06/08/09 中央社会保険医療協議会診療報酬基本問題小委員会平成１８年８月９日議事録


０６／０８／９　　中央社会保険医療協議会
　　　　　　　　　第８７回診療報酬基本問題小委員会議事録　	

(1)日時　　平成１８年８月９日（水）１０：２９～１０：５８
(2)場所　　厚生労働省専用第２２会議室
(3)出席者　土田武史委員長　遠藤久夫委員　室谷千英委員　小林麻理委員
　　　　　 対馬忠明委員　小島茂委員　丸山誠委員　大内教正委員　松浦稔明委員　
竹嶋康弘委員　鈴木満委員　石井暎禧委員　黒﨑紀正委員　山本信夫委員
白石専門委員　田中分科会長　
　　　　　 ＜事務局＞
　　　　　 水田保険局長　宮島審議官　原医療課長　今別府保険課長　榮畑総務課長　
           石原調査課長　他
長　他
(4)議事 　　　○　医療機関のコスト調査分科会からの報告について
(5)議事内容
○土田小委員長　ただいまより、第８７回中央社会保険医療協議会診療報酬基本問題小委
員会を開催いたします。
　まず、委員の出欠状況について報告いたします。本日は、石井委員及び古橋専門委員が
御欠席です。石井委員の代理として邉見委員がお見えになっております。
　なお、保険局長は公務のため欠席させていただく旨の連絡を受けております。
　それでは、議事に入らせていただきます。
　「医療機関のコスト調査分科会からの報告」について、議題としたいと思います。
　本日は、同分科会の田中滋分科会長に御出席いただいておりますので、最初に、平成１
７年度調査研究結果について御報告いただいて、その後質疑応答を行い、またさらに平成
１８年度調査研究の案について御説明いただいた後質疑応答を行う形で進めてまいりたい
と存じます。
　それでは、最初に、平成１７年度調査研究結果について田中会長より御報告をお願いい
たします。
○田中分科会長　初めに、今会長が言われた１７年度調査研究結果について御報告いたし
ます。これは、平成１７年、昨年８月３日の中医協診療報酬基本問題小委員会において御
了承いただきました平成１７年度の調査研究４本のうち、まだ報告の済んでいなかった２
つの調査研究結果について、私どもの分科会、７月１３日に行い、結果を取りまとめまし
たので、御報告申し上げます。
　１つ目は、「診断群分類を活用した医療サービスのコスト推計に関する研究（ＤＰＣコ
スト調査研究）」でございます。資料は、診－１－２をごらんください。まず１ページを
ごらんください。この研究は、いわゆるＤＰＣに関するコスト調査であります。本研究は、
診断群分類別コストデータからコストを把握し、将来の診療報酬制度の設計に役立つ基礎
データをつくり、コスト計算のための標準的な尺度を検討するなど、今後のコスト計算の
環境整備を行うことを目的としております。したがって、本研究の数値上の成果は、調査
対象医療機関ごとのコストデータを公表するために使用するものではないという点に御留
意いただきたいと思います。
　平成１７年度の研究対象は、平成１６年度の９３施設から１６９施設にまで拡大いたし
ました。これは、学校法人会計を採用する病院以外の民間病院を加えて１６９としたもの
でございます。研究方法は、原価計算方法標準マニュアルに基づき各病院が作成し、提出
されたデータに基づいて、診断群分類別コストデータを統一的な手法により算出いたしま
した。
　また、人件費の算出においては、国家公務員俸給表の値を用いて換算しています。した
がって、無給の職員についてもコスト計算に国家公務員の表を用いて組み入れております。
　２ページをごらんください。研究結果として、１日当たりのコストを表に示してありま
す。この値は、一定の仮定を置いた場合の値でありますので、その額の多寡については慎
重に解釈すべきものではありますが、結果はごらんのとおりでありまして、平成１７年度
の調査研究結果では、１日当たりのコストは４万６，５９７円となりました。
　対象施設数が９３から１６９に増加しているため、単純に比較することはできませんが、
平成１６年度と比べ、１日当たりコストは１，５１９円減少しております。費目別では、
給与費、医薬品費、経費、委託費が減少している一方、診療材料費は増加しています。
　３ページをごらんください。この研究の考察でありますが、平成１７年度研究において
