06/07/25 第16回独立行政法人評価委員会国立病院部会議事録 独立行政法人評価委員会国立病院部会(第16回) 日時:平成18年7月25日(火) 17:00〜20:00 場所:厚生労働省 9階 省議室 出席者: 井伊委員、大道委員、開原委員、黒川委員、辻本委員、夏目委員、山田 委員、    渡辺委員(敬称略、五十音順) ○黒川部会長  定刻になりましたので、ただいまから第16回の独立行政法人評価委員会国立病院部会 を開催いたします。ちょっとマイクの調子が悪いようですが、もうすぐ直ると思います。  本日は、住田委員が御欠席ということであります。  きょうは予定の時間を8時としていますが、できればその前に終わらせたい。終わらな い場合は予備日を取ってありますが、予備日は使わないということでやりたいと思います。 それでは、事務局から本日の議事についてお願いします。 ○政策評価官  重ね重ねの不手際で申しわけございません。本日は、今、部会長からお話がございまし たように、前回に引き続き国立病院機構の個別評価をお願いいたしますが、資料のA3の シートの26ページからでございます。前回は非常に暑い中、また時間の限られた中、委 員の皆様方にはシートの記入の時間がなかったというお話もいただいております。いろい ろ御迷惑をかけておりますが、きょうは部会長とも御相談をいたしまして、時間を取って いただきながら全体が終われればと思っておりますので、よろしくお願い申し上げます。 また、後ほど国立病院機構から説明をすることになろうと思いますが、本日は前回用意い たしました資料に追加をいたしまして、机上配付としてカラー刷りのものと資料3として 「国立病院機構の会計規程等の見直し」という資料も用意をいたしております。これは、 後ほどシートの説明の該当部分の説明で使わせていただくと思いますので、よろしくお願 い申し上げます。 ○黒川部会長  ありがとうございました。よろしいでしょうか。  それでは、きょうは説明が26ページからということでいろいろ聞かせていただくわけ ですが、そのほかにやりながら、1ブロック終わったところで数分のお時間でまとめる時 間を取らせていただければと思います。  それでは、機構からお願いします。20分から30分ぐらいで。 ○国立病院機構企画経営部長  企画経営部長でございます。26ページからでございますが、「業務運営の効率化に関す る目標を達成するために取るべき措置」について、17年度業務実績を御説明いたします。  最初に「効率的な業務運営体制の確立」という項目でございますが、16年度において既 に本部・ブロックの役割、あるいはその組織体制については御説明したとおりで、本部は 5部14課体制、ブロックは1部5課体制ということで、それぞれの役割を書いてありま すとおり、本部については経営管理指標と比較しながらも問題の把握と経営改善等を行っ ているところでございますし、ブロック事務所については、人事調整会議を設置し管内の 人事交流の促進を図る、あるいは病院の設計、あるいは労務管理、医療の支援といった役 割を実施しているところでございます。その役割の内容については、16年度と同じでござ います。  「効率的な管理組織体制」については、まず6ブロックによる効率的な管理業務の継続 ということで、管理部門の職員の数は291人で16年度と同様でございますし、ブロック の数も6部分の体制を維持しております。また、ことしは17年度からでございますが、 組織的に経営指導を実施していくということで一つ大きな仕事を行っていまして、16年度 においてはそれぞれ各病院の状況を各ブロック、あるいは本部も若干入ってでございます が、13の病院に経営指導を行ったにすぎませんでしたが、17年度には対象病院をしっか り選定をした上で行っております。  具体的にいいますと、減価償却、引当金がないと仮定しても資金不足になる病院、ある いは17年度計画でPLが悪化する計画になっておって、かつ本部からの短期の借入金が ふえる施設、あるいは17年度自体は大丈夫であっても長期借入金が今後、返済がふえて いく段階では収入不足が見込まれる病院、そういった病院を対象として経営指導を実施し ております。  個別の病院に対して本部・ブロックが分担をして、17年度は28の病院でございますが、 具体的な実施内容、実施方針や方法を定めた上でブロック事務所を活用して経営指導にあ たっております。  まず、本部・ブロックが、かなり綿密に病院の経営状態を把握して、データを持ってお りますので、把握した上で何を指導して何を求めていくかということを決めた上で行って いるということであります。  それから、本部・ブロックの重要な仕事でございますが、内部監査というものでありま す。17年度からは業務の適正かつ能率的な執行を図り会計処理の適正化も図るという観点 で、内部監査を本格的に実施をしようという計画を立てております。特に契約あるいは支 払い、未収金、投資効果、現金管理、個人情報の保護は17年度に施行されたばかりとい うこともあって、そういった事項を重点監査項目として監査を実施をいたしました。  対象となる病院は、全病院については、まず書面でチェック項目をつくって各病院が自 分でチェックをしていただいた上で、監査法人からの指摘なども踏まえて我々の方で場所 を選定して行うことにしております。2年間で全病院を回るという計画をしておりまして、 今回は71の病院を対象として監査を行いました。具体的な内容については、後ほど御説 明いたします。  27ページ、(3)「臨床研究と治験支援体制の強化」ということであります。これは、17 年度に特に取り組んだ事項ということで我々は考えておりますが、臨床研究と治験の推進 を図るというのも我々にとっては非常に重要な事項でありまして、特に人員体制の強化を 図りたいということで、臨床研究の実績の豊富な医師、あるいは薬剤師、看護師といった 専門家を増強いたしまして、治験推進室を拡充しております。これによりまして、研究部 門については研究計画や手順の質の向上を図るとともに、本部が中心となった治験の依頼 を一生懸命図るということで、平たく言うと、メーカーに対してはセールスに歩いたこと が一つ。それと、病院に対しては可能な限り症例をきちんとこなしていただくということ で、病院に対する指導や支援、具体的には症例の掘り起こしなども実際に我々の方で出か けていって行いました。  その結果、まず受託研究費は44億200万円で16年度と比べて22%の増となりました し、実施症例の中身も、治験についても本部が関与したものが16年度は150症例であり ましたところ、17年度は1000症例を超える症例を集めることができたということであり ます。  次に病院の中の組織で「弾力的組織の構築」ということでございます。診療部門につい ては、まず医療の部門でございますが、医師の管理職であります部長とか医長という管理 部門の組織は、部下数に応じて医師全体の4割を管理職というルールで16年度から行っ ておりまして、このやり方を踏襲しております。また、麻酔科医などの非常に確保困難な ところは、弾力的に医長とか部長が発令できるような仕組みも導入して、なるべく現場に 管理職の数による負担をかけない工夫をしております。  事務部門については、16年度と同様でございますが2課体制ということで、費用と収益 の一元管理ということでの企画課、それから庶務と労務を扱います管理課ということで実 施をしております。  また、組織運営の方針については副院長複数制を導入しておりまして、16年度は名古屋 医療センターと大阪医療センター、熊本医療センターは院長が非常勤理事を兼ねておりま すので、この3病院は副院長複数制を導入しているところでございますが、それ以外の病 院も特命副院長という形で特命事項を扱う副院長を別に置くことができることとしてお ります。17年度は、16年度の2病院に加えて函館、仙台、松江、それぞれの病院につい て経営企画あるいは呼吸器のプロジェクトといった特別なプロジェクトの任務を持った 副院長を置いて、経営改善なりあるいは診療機能の強化なりに取り組んだところでござい ます。松江病院では呼吸器のプロジェクトをしたいということでありまして、外来の喘息 のアレルギー外来であるとかアスベスト外来、禁煙外来などを新たに設置し、公開講座も 実施して地域住民に対するPR活動なりを一生懸命行ったということでございます。  地域連携室、医療安全管理室でございますが、地域連携室については、16年度には68 病院で専任職員の配置がございますが、地域連携は非常に重要な事項でありまして、17 年度もまたさらに専任の職員を配置することとしております。  医療安全管理室については、すべての病院に医療安全管理室を設置しているところでご ざいますが、リスクマネジャーとしては16年度は141病院で専任のマネジャーを配置し たところでございます。17年度は、さらに3病院追加して専任の職員を配置したところで ございます。  28ページは看護部門でございます。これは、昨年と同様、職員配置についてのルールで ありますが、病棟部門は必要な職員数は常勤で配置をし、外来部門は、管理者などの常勤 職員は別として、短時間の非常勤の職員確保である場合は受付時間とか外来の診療時間帯 に合わせた非常勤の配置を行うことを基本としております。しかしながら、どうしても外 来では非常勤さんが集めきれないところについては、一部、常勤でも行えるようにという ことで常勤看護師の配置も実施をしたところでございます。  事務部門については、先ほど申し上げたとおり2課体制の維持とそれによる部門別決算 と経営状況の把握を行ったところでございます。  次に「職員配置」でございます。業務量の変化に応じた柔軟な配置ということで、まず 管理部門は常勤と非常勤による業務量の変化に応じた対応ということで、病棟部門につい ては必要な職員数を常勤で配置することを基本としております。在院日数の短縮によって 上位基準が取れるようになった病院については、必要な人員は常勤でまたさらに増員をし て配置をしておりまして、これは前回御説明したような経営改善の内容につながっており ますが、実際のところ、看護師については1月1日時点の国会報告の数字で申し上げると 1000人の増員になっております。ということで、人の配置はかなり積極的に行ったとこ ろでございます。  外来部門は先ほど申し上げたとおりでございまして、管理職は常勤、それ以外の非常勤 で対応可能な部分は非常勤でということでありますが、どうしても非常勤の集まりにくい ところは常勤での配置も検討課題として、実際に配置をしております。  先日、宿題として、辻本先生からMSWの配置状況について御質問をいただいておりま したが、15?年度末、国の時代の最後の段階では37の病院で42人のMSWの方を配置 をしておりました。17年度末には77の施設で122人。ですからその2年間で40の施設 でMSWを増やすことにしておりまして、延べ人数で80人を増やしております。これは 地域連携を進めていく上ではどうしても不可欠な人ということで、院長先生たちからもか なり要望が強く、実際にも一生懸命働いていただいていますので、必要なところには配置 をするという対応をいたしているところでございます。  次の技能職については、我々の機構としては退職後は不補充にするということで、17 年度には143人削減する計画のところを211人の純減を図り、16年と17年を足しますと 469人ということで、13.1%の削減率になっております。また、離職後は後補充はせずに、 短時間の非常勤職員で対応するか、あるいはアウトソーシングするかといういずれかの方 策を採っているところでございます。  これ以外にも効率化を図るということでアウトソーシングをしている部門がございま す。一つは検査部門で、16年度に引き続き17年度でも、東京医療センター、舞鶴医療セ ンター、大阪南、四国がんセンターの4病院で検査部門の外注でありますブランチラボを 導入しております。  また、給食業務についても、17年度は舞鶴医療センターで全面委託に切り替えること ができました。これは調理の方がいなくなったからということではなくて、もう少なくな ってきた時点で異動していただいてということで、人事異動を前提とした取り組みとなっ ております。  29ページ、職員の業績評価であります。  まず、管理職に対する業績評価あるいは副院長等への年俸制の導入など、昨年度、実現 をするということで申し上げていた事項がございます。  まず、組織目標を効率的に実施するための賞与の制度でありますが、人事評価制度につ いては16年度の冬季賞与からは一部の管理職についても行うということで、部長相当職 以上の方について行ったところでありますが、17年度は対象の範囲をすべての管理職とい うことで、看護師長さんあるいはお医者さんでいうと医長の方以上について全部実施する ということで拡大をしておりまして、17年度の賞与、あるいは年度末賞与についても対象 としております。  また、副院長等の年俸制でございますが、年俸制を導入するに際しては個人の評価を行 うとともに病院の評価も我々の方で行っておりまして、院長が行う各医師の個人の評価と 我々が行う病院の評価の二つを要素として加えて実施をしたところでございます。特に病 院評価は医療面、経営面の二つがございますので、医療面、経営面の二つの点について行 っているところでございます。  詳しくは評価シートの説明資料の中にございますので、後で280ページをごらんいただ きたいと思いますが、ポイントを申し上げます。医療と経営それぞれ50ポイントとして 加点方式で行うやり方をしております。それから、我々の病院は急性期病院ばかりではご ざいませんので、病院の種類、機能にそれぞれ区分をしております。旧病院グループでも 規模に分け、あるいは旧療養所グループも障害系、あるいは精神病床が多いところ、結核 病床が多いところ、あるいは一般病床が多いところということで、かなり機能が違う内容 になっていますので、それぞれごとに区分をした上で行っております。  評価の項目は、基本的には評価委員会での評価項目を基本としつつも、それぞれのグル ープ内での特殊な項目も加味して評価を行うというやり方で実施をしたところでござい ます。  次に、全職員に対する人事評価制度の導入に向けた検討ということでございます。17 年度末に国家公務員については給与構造改革の一環として給与制度の改革を行いました が、我々の方は国に先行して管理職は既に評価制度は導入しておりましたが、我々も国の 給与構造改革に連動して18年7月から組合交渉も終わりましたので、給与構造改革は国 と連動したものを実施をすることとしております。国に先んじて一般職員全体にも業績評 価を実施するということで、労働組合との協議を今後進めていきたいと考えているところ でございます。  次に、「外部評価の活用」でございます。  一つは、評価委員会、16年度の実績についての評価をいただきましたので、これについ てはホームページあるいは我々が発行している広報誌がございますので、各病院に周知を 行うとともに、ブロック単位での会合等がございましたら、我々が出かけていって、どう いう事項が評価委員会でのポイントになったかというのを御説明いたしまして意識づけ を行うということをしております。  また、監査法人による監査も全部について行っていまして、この監査を有効に活用して いくことも我々の重要なポイントとなっております。一つは、会計監査人は、監査はすべ ての病院に最低年1回は行くというルールでお願いをしております。また、その中でも大 きな施設、あるいは16年度決算において問題のあった施設、当然、解決は終わっていま すが、これらの施設については複数回行っていただくことにしていまして、実質的に44 の病院については複数回の監査をしていただいたところでございます。  また、会計制度については、どうしても人事異動等がございますと不慣れな方もこられ たりもしますので、説明会を監査法人も入れて行っております。特に監査法人からは、初 年度の監査において指摘の多かった事項、あるいは留意すべき点などを中心に説明を行っ ていただいております。  だんだん慣れてきますと会計処理については疑義照会というのもかなり細かくなって まいりますが、疑義照会の法則についてもシステム的にやっていこうということで、様式 を定め電子メールやファクスによる行い方をし、最後は回答もしますが、掲示板にも載せ て各施設で共通で使えるものという形で会計処理の徹底を図っているところでございま す。  30ページ、会計マニュアルでございます。16年度の決算のときにも会計処理マニュア ルは作成しておりましたが、それをベースにさらにマニュアル化をし、可能な限り、だれ が見てもわかるようなものにしていきたいと思っておりまして、16年度の会計処理におい て予想されなかったものなどもかなり埋め込んでマニュアルの改善を行っております。こ れについては全職員が全施設で見られるようにということで、HOSPnetという我々のネッ トワークシステムに載せて全部で見られる形にしておるところでございます。  次に、月次決算を徹底的に良くしようということであります。月次決算は、決してすべ てのどんな病院(法人)でもやっているものではごさいませんが、我々は月次決算の精度 を上げて、さらにちゃんとした戦略につながるような対応を取っていきたいと考えており ます。機構本部で行っております月次決算の結果をベースに、その会計処理が正しいかど うか検証を行うということで、疑義があった場合は各施設に確認を行って修正などの作業 を行うということで、月次決算の精度をどんどん引き上げることを現在、監査人と我々の 担当の係で実際に行っているところでございます  それ以外に監査人からは、17年度の決算において現場監査における問題点や業務上の改 善をした方がいいというアドバイスをいただいております。  一つは、医事会計の方法についての改善でございます。なかなか医事の会計と経理の方 がうまくつながっていない点があって、これは習熟度が低い方がいる等の点がございます が、そういった点についての改善。SPDの業者を入れた際の研修が十分にできていない ということで、業者がこれだけ使いましたよ、と言えばそれだけになっているのではない かということで、その点の改善を図った方がいいのではないか。  それから、補助金については年度末に集中してしまうのですが、報告体制をきちんと取 って数字が狂わないような対応をした方がいい。  それから、人件費率と委託費率でいつも御説明いたしておるところでございますが、特 に委託費率について、例えば何でも委託費だったら入れるということではなくて、もとも と委託してあたりまえのようなもの、例えばゴミ処理とか医療廃棄物処理などの委託費は 除いてもいいのではないかということでアドバイスをいただいたりしておりますので、そ ういった点をさらに参考にしながら今後の経営改善に生かしていきたいと考えておりま す。  次が内部監査でございます。内部監査については、先ほど申し上げましたように重点監 査事項を決め、2年間で全病院を監査するという計画のもと、71病院についてブロックと 一緒に実地監査を行ったところでございます。  重点事項の監査項目ごとに申し上げますと、契約については、契約審査委員会が十分機 能していない病院が34病院、それから未収金についても十分把握できていない病院もや はり同じぐらいで34病院、それから未請求、返戻レセプトの処理ができずにほったらか しになっていたり遅くなっている施設が7施設、個人情報の保護について職員の教育とか 周知徹底が図られていない施設が5施設ほど見つかっております。