろいろな意見を持って来られて、その話を聞いていてわかったので すが、そういう人たちの話は、ほとんど一般の労働者ではなく、どちらかというと中間 か、管理監督者だったのです。本人は働いていく。会社もその人にしてほしいと期待す るのです。会社もそういう人たちに対して健康管理をしなくなってしまう。そういう人 はすごく真面目で責任感が強いから、どんどん働いてしまうのです。  これはそういう人の妻に聞いた話ですが、バタッと死ぬのだそうです。これは過労死 の特徴だそうです。日本の中で過労死とか、過労自殺がゼロになったら、この話はもっ とお互いにできるのだと思います。しかし、現実に過労死とか、過労自殺があって、労 災認定を受けたり、訴訟をやっている人もいるわけです。委員のような会社だったらな いと思いますが、日本の企業は北海道から沖縄まであるわけですから、守れなかったり、 労働者の健康管理ができない所にもあるわけです。だから、基準法で最低基準を決めま しょうということなのです。企業も会社の役員も、もっと労働者や中間管理者の健康を 気遣って、「駄目だぞ、このぐらいになったら働いちゃ駄目だ、休みなさい。あなたは今 日はもう帰りなさい」というようにしたら、過労死や過労自殺はゼロになると思います。 ところが、不幸なことに、我が国は過労死や過労自殺はゼロではなくて、むしろ増えて います。だから、労働時間の、特に深夜労働はどうなのかということを不幸なことに議 論せざるを得ないというのが現実だと思います。 ○奥谷委員 過労死まで行くというのは、やはり本人の自己管理ですよ。 ○長谷川委員 でも自己管理だけではなく、会社も仕事をどんどん与えるのです。 ○奥谷委員 でも、それをストップするというのも。 ○長谷川委員 世の中は委員みたいな人ばかりではないのです。それが違うところなの です。 ○奥谷委員 はっきり言って、労働者を甘やかしすぎだと思います。 ○長谷川委員 管理者ですよ。管理者たちにそういうのが多いのです。 ○奥谷委員 管理者も含めて、働いている一般労働者も含めて、全部他人の責任にする ということは、甘やかしすぎですよ。 ○長谷川委員 そんなことはないですよ。それは違います。 ○奥谷委員 それはまた組合が甘やかしているからです。 ○長谷川委員 そんなことはありません。 ○小山委員 いまの管理監督者の深夜の割増賃金については、今まで適用されてきたこ とを今回除外する積極的な理由、合理的な理由の説明は一切ありませんでしたから、是 非この点については今後明確に継続していただきたいと思います。 ○石塚委員 みなし労働はここに書いてあるとおり、すべて事業場外も一貫して把握し てしまえという意見をいただいていますので、これに関しては、労側としては反対した いと思っています。いろいろな意見があるのでしょうが、労働時間の把握の原則は実労 働時間だと思っていますから、そういう意味において、本当に労働時間を把握できない から、みなしを採っているわけで、事業場内に戻ってきている以上、それは把握できる わけですから、把握すべきだというのは原理原則だと思っています。  ただ思うのは、この基準を作ったのは昔なのです。実際に世の中も変わってきていま す。事業場とか、事業外ということよりも、管理監督の目が届く範囲なのかということ だと思います。昔、作ったときは携帯電話などはなかったのです。そうすると時間の把 握は可能だと思っています。そういう意味でみなすか、みなさないかという議論があり ますが、当時の環境で作った基準と、今の状況を照らして見たときに、労働時間の把握 は可能だと思っていますから、全部みなしにしてしまえというのは、少し乱暴かと思い ます。 ○原川委員 意見を言わせていただきたいと思います。管理監督者については、今まで使 用者側委員からも再三出ておりますように、使用者側としては、41条できちんと決まっ ているわけですから、現在も規制がされています。この実態が千差万別、多様であると いうこともありますので、そういう実態に合わせた判断という点については、現在の通 達で明らかにすればいいのではないかと考えます。  管理監督者の深夜割増規定の適用除外については、管理監督者の時間規制の適用除外 ということになっており、健康管理も安全衛生法等の手当てもされていますので、ここ は管理を完全に撤廃していただきたいと考えます。  事業外のみなし制度ですが、中小企業などにおいては、かなり煩雑な状況になってい ます。事業内、事業外の労働時間を通算して、みなし労働時間とするような運用を是非 認めていただきたいと思います。 ○分科会長 あと2つほど問題が残っていますが、時間がきましたので、今日はこれで 終わらせていただきます。少し残りましたが、それを次回の最初にやります。これで一 応労働契約法制、労働時間法制の今後の検討については一巡することになりますので、 その議論を踏まえて事務局で改めて資料を整理していただいて、それに基づいてさらに 議論を深めていくことにしたいと思いますが、よろしいでしょうか。それではそういう ことにさせていただきます。次回の日程をお願いします。 ○監督課長 次回の労働条件分科会は11月10日金曜日14時30分から16時30分まで、 場所は厚生労働省5階の共用第7会議室の予定です。 ○分科会長 本日の分科会はこれで終了いたしますが、議事録署名人は新田委員と奥谷 委員にお願いいたします。それでは、これで終わります。本日はどうもありがとうござ いました。                  (照会先)                     労働基準局監督課企画係(内線5423)