06/09/6  中央社会保険医療協議会          第91回総会議事録  (1)日時  平成18年9月6日(水)10:00〜11:35 (2)場所  厚生労働省専用第22会議室 (3)出席者 土田武史委員長 遠藤久夫委員 室谷千英委員 小林麻理委員      対馬忠明委員 小島茂委員 鏡敏弘委員 勝村久司委員  丸山誠委員       大内教正委員 松浦稔明委員 竹嶋康弘委員 鈴木満委員 飯沼雅朗委員      石井暎禧委員 邉見公雄委員 黒崎紀正委員 渡辺三雄委員 山本信夫委員     早川委員長 古橋専門委員 白石専門委員 大島専門委員       <事務局>      水田保険局長 原医療課長 岩渕保険課長 唐澤総務課長 石原調査課長  武田経済課長 神田国保課長 他 (4)議題   ○医薬品の薬価収載について       ○施設基準に適合するものとして承認がなされた高度先進医療について       ○医療費の動向について (5)議事内容 ○土田会長 それでは、定刻になりましたので、ただいまより、第91回中央社会保険医 療協議会総会を開催いたします。  まず、委員の出欠状況について御報告いたします。本日は、青柳委員、邉見委員及び針 ケ谷専門委員が御欠席です。邉見委員の代理として星さんがお見えになっております。  なお、審議官につきましては、公務により途中退席させていただく旨の連絡を受けてお ります。  次に、9月1日付で厚生労働省において異動がありました。事務局より紹介をお願いい たします。 ○事務局(原医療課長) それでは、紹介をさせていただきます。  医療保険・医政担当、白石順一大臣官房審議官でございます。  唐澤剛保険局総務課長でございます。  岩渕豊保険局保険課長でございます。  神田裕二保険局国民健康保険課長でございます。  山本麻里保険局総務課老人医療企画官でございます。  藤澤美穂保険局総務課保険システム高度化推進室長でございます。  八神敦雄保険局医療課保険医療企画調査室長でございます。  磯部総一郎保険局医療課薬剤管理官でございます。  阿部重一保険局医療課医療指導監査室長でございます。  松岡正樹社会保険庁運営部医療保険課長でございます。  武田俊彦医政局経済課長でございます。  以上でございます。 ○土田会長 どうもありがとうございました。  それでは、議事に入らせていただきます。  まず、「医薬品の薬価収載」について議題といたします。  薬価算定組織の早川委員長がお見えになっております。説明をお願いいたします。 ○早川委員長 それでは、早川でございますが、御説明申し上げます。本日は13品目と 非常に多いのですけれども、いつものように最後まで続けてやらせていただければという ふうに思います。  では、まず資料総−1の一覧表がございますけれども、今日の御審議いただく品目でご ざいます。  それでは、上の方から、ガバペン錠200、300、400mgについて報告いたします。 資料2ページをごらんいただきたいと思います。ガバペンチンが有効成分ですけれども、 てんかんの部分発作、昔で言う焦点発作でございますが、を効能・効果とする内用薬でご ざいます。  資料3ページをごらんいただきたいと思います。私たちの組織で検討いたしました結果、 本剤は、効能・効果などが類似しますバルプロ酸ナトリウムが最類似薬とみなしまして、 これと類似薬効比較方式(I)による算定が妥当と判定いたしました。また、補正の加算 につきましては、有用性加算(II)を適用することが妥当と判断したのですが、この薬は 他の抗てんかん薬で十分効果が得られていないてんかんの部分発作に対する有効性が評価 されておりますというところを一つ評価いたしました。一方、長期投与などの安全性につ いてはこれから検討する必要があるという結論になりまして、それからその結果、加算率、 幅がありますが、A=5%が妥当と判断いたしました。さらに、本剤の効果・効能ですが、 市場規模が非常に小さい薬効分類に属しますので、市場性加算(II)、加算率A=3%を 適用することにいたしました。  したがいまして、資料2ページに戻っていただきまして、本剤の薬価算定は、いろいろ さっきの類似薬との薬価合わせ等々計算いたします。それに加えて、先ほどの加算率A= 5%並びに市場性加算A=3%を適用し、さらに外国平均価格調整による引き上げの対象 となりますので、調整いたしました結果、300mg1錠が53円ということになりました。 200mgの場合は1錠39円70銭、400mgは1錠65円ということにいたしました。  では、次の薬に移らせていただきます。フィズリン錠30mgでございます。資料4ペー ジをごらんいただきたいと思います。なかなか難しい病気なのですけれども、抗利尿ホル モン不適合分泌症候群における低ナトリウム血症の改善ということを効能・効果とする内 用薬であります。  資料5ページをごらんいただきたいと思います。組織で検討いたしました結果、本剤に ついては、効能・効果、いろいろ調べましたけれども、類似薬がありませんので、原価計 算方式による算定が妥当と判断いたしました。  その結果、資料4ページに戻りますが、本剤の算定価格は、30mg1錠8,734円4 0銭ということになりました。  それでは、次に移らせていただきます。フォサマックでございますが、資料6ページを ごらんいただきたいと思います。フォサマックあるいはボナロンという商品名でございま すが、アレンドロン酸ナトリウム水和物を有効成分といたしまして、骨粗鬆症を効果とす る内用薬でございます。  資料7ページをごらんいただきたいと思いますが、本剤につきましては、既に同一成分 の別規格品であるフォサマック錠5あるいはボナロン錠5mg、同じものでございますが、 が薬価収載されておりますので、これを比較薬とした規格間調整による算定が妥当と判断 いたしました。また、加算につきましては、本剤が類似薬に比して、投与回数の減少、こ の薬の場合は1週間に1回でいい、従来の薬は毎日飲むということなのですが、そういう 医療上の有用性を有することが示されておりますことから、有用性に基づく市場性加算に 加算率A=3%を適用することにいたしました。  したがいまして、資料6ページに戻っていただきますと、本剤の算定薬価は、フォサマ ック錠5あるいはボナロン錠5を比較薬とし、規格間調整によりまして、35mg1錠81 1円30銭となりますけれども、有用性に基づく市場性加算A=3%を適用いたしますと、 最終的には35mgが1錠847円80銭ということになりました。  それでは、次に移らせていただきます。テモダールカプセル20mg、同カプセル100 mgでございます。資料8ページをごらんいただきたいと思います。この薬はテモゾロミド を有効成分といたしまして、悪性神経膠腫(グリオーマ)を効果とする内用薬でございま す。  資料9ページをごらんいただきたいと思いますが、この薬については類似品がありませ んので、原価計算方式による算定が妥当と判断いたしました。  したがいまして、いろいろ計算した結果、資料8ページに戻らせていただきますと、本 剤の算定薬価は、20mg1カプセル3,345円90銭、100mgの方は1万6,746 円50銭ということになりました。  それでは、また次に移らせていただきます。バラクルード錠、資料10ページをごらん いただきたいと思います。この薬は、エンテカビル水和物を有効成分としまして、B型慢 性肝疾患におけるB型肝炎ウイルスの増殖抑制を効果とする内用薬でございます。  資料11ページをごらんいただきますと、本剤は、効能・効果などが類似するラミブジ ンとアデホビルピボキシルの併用を最類似薬とした類似薬効比較方式(I)による算定が 妥当といたしました。補正加算につきましては、本剤による対象疾病の治療方針の改善が はっきり示されておりますので、有用性加算(II)を適用することが妥当と判断いたしま して、ラミブジンあるいはアデホビルピボキシルに対して反応しないような例に対して有 効性があるということを勘案しまして、加算率A=10%ぐらいが妥当ではないかという ふうに判断いたしました。ところが、この提出された会社の方からいろいろ御意見がござ いまして、さらに2回目の算定組織において詳しく検討いたしまして、ほかのまだ少しい いところがあるというところを認めまして、このA=10%を20%にしてもいいのでは ないかという結果になりました。  したがいまして、資料10ページに戻りまして、本剤の算定薬価は、ラミプジン及びア デホビルピボキシルとの1日薬価合わせに有用性加算A=20%を適用しましたところ、 0.5mg1錠が1,058円10銭ということになりました。なお、外国価格調整のこと ですが、これは今度の4月からのいろいろな薬価の見直しがありまして、それに従います と引き上げなくてもよいということになりましたので、そちらの方は手をつけませんでし た。  それから、次の薬に参ります。イトリゾール内用液1%でございます。