検討のためのたたき台(II−3.ヒト受精胚の作成・利用のための配偶子・ヒト受精胚の入手方法について)

論点 参考
(1)
 1) 生殖補助医療で利用されなかった受精胚で廃棄が決定されたものについては、適切なインフォームド・コンセントを実施した上で提供を受けることとしてよいか。(ES指針と同様)

(2) 胚の作成に用いる精子
 1) 生殖補助医療からの提供
(1) 生殖補助医療において利用されなかった精子

(2) 精子保存目的で凍結保存されていた精子のうち不要となったもの

 これらについては、適切なインフォームド・コンセントを実施した上で提供を受けることとしてよいか。

(3) 生殖補助医療目的で採取された精子の一部利用についてはどのように考えるか。

 2) 手術等で摘出された精巣又は精巣切片からの提供
(1) 泌尿器疾患等の手術により摘出された精巣又は精巣切片

(2) 保存目的で摘出・保存されていた精巣又は精巣切片のうち不要となったもの

 これらについては、適切なインフォームド・コンセントを実施した上で提供を受けることとしてよいか。

 3) 外来検査受診の後、不要となったものからの提供

 これらについては、適切なインフォームド・コンセントを実施した上で提供を受けることとしてよいか。

 4) 無償ボランティアからの提供

 これらについては、適切なインフォームド・コンセントを実施した上で提供を受けることとしてよいか。

(3) 胚の作成に用いる卵子
 1) 生殖補助医療からの提供
(1) 生殖補助医療において利用されなかった未受精卵又は非受精卵

(2) 卵子保存目的で凍結保存されていた未受精卵のうち不要となったもの

 これらについては、適切なインフォームド・コンセントを実施した上で提供を受けることとしてよいか。

(3) 生殖補助医療目的で採取された未受精卵の一部利用についてはどのように考えるか。

 2) 手術等で摘出された卵巣又は卵巣切片からの提供
(1) 婦人科疾患等の手術により摘出された卵巣又は卵巣切片

(2) 保存目的で摘出・保存されていた卵巣又は卵巣切片のうち不要となったもの

 これらについては、適切なインフォームド・コンセントを実施した上で提供を受けることとしてよいか。

 3) 原則認めるべきでないとされる無償ボランティアからの提供はどう考えるか。
ヒトES細胞の樹立及び使用に関する指針(平成13年文部科学省告示第155号)(抄)

6条 ヒトES細胞の樹立の用に供されるヒト胚は、次に掲げる要件に適合するものとする。
 生殖補助医療に用いる目的で作成されたヒト受精胚であって、当該目的に用いる予定がないもののうち、提供する者による当該ヒト受精胚を滅失させることについての医師が確認されているものであること。
 ヒトES細胞の樹立の用に供されることについて、適切なインフォームド・コンセントを受けたものであること。
 凍結保存されているものであること。
 受精後十四日以内のものであること。ただし、凍結保存されている期間は、当該期間に算入しない。
 提供医療機関によるヒト受精胚の樹立機関への提供は、ヒトES細胞の樹立に必要不可欠な数に限るものとする。
 樹立期間は、提供されたヒト受精胚を遅滞なくヒトES細胞の樹立の用に供するものとする。


総合科学技術会議意見「ヒト胚の取扱いに関する基本的考え方」(平成16年7月23日)(抄)

(1) 生殖補助医療のための体外受精はヒト受精胚を損なう取扱いであるものの、母体の負担に配慮してこのような方法で生殖補助医療を行うことには、十分な科学的合理性と社会的妥当性も認められるため、余剰胚の発生は容認し得る。(p.8)

(2) いわゆるボランティアからの未受精卵の採取については、自発的な提供を望む気持ちは尊いものとして尊重するとしても、一方で、関係者等である女性に未受精卵の提供が過大に期待される環境が形成され、本当の意味での自由意志からの提供とならない場合も考えられるため、原則、認めるべきではない。(p.9)

(3) 未受精卵の入手には、生殖補助医療目的で採取された未受精卵の一部利用、手術等により摘出された卵巣や卵巣切片からの採取、媒精したものの受精に至らなかった非受精卵の利用とともに、技術の進歩状況にもよるが卵子保存の目的で作成された凍結未受精卵の不要化に伴う利用等も可能な場合があり得ると考えられる。(p.9)

(4) 個々の研究において必要最小限の範囲に制限し、みだりに未受精卵を採取することを防止しなければならない。(p.9)

(5) 未受精卵の入手制限及び無償提供(p.17)

(6) ヒト受精胚や未受精卵の提供の際の適切なインフォームドコンセントの実施(p.17)

(7) ヒト受精胚や未受精卵等の提供者の個人情報の保護(p.17)


厚生労働科学研究補助金厚生労働特別研究事業「ヒト胚の研究体制に関する研究」(平成17年3月)(抄)

1) 新たに胚を作成できる精子を得られる可能性があるsourceとして、下記のものが考えられる。いずれの場合もインフォームドコンセントが十分に行われなければならない。(p.18)
(1) 無償ボランティアの男性からの射出精子や凍結保存精子。

(2) 配偶子間人工授精や体外受精(含む顕微授精)を受けた男性からの余剰精子、あるいは凍結精子。また、精巣精子回収法を実施した男性からの余剰精巣精子、あるいは精巣組織。(それらは凍結されることもあり得る。また、精子ではなく未熟精子であることもある。)

(3) 妊孕性保存目的で治療の前に凍結して不要になった場合や、精巣腫瘍などで精巣摘出手術を受けた場合での無償ボランティアからの提供精巣組織。

(4) 精巣性女性化症候群での摘出精巣。(性腺は高度に萎縮しておりsourceとして不適切と思われる。)

2) 新たに胚を作成できる卵子を得られる可能性があるsourceとして、下記のものが考えられる。いずれの場合もインフォームドコンセントが十分に行われなければならない。(p.19)
(1) 体外受精(含む顕微授精)を受けた女性の採卵によって得られた卵子。(未熟卵子、成熟卵子で余剰となった卵子、授精が不成立と判断された非受精卵、凍結された未受精卵、成熟卵、非受精卵。)

(2) 卵巣疾患などにより手術で摘出した卵巣の一部から得られた卵子。(未熟卵子、成熟卵子。)

(3) 中絶胎児の卵巣。(すべて未熟卵子。)

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