06/08/21 第32回独立行政法人評価委員会労働部会議事録 独立行政法人評価委員会労働部会(第32回) 日時:平成18年8月21日(月) 場所:厚生労働省専用第15会議室 出席者:井原部会長、篠原部会長代理、今村委員、宇佐美委員、小畑委員、川端委員、 寺山委員、久道委員、松田委員 ○部会長  ただいまから、「第32回独立行政法人評価委員会労働部会」を開催いたします。委員 の皆様におかれましては、お忙しい中お集まりいただき誠にありがとうございます。今 日は宮本委員、本寺委員がご欠席です。  初めに事務局から本日の議事についての説明を簡単にお願いします。 ○政策評価官  政策評価官です。お手元の資料の山の中に本日の議事次第を用意しております。その 他を入れて6項目あります。最初の1つは、これまで労働部会で審議をいただきました 各法人の17年度の業務実績について総合評価をまとめていただき、財務諸表に関しての 意見をまとめていただくということです。総合的評価については、それぞれ各法人の起 草委員の方々に予めいろいろお願いをし、まとめていただきました。その前提としての 個別評価については、それぞれ委員の皆様方の机の上に、法人毎の個別項目に関する評 価結果、Sを5、Aを4という形で記号を数字化してまとめましたので、ご確認いただ きたいと思います。これを踏まえ、また、それぞれのシートにご記入いただきました各 委員のコメントをもとに、本日の総合的評価について審議をいただくのが1つ目です。  2つ目は財務諸表です。これについても担当の起草委員であります篠原委員に、別途 お時間をいただきヒアリングなどをしていただきましたので、それを踏まえての審議を お願いしたい。以上2つが17年度の法人業務実績の関係です。  3つ目は雇用・能力開発機構の重要財産の譲渡についてです。4つ目は役員の退職金 に係る業績勘案率ということで、この間、労働者健康福祉機構と能開機構から申請が上 がってきていますので、これについて審議をいただきます。5つ目は役員給与規程及び 役員退職金規程の変更です。これも能開機構から申請がありますので審議をいただきた いと思います。6つ目は「その他」です。報告案件として年度初めに承認をいただきま した長期借入金などの状況について、労福機構と能開機構からその後の動きについてご 報告をいただきます。  参考資料1は、事務連絡。平成18年7月28日、クレジットが総務省行政管理局長とい う文書が入っていると思います。それは政府全体の独立行政法人における役員の報酬及 び給与水準をまとめたものです。当労働部会の所管法人については、それぞれ年度評価 をいただく際にラスパイレス指数という形で確認をいただきましたが、それが政府全体 として取りまとまり、情報提供がありましたので参考配付をしております。  参考資料2は「労働福祉事業に係る平成17年度成果目標の実績評価及び平成18年度成 果目標について」です。先に雇用保険の3事業について、現在行っております見直しの 状況及びその見直しの取りまとまり状況について資料としてお配りしましたが、並行し て労働福祉事業、いわゆる労災勘定についても議論が行われています。参考資料2の頭 紙にもありますように、去る6月27日の労働政策審議会労働条件分科会の労災保険部会 に提出されたものですが、その後の議論において若干の修正あり得べしということです が、この機会に、情報提供をさせていただくものです。時間のあるときにご参照いただ ければと思います。  資料はあと2つあります。1つは、8月21日付で篠原委員クレジットの文章です。こ れは後ほど財務諸表に関する審議をいただく際に篠原委員から、ご紹介いただくもので す。もう1つは次回労働部会の会場の変更についてです。 ○部会長  総合的な評価表、財務諸表に関するご意見については、起草委員の方々にお送りいた だき誠にありがとうございます。総合的評価表の審議に入る前に、労働政策研究・研修 機構より評価審査と財務諸表に一部修正があったと聞いておりますので、法人からその 内容を説明していただきます。 ○労働政策研究・研修機構総務部長  修正は2点あります。1点目は資料1−5です。これは私どもの法人の17年度業務実 績の評価結果の個別評価シート、通し番号の80頁です。(2)交付金債務残高推移の最 初の行に、「期中に予算ヒアリングを行い業務を精力的に推進するなど」という文言を 新しく追加した修正です。財務諸表を篠原委員にレクをした際に、ここの文書がなく、 もともとの原文は「予算の効率的執行に努めた結果」から始まっていたのですが、予算 の効率的執行ということになると、予算をいかに節約して使うかというニュアンスが強 く出て、そうすると節約が多くなるので交付金債務残高は逆に増えるという解釈になる のではないかと。篠原委員より、効率的執行というときには支出を減らす業務もあるが 逆に増やす業務もあると。そういう意味での効率的執行で、そういうことがきちんと分 かるようなニュアンスの表現にすべきである、というご指摘をいただきました。誠にそ のとおりですので修正をいたしました。  もう1点は、篠原委員の配付ペーパーを使って説明するのも変ですが、卓上に配付さ れているペーパー、通し番号の13頁に、私どもの法人の行政サービス実施コスト計算書 があります。ここのIIIの引当外退職給付増加見積額のいちばん右側に、※印で「注」を 新しく加え、頁の下のほうに「これについては注記事項40頁に記載」といたしました。 これは篠原委員より行政サービス実施コストにおけるマイナス表示は益なわけで、国に 還付すべき金額になると誤解される可能性があると。行政サービス実施コスト計算書で マイナス表示になっているものについては、きちんと説明を付けるべきであるというご 指摘です。私どもの監査法人とも相談をし、「注」を書いて、その下に「どこの頁を見 てください」という注書を付けたという修正です。  13頁は総括表です。私どもの勘定は一般勘定、労災勘定、雇用勘定の3勘定がありま すので、各勘定毎に注書を書いたということです。ここがマイナス表示になっているの は、通し番号17頁の3番で、退職給付に係る引当金及び見積額の計上基準ということで 注書を書いております。以上2点の修正です。 ○部会長代理  これについては追加説明をいたします。損益計算書は民間では経営成績をいうのです が、独法の場合は運営状況を示すということで、いわゆる発生主義になっていないので す。その最たるものは、退職給付は払ったときに計上されます。行政サービス実施コス ト計算書は、国民が負担するコストとなっているので、ここの業務費用の場合は損益計 算書からスタートしているので、今期払った退職給付についてはマイナスしなければい けないものです。本来損益計算書の上でマイナスすれば非常に分かりやすいのですが、 3番の引当外退職給付増加見積額のところで引くとマイナスになり、この数値自体がど ういう意味があるのか分からないのではないかと。重要な会計方針で、いわゆる当期に 発生した退職給付から当期払った退職給与額を引くと。その結果は意味のない数字です から、ここは注記したほうがより分かりやすいという意味でお願いしました。 ○部会長  よろしいですか。では先に進みます。初めに総合的評価についての審議をいたします。 総合的評価書の起草委員については、第27回労働部会のときに、ご報告をいただく起草 委員を指名しておりますので、各法人担当の起草委員より、総合的評価書(案)につい て、労働者健康福祉機構、勤労者退職金共済機構、高齢・障害者雇用支援機構、雇用・ 能力開発機構、労働政策研究・研修機構という順で、ご報告をいただきます。その後、 5法人まとめて審議をしたいと思います。議事運営の関係上、報告時間は各法人とも概 ね10分程度でお願いしたいと思います。では、労働者健康福祉機構の起草委員の代表と して久道委員よりお願いいたします。 ○久道委員  初めに今回の評価は中期目標の2年目の評価であるということ。当法人は病院の運営 をはじめ、さまざまな事業について効率化が求められております。事業の中で大きなウ エイトを占める労災病院事業の収支改善は当法人の大きな目標であること。また今回の 評価に当たっては、評価の視点に基づき行うとともに、1つは単に計画を淡々と進める だけでなく、独立行政法人としてふさわしい時宣にかなった取組を行っているかどうか。 2つは、昨年当評価委員会において指摘した事項については、どのように取り組んだの かなどの観点から、取組に対する評価を行いました。評価結果(案)の起草については 各委員のコメントを参考に作成し、資料1−1にあるように6頁にわたって記載してお りますが、時間の関係で要点だけについてお話いたします。  全般的な評価については、平成17年度には何よりもまずアスベスト問題への積極的な 取組が高く評価できます。また当法人はこの問題に迅速かつ適確に対応するため、労災 病院グループが長年にわたって蓄積してきた医学的知見を活用し、社会的に極めて有益 な貢献をするとともに、評価されるべき実績を上げたと考えます。またアスベスト問題 の発生後、直ちに相談窓口を開設し、またアスベスト疾患センターを立ち上げ、多くの 国民が利用することとなりましたが、この対応により国民の不安払拭のために大きな役 割を果たしたと考えられます。  もし労災病院グループがなかった場合どうであったかを考えたときに、その存在は大 きかったと思われます。またアスベスト関連疾患は発生するまでの期間が長く、今後と も患者は増大することが見込まれますが、労災病院グループのみで対応することには限 界もあり、今後これらの知見を広く一般医療機関に普及することも重要であります。す でに一般医療機関に対する講習も実施しており、診断、治療のみならず、普及の面から も引き続き実績を上げることを期待したいと思います。また労災病院のように組織的に 症例を収集し、臨床研究を進めている医療機関はほとんどないものでありますが、第2、 第3のアスベスト問題が発生した場合においても対処できる医療機関として、労災病院 がセーフティーネットの役割を果たすことも期待したいと思います。  その他、事業費全般については中期目標に掲げた数値を上回ったこと。労災病院につ いて、平成17年度、単年度で55億円の損益改善を図り、2年間で118億円の損益改善がな されたことなど、業務運営の効率化、国民に提供するサービスの質の向上、財務内容の 改善を図るための取組が積極的に行われております。このように当法人の17年度の業務 実績は、概ね目標を達し、あるいは、それ以上の実績を上げているものもあり、適正に 業務を実施したとして評価できると考えます。  なお18年度以降においても、更なる効果的、効率的な事業の運営を行う観点から次の 点に留意した運営を行うよう意見を述べます。1つは平成17年度の業務実績の中に、す でに中期目標及び中期計画に掲げた数値を上回った実績も出てきており、これらについ ては平成18年度以降についても、追加的な目標あるいは質的な目標を設定しつつ、より 一層の業務の効率的な推進及び質の向上を期待したいこと。2つ目は、労災病院事業に ついては、日本国内あるいは世界的な視野から労災病院グループのポジショニングを明 らかにし、各労災病院がこれを共有していただきたいということ。