06/08/23 第33回独立行政法人評価委員会労働部会議事録 独立行政法人評価委員会労働部会(第33回) 日時:平成18年8月23日(水) 場所:厚生労働省9階省議室   出席者:井原部会長、篠原部会長代理、今村委員、宇佐美委員、小畑委員、川端委員、 寺山委員、久道委員、宮本委員、本寺委員 ○部会長  それでは、定刻になりましたので、ただいまから独立行政法人評価委員会第33回労働 部会を開催させていただきます。委員の皆様におかれましてはお忙しい中お集まりいた だき、まことにありがとうございます。今回は松田委員が御欠席でございます。初めに 事務局から本日の議事について簡単に説明をお願いいたします。 ○政策評価官  よろしくお願い申し上げます。本日の議事は大きく分けて2つございます。一つは労 働政策研究・研修機構の中期目標期間暫定評価。2つ目が、労働政策研究・研修機構と 雇用・能力開発機構の組織・業務全般の見直しということでございます。  そのうち労働政策研究・研修機構でございますけれども、本年度で当初定めておりま す中期目標期間が終了いたします。評価委員会における評価の具体的実施方法、評価結 果を次期中期目標策定などへ反映させる観点から、中期目標期間最終年度において暫定 評価を行うということになっておりまして、労働政策研究・研修機構においては本年度 が中期目標期間の最終年度でございますので、本日暫定評価をいただき、それを次の見 直しに反映させるということを予定させていただいております。  2つ目の議題でございます労働政策研究・研修機構と雇用・能力開発機構の見直しで ございます。労働政策研究・研修機構については今年度が最終年度で、きょう暫定評価 をしていただいて、それを踏まえて次期中期目標期間に向けて見直しをするという意味 で、本日その議論の出発点ともいうべき現時点での見直し当初案をお諮りさせていただ きます。一方雇用・能力開発機構は、本来ですと19年度までが当初中期目標期間ですの で、この夏ではなくて、来年の今ごろに中期目標期間の最終年度として暫定評価をお願 いし、それを踏まえて雇用・能力開発機構の次の計画期間に向けて見直し議論をしてい ただくべくものでありますが、政府全体としての方針の中で、政府系金融機関改革の絡 みもこれあり、雇用・能力開発機構については組織・業務の見直し作業だけを1年前倒 しにするということでございます。その意味では労働政策研究・研修機構とはそろわず に、暫定評価が行われないままではありますけれども、これまで行っていただきました 評価に基づいて、20年度からの次期目標期間に向けた見直し議論の当初案について御審 議いただく。同じようなことをお願いしながらも若干ずれておりまして、そういう意味 では労働政策研究・研修機構については暫定評価と見直し当初案、雇用・能力開発機構 については見直し当初案という形で御議論をお願いしようと思っております。  そのうち労働政策研究・研修機構の、暫定評価結果については、この部会の中で労働 政策研究・研修機構の評価について起草を御担当いただいております委員の方々に案を 作成していただきましたので、これに基づいて御審議をいただくべく本日資料を用意さ せていただいております。  なお、本日御議論いただきます中期目標期間中の暫定評価結果及び労働政策研究・研 修機構と能力開発機構の見直しに関する当初案、いずれも総会をもってして決定する。 各年度評価については部会で決定いただきましたものを評価委員会の最終決定という形 で次へ進ませていただいておりますけれども、中期目標期間全体の暫定評価と見直しに ついては、この部会で御議論いただいたものを総会でお諮りいただいて、総会の決定を もって最終決定にするということだけ冒頭に申し上げさせていただきたいと思います。  私の方からは以上です。よろしくお願いいたします。 ○部会長  それでは、まず労働政策研究・研修機構の中期目標期間の暫定評価結果の審議に入り たいと思います。暫定評価結果については起草委員であるから私から概要について説明 いたします。その後、法人より中期目標期間の業務実績について10分程度で御報告をい ただきまして、委員の皆様の質疑等の審議をしたいと思います。  それでは中期目標期間の暫定評価結果(案)の報告をさせていただきます。資料1と いうのがございます。そこに中期目標期間の業務実績についてというのがございます。 それを読み上げながら説明させていただきたいと思います。  まず(1)評価の祝点。ここのところは皆さん御存じのとおりでありますので、詳細 は申し上げません。  (2)中期目標期間の業務実績全般の評価。  当委員会においては、当機構が独立行政法人として発足して以来、業務により得られ た成果が「我が国の労働政策の立案及びその効果的かつ効率的な推進に寄与する」とい う当機構の設立目的に照らし、どの程度寄与するものであったか、効率性、有効性等の 観点から、適正に業務を実施したかなどの視点に立って評価を行ってきたところである が、中期目標期間全般については、次のとおり、おおむね適正に業務を実施してきたと 評価できる。  業務運営の効率化に関しては中期目標・中期計画に掲げられた目標を達成しており、 評価できる。調査研究については、厚生労働省の要請、労使の意見、外部評価機関であ る総合評価諮問会議等の意見など、各方面からのニーズや意見を的確に踏まえることに より社会ニーズに対応した研究テーマを設定していること、理事長のリーダーシップに より明確な目標を掲げる研究計画を策定し、進行管理を徹底することにより毎年度ほぼ 計画どおりに研究成果を取りまとめていること、調査研究成果が労働政策の企画立案や 白書を初め多方面で広く活用されていることなどから、ほぼ中期目標・中期計画に沿っ た取り組みを行っていると評価できる。研修については、計画どおり進められており、 研修生から高い評価を受けている。  一方で、今後、主に以下の点に留意する必要がある。  (1)既に業務実績が高い水準に達していることから、一定の量的成果の確保を目指しつ つも、職員のモチベーションを維持しつつ、質に重点を移していくという視点に立った 取り組みが求められること。  (2)研究者等の招聘・派遣について、当機構の目的に沿ったものを厳選し、より一層効 果的に実施することが重要であること。  以下はその具体的な評価の概要でございます。  2.具体的な評価内容。  (1)業務運営の効率化について。  これもいろいろ御努力をいただきまして、これらにより、一般管理費等については、 平成18年度において平成14年度予算と比較して25%に相当する額を節減することが目 標となっているが、平成17年度予算で26.1%、平成17年度決算では30.1%の節減を、 業務経費については毎年度1.3%を大きく上回る節減を行っており、中期目標・中期計 画に掲げられた目標を超えて達成できる状況にあることから評価できる。このような大 幅かつ急激な経費の削減を行ったことから、今後は一定の量的成果の確保を目指しつつ も、職員のモチベーションを維持しつつ、質の高い成果提供を可能にしていくという視 点に立った取り組みに配慮すべきである。  (2)国民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上について。  (1)労働政策についての総合的な調査研究については、中長期的な労働政策課題に対応 する9つのプロジェクト研究と、国民各層のニーズ等を踏まえた個別研究を実施してい るが、厚生労働省の要請、労使の意見、外部評価機関である総合評価諮問会議等の意見 など、各方面からのニーズや意見を的確に踏まえることにより、社会ニーズに対応した 研究テーマを設定していること、理事長のリーダーシップにより明確な目標を掲げる研 究計画を策定し、進行管理を徹底することにより、毎年度ほぼ計画どおりに研究成果を 取りまとめていること、調査研究成果が労働政策の企画立案や、白書を初め多方面で広 く活用されていることなどから、ほぼ中期目標・中期計画に沿った取り組みを行ってい ると評価できる。今後は、一層、厚生労働省の労働政策の企画立案に資する質の高い調 査研究を実施するという観点から、厚生労働省の企画立案部門のニーズを的確に把握し、 労働政策の企画立案により具体的に結びつく調査研究を実施するために、厚生労働省と の連携を強化するとともに、機構の自主性の確保のため、独自のビジョン・方向性を明 確にし、それに基づく研究テーマの提案を行っていくことも期待する。  調査研究の実施体制については、プロジェクト研究を中心に統括研究員をリーダーと し適切な内部研究者を配置した研究体制を敷くとともに、関連する研究領域に係る外部 の学識経験者を指導的な役割を担う特別研究員に委嘱してすべての部門に配置すること で、研究活動全般を効果的に推進した。研究成果の取りまとめ段階で研究発表会を実施 することにより、研究員間の意見交換を経て内容の質の向上を図ることを可能としてい ることも評価できる。  調査研究の成果については、労働政策研究報告書、ディスカッションペーパー、労働 政策レポート、研究開発成果物について内部評価及び外部評価を実施し、政策的視点か ら高い評価を受けたものは3年連続して年度計画を上回るとともに、中期計画を大きく 上回っている。また、関連専門誌等への論文掲載についても同じく3年連続して年度計 画を上回るとともに、中期計画を上回っている。  優秀な研究者の確保と育成については、定年退職等に伴って生じた研究員の欠員につ いて、すべて任期付研究員で補充し、当該任期付研究員が執筆した多くの調査研究成果 が外部評価で優秀と評価されたこと、「研究員業績評価規程」等の整備により目標管理に よる研究員の業績評価を導入したこと、特別研究員、客員研究員の活用を初め、企業等 民間の実務家の研究参加を進めたこと等から、ほぼ中期計画に沿った取り組みを行って いる。  調査研究の評価については、外部評価において政策への貢献度といった視点別評価を 行うとともに、プロジェクト研究の中間取りまとめに対する厚生労働省の評価アンケー トや要請研究の要請元による評価を実施するなど、より効果的な評価を行うための取り 組みがなされていることは評価できる。また、有識者を対象にしたアンケート調査にお いて「有益である」と回答した者の比率は3年連続して中期目標を大きく上回った。今 後は、調査研究の成果が労働政策の企画立案に資するという機構の目的に沿ったもので あったかについて、直接に評価できる指標の開発について引き続き取り組むことを期待 する。  (2)労働事情・労働政策に関する情報の収集、整理。企業、勤労者を対象とする大規模 調査、企業、労働組合、地域シンクタンク等のモニターを対象とする調査など、労働現 場における最新の事情・動向を収集・整理し、政策研究の基盤を整備するための調査を 各年度、当該年度計画を上回る回数実施した。また、調査結果は、記者発表やホームペ ージ、「ビジネスレーバートレンド」等を通じて広く提供した結果、新聞・雑誌等の引用 件数は、中期計画の目標を3年連続して大きく上回っており評価できる。また、海外情 報の提供の件数は3年連続して年度計画を上回った。今後とも有用な情報収集に努力す ることを期待する。  (3)研究者・有識者の海外からの招聘・海外派遣。研究者等の招聘・派遣については、 当機構で行うプロジェクト研究との連携を重視した招聘基準に改善した点は評価できる。 海外の研究機関等とのネットワークの形成については、OECDの専門家会合に出席す るなど、労働政策研究に係る国際機関との連携が図られてきている。また、英文情報の 提供による海外への情報発信については着実に成果を上げており、引き続き積極的な取 り組みが期待される。今後も、研究者等の招聘・派遣について、当機構の目的に沿った ものを厳選し、より一層効果的に実施することが重要であると考える。  (4)調査研究結果等の成果の普及・政策提言。調査研究の成果については、取りまとめ 後速やかに、かつ、サマリーの作成等により適切な形で提供が行われており、利用者か らのアンケート調査でも高く評価されている。これらの普及については、ビジネスレー バートレンド(ニュースレター)、メールマガジンの発行については計画どおりに行われ ている。また、平成16年度は特に若年者の適職選択・就職支援について、関連情報の整 備・提供や講習会の開催などにより、関係者からのニーズに対応した取り組みを行って おり高く評価できる。今後は、一般の利用者に対しても、より一層、情報をわかりやす く提供するよう留意することが期待される。労働政策フォーラムなど政策論議の場の提 供については、ニートの問題など時宜にかなったテーマ設定により行われていることに 加え、参加者の満足度も高く、質についても高いものであると評価できる。調査研究成 果等の研修への活用等については、研究員を労働大学校へ講師として派遣するほか、講 演依頼、政府の審議会等への対応など、外部の要請に積極的に貢献していると言えるが、 本来の研究業務に支障が出ることのないよう配慮する必要がある。  (5)労働関係事務担当職員その他の関係者に対する研修等。労働関係事務担当職員に対 する研修は計画どおり進められており、研修生から高い評価を受けている。また、実践 的な能力の向上に寄与するよう演習やロールプレイの実施など研修内容の充実に取り組 んでいることは評価できる。今後とも、調査研究事業との連携の取り組みにより、双方 の事業を活性化させていくことが望まれる。  (3)財務内容の改善等について。予算、収支計画及び資金計画等については、中期 目標・中期計画に基づいて適正に実施されている。また、施設・整備に関する計画につ いても、中期目標・中期計画に基づいて適正に実施されている。  以上が業務実績についての暫定評価の案でございます。  今度は労働政策研究・研修機構からの報告をお願いしたいと思います。 ○労働政策研究・研修機構総務部長  それでは御報告させていただきます。中期計画、暫定評価期間の実績報告という形で 整理させていただいております。全部で31ページまでございますけれども、主要な業務 の塊ごとに、中期目標との対比で見た主要な実績について簡単に御報告させていただき ます。  最初に1ページ、労働政策についての調査研究でございます。この2年半、プロジェ クト研究については9テーマ、個別研究については各年度30幾つの個別研究について取 り組んできたところでございます。