は、平成１６年度研究で得られた知見とほぼ同様の結果が得られました。このことは、本
手法の原価推計方法としての安定性が改善したことを示唆しているものと私どもでは考え
ております。
　ただし、平成１６年度と同様、原価関連のデータ収集及び処理などのインフラがまだ十
分に整わない中での調査でもあり、これらについては、今後方法論の検証を行っていく必
要がまだ残っているとも考えます。
　引き続き、平成１８年度においても調査研究を行いたいと私たち分科会では考えており
ますが、こちらについては、後ほどほかの調査とあわせて御説明申し上げます。
　時間の都合上、次に２つ目の調査を報告いたします。「医療機関の部門別収支に関する
調査研究」であります。資料は、中医協診－１－３と診－１－４になります。診－１－４
は細かい資料編ですので、本日は診－１－３の方をごらんください。
　まず２ページをおあけください。この調査は、平成１５年度から始まり、診療科別収支
計算方法を確立するために行っているものであります。平成１７年度では、多くの病院か
らのデータ収集を可能とするために平成１６年度の分析手法を調整することを目的として
調査研究を実施いたしました。具体的には、まず、一般原価調査では、精度を維持しつつ
も簡略化すること、それから医師勤務に関する調査方法の比較を行いました。また、特殊
原価調査では、医療機器に関する設備関係費の調査を実行いたしました。また、分析とし
て、標準的等価係数の作成及び他の手法との比較を行っております。
　飛んで６ページの図表１－３をごらんください。この調査研究における診療科別収支計
算方法について改めて御説明いたします。この調査研究では、入院部門、外来部門の各診
療科を最終集計単位とし、一般原価調査などで得られたデータをもとに部門別収支計算を
行うこととしております。
　まず、一次計上としまして、入院部門、外来部門、中央診療部門及び補助・管理部門の
４つの部門に収益、費用の計上を行います。この際、病院内の各部門で実際に発生する費
用のうち直接把握できる費目については、該当部門にその値を直接積み上げる、これは
「直課」といいますが、直課を行います。直接結びつけられない費目については、基準値
を用いて按分しその値を各部門に積み上げる「配賦」、原価配賦を行います。
　次に二次配賦としまして、その図にありますように、補助・管理部門の費用を、入院部
門、外来部門、中央診療部門へ配賦を行います。
　そして、最終的に三次配賦として、中央診療部門から入院部門、外来部門へ配賦を行い
ます。この場合、手術、検査、画像診断部門については特殊原価調査で得られた等価係数、
特殊な評価のための指標ですが、を用いて配賦を行い、最終的に、入院、外来別に、診療
科別収支を算出しております。
　調査結果ですが、ずっと飛んで６６ページをごらんください。小さい表で恐縮ですが、
図表３－４５に載っております。これは三次配賦で得られた診療科別の収支計算例をまと
めたものであります。表の上段が、施設全体の医業収益額を１００とした場合の各項目の
占める割合であります。入院部門は施設全体の医業収益の約７割、７０．３％、外来部門
は約３割、２９．７％となりました。
　次に、費用を勘案した医業利益について申し上げます。入院部門では、少なくとも調査
対象の病院では２．８％の黒字、外来部門では１．９％の赤字となりました。診療科別で
見ますと、入院部門では、外科が０．９％の黒字、小児科が０．８％の赤字などと見てと
れます。また、外来部門では、内科が２．５％の黒字、整形外科が１．０％の赤字などと
見てとれます。ただし、今回の調査の標本数は８、８病院ですので、この結果の数値はあ
くまで参考値であります。以前から申し上げておりますように、手法としての確立を目指
した研究段階でありまして、一応ここまでのところで手法として確立できたと考えます。
したがって、今後は調査病院数を増やすことにより、病院の部門別収支の分析が可能にな
ると考えております。
　さらに、１００ページ、１０１ページをごらんください。この調査研究の総括ですが、
ただいま申し上げたように、平成１７年度調査研究において調査の簡便化が図られるなど
診療科別収支計算手法をほぼ完成できたと思っております。今後は、開発された手法を活
用し、診療科別経営状態の把握を行うことが可能になるものと考えております。
