各側意見の調整のための論点
(労働時間法制関係:働き方を見直し仕事と生活のバランスを実現するための方策、現行制度の見直し等)

「今後の検討」の検討の方向及び労使各側意見の概要 論点
2 労働基準法制
 (1)働き方を見直し仕事と生活のバランスを実現するための方策
 
 <今後の検討の方向>
 1) 仕事と生活のバランスを確保するためには、長短二極化している労働時間について、特に長時間労働となっている者への対策が必要ではないか。このための一つの考え方として、時間外労働の実態を考慮して設定した一定時間数を超えて時間外労働をさせた場合の割増賃金の割増率を引き上げることについて、経営環境や中小企業の実態も踏まえつつ、検討を深めてはどうか。
 また、この場合に、長時間労働の後には労働義務を一定時間免除して、健康の確保にも役立てるという新しい考え方の下、労使協定により、当該割増率の引上げ分については、金銭での支払いに代えて、有給の休日を付与することを選択できるようにすることについても併せて検討を深めてはどうか。
 <労使各側の意見>
 使/割増賃金がどの程度長時間労働の抑制に資するのか疑問。企業のコスト競争力が落ちることにつながるし、中小企業の負担増に直結するため、反対。
 労/メンタルヘルス不調者や過労死の増加、少子化など長時間労働がもたらす弊害が顕在化しており、ワーク・ライフ・バランスの視点から労働時間の在り方を検討すべき。
諸外国の割増率や均衡割増賃金率との関係も踏まえ、時間外割増率はすべて50%に引き上げるべき。

 (3)現行制度の見直し等
 <今後の検討の方向>
 1) 上記(1)(2)に加え、働き方を見直すための方策について次のように検討を深めてはどうか。

長時間労働の抑制について
割増賃金の割増率の引上げについて
「一定時間数」及び「割増率」の水準について
経営環境及び中小企業の実態について
労使協定による有給の休日の付与について
  ・ 仕事と家庭生活の両立に資するため、子の看護等突発的な事由でも、年次有給休暇制度本来の目的に沿った利用を阻害することなく年次有給休暇を活用することができるようにするため、労使協定により上限日数や対象労働者の範囲を設定した上で、時間単位での年次有給休暇の取得を可能とすることについて検討を深めてはどうか。
時間単位での年次有給休暇の取得について
労使協定による上限日数や対象労働者の範囲の設定について
  ・ 仕事と生活のバランスを確保するために有効な方策について検討を深めてはどうか。
その他仕事と生活のバランスを確保するために有効な方策について
 <労使各側の意見>
 使/企業運営に障害が生じる懸念があり、中小企業では対応が難しい。
 労/制度化に賛成だが、暦日単位での取得を阻害しない措置や上限日数の設定等が必要。
 

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