06/06/29 第26回社会保障審議会年金数理部会議事録 社会保障審議会 年金数理部会(第26回)議事録 日  時:平成18年6月29日(木)10:00〜12:05 場  所:富国生命ビル28階大会議室 出席委員:山崎部会長、牛丸委員、熊沢委員、近藤委員、都村委員、林委員      宮武委員 議  事      1.平成16年度財政状況について     −国家公務員共済組合・地方公務員共済組合・私立学校教職員共済制度−               ○田村首席年金数理官  定刻になりましたので、ただいまより、第26回社会保障審議会 年金数理部会を開催 させていただきます。  審議に入ります前に、お手元の資料の確認をさせていただきます。座席図、議事次第 のほか次のとおりでございます。  資料1は、「平成16年度財政状況−国家公務員共済組合−」でございます。資料2は、 「平成16年度財政状況−地方公務員共済組合−」でございます。資料3は、「平成16 年度財政状況−私立学校教職員共済制度−」でございます。  このほか、参考資料といたしまして、平成16年度の「公的年金各制度の財政収支状況」 をお配りしてございます。これは前回と今回の部会で各制度より御報告いただく、財政 状況を一覧表に取りまとめたものでございます。なお、これについての御説明は省略い たします。  配布資料は以上でございます。  次に、本日の委員の出欠状況について御報告いたします。  栗林委員がまだお見えでないですけれども、ご出席の予定になっております。  以上でございます。  それでは、以降の進行につきましては、山崎部会長にお願いいたします。   ○山崎部会長  委員の皆様には御多忙の折、お集まりいただきましてどうもありがとうございます。  本日の議題は、国家公務員共済組合、地方公務員共済組合、私立学校教職員共済制度 の平成16年度財政状況についてであります。そのため、財務省から美並参事官に、総務 省から佐々木課長に、文部科学省から山下室長にご出席いただいております。ありがと うございます。  それでは、国家公務員共済組合、地方公務員共済組合、私立学校教職員共済制度の平 成16年度財政状況についての議事に入ります。初めに国家公務員共済組合の平成16年 度の財政状況について報告を聴取いたします。 ○山崎部会長  それでは説明をお願いします。   ○美並財務省大臣官房参事官 財務省で共済を担当する参事官をしております美並でございます。本日は、資料1、 国家公務員共済組合の平成16年度の財政状況について御説明させていただきます。 本日は財務省とともに、国家公務員共済組合連合会の方にも同席をしていただいて おります。 それでは資料に沿って説明したいと思います。 まず1ページ目でございますけれども、国共済の収支状況につきまして、直近5 年間の推移を記載しております。国共済では、従来簿価ベースでの会計処理が行わ れているところでございますけれども、当部会からのお求めによりまして、いくつ かの項目については参考値として時価ベースの数値も記載しております。平成16年 度の数値については、右から2番目の欄になるわけでございます。 まず、収入総額は2兆1,234億円となっておりまして、前年度との比較で申し上 げますと、170億円、0.8%の増加となっております。この数字の時価ベースの数字 は括弧書きにあります2兆1,527億円となっております。ここでいう時価ベースの 収入総額ですが、従来の収入総額に当該年度末の積立金の評価損益を加えまして、 前年度末の積立金の評価損益を除いたものでございます。 収入内訳ごとに見ていきますと、保険料収入が1兆218億円となっております。 前年度に比べまして12億円(0.1%)の微減ということでございます。 国庫・公経済負担につきましては、1,525億円、前年度に比べ92億円、6.4%増加 でございます。 追加費用については4,918億円となっておりまして、前年度対比269億円、5.2% 減少でございます。 運用収入は、2,109億円、対前年度で言いますと248億円減少しています。これに ついて有価証券売却損等を除いた正味の運用収入は1,998億円、更にこれに評価損 益を加味した時価ベース運用収入については2,291億円となっているところでござ います。 そのほかの収入としましては、基礎年金の交付金が1,729億円、地共済と財政単 位が一元化されたことに伴います財政調整拠出金の収入708億円となっているとこ ろでございます。 次に支出でございますけれども、支出総額は2兆1,138億円でございまして、前 年度に比べまして265億円、1.3%の増加となっております。その内訳で申し上げま すと、給付費は1兆6,779億円、前年度に比べ71億円減少になっております。  それから、基礎年金拠出金ですが、4,192億円となっておりまして、前年度に比べ て294億円、7.5%の大きな増加となっています。この原因としては、日本全体にお ける人口の高齢化に伴い基礎年金の給付費用が増加していることによるものと考え ております。  それから、旧JR、JT両共済に対しての支援金であります年金保険者拠出金は 28億円となっていまして、これは前年度に比べて12億円、29.6%減少となっており ます。これが大幅に減少したのは平成9〜13年度の5年分の拠出金の実績値に基づ く精算というのが平成15年にまとめて行われておりますので、平成15年度の額が 例年より大分大きかったことによるものでございます。  その他についての支出は139億円になっておりまして、先ほどの収入、支出の収 支残は96億円となっております。  その結果、年度末の積立金としては、8兆7,034億円となっております。  これらを時価ベースで見ますと、収支残が389億円、時価ベースの年度末の積立 金が8兆8,564億円となっております。  