4ページ、この調査研究については120という数値 目標がございます。その内訳として、高い評価を受けた報告が中期計画で30件以上、関 連専門誌への論文掲載が90件以上ということになってございます。この結果については 5ページ、高い評価を受けた報告書については15〜17年度の合計で86件ということで、 目標を大きく上回ることができました。関連専門誌への論文掲載については、15〜17年 度の合計で91件ということで、目標であった90件以上というのを少し上回る実績を達 成できたということでございます。  7ページでございますけれども、調査研究については中期目標の中で有識者を対象と したアンケート調査で3分の2以上の人から「有益である」との評価を得るということ になってございますけれども、15〜17年度で90%を上回る有益度を確保させていただき ました。16年度から17年度にかけて97が94と減ってございますけれども、これは16 年度までは五者択一の調査をやっておりましたものを17年度は二択にいたしましたの で、その関係もございまして若干数値が減っておりますけれども、私どもとしてはほぼ 同じくらいの水準であると理解しているところでございます。  10ページでございますが、業務の柱の2つ目、労働行政事務担当職員に対する研修で ございます。研修の実績ということで、平年度ベースで見ますと年間約80強のコースで 3900人くらいの方を対象に研修を実施してまいりました。毎年度研修生にアンケートを 行って、85%以上の人から有意義だったとの評価を得るのが目標になっております。そ の結果は11ページでございますけれども、15〜17年度にかけて90%以上の有益度を得 ることができまして、それぞれ改善を図りつつ行いましたので有益度が年々向上してき たということでございます。  次に13ページで、3つ目の業務の柱でございます労働関係情報の収集・整理でござい ます。国内情報については年間26件以上引用されるようにするという目標、海外情報に ついては目標期間中に1100件以上の情報を発信するという目標になってございます。そ の結果については、国内情報については毎年80件以上の引用をしていただきまして、海 外情報については17年度で417件、3年間の合計で1047件ということになってござい まして、中期計画の目標を達成できる状況にあるということでございます。  次に16ページに、研究者等の招聘・派遣の関係でございます。招聘については36人 以上、派遣については60人以上という予算上の数字としての目標が設定されてございま すけれども、実績は、招聘については各年度合計で23名、派遣については各年度合計で 41名ということになってございます。招聘等の目的が機構の研究活動にしていくという 運用の改善を図りましたので、あえてこの数値目標を達成する必要はないだろうと判断 し絞った結果、実績としては数値目標には届かないかなと思っております。  次に19ページで、4つ目の業務の塊としての成果の普及でございますけれども、ニュ ースレターを月1回以上、メールマガジンを週2回以上発信するという中期目標が与え られてございまして、メールマガジンについては和文・英文それぞれ読者数の目標が掲 げられております。それぞれ読者にアンケートをして、70%以上の方から有益であると いう評価を得るのが中期計画の目標になってございます。ニュースレターは毎月1回発 行し、各年度70という目標を上和回る有益度を得たところでございます。和文メールマ ガジンについては、この2年半、週2回ずつ発行し、17年度末で2万4063人というこ とで、中期計画の目標を達成することができた。高い有益度も確保できたということで ございます。英文メールマガジンについては月2回発行し、17年度末の読者数が1912 人ということでございますので、これまでのふえ方からすれば最終年度において2000 人という目標を達成することが可能な状況にあるということでございます。有益ども引 き続き高い水準を確保することができたということでございます。  21ページにホームページの関係でございますが、これについては2100万件以上のア クセスという目標が掲げられてございます。実績は15〜17年度の合計で約2800万件と なってございますので、中期計画の目標を達成することができたということでございま す。成果の普及という意味では、若年者の適職選択・就業支援ということで、私どもで は若年者の研究を多くやってございます。こうした成果を実際の若者の就職支援に役立 てていくという試みを16年度から進めてきたということでございます。  次に24ページでございます。大きな業務の塊として、業務運営の効率化でございます けれども、これについては一般管理費25%削減、業務経費は毎年1.3%節約、こういう 大変大きな目標が与えられていたわけでございます。初年度から光熱水料の削減、ペー パーレス化等に取り組みまして、一般競争入札についてもどんどんやっていこうという 取り組みをし、情報通信技術の活用、外部委託化等も積極的に進めてまいりました。そ の結果として、17年度予算ベース、決算ベースともに中期計画の目標を達成することが できたということでございます。  こうした高い業務実績がなぜ実現できたんだろうかということにも関連するんですが、 業績評価制度の運用でございます。新法人が設立して早期に理事長のリーダーシップの もとで、毎月業務進捗管理を行う、四半期ごとに内部評価を行う、年2回私どもとして の外部評価機関を設定して外部評価を行うという、そういう業績評価制度を確立しまし て、年々仕組みを改善しつつ、この2年半取り組んでまいりまして、こうしたことが高 い業務実績につながったのではないかと考えているわけでございます。  もう一つは28ページでございますが、人事制度でございます。毎年数値目標を達成し ていくということで、人事制度についても新人事制度の運用ということで、新法人発足 の早い段階で目標管理制度に基づく業績評価制度、職務基準の明確化による能力評価制 度を柱とした人事制度を確立したところでございまして、事務職については業績評価と 能力評価、研究員については業績評価一本での人事制度というものを確立し、その運用 をきちっと図ってきたということも高い業務実績につながったのではないかと思います。 職員の専門的な資質の向上ということで、いかに多くの人材が育っていくかというのが 業務運営上大変重要な課題でございますので、積極的な取り組みを進めてまいりました ことも業務実績につながったんだろうと考えているところでございます。  29ページのところで、給与水準の見直しということでございます。ラスパイレス指数 が私どもは事務職について高かったということがございまして、新法人発足時に目標を 掲げました。中期目標期間中に国家公務員と実質的に均衡させるということを目標にし ようということで、他法人に先駆けてすぐに取り組んでいこうということで15〜17年度 にさまざまな取り組みを進めてまいりました。その結果、事務職のラスパイレス指数に ついては17年度で102.8というところまで改善を図ることができました。  以上のように、第1期中期目標期間は理事長のリーダーシップのもとで、業務的には 労働政策の企画立案に資する研究成果を数多く提供していくということを中心に、政策 研究機関としての基盤の確立期という位置づけで取り組んできたところでございます。 役職員一丸となって努力した結果、高い業務実績を実現することができたと考えてござ いまして、来年度以降も引き続き効率的、効果的な業務運営に努めていきたいと考えて おります。以上でございます。 ○部会長  ありがとうございました。それではただいまの御報告及び中期目標期間の暫定評価結 果についての御質問や御意見がございましたら、お願いしたいと思います。 ○久道委員  職員のラスパイレス指数なんですが、この機構の中心となるのは研究職とかそういう 方々の業務が多いのではないかと思うんですが、ラスパイレス指数を見ますと事務職が 常に研究職を上回っているという状況。国家公務員と比較した場合ですので、直接比較 するのはどうかという意見もあろうかと思うんですが、こういう差をむしろ縮めるとい う考えはないのかどうか、お聞きしたいと思います。要するに研究職をもっと重視して もいいのではないかという意見です。 ○労働政策研究・研修機構総務部長  このラスパイレス指数は事務職と研究職に分けて、それぞれ国の事務職、研究職と比 較したものですけれども、国の研究職の給与水準がすごく高いんです。私どもの事務職 と研究職で見ると、平均年収でいうと研究職の方が200万くらい高いんです。国の研究 職の方がすごく高いんだということだと思います。 ○久道委員  それは当然と考えていいのではないかと僕は思うんです。国の研究職が高いから100 を割ってもいいという考えがいいのかどうか。私はいささか疑問に思うんです。それは 特に直してどうこうということではありませんけど、研究職に対するさまざまな環境づ くり、思いやりというのを機構全体が持つべきではないかなと私は思っています。 ○労働政策研究・研修機構総務部長  この2年半の間に事務職について給与カット等をしてきたために、機構の中の事務職 と研究職の給与差が拡大してます。この間、研究職については定期昇給もして、賃金カ ットもしてこなかった。事務職についてはやってきたということで、機構内部での事務 職と研究職の平均給与格差がどんどん拡大しているものですから、国との比較で見たと きに研究職が100を下回ってていいのかという議論があることは承知しているのですが、 機構内で見た事務職と研究職の格差が拡大しているものですから、国に比べてうちの研 究職を100にすべきだというふうにすると、研究職の賃金を上げることになって、また さらに事務職と研究職の格差が拡大するものですから、そこのバランスをどうしていく かというのは労使でこれから協議をしながら決めていく予定にしてございます。 ○部会長  よろしゅうございますか。あと何かございますでしょうか。 ○宮本委員  資料1の4ページ(4)のところですが、「本来の研究業務に支障が出ることのないよう配 慮する必要がある」という表現に関してなんですが、本来の研究業務というものと、外 部での講演依頼とか審議会等の委員というものの位置づけはどういうことになるべきな のかということがあるかなと思いまして、これだと本来の研究業務が上で、それ以外の 仕事はそれの余裕がある範囲でという前提になると思いますが、このあたりについては 今出すのは遅いのかもしれませんけれども、外部の仕事が従だということが前提になっ てますよね。そのあたりについてこれでいいのかどうか。これは自分が発言したことな ので、つまり、本来の研究業務をタイトにやって、かつ外でも非常に多くやっていると いう状態の中で、それでうまくいくのでしょうかという発言をした覚えはあるんですけ れども、その場合の優先とか、そのあたりのことはどうなのだろうかということをもう 一度確認する必要があるのかなということなんです。 ○部会長  ここの文章を書くときには、本来の研究業務というのは機構の研究者としては本務で あると。それが外部からの要請に応じて研究成果を世に発言していくことも必要である と。だけどそっちの方に余りにもウエイトをかけ過ぎたら、審議会かけ持ち研究者みた いになってしまって本来の業務がおろそかになるのではないかということが背後にある わけです。それを表現してるんです。 ○宮本委員  機構としてはこのあたりはよろしいんでしょうか。位置づけの問題なんですけれども、 外部でいろいろなことをやることに重要性を置いているとすると、両立しなければいけ ないということになって業務が非常にタイトになってくるという状況にあるんですけれ ども。 ○労働政策研究・研修機構総務部長  政策研究機関として研究員の本務としては政策研究に取り組んで、その成果を取りま とめ、世の中に発信していくということが最大の任務であるわけで、外部への発信の仕 方、世の中への提供の仕方について、成果をいろんな形で還元する、直接政策の企画立 案に貢献するあり方として審議会等への参加というのは、言ってみれば業務の延長線上 にあるものだと理解しております。そういう位置づけではありますが、現実には研究活 動と対外的活動の調整は個別にやっていかなければいけないと考えておりまして、外部 からの依頼への対応については、特定の研究員あるいは特定の時期に集中することのな いように、研究活動とのスケジュール的な兼ね合いを見ながら個別に調整をしていると いう状況でございます。 ○宮本委員  そうすると、支障が出ないようにという表現で正しいということですよね。わかりま した。 ○今村委員  資料1の評価結果(案)に関してですけれども、この評価結果は非常にコンパクトに、 よく読むとすごく意味がわかるようにしっかりまとめられている御努力は評価したいと 思います。その中で1ページの(2)の(1)、「既に業務実績が高い水準に達していること から」と書いてございまして、その後、職員のモチベーションの維持と質に重点を移し ていくというこの2つ、とても意義深い重要な指摘ではないかと思うんですが、この職 員というのは研究職、事務職両方だと思うんですけれども、賃金水準をうまく維持しな いと、この辺のモチベーションがどう変わっていくかという心配があるのですが、特に 労働政策研究・研修機構の場合には研究職の補助的な業務という部分での一般事務職員 の貢献は少なくないのではないかと思うんですが、その辺に関してもう少しお考えをお 聞かせいただければと思うのが一つ。  それからもう一つは、4ページの最後、調査研究結果等の成果の普及・政策提言とい う中で、「労働政策フォーラムなど政策論議の場の提供については、ニートの問題など」 と、個別的にニートということでユニークに取り出されているんですが、横長の31ペー ジにはこれだけのプロジェクト研究が載っておりまして、ニートだけではなくて、法制 度とか政策提言に当たって必要な、学際的な立場からさまざまな研究をしているという 意味では、何だかもったいないなという気はするんですが、その2点について伺わせて いただければと思います。 ○部会長  後者の話は、もっと例を幾つか並べた方がよろしいという話ですか。 ○今村委員  ニートだけ出すというのは、法制度とかいろんな政策立案に直接かかわる問題にかか わり合いがありますので…… ○部会長  わかりました、検討させていただきます。 ○労働政策研究・研修機構総務部長  今の御質問は、事務職の方も何かインセンティブを…… ○今村委員  賃金格差が拡大することで、研究上重要な事務職員のインセンティブが落ちてないか ということで、それに対する配慮。 ○労働政策研究・研修機構総務部長  組合からは、モラルが下がっているという指摘を受けておりますけれども、それは当 然です。2年半、業務が忙しくなる中で給与カット等してまいりましたから、組合の言 うことはわかります。新法人発足時に中期目標期間中に事務職については給与を適正化 するという目標を掲げ、17年度に102.8ですから、ほぼ均衡になったということでござ いますので、今年度からは国家公務員の昇給等をにらみながら同じようにやっていくと いうことで考えてございまして、事務職も研究職も業績評価制度を入れてございますの で、その結果が賞与と翌年の昇給に反映される仕組みになっている。これまで事務職に ついては全然できていなかったのですが、18年度からはそういう仕組みをきちっと運用 できるようになりましたので、S、A、B、C、Dの5段階評価をいたします。事務職 も研究職もSとDのところについては賞与の中の、期末手当と勤勉手当を合わせた賞与 全体では5%ぐらいの変動になりますけれども、最優秀の方と、ちょっとだめだという 方にはそういう形で変動させていくということで、今年の12月賞与から17年度分を反 映させていきます。昇給についても、優秀な方は平均よりも多く、だめな方は下げると いう形の運用をこれからしていこうと思っておりますので、これからは高い評価を得れ ば昇給なり賞与に結びつく、これは研究職も事務職もそういう運用ができていくことな ので大丈夫かなと。その中でバランスをどう図っていくかというのは別途の課題として 検討していく必要があると思っております。 ○寺山委員  2点ありますが、一つは、「職員のモチベーションを維持しつつ」と書いてありますけ れども、伺うと、低水準で維持する人もいるしという感じでいろいろあるんじゃないか と思っておりますが、向上する部分とか、維持だけではないのではないかというのが一 つ。これは御検討いただきたい。  それからもう一つは、研究員の外部への貢献、社会貢献のポイントですけれども、大 学の教員の場合には業績評価の対象になっていますけれども、こちらの場合はこれも業 績評価の対象になっているんでしょうか。 ○労働政策研究・研修機構研究調整部長  2番目の御質問にお答えします。業績評価は研究員の活動領域を3つに分けて評価し ております。一つは研究業務の取り組み、取りまとめ状況。それから、研究業務以外の 組織内部の活動への貢献度合い、それから外部貢献度、この3つの領域について評価し て、それを総合した形で5段階評価をしております。 ○部会長  そのほかよろしゅうございますでしょうか。いろいろ御意見をいただいたわけですが、 いただいた御意見を反映した形で幾つか修正を加えまして、中期目標期間の業務実績に 関する暫定評価結果として8月29日の総会に御報告したいと思います。なお、修正につ いては私と事務局と相談しながら進めさせていただきたいと思いますが、それでよろし ゅうございますでしょうか。 〔了承〕  それではそのようにさせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。  それでは次の議題に移ります。労働政策研究・研修機構及び雇用・能力開発機構の中 期目標期間終了時における組織・業務全般の見直し当初案について、現在厚生労働省に おいて取りまとめが行われているところでございます。この検討中の当初案の内容につ いて担当課から説明をお願いしたいと思います。その後委員の方々から御意見をいただ きたいと思います。2つの法人を分けて審議することとしたいと思います。まず労働政 策研究・研修機構の見直し当初案について説明をお願いしたいと思います。説明時間は 20分程度でよろしくお願いいたします。 ○政策評価官  まず私の方から、本日御審議いただく際の基本的な枠組みについて御説明させていた だきます。資料をご覧いただければと思います。根拠法令等々が書いてございますが、 流れとしては11ページをごらんいただければと思います。幾つかの登場人物を置いてフ ローチャートにさせていただいておりますが、中ほどの下、厚生労働大臣意見聴取と書 いてありますところに平成17年8月18日という日付で書かせていただいております。 これ全体は先行独立行政法人として当初見直しを行った、国立健康・栄養研究所の見直 しの際を前例としてまとめたものでございます。本日この部会で御審議いただくと、そ の議論を総会で御議論いただいて、厚生労働省として考えております見直し当初案につ いての御意見を伺った上で、厚生労働大臣から、内閣総理大臣を本部長とします行政改 革推進本部の方に提出し、そこから議論を始める。行政改革推進本部に対しては、行政 減量・効率化有識者会議という会議から意見が出てくることがあり得る。その意見を踏 まえて、一方で厚生労働大臣が示した見直し当初案について「勧告の方向性」という形 で政策評価・独立行政法人評価委員会としての見解が示されることが予想される。減量・ 効率化有識者会議が行革本部にお示しになった意見や、政策評価・独立行政法人評価委 員会が発表した勧告の方向性も踏まえて、また厚生労働大臣に球が参りまして、もう一 度厚生労働大臣が秋の陣として、この例でいえば11月14日から始まりますけれども、 見直しについての見直し案を当部会にお諮りし、その意見を踏まえて総会で御議論いた だき、法人の見直し案というものを11月30日にお示しをし、行革推進本部からは政策 評価・独立行政法人評価委員会に対して意見照会があり、最終的にそれを踏まえて行革 推進本部において見直し内容が決定される。これが、この例で申し上げれば17年12月 24日、時期的にいえば来年度の概算要求がまとめられるような時期を念頭に置きながら、 その前後においてこのような形で決定されるというのが、これから年末に向けて予想さ れる動きということでございます。このような流れの中できょうは見直し当初案を厚生 労働省から当部会にお諮りするということでございます。このスキームを頭に置いてい ただいた上でこれからの御審議を深めていただければと思います。  私からは以上です。 ○政策統括官付労政担当参事官  私から労働政策研究・研修機構の見直し当初案について御説明させていただきます。 机上配付資料1−1をごらんいただきたいと思います。1−1は見直し当初案の概要を まとめたものでございます。1−2はこれを一覧表にしたものでございますので、適宜 御参照いただければと思います。説明は1−3でさせていただきたいと思います。  1−3の1ページ、これは主に財政に絡む部分について総括表の形で整理したもので ございます。第1期の期間中において運営費交付金について計画的に削減してきたわけ でございまして、第2期においても計画的に削減していく考えでございます。ただ、19 年度をごらんいただきますと33億4100万ということで18年度の数字を若干上回ってお ります。これについては退職手当増が見込まれるということでふえているものでござい ます。基本的には削減していくという考えでございます。  それから行政サービス実施コストの推移でございます。これを削減していくことが最 重要課題でございまして、これも計画的に削減してきているところでございますけれど も、18年度、19年度の数字がかなり高くなっております。16年度、17年度までの数字 は実績値でございます。18年度、19年度は予算ベースの数字でございます。法人におい ては予算を上回る削減を行っておりますので、実績値ベースですと予算よりかなり下回 っております。18年度、19年度の数字は現時点では予算を満額使い切るという前提で計 算しておりますので、17年度より高い数字になってございますけれども、今後の取り組 みの中で削減していく考えでございます。  次の欄でございますけれども、見直し当初案の財政効果をまとめたものでございまし て、1700万の削減効果があるということでまとめております。これについてはあくまで も19年度をとってみての数字ということでございまして、この財政効果は20年度以降 も続くわけであります。全体の財政効果については現在試算中でございます。  それから中期目標の達成状況、これは機構から説明がありました点と重複しますので 省略させていただきたいと思います。  飛びまして8ページから見直し当初案の中身に入ります。労働政策研究・研修機構の 業務は5つあるわけでありますけれども、調査研究から成果普及までをまとめて記載さ せていただいております。この後に研修事業がくるわけでございます。8ページは事業 の概要でございますので、ごらんいただければと思います。  9ページから見直し当初案の具体的な中身でございます。10ページの後半から見直し 当初案を講ずる理由を書いてございます。まず1つ目のポイントが、法人の任務・役割 の明確化でございます。労働政策の企画立案に資する質の高い政策研究を行う、労働行 政に携わる職員の研修を実施するということが目的でございますけれども、その点を中 期目標に明確に記載することにより、業務の重点化につなげていきたいということでご ざいます。  続きまして調査研究事業の見直しでございます。より高度な調査研究への重点化、こ れは暫定評価の中でも今後質に重点を置くべきであるという指摘があったところでござ いますが、それを踏まえた見直しにしているつもりでございます。独立行政法人のメリ ットというのは、継続的に調査研究を実施することができる。さらに、その研究成果を 蓄積し、新たな研究に生かしていくことができるという点がメリットだと思っておりま す。そのメリットを活用したより高度な調査研究に重点化していくということでござい ます。その中で中長期的な政策課題を研究していくプロジェクト研究に力を置いていく ということでございます。一方で、プロジェクト研究以外に個別研究を行っております ので、将来の政策課題を先取りして発掘していく検討を行っていってもらおうというこ とでございます。  緊急のニーズへの的確な対応、これも独立行政法人の特徴を生かしたものと考えてお りますけれども、新たな政策課題に機動的に対応していくということを今後さらに力を 入れてやっていただく。年度途中で生じた緊急の行政ニーズに的確に対応してもらおう ということでございます。  3点目は行政との連携強化でございます。これも暫定評価の中で、政策企画立案に資 する研究に一層力を入れていくべきであると。その中で連携を強化していくべきである という指摘がございました。それも踏まえまして、厚生労働省と労働政策研究・研修機 構との意見交換、情報交換の具体的仕組みを構築することにより、連携強化をしていく ということであります。特にプロジェクト研究について新たな課題の発見に努めつつ、 研究計画、研究実施の各段階において厚生労働省と議論を密に行い、認識の共有化を図 っていこうというものでございます。一方で自主性の確保という指摘もございました。 連携強化の中では、労働政策研究・研修機構側から厚生労働省への提案というものも大 いにやってもらうということを考えてございます。  10ページをごらんいただきたいと思います。研究と研修の一層の連携強化でございま す。具体的な取り組みについてはこれまでも機構から御報告があったと思いますけれど も、改めて11ページに具体的な成果を書いてございます。研究と研修を同じ組織で行う というのが一つの特徴でありますので、この連携強化を一層進め、調査研究、研修、双 方の活性化を図っていこうというものでございます。  次のポイントが研究者等の招聘・派遣事業の重点化でございます。これも暫定評価の 中で、目的に沿ったものを厳選していくという指摘がございました。調査研究に資する 招聘、派遣というものに重点化していくということで、量的にも縮減をしていこうとい うものでございます。  次のポイントが成果普及事業の重点化でございまして、政策論議の活性化を目的とし た成果普及であると。その目的を明確にしまして、目的に沿った事業に重点化していこ うというものでございます。現在、雇用・職業研究会というものを行っております。こ れはハローワークの職員に対して研究成果の発表を行うものでございますけれども、政 策論議の活性化という観点から、労使の実務家等を対象に加えていくということを考え ております。開催回数を縮減して合理化を図っていこうというものでございます。  10ページの後半には今申し上げました理由とバックデータを書いてございますので 省略させていただきまして、12ページにお進みいただきたいと思います。廃止した場合 の問題点というのがございます。ここ以下は、組織の見直しはないのかという問題提起 に対する回答でございまして、端的に言いますと組織の見直しはないという回答になる わけです。その理由をまとめておりまして、廃止した場合の問題点としては、そもそも 各省が所管する政策分野についてはそれぞれ主要な政策分野ごとに政策研究機関が存在 しているわけでありまして、労働行政の分野についても政策研究というものが確実に実 施されなければ政策の質が低下するということでございます。  13ページへ参りまして、他の独立行政法人への統合はできないのかという問いでござ いますけれども、これは類似の役割を果たす法人はないわけでありまして、統合という ことはできないということであります。  民間や地方公共団体への移管・委託はできないかという問いでありますが、これも地 方公共団体には労働政策に関する総合的な研究機関はございませんので、移管・委託は できないということであります。民間ということでは、事業の性格上、収益を期待する ことはできませんので、民間化はできないということであります。また、民間へ委託は できないかということでありますが、委託ということになりますと年度単位の委託にな るということでありまして、中長期的な調査研究、年度途中で生じた緊急のニーズへの 対応が的確にできないので、これも無理ですということであります。  14ページがもう一つの事業の柱でございます研修事業についてであります。基本的に は大きな見直しはないわけでありますが、研究と研修の一層の連携強化を図っていくと いうことが一つであります。それから、若年者支援への貢献。