06/08/29 小児薬物療法検討会議 第2回速記録 第2回小児薬物療法検討会議 開催日:平成18年8月29日(火)                     場 所:はあといん乃木坂「フルール」 ○事務局  定刻になりましたので、ただいまより第2回小児薬物療法検討会議を開催いたしたい と思います。本日は先生方にはお暑い中、またお忙しい中お集まりいただきまして、ま ことにありがとうございます。  本日の会議の先生方の御出欠の状況でございますけれども、座長の秦先生が御都合に より御欠席でございます。したがいまして本日の議事進行につきましては、座長代理の 藤村先生にお願いしたく、藤村先生、どうぞよろしくお願いいたします。そのほか、奥 山先生と古澤先生から欠席との御連絡をいただいております。それでは藤村先生、以降 の議事進行をお願いいたします。 ○藤村座長代理  藤村でございます。本日はピンチヒッターで座長をさせていただきますけれども、先 生方の御協力、よろしくお願いいたします。まず本日の配付資料の確認を事務局の方か らお願いしたいと思います。 ○事務局  それではお手元の配付資料の確認をさせていただきたいと思います。先生方の卓上に は3種類の資料を用意させていただいております。まずお手元の封筒の中に入っており ます資料として、  第2回「小児薬物療法検討会議」議事次第、配付資料一覧  第2回「小児薬物療法検討会議」座席表  資料1−1 「小児薬物療法検討会議」開催要綱(改訂案)  資料1−2 「小児薬物療法検討会議」開催要綱(案) 新旧対照表  資料2   「小児薬物療法検討会議」における検討事項  資料3   「小児薬物療法検討会議」において検討対象とする場合の考え方  資料4   「小児薬物療法検討会議」における検討の流れ  資料5   「小児薬物療法検討会議」において検討を開始する薬物療法  資料6−1 アセトアミノフェンの「小児科領域における解熱」報告書作成中間サマ リー  資料6−2 小児薬物療法報告書書式修正(案)  資料7−1 適応外使用に係る医療用医薬品の取扱いについて(課長通知)  資料7−2 適応外使用通知に基づく承認品目リスト  参考資料1 「小児薬物療法検討会議」委員名簿  参考資料2 「小児薬物療法検討会議」への協力依頼について(7月14日付通知)  そのほか、前回第1回「小児薬物療法検討会議」の議事録の案を封筒の上に置かせて いただいております。  また、先生方の卓上には、ファクス送信表と大きく書かれております2枚の紙。1枚 は11月の日程、もう1枚は12月の日程の調整表の紙でございます。本日、会議の最 中に、もし御予定を先生方がお書きいただけるようであれば、お帰りの際に事務局の方 にお渡しいただいても結構ですし、これをお持ち帰りいただき、後日ファックスなどで 送信していただければ幸いに存じます。本日配付の資料は以上でございます。 ○藤村座長代理  それでは資料の方はよろしいでしょうか。では次に議題1に入らせていただきますが、 第1回小児薬物療法検討会議の議事録について、事務局から御説明をお願いしたいと思 います。 ○事務局  お手元に第1回小児薬物療法検討会議の議事録の案を、先生方の卓上には御用意させ ていただいております。これは事前に先週末を締め切りとさせていただきながら、各先 生方に送付させていただきまして、確認のお願いをさせていただいたところであります。  本日配付したものにつきましては、各先生方からいただいたコメントを反映させてい ただいたものを、先生方にお配りさせていただいております。これにつきましては、9 月3日以降、厚生労働省のホームページ上で公開させていただければというふうに考え ております。以上でございます。 ○藤村座長代理  よろしいですね。何か今の御説明でお気付きになりましたこと、ありますでしょうか。 特にございませんでしょうか。それでは、これは事務局の方で公開の手続をよろしくお 願いいたします。  次に議題2ですね。当会議の開催要綱について、前回第1回会議におきまして、この 会議の開催要綱の目的のところに議論がありましたので、このことにつきまして、事務 局の方から御説明をお願いいたします。 ○事務局  この関係の資料といたしまして、資料1−1と資料1−2を用意させていただいてお ります。この中で資料1−2の方をごらんいただければと存じます。前回、第1回の会 議におきまして、藤村先生から御指摘いただいた事項でございますけれども、当初案と して、この新旧対象表で言いますと下の欄でございますが、「当初、子供の疾病を治療 するのに不可欠な医薬品であるにも関わらず、治験が実施されてこなかったので、添付 文書に必要な記載がされていない医薬品が多く存在する」と、このような主旨の記載ぶ りとさせていただいたわけですが、これに関しまして藤村先生の方から、「小児に投与 するということが困難ということが、国民の方々がこの文章を読みますと、先生方が処 方してくれないというふうに理解しそうである」といったような御心配をいただいたと ころでございます。  もう少しこの部分については実態を踏まえ、適切な表現ぶりにした方がよいのではな いかという先生の御指摘だったと思いますが、これを受けまして改訂案といたしまして、 新旧対照表の上の欄でございますが、「小児の疾病を治療するのに不可欠と考えられて いる医薬品であるにもかかわらず、治験や製造販売後調査等のデータ等の集積が少ない 等の理由により、小児における標準的な用法・用量や安全性が明らかでないことや、小 児医療に必要な適応が承認を受けていないことから、適切に小児に投与しにくい医薬品 が存在することが指摘されている」。このような形で改めることでいかがでしょうか。 ○藤村座長代理  ありがとうございました。今資料1−2で御説明いただきました。私としまして、前 回ちょっと要望させていただきました点は、適切に反映いただいているように思うので すが、何か御意見はございますでしょうか。それでは各委員の御了解をいただけたとい うことで、そのように訂正させていただきます。ありがとうございます。よろしくお願 いいたします。  次に議題3。個別医薬品とその対象疾患に関するレポートについて、第1回会議でそ ういった関係の資料がいろいろ配付され、御説明いただいたのですが、おさらいとして もう一度前回のポイントについて御説明をお願いしたいと思います。 ○事務局  お手元の資料2、資料3、資料4、資料5、参考資料2を使いまして御説明させてい ただきたいと思います。まず前回第1回のこの会議におけます検討事項としましては、 この会議が一体どういったようなことを今後検討していくのか。また、どういう手順で 検討していくのかといったようなことについて、御議論していただいております。  まずお手元の資料2でございますが、「小児薬物療法検討会議」における検討事項と いたしまして、小児薬物療法を推進するために、エビデンスを総括的に収集し、エビデ ンスを科学的に評価し、その評価したエビデンスを医療従事者に提供する。こういった ようなことがこの会議における検討事項として御了解いただいている次第でございます。  続きまして資料3でございますけれども、「小児薬物療法検討会議」の検討対象につ いて整理がなされております。1.として、検討の対象とする医薬品の類型といたしま しては、大きく4つほどございますが、1)は国内に同一有効成分の医薬品はあるもの の、必要な剤型が無いというもの。2)が国内に同一有効成分及び同一剤型の医薬品は あるけれども、小児の必要な適応がないもの。3)としましては、国内に同一有効成分、 同一剤型、同一適応の医薬品はあるけれども、小児の用量が不明確なもの。その他4) として小児での安全性が確立していないものといったようなものを検討の対象とする。 また、※印でございますが、それ以外の医薬品については、本検討会の対象外として、 例えば海外で承認されていて、あるいは海外で治験中であるけれども、まだ国内に製剤 がないといった医薬品については、この検討会の対象外といったような考え方で整理さ せていただいております。  2.として、対象医薬品の優先度決定の基準としまして、エビデンスのレベルである とか適応疾病の重篤度であるとか、小児科領域における医療上の必要性。こういったよ うなところを勘案しながら検討の優先度を考えていく。そういったような御議論をして いただいております。  続きまして資料4でございますが、「小児薬物療法検討会議」における検討の流れと して、フローチャートを御用意させていただいておりますが、基本的にはこの流れに沿 って今後検討していくというふうに御議論いただいていると考えております。小児関係 の学会からの候補薬物療法の要望をまず把握し、この会議におきまして検討を開始し、 検討会議の担当委員を先生方に文献やエビデンスなどの調査を依頼する。担当の先生方 に調査をしていただいてこの会議の方に報告していただき、科学的評価をしていただい た後に、十分なエビデンスがあるものと、追加的なエビデンスの収集が必要なものと振 り分けていただく。追加エビデンスの収集が必要であるというものにつきましては、右 側の矢印の方に従って、国内処方実態調査実施といったような方向性であるし、十分な エビデンスが存在するというものにつきましては、そのまま検討結果の医療従事者への 情報提供を行う。こういったような基本的な流れについて、御了解いただいております。  その結果、前回の結論としましては、資料5でございますけれども、「小児薬物療法 検討会議」において検討を開始する薬物療法といたしまして、当初8品目に関しまして、 検討を開始するといったようなことで御了解いただいております。8品目について御紹 介いたしますと、酢酸フレカイニドの「頻脈性不整脈」に関する薬物療法。メチルフェ ニデートの「注意欠陥及び多動性障害」に関する検討。シプロフロキサシンの「β−ラ クタム剤無効の重症感染症」に関する検討。メトトレキサートの「若年性特発性関節 炎」に関する検討。シクロホスファミドの「小児リウマチ性疾患」に関する検討。アセ トアミノフェンの「小児科領域の解熱」に関する検討。A型ボツリヌス毒素の「眼瞼け いれんの改善、片側顔面けいれんの改善及び痙性斜頚の改善並びに脳性麻痺における下 肢痙縮の改善」に関する検討。アシクロビルの「新生児単純疱疹ウイルス感染症」に関 する検討。この8品目につきまして、まずは優先的に検討を開始するというふうに御議 論いただいております。  そのほか前回御議論の中で、今後の使用実態調査を含めたこの会議の活動に関しまし て、各小児関係の学会において、個別医薬品ごとに倫理委員会による検討を行うという よりは、包括的な検討が可能となるよう、私どもの方から各学会宛に、この会議への協 力依頼状といったような形で依頼をしていただけないかといったようなお話がございま した。