2ページ目でございますけれども、これはただいま申し上げました平成16年度の 収支状況を概念図としてあらわしたものです。説明については省略させていただき ます。  1ページめくっていただきまして、3ページ以降6ページ目までは給付状況につい ての受給権者数、年金総額、平均年金額及び平均加入期間についての直近5年分の 表となっております。  まず3ページ目でございますけれども、平成16年度末は右から2つ目の欄の一番 上でございますけれども、受給権者数96万2,000人となっておりまして、前年度の 対比で言いますと、2万9,000人の増加となっております。その内訳が下に出ており ますが、退年相当が62万9,000人、通退相当が7万人、障害年金が1万4,000人、 遺族年金が24万9,000人となっているところでございます。  この年金総額については、すぐ下の欄ですが、合計が1兆7,588億円となってお りまして、前年度対比で言いますと102億円減少、率では0.6%減少です。その内訳 としては、退年相当が1兆3,520億円となっているわけでございます。この減少に ついては、定額部分の支給開始年齢が61歳から62歳に引上げられたこと、△0.3% の物価スライドが行われたことによるものと考えております。  次に4ページですが、この上の表は退職給付について減額、増額支給別にあらわ したものです。ただし共済年金には増額支給はないので増額支給の欄は全て空欄と しております。減額支給となっている者は12万6,000人、年金総額はその下の欄に あります2,294億円となっております。  下の表は退職年金の受給権者に係る平均年金月額及び平均加入期間でございます。 平成16年度末現在の平均年金月額は、男女合計で17万9,067円となっております。 前年度に比べて5,602円の減少となっております。ここは先ほど申し上げました支 給開始年齢の引上げ、マイナスの物価スライドの影響が出ていると考えております。  新共済法による退職共済年金では、65歳に達して、いわゆる本来支給の受給権者 となりますと、社会保険庁から老齢基礎年金が支給されるわけですけれども、この 平均年金月額には老齢基礎年金は含まれておりません。そこで厚生労働省からいた だいたデータを用いて基礎年金額を含めた平均年金月額の推計値を作成しておりま す。これが3つ下の欄にあります20万9,288円というものです。これは前年度対比 で言いますと、4,159円減少となっております。  それから、平均加入期間、2つ下ですが、419カ月、34年11カ月になっています。  1ページめくっていただきまして、5ページ目ですが、これは今御説明したものを 男女別にあらわしたものです。これについては説明は省略させていただきます。  6ページ目は、加入期間が20年以上の新規裁定者につきまして平均年金月額等を 示したものになっております。平成16年度の欄でございますけれども、男女合計の 平均年金月額は13万466円となっておりまして、前年度に比べますと、17,540円減 少でございます。ここでの平均加入期間は436カ月、36年4カ月となっております。  2段目、3段目というのは、これを男女別に示したものでございます。 それから、ページをめくっていただきまして、7ページ目でございますけれども、非 常に細かい表になって恐縮でございますが、これは退年相当受給権者数の給付状況 を年齢別に示したものでございます。平成13年度の御報告から新たに作成し始めた ものですので、平成13年度末の状況から示しております。平成13年度以降、これ までは60歳の者は原則的に定額部分はないため、他の年齢の特別支給の受給権者と 比べて低い年金額となっていました。ただ、平成16年度では、この定額部分の支給 開始年齢が62歳に引上げられております。したがいまして、これまでの60歳の者 に加えまして、61歳の者の平均年金月額も大幅に低下しております。ちょっと見に くうございますけれども、60歳未満、60歳、61歳、62歳と欄がありますけれども、 例えば61歳の方の額がかなり低くなってきております。 それから、8ページ及び9ページ目の表でございますけれども、これを更に男女別 に分解したものです。国共済は厚生年金と違い、女性の支給開始年齢は男性と同じ スケジュールで引上げられております。したがって、例えば9ページを見ていただ きますと、これは女性ですけれども、先ほど申し上げましたように、女性の場合も 61歳の平均年金月額が大幅に低下しているわけでございます。  それから、1ページめくっていただき10ページ目、退職年金受給権者数の年齢階 級別の分布状況でございます。構成割合で見ますと、男性・女性とも70〜75歳とい うところの階級が最も多くなっています。男女計、男性ではその次に多いところが 65歳以上70歳未満、75歳以上80歳未満というところになっております。女性の場 合は若干違いまして75歳以上80歳未満が2番目に多くなっているといった状況で す。  ちなみに平均年齢で見ますと、男性の場合は71.9歳、女性が72.7歳、合計で72 歳というようなことになっています。  ページをめくっていただきまして11ページ以降15ページまで組合員の状況につ いてまとめたものになっています。  まず11ページ、平成17年3月末、16年度末の組合員数は右から2番目、  108万6,000人で前年度との比較で言いますと、5,000人減少になっております。  男女別で言いますと、男性が88万5,000人、前年度対比で言いますと8,000人減 少になっております。ちなみに女性は20万1,000人で3,000人の増でございます。  全体の構成で見ますと、8割以上が男性組合員が占めています。ただし、推移で見 ますと男性組合員の割合は徐々にではありますが、年々低下してきているようでご ざいます。  組合員の平均年齢ですが、合計のところで40歳、前年度との比較でいえば0.1歳 上昇しております。