06/07/14 第27回独立行政法人評価委員会労働部会議事録 独立行政法人評価委員会労働部会(第27回)             日 時:平成18年7月14日(金)             場 所:厚生労働省専用第21会議室 出席者:井原部会長、篠原部会長代理、今村委員、宇佐美委員、小畑委員、寺山委員、 久道委員、松田委員、宮本委員 ○部会長  それでは定刻になりましたので、ただいまから第27回の独立行政法人評価委員会の労 働部会を開催したいと思います。委員の皆様におかれましては、お忙しい中をお集まり いただきまして、まことにありがとうございます。本日は川端委員、本寺委員が御欠席 でございます。  それでは事務局から本日の議事について簡単に説明をお願いいたします。 ○政策評価官  政策評価官でございます。クールビズで失礼をしておりますが、よろしくお願いいた します。本日の議事の御説明をさせていただく前に、去る6月中旬に雇用・能力開発機 構の施設に、お時間の合う労働部会の委員の皆様方に御視察をいただくことができまし た。本当にお忙しい中ありがとうございました。まず、御報告をさせていただきます。   本日の議事を御説明をさせていただきますが、議事次第をご覧いただきますと、いよ いよ本日から労働部会各法人の平成17年の実績評価を行っていただくということでご ざいます。それに先立ちまして、労働部会における評価の視点の取り扱い等々、若干冒 頭全体の進め方についてお諮りをさせていただいた後、17年度の業務実績について、本 日御評価いただきます労働者健康福祉機構の方から御説明をさせていただき、コメント をいただくという作業に入らせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたし ます。 ○部会長  それでは労働部会におけます評価の視点の取り扱いにつきまして、これを事務局より 説明をお願いいたします。  ○政策評価官  お手元の資料1−1「労働部会における「評価の視点」取り扱いについて(案)」を御 確認いただければと思います。本日の会議に先立ちまして,委員の皆様方にはごらんい ただき、基本的にはこれでという御意見もいただいておりますけれども、本日、まず冒 頭確認をさせていただきたいと存じております。  これから評価をいただきますには、既にこの部会でお決めいただきました「評価の視 点」を一つのフレームに評価をいただくわけでございますが、改めて今年度の評価、他 の労働部会の法人も含めて見ますと、若干の修正が必要な部分がある。一つは共通的な 部分でもございますが、いくつかの法人の「評価の視点」において、それぞれの年度計 画の目標数字を「評価の視点」として置いているものがございました。確かに初年度と して行うにあたって、その時点の目標値というのを置いたのだと思いますが、これから 年度更新をしてまいります。全体にそれぞれの年度の目標値というものをベースに評価 をするということを統一的に扱わせていただけないかというのが一つ目でございます。  二つ目として、本日御評価をいただきます労働者健康福祉機構については、特に単年 度のみ、そこに例として書いてございますが、例えばで申し上げれば、「業績評価委員会 を開催し適切に評価方法の検討が行われた」。何かしたか、しないか、そうすると一回や るとやったということになって、それで終わってしまいますので、「評価の視点」として は例えばですが、こういう形であったか・なかったかではなくて、それがずっと行われ ているかという観点で「評価の視点」の文言をいくつか変えさせていただくということ でございます。   三つ目でございますが、高齢・障害者雇用支援機構につきましては、これは昨年に既 に中期目標、中期計画の御審議をいただいたところでございますが、障害者雇用促進法 の関係で業務が追加になっておりますので、それに相応する「評価の視点」として、既 存にございます他の例にならった形で「評価の視点」の文言を追加させていただいては いかがか。この大きく三点について、まず年度評価をお始めいただく前に部会としてあ る程度お決め、御確認いただければということで提案させていただいております。 ○部会長  ということでこのように評価の視点を取り扱いたいということでございますが、何か 御質問、御意見があれば、よろしくお願いいたします。よろしゅうございますでしょう か。では労働部会におけます評価の視点の取り扱いについては、了承したいと思います。 次に個別評価の進め方について事務局からの説明をお願いいたします。 ○政策評価官  続きまして資料1−2、及び1−3を御確認いただければと思います。昨年度、それ ぞれの法人の年度評価をいただきます際には、全体の評価項目を四つぐらいのグループ に分けて、説明、御質疑、評価シートの記入という形を繰り返す形でやらせていただき ました。すべてがすべてというわけではございませんが、説明にどうしても力が入って 非常に長くなるようなこともございまして、進行上もうちょっと効率的にやれないだろ うかという御意見もあったやに記憶をしております。  そういう意味で今年、まず今日が年度評価のはじめということで、労働者健康福祉機 構でございますので、まずは法人側から重点事項に絞った形で説明を一通り聞いていた だいて、その後、ある程度固まりごとに御質疑をいただきながら評価をしていただくと いうやり方に変えさせていただいてはいかがか。率直に申しまして部会長にも御指示を いただくことだと思いますが、どっちが最終的に効率的になるかというところは、事務 局としては悩ましいところでもございますが、昨年の一連の一つの反省といいましょう か、経緯を踏まえて、今日はそのような形でやらせていただく、あるいは今年度は他の 法人も含めて、まずはそういう形でやらせていただくということで提案をさせていただ き、また時に応じて、あるいは先生方の意見に応じて、進め方についても事務局に変更 を御指示いただいたら対応するということを考えさせていただこうかと思っております。  1−3は起草委員ということで、昨年もそれぞれお忙しい中委員の皆様方に御分担を いただきまして、所管の法人について総論的な意見のところの起草をお願いを申し上げ たところでございます。本年におきましても引き続きというのが私ども事務局の思いで もございますし、また、例えばこの中で労働政策研究・研修機構(JILPT)につき ましては、前から申し上げておりますように、この夏は年度評価に加えて、暫定評価と いうことで、中期目標期間、ワンクールを終わるにあたっての評価という評価事業もも う一つございますけれども、それにつきましても御担当いただいております井原委員及 び川端委員にあわせて起草のお願いをできないだろうかということを考えております。 よろしくお願い申し上げます。  ○部会長  はい、今事務局からの御提案がありましたような形で今年度は進めていきたいと思い ます。これより実際の評価に移りたいと思いますが、まず最初に事務局から参考資料に つきましての説明をお願いしたいと思います。 ○政策評価官  説明が重なって恐縮でございますが、机の上に参考資料がございます。労福機構の御 説明に入らせていただく前に、私の方から御報告を申し上げたいと思います。  参考資料1ですが、今年の3月末に、それぞれ法人においてCIO及びCIO補佐官 を置く、それに基づいて18年度−今年度からですが−大きなシステムを持った法人にお いては業務・システムの最適化を図るということを中期目標、中期計画に盛り込むべき 御審議を賜ったところでございます。それに基づきまして6月末現在でそれぞれの法人 にCIO及びCIO補佐官が設置されている状況について1枚紙にいたしましたので、 御参照いただければと思います。  これに基づいて、大きなシステムを持っているところにつきましては、18年度から具 体的な最適化の取り組みが始まりますので、この結果につきましては18年度の実績とい う形で、また来年の夏に18年度実績評価の中でお取り上げいただければと思います。  二つ目、参考資料の2でございます。独立行政法人にかかる随意契約の適正化という ことでございます。この間、いくつかの報道等をご覧いただいたところもあるかと思い ますが、国及び法人における随意契約の問題について、各方面からさまざまな御指摘を いただいたところでございます。  参考資料2に書かせていただいておりますが、独立行政法人におきましても、その随 意契約については国が行います随意契約の見直しに合わせまして、具体的には二つの項 目、「一般競争入札を原則として随意契約は真にやむを得ないものに限る。」あるいは「法 人出身者が役員等として再就職している公益法人等との間の随意契約については、厳正 かつ積極的に見直す」という方針でお取り組みいただいているところでございます。  参考にもございますように、厚生労働省としましては今年の6月に随意契約見直し計 画というものを策定しましたけれども、このような国の計画に準じてそれぞれの法人で もお取り組みいただくよう、既に省として各法人にお願いをしているところでございま す。具体的には四つの項目、大きく言えば前二つでございますが、法人が行います随意 契約の基準を明確にしてホームページ上に公表していただく。あるいは真にやむを得な いということで、随意契約を行った場合には、その内容をホームページで公表していた だく、この二つをお願いしているところであり、特に後者につきましては、少額随契と いう言い方をしますけれども、少額なものについてはどの範囲でやるかとか、あるいは 公表する随意契約の範囲についてどのようにお決めいただくかというあたりについても 国に準じてという形でお願いをしている。こういう形で政府全体が取り組んでいる中で、 それぞれの独立行政法人もお取り組みいただくということでございます。  参考資料2の2枚目以降は、この間、各方面からこの問題についてありました指摘等 をまとめた資料ということで後ほど御参照いただければと思います。これは総じてすべ ての法人に18年度から今取り組んでいただいているところでございますが、本日17年 度の実績について御評価をいただきます労働者健康福祉機構につきましては、17年度、 随意契約の金額で申し上げれば、これは500万以上というもので集計しておりますが、 603億円余りということでございまして、総契約金額に占める割合としては67.8%にな っているということでございます。  お手元の参考資料3でございます。昨年も議論がございましたが、それぞれの法人の 役職員の報酬及び給与の水準ということでございまして、参考資料3は今日御評価をい ただきます労働者健康福祉機構についての直近の数字ということでございます。この資 料、後ろから2枚目でございますが、いわゆる職員の方々と国家公務員及び他の独立行 政法人との給与水準の比較指標ということで、事務・技術職員あるいは病院医師、病院 看護師についてそれぞれ比較指標が載せられております。御参照いただければと思いま す。  なお、お手元に、厚生労働省独立行政法人評価委員会平成16年度の実績に係る個別的 評価という形で、当労働部会の法人に限らず、厚生労働省所管の全法人の昨年度の評価 結果について一覧を用意させていただいております。昨年来評価にあたりまして、この 労働部会の上にあります総会においても、それぞれの部会間である程度情報共有ができ るような工夫をすべしというふうに事務局は御指示をいただいております。もとよりそ れぞれの法人の状況ですとか業務に応じて、それぞれ評価をいただいていると思います が、参考ということでお手元に置かせていただきました。私の方から冒頭以上でござい ます。よろしくお願いいたします。 ○部会長  この参考資料の説明はよろしゅうございましょうか。それでは個別の評価に入りたい と思います。それではまず労働者健康福祉機構の伊藤理事長からの御挨拶をいただきま して、引き続きまして平成17年度の法人業務についての労働者健康福祉機構より約1時 間30分で説明をお願いしたいと思います。ぜひその時間の範囲内でお願いしたいと思い ます。それでは伊藤理事長、お願いいたします。 ○労福機構理事長  労働者健康福祉機構の理事長を務めております伊藤でございます。よろしくお願い申 し上げます。私ども、労働者健康福祉機構も独立行政法人に移行しまして2年余を経過 いたしました。この間、課せられた使命をできるだけ高い水準で果たすべく、さまざま な工夫をこらしますと同時に、そうした任務を支えていくための効率的で足腰の強い体 制をつくろうではないかということで、まげてそうした体制づくりに取り組んでまいり ました。  私ども13,000人余の職員がおりますけれども、こうした諸君に対しましても、たびた びのメッセージと対話の機会をできるだけ持ちまして意識改革を呼びかけてまいりまし た。着実にその成果は上がりつつあると理解しておりますけれども、後ほど詳細につい てお聞きいただければと存じております。  ただ、私どもの事業の大きな部分が医療という、大変難しく、また目下いろんな課題 を抱えている分野、そうしたものを担っておりますだけに、まだ道半ばという点も多々 あろうかと存じております。私の方から17年度までの業績の一端をかいつまんで申し上 げて、いろいろ委員の皆様からの御教示を賜ればと思っております。  私の説明の数字的な裏づけは資料の2−2の労働者健康福祉機構の17年度の業績の 総括という資料に入ってございますが、これは後ほどの説明とも重複いたしますし、時 間の関係がございますので、私の方からはこれを離れてポイントだけを申し上げさせて いただきたいと存じます。   まず労災病院の運営につきまして申し上げたいと存じます。労災病院、これはもとも と勤労者医療の理念と、それに基づきます医学的な知見等々を発信していく基地でなけ ればならないわけでございますが、そうした任務をこなすためにも、まず土台として、 良質で安全な医療を提供できるだけの体制をしっかりと持たなければなりません。また、 経営基盤もしっかりと持たなければならないというふうに考えております。   そうした観点から、まず私ども急性期を担う医療機関として、それにふさわしい診療、 看護体制を確立する、また大規模災害を含みます救急医療、これを充実させていく、そ ういうことに意を尽くしてまいりました。また、そうしたことのための一環でございま すが、高度医療機器、それから電子カルテを含みます病院のシステムの整備につきまし ても、17年度は80億円余を投入いたしておりますけれども,計画的に推進を図ってき ているところでございます。  また労災病院の役割からして当然のことでございますが、労災指定医療機関、これら を含みます地域の医療機関との連携、これにも意を尽くしてまいりました。そしてまた そうした医療機関を支援していく、こういうことにも務めてまいりました。こうした連 携活動を通じまして、各地の労災病院、それぞれの地域で勤労者医療の中核的役割を果 たす病院である、こうしたポジションが固まってきているというふうに考えております。  その具体的な表れの一つが、今般急速に社会問題化いたしましたアスベスト問題であ ろうというふうに思っております。労災病院のネットワークの中では、営々とこうした アスベスト関連疾患についての人材と多くの知見を集積してまいりました。そして今般 それを活用いたしまして、直ちに各病院がアスベスト疾患センターを立ち上げまして、 多くの相談、健診をこなしますと同時に、関連医療機関に対しての支援を行いまして、 そういう意味で大きな貢献ができたのではないかというふうに考えております。  一方、こうした医療の内容の充実と合わせまして、経営基盤の確立、こうしたものを 支えるだけの経営基盤の確立にも大変努力してまいりました。17年度は2.5%という医 師を除きます全職員についての給与削減、これに踏み切りましたけれども、同時に医療 材料あるいは薬品についての共同購入、こうした取り組みも開始いたしまして、徐々に その成果を上げてきているところでございます。  また、この関連では、昨年度この委員会から御指摘をいただいておりました各病院の 業績を給与に反映させていく仕組みを持つべきである、こういう御指摘をいただいてお りました。その点につきましても、各病院の院長を始め職員の理解を得まして、施設業 績を賞与に反映させていくという、こういう形で導入を決定したところでございます。  こうしたことを通じまして、結果といたしまして、独立行政法人の移行前、平成15 年度は損益上の決算が191億円、私ども労災病院全体でございましたけれども、その後 17年度にはこれを73億円と、16、17の2年度で約118億円もの圧縮を果たすことがで きました。ある程度そうした収支相償というものに向けて堅実な歩みをしている段階で はないかというふうに考えております。  ただ、この点に関連いたしまして、委員の皆様方の御理解をぜひ得たいという問題が ございます。それは今年度実施されました3.16%という過去最大の診療報酬のマイナス 改定でございます。御案内のとおり、労災病院の診療活動はすべての診療報酬によって 成り立っておるわけでございます。それだけに影響は大変大きいものがございまして、 これからその影響の具合は精査してまいるわけでございますが、単純な計算をいたしま すと、18年度78億円の収入減と、こういうことになるわけでございます。これまでの 順調な歩みに少なからぬ影響が出ることは避けられない状況であろうというふうに思っ ております。  