これらについては6月 までに改善を図ることと、他の施設もございますので、18年3月には全病院に対して内部 監査の結果を通知し、それぞれの病院でチェックしていただいて、改善するところは改善 していただくという対応をいたしたところでございます。  31ページ、「看護師等養成所の再編成」でございます。看護学校については計画的に再 編成を行っているところでございますが、17年度は二つの学校について廃止、二つの学校 については建て替えて大型校化するということを行い、水戸と千葉は建て替えの上、大型 校化を図ったところでございます。また、閉校となる養成所についても、学校の校舎とか 学生宿舎についてはそのまま残っておりますので、有効活用できないかと考えております。 学校法人による大学や専門学校からも、できれば使いたいという申し出がございまして、 ここにありますように千葉東は学校法人の大学の看護系学部が設置をしたい。天竜病院は 看護学校、これは専門学校ですが、これを設置したい。福岡東についても看護大学の設置 をしたいという申し出がございまして、土地や建物の有効活用という観点からもこの誘致 の取り組みを行い、とりあえずこの3ケースは成功したところでございますが、今後も遊 休となった建物については積極的に誘致も行い、我々の方でも実習施設として自由に活用 していただけるようにしたいと考えております。  次に再編成でございますが、17年は3ケースについて再編成を行うことになっており、 3ケースまとめて行うことができました。いずれも7月1日統合ということでございます。 鳥取については、鳥取病院と西鳥取病院を西鳥取病院の地で統合したということでござい ますが、これは18年3月1日統合予定でございましたが、早期竣工が可能となったこと もございまして7月1日に前倒しをして実施をすることができました。また、広島西医療 センターについては、大竹病院の地に原病院を統合して広島西医療センターとしたわけで ございますが、廃止予定でございました原病院については、以前御説明したとおり後利用 として重症心神障害児医療を行うという社会福祉法人が出てまいりましたので、遊休地の 整理という観点もございまして経営移譲という形で土地と建物の整理を行ったところで ございます。  医王病院につきましては、医王と金沢若松病院を医王病院の地で統合して、神経・筋疾 患あるいは重心の施設として発足させたところでございます。  32ページでございますが、というのが今のところの項目でございまして、事後評定とし ては、一つに臨床研究や治験の支援体制の強化を図るということで、体制も強化を行い、 本部への治験依頼が大幅に増えたこと。それから、技能職については当然、後補充を行わ ず、非常勤あるいはアウトソーシングの対応にした。人事評価制度については、すべての 管理職を評価をするということで範囲を拡大するとともに、副院長等年俸制の導入におい て病院と個人の業績を給与に反映させる形で行う。さらに、18年度においては全職員に人 事評価制度の導入に向けて組合との交渉を始めているということ。それから、会計監査人 の指摘、あるいは16年度の事務処理状況からの問題点を踏まえて、17年度から本格的に 実地監査を行い、2年間ですべての病院について実地監査を行うということで、17年度は 71の病院を行ったところでございますし、看護師養成所の再編成については計画どおりに 2施設の廃止と2施設の大型方向化、さらに遊休地の活用ということで学校法人が経営す る看護学校等の設置場所等への提供を行っていまして、自己評定としてはAをつけさせて いただいているところでございます。  以上でございます。 ○黒川部会長  御質問その他、いろいろ書き込みが32ページにありますので、どうぞよろしくお願い します。御質問等、いかがでしょうか。 ○夏目委員  何点か質問したいのですが、最初に組織運営の方針の副院長複数制の導入のところです。 ここは、配置基準など複数にするところはどういうところを複数にするのか、それなりの 基準があるのか、例えば病院の規模とか、いいのかどうかわかりませんが格みたいなもの でやっているのか、それとも適任者がいるから複数制にしているのか、あるいは特命事項 みたいなものが業務上必要で複数制にしているのか。安易なポストづくりということで複 数制にしているということではないとは思いますが、どういう基準で複数にしているのか。 お医者さんに例えば経営企画などという部分の特命事項といっても、それをきちんとやれ る先生が本当におられるのかどうかというのも若干疑問になりますし、ここら辺、本当に 機能する複数制ならいいのだけれども、だんだんポストばかり増えていくことになるので はないかという危惧があるというのが第1点です。 ○黒川部会長  これは、厚い資料の275ページにありますので、それを見ながらやっていただければと 思います。 ○夏目委員  第2番目は29ページの業績評価の適切な実施ということで、この管理職への業績評価 を実施されたことは非常にいいことだと思っているのですが、具体的に賞与や年度末賞与 にどう反映させたのか、どの程度差をつけたのか。民間会社では、プラス10%とかプラス 15%とか、マイナス評価の人はマイナス5%とかマイナス10%とか、そういうプラス・ マイナスで基本のものに対して1割増しといったようなことをよくやるのですが、この業 績評価を具体的にどう反映させたのか、よく頑張った方とそうでない方との差がどの程度 ついたのか。  2点目は、全社員に対する人事評価の導入に向けた検討というのも、これもなかなか興 味深いのですが、また、実施されればすばらしいと思うのですが、ここは「職員給与規程 を改正し、施行することとしている」と書いてあるのですが、しかし一般職員の業績評価 の実施については組合と協議を進めているということで、一般職員の給与規程の改正自体 は組合との協議は必要ないのかどうか、この前段の部分と後段の部分との関係は、何か組 合との協議が必要なのかという点です。  3点目が、内部監査というのは今、民間会社は非常に大事になってきています。これに ついては、会計監査だけではなくていわゆる業務監査、法令遵守監査みたいなものがコン プライアンスということで今、非常に叫ばれています。これを今回の資料を見ますと、会 計監査は大分熱心に6項目、部外の監査人、会計監査人等と連携しても実施しています。 そういう意味で、会計監査の方は相当丹念に実施されておるのですが、いわゆる法令遵守 の事柄についての監査、これは国立病院機構は法令違反などということはあり得ない。労 基法違反とか産業廃棄物何とか法という産廃法だとか、いろいろな法令について業務上、 業務監査は必要ないという判断のもとで、余り業務監査の方には重点を置いていないのか、 このコンプライアンスという観点についてどういう状況になっているのか。  以上、3点です。 ○国立病院機構理事長  副院長は理事長の専権行為でございますので、ちょっと申し上げたいと思います。  基準は、稼働病床数が450以上の病院で、実際にはブロックの理事をお願いしている病 院には副院長をお願いしました。と申しますのは、その病院長はブロック全体の病院を面 倒みなければいけないので、その病院を訪ねたりなどしてなかなか業務が大変なので、そ の病院には副院長を置かせていただきました。  個別的にそれ以外のものというと、新たに函館病院と松江病院というのがそのものに入 ると思います。函館病院は循環器の機能を政策医療で担っていたのですが、実際にはそこ にはがんの患者さんが多くて、従来の体制ではがんの患者が対応できないということで、 がんを中心に副院長さんがその地域のがん対策を含めてお願いするということで、副院長 をお願いしました。それから松江は、従来から呼吸器を中心にやっていた病院でございま す。この地方の呼吸器に我々としては力を尽くさないといけないということで、わざわざ ほかの病院から呼吸器を専門に臨床に強い先生を松江に異動して副院長をお願いしたと いうことでありますので、一応基準があることと、各病院にそれぞれどうしても必要だと いう人員をそちらに配置させていただいた次第です。 ○国立病院機構企画経営部長  次に業績評価の点でございますが、業績年俸について御説明したいと思います。業績年 俸は、先ほど医療の評価と病院の評価をまずやるのだと申し上げましたが、院長は当然、 病院評価そのものでやります。それ以外の副院長については、個人の評価と病院の評価は 半分半分ぐらいで入れる。各部長さんクラスになると個人の評価は8割、病院の評価は2 割ということで加点をした上で、それぞれの増減については、一番高い方でプラス20%、 マイナスの方でマイナス20%ということで差をつけて実施しているところでございます。  次に給与規程の関係でございましたが、説明が悪かったかもしれませんが、給与規程自 体は交渉は必要でございます。交渉が国のものが出て参考に制度をつくって、そこから交 渉して、何とか7月1日施行に間に合ったということでございます。なかなか不調に終わ りまして、中労委での議論も少しあったのですが、何とかまとまって7月1日に実施する ことができたということでございます。特に一般職員については、業績評価はどういう内 容のものを行うのかということについては、組合員の方はたくさんおられますので、それ については組合交渉は必要だということで、これは組合交渉を行うことになります。です から答えとしては、両方必要で両方やっているということでございます。  最後に、内部監査でございます。17年度はお金の関係、経理の関係、契約の関係、特に 御指摘もいただいたように問題があると考えましたので、そちらをかなり重点的に行った のは事実でございます。我々の会計規程違反はあるのではないか、ちゃんとした契約をし ていないのではないかということで、そこは契約審査委員会が置かれていないとか、未収 金の対応ができていないとか、ということをかなり重点的に行ったのは事実でございます が、実際に実地監査前、自己チェックにより行う書面監査の内容は、例えば医療安全委員 会はちゃんと開かれているのかとかといった点も実は行っていまして、監査にいきますと 実際にはそういった点もお話を聞いたり、ちゃんとやっているかどうか確認した上で内部 監査は行ってはおります。  恐らく18年度以降になりますが、今年もこの秋からまた残りの病院と17年度に問題が あったところはやっていこうと思っているのですが、今言われたような点、法令違反がな いかといった点はポイントかなとは考えているところでございます。 ○井伊委員  お話を伺っていると、意思決定がかなり中央集権的であるような印象を持っております が、現在、地方医務局など各ブロック事務所の役割はどのようになっているのか御説明い ただけますでしょうか。 ○国立病院機構企画経営部長  シートで申し上げますと26ページだったと思いますが、基本的には経営面や施設整備 などについては本部と病院が直結してやるという仕組みになっております。病院の設計な どは、一部、施設でやる場合もございますが、ほとんど本部でしっかり進行管理しながら、 価格面もありますので、かなり管理をしているところでございます。ブロックは人事が一 番大きなポイントかと思います。ブロック一括採用ということでブロック内の看護師さん 初めお医者さんはすべてブロック理事の任命という形になっておりますので、そういった 方々については、各院長さんも入った人事調整会議というのをブロック内で開いて、そこ でいろいろ議論しながら全体の人事を回すという姿になっています。  ただし、お医者さんの場合は病院についている方が非常に多いものですから、なかなか 異動は難しいのですが、看護師さんについては、師長になるときとか偉くなるときに異動 という形で、どういう人をどういうところに回すかということを行っておりまして、ブロ ックでの最大の任務はそれでございます。  それ以外にも、例えば後で出てきますが共同購入を実際にブロック単位で仕掛けてみる かとかいった各病院に対する支援業務は、それぞれのところで行っているところでござい ます。  あと、労務は、本部がかなり中心的役割を担っていまして組合とは交渉していますが、 各ブロック単位でも組合は支部を持っていますので、そことの交渉事項はブロックで行う という形になっております。 ○黒川部会長  いいですか。 ○大道委員  二、三お尋ねをいたします。既に出た話で副院長の複数制の考え方ですが、管理業務を 分担をするという意味合いで副院長、例えば診療面、看護面、場合によっては事務・業務 面という形で副院長を置くことは病院の管理の形として一般的だと思うのですが、先ほど 来の御説明ですと、他の病院とのかかわりとか、あるいはそもそも管理業務が繁忙で手が 回らないので複数置くというニュアンスで受けとめさせていただきましたが、そういう考 え方なのかどうか。  それから特命副院長について、まさに個別的なプロジェクトの対応のための副院長とい うと、通常の組織管理的な意味での副院長とは別のニュアンスがあって、ある種の格付け といいますかね、そんな印象も持ちます。いずれにしても権限の範囲とか責任とかという のは、これは考え方で結構なのですが、どういう考え方でやっていらっしゃるのかなとい うのが、さしあたって承った上でお尋ねしたい点です。  2番目ですが、さまざまな評価的な取り組みでの実績というのは、かつての国立病院の 時代から見ると正直、隔世の感があるわけで、大変評価をさせていただきたいとは思うの ですが、特に管理職についての人事考課ないしは人事の評価ですが、賞与等への反映があ ると言いますが、これは原資がしっかり得られて応分に対応できる、つまり賞与をあげる とかあるいはなにがしか、賞与だけではないのでしょうけれども、人事の考課をすること で組織の活性度とか収益性の向上とか、そういう効果があって行うのか。それともやや事 前の評価軸に沿って機械的といいますかね、ほかの病院もあることだしということで、ま ずやるべきことはやるという意味で、しかもそれなりの成果が得られれば機械的といいま すか自動的に賞与等について適用するのか、このあたりの人事考課についての考え方、少 なくとも管理職についてはここまできたわけですから、ちょっとお聞かせをいただきたい と思います。  三つ目で、これはお尋ねというか感想に近いのかもしれませんが、会計監査人による監 査、あるいはそれの前提となる内部監査など、非常に緻密で、しかも2カ年間で全病院的 にというのはわかるのですが、非常にこれは独立行政法人ですから現場に抑圧的といいま すかね、監査することについて身構えて、本当の意味での組織の活性化になっているのか どうなのか、若干はやり言葉ですが形成的な評価という視点からみて現場がその場逃れで 対応するという側面がおありなのかどうなのかというか、その辺はどういう考え方でおや りになっていらっしゃるのか、あるいはまた実態がどうなのか、その辺が個々の国立病院 機構の病院の現場の雰囲気は前向きでポテンシャルが上がっていればよろしいのですが、 もしかしたらそうでないところもあるのかもしれないという思いをちょっと持っており まして、評価の実施は大変必要で重要なことなのですが、今申し上げたような中央からの 管理の締めつけみたいなところが過ぎると、ちょっと現場の方は大変でしょうなと、そう いう印象を持っておりますので、そのあたりもこの機会にお聞かせいただきたいと思いま す。  以上3点、お尋ねいたします。 ○国立病院機構理事長  それでは、最初の副院長の考え方を答えさせていただきます。私の最初の説明がちょっ とまずかったかもしれませんが、ブロック理事担当の病院は極めて大きな病院でございま す。ですから、そういう病院は診療担当の副院長、管理担当の副院長と本来は2人の副院 長がいて十分なのですが、私どもは今までは副院長制がなかったので、ブロックの担当の 理事の方にはそういう使命で2人おられるとお考えいただければよろしいかと思います。  それ以外の、先ほど御説明申し上げました函館病院、松江病院は、正式な副院長という より特命副院長でございまして、ミッションオリエンティドな副院長でございますので、 そういうごくごくミッションを背負った特別な副院長、そういう考え方で、2種類あると お考えいただければと思います。 ○国立病院機構副理事長  あと、人事考課の関係でありますが、国の時代にも人事考課の規程は一応あったのです。 あったのですが、現実、どうやっていたかというと、毎年何%の人はA評価になりますと いうことで、ことしはAだけど、来年、再来年はBだと。そして、4年に1回ぐらいまた Aになるとか、そういう形で持ち回りでやっていたケースがほとんどだったわけでありま す。しかし私どもは独法機構になりましてから、まともな人事評価をしよう、と。そして 評価シートをつくりまして、主には、一つは個人の企画力とか、あるいはリーダーシップ とか、あるいは実行力とか、そういった能力面の評価と、あと、どういう業績をあげたか という業績面、その両面から評価をしてやっております。何%の人がAだBだという形で はなくて、基本的には絶対評価でやっております。ただし財源は限られておりますので、 絶対評価でAがたくさんつけば、Aの増加率は多少縮小するという傾向はもちろんありま すが、基本的にはそういう形でやっております。 ○国立病院機構企画経営部長  最後に監査の関係でございますが、監査に参りますので、当然構えていろいろ資料をそ ろえて受けていただくことになりますが、現場は、まだ企業会計になって処理に困ってい ることとか、どうしたらいいかわからないということも実はあります。正直言うと、現場 へ行ってうちの担当者が実際に聞いて、こういう処理をしたらどうかというアドバイスを する面も非常に多いのが現状でございますので、監査人は監査人で監査のものの見方で、 会計監査は会計の点だけ見ますが、我々としては業務の進め方とか人を増員した方がいい とか悪いとかということまで含めて、実は経営指導のところと分けましたが、行ったら、 こういうのもいいんじゃないかと最後は経営指導も一緒に議論するケースがふえました ので、国時代とちょっと違うのかなと思っています。  本当はもうちょっと警察官みたいなところも必要だと思っているのですが、まだ現場は そこまで十分いけない施設もかなりありましたので、そういった支援みたいなものを少し 絡めながらやっているのが今の実情であります。 ○黒川部会長  よろしいですか。制限時間をちょっとオーバーしているのですが、ここで3分お休みで 書いていただくということでどうでしょうか。  大きい冊子の292ページ、看護婦さんの養成所を一緒にしたり、たくさん苦労されてい るではないですか。292ページを見ていると、例えば授業料の増額計画などというのはい いのだけど、21万、次の年は28万、次は32万、19年度は36万、20年は40万、こんな のでいい人が育つのかね、と。それはどうですかね。これはそちらだけの問題ではなくて、 そちらは人を養成することはすごく大事だとは思うのだけど厚労省は何を考えておるの かね。こんなにお金を払わなければ人が育たないなどということで悲惨な世界が来ないか などという話は、国として考えないの。 ○国立病院機構医療部長  この授業料の計画については、周辺の民間の養成施設との……。 ○黒川部会長  わかるよ、それは。儲ければいいやというのはそれは簡単ですよ。そんなことをやって いていいのかという話をしているだけで、そちらだけの問題ではないことはわかっている のだけれど。 ○国立病院機構理事長  厚労省というより、我々の中でやっていかなければならない部分もあるのですね。実は、 看護の養成は各病院からの3%の拠出金で今やっているのです。ですから黒川部会長が、 ぜひこれは国でサポートするべきだと議事録にでも残していただくと、大変ありがたいの ですが。 ○黒川部会長  もう一つは、国立病院機構というのはものすごく大きいし、これからの医療行政に相当 発言権があるといってはおかしいけれども、おれのクビを切ってみろ、と矢崎理事長が何 とかまくってしまうのというのが大事なのではないかと思って、それで、うるさい、と言 えばいいのですよ。 ○国立病院機構理事長  ありがとうございます。私も、「これを聞いてくれなければ辞表を出す」、とたびたび 言ったら、周りから、「余りそう言うと、はいそうですか、と辞表を受け取られるといけ ないから、軽々しくそうやめるやめると声高に言わない方がいいです」、と諭されました ので。 ○黒川部会長  伝家の宝刀は滅多に抜かないけれど、抜いたときは怖いと。どう、評価官、言っておい てね。私も言っておくけど、評価委員会としては、こんなことで日本の将来を担う医療の 人材はどうなるのかという話をしたけど、という話ですね。記録残しておいてね。何だこ れは、と言っていましたよ、と。民間と同じだと言っても、民間は国のカネをもっていな いのだから、そんなこと言わないでね。渡辺委員もよろしくお願いしますね。役割が違う のだから、と。よろしいでしょうか。  それでは、個別の8、33ページからよろしくお願いします。手短に要領よくお願いね。 ○国立病院機構企画経営部長  それでは、「業務運営の見直しや効率化による収支改善」でございます。  最初に、収支相償を目指した収支改善の推進ということでございますが、まず、診療報 酬上の上位基準の取得を図ることを、職員の適正配置を行うことなどにより行うとともに、 材料費や人件費、委託費のコスト削減を図っていくことを基本として行っているところで ございます。  年度末賞与でございますが、17年度の年度末賞与については、16年度は計画しかなか ったものですから計画との増減で比べたところでございますが、17年度は経常収支が前年 度よりよくなっているところということでとらえておりまして、それ以外にも人件費とか 幾つかの要件をかけてつくったところでございますが、30の病院について約10億円支出 をしたところでございます。  また調整額の廃止でございますが、16年度に組合交渉を行いまして17年度からは職員 給与規程を改正して調整額を廃止し、新たにそういった特殊な部門については特殊業務手 当を支出する形に整理し直したところでございます。そして、新規採用者やあるいは内部 での人事異動で結核とか重心、筋ジス病棟から異動になる方については、新しい制度で手 当に変わり、経過措置的に残っています調整額は適用されないことになりましたので、そ の分だけ人件費の抑制が図られたということでございます。  次に契約方法の見直しでございますが、これについては資料3と卓上配付の「17年度に 締結した随意契約の状況」という二つの資料をごらんいただきたいと思います。  3月に御指摘にいただいて問題になった事項でございますが、契約方法の見直しとして は、直ちに行うものとして駐車場管理の委託の内容の見直しを行うこと。それから、食堂、 売店については1年後に次の契約更改で行う。エレベーターの保守についても次の契約更 改で行うという形にしたところでございます。しかし駐車場の管理については、18年4月 以降、27の施設でまだ随意契約として残っていた分がございましたが、これについては現 在、7月でなるべく終わらせて一般競争入札を行うことで作業をしておりまして、現時点 では23の施設で一般競争入札を行った上で契約済みでございます。残り四つの施設につ いては、現在、一つを除いて入札を終わりまして価格交渉を行っている段階。あと一つに ついては入札が不調に終わりまして、再度やり直すという状態になっていることを御報告 申し上げます。  次に契約のあり方の見直しということで、評価シートの4の(2)にありますように、 7月中を目途に契約の見直しを行うということで、一つは契約プロセスの透明化を図るこ とと、医療事業の特性を踏まえた随契のできる場合などの基準を明確にする、という二つ を行いますとお約束したところでございます。  最初に、机上資料をご覧いただきたいと思います。17年度に行いました契約で随意契 約はどれぐらいあったかというのを調べたものでございます。500万円以上のものという ことで、これは全法人統一的にこれでやっておりますのでこれで御説明いたしますが、全 部で6364件ございました。うち随意契約は36.8%の2344件となっております。そのう ち、公益法人との契約は101件でございますが、この公益法人との関係はほとんどアイソ トープ協会の放射性医薬品の関係で、ほとんどここしかないということですので、そうい うものが大半でございます。  また、460億円余が随意契約の金額となっておりますが、多いものはやはり医薬品で、 放射性医薬品とか、あるいは検査試薬の関係で出てきているもの、材料でもペースメーカ ーあるいは病院情報システムの機械といったものが主な内容となっております。  ちなみに、今回見直しをしたいと考えております国の基準と合わせて適用した場合、ど うなるかということでございますが、それについてはこのうち989件は随意契約の理由(競 争を許さない)に当たるのではないかということで42%程度になります。金額にすると 195億円で、58%は恐らく入札に切りかわっていくと御理解いただきたいと思います。  次に、資料3「会計規程等の見直しについて」をご覧いただきたいと思います。我々が 今回考えております会計規程の見直しについて、1番は先ほど言いましたのと同じで、4 月に御説明した内容でございます。  ポイントは2番からで、一つは、(1)にございますように現行の我々の会計規程は少 なくとも一般に公正妥当とされる商慣習その他の方法による、ということだけでございま して、具体的に何が中心とか何が原則かという規程はございませんので、今回は新たに大 きく変更いたしまして、国と同様でございますが一般競争を原則とするということで、そ れ以外の指名競争や新たな競争やあるいは随意契約といったものはどういう場合にでき るかというのを、会計規程にきちんと書いていこうということでございます。  一つは、指名競争については、少額指名競争というのが国の基準でございまして、これ は国と同じ基準でいきたいと思っています。  次に2ページ、少額の随意契約、これは国からもきちんと決めて明らかにしなさいとい うことで指導を受けているものでございますが、少額随意契約の基準も国と同様としたい と考えております。  次の公表の関係でございますが、これも厚生労働省は100万円以上ということで、少額 随契等の基準よりもさらに下の基準から出すことになっておりますが、我々もこれに合わ せてやりたいと考えております。ただし、有利随契といいまして時価に比べて著しく有利 な価格で契約ができる場合がございます。国の場合はこれを公表しているのですが、我々 としてはこれは公表すると、恐らくこういう契約は出来なくなる。我々も公正性も求めら れますし透明性も求められるのですが、効率性も求められる立場だと考えておりまして、 こういった場合は担保措置を取った上で公表対象から外したいと考えております。  一つは、担保措置としては事前には、これは病院の中にありますが契約審査委員会に必 ずかけて人々の目に触れて、それで了解を取ること。事後は、これだけは特別にブロック 事務所なり我々の方で内容について有利随契に当たるかどうかを確認をした上で、当たる 場合だけを認めたいと思っております。もし仮に有利随契に当たらないことになれば、そ の時点で公表させるという運用をしていきたいと思っております。  次に再委託の関係であります。これは、国と同様に丸投げと言われます一括再委託ある いは部門再委託というのは、事前承認という形で国と同様にしたいと考えております。  次に、新たな競争契約ということで、医療事業の特性を踏まえた見直しを行いたいとい うものでございます。新たな競争契約としては、公募型企画競争というプロポーザル方式、 それから公募型競争見積りのオープンカウンターというものを位置づけたいと考えてお ります。  これまで公募を行うのは当然でございますが、さらに透明度を、今までの国のやり方よ りもさらに前に進めて、開札に準じた方法で交渉権者を決める。第三者が立ち会った上で 封をしたものをあける開札に似た行為を行うことと、結果は必ず参加者全員に、例えばプ ロポーザルであればその基準も含めて通知をするというやり方にして、透明度を確保した 上で新たな競争契約として位置づけたいと考えております。  プロポーザル契約というのは、御承知のとおり価格だけではなくて、例えば設計委託と か食堂、あるいはソフトウエアの開発といった技術提案とか実施方法も加味して行うもの で、そういった契約に適用したいと思っております。  オープンカウンターは特別な場合だけに行いたいと思っております。一つは医療機器の 導入に付帯して行います、例えばMRIを入れるのですが、MRIのシールド工事もしな ければいけないとなったときには、一般競争入札は1回やるだけで手続に1カ月必要とな ります。そうすると、機械は買えているのに工事ができないがためにさらに遅れるという 事態になりますので、3000万を超えない範囲内で特に必要だといわれるケースに限って は、理事長が特に認めた場合ということでオープンカウンターで、これは10日ぐらいで できるものでありますが、こういったものを導入して、なるべく時期の利益を入れたい。 例えばMRI1台で遅れますと半月で大体600万ぐらい収入減になりますし、患者さんに もこの頃に入りますと言ったのが入らないという事態にもなりますので、入れるときは早 く入れるということもこの場合行いたいと考えております。  次に、3ページは不落随契という扱いであります。これはちょっと難しいテクニカルな のですが、医療用工事とかあるいは医療機器の買い入れなどの場合でありますが、一般競 争入札や指名競争入札を何回やっても落札者が出ないというケースがございます。特に 我々は工事の場合は、今は国時代よりはるかに単価を下げるべく努力をしておりまして、 国時代の約85%低くなった予定価格で一生懸命入札を何回も繰り返す作業をしておりま す。これをやりますと、予定価格では落ちない場合はやり直しを何回もしなければいけな いということで、先ほど申し上げましたようにまた入札までに1カ月かかってしまうとい う手続になります。  したがって、こういうことがないようにするためには、何回やっても落札者が出ないケ ースは予定価格の見直しをして当然、最低入札価格より安い値段ということになりますが、 その範囲での契約をできる形にしたいということでございます。  次に、工事の契約方法でございます。これは、18年4月から工事の契約方法については 変更しております。工事の契約は、よほどの場合、例えばボイラーなどでは、造った会社 でないと修理できない部分があるといったケースを除いては、一般競争入札から始めると いうルールでございます。これで何回やっても落ちない場合に限って指名競争入札やオー プンカウンター、随意契約が初めてできるということで、契約方法を順々に選択していく というやり方にしております。国は指名競争の内容で入れていいという形に、工事希望型 競争入札というものを可能としているところでございますが、さらに一般競争入札から必 ず始めるというルールで始めて、透明性を確保したいと考えております。  次に、その他とありますが、公募は当然のことながら事務所に張るだけではなくてホー ムページに必ず掲載をさせる。だれでも見られるようにする。それから、院内に設置した 契約審査委員会では、一定額以上、例えば1000万円以上の契約についてをすべて諮る。 有利随契あるいはプロポーザル方式などの特殊な契約を諮る場合は、すべて契約審査委員 会で妥当かどうかという判断を内部でしていただく。  もう一つは、これは不正を防ぐためということでありますが、取引業者との取引につい て、ある特定の業者との取引が急に増えたりしているケースについては、ほかに何か問題 があるのではないかということでチェックできる体制を用意するということで、3カ月に 1回ぐらいは契約審査委員会で契約について急増急減をチェックしていただこうと考え ております。  有利随契については、先ほど御説明したとおりであります。  実施ですが、8月1日には見直しをし、8月中には事務担当者、事務部長等を集めて説 明会を行い、実際は10月1日から施行としたいと考えておりますが、随意契約について は4月1日さかのぼりで公表したいと考えております。  次に、評価シートにお戻りいただきまして34ページ「業務運営コストの節減等」でご ざいます。具体的な業務運営コストをどれだけ削減しているかということでございますが、 まず材料費であります。医薬品でございますが、16年度は4ブロックまとめて一つのエリ アとして入札を行うということを初めて行いまして、かなり反響があったところでござい ますが、17年度は、残りました北海道・東北ブロック、それから九州・沖縄ブロックにつ いて、2年契約ではありませんでしたので行いました。その際にも、北海道で1エリア、 東北で1エリア、九州で1エリア、沖縄で1エリアということで、これまでブロック単位 で行うケースは県ごとに分けて行うというのをブロックでまとめて、入札場所をブロック にして入札単位は各県ごとというやり方でやっておりましたが、それでもスケールメリッ トをブロックで生かそうということで、地域割をして地域単位を大きくして実施するとい うことで、一定の成果を得たところでございます。  18年度は、さらなるスケールメリットを生かすということで卸売業者の方々と随分議 論をいたしましたが、入札エリアの拡大を図るということで、4ブロックはそのまま、そ して北海道・東北はまとめて1エリア、九州は1エリア、沖縄は離れておりますので九州 とまとめると納入できる業者がいなくなってしまう関係もあって、沖縄は一つのエリアと いうことで分けて、入札業務を本部で一括してやるという形にしております。したがって、 スケールメリットがさらに生かせるような形で18年度は取り組むことといたしました。  次に、医療消耗品でございます。これについても共同入札を、これは現在のところ、ブ ロック単位で実施をしておりまして、東海・北陸ブロックで衛生材料を行っているところ でございます。対15年の国時代と比べて800万円程度ですが節減を図り、九州ブロック ではペースメーカーやカテーテルといったものもブロック単位での取り組みを行ってい るところでございますが、これでも国時代と比べて1億数千万円の効果を出しているとこ ろでございます。  さらに、各病院での取り組みということで、診療材料、例えば手袋のたぐいからペース メーカーまでいろいろあるのですが、四つの病院、相模原病院、金沢医療センター、大阪 医療センター、東広島医療センターでは、物品調達業務も含めた院外で調達してくるSP Dを導入しておりまして、まず類似物品の統一化を図るということで院内の消耗品の材料 の種類を少なくするという作業、品目整理を行うとともに、病院と一緒になって価格交渉 を随時行って、業者と納入価格を下げる努力を現在行っているところでございます。  また、17年度からは中国四国ブロック管内の17病院でまとめてですが、SPD業務は 行えないのですが、価格交渉を共同で行えるような業者と契約を行っておりまして、一定 の品目整理と、あるいは共同での価格交渉を行うことで一定の成果を出しているところで ございます。  次に在庫管理であります。月次決算で我々も注意をしておりまして、在庫日数が16年 度と比べて、17年度の月次の際には常に在庫はどうなるかのチェックを行っております。 医薬品については保有在庫日数が約12日ということで2日程度短くなりましたし、診療 材料についても4日程度ですが短くなることができました。  金額についても、棚卸し資産は、医薬品については3億円、診療材料については5億 5000万円の圧縮ができたということでございます。  これを病院でみますと、在庫の保有日数は、16年度が13.2日で、17年度は11.9日と なり、もうじき10日前後までいけるのではないかと思っております。  それから、手術件数もかなり増加をしており、全体では8600件ほど増えていますが、 材料費率としては在庫管理などもそれなりにできたと思っておりまして約0.2%の増でと どまったということでございます。  8ページ、人件費率でございます。人件費率については、当然業務委託を進めることと、 人件費率と委託費率の合計の率について抑制を図ることが目標となっておりまして、これ が我々にとっても病院に対する指導の上でも非常に重要な事項として考えているところ でございます。  まずブランチラボは、給食の全面委託は先ほど御説明したとおりでございます。人件費 率プラス委託費率は、非常にありがたいことだったのですが病院の頑張りもよくて収益が 高かったこともあり、16年度実績は58.0%でございましたが、17年度は費用を上載せし たケースもございましたが57.8%となり、0.2%ですが圧縮することができたということ でございます。  次に建築コストでございます。建築コストは16年度に指針をつくりましたので、これ に基づいてコスト削減を図っていくということでございます。16年度は評価委員会からも、 かなり施設も古くなっていて建て替えなりを進めていくべきではないかという御指摘も いただいたところで、我々もどうしても必要だと考えております。16年度に整備指針に定 めた金額の範囲内で全面建て替えを8ケース、約3600床の投資枠を示して建替整備の設 計に現在入っております。また病棟の建て替えも5病院について、12000床でございます が投資枠を示して実施しています。この二つの全面と病棟建替の全投資枠という形で、こ の範囲内で設計をし、入札を行う。入札すればもっと安くなると思いますが、全体では780 億の金額と整備内容になる予定でございます。  さらに、とにかく期間の短縮を図っていかなければならないということで、全面建て替 えでは42カ月以内、国時代は単年度の予算という制約もございましたので非常に長い時 間必要でしたが、42カ月でつくりあげる。病棟建て替えは18カ月でつくりあげることを 標準的な期間として設定をいたしまして、内容についても適切な工事管理を図りながら仕 様は民間病院並みという計画で実施をしているところでございます。  次に、建築コストの削減でございます。先ほど申し上げましたように我々は国時代の単 価から引き下げるよう、現在戦っているというか努力をしているところでございますが、 建築コストを削減する方法として、メーカーからヒアリングを徹底的に行ったりすること で、予定価格は現在、国時代の85%程度となって、そこで今、入札をかけているところで ございます。そして落札後の価格交渉でさらに引き下げるということで、3〜4%の引下 げを現在、交渉し、実施をしているところでございます。  さらに速度面でも早くなるように、あるいは内容面でも適切になるように、早くなるよ うにというのは、とにかく早くどういう内容のものを造るかを決めない限りは整備もでき ないわけでありますが、まず、最初に計画する内容については後で変更は自由に行わない という前提で、整備計画の内容の質を高めることを行っております。  