資料12ページ をごらんいただきますと、この薬は、イトラコナゾールを有効成分とする口腔咽頭のカン ジダ症、食道カンジダ症を効能・効果とする内用薬でございます。  13ページをごらんいただきたいと思いますが、検討いたしました結果、イトリゾール カプセル50と、内用薬の方が既に発売されておりますが、これを類似薬といたしまして、 類似薬効比較方式(I)による算定が妥当と判断いたしました。  したがいまして、12ページに戻りますけれども、この最類似薬との1日薬価合わせを 行った上で、1%1mL113円20銭ということになりました。  それでは、次に移ります。7番目の薬ですが、ボースデル内用液10、資料14ページ をごらんいただきますように、本剤は塩化マンガン四水和物を有効成分とし、消化管陰性 造影を効果とする診断薬(内用薬)でございます。  15ページをごらんいただきますと、この薬の似ている薬といたしましては、クエン酸 鉄アンモニウムではないかというふうに判断いたしました。また、補正加算について討論 いたしましたが、本剤によって対象疾病の治療方法の改善が示されるということで、有用 性加算(II)を適用するのが妥当と判断いたしました。診断の妨げになります消化管内の 信号抑制によりまして、磁気共鳴膵臓胆道造影の診断能の向上に寄与するということなど を勘案いたしました結果、加算率が20%とってもよろしいというふうに判断いたしまし た。今までほとんど見えなかったようなMR画像が、白いところが消えてしまって黒く見 えるという、大変いい造影剤だと思います。  したがいまして、資料14ページに戻りまして、本剤の算定薬価は、類似薬であります クエン酸鉄アンモニウムとの1日薬価合わせに、先ほどの有用性加算A=20%を適用し ましたとこI0mg250mL1袋1,311円40銭ということになりました。  それでは、次に移らせていただきます。資料16ページをごらんいただきたいと思いま す。ポリドカノールでございます。この薬は、下肢の、いわゆる静脈瘤に注射して、それ の硬化退縮を図るという薬でございます。  資料17ページをごらんいただきたいと思いますが、この薬に関しましては、同様な効 能・効果を持つ類似薬がないというふうに判断いたしまして、結局、原価計算方式による 算定が妥当と判断いたしました。  その結果、資料16ページのごとく、算定薬価は、0.5%2mL1管641円、1%2 mL1管718円、3%2mL1管が871円ということになりました。  それでは、次に移らせていただきます。資料18ページをごらんいただきたいと思いま す。ブスルフェクス点滴静注用60mgという薬でございますが、静脈注射の薬でございま す。これは、同種造血幹細胞移植の前治療という領域に効果・効能があるというものでご ざいます。  19ページをごらんいただきますと、この類似薬というのが、いろいろ探したのですが ありませんので、やはり原価計算方式による算定が妥当と判断いたしました。  したがいまして、資料18ページのごとく、算定薬価は、60mg1管4万447円とい うことになりました。  それでは、次に移ります。アボネックス筋注用シリンジ30μg、資料20ページをご らんいただきたいと思います。この筋注用の薬は、インターフェロンベータ−1a、遺伝 子組換えからつくったものですが、を有効成分といたしまして、多発性硬化症の再発予防 という効能・効果を主とするものでございます。  21ページにごらんいただきますように、この薬の類似薬としては、インターフェロン ベータ−1bがいろいろなことから似ているというふうに判断いたしまして、類似薬効比 較方式(I)による算定が妥当と判断いたしました。また、加算につきましては、本剤は シリンジタイプのキット製品でありまして、使いやすいというようなことが、キット加算、 加算率A=3%が適用できるのではないかというふうに結論を出しました。  したがいまして、資料20ページに戻りますが、本剤の算定薬価は、インターフェロン ベータ−1b、商品名はベタフェロン皮下注との1日薬価合わせで、キット加算A=3% を適用いたしまして、30μg0.5・1筒3万9,890円ということになりました。  それでは、次に移らせていただきます。22ページをごらんいただきたいと思いますが、 パタノールという薬でございまして、塩酸オロパタジンを有効成分としましたアレルギー 性の結膜炎を効能・効果とする目薬でございます。  資料23ページをごらんいただきたいと思いますが、我々の委員会で検討いたしました 結果、本剤は、効能・効果などが類似するものとして、フマル酸ケトチフェンというのが ありますが、これが似ているということで、類似薬効比較方式(I)による算定が妥当と 判断いたしました。  したがいまして、22ページに戻っていただきますが、この類似薬との1日薬価合わせ によりまして、0.1%1cc 180円80銭となりますけれども、外国平均価格調整に よる引き上げの対象にもなりますので、最終的な算定薬価は、0.1%1cc204円30 銭ということになりました。これも4月からちょっと変わったのですけれども、この外国 価格調整に関しましては、この薬に関しまして、一番、あまり高すぎる国のものは除いて 、他の国の平均値を使用したということでございます。  それでは、最後から2番目の薬ですが、ベガモックス、24ページをごらんいただきた いと思います。塩酸モキシフロキサシンを有効成分とするニューキノロン系の抗菌薬の目 薬でございます。  25ページをごらんいただきたいと思いますが、類似薬としてはよく使われております ガチフロキサシン水和物がよろしいということになりました。  それで、本剤につきましては、そのような点眼薬が既に3つ以上ありますので、類似薬 効比較方式(II)による算定が妥当と判断いたしまして、24ページのごとく、本剤につ きましては、過去10年間に薬価収載された薬理作用類似薬でありますので、算定ルール にのっとりまして、最類似薬でありますガチフロ0.3%点眼液を比較薬として算定した 1日薬価、それから過去10年間に薬価収載された薬の平均1日薬価及び過去6年間に薬 価収載されました薬理作用類似薬の最低1日薬価などを比較した結果、最類似薬でありま すガチフロが1日薬価が最低のものであったことなどから、算定薬価としては、0.5% 1mLが130円70銭ということになりました。  それでは、最後の薬になりますが、26ページをごらんいただきたいと思います。パル ミコート、これは吸入液でございますが、0.25mgと0.5mgがございます。ブデソニ ドを有効成分といたしまして、気管支喘息に効能・効果を有するものでございます。  27ページをごらんいただきますと、類似薬といたしましては、クロモグリク酸ナトリ ウムが一番似ているということで、これを類似薬とした類似薬効比較方式(I)による算 定が妥当と判断いたしました。また、補正加算につきましては、本剤による対象疾病の治 療方法の改善が示されているということから、有用性加算(II)を適用することが妥当と 判断いたしました。それで、加算率としては15%ということが妥当と判断されたわけで すが、これは、普通こういう吸入することが困難な乳幼児に対して非常に吸いやすいとい いますか、有効性が治験の中で評価されていることを勘案した結果、15%という値をと らせていただきました。  したがいまして、資料26ページに戻りますが、本剤は、類似薬であります商品名のイ ンタール吸入液との1日薬価合わせで、有用性加算A=15%を適用いたしまして、0. 5mg2・1管346円80銭、規格間調整によりまして、0.25mgの方は、2・1管2 63円30銭ということになりました。これは外国平均価格調整の対象になりませんでし たので、それは行いませんでした。  以上、ちょっと多すぎたのですけれども、報告としては、これで終わりでございます。 ○土田会長 どうもありがとうございました。  ただいまの説明につきまして御質問などございましたら、どうぞ。 ○勝村委員 補正加算のところ、有用性加算または市場性加算等で、5%、3%と書いて あるところを見ますと、素人的には1.05倍とか1.03倍というふうに思ってしまう のですが、ちょっとそこと、もしかしたら消費税の絡みがあるのか、または20%と書い ているところで10%ぐらいに見えてしまうところとか、補正加算のところの加算前と加 算後の数字が少し理解しにくく思いますので、もう少し御説明いただけたらと思うのです。 ○事務局(磯部薬剤管理官) 薬剤管理官でございます。  今の点は、基本的な考えとしまして、加算率というものはパーセンテージで加算をして まいりますので、もともとの1日薬価が大きく異なるものがいろいろございます。