今、地方におけます医師不足の深刻化、また看護師さんについても大変需給関係が逼 迫している状況がございます。そうした中で重ねての給与削減、こうした点については 大変厳しい状況がございますけれども、可能な限りの努力をさらに講じまして、中期目 標で課せられております損益均衡、収支相償を目指していかなければならないと思って おります。  そうした努力を通じまして、最終年度である20年度には少なくとも近い将来に損益均 衡、収支相償が確実に展望できる、そうしたところまでの経営改善を果たしていかなけ ればならない、そういう思いで努力を続けたいと思っておりますが、何卒こうした厳し い環境にあるという点もあわせて御理解をいただければというふうに存じております。  労災病院は以上にいたしまして、次に産業保健推進センターについて一言申し上げた いと存じます。産業保健推進センターにつきましては、働く方々のメンタル面を含めま して、その健康への関心が非常に高まっておる状況がございます。そうした状況の中で 産業保健推進センターの活動実績も順調に推移してきておりまして、既にこの16、17 年度の2年間で中期目標に示された目標数値の5割以上を達成しているという、こうい う状況でございます。  今後はこうした目標数値との関係での数だけでなくて、産業保健推進センターが行っ ております産業医の方、あるいは企業の方への支援策が企業の中で具体的にどう生かさ れているか、またそれが働く方々の健康の確保にどのように結びついているか、そうい う点を具体的にフォローしながら質、量、両面からの施策の充実を目指していきたいと いうふうに考えております。  それからリハビリテーション作業所について一言申し上げさせていただきます。この 脊髄損傷者などの重度の労災被災者のためのリハビリテーション作業所につきましては、 この委員会から昨年度抜本的にそのあり方を見直すべき段階に来ているのではないかと いう御指摘を頂戴していたところでございます。私ども早速障害者問題の専門家などで 構成します有識者会議を設けまして、鋭意検討を進めてきたところでございます。  その結果等も受けまして、障害者の社会復帰にかかわります私ども以外の関係機関、 そういうところと連携を大いにこれからも強めていく、障害者自立支援法等の精神を踏 まえながら、そうした連携を図っていくと同時に、一方、この作業所の再編統合という 抜本的な対策も合わせて講じていこうではないかということで踏み出しをいたしました。 まずは現在8つの作業所がございますが、そのうち2カ所について、これを廃止して再 編していく、こういうことを決定したところでございます。  最後になりますが、労災病院の再編整理について進捗状況を御報告いたしたいと存じ ます。この中期目標の中でも示されている課題でございますが、この17年度には珪肺労 災病院と大牟田労災病院の二つの病院について、その廃止が求められていたところでご ざいます。地元におきましては廃止反対というふうなことも含めまして、政治問題化し ている大変厳しい状況もございましたけれども、地域関係者との緊密な連携の結果、2 病院とも大学あるいは民間医療機関への移譲が決定いたしまして、去る3月31日をもっ て労災病院としての役割を終えたところでございます。  懸念されておりました入院患者の引き継ぎなどの問題、それから私ども大変心にひっ かかっておった問題でございますが、職員の雇用、こうした問題につきましても、問題 を発生させることなく対応ができました。こういう点につきましてもあわせて御報告を 申し上げさせていただきたいと思います。  私の方からはかいつまんで以上だけ申し上げまして、総務部長からの詳しい説明に委 ねたいと思いますので、よろしく御指導をいただきたいと存じます。 ○部会長  どうもありがとうございました。それでは引き続き総務部長さんどうぞ。 ○労福機構総務部長   機構で総務部長をしております小鹿と申します。それでは私の方から各評価シートに そって御説明を申し上げたいと思います。まず、評価シートの1番目ですが、こちらの 方は本部の施設に対する指導体制の強化でありますとか、新人事・給与制度などのマネ ジメント機能の強化、そして一般管理費の節減等の取り組み、こうしたものを主な内容 といたしております。  本日提出させていただいております資料2−4、こちらが説明資料になります。評価 シートの1に関わる部分は1〜5ページにかけてでございます。また評価シートの方で すが、これは資料ナンバーの2−3、A3版の一番大きなものでございます。こちらの 5ページのところに17年度の業務実績の総括、これは四角の枠内で囲みましてイメージ をしておりますとともに、それを踏まえての自己評定を記載させていただいております。 それでは評価シートの1につきまして、説明資料にそって御説明を申し上げたいと思い ます。  まず説明資料の1ページ目です。経営方針の職員への浸透でございます。昨年の評価 委員会の指摘事項への具体的な取り組みを初めとして、職員1人1人に理事長メッセー ジを発信しました。また、各技師会総会に役員を派遣いたしまして、職域代表者に直接 機構の基本的な運営方針を説明したところでございます。  2番目の枠でございます。施設に対する運営支援・経営指導体制の強化でございます。 16年度に引き続きまして理事会、そして経営改善推進会議、これを精力的に開催いたし まして、施設運営の基本方針を定め、施設に対する指導を行ったところでございます。 こうした指導体制をさらに強化するため、17年度は組織改革を断行したところでござい ます。本部に部レベルの経営企画室を設置し、各病院に経営企画課を配置したところで ございます。こうした執行機関を軸にいたしまして、優秀な医師、優秀な看護師の確保 のための制度であるとか、指針を策定し、施設に対しまして具体的な取り組みを指示し たところでございます。  また組織の活性化、能力開発の一環といたしまして、労災病院グループの中での人事 交流を積極的に進めるための枠組みを設け、その取り組みに踏み出したところでござい ます。また、アスベスト問題につきましても、23の労災病院をアスベスト疾患センター に指定いたしまして、迅速な取り組みを行ったところでございます。  3番目といたしまして、内部業績評価制度、これを17年度は全面的に実施をいたしま した。それにあわせまして管理職に対する目標管理制度として、個人別役割確認制度、 これの導入を決定したところでございます。  次は2ページですが、個々の労災病院に対します具体的な経営指導でございます。網 かけの部分が17年度重点的に取り組みを行ったところでございますが、下の方に計画達 成危惧病院の指定というのがございます。16年度は経営改善病院という制度を設けまし て、具体的な個々の指導を行ってきたわけでございますが、これに加えまして経営改善 病院に指定される前の予防措置といたしまして、あらかじめ本部との間で計画をつくっ た、その計画の達成が危惧される病院を新たに指定するという制度でございます。これ に基づきまして、個々の病院の経営指導の一層の強化を17年度は行ったところでござい ます。  次は3ページです。新しい人事・給与制度の導入でございます。先ほど、理事長の方 からも説明がありましたとおり、昨年の当評価委員会の御指摘を踏まえまして、施設別 の勤務実績の給与への反映というのを行いました。具体的には病院ごとに医療事業収支 率というのをはじき出しまして、それに応じて1.2から0.8にわたる係数を設定し、こ れに勤勉手当の支給月数を乗じまして、賞与を上下させる仕組みでございます。なお、 この医療事業費の中には減価償却費は含まれておりません。  次に給与構造の見直しでございますが、そこにございますとおり、医師を除く職員、 俸給を2.5%カットしております。また管理職手当の定額化を図ることによりまして、 年功的な給与制度の見直しを行ったところでございます。また、管理職に対しまして、 目標管理制度として、個人別に目標の達成状況をフォローする制度として個人別役割制 度の導入を決定したところでございます。  次は4ページでございます。一般管理費、事業費の効率化でございます。一般管理費 は5年間で15%削減、事業費は5年間で5%削減でございます。この実現に向けて取り 組みを行いまして、一般管理費については17年度は3.4%節減、事業費については2.2% の節減ということでございます。したがいまして一般管理費は16、17の両年度で5年間 の目標の46%を既に達成いたしております。また、事業費につきましては5年間の目標 を既に達成済でございまして、達成率124%という数字になっております。  次は5ページでございます。医療リハビリテーションセンター、総合せき損センター、 いわゆる難病といわれる患者さんを収容している施設でございまして、この両センター につきましては国からの運営費交付金を唯一例外として交付している施設でございます。 中期目標におきましては、この運営の費用に占める交付金の割合を5年間で5ポイント 低下させるということでございます。前年度同様さらなる節減に努めた結果、17年度0.2 ポイント低下いたしまして、両年度での目標達成率が70%ということになっております。  説明資料は以上でございまして、評価シートを見ていただければ幸いでございます。 5ページです。今申しましたとおり,経費節減につきましては中期計画を上回る実績を 確保している。また、理事会、経営改善推進会議等精力的に開催いたしまして、各種経 営上必要な制度等を策定し,施設が取り組むべき方針を示し指導を行ったこと。また、 施設別の業務実績を反映した給与制度等を導入し、人件費適正化の観点から2.5%の給 与カットを断行したところでございます。こうしたことから中期計画を上回る取り組み をしたというふうに私ども思慮をいたしておりまして、自己評定としてはAという評価 を出させていただいております。  次に評価シートの2番目でございます。労災病院の再編成でございます。こちらの方 は説明資料の6ページから7ページでございます。また、評価シートの方は9ページに 17年度の業務実績というのを、総括と自己評定を記載いたしております。それでは説明 資料の6ページでございます。  17年度廃止予定病院でございましたのは栃木県にある珪肺労災病院と福岡県にある 大牟田労災病院でございました。本年の4月1日をもちまして、珪肺労災は獨協医科大 学、そして大牟田労災は財団法人福岡県社会保険医療協会へ移譲を行ったところでござ います。地元との話し合い、情報交換を精力的に進めまして、受診患者の診療の確保と いうところにございますとおり、珪肺労災につきましては塵肺患者、大牟田労災病院に つきましては福岡県の炭鉱爆発に伴いますCO中毒患者、こうした患者につきまして新 病院への診療継続を確保したところでございます。  また職員の雇用確保につきましては、移譲先の新病院も含めまして、すべての職員に 適切な雇用先を確保したところでございます。また、当該地域における医療の確保とい たしましては、それぞれの労災病院の医療機能を継続していくとともに、さらに地域の ニーズを踏まえて将来的に診療機能を充実していくといったことについても確認をいた したところでございます。なお、譲渡価格につきましては、市場価格を踏まえまして、 鑑定評価を適切に行い、適正な価格で譲渡をしたところでございます。  次は説明資料の7ページです。18年度以降の廃止予定病院でございます。それぞれ地 元の県、市町村の間で精力的に円滑な移譲に向けて話し合いを行っているところでござ います。現時点においては計画どおりの統廃合がなされる見込みというふうに考えてお ります。また、休養所関係でございますが,群馬県の水上荘をはじめ、3施設が計画ど おり廃止をいたしまして、当機構はこれをもって休養施設は皆無ということになるわけ でございます。  評価シートの9ページに総括的なとりまとめを行っております。今申しましたとおり、 17年度に廃止移譲すべき施設はすべて計画どおり実施をいたしました。その過程におき まして、特に労災病院におきましては、県、地元市町村、医師会との話し合いを精力的 に進め、塵肺、CO中毒患者の療養の確保だとか、あるいは職員の適切な雇用の確保、 これが円滑に図られ、私ども極めてスムーズに廃止上の業務ができたというふうに考え ております。したがいまして自己評定は計画を大幅に上回る実績を残したというふうに 思慮いたしまして、Sという評価を出させていただいております。  次に評価シートの3番目でございます。こちらは説明資料の8ページです。また評価 シートの方は13ページに業務実績の総括と自己評定を掲げさせていただいております。 このバランススコアカードを用いた内部業績評価の実施、そしてそれによります具体的 な業務改善効果でございます。17年度はこのバランススコアカードにより業績評価を全 面的に導入いたしました。左にございますとおり、plan・Do・check・actionという循 環的なシステムを用いまして、業務運営を行ったところでございます。  また昨年の11月に自己評価、管理者評価からなる上半期評価を実施し、合わせて外部 の有識者からなる評価委員会からも評価をいただいたところでございます。こうした組 織一丸となった取り組みの結果、具体的な業務改善効果が得られております。真ん中の ところに例示といたしまして、労災病院事業にかかわるバランススコアカードを出させ ていただいておりますが、財務の視点のところにございますとおり、先ほど理事長が申 しましたとおり、17年度は前年度に比べて55億円の損益が改善した、また利用者の視 点から患者満足度でございますが、こちらの方も満足な医療が受けられたとの評価が中 期目標では70%以上というところを、実績として78.9%の評価が得られたといったよう なこと等々、それぞれの視点から具体的な改善効果が得られたというふうに考えており ます。また、このバランススコアカードの確実な達成、定着に向けまして、先ほど申し ました個人別役割確認制度をあわせて、導入決定をしたところでございます。  評価シートの13ページのところの総括でございますが、以上のように中期計画を上回 る取り組み、そして実績が残すことができたというふうに思慮いたしまして、自己評定 としてAを記載させていただいております。  次に評価シートの4番目です。こちらの方は説明資料の9〜14ページです。評価シー トは18ページ、こちらに業務実績の総括を掲げさせていただいております。評価シート の4番目は労災疾病12分野、現在は13分野でございますが、これに係る研究開発、そ してその成果の普及状況でございます。昨年御審議いただきましたとおり、16年度は研 究開発計画を策定いたしました。17年度はその計画に沿いまして、精力的に臨床事例を 集積するとともに、評価分析を行い研究成果のとりまとめを行ったところでございます。  その結果、粉じん等呼吸器疾患分野をはじめといたしまして、すべての分野で特筆に 値します具体的な研究実績のとりまとめが行われております。また関係する学会に報告 をされ、高い評価を得ているところでございます。こうした研究実績、成果をインター ネット、あるいは書籍の類で医学的知見としてとりまとめ、普及を行ったところでござ います。具体的な成果、実績は赤字のところに記させていただいております。説明資料 の9ページでございますが、主要な分野につきまして、その研究成果につきまして御説 明を申し上げたいと思います。  まずアスベスト関連疾患でございます。こちらは我が国におきまして中皮腫、そして 石綿曝露との関係、あるいは中皮腫になった患者さんの早期診断、適切な治療法の確立、 こうしたことを目的といたしまして、研究開発を進めてきたところでございます。この 結果、三つの医学的知見を17年度にとりまとめることができました。  まず、中皮腫は石綿曝露との間で相当因果関係があること、そして治療法としては早 期診断に基づく外科的な切除が最良の方法であること、そして三つ目が石綿の曝露とし て胸膜プラーク、そして石綿小体の存在が極めて重要であるといった三つの医学的知見 が成果として得られたところでございます。  こうした成果をもとに、アスベストにつきまして的確な診断ができる医療機関が少な いという現状にかんがみ、この研究に携わった研究者が中心となりまして、これまでの 研究成果を取り入れて、アスベスト関連疾患日常診療ガイドというのを作成し、世に普 及活動を行ったところでございます。このブルーの冊子の中に、アスベスト診療ガイド ブックとしてお出しさせていただいておりますので、後ほどご覧いただければと思って おります。なお、この発行部数が1万部にのぼりまして、医学書としては極めて異例な 発行部数になっているということでございます。また、アスベストにつきましては、ア スベスト疾患センターを23の労災病院に設置をいたしまして、相談、健診、診療活動を 推進したところでございます。  次の職場のメンタルヘルス関係でございます。メンタルヘルス分野につきまして、イ ンターネットを媒体といたしまして、労働者個々人に対しましてメンタルヘルスのチェ ックを行う、そして指導コメントを提供する、こうした個人向けのシステムを開発いた しました。あわせて事業所の了解のもと、事業所の職場環境、あるいは人間関係、労働 時間等の改善等のメンタルヘルス不全等に起因するような要因を抽出して、それを事業 主側にアドバイスとして提供するシステムとして、事業所向けのシステムを開発したと ころでございます。  