これを踏まえまして、お手元参考資料2でございますけれども、本年7月14日 に審査管理課長通知といたしまして、日本小児科学会会長宛に小児薬物療法検討会議へ の協力依頼といったようなことで、通知を出させていただいております。  通知を1枚めくっていただきますと、特に使用実態調査といったことが今後行われる 可能性が非常に高いわけですが、この使用事態調査につきましては、「貴会会員が所属 する医療機関において、製造販売後調査といったようなことも別途行われていると思い ますが、これに準じた扱いとして迅速に調査結果がとり求められるよう御配慮をお願い します」といったようなことで、協力依頼をお願いしております。とりあえず前回の御 議論いただいたポイントといたしまして、御説明は以上でございます。 ○藤村座長代理  ありがとうございました。まずこの8つの医薬品について、関係学会の先生方がエビ デンスの収集、それからレポートの作成ということでお願いしているということですが、 皆さん、非常にお忙しいところ御尽力いただきまして、順次進めていただいているもの と思います。8つの医薬品のうち、本日はアセトアミノフェンの「小児科領域の解熱」 について、慶應義塾大学の関口進一郎先生に、その中間報告をお願いしたいと思います。 この御説明をお願いしました後、その他の医薬品あるいは対象疾患に関するエビデンス の収集、それからレポートの作成などに当たりまして、あらかじめこの会議で検討して おいた方がよいだろうということがいろいろあるだろうと思いますので、この関口先生 のおまとめを1つの参考にさせていただいて、そのことを議論したいという予定でござ いますので、そのように関口先生の御発表を御理解いただきながら、聞いていただきた いと思います。それでは関口先生、よろしくお願いいたします。 ○関口参考人  よろしくお願いします。関口でございます。資料6−1というものが資料の中にござ いますので御参照ください。タイトルが“アセトアミノフェンの「小児科領域における 解熱」報告書作成中間サマリー”となっております。まだ完成にはほど遠いのですが、 中間段階のものとしてまとめて、本日の会議で提示させていただきます。ここに1〜7 までの順でまとめてありますので、その番号順に御説明を加えながら進めさせていただ きたいと思います。  まずアセトアミノフェンの医療上の必要性について御説明いたします。発熱や痛みと いうのはどの子供においても起こり得る一般的な症状で、その発熱や痛みは、その子供 にとって肉体的精神的な苦痛となるだけでなく、その子供をケアする御家族にとっても 大きな負担になっています。それに対して必要に応じて適切に解熱や鎮痛を図るという とは、原因に対する治療にはならないのですけれども、症状を和らげることによって、 子供の苦痛を一時的にせよ緩和することができ、子供のストレスや家族の負担を軽減す ることにつながると考えられます。  そこで使用されている薬剤の代表的なものがアセトアミノフェンなわけですけれども、 このアセトアミノフェンは小児に対する解熱、鎮痛を目的として、国内外を問わず、最 も広く用いられている薬剤であります。  今回いろいろ調査いたしましたけれども、アセトアミノフェンによって適切な解熱や 鎮痛を図るためには、後に示しますような用法や用量が必要でありまして、実際に我が 国でも多くの小児科医は既に、後で示しますような用法、用量で使用されております。 しかしながら我が国のアセトアミノフェンの多くの剤型の添付文書においては、その内 容が統一されておりません。また製剤によっては小児の用量についての記載がない。あ るいは原則として1日2回と記載されている。あるいは坐剤については1日1回と記載 されております。  臨床の現場においては、必ずしも小児科医が処方するとは限りませんで、子供を診る 医師すべてがアセトアミノフェンを処方する機会があるわけですけれども、現在の添付 文書の記載内容を忠実に守って投与されると、何が起こるかと申しますと、問題点が2 つあると思います。第1点は、現行の記載内容を忠実に守って投与されると、アセトア ミノフェンの十分な薬理学的な効果が得られません。したがって不必要に子供が高熱や 痛みに苦しむということになります。第2点は、製剤により添付文書の記載内容が異な るということによって、臨床の現場に混乱を招く可能性があるという点であります。  以上のことから、アセトアミノフェンについて、その効果や効能、用法・用量を整備 することは、小児の医療のすべての領域では重要でありまして、医療上の必要性が高い と判断いたしました。  それから現在、小児について記載がほとんどされておらない末や錠の製剤についても、 実際には小児に処方されているケースがあります。病院によって小児用の剤型であるド ライシロップであるとか、シロップが採用されていなくて末が採用されているところで すと、小児に対して末を使用しているようなところもございます。したがってそういう 現状もありますので、剤型によらず、すべての小児に対して処方される可能性のある薬 剤に、小児に対する記載が十分されている必要があると考えられます。  それから当初、日本外来小児科学会としては、小児科領域の解熱についてのみ要望を 出したのですけれども、実際に臨床の現場では、小児の痛みに対してもアセトアミノフ ェンが処方されております。また、海外の添付文書や成書においても、解熱と鎮痛の両 方の目的が明記されておりますので、今回は小児科領域の解熱だけではなく、小児科領 域の鎮痛も適応として追加して考え、報告書を作成いたしました。  そこで海外の添付文書の記載内容を主に参考として、教科書や論文の情報を集約して、 適切な使用に向けて「効能・効果」「用法・用量」という情報だけでなくて、使用上の 注意に当たるようなところの記載も整備されるのが適当と考えております。  2ページに移りまして、次に小児医療を行うに当たりアセトアミノフェンに関して必 要と考えることについて述べさせていただきます。大きく分けて次の3点に分けて説明 いたします。第1点は、効能・効果、用法・用量をこのように提示させていただきます。 効能・効果については小児科領域における解熱及び鎮痛とする。用法・用量においては、 すべての剤型において通常小児にアセトアミノフェンとして、体重1kgあたり1回10 〜15mgを使用する。使用間隔は4〜6時間以上とし、1日総量として60mg/kg を限度とする。これをまず第1点として提案いたします。  第2点は「低出生体重児、新生児、3ヵ月未満の乳児に対する使用」に関することな のですが、現行の添付文書上は、使用上の注意の欄には「低出生体重児、新生児及び3 ヵ月未満の乳児に対する使用経験がなく、安全性は確立していない」という記載があり ます。3ヵ月未満の乳児に対して、解熱を目的として安易にアセトアミノフェンを投与 するということは実際しておりませんし、慎むべきことではあるのですが、鎮痛に関し ては乳児あるいは新生児、低出生体重児に対しても、用法が成書には記載されておりま す。ですので、実際に臨床の現場でも使用されていることがあるようですので、少なく ともこの記載の修正が必要なのではないかということを考えております。  第3点はアセトアミノフェンの過量投与による肝障害についてでありますが、この過 量投与による肝障害は非常に重篤であって死に至ることもある。一方で治療を早く行え ば治療が可能であるということから、その過量投与の危険性を十分に注意喚起し、その 対応についても添付文書に十分盛り込む必要があるのではないかということです。  次に文献情報などについて、3のところの御説明をいたします。まず欧米4ヵ国での 承認状況についてなのですが、世界では80ヵ国以上で承認されておるようです。英、 米、独、仏の4ヵ国の添付文書情報を収集する努力をいたしました。しかし英国、米国 につきましては、市販薬に関する情報はインターネットを通じて入手はできたのですが、 添付文書情報というのはどうも入手が困難でありました。そこでここにはフランスとド イツの添付文書情報を示しておりますが、英国、米国に関しては、添付文書自体の情報 は書かれておりません。  どの国においても発熱と軽度から中等度の疼痛の一時的な緩和というような適応にな っているかと思います。用法・用量については国による違いが多少ありますけれども、 おおよそ1回の投与量は10mg/kg〜15mg/kg。間隔に関しても4時間ない し6時間、あるいは4時間〜8時間空けてというような記載になっております。フラン スとドイツに関しましては、1日の上限が設定されておりまして、60mg/kgを基 本としながら、それを超えて投与するときには、治療効果が不十分な場合に限るという 使用上の注意が書いてあるのはフランスです。外国での承認状況はこういう状況でござ います。  次に4ページのところで、無作為化比較試験や薬物動態試験、Peer−revie w journal等の報告状況をまとめたものの御説明をいたします。有効性、安全 性に関することなのですが、まず発熱に対する有効性、安全性に関することでは、コク ランレビューがありました。そこでは熱性痙攣のリスクに対するエビデンスはないとい うことが書いてあって、そこに追加のコメントとして「アセトアミノフェンの解熱効果 に対しては、十分な結論づけはされていない」とされているのですけれども、それぞれ 何をもって解熱で有効とするかというアウトカムがそれぞれ論文によって違うので、ま とめて評価できないということが限界としてあったようで、「それ自体はアセトアミノ フェンの解熱の有効性を否定するものではない」というふうに書かれておりました。一 方、安全性についてもプラセボとの比較であるとか、スポンジで冷却するのとの比較で、 優意差がないというような報告があります。  その他鎮痛についてはまだ情報収集中でありますが、1つあるのは小児の片頭痛に対 するアセトアミノフェンとイブプロフェンの有効性を証明した試験がありました。それ から低出生体重児や新生児に対する投与に関する論文がいくつかあるのですけれども、 早産児においては半減期が延長している。これは鎮痛に関して投与しているものですけ れども、半減期の延長であるとか、あるいは経直腸投与をした場合に、吸収が不十分で 有効血中濃度が上がりづらいというような内容の論文があります。  一方、国内の文献では、それぞれ十数例の使用報告がありまして、およそ3〜4時間 で効果が最大であって、その効果が4時間〜6時間持続したというような、そういう報 告を幾つかここに示しております。