若年者の問題については 自治体関係者、学校等の進路指導の関係者など、若年者の就職支援を行う方が多数おら れます。これらの方々に対してキャリアガイダンスツール講習会を行っておりますけれ ども、これを充実させていくということで若年者支援に対する一層の貢献を行っていき たいということでございます。  続きまして15ページ、これも組織の見直しはできないかということに対する回答であ ります。職員研修というのは重要な問題でありますので廃止することはできないという ことであります。  15ページへ参りまして、他への統合はできないのかということでございます。もちろ ん研修機関というのは多数あるわけでありますけれども、労働行政に関する専門的な研 修を行っている機関はございませんので、統合するとしてもメリットが期待できないと いうことであります。民間、地方公共団体についても、このような研修機関は見当たら ないということであります。  続きまして17ページをごらんいただきたいと思います。組織の見直しについて再度ま とめて記載したものでございます。現在の組織形態を維持するということでございます。 1つ目は独立行政法人という形態を維持する理由でございます。質の高い政策研究を行 っていくということが一つ。行政みずから研究はできないのかという問いもあり得るわ けでありますけれども、行政の企画立案部門と適度な距離を保ちつつ連携を行うことが 必要だと考えてございます。行政の企画立案部門が考えていないようなことを先取り的 に研究してもらうということもございますので、適度な距離が必要だと考えております。 中長期的視野に立って継続的に研究を実施していくということが必要であります。これ らの要請にこたえることができるのが独立行政法人という組織形態だと考えてございま す。  2つ目は、非特定独立行政法人、非公務員型の独立行政法人という組織形態について でありますが、この組織形態をとることにより柔軟な人事制度の運用ができる。また、 任期付採用によって研究者の確保を図ってきておりますけれども、これも非特定という 形態によってできるということだと考えております。  以下、廃止した場合の問題点、民営化した場合の問題点は先ほど御説明したとおりで ございます。  19ページは随意契約の見直しの点でございます。既に一般競争入札あるいは企画競争 というものを相当進めてきているところでありまして、その状況については表にあると おりでございます。今後も引き続き競争的な契約制度をとっていってもらおうという考 え方でございます。  見直し当初案については以上でありますけれども、一点補足させていただきたいと思 います。この当初案に記載していないところでありますけれども、研究について、いわ ば腰を据えてじっくりと質の高い研究に取り組んでもらう必要があるという観点から、 現在の3年半という中期目標期間はいかにも短過ぎたという反省がございまして、5年 ということにしてはどうかということで現在検討しております。この点についてはまた 改めてこの場で御審議いただければと思っております。  駆け足になりましたけれども、私の説明は以上でございます。 ○部会長  ありがとうございました。それではただいまの見直し当初案について御質問や御意見 をいただきたいと思います。 ○小畑委員  800万円、700万円、200万円という数字が、なぜこの数字かということを教えていた だけたらと思うんですが。 ○政策統括官付労政担当参事官  調査研究事業の見直しのところの800万でございますけれども、これは研究の本数を 削減するということではなくて、調査のやり方について合理化を図っていってもらうと いうことでございます。厚生労働省の立場からいうと、この範囲で合理化を図ってくれ ということでございます。  それから、研究者の招聘・派遣のところについては人数を減らすことによる削減でご ざいます。成果普及事業の重点化については、雇用・職業研究会の回数を減らすことに よる合理化でございます。 ○川端委員  自主性の問題なんですが、自前で収益を上げないということが大前提になっておりま すね。厚生労働省と一定の距離を行いながら政策研究云々というのがありましたけれど も、財源がすべて本省からということになれば、厚生労働省の方針に反するような研究、 方向が違うような研修というのはやりにくいんではないか。労働政策の研究の幅の広さ というものを担保するために何らかの措置が要るのではないかと思いますが、そこはど うでしょう。 ○政策統括官付労政担当参事官  今のような御議論も踏まえて連携の仕組みをきちっとつくっていこうということでご ざいまして、研究の成果がまとまってから連携するということではなくて、研究の各段 階において、例えば一つの調査を行った段階で新たな問題意識が生じてくるということ があると思うんですけれども、その問題意識についてどうかということで労働政策研 究・研修機構の方から省の方へ投げかけてもらうということもやっていきたいと考えて おります。連携というのは一往復という関係にならずに、何度も往復するということで、 それでやっていこうという考えでございます。 ○川端委員  何度も往復して相談するという、やればやるほど厚生労働省の方針から離れたものは やりにくいんじゃないでしょうか。 ○政策統括官付労政担当参事官  それは事柄によってということで、パターンも一律化はできないだろうと思うんです けれども、むしろ厚生労働省としてまだ取り組んでいない、あるいは問題意識を持って いないようなことについて調査の段階、研究に着手した段階で発掘してもらって大いに 提起してもらおうということでございまして、確かに厚生労働省として既に一定の方針 が固まってしまっている問題について、それと違う見解を出していくというのは難しい 面もあろうかと思いますけれども、期待しておりますのは省として余り問題意識を持っ ていないようなことについて、調査をしてみたところこういう問題があるんだけどとい うことで提起してもらおうということでございます。 ○部会長  結局は厚生労働省の問題意識というのは短期ですよね。ですから、この機構がもう少 しみずからのビジョンをしっかり持って、より長期的な考え方で労働に関する研究をみ ずからやっていくようなことが許される工夫ということですよね。 ○川端委員  それもありますし、要するに幅広い事業をということです。 ○今村委員  短期的な部分だけでない、中長期的に質の高い研究をするということがどこまで許さ れるかというのが重要な視点かと思うんですが、キーワードとして質の高い研究という のを常に使っていらっしゃるんですが、果たして研究の質というのはどういうことを指 しているのかということが、かなり厚生労働省的な意味での質というところに偏ってい るような印象が私はあるんですが、わかりやすい例でいえば、労働政策研究・研修機構 でノーベル賞をもらうような研究者が出た方がいいのかというと、必ずしもそれは目的 としては合致しないのかもしれない。私が申し上げたいのは、質の高い研究という中に は、地道にデータを蓄積したり、オリジナルな現実観察といいますか、継続的なデータ バンクの位置づけとしての機構というのがあると思うんですね。今の例でいえば、厚生 労働省と短期的、流動的に対応するということを考えると、ある意味での研究の質を落 として短期的なニーズでこたえざるを得ないというような場合もあるんじゃないかとい うことをあえて申し上げたいと思うんですね。質ということが大変重要でありまして、 特にここに書かれていない言葉でいえば、地道なデータの蓄積の実証的な研究であると か、現実を的確に観察して、より正確な政策立案をするための基盤、そういう部分の書 き方が少し足りないかもしれないなと感じたんです。これに関しては前回の個別評価で 数値目標に偏り過ぎて、随分いいことやってるのにそれが評価としてあらわれてこない、 大変残念であるということを申し上げたんですが、質の高い研究だけではなくて、日本 全体あるいは世界的な研究のすそ野の広がりのために貢献しているさまざまなデータの 公表、そういった部分でかなり貢献していたりするんですね。単に労働政策研究・研修 機構の中で政策研究をするんじゃなくて、周りの幅広いネットワークへの貢献という部 分もあるんじゃないかと思いますけれども、そういったソーシャルキャピタルとか、目 に見えない文化的な部分もきちっと評価できるようにしていただければ、もうちょっと 機構の評価に当たって、個々の研究員や職員へのインセンティブとうまく連動した評価 ができるのではないかという印象がします。 ○政策統括官付労政担当参事官  なかなか私どもの表現力が乏しくて申しわけございません。おっしゃったようなこと は9ページの(1)、より高度な調査研究の中で、継続的な調査研究の実施、研究成果を蓄 積し、新たな研究に生かしていくという中でそういう気持ちを込めていたつもりであり ます。その点十分表現し切れていなかったかと思います。御指摘を踏まえて今後十分検 討していきたいと思います。 ○本寺委員  質問なんですけども、研究の質に関することなんですが、海外にベンチマークできる ような機関というのはどこかあるんですか。 ○労働政策研究・研修機構総務部長  労働問題専門の調査研究機関ということでは承知しておりません。 ○本寺委員  もう一つの質問ですが、海外にこういう公的な、国の税金を投資して設けている組織 や機関を設けている国というのはどこかあるんですか。 ○労働政策研究・研修機構総務部長  例えばアメリカでノンプロフィットの全米経済研究所とか、そういうところはありま す。 ○本寺委員  それはあるんですね。 ○労働政策研究・研修機構総務部長  労働に限らない幅広い……。 ○本寺委員  ありがとうございました。それを聞いて安心しました。海外ではそういう組織が余り ないとなると、他国政府は国の税金を投じてまでそういう機関を設ける必要性はないと いう価値判断を示しているんだという事実があるのかなと思ったもので。 ○部会長代理  13ページに、他の独立行政法人への統合とか、地方公共団体とか書かれていますが、 あえて質問したいんですけど、政府機関に戻すという検討はされてないんでしょうか。 独立行政法人が設立したときに、試験研究機関というのは外でやるのにふさわしくない だろうという意見があって、イギリスのエージェンシーをまねたんですが、イギリスの エージェンシーは法人化したエージェンシーと、政府の中にあって同じような機能と独 立性を持たせたのとあって、そこに試験研究機関を戻した場合もあるんですね。今いろ いろ聞いていると、独立行政法人の方がいいかなという気がして、政府の中でかなり独 立性を持った機関というのも検討せざるを得ないのかなという気がしてるんですが、今 の段階だと独立行政法人になったことのメリットが大きいということで、逆に政府機関 でやるメリットがないという書き方になるのかな。我々に今まで説明した感じでは独立 行政法人のメリットが大分得られたなという。マイナスも多少あるなという気はしてる んですが、そんな理解でいいんでしょうか。 ○政策統括官付労政担当参事官  いろいろな観点がございまして、企画立案部門と適度な距離を保って先取り的な研究 をしてもらうという点も一つございます。それから、運営費交付金という制度を利用し て、ある程度中長期的な研究ができるというメリットもございます。さらに、最大のメ リットは、非公務員ということで、業績評価制度であるとか、任期付研究員制度という ような弾力的な人事制度ができるという点であろうかと思っております。もちろん公務 員制度自体が今動きつつあるところでありますので、国のあり方、公務員制度全体のあ り方が見直されるということになればその点はいろいろ検討する点があるのかもしれま せんけれども、現状においては外へ出ていることのメリットの方が大きいのではないか と考えております。 ○今村委員  独立行政法人的な位置づけでやっているのはフランスの例があるんですね。CERE Qですか。これは職業訓練まで全部やって、各州くらいに支部を持っている。日本の厚 生労働省と労働政策研究・研修機構とちょっと似たところがある。独立行政法人として 維持するという意味はインセンティブという問題で、政策実行と政策研究をするという 組織はかなり違った特徴を持っていますので、そこのインセンティブの違う組織を無理 やり政府部門に吸収することで逆に目的を達成する障害になっては困る、その辺は重要 なポイントではないかなと思います。 ○部会長  よろしゅうございますでしょうか。きょうの見直し当初案なんですが、これを当部会 で了承する形をとって、それにきょういろいろ出てきた意見をつけ加えて総会に提出す るという形になると思います。基本的に了承するということはよろしゅうございますで しょうか。 〔了承〕  そこに意見をつけ加えるんですが、一つは川端委員から出ておりましたように、厚生 労働省のニーズばかりに引っ張られるのではなくて、自主独立の研究ができるような体 制、工夫が必要だという意見。それから今村委員から出ておりました、研究の質という ものを明らかにして、それに沿った研究体制をつくっていくべきであるという話。それ ともう一つもしつけ加えるとすれば、どうですか、それは意見として…… ○部会長代理  政府機関に戻すというと、書くと恐らく独立行政法人の方がいいよという結論になっ ちゃうかな。 ○部会長  じゃあそれはいいですか。それではその2つを、文章は事務局と私の方でつくらせて もらいますけど、いいですか。 ○政策評価官  この次のもう一つの法人とも絡む話でございますけれども、これまで先行独立行政法 人において見直し当初案について御議論いただいた際にも、総会で御報告いただく際に は、こういう議論があったということを部会で御議論いただいた経緯として部会長の方 から御報告いただくような形もあれば、特に強い問題があるような場合には別の形で見 やすい形をつくるといった、いろんな手法がございます。今おっしゃっていただいたよ うに、部会長から御発言をいただいたものを、再度部会長の御指示のもとに整理させて いただいた上で、次回総会において労働政策研究・研修機構の見直し当初案について省 から御報告する際にあわせて部会長から御報告いただく中で今のような形を明らかにし て、総会の審議につなげていただくというやり方。