次に産業中毒分野でございます。説明資料の10ページでございます。産業中毒につき ましては、毎年毎年非常に多数にのぼる新しい新規化学物質が出てきているところでご ざいますが、これにつきましては17年度800にのぼる新規の有害化学物質の情報検索の ためのデータベースを構築いたしました。また、建設現場において曝露の可能性がある 化学物質でありますとか、電子工業界で最近使用が増加している物質の2物質につきま して、その分析方法を開発したところでございます。  また振動障害の分野でございますが、業務上外の認定にあたりまして、客観的な診断 法の確立が求められておったわけでございますが、今般の研究成果によりまして、FS BP%測定法、これは局所、指を冷却することによりまして、その指の脈の血圧、これ を測定して振動障害かどうかを判断する測定法でございますが、これが有効であるとい うことが立証されまして、今まで自覚症状に基づく診断を行っていたところ、客観的な 診断方法が確立されたというところでございます。この研究成果につきましては、厚生 労働省の研究会においても取り上げられまして、今後このFSBP%測定法を精密検査 として採用する旨、報告書において盛り込まれたところでございます。  次は11ページ、職業性の皮膚疾患分野についての研究成果でございます。こちらの方 はかねてから理美容業界、床屋さん、あるいは美容師の業界の方から要望があったとこ ろでございますが、トリートメント、シャンプー等に含まれる物質において、理美容師 がアレルギーを起こすといった、皮膚疾患を起こすといったケースがあるということで、 私どもパッチテストを繰り返し行った結果、有害な化粧品の特定ができたということで ございます。  以上、その他にもこれらに類似しまして、具体的な研究成果や実績が出されておると ころでございまして、日本がん学会や日本職業・災害医学会等々、専門的な学会におき ましてもそれぞれ報告なり論文の発表が行われたところでございます。  評価シートの18ページですが、このように2年目にいたしましてすべての分野で具体 的な研究成果のとりまとめが行われ、あわせてその成果の普及や活用等もなされている というふうに思慮いたしまして、中期計画を大幅に上回る実績を上げているというふう に考えまして、自己評定をSというふうにさせていただいております。  次に評価シートの5番目です。説明資料の15〜17ページにかけてです。また、評価シ ートの方は22ページに業務実績の総括を掲げております。5番目の評価シートは勤労者 に対する過労死予防等の推進の取り組みでございます。こちらの方は勤労者予防医療セ ンターにおきまして、過労死の予防、メンタルヘルス不全予防、そして勤労女性の健康 管理、この3分野につきまして労働者に対しまして保健指導、メンタルヘルス相談、栄 養指導等を実施しております。また、事業主の方々にも求めに応じまして、各種指導を 展開しているところでございます。  説明資料の15ページのところにございますとおり、17年度はこの3分野すべてにつ きまして16年度の実績を大幅に上回る実績をあげております。16、17の2年間で中期 目標の5割から8割を達成いたしております。また、満足度につきましても16年度を 8.9ポイント上回る90.6%の利用者の方々から満足であるといった回答を得ているとこ ろでございます。  私ども機構といたしまして、こうした実績が大幅に上がっていることの背景を考えた ところでございます。それが説明資料の16ページのところに記載してありますが、行っ ている指導だとか相談の質の向上でありますとか、あるいは利便性の向上に取り組んだ 結果ではないかというふうに推察をしているところでございます。   まず、指導・相談の質の向上でございますが、アンダーラインのところにございます とおり、158の学会へ参加し、また124の文献等によりまして予防医療に関する最新情 報を入手したところでございます。また過労死予防対策につきましては、17年度食生活 に着目いたしまして、3種類のリーフレットを新規に作成したところでございます。こ れを171,000部配布いたしまして、予防医療センターの利用者、あるいは出張講習の際 に配布を行ったところでございます。  このリーフレットですが、非常に使用希望が多数にのぼりまして、予定していた部数 を上回るニーズがございましたので、下線部を引いたところにございますとおり、この リーフレットを機構のホームページ上にファイル形式で掲載をいたしまして、ダウンロ ードによって印刷可能としたところでございます。また、昨年御説明させていただきま した働く人々の生活習慣病予防ノート、これも最近の医学的知見を踏まえて改訂バージ ョンを出しました。17年度24,750冊作成し配布をしたところでございます。  また右上の方ですが、メンタルヘルス不全予防ですが、メンタルヘルスの相談記録を 電子化いたしまして、管理するシステムを構築し、現在試験的に相談の際に活用してい るところでございます。また、勤労女性の健康管理につきましては、昨年そして今年の 2月、女性医療フォーラムを当機構主催で開催いたしました。そこに参加していただい た機構外の医師、産業医、産業保健師の方々等々との意見交換を行いまして、最新の情 報を収集し、指導相談に活用したところでございます。  また、利便性の向上ですが、16年度同様勤労者に利用しやすい時間帯での指導相談を 実施いたしました。その結果、8,799回の開催を得たところでございます。参加人員に つきましては22,238名ということで、前年度比144%増という極めて膨大な数の参加を 得たところでございます。また、企業の要望に応じた出張講習等も実施しております。 また時間がとれない勤労者に対しまして郵便によります栄養指導を実施したところでご ざいます。  次に説明資料の17ページですが、これは昨年の当評価委員会からの御指摘事項でござ います。これら勤労者予防医療センターの活動につきまして、地域のニーズを把握する 必要があるのではないか、また勤労者の健康確保にどの程度寄与しているのか、それを 検証すべしという御指摘をいただいたところでございます。それぞれ地域のニーズにつ きましては、全国レベルでの新しいニーズ調査の設計を17年度に終え、18年度早期に これを実施することといたしております。また、健康確保の寄与度につきましては、メ タボリック症候群につきましては9つのセンターの共同調査研究にかかる研究開発、研 究計画書を17年度策定いたしまして、これまた18年度の早期に調査を実施する予定で ございます。なるべく早期にとりまとめ来年報告をしたいというふうに考えております。  評価シートの方ですが、22ページのところに掲げておりますが、今申しました予防医 療センターの活動、数値目標は目標を大幅に上回る実績を残している、また、昨年当評 価委員会から御指摘いただいた調査研究についても迅速に対応をしているのではないか というふうに思慮いたしまして、自己評定をSということで出させていただいておりま す。  次に6番目の評価シートです。こちらは説明資料は18ページです。評価シートの方は 25ページに業務実績の総括を枠の中で示させていただいております。労災病院、地域の 医療機関との連携を強化いたしまして、地域支援を積極的に推進しているところでござ いますが、中期目標では地域の医療機関からの紹介患者を積極的に受け入れる、また地 域医療機関のドクターを対象とした症例検討会、講習会の開催、また、高度の医療機器 を用いた受託検査を積極的に行うことといったことを踏まえて、具体的な数値目標が課 されております。  紹介率、そして症例検討会、講習会の参加人数、そして受託検査件数でございます。 これら積極的に取り組みを行った結果、2年目におきまして中期計画をほぼ達成いたし ております。紹介率につきましては40%以上の目標のところを42.3%ということでござ います。また、症例検討会等のドクターの参加人数でございますが、17年度は18,681 名ということで、これは中期目標を既に達成をいたしております。受託検査については 83.7%の達成ということになっております。こうした数字を得まして、実際ドクターの 方々の満足度調査を実施したところでございます。77%のドクターから満足だといった 御回答を得ております。  評価シートは25ページですが、こうした計画を上回る実績を残したこと、そしてドク ターの方々からも満足であるという旨の高い回答が得られたこと、こうしたことを勘案 いたしまして自己評定をAとさせていただいております。  次に7番目の評価シートです。こちらの方は説明資料が19〜29ページ、そして評価シ ートの方は33ページに業務実績の総括を四角の枠の中で書いております。労災病院で提 供しております高度専門的医療の取り組みでございます。まずは説明資料の19ページで ございますが、私ども労災病院で提供しております良質で安全な医療、そして高度専門 的医療、この提供に向けた取り組みを七つの柱に向けて目次的に整理をしたものが19 ページでございます。それぞれの柱にそって以下説明資料を20ページ以降御説明を申し 上げたいと思います。  まず説明資料の20ページですが、労災病院が目指す医療の方向でございます。急性期 型を指向する労災病院としてふさわしい体制を構築するとの観点から、平均在院日数の 短縮、看護体制の充実、そして大規模災害への対応ということで救急医療体制の強化、 こうした対応を適切に実施いたしまして、結果的にこれらに関する施設基準の取得に向 けての取り組みか行われたところでございます。平均在院日数につきましては、平成17 年度の実績で17.5日ということでございます。16年度に比べて1.1日短縮をし、急性 期化の方向が進んでおるところでございます。  また、看護体制の充実につきましても、看護体制の取得基準の取得状況でございます が、一般病棟入院基本料、10対1の施設数が17年度は15施設であったものが、18年度 は27施設ということで、大幅に拡大をいたしております。こうした取り組みの中で救急 救命医療への対応でございますが、救急搬送患者数を積極的に受け入れを行ったところ でございます。17年度は67,000弱に及ぶ救急患者の搬送受け入れをしたところでござ います。  この結果、16、17の2年間で131,000余の搬送患者数の受け入れとなりまして、中期 計画の43.7%を達成しております。また、勤労者医療の中核、そして地域医療の中核と しての体制を構築するために、地域医療連携パスの策定、紹介率の向上等、地域支援機 能の強化を行ったところでございます。またリハビリテーションにつきましては、ベッ ドサイドのリハビリテーション等、急性期のリハビリテーションに特化することにより まして、入院患者の早期職場復帰を図ったところでございます。  次は説明資料の21ページですが、医療の高度化でございます。大学、学会との連携強 化を図りまして、そこにございます学会の認定医数が1,131名、専門医数1,065名とい ったような形で高度な医療を担える人材の確保を図ってきております。また、専門セン ターを設置することによりまして、臓器別、疾患別の専門センターを設置することによ りまして、職種だとか、あるいは診療科の枠を超えた高度なチーム医療の提供を推進し たところでございます。さらに高度の医療機器につきましても、収支相償を踏まえつつ も、計画的な取り組みを行いまして、84億円の設備投下を行ったところでございます。  説明資料の22ページでございます。医療の標準化、高度医療のモデル化の推進でござ います。まずクリニカルパスの活用促進でございますが、パスの策定件数につきまして は、17年度2,684件ということで、前年度比24.1%の増加でございます。また適用率に つきましても77.9%ということで、良質で患者にわかりやすい医療の提供につながった というふうに考えております。また、DPC導入に向けた取り組みでは、17年度調査協 力病院といたしまして、11病院がデータを厚生労働省に提出をしております。18年度に おきましては九つの労災病院がDPCに導入するということになっております。また、 19年度以降も導入希望をもった労災病院が8病院にのぼるところでございます。  次に説明資料の23ページでございますが、提供する医療の質の評価でございます。こ ちらの方は16年度に策定いたしました12分野の臨床評価指標、これを用いての自己評 価を行ったところでございます。そしてその評価結果をもとに検証を行い、医療の質の 向上を図ったところでございます。  真ん中の枠にありますとおり、12分野臨床評価指標検討委員会のところの表がござい ますとおり、臨床評価指標としましては、学会認定専門医数でございますとか、非常に 難易度の高い手術件数、こうしたものを指標化いたしまして、A、B、Cの三段階、優 れている、普通、劣るといった三段階で12分野、13疾病ごとに評価を行ったところで ございます。  その結果でございますが、右の方、労災病院のところの枠の中の下の方に書いており ますとおり、Aという評価を得たものが12疾病、A’の評価が1疾病ということです。 A’につきましては、指標としては優れているけれども、学会発表等が行われてないと いうことから、一部課題があるということで、A’が付されたものでございます。  次に説明資料の24ページでございますが、日本医療機能評価機構による外部評価でご ざいます。これにつきましても積極的に受診を行いまして、受審率は87.5%、そして認 定率は78.1%ということで、全国の病院の状況が22%でございますので、突出して私ど も労災病院グループの認定状況が高いということでございます。また、患者満足度調査 につきましても、すべての労災病院において70%以上達成するというような中期目標が 課されておるわけでございますが、結果的には78.9%という満足度になっております。 すべての病院で70%以上を達成いたしております。  また、この24ページの左下のところですが、昨年この評価委員会の方からの御指摘の 中に、入院患者については、退院後評価を行うのがより適正な評価結果になるのではな いかといった御指摘をいただいたところでございます。試行病院におきまして退院後1 〜2カ月後経った後の追跡調査を行いました。その結果、満足度調査が88.1%というこ とで、入院時における調査、退院時における調査と比較しまして有意な差はなかったと いうふうに私どもは考えております。  次に説明資料の25ページです。安全な医療の推進でございます。こちらの方はまず労 災病院における医療安全チェックシート、これは16年度に導入したわけでございますが、 これに基づきましてチェックを行いました。その上でさらに17年度工夫をいたしまして、 労災病院間で相互に牽制するという観点から、相互のチェック制度を導入したところで ございます。  また、昨年の評価委員会で指摘されました医療事故に関するデータを積極的に公表す べきでないかといった御指摘でございます。医療上の事故の内容に応じまして、レベル 0からレベル5に区分いたしまして、それぞれ公表基準を設定したところでございます。 各病院から医療上の事故、インシデント事例等のデータを収集いたしまして、一括公表 分につきましては19年度を目途に公表していく、個別公表につきましては既に公表を行 っているところでございます。  次に説明資料の26ページでございますが、IT化の取り組みでございます。そこにご ざいますとおり、オーダリングシステム22施設、そして電子カルテについては1施設、 なお18年度に1施設拡大する予定でございますが、こうした形で診療支援機能としての IT化につきましても収支相償を踏まえながら適切な対応を行っているところでござい ます。  次に説明資料の27ページでございます。優秀な人材の確保・育成でございます。こう した労災病院で高度専門的医療、良質で安全な医療を担う優秀な医師、看護師の確保が 重要でございます。そのためにいろんな取り組みを17年度行ったところでございます。 まず労災病院群後期臨床研修制度ということで、個々の病院につきましては16年度それ ぞれ臨床研修プログラムを用意しまして研修生の受け入れを行ったところでございます が、17年度は労災病院グループとして臨床研修制度を設けまして、優秀な医師の確保に 努めたということでございます。また、労災病院研修医の募集ガイドブックというのも 作成いたしまして、優秀な医師の確保を行ったところでございます。この結果、18年度 臨床研修医の新規採用者数は160名という結果になっております。  また、同様に優秀な看護師の確保につきましても、看護体制の確保・充実に関する指 針というのを策定いたしまして、募集ガイドブックの作成から、外部機関等研修制度の 創設、そして労災病院グループの中で広域的に人材を異動させる派遣交流制度の創設、 こうしたことによりましてより魅力のある看護体制、能力開発に必要な制度というのを 整備いたしたところでございます。この結果、18年度の新規看護師採用数につきまして は1,014名というふうになっております。   また、認定看護師、専門看護師の確保数でございますが、それぞれ認定については18 年度38名、専門については3名ということで、全国の認定専門看護師数からしまして遜 色のない数字になっているのではないかというふうに考えております。  