3つ目は、平成18年 度以降、診療報酬のマイナス改定があるなど厳しい経営環境の中で、改定等による影響 額など詳細に把握・分析しつつ、中期目標達成に向けて更なる改善の工夫を行うことが 必要であることであります。  以上が全般的なことですが、個別の評価について述べますと、今後の事業運営に当た っての留意点を幾つか述べます。1つは、職員給与の見直しなどについては施設別業務 実績の勤勉手当への反映など様々な施策を積極的に取り入れたことは評価できます。今 後は、これらの施策を手掛かりに職員のモチベーション、及びモラールの維持・向上を させる仕組みを工夫するとともに、経営改善の取組を強固に続けていくことを期待した い。  次にバランススコアカードを用いた内部業績評価制度については、制度導入による成 果が出るには時間を要するものであり、今後民間で導入されている諸制度についても参 考としつつ、この業績評価制度について引き続き、その定着を図っていく必要がありま す。労災疾患に係る研究開発については、各分野において特筆に値する臨床医学研究に 係る実績を上げた中で、繰り返しになりますが、アスベスト問題に関して社会の要請に 即応した迅速な対応を行ったことは、過去の機構の取組の結果であり、機構の存在価値 を示したと評価できます。今後も労災疾患に係る研究開発の成果を社会的資源として活 かすため、更なる努力と積極的な貢献を期待したいと思います。  また、過労死をはじめとする疾患の予防対策については、当委員会の指摘を踏まえ、 実施した対策の効果について研究調査を開始したところです。これら調査の結果を踏ま え、より効果的に広く国民へサービスが提供される事業とすることを期待したいと思い ます。また、産業保健推進センターなどの研修・相談については、アスベスト問題に関 して現地相談窓口及び講習会を実施するなど、国民の不安の解消に精力的に取り組んだ ことは評価できます。なお、先の疾患予防対策と同様、事業効果の分析を引き続き行い、 より良いサービスの提供に努める努力が必要であります。  リハビリテーション施設の運営については、前年度、当委員会が行った指摘等を踏ま え精力的に取り組み、2カ所廃止の決定を含む制度の抜本的な見直しに着手したことは 評価できます。今後も障害者自立支援法の動向も踏まえつつ、対象者の職業、社会的リ ハビリテーションに取り組むことを期待したいと思います。  労災病院の損益改善については、依然として当期損失が73億あります。診療報酬がマ イナス改定されたという厳しい経営環境において、その影響分析を早急に行うとともに、 これを折り込んだ形で収支を改善する方向を真剣に検討すべきです。まさに病院経営の 手腕を発揮する正念場であり、現行の医療制度の中から取り得るあらゆる選択肢を検討 し、また工夫することにより労災病院全体としての収支相償を目指し、良質な医療サー ビスの提供に十分配慮しつつ、更なる収支の改善に取り組むことを期待したいと思いま す。  以上のようにまとめましたが、なお委員のコメントの中で、自己評価が甘いというコ メントが複数の委員から、また複数の評価シートで見られました。しかし、評価総括文 章には、あえて表現しませんでした。それは自己評価をSとしたものの、委員評価がA とされたシート項目が4つとなっている評価一覧表を見れば明らかだという理由からで あります。以上です。 ○部会長  ありがとうございました。続きまして、勤労者退職金共済機構の起草委員を代表いた しまして、今村委員からお願いいたします。 ○今村委員  お手元の資料1−2をご覧ください。評価結果の概要については1〜6頁まで、それ 以降は個別評価項目のシートが添付しております。すでに労働者健康福祉機構で詳しく 説明しておりますが、その形式に若干則りながら説明いたします。  本機構の評価は平成15年10月に定めた中期目標の第3年度の達成度に関する評価で す。この機構については、目的は中小企業者の相互扶助の精神に基づいて、その拠出に よる退職金共済制度を確立し、もって中小企業の従業員の福祉の増進と中小企業の振興 に寄与することを目的とすると。そういう中小企業退職金共済制度の運営を主体とし、 それ以外に3つの退職金共済を行っているということです。そのときの重点的な視点と しては、退職金制度への着実な加入、将来にわたる確実な退職金給付、この2つが評価 の重要な視点となります。以下、資料をざっとお目通しいただきながら要点をかい摘ん で説明いたします。  1つ目の評価の視点。退職金制度への着実な加入という点に関しては、流れとして適 年への移行がありますので、それに則って、ほぼ加入者目標数は法人全体として達成さ れていることで、概ね目標は達成されていると判断されると。次の2つ目の視点ですが、 確実な退職金給付に関しては、加入促進に取り組んで収入は増えたのですが、特に今年 度の重要な視点は累積欠損金の解消計画を大幅に達成しているということ。その背後に は、たまたまマーケットが好調であったということではなくて、内部の人材育成、外部 の評価制度、外部委託の選択等の問題に関して適切な人材育成、組織の管理を行ったこ とがあると考えられます。  そのほか内部管理体制の充実、外部専門家からなる組織の活用、業務の改善、電子化 の推進などによる運営の効率化、諸手続の見直し等による加入者負担の軽減、契約審査 期間の短縮、情報提供体制の整備等を進めることにより加入者のサービス体制の向上が 図られたということを踏まえ、ほぼ全体として機構の目的を十分達成した、評価できる と考えられます。  ただし、2頁目にあります(1)〜(6)の留意すべき視点があります。すべては読みません が、まず(1)加入促進については建退共、林退共、清退共、それぞれの産業における事業 活動の低迷等、固有の業界の事情がありますが、より積極的な取組が求められるという ことです。(2)累積欠損金の解消は今後とも引き続き、着実な実施を期待したいというこ とです。(3)研修の実施について、人事評価制度の勤勉手当等への反映など実施されてい ますが、今後更により高い成果を得るための体制・運用について、更に不断の見直しを 期待したい。(4)業務の効率化に関しては、かなり達成度の高い実績を持っておりますが、 今後更に業務実績の向上につなげていただきたいということです。(5)コスト削減の一方 でコンプライアンス(法令遵守)の問題が発生しております。今後も組織の中でコスト 削減等を努力する一方でコンプライアンスが疎かにならないようにということを配慮し ていただきたいということ。(6)には7月に出された総務省独法評価委員会の見直し方針 等を、もう1回視点として見直し、来年度に本格的な見直しを行うということですが、 そういう必要を指摘したいということです。  3〜6頁は個別の具体的な評価内容についてですが、要点だけをかい摘んで申し上げ ます。1番目、2−(1)の(1)業務運営体制の中で、特に研修制度、人事評価制度に関 しては、評価の時点で図表が若干不備なことが指摘されましたが、それについては図表 を整備して、今後こういった研修制度に関しては更に充実をして、独自に、仮に外部に 資金運用を頼りにしても評価できるような人材育成を引き続き行っていくということ。 評価制度に関しては、勤勉手当等への反映に評価結果を使うということで着手しました が、更に能力開発、評価結果の活用ということで努力をしていただきたいということ。 特に事務の見直しに関しては、必要な事務手続の約6割について既に3年間で見直しを したという点は評価できるのではないかということ。システムの4退職金の共通の管理 という目標を設定しましたので、今後そういった効果が更に現われてくることを期待し たいということ。  4頁目の(2)費用を節減し、当初予定になかった必要経費を念出したにもかかわらず、 全体としては予算額を下回ったということについては評価できるのではないか。ただし コンプライアンスについては注意していただきたいということです。サービスの質に関 しては、特に今年度はホームページの顕著な質的向上が見られるということで、5頁目 にありますがアクセス件数は前年比3割増加しているということ。相談内容については、 更に相談者からフィードバックをして、より充実した相談を行えるようにということを 期待したいということです。  加入促進に関しては、先ほども申し上げましたが、全体として適年からの受入れとい う流れがありますが、例えばそこにありますように適年の受託金融機関への政策的な運 用資金の配分等、若干インセンティブ等をつけて加入者数の目標を達成した。123.6%を 達成した点は評価したいということです。中小企業といいましても今後加入を促進する ためには、例えば、従来対象になっていなかったパートタイム労働者であるとか、ベン チャー企業とか、そういった新たな加入者の獲得も今後引き続き努力していただきたい ということです。  財務内容の改善については先ほども申し上げましたように、中退共で1,417億、林退共 で2億円の累積欠損を解消したことは大変評価できるということです。ただし、これは 別にあります評価項目の評価結果を見ていただきますと分かるのですが、評価項目の10 番目、財務内容に関する事項で、当機構自己評価、ここだけSということで出していた だいたのですが、残念ながら平均が4.45ということで、ほんのちょっとだけSに足りま せんで涙をのんだという結果です。これは逆に考えてみれば、要するに努力というのは 自分たちでできる努力と、外的な要因で得られる成果と2つあるわけで、今回こういう 結果が出たということは、当分はないと思いますが、市場的な要因でたまたま目標を下 回っても、それは若干のアローアンスがあるという、逆にそういう裏付けになるのかな というように私どもは考えております。そこのところは、残念ながらということをあえ て申し上げておきたいと思います。健全な資産運用については、外部評価あるいは外部 の委員会等で積極的に活用して、今後も更にそういった体制を充実していただきたいと いうことです。  その他、業務の運営については、6頁の(4)ですが、いろいろな努力をしておられ まして、建退共の適正化に関しては、3年間手帳の更新をしていない被共済者に対して 様々な働きかけをしたというような積極的な努力をしておられます。いろいろ個々の産 業での問題はあると思いますが、そういった中で堅実に、あるいは一部については顕著 な結果を出しているということで、今年度に関しては比較的高い評価をしてもいいので はないかということです。以上です。 ○部会長  ありがとうございました。引き続きまして高齢・障害者雇用支援機構の起草委員を代 表して、寺山委員より説明をお願いいたします。 ○寺山委員  資料 No.1−3です。1〜4頁までが評価の概要で、その後ろに私ども全委員の評価 結果とコメントを付けております。そのコメント内容と、コメントの中にはないのです がフリートーキングでかなり活発にご議論いただいたことなども踏まえて、大体網羅し てあると思います。この法人ですが、中期目標の第3年度目の達成度についての評価で す。  1頁目。平成17年度の業務実績全般の評価ですが、駐在事務所と障害者雇用情報セン ターの統合などの組織改革を行ったこと。人件費削減や一般管理費節減などを中心とし た経費の削減が2番目。