男女別に見ますと、男性は40.7歳、女性は36.9歳でございま す。男性は前年度に比べ0.2歳上昇ということで、徐々にですが、年々上昇してき ているわけでございます。他方、女性は見ていただければおわかりのように、5年間 36.9歳で一定ということになっております。したがって、男女の年齢差で見ますと 3.8歳ということでだんだん広がってきているということになるわけでございます。  それから、標準報酬の平均ですが、これは40万6,543円でございます。前年度に 比べまして3,897円の増加となっております。男女別に見ますと、男性が 41万9,494円、女性が34万9,516円となっております。前年度の比較で見ますと、 合計、男性、女性とも大体1%の増加となっています。  標準報酬の月額の総額は5兆2,582億円でございます。前年度と比較しまして278 億円の減少となっています。  標準賞与総額でございますけれども、これが1兆8,135億円、標準報酬月額総額 と標準賞与総額を合算した標準報酬の総額で見ますと、7兆717億円でございます。  ちなみに標準報酬総額の組合員1人月額ですが、男女合計で54万3,117円、一番 下の欄でございます。  12ページは、年齢階級と加入期間階級をクロス表にしたものでございます。13、 14ページはこれを男女別に示したものとなってございます。まず年齢階級の方で見 ていただきたいと思いますけれども、これまで比較的一様な年齢分布で推移してき たわけでございますけれども、近年徐々に分布のピークが形成されつつあるように 感じます。具体的には、30歳以上35歳未満というのは16.6%とほかの階級に比べ て高まってきております。その一方で、25歳以上30歳未満、これは11.9%ですが、 他の階級に比べて低くなってきているということがうかがわれます。  実はこれは男女別で見ましても、13ページ、14ページでございますけれども、30 歳以上35歳未満の割合が上昇しまして、25歳〜30未満の割合が低下してきている ようでございます。  特に14ページの女性の方を見ていただきたいと思いますが、実は分布のピークが この2年間ほどで25歳以上30歳未満から30歳以上35歳未満に移ってきておりま して、22%と高くなってきています。ただ、女性では25歳以上から40歳未満まで の3階級で半分以上を占めるといった状況は変わってきておりません。  恐縮ですが、戻っていただきまして、加入期間階級別にどうなっているかという ところを見ていただきたいと思います。これは下から2行目の構成割合のところに なるわけですが、13ページ男性で見ていただきますと、加入期間を見ますと、35年 未満までの各階級に比較的一様に分布しているところでございます。  それから、女性については14ページでございますけれども、20年未満までの階級 に集中していると。女性については、20年未満までで7割強を占めるといった状況 になっております。  15ページは、標準報酬月額による分布を示したものです。男性で見ると、標準報 酬月額最高の62万円に11.0%と分布しているという形になっておりますけれども、 これは上限でございますので、次に多い47万円のところ、8.0%というのが実質的 な分布のピークということでございます。  一方、女性で見ますと、標準報酬月額の28万円のところ、ここが8.2%、41万の ところが8.1%ございまして、いわばピークが2つある分布になっているわけでござ います。  ページをめくっていただきまして、16ページに積立金の運用状況を示しておりま す。16年度末の資産構成をお示ししておりますが、これについては、全ての区分項 目について時価による評価替えが行われているわけではございません。そのような 項目については、時価ベースの金額のところは簿価と同額で提示させていただいて おります。  説明は簿価ベースでさせていただきたいと思いますが、まず現金・預金等の流動 資産の合計が2,277億円となっております。  固定資産が8兆4,825億円となっております。固定資産の内訳を見ていただきま すと、まず預託金が4兆3,013億円、有価証券等が3兆1,139億円、不動産が2,134 億円となっております。また貸付金、組合あるいは福祉経理に貸し付けているもの ですが、8,540億円となっております。有価証券等については、平成15年度より全 て包括信託という契約形態がとられておりまして、委託運用、自家運用に分けられ ております。委託運用については、主として国内債券、国内株式、あと外国株式に よる運用となっております。一方で自家運用の方は、基本的に国内債券による運用 となっています。  構成割合で申し上げますと、固定資産の中の預託金、これが49.4%になっていま す。それから、有価証券等が35.7%、貸付金が9.8%という状況になっております。  1ページめくっていただきまして17ページ以降でございますけれども、これは16 年度の実績と平成11年再計算に基づく将来見通しとの比較を示したものでございま す。平成11年財政再計算につきましては、将来組合員数について厚生年金被保険者 と同様の傾向で推移するという前提で、それから基礎年金の国庫負担については  3分の1として行ったケースのものを使用しております。  17ページですけれども、平成16年の実績、これは1ページ目の収支状況に計上し たものと同じでございます。保険料について見ますと、将来見通しでは 1兆1,851億円となっておりましたが、実績は1兆218億円ということでございます。 これについては、主な要因というところで示しておりますが、組合員数、賃金上昇 率、再計算のときには2.5%で見込んでおりましたが、実績は0.5%でございます。 それから保険料率、これも再計算当時の見込みと実績は違っております。これらに よる原因と考えております。  それから、運用収益につきましても、将来見通し3,473億円に対して、実績は2,109 億円でございます。