06/09/22 第5回集中治療室(ICU)における安全管理指針検討作業部会議事録      第5回集中治療室(ICU)における安全管理指針検討作業部会                     日時 平成18年9月22日(金)                        14:00〜                     場所 厚生労働省専用第21会議室 ○事務局  ただいまから、第5回集中治療室(ICU)における安全管理指針検討作業部会を開 会させていただきます。委員の皆様方におかれましてはお忙しい中、ご出席いただきま してどうもありがとうございます。会を始めるに先立ち、一言ご挨拶を申し上げます。 私は8月25日付で医療安全推進室長を拝命した佐原と申します。どうぞよろしくお願 いいたします。  今日は武澤委員と中島委員から、ご欠席の連絡を受けております。また日経メディカ ル社の北澤京子委員におかれましては、転勤により委員を辞退されましたので、ご報告 させていただきます。  まず議事に入る前に、資料の確認をお願いいたします。議事次第を含めて資料1、資 料2、参考資料1、参考資料2という形になっております。それからもう1つ、本日追 加の資料として、ご欠席の武澤委員のほうからコメントをいただいております。報告書 案について、見え消しバージョンで置いてあるかと思いますので、ご確認いただきたい と思います。以降の進行は部会長にお願いします。 ○平澤部会長  それでは今日もよろしくお願いいたします。今日は第5回目ですが、これまでの4回 の議論の中では、集中治療室(ICU)のみならず、日本の重症患者管理の現状まで、 いろいろ議論がありました。そして指針の目的や指針に関する考え方など、貴重なご意 見を多数いただきました。  そういうことをまとめてみますと、指針そのものに関する基本的な考え方として、2 つあったかと思われます。まず1つは、本来あるべき集中治療室の姿というものをイメ ージして、それに対する安全管理指針ということです。また、それだけではなく、集中 治療室以外で重症患者をある程度集めて診療しているという現状があるので、そのよう な施設を対象とした指針を作り、そのような施設の底上げを図ることもいいのではない かというご意見に集約できると思います。今回はこの2つの考え方を基に、安全管理指 針を作成することとなったと理解しております。  先ほど指針の考え方として2つ述べましたが、そのことを踏まえ、今後議論を進めて いく上での参考となる資料を、事務局よりご説明いただいた上で、議事の1に入りたい と思います。 ○事務局  まず参考資料1と2をご覧ください。参考資料1は、この作業部会の設置要綱です。 この中では本作業部会の開催目的を、集中治療室における具体的な医療安全管理指針の 検討としております。参考資料2は、平成15年に出された厚生労働大臣の「医療事故 緊急アピール」です。このアピールの中においては施設における対策として、「手術室や 集中治療室などのハイリスク施設部署におけるリスクの要因の明確化を図り」という文 言があります。具体的には4頁の中ほどに(2)として、「集中治療室などのハイリスク施設 部署におけるリスクの要因の明確化を図り、安全ガイドラインの作成を進めること」と 述べられております。この「開催要綱」と「緊急アピール」のどちらも、いわゆる集中 治療室における安全管理指針の作成ということになっております。  これまでの4回の作業部会の議論の中で、日本の重症患者管理の現状を踏まえたご意 見が多数あり、いわゆる集中治療室(ICU)以外の場での重症患者管理の検討の必要 性も述べられました。ただ検討会の開催目的や大臣アピールに立ち返って、まずは集中 治療室における安全管理指針というものを作成し、次にいま述べたようなご指摘を踏ま えて、HCU(High Care Unit)等について検討していくという構成で、本日の資料を 用意しております。その点については冒頭で部会長からお話があったとおりです。  このような考え方に立って、まず資料1の報告書(案)からご説明いたします。資料 1は報告書(案)として、「集中治療室(ICU)における安全管理について」となって おります。具体的な中身に入る前に、全体の構成としては、これに別添1と別添2が付 くという形になっております。別添1が「集中治療室(ICU)における安全管理指針」 で、別添2が「重症患者のうち集中治療を要する患者の安全管理指針」です。  資料1−1、「はじめに」として、まずは大臣アピールが出たということを書いており ます。また医療安全対策検討会議の下に、この作業部会が設置されたという経緯を記載 しております。  2.は、「我が国の集中治療室等における治療提供体制の事務について」です。2−1 は「治療提供について」ということで、いまの施設基準、特定集中治療室を満たす施設 の数で、2−2は「医療事故の現状」です。次の頁の最初の○にある「集中治療室等の 重症患者を管理する部門は、以下の理由によりヒヤリ・ハット事例や医療事故が発生し やすい危険な場所であると考えられる」と記載しております。  3.は「指針の作成に当たっての考え方」ということで、これまでの4回の議論を踏 まえて、以下のように記載しております。まず最初の○ですが、集中治療室などのハイ リスク部門における安全管理指針の作成を行うことを目的として、集中治療室を要する 患者に安全に医療を提供するための管理指針の作成について検討を重ねる中で、ICU をはじめとした部門において、重症患者管理を行っていることというのが指摘されまし た。このようなさまざまな医療施設の機能に応じて、適切に運営を行うことで、重症患 者に安全に医療を提供することが必要です。そのため集中治療室(ICU)における安 全管理指針(別添1)だけではなく、これに準ずるものとして、重症患者のうち集中治 療をする患者の安全管理指針を作成することとしました。次の頁の最初の○ですが、こ れら2つの指針は、安全管理の参考として策定したものであり、行政でやっている医療 監視や診療報酬上の施設基準と関連するものではないということで、2つの指針を作っ ていくことを、基本的な考え方として3.で書いております。  4.は、「2つの指針の対象範囲」です。4−1が「集中治療室における安全管理指針」 です。これは本来やれということで、この部会の設置の趣旨に近いところだと思います。 これについては最初の○にありますように、本指針は急性臓器不全等の重症患者をある 程度集めて、集中治療を提供する集中治療室を対象としています。つまり、これらの集 中治療室に入室する患者は、急性の臓器不全患者や、多臓器不全を発症する可能性の高 い患者を一定程度集めて治療している所を、基本的には念頭に置いてつくっていっては どうかということです。ただし3つ目の○にありますように、本指針は診療報酬におけ る特定集中治療管理上の施設基準と、直接関係するものではありません。  4−2が、別添2の指針の考え方です。「重症患者のうち、集中治療を要する患者の安 全管理指針について」ということで、上記(4−1)の指針が対象とする集中治療室以 外にも、集中治療室に準ずるような、比較的重症な患者の管理を行っている部門が存在 します。また上記の集中治療室のように高機能ではなくても、「集中治療室」や「HCU」 と自称している所もあるので、こういう所における患者管理についても、きちんと議論 をしていくべきではないかと。そして、それが日本の就職者全体の底上げになればとい うことで、ご議論いただいてはどうかということです。  以上、資料1に添付するという形で、別添1と別添2でそれぞれの指針を付けており ます。 ○平澤部会長  いまお聞きになったとおり、だいぶ整理してきていただいていると思います。これま での作業部会においては、ただいまの報告書案の中の3の「指針の作成に当たっての基 本的考え方」や、4の「対象範囲」等について、活発なご意見が多数出てまいりました。 その議論の中では、今回の作業部会で念頭に置いているような所以外、つまりICU以 外で重症患者管理を行っている所があるので、そういう所の安全管理についても検討す べきではないかというご指摘を受けました。そういうことに関しては本作業部会でも、 非常に重要な問題点であるという認識が成り立ったと思います。そういうことを受けて、 ICU以外で治療を受けている重症患者に対する安全管理についても、記載しておく必 要があるのではないかという認識を、皆さんお持ちいただいたと思います。事務局にお かれましては、今後はこの技術についても取り組んでいただくことを期待したいと思い ます。  それでは、ただいまのご説明を受けて議論に入りたいと思います。これまでもいろい ろなご意見が出た報告書案の3、「指針の作成に当たっての考え方」と、4の「対象範囲」 等を中心に、ご質問やご意見がありましたら、ご発言いただきたいと思います。いかが でしょうか。また、中は整理されていると思いますが、いまのご説明を受けて報告書も、 従来のものとタイトルを変えておりますので、そういうことも含めて。前川委員、いか がですか。口火を切っていただけますか。 ○前川委員  いままでの基本的なところは、ICUというかなりはっきりした部分と、飯田委員が ずっとおっしゃっていた2段階というか、層別化という形で是非この指針を作りたいと いうところがありましたが、それに則った形で出来上がってきているのではないかと思 います。基本的なところは、もうこういう形でいいように思います。 ○平澤部会長  織田委員はいかがですか。 ○織田委員  こういう形で二本立てでできているということで、いままでの議論を踏まえた上での 方向になっていると思いますので、私も基本的にこれでよろしいかと思いました。 ○平澤部会長  落合委員はいかがですか。 ○落合委員  指針はいつも何らかの目的があって作られるわけですが、果たしてその目的が達せら れたかという評価が、いちばん大事ではないでしょうか。もし、それが達せられないの だったら、軌道修正をしていくという将来的な必要があるのではないかと私は考えてお ります。その意見はきちんと5番のほうに書いていただいて、大変感謝しております。 この指針を作るときに、本来はその対象となる施設なりICUなりが、きちんと特定で きるような形がいちばん望ましいだろうと思っております。そういう意味でも2つのグ ループに分けるということは、必要ではないかと理解しております。 ○平澤部会長  飯田委員はいかがですか。委員はこの件について、いままでもいろいろなご意見を述 べていただきましたが。 ○飯田委員  いろいろ何回も議論をしてきたのですが、タイトルに関しては、議論で決まったこと と違うということは申し上げておきます。厚労大臣のアピールにも、「など」と書いてあ りますので、いろいろ言いたいことはありますが、ここまできてまた蒸し返してもいけ ませんから、タイトルに関してはこれ以上申し上げません。部会長あるいはほかの委員 もおっしゃるように、層別化してやるということでは、私もよろしいかと思います。も ちろん、これですべてカバーしてはおりません。作業部会でやれという意味ではなくて、 やはりまだ積み残した課題がある、ということだけは明記しておいていただければあり がたいです。 ○平澤部会長  安全管理ということになりますと、ハイリスクの場所はICU以外にも多々あるわけ です。救急外来もそうでしょうし、カテ室もそうでしょうし、オペ室もそうでしょう。 ICU以外で集中治療を受けている患者の安全管理ということに関しては、この指針と 関連して策定し、そのことについてさらに今後、厚生労働省で取り組んでいただくこと を期待しておきたいと思います。石井委員はいかがですか。 ○石井委員  基本的な区分けの点では、だんだん見えてきたかなと思います。細かい議論の中では、 いろいろお話したほうがいい部分もあるかと思いますが、全体の大きさ、方向について は。ガイドラインというのは、縛るのではなくて導くという形で、一緒に考えていけれ ばと思います。 ○平澤部会長  委員が懸念された施設基準との関連も明文化して。 ○石井委員  随分見えています。 ○平澤部会長  内野委員、いかがでしょうか。 ○内野委員  いままでの意見が集合されて、非常にわかりやすくなったという印象を持っています。 これでよろしいかと思います。 ○平澤部会長  道又委員はいかがですか。 ○道又委員  私も、これまでの意見が相当盛り込まれて、わかりやすくなっていると思いますが、 これをどのように活用していくのかというところがあります。集中治療室なのか、そう ではないのかというように、臨床の中で自分たちは混沌とした現場を持っていて、これ をどのように活用していくのかというところが、まだはっきりしていないのです。そこ が問題だということになると思いますが、これは素晴らしく整理されたと思います。 ○平澤部会長  具体的な安全管理指針ということになれば、もう少し議論していただいて、それを基 に、5に書いてありましたように、またフィードバックしていただいてリバイスすると いう可能性まで含んでおりますので、それはある程度担保されているのかと思います。 加納委員はいかがですか。 ○加納委員  指針のほうはまだいいのですね。この後ですね。 ○平澤部会長  ええ、総論の所です。 ○加納委員  指針については私も意見があるのですが、総論は皆さんと同じように、非常によくで きていると思いますので、異議はありません。 ○平澤部会長  そうしますと、今日を含めていろいろなご議論を重ねてまいりましたが、いろいろご 議論いただいたお蔭を持ちまして、報告書全体のスキームは、いまお話いただいたこと で最終的に確定したいと思います。つまり「集中治療室における安全管理指針」という ことで策定して、「集中治療室における安全管理について」ということで報告書を書いて、 その後ろに来るものとして「集中治療室における安全管理指針」と、次にHCU等を念 頭に置いているような、ICU以外で集中治療を受けているような重症患者の安全管理 指針を策定するという方向づけでいきたいと思います。そのことについては、一応これ で固まったということで、作業を次に進めていきたいと思いますが、それでよろしいで しょうか。                  (異議なし) ○平澤部会長  ありがとうございます。いろいろご意見はあると思いますが、細かい文言などについ ては、今後さらに議論を進めていくということで、次の具体的なことに入らせていただ きます。いままでは入口の総論の所でした。そこがいちばん大切なので、非常に時間を かけて議論してまいりましたが、そのためにこれまであまり議論されていなかった指針 そのものについて、検討を進めたいと思います。これには別添1と別添2があります。 まずは事務局より、資料1の別添1についてご説明をお願いいたします。 ○事務局  別添1は1〜7ということで、全部で7部の構成になっております。この内容はまだ 事務局で書いた段階ですので、非常にプアな部分もたくさんあると思いますが、まずは そういうつもりでお聞きいただきたいと思います。  1.は「目的」で、本指針は集中治療室における医療事故を防止し、医療の安全を確 保することを目的としております。  2.は「基本的な考え方」です。本指針は医療機関が重症患者に集中治療を提供する に当たって、医療の安全を確保するために参考となる内容を踏まえたものです。  3.は、「本指針が対象とする集中治療室(ICU)について」です。真ん中の○を見 ていただきますと、先ほど報告書にあった文言と同じですが、「本指針においてはこれら の部分、中でも特に急性臓器不全を発症している患者等の重症患者を、同時期にある程 度集めて、集中治療を提供する集中治療室を対象とする」ということです。  また、3.でハイライトしてある所は何かと言いますと、別添1と別添2で違う所で す。3の2つ目の○は、まさに急性臓器不全の患者を対象としていますが、別添2では そうではありませんので、このように違う所をハイライトしています。  4.は「医療従事者について」です。具体的な内容は省きますが、次の頁に医師につ いて、看護師について、それぞれどのような配置をするかということだけでなく、どの ような業務を行っていったらいいのかということを書いております。3頁も同様に薬剤 師、医療機器の保守点検の責任者、医薬品管理の責任者です。  5.は「運用と仕組み」ということで、医療安全においては特に重要なところではな いかと思います。ハードの基準だけではなく、特にソフトの面での基準と言いますか、 ガイドラインの部分も重要だと思います。(a)が「責任と権限」、(b)が「情報共有の あり方と標準化」、(c)が「集中治療室の運営体制」、(d)が医療事故等の情報収集・ 分析の体制がどうあるべきか、また事故のヒヤリ・ハットを活かしていくような体制に ついて、どう考えていくのかということを、いちばん最後の○に書いております。(e) が「感染制御について」、(f)が「研修」となっております。  6.は「物的環境」です。これらはハードになると思います。(a)は「医療機器等」 についてです。これはアとイと分けており、アは直ちに用いることができる状態にある ことが必要な機器で、イは集中治療室ではなく、院内に適切に配置されることが必要な 機器です。(b)が「備えておくべき医薬品の保管・管理」、あるいは「適正使用」につ いて記載しております。(c)が「面積等」、(d)が空調、給排水、医療ガス、電気設備、 照明といったことを記載しております。  最後に7.は、「患者・家族への情報提供など」です。(a)が「情報提供」、(b)が 「譫妄などの危険」というのを記載しております。 ○平澤部会長  それでは別添1を各項目に分けて、議論を進めていきたいと思います。ただし指針本 体については、これまであまり議論がなされておりませんでした。そのため、本日はま ず別添1の指針を重点的に、また幅広くご意見をいただいて、次に論点の整理をすると いう方向でいきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。まず1.の「目的」、 2.の「基本的な考え方」、3.の「本指針が対象とする集中治療室について」に関して は、報告書と同じですので、あまりご意見はないと思いますが、最初に別添1の「集中 治療室(ICU)における安全管理指針」の1.2.3.について、ご意見はあります か。 ○石井委員  この1.2.3.だけに限らないのですが、ICUに特化して行うべきことと、医療 全般で当然やらなければいけないことと、この2つがまだちょっと混在しているのでは ないかという感じがあります。そこのところはこういうバックグラウンドで、ICUで は行うようにしてくださいなどの、何か文言なりの整理をしていただければ、非常に明 瞭になるのではないかと思います。 ○前川委員  私も同じような印象を受けました。 ○平澤部会長  内容的なことは今まであまり議論されておりませんでしたので、安全管理総論と安全 管理に関するICUに特化した事項を、もう少し整理していただいてということだと思 います。重要なご指摘だと思います。いまは全体についてですが、1.2.3.につい てはよろしいでしょうか。 ○前川委員  文言的なところですが、2.の「基本的な考え方」の○の2つ目に、「本指針は現在の 日本の医療機関の現状を踏まえ」とあります。「現状」というのがありますから、「現在 の」は要らないかもしれません。 ○平澤部会長  では「現在の」を取って、「本指針は日本の医療機関の現状を踏まえ」ということです ね。文言の整理というのは、まだこれからしなければいけない所が多々あると思います。 ○前川委員  3.の○の2つ目、網掛けの2行目に、「急性臓器不全を発症している患者等の重症患 者を、同時期にある程度」の「ある程度」というのは分かりづらいので、「多数」とか「数 名」というように変えていただいたほうがいいような気がします。 ○平澤部会長  これは今後も検討していきたいと思いますので、またじっくり読んでいただいて、何 かお気付きの点がありましたら、事務局に申し出ていただければ反映させていただきた いと思います。ほかにご意見はありませんか。いかがでしょうか。  ご意見がないようなら、次に4.の「医療従事者」、5.の「運用と仕組み」、6.の 「物的環境」、7.の「患者・家族への情報提供」の項目立てについて、逐次行っていき たいと思います。まず「医療従事者」の項目についてお読みいただいて、何か問題があ るようでしたら、ご発言いただきたいと思います。いかがでしょうか。 ○加納委員  (d)の「医療機器の管理・保守点検の責任者」ですが、実は私はここの部分を大幅 に書き直したものを、事務局にご提案しておりますので、皆様方もたぶんご覧になって いるかと思います。しかし、ほとんど私の意見は反映されていません。やはり私は臨床 工学技士というのを入れるべきだと思います。なぜかというと、やはり集中治療室です から。臨床工学技士というのは、生命維持管理装置の操作および保守点検というのが、 法で定められた業務範囲で、20年弱前に誕生したわけです。なぜ誕生したかということ を考えた場合に、この指針の中に医療従事者の1つの項目として、臨床工学技士を入れ るべきだと思います。私が臨床工学技士の立場だからということではなく、そう思いま す。  ここでは「管理・保守点検の責任者」というタイトルになっていますが、実際にいま の集中治療室においては、それだけではないのです。集中治療室では生命維持管理装置 の操作という部分があって、人工呼吸器、PCPS、IABP、透析といった装置が、 ごく日常的に使用されているわけですから、単に物の管理ということではなく、やはり 操作という部分があります。臨床工学技士が操作をするから安全性が確保されるのであ って、そういうことが欠如していると思いますので、是非入れるべきだと強く思います。  もちろん医師や看護師でも、法的には生命維持管理装置の操作はできますが、それは 法的にはできるということであって、技術的に全うできるかというと、全うできないと 思います。それは集中治療室で実際に担当されている医師ならおわかりだと思います。 そういう資質と言いますか、教育という意味では、いわゆる工学の教育を受けています。 工学の教育を受けているということは、どういうことかというと、普通に操作する分に は医師や看護師でも問題ないと思います。しかし機械ですから、トラブルが起こります。 その場合にメカニカルなトラブルが起こったときに、医師や看護師がそれをリカバーで きるかというと、私はまずほとんど不可能に近いと思います。そういう意味においても 臨床工学技士というのは、やはり入れるべきだと思います。  私自身、どういう文言にするかというご提案をしたのですが、それがここには全くな いのです。ここにありますのでコピーを取っていただいて、皆さんに見ていただいて、 ご意見を伺いたいと思いますが、いかがでしょうか。一応読んでしまいます。  (d)のタイトルを「臨床工学技士」として、「当該部門ユニットにおいて、生命維持 管理装置の操作ならびに医療機器の管理・保守点検を実施するに当たっては、臨床工学 技士が関与することが望ましい」。次に(2)として、「臨床工学技士が当該部門(ユニット 内)に常時勤務することが望ましいが、その体制ができない場合でも、緊急時に臨床工 学技士が適切に対応できる体制であることが望ましい」。次の○として、「生命維持管理 装置の操作および保守点検を実施するためのマニュアルを整備すること」、もう1つの○ として、「保守点検をしていることについては、記録で残すこと」としております。一応 そういうご提案をしました。 ○平澤部会長  わかりました。そうすると委員のご提案は、それに伴い(d)の内容も、連動して変 わるということになりますか。 ○加納委員  これをもう1回ここで挙げるかどうか。医薬品がありますが、医薬品とはまたちょっ と違うと思いますので。私は(d)の項目をそれにするだけで、「管理・保守点検の責任 者」という部分を入れてもいいとは思いますが、繰返しになるようなところもあるので、 私はなくてもいいのではないかと思っております。 ○平澤部会長  加納委員からは臨床工学技士としての立場から、確かにICUは生命維持装置に囲ま れて治療を受けている患者が圧倒的に多いので、医師、看護師、薬剤師と同じように、 (d)に臨床工学技士という項目立てをして、いまお読みいただいたようなことを盛り 込んではどうかというご意見だったと思います。その際、従前の(d)の「医療機器の 管理・保守点検の責任者」に関しては、新しく臨床工学技士を項目立てした場合には、 重複している所は削除して残す、あるいは全体は要らないかもしれないということは検 討したほうがいいというご意見だったと思います。いかがでしょうか。それも含めてモ ディファイしたものを、今度出していただいて検討するということになると思います。 4.に関して、ほかにはいかがでしょうか。 ○石井委員  できれば、(a)(b)の順番にやっていったほうがいいのではないかと思います。 ○平澤部会長  5.の中のですか。 ○石井委員  4.の「医療従事者」についてです。(a)医師、(b)看護師ですから、いきなり(d) から始めないでということです。 ○平澤部会長  いや、そういうことではなく、私が申し上げたのは、(a)(b)(c)(d)(e)全体 について、何かご意見がありますかと言ったら、加納委員が(d)をご指摘したという ことです。 ○石井委員  それで(a)のことをお話したいのです。診療報酬には連動しないと言っていただき ましたが、医師の4行目、○の1つ目に「専従の医師」という文言がありますね。しか し診療報酬上は、「専任」となっております。どうせ使うのなら、同じ言葉でやっていた だいたほうがいいのではないかと思います。それとも変える理由があるのでしょうか。 ○前川委員  専従と専任は意味が違うと思います。専従というのは、ICUの中にいるということ でしょう。専任であれば、例えば手術場の中に複数の麻酔医がいて、そのうちの1人が ICUの専任という形はあり得ると思いますから、ちょっと意味が違うように思います。 ○石井委員  明瞭に違うけれども、こう使えということですか。 ○前川委員  それはわかりません。 ○石井委員  ですから明瞭にそういう意味で使うのであれば、これは診療報酬のレベルにとどめて いただいたほうが、よろしいのではないかと思います。 ○平澤部会長  具体的にはどちらをイメージしていらっしゃるのでしょうか。常時ICUの中に医師 がいるということなのか、常時ICUの治療に関して、責任を持っている医師がいると いうことなのか。 ○前川委員  専従という話になりますと、たぶん常時いるという形になると思います。そこでいま の労働基準法を考えますと、例えば4床のICUを認めているとしても、たぶん6名ぐ らいの医師がいないと対応できない。そうしますと専従というのは、いまの段階では厳 しすぎると思います。専任でないと無理が過ぎると思います。 ○平澤部会長  参考までに申し上げれば、日本集中治療医学会の集中治療専門医の申請資格の中に、 ICUで専従していることという項目があります。実際には手術場と兼任、救急外来と 兼任ということで、24時間ICUにだけいて診療している医師というのは、日本全国で もほとんどいないと思うのです。そこで日本集中治療医学会としては、月のうち3日程 度ICUで働いていてくれれば、実際には専従ということにしていると思います。 ○飯田委員  実はセーフティーマネージャーの資質の向上の作業部会でも、同じ議論があって、専 従と専任との区別が付かないで議論をすると困ると私は発言したのです。まさにいまの ご発言のとおりで、専従というのは実態としてもあり得ないと思います。それ以外の仕 事をやってはいけないのです。ICUの専従になった場合、麻酔をかけに行ってはいけ ないのです。不可能なことをやってもしようがないので、私も専任にすべきだと思いま す。後で言おうと思ったのですが、ちょうどいい発言をしていただきました。いま言わ れたように、週に3日で専従ということはあり得ないのです。それは法律、ルールを変 えるべきであって、やはりこれはまずいと思います。 ○平澤部会長  実際にはないですものね。 ○前川委員  医療安全上は、もちろん専従のほうがいいですし、日本集中治療医学会としても専門 医を増やすという意味、ICUの安全管理を向上するという意味で、本来は専従がある べき姿ではあると思いますが、現実が伴わないということで、飯田委員がおっしゃった とおりだと思います。 ○平澤部会長  そうすると皆さんの認識で、ここは専任に変えていただいたほうがいいということで すが。 ○前川委員  そうしますと「常時」というのが引っかかってきますので、たぶん「常時」も取らざ るを得ないと思います。 ○平澤部会長  そうですね。専任ということになればですね。 ○落合委員  専任と専従の議論をあまりしつこくするとあれですが、それを外してしまって、誰で もいいから医師が1人いてほしいという指針ではまずいのです。「常時当該集中治療室に 医師が勤務すること」という意味において、もし安全を確保するのであれば、そこに医 師がいないということもあるのです。1日いないということだってある。もし「集中治 療室専任の医師が勤務している」という文章にしますと、病院内のどこかにいて、実際 には24時間、そこに医師がいないという可能性も出てきてしまいます。そうではなく、 誰でもいいから医師がそこにいるべきではないかという。 ○平澤部会長  ただ2つ目の○で、「当該集中治療室に勤務する医師は、全身管理に関する知識を有し ていることが必要であり、集中治療についての研鑽を積むこと」と書いてあるので、あ る程度は集中治療に精通していると言いますか、集中治療について理解をして、実際に 行える医師がいるというように、ここでも少し規定してあると思います。 ○落合委員  2番目の○は実力ですね。1番目の○は密度を問うていますよね。 ○平澤部会長  密度ですか。 ○落合委員  「専従」という言葉を使いますと、あるいは「常時」という言葉を使いますと、そこ にいるかいないかという密度だと思います。専任というのは責任の問題なので、いまは 違う次元の議論をしているわけです。質と、そこにいるかいないかという問題と、責任 の所在の問題という3つを議論しているので、そこは少し整理したほうがいいかという 感じがいたします。 ○平澤部会長  なぜ専任が必要かということになると、その1つ上の、患者の急変時に適切な治療が 行える体制に対応できるためですよね。 ○落合委員  ですから責任ですよね。そうすると「常時」を外して、「専任の医師が勤務すること」 ということで、それで責任問題ははっきりしますから、よろしいのではないかと思いま す。密度はどういうように攻めるかというのは次の議論になって、最後に質が2つ目の ○ではないかと思います。ですから3項目にして議論されたほうがよろしいかと思いま す。 ○平澤部会長  わかりました。いま落合委員からいただいたご意見、専従を専任に変えたほうがいい というご意見を含めて、ここは少しご検討いただいて、次の部会で検討したいと思いま す。ほかにはよろしいですか。 ○内野委員  常時という意味はどう取るのでしょうか。24時間ですか。 ○部会長  そうですね。 ○内野委員  看護師は大体それが多いのですが、例えば次の薬剤師の文言を見ますと、24時間薬剤 師がICUにいるのでしょうか。3頁の最初の○にありますように、「常時勤務すること が望ましい」という話になってしまいます。「望ましいが」ということですよね。先ほど 前川委員がおっしゃったように、もしそういう勤務体系にすると、薬剤師が大体6人ぐ らいいないと、全体的に務まらないという形になってしまいます。 ○平澤部会長  ほかの所は「勤務すること」となっていて、薬剤師に関しては、たぶん「望ましい」 にはなっていないと思います。 ○内野委員  いちばん長くても、通常12時間ぐらいですよね。 ○平澤部会長  24時間はいないですよね。 ○内野委員  私が調べた中では唯一、救命救急に薬剤師がいるときに、8人で回しているというの がありました。ただ救命吸急そのものは、絶対的に24時間開いていますから。常時と いうのは通常の体系から見ると、勤務体系は8時間と考えていますから、大体12時間 がいちばん多い、せいぜい12時間だろうと思います。 ○前川委員  ここも「常時」は取られたほうがいいと思います。 ○道又委員  「常時」は削除したほうがいいのではないでしょうか。 ○平澤部会長  では、そこもお考えいただきたいと思います。「薬剤師が当該集中治療室に勤務するこ とが望ましい」くらいでしょうか。 ○前川委員  医師の4つ目の○は、あまりにも具体的すぎるので割愛されたほうがよろしいのでは ないでしょうか。 ○平澤部会長  そうですね。ここだけちょっと深く掘れているような感じがありますね。 ○石井委員  そこの所に関しては、一応変えないで検討したのですが、あえて言えば6.の「物的 環境」の(a)、医療機器のセクションが望ましいかと思います。そういうように移すか 削除するか、どちらか検討していただければいいのではないかと思います。 ○平澤部会長  いま石井委員がおっしゃったのは、6頁の6.の「物的環境」の(a)の医療機器等 の所に、この部分をということですか。 ○石井委員  はい。その中に1回移してみて、それが不適切であれば削除するという段階を取った ほうがいいと思います。 ○落合委員  人的なことが最初にきていると思いますが、非医療従事者もICUの業務には非常に 大事なのです。事務を行っているクラークの方たち、清掃を依頼している方たち、物品 のSPAの方たちなどが機能しないと、質が保てないということは、はっきり分かるの ですが、それをどこにどのように入れていったらいいのか。いまの枠組みではないので す。 ○前川委員  先ほど石井委員がおっしゃったように、病院全体というのに非常に近いレベルではな いでしょうか。ですから基本的にはガイドラインですので、ICUに特化した部分がメ インであっていいと思うのです。 ○落合委員  重症感染とか清掃の方法とか。 ○前川委員  それはもちろんあります。もし入れるとしたら、そこの所に軽く1行、2行入れられ てはいかがでしょうか。 ○平澤部会長  4.の「医療従事者」の項目については、よろしいでしょうか。 ○織田委員  その次の「医薬品管理の責任者」ですが、これはどちらかというと「運用と仕組み」 の「責任と権限」の項目に当てはまるのではないかと思うのです。 ○平澤部会長  (e)を5.の(a)に移すということですか。 ○織田委員  そうです。むしろ運用のほうに入るのではないかと思うのです。(d)を臨床工学技士 という職種にしたほうがいいということであれば、どちらかと言うとここよりは、5. の(a)の「責任と権限」のほうがいいのではないかと思います。 ○平澤部会長  そうすると、いまの織田委員のご意見は、4.の(d)を臨床工学技士に関する項目 にして、4.の(d)と4.の(e)に書いてあるのは、5.の(a)の「責任と権限」 に移して整理してはどうかというご意見ですね。どうでしょうか。よろしいですか。 ○飯田委員  それも一案ですが、臨床工学技士を項目を立ててやるのであれば、むしろ(e)を(c) の中に入れてしまったほうが、簡単だと思います。 ○平澤部会長  薬品の所ですね。 ○飯田委員  ええ。そのほうがすっきりしませんか。 ○平澤部会長  両方のご意見がありますので、それは事務局のほうで整理をしていただけますか。 ○道又委員  看護師の2つ目の○の「兼任ではなく、当該集中治療室」云々というのがありますが、 この「兼任ではなく」という言葉は、削除してもよろしいのではないでしょうか。あえ て要らない。ここで「専念できるようにすること」となっていますので、専任にしなさ いというか。  それから、これは強い要望です。看護師の○の4つ目、「当該部門に勤務する看護師は、 専門職として知識・技術を磨くこと。例えば重症集中ケア、吸急看護に対する知識・技 術を磨くこと」と表現されていますが、看護師サイドから意見を述べるならば、重症集 中ケアの認定看護師と、吸急看護の認定看護師と、クリティカルケアの専門看護師とい うアドバンスの知識・技術を磨く所があります。いまは重症集中ケアが330名、救急看 護が300名、専門看護師が10名配置されていますので、看護師としてはこういう所で 教育なり研鑽をするということで、技術や知識を磨くべきではないかというところを。 カリキュラムなどがしっかりしている所があるので、ここは明確に出していただきたい と思います。 ○平澤部会長  そうすると、道又委員のご提案を具体的な文言にすると、どういうことになりますか。 ○道又委員  例えば重症集中ケア認定看護師、吸級看護師、認定看護師です。これは「対する知識・ 技術を磨くこと」となっていますので、さらにどこでどのようなものかということで、 重症集中ケア認定看護師、吸急看護認定看護師、あるいはクリティカルケア看護師の養 成と言いますか、そのような教育を受ける所で研鑽していただきたいということです。 ○石井委員  この議論は前にも一度あったような気がしますが、医師の所でも専門医が望ましいと いうのは当然あるわけです。私も専門医とか何々医というのを5つ6つ持っていますが、 問題は、それがまだ標準化した状態になっていないというのが、日本医師会のいま現在 の認識なのです。それで今、行政とその辺をすり合わせて整理をしていこうということ で、日本医学会を含めてやっているところなのです。意思があってその方向に進んでい る人に門戸を狭くすることは、むしろ好ましくないと思うのです。そういう方々に道を 開いて、その上で質を担保していき、給料などのいろいろな社会的評価は、その体制の 中でしていただく。