もし労働政策研究・研修機構につい て委員の皆様のお求めがあれば、もう一歩進んで、そのような手続を踏ませていただき たいと思いますけれども、そこは前者でいいということならそのように御指示をいただ いた上で事務局としては進めたいと思います。 ○部会長  そういうことで私と事務局の方で意見案をまとめさせていただいて、私の方で説明さ せていただくという形をとりたいと思います。  それでは、ここで事務局の入れかえがございますので、5分程度休憩を入れることに したいと思います。 ○政策評価官  今見直し当初案について御説明させていただいた資料、机上配付資料という形で整理 させていただいております。通常部会で御審議いただいた資料は部会終了後すべて公表 扱いとさせていただいておりますけれども、これについては総会において決定をいただ いた時点で対外的には公表させていただくということで、きょうの段階では机上配付と いう形で扱わせていただきたいということだけお願い申し上げます。 〔事務局入れかえ〕 ○部会長  それではよろしゅうございますでしょうか。再開させていただきます。次は雇用・能 力開発機構の見直し当初案についてでございます。担当課より説明をお願いします。説 明時間は30分程度でよろしくお願いいたします。 ○職業能力開発局総務課長  机上配付資料2−1〜2−5に基づいて御説明いたします。2−1というのはエッセ ンスの部分だけ取り出したものでございます。2−2は見直し内容を一覧表の形にした ものでございます。2−3が当初案の本体でございます。2−4は私のしごと館につい て資料を整理したものですので、後ほど御説明させていただきたいと思っております。 2−5は雇用・能力開発機構の概要、原稿の中期目標、実績等をまとめたものでござい ます。説明は2−3によって説明しますので、2−1などを並行してごらんいただきな がらお聞きいただければと思います。  2−3の1ページ、ここは現在の雇用・能力開発機構の沿革、役員数、予算推移など を書いてあるところでございますので、説明は省略させていただきます。見直しに伴う 行政サービス実施コストの改善内容及び改善見込み額ということで、それぞれの項目ご とに取り出して書いてございますけれども、本来はここに金額をすべて書くことを求め られてますけれども、交付金として一括して渡している部分に含まれているものでござ いますので、この部分だけ取り出して計算できない部分がございますので、その部分に ついては金額は載せておりません。載せられる部分についてのみ掲示させていただいて おります。  2ページに参りまして、中期目標の達成状況、業務運営の効率化に関する事項等とい うことで17年度実績を書くことになっております。この内容については前回、前々回に 実績報告をして評価をいただいている項目でございますので、詳細は省略させていただ きますが、例えば1番の業務運営の効率化による経費節減についてというところについ ては、当初目標の15%削減を1年前倒しで実施しておりまして、17.2%というところま で削減してきているということが書いてあるところでございます。その他各業務につい ての目標達成度に触れておりますけれども、ほとんどの項目について目標達成している と承知しているところでございます。  3ページに参りまして、次期中期目標の設定についてということがございます。これ は本来求められている項目ではないんですけれども、後ほど最後に御説明いたします。  4ページ以降は見直しの中身に入ってまいります。まず能力開発業務の関係の在職者 に対する訓練からでございます。今回の事業の概要の分類としましては、現行の中期目 標・中期計画における各事業の項目を一つの単位としまして、それぞれに見直しの概要 を書くことにしております。そこでまず在職者訓練でございます。在職者を対象に、職 業に必要な技能・知識を習得させる訓練ということでございます。その下が事務及び事 業の改廃に係る具体的措置ということでございます。これまでも在職者訓練については、 真に高度なもののみに限定して実施するという方針が定められておりまして、今後もそ の方針に基づき訓練内容を精査しまして、在職者訓練の縮小を図っていきたいと考えて おります。また、その実施に当たっては訓練を受ける訓練生から適切な受益者負担を求 めることにしたいと考えております。さらに、中小企業の事業主等に対する支援としま して、訓練ニーズの把握という観点から、効果と必要性を十分吟味しながら、事業主の 要請に基づいた訓練を実施するとともに、指導員の派遣ですとか訓練施設の貸与、訓練 カリキュラムの提供といったことを効果的に組み合わせて支援したいと考えております。 その下に措置を講ずる理由ということがるる書いてございますけれども、そこは省略さ せていただきたいと思います。機構の業務として真に高度なもののみということでしっ かり精査しまして、全体の規模としては縮小の方向で検討していきたいということでご ざいます。  5ページは廃止した場合の問題点ですとか、他の事業と統合した場合の問題点とか、 民間に移管した場合の問題点、地方公共団体に移管した場合の問題点というのが、これ は求められている様式でございますのでそれぞれ記述しておりますけれども、職業能力 開発促進法上国として求められております訓練をやる責務がございますので、そこは中 小企業のニーズなどを勘案して、それに基づいた訓練を今後とも必要なものに限って実 施していくということから、他の機関などに移管する、あるいは廃止することは適当で ないという主旨のことを記述しております。6ページについては受講者数ですとか満足 度調査、これまでの予算などを記述しているところでございます。  2つ目が7ページでございます。職業能力開発の関係のうち離職者を対象とする訓練 でございます。事業内容としては、ハローワークの求職者を対象に、再就職を容易にす るための職業訓練を実施するということでございます。施設内で行う訓練のほか、専門 学校・各種学校を初めさまざまな機関に委託をしまして、委託訓練という形で実施して おります。見直しの方向性でございますけれども、雇用対策の一環としての意義を十分 に踏まえつつ、その地域において民間ではできないものに限定して実施するという方針 に基づき、訓練内容を精査し、実施していきたいと考えております。民間で対応可能な ものについては成果評価等に基づき委託訓練を積極的に進めていきたいと思っておりま す。訓練内容の充実による就職率の向上を図るために、事業主の要請に応じた訓練を通 じて訓練ニーズを把握して、訓練コースや内容を必要に応じて転換するなどということ で、新たな訓練コースの開発・実施を行うということをやっていきたいと思っておりま すし、多様化する求職者のニーズに見合った訓練を受けさせるためのキャリア・コンサ ルティング機能の充実を図ってまいりたいと考えているところでございます。離職者訓 練については雇用対策のセーフティネットという位置づけでございまして、失業された 方をできるだけ早く就職させるための技能を身につけるという部分でございますので、 これは国としてやるべき部分があるだろうと考えております。その部分を基本として、 民間でできないものをやっていくというスタンスを守って中身を精査してまいりたいと いうことでございます。8ページが、廃止あるいは他の機関に移管した場合の問題点と いうことで書いてございますが、雇用のセーフティネットとして実施しているものでご ざいますので、国として責任を持ってやらなければいけないという観点からの記述をし ております。9ページでございますが、それぞれの実績等を載せてございます。  10ページ、学卒者に対する訓練でございます。職業能力開発大学校という施設におい て、高等学校卒業者等を対象に、実践力のある高度な知識・技能を兼ね備えた技能労働 者の養成ということで実施しております。見直しの方向性としては、事業主の人材ニー ズに合わせた訓練コースの内容の適宜見直しや、事業主との連携による訓練の実施等に より高度な実践力の習得を目指す等、引き続き効果的な人材養成に努めるということを 書いてございます。訓練の内容としましては、時代のニーズに合った、あるいは地域企 業のニーズに合った形で内容を見直していくことは重要であろうと考えておりますし、 引き続き若い人の実践的な能力を身につけるという必要性があろうかと思っております ので、その辺を中心に実施していきたいと思っております。以下、廃止した場合の問題 点等書いてございますが、この辺は引き続き実施していきたいということでございます ので、それに対する意見を述べさせていただいております。  次が12ページでございます。職業能力開発業務のうち新分野等への事業展開の支援と いうことでございます。これは創業を希望する方々や新分野への事業展開を希望する事 業主などに対して側面的支援という観点で専門的な相談援助ですとか、創業に関する知 識を付与するための訓練、新分野の事業展開を目指す共同研究等をやっております。見 直しの方向性でございますけれども、起業新分野展開支援センター、通称創業サポート センターと言っておりますが、そういったものを東京と大阪に、そのスポットを北海道 と福岡に設置しております。この組織を拠点として引き続き業務をやっていきたいと思 っております。廃止、他の機関等への移管等については、そういうことはできないとい う観点で理由を述べさせていただいております。  次が14ページ、職業能力開発業務のうちの職業訓練指導員の養成でございます。これ は相模原の職業能力開発総合大学校において実施しているところでございますけれども、 公共職業訓練等における指導員の養成、その能力の向上に関する訓練を行う唯一の機関 ということで行っているところでございます。見直しの方向性でございますけれども、 企業における能力開発あるいはキャリア支援の重要性の高まり、技能継承というものが 大きな課題になっていることを背景として、単なる技能習得の指導だけではなく、訓練 のコーディネートやキャリア・コンサルティングなど、民間でも対応できる幅広い能力 を持った指導員を養成していきたいと考えております。ただし、長期課程の学生定員に ついては、今後の需要予測などを踏まえて見直しを図ってまいりたいと思っております。 その理由としましては、指導員としての必要性があることは認識した上で、全体的な規 模の縮小を図っていきたいと考えておりますので、学生定員を見直していこうという方 向でございます。廃止あるいは他機関への統合・移管に対する見解でございますけれど も、この部分については公共訓練における指導員の役割がなくなるわけではございませ んので、そこは国として責任を持ってやっていく部分がありますので、それに対する反 論という形で書かせていただいております。  次が16ページの若年者対策でございます。公共職業安定所などに行くことを躊躇する ような若年者であっても気軽に利用できる広場ということで、相互交流あるいは職業意 識の啓発を目的としてヤングジョブスポットというのを14都道府県に設置しておりま す。これの見直しの方向性でございますけれども、以前として失業者、フリーターの若 者が多数存在していることを踏まえ、こういった相互交流を通じた職業意識の啓発、若 年者が集まりやすい場所に出向いていっての呼びかけということを、これまでに得られ たノウハウを活用しながら、あるいは地方自治体とも連携して若年者の就労機関を通じ た事業展開を図っていきたいと思っております。また、機動性を高めつつ支援拠点のあ り方については見直しを図ってまいりたいと考えております。理由についても、若者に 対する対策の必要性として重要なものがありますので、事業としては継続してまいりま すけれども、支援拠点のあり方については重点化を図るという方向で見直しを図ってい きたいということが書いてございます。廃止、地方公共団体への移管についてはできな いということで、理由を書かせていただいております。  次が19ページ、私のしごと館の業務でございます。若者を中心に職業意識の効率的か つ効果的な形成等を図るため、職業体験機会、体系的な職業情報・相談をワンストップ で提供するということでの私のしごと館の運営でございます。見直しの方向性としまし ては、利用者ニーズを踏まえた事業内容の改善を図るとともに、一般競争入札に基づく 民間委託ですとか、市場化テストの活用を通じた経費の縮減、自己収入の増加に向けた 取り組みといったことを通じて、一層の業務運営の効率化を図ってまいりたいと考えて おります。  ここで資料2−4をごらんいただきたいと思います。一昨日も御意見があったと承知 しておりますので、若干補足説明させていただきたいと思います。平成15年3月に開館 しまして、10月から本格オープンということで若者を中心とした職業意識の効率的かつ 効果的な形成という事業を京都で実施しているところでございます。展示・体験事業と いったようなことで、実際に触れて、ものをつくったりということを体験していただき ながら、職業に対する興味を高めていただく。適性検査や情報提供、キャリア・コンサ ルティング、セミナーといったことを行いまして、適性に応じた職業選択の実現を図っ ていきたいということで展開しております。利用状況でございますけれども、開館以来 平成18年6月までに111万人入っております。年間約40万人程度ずつ来館いただいて おりまして、今年度も既に9万人訪れていただいております。さらに、予約数も20万人 の予約をいただいているところでございまして、数字も増えてきております。アンケー ト調査を実施して、職業に関心を持つようになったとか、職業の理解が深まったといっ た高い評価もいただいているところでございます。  2枚目でございますけれども、経済界の協力状況ということで、地元を初め業界団体 から体験指導業務を公的性格を踏まえた安価な額で受託したり、地元主要企業14社から 出向者を16名ほどいただいておりまして、そこでの活動に寄与していただいているとい うことで、経済界からの協力もいただいております。この運営に当たりましては経済団 体や地元行政機関、教育機関からなります私のしごと館支援協議会というものを設置し まして、経団連の御手洗会長が会長になっていただいております。そういったところで 御意見を頂戴しているということもやっております。今後の方向性としましては、厳し い財政状況を踏まえて経費削減、自己収入の拡大ということでございまして、18年度予 算については前年度比2億円の減額をして12億円としております。