これは運用利回りの差でございまして、再計算時は4%でござい ましたが、実績は2.35%でございまので、これが要因と考えております。  支出の方の給付費、これも将来見通しに比べて実績が低くなっているわけですが、 これについては年金改定率の差が乖離の原因と考えております。  1ページめくっていただき18ページ目でございますけれども、これは組合員数、 受給者についての比較になっております。平成16年度末の組合員数は将来見通しに 対して低くなっておりまして、108万6,000人ということでございます。これの主な 要因は、ここにありますように定員削減と考えております。  それから、新規加入者、脱退者数ですが、将来見通しでは新規加入者、脱退者と も5万4,000人となっているわけでございますけれども、実績の方は新規加入者は 5万3,000人、脱退者数が5万8,000人となっております。  右の方に、種別の年金受給者を示しておりますけれども、表に記載しているとこ ろでございます。  1ページめくっていただきまして、19ページ、財政指標について実績、財政再計 算についての比較を示したものです。年金扶養比率は、平成16年度の年金扶養比率 は、上の表の一番左下の欄にありますように1.73でございまして、前年度に比べて 0.03低下しております。追加費用等を考慮した保険に係る年金扶養比率で見ますと、 2.32、前年に比べ0.11低下しております。なお括弧の中ですけれども、これは受給 者数による年金扶養比率を計算しておりまして、年金扶養比率は1.77、保険に係る 扶養比率は2.38になっております。実は再計算では、受給者数で年金扶養比率を作 成しておりますので、比較の場合には括弧書きで見ていただくのが適当かと思いま す。  中ほどの【参考】ですが、これは参考指標として、前回より報告を求められるこ とになりました年金種別の費用率でございます。老齢費用率、障害費用率、遺族費 用率それぞれ種別に示しております。  下の方の表は、11年の再計算の結果でございますけれども、先ほど申し上げまし た年金扶養比率で言いますと、1.94でございまして、それから保険に係る年金扶養 比率2.57、いずれも実績に比べ高くなっている。実績の方が見通し、再計算よりも 低くなっているという状況でございます。  20ページ目が総合費用率についてです。これも上の表の一番左下ですが、総報酬 ベースで17.14となっております。再計算の見通しでは、総合費用率18.41でござ いますので、実績が低くなっているものでございますけれども、これは先ほど来申 し上げております年金改定率の差によるものであろうと考えております。  21ページは、総合費用率のうち厚生年金相当部分に係るものでございます。16年 度の実績が15.88、再計算に基づいた推計値が17.39でございますが、これも同様に 考えております。  それから、22ページでございますけれども、こちらは独自給付費用率の比較でご ざいます。16年度の実績13.20、再計算の見通しは14.60でございます。これにつ いても年金改定率の差によるものと考えております。  23ページにつきましては、厚生年金相当部分に係る独自給付費用率でございます。 先ほどの21ページ目と同じく厚生年金相当給付費を用いて計算しているところでご ざいます。  24ページは、収支比率をお示ししております。平成16年度の収支比率は、これも 左下、16年度98.30ということで前年に比べて0.32上昇しています。  一方、11年再計算による見通しでは92.10と推計したところでございます。  最後、25ページでございますけれども、積立比率をお示ししております。平成16 年度の積立比率については7.17でございまして、前年度に比べて0.14上昇してい るわけでございます。一方、再計算の方は、積立比率は6.23と推計しておりますの で、実績の方が高くなっているというふうな状況でございます。  大変駆け足で恐縮でございますけれども、私からの説明は以上とさせていただき ます。   ○山崎部会長  ありがとうございました。ただいまの説明に関して何か御質問等ございますでし ょうか。 ○牛丸委員  ありがとうございました。1ページの収支状況のなかに運用収入という項目があり、 16ページでしたか、こちらには積立金の資産構成がありました。先週の厚生年金・ 国民年金のところでもお聞きしたのですが、実際制度的なことを説明いただきたい のです。現状において、これだけの積立金があるというのはわかりましたが、資産 運用に関して、運用収入の中の正味運用収入及び時価ベースに関しては、現在積立 金が存在するものに関して時価評価して、それをここに載せたということでわかる のですが、どのように資産運用されているのか。恐らく何らかの基準みたいなもの を設けて、委託をして、その収益に関して何らかの評価をするという作業を当然行 っていると思いますが、時間をとる必要ありませんが、大体それがどうなっている のかを教えてください。 1ページ目の収支状況の中の運用収入という一番上のところは、これはいわゆる実 現した現金としての収入、そう解釈してよろしいのですね。 ○美並財務省大臣官房参事官 はい。 ○牛丸委員 積立金に関して実際には現金として実現はしてないけれども、いろんな変化に応 じて時価の変動があります。プラスマイナス、それを加味して損を入れて最終的に 時価ベースが出る。この一番上はまさに実現した現金として入ってきたものだけを 考えていると、それでよろしいですね。 ○美並財務省大臣官房参事官 はい。 ○牛丸委員 長期のものでしょうから、毎年毎年動かすようなことはしないと思いますが、結 局それがどういった基準で、どういうものに、結果としての現在の資産構成は16ペ ージでわかりますけれども、その辺のプロセスというのでしょうか、どういうふう な仕組みといいますか、それがどうなっているかということを、簡単に説明するの は難しいでしょうが、お願いします。