また、この論文の整理が不十分ですので、全体を示 しているものではありませんけれども、最終の報告書ではもう少ししっかりした形でお 示ししたいと思います。  次に教科書等への記載状況ですけれども、外国の教科書が多くて、日本のものは1つ だけしか示しておりませんが、外国で使われている標準的な教科書では、この1番のと ころに書いたNelsonの教科書の記載をまず説明させていただきますと、ここでは 発熱に対する治療と鎮痛に対する治療が、別の項目として書かれておりました。発熱に 対す治療としては、乳児及び12歳未満の小児には1回10〜15mg/kgを4〜6 時間ごとに使用。12歳以上の小児と成人については、別にこう書かれております。た だし書きとしては、小児では1日に5回を超えて使用しないことというふうに書いてあ ります。  一方、鎮痛に対する用法・用量が表になって記載されている部分がありまして、こち らについては特に経直腸投与における用量設定が多めになっております。教科書にはこ のように書かれておりました。  ほかの幾つかの教科書でも同じような記載にはなっておりますが、新生児に関しては、 5)のところにAveryの教科書の記載を少し抜き書きしております。新生児ではク リアランス時間が遅いということ。それから経直腸からの吸収が低下していることから、 投与間隔の延長と、それから坐剤においては投与量の増量が必要であるというようなこ とが書かれていて、それぞれ用量設定がされておりますが、新生児科の教科書では鎮痛 に対する使用では、早産児から新生児まで、それぞれ用量設定がありました。  日本の教科書については6番のところに「小児薬物療法ハンドブック」という、吉田 一郎先生がお書きになった本からの抜粋があります。ここでは今回提示した用法・用量 にほぼ同じようなことが書かれております。1回に10〜15mg/kgということで、 10mg/kgの投与量ですと、1度以上の解熱効果が約4時間持続すると。したがっ て投与間隔は4〜6時間が望ましいのではないかと書かれております。一方、その後半 の部分で、副作用の中で低体温ということが書かれておりますが、ほかの非ステロイド 系抗炎症薬の治療児と比べると、重篤感がないというコメントがあります。以上が教科 書に関する記載のまとめです。  7ページの下の5のところですけれども、ガイドラインやあるいは学会のコメントと いうことで、1996年の日本小児科学会薬事委員会のコメントを抜き書きしてまいり ました。そこでの内容は大きく2点に分けられまして、第1点は小児用解熱薬の適応が、 急性上気道炎のみに限定されているのだけれども、その適応範囲を限定する理由が不明 であって、もっと広く使われている現状があるということ。それから第2点は使用回数 のことなのですが、臨床薬理学的な立場から半減期を考慮すると、投与間隔は6時間ご とに4回、ないし4時間ごとに6回というのが一般的であろうが、我が国の添付文書上 の使用方法が欧米の一般的な見解とは異なっているという点です。これはさっきもお示 しした点と同じような内容だと思います。  あと8ページの4のところに移らせていただきますが、国内での使用実態に関してで すけれども、国内の論文に関してはまだいろいろな論文を調べてまとめている途中であ ります。ただ日本での使用の状況は、海外で使用しているような用法・用量と大きくは 違っていないようだとは思いますが、日本における特徴は、副作用の中で低体温という 記述が散見されるという点で、海外では余り問題になっていないようではあります。  前回の会議においては、「アセトアミノフェンに関して、新たに使用実態調査をする 必要はないのではないか」という議論がされたのですけれども、この点についてまた御 意見をいただきたいと思いますが、現在の小児科医が処方するようなスタイルは、頓用 で5回分とか10回分というような処方ですので、処方箋の調査をしても、使用実態が 明らかにならないという点がございます。  家庭における使用実態が明確にならないという点で、処方実態調査というのが必ずし も有効にならないかと思うということと、それから一方では、日本中の小児科医がこの 薬品を日常的に使用しておりますので、既存の国内論文のまとめをして、あとこの席上 での委員の先生方の御意見の議論をまとめることで、使用実態に関しては十分な報告に なるかと考えておりますが、その点に関して後ほど御意見をいただければと思います。  続けて5番のところですが、有効性の総合評価ですけれども、先ほどお示しした用 法・用量の設定で、海外の添付文書の記載であるとか教科書、国内外の論文の記載から 総合的に判断すると、有効性に関しては問題なかろうと判断いたしました。  次に6番の安全性に関する点ですけれども、今回調べた文献の範囲内では、特にアセ トアミノフェンの副作用が成人に比べて小児で多い、あるいは小児で重いというような、 そういう報告はありません。ですので、教科書でも安全性が高い薬剤であるというふう に考えられております。  それから特に吉田一郎先生の小児薬物療法ハンドブックでは、肝障害のことを懸念し て、1日の投与回数の制限、1日総量60mg/kgということを書いていらっしゃい ます。そして日本人で特にアセトアミノフェンによる肝障害が起きやすいというような、 そういうデータもありませんので、海外における総量の設定で日本でも問題なかろうと 判断して、1日総量というのを60mg/kgという設定で、今回報告書に書かせてい ただいております。  ただし、この肝障害が非常に重篤でありますので、アセトアミノフェン中毒に関する 症状や、どういう治療があるのかというようなことに関しては、添付文書の使用上の注 意の欄にでも記載することが必要なのではないかと思っています。  それから国内における論文では、余り海外では載っていないのですけれども、低体温 というものが副作用として懸念されているようですので、今後、もう少しアセトアミノ フェンによる低体温に関する文献があれば、それを報告書の中に反映させていくことを 考えております。  最後に7番で用法・用量の妥当性に関してですけれども、今までお話ししたことや文 献調査の結果などを総合的に判断して、先ほどお示ししました用法・用量で、我が国の 小児に対する用法・用量として妥当であろうと判断いたしました。小児に対して必要と される剤型はすべてそろっておりますが、まだ添付文書の記載が統一されていない面が ありますので、その点の整備が必要であろうと考えています。それから坐剤に関しては、 用法や用量に関して増量すべきである、あるいは坐剤は経口薬よりも減量すべきである というような記載もあります。今の時点では一定の結論が出ているとは言えませんので、 海外の添付文書上でも特に用量を変更しているようなことはありませんし、そういう用 量を坐剤について特別に変更するに十分なエビデンスがあるとは考えられないと判断し て、ほかの剤型と同様ということで提示いたしました。それから新生児や早産児におけ る用量に関しても、使用上の注意に反映できるほどのエビデンスが示せるかどうか報告 書をまとめているところです。駆け足になりましたが、以上で中間サマリーに関しての 御説明とさせていただきます。ありがとうございました。 ○藤村座長代理  どうも関口先生、本当にありがとうございました。随分お時間をとっていただいて検 討いただいたようで、本当に御苦労さまです。これから今の提示いただきましたレポー トについて、先生方に御意見いただいていきたいのですけれども、まとめる方向としま して、やはりまずいくつか関口先生御自身から、まとめに当たってはこういう点がまだ 検討が要るとか、皆さん方の御意見を伺いたいという問題提起が、ずっとお話の中であ りましたが、今日このレポートをまとめてしまうということではなくて、むしろこのま とめていただいている御苦労の過程で一番ポイントになる、皆さんがまとめ方のコンセ ンサス、方法をちょっと議論したいということが、きょう御発表いただいた中心だと思 います。  要するに最初の方でエビデンスとなり得る公表論文ですね。コクラン等も出ましたし、 教科書もいろいろ引用いただきました。これがどういうものを対象として検討を進めれ ばよいのか。結果的にはレポートとして関口先生はこうしてお書きいただいているわけ ですが、そのレポートの書き方、さらに資料の取り上げ方といろいろ問題が出てくるの ではないかと思う。このような疑問が既にもう皆さんの中におありかと思いますので、 1点その点を最初に議論していただきたいと思っているのです。  あと、大きな点としては、国内の処方実態調査。これも後で一度議論いただきたいと 思っていますが、まずエビデンスに関する御議論が必要かと思います。アセトアミノフ ェンを具体的に今御検討いただきました点につきましては、関口先生、まずお考えをち ょっと伺いたいのですが、エビデンスとなりうる公表論文、教科書、これらをいろいろ 御検討いただいていますが、どういうものが対象となり得るのか。またそれらを用いら れて、きょうレポートを書いていただいていますが、どういうふうにして一定のレポー トに反映する基準といいますか、材料の用い方あるいは書き方といろいろあると思うの ですけれども、先生、その点はいろいろ御苦労されていると思いますので、まずエビデ ンスをどのように使われてまとめられてきたか。この辺について御提案も含めて、お考 えを伺えればと思うのです。 ○関口参考人  まず率直に申し上げますと、エビデンスレベルをどの辺に設定をして、どういう方法 で論文を選んでよいかという方策が、自分の中ではどこまでやればいいのかわからなか ったというのが正直なところです。ですので、PubMedであるとかコクランレビュ ーである程度キーワードを入れて検索した中から、こういうのがふさわしいのだろうと 思われるものを選んできわけですけれども、その選ぶに当たってどのようにどこまで選 ぶのかという具体的な方法が明確に示されておりませんでしたし、私もこういう作業に 慣れておりませんでしたので、その点が一番迷った点でございます。 ○藤村座長代理  ありがとうございます。非常に悩ましいことをそのままストレートに問題として出て きたようですが、この点についてぜひ先生方、きょうの検討会の重要なポイントと思い ますので、ディスカッションをお願いしたいと思います。ちょっと御意見をお願いした いのですが、その前に必ずお手元のマイクロホンを使ってお考えを述べていただければ と思います。 ○五十嵐委員  東京大学の五十嵐ですが、大変立派な中間報告でいいものをつくっていただいてあり がとうございました。論文の選択に関しては、これはもうプロスペクティブであるとい うこととコントロールスタディーであることと、ケースの数が十分であるということ。 