3番目はユーザー本位のサービスの向上ということなどの取組 などで、当機構が主体的に改革に取り組んだということを評価しまして、年度計画にあ る数値目標はすべて上回っております。着実に成果を上げて、実績を上げていると評価 されております。また16年度、私どもの実績評価を踏まえてご指摘したのですが、職業 生活設計セミナーについては土日、夜間開講したらどうかとか、アンケートについて量 的な満足度だけではなくて、自由記載の中にあります質的な重要な意見も是非、拾い上 げて有効活用したらどうかということを申し上げましたが、こういうことについて対応 していただきまして評価できるところです。  全般的には、このように適切に業務を実施していただいたというように委員が評価し ているわけですが、今後の業務の課題として3点ほどご指摘いたしました。1点目は、 経費節減については、これは皆さんおっしゃるのですが、予算に対する毎年度の削減額 の実績を明らかにして、経費削減の進捗状況がよく分からないということで、年度毎に きっちりと、私どもに目に見えるようにお示しいただきたいこと。第2点は、これも前 回指摘しまして、結構ご努力いただいていることですが、高齢者関係と障害者関係の業 務が折角統合されましたので、それがどのように、この業務が質的にも向上し、効率化 も図られたかということ、統合による効果を目に見える形で出していただきたいという ことです。  3点目は、数値目標については分かるわけですが、これに質的な内容も加味して、評 価の内容をより高めるようにする努力をしていただきたい。以上が全般的な評価です。  具体的な評価に移ります。1頁の下、(1)業務運営の効率化については、業務運営 体制については、先ほども申しましたように組織のスリム化が功を奏しているというこ とで評価結果はAです。経費節減については、節減の進捗状況を把握することは必要で ありますというご指摘を申し上げましたが、全般的に評価をいたします。人件費は、給 与水準が国家公務員と比較して依然として高いのが気になりまして、この点には留意し て今後検討していただきたいと同時に、このために職員のモチベーションが下がらない ように、より向上するようにご努力をいただきたい。  給付金・助成金の支給業務については、中期目標にあります10%短縮、業務のスリム 化、その他もありまして、今後一層の業務の効率化を図っていただきたいということで す。  次の国民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上などですが、(1)高齢者、 障害者の雇用情報の提供。これはかなりホームページが充実しており、概ね年度計画以 上の成果が認められるということでAです。具体的に高齢者の雇用支援業務ですが、給 付金については中期目標に沿った実績が認められるということで評価Aです。高年齢者 雇用アドバイザーによる相談・援助については、改正高年齢者雇用安定法への対応が重 点的に行われまして、アンケートの満足度も良いということでAです。アドバイザーの 質については若干疑問がある人もいるということで今後質の向上に努めていただきた い。調査研究は目標の範囲内で取り組んでいると評価いたしますが、更に実践的な調査 に力を入れて、企業に対してその普及を図るようにご努力をいただきたい。  次の広報・啓発の問題ですが、雑誌「エルダー」を中心に精力的にやっておられると いうことですが、年度計画どおりの実績を上げているということでBです。在職者を中 心とした個別の相談ですが、これは積極的な事業所訪問などをやっておられるようでA です。その次の中高年齢者に対するセミナーですが、これは委員の先生方の評価は非常 に高く、土日・夜間、出張セミナーなど非常に積極的であるというところで、成果も上 がっているということで、高く評価しておりましてAです。  次に障害者雇用の支援業務に移ります。全般的に職業リハビリテーションのサービス の実施については、前回を上回ります24,853名の方々に対して体系的にサービスを提供 したということで、この職業準備支援事業等修了者の就職率も50.2%、ジョブコーチの 支援事業の6カ月後のフォローアップの定着率も83.6%と、非常に高く評価してAです。 今後は、宮本委員を中心にフリートーキングの場で時間をかけて議論したところですが、 自閉症や学習障害児等の発達障害者支援法に則る障害者に対する職業リハビリテーショ ンや職業訓練に精力的に取り組んでいただきたいのですが、ある程度やっておられると いうことで評価しております。  職業リハビリテーションの人材育成はジョブコーチを中心に積極的であったというこ とですが、更に、専門的な能力を高めるために努力をいただきたいという要望がありま した。職リハに関する調査研究は大変質が高い、外部評価も入れて質が高いということ で、高く評価をしてAです。研究成果の質を高めるためのご努力を更に一層お願いをい たしたい。障害者職業能力開発校ですが、88.2%と高い就職率ということで評価いたし ます。先ほど申しましたように、発達障害者に対する職リハの技法、訓練技法などの開 発は、この障害者に取り組むほかの団体や専門家や関係機関などとの連携の下に、より 充実した実践的な技法を編み出すようにご努力をいただきたい。  納付金関係の業務については予定どおり、概ね適切に実施されているということでB です。アビリンピックについても着実に障害者ワークフェアとの同時開催などにより、 参加選手、来場者も増えており評価はAです。更に一層、2007年にユニバーサル技能五 輪国際大会の準備をやらなくてはということで、これについては是非よろしくお願いい たします。  最後に財務内容の改善については、中期目標に沿って適切に実施されていると評価を し、評価内容はAです。以上です。 ○部会長  ありがとうございました。続きまして雇用・能力開発機構の起草委員を代表いたしま して、宇佐美委員から説明をお願いいたします。 ○宇佐美委員  資料1−4です。ここに5頁にわたり雇用・能力開発機構の評価について記載してお りますが、その概要について申し上げます。  1(2)は全般的な評価です。業務の中心であります職業能力開発業務については、 昨年度において既に中期目標に掲げた数値を上回っておりました。本年度は昨年度の数 値を更に上回っているなど、全般として、ほぼ適切に行われているところです。したが いまして、平成17年度の業務実績については、適正に実施したと評価できますが、今後 の業務の課題として以下の点に留意しながら業務を実施していく必要があるのではない かと思います。  1つ目は、同じ政策目標に向け類似した業務を実施している各種機関が存在しており、 その中で当機構の果たすべき使命を明確にした上で、あらゆる場面において他の機関と の連携をより一層深めることにより有機的な施策の実現を図る必要があるのではないか と思われます。第2に、サービスの質の向上の指標としてアンケート調査の満足度を掲 げていますが、「どちらかといえば役に立った」の比率が高く、この点をどのように評 価するかが今後の課題であること。また否定的な回答について分析を行い、満足度を適 切に業務に反映できる仕組みを検討する必要があるのではないかと思われます。第3は 中期目標の主要な数値については全職員のご努力により、昨年度より大部分の目標値を 上回っているという状況にありますが、更なる体質強化を目指しまして、本機構独自の 中期目標を設定し、それをフォローする体制を構築する等も是非ご検討いただきたいと 思います。  次に具体的な評価内容についてそのポイントを申し上げます。(1)業務運営の効率 化についてです。経費削減に関しては一般管理費及び業務経費について平成14年度相当 経費に対し190億円、17.2%の削減となり、中期目標の目標値である15%以上の削減を更 に2.2%上回ったことは評価できるところです。予算と実績が出来る限り一致するような 予算が作成されるということとともに更なる経費の削減が望まれるところです。  次に助成金等の支給に係る処理期間の短縮については、1件当たりの平均処理期間が 平成14年度から5日短縮され、23日となり、中期目標の目標値である10%を7.9%上回っ たことは評価できるところです。今後については、手続の簡素化について更なる取組が 図られるよう望みたいと思います。各個別事業の効率的実施に関しては、離職者訓練に 占める民間委託の割合を72.4%に引き上げたこと等努力がなされておりますが、こうし た取組を更に進めるとともに「私のしごと館」については、今後の方向性を明確にする ことを検討すべきであると考えているところです。  (2)国民に対して提供するサービス、その他の業務の質の向上についてです。業績 評価の実施及び業務内容の充実についてです。昨年度の業績評価結果について業務運営 に反映する観点から、9事業の事業効果測定についてのサンプル調査が行われておりま すが、今後は事業効果測定についてのサンプル調査の方法、内容について検討する必要 があると考えます。  次に雇用開発業務についてです。相談等業務については、アンケートにおいて「役に 立った」等の評価を得ているところですが、今後は「役に立たなかった」という回答の 理由を重く受け取るとともに、満足度調査の指標が雇用開発の政策目標と合致している かどうかの必要があるのではないかと考えます。  助成金業務については、アンケート調査において「どちらかと言えば理解できた」の 割合が高いことを重く受け取るとともに、助成金申請に当たって、どのような説明、支 援が役に立ったのかを把握することが重要かと思います。また、不正受給防止に係る措 置の徹底・強化を図るとともに、これらの措置の効果についての検証が可能となるよう な指標の設定を検討すべきだと思います。  次は職業能力開発業務についてです。人材ニーズの把握については今後も継続してい くとともに、把握の際には企業側のニーズだけではなく、求職者側のニーズ把握も行う 必要があろうかと思います。在職者訓練については、アンケート調査において「どちら かといえば役に立った」との評価も多く、習熟度の測定、評価についてより一層の取組 を期待いたします。離職者訓練については、雇用失業情勢の改善が進んでいるものの、 雇用情勢には地域差が見られる中で、中期計画の目標値も上回る就職率となっており十 分に評価できるところです。今後は民間に委託して実施する訓練の就職率についても、 更なる引き上げが図られることが望まれます。学卒者訓練については、高い就職率は評 価できるところですが工業高校との連携を一層深めるとともに、地域とも連携し、労働 市場の需要に合った人材育成が引き続き行われることを期待いたします。  新分野等への事業展開への支援については、訓練コースの実施地域についても適正に 選択される必要があると考えます。若年者対策については「日本版デュアルシステム」 など、相当程度の定着と成果を上げたものもあり、今後より一層重点的に取り組むとと もに、他の機関とも連携を強め、若者の支援体制を確立することが必要と考えます。 「私のしごと館」については、最近キャリア教育の重要性が高まりつつあり、文部科学 省等関係機関との連携をより一層強めるとともに、各学校と本機構との直接の接触の機 会を増しニーズの的確な把握に努め、より一層の活用を期待いたします。  