次に、基本設計や実施設計についても、情報をブロック事務所と我々とで共有して価格 の確認をしながら、高い単価にならないように努力をしているところでございます。  こういった17年度の実績を踏まえて、18年度は85%から更に一定割合を控除して、大 体8割ぐらいの予定価格にしたいと考えているところでございます。  職員宿舎については民間活力を活用しようということで、PFI方式やあるいはリース 方式などを導入しているところでございますが、リース方式については具体的な方法を示 しておりまして、17年度は8カ所で着工をしております。  次に36ページ、院内売店等でございます。これは先ほど申し上げましたように契約内 容は変更いたします。院内売店、食堂についてはプロポーザル方式などを活用して、来年 の3月には実施をしたいと考えておりますし、駐車場はことし中に全部の病院を一般競争 入札で契約をやり直す形にしたいということでございます。  次に一般管理費は、表で見ますと16年度は15年度に比べて33.6%圧縮したところで ございますが、17年度もさらに16年度より2億円強圧縮しておりまして、15年度に比べ ると37.2%となりました。しかしながら、一般管理費にはかなりいろいろな部分がござ いまして、セグメント情報をもっとより的確にあらわした方がいいのではないかと考えて おりまして、17年度からは研修事業の費用は本部の教育研修セグメントに計上することと いたしましたし、治験活動や研究部門については臨床研究セグメントに整理し直すことに いたしました。  その上で、同額を15、16で差し引いてみましても、17年度は16年度に比べて1.5% 圧縮して、15年度に比べても33.8%圧縮している形で終わることができましたので、一 般管理費は15年度と比べて15%以上圧縮というのはそのまま維持できたと考えておりま す。  次に業務の効率化に関する事項ということで、総人件費改革の関係でございます。これ は、18年3月31日付の変更ということでございますので、実際は18年度以降のものと なりますが、役員報酬については、当然国家公務員の給与構造改革に準じて役員報酬規程 の改正を行って、4月1日から実施をしております。職員についても、先ほど御説明しま したように7月1日に組合交渉を経て施行する形になりました。  主な内容でございますが、業績評価は管理職についてはすべての管理職に導入済みです が、さらに一般職員に拡大するということで組合交渉を始めるということでございます。  次に、国と同様にまず全国共通の基本給表の引下げを行いました上で、民間賃金が高い 地域については地域手当を出すという姿は国と同じでございますが、医師については現行 水準の維持をしております。ですから、これについては下げていないということでありま す。  次に、管理職層を含む給与カーブについては、国の場合も高齢層については引下げを行 ったところでありますが、同様のことは既に行っているところで、それ以外に昇給の区分 を5段階にする、あるいは業績手当の勤務成績優秀な者への傾斜配分をさらに強めるとい ったことは国と同様の制度を導入することとしたところでございます。  37ページですが、一つはコストの関係でございますが、まず組織の見直しを行い、職員 の適正配置を行うということで、上位基準を取得し増収を図ることと、材料費などのコス ト削減を図るということで、収支相償以上の経営ができた。  それから、医薬品の共同入札を実施できて、さらにスケールメリットを生かした姿で実 施することができた。  ブランチラボやあるいは給食の全面委託は推進をしましたが、収益の増もあって人件費 率は低下をした。  建て替えについても、新たな取り組みということで8病院での全面建て替え、あるいは 5病院での病棟建て替えということで、新たな投資抑制ということではなくて、投資の再 開に近い形だと思いますが、それに踏み切っておる。  建築コストについては、予定価格を国時代の国立病院価格からの脱皮を目指して85%に なるような価格でさらなる努力をしている。  駐車場の契約について、あるいは契約方法全体の見直しについては、先ほど御説明しま したように基本的には国と並びの契約のスタイル、あるいは随契の内容の見直しを行うと ともに、医療事業の特性を踏まえたプロポーザル方式の導入を図ることといたしまして、 自己評定はAをつけさせていただいております。以上です。 ○黒川部会長  いかがでしょうか。随契とかいろいろな効率化という話で問題があるという……。 ○渡辺委員  では2点ほど。  一つは、一般競争入札ということは原則、随意契約よりもいいのですが、例えば例のシ ンドラーのエレベーターの問題など、あれはある意味では一般競争入札のマイナス面が出 たと私は考えているのです。特に病院という非常に重要なかつ特殊な場所での、一般競争 入札に切りかえることは大歓迎なのだけれど、それについてのお考え方がもしあったらお 示しいただきたい。  もう1点は、細かいところなのですが34ページの材料費の(2)、医療用消耗品等の共 同入札について、東海・北陸ブロックと九州ブロックだけが記述されているのですが、ほ かはどうなっているのか、なぜここの二つだけなのかという素朴な疑問を感じたので。以 上です。 ○国立病院機構企画経営部長  最初の、まさに一般競争入札におけるマイナス面は我々は非常に重要だと思っておりま して、特にエレベーターなど安全性は、シンドラーの件があったわけではありませんが、 重要だと考えております。そして、競争入札にかけることになるかと思いますが、金額が 大きいものは一般競争入札という形になってきますが、一つは安ければいいということで はなくて、我々が今考えていますのは、その機械、そのエレベーターの保守点検の経験の ある方、いわゆる技術者、能力のある方がいるかどうか、その人がやっていただけるのか どうか。それから部品の供給が非常に重要ですので、これは時間がたってから来たのでは だめなので、これが迅速にやっていただけるかどうか。あとは緊急時の対応が直ちにでき るかどうかといった点は、少なくとも一般競争入札を行う場合でも主要な条件として入れ ることは可能だと考えておりますので、そういった対応をしていきたいと考えております。  それから、その他のブロックの消耗品の件ですが、その他のブロックについては実際は 取り組みがまだ十分にできていない点がございます。できたというか、17年度実施してそ れなりに効果が出たところをここでは載せているところでございます。  これらを踏まえて、我々としては全体でできればと考えているのですが。 ○黒川部会長  結構ですか。 ○山田委員  医薬品、診療材料の共同購入というのは非常に大事なことで、よくやっておられると思 っております。一番大変なことは、メーカーをどうやって統一するかということになって くると思うのですが、その辺は本部から強制的にこれを使えという形でやられているので しょうか、それともある範囲、病院が現場の意見を吸い上げるという機構が残っておりま すでしょうか、その辺は教えていただきたいと思います。 ○国立病院機構企画経営部長  医薬品については、医療の標準化ということで本部で標準医薬品のリストをつくって、 たしか3割圧縮ということを行っておりまして、これに基づいて共同入札もやることにし ましたので、かなり標準化は進んでいくのではないかと思っています。  問題は消耗品の方でございまして、これはピンキリなのですが、非常に高いペースメー カーとかカテーテルのたぐいから手術用の手袋などまで非常に幅がございます。これは、 特にペースメーカーなどは標準化はなかなか難しい側面がございますので、必要なものと いうことになるかと思いますが、手袋のたぐいなどについてはなるべく標準化を図りたい と思っています。ただ、本部から具体的にこうしようという提案はしておりません。まだ 各病院の中でできるだけ集約を、当然、共同入札するときは、全部はできなくてもある程 度の集約はしていかないとできないと思っていますので、そういったことがある程度でき たものがこういうことに踏み切れたのではないかと思っております。 ○国立病院機構医療部長  若干追加させていただきますと、医薬品については、現場でこれがないと困るという医 薬品もございますので、一応こういう医薬品として買うという方針は決めておりますが、 現場でこういう薬がぜひ必要だということについてはそれは現場で調達できる仕組みに しております。 ○大道委員  個別的に3点お尋ねします。簡略で結構でございます。  一つは、医薬品についてジェネリックは機構として現段階でどうお考えなのか。  2番目、SPDについては、ここに書き込みは4病院で行ったということですが、これ は前向きに評価して拡大するというような趣旨なのですか。つまり、SPDについてのお 考えについても同様です。  3番目は、PFIのお話が職員宿舎に出ていますが、病院本体でPFIは、これは現段 階でどのようにお考えか。  この三つをお願いいたします。 ○国立病院機構医療部長  ジェネリックについては、今回、標準化するときに対象としては外しています。という のは、まだまだ供給に難しい不安定なところもありますので、今回、集約することが難し いと思った次第です。ただ、方向性としてはジェネリックを今後できるだけ使っていく考 えではございます。 ○国立病院機構企画経営部長  ちょっと補足しますが、DPCをやっている病院などはジェネリックは当然必要となっ てきますので、我々の検討課題だと思っています。特にDPCをやっている病院はジェネ リックを組み合わせてやらないと効果が出てきませんので、それ用のセットというのでし ょうか、言葉は悪いですが、組み合わせで情報もちゃんとしていて普通の薬と変わらない ような大衆薬というかジェネリックを我々の方も選ぶという作業は、これから必要になっ てくるのではないかと考えております。  SPDについては、このやり方がいいかどうかは別にして、少なくとも価格の調達能力 は全国の価格のわかる業者と組む方が有利であることは明らかですし、どのものが安いか ということもわかるし、進めやすいかというのもわかっているということですので、でき れば進めていきたいと思っております。 ○国立病院機構財務部長  それと職員宿舎の関係でございますが、方式としてはリース方式とPFI方式と両方示 しておりますが、実際に動いているのはリースの方式だけでございます。ここで書いてあ ります数字については、病院が土地を提供して、住宅提供業者がその土地を借りて建設を し、病院の宿舎として各職員に貸す、こういう形態のものだけが今は動いています。  PFIについては、なぜ今、動いていないかと申しますと、入札のときに細かな仕様を 決めなければいけないことになりますので、それの内容がなかなか難しい。特に病院本体 になりますと相当細かな仕様を、設計図と同等引けるぐらいの内容を決めていく必要が出 てまいりますので、それが難しいことと、PFIをいろいろ調べてみますとどうしても時 間が非常にかかる。そういう二つのネックで、今後、どういう取り扱いをするかというこ とを検討しているという状況でございます。 ○大道委員  ジェネリックは決して共同購入を前提でお尋ねしているのではなくて、DPCは当然と いう仕組みなのですが、DPCであろうとなかろうと、ジェネリックについての評価は臨 床側からはいろいろなことがあるのはよく承知していますが、私は必ずしも使うべきと申 し上げているわけではありませんが、国立病院機構の病院群はこれだけの数ですから影響 力は大変大きいのです。そういう意味で現場での検証あるいは医師のさまざまな考え方を 統合するような役割を期待しているという趣旨です。  SPDは、今のいろいろなお話で、10年か20年前からこういう話があるのですが、な かなか評価が分かれる、場合によってはネガティブな評価が多い中で、今、4病院がお取 り組みで、今のようなお話ですからわかったのですが、それについてもジェネリックと同 じとは言いませんが、業界もそれなりに、これもDPC関連で非常に活発化しているよう なところもお見受けしますので、ぜひ御検討いただきたい。  それから、PFIはいろいろ仕様が難しいから、ネックがあるからという手続の問題で はなくて、今、自治体で幾つか事例が出てきている中で、考え方は日本では難しいと思い ます。しかし、これも国立病院機構は百数十の病院のいろいろな意味での建て替えそのほ かが営々と続くわけですから、そんな中でこの方法は、せっかく法律ができたわけですの で、今はまだやや模索的な状況があって難しいからやりきれないというのはよくわかるの ですが、これも検討課題でよろしくお取り組みいただければと思います。以上です。 ○夏目委員  一つだけお願いしたいのですが、人件費の件です。業務委託、アウトソーシングを進め ておられるということで、民間でできるような仕事、単純な仕事や、ある面では医療の仕 事でないような仕事については、できるだけ民間の力を活用した方がいいと思うのです。 そういう意味で給食業務を今、進められているようですが、この効果ですが、一般的に言 うと国時代を民間に移すと、まず要員効果、それから単価差の効果と二つ、一般的に業務 委託には効果があると言われているのですが、今回の給食の全面委託で何割ぐらい効果が あるのか、その辺、どの程度の業務委託効果が出ているのか、感じでいいですから、2〜 3割か、そんなに出ていないですか。 ○国立病院機構企画経営部長  手元に資料がないので、後で調べて次回に。 ○夏目委員   いいのですが、要するに例えば受け皿会社を、純粋民間ではないからなかなか難しいの かもしれませんが、子会社みたいな形でそういう業務委託を受ける会社、アウトソーシン グの受け皿の会社をつくって、そこへ委託していくといった方法論は余りお考えにはなっ ていないのですか。 ○国立病院機構企画経営部長  出資をして子会社というのは、恐らくできない。それから、子会社みたいなものという と、今回、随契的に問題になったような話にもまたなりますので、今の我々の置かれてい る立場からするとちょっと難しいのかなと思いますが。 ○開原副部会長  先ほどの随契か一般競争入札かという話なのですが、もちろん制度的な改革は重要だと は思うのですが、最終目的は収支の改善だと思うのですが、一般競争入札をすることによ ってかなり収支が改善すると予想しておられるのかどうか、その辺はどうでしょうか。 ○国立病院機構企画経営部長  改善すると考えておりますし、まさに予定価格をどうつくっていくかという作業にもな ります。一般的に国立病院の価格、特に建物などで我々は感じておりますが、これぐらい の値段だったよね、ということで入札してくることが多くこれをどうやって打破して安く していくかという努力を今している最中ですから、我々はこの値段で買いたいのだという ことを全面に出して意思が働いた予定価格とか、やり方とか現場説明とかを組み合わせ ていくことで、当然、価格の下落は可能だと思っておりますが。 ○黒川部会長  またいろいろあるかもしれませんが、ここで3分ほどお休みして書いていただくことに してもいいですかね。  夏目先生のアウトソーシングもいいのだけれど、やはり民間の場合だと子会社をつくる とかいろいろな話はビジネスモデルとしてやっているわけだけれど、ここは公的なお金を つくって子会社というのは、頭の中は天下り先をつくっているだけですが、そこのところ をどう切りかえるかなどといったらなかなかうまくいかないと思いますよ。そういう意味 では、今のこれだけの大きな形になったのだから、どういうお手本を見せるかということ と、ただ、コスト、コストだけでは随契もしょうがないわけで、随契でただ安いだったら、 安かろう悪かろうだし、安物買いの銭失いなどというのはよくあるわけなので、いかに透 明性を確保してそこがいい仕事をしているのかという、デリバリーがいつとかという話も あるものね。それが今まで、仲間うちの先輩の顔がちらちらしていたからまずいわけで、 その辺をどうするかというのが一番の問題ではないかなということですよね。  そういうわけで長い伝統がありますので難しいのだけど、子会社といってもすぐ悪いこ とを考えてしまうのだけど、そういうことはしない。それは彼らのせいではなくて、そう いう伝統があったので、基本的に知らしむべからず由らしむべし、などという話がずうっ とあるわけですから、その辺をどうするかというきはここの委員会が見ておくのかなと。 確かにコスト、コストというけれど、これはコストばかりではないものね。相手が選んで 買えるようなルイ・ヴィトンを売っているわけではないのだから、医療という公的なセク ターの社会基盤をどうするかということを今までのようにただやればいいというわけで はないのを、ぜひ見識の高い見方をしていただければなということではないかと思います。  そうしないと、せっかく矢崎理事長以下、一生懸命頑張っているのだけど、何か非常に 矮小化されたことでやっていてもしょうがないし、確かに理事長としては効率化とかお金 ばかりではないというキャッチボールをこちらはしなくてはいけないので、そこを使って よい医療をやるためにはこの機構はどういう役割をするかというメッセージ性がないと、 ただの評価だと、ただ、カネだ、効率化だといって、みんなくたびれてしまいますよね。 最終的にはみんなくたびれるだけだし、看護婦さんになるのに30万も払って冗談じゃな いやというのもあるわけなので、ぜひ頑張っていただければと思います。  それでは、どうぞ書いてください。では3分。  吉田さんもしっかりやってよね。ただ効率とかそんなことではなくて、社会的なサービ スはどうなったかというのはすごく大事なのだから、よろしくお願いします。  随契の机上配付というのがあるではないですか。ついでに事務方にだけ言っておきます が、100%のうちの31%が随契ね。うち、公益法人との契約の件数は非常に少ない額なの だけど、しかし460億円と10億だから、この相手というのはどういうカテゴリーかとい うのをまた教えてください。 ○国立病院機構理事長  先ほど申し上げましたように診断用のアイソトープで、アイソトープ協会からの取引が、 これは一つしかないのです。 ○国立病院機構企画経営部長  アイソトープ協会との契約が94件、金額でいうと14億8000万。 ○黒川部会長  それがほとんど全部だよね、15億だからね。 ○国立病院機構企画経営部長  そうです。それがほとんどです。 ○黒川部会長  その真ん中だな。随契の件数、金額460億の中身だね。先ほど検査とかいろいろなこと を言っていたから。 ○国立病院機構企画経営部長  だから、件数的にはアイソトープの医薬品が一番多くて、アイソトープの件数と業務委 託が件数的には多いです。 ○黒川部会長  公益法人のところでしょう。 ○国立病院機構理事長  いえ違います。真ん中の。 ○黒川部会長  オーケー。また教えてください。  では、よろしいでしょうか。お考えのまとまらないところも少しあるかもしれないけれ ど、最終的にここが効率、効率ばかりで、中がくたびれてもしょうがないし、効率、効率 でスケールメリットの話がしょっちゅう出てくるのだけど、スケールメリットでほかのと ころをみんな食いつぶしてしまうというのもちょっとまずいわけだから、それをどうする かですね。この辺は難しいよね。