説明資料の最後でございますが、こちらは28、29ページのところ、リハビリテーショ ン工学センターの義肢装具等の研究開発につきまして、非常に大きな研究成果が出まし たので御説明申し上げたいと思います。リハ工学センター、歩行訓練につきまして、対 麻痺歩行装具の開発等を行っておりまして、5本の研究開発を進めているところでござ います。  このうち、両下肢麻痺の障害者向けの対麻痺装具といたしまして、長下肢装具が昨年 の10月特許査定を得たところでございます。これは研究の目的のところにございますと おり、従来の装具と違いまして足関節を可動性にしたこと、そして股関節と連動させた ことによりまして両下肢麻痺された方々にも非常にスムーズに歩行ができるというもの でございます。現在、市販化に向けまして藤田保健衛生大学等の協力を得て臨床試験を 行っているところでございます。  なお説明資料の29ページにございますが、これ以外の研究開発でございますが、(2)(3) のところにございます機能的電気刺激を応用した開発等、出願中のものが2件あるとこ ろでございます。  評価シートの方は33ページでございます。以上、御説明申し上げましたとおり、良質 かつ安全な医療の提供、高度専門的医療の提供に向けて、量的なもののみならず質的に も計画を上回る取り組みなり成果が出ているのではないかというふうに思慮いたしまし て、自己評定をAというふうにさせていただいております。  次に行政機関への貢献です。これが8番目の評価シートです。説明資料の30ページで ございます。評価シートにつきましては37ページに業務実績の総括を出しております。 行政機関への貢献につきましては、アスベスト問題等振動障害につきまして、非常に大 きな貢献ができたというふうに私ども考えております。  アスベストにつきましては、昨年の6月に株式会社クボタの地域住民に対する補償に 端を発して出てきた問題でございます。これにつきましては17年度計画策定時には予定 されておりませんでしたが、社会的に極めて重要な政策課題であるというふうに当機構 は認識をいたしまして、独法に付与されております指導性、そして弾力的な業務運営、 こうしたメリットを最大限に活かしまして、積極的な取り組みを行ったところでござい ます。政府の関係閣僚会合が開催されるほぼ1カ月前に私ども機構本部に対策本部を立 ち上げまして、対策を迅速にとりまとめたところでございます。  すべての労災病院、産保センターに相談窓口を設置するとともに、アスベスト疾患セ ンターを23の労災病院に設置をしたところでございます。その結果につきましては網か けの部分に実績等が載っておるところでございます。こうした中でアスベスト診断に多 くの実績を有していない地域の医療機関の医師を対象といたしまして、講習会、研修会 等を開催し、積極的な知見の普及に務めたところでございます。  また、振動障害につきましては、先ほど申しましたFSBP%測定法、客観的な診断 法でございますが、この研究成果をとりまとめ、厚労省において報告をしたところ、新 たな診断方法として採用するといった方針が厚労省において決定されたところでござい ます。こうした実績でございますので、評価シートの37ページでございますが、アスベ スト・振動障害問題を中心に行政機関に対する貢献、非常に大なるものがあったという ふうに私どもは考えておりまして、自己評定をSという形で記載させていただいており ます。  次に9番目の評価シートです。医療リハビリテーションセンター、総合脊損センター の運営状況でございます。説明資料は31〜32ページ、評価シートは40ページに実績の 総括を記載しております。両センターは先ほど申しましたようにいわゆる寝たきりの患 者さんを中心に療養を行っているものでございます。全国から受け入れを行っておりま すが、患者ごとの社会復帰プログラムでありますとか、複数の診療科の医師、リハビリ テーションの技師等を中心にチーム医療を形成いたしまして、医療を提供したところで ございます。  この結果、網かけのところにございますとおり、中期目標、社会復帰率を80%以上に するということでございますが、医療リハにつきましては80.5%の社会復帰率、総合脊 損センターにおきましては83.9%の社会復帰率ということで、80%をクリアしているの みならず、前年度より社会復帰率が上昇をいたしております。  また、満足度調査につきましても、医療リハ81.5%の満足、脊損センターが82.4%と いうことで、高い状況になっております。特に大変満足というふうに応えられた患者さ んの割合が非常に高く、大体5割から6割の大変満足という評価を得ているところでご ざいます。評価シートの40ページでございますが、以上のことから計画を上回る成果が 出てきたというふうに考えまして、自己評定をAとさせていただいております。  次に評価シートの10番目ですが、こちらは説明資料の33〜34ページです。評価シー トの43ページでございます。海外派遣労働者の健康管理の向上に関する取り組みです。 海外勤務健康管理センターというのを設置いたしまして、業務運営を行っておりますが、 その取り組みでございます。まず説明資料の34ページの方を見ていただけますでしょう か。ここにこのセンターが行っている業務支援事業の概要を書いております。  まず、16年度に引き続きまして最新の海外の環境衛生状況でございますとか、海外で 市販されている薬剤情報、こうしたものを国別、地域別にとりまとめまして、ホームペ ージ、機関紙等を通じて積極的に提供を行っているところでございます。特に17年度は 鳥・新型インフルエンザにつきまして講演会を実施するとともに、ガイドラインを策定 いたしまして、海外に派遣される労働者の援助を行ったところでございます。  また2番目でございますが、海外赴任中の労働者への健康管理サービスの提供という ことで、派遣前に健康診断をこのセンターで行っておりますが、それとあわせて赴任中 のフォローアップというのを行っております。Eメール、FAX、国際郵便による医療 相談を行っております。また、健康診断結果を英文に翻訳いたしまして、電子媒体等で 提供するといったようなものをやっております。そして医療面で不安の大きい地域に海 外巡回健康相談チームを派遣いたしております。また、海外友好提携病院との間で交流 研修を通じて邦人に対する医療環境の整備を促進しております。  また3番目の事業の柱といたしまして、調査研究を2本進めております。3年計画の 2年目がこの17年度にあたったわけでございますが、海外勤務と生活習慣病との関係で ございます。これにつきましては17年度、メタボリックシンドローム等の対応というこ とで、内臓脂肪面積や体脂肪率、動脈硬化度につきまして派遣されてない労働者との間 の比較研究を行ったところでございます。またメンタルヘルスにつきましては、17年度、 首尾一貫感覚に関しまして研究を行ったところでございます。  次は説明資料33ページでございますが、こうした取り組みを行った結果ですが、数値 目標でございます。センター利用者につきましては、14,757名の利用があったというこ とでございます。前年度を上回ったものでございます。この結果、2年間で45.5%の達 成状況になっております。また、センターを利用された方々、そして海外巡回健康相談 に応じられて外地に赴任しておられる方々、これらの満足度調査を実施した結果、それ ぞれ92.7、94.6ということで、中期目標の80%を大幅に上回る満足度が得られたとこ ろでございます。また、ホームページのアクセス件数につきましても、17年度35,000 弱ということで、この2年間で6割強の達成率ということになっております。  評価シートの43ページでございますが、こうしたように計画を上回る実績を残してい るというふうに考えまして、これも自己評定をAということで掲げさせていただいてお ります。   次に11番目の評価シートでございます。これは説明資料の35〜37ページにかけてで ございます。評価シートの方ですが、こちらの方は48ページに業務実績の総括を掲げて おります。全国の産業医、産業保健師等に対しまして、研修や相談を行っている産業保 健推進センターの活動状況でございます。説明資料の35ページから御説明を申し上げま す。  数値目標の達成状況でございますが、専門的研修でございます。17年度は2,844回実 施をいたしました。年度計画の42.2%増という結果に終わったところでございます。ま た、実際この研修を受講された産業医の方々でございますが、17年度は81,420名の産 業医等の方々が受講されたわけでございます。16年度比7.6%の増になっております。 こうした産業医の方々に満足度調査を行った結果でございますが、産業保健活動をする 上で有益であったとの評価が91.2%の方々から得られまして、中期目標の80%を大幅に 上回る実績を残しております。また、産業医の方々からの専門的相談にも応じておりま すが、研修同様非常に高い実績を残しておるところでございます。  下の段ですが、アスベスト問題に関する迅速かつ的確な対応でございます。先ほどの 行政機関への貢献のところでも述べましたとおり、17年度計画には当初盛り込んでおり ませんでしたけれども、非常に社会的に大きな政策課題であるというふうに認識いたし まして、迅速かつ的確な対応を行ったところでございます。産業保健推進センターにも 健康相談窓口を設置いたしました。また、産業保健相談員によります講演会等を開催い たしまして、労災病院ともども非常に大きな実績は残したというふうに考えております。  説明資料の36ページでございますが、こうした活動実績が産業保健推進センターで大 幅にのびた背景につきまして整理をしております。PDCAサイクルに基づきまして、 研修相談の質の向上、利便性の向上に取り組んだ結果であるというふうに推察しており ます。  具体的には研修面につきましては、昨年度御説明いたしました双方向の研修でありま すとか、実地研修、こうしたものを積極的に採用するとともに、17年度におきましては 産業医、メンタルヘルス不全に対応するために産業医と主治医の方がペアで職場復帰シ ステム研修を受けるといったような研修システムを導入したところでございます。  また、アスベスト研修はもとよりのこと、安全衛生法の改正を受けまして、長時間勤 務をしている労働者に対する面接指導研修など、時宜を得た研修を実施したところでご ざいます。相談体制につきましても16年度に比較いたしまして、相談員の数を確保し、 適切な相談体制を確立したというふうに考えております。  説明資料の37ページでございます。これら研修相談の事業効果の把握でございます。 こちらにつきましては、総務省の評価委員会の方からこの産業保健推進センターの活動 について事業効果を把握すべしといった指摘をいただいているところでございます。私 ども網かけのところに示しておりますとおり、この研修を受けた産業医の方々の知識能 力がどの程度向上したか、そしてこの受講された産業医の方が事業所に戻っていろんな 指導を行った結果、当該事業所の産業保健活動がどの程度活性化したか、そして最終的 には労働者の健康状況がどの程度改善したか、こうした3段階に分けまして効果を把握 するといったことで調査研究を17年度設計をいたしました。現在は18年度に入ってお りますが、調査を実施中でございます。  結果でございます。評価シートの48ページでございますが、活動実績について計画を 大幅に上回る実績を残すことができたこと、そしてアスベスト、社会的政策課題につい て労災病院同様迅速な対応が図られたこと、こうしたことを踏まえまして自己評定をS ということで記載をさせていただいております。  次は12番目の評価シートでございます。産業保健関係者に対します情報提供というこ とで、説明資料は38ページです。評価シートの方は52ページに実績の総括を掲げてお ります。最新の産業保健情報をホームページや情報誌等の発行を通じて提供を行ってい るところでございまして、17年度でございますが、アスベスト問題の発生とともに、他 の機関に先駆けてアスベスト情報提供コーナーというのをホームページの中に設けたと ころでございます。また、長時間労働者に対する面接指導、先ほど申しました安全衛生 法改正の動き、これについてもいち早くホームページ等に掲載を行ったところでござい ます。  こうした最新情報の提供、そして質の維持向上を図った結果、ホームページのアクセ ス件数が17年度は638,000余ということで、前年度比30%増というふうになっていま す。この結果、16、17の2年間で112万件のアクセスが得られまして中期計画の目標を 既に達成をしたところでございます。  また、昨年の評価委員会の場で指摘のありました産業保健情報をもっと普及すべき、 あるいは教育分野にも普及すべしという観点から、47の都道府県の教育委員会、地域保 健担当部局に産業保健21の情報誌を配布したところでございます。また、JR福知山線 事故のフォローアップの一環で災害時における職場の心のケアマニュアルというのを作 成いたしまして配布を行ったところでございます。   評価シートの方は52ページでございますが、こうした最新の産業保健情報をいち早く アスベスト対応等含めて提供できたこと、それによってホームページ件数のアクセスが 大幅に増加したこと等、勘案いたしまして自己評定をAというふうにさせていただいて おります。  次に13番目の評価シートでございます。産業保健活動や自発的な健康診断を支援する ための助成金の支給業務でございます。説明資料は39〜40ページです。評価シートは 57ページに実績の総括を掲げております。39ページのところですが、助成金につきまし ては申請受付期間の延長あるいは様式のプレプリント化など、申請者の利便性の向上を 図ったところでございます。また、助成金の周知活動についてもさまざまな工夫をこら しまして利用勧奨を行ったところでございます。  当評価委員会の方から周知活動の効果を把握すべしといった御指摘をいただきました。 産業保健21の読者に対しましてはアンケート調査を行った結果、約7割の読者の方々か ら助成金の利用案内を見ている、あるいは活用事例は参考になったという回答を得てい るところでございまして、一定程度周知の効果は上がっているのではないかというふう に考えております。  また、手続きの迅速化でございます。小規模助成金の関係でございますが、中期目標 では期間を16日間短縮すべしといった目標が掲げられております。17年度、前年度比 5日間短縮いたしまして、その結果、16〜17の2年間で10日間の短縮を得まして、中 期目標に比し63%の達成率といった状況になっております。また、自発的健康診断助成 金につきましては、17年度、前年度より1日短縮いたしまして24日ということになっ ています。中期目標の25日を達成したところでございます。  次に不正受給の防止でございます。これも当評価委員会の方から不正受給の防止措置 の効果を把握すべしといった御指摘をいただきました。私ども17年度対象事業所に対す る現地調査を行ったところでございまして、その結果、特に不正受給は見られなかった ということでございます。18年度以降も引き続き現地調査を実施する予定でございます。  また、不正受給の公表措置の実施ということで、不正受給があった場合は企業名を公 表することといたしまして、その旨助成金支給規定を改訂し、事業主向けのパンフレッ トにも記載をしたところでございまして、不正受給を厳に取り締まるという体制を整備 したところでございます。  次に説明資料の40ページでございます。この助成金の具体的な効果の把握でございま す。総務省の評価委員会からの御指摘でございます。小規模産業保健助成金、そして自 発的健康診断助成金、それぞれアンケート調査を行いました。その結果を記載しており ます。  小規模助成金につきましては、助成金終了後も産業保健活動を引き続き継続したいと いった事業主が72.9%にも上りまして、50人未満の事業所の産業医の選任率が12.2% ということをあわせ考えますと、極めて高い率でもってこの助成金によって事業を実施 した効果が得られているのではないかというふうに考えております。  また、自発的健康診断助成金につきましても、助成金額、これは深夜業に従事する労 働者の方々に直接助成金を支給するものでございますが、助成金額を増額してほしいと か、あるいは健康診断項目をもっとふやしてほしいといった改善要望等あるものの、 99.5%に上ります労働者の方々が再度利用したいといった希望の回答を寄せていただい ております。  この結果、評価シートの57ページでございますが、助成金の支給業務につきましては 利便性の向上に配慮しつつ、その一方で不正受給の防止措置を的確に講じ、効率的効果 的な支給を行ったこと、そして手続きの迅速化を進めまして、中期目標上の要請を大幅 に達成していること、また、助成金の利用者の方々からも高い評価を得ている、こうし たことを勘案いたしまして、自己評定をAという形で出させていただいております。  次に14番目の評価シートでございます。未払い賃金の立替払業務でございます。説明 資料は41ページのみです。評価シートの方は61ページに実績の総括を出しております。 説明資料の41ページですが、立替払の迅速化、そして立替払金の求償業務、この二つが 大きな柱でございます。  まず迅速化でございますが、中期目標では受付から支払いまで30日以内とするという 目標でございます。