きょうの説明では、現在の資産はこれだけで した、昨年からこれだけ変わりました、構成はこうです、それはわかったのですが、 その間の資産運用に関して、私たちとしてはこういうふうにやっていますというこ とが分からないので、説明をお願いしたいというのが一つです。 もう一つは、簡単な確認事項なのですが、16ページの資産構成の中で、先ほど簿 価と時価ということですが、説明は簿価でやってくださったのですけれども、例え ば国内株式の簿価ベースでいくらと書いてありますね。この株式の場合の簿価とい うのは、要するにその株式を購入したときの価格と解釈してよろしいのですか。 ○色川国家公務員共済組合連合会資金管理課長 そのとおりです。 ○牛丸委員 実際にはそんなに意味はないわけですよね、変動しておりますので。株の価値と いうのはそのときの時価ですから。これは購入価格ということでよろしいのですね。 ○美並財務省大臣官房参事官 はい。 ○牛丸委員 それはわかりました。先ほどの第1点、もし説明できればということですが。 ○色川国家公務員共済組合連合会資金管理課長 資産構成につきましては、厚生年金も同様だと思いますが、基本ポートフォリオ を定めておりまして、その基本ポートフォリオに沿った運用をやっているというこ とでございます。基本ポートフォリオはここでいう時価ベースのウエイトを見てや っているというように御理解願いたいと思います。 ○牛丸委員  例えば厚生年金・国民年金の場合には一つの委託する機関がありますね。そうい うようなところではなく、全てそこが。 ○色川国家公務員共済組合連合会資金管理課長  ここで言っている委託運用というのは、各運用会社に運用をお願いしているもの でございます。全部で多分25社にお願いをして運用を願っているところでございま す。それから、自家運用のところにつきましては、これはインハウスで、私ども連 合会の中で運用をやっているというものでございます。 ○牛丸委員  今、お話があったような形での事前のポートフォリオの決まりといいますか、そ れを設定して、それに基づいて委託先にお願いをして、その結果としての収益、そ れを評価するという作業を行っていると。 ○色川国家公務員共済組合連合会資金管理課長  もう一つ、私ども厚生年金に比べまして国共済は成熟度が高うございます。その 関係である程度の実現益と保険料収入等で年金の支払いに充てておるわけですが、 成熟度が高いものですから、ある程度の実現益を、リスクを低くしてとっていこう ということで、基本的に国内債券、預託金も含めて国内債券に多くのウエイトを与 えているという少し特徴があろうかと思います。 ○牛丸委員  わかりました。 ○都村部会長代理  国共済の平成14年、15年、16年度の毎年の積立金の運用利回りが、地共済、私 学共済よりも3年とも高いのですけれども、この点は今の御説明と関連あるのでし ょうか。もう一つは、平成16年度の賃金上昇率ですけれども、厚年、地共済、私学 共済いずれも賃金上昇率はマイナスですけれども、国共済だけプラスになっている のは何か理由があるのでしょうか。  それともう一つ、お伺いしたいのですけれども、20ページの物価上昇率の実績に 関連して、今後のマクロ経済スライドについてお尋ねしたいのですけれども、20ペ ージ以降の物価上昇率、これは全制度共通ですけれども、によりますと、14年度、 15年度、16年度は△0.9、△0.3、0.0%であって、それぞれ物価の動きどおり翌年 年金額がスライドしているわけですね。ですけれども、その前の、平成11年度、12 年度、13年度の物価上昇率は△0.3、△0.7、△0.7パーセントですね。この3年間 の物価下落については、年金額のスライドが行われていません。今後マクロ経済ス ライドを行う場合に、この11年から13年の物価下落率というのは効いてくるのか どうか。マクロ経済スライドがいつから開始されるのか、教えてください。以上で す。   ○下島財務省共済計理官  財務省の共済計理官でございます。利回りが高い要因については、後で連合会の 方から答えてもらうことにいたしまして、2点目の16年度の賃金上昇率がプラスで ある要因ということですけれども、資料のページで申し上げると、11ページあたり になるのかもしれませんが、15年度(前年度)に関しましては、実はマイナスの人事 院勧告がありまして、行政職の一般の俸給ベースは平均で1.1%減ということがござ いました。16年度に関しましては、人事院勧告によるプラスマイナスはないという ことでございまして、全体的に見ますと、組合員の高齢化も進んでおりますし、ま た、年度末で見た場合と年度間で見た場合、年度間ですと、11ページの一番下の総 報酬ベースの年度間平均というようなところでございますけれども、あまり変わっ ていないということで、とる統計によって多少ぶれる面がありますけれども、基本 的には前年度との比較で申せば人事院勧告の影響が大きいということでございます。  あとマクロ経済スライド制が導入された中で、マイナスの物価スライドが行われ なかった件がどのように解消されるのかということですが、この辺は厚生年金と同 じでございます。スライドの仕組みも含めて給付につきましては、スライド率は厚 生年金と同じスライド率を使うことになっています。     ○色川国家公務員共済組合連合会資金管理課長 運用利回りの件でございますが、先生の方からのご質問は、私どもの実現の利回 りが高いというお話と理解してよろしゅうございますでしょうか。 ○都村部会長代理  他制度と比較して、3年間続いてですね。   ○色川国家公務員共済組合連合会資金管理課長  ここで見ていただきますとおり、13年から16年にかけまして、私どもの運用利回 りが2%半ば程度で推移してきていると思うのですが、ここは他制度と詳しく私ども 比較しているわけではございませんが、私どもの基本ポートフォリオは、内外株式 等のリスク資産のウエイトを低くしてございます。