　以上が、平成１７年度調査研究結果の残されていた２つの報告でございます。
○土田小委員長　どうもありがとうございました。
　それでは、ただいまの御報告について御質問、御意見等ございましたら、どうぞ。
○鈴木委員　大変貴重な結果を出していただきまして、また手法が確立されたということ
で、喜ばしいことだと思います。
　８病院でしかないということから、あまり数字に関して物を言うなということで、前回
の先生のお話でもその数字にこだわることで多少のおしかりを受けたような記憶もござい
ますけれども、この８病院の中の２００床未満と２００床以上とで、外来の黒字・赤字と
いうところだと明確になっているようでございますけれども、こんな傾向はやはり存在す
るという理解でよろしゅうございましょうか。
○田中分科会長　世の中に、全部がそうかどうかは別として、少なくともこの値を見ると
外来が赤字というのはなかなか面白い数値ですよね。普通、病院経営者の方々にとってみ
ると外来で稼いでいるという意識がおありだと思うのですが、これはやはり間接費をどう
配賦するかという会計上の話ですよね。キャッシュフローだけで見ると、もうもともと固
定費として存在している人件費を考えれば、そこは新たな費用が発生しないと考えれば、
外来部門はキャッシュを生みます。しかし、本来そこで使われているお医者さんは外来部
門で時間をとられることによって疲弊するかもしれないし、本部の費用だって、きちんと
外来にかかった費用として配賦すれば、実は長期的には赤字になりつつ、短期的にはキャ
ッシュフロー上黒字と、まあ企業でもよくある話ですけれども、短期では意味のあること
だけれども長期では実は疲れさせているというような読み方も可能かなと、私ども思って
おりますが。
○鈴木委員　関連のコメントなのですけれども、いわゆる今勤務医の過重労働が問題にな
っておりまして、それが医師の偏在ですとかいろいろな問題を呼んでおりますけれども、
もし今の御研究が正しければ、もう少し機能別に医療施設が分かれまして、大病院は入院
をあくまでも専門でやっていただいて、という印象がいたしましたので、ぜひこれを精緻
化していただきたいと思います。よろしくお願いします。
○土田小委員長　ほかに御質問、御意見。
○竹嶋委員　資料の最初に、産業医科大学の松田先生ほか皆さんおまとめになられた資料
を見ましたが、その下から９行目、「昨年同様」というか、昨年も同じようなことでこの
基準を決められておるのですが、「国家公務員俸給表の値を用いて換算し」というふうに
なっておりますが、御存じのように、国公立とそれから一般民間病院、これは人件費につ
いても相当違いますね。これは皆さん大体おわかりだと思います。そうしますと、今後も
この形でいきますと、そうすると、例えば今後診療報酬とか具体的に決めたりするときに
は、この民間のいろいろな給与といいますか、これはやはり国家公務員を参考にしながら
やっていくということになるのでしょうか。それが１つ質問です。これをこのまま使うお
つもりかということと、平成１８年度には引き続きまた調査をなさるということですけれ
ども、同じことでいくのですか、そこのところはどうでしょうか。
○田中分科会長　実際に賃金がどう決まるかは人事院が決めることだと思うのですが、逆
に多分民間を反映して国会が決めているのでしょう。こちらは研究ですので、国家公務員
の表ではなくて、民間の病院従事者の職種別の賃金表は、標準的なものを使えれば、別に
そちらに当てはめることは何ら問題ありません。国家公務員の方が、一応細かくそろって
いて使いやすい。私たちが調査しなくても、既にデータがあるので使っているのですが、
もし民間病院の平均値を、例えばドクターだけでも置きかえてみたらどうかというような
ことは、もう手法として確立されている以上、後はできることですので。
○石井委員（代理邉見氏）　細かいことなのですが、一応無給というのはまだいるのです
か。これがあったら、この調査にそれを国家公務員の俸給に入れると、影響があるほどは
いないのでしょうね。無給の人がいるということ自体、私は私の時代で終わったと思って
いたのですけれども。
○田中分科会長　本当に無給なのかデータがないのかわかりませんが、個別の病院では、
実際特にＤＰＣ適用病院の大学病院のところでデータをどこまできちんと、一人一人の賃