調査・研究については、今後は民間とより高度な連携を図っていくとともに、一層の 成果の活用を期待するところです。助成金業務については一定の評価を受け、また不正 受給の防止に取り組んでいますが、不正受給の防止に向けた、より一層のご努力を期待 いたします。勤労者財産形成促進業務については説明会等により制度の周知を図り、ホ ームページのアクセス件数も増加しているところです。また助成金については、申請書 の記載項目の簡略化等を行うとともに、担当者の審査能力の向上のための研修、会議を 実施しているところです。  (3)財務内容の改善等についてです。削減対象経費については積極的な削減を行う とともに、財形融資については累損欠損金の解消に向け着実に進められているなど、財 務内容の改善については適正に進んでいると考えられます。職業訓練指導員については 民間企業等、幅広い技術者を外部講師として活用するなどしておりますが、民間企業へ の一時派遣など、より進んだ交流が必要ではないかと考えます。また常勤職員数につい ては年度計画を上回る154名を削減しているところですが、人件費については、ラスパイ レス指数の改善をより一層図るべきだと考えているところです。以上で説明を終わりま す。 ○部会長  ありがとうございました。最後に労働政策研究・研修機構の起草委員を代表しまして 私から報告いたします。  資料は1−5です。1頁の評価の視点の形式は各機構と似たものですので省きます。 (2)平成17年度業務実績全般の評価ですが、当機構の業務実績評価に当たりましては、 業務の効率化を図りながら研究体制の改革を行った結果、我が国の労働政策の立案及び その効果的かつ効率的な推進に寄与し、労働者の福祉の増進と経済の発展に資するもの になったか、という視点を中心になるものです。  平成17年度は3年目を迎え、引き続き主体的な業務運営が求められるとともに、平成1 6年度の業務実績評価において指摘された事項について改善が求められたところです。  そのあと当機構としては以下の項目を課題として、業務運営の取組が進められました。 (1)〜(6)までありますが、(1)労働政策の企画立案に資する質の高い研究の推進。(2)労働行 政担当職員等に対する研修等の実施。(3)省資源・省エネルギー、一般競争入札等による 経費節減の推進。(4)外部の意見への迅速な対応等を通じた業務の改善。(5)労働政策研究 等の基盤となる情報等の収集・整理。(6)調査研究成果等の普及、政策提言、政策議論の 場の提供ということです。  これを平成17年度業務実績については、個別項目に関する評価結果に見られましたよ うに、中期目標・中期計画に沿った取組が行われ、年度計画に上げられた目標値の達成、 業者からの高い満足度及び有益度が確保されているという結果ですので、引き続き適正 な業務運営が行われているというように評価できるといたしました。中期目標・中期計 画に沿った具体的な評価の概要については「2」、今後の課題と留意点については「3 」で、これは後ほど説明いたします。  2番目は具体的な評価内容です。(1)業務運営の効率化は引き続き積極的に行われ ました。また、入札における透明度の維持及び随意契約の結果のホームページの公表が 行われており、この取組は評価できるということです。(2)国民に対して提供するサ ービス、その他業務の質の向上です。(1)業務全般に関する措置。業務全般については前 年度から引き続き理事長主催の経営会議等による内部評価、及び学識者で構成される総 合評価諮問会議等による外部評価を実施し、優れた成果を上げていると評価いたします。 また、当委員会の指摘を踏まえた要請元の評価方法の改善、研究評価への実務家の活用 等の評価手法のスムーズな改善活動についても評価できます。これについては政策研究 集団として、政策に対してどのぐらいの貢献を行っているかという、直接的な指標を開 発してくださいということを申し上げておりましたので、それの1つの結果として評価 できるということです。  (2)労働政策についての総合的な調査研究です。これも調査研究の実施については機構 が自主的に設定する研究テーマ素案について、厚生労働省関係部局との意見交換をする 場を設け、より一層行政ニーズを反映した研究となるよう努めています。今後は、これ も1つの注文みたいなものですが、機構の自立性の確保のため、政策研究機関であるこ とを踏まえつつ、独自のビジョン、方向性を明確に作ってくださいと。それに従い、そ れに基づく研究テーマ等を提案していくことも必要ですということです。その際に、あ まりにもテーマが偏らないように留意する必要もありますということです。調査研究の 実施体制については、個人情報保護法の施行及び総合評価諮問会議の指摘を踏まえた「 調査等倫理要綱」の制定等新たな取組は評価できると。  調査研究の成果については、43件の研究成果のうち31件が、外部評価で優秀との評価 を得る等々の結果から、大変高い成果を上げているのですが、その際、前年度実績との 比較を行い、その前年度との基準においても上回っているかについても留意することが 必要ですという指摘をしておきました。  優秀な研究者の確保と育成については、いろいろの研究員の学会加入、学会会議参加 等の学会活動の積極的な奨励、大学院等における科目等履修のための支援制度の創設と いう機会を提供しておりますが、研究員の業績評価の実施により、研究員のインセンテ ィブの向上を図ったので、それを高く評価できるということです。  先ほど申し上げましたように、要請研究については、要請元からの高い評価を得たと いうことで、これは大きな成果であると言えると思います。  (3)労働事情、労働政策に関する情報の収集・整理は、国内労働事情の収集・整理を適 切に行った結果、いろいろ新聞、雑誌等で引用されていることが、今後もこういう方向 で、ますます外部で活用されていくことを期待するということです。  (4)研究者・有識者の海外からの招聘、海外派遣については、当委員会の指摘を踏まえ、 これまでの実績について検証を行った点は評価できる。OECDとの積極的なネットワ ークの形成、EU財団主催の国際ワークショップでの高い評価を上げるなど、精力的な 活動を展開している。国際機関との連携はますます重要となっておりますので、今後と も人的ネットワークの拡大が望まれますということです。  3頁の(5)調査研究結果の成果の普及・政策提言は、研究成果については、適切な時期 に発表を行い、新聞等で多数引用されております。また、これらの論文等がホームペー ジからダウンロードできるように工夫をしていますが、これらの取組についてさらに、 やってますよということをアピールすべきであるということです。  労働政策フォーラムなど、政策議論の場の提供については、若年者の就職支援や高齢 者の雇用継続等、興味深いテーマについて開催されております。  評価に当たっては、満足度だけでなくて、参加者の所属等から見ての多元的に評価を すべきである。調査研究の研修等への活用等については、前年に続き研究員を労働大学 校へ講師として派遣するほか、政府の審議会等への参加等について評価できます。  ただし、研究員の研究時間に影響がなく、過大な負担にならないような範囲で実施す べきことに留意すべきであるということです。  (6)は労働関係事務担当職員その他の関係者に対する研修等です。これは、研究員が研 究だけでなく、研修にも係わることなど、受講生、研究員双方に良い効果を生じている と評価できる。研修技法の研究および開発につきましては、引き続き努力し、次年度に はその効果を明らかにすることを期待します。労使実務家を対象とした教育講座事業に ついては、その時間等々を配慮しており、満足度も高いのですが、今後、一層受講生の ニーズを踏まえて、社会的に有効な講座を開発していく必要があると思います。  (3)財務内容の改善等について、財務内容に関するものは、余裕金の効率的な運用 を図るなど、繰越欠損金の解消に努めた結果、これを解消したことは評価できます。人 事に関する計画については、インターンシップ制の運用、能力開発の機会の提供など、 優れた結果を上げておりますが、これらの人材がその能力を十分に発揮できるように、 適正な業務の量や研究体制などを今後配慮していく必要がありますということです。  3番目、今後の課題と留意点。上記評価結果を踏まえて、今後の課題として、以下の 点に留意する必要があります。労働政策の企画立案に資する調査研究実施の観点から、 厚生労働省との提携を強化するとともに、機構が自主性を確保するため、独自のビジョ ン・方向性を明確にし、それに基づく研究テーマの提案を行っていくことが必要である。 また、業務運営に当たっては、年度計画において定めた目標値の達成のみを目標とする だけではなく、前年度の実績値が、年度計画において、定めた目標値よりも高い場合に は、前年度の実績を考慮する必要があるということです。  なお、給与水準の低下、人員の削減等が行われている中、業務実績が質・量ともに高 い水準を維持しておりますが、このような状況が今後も持続できるよう、業務の量と質 のバランスや業務体制等に留意していく必要があるということで締めて終わります。以 上です。  5法人についての報告をいただきましたが、この総合的評価書について、ご意見等が ありましたら、お願いいたします。 ○久道委員  特に修正ということではないのですが、今日、卓上に配付された「個別項目に関する 評価結果」で各機構ごとの評価がありますね。これを概観してみますと、各機構ごとの 項目の中で、自己評価をBとしているのが4番目の雇用・能力開発機構以外は1つか3 つぐらいで、パーセントで言うと、5%から10%ぐらいですが、我々のその評価という のは、自己評価にかなり影響を受けますね。それを下げるのも辛い、上げるのは全くな いというのが現状だと思いますが、そういう時に、雇用・能力開発機構の自己評価が、 18項目のうち、Bとしたのが12あるのです。67%がBなわけです。  そうしますと、必然的に委員の評価もそれにならってしまう。ここの機構は全部、自 己評価と委員評価が全く同じでありますので、これが本当にそうなのか。いまの総合評 価の起草委員の代表の宇佐美委員の印象を聞いても、全然そんなに厳しくないです。ほ かの評価と非常に似通ったではなくて、印象としては厳しくありません。  ですから、本当にこういうBという評価が、この機構の自己評価として作る時に、か なり規制して厳しく見ようとしてやっているのか、その辺がちょっとあるのなかと思っ て、私の印象のために、一応聞いておきたいなと思ったのです。  というのは、何か悪いみたいな印象を受けます。ですから、この辺はどうなのかなと 思ってお聞きしたいと思ったのですが、どうなのでしょうか。 ○部会長  これを評価するのは各評価委員の判断に基づくものです。実は、この評価委員会の最 初の段階で、この自己評価を最初に出すか、出さないかが相当問題になったのです。そ れで、最初の評価の時には、実は出さなかったのです。その結果、むしろ出したほうが いいのではないかというのが大勢を占めて、その次の段階から、この自己評価も前もっ て出しましょうということになった経緯があるのです。先生、1回目からそういう感じ ですね。 ○久道委員  引っ張られることは確かなのですが、聞きたいのは、雇用・能力開発機構で行った自 己評価を意識して厳しくしたのかどうかなのです。各委員のことではなく、自己評価の ことを言っているのです。 ○部会長  いや、そこは法人の方に聞かなければ分からないのですが、何かそういうのはありま すか。 ○雇用・能力開発機構企画部長  前回も評価委員会の冒頭に申し上げたと思いますが、平成16年度に当委員会の評価を 受けておりますので、その評価からの改善度合といったものを一種の基準にして、そう いったものにウエイトをおきながら、私どものほうで自己評価の設定をさせていただき ました。 ○宇佐美委員  私のほうも担当として、全体としてはおっしゃるとおりで、それぞれの自己評価を上 げるわけにはいかないし、ちょっとおかしいなというのは、下がっているのは実情で、 かなりの割合で引っ張られているなと。とは言うものの、これを変えるだけの根拠がな いと言いましょうか、Bでも実は評価の中身から見ると、堂々たる目標を達成している わけで、ここに触れるのは、いわゆる総合評価の中でいかがなものかなと、本来、ほか から比べたら上がるべきであるとか、そういうおかしな話になるので、Bでもおかしく ないという形で評価の文言は作ったわけです。 ○部会長代理  今回評価してみて、各法人の自己評価に引っ張られて、凸凹があって、やっぱりそれ を通してやりたいなという気もするのです。ただ、それでは、先ほど言ったように、評 価結果のこの文章のほうが重要で、この数値にはあまりとらわれないほうがいいのかな と。それぞれの方針があるので、我々はそれなりにやって、まさにBでも結構やってる なというのと、ちょっと上過ぎるかな、だけど頑張ったという部分もあるので、その部 分が常に悩みで、やっぱり外で、この数値のほうを利用されるとなると、一度やっぱり 見て、採点し直さないといけないので、その必要まであるのかなというのは、我々の今 後の評価委員会の問題であるのかなと思います。 ○久道委員  これは、この表は公表するのですか。 ○政策評価官  事実関係としては、今日、資料をそれぞれ法人ごとにクリップで止めさせていただい ておりますように、評価結果としては、先ほど、それぞれの起草委員からご紹介いただ きました総論的評価の部分と、各委員の先生方からいただいたコメント付きの評定の部 分、さらにはそれに自己評価も付けた形で公表させていただいております。  そういう意味では、評定も自己評価および評価委員会としての評定もともに出ますし、 コメントについても、総合的評価として、この委員会でおまとめいただいた文書はもち ろんですが、各委員のコメントも、それぞれ個別の項目を拝見すると、委員の方々によ って若干ニュアンスの違うコメントもいただいているかと思いますが、それすべてを公 表させていただいております。 ○寺山委員  自己評価は自己評価でそれぞれの法人が独自の姿勢があるかと思いますが、私が担当 しました高齢・障害者雇用支援機構ですが、自己評価と言っても、半分外部評価的な自 己評価かなと思っており、法人が独自でそのラインでやった、本当に自己評価中の自己 評価と外部委員がやった評価を付け合わせて2で割ったのがこれだ、というように伺っ ておりますが、必ずしもそういうふうなやり方をしているところでもない所もあります。  そういうことで、自己評価の仕方も相当法人によって差があるな、ということは理解 はしているのですが、それをどうする、こうするというのはこちらの仕事ではないと思 います。 ○部会長  ほかに何かありますか。いつでも、この問題は残る話だろうと思うのですが、結局、 各法人によって、この自己評価はこういうやり方で行いましたということをきちんと言 っていただいた所もありますし、案外曖昧な所もあったような気がいたします。今後は 是非、自己評価というのはこういうふうにいたしましたと、外部評価を中心に出しまし たとか、いろいろあったと思いますが、そういうふうにおっしゃっていただいて、それ を我々が判断して、それについて独自に評価委員が評価をすることしかないような気も するのですが、そういうことでよろしいですか。ほかはよろしいでしょうか。 ○松田委員  資料の1−4の雇用・能力開発機構についての2頁目の「業務の運営の効率化」の最 後のところで「私のしごと館」のところを読みますと、「私のしごと館については、今 後の方向性を明確に」と。「方向性」と非常に曖昧ですね。これは私が話したとおり、 撤退か継続かと。「方向性」でなくて、「今後の撤退か継続かを明確にする」と。  その関連が、4頁の中ほどにあるのですが、「私のしごと館については、最近、小・ 中・高、大学、それぞれにおけるキャリア教育の重要性が高まりつつあり、文部科学省 等関係機関との連携をより一層強めるとともに、本機構においても各学校との直接の接 触の機会を増やし、ニーズの的確な把握に努め、より一層の活用を期待したい」。一方 では、検討するかどうか、一方で非常によいと言っていますが、この文章はちょっと矛 盾しませんか。  ですから、「ニーズの的確な把握に努めることが重要である」とか、そうしなければ、 これはちょっとおかしいですよ。一方では非常に期待してると、一方では撤退か継続か と。そこのところの条文の修正をお願いしたいのです。 ○宇佐美委員  2頁目の、いわば使命と言いましょうか、役割を明確にしろというところに、いま先 生のおっしゃった「撤退か継続か」ということの前置詞がないと言いましょうか、むし ろ、いまの中でいろいろ批判もあるものの、議長もたしかお答えになっていたかと思い ますけれども、その意味というのをより明確にして、そういう意味では、いま、ご案内 のとおり、小・中・高それぞれの社会と学生時代とのつながりをあれするために、大学 生でもインターンシップがあったりしながら、キャリア教育ということが非常に重要視 されているわけです。  それも、一つの、いわば使命を担うことになりはしないかなと。そういう意味では、 直接もっと接したり、文部科学省との接触等も一つの方向性ではなかろうか、というよ うなつながりになっている文章です。  ですから、「撤退か継続か」ということは含まれてないと、あるいは広い意味では含 まれているのかもしれませんが、それを前提にして緊急どうと言いましょうか、をここ では意識した文章にはなっていません。  ですから、いままでの審議の中で、そこまで入っているという理解は、この文書の中 には入っていません。 ○松田委員  でも、この「方向性」という意味は非常に曖昧なので、その趣旨は分かりますが、こ こでは毎年ずっと赤字を抱えているしごと館について、どうするか、そのことを言って いるのです。ですから、はっきりと「撤退か継続か」と打ち出したほうがいいと。 ○宇佐美委員  ですから、全体の審議の中で決めるべきで、この委員会としての審議を必要とするの ではないかな、というふうに思います。  ここの文章の中では、そこまで明解には書いてないというのは、そういう論議が十分 になされてないと言いましょうか、ということから、そういう文章だというようにご理 解いただければと思います。 ○松田委員  納得できません。 ○部会長代理  明後日、たしか雇用・能力開発機構の中期計画の前倒しの検討に入ると思いますが、 そこで、いま言われたような部分の検討で、ここのいまの委員会としては、評価として の問題ですから、それなりの文章ですけれども曖昧にならざるを得ないと、具体的にま だ我々はこの委員会では議論してないと。「撤退か縮少か」というのは、政独委のほう で「撤退か縮少を含めて検討ください」というのは、我々は提案されているわけです。  ですから、これは明後日やればよくて、これは大いに、私なども、その部分について は私なりの意見があるから、議論したいというのがあるので。ここで、どういう文章か というのは、そこまでいくかどうかというのは、私も疑問があるのです。 ○部会長  これは結局、業務結果の評価であって、現実に「私のしごと館」というのは存在する ことを前提に、それをどう運営してきたかということに対する評価である、という話で す。  もし、それを「継続か撤退か」という話になれば、今後の計画の問題だという、そこ で議論すべき問題だという話だと思いますが、そういう整理の仕方はどうですか。 ○今村委員  いまの問題は、我々の今回の役割は、やはり篠原委員がおっしゃったように、それぞ れの単年度の目標に関する評価ですから、その目標に対して達成度が悪いということで あれば、当然CとかDとかをそれぞれ付ければいいだけの話で、それにコメントを。  それ以外の目標設定の内容そのものにかかわることに関しては、やはり独立行政法人 はそれぞれの政策目標をもって、それを執行するという使命の中で、どう位置づけるか というのは、この委員会の守備範囲を超える部分もあるかと思いますし、それは次回、 翌々日の見直しのところで、我々なりの意見を言えばいいのではないかと私も思ってい ます。  もちろん、「私のしごと館」に関しては、評価の席で私も申し上げたとおり、やっぱ り今後検討すべきことは大いにあると思いますし、大いに創造力と言いますか、企画立 案力を発揮して、回復を図っていただきたいことは全く松田委員と同感です。 ○部会長  よろしいですか。 ○松田委員  いいですよ。 ○部会長  そのほかに何かありますか。それでは、この「平成17年度の業務実績の評価結果」に ついては、各法人および総務省の政策評価・独立行政法人評価委員会、政策局独立行政 評価委員会にお伝えするとともに、これを公表したいと思います。  なお、このあと、万が一、誤字脱字、事実誤認などによる修正の必要があった場合の 対応については、私にご一任いただきたく存じますが、それでよろしいですか。 (了承) ○部会長  ありがとうございました。それでは、そのように取り扱いさせていただきます。  次に、財務諸表に関する意見等の審議に入りたいと思います。財務諸表については、 独立行政法人評価委員会の意見を聞いたうえで、厚生労働大臣が承認するということと なっております。先ほどの総合的評価書と同様に、各法人についての報告を受けて、そ の後、5法人をまとめて審議したいと思います。  なお、議事運営の関係上、ご報告時間は、5法人合わせて概ね15分程度でお願いいた します。  財務諸表に対する意見について、担当の篠原委員からお願いいたします。 ○部会長代理  財務に対する意見のご報告をさせていただきます。資料2−1をご覧ください。ここ に結論として、「通則法第38条第1項に規定する財務諸表については、平成18年6月30日 付けの労健福発第792号」というのは、財務諸表を受け取った時の番号だと思うのですが、 「とおり承認するのが適当である」という結論を得ました。  このあとに、独立行政法人勤労者退職金共済機構、独立行政法人高齢・障害者雇用支 援機構、独立行政法人雇用・能力開発機構および独立行政法人労働政策研究・研修機構 についても同様の意見が出ました。  この意見に達する手続きをご報告させていただきますと、これは、卓上にある私の名 前で出ている「平成17年度評価の財務に関する事業の評価の報告」という資料を見てい ただきたいのです。各独立行政法人に対して財務書類をレビューして、事前に5項目か ら10項目ぐらいの質問を出して、各独法に対して、約2時間弱ぐらいの意見をお伺いし ました。  