この3つがなければやはり評価に値しませんので、基本的に科学論文としてふさわしい ものというのを選んでいただければいいのじゃないかと思います。それからもう1つ。 用法・用量に関する添付文書につきましては、厚生労働省かあるいは医薬品医療機器総 合機構にお願いしたら、入手はできないのでしょうか。今回に限りますと、米国、英国 のものが入手できなかったということなのだそうですけれども、そんなに難しいことな のでしょうか。 ○事務局  もし先生方、見つかりがたいというようなお話がございますれば、私どもも一緒に探 す努力はしたいと思っております。 ○藤村座長代理  ほかにございますか。どうぞ。 ○中村委員  今回の関口先生の報告書作成のところで、最後の数週間、一緒に作業をさせていただ いたのですけれども、やはり文献検索のところをきちっとやって、どんな論文があるか というのを網羅的に見ておかないと、後で報告書に抜けが出て、それを指摘されるとい うことになると非常に困るという点はあると思いました。  アセトアミノフェンについてはコクランレビューで発熱に対するところ、ちょっとこ のレビューの仕方は必ずしも好きではないのですけれど、個々の論文を見ると、おおむ ね有効と言っているものが多い。無効というものについて、その内容をちょっと確認す る作業を今しているということ。それから鎮痛についても、一部コクランではありませ んけれども、コクランで今メタアナリシスが進行しているものが1つ、まだ結論がわか らないもの。それからそれ以外にもメタアナリシスがありまして、そこ辺りをやはり中 心に、それからそれが取り上げている論文という形で、場合によっては探っていくとい うやり方が、一番早いのかなと。  アセトアミノフェンの場合には幸い山のように、むしろ山のように比較試験があって、 それのどれをどう取り上げていいのかがわかりにくい面はあるかと思いますが、海外で 承認されているということがありますので、海外の承認状況をベースに、それが本当に 妥当かどうかを文献的に肉付けしていくというふうな形かなとちょっと感じながら、今 一緒に作業をさせていただきました。  ちょっとほかの先生方がどういったふうにやられているのかなというので、例えばフ レカイニドは剤型が2種類でしたか。錠剤と注射剤があって、これは多分適応が海外で も剤型間で違うというふうな状況だと思うのですけれども、そこあたりは現状でどうい うアプローチなり苦労なりされているのかなと、非常に気になってはいるのです。 ○中川委員  滋賀医大の中川です。フレカイニドの話が出ましたので、小児循環器学会の分野を担 当しておりますので、今の中村委員のコメントに対して少しお答えをさせていただきま す。海外で承認されているのは剤型としましては錠剤だけで、静注剤はどこも承認され ていないわけです。国内のガイドラインを見ましたら、一応両方書いてあって、実際、 国内でも使われているのですけれど、まずはこの検討会の趣旨にのっとって動くのであ れば、海外で承認されているという剤型で錠剤から入り、その上で使用実態調査などを 行った上で静注製剤まで持っていきたい、そういうスキームを考えております。  今回のアセトアミノフェンと私どものフレカイニドは、報告書の書き方も具体的に異 なってくる点がたくさんありまして、そういう意味では戸惑っている点もあるわけです。 1つアセトアミノフェンに対して僕自身の素朴な疑問なのですが、鎮痛、発熱に対する 効果といっても、対象疾患によってコクランレビューの内容も変わってくるのではない かなというふうに思うわけですね。その辺を疾患ごとに分けてしまいますと、この適応 についてもまた変わってきますので、どのように、多分これは関口先生はかなり苦労さ れたと思うのですけれども、考えておられたのかなというのが素朴な疑問としてあるの ですが、いかがでしょうか。 ○藤村座長代理  関口さん、今の点いかがですか。 ○関口参考人  今のところまだ調査中なので、最終的なというか、結論は申し上げられないのですが、 海外においては適応は発熱及び鎮痛となっていて、それぞれの疾患の違いによる鎮痛効 果に関しては、余り個別に書かれていないというのが現状ですね。それでコクランレビ ューに関して言うと、例えば術後の疼痛であるとか、あるいは偏頭痛の疼痛に対する効 果であるとか、そういう幾つかの個別なものをもって鎮痛に効果があるということを示 して、全体として鎮痛効果というふうに話を持っていければと、今は考えております。 今はそういう状況です。 ○中川委員  要するにエビデンスとしていろいろな文献を挙げたときに、上気道炎に対しては非常 に有効であったけれども、膠原病に対しては余り効果がないという話が出てきた場合、 どういう取捨選択をしていくかという問題がちょっと気になります。 ○関口参考人  おそらく抗不整脈薬と解熱鎮痛薬というのは扱いが違うといいますか、解熱鎮痛薬と いうのは要するに痛みのレベルに対して、海外での切り分けは「軽度あるいは軽度から 中等度の痛みに対して効果がある」という切り分けになっているので、それ以上の何が 原因というふうな扱いはしていないということだと思います。なので、ちょっと例えば 抗不整脈になると、今度はメカニズム的な問題が一個一個違うだろうという話になりま すから、同じようには扱えないだろうと。  アセトアミノフェンの場合に、むしろ海外の論文では術後の疼痛であるとか、咽頭痛 であるとか、中耳炎の痛みであるとか、痛みについていろいろな論文は比較試験の結果 はあるみたいですけれども、おおむね多分ひどい痛みに対しては効かないし、軽度から 中等度の痛みに対しては効くというふうなところだと思いますので、それは多分鎮痛の メカニズムとしては同じようにどんな痛みに対しても効いていて、ある程度の閾値を超 えた痛みには効かないと、そういう説明になるのだと思うのです。 ○藤村座長代理  今痛みの話が出てきていますが、解熱という主たる1つの適応の話をしながら、同時 に痛みというのを進めるのはなかなか難しい面も出てきますね。ですからこのアセトア ミノフェンは最初に仕上げるために、解熱ということでしっかりと今議論になっている エビデンスとかそういうことをした上で、鎮痛も同時に同じ手法でいけるかどうかとい うのを検討するのも1つの方法ですね。  関口先生、やっておられて、今適応が解熱であったのが鎮痛もと、最初の方でおっし ゃいましたよね。適応があるのでと。その辺で鎮痛のこともレポートでちょっと触れら れてきたと思うのです。解熱と鎮痛は正面から別々に検討されているのか、一緒にされ ているのか。一緒にされるのは難しいと思うのですけれども、その問題も今の議論では 出てきていると思うのですけれども、何かその辺で困られたことというのはなかったで しょうか。 ○関口参考人  当初は解熱だけで行くつもりでおりましたが、一緒に報告書を作成していく段階で、 一緒に作業している仲間の先生から、「いや、でも実際アセトアミノフェンは鎮痛にも 広く使っているじゃないか。だけれども小児医療における鎮痛というのは、今は適応に 入っていないので、同じように作業を進めていけばいいのじゃないか」ということにな って、今は鎮痛と解熱と両方入れた報告にしています。実際、発熱と鎮痛を別々に取り 扱っても、報告書としてはうまく、それは私の書き方次第なのでしょうけれど、うまく 整理すれば、報告書としてはきちんとつくれそうな印象は持っております。 ○藤村座長代理  ありがとうございます。ほかに別な観点からもいろいろ御意見があると思いますので、 まずエビデンス、教科書の扱い。先ほど外国の添付文書の問題も出ていますが、中村先 生がちらっとおっしゃったのは外国の添付文書を承認するときのエビデンス、向こうの 承認文書を取るという意味ですね。添付文書そのものは取るとしても、その根拠となっ た承認のデータ。 ○中村委員  それがもし手に入ればそれが一番よくて、最近の薬は論文としてそれがあるのですけ れども、古い薬になると、例えば今医師主導治験で私たちがやっていたフェンタニルも、 もともとの承認申請のデータが60年代の情報だったので、結局、ほとんどちゃんと出 てこないということもありますので、これが国内での承認申請関係の情報はある程度手 に入るのですかね。 ○川原審査管理課長  おそらくこのアセトアミノフェンは全体的にはかなり古い薬でございますし、先ほど お話がございましたアセトアミノフェンのシロップの方は、小児科領域の解熱というこ とで、解熱の効能だけでございます。錠剤とか顆粒の方は、痛みの方と上気道炎の解 熱・鎮痛ということで2つ、先ほど来、御議論になっています2つの適応を持っている のですけれども、これはかなり古いもので、いろいろの再評価とかそういう中で、痛み については個別の疾患の痛みについて一応見ておられるのだろうと思いますので、その 上で子供に使った場合に、問題がないかどうかというところを、先ほど関口先生からま とめていただいて発表いただきましたけれども、ああいう形で説明ができれば、十分耐 えられる評価ということになるのではないかと思います。 ○藤村座長代理  ここらあたりが非常にこの会議の難しいところでして、結局「どの線あたりできちっ と判断できるか」というのを、皆さんのお知恵を伺いたいわけで、特にこのように日本 中で広く使われ、一般的にいろいろな適応といいますか、対象疾患で使われているとい うこと。いい検討材料だとは思うのですね。何か御意見はございませんでしょうか。 ○伊藤委員  香川大学小児科の伊藤ですけれども、エビデンスに関しては、それは外国からの情報 ですと、非常に有用なのがたくさんできて、その1つ1つの論文についてエビデンスレ ベルをつければいいと思うのです。ただ、日本の国内の情報で行きますと、症例とかそ ういうものしかほとんどないという。それが一番書きづらいところです。ただ、この薬 のいいところは、普通は代謝経路を見て、それにかわる薬物代謝系の酵素をやっぱり見 ながら、外国の試験があるかどうかというのを検討するのですけれども、これはやはり 一般に使われていますから、副作用情報から拾えば、今までの蓄積がかなり副作用に関 しては、そういうものであるのではないかなと思うのですね。だからそういう点から言 ったら、これだけ広く使われている薬に関しては、そういうものの問題はそこまで細か くやる必要はないと思います。  私の関係しているアシクロビルや何かは、本当にそんなには使われていないものです から、やはりそこら辺を押さえないといけないという点はあると思っています。だから 国内情報をどうやって使うかというのが一番やはり。もう非常にどのように使ったらい いのでしょう。 ○宮坂委員  長野こども病院の宮坂です。