非常に 安い価格のものから非常に高いものまでございますので、一律にパーセンテージだけを言 いますと、単純に、その1日薬価が非常に高いものが、同じ率にもかかわらず絶対額で非 常に高くなるということがございまして、ある一定の標準額、内服ですと500円、注射 剤ですと4,000円ということでございますけれども、それを標準額といたしまして、 薬価の高いものについてはそれの半分まで落とすと、逆に、薬価の安いものについてはそ の1.5倍するということで、傾斜配分というふうに申し上げておりますが、そのような 薬価算定ルールがございまして、それに基づいて算定をさせていただいているということ で、絶対額ベースで見ますと、勝村委員おっしゃるように、そのような差が出てまいるわ けでございます。 ○土田会長 よろしいですか。ほかにございますでしょうか。 ○勝村委員 ちょっと1つ、ついでと言ってはあれですけれども。類似薬がないところは 消費税の額が入っている場所がよくわかるのですが、そうではないものの消費税というの はどういうところに出てきているのですか。 ○事務局(磯部薬剤管理官) もともと薬価は、消費税込みの価格が薬価基準として算定 されておりますので、それとの類似薬効で合わせてまいりますので、それは消費税がもと もと含まれているということで御理解いただければというふうに思います。原価計算の場 合は、新たに類似薬でなく算定いたしますので、その際には、消費税を加えて薬価基準と すると、そういうことでございます。 ○土田会長 よろしいですか。 ○勝村委員 はい。 ○土田会長 ほかにございますか。  ほかに御質問などないようでしたら、ただいまの説明いただきました薬価について承認 するということでよろしいでしょうか。              〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○土田会長 どうもありがとうございました。  それでは、早川委員長、どうも長い時間ありがとうございました。 ○早川委員長 ありがとうございました。                 〔早川委員長退席〕 ○土田会長 それでは次に、「施設基準に適合するものとして承認がなされた高度先進医 療」について議題としたいと思います。  事務局より資料が出されておりますので、説明をお願いいたします。 ○事務局(福田企画官) 医療課企画官でございます。  お手元の資料、中医協総−2をごらんいただきたいと思います。「施設基準に適合する ものとして承認がなされた高度先進医療」についてでございますが、恐れ入りますけれど も、一番最後のページ、5ページをごらんいただきたいと思います。この高度先進医療の 部分の医療機関の取り扱いにつきましては、中医協での議論も踏まえまして、昨年の夏か ら若干手続が簡素化をされるという形になってございまして、今回の関連部分でございま すけれども、「特定承認保険医療機関における高度先進医療」ということで、(2)のと ころでございますけれども、既存の高度先進の医療技術につきましては、施設基準という ものをあらかじめ設定をして、それに適合するものとして申請のあったものについては、 こちらの下のところに書いてございますけれども、「施設基準への適合性を審査した上で 承認した旨を厚生労働大臣は中央社会保険医療協議会に報告するものとする。」というこ とでございます。したがいまして、個々の高度先進の技術について、既に施設基準、これ が設定されているものについてこのような取り扱いをさせていただいているということで ございまして、今回この取り決めに基づきまして申請のあったものについてその結果を御 報告をさせていただくと、そういったものであるということでございます。  資料の方の1ページにお戻りをいただきたいと思いますけれども、そのような手続を経 まして、18年7月承認分ということでございます。その内容を一覧表としてお示しをし てございます。医療機関名といたしましては、ここにお示しをしております4医療機関、 高度先進医療技術の具体的な内容につきましては、右側の表にお示ししてございますけれ ども、件数としては4件でございますが、医療技術については3種類ということでござい ます。  なお、それぞれの医療機関からの申請内容につきましては、次のページの2ページに一 覧表として概要をお示しをしてございます。  それから、3ページの方をごらんいただきますと、高度先進医療技術の施設基準、こち らの方につきまして、今回該当しております施設基準の内容をお示しをしているというも のでございます。  事務局からの報告は、以上でございます。 ○土田会長 ありがとうございました。  ただいまの説明につきまして御質問ございますでしょうか。 ○勝村委員 直接ではないのですが、関連してなのですけれども、2月15日の中医協で、 それまで高度先進医療専門家会議と先進医療専門家会議の2つがあって、片方が原則的に 議事が公開されておって、片方は公開されていなかったということでしたので、両方とも 公開とするようお願いしたいと要望をしていたところだったのですが、このたびその2つ が一つになるということで、一つになった新たな会議は原則公開だというふうに承知して おるわけなのですけれども、その点、について御確認いただけたらと思います。 ○事務局(福田企画官) ただいまの御指摘でございますけれども、結論から申し上げま すと、原則公開で進めていきたいというふうに考えてございます。それは議論の経緯を踏 まえますと、まず保険外併用療養の御議論をこの中医協でさせていただいたわけでござい ますが、その際に、評価療養といたしまして、この先進医療とそして高度先進医療、これ を一体化する。それに当たっては、高度先進医療につきましては、先進医療の枠組みの中 に入っていただくと、そういう形で進めるということでございます。そういう考え方の中 で、現在先進医療の取り扱いにつきましては公開という形でやってございまして、過去も う十数回やっておりますが、すべて公開でやってございますので、会議も公開、そして議 事録、資料につきましても、直ちにホームページの上に載せているという状況でございま すので、その取り扱いを引き続き継続したいというふうに考えてございます。  以上でございます。 ○土田会長 よろしいですか。 ○勝村委員 はい。 ○土田会長 ほかにございますか。 ○大島専門委員 悪性黒色腫のセンチネルリンパ節の同定に関する記述ですけれども、東 北大学と熊本大学の特定療養費及び高度先進医療費用が随分開きがあるのですが、これは どのような理由なのでしょうか。 ○事務局(福田企画官) まず、それぞれの費用の部分につきましては、資料の2ページ の参考の下のところをごらんいただきますと、典型的な症例についてということでござい まして、これは健康保険法のいわゆる本人を例にして出していただくという形になってご ざいます。それぞれその症例をどのようなものをお選びになられるかということで、特に 入院日数等の差によりまして費用が変わり得るということはあろうかと思っております。  一方で、高度先進部分のところでございますけれども、こちらの方は、医療機関で実際 に従事されます医療関係者の人件費でございますとか、使う医療関係機器の減価償却の部 分、さらには患者さんがどのくらいいらっしゃるかというような、そういった観点から経 費について割り戻したりして、一応一定のルールの下に算定をしていただいているという ことでございます。  確かに差のあるところはいろいろと御意見あろうかと思いますが、逆に、今申し上げま したこういった経費につきましては、このような形で公開をしていって、そういう中で今 の御議論を進めていただく、理解を進めていただくということで現時点では考えていると ころでございます。  さらに、具体的に高度先進医療の実行に当たりましては、大島専門委員も十分御存じの とおり、基本的にどのような技術内容で、またその価格についても十分に説明をした上で、 領収証の発行も含めて適切に行うということがルール上定められておりますので、そうい った中で適切に対応していただくという形になろうかというふうに思っております。 ○土田会長 大島専門委員、よろしいですか、ただいまの説明ですが。 ○大島専門委員 ちょっとあまりにも開きが大きすぎるので、その辺の調整というのは、 今のお話ですと、多分申請されたらもう申請されたとおりこれを認めていくというのが基 本原則のような形になっているのかと。あと選ぶのは、公開して患者さんの方が選択する と、こういう流れなのかなというふうに伺いました。 ○土田会長 そうですよね。それでだんだん市場性が働けばどこかに収れんしていくだろ うというような考え方だと思います。 ○事務局(福田企画官) 原則は、今会長そして大島専門委員がおっしゃられたとおりだ と思いますが、ただ、一応算定の基準を設けさせていただいておりますので、そういった 基準からちょっと計算の違うようなものについては、そこは確認をさせていただいている ということでございます。 ○土田会長 どうもありがとうございました。  ほかにございますか。  よろしいですか。それでは、本件につきましてはこのあたりにして、次の議題に進ませ ていただきます。「医療費の動向」について議題としたいと思います。  「平成18年4〜5月の医療費の動向」及び「平成16年度国民医療費の概況」につい て事務局より資料が提出されております。