労働福祉事業としてのアフターケア実施要領
1 |
目的
業務災害又は通勤災害によりせき髄損傷、頭頸部外傷症候群、慢性肝炎、振動障害等の傷病にり患した者で、その症状が固定したものにあっては、症状固定後においても後遺症状に動揺をきたす場合が見られること、後遺障害に付随する疾病を発症させるおそれがあることにかんがみ、アフターケアとして必要に応じ、予防その他の保健上の措置を講じ、当該労働者の労働能力を維持回復せしめ円滑な社会生活を営ませるものとする。
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2 |
対象傷病
アフターケアの対象とする傷病は、せき髄損傷、頭頸部外傷症候群等(頭頸部外傷症候群、頸肩腕症候群、一酸化炭素中毒症(炭鉱災害によるものを除く。)、外傷による脳の器質的損傷、腰痛、減圧症)、尿路系障害、慢性肝炎、白内障等の眼疾患、振動障害、大腿骨頸部骨折及び股関節脱臼・脱臼骨折、人工関節・人工骨頭置換、慢性化膿性骨髄炎、虚血性心疾患等、尿路系腫瘍、脳血管疾患、有機溶剤中毒等、外傷による末梢神経損傷、熱傷、サリン中毒、精神障害、循環器障害、呼吸機能障害及び消化器障害とする。
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3 |
対象者
別紙傷病別アフターケア実施要綱に定めるところによる。
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4 |
アフターケアの範囲
次の事項について別紙傷病別アフターケア実施要綱に定めるところによる。
(1) |
診察 |
(2) |
保健指導 |
(3) |
保健のための処置 |
(4) |
理学療法 |
(5) |
注射 |
(6) |
検査 |
(7) |
精神療法、カウンセリング等 |
(8) |
保健のための薬剤の支給 |
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5 |
実施医療機関等
アフターケアは、労災病院、医療リハビリテーションセンター、総合せき損センター、労働者災害補償保険法施行規則第11条の規定により指定された病院又は診療所若しくは薬局(以下「実施医療機関等」という。)において行うものとする。
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6 |
健康管理手帳
(1) |
事業場の所在地を管轄する労働基準監督署長(以下「所轄署長」という。)は、アフターケアの対象予定者を健康管理手帳交付報告書(様式第1号)により当該所轄署長の所在地を管轄する都道府県労働局長(以下「所轄局長」という。)に報告するものとする。
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(2) |
所轄局長は、上記(1)の報告に基づき、アフターケアの対象者と認められる者に対して健康管理手帳(様式第2号。以下「手帳」という。)を交付するものとする。
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(3) |
手帳の有効期間は交付の日から起算して、頭頸部外傷症候群等、白内障等の眼疾患及び振動障害については2年間、その他の傷病については3年間とする。
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(4) |
手帳の交付を受けた者は、当該手帳の有効期間が満了した場合には遅滞なく当該手帳を所轄局長に返納しなければならないものとする。
なお、手帳の有効期間が満了した後、継続してアフターケアを受けることを希望する者は、有効期間が満了する日の1カ月前までに健康管理手帳更新・再交付申請書(様式第3号)により、所轄署長を経由して所轄局長あてに手帳の更新を申請するものとする。
この場合、既に交付されている手帳を添付するものとする。
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(5) |
所轄局長は、上記(4)の申請に基づき、なお医学的にアフターケアを継続して行う必要があると認められる場合には、手帳の更新を行うものとする。
ただし、別紙傷病別アフターケア実施要綱の「II 頭頸部外傷症候群等に係るアフターケア実施要綱」に掲げる傷病については、外傷性てんかん、脳型の減圧症等の脳の器質的損傷及びせき髄型の減圧症以外のものについては継続することはできないものとする。
更新された手帳の有効期間は、更新前の手帳の有効期間が満了する日の翌日から起算して上記(3)に定められた期間とする。
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(6) |
手帳の交付を受けた者は、手帳を亡失若しくはき損し又は手帳に余白がなくなったときは、健康管理手帳更新・再交付申請書(様式第3号)により、所轄署長を経由して所轄局長あてに手帳の再交付を申請するものとする。
この場合、手帳を亡失したときを除き、既に交付されている手帳を添付するものとする。
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(7) |
所轄局長は、上記(6)の申請に基づき、手帳を再交付するものとする。
再交付された手帳の有効期間は、亡失若しくはき損し又は余白がなくなった手帳の有効期間が満了する日までとする。
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(8) |
所轄局長は、手帳の交付、更新又は再交付をするときは、健康管理手帳交付書及び受領書(様式第4号)により、アフターケアの対象者に交付するものとする。
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(9) |
手帳の交付を受けた者は、健康管理手帳交付書及び受領書(様式第4号)の受領書を所轄局長あてに返送するものとする。
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(10) |
手帳の交付を受けた者は、当該手帳が不要となったとき又は所轄局長から返還を求められたときは遅滞なく当該手帳を所轄局長に返還しなければならないものとする。 |
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7 |
手続
(1) |
アフターケアを受けようとする者は、その都度、アフターケアの実施医療機関等に手帳を提出し、アフターケアの実施に関する記録の記入を受けるものとする。
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(2) |
実施医療機関等は、アフターケアに要した費用を請求しようとするときは、後記8により算定した毎月分の費用の額をアフターケア委託費請求書(様式第5号)又はアフターケア委託費請求書(薬局用)(様式第6号)に記載の上、当該実施医療機関等の所在地を管轄する都道府県労働局長に提出するものとする。
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(3) |
上記(2)の請求をする際には、アフターケア委託費請求内訳書(様式第5号の2、様式第5号の3)又はアフターケア委託費請求内訳書(薬局用)(様式第6号の2)を1回の診察等又は1回の処方に係る調剤ごとに1枚作成し、アフターケア委託費請求書(様式第5号)又はアフターケア委託費請求書(薬局用)(様式第6号)に添付するものとする。 |
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8 |
費用の算定方法
アフターケアに要する費用の額の算定方法は、労災診療費算定基準(昭和51年1月13日付け基発第72号)に準拠することとするが、次の項目に留意すること。
なお、労災診療費算定基準及び健康保険法の規定による療養に要する費用の額の算定方法(平成6年厚生省告示第54号)別表第1医科診療報酬点数表(以下「健保点数表」という。)及び別表第3調剤報酬点数表(以下「調剤点数表」という。)が改定されたときは、改定後の額とすること。
(1) |
診察
労災診療費算定基準に定める初診料又は再診料の額若しくは健保点数表に定める外来診療料の点数に労災診療費算定基準に定める単価(以下「労災診療単価」という。)を乗じて得た額とする。
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(2) |
保健指導
健保点数表に定める特定疾患療養指導料の点数に労災診療単価を乗じて得た額とする。
ただし、月2回の算定を限度とする。
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(3) |
保健のための処置
(1) |
