補装具等の見直しに関する検討委員会(第5回〜第7回)
最終意見とりまとめ

「補装具の種目、価格改定等に関するルール」について

 経緯

 補装具等の見直しに関する検討委員会中間報告(H17年6月)において、価格や種目の適正化への対応について以下のように提案した。





価格や種目の適正化への対応
 適正な価格設定や対象種目の見直しが可能となる仕組みを構築する必要がある。委員会の設置などによる方法もその一つであるが、いずれにしても公平性、透明性が確保される仕組みでなければならない。





 上記の意見を踏まえ、第5回から第7回まで検討した結果、一定の結論を得たので、以下のとおりとりまとめる。

 補装具の種目、価格設定等に関するルールについて

 検討の結果、公平性や透明性を確保する観点から、専門的及び第三者的な立場から給付対象の可否等について国に報告を行う専門委員会の仕組みを構築すべきと考える。

(1)補装具の種目・価格見直し等を検討する専門委員会の設置について
 「要望提出」から、「告示等への反映」まで、どのような流れとなるのか整理し、それぞれの段階でどのような仕組みとするのか等について以下に述べる。

(1)要望提出
 要望者側は、客観的なデータに基づいて要望事項をまとめ、事務局に提出。
  ・要望者側開発者、事業者、中間ユーザー、利用者等
中間ユーザーとは、利用者と事業者、医師の間に入り、最適な処方となるよう助言等を行う者であり、例えば車いすの場合であれば理学療法士等が想定される。
  ・データ例用途、ニーズ、有効性(効果)、安全性、耐久性、普及率、新旧比較、内外価格差、原価計算 等
  ・要望事項新規種目・型式・名称、価格変更、完成用部品指定申請、その他
義肢装具等完成用部品については、当面従来通りの取扱いとする。
  ・事務局厚生労働省社会参加推進室

(2)要望の受付
 要望を事務局にて一定期間受付け、整理とりまとめを行う。

(3)要望聴取等(プレゼンテーション)
 要望について事務局で整理とりまとめ後、専門委員会委員の代表が要望者側から直接プレゼンテーションを聴取する場を設ける。

(4)専門委員会
 ア 義肢装具等については従来の「義肢装具等専門委員会」の枠組みを活用する。義肢装具等専門委員会は、従来、完成用部品の指定審査のみを行ってきた経緯があるが、今般構築する専門委員会の仕組みにおいては、種目見直しや価格変更等についても検討する委員会として位置づける。
 イ 義肢装具以外の補装具については、義肢装具以外の補装具を検討する専門委員会を新たに設置し、義肢装具以外の補装具の種目見直しや価格変更等について検討する委員会として位置づける。
 ウ 要望聴取を経て、専門委員会にあがってきた要望内容について、必要に応じて利用者や身体障害者更生相談所、自治体等の意見を踏まえ、工学的・臨床的評価等に基づく検討の上、給付対象の可否等について、厚生労働省へ報告する。
 エ 専門委員会委員:工学的・臨床的な見地からの検討が可能な者
 ※補装具の種類に応じて、各分野の専門家を委員とすることに配慮する。
 ※委員は、基本的には利害関係のない第三者とする。なお、利用者等の意見を聴取する仕組みとして、関係者が臨時委員(オブザーバー)として参加する機会を設けること等が考えられる。

 ○調査研究
 専門委員会における検討の過程において、詳細な調査が必要と考えられる場合、検討材料を得るために、調査研究を行う。その際、厚生労働科学研究費や(財)テクノエイド協会委託研究事業費等の活用も考えられる。
 調査研究にあたって、利用者の立場を理解している者の意見を十分に踏まえる必要があるため、身体障害者更生相談所長会の協力を仰ぐことも考えられる。