17年度は16年度、30.1日からさらに0.5日短縮いたしまして、29.6 日といった日数になりました。2年目で中期目標を達成したという結果になったわけで ございます。この要因といたしまして、そこのアンダーラインに書いておりますとおり、 私ども審査業務について徹底した標準化、マニュアル化を進めました。また、原則週1 回払いを前年度同様引き続き堅持した上で、年末に追加の支払い業務を行っております。  また、新破産法、労働債権の一部が財団債権化されたものでございますが、この概略 につきまして、ホームページ等で掲示するとともに、パンフレットを配布したところで ございます。また、大型の破産事案につきましては、破産管財人に対しまして事前に指 導等を実施したところでございます。こうしたことを背景要因といたしまして、支給に かかる日数が30日を2年目にして切ったのではないかというふうに推察をしておりま す。  また、立替払の求償業務でございますが、こちらの方は求償の行使につきまして詳し く解説を盛り込んだホームページなりパンフレット内容を充実し、周知徹底を図りまし た。またアンダーラインのところにもございますとおり、17年度の破産事案、立替払事 業所の2,800件のうち、求償可能案件が1,980件あったわけでございますが、この全件 につきまして債権届けを提出したところでございます。  また、再建型であります民事再生事案等につきましては、債務承認、あるいは弁済計 画書の未提出の事業所、全事業所に対しまして、提出督励を行った結果、151事業所の うち114の事業所から弁済計画書の提出がなされたところでございます。さらに指定日 未弁済の92の事業所全件について、234回にわたる弁済督励を行いまして、この結果64 の事業所から弁済履行が行われたところでございます。私どもこうした取り組みを行い まして、最大限可能な求償を行ったのではないかというふうに考えております。   評価シートの方は61ページにございますとおり、迅速化、そして求償の確実な回収等 といった、この業務に与えられた中期目標上の要請を十分満たしているのではないかと いうふうに考えまして、自己評定をAという評定で出させていただいております。  次に15番目の評価シートでございます。リハビリテーション作業所の運営でございま す。これは冒頭理事長の方から御説明を申し上げたものでございますが、説明資料は42 ページでございます。評価シートにつきましては62ページに実績の総括を出しておりま す。まず、社会復帰率の中期目標上の達成状況でございますが、20年度に25%以上社会 復帰率を達成するといった目標のもとに取り組みを行っております。17年度、前年度に 比べまして1.6ポイント社会復帰率が上昇いたしまして、23.7%というふうになってお ります。  これとあわせてリハビリテーション作業所の抜本的見直しを行ったところでございま す。在所者が高齢化している現状と、在所年数の高まり等を背景といたしまして、当評 価委員会、そして総務省の評価委員会からの見直しの指摘があったわけでございます。 機構における取り組みといたしまして、これら有識者の方々からなるリハビリテーショ ン作業施設のあり方に関する懇談会というのを設置いたしました。その結果、a、bに 分けて整理しておりますが、作業所の再編に取り組むこと、そして存続する施設につい ては強力に運営改善すべきこと、二点について御提言をいただいたところでございます。  この結果ですが、19年度中に北海道、広島の二つの作業所を廃止することを決定いた しました。ここに在所されている方々につきましては、円滑な退所先の確保に向けまし て現在地方自治体の障害者福祉窓口、福祉施設等への協力要請等を強力に進めまして、 ほぼすべての方々の退所先の確保が進んでいるといった状況にあるわけでございます。  こうした作業所の抜本的な見直しの取り組み、そして存続事業所の社会復帰率、こう したものを考えますと、評価シートの62ページですが、中期計画を上回る取り組み結果 が得られたというふうに考えまして、自己評定をAという形で出しております。  次に16番目の評価シートでございます。産業災害殉職者慰霊場の環境整備でございま す。いわゆる納骨堂の環境整備でございます。説明資料は43ページです。評価シートは 64ページのところに業務実績の総括を出しております。こちらの方は16年度に実施い たしました満足度調査に基づきます改善措置を講じたところでございます。一番左の枠 でですが、この中でコメントがございました慰霊式の開催時期とか開催時間について見 直しを行いまして、平成17年度の慰霊式を滞りなく行ったところでございます。  それと当評価委員会の方から昨年御指摘があった事項ですが、この満足度調査の対象 者について、年1回の慰霊式の参列者だけではなくて、365日霊場に来られる参拝者全 員を対象として調査を実施すべきではないかといった御指摘でございます。私ども、昨 年の12月から毎日調査を実施いたしました。その結果、中期目標では80%以上の満足 度を得るといった目標が掲げられておりますが、これを大幅に上回る評価結果が得られ たところでございます。  慰霊式につきましては89.5%の方々が満足である、そして慰霊式以外にこの納骨堂に 来られる方々ですが、満足度が94.3%ということで、非常に高い満足度になっておりま す。なお、不満足というふうに答えられた方々ですが、慰霊式については2%というふ うに非常に低い、また参拝に来られた方々については、不満足という回答はございませ んでした。  評価シートの方は64ページです。こうした高い満足度が得られたといったことを踏ま えまして、自己評定をAという形で出させていただいております。  次に17番目の評価シートでございます。説明資料の44ページ、そして評価シートに つきましては66〜69ページです。予算収支資金計画ということで、説明資料の方は労災 病院における経営基盤の確立、いわゆる収支相償に向けてどの程度の進捗がなされてい るかということを整理いたしました。これにつきましては、そこにございますとおり労 災病院につきまして、診療収入の確保、そして人件費の抑制、医療諸費の縮減、効率的 な機器整備等の措置を講ずることによりまして前年度比55億円の損益改善が得られた ところでございます。  この結果、当期損益は17年度が73億円というところまで圧縮をしたところでござい ます。16、17の2年間におきまして、改善額が118億円というふうになりまして、独法 になる直前の当期損益が191億円の△でございましたので、2カ年において非常に大幅 に改善が進んでいるというふうになっておるところでございます。  この改善状況の内訳、御説明ですが、左の枠の方です。改善額55億円を自己努力によ る改善額、これはアンダーラインで示しておりますが、これによるものが152億円あっ たというふうに私どもは推測をいたしております。具体的な中身ですが、太字で示して おります、まず急性期医療の提供等に伴う収入増、これが117億円ということでござい ます。循環器系を中心といたしまして、高度な手術件数の増にある、また救急患者等に 対する検査、画像診断料、そして病診連携の積極的な取り組みによる平均在院日数の短 縮、あるいは看護加算等の上位の施設基準の取得、そして急性期ではないけれども、急 性期の患者さんについては別途病床を設定しましたといったようなことから入院基本料 が増えた、これが22億円あるというふうに考えております。またその他、室料差額収入 等が5億円あるということでございます。  こうした収益増があったわけでございますが、一方で積極的に急性期医療を終えた患 者さんを地域の医療機関の方に戻しまして、逆紹介を推進いたしまして、その結果、入 院、外来患者数が減ったところでございます。それに伴う収入源が73億円あったという ことです。これら相殺して収益としてはプラスの48億円ということでございます。  また、費用につきましては、給与費ですが、医師以外の職員給与を2.5%カットする といったような給与上の措置を講じまして、23億円の減、また医師等を中心に、職員数 が確保できなかったといったことを中心に給与の減が18億円でございます。  一方で材料費でございますが、薬品の共同購入だとかSPDの一括供給方式の導入に よりまして4億円の節減を図ったところでございますが、先ほど収益のところでも申し ましたとおり、高度な手術を行った結果、医療材料費の増が20何億円ございまして、結 果的に材料費は23億円の増となっております。あとはその他、水道費、電気、光熱費、 これらについて節減を引き続き進めまして、4億円の減というふうになっております。  評価シートの方ですが、68ページにございますとおり、結果的には収支相償に向けて 改善額55億円が図られたということで、私ども着実な歩みを進めているというふうに考 えまして、自己評定をAというふうにさせていただきました。  次に18番目の評価シートでございます。これは短期借入金でありますとか、財産処分、 剰余金の使途でございます。特に説明資料は用意をいたしておりません。評価シート70 ページの方だけです。こちらにございますとおり、今回17年度は重要な財産処分という ことで、珪肺・大牟田の両病院を処分したところでございますが、適正に譲渡手続きを 完了しました。予定どおりということで、自己評定をBということで出させていただい ております。  最後は19番目の評価シートでございます。こちらの方は説明資料の45〜47ページで す。そして評価シートの方は72ページに総括的なものをまとめております。人事計画、 そして施設設備計画でございます。まず、説明資料45ページですが、人事に関する計画 です。数値目標の達成状況ということで、交付金充当事業にかかる職員については、予 定どおり17年は14人削減いたしました。これは計画どおりの削減でございます。  そして職員の活性化や能力開発に向けた新たな人事施策の展開です。こちらの方は施 設間の人事交流を通じまして、職員の活性化、能力開発を図っていく、また労災病院グ ループの中での人材の有用活用を図っていくということから、そこにございますとおり 派遣交流制度、転任推進制度等々の制度を策定し、17年度運用を図ったところでござい ます。  この結果、初年度ということもありまして、18年度に移動した人員がそれぞれ派遣交 流が30名前後、転任推進が20名前後というふうな状況になっておりますが、引き続き 取り組みを行いまして人事交流を図っていくというふうに考えております。  また、管理職員の自己管理啓発促進ということで、施設ごと、部門ごとにバランスス コアカードに基づきまして業務目標を掲げております。その達成を確実なものとするた めに、管理職について個人別の役割目標を設定し、その進捗状況のフォローアップを図 るため、個人別の役割制度の導入を決定いたしました。さらに優秀な医師、看護師の確 保を図るため、先ほどの労災病院の医療のところで申し述べました種々の研修制度、あ るいは採用活動等を行いまして、優秀な人材の確保を行ったところでございます。  説明資料の46、47ページでございますが、施設設備の計画でございます。これは20 年度限りの措置としての出資金を国からいただいておりまして、これは予定どおり、病 院の増改築を行うわけでございますが、21年度以降はこの出資金がゼロになることを受 けまして、私ども計画的に保全業務を進める重要性について認識をいたしております。  17年度でございますが、各施設の基本情報を盛り込んだ施設別保全台帳を整備いたし ました。それをもとに各施設の投資費用を効率的に行うための保全情報システムという のを開発いたしまして、病院をできるだけ長持ちさせるための工夫というのを行ったと ころでございます。  また46ページのところでございますが、省エネルギー対策といたしまして、これはま だ試行予定ということでございますが、ESCO事業というのを導入しております。こ れは高効率の設備機器を更新することについて、外の事業主に依頼をし省エネを図る事 業でございます。これを旭労災病院に導入をすることによりまして、光熱水費の削減を 図る取り組みをしていきたいというふうに考えております。  評価シートの19番目につきましては以上でございますが、人事計画、予定どおりのこ と以外にも、職員の活性化、能力開発に向けてさまざまな工夫を行っている、また施設 の保全につきましても、いろんな制度を取り入れて行っているということで、創意工夫 を行うような取り組みを17年度はしたというふうに考えておりまして、自己評定をAと いうふうに出させていただいております。評価シート関係は以上でございます。 ○部会長  どうもありがとうございました。何か追加の説明はございませんか。評価シート以外 に何かありますか。 ○労福機構総務部長   先ほど評価官の方から御説明があったものの、御説明を再度するようにという指示を いただいておりますので、参考資料として示された随意契約の状況でございますが、こ れはここに記載されたとおりでございます。こういった状況でございます。それとあと はラスパイレス指数の関係でございます。参考資料の3でございますが、役員報酬と職 員に分けまして、ちょっと概略だけ御説明を申し上げますと、1ページのところが役員 報酬関係でございます。  役員報酬につきましては、当評価委員会の業績勘案率、この制度を踏まえまして、17 年度は職員に対して2.5%の給与カットを実施した、それにあわせて当然のごとく役員 報酬についても削減措置を講じております。期末特別手当の支給額でございますが、6 月期分については0.14月分、17年12月期分については0.16月分を削減して減額して 支給を行っております。2のところが役員の報酬等の実際の支給額等でございます。  次に職員の関係でございますが、3ページのところです。まず職員の給与についての 基本的な方針でございますが、○のところに掲げておりますとおり、中期目標、中期計 画に定められている収支相償の達成、並びに人事院勧告等の社会一般の情勢等考慮しま して、労働組合、これはストライキ権をもっている組合でございますが、それとの交渉 により決定するというのが基本的な枠組みでございます。  実際の支給状況でございますが、2のところに書いてありますとおり、病院組織を持 っておりますので、事務職のみならず医師、看護師、コメディカルの方々、技能業務職 といったような職種の方々について、それぞれこういった形で支給を行ったところでご ざいます。  その結果ですが、11ページでございます。17年度のラスパイレスでございますが、事 務技術職については対国家公務員が100.8ということで、ほぼ国家公務員並でございま す。医師につきましては117.2ということで、国家公務員より高い状況になっておりま すが、ここにつきましてはその下に書いておりますとおり、医師については私ども管理 職手当を支給する、これはこの手当も含めてラスパイレスの対象給与になっておるわけ でございますが、この管理職員の対象者が支給対象者の8割以上を占めております。し たがいまして他の国家公務員の場合は管理職でない方々の割合が多いのではないかとい うふうに考えておりまして、この管理職手当分が高い方向に動いているのではないかと いうふうに考えております。  また、地方の労災病院に教育人事で引き続いて動いている実態がございます。医師を 派遣していただく条件として、大学病院等の方から部長あるいは副部長として職務して ほしいといったことが採用条件の中に盛り込まれておりまして、これに応じる必要があ るというようなこと、また昨今医師の確保が非常に困難になっておりまして、地域の医 療機関の医師等については、おそらくこれよりもっと高い水準になっておるというふう に考えておりまして、117.2といった、そういったことを踏まえてぜひ見ていただけれ ばというふうに考えております。  また、看護師につきましては104%ということで、4ポイントほど高いという実態に あるわけでございます。なお、他の独立行政法人との比較でございますが、これは事務 職での比較しかございませんが、93.7ということで、当局の事務職職員は他の法人より は低いといった状況になっております。以上でございます。 ○部会長  はい、ありがとうございました。それでは大分長かったので、ここで5分間ほど休憩 をとりたいと思います。その後、質疑応答に入りたいと思います。 ○部会長  これから質疑応答に入りたいと思いますが、あまりあちこちに飛びますと質疑する事 項が散漫になってしまうというおそれがありますので、評価シートの順に進めていきた いと思います。質疑を経ながら各自が評価シートへの評点を御記入いただく、そういう 形で進められたらと思います。では比較的細かく区切りたいと思いまして、まず最初に 評価シート1と2に関しましての質問等をお願いしたいと思います。 ○松田委員  16年度と17年度の損益改善そして施設も珪肺病院、それから大牟田病院、それから さらに4施設を廃止する、これに対してですが赤字が73億円ということで、まだまだ赤 字が続きますね。それに対して給与を2.5%下げたと言ってますね、そしてラスパイレ ス指数を見ても遜色ない、それから賞与は0.14月分カットする、これはちょっと甘いん じゃないですか。普通だったらもうゼロでもいいんじゃないですか。どういうふうにこ ういう案を出したんですか。 ○労福機構総務部長  私ども確かに損益がまだ73億円あるということを重たく受け止める必要があるかと いうふうに考えておりますが、やはり急速に給与カット等を行いますと、職員のモチベ ーションなり、そういったものとの関係上問題が出てくるのではないかというふうに考 えております。また、労働組合との間でもギリギリの交渉を行いまして、この2.5%の カットにすれば組合も協定をいたしております。そうしたことを勘案して、我々17年度 最大限の努力を行ったというふうに考えておりますが、御指摘のとおり、まだ70数億の 赤字があるということは重たく受け止めて運営を行っていきたいと思っております。 ○松田委員  どこをどういうふうに改善したんですか。この給与の中に。 ○労福機構職員部次長  今まで俸給と連動する形で定率で支給していました管理職手当については定額として、 一定の額を支給するといったこととか、それから俸給表の2.5%カットの中でできるだ け高位号俸の昇給間差額を圧縮するような形で是正をしております。 ○松田委員  ですからどういう中身の年功給を廃止したかを訊いているんですよ。 ○部会長  どういうところで差をつけたかという話ですね。 ○労福機構職員部次長   抜本的な改正につきましては、今、新人事給与制度という形で組合の方にも提案して おりますが、それが組合等の反対もあって、それは協議している最中でありますが、そ の間で今の俸給表体系の中でできるだけ体系を寝せるということで、今申しましたよう な高位号俸の昇給間差額をカットしていくというような形で対応しております。 ○松田委員  それは説明になっていませんね。ですからどういう年功給をやめて、どういう仕組み にしたのかを訊いてるんですよ。 ○労福機構理事長  一つは給与の問題について、大前提として御理解をいただきたいというのが一つあり ます。損益上まだ赤字を抱えていて、20年度にそれを損益均衡させるということで動い てやっているわけですが、一つ御理解いただきたいのは、給与はだんだん人件費は削っ ているんですが、労災病院の場合、今までの特殊法人時代からずっと50年以上の立地の 歴史があるわけですが、例えばこの赤字のほとんどは減価償却費なんですね。  というのは独立行政法人に移行した時点で、民間の医療機関ですと大体減価償却比率 が4%台で、国立病院機構でも大体6%台ぐらいですが、労災病院の場合、非常に産炭 地その他の中で立地してきましたから、たいがいが装備が高い面もあるんですね。じゃ あそういう歴史的には損益均衡ということを考えないで労働者側に対する対応だけ考え て立地してきた経緯がありますから、9%台は、民間医療機関に比べると倍ぐらいの減 価償却費率があるわけですね。  これを労災病院のいろんな医師初め資格集団を一気にそこまで減価償却比率をその分 給与にかぶせて全額一気に解消するわけにはなかなかいかない。そこで中期目標期間内 に収支相償を目指すという私どもその期間内で何とかそこまでに給与の問題を含めて、 損益均衡を実現していきたいというスケジュールを描いて徐々にやっているわけですね。  だから2.5%、17年度切ったというのは、今までの私どもの組織では一応歴史上初め ての給与カットを大胆に切っているわけですから、これを今度の診療報酬改定等を受け て、さらにどこまで切り込めるかという、今後勝負していかなくちゃあいかんわけです が、そういうことを通じて何とか中期目標の目標達成に近づいていきたいという思いで いること、ここは一つ御理解いただきたいと思っています。 ○松田委員  ですから私はその内容を聞いているんですよ。ただ年功をやめたというだけで内容は わからないじゃないですか。 ○労福機構理事長  それが大前提で、今、年功をやめたという点は資料で出してます点は、私ども管理職 手当、職務手当ですね、これがいわば年功賃金の何%という形で出ているところを定額 制にして、年功部分が反映されない仕組みにしたというのが当面一つやっているわけで す。その点をお尋ねだろうと思うんですね。  ただ、基本的な新しい人事給与制度、それは目標管理制度と、それに対する評価部分 で給与を変動させていく、新しい人事給与制度については、我々は今、案を構築して、 労働組合にも提案している最中なんです。これは成果主義賃金というとらえ方をされて いる中で、これは労働組合との間では大懸案になっていまして、これはそれもうたれて いるわけですが、何とかこれをなし遂げる、だからそこで抜本的な年功の完全排除は、 それが労働組合と今話をしている最中で、そこの話をつけたところで完成するという、 こういうふうに御理解いただきたいと思っています。 ○松田委員  まず経営の健全化が第一でしょう。そのためにバランススコアカードもやっているん ですよね。それが実際は何も反映されてない、大変な赤字を抱えている、それをどうい うふうにしてやろうとするんですか。それは労使関係はあるかもしれないけれど。労働 組合だって今我慢のしどころですよ。 ○労福機構理事長  確かに現時点でこの2年間で118億円欠損部分を圧縮させたとはいえ、まだ70何億残 っていることについては、これは我々も大変遺憾だし、独立行政法人の組織を預かって いる以上大変申しわけないとも思っております。ただ、一方で私どもにとってはこの2 年間で118億円圧縮させた部分というのは、医療事業ですから、毎日毎日の医療活動は 相当密度高くして解消してきているわけですね。しかしまだ73億円がある、これはしょ うがないと思っているわけじゃなくて、20年度にこれを均衡させることを一応青写真を つくりながら、17年度にここまで、18年度にはさらにこういうことという、青写真の中 で今いろんな、これは組合とだけじゃなくて、それぞれ医師初め医療にあたる人たちの 目標設定をしながら、それぞれ病院の収支目標を20年度まで、全病院つくらせた中で私 ども中期目標を果たして達成していくという、こういう青写真を持っていますので、ぜ ひそこを御理解いただいて、それについてまた毎年毎年私ども進捗状況を御報告申し上 げ、御指摘も受けながら何とか達成はしていきたいと、こう思っています。 ○久道委員  説明資料の3ページのところで、施設別業務実績を反映した給与制度というところが あるんですが、医療事業収支率が100以上、いろいろ段階がありますけれども、この収 支率には減価償却費は費用として含まれないという説明がありましたね。実際に病院事 業の欠損が73億だけれども、減価償却が248億もあるわけですよね。償却前でいうと 180億も、そういう表現はいいかどうかわからないけれども、償却前でいうと黒字なん ですね。内部留保資金も100億ぐらい出るわけです。  そういうことで医業事業収支比率を全体で見ますと、ちょっと私は計算したんですが、 全体で見ると107.6なんですね。ほとんどが償却前でいうと105を超えているわけです よ。そうしますとそういう状況でこの係数をかけていきますと、確かに償却前ではかな りいい成績を上げているんだから、給与を上げましょうと、こうなりますね。  その100以下というのは、実際問題としてどのぐらいあるんでしょうかね。ほとんど は105じゃないんですか。私が計算すると全体で107.66なんです。ですから成績が悪い ですよといって下げる方のモチベーションというか、そういうふうに働かないのではな いかと、ちょっと危惧したんですが。 ○労福機構理事長  ただいま先生が御指摘のとおりで、全体としては減価償却を除けば収支比率はプラス ですし、内部留保も蓄えて、将来の増改築基金も着実に積んでいる状況ではあるわけで す。しかし確かに今、これは先生も御案内のとおり、病院の置かれた立地によっては地 域差がかなり出てきておるわけですね。医師のいろんな需給関係の問題もありまして、 先ほど説明の中で申し上げましたように、経営改善病院は六つ、計画危惧病院が二つ、 それ以外に廃止予定病院が、筑豊等廃止予定病院もございますから、約10ぐらいは医業 収支率が100を割るか、割りそうだという段階にある点は御理解いただきたい。 ○久道委員   減価償却前でもですね。 ○労福機構理事長  はい、そうです。 ○久道委員  ああ、そうですか。わかりました。 ○寺山委員  1ページの資料の(2)ですが、労災病院間の派遣交流制度、労災病院間転任推進制度と ありますが、今までこれは労災病院間のそういう制度がなかったのでしょうかというこ とと、これは策定をして、今後どのようにこれを動かしていくのかということと、それ は上の説明ですと、その効果ですが、病院機能の向上、質的な向上はわかりますが、経 営上の効果というのは何かあるのでしょうかという三点でございます。 ○労福機構総務部長  派遣交流なり転任推進制度でございますが、労災病院グループ、広域的に病院間の移 動を行う制度というのはイメージ的にも今までございませんでした。ただ、いわゆる看 護部門はやはり一番大きな対象職種でございますので、看護部長間の話し合いの中でこ ういった交流人事、転任推進ということはやっておりましたが、やっぱり広域的に人事 異動をやってみて人材の活性化、組織の活性化は必要である、これはコメディカルも含 めてそういうことがいえるのではないかということで、独立行政法人になったので、や はりその辺の体制をきちっと整備しなきゃあいけないということで、看護部長間におけ るやりとりというのは本部が間に入りまして、この制度として、システムとしてつくっ たものでございます。これを17年度から運用いたしまして、この18年の4月1日の人 事で実際この制度を使って人員の異動なりがなされたところでございます。  それで先ほどその数字をお話しましたが、派遣交流につきましては、18年4月1日の 人事で29名異動をいたしました。そのうち看護師が20名、医療職、薬剤師、放射線技 師、臨床検査技師、理学療法士等々ございますが、9名でございます。こちらの方は派 遣交流でございますので、派遣された後原則2年別の都会、例えば地方の労災病院から 都会地の病院に2年間行った後、また元の病院に戻るというシステムでございますので、 これに応ずる看護職の方は結構多いのではないかと考えております。  一方で転任推進制度というのは、まさにこれは交流ではなくて、派遣ではなくて、実 際その病院の方に籍も異動させるというものでございます。こちらの方は18年4月1日 の人事で17名異動いたしまして、看護職が14名、そして医療職が3名といった実績に なっております。 ○労福機構理事長  少し補足させていただきますと、この交流制度にせよ、転任制度にせよ、狙いは一つ は能力開発があるわけです。これは御案内のように、例えば横浜労災病院ですと、在院 日数が14日を切ってかなりの急性期のレベルにある病院であるわけですね。ところが地 方ではまだ在院日数が24日ぐらいの段階の病院がある、やっぱりそこで医療内容はもの すごく違ってきているわけですね。やはり看護師さんについても、そうした都市部の急 性期化の非常に進んだ病院の看護を経験させておかないと、悪く言えばなまってしまう 面がありますので、そういう意味の能力開発と同時に、そういう急性期が進んでいる病 院というのは看護師さんを集めるのに大変苦労しています。  今、大変忙しいから看護師さんをやめちゃうという、私どもに限らずいろんな病院が 悩んでいるわけですが、そういう意味ではそういう方が急性期化の進んだ病院で地方か ら出てきて勉強するということは経営的にもプラスが大きいものですから、そういう面 も我々にらみながら本部が主導で運用していこうと、こういう制度設計をしたところで す。 ○寺山委員  いえ、今までなかったというのが不思議だったものですから、逆に質問を申し上げま した。ぜひ推進していただきたいと思います。 ○今村委員   資料の3ページ、簡単な質問なんですが、配布資料の方の01−03です。そこの成果主 義というのは、要するに施設別医療事業収支率という、その数字をかけるということで すが、これは17年度の実績は出ていると思いますが、実際には、これは賃金原資をこの 比率で持って配分するということですよね。その辺、実績の数字等も含めて、実際にど のぐらいプラスになったのか、マイナスになったのかというのをお答えいただければと 思います。 ○労福機構総務部長  この制度でございますが、まだ実際に賃金の上げ下げをしておりません。18年度の実 績を踏まえて19年度の賞与から上げ下げをするということです。それで対象は勤勉手当 でございますので、これはボーナスが全体で年間4.4月でございますが、そのうちの勤 勉手当は1.4月、これにこの係数を乗じて上げ下げをするということです。 ○宮本委員  資料の2ページの右のところに解決の手法というところがありますが、収入関係です が、ここに先ほどの給与とちょうど反対の部分ですが、新入院患者確保とか、年末年始 の救急の受け入れとか、あるいは室料差額見直しとかというようなことが書かれており ますが、労災病院としての特性と、それからサービスのレベル等々考えて、そしてまた 増収というようなことで、そのあたりの兼ね合わせでここらのところはどういう方針で 臨んでいらっしゃるんでしょうか。  例えば他の一般病院との比較の中で、例えば室料差額見直しの、これは上げるという ような意味ですか。つまり増収をするために内容を変えるというようなお話だと思うん ですが、つまり、増収することによって質が低下するというような問題等の兼ね合わせ の中で、この増収のためにこういう手法をとるという検討をされたんだと思いますが、 そのあたりはどういう検討の中でこういう項目が並んだんでしょうか。 ○労福機構理事長  それは病院の基本的な理念にかかわってきますので、私の方からお答えします。決し て収入を増やすことを単独で目的とすることは、私どもしない、やっぱり医療機関です から、医療の内容を、質を上げる中で収入につながってくることを基本的な方針にして います。例えば今室料差額の見直しも、例えばこんなやり方なんですが、病院は新しい、 全く新築しちゃう時は別ですが、今までの病院ですと業者の人が今までの4人床や何か を改築して、アメニティを非常に高めるんですね。個人ごとに仕切りをつけたり何かす るための室内の改装をするための道具や何かもレンタルする業者もいたり、そういう患 者さんの希望に応じて病室のアメニティを上げることをやりながら、じゃあそういうレ ベルまで来たら室料差額を若干とれるようになるとか、そんな形で患者さんの希望が、 まずアメニティに対する患者さんのニーズがあることを前提に、そういう対応をしてい ます。今までとらなかったところを急にとるとか、何もしないでとるというやり方はし ませんですね。 ○宮本委員  しかしここに書かれていることは、やはり増収を狙うという線でここを書かれている ということですね。 ○労福機構理事長  これは医師の方にも看護師さんにも言っているんですが、我々経営といっても決して 利潤を上げようということのためじゃなくて、やっぱりMRI一つにしても5〜6年す れば更新しなくちゃあいかん、そういう更新時期が必ず来るわけですね。病院の建物も 建て替えていかなくちゃあいかん、そのための留保はしていかなくちゃあいけませんし、 それはいい医療をやるためのいわば基盤づくりとして、一定のいい医療をやり続けるた めの体力としての部分はやっぱり我々医療の中で蓄えるなり身につけていかなくちゃあ いかん、そういう話をいつもしながら、この辺の経営努力については理解を得るように は努力をしております。 ○部会長  それでは次に移ってよろしゅうございましょうか。それでは次の評価シート3〜9に ついての質問をお願いします。 ○久道委員  過労死の定義なんですが、これは医学的なものなのか、あるいは法律的なものなのか、 過労死予防対策をたくさんやってますよね。延べ23万人やっているんだけれども、それ はそれでいいんですが、一体その過労死が減ったのか減らないのかというふうなデータ は、国レベルとか何かであるんでしょうか。まず、その過労死の定義を教えてください。 ○労福機構経理部長  過労死というものはやっぱり造語的な意味で、医学的な用語ではないという理解をさ れておりまして、63年とか、平成5年ごろに労災の認定基準が改正されたんですが、国 会答弁なんかでも、いわゆる過労死という言葉で、いわゆると使っていたんですね。そ れがある段階から広辞苑等にも過労死という言葉が出ておりますし、対外的にも労働の 中でもいろんなことがあったものですから、今過労死という言葉を裸で使っております。 それから過労死の件数自体、それから過労自殺との関係等についても、国民の方々に対 する行政の方のいろんな認定事例とか裁判事例がありますから、そういう意味では出て おります。そういうことから今手元に件数はございませんが、以前と比べれば30件ぐら いだった過労死の件数が300件とか、相当件数は増えているという実態はございます。 毎年6月ごろに厚労省の方から発表されています。 ○久道委員  過労死が減ったかどうか、予防対策をやったことと連動して、その効果がどうかとい う研究はされてないんですよね。 ○労福機構総務部長  説明資料の17ページのところにございますとおり、これは勤労者の健康確保寄与度の 二つ目の研究テーマでございますが、これはメタボリック症候群に関連した形での研究 計画というのを進めようと思っています。