それを明瞭にしていけば、組織は活きていくと思います。それにI CUの施設基準を越えたいろいろなバリアやハードルを付けますと、組織そのものが死 んでいきます。そうなっては日本の医療は非常に困難な状況になってしまいます。いま 現在もなっているわけですから、これ以上困難にしないほうがいい。  そう思うところからすれば明示しないで、そういうものが好ましいとか、そういう方 向があるということにとどめていただければと思います。その線で揃えていただいた上 で、次の見直しのときに、そういう時期がきたら明記していただくと。それは次の議論 にしていただいたほうが、私はいいのではないかと思います。 ○道又委員  ねばならないではなくて、そういうことが望ましいとか、好ましいという表現で十分 だと私は思います。そのとおりだと思います。 ○平澤部会長  道又委員のご意見に対して確認しますが、重症集中ケアや救急看護に対する知識や技 術を磨く場所というのは、学校だけではなくて、例えば今日もやっていると思いますが、 日本集中治療医学会主催のセミナーなど、いろいろありますよね。ですから学校という ところまで特定しなくてもいいのではないかという気がするのですが、どうですか。 ○道又委員  ただクリティカルケアや集中治療領域の看護師が、知識・技術について学ぶ場という のは、かなり限定されています。集中治療学会がセミナーをやっているというのも、本 当に単発でやっているのです。折角そういう機関というか、まとまってしっかりしたカ リキュラムを持ってやっている所はありますし、実際にたくさんの人たちが応募してき ているわけですので、看護師がそういう場を活用するということもありではないかと思 います。 ○平澤部会長  そうですが、逆にみんなが本当にこのとおりだと思っていっぱいやっても、キャパシ ティー的に一定の年限の間に、多くの看護師をそういう教育できるほどのキャパシティ ーが学校としてはございませんよね。 ○道又委員  そうですね、一遍にくることは少ないですからね。 ○平澤部会長  だから、等でとかですね、そういうところをはじめとするところでとか、何かそうい うことぐらいでしょうかね。 ○織田委員  あえてそれを日本集中治療医学会専門医とか、そういう言葉を出していないので、看 護師のところだけそういうことを出すというのもどうかなという気もするのですが。 ○道又委員  これを見て、私もその辺のところは非常に理解できるのですが、看護師の立場として ここに参加していますので、一応意見ということで、ある程度のところで止めておいて も差し支えないのですが、できればそういうことをにおわすようなことはあってもいい のかなという。 ○平澤部会長  もし、先生そうでしたら、ここについてはまたご意見を、委員の方々の意見がいろい ろおありだと思いますけど、メールでも何でも事務局に届けていただければと思います。 ○道又委員  はい、わかりました。 ○平澤部会長  この指針の内容については今日で決めるというわけでは決してございませんで、ご意 見を伺って、次の方向付けをするということですので、そういうご理解で進めていただ きたいと思います。  時間の関係もありますので、5番の「運用と仕組み」ということについて、お読みい ただいていると思いますが、これも随分項目がありますので、先ほど石井委員からのご 指摘もありましたので、順を追ってa、b、cということでいきたいと思います。(a) の「責任と権限」は事前にお読みいただいて、指摘いただいたほうがいいというような ことはありますか。 ○落合委員  いちばん先に能力ある人に責任を持たせて診療を任せるということが書いてあると思 うのですが、誰がというのが書いていないので、それはどのように考えたらよろしいで しょうか。 ○平澤部会長  業務遂行力のある職員に役割責任を認識させる、とりあえずは医師についてですかね。 ○落合委員  そうですね。権限と質の資源や場を提供し、結果を評価するのは一体誰なのだろうと いう、これは集中治療室の責任者ということですか、それともそういう……、文章とし てではなくて、成立していないのですよ。誰がそれを評価して、責任を与えてやらせる のかという文章ですから、そこはだから明示というか、明らかにしないと意味がなくな ってしまうのです。 ○平澤部会長  では、そのこともご検討いただきたいと思います。実際としては集中治療室の責任者 というのは、実務を行っているグループのトップの人がいる場合もありますし、全然関 係のない、どこかほかの部門の教授が輪番制で責任者になっているという所だってある と思うのです。ですから、そのことを踏まえて、実際にはできるだけ実務に携わってい らっしゃるような方が、というような感じになったほうが、責任の所在がはっきりする と思います。しかし、集中治療室の運営というのは、各病院における各論みたいなとこ ろがありますので、なかなか統一して規制するのは難しい面があると思います。 ○飯田委員  まさに武澤委員の文章を見ても、具体的に書いてあるのですが、おっしゃるように施 設によって責任者も違うし、職種も違いますので、むしろ具体的に書かないほうが良い と思います。それぞれの組織においてきちんとしなさいという一般論になりますが、具 体的に書くとかなりややこしくなると思います。誰がとか、誰にというと、病院長なの か、何なのかとなりますし、また、いろいろあると収拾集がつかなくなると思います。 これは指針ですから、一般的なことをきちんと規定しておけば、努力目標でいいのです。 あとはそれぞれの組織がやりなさいで私はよろしいと思います。もう少しわかりやすく 書くことに関しては、反対はしません。 ○落合委員  そうだとすると、主語がない文章を作るので、そうではなくて、そういうことを明ら かにすることが重要であるというような文章に直せばよろしいのではないかと思うので す。 ○飯田委員  これで趣旨はわかりますので、そういう具体的ではないことは、かまわないと思って います。  確かに結果を評価することは全然関係がないような気がします。 ○落合委員  集中治療学会のときに、施設認定基準を作るような指針を作る会がありまして、指針 に非常にボリュームをもたしてしまうと読めないし、読まなくなってしまいます。非常 に文章がややこしくなるので、指針はなるべくシンプルにして、その後に解説文という のを付けたのです。一体どういうことを意味しているのかということを、もう少し平易 な文章にしようという、もし、今回の指針もそういういろいろなニュアンスがあります ので、指針はなるべくコンパクトにシンプルにして、後に解説文みたいなものを付けた ほうがよろしいかもしれないといま感じました。 ○平澤部会長  これまで委員会をやってきて、今日やっと指針の内容について入り込んで、それを決 めて、一応タイムリミットがありますので、それからまたそれのガイドラインというの は、ちょっと作業的に大変かと思うのですが。 ○落合委員  次年度以降ですね。 ○平澤部会長  はい。よろしいでしょうか。それでは(b)の「情報共有と標準化」という項目につ いて、何かご意見はありますか。 ○前川委員  1番目の○のところが、ちょっと深めになっているので、具体的なことは別として、 もう少しコンパクトにしたほうがいいように思います。 ○平澤部会長  どこの辺りまでで、先生はよろしいとお考えですか。口頭だけの伝達ではなく、文章 での情報伝達を行うことは必要ですか。 ○前川委員  それは必要だと思います。 ○平澤部会長  どこまでですか。 ○前川委員  いろいろなヒヤリ・ハットのデータからも、口頭指示とか口頭伝達というのがいちば ん問題なので、それをできるだけやめて、記録をするとか、後に残るようなものをきち んとやるというような内容でいいと思います。文章はまた後で考えるとして。 ○石井委員  前にもこの場で、そうではあるのだけれども、口頭指示が多くなってしまうのがIC Uの特質だというお話がありました。だから、例えばですが、引き継ぎの際には文書で とか、何か時間を設定したり、何かのところでは必ず残しておく、みたいなニュアンス ではどうでしょうか。 ○前川委員  結局その辺が全体的には教育の部分に入ってくるのです。これはいいよという具合に 許してしまうと、できないのです。ですから、どうしてもリスクを含んでいる部分は、 きちんと書くことを教育していくことも含めてやっていったほうが、これは許すよとい うことになると、延々と口頭で伝達される。そのことがリスクを生む大きなファクター になっている。これはデータ上そうなっているものですから、どんなに短くてもいいか ら筆記で残すということを。 ○石井委員  その場で残すというニュアンスということですね。 ○前川委員  そうですね。 ○石井委員  わかりました。それは専門の先生にお願いして。 ○平澤部会長  投与速度に関しても、例えば私が働いていたICUでも、紙に書かないと看護師がシ リンジポンプのダイヤルを回わさないということにしてありますので、やればできると 思います。 ○道又委員  ここは明確に書くべきだと思います。口頭で医師が指示をして、その指示の内容を看 護師がオーダー用紙に書いているような実態がありますので。 ○石井委員  聞き取りですね。 ○道又委員  ということがあるので、明確に、誰がどのようにというようなことも含めて書いたほ うがいいのではないかと思います。 ○平澤部会長  ありがとうございます。