公的なところがスケールメリットでガンガンやって、民 がくたびれてしまったなどという話も困るから、この辺をどのように次の政策へ、吉田さ んあたりもそうだけど、厚労省の幹部はどういうふうに反映させながら両方がWIN・W INになっていくかというのは、こちらの評価委員会もそうだけど、していかなくてはい けないのではないかなと思います。それでないと、また総務省にあがった評価のきついと かなんとか言われて、そういうのも困るものだから。その辺を両方がパートナーとしてど うやるかというのが一番大事だと思うので、吉田さんの役割は大きいからね、よろしくお 願いしますよ。  よろしいでしょうか。では試合再開ということで、38ページ。 ○国立病院機構財務部長  それでは、評価事項の9項目、38ページから41ページまで、私の方で御説明をいたし ます。ここの部分は、医療資源を有効に活用するという観点及び医療資源をどのように新 しくつくっていくかという投資の考え方という観点で御評価いただきたいということで ございます。  38ページ、まず医療資源の有効活用ということで、中期目標としては医療機器や病床の 稼働率の向上を図り、経営改善を行うということで、今あるものをより有効に使っていこ うという考え方でございます。その中で中期計画としては、医療機器は稼働率を具体的に 向上させ、共同利用を40%アップを図るという目標でつくられているところでございます。  医療機器の効率的な利用については、稼働率の向上ということで表にございますように、 平成15年度実績に対して約10%の稼働率が増加をしたということでございます。15、16 でみますと6%ぐらいの増でございましたので、さらに3〜4%の増を上積みしたという 状況でございます。  具体的な数値目標が40%である共同利用でございますが、平成16年度には40%には達 しておりませんでしたが、17年度は60%を超えて目標数として上回ったところでござい ます。参考までに、1台当たりの稼働数も出してございますが、それらも伸びているとい う状況で、全数、1台当たりとも目標を達成したと考えております。  39ページは、既存の資源を有効利用するという観点で病床をより効果的に使っていこう という考え方でございます。中期計画の考え方としては、病診連携・病病連携を推進をす るということで平均在院日数の短縮等を図っていこうという考え方でございます。  17年度の取り組みとしては、そういう基本的な地域連携の強化、救急患者の積極的な受 入れ等々によりまして、病床の効率的な利用、新規患者の増加を図っておりまして、それ が収支相償というのが実現をできた大きな要因となっております。  具体的に17年度で新しく取得した点数でございます。残念ながら今回の改訂でなくな った点数も上に二つほどございますが、急性期入院加算、急性期特定入院加算と、平均在 院日数を17日に短縮をし、医療密度を上げていく、こういった点数をクリアした病院が 計7病院、紹介外来、紹介外来特別加算など廃止になりましたが、病病連携・病診連携を あげることによって稼働を上げていき、こういった点数を取った病院が計13病院等々、 資源の有効利用を図った結果、収支相償ができたというのが1点目でございます。  2点目は、地域医療支援病院ということで各診療所、病院を地域で支えていくという病 院の指定が医療法の仕組みとしてございますが、その病院を17年度中で3病院、新たに 指定を受けているところでございます。これの条件として、紹介率が高い、60%以上ある とか等々の高い条件がございますが、それを各地域の病院と協調しながら達成した病院が 3病院増え、機構全体としても、紹介率は15年度と比較して5.9%、逆紹介率は9%と いうことで、各病院を調べてこういう面での連携に努力をしているところでございます。  3点目、これはエポック的な話になりますが、結核について、前回の評価委員会でも御 説明をいたしましたように、患者の状態に応じて早期に退院を図っていく新退院基準の適 用を行ったところでございます。これについては、このまま実施すれば当然のことながら 退院が早くなりますので、病床利用率が下がる状態になるわけでございますが、これと軌 を一にして複数の結核病棟を保有している病院ではその病棟を休止したり廃止をしたり、 そういう取り組みを並行して進めたところでございます。その結果、そこで看護力が当然 生じるわけでございますので、それを一般部門に振り替えて、先ほど申し上げたような急 性期系の点数を取っていくといった人材の有効な活用を図ったことで結核部門で大きな 赤字が出ることを避けた、こういう取り組みを並行して進めたところでございます。  4点目、これも前回、医療観察法ということで少しこの場で御意見があったところでご ざいますが、これについても、開棟に合わせまして、例えば30床の病棟ですと44〜45名 の看護師が必要になるわけでございます。普通の病棟からいけば3倍ぐらいの人数が必要 になりますので、そういう方を確保する観点で、国立系の精神病院は何百床という大きな 病院が多うございますので、そういうところで長期入院されている方を地域に移行すると か、病院自体を急性期の取り組みに移行するといったことで必要な病床数を削減し、そこ で看護職員を確保して医療観察法の病棟で働いていただくという活用を3病院で行った ということでございます。 ○国立病院機構財務部長  9ページは、投資の関係でございます。整備の考え方はここに書いてあるとおりでござ いますが、17年度では外来も含めた全面建て替えで8病院、病棟だけの建て替えで5病 院、さらに18年度に入りまして病棟だけの建て替えを8病院やったところです。病棟だ けの建て替えのグループの13病院のうち7病院は療養所系の病院でございまして、療養 所、病院の機能に応じて均等に整備を図ってきております。  2点目は整備の関係でございます。これは後ほど出てきますのでそこで詳しく申し上げ ますが、借入金だけではなく自己資金を活用して投資をしているということで、事業量を 確保しつつ借り入れを少なくする取り組みを進めている点でございます。  3点目が、先ほど共同購入ということで薬の話が出ましたが、大型医療機器、今度はC T、MRIについて初めて17年度に入札を実施しております。ここについては、建築と 同じで国立病院価格といったものが市場にはあるようでございまして、それを何とか打破 し、安く買っていこうということをもくろんで実施をしたところでございます。我々が把 握している市場価格の水準から言えば3分の2ぐらいの水準で本体価格は買えたのでは ないかと思っておりまして、今後、ほかのグループ病院等でも同じような取り組みが進め られると聞いております。  4点目は補正予算等の関係でございますが、耐震補強とかアスベストの除去といった整 備も並行して進めておりますし、医療観察法の病棟についても順次整備を進めているとこ ろでございます。  以上を含めまして、41ページでございますが、この点についてはSということで自己評 定をしているところでございます。  理由といたしましては、中期目標で掲げておりますように、まず地域連携による病床の 有効活用を図ることについては、新規患者の増とか上位基準の獲得ということで収支の改 善に努め、収支相償を実現できた点が1点。  結核については、患者さんの退院を促進するといったことも含めた退院基準の適切な実 施と医療面の取り組みと並行して経済面の取り組みも実施し、医療内容の充実と経済性の 確保の両立ができたのが2点目。  医療観察法についても同様でございまして、政策医療を担うことについて通常の精神医 療の部門の効率化を図って、やはり同じような政策目標の達成と効率化を同時に実現をし ているという点でございます。  医療機器の稼働については、目標を達成した。  今後の整備についても、旧病院に偏ることなく旧療養所も含めて均衡のある整備を図っ ているという点等々を含めまして、Sということでお願いをしたいと考えております。  以上でございます。 ○黒川部会長  ありがとうございました。いかがでしょうか。 ○開原副部会長  病床の話なのですが、裏から聞くみたいで申しわけないのですが、例えば看護師不足と かそういう理由で現在、使われていない病床があるのかどうなのかということと、もしあ るとすれば、それが年次的にみるとだんだん少なくなりつつあるのかどうか、その辺はい がかでしょう。 ○国立病院機構財務部長  これは病院によって違います。古い病院で大きな病床で整備したような部分については、 段階的な平均在院日数の短縮によりまして、そこまで病床が埋まらないということで空い ている病棟があるという事例もございますし、最近、整備したような病院では、そういう ことをきちっと計算をして稼働を考えて整備をしている事例については、そういうものは 存在をしていないという、病院の整備のタイミングに応じて空き病棟がある・なしという 状態にあると考えております。 ○開原副部会長  そうだと思うのですが、それを全体的に把握してはおられないのですかね。そういうも のがだんだん減ってきていることになれば、逆の面から言えば病床の有効利用が進んでい るということにもなると思うのですが。 ○国立病院機構企画経営部長  全体で全部を管理はできておりません。ただ、申し上げますが、在院日数が短くなって きていますので患者数自体は減ってきているという意味では、空いているベッドはないわ けではないということが一つ。もう一つは、結核は明らかに空いています。利用率が低い ですから、その分は集約をしたりという努力をしてきているということであります。 ○山田委員  医療機器の効率的な利用の推進のところで大変成果があがっているというのはよくわ かるのですが、これはデータが15年と17年度の比較ということで、私が記憶しているの は患者数は16年と17年の比較で、実際に入院患者も外来患者も数の上では減っていると いう記憶があったのですが、それにもかかわらずこの検査が非常にふえていること自体、 その適用を甘くして増やしたのか、あるいはもともと余り検査をしていなかったのか、そ の辺のことでちょっと危惧があるのですが、いかがでしょうか。 ○国立病院機構財務部長  その点は、確かに断面においては患者数は減っていますが、新入院という意味では数が 増えておりますので、こういう検査機器を使うときには最初の診断に応じて回数を取るこ とになりますから、現に入院している患者さんというよりは新入院ないしは新規の患者さ んに比例して増えていくものだろうと考えております。  もう1点は、先ほど申し上げたように地域との連携を強化してきておりますので、診断 まではつながらないけれど大型機器の撮影だけ診療所からお願いをされる。そして読影を してそのまま診療所にお返しするという事例も増えてきておりますので、そういう意味で 件数がふえていると考えています。 ○山田委員  それは共同利用の方に入るわけですね。 ○国立病院機構財務部長  はい、そうです。 ○山田委員  わかりました。 ○黒川部会長  そういう意味では、病診連携とか病病連携が地域ごとに少しずつ進んでいるのかなとい う話、それを浸透させていくから。それから、市場価格でかなり安いというのは、市場価 格そのものがめちゃ高いというのもあるかもしれないので、国立病院なのでみんながつぶ すわけはないので、ぜひ次は並行輸入をやってみたなどというのもいいのではないかとい う気もしますね。ちょっと考えていただければ。渡辺先生がそれを応援するようなことを また論説で書くとかいうことですね。そうすると、どこでそんなモス協議の変なのがある のかというのがわかるかもしれません。  よろしいでしょうか。では2分ぐらいで書いていただいて、その次にまいりましょう。  では次は42ページからということで、これはこの間も聞いて大変成果があがっている ところではありますが、これについて簡単に説明していただければという話と、先ほど言 った教育研修のお金の問題とかいうことも含めてお願いします。 ○国立病院機構医療部長  それでは、42ページから御説明いたします。42ページは、(3)「診療事業以外の事業 に係る費用の節減等」ということで、目標のところに掲げてございますように、競争的研 究費の獲得や授業料等の自己収入の確保に努めるということでございます。  最初に臨床研究事業でございますが、これはできるだけ競争的な資金を獲得するという ことで、研究費獲得の推進及び助言として本部が各病院にお願いしているところでござい ます。この研究費の主なものとしては、厚生労働省が行っている研究費の厚生労働科学研 究費、文科省の文部科学研究費、そのほかの競争的資金というのがございますが、例えば 笹川記念財団であるとか大和であるとか、あるいはファイザーへルスリサーチ財団とか、 そういった文科省、厚生労働省以外の競争的資金もできるだけ獲得するように、病院にさ まざまな情報を提供している次第でございます。総枠を見ていただきますと、16年度、17 年度を対比しますと、平成16年度の9億数千万円という治験の推進分を除いたものを見 ますと増えているという傾向でございます。  2番が、臨床研究のためのコンピュータネットワークシステムの費用対効果等の検討で ございます。コンピュータシステムは一度構築しますとその費用が恒常的にかかるのです が、時代が進みますとコンピュータネットワークの機器自体が進歩しますから、それを見 直していかなければならないというところでございます。2の3行目ぐらいにございます ように、今のがんネット、循環器ネット、呼吸器ネット、ここに記載したものがネットワ ークとしては若干古くなってきておりますので、それをできるだけ開放的で汎用性に富む 効率的なシステムの開発に平成17年度は着手しているところでございます。  3番目が、治験ネットワークの活用でございます。これは繰り返し繰り返し出てきてい るところでございますが、国立病院機構の146病院のネットワークを利用した治験、受託 研究、特にその中での治験を増やしたという実績でございます。  43ページ、既に出てまいりましたが研究研修事業というところでございます。研究研修 事業については、基本的な考え方として、授業料等自己収入の確保に努めるとともに費用 の節減に努め研修の効率化を図るということでございます。平成17年度における入学金、 授業料等については、この表に記載した金額を下限として各養成所で設定しているところ でございます。その結果、2の教育研修事業の収支率の改善として、15年度の収支率 27.4%から平成17年度の収支率53.2%と大幅に増加しているところでございます。  その結果、平成16年度に引き続き競争的資金は増えているということ、政策医療ネッ トワークシステムについても汎用性のある開放的な効率的なシステムの開発に着手した ところ、それから治験ネットワークについては受託研究数を増加させ、金額も増加したと ころである。教育研修事業については、授業料等の改訂、効率的な運営により収支率の改 善を図ったということで、自己評価はAとさせていただいているところでございます。  以上でございます。 ○黒川部会長  どうもありがとうございました。 ○渡辺委員  確認ですが、42ページの臨床研究事業で、治験推進研究事業は本部は16年度単年度で 行ったから17年度はやっていないよ、という意味ですね。その分がごそっと抜けたとい うことですね。 ○国立病院機構医療部長  はい、そういうことです。   ○渡辺委員  それから、それを除くと13.9%の減少だと。この理由は何かわかりますか。つまり、 本部が単独で行ったのを除くと13.9%の減少でしょう。なぜ減ったかというのは。 ○国立病院機構医療部長  それは、恐らくそれだけの資金が獲得できなかった、研究費のサプライが成功しなかっ たということだろうと思います。 ○渡辺委員  それはそうだろうね。 ○辻本委員  あえて申し上げます。こういう取り組みが必要だということは重々承知の上で申し上げ ておきますが、患者さんの声を聞いている私どもには、かなり外来のドクターの対応が悪 くなった。「忙しそうですね」とか「今まではもっと親切だったのに」と切り込んでいく と、「ごめんね、研究が大変なので」というお声があって、患者さんたちが先生とゆっく りしゃべることができなくなってきたとか、大変冷たくなった、そういうお声がかなり私 どもにも届いている実態を御報告しておきたいと思います。 ○黒川部会長  みんな、忙しくて大変なんだよね。 ○国立病院機構理事長  非常に頑張っている病院でそういうことがあると思いますが、臨床研究だけではなくて、 今、国立病院機構だけではなくて、医師が病院からいなくなっているのですよね。そして 個人個人の医師にかかる負担が極めて大きくなっているので、それは大学病院でも一緒で 人がいない。一部の病院、慶応とか東大はたくさんいるのですが、地方の大学でも大変だ。 そして、どんどん病院の医師の荷重が増えていって悪循環で病院から診療所にいってしま うということで。  その先生は研究のためと言われたのですが、病院における勤務医を取り巻く環境はもの すごく厳しくなっていて、これは我々が効率、効率といって締めつけるだけではなくて全 体の傾向ですが、それは言いわけになるかもしれませんが、辻本委員が言われるように 我々のモットーは患者さんの目線に立った医療ですので、ぜひ心温かく見守ってほしいの ですけど、いただいた御意見はきっちり反映させていきたいと思います。 ○黒川部会長  当事者としてはなかなかそういうことは言えないのだけど、辻本さんの方から、何をや っているんだというのをもっとパブリックに広げてくれることが大事で、医療人は医療人 で一生懸命その質を上げていくプロセスは大事だけれど、そればかりやっていると、すべ て悪者はこっちだと。そして、あれしてくれ、これしてくれというけど、もういいかげん にしてくれと、そちらも言わなくてはいけないわけで、32兆円の医療費で15兆の葬式代 と30兆のパチンコなんていいかげんしろ、と言ってくれないと困りますよ。そういうこ とだと思いますけど。それは渡辺さんの仕事かもしれないね(笑い)。よろしくお願いし ます。患者さんの側に立ってパートナーシップを組むという医療をつくりたい、というこ とであります。  それでは、よろしいでしょうか。では1分ぐらい。  住田委員はきょうは御欠席なのだけれど、財務のところは後で説明しておいていただけ るのね。  では44ページ。 ○国立病院機構企画経営部長  46ページ、「財務会計システムの導入等IT化の推進」ということでございます。企業 会計に適切に対応するためのIT化の推進を図るということでございます。財務会計シス テムについては、17年度はまず精度を向上させることを第1に考えておりまして、そのた めには処理時間を短くすることがどうしても必要となります。実は16年度は1カ月分の データをまとめるのに十数時間要していたということで、私ども職員は徹夜するか、次の 日が休日であってもまた出てくるかということを繰り返していたということであります。 この作業をブロック単位で集計を可能とすると、これはブロックで仕事をしているという ことではなくて、システムの中でブロック単位で数字を拾ってきてまとめることができる 仕組みを入れたということでありまして、これで大体2〜3時間でできるようになりまし たので、これをベースにして、さらに早く、翌月には月次決算がすべて完了するようなス ピードで仕事ができるようになったということであります。  次に、それを用いた経営分析でございます。月次での作業を行うことは16年度に実施 をしたところでございますが、17年度は部門別のものを何とかしようではないかという努 力を行っております。