18年度における人 件費についても16年に比べて2割削減の3億円程度ということで実施してきておりま す。今後の取り組みとしましては、体験料や駐車料金を値上げする、職業体験事業の内 容を充実したり、実施回数を増やしたり、民間企業に展示ブースを貸し出す、企画展を やるときに企業のタイアップによって経費節減を図る、さらなる民間委託の拡大をする などを通じて、収入増を図ってまいりたいと考えているところでございます。市場化テ ストの導入と書いてございますけれども、市場化テスト法という法律が通りまして、官 がやっているさまざまな事業のうち民間と比較して、あるいは民間の提案によりコスト を計算して、民の方が安いということになった場合には民がやっていくという事業とし て市場化テストという形ができたわけでございますが、しごと館がやっております職業 体験事業、約40職種ございますけれども、そのうちの5職種について19年4月から市 場化テストの落札者による運営に移行したいと考えております。  こういったさまざまな努力をしていくことにより、より効率的かつ効果的な運営を図 っていきたいというのが私どもの考え方でございますので、どうか御理解のほどよろし くお願いしたいと思います。  それではもとに戻っていただきまして、次は21ページ、キャリア・コンサルティング の関係業務でございます。この業務は各都道府県に1カ所ずつ機構都道府県センターの キャリア形成支援コーナーにおいて、労働者のキャリア形成に関する情報提供、相談援 助を行っているものでございます。この業務は今後一層重要になるだろうということで ございますので、キャリア・コンサルティングの能力を身につけた専門のアドバイザー を引き続き配置し、効果的な訓練あるいは自己啓発に結びつけていくということで実施 してまいりたいと思っております。事業としては引き続き実施してまいりたいと考えて いるところでございます。理由のところもほぼ同じようなことで記述させていただいて おりますし、廃止あるいは地方等への移管は考えていないということを記述しておりま す。  23ページが調査研究でございます。2点ございまして、職業能力開発総合大学校にお ける訓練技法を初めとした能力開発全般に係る調査研究と、生涯職業能力開発促進セン ター(アビリティガーデン)におけるホワイトカラーに係る産業界の動向に対応した訓 練コースの開発・実施ということでやっている部分でございます。これらは実績もござ いますし、これから新しい訓練の動向を踏まえた調査研究は必要でございますので、引 き続き推進してまいりたいと考えております。理由のところも同様の記述をさせていた だいているところでございます。  次は26ページ、助成金及び技能者育成資金というところでございます。能力開発関係 の助成金と技能者育成資金でございますが、キャリア形成促進助成金ということで、事 業主が行う能力開発について支援する助成金でございます。これについては、より一層 推進していきたいと思っておりますけれども、雇用保険3事業の見直しに合わせて助成 内容を見直し、一層制度の周知あるいは手続の簡素化、処理期間の短縮といったことを 進めていきたいと思っております。技能者育成資金といって、訓練生に対する奨学金の 貸し付け制度をやっております。これについての見直しですけれども、雇用保険3事業 の見直しに合わせ、貸し付け対象者を真に必要なものに限定する方向で検討を行うとと もに、回収業務の強化を図り、国からの補助を段階的に縮小し、廃止するということで 考えてまいりたいと思います。27ページに理由が書いてございます。助成金としては事 業主が行う能力開発について引き続き実施していくものの、助成内容あるいは手続の簡 素・合理化といった観点で見直しをする必要があるということでございますし、国が行 う措置としてやるべきものですので、廃止あるいは他機関への移管ということは考えて いないということを書いてございます。28ページが技能者育成資金でございます。これ については回収率が芳しくなかったところもございますし、貸し付け対象者に対する審 査も必ずしも十分でなかったこともございますので、その辺を厳格に実施することによ って国からの補助を段階的に縮小していくということで、最終的には全部自前で回転で きるような形にしたいと考えております。  30ページが雇用開発関係の業務でございます。中小企業事業主に対する相談等の業務、 建設労働者の雇用管理改善等に関する相談援助、沖縄県における離職者等に対する援助 業務というのがございます。見直しの方向性でございますけれども、基本的に事業とし ては継続してまいりますけれども、3事業の見直しに係る部分として、より内容を重点 化するということで、実効性の高い事業としてやってまいりたいと思っております。建 設の関係についても、そこら辺はより内容を考えながら引き続き実施してまいりたいと 思っております。沖縄県における離職者の援助業務ということで、この辺は関係機関と 連携しながら、一層の制度の周知・強化を図っていきたいということで書いております。 この辺は引き続きの業務でございます。  35ページが雇用開発業務のうち、助成金の支給、貸し付け等の業務ということで4点 ございます。中小企業事業主に対する助成金、建設事業主等に対する助成金支給業務、 就職資金貸付事業、介護労働者の福祉増進を図る債務保証といった業務でございます。 見直しの方向性でございますけれども、(1)と(2)の業務は3事業の見直しによる中身の精 査はやっておりますけれども、その目的を生かした取り組みに重点化してまいりたいと いうことで引き続き行っていくことにしております。(3)の就職資金貸し付けについては、 アイヌ地区住民とか沖縄県内居住者に対する貸し付けということでございますが、アイ ヌの方については引き続きの事業としては必要がありますけれども、適正化を図るとい うことで返還基準の見直しを行いたいと思っております。沖縄県の居住者に対しては18 年度末をもって廃止していきたいと思います。(4)の介護労働者の福祉増進を図るための 債務保証ということで、事業の継続性が今後とも見込まれるということもございますの で、この辺は引き続き実施してまいりたいと考えております。それに関する理由として 36ページからそれぞれ記述させていただいております。廃止等に対してもできない理由 を書かせていただいております。  42ページが勤労者財産形成促進業務でございます。これにつきましては財形制度の融 資あるいは助成金の支給といったことを初め、制度の普及に関する業務を行っているも のでございます。財形制度に対する見直しの方向性としましては、3つの助成金はすべ て廃止することにしたいと思っています。ただし、必要な経過措置を設けるということ でございます。融資業務のうち分譲融資、多目的住宅融資、共同社宅用住宅融資は廃止 するということでございます。労働保険特別会計からの補助金については廃止するとい うことで、これも自前で回転できるような措置としてやってまいりたいということでご ざいます。廃止の理由としましては、助成金について利用実績が低調で、政策効果が低 減したということで廃止するものでございますし、43ページに行きまして、それぞれの 融資についても利用実績が低調であるということでございますので、そこは廃止してい きたいということでございます。以下それぞれの問題点等について書かせていただいて おりますけれども、詳細は省略させていただきます。  47ページが雇用促進融資業務でございます。この業務は既に新規の貸し付けは止めて おりまして、既に貸したものの回収業務だけをやっている部分でございます。これにつ いては特に目新しい話ではございませんが、より適切に引き続き債権管理を行っていき たいというのが見直しの方向性でございます。  次が48ページでございますが、雇用促進住宅業務でございます。事業としては将来的 にできるだけ早期に譲渡または廃止するということで、それまでの間の管理業務をやる ということで実施している部分でございます。これについては18年度中に関係者の意見 等を活用しながら、できるだけ早期に事業を廃止するということで検討しておりますの で、その結論を待って必要な対応を図っていきたいということでございます。当初30 年かけるというような案について、昨年規制改革会議等で御意見をいただいたことも踏 まえまして、検討を現在しているところでございまして、その結果を待って対処したい と思っております。  ここまでは業務の見直しでございまして、49ページ以降が組織形態の見直しでござい ます。3点ございます。(1)として、職業能力開発促進センター(ポリテクセンター)で ございますが、現在62カ所ございます。これについては施設が雇用対策の一環としての 離転職者訓練、高度な内容の在職者訓練を実施する機関であることを踏まえまして、地 域の訓練ニーズ、実績等に基づいて、内容、実施規模を精査してまいりたいと考えてお ります。2つ目のアビリティガーデンについては、本来の目的であるホワイトカラーの 能力開発に関する中核的な拠点としての位置づけで、調査研究の実施、民間機関では実 施されていない訓練コースの開発及び試行実施ということに特化してまいりたいと思っ ております。施設の貸与という支援を強化するほか、市場化テストを実施して施設開放 を進めてまいりたいと思っております。さらに、既に実施済みでございますけれども、 AGネットといって、通信衛星を使った教育訓練については廃止しております。施設の 中にありました宿泊施設についても利用実績が低調であることを踏まえて廃止しており まして、今後とも施設の効率的な運営に努めてまいりたいと考えております。(3)の職業 能力開発大学校でございますが、施設のあり方、配置のあり方については実績に基づい て定員を見直したり、訓練科整理・縮小を行うとともに、実績の低調な施設については 統廃合を踏まえ、次期中期計画期間中に検討し、必要な措置を講じてまいりたいと思っ ております。  次ページ以下はそれぞれの組織についての理由及び全面廃止あるいは地方移管等につ いての見解の記述でございますけれども、そこは省略させていただきたいと思います。  最後に、戻っていただきまして3ページをごらんいただきたいと思います。次期中期 目標の設定ということで、ここは必ずしも求められている様式ではございませんけれど も、ただいま説明したことを踏まえまして、現在の取り組み状況として、既に一般管理 費及び業務経費については15%以上の削減を達成してきておりますし、各業務について もほぼ達成する見込みとなっております。現在雇用保険3事業の見直しが進められてお りまして、7月に出された報告書の中で機構について年間交付金額を大幅に圧縮するこ とが適当であるとか、中期目標・中期計画を前倒しで見直すことを検討すべきであり、 交付金の圧縮に当たっては中期計画における削減目標に向けて可能な限り前倒しで進め ることが適当と言われているところでございます。こういったことを踏まえて事業の見 直しと3事業の見直しと歩調を合わせて遅滞なく実施することが適当であろうと考えま して、現在の中期目標を1年前倒ししまして、19年度から新たな中期目標を設定したい ということを考えているところでございます。  もう一点、資料2−1の4ページをごらんいただきたいと思います。参考ということ で、雇用・能力開発機構に係る平成19年度予算概算要求の概要見込みをつけております。 まだ見込みでございますが、来年度の概算要求の数値でございます。運営費交付金の大 幅な圧縮を図るということも踏まえ、今年度860億というものを796億ということで、 7.5%の減を図っていきたいと思っております。各事業に係る補助金についても450億に 対して383億ということで、14.9%の減を図っております。こういったもろもろを合わ せまして1311億の本年度予算に対して概算要求で1180億ということで、10%の減とい うことで予算的にもかなり圧縮した予算を組むことを考えているところでございます。  ちょっと超過して大変恐縮でございますが、説明は以上にさせていただきます。どう もありがとうございました。 ○部会長  ありがとうございました。それではただいまの御説明に対して御質問、御意見などご ざいましたら、お願いいたします。 ○部会長代理  独立行政法人というのは、各独立行政法人とも事業の縮小、削減というのが基本的な 方針でやっているんですが、さまざまな事務事業の中で、もっと拡大したいというもの があったかどうかということと、例えば職業能力開発(若年者対策)というので、全国 にヤングジョブスポット14都道府県、もうちょっと増やした方がいいんじゃないかとい う気が僕なんかはするんですが、全部縮小というより、ある部分はもっと拡大しなきゃ いけないとかそういうものがあるような気がするんですが、そういう心づもりはないと いうことなんでしょうか。 ○職業能力開発局総務課長  確かに部分部分でいいますと、例えば指導員の養成なんかについて、今までの単なる 訓練技法を勉強するということだけじゃなくて、キャリア・コンサルティングといった ようなもうちょっと幅広いことを養成していくだとか、そういった内容部分についての 充実を図るということは随所に入れ込んではいるんですが、それに伴って予算を膨らま すという状況が現在難しゅうございますので、その辺は現在与えられている交付金の中 で効率的にやっていくということで考えていきたいと思っております。 ○宮本委員  具体的に伺えればと思うんですが、16ページにヤングジョブスポットについて書かれ ていますね。14カ所だと。これを廃止はしないということですけれども、支援拠点のあ り方に見直し、支援拠点の重点化と書かれていますので、端的に言って数を減らすとい うことでしょうか。 ○職業能力開発局総務課長  ジョブカフェとかああいった事業との関連、あるいはハローワークで実施しています 事業との関連などを見まして、その辺をどう考えていくかということは今後検討してい きたいと思いますけれども、方向性としては実績を踏まえて、思うように伸びていない ところについては見直さざるを得ないということで、縮小の方向で検討しております。 ただ、それをどのくらいにするかということは今後の実績を見ながら考えていきたいと 思っております。やめたからといってその部分を全くやらないようにするということで はなくて、関連機関とも協力して、今まで持っているノウハウを都道府県センターやジ ョブカフェなどと連携してやっていきたいと思っておりますので、その部分が全くなく なっていくというようにはしないようにしたいと思っています。 ○宮本委員  ヤングジョブスポットは始まってわずか3、4年しかたっていなくて、しかも予算規 模としては非常に小さいですよね。現に動かしているところはNPOが受託してやって いたりして、その人たちの賃金は極めて安く、フリーターのサポートのためにフリータ ーの人がやっているというのが実状で、これ以上カットすると、やる気があって優秀な 人はヤングジョブスポットでは働かないという状況に陥る可能性がかなりあるという感 じがしていまして、予算を拝見しますとすべて18年度予算全体の総額カットと比例して 全部の事業がカットされていますけれども、強弱が必要ではないかと思います。ヤング ジョブスポットなどに関してはこれ以上カットしたらほとんど機能しない、働く人が逃 げ出すだろうという状況があることと、14カ所ということ自体がもともと少なくて、政 令指定都市等の大都市だけにつくったということですけれども、ジョブカフェやハロー ワークでは機能しない部分をやるということで始まったもので、支援拠点重点化につい ては十分な検討をしていただく必要があるんじゃないかということを考えます。  それから、今低調なところはカットするということですけれども、低調なところはや り方が悪いという問題もあって、やる気があって取り組んでいるところには多くの人が 集まる、そうでないところは集まらないということに関する検討も必要かと思います。  それからもう一つ、今年から全国20で地域若者サポートステーションが始まりますね。 そのあたりと十分連携を組みながら、責任を持って、機能が縮小なり消滅しないように ということをお考えいただかないと、せっかくのところが単なる予算カットのためにど んどんカットされていくのではないかという感じがしますので。 ○職業能力開発局総務課長  大変貴重な御意見でございまして、私どもも単に実績が伸びてないからすぐやめると いうことをするつもりもございませんので、その辺は関係機関の状況や実績を見ながら、 中身を吟味しながら進めてまいりたいと考えております。 ○川端委員  職業能力開発業務で、その多くが民間へ移管した場合の問題点として、例えば5ペー ジの例をとれば、在職者訓練は、産業界で特にニーズが高いもののうち、民間では実施 していない、真に高度なものに限定してというんですが、だから民間に移管できないと いうのは非常に論理が矛盾しているのではないか。民間に移管するということは人材ご と移すわけですよね。そうすると専門家も移るわけだから十分できるし、もし費用の問 題であれば、助成金で余ったお金を出せば十分やれるのではないか。民間の研究機関は 非常に発達しているし、専門学校等々も随分充実してきておりますので、あえて国がや る意味はどこなのかなと。そういうようなことを私は感じるんですが、いかがでしょう か。 ○職業能力開発局総務課長  当初独立行政法人化するときに在職者訓練をどういう範囲でやるべきかということを 十分議論させていただいたと思っておりますけれども、基本の考え方としては民間でや っている部分についてはそこをあえて重複してやる必要がないだろうというのが大原則 でございますし、高度という部分で申し上げると、我々としては大企業が自前でできる ところについてやろうという気はございませんので、地域性も配慮して、中小企業に在 職する労働者が自前でできない、設備やノウハウを持っていないというところを手助け していこうということで、どの部分かということで、真に高度なものに限定してという 形でレベルを考えながらやってきているところでございますので、全部民間にやらせれ ばできるだろうと、それは突き詰めていえば絶対にやれないことはないのかもしれませ んけれども、地域性ですとか、中小企業が持っている体力とか能力などに配慮して、そ れを補完するというスタンスで考えておりますので、この部分の記述が2行しか書いて いなくて意を尽くしていないところがあるかもしれませんけれども、そこは金を出して やればいいじゃないかという話もあるかもしれませんが、機構として在職者訓練を手助 けするものは何かということでやっておりますので、それ以外のものは民間にやらせる ということは基本論としてはあると考えております。 ○川端委員  それを即そういうふうにすればそこはやれるわけですから、むしろ安いお金でそこを やってるから民間がやれないということだってあるんじゃないですかね。 ○職業能力開発局総務課長  その点については、毎年訓練計画をつくるときに地元の訓練機関などとも十分話し合 いをして、民業圧迫にならないような話し合いはしておりまして、一概に安いから民間 が乗り出してこれないんだということではないんじゃないかと思っております。それか ら、特に在職者訓練については今後応分の負担もいただこうということで、今以上に負 担は上げていく方向で考えておりますので、そこは決して民業圧迫にならないようには したいと思っています。 ○今村委員  2つお伺いしたいんですけど、一つは資料2−3の4ページにあります、雇用・能力 開発機構の在職者対象職業訓練で、言葉の問題ですが、「真に高度なもののみに限定して 実施」ということと、その2行下の「自らの能力開発に取り組むことが困難な中小企業 事業主」というのは、これは両立するのかどうかという素朴な疑問であります。自らの 能力開発に取り組むことが困難な中小企業で真に高度なものというのはどういうことな のか。そこに本当にニーズがあるのかということが、この文章だけだと説明不足になる かという危惧を感じたということです。  もう一点は漠然とした大きな問題になるかもしれませんけれども、例えば勤退共など で見ますと内部での経営人材とか組織のマネージメントに関する人材育成のプログラム というのが一応中期目標の中にうたわれているんですけれども、このように巨大な雇 用・能力開発機構において組織全体をマネージするような人材をどうやって育成してい るかという視点について全く触れられていないというのは、ちょっと奇異な感じがする んです。と申しますのは、こういう公共的な、社会的に重要なサービスを供給するとき に、パブリックオーソリティがどういう役割を果たすべきかというときに、一つの議論 の流れとしては、どこにどういう組織があるかというマッピングをして、それをうまく コーディネートしていくことでより有効な政策を提供していくという議論があるんです けど、そういうのを含めて組織全体をうまく、民間の発想、市場の発想を取り入れなが ら効率的にやっていく人材というのは、恐らく雇用・能力開発機構で一番急務ではない かと思うんですが、その辺について中期目標の中でうたわれる部分がないのがちょっと 奇妙かなという感じがいたしました。 ○職業能力開発局総務課長  1点目でございますけれども、中小企業であっても内容的に高度な部分をやっている ところはたくさんあると思います。基礎的な部分で自前でできるというようなところ、 民間でできるというものは機構でやらないという方針でございますので、在職者に対す る訓練のメルクマールとしては真に高度なものということでやっていこうと。大企業な んかだと恐らく自前でできるでしょうから、自前でできない中小企業を主なターゲット として考えていきたいということでございますので、必ずしも矛盾はしないかなと思っ ております。  2点目の件は大変重要な問題だと思っておりますけれども、今回の見直しで求められ ておりますのは事業の見直しと組織の見直しということで、この様式に基づいた見直し 案を出せということでございまして、今後次期中期目標を作るに当たってはマネージメ ントの部分も考えながら書けるなら書いてまいりたいと思っています。 ○今村委員  つまりこれは裏腹の問題で、この問題を考える上でも今の問題は重要なわけで、そう いう裏づけなしにはこういう計画は実行できないし、あえて言えば民間に移管した場合 の問題点というフォーマット自体が問題で、民間を活用したときの利点というものも当 然あるわけで、その辺もぜひお考えいただければと思います。 ○宮本委員  26ページの、例えば技能者育成資金がありますね。これについて伺いたいんですが、 今後真に必要なものに限定する方向で検討を行う、国の補助は段階的に縮小し、自前で 行うということなんですけれども、状況から考えますとこの部分も非常に重要なもので、 そう簡単に縮小する問題ではないように思うんですが、いかがなものでしょうか。これ を廃止した場合、それにかわるものはないということが28ページあたりに書いてあり、 それにもかかわらず縮小していくということであるわけですよね。このあたりはどう御 判断しているのか伺えればと思います。 ○職業能力開発局総務課長  技能者育成資金というのは公共訓練等を受けている訓練生に対する奨学金という位置 づけでやっておりますけれども、実際の貸付対象者の審査について、ともすれば十分に 審査しないで貸付をしていたとか、回収の部分についてしっかり補足しないまま回収不 能になっているという事例がありまして、昨年の会計検査などで指摘を受けました、も うちょっと適正な運用を図るべしという御指摘をいただいたところでございます。それ に伴って国から数億毎年補助をもらうという形でやってきたんですけど、回収業務をし っかりやって補足していけばそんなに国の補助も要らないのではないかということもあ りまして、今後何年かかけてそこは適正に運用していくことによって補助金を将来的に 廃止しようと。ですから、それは回収した金で新規に貸し出すという運転の仕方をすれ ば国の補助は要らなくなるだろうという長期的な見通しも立てた上でやっていくという ことでございますので、今貸している人たちの要件を絞って、今まで借り出した人をで きなくするとかそういったことを考えているわけではございませんので、経済面、学力 面をよく審査して、本当に必要な人にはちゃんと貸し出すということは徹底してまいり たいと思っておりますので、縮小という言葉が誤解を招くかもしれませんけれども、適 正な運用という観点からの見直しをさせていただきたいということでございます。 ○宮本委員  そういうことであれば、むしろ回収率の向上とか、そのあたりを強調する方が適正で はないかという感じがします。 ○部会長代理  様式を見ますと、行政サービス実施コストに与える影響(改善に資する事項)という ことがあるんですが、ざっと見ると4割くらいが書かれていて、あとはほとんど書かれ ていないと。行政コストに影響しないように事務費用もあるのかなという気がするんで すけどね、もう少し書けないかなということと、もし書かないならば、そういうものの 対象じゃないみたいな理由を書いた方がいいんじゃないかという気がするんですけど、 その辺どうでしょう。 ○職業能力開発局総務課長  先ほど申し上げましたように、この機構の特質的なところもあるかもしれませんけれ ども、補助金でやっておりますのはある程度分かれるところがあるんですけれども、運 営費交付金全体でやっている部分もございますので、それを向こう5年まで見通してど れだけ減るかということが、財形制度みたいな金だけを扱っている部分なら助成金を廃 止することによってどれだけ減るというのは簡単に見えるんですけれども、例えば訓練 コース、実施規模をどれだけ減らすとどれだけの交付金を減らすことができるかという のは、今の段階で計算するというのが極めて難しいと思っております。そこは全体をま とめるところと相談しまして、書けないなら書けないで記述方法については検討させて いただきたいと思います。 ○寺山委員  14ページなんですけれども、職業能力開発総合大学校の長期課程学生定員の見直しに より実施費用の減と書いてございますね。私はこの辺よくわからなかったのでホームペ ージを拝見したんですけれども、わからないということで、原則的には学生の場合には 定員を見直しをして少なくしたからって実施費用の削減には即ならなくて、数を増やし た方がインカムが入るわけですが、将来の需給見直しとの絡みで見直したいということ なんですが、現状は職業訓練指導員の入学状況、例えば学生の質とか倍率とか、入学金 とかも書いてなかったんですが、授業料の状況とか、就職先の現況が、例えばキャリア・ コンサルタントやコーディネーターになるということで、民間にも能力を発揮できるよ うな人材を育成したいということが現状では、こういう形で就職先もあるとか、優秀な 方たちが世の中に輩出されていってるんでしょうか。 ○雇用・能力開発機構企画部長  平成18年度ですと200名の定員に対して応募者が665名でございます。約3.3倍にな っております。 ○寺山委員  17年度の就職先なんかをちょっと教えていただけますか。後でも結構なんですけど。 学生の定員の見直しをして将来の需給予測をするということは大変結構なんですが、場 合によっては民間の人材を育成するということで、3.3倍もあるということだと定員が 必ずしも減らなくて、増やしてもいいんじゃないかという逆の場合も可能性があります よね。だからぜひ現況を教えていただきたいということと、需給予測について中身をど うするのかということも非常に気になるところです。 ○雇用・能力開発機構企画部長  平成17年度の就職状況ですけれども、修了者が215名、指導員となっているものが 14名、官公庁2、民間企業147、進学等となっておりまして、合計で就職率が97%とい う状況でございます。 ○寺山委員  普通の大学だったら大成功ですよね。 ○職業能力開発局総務課長  確かに就職率は非常によくて、民間企業からも好意を持って迎えられているという声 は聞くんですけれども、職業能力開発総合大学校における指導員というのが、公共職業 訓練等における指導員を養成するための機関として設置されているわけでございます。 そこの割合は年々減ってきておりまして、雇用・能力開発機構全体の定員も減らしてい るところもあるものですから、指導員として採用する人数を減らしてきているという事 情もあるんですけれども、公共訓練の指導員になる人間が減ってきていることもあって、 民間企業に行って活躍していただくのは大いに結構なことなんですけれども、本来業務 ではない部分であるという指摘を一面でいただいているところもあるわけでございまし て、そこのところを指導員の養成という観点からすれば今後どのくらいの指導員が求め られていくかという観点から定員を見直していく必要があるんじゃないかということで 書かせていただいております。