そうすると、いま何人かの委員にご指摘いただいたことで、 口頭だけでの伝達ではなく、文書での情報伝達を行うことという辺りは残していただい て、でも、ほかのところは少し詳し過ぎるので、そこを考えていただくということにし たいと思いますが、よろしいでしょうか。  では次の(C)「運営」はいかがですか。 ○前川委員  いちばん最後の○のところです。業務手順を分析することというのは、何か意味がわ からないのですが。 ○平澤部会長  分析して、最後は安全な業務手順を確立することということですかね。 ○飯田委員  おっしゃるとおりで、分析しただけではしようがないのです。ただ、分析から始まら ないといけませんので、自分の組織の業務手順、要するに業務フローをきちんと把握し なさいということです。その後はいろいろ問題が起こったときに対策につながることが 大事なので、この後の安全の仕組みにつながると思います。そういうことをきちんとや っておくことが運営上・・、と語尾が尻切れトンボになっていますので、その辺を追加 していただければありがたいと思います。 ○平澤部会長  ありがとうございます。(c)の「運営」はよろしいですか。  それでは(d)の「医療事故等の情報収集・分析」ということですが、いかがでしょ うか。これは(e)の直前のところの医療事故及びヒヤリ・ハット事例のうち云々とい うところは、今回、飯田委員のご意見により追加したところだと思いますが、これにつ いて委員、ご説明いただけますか。 ○飯田委員  これはいまの業務フローに関係するのですが、ヒヤリ・ハット事例、あるいは医療事 故の分析がなかなか思うように進まないのは、せいぜい単純統計で終わっているからで す。多かった、少なかったという話だったので、それではなくなりませんということで す。そのためには、前にも関係しますが、詳しい分析という文章の中に、業務フローを きちんと分析して、どの作業、あるいは業務で問題が起こりやすいか、あるいは実際に 起こったかということをきちんと固定して、あるいはどこで多いか、それに対して根本 原因分析(RCA)を行い、それに対して事後対策をきちんとやりなさいと。業務フロ ー分析して、事故が起こる前に、ここは危ないということがわかるのが、故障モード影 響解析(FMEA)ということなのですが、これをきちんと展開して、起こり得る事故、 あるいはミスを未然につぶしていこうという方法です。この2つの対策、事後対策と未 然防止をきちんとやらないと、いくら安全安全と言っても、いくら人を入れても、もの を入れてもよくなりません。したがって、運営という意味では非常に大事だということ で、日本でもあまり活発にやられていなかったのですが、最近3、4年、全国展開して、 かなり広まってきています。数年前だと少し早過ぎたと思いますが、いまとなってはも う明記しておくべき事項ではないかと考えて、提案しました。 ○平澤部会長  分析の手法ということですが、かなりポピュラーになってきているので入れたほうが いいというご意見です。(d)はよろしいでしょうか。 ○石井委員  いまの点なのですが、下から2つ目の○の「医師からの」というのは、別にこれは医 師だけに限って限定する必要はないと思うのです。ですから、ICUにおいてとか、あ らゆるものをファイリングすることがむしろ大事なのではないかと思います。 ○平澤部会長  おっしゃるとおりです。 ○内野委員  医師からがいちばん出にくいというヒヤリ・ハットをどうするか。 ○石井委員  そうですね、別のところに書きたくなってしまいます。 ○落合委員  確かに要らないですね。先ほどの議論にあった病院全体で行っていることはほとんど ですので、ICUに特化しているところだけを、いまの分析方法ですとか、抜き出せば それでよろしいのではないですか。 ○石井委員  そうですね。もう1点なのですが、最後の○で、具体的にやっていらっしゃる方がい るので言いづらいのですが、こういう2つのほうの解析がありますよ。せめて「等」と か、和らげる方法はないですか。 ○飯田委員  外国のことは参考になるかどうかわかりませんが、JCAHO(医療機能評価認証合 同委員会)ではこれは義務化されています。全例をやるのではなく、重大なものに対し ては実施せよということになっています。FMEAは最低年に1度はやりなさいという ことが義務化されている状況です。数年経っています。 ○石井委員  何で義務化されているのですか。 ○飯田委員  JCAHO、機能評価です。 ○石井委員  機能評価ね。私は委員で行っているのですが。 ○飯田委員  あるいはVA(連邦退役軍人健康管理局)でもそれを2000年からやっておりまして、 我が国では少し遅れて始まったのですが、いろいろな手法があります。これはいま世界 的なスタンダードになっておりますが、いろいろな方法があります。これだけではあり ませんが、何をやるかというと効果的なのがこれであるということで、いま四病院団体 協議会でも、丸3年やって、今年は4年目で、もう全国で1,000人以上の受講生がいて、 かなり展開していますので、もう一般化されていると認識していいと思います。  日本医療機能評価機構でも、もRCAの演習を始めています。看護協会でもたしか始 めていると思いますので、これはそんなに特殊なことではないと思います。 ○石井委員  それであれば、最後に実施することが望ましいか、何かを付けておいたほうが。 ○飯田委員  それはかまいません。語尾に関しては議論していただいていいと思います。 ○平澤部会長  わかりました。ありがとうございます。ご議論いただいているのですが、時間もあり ますので、ここはご意見がいっぱいあると思いますが、次の項目に進みたいと思います。 (e)の「感染制御」はいかがでしょうか。感染制御についても、病院全体のマニュア ルと、ICUに特化した部分を整理することに関しては、もう少しやらないとスタンダ ード・プレコーションを踏まえた上でなのか、そういうところをもう少し整理していた だいて、そうすると、基本的にはいままでのご意見だと、この指針のところは、病院全 体の総論的な安全管理については、もう守っていただいていて、それを踏まえた上でI CUに特化したという感じで、条文を作っていただくということでよろしいですか。 ○石井委員  よろしいかと思います。 ○平澤部会長  そうすると、この感染制御のところも、ICUに特化したというところはかなり少な くなりますね。 ○落合委員  感染制御というところだけが非常に独立して、項目で見ると責任、情報、運営ときて いるのですが、突然感染制御だけ特殊な感じがします。最初が運営の話があって、その 後に事故調査の話があって、それで教育、研修という流れの中で、感染だけ、ちょっと その下の項目のレベルかなという感じがします。 ○平澤部会長  これだけ突出していますかね。落合委員のご意見だと、この感染制御は、ここの項目 には馴染まないということですか。 ○落合委員  たぶん、ここは文言をどうするかというところと兼ねるのですが、運用と仕組みとい う中に、どう組み込んでいくかということなのです。例えば(c)の運営の中に責任者 を1名決定するという人事の話があって、それが3番目にきています。ところが、その 中の責任者は何をやるかというのはaの部に入っていたりで、順番とかがばらばらなの で、整理しておく必要があるだろうと思います。組織をどのようにするかというのが最 初にきていますので、その中で感染というのは合併症の話なので、感染管理、もちろん 運用も大事なのですが、それと場所が。 ○平澤部会長  合併症というよりは感染を防御するということだから、運営といえば運営になるので はないですか。起こってからの話ではなくて。 ○落合委員  感染管理の話でしょうか。 ○平澤部会長  はい、感染制御ですから。 ○織田委員  ICUを考えて予備症候を……することを考えたあれなので、ただ、運営のところに 入れていいのではないですか。 ○平澤部会長  起こってからのことでなくてですね。 ○前川委員  ちょっと特殊なのですが、どこかに残す必要はあると思うのです。やはりICUに入 っている患者そのものがe感染性の患者が非常に多いわけですから。ちょっと場所を考 えていただくか、何かちょっと。 ○平澤部会長  そこは考えていただくとして、(f)の研修はいかがでしょうか。 ○前川委員  研修と教育のところは、安全管理という意味で非常に大事な要素なので、もう少しボ リューウムがあってもいいかと思います。 ○平澤部会長  ここは医療従事者のところの例えば先ほどの道又委員がおっしゃった看護師に対する 教育というか、知識を磨くというところと、こことがどのように整合性があるかという ことですね。 ○前川委員  そうですね。だから、研修とか教育のところから抜き出してきてまとめるとか、ここ でこういうように短くするかのどちらかだと思います。 ○平澤部会長  よろしいでしょうか。ちょっと駆け足になって恐縮ですが、是非最後まで先生方のお 目を通していただきたいと思いますので、6番に移りたいと思います。6番の「物的環 境」ですが、まず議論する前に、集中治療室における薬剤管理の現状について、そして 集中治療室における薬剤師の業務についてということで、内野委員が調査した資料を提 出していただいていますので、ご説明をお願いいたします。 ○内野委員  資料2です。一応日本で薬剤師がいわゆるICUの業務をやっているというのは、大 体前にもお話しましたように、常駐しているのが大体13病院で、残りの65ぐらいが何 らかの形で業務を行っています。実際に調べてみると、非常に病院によって異なる。