まだ十分精度が向上されたわけではございませんが、各部門ごとの 経営状態や他施設の比較はできるような資料をつくろうということで、17年度は、病棟、 外来単位でのデータがつくれないかということで精度向上に努めたところでございます。  結核については、今年はかなり病棟シフトを行いましたのである程度成果を出せました ので、それについて後で御説明いたします。  次に、これもシステム対応でございますが、まず今回、診療報酬の改定によりまして医 療費の内容がわかる領収書の交付を求められることとなりましたので、すべての病院でシ ステム対応してきちんと領収書が出せるように準備をしております。97施設では現時点 で既に発行ができる体制で、発行させていただいておるところであります。10月までが経 過措置ということですので、残りの病院は10月までには出せるように準備を進めており ます。  また、患者様から求めがあるときは、個別に点数の算定項目がわかる明細書を出すとい うことが一方でございまして、これについては我々の方でも無料で発行するということで 対応させていただくこととしております。  次に評価会でありますが、こういった財務会計システムを活用した月次決算の評価を、 毎月25日を目途として評価会を開催しているところでございます。まず、平均在院日数 あるいは患者1人1日当たりの収支、新患率、人件費率、材料費率、患者紹介率などのい ろいろなデータを集めて分析を行うということで、在院日数を短縮するため、上位基準を 取るためには短縮が必要ですが、このための院内ヒアリング、あるいは患者数確保のため の具体策、費用の抑制策などの検討が病院で行われています。  具体的には、例えば平均在院日数の縮減で上位基準はどれだけ取れたかというと、16 年度と比べて47の病院では上位基準が採れておりますし、加算は75の施設で採れており ます。これは評価シートの説明資料の310ページをごらんいただきたいと思いますが、こ れだけの病院で活動していただいておりまして、上位基準なり新しい加算の基準が取れる ように努力をしていただいているところです。  もう一つは、医業未収金の圧縮ということでございます。患者自己負担分の医業未収金 がございますが、督促の強化あるいは退院時精算の徹底などを図ることによって回収率を 上げておりまして、2%程度でございますが債権の未収金の圧縮を図ることができており ます。  また、病病連携・病診連携は、地域連携室の対応も始め、あるいは医師、あるいは看護 師といった医療スタッフも出張っていろいろな交流を深めるということで、紹介率は2%、 逆紹介率も5%近い向上が図られたということでございます。  それ以外に、地域住民を交えた講演会を開いたり、あるいは費用の点でいうと、診療材 料の規格の統一化、規格の見直しをやって圧縮を図るという作業をしております。名古屋 医療センターでは、圧縮を図るための必要性についてどういうことができるかという検討 を行っております。手術件数が増になりましたが、対前年度とほぼ同程度の診療材料費と なったということでございます。  地域との連携という観点でいいますと、登録医を一生懸命ふやしていくということで地 域医療ネットワークを構築していった病院が数多くございます。全体でいいますと、地域 連携クリティカルパスというのを作成しておりますのが、評価シートの9ページに12施 設ございますし、開放型病院共同指導料を取れた病院が29施設にのぼっている。  地域連携パスでの新しい診療報酬の算定は、我々の病院群では三つの病院が取ることが できましたが、現在では5病院に拡大をしているところでございます。  45ページ、「業務・システム最適化」でございます。これは、17年度末に中期計画の 変更等があったものでございますが、システムの監査と刷新可能性調査は18年度中に実 施することとしております。  自己評定でございますが、財務会計システムでは精度の向上を図り、できるだけ早い評 価会での対応ができることにしたことでありまして、評価会での対応も、上位基準の取得 あるいは医業未収金の改善、紹介率や逆紹介率の向上、材料費の抑制などの対応をしてお ります。また、医療費の通知についても、領収書の発行ができる体制づくり、あるいは要 求があった場合に限りますが診療報酬の算定項目がわかる明細書を無料で交付するとい うような取り組みを今年から始めることにしたところでございます。ということで、全体 としてはAの評価をつけさせていただいているところでございます。  以上です。 ○黒川部会長  いかがでしょうか。 ○大道委員  部門別決算の実施については大変評価されるところだと思いますが、これは診療科別で はないのですね。これは大枠の部門別ということと、それから按分が一番のポイントにな るのですが、特に費用面ですが、按分の御苦労をちょっとだけ聞かせてください。 ○国立病院機構企画経営部長  按分は大変苦労しております。実際には事務職員がストップウオッチを持ってお医者さ ん個々について回って、どこにどれぐらいいたかというのも何日間かにわたって取った上 で計算している施設もあります。 ○大道委員  やったのですか。 ○国立病院機構企画経営部長  はい、それをやっております。現実に各病院でそういうデータを取った上で、原価計算 のやり方でデータを入れているのですが、実はこれは苦労といえばあれなのですが、診療 科によっては、病棟で大体どういう診療科が入るかというのが出てきますので、「やたら 点数の低い診療科だな」と言うと「何科だ」ということになりますと、例えば重要だと思 っているにもかかわらず診療報酬の点数が低いがために低い収益しかあがらないという 病棟のお医者さんは、こんなんじゃない、と言ってみたりとか、診療科でみてほしいとい う御要望があったりとか、例えば内視鏡のところは、私の病棟はどこなのでしょうか、と いうお医者さんがいたりとかいうので、かなり病院は苦労されております。正直言うと、 そういう意味でまだ十分には確立はされていないのが今の現状であります。  ただ一つ結核だけは、どうしても病棟集約をかなりやっておりますので、そこだけはか なりやらなければいけないということで、大分苦労してやっていただいたというのが事実 であります。 ○大道委員  ちょっとコメントです。方法論が長年の議論で大変難しいということがあることで、ど ういうことなのですかとお尋ねしたのですが、後段でおっしゃったことはまさに病院の経 営方針ですから、機構としての基本方針でお答えいただければいいと思うので、データの 公表そのほかに御指摘のような問題があることは重々わかっておりますが、そこはまさに 経営運営の中でしていただくことを期待します。以上です。 ○井伊委員  医療の未収金が2割ぐらいあるということなのですが、金額で言うとどのぐらいになる のでしょうか。督促の強化は具体的にどういうことをされているのか。国立病院機構だけ ではなく日本の病院の中で未収金は多いということなのですが、私は基本的には未収金の 集金は保険者の役割ではないかと思っているのですが、そういう議論がされているのかど うか、そのあたりの御意見をお伺いしたいと思います。 ○国立病院機構企画経営部長  未収金は、回収できた金額ということでしょうか、それともどれだけあるかということ でしょうか。 ○井伊委員  どれだけあるのでしょうか。 ○国立病院機構企画経営部長  17年度末での医業未収金で貸倒処理をした金額ということでお答えいたしますが、11 億円ございます。それから、破産更生債権で約30億円ございます。この破産更生債権は 1年以上前の債権で、国時代からずっと引き継いでおります。  それからどういう努力をしているかということですが、未収金の回収はかなりテクニカ ルな要素もございまして、実はまさに督促にいくという基本的なところからスタートしま すが、いろいろな手だてがございます。裁判所で支払い督促命令を出してもらう方法と、 少額訴訟もできるようになりましたのでそういう方法。そこまでいっているケースはほと んどないのですが、あとは弁護士さんにお願いをしてまさに債権取り立てをする、そうい う方法等があろうかと思います。  病院での医業未収金というのは、実際にPLでは収益が出たとしても、貸倒処理をする とキャッシュにならないということになりかねませんので、我々としては、どういうこと をやって、次はどういうステップでどういう策があるか、というマニュアルを作って各病 院に示しております。  現実には、現在は各院長さんたちもかなり心配されていまして、具体的に統一的な方法 をとろうということで、院長さんたちが今は勉強会を開いて、どういう方法があるのか、 例えば日赤さんとか他の医療機関ではどういうことをやっているのかというのを我々も 一緒に今調べていまして、情報提供をしながら新しい策を講じていきたいと思っておりま す。 ○夏目委員  経営改善にあたって職員の経営参画意識をあげていくことは大事なのだろうと思うの です。その意味でこの評価会というのはなかなかおもしろいと思うのですが、これはいつ から始めたのか、参加者はどういう方々が入っているのか。そして「すべての職員の経営 に対する参加意識」と書いてあるのですが、すべての職員が参加するわけにいかないのだ ろうと思うのですが、職員に対する周知方に何か工夫とか特段されていることがあるのか どうか、その辺について。 ○国立病院機構企画経営部長  評価会でございますが、評価会は月次決算が始まる16年から実施をしております。病 院によっては国自体からやっている病院も当然ございましたが、本格的に実施すると決め たのは16年からであります。  どういう人が参加しているかということでありますが、院長、副院長、事務部長といっ た幹部は当然、病院によってはですが、私も何カ所か評価会に出席させていただいて、実 際に議論にも参加させていただいたケースが何回かございますが、病棟では師長さんクラ ス以上が全部出ていますし、お医者さんは診察とか何かない限りは大体出ている方が多い と思います。  あと、一般の人にも伝えなければならないので、それについては資料を用意して、各職 員に、病棟であれば師長さんから伝達するというやり方をとるケースと、評価会について は、成績はどうだったかというだけではなくて、おもしろい要因としては、各病棟の課題 を、それぞれ病棟の師長と医師、担当の医師、医長さんとで議論をして課題をちゃんと明 記した上で、それについてどういう対応をするかレポートを出せという厳しい命令を出し て、評価会をバンバンやっている病院もありました。 ○開原副部会長  先ほどの大道先生の質問に関連してなのですが、部門別の財務システムというのは、結 局は部門別の原価計算をやることになるのではないかと思うのですが、ここで原価計算と いう言葉は全然使っていないのですが、これは今一般に言われている原価計算とは何か違 ったことを考えておられるということなのでしょうか。 ○国立病院機構企画経営部長  基本的には原価計算と同じでございます。ただ、指標をどうやって出そうかと考えてい まして、共通するのは患者1人当たりにどれだけ収益があったのかということと、どれだ けの費用がかかったのかというのを、費用も人件費とか材料費とかいう内訳でつくれない かと考えております。それが本当の原価計算であるかどうかはわかりませんが、少なくと もそうやってみないと、どの病棟が非常に問題がある病棟かがわからないということです ので、とりあえず今はそういうやり方を考えております。でも、基本的には原価計算をち ゃんとできるようにするということだと思っていますが。 ○黒川部会長  未収金の問題などはどこでも今は問題になっているのだけど、これでいろいろやってい るのは確かに大事だけど、6月の『エコノミスト』によると、ジニ係数はOECD各国で アメリカが1番で、2番がイギリスで3番が日本になってきたのですね。イギリスでは、 貧乏な人たちの子供の教育がすごく問題になってきて、先進国ではそのフラクションが一 番多いのですね。ところが、最近はジニ係数はいよいよ日本はイギリスを抜いて2位にな ったということで、そういう世相を反映しているので、取り立てもそうなのだけど、払え ない事情もあるわけで、どうするかというのは結構大きな社会的な問題ですよね。そうい う意味では、国立病院の取り立てを苦にして自殺、などといったらどうするのかね。相当 なインパクトあるね、これは。  そういう話もあるので、その辺はうまくやらないといけないかなと。つまり社会基盤も かなり崩壊してきているのですね。それで、矢崎理事長とかそちらの問題もさることなが ら、患者さんの方も、あれしろこれしろなどとワーワー言っているばかりだし、問題はど こにあるかというとお医者さんにあるわけではないこともたくさんあるわけだし、吉田さ んみたいな将来有望な人もしっかりこれを聞いて、私の立場で何ができるかともうちょっ と頭を絞ってよね。ただ評価しているだけではしょうがないのだから。  ということで、矢崎理事長としてはどういうふうにお考えでしょうかね。 ○国立病院機構理事長  未収金は、例えば、コンビニで数百円のものを3回ぐらい盗っただけで逮捕されるので すよね。ところが医療に関しては、患者さんが来たら病院としては断れないのです。結構 常習に未払いの人がいるということで、我々はそんな自殺者が出るほど厳しくは全然、甘 いと思うのですね。ただ、一般の医療機関は、地方自治体から未収金に対する補助金があ るのです。しかし国立病院機構は自治体からお金をもらえないので、本当に持ち出しにな るのですね。ですから井伊委員がおっしゃったように、これをどこかで何とかしないと医 療が崩壊する一つの原因になるかもしれないですね。これからどんどんワーキングプアの 人が出てきて、本当に医療費が払えない。そういう人たちをどうするかというのを、ぜひ 訴えていただければと考えています。 ○黒川部会長  そちらも訴えなくてはいけないのではないかと思いますから、しょっちゅう言っていた だきたいと思います。ここのところ、グリーンピアとかいろいろな問題がたくさんあるわ けだから、みんなそちらの管轄だからしっかりやれよな、という感じだね、こちらとして は。  そんなことでございますので、書いていただいてよろしいでしょうか。  これは矢崎理事長のことだと言っているわけでないのよ。行政が破綻しているのに適当 に逃げてしまうという人が多いから、困ったものだなと思っているだけの話です。こうい う話、渡辺さんのところでどう。請求書を苦にして自殺、とか。 ○渡辺委員  自殺以上に確かに民間病院でも相当この問題は深刻ですから、そのわりには病院団体は、 診療所もそうかもしれませんが、余り材料を出そうとしないのです。今おっしゃったよう に、病院側が悪く言われることを恐れているのかどうか知らないけれど、それは私などは 11病協全部出してもらいたと思っていますけどね。 ○黒川部会長  国病だとそういう話は言いやすいわけだから、それで政策を変えるとか国民の意識を変 えるツールは何なのかということを考えないと、民間病院でそんなことはなかなか言えな いだろうし、という話も大事かなと。どうやって医療政策を変えていくかということでは 大事ですよね。吉田さん、お願いね。  それでは、次に46ページ。 ○国立病院機構企画経営部長  それでは46ページ、「経営の改善」でございます。これは前回の会でも御説明したと ころでございますが、一つは、5年間を累計して損益計算において経常収支率100%以上 というのが目指すべき目標となっておりますが、ありがたいことに平均在院日数の短縮あ るいは地域連携など、紹介率の向上などによって上位基準が取れ、新規の患者数の増など がございまして、経常収支については35億64百万円、経常収支率は100.47%というこ とで、17年度も16年度に引き続き黒字となり、経営改善の内容としては33億68百万円 の増ということで、本年度は目標は達成できたと考えておりますし、さらに総収支につい ても、16年度の総収支は約16億円の赤字でございましたが、収支改善を図ることができ まして、2年目では利益として3億27百万円の黒字が達成できたということで、総収支 についても黒字化を図ることができたということでございます。  先ほどの話に出ましたが、医業未収金については、17年度は法的手段による方法、これ は少額訴訟も含めてでありますが、あるいは債権回収業者の活用などについても手引きを 作って回収に取り組んでおりまして、回収率は向上しているところでございます。  また、経営改善も経営指導にも取り組みをしておりまして、特に赤字病院のうち17年 度の計画においても収支を悪化させるおそれがあった28の病院について実地に行ったと ころで、例えば松籟荘という病院では病棟集約、あるいは函館病院では結核病床のユニッ ト化などの指導を行い、それを実現をしたところでございますし、ほかの病院についても、 平均在院日数の短縮、あるいは看護師の再配置による上位の施設基準の取得、あるいは紹 介率の向上など、地域連携室の強化などを図って、収益の改善に我々の方も経営指導とい う形で努力をいたしたということでございます。  ちなみに赤字の要因でございますが、説明資料の314ページをお開けいただきたいと思 います。これが前回の委員会で理事長、副理事長から説明していただいた内容で、ポイン トだけ申し上げます。診療業務で上位基準の取得等によって50億円の利益を出したとい うことで、そのために横の方を見ていただいて47件の上位基準取得となっています。そ の内訳でありますが、310ページに戻っていただいて、これで上位基準が取れた病院が47 病院ございます。また、基本料の加算が取れた施設が75施設にわたっておりまして、い ずれも上位の方に触れる内容でございますので、これが医業収益として高い収益をあげら れた要因と考えております。  次に315ページ、結核についてであります。部門別収支について、結核だけは少しやっ てみたという内容でございます。結核については、16年度、これは結核病棟だけでござい ますが、結核病床については16年度34億円の赤字でございました。患者が減をしている とすれば、新単位基準の導入などによりまして在院日数も短くなっておりますし、患者も 減っているという状況で、このまま放置すれば82億円ぐらいまで増えたのではないかと 考えております。48億円悪くなるということであったわけですが、一つは、結核病床につ いては1人当たり在院日数が短くなったことで減算がなくなるという、これは細かい話で すが、ということがございまして、7億円ほど増収が図られたということで、これは1人 当たりの点数が伸びたという部分です。  それ以外にも、病棟集約やユニット化を図りましたので看護師の給与が減って、ほかの 病棟の収益増のところに回ったということで、結核病棟としては給与費が減った。あるい は材料費も当然、使いませんので減った。それ以外の委託費なども減って、結果的には17 年度の赤字額は44億円で前年度に対しマイナス10億円にとどまったということですので、 赤字ではありますが38億円の改善があったに等しい。つまり、退院基準の見直しによっ ても38億円の費用の節減を図ったということであります。  316ページが、いろいろ議論はありますが、国立病院の17年度の患者の動向はどうか というものを見たものであります。上の段は入院でありますが、ではどういうことかとい うと、在院日数は16年、17年を比べますと2.0日減っている。患者数も4万9千人から 4万8千人台に落ちていますので、かなりの数が減っています。