処置については、健保点数表に定める点数に労災診療単価を乗じて得た額とする。
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(2) |
処置に伴い、保健のために必要な材料を支給した場合には、医療機関の購入単価を10円で除して得た点数に労災診療単価を乗じて得た額とする。 |
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(4) |
保健のための薬剤の支給及び検査
(1) |
検査及び薬剤の支給については健保点数表及び昭和56年9月2日付け補償課長事務連絡第40号に定める点数に労災診療単価を乗じて得た額とする。
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(2) |
労働者災害補償保険法施行規則第11条の規定により指定された薬局における薬剤の支給に係る費用の額は、調剤点数表により算定した額とする。
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(3) |
抗てんかん剤の継続投与を行う場合であって、抗てんかん剤の血中濃度を測定し、その測定結果をもとに投与量を精密に管理した場合及び抗不整脈剤として健保点数表に定める薬剤を投与した場合には、健保点数表に定める特定薬剤治療管理料の点数に労災診療単価を乗じて得た額とする。 |
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傷病別アフターケア実施要綱
(1) |
趣旨
せき髄損傷者で、その症状が固定したものにあっては、症状固定後においても尿路障害、褥瘡等の予防その他の医学的措置等を必要とすることがあることにかんがみ、アフターケアを行うものとする。
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(2) |
対象者
イ |
アフターケアは、業務災害又は通勤災害によるせき髄損傷者であって、原則として、労働者災害補償保険法による障害等級(以下「障害等級」という。)第3級以上の障害補償給付若しくは障害給付を受けている者又は受けると見込まれる者(傷病が治ゆした者に限る。)のうち医学的に早期にアフターケアの実施が必要であると認められる者に対して行うものとする。 |
ロ |
事業場の所在地を管轄する都道府県労働局長は、医学的に特に必要があると認めるときは、業務災害又は通勤災害によるせき髄損傷者であって、障害等級第4級以下の障害補償給付又は障害給付を受けている者についてもアフターケアを行うことができるものとする。 |
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(3) |
アフターケアの範囲
アフターケアの範囲は、次のとおりとする。
イ |
診察
原則として、1カ月に1回程度必要に応じて行うものとする。 |
ロ |
保健指導
診察の都度、必要に応じて行うものとする。 |
ハ |
保健のための処置
診察の都度、必要に応じて次の処置及び保健のために必要な材料の支給をそれぞれに掲げる範囲内で行うものとする。
(イ) |
褥瘡処置
(1) |
褥瘡が生じている者に対し、その症状に応じて行う。ただし、療養補償給付又は療養給付の対象となる褥瘡については、アフターケアの対象としない。 |
(2) |
医師が必要と認めた場合には、自宅等で交換のために使用する滅菌ガーゼ及び絆創膏を支給できるものとする。 |
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(ロ) |
尿路処置
医師が必要と認めた場合には、自宅等で使用するためのカテーテル、カテーテル用消毒液等及び滅菌ガーゼを支給できるものとする。 |
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ニ |
検査
診察の結果、医師が必要と認めた者については、次の検査のうち必要なものをそれぞれの項に掲げる範囲内で行うことができるものとする。
(イ) |
尿検査
診察の都度、必要に応じて行う。 |
(ロ) |
腎機能検査(腎盂造影を除く。)
年1回程度行う。 |
(ハ) |
血液一般・生化学検査
年1回程度行う。 |
(ニ) |
膀胱機能検査
年1回程度行う。 |
(ホ) |
腎臓、膀胱及び尿道のエックス線検査
年1回程度行う。 |
(ヘ) |
損傷せき椎及び麻痺域関節のエックス線検査、CT及びMRI
医学的に特に必要と認めたものに限り、年1回程度行う。 |
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ホ |
保健のための薬剤の支給
診察の都度、必要に応じて次の薬剤を支給することができるものとする。
(イ) |
抗菌剤
尿路感染者、尿路感染の恐れのある者及び褥瘡のある者に対して支給する。 |
(ロ) |
褥瘡処置用・尿路処置用外用剤 |
(ハ) |
筋弛緩剤 |
(ニ) |
自律神経剤 |
(ホ) |
精神安定剤 |
(ヘ) |
鎮痛・消炎剤(外皮用剤を含む。) |
(ト) |
整腸剤、下剤及び浣腸剤 |
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II |
頭頸部外傷症候群等に係るアフターケア実施要綱 |
(1) |
趣旨
頭頸部外傷症候群等の傷病者で、その症状が固定した後において精神又は神経に障害を残すものについては、季節、天候、社会環境等の変化に伴って症状に動揺をおこすことがあることにかんがみ、アフターケアを行うものとする。
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(2) |
対象者
イ |
アフターケアは、業務災害又は通勤災害により次に掲げる傷病にり患した者であって、原則として、労働者災害補償保険法による障害等級(以下「障害等級」という。)第9級以上の障害補償給付若しくは障害給付を受けている者又は受けると見込まれる者(傷病が治ゆした者に限る。)のうち医学的に早期にアフターケアの実施が必要であると認められる者に対して行うものとする。
(1) |
頭頸部外傷症候群 |
(2) |
頸肩腕症候群 |
(3) |
一酸化炭素中毒症(炭鉱災害によるものを除く。) |
(4) |
外傷による脳の器質的損傷 |
(5) |
腰痛 |
(6) |
減圧症 |
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ロ |
事業場の所在地を管轄する都道府県労働局長は、医学的に特に必要があると認めるときは、業務災害又は通勤災害により上記イに掲げる傷病にり患した者であって障害等級第10級以下の障害補償給付又は障害給付を受けている者についてもアフターケアを行うことができるものとする。 |
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(3) |
アフターケアの範囲
アフターケアの範囲は、次のとおりとする。
イ |
診察
原則として、治ゆ後2年を限度として1カ月に1回程度必要に応じて行うものとするが、外傷性てんかん、脳型の減圧症等の脳の器質的損傷又はせき髄型の減圧症に基づく症状を残すもので、医学的に更に継続する必要のある者については、その必要な期間継続して行うことができるものとする。 |
ロ |
保健指導
診察の都度、必要に応じて行うものとする。 |
ハ |
保健のための処置
せき髄型の減圧症及び脳の器質的損傷による四肢麻痺等が出現し必要な場合には、「I せき髄損傷に係るアフターケア実施要綱」(3)のハ 保健のための処置に基づいて処置できるものとする。 |
ニ |
検査
診察の結果、医師が必要と認めた者については、次の検査のうち必要なものを年1回程度行うことができるものとする。
(イ) |
血液一般・生化学検査 |
(ロ) |
尿検査 |
(ハ) |
視機能検査(眼底検査等も含む。)
眼に関する病訴は、対象傷病による調節障害もあるが、業務上の事由又は通勤による疾病以外の疾病等によるものも少なくないので、これとの鑑別上必要な場合に行うものとする。 |
(ニ) |
前庭平衡機能検査
めまい感又は身体平衡障害の病訴のある者に対して必要な場合行うものとする。 |
(ホ) |
頭頸部、四肢(上肢又は下肢)、腰部又は胸部のエックス線検査
各傷病について必要と認められる部位について行うものとする。 |
(ヘ) |
頭部コンピューター断層撮影
脳の器質的損傷を残している者に対してのみ行うものとする。 |
(ト) |
脳波検査 |
(チ) |
心理検査
カウンセリングを行う必要がある場合又は精神機能変化が推定される場合にのみ行うものとする。 |
以上のほか、せき髄型の減圧症の傷病者及び外傷による脳の器質的損傷により四肢麻痺等が出現した者で必要な場合には、「I せき髄損傷に係るアフターケア実施要綱」(3)のニ 検査に基づいて検査できるものとする。 |