2つあるのですけれども、1つは麻酔科の領域ではアセ トアミノフェンは解熱剤ではなくて、鎮痛薬として使われていますので、むしろ鎮痛薬 としての作用を取り上げていただけるのがいいかなと思いました。2点目なのですけれ ども、特に肝障害との関係で、やっぱり日本人に使っているということで、アジアの副 作用情報を集めるか入れるというのはどうなのでしょうか。見たところ、日本国内に比 較的クリアなエビデンスがないことから、欧米の明確なものだけを集めている感じがす るのですが。 ○橋本委員  私は統計が専門なので、少し観点が違うのかもしれないのですが、まず1つは、エビ デンスと使用実態を明確に分けて考えるというのは基本だろうと思うのですね。だから エビデンスについては、先ほど五十嵐先生から御指摘のように、基本的にはサイエンテ ィフィックな論文と、それからここに挙げられているようなものだということだと思う のですが、使用実態については、調査を行う、行わないにかかわらず、どういう使用が 行われているのかというのを、かなり意識的に収集して記述することになるのだろうと いうふうに思います。  それでこのアセトアミノフェンという薬の特徴なのかもしれないのですが、非常に膨 大なエビデンスがあると。特に昔から使われている薬の場合は、昔から非常に多くのエ ビデンスがあるということが、まとめる上での非常に大きな障害になる。そのときに一 番のポイントは、網羅性をどの程度重視するかということだと思うのですね。このレビ ューとして、今回の話とは全く別にして、システマティックレビューをつくるというの であれば、それは完璧な網羅性が要請されるであろう。一方、今回の主要な目的は、有 効性・安全性、用法・用量等について明確なエビデンスを示して、さらにそれに加えて それを評価する。その評価を通してあるレコメンデーションを出す。そういうところに 主要な点があるわけですから、その意味では余り極端な網羅性に走らないで、専門的に 見て主要なものを落とすということはもちろん困るのですけれども、ある程度そういう ところに絞っていった方が、むしろ現実的なものが、あるいは読みやすいものが、ある いは情報提供するにしても、わかりやすいものが出てくるような気がしているのですが。 ○藤村座長代理  ありがとうございました。どうぞ、中村先生。 ○中村委員  橋本先生に御指摘いただいたとおりかと思いまして、先ほど実は関口先生と話をして いたのですけれども、幸いいくつかシステマティックレビューあるいはメタアナリシス 的なものがあって、それでもうほぼn数が多くてちゃんと評価された論文は出尽くして いて、それの評価もされている。あとは最近ここ数年の論文が、どういったものがある かの確認をすれば十分だろうと。ただ、ちょっとこのコクランのレビュー自体が、評価 ができないような書き方がされているので、少し内容について見て、実際に、いや、解 熱効果はあるのだと。今慌てて眺めてみたのですけれども、プラセボと差がないとする ような論文も1、2あるので、そういった論文について一応内容を確認して、その評価 を試みるという程度でいいのかなというふうに思っています。  抗がん剤の併用療法の検討委員会の資料が、今でもホームページで落とせますし、も しあれば見ていただければと思うのですけれども、あれの場合には、むしろランダマイ ズのコントロールトライアルですね。真っ向勝負の比較試験のデータを重視した形にな っています。  今回の小児の場合というのは、やはり英米独仏での承認内容にあって、それを日本に 持ってくるのであれば、それをベースに海外の添付文書の書き方が今でも妥当であるか。 それから国内で同じように使われているかというあたりを、理論的に構築せざるを得な いだろうと思います。となると、もし海外の添付文書にないものを持ってこようと思っ たら、その部分についてはやはりそれなりにきちんとした科学的評価がされていないと 厳しいと。それは理想的にはやはりランダマイズコントロールトライアルで評価されて いる。  あるいは例えばですけれども、成人ではそういった適応があって、薬物動態、ICH のイレブンに書いてありますけれども、成人と小児で十分に同じ薬理学的な効果が考え られる。しかも薬物動態の方はしっかり評価されて、その投与量でいくと成人と同じよ うな血中濃度の移行があるとか、そこあたりまできちっと詰められないと、なかなか海 外の添付文書にないものを、新しく日本の適応としてポンと入れるのは、おそらく規制 当局側としても相当抵抗を感じるだろうなというふうに思っています。 ○事務局  もしよろしければ、今、抗がん剤併用療法のお話が中村先生から出たので、その抗が ん剤併用療法のレポートの例をお手元に配付させていただきながら、どのようなまとめ 方をしているか、御参考にしていただければと思います。また、お手元の資料6−2で ございますけれども、報告書についてどういう点に注意してついて書くべきかというこ とを、粗々でございますけれども、先生方と一部御相談させていただきながら、こんな ようなものも準備しておりますので、御議論の一助になればと思います。 ○藤村座長代理  村山先生から先に挙手がありましたので、御発言いただいてから、只今の御説明をい ただけますか。 ○村山委員  ちょっと観点がずれてしまうかもしれないのですが、アセトアミノフェンの解熱と鎮 痛ということなのですけれども、私たち薬剤師が処方をお受けしまして、アセトアミノ フェンが出る場合に、やはり頓用が圧倒的に多いのですね。そして今痛みの内容を考え ますと、慢性的な痛みなのか急性の痛みなのかによっても変わると思うのですね。特に 若年性のリウマチ等の痛みの場合には、連続して毎日使うというケースがふえてくるか と思います。ですから、そういったときの使い方の薬の海外でのエビデンスがあるかと か、ちょっと細かく分類する必要があるのかなということを思いました。  それから頓用で使うときの使い方についても、よく患者さんの方から御質問があって、 「1回飲んでから、熱が下がらない場合あるいは痛みが引かない場合には、どのくらい 後で使ったらよろしいでしょうか?」という、そういう御質問をよくお受けするのです けれども、そうすると半減期から4〜6時間ぐらいたってという、そういう答えになっ てくるのですね。そしてそういうものは多分たくさんのエビデンスがあると思いますの で、頓用についてはほぼ問題なくエビデンスが集まってくるかと思います。  ただ、先ほど申しましたように慢性的な痛みについて、アセトアミノフェンがどうい うふうに使われるのがいいのか。このエビデンスを集めるのがまた大変かなというふう に考えた次第です。そしてどうしても頓用での実態調査が必要であれば、今の病院には 薬剤師が病棟で仕事をしていますので、そこからエビデンスの実態調査が少しできるか なというふうにも思いますので、手がないわけではないということでございます。海外 では連投されるケースがままあると思いますので、そちらのデータと我が国での使い方 と比較して、最もよい使われ方を検討するということで、それもいいのかなと思うので すが。 ○中村委員  実際に調査の準備というものを7品目についてウェブベースでやったり各先生方に話 を聞いて、とにかく使用実態調査というのは結構先生方大変なので、しなくて済む調査 は極力しない方がいいだろうというのが、1つの感想といいますか、多分そうしないと 先生方は2品目目以上はされないのじゃないかなという、そういう現実問題があります。  それから使用実態調査の一番の理由は、おそらく海外の添付文書に書いてある、海外 の教科書にも書いてあるけれども、国内で本当に同じ用量で同じ適応に使っているかと いうことが確認されていないと、海外の情報をそのまま日本に持ってきていいかどうか わからない。その国内の事情をもうちょっと調べないといけないのですけれども、少な くとも薬物動態のデータだけでも数十例のデータがありますし、あとはどの先生方も 「通常こういった量で使っている」ということは、もう大体アンケート調査なり、ある いはこの会場におられる先生方にお聞きしてもわかるわけですから、ここまでフレキシ ブルなものについてそこまで今さら調べるのは、そのスタンダードをほかの薬に生かす ともっと大変になるだろうなと思っています。  やらなくて済むものは極力やらないということと、あと痛みに対する慢性投与につい ては、例えば「超低出生体重児だとプロキロ20mgぐらい要るのではないか」といっ た論文もありますが、それはまだ論文レベルであるというのが1点と、あとどうしても 肝障害の問題がありますので、これが最近のニューイングランドジャーナルのレビュー だと、プロキロ100mgですか90mgですかぐらいまでいいと大胆なことが書いて ありますが、実際に慢性投与といいますか、連投による肝障害の過去の論文を見ますと、 プロキロ60mgくらいからは報告があるのですね。おそらくこれはカルバマゼピンがい っているとか、リファンピシンがいっているとか、発熱が長くてグルタチオンが枯渇し ているとか理由があると思うのですけれど、そういったものを総合的に考えると、やは り原則としてという言葉を入れるかどうかは別として、最高用量60mg/kgという、 海外でも添付文書にもそう書いてあることもあり、それを60mg/kgより上にする というのはかなり勇気が要ることだろうなと思います。それ以上のことについては、現 状で文献調査をしても、そこの細かい、では何mgでいいのだという情報はないという ふうに認識しています。 ○村山委員  今中村先生の方からおっしゃっていただいたように、つまり連投した場合の肝障害が どのくらい起きているのかということを確認していけば、私も全く同じ意見なのですね。 ただ、日本での実態もある程度わかった方がいいのかなと。調査ではなくて、大体の数 字はわかっていた方がいいのかなという気がしたものですから。以上です。 ○藤村座長代理  ありがとうございます。ちょっとアセトアミノフェン各論は、今日はこれまでにさせ ていただきまして、事務局から考え方の1つの例で資料を配付いただきました。これを 簡単に御説明いただけますか。 ○事務局  ありがとうございます。お手元に「抗がん剤報告書:塩酸ドキソルビシン(小児)」 というものを、先生方に配らせていただきました。これはどういうものかと申しますと、 昨年の3月ぐらいまで抗がん剤併用療法検討会が開催されておりまして、既に日本国内 で承認されている抗がん剤につきまして、医療現場で一般的にそれが併用で使われてい るという実態と、承認されている効能・効果、用法・用量の乖離をいかに埋めていくか ということで、やはり専門の先生にお集まりいただきながら、諸外国あるいは日本のエ ビデンスを収集していただき、レポートとしてまとめていただくといったようなことを 行っております。  