たしかこの当時は内外株式で 8%ぐらいのウエイトを持っていたと思いますが、許容範囲は持っていますので、 基本的には中心線が8%ということで考えて運用をしてまいっているわけでござい ます。そのほかは基本的には預託金も含めた国内債券で運用していますので、その ところで安定的な収益がとれてきたのかなというようには思っております。よろし ゅうございますでしょうか。   ○都村部会長代理  ありがとうございました。 ○山崎数理課長  年金局の数理課長でございます。先ほどのマクロスライドの発動の件に関しまし てちょっと補足させていただきますが、御指摘のように、マイナスの物価スライド が行われなかった分、累計で1.7%分ございますので、マクロ経済スライドの発動以 前に、まず物価がプラスになりましたときに、この1.7%分を順次解消してまいりま して、この解消が終わったところからマクロ経済スライドは発動されると、こうい う仕組みになっておりまして、これは厚生年金も各共済年金も全く同じ仕組みとい うことでございます。  以上でございます。   ○牛丸委員  今の利回りの話と少し関係がありますが、前回、厚生年金・国民年金の積立金に 関して御質問したところ、後で御説明いただいたのですが、今、そちらの方からも 基本ポートフォリオというか、基準を設けてそれに基づいて運用されているという お話がありました。そういう基準といいますか、それに基づいてどういうふうにな ったかという結果といいますか、それに対する評価といいますか、それが何らかの 形でどこかにオープンされていますか。というのは、厚生年金・国民年金の場合に は、オープンされていますので、ああ、そうだったかということが見えますので、 今の利回りが高いことは結構なのですが、それがどういうことだったのかという運 用の成功といいますか、その結果かもしれませんけれども、そういうところがどこ かに出ているかどうかということを教えていただきたいのです。   ○色川国家公務員共済組合連合会資金管理課長  連合会の中に評価委員会をつくってございまして、そこで毎年評価を、15年度決 算からだったと思いますが、毎年7月から9月にかけてやっていただいております。 その結果等につきましては、私どもの連合会のホームページで公表をしているとこ ろでございます。   ○牛丸委員 わかりました。 ○山崎部会長  よろしいでしょうか。それでは、以上で国家公務員共済組合の財政状況について の報告聴取を終了いたします。報告者の方々には、お忙しい中、ありがとうござい ました。御退席いただいて結構でございます。  次に地方公務員共済組合の平成16年度の財政状況について報告を聴取いたします。  それでは、説明をお願いいたします。   ○佐々木総務省福利課長  地方公務員共済年金を担当しております総務省福利課長の佐々木でございます。 よろしくお願いいたします。本日は地方公務員共済組合連合会の担当者も同席をい たしておりますので、よろしくお願い申し上げます。  それでは、お手元の地方公務員共済組合の平成16年度財政状況の概要につきまし て資料に沿いまして御説明を申し上げます。  まず、資料の1ページ目、収支状況でございます。地共済の収支状況について、 過去5年間の推移を記載したものでございます。一番右の平成16年度の欄につきま して順次御説明をさせていただきます。  まず収入ですが、保険料が2兆9,735億円、前年度に比べまして59億円、0.2% の増加となっております。  公的負担については3,795億円、前年度に比べ493億円、14.9%の増加となって おります。  追加費用につきまして、1兆2,465億円、前年度に比べ887億円、6.6%の減少と なっております。  運用収入は7,534億円、前年度に比べ534億円、7.6%の増加。  更に有価証券売却損などの費用を除きまして正味運用収入が7,463億円、更に正 味運用収入に評価損益を加味いたした時価ベースでの運用収入が1兆3,407億円と なっております。  基礎年金交付金が3,910億円で、前年度に比べ36億円、0.9%の減少となってお ります。  次の欄に財政調整拠出金収入という項目が入っております。先ほど国共済さんの 方から御説明ございましたが、16年の改正において、地共済と国共済の財政単位の 一元化により、平成16年10月から財政調整が行われております。したがいまして、 16年度から収入と支出の欄に財政調整に係る欄を追加しておりますが、平成16年度 は地共済から国共済への財政調整拠出金の拠出でございますので、収入の方の財政 調整拠出金収入についてはございません。  その他の40億円を合わせまして、収入総額一番上、5兆7,479億円、前年度に比 べ172億円、0.3%の増加となっております。  また時価ベースでの収入総額は6兆3,423億円となってございます。  次に下の欄の支出でございます。給付費が4兆2,783億円で、前年度に比べ 165億円、0.4%の増加。  基礎年金拠出金が1兆11,235億円で前年度に比べ678億円、6.4%の増加。  年金保険者拠出金については287億円で、前年度に比べ99億円、52.8%の増加と なっております。先ほど国共済さんの方で、過去の清算という御説明ございました。 地共済関係で過去5年分の清算で、平成15年度の額がこの清算で低く抑えられてお りましたので、この16年度の対前年度比については大きくなっているといったよう なことも影響してございます。  それから、先ほど申し上げました財政調整拠出金、これが地共済から国共済への 拠出金の支出ということで、708億円の拠出金となっております。  その他、144億円で、前年度に比べ161億円、52.8%減少。  