金管理が、この調査票にあわせてコストデータを提出していただけるかどうか、未整備な
のです。先ほど申し上げましたように、手法としてはあっても、データ収集体制が各病院
側でまだ慣れているとは限らず、場合によっては抜けていることもあります。それが本当
に研修医が相変わらずゼロなのか、そんないけないことが行われているのか、単にデータ
管理上の問題なのかは、私たち、上がってきたところからはわかりません。ただ、それで
は数値になりませんので、一応全部の平均値を使っている形でございます。
○石井委員（代理邉見氏）　ありがとうございました。
○土田小委員長　ほかに御質問ございますか。
○松浦委員　先生ちょっとお伺いしたいのですが、この８ページの「原価計算プログラム
のながれ」というのは、これは単一のどの病院でも使えるようなものですか、どうなので
しょう。
○田中分科会長　基本的に同じです。
○松浦委員　そうすると、こういうのは、特に私、自治体病院もかんでいるものですから、
総務省あたりに示して、これでやれというひとつ指導をしてもらったらどうなのでしょう
ね。いや、感想です。
○土田小委員長　これは感想として承っておきたいと思います。
　ほかにございますでしょうか。
○遠藤委員　意見でありますけれども、このＤＰＣのコスト調査に関してですが、薬価な
どはコストをベースにしながら額を決めるという、ある意味で合理性のある額の決め方を
しているわけですけれども、診療報酬本体部分については、そこのところがかなり不明確
だったというのが従来の価格の決め方だったわけです。今回初めて診療報酬とそれに対応
する枠組みでコストをはかっている、しかも、それを相当な広さでやっているということ
でありますので、これはある意味で診療報酬を合理的に形成していくという意味で、非常
に重要な研究だと思います。この３ページの考察のところで、今後まだ検討すべき課題が
多々あるということが書かれておりますので、こういう問題を一つ一つ克服していくこと
は非常に重要ではありますけれども、同時に、どこかで見切りをつけた形で、ある程度現
実的に使えるような形にぜひしていきたい、していっていただきたいと思っておりますの
で、そういう意味で大変期待をしておりますので、今後ともよろしくお願いしたいと思い
ます。
　以上です。
○田中分科会長　ありがとうございます。
○鈴木委員　ちょっと確認だけなのですけれども、時間外の問題はどう処理されたのでし
ょうか。国家公務員でも時間外はもちろんつくのでしょうけれども、その辺で限度がある
のかないのかみたいな問題と、あともう１つは、１６年、１７年で国家公務員の俸給は変
わっていないのです。
○田中分科会長　時間外給与をどう評価しているかですか。ちょっとそこは私はわからな
い、事務局でわかりますか。
○事務局（堀江保険医療企画調査室長）　時間外はそれだけの勤務時間がかかったという
ことで算定しています。
○鈴木委員　割り増しで国家公務員の時間外だと、当然のことながら、通常のよりコスト
はかかるはずですし……。
○土田小委員長　ちょっとわからないようでしたら、これは後で答えさせていただいてよ
ろしいですか、ちょっと時間が押しておりますので。
○鈴木委員　はい。
○土田小委員長　ほかに御質問があるかもしれませんが、ないことにいたしたいと思いま
す。といいますのは、この後総会と検証部会がありますが、この会場の使用は１２時半が
リミットになっております。それで、まだ田中分科会長には説明をしていただくことがご
ざいますが、その前に、ただいま２つ報告していただきましたが、これを基本小委として
承認するということを確認したいと思いますが、よろしいでしょうか。
　　　　　　　　　　　　　〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○土田小委員長　どうもありがとうございます。
　それでは次に、平成１８年度調査研究の案について田中分科会長より説明をお願いいた
します。
○田中分科会長　報告を御承認いただきまして、ありがとうございました。
　次に、平成１８年度に予定しております調査研究（案）４本について御説明いたします。
資料、１枚物の診－１－５をごらんください。
　平成１８年度も１７年と同様、４つの調査研究を予定しておりますので、順番に御説明