そのときに先生方に集めていただいたその資料であるとか、まとめ方ということの1 つの参考になろうかと思いまして、本日急遽で恐縮ですけれども、1例を配らせていた だきました。  また、前回、この抗がん剤の報告書を1つの考え方として、どういう方法で小児のこ のレポートを書いていただくかといったお話で、ひな型のようなものをお示しをしたわ けですけれども、それだけですとやはり本日の議論のとおりに、なかなかどういう点を 注意していいのかといったような疑問も出てくるということで、1つ小児の薬物に関し まして、報告書を書くに当たって、「こんな点を注意したらどうだろうか」ということ で、資料6−2といたしまして1案を考えております。  まず前段部分でやはり小児の関係で、医療上の必要性であるとか、我が国で特に必要 と考えられる具体的な処方について御説明いただきながら、文献情報として諸外国の状 況とか、無作為化比較試験の状況であるとか、国内での使用実態、有効性の総合評価、 安全性の総合評価、用法・用量の妥当性、追加的な国内使用実態調査の必要性などにつ いて、レポートとしておまとめいただくのはいかがかというふうに考えております。以 上です。 ○藤村座長代理  ありがとうございました。抗がん剤併用療法の報告書の方はこれはかなり膨大な文献 調査ですので、このようなスタイルでどの程度の広がり、範囲、深さで検討されたかと いう1つの例と御理解いただいて、見ていただきます。それから資料6−2については 今御紹介ありましたように、1つの提案ですね。これも1つずつ項目を検討するのは、 今日は時間がないと思いますが、これをどのように生かしていくかというのは、あとの 御提案ともちょっと関係してくると思いますので、一応事務局としてはこのような進め 方をしたらどうかという、1つの資料であり御提案だと伺っておきたいと思いますが、 大体関口先生が検討いただいたような流れでありますけれども、それぞれどのような広 がり、深さで検討したらいいかという御提案があります。  例えば関口先生、資料6−2をごらんになって、ずっとやってこられたのから見て、 何かコメントいただけますか。今配られたばかりなので、すぐには申しわけないですけ れど。 ○関口参考人  具体的に何をすればよいのかというのが、この資料を見るとわかりやすいというか、 書きやすいなと思います。この資料を見ますと、例えば文献の検索の方法を明示すると か、どういうふうな用語で検索をしたかという検索式をはっきり書きましょうというよ うなことが書いてありますので、そうすると論文の検索の仕方やあるいは検索した結果 の書き方などが、よりやりやすくなるかとは思っております。 ○藤村座長代理  ありがとうございます。それではこのエビデンスの話は締めくくりたいと思いますが、 今事務局から御提案のありましたものも含めて、今後御参考に進めていただきたいと思 います。これにつきましてさらに御発言はございますでしょうか。個別のこういうレポ ートを書くときに、今のエビデンスレベルで。教科書の話が全然出ていないのですが、 非常に難しいと思うのですが、何か御意見は。どうぞ。 ○伊藤委員  香川大学医学部小児科の伊藤ですけれども、文献検索して要するに検索式を入れて出 しますね。そうすると表題が出ますね。そして表題を見て大体これが有用かどうか判断 して、それで読むわけなのです。だからその場合にこれ全部を出してみて、文献を手に 入れてやるのは至難の業なのですね。表題で判断して、一応はそういう検索式で入れた 表題だけを出していくというのはどうなのでしよう。そこだけ入れていくという。そこ で見逃した場合は、新たに考え直すというふうぐらいしか、ちょっとやれないのではな いか。 ○中村委員  今配られたドキソルビシンの報告書だと、例えば8ページの一番上にありますけれど も、がんの場合PubMedを使っていますが、そこで例えばReview、Rand omized Controlled Trial等々で、キーワードとしてchem otherapyで検索した。その中で報告書の主旨に関係がない、もしくは関係が薄 い論文は選択せず、症例数が多い論文や特に重要と思われる論文を重点的に抽出したと いうことですから、実質上、今先生がおっしゃったのと同じことだと思います。実際に 関口先生と論文を見た際、例えばアセトアミノフェンとペインというのを、小児の年齢 でみた中で、プラセボ対照だと考えられる論文を抽出する。 ○伊藤委員  だからそれは表題で判断しますすね。 ○中村委員  そうです。それは表題で。 ○伊藤委員  判断して、それでだからその検索式で入れたところを全部出てきたのを入れておいた 方がいいかなという。 ○中村委員  いや。それをすると、アセトアミノフェンの場合、多分Reviewだけで200と か書かないといけないと思います。 ○伊藤委員  表題だけ入れていくというのは。 ○中村委員  いや、その必要はないと思うのですけれど。 ○伊藤委員  それはしなくてもいい。私の方は少ないから別にあれですけれども。 ○中村委員  ただ、むしろ論文情報として、ここの報告書にも書いてありますけれども、何例に対 してどういった群の比較を行った。何例のどういった症例ですね。例えば中等度の何と かという病気の症状の重さとか、そういう臨床試験の内容を評価できる情報というのは ある程度盛り込まれていないと、単に誰々が行った比較試験で有効性が示されたという だけでは、それがどの程度有効だったのかがわからないと思うのですね。  大体「何%:何%で優意差があった」とか、少し具体的な情報がやはり、この抗がん 剤の併用療法の報告書がちょっと長く見えるのは、いろいろな疾患を全部網羅して書い てあるからで、特定の疾患についてその代表的な、がんの場合は割と代表的な比較試験 というのが大抵ありますので、ピボタル、願わくはそういう論文を上手に引用すれば、 さほど長い報告書でなくて済む。 ○伊藤委員  それは最初のこれの要するに品目を提出するときに、その形で出せと中村先生の方か ら提示があったから、そのように出したはずなのですよ。 ○中村委員  あれは研究班の報告書ですので、あの内容をコピーペーストで流し込んで、もしそれ がきちっと書いてあるのであればそれを。この報告書は最終的にこの検討会で確定され れば、それは公文書になりますから、それをもってこれは審査のもとになる資料になる ということですよね。 ○川原課長  はい。前回も御質問がありまして、こちらの方から説明させていただきましたが、こ の報告書がまとまりますと、これをもとに企業側の方に一部変更承認申請を求めること もあるということになりますし、その前に、薬事食品衛生審議会で事前評価も行うとい うこともあります。ただ、その網羅性という点につきましては、今先生方に御議論いた だいているところで、先ほど橋本先生もおっしゃいましたけれども、そういったところ でやるのが実際的ではないかというふうに考えております。アセトアミノフェンに限っ てということになるかもしれませんけれども、比較的最近のそんなに論文もないだろう というものは、かなり網羅性を高めてもいいのだろうと思います。 ○藤村座長代理  それぞれの薬で多分今議論されている内容も、かなり違ってくるような感じがしてい るのですが、やはり具体的に進めるためには、このアセトアミノフェンひとつにしまし ても、さらにきょうの御議論も踏まえて、ほかの検討のテンプレートになるような、そ ういうものに仕上げていっていただきたいとは思っております。  この薬について次に1つ問題提起がありましたのが、使用実態調査の是非というか、 要否の点についても少し議論をしていただこうと思っておりますので、国内処方実態調 査について関口先生は、まずこれをどういうふうに。先ほどもちょっと問題提起をされ たのをもう一度、必要かどうかを含めて先生のお考えを御発言いただけますか。 ○関口参考人  国内の文献をもう少し網羅的に検索をして、それを報告書としてまとめるということ と、あとそれを提示したときに、ここの委員の先生方がどう判断してくださるかによっ てなのでしょうけれども、ある程度国内の使用実態が把握できるのではないかと私は感 じておりますが、いかがでしょうか。 ○藤村座長代理  「今すぐ結論は出せないけれども、必ずしも必要ないのじゃないか」ということです が、一般的に今後は、皆さん既にもう御検討を進めていただいていると思いますので、 それぞれ御検討の医薬品の中で、「国内処方実態調査が必要じゃないか」とか、そうい うふうにお考えの向きもあるかもしれませんので、その辺について、もし今お考えが何 かありましたら、ここで。どうぞ。 ○中川委員  酢酸フレカイニドなのですけれども、結局外国でのピアレビューとかがあっても、国 内のピアレビューがありませんで、文献的に見つかるのは症例をまとめた報告であると か、有効性を学会で発表されたものを論文にされているとか、そういうものなのですね。 結局有効であったという分野に重きが置かれた論文ですので、バイアスがかかってしま っている可能性が非常に高い。それである以上は私ども本当の状態を知るには使用実態 調査。国内の情報が必要ということであればそれしかないということで、学会の中でそ ういう方向をこの前決めたところです。  その中で、これは厚生労働省の方にお伺いした方がいいのかもわかりませんけれども、 使用実態調査をやって、なおかつこれがきょう資料7−1に出してもらっています「二 課長通知」に合致しないというようなことが、実際起こってくる可能性があるわけです ね。論文のエビデンスレベルあるいは使用実態調査で、こういうことがあったというこ とを非常に重視していただけるならば、何とかクリアできる可能性はあるのですけれど、 使用実態調査だけではという話になった場合に、私どもはその辺に一抹の不安を抱いて いるわけなのですけれども、これはどのように考えたらよろしいのでしょうか。 ○川原課長  御質問ございましたので、資料7−1のところを御説明させていただきますと、7− 1の具体的には2ページ目になりますけれども、このものは適応外のものですけれども、 (1)外国(本邦と同等の水準にあると求められる承認の制度またはこれに相当する制 度を有している国(例えば、米国)をいう。)において、既に当該効能又は効果等によ り承認され、医療に置ける相当の使用実績があり、その審査当局に対する承認申請に添 付されている資料が入手できる場合。 (2)が外国において当該効能又は効果等により承認され、医療における相当の使用実 績があり、国際的に信頼できる学術雑誌に掲載された科学的根拠となりうる論文又は国 際機関で評価された総説等がある場合。 (3)が公的な研究事業の委託研究等により実施されるなどその実施に係る倫理性、科 学性及び信頼性が確認し得る臨床試験の試験成績がある場合 というようなことになっておりまして、こういう場合には、適応外使用に係る効能・効 果等が医学上公知であると認められる場合になることがあるということでございます。 そういう点で、今先生がおっしゃいましたのは、欧米では承認されているという前提で ございますよね。 ○中川委員  ということであれば、例えばこの1の承認申請時の資料があって、この通知にのっと った企業からの申請があれば、これは本来なら医学薬学上の公知として行けるわけです ね。新たに使用実態調査をやる必要も本来はないわけですね。そうですね。 ○川原課長  はい。実態調査なのか、それともここの(1)、(2)、(3)と先ほどございまし たけれども、(3)のような、いわゆるこれは公的な研究事業の委託研究でございます ので、必ずしも薬事法上の治験ではないということを、これは言外に言っているわけな のですけれども、そういったような学会中心にしたようなそういうものがあれば、そう いったものも活用できますよということも言っておりますが、そういったようなものを 補充する必要があるか。実態調査をやって何がわかるかというところにも関係してくる と思うのですけれども、むしろ単に日本でも使われているし、医療として小児医療をや る上で不可欠だと思われるのであれば、実態をある程度わかっているのであれば、むし ろエビデンスを収集する。国内での症例報告、集積報告みたいなものをかなり活用して、 早く評価をしてしまう方がいいかもしれないという御結論もあるかとは思うのですが、 その辺はいかがでございましょうか。 ○中川委員  要するに私どもが不安だったのは、結局海外でのデータはある程度あるのだけれども 国内のデータがないというところが、非常に土台として不安定なわけで、それを知るに は使用実態調査しかないということなのですけれど、その使用実態調査の内容が、例え ばこの(3)に当てはまるような臨床試験としては、おそらく無理だと思うのですよね。 ですから、どの程度の内容の使用実態調査かというのを、以前に成育医療センターの方 から、これのたたき台みたいなものをいただいたのですけれど、本当にそういう範囲で 十分なのかどうか。  要するに何でこんなことを言うかといいますと、うちの学会の先生方によると、以前 使った症例のカルテの資料をもとに報告書みたいなものを作成しても、それでいいのじ ゃないかという意見が実際に出てきたわけなのですが、それではそれこそバイアスがか かっている可能性があるし、有害事象レベルでの話はできないということで、学会とし ては使用実態調査という方向で動いたわけなのです。だからどのレベルまで使用実態調 査で求められているのかということを、ある意味で決めておいていただきたいなと。お のおのの医薬品によって違うでしょうけれど、使用実態調査をやられる品目がおそらく これから出てくると思うのですけれども、それがどういった位置づけになっているか。 そして内容としてはどの程度のものが要求されるのかということが、ある程度わかった 方がいいのではないかというふうに考えております。 ○川原課長  済みません。私が正確に理解しているかどうかですが、いろいろなケースがあるかと 思うのですが、仮に欧米ではプラセボ対照の例えばランダマイズドRCTがあるとしま す。日本ではないし、これから実施しようと思ってもできないだろうと。ただし実態で はある程度使われていると。ただそのときに、この効能の追加等のエビデンスについて は、海外のデータがかなり使えるであろうと。そして二課長通知で行けるであろうと。 ただそのときに、国内での使用例みたいなものもある程度必要だといったときに、基本 的には特に日本人の子供に使ったときに、副作用の発現率とかそういったものが、高く はないのだといったようなところがある程度はっきりすれば、評価としてはいいのだと。 同じように効いたという論文は個別症例報告としてはあると。心配されているのは、そ の副作用の発生頻度なんかが日本人の子供で特に高くないとか、そういったようなとこ ろでございますか。 ○中川委員  民族差があるかどうかですね。 ○川原課長  そこはある程度、例えば症例登録をして、100例とかまとまった数を調べないと、 欧米と比較できないじゃないか。そこのそういう研究ぐらいまでは必要なのじゃないか と考えるかどうかですね。 ○中川委員  そうするとかなりの症例数が必要になってきますので、そのレベルまで言われると。 ○川原課長  いや、そこまで特に日本の子供にスペシフィックなものが、その薬の顔つきを見たと きにあり得るかどうかという話にはなると思うのです。確かに私ども、最近難しいと思 っている事例には、例えば抗がん剤とかリウマチの薬なんかで、日本人とそれから海外 のデータで、副作用の発生率がものによってある副作用が違ったりするということはあ りますので、そこは確かに日本の子供の場合に違うのじゃないかというのは、ないとは 言えないのですけれども、そこらはある程度先生方の。 ○中川委員  前回のこの検討会で「症例数を大体50あたりということで」という話だったので、 それだったら使用実態調査が可能ということで動いたわけなのですけれど、それで求め られるレベルが今おっしゃったような、日本でこういった副作用が特に多いとかいうこ とになると、それでこと足りる、症例数が足りると僕らは思っていないわけなのですね。 ○川原課長  そこらはどうしても市販後にフォローしていくという形でやっていくしかしようがな いと。それをしませんと、いつまでたっても評価に着手できなくて、結局同じような事 態がずっと続いてしまうということになってしまうのではないかと思います。 ○中川委員  要はこれだけ国内で使用されているものであると。しかも大きな副作用はなかったと いうことが、ある程度裏付けだけ取れるようなものであればいいという、そういう位置 づけと考えてよろしいわけですね。 ○川原課長  ある程度そういう線で、ものによって違うかもしれませんが、そういうところで割り 切って評価をしていただくしかないのではないかというふうに思います。 ○中川委員  最初の僕の話に戻るのですけれども、結局「使用実態調査をやったけれども、これで は合致しないよ」ということで「だめだ」と言われたら、もうどうしようもないという ことです。 ○中村委員  多分それはレトロであろうがプロスペクトであろうが、日本で使っていて副作用がい っぱい出ていますというのが実際に出たら、それは問題だと思いますけれども、むしろ 使用実態調査で確認したいのは、海外で承認されている適応と同じ適応に対して、同じ ような用量で使われているかと。海外では5mgで使っているのだけれど、日本では15 mgでみんな使っているというのでは、海外の承認用量で承認しても何の意味もないでし ょうとか、そこあたりじゃないかという気がするのです。これまでの適応外使用通知に のっとった審査の段階でも、そこまで国内での厳密な副作用の頻度であるとか、そうい ったものは求められていないと思うのですけれどもね。 ○中川委員  その件に関しましては、ちゃんとガイドラインに記載された国内での用法・用量があ りまして、すべての文献はそれにのっとってやっているわけで、それだけの目的であれ ば、使用実態調査の意味は僕はないと思っているのですね。だから、そういうことであ れば、使用実態調査はうちはやらなくていいということになってくるわけです。だから どこまで求められているかというのが、よくわからない。 ○岩田委員  国内でもアセトアミノフェンみたいにたくさん使われているものは、使用実態調査を やる必要は当然ないと思うのですけれども、比較的新しいお薬だと余り使用実績はない と思うのですね。例えばメーカーのやっている市販後調査の中で、成人にしか適応のな いものの中に小児の使用例が混じってきますね。そういったものをピックアップすると いうのはだめなのですか。有効性は余りあてにならないかもしれませんが、少なくとも 安全性に関しては、ある程度症例数が集まれば、判断はできるのではないかと思うので すけれども。 ○川原課長  企業の市販後の調査の中で、場合によってはある程度、当初の承認の段階では小児の 適応がなかったのだけれども、市販後で調査をしたらば小児の症例がいくつか集まって きたということで、当初の承認には小児に対する安全性が確立していない、使用経験が ないと書いてあったのが、例えば今度は「少ない」に変わるとか、そういう事例はある とは思うのですけれども、それで有効性・安全性まで含めて小児で評価をきちっとした ことになるかどうかというと、なかなか難しいところがあります。企業の方にはできる だけ市販後の段階で小児の用法・用量についても検討するようにということで、場合に よっては再審査機関の延長といったようなこともしていますのでということでお願いは しているのですけれども、なかなか臨床試験という形でお願いをすると、実際問題とし てなかなか日本国内での小児の臨床試験のやりにくさとかそういったのもあって難しい ということになりますので、そういう点では、やはり今ここで議論していただいている ようなやり方で評価をいただき、市販後にきちっとフォローしていくというやり方しか ないのかなというふうには思っています。 ○藤村座長代理  よろしいでしょうか。時間の関係もありますので、少しまとめたいと思います。やは り二課長通知というのがしっかり出ておりまして、それにのっとってするのはもちろん 1つの路線と先ほどから出ております。ところが今いみじくも中川先生から出されたり 2、3の先生から出ていますように、二課長通知を超えて、又は二課長通知ではどう解 釈するのかという点も、やはりあるわけですね。  そこのところについてこの検討会で、二課長通知を基礎に、それのさらに先に、例え ば使用実態調査とかあるいはエビデンスはここまでとか判断してゆく必要があります。 それぞれの医薬品について、今後先生方にレポートを提出いただくわけですけれど、そ こで重要になってくるのが今日の議論だと思うのです。ここの項目はまず二課長通知を 超えていると判断されれば、その上で、超えている点についてこう判断していると。例 えばエビデンスはここまであるので大丈夫だということですね。そういうふうに書いて いただくということではないかと思います。  判断をしてほしい点について、レポートでこの検討会議へ提出してほしいというのが、 皆さんの議論の落としどころじゃないかと思うのです。そこのところをあいまいにして、 レポートを書かれた中で、もう1つ問題点がはっきりしないままレポートが出てきたと。 そうするとまたいろいろな議論がここでされるようになってしまう。きょう議論はそう いうふうにまとめさせていただけると考えます。  