次に、1日平均の新入院 の患者数は伸びているということで、1440人から1493人で53人の増ですが、年間にし ますと1万9千人、新入院の患者が増えているということでありますので、ホットな初期 の加算が取れるような患者さんが増えたので、横の1人当たりの点数で見ますと13百円 ほど増加していることと、かつ、ホットなだけではなくて看護配置の見直しによる上位基 準の取得などがあったということであります。結果的に、入院だけでは99億円の増収に なりました。  下の外来は、紹介率、逆紹介率ともに大きく伸びておりまして、患者数が減った分は紹 介率が上がって救急の患者数も増えているということですので、1日当たりの外来収益が 700円近く増えていることになっていまして、外来診療だけで68億円増えたというのが その内訳であります。  もう一つ、今日お配りした「施設別の損益計算書 黒字・赤字別病院数」という資料で、 各施設ごとに視たらどうかというのも、数だけでありますが視ていただきたいと思います。  16年度は、黒字病院は病院、療養所合わせて70病院、164億円の経常利益でありまし た。17年度は黒字病院は72病院ということで2病院増えていまして、合計で148億円の 利益となっています。16年と17年では、黒字分は16億円ほど減が立っていますが、今 回の17年度の決算のポイントの一つは赤字病院の赤字額であります。赤字病院の数自体 は79病院から77病院で2病院減っていますが、金額にしますと260億円の赤字が239 億円の赤字にとどまっているということですので、21億円赤字額が減っていることでの改 善がございまして、赤字病院の努力が一つ実ったということであります。  317ページをごらんいただきますと、各病院ごとに、これは機能別に分類した内容で載 せております。個別の病院は後でご覧いただきたいと思いますが、大きくいってこの中で 5%の改善ができたのが8病院、16年度から3%以上改善したのが6病院、2%の改善が できたのが4病院で、2%から5%までの改善、つまり2%以上の改善ができた病院が18 病院ありまして、うち旧療養所グループに14病院ありますので、旧療養所グループの頑 張りがかなり大きな今回の黒字決算の内容につながったのではないかと考えているとこ ろでございます。 自己評定でございますが、ここの項目だけですので、基本的には経営 改善に向けて収益の増、経費の節減の努力ができた結果でございます。これまで御説明し たとおりでありますが、前年の経常収支率を大幅に上回るということと、総収支率も2年 目にして黒字になったということで、Sの評価をつけさせていただいております。 ○黒川部会長  どうぞ。未収金の話、私は結構こういうのを気にする方なのだけど、厚い方の324ペー ジを見ていただくと、解消について流れというのがあって、支払わない、そういう人はい るのだけど、だけど家に行ったらすごい金持ちででっかいマンションに住んでいてヨット を持っていた、などという人もいないわけではないのだけど、そういうのは厳しく取り立 てても結構だけど、電話、出張、文書催促でしょう、債権回収の方法の検討をしますよね。 病院の対応、電話、文書で催促、貸倒処理、破産更正債権、法的措置、強制執行等、債権 回収云々などが書いてあって、かなりシビアね。だんだんアメリカみたいになってきたね。 そのうち、ニューオーリンズみたいなところが出てくるなという感じがしないでもないけ ど、井伊さん、どう。こんなことでいいのかね、という気もしないでもない。だから、ど ういうふうにしたらいいかなという話よね。国立病院機構という140もあるところを使っ てどうやってこういうことが、辻本さんではないけど国民運動にしていくかとしないと、 厚労省としても応援団がいないよね、一方的にやられてしまって、という話はどうするか。 もちろん、僕らもやることはたくさんあるのだけど。 ○井伊委員  ここの評価とは違うのですが、先ほど申し上げたように、保険者の役割というのはここ である程度必要になってくるのではないかと思うのですが、黒川先生はそうは思われませ んか。 ○黒川部会長  あとは、こういうインタビューして、お金持ちの親戚がいるかいないかといういろいろ な話もあるのだけど、そういうジャスティファイして、これはキャンセルしましょうかと いう話を最終的にはどこかで判断するというのは必要なのかもしれないなと。そのかわり、 ただそれをしているだけではなくて、渡辺さんとかいろいろな人のところで書くとか、み んなが問題意識を持たないと政治は変わらないと思いますよ。 ○開原副部会長  時間がないのにこの問題を議論していいのかどうかよくわからないのですが、これは本 当に大事な問題だと私も思っていまして、問題は保険を持っていない人が日本で増えてき ているという状況だと思うのです。悪口を言う人にとっては、日本は既に皆保険は崩壊し ていると言う人さえいるので、国保に入っていない人とか外国人とか、そういうのがこう いうところにかかってくると、お金を払わないという話が起こってくるのだと思うのです。  私は、国立病院機構というのはある意味ではセーフティネットみたいな役割を果たすと いうことがいいのではないかと思うし、そういう役割を担ってもいいのではないかと思う のです。もちろんそれは通常の収支の中でやることは非常に酷ですから、その分に対して は、今の地方自治体がやっているみたいに国がある程度予算を組んで国立病院にそういう 役割を担ってもらう。そしてそのことを国立病院も誇りに思う、そんな構図ができると、 国立病院のイメージアップのためにも非常にいいのではないかという感じもしないでは ないのですが。 ○黒川部会長  そうですね。それが確かに去年聞いたように、現場に行ってみると、猛烈にひまなこと をしていて、何もしない人もいる。それで活を入れたのでぐーっとよくなったわけでしょ う。意識が横にすごく共有されたというのはすごくポジティブだったと思うのだけど、効 率、効率ばかりいっては、そのさじ加減ですよね。そういう話かなと思うのだけど。 ○大道委員  井伊委員が繰り返し、これは保険者の責任だということをおっしゃっていて、どうもフ ォローがないようなのでちょっと申し上げます。保険者機能を強化すべきである、あるい は発揮すべきであるという議論は一方でかなり強くなっている中で、先ほど矢崎理事長も おっしゃったように、国立病院機構については未収金の対応手だてはさしあたって法的に はない、こういう側面が議論になって、部会長は改めてこの問題を取り上げられたのです が、ここの評価部会ないしはこの評価委員会が言うのが適当かどうかわかりませんが、ジ ニ係数の議論がされ、未収金が深刻化して社会問題化するかもしれないという流れの中で、 改めてこれを、セーフティネットと結びつけるかどうかは別して、保険者は、それは医療 機関の問題だということで放り出すような流れが今、やや定着しかかっていますが、少し ちゃんとした議論をした方がいいのではないかと今思いましたけどね。これはコメントで す。 ○井伊委員  国立病院に行けばお金を払わなくても補助金が出るらしいというような話はすぐ広が ると思いますし、モラルハザードが起きないような制度にすることが大切だと思います。 本当に必要な医療を受けたいのに受けられない人がいるという問題も大切ですが、それは 切り離して考えないといけないと思います。 ○黒川部会長  ただ、保険者機能、保険者機能というと、公的な保険で選べない保険ばかりだから、そ うなると銀行みたいになってしまいますよ。銀行がいい思いをしてあれだけお金をもらっ ているのだけど反省もないしという話もあるので、公的な保険制度だけだから、保険のチ ョイスがある程度あるというのだったらまだいいけど、その辺がトランジション大変なの ではないかな。保険機構だと、今だとただ取り立てに保険者機能だけいうと、何となく後 ろの権力でね、銀行の貸しはがしみたいなことにすぐなってくるのではないかなという気 がしますよね。その辺は、ぜひ理事長も頑張っていただきたいと思っているのだけれど。 ○辻本委員  社会問題ということで光をあてていくためにも、全国、例えば都会型のお金が払えない 人と払わない人と、それから地方のそういう状況の人はそれなりに事情が違っていたりす ると思うのです。取り立てというかそういう働きかけをしたその中で見えてくるいろいろ な問題を、個人情報ということはもちろん大切ですが、機構のネットの中で見せていただ くことで全体の問題が出てくるように思います。そういうものをぜひまとめていただけた らと思います。 ○国立病院機構理事長  今の保険者機能で、未収金の問題をある程度補償してほしい。それから、医療は無良性 とか無病性と言いますかね、要するに100%間違いがないということはないわけですね。 ですから、ある程度の医療の補償を保険機構の方でうまく知恵を出してやらないと、病院 の経営はますます苦しくなってくるし、働く医者がどんどん萎縮してきてしまうというこ とで、十分活動できるような医療の補償性みたいなものをぜひこの機会に声を大にして訴 えていきたいと。 ○黒川部会長  そういう問題が出てくる話で、この評価委員会では効率とかそういう話だけしているわ けではなくて、パブリックマネーをどうつけるかという政策に反映するというのも大事だ から、ここだけで言っていてもしょうがないので、ぜひ定期的ではないのだけれどイレギ ュラーだけどコンスタントにそういう情報をどんどん出していかないと、民意が動かない ものね。結局、銀行だって、何十兆ともらっておいて貸しはがしでボロボロなってしまう というのは、体力そのものがなくなってしまうわけなので、その辺にぜひ矢崎先生の見識 で外に向かって言っていただけると、こちらもやりやすくなるしという話かなと思います。  それでは、その次は47ページ、よろしくお願いします。 ○国立病院機構財務部長  47ページ、48ページについて御説明いたします。この部分は、固定負債を含めた財務 活動としてどのように動いているかという点でございます。  今やっているのは、2の1にございますように、病院の機能維持に必要な整備を行いつ つ負債を減少させていく。7471億程度の負債を国から承継したわけでございますが、そ れを1割どのように減らしていくかという、一種相矛盾する取り組みを進めていこうとい うことでございます。  具体的にまず整備の関係でございますが、(2)にございますように医療機器について は投資枠を前年度より拡大し、少なくとも再生産可能な投資枠、整備枠を確保するという 取り組みを進めております。  建物については、先ほど申し上げましたように病棟の全面建て替え等について積極的な 投資決定を行っておりまして、数字としては下の表にございます投資実績ということで、 17年度医療機器、建物合計で決定した額は936億円。実際に前年度分を含めた支払い合 計額で422億円ぐらい、こういう形で動いております。  こういう状況の中でどのように長期の債務を減らしていくか、という取り組みでござい ます。  1点目は、(1)にございますように先ほどから何回か御説明をいたしておりますが、 単価を下げる。国立時代の単価のイメージを業界にも払拭していただいて安くしていこう。 大型案件については約半分程度、中小の案件でも2割、3割は安くしていくという取り組 みを今進めているところでございます。  二つ目のやり方が、(3)にございますように外部の資金に頼るのではなくて、内部の 資金を積極的に活用していこうという取り組みでございます。一つは、内部資金にも病院 自らの自己資金のほかに、黒字病院から本部がお預かりしている預託金という資金、現在 で百数十億円ございますが、それを投資に活用していこう。二つ目に、本部自体が現時点 で持っている資金も貸し付けの原資として使っていこうということで、外部の資金に依存 しない貸し付けを各病院に対して本部から行っているというものです。  3点目は、そうはいっても全部内部資金では当然賄えないわけですから、長期の貸付金 は借りざるを得ない。そうするとそこでできる工夫は、今まで財政投融資資金というのは 建物であれば25年、機械であれば15年と決めてきたわけですが、それをより短い償還条 件にしていこうということで、とりあえず17年度は機械を10年から6年に見直しをして おります。大体こういう形で安定しますと、医療機器でいえば長期の債務の残高が約4割 ぐらい減るというぐらいの効果があるものでございます。同じ額を借りても、早く返して いくことで残高を減らしていくというトライをしております。  18年度からは、建物についても25年のほかに10年といった短い取り組みをし、でき るだけ積極的な投資をしても長期債務が増えない、ないしは減っていくという取り組みを 進めております。この結果、17年度の足元では176億円の長期債務が減ったところでご ざいますし、17年度は9百億ぐらいの投資決定をしておりますが、これも含めて何とか 中期計画中に750億円程度の長期債務が減るという見込みを立てて今、投資活動を行って いるところでございます。  4の機構が承継する債務の償還でございますが、約定どおりお金をお支払いさせていた だき、社会的信用は維持をしているという状況でございます。  48ページの長期以外の1年以内の短期の借入金の限度額というのが実際上はあるわけ でございますが、短期借入金は行わずに全部機構内の資金で何とか間に合わせを行ったと いう点でございます。  重要な資産の譲渡については、減額譲渡ということで再編成のところで話がありました ような広島西医療センターの関係の病院について、法律に基づいて社会福祉法人に減額譲 渡を実施したということでございます。そして剰余金が生じましたので、昨年度の赤字の 繰越欠損金へ充当するということでございます。  以上のような観点で、評定としてはSということでお願いをしているところでございま す。理由としては、必要な整備量をきちっと確保しつつ長期債務を減らす取り組みを行っ ている。ここに書いてある3点でございますが、これについては今年度だけの取り組みで はなくて、18年、19年、さらには10年後に効いてくる取り組みとして実施をしているこ とを我々としては考えているところでございます。それ以外の点については、約定どおり 実施をしてきているということでございます。  以上でございます。 ○黒川部会長  いかがでしょうか。よろしいですか。  何かありましたらまた言っていただくとして、その次にまいりましょう。49ページ、よ ろしくお願いします。 ○国立病院機構企画経営部長  それでは、その他の業務運営に関する事項でございます。  最初に人事に関する計画でございますが、基本方針としてポイントになっておりますの で、それについて御説明したいと思います。  患者QOLの向上のための療養介助職の創設と確保でございます。16年度、療養介助職 を創設したわけでございますが、この方々は、看護師の指示のもと、入浴、食事、排泄な どのボディタッチを主として行うとともに、夜勤にも対応できる職種ということで置いた わけですが、17年度では重心、筋ジス病棟あるいは精神病棟、神経難病病棟といった長期 療養病棟の24病院に143人を配置いたしました。18年はさらに30病院で増員をしまし て、現在、合計216人となっております。  さらに、今年10月からは、筋ジス部分でありますが、障害者自立支援法が施行になり ますので、その基準確保のためにはさらなる充実が必要ということでありまして、10月ま でには62人増員する計画としております。いずれにしても、長期療養患者さんについて は十分な対応が必要と考えておりますので、こういった病棟については積極的に増員を行 っていきたいと考えているところであります。  次に技能職についてでございますが、これは何度もこれまで出ております。離職後の後 補充は行わない。そして非常勤での対応あるいはアウトソーシング化を図るということ。 それから、検査部門あるいは給食部門での全面委託の実施ということであります。  次に人材の確保でありますが、これはブロックの重要な仕事であります院長の選任にあ たっては、適材適所ということで本部で行っておりますとともに、職員の採用ではブロッ ク単位ということでありますので、人事交流も含めて人事調整会議を行って、18年4月 1日、人事異動を行ったということであります。  次に研修であります。人材の確保や能力開発を行うためには、どうしても研修を充実さ せる必要がございます。17年度では、新たに院長、副院長になられた方について、必要な 管理運営に関する知識、あるいは管理運営能力の向上を目指した院長研修会、副院長研修 会を実施をいたしますとともに、特に重要なのは診療報酬について基礎的知識を十分に持 っていただく必要があるということで、病院の職員、これは対象は事務職とかいう限りで なく希望者全員に行ったのですが、診療報酬の研修会などを行っているところであります。  具体的には、機構本部で行います院長研修や診療報酬研修、ブロック単位では医療安全 の対策研修、病院では感染症管理研修などを行っているところであります。  次に、医師の確保であります。国立病院機構の病院の3分の2は旧療養所というのは御 存じのとおりでありますが、特に地域的にも医師の確保がしにくい地域が多うございます。 特に北海道、東北地域の病院については、かなり慢性的な医師不足に陥っている状況にご ざいまして、ブロックレベルの取り組みということでブロック内の中核的な、例えば東北、 北海道であれは仙台医療センターでありますが、こういった病院から医師不足の病院に診 療援助をするための病院間の医師派遣制度というのを用意をいたしました。これによって、 17年度は17の病院から54名の医師がそれぞれ医師不足病院へ派遣されているところで ございます。  また、18年の診療報酬改定では標欠の基準が厳しくなりましたので、そのための医師 の緊急確保対策を講ずる必要が出てまいりました。したがって、18年10月施行になりま すので、9月ごろからは標欠病院になる病院が7病院ございますので、こういった病院に は基幹病院から理事長の要請のもと、医師を一定期間派遣していただくということを制度 的にはつくりあげております。これを円滑にしていくためには、派遣する医師のインセン ティブが必要ではないかということで、派遣手当という手当を用意することにいたしまし た。また、病院のインセンティブをつくるためには、受け入れた病院から派遣をした病院 に対する協力費のようなものの支払いとか、あるいは病院評価や個人の評価での配慮を行 うことにしましたし、本部からも助成金も出して、各病院から人を出しやすい環境づくり に努めることとしております。  50ページは、看護師の確保対策でございます。看護師の確保対策も進めていかなければ ならない重要な課題でございますが、まず看護学生から選ばれなければならないというこ とで、より魅力的なものをつくろう。そこで、一つは新人看護師の教育が十分できるよう に副看護師長ポストを増やすことといたしまして、18年度から458ポスト。これは定員 ではありませんので、いる方について副看護師長になるということでありますが、そのポ ストを458増やしております。また、統一の研修ガイドラインを作成したり、教育担当の 看護師長を設置したりしております。また、実習指導者というのを各病院で用意しないと 看護の実習も十分にできませんので、講習会を国立病院機構で開催していくこととしてお ります。  次に、我々の附属看護学校の卒業生を機構病院への就職率を高めていくことが必要とな ってくるわけでありますが、そのためにカリキュラムの改訂で国立病院機構のやっていま す医療内容についてよく理解をしていただくということで、カリキュラム改訂を予定して おりますのとあわせまして、これはよその学校でもいいわけですが、奨学金を各病院から 出せる仕組みを用意しております。