ホ |
保健のための薬剤の支給
診察の都度、必要に応じて次の薬剤を支給することができるものとする。
(イ) |
神経系機能賦活剤 |
(ロ) |
精神安定剤 |
(ハ) |
筋弛緩剤 |
(ニ) |
自律神経剤 |
(ホ) |
鎮痛・消炎剤(外皮用剤を含む。) |
(ヘ) |
抗パーキンソン剤 |
(ト) |
抗てんかん剤
外傷性てんかんのある者及び外傷性てんかん発症の恐れのある者に対して支給する。
なお、抗てんかん剤の継続投与を行う場合であって医学的に必要な場合には、抗てんかん剤の血中濃度を測定し、その測定結果をもとに投与量を精密に管理するものとする。 |
(チ) |
循環改善剤(内服)
血液の循環の改善を必要とするものに対して必要に応じて支給する。 |
以上のほか、せき髄型の減圧症の傷病者及び外傷による脳の器質的損傷により四肢麻痺等が出現した者で必要な場合には、「I せき髄損傷に係るアフターケア実施要綱」(3)のホ 保健のための薬剤の支給に基づいて投薬できるものとする。 |
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(1) |
趣旨
尿道断裂や骨盤骨折等により、尿道狭さくの障害を残す者及び尿路変向術を受けた者にあっては、症状固定後においても、尿流が妨げられることにより腎機能障害や尿路感染症を発症するおそれがあることにかんがみ、アフターケアを行うものとする。
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(2) |
対象者
アフターケアは、業務災害又は通勤災害により、尿道狭さくの障害を残す者又は尿路変向術を受けた者であって、労働者災害補償保険法による障害補償給付若しくは障害給付を受けている者又は受けると見込まれる者(症状固定した者に限る。)のうち医学的に早期にアフターケアの実施が必要であると認められる者に対して行うものとする。
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(3) |
アフターケアの範囲
アフターケアの範囲は、次のとおりとする。
イ |
診察
原則として、症状固定後3年を限度として、1〜3カ月に1回程度必要に応じて行うものとするが、医学的に更に継続する必要のある者については、その必要な期間継続して行うことができるものとする。 |
ロ |
保健指導
診察の都度、必要に応じて行うものとする。 |
ハ |
保健のための処置
診察の都度、必要に応じて、次の処置等を行うものとする。
(1) |
尿道ブジー(誘導ブジーを含む。) |
(2) |
尿路処置(導尿、膀胱洗浄、留置カテーテル設置・交換を含む。) |
(3) |
自宅等で使用するためのカテーテル、カテーテル用消毒液(洗浄剤及び潤滑剤を含む。)及び滅菌ガーゼの支給 |
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ニ |
検査
診察の結果、必要に応じて、次の検査を右欄に掲げる範囲内で行うものとする。
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1〜3カ月に1回程度 |
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1年に2回程度 |
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1年に1回程度 |
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代用膀胱を造設した者に対し、1年に1回程度実施 |
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ホ |
保健のための薬剤の支給
尿道ブジー及び尿路処置の実施の都度、必要に応じて、次の薬剤を1週間分程度支給するものとする。
(1) |
止血剤 |
(2) |
抗菌剤 |
(3) |
自律神経剤 |
(4) |
鎮痛・消炎剤 |
(5) |
尿路処置用外用剤 |
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(1) |
趣旨
慢性肝炎にり患した者で、症状固定後においても、ウイルスの持続感染が認められる者は、肝炎の再燃又は肝病変の進行をきたすおそれがあることにかんがみ、アフターケアを行うものとする。
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(2) |
対象者
アフターケアは、業務災害又は通勤災害によりウイルス肝炎にり患した者であって、労働者災害補償保険法による障害補償給付若しくは障害給付を受けている者又は受けると見込まれる者(症状固定した者に限る。)のうち医学的に早期にアフターケアの実施が必要であると認められる者に対して行うものとする。
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(3) |
アフターケアの範囲
アフターケアの範囲は、次のとおりとする。
イ |
診察
原則として、症状固定後3年を限度として、B型肝炎ウイルス感染者のうちHBe抗原陽性者及びC型肝炎ウイルス感染者については1カ月に1回程度、B型肝炎ウイルス感染者のうちHBe抗原陰性者については6カ月に1回程度必要に応じて行うものとするが、医学的に必要のある者については、さらに継続して行うことができるものとする。 |
ロ |
保健指導
診察の都度、必要に応じて行うものとする。 |
ハ |
検査
診察の結果、必要に応じて、次の検査を右欄に掲げる範囲内で行うものとする。
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6カ月に1回程度 |
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(イ) |
HBe抗原陽性者及びC型肝炎ウイルス感染者
1カ月に1回程度 |
(ロ) |
HBe抗原陰性者
6カ月に1回程度 |
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6カ月に1回程度 |
(4) |
B型肝炎ウイルス感染マーカー |
(5) |
HCV抗体 |
(6) |
HCV―RNA同定(定性)検査 |
(7) |
AFP(α―フェトプロテイン) |
(8) |
PIVKA―II |
(9) |
プロトロンビン時間検査 |
(10) |
CT検査 |
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医学的に特に必要と認められる場合に限り実施 |
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(1) |
趣旨
白内障等の眼疾患にり患した者で、その症状が固定したものにあっては、症状固定後においても視機能に動揺をきたすおそれがあることにかんがみ、アフターケアを行うものとする。
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(2) |
対象者
イ |
アフターケアは、業務災害又は通勤災害による白内障、緑内障、網膜剥離、角膜疾患等の眼疾患の傷病者であって、労働者災害補償保険法による障害補償給付若しくは障害給付を受けている者又は受けると見込まれる者(傷病が治ゆした者に限る。)のうち医学的に早期にアフターケアの実施が必要であると認められる者に対して行うものとする。 |
ロ |
事業場の所在地を管轄する都道府県労働局長は医学的に特に必要があると認めるときは、業務災害又は通勤災害による眼疾患の傷病者であって障害補償給付又は障害給付を受けていない者(傷病が治ゆした者に限る。)についてもアフターケアを行うことができるものとする。 |
|
(3) |
アフターケアの範囲
アフターケアの範囲は、次のとおりとする。
イ |
診察
原則として、治ゆ後2年を限度として1カ月に1回程度必要に応じて行うものとするが、医学的に更に継続する必要のある者については、その必要な期間継続して行うことができるものとする。 |
ロ |
保健指導
診察の都度、必要に応じて行うものとする。 |
ハ |
検査
診察の結果、医師が必要と認めた者については、次の検査のうち必要なものを行うことができるものとする。
(イ) |
矯正視力検査 |
(ロ) |
屈折検査 |
(ハ) |
細隙燈顕微鏡検査 |
(ニ) |
前房隅角検査 |
(ホ) |
精密眼圧測定 |
(ヘ) |
精密眼底検査 |
(ト) |
量的視野検査 |
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ニ |
保健のための薬剤の支給
診察の都度、必要に応じて次の薬剤を支給することができるものとする。
(イ) |
白内障用点眼剤 |
(ロ) |
眼圧降下剤 |
(ハ) |