そういうようなことで、要はそれぞれの医薬品について、ワーキンググループをつく って、問題点を少し整理した形で出していただくというふうに進めていただきたいと思 います。 ○事務局  やはりきょうの御議論を伺っても、あと関口先生のレポートを書きながら悩ましい点 などを伺いましても、今後個別レポートの書きぶりであるとか、処方実態調査が本当に 必要なのかどうなのかということも含めて、まずたたき台となるような考え方をまとめ た上で、この会議の方でポイントとなる点を御議論いただくということの方が、今後会 議を進めていくに当たり、効率的に迅速に検討が進むのではないかなというふうに思い ますけれども、いかがでございましょうか。 ワーキンググループを設けていただけれ ば、具体的にレポートをある程度おまとめしていただいた段階で、そこでまずたたき台 として議論をしていただいて、きょうのような問題点の洗い出し、あるいはその場で解 決できるものについては、あらかじめ解決するといったようなことを考えてはいかがか なと思います。 ○藤村座長代理  今日ワーキンググループをスタートさせたらいいと思うのですが、そのグループでは 今日議論になったようなことをもうちょっとまとめていただきます。同時並行的に個々 の先生方は各論の医薬品について検討を進めておいていただきます。ワーキンググルー プが考え方をまとめた上で、最終的にこの会議に報告いただくということです。 ○中村委員  これは基本的には抗がん剤の併用療法のワーキンググループと同じような形というこ とですね。報告書を書く先生方がおられて、その内容についてもワーキンググループが あって、そこである程度やり取りをして、報告書の内容の問題点を整理して、ここで議 論できる論点が明らかになって、一応の結論が出ているものがこの会に上がってくると いうこと。 ○事務局  まさにそのようなイメージを考えております。 ○藤村座長代理  予備審査みたいなものになりますかね。きっちりと内容的に詰めて、問題点を整理し て出していただくということです。ちょっと整理が不十分だとは思いますが、何しろ非 常に一番核心になる、しかも決めがたいこの問題で、この検討会で一番微妙な問題です が、それに一定の線を出そうというのが、総論の文章だけでもなかなか行かない。各論 でも進めていただきたいということだと思います。  一応今日の予定の議事というのはそういうことですが、ワーキンググループを一応設 定させていただくということを今御了解いただきましたので、座長の秦先生及び私は今 日代理をさせていただいておりますので、この2人にワーキンググループはどなたに御 担当いただくか、御一任いただければと思いますが、いかがでしようか。御承認いただ けますか。よろしくお願いいたします。ありがとうございます。それでは大体これで予 定の議事を終了いたしました。どうぞ。 ○横田委員  8項目の薬物の中で、担当しておりますのがメトトレキサートとシクロホスファミド なのですが、前回の議論を踏まえてこの二者に関しては、既に文献情報の収集あるいは 翻訳が終わっていまして、先回の議論で実態調査をする薬剤であるという判断をもう既 にいたしまして、約50〜60例の収集をというこの間のお話がありましたので、メト トレキサートに関しましては、既に66例、それからシクロホスファミドに関しても約 60例の症例収集を既に終えております。  それからもう1つ。混ぜ返すようで申しわけないのですけれど、先回の議論の中で、 こういう実態調査の症例をウェブ登録していくのだというお話があったのだと思うので すが、そのウェブ登録に関して、厚生労働省とこれのまとめ役である中村先生方のまだ フォーマットが、おそらくまだできていないのだと思うのですが、きょう2時間議論し たわけですが、私どものこのメトトレキサートとシクロホスファミドに関しましては、 そこまで終わってしまっていまして、早くウェブ登録できるフォーマットを教えてほし い。今日教えていただけると思って来たのですが、申しわけございません。その辺どう なっているかということをお願いしたいのですが。 ○櫛田委員  実際に事務局でやっている成育の櫛田でございますけれども、成育内での今決裁をと っておりまして、近々のうちにウェブ登録ができるように、もう既にフォーマットはで き上がっておりまして、森先生の方とやり取りをしておりまして御了解を得ております。 メトトレキサートにつきましては66例ですね。速やかに契約をさせていただいて、実 施ができる運びになると思います。そんなところでよろしいでしょうか。  それからもう1つお願いなのですけれども、先ほどワーキングの中でこの使用実態調 査をやるということがわかった時点で、早めに事務局の方へ御連絡いただいて。と言い ますのは非常に手間暇かかりまして、契約の問題とかフォーマットの問題がありますの で、早めに御連絡をいただいて準備をさせていただければなというふうに思いますので、 その辺のところをどうぞよろしくお願いいたします。 ○藤村座長代理  今の櫛田さんに直接お願いするのですか。それとも事務局を通じて御連絡するのです か。 ○川原課長  それは直接、もう成育の櫛田先生の方でいいということですか。それとも我々を経由 した方がよろしいですか。それは直接でよろしいということでございますね。 ○藤村座長代理  その辺は各担当の方で実態をやると決められて、一時調整があった方がいいかもしれ ないなと思ったのですね。 ○川原課長  そこがおそらく今日お決めいただいたワーキンググループ等が開かれるようになりま すと、その調整も含めてそこでできると思いますし、おそらくこれは次回以降の話にな るかと思いますけれども、抗がん剤併用療法のときもそうでございましたけれども、ワ ーキンググループの方で最終的なレポートを、ここの会議で最終的に了解してもらうた めの案をプレゼンテーションするために、ワーキンググループの先生がきょうの関口先 生のように、2、3人の先生方に場合によっては入れかわり立ちかわりでプレゼンテー ションしていただいてやるというような形が今後出てくると思いますので、そんな中で 実態調査の話とかそういったところも、やりましたとか、今後やる予定とか、そういっ た話が出てくるのだと思います。 ○藤村座長代理  事務局から伺ってはいないのですが、それぞれの御担当の進行状況というのを聞いて もいいでしょうかね。大体耳にされています? 今リウマチのことをお伺いしたのです けれども、いかがでしょうか。もうそろそろ成案を得られそうだというようなものはご ざいますか。 ○川原課長  一応この本会議を次回開催するまでの間に1回ワーキンググループを開催させていた だきまして、そこで先ほど座長の方からもお話がございましたように、今日の議論も踏 まえて、もう1回ちょっと内容の確認をさせていただいて、必要があれば少し修正を加 えていただいて、それが間に合えば次回はここに挙げていただくというような形になる のかなというふうに思っておりますけれど、かなり書き始めていただいているところが あるというふうには聞いておりますけれども。 ○藤村座長代理  ありがとうございました。それでは大体予定の議事を終わりましたが、何かほかに御 発言はございますか。どうぞ。 ○伊藤委員  この新しい方法でいつまでに出せば? ○事務局  ワーキンググループの立ち上げ次第にもよるとは思うのですけれども、でき上がった ところから順次そのワーキンググループでたたいていくということを考えておりますが。 ○藤村座長代理  先生はいつごろまでに終わる心づもりで? ○伊藤委員  自分がどれだけ時間を割くかによります。 ○藤村座長代理  お互いに牽制しておりますが、ワーキンググループから。はい。大澤委員、どうぞ。 ○大澤委員  基本的なところは小児神経学会の方もチェックはしているのですが、要は使用実態調 査をどれだけの精度でどのようにきちっとするのかというところと、疫学調査というふ うにかかわってきたときの倫理的な問題をどうクリアするのかというところで足踏みを していました。それはこちらの方である程度決めていただけるのかなと。  先ほどのウェブ登録の話もありましたけれども、それとは別に、今日、関口先生の報 告したアセトアミノフェンの中間報告というふうな形にはなっているのですけれども、 資料6−1の最後、国内での使用実態ということを本当にするのかどうかというところ を、この会議で決めてほしいという御提案もあったと思います。アセトアミノフェンみ たいにみんなが常識的に使っていて、ただ使い方が統一されていないから、余り本当は よくないだろうと。使い方を統一して周知した方が、国民の医療レベルが上がるのでは ないかという状況の薬剤に対し、またさらに使用実態調査となって、やはり完璧を求め ていると、何もクリアできないかなと懸念いたします。それよりもベターで動いた方が いいのではないかという気もいたしますが。済みません。今ごろになってこんなことを 言って。 ○藤村座長代理  いえ。実は今、大澤先生にきちっとまとめていただいて、先ほど私が御提案させてい ただいたのも、それぞれの御担当の薬でここで1つの目途をつけると。その目途の御判 断をまず提案いただきたいということなのです。ですからそれについて出していただい て、ワーキンググループで議論しようと。ですからここのところは、今までだったら医 薬局はどうおっしゃるかとか完璧を期するとか、そういう話になっていました。ここで 踏ん切りをつけるという判断を書いて出していただきたい。それが果たして妥当なもの かどうかは、やはりこの会の責任であろうということでお願いしたいと思います。それ でよろしいですね。  ではちょうど時間を2分ほどオーバーしたかもしれませんが、よろしいでしょうか。 次のワーキンググループに課題を投げたような格好になっておりますが、しかし議論い ただいたことを踏まえて、ぜひしっかりとそういう方向性をつけていただきたいと思い ます。本日はどうもありがとうございました。事務局の方からどうぞ。 ○事務局  どうもありがとうございました。次回の日程につきましては冒頭申し上げましたとお りに、先生方にお配りしております11月・12月の日程表につきまして、もし本日お 書きいただきましたようでしたら、事務局の方にお預けいただければと思いますし、後 日ということであれば、宛先のファックスへお送りいただければと思います。また、御 欠席の先生の御予定を聞いて、次回の日程につきましては、後日お知らせすることとい たしたいと思います。以上でございます。 ○藤村座長代理  ではこれにて閉会といたします。どうもありがとうございました。 (了) 照会先 厚生労働省医薬食品局審査管理課 03−5253−1111 25