民間企業などにおいて指導的立場になっていただくとい うのは大いに役に立つことではあると思うんですけれども、制度の本来の趣旨からする と、その活用といった位置づけになっておりますので、そこは見直さなければいけない のかもしれませんけれども、言わんとするところはそういった趣旨でございます。 ○寺山委員  わかりました。普通の大学としての大学というセンスとはちょっと違うわけですね。 よく需給予測をお願いいたします。 ○久道委員  19ページと20ページの私のしごと館のところなんですが、一昨日もこの会で厳しい 意見が出たと思いますが、私のしごと館の存在意義は大きくて廃止はできないと書いて ありますが、運営費交付金の入り方の経緯を見てみますと、平成15年に22億、それが 4年間で約10億減ってますね。要するに事業費の45%くらいが減額されているという ことになるわけなんですが、当初の交付金を出すときの算定基準だとか、あるいは計画 的な削減を決められているのかどうか。例えば国立大学法人の場合ですと、大学病院は 毎年医業収益の2%を掛けた交付金の額を減額しなさいという厳しい状況になっている んですが、少なくとも45%も4年で減らされてしまってると。しかもサービス利用者は 増えているという矛盾した状況になってるんですが、これはどんどん減らす予定なんで しょうか、厚生労働省の方で。そういう約束になってるかどうか。 ○職業能力開発局育成支援課長  15年度に開館しましたけれども、まだ初動的経費がございましたので、16年度が本格 オープンして一年間丸々回ったという意味での平年度のベースというふうに御理解いた だきまして、その後17年度、18年度というのは全体の交付金そのものも中期計画の中 で削減いたしますけれども、それに輪をかけて、しごと館については外からも厳しい御 意見がたくさんございました中で、できるところは効率化していくということで、機構 全体の削減率よりも上回る削減率にしているという状況でございます。 ○久道委員  これは厚生労働省が削減してくるんですか。こちらからこのくらい削減してください というわけではないですよね。 ○職業能力開発局総務課長  これは一応しごと館として載せておりますけれども、経理上は機構全体の交付金の中 のこの部分ということでございますので、本来ならば機構の裁量の中で調節できる話で ございます。ただ、いろんな意見がございまして、金をかけ過ぎじゃないかとか、そう いうこともあるので、効率的な運営という観点から全体に比べてより圧縮する部分は圧 縮するという方向できているというのは事実でございます。 ○久道委員  わかりました。 ○部会長代理  今の件に関して一昨日松田委員が意見を言って、きょう松田委員は欠席ということで、 それならば文書を出してくださいということで、私のところにファクスが来ているので それを読ませていただきます。  雇用・能力開発機構の私のしごと館について、創設以来毎年10数億の赤字を抱え、一 向に減る気配なし。これを50万人の小中高生が利用することを理由に赤字の垂れ流しを 続けていれば、累損327億円の状態を許すことになりかねない。理事長の信念で何とか やり抜くといっても、この状況は変わらないのではないか。したがって、撤退(廃止) か継続を決めるときに差しかかっている。できれば撤退を望むものである。  これを読んで、累損327億というのは私のしごと館ではあり得ないなと思って調べま したら、たしか財形融資の逆ざやから発生したもので、私のしごと館ではこういう形で は出てない。これに関して何か御説明があれば。 ○労働基準局勤労者生活部企画課長  累損については、確かにおっしゃるとおりでございまして、財形融資の逆ざやが原因 です。財形融資は財形貯蓄をした中から資金を借り出して、還元融資の形で実施してい ますが、借り出す際は10年の中期金利で借り出していたんですが、実際に貸し出して返 済を受けるときは毎年の変動金利だったわけです。したがって短期金利が急速に下がっ てきますと逆ざやが生じる。逆になれば今度は黒字になるという構図だったわけです。 これは住宅金融公庫も同じだったんですけれども、こういう形で借り入れと貸し出しの 金利が常に乖離するということはよくないということで、11年度でそれを統一しまして 5年ということで逆ざやが生じないようにしたというふうになっています。むしろそれ 以降は若干のスプレッドを乗せる形にしまして、累損の解消を計画的に図ってきている という状況でございます。そういうこともございまして、当初の借りかえが5年ごとに きてるものですから、その関係で徐々に赤字は減っていまして、16年度から黒字化しま して、16年度には30数億、17年度には55億の黒字ということで当初の赤字を減らして きておりまして、現在320億くらいの赤字になっているという状況でございます。この 点については、今後は赤字は発生しない、むしろスプレッドで借りかえるごとに黒字に なってまいりますので、これは計画的に処理できるという見込みのもとに事業を行って おります。したがって、今ある赤字は平成20何年度かには解消する予定で、現在のとこ ろはそれ以上の勢いで解消できているという状況でございます。 ○部会長代理  私のしごと館ってマスコミでも取り上げられていて、私も何回かこの部会で言ってい ると思うんですが、結局行政サービスというのは、厳しくコスト計算していけば赤字な ので、赤字の部分をどう評価するかというのは、ほかの事務事業なんかで金額で換算す る部分があるんですが、この場合はないものですからすぐ赤字という形になっちゃうと 思うんですけれども、私は個人的に、例えば料金を取るとしたら2000円か3000円かな という仮定をすれば、50万人いれば10億、15億だから、それほどめちゃくちゃな費用 じゃないのかなと。この費用は減価償却が含まれてないんですよね。ですからまあまあ 妥当かなという気はしてます。ただ、これだけの費用を公共がかけていいのかなという 判断はしなきゃいけないと思うんですが、費用の削減はいろいろやっていて、ちょっと 質問したいんですが、興味を持ってメーカーに行くとかなればメリットはあると思うの で、寄附を頼む。独立行政法人になった一つのメリットというのは寄附を受けられると いうことだと思うんですが、使途特例で寄附をもらえばより削減するということもある んですが、小中だと修学旅行で大してもらえないですよね。これはコスト回収はできな いと思ってるんですが、寄附を求めるというのも手段かなという気がしてるので、その 辺は。 ○職業能力開発局育成支援課長  御指摘のとおり、主たる対象者が若年層でございますので、なかなか入館料を引き上 げるのは難しいという考え方は持ってございますが、そうはいいながらこの4月から、 例えば体験料の部分はコスト計算をしながら一定の引き上げ措置を講じて収入増加策は 講じているところでございます。寄附につきましても、収入増に向けた取り組みという ことを方向性の中で書かせていただいております。その中の一つのやり方として検討対 象にさせていただいております。ただ、単純に企業さんに寄附を下さいと言ってもこの 御時世難しゅうございますので、そこは企業さんにどういうメリットを感じていただく かということも検討しながら、喜んで応じていただけるようなものができないかという ことも検討させていただきたいと思っております。 ○部会長代理  厚生労働省でもいろいろな施設を売却してることが多いと思うんですが、それを見て るとちょっと乱暴というか、つくっちゃったらそれを一番いい活用という観点から考え るということが必要で、今後そういうものをつくるかつくらないかは別のことであって、 今これを検討するということは、もうあるんだから、売っちゃうのが一番いいのか、い ろいろな場合で、一般的に施設があると最大活用という面からいろいろ考えれば、単純 に赤字だからというのはニーズがなければやめちゃった方がいいと思うんですけれども、 ニーズがあるんだったらなるべく費用を少なくして、より効果のあることという観点か ら、多少金かかったって、もう少し金をかければプラスがあるんじゃないかとか、民間 に委託すれば今までよりサービスが上がるとか、そういう意味での積極的な部分という のをもう少し考えた方がいいんじゃないかなという気がするんですけど。 ○政策評価官  議事進行上のお願いでございますけれども、予定の時間でございますが、当初は明日 及びもう1日、部会として先生方のお時間を確保していただき、審議をいただこうかと 思っておりましたが、年度評価から通じて評価精力的な御審議をいただいて今日まで参 りましたので、もし先生方の御都合がお許しいただければ、事務局としてお願いしてお りました時間を超えますけれども、もう少し続けていただいて、逆に今日をもってして 次の段階に進むように部会長の方で御進行いただければと思います。そうするとあした 及び次の予備日は使わないで済むかなと思うんですが、いかがでしょうか。 ○部会長  時間よろしいですか、ちょっと延長になりますけど。 ○久道委員  10分くらいなら。 ○部会長  ちょっと無理かもしれません。 ○久道委員  じゃあ退席します。 ○部会長  それでお任せいただけますか。 ○職業能力開発局育成支援課長  今の御発言に対して一言だけ。しごと館については厳しい御指摘が多々あるのは承知 の上で対応させていただいていることでございますけれども、御参考までに、今年に入 ってからの国会での議論などでも、厳しい批判はあるけれども、批判されるものとそう でないものは区別して対応したらどうだという御指摘がございまして、この間大臣も現 地を視察していただきまして、ここまで徹底しているものは続けるべきだということで、 しっかりと対外的に説明して、入館者を増やして、どんどん収入を増やす形で、収入が 増えればおのずと交付金に依存する度合いが下がるという相関関係がありますので、そ ういう方向性を持って存続する方向で対応していけという御指示なり激励をいただいて おりますので、そういう方向でやらせていただきたいと考えております。 ○部会長  もう一つの側からいえば、この事業がどれだけ社会的な有効性を持っているのかとい うことをみんなが納得できるように説明できるようにしておくということが重要ですよ ね。 ○今村委員  お金の流れをどう取り組むかというときに、子供相手の民間施設が今度お台場の方に できるという、あの場合1ブロックを1つのスポンサーで固めて、そこから大きな金額 をいただくということで、それが独立行政法人として果たして可能かどうかの問題もあ りますが、そういう柔軟な資金の取り入れ方の発想というのも必要かなと。市場化テス トと書いてありますけれども、市場競争圧力というのは、単なる価格・コストだけじゃ なくて、マネージメントの発想の市場競争圧力というのも有効に活用してアイデアを取 り込んだ方がいいのではないかと思います。  具体的に質問なんですが、19ページの文章の書き方として、「利用者ニーズを踏まえ た事業内容の改善を進める」とたびたび書いていらっしゃいますけど、これは主語が独 立行政法人になるかと思うんですけれども、民間のアイデアを入れるとか、そういった 書き方があるかなという提案でございます。 ○寺山委員  その大臣のお話を伺って私も安心したんですけれども、若年者対策ですよね。ホーム ページを拝見しますと、これが京都にあるということで、高校生の修学旅行とか総合的 学習の一貫でやってくる方が多くて、高校生までいくと新潟県や南の方からもやってき て割合に利用率が高いように思いますけど、小中学校は地元ですよね。京都のメリット というのは修学旅行、観光の都市ということで、そのあたりとセットしながら、さすが ゴージャスなしごと館という中で豊かな体験をして帰るということは、早期の職業導入 教育にとっては大変必要なことなので、そういうメリットもあるかなということで、一 つの案です。  それと、アンケートでは利用者の声はなかなかよくて、逆に東京にも欲しいとか、あ ちこちに欲しいという声もないことはないんですね。 ○部会長  よろしゅうございますでしょうか。きょうの意見を総会で表明しなきゃいけないんで すが、非常に議論が多岐にわたっておりまして、こういうことを表明しますよというこ とをここでまとめていただくか、もう一つは事務局と私で相談して、その結果を私にお 任せいただけるかという2つの方法があると思うんですね。議事録は後でもちろん公表 されます。どうしましょうか。事務局どうします。 ○政策評価官  先ほどの労働政策研究・研修機構のとき以上に雇用・能力開発機構については、基本 は、ご了解をいただいたと存じますが御意見も多くいただけましたので、この場でとい うよりも、少し整理させていただいて、可能であれば部会長に御一任いただけたとして も、時間があれば事務方が間に入って各委員にお伝えするような時間も確保しながら最 終的には部会長の方でまとめて御報告いただく形でいかがでしょうか。この後でという 形になりますと時間がもう過ぎている中、お忙しい委員の中で難しいかと思いますので、 お許しいただければそのような形で御指示いただければ。 ○部会長  じゃあ後で事務局と相談しまして、私の方でまとめさせていただいて、それで総会で 報告させていただくということにさせていただきたいと思います。  事務局から何か連絡事項があればお願いしたいと思います。 ○政策評価官  非常に内容の濃いものをお忙しい中集中的に御審議いただきましてありがとうござい ました。雇用・能力開発機構についても総会に向けての作業の御指示もいただきました ので、先ほどの労働政策研究・研修機構の暫定評価及び見直し当初案に対する総会への 御報告と一緒に、部会長の御指示で進めていきたいと思います。ということになれば、 少し個別に委員の方々に御連絡をとらせていただく時間的な余裕をとりたいと思ってお りますが、そのような形で進めるとして、会議という形での部会は当初予定しておりま した明日及び予備日の25日の金曜日は使用せず、総会の方にお願いするという形で進め させていただければと思います。よろしくお願いします。 ○部会長  それでは本日は以上とさせていただきます。長時間にわたり御熱心な御審議ありがと うございました。 <了> 照会先:政策統括官付政策評価官室 独立行政法人評価係 電 話:03-5253-1111(内線7790) 1