その手続きはここに書いてありますように、まず1と2は監事と会計監査人の報告書 を見ると同時に、関連した書類を提出されたら見せてくださいと。大体の監査時間等も やって、制度上の監事と会計監査人がきちっとした監査をやり、監査報告書も出してい ると。この中に、やはり細かいことで指摘事項があります。やはり私の立場としては、 細かい指摘事項があれば、きちっとした監査をやっているという結論で、適切な監査を 実施したという結論を得ています。  3から8は、ある意味では会計監査の限界と言いますか、我々の評価にとって、もう 少し細かく検討しておいたほうがいいなという事項について、より詳細に資料等を入手 して検討して、その結果、大きな問題がないという結論で出てきます。その結果、先ほ ど言いましたように、承認することは適当であるという結論を得ています。  2番目に「行政サービス実施コスト計算書に関する課題」ということで書きました。 先ほどちょっと言いました損益計算書というのは、いわゆる各独法の経営陣の予算に対 する経営努力と言いますか、運営状況を報告するものであると。行政サービス実施コス ト計算書というのは、損益計算書の使命がある限り、全体の、いわゆる行政サービス実 施コストにかかった行政コストを計算するという別の目的なのです。  ですから、損益計算書は、先ほど言いましたように、決して発生主義でやられている ものではありません。単に予算に対してどう使って、その差違がどうだったと。という ことは、基本として、予算どおりやれば、これは損益がゼロになって、評価はBになる という前提です。  ですから、それに対して、効率化とかさまざまな努力をすれば、上のAとかSになる という前提の仕組みが作られて、その中でやられてますから、行政サービス実施コスト 計算書というのは、従来、海外でも、日本においてもないもので、非常に分かりづらい ものです。  ですから、先ほど言いましたように、引当外退職給付増加見積額も、非常に分かりづ らい数字で、各法人にマイナスになるのは、コメントを付けてくださいということをや ったのですが、先ほどの報告にありましたように、独法の労働政策研究・研修機構だけ が、このあれをしたのですが、私の立場としては、これは誤解を与えるから、よりレベ ルの高い、より理解しやすいということで、注釈を付けてくださいということですが、 命令もできないし、おかしいという指摘で止まっていますので、今期は、適正という点 に導いておきます。  今回、ここの2で指摘してますのは、私が書いた資料の3頁を見ていただくと、最後 に「行政サービス実施コスト」というのがあります。これについて、利用者が分かりや すい情報から考えると、やっぱり、ちょっと検討する必要があるということで、一つは、 独立採算性を旨にした事業というのがあります。そこの部分で、今回は、益の出てきた 所もあるし、損の出てきた所もあるのですが、それをここに合算すると、少なくともい ろいろな方向があって、10年とか何年という計画で解消するということになっています から、繰越欠損金はここに入れるのは適切ではないのではないか、という私の判断です。  もう一つは、預資産の運用をしている所があります。ここで今期ものすごく益が出て います。これも、ここに入れると、行政サービス実施コスト計算書が利益が出たような 形になって、これも国家に返すのではなくて、いわゆる、いままでの欠損金の補填等及 び退職給付の割増金としてやると。ということは、行政サービス実施コストの中に含め るというのは、あまり適当ではないのではないかとしいう判断で、この報告書を書いて、 資料の2頁に現行の会計基準とか制度の中で対応できるものとしては、注記を書くとか、 益になっているのなら、それなりの調整額を上に書いてゼロにすると。これは他の省庁 のを調べたら、いくつかの法人はやっている所があります。ただ、ほとんどが、益が出 てもほったらかしている感じがありますので、やはりここの労働部会としても、注記を 書いてくれとまでは言えないということで、この書類を作ったのは、今後、総務省の行 政管理局及び公認会計士協会がこれを検討して、やはりより分かりやすいものにすると いう意味では、このペーパーを出して提案することによって、前進するだろうというこ とで、現在、財務省で問題があると言いながらも、現状では適正という意見と出さざる を得ないと。やはり不正とか金を何とかしたという不法行為ではないものですから、一 歩下がって、このレベルで止めました。  ですから、制度上の検討ということで、独立採算性とか預資産の運用というのは、本 来、行政サービス実施コスト計算書から外すべきというのが、私の考えなのですが、そ ういう前提でいろいろと書いてあります。  こういうことで、財務諸表に関しての意見については、適当であるということでお願 いしたい。 ○部会長  ただいまの篠原委員からのご報告いただきました5法人の財務諸表に関しての意見に ついて、何かご意見はありますか。修正意見がないようですので、平成17年度の財務諸 表についての意見書として、これを厚生労働大臣に提出したいと思います。  なお、このあと、万が一、誤字脱字、事実誤認による修正が必要になった場合の対応 ですが、私にご一任いただきたく存じます。以上につきまして、そのような取扱いでよ ろしいでしょうか。 (了承) ○部会長  では、そのようにさせていただきたいと思います。本日ご審議いただいた「総合的評 価」と「財務諸表についての意見」については、厚生労働省独立行政法人評価委員会運 営規定第3条の規定に基づきまして、当部会の決定が、評価委員会の決定となります。 法令に基づく通知先への通知、公表等の手続きが行われることとなります。  ここで、事務局の入替えがありますので、5分程度休憩とさせていただきます。 ○部会長  それでは雇用・能力開発機構の重要な財産の譲渡に関する審議に移りたいと思います。 重要な財産の処分につきましては、独立行政法人評価委員会の意見を聞いた上で、厚生 労働大臣が許可を行うということになっています。そこで、今回の財産処分につきまし て、法人に説明をお願いし、その上で委員の皆さんのご意見を伺いたいと思います。そ れではまず、雇用・能力開発機構から説明をお願いいたします。 ○雇用・能力開発機構経理部長  重要な財産の譲渡につきまして、資料、平成18年7月24日付の厚生労働大臣宛申請書 写しに基づきましてご説明をさせていただきます。案件は2つあります。1件目は別紙 の1です。初めに財産の内容ですが、沖縄県中頭郡北谷町にある沖縄職業能力開発促進 センターの土地の一部。面積732.99平方メートルを譲渡するものです。この土地につき ましては、県道24号線から同センターへの進入路として利用されているものですが、平 成18年3月、沖縄県中部土木事務所長から県道24号線のバイパス街路改良工事に伴い、 有償譲渡の要望が出されました。検討しました結果、土地を譲渡した後において、引き 続き県道24号線から同センターへの進入が確保できること。さらには、県道の道路拡幅 等の改良により、訓練生あるいは来所者の利便性、安全性の向上が図られること。以上 のことから、機構にとって業務運営上支障がないと判断しています。  次に処分等の条件及び処分等の方法についてです。不動産鑑定士による土地の鑑定評 価額については、1の(3)のとおりでございますが、一方、1の(2)のとおり、沖 縄県中部土木事務所から提示された譲渡希望額のほうが高くなっております。したがい まして、この価格を売却予定価格といたしまして、沖縄県との随意契約により、有償譲 渡しようとするものです。  2件目は別紙の2です。財産の内容ですが、兵庫県赤穂郡上郡町にある、西播磨情報 処理技能者養成施設の建物です。この施設は、技術革新の進む情報処理関連の分野に有 能な人材を供給するということを目的としまして、平成3年に設置したものでございま す。鉄筋コンクリート造り3階建て。延べ床面積1962.22平方メートルの建物を譲渡する ものです。  この施設の周辺においては、情報関連の教育機関が増え、少子化の伸展と相まって当 該施設の入校者が減少し、入校者の確保が困難な状況となったことから、平成17年9月 に開催されました、運営委託先の職業訓練法人西播磨情報処理開発財団の理事会におき まして、平成18年度の入校者の募集停止等が決議されました。これを受けまして、委託 先の兵庫県からもその旨の協議が機構にございまして、当機構としてもこれを了承して います。処分等の条件及び処分の方法ですが、兵庫県は、当該施設が兵庫県立大学附属 高校の敷地と隣接しておりますことから、中高一貫教育構想の下に、附属中学校の校舎 として利用することとして、有償譲渡を要望しています。1の(2)のとおり、不動産 鑑定士2者の鑑定評価額を平均した価格を売却予定価格とし、土地の借り受け先でもあ る兵庫県との随意契約により、建物を有償譲渡しようとするものです。説明は以上です。 ○政策評価官  事務局から冒頭申し上げるべきでありましたところ、一言発言をお許しいただければ と思います。従来からこの労働部会で、何度か重要財産の譲渡についてご審議をいただ きましたときも、同じような扱いをさせていただいていますけれども、いまご説明をお 聞きいただきましたように、資料3の物件につきまして、資料に評価額を載せて、これ はどれぐらいのウエイトを持つものか、委員の皆様方にご判断いただくべき資料として 入れています。この結果を許しを得て、実際に売却するという形になりますと、これは いわば、入札に当たっての予定価のような形で、ある程度マーケットに影響を及ぼすこ ともございます。通常ですと会議終了後資料はすべてオープンという形でございますが、 本日この資料につきましては、議事録を含めまして、入札が終わり、契約が結ばれるま では、非公開という扱いとして、最終的には公開という形にさせていただきたいと思い ます。公開のタイミングについては、事務局のほうに図らせていただきたいということ だけ、お断りさせていただきます。 ○部会長  機構からの説明に対しまして、何かご意見はございますか。 ○篠原部会長代理  取得価額というのは、どのぐらいもうけるのかというのと、これ、入ったものはたし か全部国に返すのですよね。 ○雇用・能力開発機構経理部長  売却したお金ということですか。とりあえず、機構の中で留保しておくという形にな ります。資本金を構成している財産でございますので、いわゆる減資規程なりの整備が された後に、国庫に返還するということになるかと思いますが、その規程がまだ揃って いませんので、それまでの間は売却金額を機構の中で留保しておくという形になると思 います。 ○部会長  購入価格。 ○部会長代理  購入価額。損が発生しているかどうかなという。それぞれいくらぐらいで取得したか なという。 ○雇用・能力開発機構経理部長  沖縄の土地のほうでは、益が出まして、西播磨のほうが、損が出るということになり ます。価格につきましては、沖縄の土地が独立行政法人になったときの承継価格が1,65 8万9,666円、西播磨のほうの建物ですが、2億9,903万3,573円となっております。 ○部会長  そのほかにございますでしょうか。