合わせて支出総額が5兆5,158億円、前年度に比べ1,489億円、2.8%の増加とな っております。  その結果、収支残2,322億円、前年度に比べ1,317億円の減少。また時価ベース での収支残は8,266億円となっております。  その下の年度末積立金が38兆619億円で、積立金運用利回りが1.98%。  時価ベースでは、年度末積立金が38兆7,870億円、積立金運用利回りが3.55%と いう数字になっております。  2ページ目は、国共済さんと同じように図式化したものですので、説明は省略をさ せていただきます。  3ページ目の給付状況の方に移らせていただきます。  右から2番目の欄の平成17年3月末の欄で御説明をさせていただきます。まず受 給権者数、退年相当で155万2,000人、通退相当12万9,000人、障害年金で3万7,000 人、遺族年金が52万2,000人、これを合わせました合計で受給権者数224万人とな っておりまして、前年度に比べて6万5,000人、3%の増加でございます。  また、年金総額については、退年相当給付が3兆5,886億円、以下それぞれご覧 のような額となっておりまして、合計4兆5,006億円、前年度に比べ114億円、0.3% の増加でございます。  次の4ページの上の表ですが、退職給付について、減額、増額別にあらわしたも のですが、共済には増額支給ございませんので、増額の部分は空欄でございます。 減額となっております受給権者、平成16年度で7万2,000人、その年金総額、退年 相当給付にございます1,241億円となっております。  同じ4ページの下の方の表ですが、退職年金平均年金月額が、平成17年3月末で 19万2,706円、対前年度で5,958円、3.00%の減となってございます。  その3段下に基礎年金を含めました平均年金月額の計算をいたしておりますが、  22万3,064円と前年度比4,711円、2.07%減少でございます。  また、1つ飛んだ欄に、退職年金平均加入期間ございますが、414月となってござ います。  次の通年相当では、老齢基礎年金を含めずに計算した平均年金月額が4万7,630 円となっておりまして、一番下の平均加入期間が130月となってございます。  5ページの表でございますが、今、申し上げました平均年金月額あるいは平均加入 期間につきまして、男性・女性別にあらわしたものですので、説明は省略をさせて いただきます。  6ページ目が一番上にございますのが退職年金、加入期間20年以上の新規裁定に 係ります退職年金平均年金月額、平成16年度の欄で14万6,803円、前年度比1万 6,972円、10.36%の減少になってございます。  そこから3つほど下の退職年金平均加入期間は431月となっております。  以下は男性・女性に分けたデータでございますので、説明は省略させていただき ます。  次に7ページの細かい表でございます。先ほど国共済さんでも御説明がございま した。右から2番目、平成17年3月末の欄のところを少し下に行っていただきまし て、61歳合計の欄を見ていただきますと、14万8,400円という数字が入ってござい ます。前年度が21万3,305円となっておりますのに対して大きく減少をしてござい ます。これが平成13年度から開始された定額部分の支給開始年齢の引上げ、これに つきまして、平成16年度からこの定額部分の支給開始年齢が62歳に引上げられた ことによりまして、こういった数字があらわれてきているということでございます。 この少し下の62歳の欄は21万9,291円となっておりますので、これは定額部分が 支給される62歳の額がこの程度の額だということでございます。  8ページ、9ページは、これを男性・女性に分けた資料でございますので、説明を 省略をさせていただきます。  10ページ、退年相当の受給権者につきまして、年齢階級別にお示しをしたもので す。男性・女性ともに、60歳〜64歳の階級が一番多く、次いで70〜74歳、65〜69 歳となっております。男女合計で、この3階級で64.2%、ほぼ3分の2近くを占め ております。平均年齢は男性で71.7歳、女性が71.9歳、男女合計71.7歳となって おります。  次に11ページから組合員の状況でございます。  まず組合員の数ですが、平成16年度末で311万1,000人、前年度に比べまして4 万人、1.3%の減少でございます。大体地共済の場合は男性と女性の比率が、概ね男 性2に対して女性1といった感じになっておるところでございます。  平均年齢は男性が44.4歳、女性が41.7歳、併せて43.4歳。15年度に比べて男女 合計で0.4歳上昇をいたしております。  平均給料月額が36万3,684円となっておりまして、男性・女性の平均、それほど 大きく変わりませんが、女性の方が若干低くなっております。これは女性の平均年 齢が、先ほどご覧いただきましたように、3歳ほど低くなっておりますので、これが 大きな要因であろうというふうに考えられます。  下の表の標準報酬月額総額、標準報酬ベースに換算いたしました金額で 16兆9,031億円、前年度に比較して2,585億円減少でございます。  標準賞与総額が5兆6,948億円。また総報酬ベースの標準報酬総額が 22兆5,979億円。  組合員数の年度間平均が男性が197万4,000人、女性が114万6,000人、合計で 312万人。総報酬ベースの標準報酬総額の年度間平均が男性で62万3,891円、女性 が56万8,606円、併せて60万3,578円となってございます。  12ページが、年齢階級別と加入期間別のクロスで見た組合員数でございます。ま ず年齢別ですが、右側の合計のところ、45〜50歳未満のところに50万3,000人ぐら いおります。50〜55歳未満のところに52万6,000人程度、55〜60歳未満のところ に  46万2,000人。