(5)告示等への反映
 専門委員会から報告を受け、財政当局等との調整を行い、告示等への反映を行う。

要望提出から告示等への反映までの期間は概ね2年と考えられるが、調査研究を特に必要とせず、明らかに緊急性が認められるもの等については、早期に対応すべきである。

(2)基準外補装具の取扱いについて
 ・基準外補装具は、障害者等の現症等、真にやむを得ない事情により交付されるものであり、本来、交付自体が希なものである。
 ・現在、基準外補装具として数多く交付されているものについては、基準内補装具として採り入れていく方向が適当である。
 ・採り入れに際しては、「複数の県で、一定量、複数年にわたって交付」という状況が考慮される。なお、これらの状況把握については身体障害者更生相談所の協力を仰ぐことも検討すべきである。
 ・身体障害者更生相談所長会等を通じて、基準外補装具の実例を収集し、事例として紹介することで、基準外補装具の要件である「真にやむを得ない事情」の判断材料を提供することが必要である。

(3)現行基準・価格体系等の見直しについて
 現行種目において、交付基準や修理基準、価格体系の見直しが必要なものを整理し検討する必要がある。その際、厚生労働科学研究費や(財)テクノエイド協会委託研究事業費等の活用も考えられる。



参考1

専門委員会のイメージ(案)



参考2

専門委員会の役割分担(案)

補装具専門委員会
本文中「2−(1)(4)のア」に係る
専門委員会
(従来の枠組みを活用)
本文中「2−(1)(4)のイ」に係る
専門委員会
(新たに設置)
(1)義肢装具等の、種目見直しや価格変更等について検討
(2)義肢、装具、座位保持装置の完成用部品の指定等についての審査(義肢装具等専門委員会の役割を継承)
(3)その他、義肢、装具、座位保持装置に関すること。
(1)義肢装具以外(座位保持装置含む)の補装具の、種目見直しや価格変更等について検討
(2)その他、義肢装具以外の補装具に関すること。



補装具等の見直しに関する検討委員会委員名簿

(敬称略・五十音順)

氏名 役職名
【委員】
○ 伊藤 利之 横浜市総合リハビリテーションセンター長
   太田 敏子 東京都福祉保健局障害者施策推進部在宅福祉課長
   樫本   修 宮城県障害者更生相談所長
   栗原 一雄 千葉市高齢障害部障害保健福祉課長
   黒田 大治郎
神戸学院大学総合リハビリテーション学部
社会リハビリテーション学科教授
   坂本 洋一 和洋女子大学家政学部生活環境学科教授
【臨時委員】
   石井 喬志 有限責任中間法人日本補聴器販売店協会 理事長
   稲垣 平八 社団法人日本義肢協会 理事長
   大濱   眞 社団法人全国脊髄損傷者連合会 副理事長
   笹川 吉彦 社会福祉法人日本盲人会連合 会長
   佐野   昇 社団法人全日本難聴者・中途失聴者団体連合会
事務局長
   松枝 秀明 福祉用具適合技術協会 会長
   光野 有次 車いす姿勢保持協会 会長
   三村   誠 社会福祉法人日本肢体不自由児協会 常務理事
   宮田 広善 全国肢体不自由児通園施設連絡協議会 会長
   森   祐司 社会福祉法人日本身体障害者団体連合会 常務理事

 ※ ○印は座長



補装具等の見直しに関する検討委員会開催経過


第5回 平成17年11月1日
  (1)補装具等の種目改廃に係る考え方について
  (2)補装具等の価格設定に係る考え方について
  (3)基準外補装具に係る考え方について
  (4)補装具費の支給手続について
  (5)その他

第6回 平成17年11月30日
  (1)補装具等の種目、価格設定等に関するルール作りについて
  (2)その他

第7回 平成18年3月16日
  (1)補装具等の種目、価格設定等に関するルール作りについて
  (2)その他



照会先
[補装具等の見直しに関する検討委員会事務局]
  厚生労働省社会・援護局
   障害保健福祉部企画課地域生活支援室
     TEL 03−5253−1111(内線3076)
     FAX 03−3503−1237

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