いたします。
　１つ目は、今御報告申し上げた「診断群分類を活用した医療サービスのコスト推計に関
する研究（ＤＰＣコスト調査研究）」であります。戻っていただいて恐縮ですが、先ほど
の診－１－２の５ページに、将来のことが、この先のことが書いてございます。
　平成１８年度は、１７年度の研究結果を踏まえ、より正確で簡便なデータ収集を可能と
する方法論の確立という視点からの調査票及びデータ収集方法のさらなる精緻化など調査
手法の修正を行います。あわせて、看護ケア、ＩＣＵケア、ＥＲケアの指標標準化とその
コストの推計方法の検討や、中央診療部門におけるサービスのコスト推計の方法論の検討
を行うこととしております。それらを細かくしつつ、今日いただいたような意見も反映で
きるように調査を進める所存でございます。
　２つ目は、「医療機関の部門別収支に関する調査研究」であります。これは診－１－６
をごらんください。１枚物です。平成１８年度は、１７年度調査研究までで開発された手
法を用いてより多くの病院に対して一般原価調査等を実施し、診療報酬改定の基礎資料に
供することを含め、本調査研究結果の活用を検討することとします。
　調査対象については、診療行為単位のコストデータを収集する観点から、レセプトデー
タをレセプト電算処理フォーマット形式で提出できる病院に加え、ＤＰＣのＥファイルを
用いることが可能なＤＰＣ準備病院及びＤＰＣ対象病院に協力を依頼して調査対象病院に
含めることも考えております。
　３つ目は、「医療のＩＴ化に係るコスト調査」であります。これは、診－１－７であり
ます。平成１７年度調査では、前回報告申し上げましたとおり、医療のＩＴ化について先
進的な取り組みを行っている医療機関に対してヒアリング調査を行い、医療のＩＴ化に伴
うコストについて定量的・定性的に把握いたしました。しかし、これはあくまでこちらで
選んだ先進的と思われるという選び方をしていますので、限定的な施設へのヒアリング調
査であったため、平成１８年度では、医療のＩＴ化にかかわるコストについて政策に活用
できる十分なデータを得られるよう、開発された手法をもとにより幅広い医療機関等を対
象とした調査を実施することを考えております。
　２ページをご覧ください。調査は、病院、一般診療所、歯科診療所、保険薬局を対象と
してアンケート調査を実施いたします。そして、医療のＩＴ化に伴い追加的に発生するコ
ストを「（ベンダーへ支払う）システム導入保守費用」と「施設内の人的資源の投下」に
分け、定量的な把握を行います。また、医療のＩＴの導入効果については、導入の結果と
して、削減可能であるコストについて定量的な把握を実施いたします。
　さらに、アンケート調査への回答施設の一部に対してヒアリング調査を実施し、主にＩ
Ｔシステムの導入効果について補完的な事例把握を行うことといたします。
　なお、調査のたたき台は４ページ以降に書かれておりますので、後刻ごらんくだされば
と思います。
　最後は、「医療安全に関するコスト調査」であります。資料、最後の診－１－８でござ
います。平成１７年度調査では、こちらもやはり先進的な取り組みを行っている、あるい
は行っていると思われるかもしれません、行っている医療機関等を対象にいたしました。
そして、医療安全を保証・改善させるための取り組み状況などを把握し、取り組みに係る
コストを分析するとともに、医療安全に関するコストの調査方法について検討を行いまし
た。平成１８年度は、調査の焦点となるべき重要な項目を定め、より幅広い数の医療機関
等を対象として、医療安全に係る取り組みの程度を把握し、それらを満たすために必要な
コストを分析することを考えております。
　調査は、やはり病院、一般診療所、歯科診療所、保険薬局を対象とし、アンケート調査
及びヒアリング調査を実施することにいたします。
　２ページをごらんください。重点を置く調査項目でございます。重点を置く調査項目は、
政策上の方向性を踏まえつつ、平成１７年度調査結果をもとに、医療安全に係る取り組み
としての当該施設区分において実践が期待できるものを選択して設定します。そこに書い
てあります。
　そして、それぞれの重点項目に対して、人件費や物件費のコストを把握することとしま
す。
　同じく調査のたたき台は３ページ以降にありますので、後刻ごらんいただければと思い