その他医師が必要と認める点眼剤 |
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(1) |
趣旨
振動障害にり患した者で、その症状が固定したものにあっては、症状固定後においても季節の変化等に伴い、後遺症状に動揺をきたす場合が見られることにかんがみ、アフターケアを行うものとする。
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(2) |
対象者
アフターケアは、業務災害による振動障害の傷病者であって、労働者災害補償保険法による障害補償給付を受けている者又は受けると見込まれる者(傷病が治ゆした者に限る。)のうち医学的に早期にアフターケアの実施が必要であると認められる者に対して行うものとする。
|
(3) |
アフターケアの範囲
アフターケアの範囲は、次のとおりとする。
イ |
診察
原則として、症状固定後2年を限度として1カ月に2回ないし4回程度(寒冷期においては、医師の意見を踏まえその必要とする回数)必要に応じて行うものとするが、医学的に更に継続する必要があるものについては、その必要な期間継続して行うものとする。 |
ロ |
保健指導
診察の都度、必要に応じて行うものとする。特に身体局所に対する振動刺激を避けるよう努めさせるとともに、防寒・保温、適度の運動の実施、喫煙の禁止等日常生活上の配慮について指導するものとする。 |
ハ |
理学療法
診察の結果、医師の意見を踏まえ、必要と認められる場合には理学療法を行うことができるものとする。 |
ニ |
注射
診察の結果、医師が特に必要と認めた場合には、一時的な消炎・鎮痛のための注射を行うことができるものとする。 |
ホ |
検査
診察の結果、医師が必要と認めた者については、次の検査のうち必要なものを年1回程度行うことができるものとする。ただし、(ヘ)については、放射線による身体的影響を考慮して必要と認められる者に限り2年に1回程度行うことができるものとする。
(イ) |
血液一般・生化学検査 |
(ロ) |
尿検査 |
(ハ) |
末梢循環機能検査
(1) |
常温下皮膚温・爪圧迫検査 |
(2) |
冷水負荷皮膚温・爪圧迫検査 |
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(ニ) |
末梢神経機能検査
(1) |
常温下痛覚・振動覚検査 |
(2) |
冷水負荷痛覚・振動覚検査 |
(3) |
神経伝導速度検査(ただし、遅発性尺骨神経麻痺の場合にのみ行う。) |
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(ホ) |
末梢運動機能検査
握力の検査 |
(ヘ) |
手関節及び肘関節のエックス線検査 |
|
ヘ |
保健のための薬剤の支給
診察の都度、必要に応じて次の薬剤を支給できるものとする。
(イ) |
ニコチン酸剤 |
(ロ) |
循環ホルモン剤 |
(ハ) |
ビタミンB1、B2、B6、B12、E剤 |
(ニ) |
Ca拮抗剤 |
(ホ) |
交感神経α−受容体抑制剤 |
(ヘ) |
鎮痛・消炎剤(外皮用剤を含む。) |
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VII |
大腿骨頸部骨折及び股関節脱臼・脱臼骨折に係るアフターケア実施要綱 |
(1) |
趣旨
大腿骨頸部骨折及び股関節脱臼・脱臼骨折の傷病者にあっては、症状が固定した後においても大腿骨骨頭壊死の発症をきたすおそれがあることにかんがみ、アフターケアを行うものとする。
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(2) |
対象者
イ |
アフターケアは、業務災害又は通勤災害による大腿骨頸部骨折及び股関節脱臼・脱臼骨折の傷病者であって、原則として、労働者災害補償保険法による障害補償給付若しくは障害給付を受けている者又は受けると見込まれる者(傷病が症状固定した者に限る。)のうち医学的に早期にアフターケアの実施が必要であると認められるものに対して行うものとする。 |
ロ |
医学的に特に必要があると認めるときは、業務災害又は通勤災害による大腿骨頸部骨折及び股関節脱臼・脱臼骨折の傷病者であって、労働者災害補償保険法による障害補償給付又は障害給付を受けていない者(傷病が症状固定した者に限る。)についてもアフターケアを行うことができるものとする。 |
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(3) |
アフターケアの範囲
アフターケアの範囲は、次のとおりとする。
イ |
診察
原則として、症状固定後3年を限度として3〜6カ月に1回程度必要に応じて行うものとするが、医学的に更に継続する必要のある者については、その必要な期間継続して行うことができるものとする。 |
ロ |
保健指導
診察の都度、必要に応じて行うものとする。 |
ハ |
検査
診察の結果、医師が必要と認めた者については、次の検査のうち必要なものを3〜6カ月に1回程度行うことができるものとする。
(イ) |
血液一般・生化学検査 |
(ロ) |
エックス線検査 |
(ハ) |
シンチグラム検査、コンピューター断層撮影等
医学的に特に必要と認められた者に限り、行うものとする。 |
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ニ |
保健のための薬剤の支給
診察の都度、必要に応じて鎮痛・消炎剤(外皮用剤を含む。)を支給することができるものとする。 |
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VIII |
人工関節・人工骨頭置換に係るアフターケア実施要綱 |
(1) |
趣旨
人工関節及び人工骨頭を置換した者で、症状固定した者の中には、その後における使用に伴い、挿入人工関節及び人工骨頭の耐久性やルースニング(機械的又は感染)により症状発現するおそれがあることにかんがみ、アフターケアを行うものとする。
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(2) |
対象者
アフターケアは、業務災害又は通勤災害により、人工関節及び人工骨頭を置換した者であって、労働者災害補償保険法による障害補償給付若しくは障害給付を受けている者又は受けると見込まれる者(傷病が症状固定した者に限る。)のうち医学的に早期にアフターケアの実施が必要であると認められるものに対して行うものとする。
|
(3) |
アフターケアの範囲
アフターケアの範囲は、次のとおりとする。
イ |
診察
原則として、3〜6カ月に1回程度必要に応じて行うものとする。 |
ロ |
保健指導
診察の都度、必要に応じて行うものとする。 |
ハ |
検査
診察の結果、医師が必要と認めた者については、次の検査のうち必要なものを3〜6カ月に1回程度行うことができるものとする。
(イ) |
血液一般・生化学検査 |
(ロ) |
エックス線検査 |
(ハ) |
シンチグラム検査
医学的に特に必要と認められた者に限り、行うものとする。 |
|
ニ |
保健のための薬剤の支給
診察の都度、必要に応じて鎮痛・消炎剤(外皮用剤を含む。)を支給することができるものとする。 |
|
(1) |
趣旨
骨折等により化膿性骨髄炎を併発し、引き続き慢性化膿性骨髄炎に移行した者に対して、その症状が固定した後も骨髄炎再燃のおそれがあることにかんがみ、予防その他の医学的措置を行うものとする。
|
(2) |
対象者
アフターケアは、業務災害又は通勤災害による骨折等により化膿性骨髄炎を併発し、引き続き慢性化膿性骨髄炎に移行した者であって、労働者災害補償保険法による障害補償給付若しくは障害給付を受けている者又は受けると見込まれる者(傷病が治ゆした者に限る。)のうち医学的にアフターケアの実施が必要であると認められるものに対して行うものとする。
|
(3) |
アフターケアの範囲
アフターケアの範囲は、次のとおりとする。
イ |
診察
原則として、症状固定後3年を限度として1〜3カ月に1回程度必要に応じて行うことができるが、医学的に更に継続する必要のある者については、その必要な期間継続して行うことができる。 |
ロ |
保健指導
診察の都度、必要に応じて行う。 |
ハ |
検査
診察の結果、医師が必要と認めた者については、次の検査のうち必要なものを行うことができるものとする。
(イ) |
血液一般・生化学検査
1〜3カ月に1回程度 |
(ロ) |
エックス線検査
3〜6カ月に1回程度 |
(ハ) |
シンチグラム検査、CT、MRI等
特に必要と認められる者に限る。 |
(ニ) |
細菌検査
必要に応じて行う。 |
|
ニ |
薬剤の支給
診察の都度、必要に応じて、次の薬剤を支給することができる。
(イ) |
抗菌剤(外皮用剤を含む。) |
(ロ) |
鎮痛・消炎剤(外皮用剤を含む。) |
|
|
(1) |