よろしいでしょうか。                  (異議なし) ○部会長  ありがとうございました。それでは、今回のこの重要な財産の譲渡につきましては、 本部会で了承することとしたいと思います。厚生労働大臣に対して意見なしである旨、 書面にて回答することといたします。具体的な文案につきましては、私が事務局と調整 して決めさせていただくという形で、ご一任いただけますでしょうか。よろしいでしょ うか。                   (了承) ○部会長  では、そのようにさせていただきます。ありがとうございました。  次に労働者健康福祉機構及び、雇用・能力開発機構の役員の退職金の業績勘案率につ きましてご審議をいただきたいと思います。まず事務局から試算結果についてご説明を お願いいたします。 ○政策評価官  資料の4−1と4−2。4−1が労働者健康福祉機構の本会の案件。4−2が雇用・ 能力開発機構の案件でございます。4−1と4−2をご覧いただきながら、説明をさせ ていただきたいと思います。今回申請がありましたのは、4−1にある労福機構のほう は、吉澤二朗さん。退職された理事でございます。4−2は雇用・能力開発機構のほう は、吉村清人さん、退職された理事と田上隆昭さん、退職された監事の計お三方の案件 についてご審議を賜ることになろうかと思います。これまで厚生労働省の独法評価委員 会として、この業績勘案率を審議いただく際の決定方法としては、まずはそれぞれの法 人の各年度の個別評価項目ベースに年度の業績勘案率というのを考える。それぞれの年 度業績勘案率の平均値を元にある程度カテゴライズをして、それぞれの分類に相応する 額として1.5、1.0、0.5という率を算定過程において借り置きをする。今回の事案につい て申し上げますと、4−1の労福機構の吉澤さんに関して言えば、在任期間が平成16年 4月1日から18年3月31日という期間ですので、該当年度が16年度と17年度となりまし て、先ほどお決めいただきました17年度の業績勘案率、個別評価も入れまして、最終的 には16年度が1.0、17年度が1.5という数値になり、2年間を按分しまして、1.25という 数値が算定過程として借り置きされます。  4−2。能開機構の吉村さんと田上さんについては、お二方とも在籍期間が同じで、 平成16年3月1日から18年2月28日ということですので、該当期間が15年度16年度17年 度となりまして、その期間のそれぞれ法人の評価をいただいた率を勘案しますと、加重 平均した結果として、お二人方とも1.0という数字が算定過程に出てまいります。その上 で吉澤さんですが、1.25という数字を元に計算を始めたときに、1.0を超える数字になる 可能性がある。1.0を超える業績勘案率を決定する場合には、当該退職役員の在職期間に おける目的積立金の状況等を照らして、適切であるかを考慮するということがルールに なっています。表現としては、「目的積立金の状況等に照らして、適切であるか」と書 いてありますが、これまで他の部会における運用、あるいは政独委における運用におき ましては、ここの部分は、一言で言えば目的積立金があれば1.0を超えることは可能であ るけれども、目的積立金を積んでいないという場合に1.0を超えるということは、これま で過去の例としてはございません。ということで、本労福機構の吉澤さんについて申し 上げれば、役員としては在職期間中に目的積立金を積んでいませんので「ない」という 記述をさせていただいております。なお、法人としての評価をここまで進めてきた際に、 個別の退職役員の職責に関する特別な事項があるかどうかということで、法人からの申 請または、当部会の委員の先生方から申し出があるかないかということを判断基準の中 に入れてあります。これまでのところ、資料4−1である労福機構の吉澤さん、4−2 の能開機構の吉村さん、田上さんそれぞれについて、当法人からの申立てはございませ ん。本日の部会での審議を経て、部会委員のほうから、個別に何かあればということで す。私ども事務局としての試算では、4−1の労福機構の吉澤さん及び4−2の能開機 構の吉村さん、田上さんお三方とも試算結果としましては、1.0という形になっていま す。私のほうからは以上です。 ○部会長  それでは続きまして労働者健康福祉機構の退職役員につきまして、法人からの説明を お願いいたします。 ○労働者健康福祉機構総務部長  労福機構総務部長の小鹿でございます。吉澤前理事ですが、在任期間については、4 −1の資料にありますとおり、平成16年4月1日から18年3月31日までの2カ年でござ います。担当した職務ですが、職員研修、そして、労災病院事業を担う医療事業、リハ ビリテーション作業所並びに未払い賃金の立替払事業を担う賃金援護、労災病院の建物 を含めた建物の増改築、施設の保全業務、これを含めた営繕担当といった4つの業務を 担当しました。このうち職員研修と営繕担当は2年通して業務を担当しましたが、医療 事業については、2カ年のうちの前半1年分、その後、後半1年については、業務担当 変えを行い、賃金援護を担当したものでございます。以上です。 ○部会長  ありがとうございます。それでは次に雇用・能力開発機構の退職役員について、法人 からの説明をお願いいたします。 ○雇用・能力開発機構総務部長  2名おりますが、1人が吉村清人。これは資料の4−2にありますように、企画部等 を担当しています。平成16年の3月1日から2月28日までということで、第1期の任期 の終了とともに退職しております。企画ということで、中期計画に基づく年度計画の作 成であるとか、実績管理とか、その他機構全体に係る企画関係業務を担当していました。 一時、その他の職務も担当していました。それから、田上隆昭ですが、同じく在籍期間 としては、16年3月1日から18年2月28日ということです。これは監事でした。吉村に ついては、資料4−2の2枚目ですけれども、旧法人の役員としても在籍期間がありま して、15年の4月1日から16年の2月29日は独立行政法人になる前の、雇用・能力開発 機構の役員としても在職していました。以上です。 ○部会長  ありがとうございました。以上の説明について、何かご質問がありましたらお願いい たします。 ○部会長代理  率の問題ではなくてこれは今後考えていただきたいのですが、退職の日にちなのです けれども、当然株主総会では6月末と。監事で監事報告書とか何か書く場合は、6月30 日に退職していたただかないと、3月だと監査したものを、その後何も経験がない人が 書くことになって、その部分。もしこういうときであるのだったら、在任した期間の何 らかの監事の意見とかを取っておくという配慮がいるのではないかという気がします。 これは今後の検討課題だろうと思うのですけれども、お願いいたします。 ○部会長  これは検討するとすると評価官を中心にという話になりますか。 ○政策評価官  率直に申し上げていまご指摘いただきましたお話について、私としては篠原委員のご 発言としては、非常に理解ができるのですけれども、従来から、ほかの法人も含めてど ういう形でやるか。監事業務というのは独任性であると同時に、法人の機関であるとす れば、監事は監事なりに、AさんからBさんに引き継がれ、結果的に最終的な決算報告 書を書くなり、監事意見を書く際の監事さんの意見をもってして物事が判断されるとい うのが、私が理解する限り、一般的なものかと思います。公認会計士として活動されて いる中で、ルールはそうだけれども実行上こんなものがあるとか、事務的にこんな工夫 があるよというご意見もあれば、少し聞かせていただきたい。なかなか先ほどの会計基 準の話ではないですが、ルールとして徹底できるのか、あるいは実行上それぞれの法人 に、あらまおしきもの、実行をあらしめるための工夫としてできるのか。それともう1 つ申し上げれば、評価官、評価委員会として法人にお願いできる話なのか、あるいは指 示できる話なのかというところの精査も、法人監督の担当部局とも相談をさせていただ きたいと思います。問題意識として、いまのお話は私としては理解できましたので、今 日のところは意のあるところは理解したつもりでございますので、ご発言を少し預から せていただいて、何ができるか考えてみたいと思います。 ○部会長  そのほかにございますか。それでは申請のあった業績勘案率について、原案どうり1.0 ということで決定することといたしたいと思います。  次に、雇用・能力開発機構の役員給与規程及び役員退職金規程の変更につきましてご 審議をいただきたいと思います。変更の内容につきまして、雇用・能力開発機構から説 明をお願いいたします。 ○雇用・能力開発機構総務部長  それでは資料5−1、5−2とありますが、5−1が役員給与規程です。5−2が役 員退職規程ですので、順次説明をしたいと思います。5−1の4条関係ですが、行革の 重要方針等で、評価委員会でもご審議いただきましたように、中期目標、中期計画を変 更し、今後5年間で5%の人件費を削減するということがあります。そういう中で人件 費を削減していくということ。それから役員の報酬の支給基準については独法通則法に おいて、国家公務員の給与等を考慮して、定めることとされております。本年の4月か ら国家公務員の指定職について、給与改定も行われておりまして、そういうことも踏ま えて、理事、監事については、本棒の月額をそれぞれ5%引き下げております。  それから、附則ですが、附則の1項は7月1日から施行することでございます。附則 の2項ですが、これは国家公務員あるいは他の法人等も大体同様ですが改正前から引き 続き同一の役職にある常勤役員の月額につきましては、改正前の額という形で、従前の 額を当人が在籍していた間は支給するということです。当人が退職して後任のものが就 いた場合は、新しい4条の金額が支給されるということです。これは国家公務員等のと ころでも同様の取扱いになっています。  引き続きまして、資料5−2の役員退職金規程ですが、いちばん下の6項をまずご説 明いたします。6項については、いまご説明しましたように、現在本棒については、役 員給与規程の改正前から引き続き同一役の人間については、従前の額とするわけですが、 退職金計算の際に基礎額として本棒の月額を使うわけですが、この額としては、先ほど の役員給与規程の附則2項ではなくて、本則の役員給与規程の4条のほうの額を基礎と して、退職給与金額を計算するということです。これも、考慮して定めるべき国家公務 員の退職の手当の考え方と同じです。それからその他の3項から5項にかけては、従来、 勤務してすでに退職しているような者についての経過的な。従前は適用した規定ですが すでに対象者はございませんので、これは形式的に規定を削除したものです。以上でご ざいます。 ○部会長  以上の説明に対して何かご質問ございますでしょうか。 ○宇佐見委員  附則2なのですけれども、一般の公務員の方もそうだというお話ですが、どういう思 想に基づいてこういうふうにされるのでしょうか。我々ですと、下がるときは、ポンと 下がるということと、もう1つ我々とちょっと違うなと思いますのは、同じように5% 削減というのが、上の方も下の方も同じ5%でいいのかなと。必ず社長がいちばん削減 率が多くて、だんだん下がっていくみたいな感じをやりながら、削減しているというの が我々企業人の実態なのです。