ます。
　以上が平成１８年度に予定しております調査研究（案）になります。本案について、こ
の小委員会で御了承いただければ、直ちに調査設計に取りかかるつもりでございます。御
報告は、以上であります。
○土田小委員長　どうもありがとうございました。
　ただいま御報告をいただきましたこの４つの調査は、次期改定の基本的なデータになる
という非常に重要な調査だと思っておりますが、今の説明につきまして御質問などござい
ましたら、どうぞお願いいたします。
　調査のスケジュールは診－１－５の「スケジュール（予定）」というところに記載され
ております。
○竹嶋委員　１つは、非常にどれも大切な課題でございまして、そういう意味では、ぜひ
きちんとした調査をお願いしたいということでの発言でございます。例えば「ＩＴ化に係
るコスト調査」というところがございますけれども、これの中ごろのところに「重点計画
－２００６」云々とありまして、「健康情報を活用した」云々と記述され、「導入目的を
明確にしたうえで」」というふうに、はっきりここで書いておられますが、今後ここのと
ころはきちんと目的を出していただきたい。これは要望でございます。
　それから、こういう報告書はあちこちに出ますから、そうすると、もう書いてあること
がすべてそれが中医協でも「いいですね」、「はい」となりましたら、認められることに
なるのですが、そのちょっと下のところ、丸の下から３番目のところの、例えば「導入の
結果として削減可能」と、もう削減だけをこう強調する。これもやはり大切だと思うので
す。最後のところはもう決めるところは決めていいのですが、今からやっていくことです
から、できたらそういう注意を払っていただきたい。
　それから２ページのところですが、調査対象、これは私の理解が間違っているのかもし
れませんが、調査対象に、これは病院のみですかね、診療所……。
○田中分科会長　調査対象は、病院、診療所、歯科診療所、保険薬局。
○竹嶋委員　全部入っていますね。
○田中分科会長　はい、全部入っております。
○竹嶋委員　これは私の理解がちょっと間違っていました。
　ＩＴ化につきましては、特に医療関係は遅れておるということで、私たちも鋭意進めた
いとは考えておりますが、やはりいつも言うのですが、コストの問題が最初にポンと生じ
るのです。診療費等々でということで、今まで人件費も消費税もそういうふうに扱われて
きた問題があるのですが、そういう形でいかれているということがありますので、こうい
う調査に本当に期待をしているのですが、できるだけ正確な調査をお願いしたいと思いま
す。
○土田小委員長　どうもありがとうございます。
　ただいまのご要望は、よろしいですね。
○田中分科会長　はい。御要望を踏まえたいと思います。
○土田小委員長　ただ、一言言っておきますと、竹嶋委員が今「削減可能であるコスト」
という発言がございましたが、その前に「追加的に発生するコスト」という表現もありま
すから、要するに、プラス・マイナスを勘案しながら考えていくということだろうと思い
ます。
　ほかにございますでしょうか。
　よろしいでしょうか。それでは、ただいま田中分科会長の方から説明がありましたよう
な形で調査を進めていただくということで御了解いただきたいと思います。
　よろしいですか。
　　　　　　　　　　　　　〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○土田小委員長　どうもありがとうございました。
　それでは、どうぞよろしくお願いいたします。
○田中分科会長　そのとおり進めさせていただきます。どうもありがとうございました。
　それでは、本日の小委員会はこれで終了したいと思います。
　次回の日程について決まっておりましたら、お願いいたします。
○事務局（原医療課長）　次回の日程は未定でございまして、追って事務局から連絡させ
ていただきます。
○土田小委員長　はい、わかりました。
　それでは、本日の基本小委はこれで終了いたします。
　引き続いて総会がありますので、しばらくお待ちください。



           【照会先】
　　　    　      厚生労働省保険局医療課企画法令第１係
　  　　　        代表　０３－５２５３－１１１１（内線３２８８）