趣旨
虚血性心疾患にり患した者及びペースメーカ又は除細動器(以下「ペースメーカ等」という。)を植え込んだ者にあっては、症状固定後においても、狭心症、不整脈あるいは心機能障害が残存することが多く、また、植え込んだペースメーカ等については、身体条件の変化や機器の不具合等により不適正な機器の作動が生じるおそれがあることにかんがみ、アフターケアを行うものとする。
|
(2) |
対象者
イ |
虚血性心疾患にり患した者
(イ) |
アフターケアは、業務災害により虚血性心疾患にり患した者で、労働者災害補償保険法による障害等級第9級以上の障害補償給付を受けている者又は受けると見込まれる者(症状固定した者に限る。)のうち、医学的に早期にアフターケアの実施が必要であると認められる者に対して行うものとする。 |
(ロ) |
事業場の所在地を管轄する都道府県労働局長は、医学的に特に必要があると認めるときは障害等級第10級以下の障害補償給付を受けている者についてもアフターケアを行うことができるものとする。 |
|
ロ |
ペースメーカ等を植え込んだ者
アフターケアは、業務災害又は通勤災害によりペースメーカ等を植え込んだ者であって、労働者災害補償保険法による障害補償給付若しくは障害給付を受けている者又は受けると見込まれる者(症状固定した者に限る。)のうち医学的に早期にアフターケアの実施が必要であると認められる者に対して行うものとする。 |
|
(3) |
アフターケアの範囲
アフターケアの範囲は、次のとおりとする。
イ |
診察
(イ) |
虚血性心疾患にり患した者
原則として、症状固定後3年を限度として、1カ月に1回程度必要に応じて行うものとするが、医学的に更に継続する必要のある者については、その必要な期間継続して行うことができるものとする。 |
(ロ) |
ペースメーカ等を植え込んだ者
原則として、1〜3カ月に1回程度必要に応じて行うものする。 |
|
ロ |
保健指導
診察の都度、必要に応じて行うものとする。 |
ハ |
ペースメーカ等の定期チェック
ペースメーカ等のパルス幅、スパイク間隔、マグネットレート、刺激閾値、感度等の機能指標の計測とともに、アフターケア上必要な指導を行うため、6カ月〜1年に1回程度実施するものとする。 |
ニ |
検査
診察の結果、必要に応じて、次の検査を右欄に掲げる範囲内で行うものとする。
(イ) |
虚血性心疾患にり患した者
(1) |
血液一般・生化学検査 |
(2) |
尿検査 |
(3) |
心電図検査(安静時及び負荷検査) |
(4) |
胸部エックス線検査 |
|
1カ月に1回程度 |
(5) |
ホルター心電図検査 |
(6) |
心臓超音波検査 |
(7) |
心臓核医学検査 |
|
医学的に特に必要と認められる場合に限り実施 |
|
(ロ) |
ペースメーカ等を植え込んだ者
(1) |
血液一般・生化学検査 |
(2) |
尿検査 |
(3) |
心電図検査(安静時及び負荷検査) |
|
1〜6カ月に1回程度 |
|
6カ月に1回程度 |
|
1年に1回程度 |
|
医学的に特に必要と認められる場合に限り実施 |
|
|
ホ |
保健のための薬剤の支給
診察の都度、必要に応じて、次の薬剤を支給するものとする。
(1) |
抗狭心症剤 |
(2) |
抗不整脈剤 |
(3) |
心機能改善剤 |
(4) |
循環改善剤(利尿薬を含む。) |
(5) |
向精神薬 |
|
|
(1) |
趣旨
尿路系腫瘍は、その症状が固定した後も再発の可能性が非常に高い疾病であるので、定期的な検査が必要となることから、アフターケアを行うものとする。
|
(2) |
対象者
アフターケアは、業務に起因する尿路系腫瘍にり患し、労働者災害補償保険法による療養補償給付を受けている者で、この尿路系腫瘍の症状が固定したと認められる者に対して行うものとする。
|
(3) |
アフターケアの範囲
アフターケアの範囲は、次のとおりとする。
イ |
診察
原則として治ゆ後3年を限度として1カ月に1回程度必要に応じて行うものとするが、医学的に更に継続する必要があると認められる者については、その必要な期間継続して行うことができるものとする。 |
ロ |
保健指導
診察の都度、必要に応じて行うものとする。 |
ハ |
検査
診察の結果、医師が必要と認めた者については、次の(イ)、(ロ)の検査は1カ月に1回程度行うことができるものとし、(ハ)から(ヘ)までの検査を3カ月から6カ月に1回程度を行うことができるものとする。
(イ) |
尿検査 |
(ロ) |
尿細胞診 |
(ハ) |
内視鏡検査 |
(ニ) |
超音波検査 |
(ホ) |
腎盂造影検査 |
(ヘ) |
CT |
|
ニ |
保健のための薬剤の支給
診察の都度、必要に応じて次の薬剤を支給することができるものとする。
(イ) |
再発予防のための抗がん剤
医学的に特に必要と認められた場合に限る(投与期間は治ゆ後1年以内とする。)。 |
(ロ) |
抗菌剤 |
|
|
(1) |
趣旨
脳血管疾患は脳動脈硬化症、高血圧症等を基礎疾患として発病し、脳の血管性病変に由来する器質的損傷が出現した場合には症状固定後もこの器質的損傷による後遺症状が残存するため、アフターケアを行うものとする。
|
(2) |
対象者
イ |
アフターケアは、業務に起因する脳血管疾患にり患し、脳の血管性病変に由来する器質的損傷により後遺症状が残存した者で、労働者災害補償保険法による障害等級第9級以上の障害補償給付を受けている者又は受けると見込まれる者(傷病が治ゆした者に限る。)のうち、医学的に早期にアフターケアの実施が必要であると認められる者に対して行うものとする。 |
ロ |
事業場の所在地を管轄する都道府県労働局長は、医学的に特に必要があると認めるときは、業務災害により脳血管疾患にり患した者であって、障害等級第10級以下の障害補償給付を受けている者についてもアフターケアを行うことができるものとする。 |
|
|
(3) |
アフターケアの範囲
アフターケアの範囲は、次のとおりとする。
イ |
診察
原則として治ゆ後3年を限度として、1カ月に1回程度必要に応じて行うものとするが、医学的に更に継続する必要がある者については、その必要な期間継続して行うことができるものとする。 |
ロ |
保健指導
診察の都度、必要に応じて行うものとする。 |
ハ |
保健のための処置
脳の器質的損傷による四肢麻痺等に対する処置が必要な場合には、「I せき髄損傷に係るアフターケア実施要綱」(3)のハ 保健のための処置に基づいて処置できる。 |
ニ |
検査
診察の結果、医師が必要と認めた者については、次の検査を1年に1回程度行うことができるものとする。
(イ) |
血液一般・生化学検査 |
(ロ) |
尿検査 |
(ハ) |
視機能検査(眼底検査も含む。)
眼に関する病訴は、対象傷病による調節障害もあるが、既往症としての近視、老眼等との鑑別上必要な場合に行うものとする。 |
(ニ) |
前庭平衡機能検査
めまい感又は身体平衡障害の病訴のある者に対して必要な場合に行うものとする。 |
(ホ) |
頭部のエックス線写真検査
必要と認められる者に対してのみ行うものとする。 |
(ヘ) |
CT、MRI
医学的に特に必要と認められる者に対してのみ行うものとする。 |
(ト) |
脳波検査 |
(チ) |
心理検査 |
以上のほか、脳の器質的損傷による四肢麻痺等のために必要な場合には、「I せき髄損傷に係るアフターケア実施要綱」(3)のニ 検査に基づいて検査できるものとする。 |
ホ |
保健のための薬剤の支給
診察の都度、必要に応じて次の薬剤を支給することができるものとする。
(イ) |
神経系機能賦活剤 |
(ロ) |
向精神薬(内服) |
(ハ) |
筋弛緩剤 |
(ニ) |
自律神経剤 |
(ホ) |
鎮痛・消炎剤(外皮用剤を含む。) |
(ヘ) |
抗パーキンソン剤 |
(ト) |
抗てんかん剤 |
(チ) |
脳循環改善剤(内服)
血液の循環の改善を必要とするものに対して必要に応じて支給する。 |
以上のほか、脳の器質的損傷による四肢麻痺等のために必要な場合には、「I せき髄損傷に係るアフターケア実施要綱」(3)のホ 保健のための薬剤の支給に基づいて投薬できるものとする。 |
|
XIII |
有機溶剤中毒等に係るアフターケア実施要綱 |
(1) |
趣旨
有機溶剤中毒等(一酸化炭素中毒症(炭鉱災害によるものを含む。)を除く。)により脳に障害を起こし、脳に器質的損傷が出現した場合には症状固定後も後遺症状が残存するため、アフターケアを行うものとする。
|
(2) |
対象者
イ |
アフターケアは、業務災害又は通勤災害による有機溶剤中毒等(一酸化炭素中毒症(炭鉱災害によるものを含む。)を除く。)により脳に器質的損傷が出現した者で、労働者災害補償保険法による障害等級第9級以上の障害補償給付又は障害給付を受けている者又は受けると見込まれる者(傷病が治ゆした者に限る。)のうち、医学的に早期にアフターケアの実施が必要であると認められる者に対して行うものとする。 |
ロ |