説明をお願いいたします。 ○事務局(石原調査課長) 調査課長でございます。  私からは、総−3−1と総−3−2で、18年の4月と5月、診療報酬改定の結果、医 療費の動向がどう変わったかという点を中心に御説明させていただきます。  資料の総−3−1から申し上げますと、この総−3−1がポイントで、全体のまとめと いう形でつくらせていただきました。ごらんいただきますと、まず第1点ですが、18年 4〜5月の医療費の伸び率、全体で0.6%の減ということでございます。内訳で見てい ただきますと、受診延日数、患者数でございますが、1.6%の減でございまして、1日 当たり医療費は1.1%の増という形でございます。まず、患者数の動向ですが、幾つか 要因がございまして、何で減っているかということでございますが、まず稼働日数が患者 数の場合には大きく影響いたします。稼働日数につきましては0.5日多いという形にな ってございまして、本当は若干増えてしかるべき状況でございます。ただ2番目にござい ますように、昨年17年の4月、3〜4月もそうでございますが、インフルエンザとか、 特に花粉症が大流行しておりまして、耳鼻科を中心に患者がかなり増えていたという状況 になってございました。今年はそういったことで、逆に花粉症の流行等がほとんどござい ませんで、患者が若干減っているということで、対前年同月という意味では、患者数が全 体として1.6%の減という形になっているというふうに考えてございます。  あと単価の方でございますが、1日当たりですが、診療報酬改定があって3.16%の 減ということでございますが、その割には、結果として1.1%の増ということでござい ます。それはどうしてかということでございますが、もちろん自然増があるわけで、自然 増と比較してどうなったかということで比べる必要があるかと思ってございます。自然増 としましては、直近の17年度が、制度改正とか診療報酬改定がない年になってございま すので、17年度の伸びと比較して一定の見方ができるのかなと考えてございます。17 年度の伸び率と比較しますと、普段から申し上げておりますように、3〜4%の伸びが自 然増でございます。17年度につきましても、1日当たりが3.4%の伸びになってござ います。これと比較しまして、18年4〜5月は1.1%の伸びでございますので、その 差がマイナス2.3%ということで、マイナス改定という形でございますので、当然マイ ナスという数字になったものというふうに考えてございます。ただ、医療費ベースで見ま すと、17年度、3.1%の増ですが、これが0.6%の減ということで、こちらではマ イナス3.7%の差という形になってございます。ここは、上の方で書いてございますと おり、インフルエンザとか花粉症の影響ということで、患者数の動向が若干影響して大き くされているということで考えているということでございます。  総−3−2の資料に移らせていただきます。今のまとめを少し細かく統計表としてごら んいただこうと思って作成させていただいたものでございます。表側が医科の計と入院・ 入院外、歯科、調剤別に、1日当たり医療費、受診延日数、医療費、それぞれの対前年同 期の伸び率を推移が見られるようにしてございます。表頭が時系列でございまして、平成 15、16、17、18という形で並べてございます。今回ですと、先ほども申し上げま したが、平成17年度、注3に書いてございますが、平成17年度は、制度改正や診療報 酬改定の影響を受けない年ということで、これを比較対象として、18年4〜5月の伸び 率と比較してどの程度の影響かというものを見たものでございます。それが参考という形 で一番右の欄に計上しているということでございます。  まとめのところでも申し上げましたが、まず一番下の計の欄でごらんいただきますと、 17年度ですが、先ほど申し上げました1日当たりで3.4%ですとか、受診延日数マイ ナス0.3%、医療費で3.1%ということが出てございます。  18年度に入りまして、4月ですが、1日当たり医療費が2.0%、受診延日数でマイ ナス5.8%、医療費マイナス3.9%ということで、かなり患者が減ってございます。 それが先ほど申し上げましたとおり、花粉症ですとかそういった影響で、ここがかなり減 っているということでごらんいただけるかと思います。ただ、4月と5月を見ますと、そ ういった影響で5月は逆に増えておりますので、それを平均して4〜5月で見ているとい うことでございます。ただ、4月、5月、1日当たり医療費でもかなり動きがございまし て、制度改正が終わって、若干まだ安定していないということもございますので、この辺 からも、診療報酬改定とかその辺の影響を、マクロ的な影響はもうちょっと時間をいただ いて判断する必要があるのではないかという形では思ってございます。  一番右の参考の欄でございますが、入院・入院外、歯科、調剤別に見ていただきますと、 先ほども申し上げました1日当たり医療費でごらんいただきますと、入院の1日当たり医 療費の差でございますが、1.5%の減、入院外が2.4%の減、歯科が2.5%の減、 調剤が6.4%の減という形でございます。やはり薬価改定で、薬価は引き下げが大きい、 幅が大きいものですから、調剤の医療費がかなり下がっているという形にはなってござい ます。  それから2ページへ行っていただきます。同じように、表頭は時系列でございますが、 表側が、病院の医療費につきまして入院と入院外に分けて、それぞれ大学病院と公的病院 と民間病院に分けて細かい表をつくらせていただいています。時間の関係もございますの で、やはり一番右の参考欄で、17年度の自然増のベースからどう変化したかという欄で、 1日当たりだけごらんいただきますと、大学病院で全体、上から4番目の欄ですが、0. 8%の減、公的病院で1.9%の減、民間病院1.9%の減ということでございます。ど ちらかというと、大学病院の減少幅が若干少ないかなというような状況でございます。  それから3ページは、診療所の外来のみですが、外来の診療所の動向でございます。こ れも診療科別で見られるようにさせていただいていますが、診療所の内訳、内科、小児科、 外科、整形外科、皮膚科、産婦人科、眼科、耳鼻科、その他に分けてございます。1つだ けポイントを申し上げてみたいのが、下から2段目のところですが、耳鼻咽喉科のところ で受診延日数がマイナス17.6%という数字がございます。ですから、この辺の数字が、 花粉症の影響で、去年が大流行で今年がほとんどないということで、こういうかなり激し い動きが出ているということでごらんいただけるかと思います。  1日当たりの話も、コメントはその次のページにまとめてございますので、最終ページ の4ページをごらんいただきたいと思いますが、参考欄で見ていただきたいと思います。 ここでは、まとまって見られるように、1日当たり医療費の伸びだけを計上してございま して、今回特に、高齢者と3歳未満のデータもとれるものですから、それも見て分けて出 しているということでございます。  医科入院ですと、参考欄の1日当たり医療費の変化ですが、マイナス1.5%、高齢者 がマイナス1.9%で、3歳未満(乳幼児)はプラス4.0%ということで、3歳未満に つきましては、入院医療費は、マイナス改定というわけではなくて、基本的にかなりアッ プしているというところがごらんいただけるかと思います。  それから入院外ですが、高齢者がマイナス2.3%、3歳未満マイナス1.0%という ことで、ここも3歳未満が若干減少率が低いという状態になってございます。  それから、病院の外来がマイナス2.8%、診療所の外来がマイナス2.2%、診療所 の内訳ですが、内科がマイナス3.0%、小児科マイナス1.6%、外科マイナス1. 7%、整形外科マイナス1.6%、この辺が若干低めで、内科とあと皮膚科、産婦人科、 眼科と3%台の減という形の変化という形でございます。  私からは、以上です。 ○事務局(中野保健統計室長) 続きまして、資料3−3でございます。統計情報部保健 統計室の方から、「平成16年度国民医療費の概況」について御説明申し上げます。これ は既に先月の25日に発表させていただいたものでございます。  まず1ページでございます。本題に入ります前に、「国民医療費とは」という内容でご ざいますけれども、いわゆる医療機関におきます傷病の治療に要した費用を推計したもの でございますが、したがいまして、正常な分娩費用、健康診断、予防接種、差額ベッド等 の費用は含まれていないということを1ページ目に掲げてございます。  2ページ目につきましては、その推計方法の概要でございますけれども、いわゆる「公 費負担医療給付分」、医療保険制度、労災等から給付されます「医療保険等給付分」、 「老人保健給付分」についての支払額の確定額を用いております。また、医療費の給付に 伴う患者さんの一部負担額と、医療費の全額を患者さんが支払う全額自費については推計 を行っておりまして、推計、算出するものを示しております。  では、3ページ以降、結果でございます。