もともと看護師の数も少ないような病院が奨学金をつ くってでも確保したいということになるケースが多いわけですが、そういうところについ ては成績も悪くなっておりますので、そういうところには助成金まで用意する仕組みにし ていこうと考えております。  あわせて、教員も養成していかなければならないということですので、看護教員を安定 的に確保するための教員養成事業を実施していくこととしております。  次に人員に係る指標としては、技能職にして指標として載せられておりまして、17年度 は143人の計画でございましたが211人の削減が可能となりまして、2年間の合計で469 人ということで、純減率が13.1%になったところでございます。  ということで51ページでありますが、一つは、療養介助職を17年度から24病院で103 人の配置、さらに18年度にはより増を図るということで、長期療養患者のQOLの向上 を図る。それから技能職については、何度も出ておりますが、後補充を行わず短時間職員 での対応あるいはアウトソーシング化を図る。業務委託についても、ブランチラボあるい は給食の全面委託を実施をする。あと、人材確保のための研修会を実施するのとあわせま して、医師確保のための病院間の医師派遣制度、あるいはこれは18年度はさらに標欠対 応のための緊急措置もあわせてでありますが、医師派遣の仕組みをつくりあげたことと、 看護師の確保対策としても教育研修体制の充実あるいは奨学金制度の創設、あるいは新人 看護師を対象としたガイドライン作成等の検討を行って実施することといたしましたの で、自己評定としてはAをつけさせていただいております。  以上でございます。 ○黒川部会長  ありがとうございました。いかがでしょうか。 ○大道委員  医師確保対策について確認をさせていただきます。こういう厳しい中で17病院から54 名の医師の派遣というのは、それはそれで評価されるべきとは思うのですが、先ほど来出 ている標欠とおっしゃるのは、医療法上の標準の配置の標欠というよりは、診療報酬との 関連で7割ペナルティのレベルと理解をさせていただきますが、それでよろしいかという 点が一つ。  それから派遣する際に、今ちょっとだけニュアンスとして感じ取ったのですが、医療法 上の配置標準の7割になってしまうと診療報酬が減額されるから、これはいかんというの でこの54人の方が出ているのか、それとも地域の医療のニーズに対応するためにお出し になるのか。経営的な問題からいえば7割切ることはうまくないので、それは派遣するの はある意味では当然かなと思いつつ、そういうことだけでの派遣というのはいかがなもの かという思いもするわけなので、そのあたりの実情を御説明ください。 ○国立病院機構企画経営部長  一つは、7割ルールは診療報酬の関係であります。ただし、54人の方は17年度ですの で、標欠の問題は18年度の問題ですので、54人の方は病院同士の診療科の補い合いをす るという観点で、それぞれが話し合った上でやっておられます。 ○大道委員  7割の前は8割と6割でしたっけ。やはりペナルティはあったでしょう。余りしつこく お尋ねしているのではないのですが、現実にこれだけ経営問題は深刻なわけですから、そ このマイナスにならないように医師派遣するのはある意味では当然かなと思いつつ、お話 し合いで必要だからやり取りだというと少しきれいな話にすぎるかなと思うので、本当の ところをお聞かせいただければいいので。 ○国立病院機構企画経営部長  病院間派遣制度として17年度に実施した17病院54人というのは、診療科同士を補い 合おうということで病院間同士で話し合って出したものであります。18年に緊急プロジェ クトをつくってやるぞ、といってやるのは標欠問題。これはこれからになります。 ○開原副部会長  一つだけ質問なのですが、今、国家公務員の削減の話が出ていたのですが、あれは18 年度でしたっけ。そして、これは17年度は関係ないということでいいのでしたっけ。ち ょっと確認です。 ○国立病院機構企画経営部長  17年度を基準として18年度から取り組むということですので、18年度ということです。 ○黒川部会長  そのほかに、確かに見ていると人事に関するというのはみんながいろいろ大変な時期で、 やる気を出させることはすごく大事だと思うのです。1のいろいろな職種を入れるのはい いのだけれど、現場でやっている人たちが、みんないやいや看護師さんやお医者さんにな っているわけではないので、くたびれていても結構みんな向上心はあると思うのです。だ からこの辺も、研修も上からやるのはいいのだけれど、確かに良質な人材の確保もそうな のだけれど、良質な人材がみんなだめになっていくということが結構多いわけね。  そうすると、医師の確保もそうなのだけれど、医師の場合はわりあいにモビリティがあ るのだけれど、看護師さんも比較的ありますが、看護師対策なども確かにこういうポスト をつくるのはいいのだけど、むしろ中の病棟とか職域を超えたいろいろな自発的な勉強会 みたいなのを週1回とか2回とか、1時間でもいいのだけどしょっちゅう、結構向上心の ある人が多いから、そういうことを自発的にエンカレッジするようなことをやったらどう かなと思うのです。そういうところを褒めるとかみんなに見えるようにしてあげることが 大事で、上からのではなくてコンスタントな勉強会をぜひやるといいのではないかと思う のだけど、そういうのはどうですかね。やると忙しいのだけど、30分でも1時間でもちょ っとやるというのは、全員ではないけれど、やれる人たちがやると。 ○国立病院機構財務部長  おっしゃっていただいたような件は、今、取り組んでいる病院が現にありまして、それ を機構全体に広げたいということで、来月からそれぞれの病院で取り組んでいただいたも のを機構の機関誌に投稿していただいて、それをエンカレッジしていくという仕組みをつ くって動かしていきたいとやっているところでございます。 ○黒川部会長  ここには書いてないよね。 ○国立病院機構財務部長  今年の取り組みなので、来年には書かせていただきます。 ○辻本委員  2点。一つは、看護師さんの帰属意識を醸成していくためのカリキュラム改訂、具体的 にどういうことなのかを御説明いただきたいと思います。  もう1点は今のお話なのですが、先般、西日本のある病院に伺いましたら、院長さんが、 各部門、部門の人たちと1泊研修で、一晩語り明かしているんだよ、と。院長の努力はす ごくすてきなことだなと思いましたが、つぶれなければいいがなという懸念も抱きました。 各病院が本当に現場ですごく頑張っているなということを聞いて、うれしくなりました。 ○国立病院機構医療部長  看護師の養成のカリキュラムは、これまでは基本的には厚生労働省から示されました一 般的な指導要領があったのですが、今ここでガイドラインをつくってやろうとしますのは、 まず機構の病院がどのような成り立ちで発足し、機構の病院といっても146、多種多様で ございますから、急性期型の病院から慢性期型の病院、さまざま多様なものがあって、そ の中にあっても重心であるとか筋ジスであるとかというのは政策医療になっている。そう いう機構全体の理解をまずしていただいて、それをもってできるだけこういった魅力的な 病院であるということを看護師さんの卵に理解していただく。  我々の目標としては、今、養成所の中から機構に来ていただく方は50%台なのですが、 それを70%以上入っていただくことを目標に、帰属意識を高めるというよりは、魅力ある 機構の病院であるということにできるだけ目を見開いていただきたいというか、御理解い ただきたいというのをカリキュラムの中に設けているところでございます。 ○辻本委員  魅力ある、魅力あると余りうそをつかないで、本当に魅力のあるものにしていただきた いと思います。 ○黒川部会長  それは自然に出ることなのだけどね。 ○山田委員  新しく院長並びに副院長になられた先生方、皆さん、下から全部上がってこられるわけ ではなくて、外からこられる方が結構多いのだろうと思うのですが、その研修というのは 非常に大事なことだと思うのですが、何日ぐらいにわたってやられるのでしょうか。1日 だけでしょうか。 ○国立病院機構理事長  2日です。しかし、その前に私ども人事委員会で先行して候補者をお呼びして、大体私 どもで機構の中の方針とかそういうものを説明して納得していただいた上でやっていま す。単なる講習会ではなくて全員に面接してやっていますので。そういう意味では、病院 長がその病院の使命を制するところですので、我々もできるだけいい病院長に来ていただ きたいと思っております。  あと、先ほど病院機構は日本最大の医療グループで、スケールメリットということがた びたび出てくると部会長から言われましたが、もちろん私どもも経済効果を頭に入れてい ますが、私どもは最初に、この病院機構をどういうふうに医療に生かすかということで三 つの点を考えたのです。  一つは、先ほどの我が国の医療の質の向上を図るための臨床研究、臨床試験、治験を推 進する。これは我々が果たさなければならない使命。  2番目はやはり医療の標準化ということでありまして、これには、先ほど述べました医 薬品とか医療機器の整理、そういうのは医療安全に資する医療の標準化ということで、 我々は力を入れているところです。  3番目は、医療政策の受け皿といいますかプラットフォームをつくる。今、医療観察法 関係の病棟がほかではなかなかつくれない。結局、我々が全部受け皿となっているという こと、あるいは日赤と同じように災害医療支援ということを我々は課せられた。  いろいろな医療政策のモデル事業として我々が実施して、その効果を評価するという役 割があるわけです。したがいまして、146の病院の事業が円滑にできて、かつ地域だけで はなくて国の医療のセーフティネットとして機能できるように、我々も頑張っていきたい と思っています。評価委員の皆様にはぜひ温かく、何か問題点があれば十分それに対応で きますので御指摘いただければと思っています。今後ともよろしくお願いします。 ○黒川部会長  そのほかに。 ○大道委員  医師不足はえらく深刻なので、17年度の範囲で結構なのですが、病院間で相互に話し合 って決まってブロック内でどなたかが人事上、承認するとかそういう考え方はあるのでし ょう。もう全く病院間で話し合いがつけば、それで相互派遣できるのですか。 ○国立病院機構理事長  先ほどの標欠の問題は、ただでさえ経営が難しい病院が7割未満で診療報酬10%削減さ れますと、病院そのものが立ち行かなくなって、そこにおられる患者さんにものすごく大 きな被害を与えてしまうため、緊急避難的に本部がやります。 ○大道委員  それは、18年度からそうしましょうというのはよくわかるのです。 ○国立病院機構理事長  そうです、緊急で。そしてそのほかは自主的に、例えば青森県で実施しているのは、弘 前病院というのは比較的大きいのですね。弘前病院の病院長自ら、青森病院とか八戸病院 に外来に支援しているのです。それは我々が行ってくださいとかそういうことではなくて、 そこは皆さん、困っている地域でやっているので、そういうケースがあるとほかの地域で もそういうことをやろうではないかということになってくる。 ○大道委員  決してこれは問題があるとかそういう趣旨ではなくて、私は正直、少なからぬ事例を存 じあげているのですが、今、母体になる病院がもともと医療法上の標準を欠いているにも かかわらず、あるかなり大きい島なのですが、苦しい中を別のところに派遣をしているの ですね。これは自治体名、あるいはちょっとお名前を申し上げるのをはばかりますが、そ ういう事例が複数例出てきているような中で、病院機構が17病院50数人と、数はともか くとして要するに多いわけですよ。そこでさまざまな派遣のときのお約束ごとをどうして いるのかとか、その期間とか、つまり派遣形態とか、ある種の契約があるのかどうか、そ こらあたりをはっきりさせていただくと、ああ、こういう状況があるのかということが他 の医療機関あるいは系列の病院にわかることは少しは大事かなという思いと、それから、 18年度に7割ルールみたいな話があるから当然とは言いながら、先ほどちょっと申し上げ たようなことの考え方で、できるだけ医療の本旨をしっかり踏まえた運用をしていただき たいという思いでお尋ねをしているのです。  少なくともきょうは17年度の評価ですから、先ほど来のお話はよくわかりました。相 互でやっていらっしゃる、と。必ずしもブロックの中でしかるべき役職の方が、いいとか 悪いとか言っている話ではないのです、ということを確認をさせていただければ、それで 結構です。ありがとうございました。 ○黒川部会長  確かに病棟の看護師さんたちの研修も、何も全員出ることはないのだけど、ちょっとし た自分たちの勉強会とか世代を超えてとか、それから全体とか医療法とかいろいろな話を やると、すごく向上心のある人たちが多いから普段から活気が出てくるし、毎日やる必要 はないけれど、週2回ぐらい。そんな話をぜひ来年とは言わずにすぐやろう、と。来年に なったら、それですごく効果があがった、という報告をもらいたいぐらいのものだなとい う気がします。自発的にやることをどうやってエンカレッジして表彰するとかなんかしら ないけど、理事長さんが賞状でもあげるとすごく喜ぶかもしれない、ということも考えて くださいね。 ○国立病院機構理事長  今、実際にそれをうまく答えたのではなくて、もう既に準備して、理事長賞と、理事長 賞というのもおかしいので、最優秀賞と優秀賞で表彰するということでやっていますので。 ○黒川部会長  皆さんのやる気をどうやって出すかというのが大事で、例えば役所などは最近、みんな やる気あるの。官の方、どう。上を見ていたりすると、大体、あんな人なんてやだよ、と いう感じでしょう。そこに問題があるわけよ。そういう話が下から出てきて、下の人がや ることをエンカレッジすることがすごく大事なので、ぜひそんなことでお願いします。ど うしても、別に国立だから悪いわけではないけど、なんとなくそういう意識はなくはない から、ぜひやることをやると、すばらしいモデルになるのではないかと。どう、吉田さん。 役所はみんな元気いっぱいか、若い人たち。 ○政策評価官  政策評価官として、小なりとはいえ政策評価官室という室を抱えておりますので、我が 室員が元気があるように頑張りたいと思います。 ○黒川部会長  評価官室ばかりでなくて、全体としてどうかね。あなたのところは大丈夫だと思うのだ けどね。  そんなことで、書いていただけましたか。  それでは、そのほかに全体として。これだけ大きな船の舵を取っているわけだから、本 当に大変だと思いますけど、私どもはそちらをクリティサイドするわけではなくて、むし ろ戦艦大和ですからね、日本の行く末をどうやって決めようかぐらいの話を考えてやらな くてはいけないのではないかと思いますので、ぜひと思います。  渡辺委員、この間、休んだけど、何かないですか。この間も大分前半やったのですけど。 ○渡辺委員  18年度のことで何なのですが、強烈な診療報酬マイナスといいますか、経営面でもの すごく努力なさって、これは先ほど伺っていて2年間のこれはすさまじいものはあるので すが、あと、あくまでも来年、18年度だけども、4カ月ぐらいたってかなり厳しいなと。 そこであえて言うと、あまりやってしまうと、先ほど黒川先生もおっしゃったけれども、 ただ効率、効率でやってしまうと、またマイナスもありはしないかという気がするという ことが一つ、私は感じましたね。 ○黒川部会長  そのほかに。私どもは決して効率、効率と言うわけではなくて、パブリックのインベス トメントをどのように生かすかということですね。特に医療の場合は企業と違うので、そ の辺をよく書かないと本当にぎすぎすしてしまって、現場が特にひどいと思うので、今ま で楽すぎたところもなきにしもあらずなのだろうけど、ぜひ矢崎先生のような大きなオピ ニオンリーダーがいろいろな発信をするとこちらも応援しますので、よろしくお願いしま す。 ○国立病院機構理事長  医療は患者さんに選ばれないと成り立ちませんので、効率、効率でサービスが悪くなる と、辻本委員が言われるように、ちょっとドクターが疲れて不親切になった、そうすると とたんに響きますので。ですから我々としては、患者さんにまず選ばれる病院にならない と経営改善というのは、景品を出すとか公告を出して患者さんを集めるわけではなくて、 患者さん自身の選択によって我々が成り立つので。ほかにいっぱい病院はありますので、 我々としては基本は患者さんに選ばれる病院になろうというのがモットーです。御懸念の 効率、効率でやっていたら病院機構は崩壊すると思いますので、その点はよく観察してい ただいて、駄目になったらそういうことではないかと思いますね。  機構は地域と国の医療のセーフティネットですので、未収金ということも我々もある程 度覚悟してやっているわけで、取り立ててどうこうということではなくて、ただ、余りに もルーズにしておくと、国立病院機構の病院だから払わなくてもいいのではないかという ことだけは避けるために、ある程度対処する。だけど、それは民間の医療機関みたいにと ことん取り立てるとかそういうつもりは全然ありませんので、我々は146の病院の体力で 難関を乗り切っていくということでやっていますので、その点はよく御理解いただければ ありがたいと思います。 ○黒川部会長  これからの日本の医療をよくするも矢崎先生次第という話かな。よろしくお願いします。  そんなことで、遅くまで申しわけありませんが、事務の方、何かありますか。 ○政策評価官  ありがとうございました。長時間、この時間までありがとうございました。これで国立 病院機構としての2回にわたって個別評価にあたり説明を聞いていただきましたので、こ れから総合評価を起草委員の方々、事務局も汗をかかせていただきますが、まとめていた だき、また、先ほど部会長からもございましたように財務の関係は、本日御欠席の住田委 員にも視ていただいて、それをそれぞれテーブルに載せる形で、次回、8月18日・金曜 日の2時からという時間で、会議室はこれと変わりまして別途御案内申し上げます会議室 を予定いたしております。  今日の会議の冒頭に部会長からもございましたように、事務局としては、今日までの進 行を拝見しておりまして、予備日は使わずに8月18日に全体の評価をいただくというこ とで進めさせていただきたいと思います。この間、起草委員の方々、あるいはほかの委員 の方々も、シートですとか評価ですとか、いろいろまた事務局で連絡を取らせていただき ますので、引き続きよろしくお願い申し上げます。  私からは以上でございます。 ○黒川部会長  よろしいでしょうか。そうすると、起草委員の先生方にはその後。 ○政策評価官  8月18日の前に、前回、今回と御議論いただきましたものを少し整理をさせていただ きながら起草委員の方々に御相談をし、それを踏まえて8月18日。ですので、8月18日 にはもう形にすべく、それまでにすべて準備をしたいと思っております。よろしくお願い いたします。 ○黒川部会長  では、起草委員の方々にはちょっと大変だと思いますが、よろしくお願いします。では、 長時間にわたりましてどうもありがとうございました。 (終了) 照会先: 政策統括官付政策評価官室 政策評価第一係 電 話: 03−5253−1111(内線7784)