事業場の所在地を管轄する都道府県労働局長は、医学的に特に必要があると認められるときは、業務災害又は通勤災害による有機溶剤中毒等(一酸化炭素中毒症(炭鉱災害によるものを含む。)を除く。)にり患した者であって、障害等級第10級以下の障害補償給付又は障害給付を受けている者についてもアフターケアを受けることができるものとする。 |
|
(3) |
アフターケアの範囲
アフターケアの範囲は、次のとおりとする。
イ |
診察
原則として、治ゆ後3年を限度として1カ月に1回程度必要に応じて行うものとするが、医学的に更に継続する必要のある者については、その必要な期間継続して行うことができるものとする。 |
ロ |
保健指導
診察の都度、必要に応じて行うものとする。 |
ハ |
保健のための処置
脳の器質的損傷による四肢麻痺等に対する処置が必要な場合には、「I せき髄損傷に係るアフターケア実施要綱」(3)のハ 保健のための処置に基づいて処置できるものとする。 |
ニ |
検査
診察の結果、医師が必要と認めた者については、次の検査を1年に1回程度行うことができるものとする。
(イ) |
血液一般・生化学検査 |
(ロ) |
尿検査 |
(ハ) |
視機能検査(眼底検査も含む。)
眼に関する病訴は、対象傷病による調節障害もあるが、既往症としての近視、老眼等との鑑別上必要な場合に行うものとする。 |
(ニ) |
前庭平衡機能検査
めまい感又は身体平衡障害の病訴のある者に対して必要な場合に行うものとする。 |
(ホ) |
頭部のエックス線写真検査 |
(ヘ) |
CT、MRI
医学的に特に必要と認められる者に対してのみ行うものとする。 |
(ト) |
脳波検査 |
(チ) |
心理検査 |
以上のほか、脳の器質的損傷による四肢麻痺等のために必要な場合には、「I せき髄損傷に係るアフターケア実施要綱」(3)のニ 検査に基づいて検査できるものとする。 |
ホ |
保健のための薬剤の支給
診察の都度、必要に応じて次の薬剤を支給することができるものとする。
(イ) |
神経系機能賦活剤 |
(ロ) |
向精神薬(内服) |
(ハ) |
筋弛緩剤 |
(ニ) |
自律神経剤 |
(ホ) |
鎮痛・消炎剤(外皮用剤を含む。) |
(ヘ) |
抗パーキンソン剤 |
(ト) |
抗てんかん剤 |
(チ) |
脳循環改善剤(内服)
血液の循環の改善を必要とするものに対して必要に応じて支給する。 |
以上のほか、脳の器質的損傷による四肢麻痺等のために必要な場合には、「I せき髄損傷に係るアフターケア実施要綱」(3)のホ 保健のための薬剤の支給に基づいて投薬できるものとする。 |
|
XIV |
外傷による末梢神経損傷に係るアフターケア実施要綱 |
(1) |
趣旨
外傷により末梢神経を損傷した者でその症状が固定した後も、末梢神経の損傷に起因するRSD(カウザルギーを含む。)を生ずる場合があり、この痛み等を緩和する必要があることからアフターケアを行うものとする。
|
(2) |
対象者
アフターケアは、業務災害又は通勤災害による外傷により末梢神経損傷に起因し、症状固定後も激しい疼痛が残存する者で、労働者災害補償保険法による障害等級第12級以上の障害補償給付又は障害給付を受けている者又は受けると見込まれる者(傷病が治ゆした者に限る。)のうち、医学的に早期にアフターケアの実施が必要であると認められた者に対して行うものとする。
|
(3) |
アフターケアの範囲
アフターケアの範囲は、次のとおりとする。
イ |
診察
原則として、治ゆ後3年を限度として1カ月に1〜2回程度必要に応じて行うものとするが、医学的に更に継続する必要がある者については、その必要な期間継続して行うことができるものとする。 |
ロ |
保健指導
診察の都度、必要に応じて行うものとする。 |
ハ |
注射
診察の結果、特に疼痛が激しく神経ブロックもやむを得ないと医師が判断した場合に限り、1カ月に2回を限度として神経ブロックを行うことができるものとする。 |
ニ |
検査
診察の結果、医師が必要と認めた者については、次の(イ)、(ロ)の検査を1カ月に1回程度行うことができるものとし、(ハ)、(ニ)の検査は特に必要と認められる場合に年2回を限度として行うことができるものとする。
(イ) |
血液一般・生化学検査 |
(ロ) |
尿検査 |
(ハ) |
エックス線検査 |
(ニ) |
骨シンチグラフィー |
|
ホ |
保健のための薬剤の支給
診察の都度、必要に応じて鎮痛・消炎剤(外皮用剤を含む。)を支給することができる。 |
|
(1) |
趣旨
熱傷の傷病者に対して、その症状が固定した後も、傷痕による皮膚のそう痒等の後遺症を残すことがあるのでアフターケアを行うものとする。
|
(2) |
対象者
アフターケアは、業務災害又は通勤災害による熱傷の傷病者で、労働者災害補償保険法による障害等級第12級以上の障害補償給付又は障害給付を受けている者又は受けると見込まれる者(傷病が治ゆした者に限る。)のうち、医学的に早期にアフターケアの実施が必要であると認められる者に対して行うものとする。
|
(3) |
アフターケアの範囲
アフターケアの範囲は、次のとおりとする。
イ |
診察
原則として、治ゆ後3年を限度として1カ月に1回程度必要に応じて行うものとするが、医学的に更に継続する必要がある者については、その必要な期間継続して行うことができるものとする。 |
ロ |
保健指導
診察の都度、必要に応じて行うものとする。 |
ハ |
検査
診察の結果、医師が必要と認めた者に限り、次の検査を1年に1回程度行うことができるものとする。
|
ニ |
保健のための薬剤の支給
診察の都度、必要に応じて外皮用剤等(抗菌剤を含む。)を支給することができる。 |
|
(1) |
趣旨
特に異常な状況下において、強力な殺傷作用を有するサリンに中毒した者においては、その症状が固定した後においても、縮瞳、視覚障害、末梢神経障害、筋障害、中枢神経障害、心的外傷後ストレス障害等の後遺症状について、増悪の予防その他の医学的措置を必要とするので、アフターケアを行うものとする。
|
(2) |
対象者
アフターケアは、業務災害又は通勤災害によりサリンに中毒した者を対象とし、労働者災害補償保険法による療養補償給付又は療養給付を受けていた者であって、サリン中毒が治った者のうち、次のイ〜ニに掲げる後遺症状によって、医学的に早期にアフターケアの実施が必要であると認められる者に対して行うものとする。
イ |
縮瞳、視覚障害等の眼に関連する障害 |
ロ |
筋萎縮、筋力低下、感覚障害等の末梢神経障害及び筋障害 |
ハ |
記憶力の低下、脳波の異常等の中枢神経障害 |
ニ |
心的外傷後ストレス障害 |
|
(3) |
アフターケアの範囲
アフターケアの範囲は、次のとおりとする。
イ |
診察
原則として、症状固定後3年を限度として1カ月に1回程度必要に応じて行うことができるが、医学的に更に継続する必要のある者については、その必要な期間継続して行うことができるものとする。 |
ロ |
保健指導
診察の都度、必要に応じて行う。 |
ハ |
検査
診察の結果、医師が必要と認めた者については、次の検査のうち必要なものを1年に2回程度行うことができるものとする。
(イ) |
血液一般・生化学検査 |
(ロ) |
尿検査 |
(ハ) |
視機能検査(眼底検査も含む。) |
(ニ) |
末梢神経機能検査(神経伝達速度検査) |
(ホ) |
心電図検査 |
(ヘ) |
筋電図検査 |
(ト) |
脳波検査 |
(チ) |
心理検査 |
|
ニ |
カウンセリング等の実施
後遺症状として心的外傷後ストレス障害があると認められる者については、診察の都度、必要に応じて専門の医師によるカウンセリング等を行うことができる。 |
ホ |
保健のための薬剤の支給
診察の都度、必要に応じて、次の薬剤を支給することができる。
(イ) |
点眼剤 |
(ロ) |
神経系機能賦活剤 |
(ハ) |
向精神薬 |
(ニ) |
自律神経剤 |
(ホ) |
鎮痛・消炎剤(外皮用剤を含む。) |
|
|
(1) |
趣旨
業務による心理的負荷を原因として精神障害を発病した者について、その症状が固定した後においても、その後遺症状について、増悪の予防その他の医学的措置を必要とするので、アフターケアを行うものとする。
|
(2) |
対象者
アフターケアは、業務による心理的負荷を原因として精神障害を発病した者を対象とし、労働者災害補償保険法による療養補償給付を受けていた者であって、この精神障害の症状が固定したと認められる者のうち、次のイからニまでに掲げる後遺症状によって、医学的に早期にアフターケアの実施が必要であると認められる者に対して行うものとする。
イ |
気分の障害(抑うつ、不安等) |
ロ |
意欲の障害(低下等) |
ハ |
慢性化した幻覚性の障害又は慢性化した妄想性の障害 |
ニ |
記憶の障害又は知的能力の障害 |
|
(3) |
アフターケアの範囲
アフターケアの範囲は、次のとおりとする。
イ |
診察