これはどういった内容の調査かと申しますと、 実際の勤労者予防医療センターに来ていただいた労働者の方々を二つのタイプに分けま して、一つは一回こっきりの方で、もう1人の方は2カ月に一回ほど継続的に予防医療 センターに来ていただいて指導を受けていただく方というふうに、二つのタイプに分け まして、半年後に内臓の脂肪率だとか、体内脂肪率、あるいは血圧等を測定いたしまし て、そこに有意で差があるかどうか、それを見ていく。 ○久道委員  それはメタボリックでしょう。過労死はないですね。 ○労福機構理事長  過労死そのものといいますか、労災で脳・心臓疾患を業務上災害というふうに認定し た件数という意味では、これは増加していると思うんです。ただ、その関係で私ども勤 労者予防医療センターで過労死予防対策と名乗っていますけれども、これは生活習慣病 を抱えていて、仕事によってそれが悪化して倒れる、それを防ぐためのいわば保健指導、 健康指導をやっておりますので、その中からは必ずしもズバリ労災の対象になるものが 増えたか減ったかというのは直接把握できないんですが、全体としては働く人たちの労 働時間の統計を見ますと、長時間労働者が増えているんですね。企業の核になっている 人の時間はものすごく長くなって、やっぱりそういう意味ではこれから過労死が増えて いく要素というのは、いわば根っこの生活習慣病を悪化させる要因に長時間労働がつな がって、そういうものが増えていく要因というのは社会的にはまだまだ抱えている状況 だろうというふうに思っております。 ○宇佐美委員  資料の19ページにございますが、質問の色彩が強いんですが、労災病院の特徴を生か した良質で安全な医療の提供をぜひお願いしたいと、こう思うわけですが、そういう時 に今後やる方向について、今の労災病院が日本の病院の中においてどの程度に位置づけ られているのか、あるいは世界、例えばこの急性疾患の在院日数が減りましたといって も、たしか統計資料なんかもあるんじゃないかと思いますが、世界でどういう位置づけ にあって、どういうふうにしたいのかというのが、このままではちょっとわかりづらい ので、ぜひ私ども企業といいましょうか、世界的にはどうなっているとかいいながら、 いろんな目標値というのは決めるんじゃないかと思うんです。  そういう意味でこういう定性的な表現のバックグラウンドにある、ある種の他の日本 の国内、あるいは世界的に見て、今労災病院がどの程度の位置づけにあって、こういう ふうにしたいというようなところ、あるいは遅れているところ、進んでいるところ、ど んなところがあるのか、その辺ちょっとより具体的なところがございましたら、幅広過 ぎて恐縮なんですが、教えていただきたいと思います。 ○労福機構理事長  大変難しい質問なんですが、病院の機能なり安全を含めた能力の評価をランキング的 に指標化して、それを国内で、あるいは世界の病院と比較してということになりますと、 目下それをズバリというのはないんじゃないかと思うんですね。備えている医療機器だ とか、5年間の生存率とか、いろんな治療効果も出して、指数化すればできるかもしれ ませんが、今当面それは私どもそういうものは持ってない。  ただ、それを何かの既存のやつで借りてやるとすれば、例えば大学病院での研究から そういうもの、それから急性期の特定病院、まあ大学病院とか非常に急性期化が進んで 在院日数がもう10日近くまできているような、非常に高度な病院、それらから比べると その次にランクしている病院なんだろうと思うんですね。公的病院という性格がありま すから、後方病院がないのにどんどん時節が終わったら退院させていくというわけにも いかないから、どうしても在院日数はある程度長くなってきますので、急性期の特定病 院、それまではとてもいけないんです。ただ、その次あたりのランクのところで活躍し ている。  ただ、もう一つは病院の機能という面で借りるとすれば、日本病院機能評価機構の評 価を受けている病院は、ある程度の機能としてはあるレベルにいっていることは事実で す。それは日本の病院のうち今22%ぐらいが病院の評価機構の機能評価を受けて合格し ていますけれども、私どもは大体8割ぐらいがそれの機能評価を受けて既に合格してい ますので、そういう意味では一般病院よりはかなり高いレベルにあって、しかし非常に 進んだ最先端病院まではいかない、その次ぐらいのところにいると、こんなふうに御理 解をいただければと思います。 ○宇佐美委員  ですからちょっと申し上げたかったのは、全体の中で独自の目標というよりも、いろ んな相対的な比較の中で、今お話がありましたとおり、急性期化というのは、例えばア メリカなんかも1週間もあるかないかだと思うんですが、日本全体はこの辺です、労災 病院の性格としては今中位とおっしゃいましたが、そこを目指すんです、それでこのぐ らいですというような考え方がいろんな諸目標の立て方に見えますと、より我々の理解 が増すなあと、こんな意味で質問をさせていただいたような次第です。 ○労福機構理事長  わかりました。いろんな私どもの医療機能を他の病院と随時比較しながら機器を整備 したりしてやっているんですが、その辺、ちょっと御理解いただけるような形で、体系 的に整理してみます。そして私どもの医療機器の整備方針や何かが日本全体から見てど の辺のレベルを目指した医療機器整備をやっているのかとか、全体像の中に位置づけら れる、ちょっと評価の仕方を工夫してみます。 ○宇佐美委員  そうしますと労災病院のある種の独自性とかいうのがよりはっきりと出てくるんじゃ ないかなと、定性的にしている場合の理解度とかなり違うんじゃないかなと思いまして、 質問をさせていただきました。 ○労福機構理事長  私ども急性期特定病院の30いくつかの病院の次くらいのランク、だから病院としては 相当レベルは高い病院なんですが、その辺にあると思っているんですが、それをいろん なデータでお示しし、またその辺をいつも意識しながら病院の機能整備をやっていると いう姿を、ちょっと工夫させていただきます。なかなか難しいところかもしれませんが。 ○部会長代理  先ほどちょっと理事長さんが言いましたが、今の労働環境を見るとものすごく悪化し ているというと、僕も知って愕然としたのは1週間12時間以上6日働いて、1年2年で 実はつい最近過労死した人がいるんですよね。こういう事例って結構多いんですが、こ の労働者健康福祉機構ですと、そういうかなりいろんな患者が来ますから、それを分析 して、その労働政策に提言するような情報も持っていると思うんですね。治療も向いて いるんですが、逆方向、そういうものに対しても積極的に取り組んでいるんでしょうか。 ○労福機構理事長  一つは先ほど御説明した中で、私ども労災疾患13分野について研究している中に、 脳・心臓疾患も労災疾病の一つとして入れて、今データを収集しています。これは脳・ 心臓疾患というのは、いわば過労死を意識した研究分野に位置づけてまして、それは現 に働いている私ども、自分のみずからの組織も調査対象にしてデータを集めているんで すが、いわゆる長時間労働と健康とのかかわりなんかも医学的に臨床的な見地からデー タを集める研究をやっております。この辺もいずれそういう行政の方に反映できる形で 提示できればと思っています。  それからもう一つは先ほど言いました予防医療センターに来る保健指導を受ける人た ちも原則的にフォローしながら、健康状況をフォローしていく研究を今始めたところで すが、これもやっぱり労働時間等々とのかかわりを見ながら、保健指導をしていても、 やっぱり働く時間が長いために悪化していく、その辺のデータが出て来ればやっぱりこ れも行政の方に提案、お示ししていって、いろいろ施策の立案の参考にしてもらう、そ ういう形は常々意識しながら進めておりますし、これもやっていきたいと思っておりま す。 ○宮本委員  今のお話と直接かかわって、例えば11ページのところに理美容業界で使っているシャ ンプーで皮膚荒れというような、こういうケースがありますね。こういう原因がわかっ て、特定の33品種が陽性だというような時に、かなり具体的な問題ですが、これは具体 的にここから行動を起こすということが常にあるのでしょうか。 ○労福機構総務部長  ここに資料がございますとおり、77品種中33品種が行政の結果がテストの結果で出 ておりますので、この特定品名がすぐに出ます。これは今後の理美容業界との話し合い の過程で出て来るものでございますので、我々はじゃあこれが出た場合、この物質が特 定できましたので、これを除くようなトリートメントだとかシャンプーをつくるといっ た働きかけを、いわゆるシャンプー業界の方にしていく、あるいはそれができない場合 においては実際、理美容業界で実務に携わる労働者の方々に何らかの防具をつけさせる といったような形で具体的な展開を図っていくことを考えております。 ○宮本委員  考えていますということは、常にこういう形で対応しながらやっているというわけで はないということですか。 ○労福機構理事長  もちろん私どもこれを学会に発表したり、データは行政に提供したりしていくわけで すが、もしこういう物質を規制するとなると、これは私どもにはできないわけですね。 労災病院としてはできない。むしろ労災病院でできるのは、あなたこれは手袋をした方 がいいですよとかいうこと、あるいは学会に発表していて注意を喚起していく、あるい は行政にそういうデータを渡して、行政の方での対応を期待する、あとはそういう皮膚 荒れを起こした人に対して、どう治してあげるか、あるいは予防するかという話になり まして、そこは行政とのタイアップを深めていかなくちゃあいかん、あるいは学会を通 じて業界の方の動きにつなげていかなくちゃあいかんという、医療機関としてのそうい う役割になるものですから、その辺意識しながら、できるだけ世の中にこういう問題に ついて注意が喚起されるようには常々努力していこう、表に出すということは常にやっ ていきたいと思っているんですがね。 ○部会長代理  学会等で積極的に発表されておるんですが、昨年から国レベルの個人情報の情報公開 が義務づけられていて、地方公共団体だとかなり個人情報ですか、情報公開ですか、医 療関係というのは事務の内容が大変だと思うんですが、一つはどういう教育をされてい るか、それと現在、そういう面で事務量というのは増えているんですか。余りその情報 公開の要求って労災病院の場合はないんでしょうか。 ○労福機構総務部長   国の方の個人情報保護法の動きを受けまして、うちの機構のみならず、すべての独立 行政法人に対しまして、保護制度に対しての実際保護管理者、監督者を誰におくかとか、 そういったのはうちの機構も整備をいたしております。あわせましてやっぱり医療の特 殊性がございますので、国の個人情報保護制度とは別して、医療に特化した形で日本医 師会の方がガイドラインを出しておりますので、それも含めて私どもは体制を整備して 個人情報の保護をやっております。ちなみにこの13分野の疾病につきましても、当然 個々人の患者さんの皆様方の情報をいただくことになっておりますが、その保護制度を 運用いたしまして、実際了解をとった上で研究開発を進めています。 ○寺山委員  先ほどの先生の質問の関連なんですが、労災病院というものの特徴を生かして経営す るということですが、今回の診療報酬の改定で、医療保険の改定で、78億円の減収が見 込まれるというお話でございましたが、私は医療系の臨床実習施設にたくさん学生を送 っていて、あちこちで大変な思いをしておるんですが、こちらの労災病院関係は労災の 特徴を生かして、今回の医療保険への対応というのはどういうふうに考えて、これから この1年やろうかというふうに思ってらっしゃるんでしょうか。 ○労福機構理事長  その改訂は薬価の他に医療のこういう本体部分で相当切り込んできているわけですが、 一番影響を受けるのが大きいのは、やはり一つは紹介率による加算がなくなっちゃった んです。紹介率による加算といってもちょっと専門的でアレかもしれませんが、紹介率 が一定の水準で診療報酬の加算をとっていたわけですが、こういう紹介率による加算が 一切なくなった形で、やや病診連携のはしごをはずされた感じも、病院にとってはみん な持っているんだろうと思うんですが、ただ、それは私どもからするとそういう部分に ついては労災指定医療機関等を含めて常に連携をとりながら、私どもの医学的な知見等 を提供したり、一緒にカンファレンスをやるというスタイルを今でもとってきていて、 それが紹介率につながっていたものですから、こういう点は診療報酬がなくなっても切 れないんですね。  だから今までどおりそういう努力はやっていく、むしろそういう形でやっていけば、 労災病院がいいと言って来てくれる患者さんもおのずと確保していけるだろうというこ とに期待をつないで、ある程度日常の診療活動をよりこまめにする形で乗り越えていこ うかということが一つなんですね。ただ、全体的にいろんな意味で切り込まれています ので、その影響を受けることはしょうがありませんが、労災病院の特徴を消してでも診 療報酬の中で有利な方に合わせていこうという形は必ずしも性格上とりようがないとい う場面が、どうしてもあります。 ○寺山委員  そうしますと理解としましては、医療保険が狙っているように、病院としては集中的 に短い時間で治療を終えて、それで従来どおり、お金は少なくなったけれども、地域と の連携を強化して、患者さんは地域に行って、そしてできるだけ高度医療を持続しよう という、これは変わりないわけですね。 ○労福機構理事長  それは基本的に変わりありません。むしろそういう地域との連携をとる中で、それぞ れのおかれた労災病院がどういうポジショニングをつくっていくかというのが、これか らの大きい課題だろうと思っています。それで今始めていますのは、むしろ労災病院で 手術をする、その後、後方病院にいつから引き受けてもらう、その後方病院がいつまで で、最後は在宅までにらんだ、いわば隙間のないシームレスの地域連携、今までのクリ ニカルパスというのは病院の中での一つの病気に対するクリニカルパスだったんですが、 そういう地域の全体をにらんだ地域連携パス、これを私どものいろんな病院が地域の医 療機関に集まってもらって、そういう地域連携パスを開発する、いわば中心になって、 今いろいろ議論をしてもらったりしていますが、むしろそういう動きの中でやはり労災 病院のような性格の病院はある程度手術をこなしたら、その後の医療機関とどうつない でいくかということを常に意識して、地域の連携の中で対応していかないと、どうして もこれからは難しくなることは事実だろうと思っていますので、そこは心がけていきた いと思っております。 ○部会長  はい、今おっしゃった78億円というのは、これは単純計算ですよね。診療報酬という のは結構めり張りがありますから、労災病院の特性からいうと、それを少し細かく割っ て計算すると、78億円じゃなくて別の数値が出て来ると思うんですよ。ぜひその数値は 計算しておいてくださいよ。余り大まか過ぎますから。 ○労福機構理事長   今のところ、この78億円、今までは診療報酬以上に大きかったわけですね。受ける影 響が。というのは長期リハビリを抱えていますので。 ○部会長   それ結構です。内容は結構ですから、ぜひ労災病院の医療の特性から計算した診療報 酬の引き下げの影響の数値を計算しておいてくださいということです。  それでは時間もなくなってきましたので10から14について御質問をお願いします。 ○部会長代理  産業医に対する研修をやられていて,それはすごく重要なことだと思うんですが、こ れは有料なんでしょうか。無料でしょうか。 ○労福機構産業保健部長  我々は無料でやっております。この産保センターの事業はすべて無料です。 ○宇佐美委員  企業の立場からいうと、本当にありがたいし、それぞれのレベルアップに役立ってい るわけですが、と同時に実はまだまだ全国的に見ると産業医が不足していると思うんで すが、この産業医の講習の他に、産業医の企業への派遣の援助といいましょうか、そう いうのは仕事の中に入っているんでしょうか。それは違うアレでそれぞれの企業の努力 だという、こういうことなんでしょうか。採用も含めてでございますが、とりあえずは 設置するということが、それに対する援助というのが、この機構の仕事として入ってい るかどうか、仕事の中に、あるいは認識しているかどうか、その辺をちょっとお聞きし たいんですが。 ○労福機構産業保健部長  産業医そのものは法律で決められておりまして、あくまでも事業者が選任して、事業 者がその産業医の職務を励行させるというのが、これが事業者の義務でございます。た だし中小企業につきましては、産業医の共同選任事業というのがございまして、これに つきましては助成金として一部出している、そういった助成金の制度もございます。こ の説明資料でいきますと、39ページにこの小規模の助成金、これがそれに該当いたしま す。 ○宇佐美委員  より具体的に申し上げますと、例えば産業医が具体的に全国でどうなっているのか、 実質機能しているだとか、そういうような各種調査だとか、全国的な規模でまだこうい うところが問題ですよとか、そういうことをきちっと把握し、しかるべく必要な措置を とるということもお仕事の中に入っているんでしょうか。 ○労福機構理事長  産業医が活躍できる場、そしてそれをしっかり確保して、質の高い産業医を確保して いく、それ自体はまさに労働安全行政の仕事だろうと思っています。