I CUそのものも、考え方も非常に異なっています。  典型的な例を表で一応全部まとめてみました。左側は薬剤師が常駐しているという、 先ほど申し上げました大体宿直は別に持っていますから、結局要はICUにというのが 大体12時間ぐらいがいちばん長かったのですが、常駐しているという12時間というの がその定義として考えていただければと思います。しかし、大体の特定機能病院がほと んどで、いちばん左からいけば、国立大学が2つと、私立大学が1つということで、大 体500床以上の病院が常駐しているという部分です。  ICUのベッド数が14で、いちばん左だとHCUが30あるという。そして非常にI CUの使用率が100%ぐらいあるという。い医師数が9名で薬剤師数が6名ということ で、3人ずつでつないでいます。実際の医師数は9名ではとうてい足りなくて、実際は 受持医がほとんど担当しているというのが、いずれの病院でもあります。  病院の形態とすると、その隣の……でも救命救急と隣接していて32お持ちだという ことで、ICUが大体83%ぐらいの形で、医師数11ぐらいで、やはり受持ちがあとフ ォローしている。  私立大学の特定機能病院でもオペ室と隣接していて、薬剤師が両方の仕事をしている というので、実際は麻酔科医と兼務で15人ぐらいいるということです。  いずれも薬剤師数が6、2、2というような形で、大体12時間ぐらいです。いちば ん右側の特定機能病院の私立の場合には、宿直者があと残りをフォローするというよう な形で24時間見ている。実際はこういうような形になっています。  あとは薬剤師が常駐していないというので特定機能としては大体600床ぐらいのもの で、ICU病棟が4棟、稼働率が以下に示したとおりで、ここでは大体受持が担当して おり、薬剤師数が2デ大体6時間勤務。いずれの一般病院も薬剤師がICUに常駐して 12時間ぐらい勤務しているということはありません。特定機能でもそういう例がありま す。  実際に薬剤業務としてどのようなことをしているか、まず医薬品の流れで、常駐して いる所は一般的にいえば、全部薬剤師が薬剤の請求から処方鑑査、薬剤の取り揃え、注 射薬の混合はすべて薬剤師がやって、薬剤の動きとしては、指示書というのは電子カル テ上の指示で、そこの中に処方欄がある。ですから、処方箋としてその処方欄で実際は 仕事をしている。  残りの2つは処方箋として、必ず医師から薬剤師に渡っているということです。一般 病院の場合、薬剤師がいない場合には請求を看護師がしている場合と、非常に珍しいと 思うのは、薬剤師が毎日定数配置のカート交換というのが行われているというのが例で あります。カートで交換して、看護師がカートの中の指示に従って混合しているという ような形もあります。  ICUの在庫管理はほとんど薬剤師が毎日、あるいはそのような形で全部行われてい ます。  実はご指摘がありましたジェネリックの取扱基準ということですが、これは少し本論 と外れるかもしれませんが、病院としてジェネリックの採用というのは、比較的高価な 注射薬などをジェネリックにかえている。一部私立大学では可能な限りというところが ありますまた、注射薬の一部というのが大体で、全例かえているということはないよう です。確かこの1病院しかなかったと思います。  取扱基準として市場調査としか書いてありませんが、市場調査とはどういうことかと いうと、どこがいちばん日本全国的に売れているか。そういうような調査と、もう1つ は流通の関係、流通が日本の流通媒体にきちんと乗っているか。価格が重要だというと ころもありました。ジェネリックをかなり使っている所が、いわゆるDPC病院がほと んどで、かなり注射薬DPCを使っている。そういうような現状でした。医薬品情報の 提供に関しては、いろいろな所で医療……だとか、かなり情報提供は皆さんされていま す。  もう1つ、感染制御に関しては、チーム医療でラウンドしているというのが大部分で す。特に重要なのはいわゆるTDMで実際にやっているかということになると、緊急な ものに関しては薬剤部でTDMをやっているというのが調査で大体わかりました。実際 に1つ聞いたところによると、非常に薬剤師が常駐病院でいちばん問題になってきてい るのが、いま薬剤師が土日の注射薬の混合業務をやっていないので、混合業務をしなく なったことから、看護師のヒヤリ・ハットが増えたということで、土日にやはりヒヤリ・ ハットが増えてきている。というのは、1年間入院してしまうと忘れてしまうというの が結構ありまして、やはりヒヤリ・ハットの報告が増えているという話がありました。 ですから、その病院では看護師と協調をとって、ある程度実際に全面的にやるのが果た していいものか、というようなことがあり、要はワンペアでやるなど、そのような形が いいのかというようなことを言っていました。 ○平澤部会長  この3つ、4つと抽出なさったのは、データが割合手に入れやすい所を選ばれたので すか。これが日本の実情を反映しているような形ですか。 ○内野委員  ほとんどこういうような形です。要は常駐しているというのは13しかないので、そ れは全部一応電話をかけて聞きますと、大体この中に入ったということです。例えば形 態がオペ室と一緒にあれしているとか、あとは救命救急とついているような形です。 ○平澤部会長  なしのほうはどうやって選ばれたのですか。 ○内野委員  なしは大体ベッド数である程度選んでみてやりました。 ○平澤部会長  わかりました。ありがとうございます。いま内野委員からICUにおける薬剤業務に ついて説明というか、調査の結果をご報告いただきましたが、それも踏まえて6番の物 的環境というところでやっていきたいと思います。これもざっと見ていただきまして、 (a)の医療機器等ということではいかがでしょうか。 ○石井委員  最初に申し上げた全体の項目をガイドするという意味でいうと、少しここの効き目が あまりに具体的すぎるような気がします。だから、いまからそういうことを言うのかと いう話になってくると思うのですが、別表とか、参考の表を付けるとかでないと、実際 にはもちろんほとんど常備なのでしょうけれども、これがまた1つの規定としてここに 本当に必要なのか、少し疑問があります。 ○平澤部会長  これは連動しないといっていた特定集中治療管理加算を取るときにはこうこうこうい うものが必要ですということが書いてあるのですね。 ○石井委員  はい。 ○平澤部会長  それを参考にしたのだと思うのですが。 ○石井委員  ですから、片方にそれがあれば、参考としてこちらも表を付けると。 ○平澤部会長  いかがですか。 ○加納委員  文言なども(ア)のところの2つ目の○の真ん中辺りからですが、非観血的血圧測定 器、呼吸循環等監視機器(心電計及びモニタ装置、観血的血圧測定モニタなどの循環機 能測定装置・・・)のように、いろいろ重なった表現になっていたりしていて、たぶん 現場的にはあまり使わない言葉、正式には決められた文言だったのかもしれませんが、 もう少し現実的なものでわかりやすく、もしくは先ほどおっしゃったように、もっと簡 単にモニタ装置とか、患者モニタ装置といえば済んでしまうことだと思うのです。です から、そのぐらいの表現にしてしまうのか、もしくはもっと詳しく、表現する必要があ るのか、どうなのでしょうか。  ですから、詳しく書くのでしたら、先ほどおっしゃった表ぐらいにして、いろいろな ものがあると思うので、いま言ったような少しまとめた大掴みな表現にしておくことで もいいのかという気がします。 ○平澤部会長  ごもっともな意見だと思いますが、ここで加納委員、恐入りますが、委員がいちばん おわかりだから、是非そういうことを事務局に寄せていただけますか。 ○加納委員  わかりました。 ○平澤部会長  たぶん後で出てきますが、次のこの検討委員会は12月に開催する予定です。時間が 少しありますので、その間に十分練って、次はもう少し完成度が高いものになって出て くると思います。医療機器等はよろしいでしょうか。  (b)の医薬品についてはいかがですか。これも結構いろいろ書いてあります。突っ 込み具合が凸凹していることは否めないのですが、それと総論的なところとはICUだ からこそ、特に言及しておかなければいけないことという、石井委員がおっしゃったよ うに、少し整理すれば、もう少し全体がすっきりするかと思います。  確かにかなり具体的なことまで書いてある所もあります。室長、この辺りはご意見を 寄せていただいて、整理させていただくということでよろしいですか。今日すべて議論 することは難しいところがありますので、薬剤のことに関して、是非内野委員もお気付 きになったところを、よろしくお願いいたします。  さらにまた具体的になりまして、9頁の(c)の「面積等」というのはいかがでしょ うか。 ○石井委員  タイトルがおかしいと思うのです。何のことなのかなという、病室というタイトルな ら、そういう意味かなと思いますが。 ○平澤部会長  病室ですか。 ○石井委員  はい。 ○平澤部会長  例えば特定集中治療管理加算の基準には1床辺りの床面積が。 ○石井委員  具体的に書いてありますね。 ○平澤部会長  16平方メートルでしたか、書いてありますね。 ○石井委員  15平方メートルいくつでしたね。 ○平澤部会長  それもそれに関連しないということですから、総論的にこう書いてあればよろしいの でしょうか。 ○前川委員  (c)から(h)は少し見直していただいたらどうですか。 ○部平澤会長  そうですね。 ○道又委員  ICU症候群という言葉は使わないので。 ○平澤部会長  使わないほうがいいということで、譫妄とかも。 ○道又委員  そうですね。あとは構造図みたいな……とか。 ○部会長  空調ですね。それから吸配水、医療ガス、電気設備、照明、いかがでしょうか。 ○前川委員  その辺はICUの環境整備的な文言で、できるだけ短くすることですね。施設基準に なっている15平方メートル云々という、昔の作られた文で、たぶんいまの状況に合っていないの で、少し改善の必要があるとか、そういう程度でいいのではないでしょうか。 ○平澤部会長  あの平米では小さいですよね。 ○前川委員  これはICU学会の委員会が一応作っていまして、機関誌に一応載せられていますの で、そういうものも参考にするとか、そういう程度でよろしいと思います。 ○平澤部会長  一人ひとり個人がいいというスタンスですか、それとも大部屋でもいいというスタン スですか。 ○前川委員  あの段階ではどうでしたか、個室とばかり、たぶん言っていなかったと思います。そ ちらが比較的望ましい的なニュアンスがあったかもしれませんが。 ○道又委員  望ましいという表現になっていますかね。 ○平澤部会長  それと10頁の(エ)、またICU症候群というのが出てきますから、それも仕分けい ただきたいと思います。かなり駆け足になってしまって恐縮ですが、6番の「物的環境 全体」について、これだけはいま指摘しておきたいとおっしゃるようなところはござい ますでしょうか。相当多岐にわたっていて、見ていただくのは難しいところがあって恐 縮ですが。 ○石井委員  fの医療ガスです。アウトレットに関して、これが考慮することと、何か文章の書体 が少し違うのです。これも望ましいにしておいて、自然にそちらの方向に誘導するとい うことのほうがいいのではないかと思います。 ○平澤部会長  ……の整合性をとるためにも、考慮するというのは。 ○石井委員  考慮するというのは強いのか、弱いのかちょっと悩ましいですが。 ○平澤部会長  考慮して結局要らないとなったりして。 ○平澤部会長  はい、わかりました。ありがとうございます。ほかによろしいですか。 ○織田委員  最初のうちの理論で、病院のIT化みたいなことを盛り込んだほうがいいのではない かというようなこともあったような気がします。その項目がないような気もするのです が。 ○平澤部会長  ICUに特化した形でのIT化でしょうか。 ○織田委員  情報の共有化というようなことも含めてIT化がいいのではないかという理論があっ たような気がするのですが。 ○前川委員  それは先ほどの指示とか、そういうところで少し出たように思います。病院全体…… とかを含めたIT化は厚労省が全般的なところで推進されていると思いますが、主に特 化という意味では、たぶん指示関係。 ○織田委員  ということですか。 ○前川委員  はい。 ○飯田委員  先ほど4頁でbの最初の○で、前段はいいけれども、後段は詳しくというところの情 報化のところは要らないのではないかというお話であれば、これはあったほうがいいだ ろうと思います。 ○平澤部会長  次にまた整理した形で出して、ご意見をいただきたいと思います。それでは最後の11 頁の「患者家族への情報提供等」という項目について、ご発言をいただきたいと思いま す。ここにICUシンドロームと書いてあったところで譫妄というのが出てきているの です。 ○道又委員  最初の情報提供のところで、患者及び家族の主体的な参加が必要であると特別謳って いるのはどういうことなのでしたか。 ○平澤部会長  医療の安全を確保するためには医療機関及び医療従事者による取組だけでなく、患者 及び家族の主体的な参加が必要である。 ○道又委員  あえてここに表現される必要があるのですか。 ○前川委員  研究班でまとめたところは、参加が必要であるというのではなくて、例えば譫妄など が出る場合に拘束などをせざるを得ないので、その辺の患者サイド、家族サイドのご理 解をいただくという意味合いで書いてあったと思います。 ○平澤部会長  この文言どおりに見ると医療従事者が失敗をしたりしないように、患者の家族が常時 目を光らせておきなさいよと、とれてしまいますね。ここも少し検討していただきたい と思います。 ○道又委員  身体拘束だと、インフォームド・コンセントをしっかりやりましょうということです よね。 ○前川委員  そういうのは入れたつもりだったのですが。 ○平澤部会長  何かご意見はございますか。途中でも申し上げましたが、いちばん大切な報告書、総 論的なところで相当ご議論がございまして、実際に項目ごとに安全管理指針の内容につ いて踏み込んで議論したのは今日が初めてです。非常に多岐にわたっておりますので、 先生方にも十分にお目を通していただいていない部分もあると思いますので、これから これをもっとブラッシュアップして、すっきりしたものにするという作業を、やっと今 後始められることになったと思います。今日いただいたご意見の中で、いろいろござい ましたし、各論的な文字のところもございました。ある項目だけ深掘れしていて、詳し 過ぎるというところもございましたので、全体として直していただくところはレベルを できるだけ統一して直していただきたいと思います。  また、病院全体の安全管理のために言われていることは、それを踏まえた上でICU に特化してというような感じで、まとめたほうがいいのではないかというご意見があっ たと思いますので、そういうスタンスで今後やっていただければいいのではないかと思 います。  全体を通しまして、何か言い忘れたけれども、安全管理指針について、おっしゃって おきたいこと等はございませんか。 ○前川委員  2年間厚労省の研究班でやらせていただいて、そのメンバーがいます。基本的なとこ ろは今日お示しいただいたこの形に則った形で、少しメンバーの人たちにご意見をいた だいて、私のほうでどこまで直せるかわかりませんが、多少私の意見としてお取りいた だいても結構なのですが、そのメンバーと相談させていただいてもよろしいでしょうか。 ○平澤部会長  それは是非先生が集約していただいて、先生のご意見としてこちらに寄せていただけ ればよろしいのではないでしょうか。それではこの別添1の集中治療室における安全管 理指針ということに関してはよろしいでしょうか。  冒頭に申し上げましたこれには別添2というのがあります。いまご議論いただいたの はICUにおける安全管理指針で、最初にコンセンサスを得たと思いますが、いろいろ な層があるので、集中治療を受けている症例には、いろいろなところで受けているとい う事実があるので、ICU治療を受けているような重症患者についての安全管理指針を 作るべきであるというお話をいただいて、それもそのとおりだというコンセンサスが得 られていると思います。  それに対応して、別添2を叩き台として出していただいています。これについては室 長、どういたしましょうか。私の印象では、別添1のほうの集中治療室における安全管 理指針がまだかなり揺れているというか、基本的なところですっきりしていないところ があるので、それを踏まえた上でこちらですから、今日のところはこれをお持ち帰りい ただいて、ざっと見るということにしますか。それともざっとご説明いただけますか。 母屋が固まらないとこちらはなかなかというところもあると思うのですが、いかがいた しましょうか。 ○事務局  簡単に説明だけさせていただきます。繰り返しになってしまいますが、ハイライトと しているところは、もともと別添1との違いということで書いてあるところです。いま までの議論を踏まえますと、病院全体との安全管理指針対策と重なっているところが当 然ありますので、そこは整理する必要があることと、別添1での修正を踏まえた形で、 さらに直していくということが必要だと思います。 ○平澤部会長  ありがとうございます。それでは今日はもっと紛糾するかと思っていたのですが、お 蔭さまですっきり終わりまして、非常に私も肩の荷をおろしたというところが正直な印 象です。時間は少し早いのですが、本日の議論はこれまでとしたいと思います。次回以 降のスケジュールを含め、事務局からご連絡をお願いいたします。 ○事務局  次回の日程は12月14日(木)に開催いたします。時間は基本的には午後で考えてお りますが、正確にはまたお知らせしたいと思います。会場については決まり次第お知ら せしたいと思います。12月14日まで、2カ月ちょっとありますが、その間の資料作成 の段取りというか、手順は、今日たくさんご意見をいただいたのですが、ほかにもまだ 今日のバージョンの上にまだあると思いますので、例えば3週間ぐらいの間に、先ほど の前川委員のご意見を含めていただければ、それを事務局で集約して、部会長と相談の 上、次のバージョンを作って、各委員の方に一度投げて、そこでご意見をいただいた上 でさらに直して、12月14日くらいにできるとよろしいかと。また、その際に別添2も 合わせてご意見をいただければ、作業は早く進むのではないかと思いますが、いかがで しょうか。 ○平澤部会長  そういうことですので、またこれから秋の学会シーズンでお忙しいでしょうけれども、 どうかひとつよろしくお願いいたします。本日はこれで閉会したいと思います。大変お 忙しい中をご出席いただきまして、ありがとうございました。 (紹介先) 厚生労働省医政局総務課医療安全推進室 主査 小川 03−5253−1111(2580)