原則として症状固定後3年を限度とし、1カ月に1回程度必要に応じて行うことができるが、医学的に更に継続する必要のある者については、その必要な期間継続して行うことができるものとする。 |
ロ |
保健指導
診察の都度、必要に応じて行う。 |
ハ |
検査
診察の結果、医師が必要と認めた者については、次の検査のうち必要なものを1年に2回程度行うことができるものとする。
(イ) |
心理検査 |
(ロ) |
脳波検査、CT、MRI |
(ハ) |
向精神薬を使用している場合は、血液一般・生化学検査 |
|
ニ |
精神療法、カウンセリング等の実施
後遺症状として気分の障害又は慢性化した幻覚性の障害若しくは慢性化した妄想性の障害があると認められる者については、診察の都度、必要に応じて専門の医師による精神療法、カウンセリング等を行うことができる。 |
ホ |
保健のための薬剤の支給
診察の都度、必要に応じて、次の薬剤を支給することができる。
(イ) |
向精神薬(抗精神病薬、抗うつ薬、抗不安薬) |
(ロ) |
睡眠薬 |
(ハ) |
神経系機能賦活剤 |
|
|
(1) |
趣旨
心臓弁を損傷した者、心膜の病変を残す者及び人工弁又は人工血管に置換した者にあっては、症状固定後においても、心機能の低下を残したり、血栓の形成により循環不全や脳梗塞等をきたすおそれがあることにかんがみ、アフターケアを行うものとする。
|
(2) |
対象者
アフターケアは、次の者に対して行うものとする。
イ |
業務災害又は通勤災害により、心臓弁を損傷した者、心膜の病変の障害を残す者又は人工弁に置換した者であって、労働者災害補償保険法による障害補償給付若しくは障害給付を受けている者又は受けると見込まれる者(症状固定した者に限る。)のうち医学的に早期にアフターケアの実施が必要であると認められる者 |
ロ |
業務災害又は通勤災害により人工血管に置換した者であって、症状固定した者のうち医学的に早期にアフターケアの実施が必要であると認められる者 |
|
(3) |
アフターケアの範囲
アフターケアの範囲は、次のとおりとする。
イ |
診察
(イ) |
心臓弁を損傷した者及び心膜の病変を残す者
原則として、症状固定後3年を限度として、1〜3カ月に1回程度必要に応じて行うものとするが、医学的に更に継続する必要のある者については、その必要な期間継続して行うことができるものとする。 |
(ロ) |
人工弁又は人工血管に置換した者
原則として、人工弁又は人工血管に置換した者については、1〜3カ月に1回程度必要に応じて行うものする。 |
|
ロ |
保健指導
診察の都度、必要に応じて行うものとする。 |
ハ |
検査
診察の結果、必要に応じて、次の検査を右欄に掲げる範囲内で行うものとする。
|
1〜6カ月に1回程度 |
(3) |
心電図検査(安静時及び負荷検査) |
(4) |
エックス線検査 |
|
3〜6カ月に1回程度 |
|
人工弁に置換した者に対し、3〜6カ月に1回程度実施 |
|
人工弁又は人工血管に置換した者に対し、1年に1回程度実施 |
|
人工血管に置換した者に対し、1年に1回程度実施 |
|
人工血管に置換した者に対し、医学的に特に必要と認められる場合に限り実施 |
|
ニ |
保健のための薬剤の支給
診察の都度、必要に応じて、次の薬剤を支給するものとする。
(1) |
抗不整脈剤 |
(2) |
心機能改善剤 |
(3) |
循環改善剤(利尿薬を含む。) |
(4) |
向精神薬
心臓弁を損傷した者及び人工弁に置換した者に対し支給する。 |
(5) |
血液凝固阻止剤
人工弁又は人工血管に置換した者に対し支給する。 |
|
|
(1) |
趣旨
呼吸機能障害を残す者にあっては、症状固定後においても、咳や痰等の後遺症状を残すため、その症状の軽減及び悪化の防止を図る必要があることにかんがみ、アフターケアを行うものとする。
|
(2) |
対象者
アフターケアは、業務災害又は通勤災害により呼吸機能障害を残す者であって、労働者災害補償保険法による障害補償給付若しくは障害給付を受けている者又は受けると見込まれる者(症状固定した者に限る。)のうち医学的に早期にアフターケアの実施が必要であると認められる者に対して行うものとする。
|
(3) |
アフターケアの範囲
アフターケアの範囲は、次のとおりとする。
イ |
診察
原則として、症状固定後3年を限度として、1カ月に1回程度必要に応じて行うものとするが、医学的に更に継続する必要のある者については、その必要な期間継続して行うことができるものとする。 |
ロ |
保健指導
診察の都度、必要に応じて行うものとする。 |
ハ |
検査
診察の結果、必要に応じて、次の検査を右欄に掲げる範囲内で行うものとする。
(1) |
血液一般・炎症反応(CRPを含む。)・生化学検査 |
(2) |
喀痰細菌検査 |
(3) |
スパイログラフィー検査 |
(4) |
胸部エックス線検査 |
|
1年に2回程度 |
|
1年に2〜4回程度 |
|
1年に1回程度 |
|
ニ |
保健のための薬剤の支給
診察の都度、必要に応じて、次の薬剤を支給するものとする。
(1) |
去痰剤 |
(2) |
鎮咳剤 |
(3) |
喘息治療剤 |
(4) |
抗菌剤 |
(5) |
呼吸器用吸入剤 |
(6) |
鎮痛・消炎剤(外皮用剤を含む。) |
|
|
(1) |
趣旨
消化器を損傷した者で、症状固定後においても、消化吸収障害、逆流性食道炎、ダンピング症候群、腸管癒着、排便機能障害又は膵機能障害(以下「消化吸収障害等」という。)の障害を残す者にあっては、腹痛や排便機能障害等を発症するおそれがあること、また、消化器ストマ(大腸皮膚瘻、小腸皮膚瘻及び人工肛門)を造設するに至った者にあっては、反応性びらん等を発症するおそれがあることにかんがみ、アフターケアを行うものとする。
|
(2) |
対象者
アフターケアは、業務災害又は通勤災害により、消化吸収障害等を残す者又は消化器ストマを造設した者であって、労働者災害補償保険法による障害補償給付若しくは障害給付を受けている者又は受けると見込まれる者(症状固定した者に限る。)のうち医学的に早期にアフターケアの実施が必要であると認められる者に対して行うものとする。
|
(3) |
アフターケアの範囲
アフターケアの範囲は、次のとおりとする。
イ |
診察
原則として、症状固定後3年を限度として、1カ月に1回程度必要に応じて行うものとするが、医学的に更に継続する必要のある者については、その必要な期間継続して行うことができるものとする。 |
ロ |
保健指導
診察の都度、必要に応じて行うものとする。 |
ハ |
保健のための処置
診察の都度、必要に応じて、次の処置等を行うものとする。
(1) |
ストマ処置 |
(2) |
外瘻の処置
軽微な外瘻が認められる者に対し、外瘻周辺の反応性びらん等の発症を予防するために実施するものとする。 |
(3) |
自宅等で使用するための滅菌ガーゼの支給 |
|
ニ |
検査
診察の結果、必要に応じて、次の検査を右欄に掲げる範囲内で行うものとする。
|
3カ月に1回程度 |
(3) |
腹部超音波検査 |
(4) |
消化器内視鏡検査(ERCPを含む。) |
(5) |
腹部エックス線検査 |
(6) |
腹部CT検査 |
|
医学的に特に必要と認められる場合に限り実施 |
|
ホ |
保健のための薬剤の支給
診察の都度、必要に応じて、次の薬剤を支給するものとする。
(1) |
整腸剤、止瀉剤 |
(2) |
下剤、浣腸剤 |
(3) |
抗貧血用剤 |
(4) |
消化性潰瘍用剤
逆流性食道炎が認められる場合に支給するものであり、鎮痛剤に対する健胃消化剤として支給するものでないこと。 |
(5) |
蛋白分解酵素阻害剤 |
(6) |
消化酵素剤 |
(7) |
抗菌剤(外皮用剤を含む。) |
(8) |
鎮痛・消炎剤(外皮用剤を含む。) |
|
|
炭鉱災害による一酸化炭素中毒症に係るアフターケアの実施要綱
1 |
趣旨
炭鉱災害による一酸化炭素中毒症にかかった者にあっては、その症状が平衡状態に達してなおった後においても、なお、季節、天候、社会環境等の変化に随伴して精神又は身体の後遺症に動揺をおこすことがあるので、必要に応じアフターケアを行う。
|
2 |
アフターケアの対象者
炭鉱災害による一酸化炭素中毒症について労働者災害補償保険法の規定による療養補償給付を受けていた者であって、当該一酸化炭素中毒症がなおったものに対して行う。
|
3 |
アフターケアの範囲
(1) |
診察
原則として、治ゆ後3年を限度として1カ月に1回程度必要に応じて行うものとするが、医師が必要と認める者については、その必要とする期間継続して行うことができるものとする。 |
(2) |
保健指導
(1)の診察の都度行う。 |
(3) |
保健のための薬剤の支給
障害補償給付を受ける者に対して、(1)の診察の都度、その症状に応じて必要な限度でビタミンB1剤等の支給をする。 |
(4) |
健康診断
原則として、治ゆ後2年を限度として、1年に1回、下記に掲げる検査を行うものとするが、医師が必要と認める者については、その必要とする期間1年に1回行うことができるものとする。