50人以上に義務づ けている中で、これをどういうふうに完全に配置させ、どういうレベルの人を配置させ、 またその養成をどんなふうな仕組みでやっていくかということは、これは行政のお仕事 で、私どもはそういう産業医になられた方へのレベルアップ、あるいはトピックの医学 情報を提供していくという仕事しかないんですね。そこは産業医の数が足りないなとか、 あの企業にもっと産業医がいたらという思いは肌では感じますが、正直それは労働衛生 行政の問題だろうと思います。 ○宇佐美委員  頼りは機構でございます。ぜひ援助だけはよろしくお願いしたいと思います。 ○労福機構総務部長  少し補足説明を申し上げますと、先ほど申しましたとおり、助成金事業の中の一つに 小規模産業保健助成事業というのがございまして、これは産業医の専任義務のない50 人未満の事業所が共同して産業医を選ぶ場合に、私ども機構が助成金を出しております。 そういった形で50人未満の事業所を意識いたします。  あともう一つ、50人未満対策といたしまして、実は医師会が地域産業保健センターと いうのを郡市区医師会ごとにつくっております。ここでいわゆる50人未満の事業所が産 業医活動をしてもらいたいという時に、そこに申請をしに行くんですが、したがって直 接私どもそれに手助けはしておりませんが、その地域産業保健センターで活躍なさって いる相談員の方とか、あるいは事務職の方に対しまして研修を私どもは産業保健推進セ ンターがやっておりますので、間接的にそういった50人未満事業所対策を意識して業務 運営をやっております。 ○久道委員  運営費交付金というのがございますね。これは毎年減っていくんですか。それとも現 状のままいくという見通しなんでしょうか。 ○労福機構経理部長  中期目標の関係等踏まえまして、運営費交付金の関係は減っていくという理解でいい と思います。 ○久道委員   何年ぐらいで、どのぐらいですか。 ○労福機構経理部長  5年間の中で今回はやっておりますということで、5年間の中でのデータの中では運 営費交付金というのは減っていくと思います。事業費の関係について5%減で、一般管 理費の関係は5年間で15%減ということです。 ○久道委員  5%というのは何の5%ですか。 ○労福機構経理部長  15年度を起点といたしまして、16年度から5年間の中で事業費については5%です。 ○久道委員   運営費交付金に対する前年度の5%ですか。 ○労福機構経理部長  事業の関係と一般管理費と分けまして、その中で、言葉を変えれば事業費については 毎年1%という数字で、一般管理費については3%というふうな……。 ○久道委員  はい、わかりました。 ○部会長  それではどうぞ最後までの範囲で御質問をお願いします。 ○部会長代理  一番最初にも問題になりましたが、今赤字ですよね。それで20年度になると収支相償 となっている予定なんですが、給料の改定も含めて、それをやらないとこれはならない のか、今ある程度見通しとして可能性がある上でのマイナス73億なのか、やっぱりかな りいろんなことを対応しないとこれからやっぱり20年度にもっていくというのは難し い、今のレベルでどんな感じなんでしょうか。 ○労福機構理事長  これは大変難しい質問なんですが、今までは私ども15年度の191億をこの16〜17で 73億まで欠損は縮減してこれた、それでこのペースでいけばあと3年ございますし、あ る程度損益均衡に近いところまではという、大体やれるという、こういうイメージで、 それにそった病院の機能アップや病院の診療のつくり方をしてきておることは事実です。 それは大体射程圏に入ってきている。  ただ、予想外なのは診療報酬の改定がそこに入ってきますから、これをどうこなせる かというのが私どもにとってもう一つ、これでも診療報酬の改定は20年度にもう一回ご ざいますので、この辺をどういうふうに乗り越えられるかの課題がもう一つ入って来る。 医療機関は私どもに限らず、大変厳しい状況をこれから数年間は経過していくというこ とになろうかと思っています。 ○部会長  だけどその診療報酬の改定も含めて、収支を相償させるということを達成せざるを得 ないんでしょう。 ○労福機構理事長  今回の中期目標、厚生労働省の方では人件費の削減とあわせて、中期目標の変更され たものを私どもはちょうだいしているわけですが、基本的には先生がおっしゃるとおり で、そうはあっても収支相償を目指しなさいという基本線は変わりません。ただ、そう いう診療報酬の予期せざる影響が残る場合にあっても、やはり努力はするんだけれども、 それはピタリとまではいかなくても、確実に展望できるところまではやりなさいよとい う中期目標をいただいているわけですね。だから損益均衡がどこかへ吹っ飛んじゃった らいかん、必ず具体的に近い将来展望できるところまでちゃんと近づけなさいよという 趣旨で私どもは中期目標をいただいていると思っています。 ○部会長  それは機構としての解釈ですか。   ○労福機構理事長  いや、今回中期目標の中に、いくら経営努力をしても乗り越えられない診療報酬の影 響が残る場合にあっても、少なくとも近い将来に確実に収支相償が展望できるところま ではやりなさいよという文章が入っているんですね。だからそれの趣旨を十分踏まえて、 確実に展望できるところまでは我々は努力してもっていかなくちゃあいかん、それはも う責務だろうというふうに認めております。 ○部会長代理  先ほど減価償却がかなり労災病院は多いということなんですが、勝手な想像だと、過 剰の医療器具があるのかな、そうすると稼働率の低いものとか、高額だとか、使ってな いものとか、そういう部分で今後減価償却を減らすならば、そういう部分もきちっと調 査して、この辺はやっぱり本来の減価償却じゃないねという把握をされているんでしょ うか。 ○労福機構理事長  今一番悩んでいるところで、私ども医療機器は計画的に整備していますが、そういっ た費用対効果を十分考えながら、これからの医療機器整備はやっていかなくちゃあいか ん、またその病院に本当に地域の医療ニーズから見て、必要な医療機器であるかどうか というのを常にやらなくちゃあいかんと思っています。  特にそれの必要性が大きいのは、例えばもう廃止された病院ですが、霧島労災病院と いうのは霧島高原のかなり山の上にあったわけですね。ただ、ここでもMRIをもって いたわけですから、過去景気対策で補正予算を組むたびに国から予算がついて医療機器 を整備してきた経緯があるわけですね。独立行政法人以前ですが、そういうものが更新 時期がきますから、その際に私どもはその時代とは違った意識をもった上で費用対効果 等々考えながら、これから整備していかないと、今までと何ら変わらなくなっちゃいま すので、そういう問題意識を十分持ってこれから対応していかないと、こういう公的病 院の効率的な医療提供体制はでき上がらないというふうに思っています。 ○宮本委員  44ページの左の囲み部分なんですが、収益というところですね。先ほど質問をさせて いただいこととかなり共通しているんですが、この収益のところを見ると、例えば高額 手術件数増による手術増とか、救急患者の検査料、画像診療料増とかというような、こ ういう形で並んでいまして、このあたりのところが、例えば収入増のために過剰な高度 医療によって収益を増やそうとしているのではないかとかいうような印象もあるわけで すが、それをどういうふうに説明されますか。つまり全体としての質の問題と収益の問 題と、そのあたりをどういうふうにバランスをとって考えていますか。 ○労福機構総務部長  先ほど理事長がお話ししましたとおりでございまして、私ども労災病院は急性期医療 を基本とするということで、具体的にいうとやはり急性期医療というのは高度な医療と いうことになりますので、難易度の高い手術を行う、それによって短期間で患者さんを 見て症状が安定したら地域の病院に戻していくといったシステムでございます。それを 基本といたしております。ここでとりまとめましたが,一方でやはり収支相償という目 標が掲げられておりますので、診療報酬上の位置づけが、結果としてそれがどうなった のかということを整理したものでございますので、高度な手術をめざすということを目 的としてこの資料をつくったわけではないかということを御理解いただければと思いま す。 ○労福機構理事長  これは大変な問題なんですが、私どもは決してもうけるために医療行為を、何か別の ことをやるということは、それはやっちゃあいかん。結果として高齢化が進む地域で、 今まで循環器系の病気の方をよその地域の病院にでも送らなくちゃあいけなかった地域 で、いいドクターに来ていただいて、そのドクターがその地域内である程度対応してく れる、そういうためにある程度機器の整備をしなくちゃあいかんというようなケースに ついては、機器も整備しますし、結果的に機器の整備費用はかかるけれども、そういう 地域内で循環器の対応をして手術等もやった分、収入も増えるわけですね。  特に循環器は材料費も収入も大体同じでよくなっちゃうケースになりますが、大体そ ういう形になりますので、そこは意図してよりも、やっぱりその地域でいい医療を提供 していくために活躍した結果がこういうものにつながってくるというふうに御理解いた だければと思います。またそうしないとドクターの方がついてきてくれません。実際上 もうけるために何かやれと言っても、ドクター、看護師の方はそういうことのために私 は医療の道を選んだのではないということで、ついてきてくれません。 ○部会長代理   昨年度も問題になったと思うんですが、いろんな対策をたてていて、お医者さんも看 護師さんも大変だと思うんですが、ある意味で見ていくと非常にやりがいのあることも やっているなということで、全体としてお医者さんとか看護師さんのモチベーションと いうのは上がっているんでしょうか、どんな状況なんでしょうか。 ○労福機構総務部長  説明資料の8ページをごらんいただけますでしょうか。こちらの業績評価制度におけ る具体的改善効果の資料でございますが、中ほどの枠組みの(5)学習と成長の視点という のがございます。ここに職員のモチベーションの向上につきまして、職員に対してアン ケート調査を実施いたしました。16〜17年度にかけてでございますが、わずかながら2.0 ポイントでございますが、私ども労災病院グループの理念だとか、基本方針に共感を覚 えるという職員の割合が高まっておりますし、研修だとか教育に対する取り組みについ ても3.8ポイントの増ということで、一応自らメッセージを発したり、いろんな場面で 機構の方針を伝えておりますので、少しずつ共感なり理解が深まっているのではないか というふうに考えております。 ○労福機構理事長   医療の世界全般のことに御関心をお持ちなんだろうと思うんですが、それについて全 体的には医師の方がどういう診療科を選んでいくかとか、どういう道を選んでいくかと いう際に、やっぱり夜も寝れない、土日も休めない診療科を選ばないという傾向、特に 産婦人科等の、いつでも救急の体制をとってなくちゃあいかん、もし断れば必ず刑事事 件と背中合わせみたいな状況の中で、やっぱりこれからは医者の養成というのは大変難 しい問題があります。そこは現に専門の道の選択の中にそれを避ける兆しは正直感じと られるものが出てきています。その辺はこれからの医師の養成にあたって医療の世界が できるだけ早め早めに手を打っていただきたいと思っている分野でもあります。 ○寺山委員   今の医師その他の職種のモチベーションですが、アスベストを初め12だか13の研究 が進んで、成果がそれぞれ出て発表しているということで、特にアスベストの研究はず いぶん見えてきたなというふうに感心して伺っていたんですが、そういう労災病院の特 徴を生かした研究ができるというようなことも医師、コメディカルも入っているんだろ うと思いますが、ここを選んでいただくモチベーションの一つになるかという話が現場 ではあるのかということと、それからリハビリテーション工学の研究所で長下肢装具で すか、対麻痺の人の長下肢装具、あれは今注目してあちこちの学会で聞いていますが、 これは特許もおとりになるということで、こういうことは労災関係として、ここの機構 として大いに成果を評価、職員に還元できる部分があるのかというようなことですね。 その辺のことを伺いたいと思います。 ○労福機構理事長  日本災害職業医学会には毎年私も参加しているんですが、労災病院の先生方は大変熱 心に発表したり、そこへ聴きに行ったりしてくれてますので、そういうことから見て、 その雰囲気、あるいは先生方と話す中でやっぱり労災病院の特徴ある仕事ができるとい うことを一つの励みにしていることは十分考えられます。それからリハビリテーション 工学センターのそうしたものについては、私ども奨励もしていますし、やっぱりそうい う新しい取り組みをなさった方をいろんな形で顕彰するというのは職員ですから難しい んですが、十分動機づけなり、その後の評価はしてまいりたいと思っています。 ○寺山委員  ぜひ評価していただく方向でお願いします。 ○部会長  この総括について何か御意見があれば。よろしゅうございますでしょうか。それで実 は今日は新しい試みといたしまして、最初に全体にわたって説明をいただいて、それを 後でここに割って質問をいただいたというスタイルをとったわけですが、これは従来の やり方に比べまして、ちょっと評価の意見を伺いたいのですが、このやり方の方がいい のか、従来型の方がいいのかということなんですが。 ○松田委員  このやり方がいいですね。 ○部会長  この方がいいですか。 ○寺山委員  パソコンがなくなっちゃったんですね。 ○部会長  いや、その話じゃなくて、今日のやり方ですが。 ○寺山委員  最後まで気になっていて、これからパソコンができて打ち込むのかなと思ったんです が。 ○部会長  いや、出て来ないんですよ。 ○政策評価官  うちのこの建物の不十分さなんですが、それぞれの会議室にパソコンを持ち込んでい ただいて、皆さん方にその端末を操作していただきながら会議のできるようになってい る装置が極めて限られておりまして、この会議室もその装置がありません。昨年はその ような形を活用させていただいてやれたということですが、率直に申し上げて今年はそ のような体制がとれないということでございますので、大変古典的ではありますが、手 書きのような形でやらせていただかざるを得ないということでございます。そこは御要 望として承りますし、来年から会議室をとる時に努力はいたしますが、極めて制約があ るということだけ御理解ください。そこは一に私ども事務方の至らないところだという ことでございます。 ○部会長  それでは今日のやり方をこれから続けてもよろしゅうございますか。ではそのように セットしてください。それでは長時間にわたりまして大変お疲れさまでございました。 ○労福機構総務部長  一点だけ、先ほど診療報酬のマイナス改定を受けて、私ども収支相償という目標を先 ほど理事長が説明した内容で今後運営していくということでございますが、中期目標で はなくて、今年の3月末に厚生労働省に届きました年度計画、ここの中でそういった診 療報酬の試算が出ての影響額が出ましたので、それを踏まえて年度計画の統計の中で反 映をさせていただきました。届けにあたりましては厚生労働省と調整等いたしまして、 授受をいただいておるところでございます。以上でございます。 ○部会長  それでは最後はお願いしたいんですが、まず次回の予定について事務局から説明をお 願いいたしたいと思います。 ○政策評価官   長時間ありがとうございました。次回以降につきましては、本日お手元に今後の日程 という1枚紙を確認的に用意させていただいております。次回につきましては7月21 日(金)10時からということで、二つ目の法人として労働政策研究・研修機構(JIL PT)の年度評価をお願いする。場所がこの建物ではなくて経産省の別館ということで すが、御案内をさせていただいているところでございます。また、次回のJILPTの 関係資料につきましては先日お送りさせていただいたかと思いますが、当初この部会で なるべく早め早めに資料を先生方にお届けするようにという御指示をいただいておりま して、遅れておりました高障機構、あるいは能開機構から勤退の分につきましても、多 分この三連休中か明けぐらいにはあらかじめ御指示いただきました御自宅、あるいはオ フィスに御指示のとおりにお届けするべく努力をしております。追ってお手元で御確認 をいただければというふうに思います。  また、先ほど部会長の方からお話がございましたように、次回以降もある程度固まり でということでございました。本日の会議の前に委員の皆様方から御指摘をいただいた 中に、説明をなるべくめり張りをつけて重点のところで、かつ、うまくいったところ・ うまくいかなったことをそれぞれ理由なり原因なりをわかるようにすべきという御指示 をいただいております。これは部会長にもお伝えした上で、各法人の方にもお願いして おります。  いくつかに絞って、という御意見もありましたが、一応法人業務全部を御評価いただ くという意味で、なかなか数点だけというわけにはまいりませんが、今後ともそれぞれ の法人の方でめり張りをつけた説明をさせていただくことになっておりますので、よろ しくお願いしたいと思います。私の方からは以上でございます。 ○部会長  それでは本日の部会はこれで終了させていただきます。どうもありがとうございまし た。 <了> 照会先:政策統括官付政策評価官室 独立行政法人評価係 電 話:03-5253-1111(内線7790)