表1でございますけれども、最下段にござい ますとおり、平成16年度の国民医療費は32兆1,111億円で、前年度に比べまして 5,737億円、1.8%の増加となっております。特に記述はしてございませんけれど も、増加の要因別内容、内訳といたしまして、人口の高齢化分が1.5%、人口増が0. 1%、その他の増、いわゆる自然増分が1.2%となっており、増要因としては2.8% でございました。マイナス要因といたしましては、改定につきましてはプラ・マイ・ゼロ でございましたが、薬価基準の引き下げ分が医療費ベースで1.0%ということでしたの で、先ほどの2.8%増から1.0%引いて、結果として1.8%の増でございました。  国民1人当たりの医療費につきましては25万1,500円、前年度につきましては2 4万7,100円でございまして、対前年度1.8%増となっております。  国民所得に対する割合は8.89%で、前年度8.80%に比べて0.09ポイント増 でございました。  したがいまして、今申し上げました推計額、国民1人当たり医療費、国民所得費、すべ て調査開始以来最高となっております。  続きまして4ページ目、2の制度区分別国民医療費でございます。表2でございますけ れども、右端、対前年度増減率でございますが、2行目になりますけれども、公費負担医 療給付分が2.7%の増、3行目、医療保険等給付分が4.6%の増、それから老人保健 給付分が0.9%の減、最下段になりますけれども、患者負担分が0.6%の減となって おります。このうち、公費負担医療給付分2.7%増につきましては、生活保護の医療扶 助受給者の増が影響しているものと考えております。  医療保険等給付分4.6%ということでございますけれども、内訳といたしまして、被 用者保険分1.9%の増、その中で高齢者分が83.7%増と大きな伸びを示しておりま す。これは14年10月から毎年75歳まで引き上げられるという医療保険の適用を受け る高齢者の増加が影響しているものと考えております。  それから、国民健康保険7.7%増でございます。これも被用者保険と同様で、いわゆ る適用を受ける高齢者の増加が大きなウエートを占めているということでございます。結 果として104.9%という高い伸びでございます。  それから、先ほど老人保健給付分、下から2行目、0.9%の減少と申し上げましたが、 これは逆に被用者保険、国民健康保険適用の高齢者の増加の裏返しということで、老人医 療適用年齢の引き上げに伴う受給対象者の減少が影響ということで考えております。  それから次に、下の表3の財源別国民医療費になりますけれども、同じく右端をごらん いただきまして、対前年度増減率でございますけれども、公費につきましては4.0%の 増、国庫が3.7%、地方が4.8%の増加でございます。保険料につきましては1. 1%の増、事業主につきましてはわずかに減、それから被保険者は1.9%の増加となっ ております。公費につきましては、今申し上げたとおり、前年度に比べて4.0%増加と なっております。先ほどの制度区分別の御説明にも申し上げましたが、生活保護の医療扶 助受給の増加に伴う影響、それから老人保健の公費負担割合の引き上げによるものと考え ております。  次に5ページでございます。診療種類別国民医療費でございます。同じく表4でござい ます。右端の対前年度増減率でございますけれども、一般診療医療費が1.1%の増で、 入院が1.1%、入院外が1.2%の増でございます。歯科につきましてはわずかに増額、 それから薬局調剤医療費につきましては7.8%の増加となっております。  6ページ以降、年齢階級別、それから7ページの傷病分類別一般医療費につきましては 説明を割愛させていただきます。  以上で、「平成16年度国民医療費の概況」の説明を終わります。 ○土田会長 どうもありがとうございました。  ただいまの説明につきまして御質問などございましたら、どうぞ。 ○竹嶋委員 中医協総−3−2の「概算医療費の伸び率 速報」というところで今御説明 を受けましたが、単純な質問ですけれども、平成15年度、平成16年度の統計で、一番 下の医療費の計が2.1%、2.0%の伸び率ですが、平成18年度の対前年度比は3. 1%と、1以上、1%増えておりますね。これの説明といたしまして、先ほどこれには花 粉症とかあるいはインフルエンザの影響が若干あると思われるというふうな御説明がござ いましたけれども、一つ気になりますのは、注3の御説明にもありましたように、この平 成17年度の伸び率は、制度改正や診療報酬改定の影響を受けていないから、比較対象と して今後とも用いるということであろうと思うのですが、医療費の将来推計というところ にかかわり合ってきますので、この点を、花粉症、インフルエンザの影響だけでいいのか、 本当にこの要因がほかにないのか、そのあたりを確認をさせていただきたいと思いますが、 いかがでございましょうか。 ○事務局(石原調査課長) 花粉症とインフルエンザというのは単月の影響でございまし て、4月ですとか5月とか、単月を見る場合にはかなり影響が大きいというふうに考えて ございます。ただ、年度を通じますとそういう影響が12分の1になりますので、17年 度全体としましてはそれほど大きく影響を与えているという形ではないのではないかとい うようには考えてございます。  まず、17年度の伸びの受診延日数の0.3%のマイナスですが、これも前回17年度 の医療費のところで申し上げましたが、若干低めかなというようなことは考えてございま す。ですから、比較対象としてどうかということは今若干御議論はあろうかとは思ってご ざいます。ただ、1日当たりにつきましては、3〜4%の範囲という形で見ておりまして、 1日当たり医療費は3.4%伸びておりますし、平成15年度を見ていただいても、1日 当たり医療費、3.5%ございました。ですから、ほぼ1日当たり医療費の動向という意 味では、3〜4%というのは、インフルエンザと花粉症の影響も若干は考えられますが、 ある程度安定した動きというものを想定してもいいのではないかというふうには思ってご ざいます。  それから、若干これは説明をつけ加えさせていただきたいのですが、受診延日数自体は、 老人といいますか、高齢者の方は当然受診回数が多いという傾向がございます。ですから、 人口の高齢化が当然進んでございますので、人口の高齢化が進むことで、本来であれば受 診延日数は増えるという方が自然だと思ってございます。ただ、さまざまな原因がござい まして、医療の高度化があって早く治ってしまうですとか、そういった要因も大きいと思 いますが、そういったことで、最近の傾向としましては、受診延日数はほぼ横ばいという 形、若干微増という感じで受けとってございまして、17年度につきましては、ですから マイナス0.3%というのは減っておりますので、そういった意味では、その年の特殊な 影響で若干減したのかなというような認識をしてございます。  以上です。 ○竹嶋委員 今の御回答では、厚生労働省がお考えになっている数字目標として3〜4% ぐらいだろうということだから、私はほかの要因が特別ないだろうかという質問をさせて いただいたのだけれども、それはあまり関係ないということでいいのですか。そういう理 解でいいですか。 ○事務局(石原調査課長) 17年度につきましては、あまり大きな影響はほかにはない であろうということでございます。例えば今申しました受診延日数ですが、15年度の欄 をごらんいただきたいのですが、1.4%の減になってございます。1日当たりが3. 5%伸びておりますが、1.4%の減になった大きな要因としましては、やはり制度改正、 サラリーマン、健康保険本人の3割負担の影響で受診延日数が減っているということで考 えてございまして、そういったことがない状態、16年度はプラス0.1%でございます し、17年度マイナス0.3%ということで、ほぼ横ばいという傾向にあるというふうに 考えてございまして、17年度の全体としては自然増の範囲ということで認識していると いうことでございます。  以上です。 ○土田会長 よろしいですか。ほかにございますか。 ○渡辺委員 早速に速報を出していただいてありがとうございました。まだ2カ月の評価 ということなので、まだまだこれからの傾向を見ていかなければいけないだろうと思いま す。ひとつ教えていただきたいのですが、この受診延日数を即患者数という評価になって おるのですが、従来の受診率との違いをお教えいただきたいなと思っております。  それから、歯科の方でいきますと、季節の影響というのはあまりございません。ですか ら、いわゆる日数等の影響がどう影響するかというところが大きいと思いますので、多分 されておると思いますので、休日補正をしたときにどのような影響になっているのかとい うデータをお示しいただければと思っておりますので、その点も、今回でなくても結構で すが、よろしくお願いしたいと思っております。  