イ |
全身状態の検査 |
ロ |
自覚症状の検査 |
ハ |
精神、神経症状の検査 |
なお、上記検査の結果医師が必要と認める者については、次の検査を追加して行う。
イ |
尿中の蛋白、糖及びウロビリノーゲンの検査 |
ロ |
赤血球沈降速度及び白血球数の検査 |
ハ |
視野検査 |
ニ |
脳波検査 |
ホ |
心電図検査 |
ヘ |
胸部エックス線写真による検査 |
ト |
CT、MRI |
|
|
4 |
実施医療機関等
アフターケアは、労災病院、医療リハビリテーションセンター、総合せき損センター、労働者災害補償保険法施行規則第11条の規定により指定された病院又は診療所若しくは薬局(以下「実施医療機関等」という。)において行うものとする。
|
5 |
健康管理手帳
(1) |
事業場の所在地を管轄する労働基準監督署長(以下「所轄署長」という。)は、アフターケアの対象予定者を健康管理手帳交付報告書(平成元年3月20日付け基発第127号の別添「労働福祉事業としてのアフターケア実施要領」(以下「実施要領」という。)様式第1号)により当該所轄署長の所在地を管轄する都道府県労働局長(以下「所轄局長」という。)に報告するものとする。 |
(2) |
所轄局長は、上記(1)の報告に基づき、アフターケアの対象者と認められる者に対して健康管理手帳(炭鉱災害による一酸化炭素中毒症に関する特別措置法施行規則様式第4号(編注:実施要領様式第2号に同じ。)。以下「手帳」という。)を交付するものとする。 |
(3) |
手帳の有効期間は交付の日から起算して3年間とする。 |
(4) |
手帳の交付を受けた者は、当該手帳の有効期間が満了した場合には遅滞なく当該手帳を所轄局長に返納しなければならないものとする。
なお、手帳の有効期間が満了した後、継続してアフターケアを受けることを希望する者は、有効期間が満了する日の1カ月前までに健康管理手帳更新・再交付申請書(実施要領様式第3号)により、所轄署長を経由して所轄局長あてに手帳の更新を申請するものとする。
この場合、既に交付されている手帳を添付するものとする。 |
(5) |
所轄局長は、上記(4)の申請に基づき、なお医学的にアフターケアを継続して行う必要があると認められる場合には、手帳の更新を行うものとする。
更新された手帳の有効期間は、更新前の手帳の有効期間が満了する日の翌日から起算して3年間とする。 |
(6) |
手帳の交付を受けた者は、手帳を亡失若しくはき損し又は手帳に余白がなくなったときは、健康管理手帳更新・再交付申請書(実施要領様式第3号)により、所轄署長を経由して所轄局長あてに手帳の再交付を申請するものとする。
この場合、手帳を亡失したときを除き、既に交付されている手帳を添付するものとする。 |
(7) |
所轄局長は、上記(6)の申請に基づき、手帳を再交付するものとする。
再交付された手帳の有効期間は、亡失若しくはき損し又は余白のなくなった手帳の有効期間が満了する日までとする。 |
(8) |
所轄局長は、手帳の交付、更新又は再交付をするときは、健康管理手帳交付書及び受領書(実施要領様式第4号)により、アフターケアの対象者に交付するものとする。 |
(9) |
手帳の交付を受けた者は、健康管理手帳交付書及び受領書(実施要領様式第4号)の受領書を所轄局長あてに返送するものとする。 |
(10) |
手帳の交付を受けた者は、当該手帳が不要となったとき又は所轄局長から返還を求められたときは遅滞なく当該手帳を所轄局長に返還しなければならないものとする。 |
(11) |
アフターケアを受けようとする者は、その都度、アフターケアの実施医療機関等に手帳を提出し、アフターケアの実施に関する記録の記入を受けるものとする。 |
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6 |
費用
(1) |
アフターケアに要する費用の額の算定方法は、昭和43年6月5日付け基発第354号「炭鉱災害による一酸化炭素中毒症に係るアフターケアに要する費用の算定及び投薬方針について」によるものとする。 |
(2) |
実施医療機関等は、アフターケアに要した費用を請求しようとするときは、上記(1)により算定した毎月分の費用の額をアフターケア委託費請求書(実施要領様式第5号)又はアフターケア委託費請求書(薬局用)(実施要領様式第6号)に記載の上、当該実施医療機関等の所在地を管轄する都道府県労働局長に提出するものとする。 |
(3) |
上記(2)の請求をする際には、アフターケア委託費請求内訳書(実施要領様式第5号の2、実施要領様式第5号の3)又はアフターケア委託費請求内訳書(薬局用)(実施要領様式第6号の2)を1回の診察等若しくは健康診断又は1回の処方に係る調剤ごとに1枚作成し、アフターケア委託費請求書(実施要領様式第5号)又はアフターケア委託費請求書(薬局用)(実施要領様式第6号)に添付するものとする。 |
|
炭鉱災害による一酸化炭素中毒症に係るアフターケアに要する費用の算定及び投薬方針について |
1 |
アフターケアに要する費用の算定について
アフターケアに要する費用の額は、診察の費用は、次の(1)に掲げる額とし、その他の費用は、次の(2)〜(4)に掲げる点数に、労災診療費算定基準に定める単価を乗じて得た額とする。
なお、診察の費用は、労災診療費算定基準が改正された場合には改正後の算定基準により、保健指導、検査及び投薬の費用は、健康保険法の規定による療養に要する費用の算定方法(昭和33年6月厚生省告示177号(編注:現在は平成6年厚生省告示第54号による))の別表第1医科診療報酬点数表(以下「社会保険診療報酬点数表」という。)が改定された場合には、改定後の社会保険診療報酬点数表によりそれぞれ算定すること。
(1) |
診察 |
・・・ |
労災診療費算定基準に定める初診料又は再診料の額若しくは社会保険診療報酬点数表に定める外来診療料の点数に労災診療費算定基準に定める単価を乗じて得た額 |
(2) |
保健指導 |
・・・ |
社会保険診療報酬点数表に定める特定疾患療養指導料の点数 |
(3) |
投薬 |
・・・ |
社会保険診療報酬点数表による所定の点数 |
(4) |
健康診断
イ |
|
全身状態の検査 |
──┐ ──┤ ──┘ |
・・・335点 |
ロ |
自覚症状の検査 |
ハ |
精神及び神経症状の一般的検査 |
ニ |
|
精神及び神経症状の特殊な検査(精密眼底検査、脳波検査、心電図検査、胸部エックス線写真検査等)・・・社会保険診療報酬点数表による所定の点数 |
なお、尿中の蛋白、糖及びウロビリノーゲンの検査並びに赤血球沈降速度及び白血球数の検査については、費用の算定は行わないものとすること。 |
|
2 |
保健のための薬剤の支給について
保健のための薬剤の支給は、中枢神経系の障害に対して維持的な効果を与えるために行うものであるので、これらの薬剤の投与については、次によって取り扱うものとすること。
なお、これらの薬剤を必要とする者の中には、本質的には一酸化炭素中毒症以外の疾病によると思われる症状が合併していることがあるので、診察にあたってはこの点に特に留意するとともに、一酸化炭素中毒症以外の疾病については当該アフターケアを行う趣旨ではないので、この旨指導すること。
例えば、高血圧症、貧血、胃腸疾患、腰痛、神経痛、頸部せき椎症等に対する胃腸薬、造血剤、強肝剤、総合ビタミン剤等の投与は、アフターケアとしての薬剤の支給とは認められないこと。
(1) |
脳機能賦活剤
向神経性ビタミン剤及び代謝促進剤を主とするが、その使用量は急性期の場合と異なって少量持続の方針をとることとし、次により適宜選択して投与するものとすること。
イ |
ビタミンB郡
B1 |
1日25mg〜50mg |
B12 |
1日0.2mg〜0.5mg |
|
ロ |
GABA(ガンマロン) |
500mg〜1,000mg |
ハ |
アスパラギン酸製剤 |
300mg〜600mg |
|
(2) |
精神安定剤、筋弛緩剤及び鎮痛剤
次の薬剤投与はできるだけ少量であることとし、イについてはめまいや嘔気のあるものに対し、ロについては肩こりなどの筋緊張性病訴又は神経症的病訴のあるものに対し、主として使用されるものであること。
イ |
フエノチアヂン系等 |
──┐ ──┤ ──┘ |
・・・1日1錠〜3錠程度 |
ロ |
ジアゼパム系等 |
ハ |
鎮痛剤 |
|
(3) |
血管拡張剤
肩こり、頸部こり、頭痛などの自覚症状の中には上記(2)の薬剤と血管拡張剤とを併用することによって症状が軽減し、労働可能となるものが少なくないので、少量の血管拡張剤(1日1錠ないし3錠程度)は投与してもよいものであること。 |
(4) |
その他の薬剤
パーキンソン症候群を有するものに対しては抗パーキンソン剤を、脳波異常のあるもの又は痙攣発作をおこすものに対しては抗痙攣剤を、血液の循環の改善を必要とするものに対しては少量の内服昇圧剤を必要に応じ投与すること。 |
|