その辺が理解できないもので、ちょっとご説明いただけ ればと思います。 ○雇用・能力開発機構総務部長  いろいろな考え方があると思うのですけれども、今回は全体としての給与額の削減な ものですから、特に理事長に責任が大きいというよりは、同じ率で引き下げるので、当 然理事長は理事、監事よりは多額の額の引き下げになるということでございまして、率 が同じでも、それだけ多くの額が引き下げになるのではないかということがあります。 従前にいらっしゃった方については、現在いる支給額を保障するということでございま すが、その点でいろいろ考え方はあると思いますが、この辺国家公務員等の例に倣って ということでございます。 ○宇佐見委員  ということは、ほかの方も前官礼遇といいましょうか。やっぱり5%削減はできない のではないでしょうか。在任中は保障しますという感じですね。にもかかわらず、何年 後でしたかね。5%削減というのは、実際上できないということになりはしないのでし ょうか。 ○雇用・能力開発機構総務部長  現に勤務している者についてはございません。もちろん人が変われば当然新しい額に なりますので、全体としてはしばらくは経過的なものとして、高い額のものも存続いた しますが、その後は額が下がってまいります。その他いろいろ5%というのは職員等に ついては、全体の職員数の削減であるとか、単価と共に職員数削減等もやってまいりま すので、全体としての額としては、職員、役員を合わせれば、十分に5%は達成できる と考えております。 ○政策評価官  事実誤認があるといけませんので若干補足をさせていただきます。いま法人のほうか らご説明がありましたように、最終的にはそれぞれの法人のご判断ということであろう かと思います。国家公務員あるいは他の法人の例によるということについても、それぞ れの法人のご判断だと思いますが、事実関係として、国家公務員の場合はさておき、独 立行政法人として、私自身はいくつかこういう形で、他の法人も含めまして、少なくと も厚生労働省の所管の法人の改定についてご審議を賜る席におりますけれども、いわゆ る宇佐見委員のご指摘の現給保証と通称されているような部分については、それぞれの 法人がそれぞれの考え方の中で扱われていると承知をしております。 ○部会長  それは例としていろいろあるわけですか。 ○政策評価官  「いろいろ」と申し上げたときに、どちらがいくつでどちらがいくつかとか、そこま での数字を私としてはいま手に持っておりませんので、「いろいろ」というところまで申 し上げるのか正しいかどうかは別として、法人それぞれのお考えによって法人それぞれ の給与政策が取られているということだと思います。 ○部会長  ということになりますと。基本的な考え方がほしいですね。 ○宇佐見委員  それぞれの見解の違いという感じがいたしますけれども、そういう1つのある種の歴 史といいましょうか、こういうふうに理解をしたいと思います。 ○部会長  きっといまの話を聞いて、そんなものかなあという感じはたしかにします。だから、 法人の考え方に基づいてこういう結論を出したのだろうと思うのですけれども、そこの ところは、評価委員会にそれは、いけないとかいいとか、評価は任されているのですね。 そこのところはどうなのですか。評価委員会がそこで口を出すという話は。 ○政策評価官  ルールを申し上げますと本日お諮りしておりますように、52条というところをお開き いただきますと、特定独法、いわゆる公務員の身分のある役職員に対する報酬について の、52条は2項で支給の基準を定めた場合は主務大臣に届ける。それについては53条で 主務大臣に届出があったときには、届出にかかる報酬等の支給の基準を通知をするとい うことで、事後になりますけれども、届出があった場合に通知をさせていただいて、そ れについて意見を申し出ることができる。ですから、主務大臣としても、事後届出を受 け付けておりますし、事後受け付けたものについて、当委員会においてお諮りをし、意 見があれば意見を会議の場を通じて承る。いま申し上げた52条は特定独立行政法人の規 定ですが、これについては、62条において非特定独法についても準用されております。 本日ご審議をいただいている、雇用・能力開発機構については、公務員身分ではござい ませんので、条文から言うと、この62条が準用するところの52、53条に基づいて、本日 も厚生労働大臣のほうに提出された、法人からの給与基準について評価委員会にお諮り をし、ご意見を承わっているという経緯でございます。そういう意味では、先ほど、端 的に部会長から「評価委員会として止められるのか」というご発言がありましたが、止 めるとかというものではございませんけれども、法人として行った1つの給与政策につ いて、報告をし、ご意見をいただく結果的にどうなったというところは、今年度の評価 として最終的には次年度の評価、来年の夏に振り返って18年度の取組が全体としてどう だったかという評価の中で、いただくことになろうかと思います。 ○部会長  この場で意見を申し上げればいいと。その結果は、どうなるかは待とうと、こういう ことだそうです。宇佐見委員どうですか。 ○宇佐見委員  理解できたような。 ○部会長  そういう意見があったということにしたいと思います。それでは、役員給与規程及び 役員退職金規程の変更について、通知は承知いたしましたと。意見は申し上げましたと いうことにしたいと思います。  次に労働者健康福祉機構及び、雇用・能力開発機構の長期借入金及び債券発行につい て、各法人ごとに報告をお願いしたいと思います。まずは、労働者健康福祉機構につい てお願いいたします。 ○労働者健康福祉機構経理部長  それでは6−1についてご説明します。平成18年5月末現在の当機構の長期借入金の 実績です。この借り入れは、労働安全衛生融資の原資として、平成6年度まで借り入れ ていた、財政融資資金の償還金の不足に当てるため、民間金融期間から、資金の借り入 れを行っています。18年度の長期借入金の受け方ですが、2番にあるように、平成18年 度の3月29日の労働部会の中で、年度計画全体については、すでにご説明をし、ご承認 をいただいています。長期借入金は項目1にありますように、財政融資資金の償還期に 合わせまして、5月、9月、11月、3月の年4回を計画しております。18年5月の実績 ですけれども、新規の借入金については、317304、3億1,000万、それから次にあります ように平成17年5月の借入金の償還に伴う民間からの借り入れ、借り替えの関係につい て、171215、1億7,000万、合計4億8,000万の関係の借り入れを行っております。18年 の5月の借入金については、当初計画した範囲内の中での借り入れでございます。以上 でございます。 ○部会長  次に雇用・能力開発機構についてお願いいたします。 ○勤生部企画課長補佐  私の方から説明させていただきます。雇用・能力開発機構の債券発行及び長期借入金 の実績について、お手元の資料6−2でご報告させていただきます。資金調達について は、年4回行っておりまして、今回は18年度として1回目となる6月期の調達実績です。 財形融資貸付のために、債券が454億円。長期借入金が341億円です。また、借入条件で すが、債券につきましては、償還期間が5年で金利は年1.4%。長期借入金については、 償還期間が1年で、金利は1.506%です。下の参考ですが、これについては、平成18年度 の長期借入計画と年度の実績でございます。年度計画額の欄のところですが、雇用・能 力開発債券は2,061億5,800万円。また、長期借入金は、1,704億1,000万円となっており ます。これについては、本年3月の本部会におきまして、18年度の年度内の限度額とし てご了承をいただいているところでございます。以上でございます。 ○部会長  ありがとうございました。ただいまの説明に対して何かございますでしょうか。 ○部会長代理  計画額と実際の借り入れ額が労働者健康福祉機構も、雇用・能力開発機構も、かなり 大幅に違うと。たしか3月だったと思うのですが、計画額を1,000円単位でやるよりは、 通常民間ではラウンドだという質問をしたら、実際の仕事を積み上げたという回答を得 ています。そうすると、なぜこんな差があるかという多少の説明をお願いしたいのです けれども。 ○労働者健康福祉機構経理部長  たしかに先生からそういったご指摘がございまして、少しでも金利の関係等を鑑みて、 少ない額の借り入れをしたいということで、5月、9月、11月、3月の4回があります が、5月についてはまだ少ないのですけれども、9月の段階とか、翌年の3月の段階で は、相当大きな額を借りますので、そういう観点では1,000円単位まで積むものですけれ ども、なるべく少ない額ということから、少ない額で計画額を算定してそれに見合った ものをやっております。 ○部会長代理  もう1つのほうはたしか小さいのですよね。雇用・能力開発機構のほうは、年度計画 額のも4分の1ぐらい。年度計画だから、4倍すればほぼ計画どおり。 ○勤生部企画課長補佐  はい、そうです。 ○部会長代理  わかりました。 ○部会長  よろしいでしょうか。それでは、長期借入金等につきましては、報告を承ったという ことにしたいと思います。  それでは一応これで終わるのですが、事務局から次回の開催日程や連絡事項について お願いします。 ○政策評価官  お暑い中ありがとうございました。先ほどの審議をもちまして、17年度の労働部会が ご担当いただいている5法人の実績報告を踏まえた評価ということを固めていただきま したので、部会長のご確認をいただきながら、法人への連絡、総務省政独委への通知、 また公表という手順を踏ませていただきたいと思います。最終的に公表するものについ ては、日付の入った形で各委員のお手元に届けさせていただきたいと思っております。 当部会については、次回は明後日、23日ですが、3時から開催させていただきます。先 ほども少し出てまいりましたように、大きく2つのテーマです。1つは「JILPT」、 労働政策研究・研修機構の中期目標期間の暫定評価。今年度が中期目標期間の最終年度 ですので、まだ最終年度が終わってはおりませんが、最終年度の節目ということでの暫 定評価をお願いするというのが1つ。それから2つ目として、それを踏まえてのJIL PTの組織・業務全般の見直し当初案。夏の段階での案について聞き届けいただき、ご 審議をいただく。そして1年前倒しをさせていただく能開機構についても、現時点にお ける組織・業務全般の見直し案についてお聞き届けいただき、ご意見を承るということ を、23日の3時から予定をさせていただいておりますのでよろしくお願い申し上げます。 冒頭に申し上げましたように、会場がご連絡しているところから変わっています。先に は省外の会議室を予定しているという旨をお伝えしましたけれども、省議室9階のほう の会議室を予定していますのでお間違いのございませんようによろしくお願いいたしま す。 ○部会長  それでは本日は長い時間にわたりましてありがとうございました。これで終わります。 <了> 照会先:政策統括官付政策評価官室 独立行政法人評価係 電 話:03-5253-1111(内線7790)