それからあと、この4月、5月だけの1日当たりの医療費の歯科の方を見ていますと、 4月がマイナス2.2%、5月が2.8%と、マイナスが上がっていくという、ある意味 で全体で落ちているというのが、その先どうなるのか非常に心配しているところでありま すが、いずれにしても、この3−2の資料で拝見いたしますと、17年度との伸び率の比 較で、トータルで医療費全体としてマイナス3.9%という数値が出ているということで、 この流れが今後どうなっていくかということを注目していきたいと思っております。  それからもう1点、病院のデータも出ておりますが、歯科についても、歯科の病院とい うのは非常に少ない、また病院の中の歯科という意味合いでも病院歯科というふうに私た ちは言っておるのですが、この病院歯科における影響もぜひ数値として出していただきた いと思っております。実は、歯科の場合、病院歯科は二次的な受け皿として非常に重要な ポジションを占めております。いろいろな有病者の方の抜歯等を病院歯科で入院をしてお 願いするというようなケースもありますし、受け皿として重要なポジションですので、病 院に係る歯科のデータもまたお示しいただければと思っております。よろしくお願いしま す。 ○事務局(石原調査課長) 幾つか御質問いただきました。第1点目の受診率の件でござ いますが、受診率という概念自体は、レセプト枚数を被保険者、加入者の数で割るといっ た概念でございます。ですから、レセプト枚数と日数との違いといいますと、レセプトと いうのは1カ月に1枚請求という形になってございまして、その中に、診療で何回来たの か、何日来たのかという欄がございます。その欄を日数と呼んでございまして、何日来た のか、要するに、延べの、1カ月単位で見た患者の数がレセプトの枚数でございますが、 患者が2回来ていれば2日とカウントして延べの患者数をカウントしたものが受診延日数 という概念ということで御理解賜ればと思います。傾向としましては、受診率自体は若干 増加傾向でございまして、1件当たり日数、1カ月に何回来るかという指標でございます が、1件当たり日数が若干減少しているということで、全体としてはほぼ受診延日数が横 ばいと、先ほど申し上げた傾向が続いているという感じでございます。  それから、第2点目の休日補正の件と病院歯科の件は、次回にでも資料はお出しさせて いただきたいと思います。  以上です。 ○渡辺委員 よろしくお願いいたします。 ○土田会長 ほかにございますでしょうか。 ○古橋専門委員 資料3−3の5ページでございますけれども、在宅医療という視点から、 この医療費の構成割合のパイグラフを見てみますけれども、訪問看護医療費割合は出され ておりますが、これから在宅医療という領域がどう進んでいくのかという視点からいきま すと、入院外医療費の中の訪問診療の額がどのように推移しているかというあたりもフォ ローする、その視点での把握も要るのではないかと思われます。そういう点では、数字の 出し方の中に、入院外医療費の内、在宅医療領域の額を知ることも必要ではないかという ふうに思いますが、いかがでしょうか。 ○土田会長 今、古橋専門委員からの御質問は、これは概算医療費の方ですか、国民医療 費、両方ですか。 ○古橋専門委員 失礼いたしました。「国民医療費の概況」という資料のところでござい ます。 ○土田会長 はい、わかりました。それでは、統計情報部の方ですね、よろしくお願いし ます。 ○事務局(中野保健統計室長) 従前どおりこの形で出させていただいていますので、今 日の御意見を参考にということにはなろうかと思います。今後改めてその数をということ になりますと、今日はそこの部分は出すことはできませんが。 ○土田会長 そうですね、こういう調査は一応継続性がありますので、すぐここで変える という返事は難しいと思いますが、一応検討させていただくということで御了解いただき たいと思います。  ほかにございますか。  それでは、ほかに御質問ないようでしたら、本件に係る質疑はこの辺で終わりにしたい と思います。  以上、本日予定しました議題は以上でございますが、ほかに何かございますでしょうか。 ○石井委員 この春の診療報酬改定と、その中で特に看護要員をめぐる問題がいろいろあ りまして、大きな変化があって、それに関しては激変緩和といいますか、ソフトランディ ングのために幾つかの調整をお願いして実行されたわけですが、その点に関して、そうし た通達などを、中医協で議論しないで出すのは問題があるのではないかという御指摘もあ りましたので、1つ問題提起したいことがあります。  それは、この間の看護師問題、全国的に、一体足りているのか不足なのかということ自 身が大変問題になっていて、今度の診療報酬改定によって幾つかの変化があったために、 看護師不足が激化している事実があります。この間、過渡的な措置をお願いしたのは、非 常に看護要員が少なあい場合、今までは、診療報酬の減算で処理されてきた病室がありま して、今回の改定の中で、そういった減算はもう中止し、質の問題もありますので、定数 をそろえるか、または全国的な病床の再編という問題もあって、撤退していただくか、ど ちらかにするという意図で、特別入院基本料が設定されました。そのため幾つかの過渡的 な措置をお願いしていたわけです。  実際やってみますと、それだけでは十分でないという声が現場では出てきておりますの で、もともと予期した効果の範囲内の問題であるならば、もう一回ふりだしに戻って討議 するのではなく、その措置が果たして妥当かどうかは次の改定のときに問題にすればいい と思うのですが、ある程度それに予期しない状況というものも生まれているのではないか ということが現場から出ておりますので、その点についてどうに考えていくかをここでぜ ひ御検討願いたい。いわゆるこの間の診療報酬の改定のある意味で検証の問題といいます か、どういうふうに推移しているかということについてもぜひ中医協で検討していただき たい。  具体的に申しますと、全国的に見ると、それほど特別入院基本料に該当する病院が多い わけではありませんが、2つの領域でそのパーセンテージが非常に多いことが、この間の 我々の調査の結果、明らかになっております。  1つは北海道における問題で、これも大体100床以下の小さな、しかも公的病院が比 較的多いという地域で、特別入院基本料の頻度が非常に高いということがはっきりしてま いりました。これについては、病院側が努力しないのがいけないのか、それとも、北海道 の特殊性で、非常に広域な地域で人員配置が十分にできないような状況、いわゆる過疎地 問題があるのではないかとも思われるので、その点について果たしてそうなのかどうか、 そうだとすると、この中医協マターとしてこれを何らかすることが果たしてできるかどう かも、これはちょっとわからないわけです。過疎地問題とすれば、むしろ医政局マターか もしれませんが、診療報酬の改定の結果として、一番弱いところが表に出てきたというこ とがありますので、厚労省として、その点について、ぜひ検討していただきたいというこ とが1点。  それからもう1つ、これはそういった地域格差ではないのですが、むしろ診療科格差と いいましょうか、精神科の病院でそういった問題が全国的に多発している。今回は療養病 床に関しては大きな整理の方向が示されたのですが、精神科病床に関して、現実に具体的 に整理していくのだということがまだ出され先送りされております。受け皿問題がはっき りしないことも含めて先送りされていますが、他方より急性期に重点的に医療費を配分す る方向が今改定で決まっているので、そういう中で、特別入院基本料を算定せざるを得な いところが予想よりも多いのではないかという問題提起がなされております。  一般病院と比べて特別入院基本料が多いのは、精神科については、これまでの診療報酬 体系が一般的に出来高払いで長年やられてきたために、薬だとか検査で稼いで病院が成り 立つ構造ばなく、徐々に修正はされてきているけれども、技術料中心でないため精神科が 一般の医療とは違う面が十分に考慮されてません。長年の結果として、精神科では一方で は社会的入院が多くなり、また一方では、急性期精神医療に関しては非常に負荷がかかる というようなことで、いろいろな問題が起こっています。  これは単にそういう看護料が薄いという問題だけではなくて、大学病院の精神病棟がな くなるという事態まで起こっているわけです。これはちょっとゆゆしい問題だと思うので すが、大学等の最も重症をかかえる病棟が非常に赤字幅が大きいということで、これをつ ぶすことによって経営改善しようと経営コンサルタントたちが言って、ほかの大学にも勧 めているというような事態まで生じていると私も聞いております。精神科の医療に関して は、中長期的にどういう方向にしていくのかという改革の方向も含めながらぜひ検討して いただきたいと思っていますが、こういった背景的な問題がありますので、現場から悲鳴 が上がっているのだとお考えいただきたい。これについてもぜひ改定の結果の、検証を行 い、手を打つべきことがあれば手を打っていただきたいというふうに思います。  ○土田会長 この4月から看護要員を含めて改正が行われたわけですけれども、それに つきましては、前に課長通達で一度訂正をしたということがありました。それにつきまし ては、この場で緊急やむを得ない事態であるということで承認したわけですけれども、今 後はこの中医協で審議をしてから対応していただきたいという発言をしました。それで宗 岡委員の方から、それについては実態をよく検証した上で改めるかどうかということを含 めて検討する必要があるという発言があったのを記憶しております。  そういうことで、対応が一つとられたわけですが、今回また改めて石井委員の方からこ の問題が提起されたわけですけれども、これについてどうするか、ご意見をお伺いいたし ます。 ○対馬委員 ちょっと石井委員の言われることもよくわからないところがあったのですけ れども、今回の改定をして、その結果いろいろな問題点があれば検証をしていくべきだと いうのは、まさに検証部会というのを新たにつくって優先度をつけながらやっていくとい うことですので、その中でまた個別の問題点などについても、それが本当に必要であれば 検証していくと、これは当然だろうというふうに思うのです。  そうではなくて、何というか、個別具体的というのでしょうか、先般4月に議論して課 長通達が出されたと、あるいは中医協で議論されなくて課長通達が出されたからというの は、極めてわかりやすいからそう申し上げているのであって、中医協で決めたというのは、 特段のことがない限り基本的には4月1日から実施する。それを延ばすと、しかも中医協 の議論も得ないでというのが極めて問題であったわけです。それに対しまして、いろいろ 議論した結果ああいった形になったのですけれども、それはあくまで緊急避難だと、これ は診療側の委員の方も、現場で大変な混乱が起きた緊急避難ですと、こう言われたわけで す。それを踏まえて中医協で一定の結論を出したと、こういうことなのですけれども、緊 急避難、9月30日までですね、というのは、2度も緊急避難というのはあるのでしょう か。私はあまり聞いたことがないですね。緊急避難というのは、本当に突発的なことが起 きて、これは何とかしなければいけない、9月30日まで延ばしたと、それをまた10月 1日以降延ばしてくれと、緊急避難をもう1回やってくれと、こういうことなのでしょう か。まさかそういう意味ではなくて、私が冒頭申し上げた検証をやっていただきたいとい うふうに理解したいと思いますけれども、いかがでしょうか。 ○竹嶋委員 ちょうどよかったところです。私も実はしゃべりたかったのです。今、石井 委員から診療側の事情ということで個別的に話されましたね。1つは北海道というところ を挙げた、それからもう1つは診療科。実は、私どもの方にも違ったルートといいますか、 地方あるいはそういう診療科からいろいろ上がってきております。いずれは、これは私ど も整理して、そしてただしていただきたいと思っておりますが、非常に今御議論が大事な ことだと思いますのは、これは根本的なところでして、先ほどちょっと言われましたが、 中医協で扱うものか、あるいはもっと政策面の高いところ、そういうところで扱うかとあ りますが、これは前の回でも私はそういう自分の持論を申し上げたのですけれども、やは り中医協は、先ほど来出ているように、医療費を実際にここでしか、やれどうする、こう するとかの詳しいことは全く議論できないのです。そういう意味では非常に大事な場と思 うのです。そういうところで、私どもも医療をやる立場、医師会ということではありませ ん、医療をやる立場、医師会員以外も入っているのでしょうね、7万幾らぐらいの医師、 そういう方々も含めまして、今大事なことは、先ほどちょっと言われた地域格差ですよ。 医療の受療の格差をできるだけ生まないようにという方向がやはり一つきちっと担保され ていなければいけない。そのためには、石井委員が言われたことはそうだと思うのだけれ ども、そういう地域地域の事情とか、あるいはこういう改正をする場合にはこういう方向 に行くだろうという、そこのシミュレーションが十分になされていなければいけないとい うことが1つあると思います。これは今後のことだと思います。  それからもう1つは、私がここで申すまでもなく、もう特にメディアの方々がたくさん 取り上げていただいておりますように、今、医師や看護師の皆さん方の不足とかあるいは 偏在とかいうことで、これまた地域が大変困っておりますね。よく集約化とか、機能を集 めようと、小児が救急が大変だったら集約化しようと、そこに集めようと言いますが、こ れは都会型の考えなのであって、例えば岩手県なんかで山いところでは、1ヶ所に集めて も1時間半とか2時間以上かかって来なければいけないというようなこともありますので、 そういう背景はやはりここで一回しっかり、中医協とかどことかいうことではなくて、み んなで考えていかなければいかぬだろうと、そういうふうに思います。  大げさなことを言いますけれども、国家防衛、防衛ですね、侵略に対する防衛あるいは テロでもいいです、あるいは大災害でもいいのです、こういうのはナショナルセキュリテ ィーといいますか、国家安全保障、これは皆さん共通だと思うのです。もう1つはやはり ヒューマンセキュリティーというのがあると思うのです。人間の安全保障、これは個々の 日常の私たちが生きている最低限の生活をしていって、それが全国の国民の皆さんに共通 に享受できるような形をつくっていくという、その国のそういう姿勢というものはやはり 常に問われなければいかぬだろうと思うのです。  私はここで申し上げたのは、ですから、石井委員の出されたこと、これはもっともだと、 そういうのが出ていますので。ただ、今対馬委員が言われたように、このこと自体をここ で議論するということはちょっと無理だと思うので、そういう一例でございますけれども、 これが普遍性を持っているということで、今後の診療報酬改定とか、そういうところに必 ず生かしていきたいと、そういうふうに思います。  そういう意味では、先ほど来検証という言葉が出ていますが、あるいは調査といいます か、そういうもの、先ほど4〜5月分、早急に出していただいてありがたいという、診療 側からそういうお礼も出ましたけれども、この中医協で会長にお願いしたいのですが、や はりきちっとしたそういう検証をぜひやっていただきたい、そういう形での要望をここで させていただきたいと思います。 ○土田会長 ちょっと石井委員の方に確認したいのですが、この4月に暫定措置として課 長通達で行ったわけで、それが9月に切れるわけですよね。それは看護師比率4割未満に 対する特例措置の経過措置ということなのですが、それについて10月以降も対応してほ しいということなのか、それとも、それとは別に、全体的に看護要員に関する検証を進め てほしいということなのか、ここで議論すべき対象がちょっとはっきりしないのですが、 もう一度ちょっとその点だけクリアにお願いします。 ○石井委員 確かに、現場からは延長してほしいという声が上がっています。これは事実 ですし、それから、各病院団体の立場からも、そういったことも考慮してもらいたいとの 意見があり、日病協の要望として出されております。ただし、私は中医協の委員の立場か らいうと、一たん決めたことですので、そういった要望は要望としながらも、それが最も 本質的なところで問題にしていかなければいけないと考えます。その要望は個々の問題に ついてはそのとおりだと思うのですが、中医協としてどう扱うかは、別の問題とし考えて います。一応暫定措置はとられましたがそれでいいのかどうかは検討されるべきです。 個々の病院の問題としてみますと、恐らく1年や2年の間は相当しんどい状況であっても、 個々の病院で解決しなければならないということであろうと思うのです。  しかし、今むしろ厚労省に答えていただきたいと思うのは、例えば北海道の問題は、 個々の病院の問題については、別に中医協が責任をとらなければならないわけではないの ですが、地域医療が実際にガタガタと崩れていくような状況に本当になっていないのか、 はっきり言って、僕らもよくわかりません。そんなことはないのだというのだったら、そ れはそれでいいのですが、この中医協マターというよりも厚労省マターとしてこの問題提 起に対して、医政局やほかの課と協議してでも結構ですので明らかにしていただきたいと 思います。診療報酬の結果として発生した問題であり、これは延長するかしないかという こととは別に、地域医療をどうすればよいのか検討すべきです。患者にとって、その地域 の医療がこのままも保できるか、厚労省としてはほかの政策もあるのだと言われれば、別 に緊急に何とかしなければいけないという要求にはなりません。その辺について我々もそ ういう声が上がってきたという段階で、それが、実際どこまでか我々としても把握できま せん。厚労省の責任としてその辺について調査していただきたいと思って、今日は、調査 や検証を提起した次第です。 ○土田会長 わかりました。 ○古橋専門委員 看護の問題でございますので、手短に発言をさせていただきたいと思い ます。  ただいまは、特別入院料というものの割合が非常に増えているということから、北海道 と精神科領域における例が出されました。ただし、北海道等の中小の公的病院等を見ます と、やはり赤字経営の事情で人的補充がきちっとなされてこなかった、また精神科も、医 師もそうでございますが、看護師の数というあたりを重視してこなかった、そこを手厚く してこなかった結果が、今の段階で、ある意味で痛みを伴う状況の発生をまねいているの ですと思っております。このたびの改革は、痛みを伴いながらも構造改革をしていくのだ、 人的な補充をもう少し手厚くしていくのだという大きな理念があるわけでございますので、 そうしたあたりは意見も出されておりますが、個々の状況をきちっと検証しながら、やは り特別入院料になってしまったから救済だという視点ではなくて、やはり医療機関として の適切な経営と人的補充をしてきたのかどうか、そのあたりもやはりきちんと把握してい ただくということが大事と思っております。 ○土田会長 非常にクリアにわかりました。 ○鈴木委員 検証しているうちに地域医療が崩壊して国民がそのおつりを一身にかぶると いうようなばかなことは許されることではないと思いますので、検証というような問題で はなくて、いろいろな意味で出されました課長通知の効果確認というような形で、早急に そういう資料でも出していただければというふうに私は考えております。本当にこれが単 なる愚痴で終わるようなことでしたら、もうとっくに解決しているのですから。本当に看 護師さんがいないのです。医者もいないのです。もう雇いたくても看護師さんがいないの が現状で、雇えないのですから。そういう問題で、もう非常に嫌われるような職場にはど んどん来なくなってしまいますし、いいところにどんどん逃げていってしまうのですから、 これは理想を追うには早すぎたというふうに私は考えております。 ○勝村委員 ちょっといいですか。時間があまりないのだろうと思っていたのですが、い ろいろお話ししたい意見もあるのですけれども、1点だけにしておきますが、今回の診療 報酬改定の議論の際には、安全性を確保していくのだとか、医療の質を向上していくのだ とか、さらに、もっと救急医療の充実とか、人的な配置を重くするのだ、地域医療を確保 していくのだという議論があって、一定その方向性でされていると思うのです。ところが、 こういう矛盾が出てきているということは、僕としてはどう考えるか、どう検証するかと いうことの一つの仮説としては、ダイナミックさに欠けたのではないかと思うのです。だ から、本当にそういうふうに変えていってほしい、変えていくべきだという方向で改定を しているにもかかわらず、そこのダイナミックさが足らないから、つい現場でどうなって しまうかというと、こんな改定があったら今までどおりできないじゃないかみたいな形に なってしまう。今までどおりではなくて、これからシフトしていってほしいと、もっと救 急医療を手厚くしていきたい、地域医療をもっと確保していきたい、安全性の質を向上し ていきたいという思いがそこにあったはずなのに、その思いが全く伝わらずに、今までど おりできないではないかというような議論では、全く改定の意味がないと僕は思うのです。  そういう意味では、僕は例えば人手が足らない、医師が足らない、看護師が足りないと いうのは、まるで今始まったような議論のように聞こえるのですけれども、この10年、 20年と、さまざまな医療被害者たちが、いざ医療の中身を医療裁判とかを通じて検証し ていく中で、何だこの人手のなさは、何だこの専門性のなさは、何だこの中途半端さは、 十分な救急医療をするところもなければ、かといって、どこもかもある程度できるような ふりをしてプライマリーと高機能の分化もきちんとできていないということをずっと指摘 してきた。僕は、その辺をぐっとシフトしていってきちんとやっていこうという思いが今 夏の診療報酬改定にはあったはずなので、今まで通り現状どおりできないじゃないかとい うような声は話にならないと思うのです。  そういう意味で、今はいろいろと情報公開などもしっかりされてきていて、今までどお りでは、ちょっと、事故が起こったときに、それを事故ではないふりとかができなくなっ てきて、それでやはりきちんと人を確保しなければいけないというふうになってきている。 質は上げていかなければいけない、機能分化していかなければいけない、本当に患者のた めの医療をつくっていかなければいけないという過渡期なので、そういう、変化をしてい ってほしいのだというメッセージがもっと医療側に伝わっていくことが必要だと思います。 もちろんそういう意味では、本当に大学病院で必要な医療がなくなっていくとか、地域医 療が崩壊していくというのは問題だと思うのですけれども、今回の改訂は、まさにそれを なくしていくための報酬改定であったはずなので、今までどおりでいいかのような議論に は全くならないと思うので、その点だけちょっとお願いしておきたいと思います。 ○飯沼委員 たくさんしゃべりたいことはありますが、時間がないので1つだけ申し上げ ておきますが、天下の東京大学病院が北海道や九州へ看護師さんを何百人も探しに行って いるという、その現実だけを申し上げておきます。 ○大島専門委員 私も一言だけ言わせていただきますけれども、戦後ずっとつくってきた 医療提供体制が、今までのやり方ではもう限界に来ていると思うのです。日本全体の医療 提供体制を考えなければいけないときに、医療需要が一体どこにどうあるのかというのは、 これは一番基本だと思う。これは社会の状況によってどんどん変わるわけですね。では、 この変化する医療需要に対して医療資源をどう適切に人の場合にはこれを育てながら配分 していくのかというようなことを考えるときに、行政が考えてきたこと、それから大学が 考えてきたこと、あるいは行政の中でも国、そして地域のやってきたというのは、それぞ れがばらばらに役割分担をしてきたために、今ではねじれ現象を起こしてひずみがでてき ている。したがって、もうこの辺で国全体の医療提供体制を一体どう考えるのかというこ とについて、医療関係者がもう利害を離れて一元的に考えるような仕組みをつくっていか ないと、これはどこかでパンクするのではないかなと思います。  以上です。 ○土田会長 どうもありがとうございます。 ○事務局(原医療課長) さまざまな御議論をいただきました。保険局だけの話ではなく て、特に医政局関係の事柄もあると思います。ここでお聞きしたことにつきましては、ま た医政局の方にも伝えていきたいと思います。  またあと、特に鈴木委員の方から、とりあえず経過措置がどうなったかと、そういう結 果だけでも出してもらいたいというようなことがありましたので、事務局としては、次回 まで、どれだけ集められるかわかりませんけれども、そういう資料は準備していきたいと 思っております。 ○土田会長 どうもありがとうございました。  時間が押しておりますので、ちょっと一応の結論を出したいと思いますが、この件につ きましては、1号側も2号側も、大分意見が異なっておりますし、それから今専門委員お 二人から出された問題は非常に重要なことだと思います。それで、ここをどうするかとい うことは、次回に、あるいは次回以降、この問題を取り上げるかどうかということも含め て、一たんここは私の方に預からせていただきたいと思います。それで、事務局と検討し まして、次回以降検討すべき課題があればそれをここで御議論していただくということで 対応させていただきたいと思います。  それでただ1点、今医療課長の方から話がありましたように、この4月に医療課長の通 達における経過措置につきましては、その結果について検証するということを一応ここで 議論をすることになっておりますので、その経過措置につきましては、事務局より御報告 をいただいて、それでとりあえずそれを議論し、それをスタート台として本件について議 論していくということで対応させていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。  よろしいですか。非常に重要な論点で、中医協としてどこまで対応できるかということ は非常にまだまだ検討課題が多いと思いますが、真剣に取り組むべき課題と思いますので、 そういう形に対応させていただきたいと思います。どうもありがとうございます。  大分時間を押してしまいました。ほかにございますか。  よろしいですか。それでは、事務局から次回の日程について何かありますか。 ○事務局(原医療課長) 次回の日程は、今のところ、この話もございますので、未定で ございます。また追って事務局から御連絡いたします。 ○土田会長 どうもありがとうございます。  それでは、本日の総会はこれで閉会にいたしたいと思います。  引き続きまして薬価部会がございますので、しばらくお待ちください。    【照会先】     厚生労働省保険局医療課企画法令第1係     代表 03−5253−1111(内線3288) 1