大体45〜60歳未満のところに組合員がかなり集中をいたしており まして、この3つの階級で全体の48%、概ね半分がここに集中いたしております。 もう少し若い世代でいきますと、20代の2つ合わせて大体11%、30代2つで25.3%、 大体こんなようなトレンドとなっております。  組合員の期間別でいきますと、30〜35年未満のところに全体の15.2%、25〜30 年未満に14.6%、その次に多いところは10〜15年未満で14.5%というふうになっ てございます。  13ページと14ページは男女別の区分でございますので、説明を省略させていただ きます。  次に15ページ、給料月額の分布でございます。地方公務員共済の場合は本俸制で ございまして、従来から基本給の1万円単位の数字で提出いたしております。  平均給料月額一番下の欄にありますように、男性が37万3,000円、女性が 34万8,000円ぐらいの数字になっております。男女併せて36万4,000円。  分布としては、男性では42万円〜43万円のところが6.7%ということで、一番比 率の高いところになってございます。また、女性の場合も大体同じようになってお りまして、40〜41万円、42〜43万円、ここのところに女性の場合、5.8、5.8という 数字が入ってございます。ここが最も多く分布をいたしております。いずれもこの あたりから給料月額が下がるに従って、なだらかに減少するといったような分布状 況になってございます。  次に16ページ、積立金の運用状況でございます。  年金資産の資産構成でございますけれども、平成16年度の長期給付積立金の総額、 簿価ベースで一番下にあります38兆619億円、時価ベースで38兆7,870億円とな ってございます。  主な内訳ですが、有価証券等が簿価ベースで30兆5,730億円、時価ベースで  31兆2,868億円、これらが資産全体の8割を占めてございます。  更にこの有価証券等のうち金銭信託が簿価ベースで13兆9,327億円、時価ベース で14兆2,950億円、また、その一段下の有価証券が簿価ベースで15兆8,438億円、 時価ベースで16兆1,941億円などとなってございます。この金銭信託と有価証券で 資産全体の75%以上を占めております。  更に、この有価証券の中では国内債券が簿価ベースで約11兆8,000億円、時価ベ ースで12兆2,000億円、以下外国債券等々の状況になってございます。  次に17ページ以降でございますが、16年度の決算実績と平成11年財政再計算に おける将来見通しとの比較でございます。  17ページの収支状況の比較でございます。まず収入ですが、一番左の保険料、将 来見通しで3兆6,654億円でありましたところ、実績が2兆9,735億円となってお りまして、これは組合員数の減少、あるいは給与改定率などの影響が相まって、こ の違いが出てきたというふうに考えられるところでございます。  運用収益は、将来見通し1兆6,245億円に対しまして、実績7,534億円でござい ます。これは運用利回りを将来見通しでは4%としておりますのに対しまして、実績 で1.98%となりましたことが影響しているものです。  こういったことで、収入総額は将来見通しで7兆656億円に対しまして、実績で  5兆3,569億円となっております。  右側の支出ですが、給付費が将来見通しで4兆5,534億円、これに対して実績で  3兆8,873億円となっております。これは年金改定率の差が要因となってございま す。  それから、基礎年金拠出金が将来見通しで1兆1,478億円に対し、実績では  1兆1,235億円となっております。これも年金改定率の差が要因となってございま す。  支出総額で将来見通しが5兆7,303億円に対して、実績で5兆1,248億円となっ てございます。  次に18ページが組合員数及び受給者数につきまして比較をした表でございます。  組合員数は将来見通しで332万6,000人でございましたが、実績で311万1,000 人となってございますが、これは新規採用者の抑制などに伴う影響だと考えられま す。  受給者数は将来見通しで219万3,000人でございましたが、実績で215万2,000 人。  下の新規加入者、脱退者数ですが、将来見通しで平成16年度は組合員数一定でご ざいますので、いずれも11万6,000人でございますが、実績では新規加入者が 9万1,000人、脱退者数が13万1,000人となってございます。  新規裁定者数は将来見通し19万5,000人に対し、実績で18万1,000人。失権者 数が、将来見通しで13万1,000人に対し、実績で11万8,000人となってございま す。  次に19ページ以降、財政指標につきまして、実績と平成11年の財政再計算との 比較を示したものでございます。  まず、19ページの年金扶養比率ですが、上の方が実績でございますが、平成16 年度、一番左の欄にありますように、年金扶養比率2.00となってございまして、前 年度に比べ0.09ポイント減少でございます。また、追加費用を考慮いたしました保 険に係る年金扶養比率の欄は2.67、前年度に比べまして0.19ポイント減少でござい ます。  また括弧内が受給者による年金扶養比率でございまして、再計算では受給者によ ります年金扶養比率を作成しておりますので、受給者ベースでの比較をいたします と、年金扶養比率が将来見通しで2.19に対して、実績で2.06、保険に係る年金扶養 比率では、将来見通しで2.89に対して、実績2.75となってございます。  20ページが総合費用率でございます。  16年度の欄で、一番左の総合費用率のところですが、総報酬ベースで15.4という 実績でございます。なお、標準報酬月額ベースにしますと、20.6で、対前年度比1.5 ポイントの上昇になってございます。  将来見通しとの比較ですが、下の表で19.0という見通しに対し、実績で20.6と いうことになってございます。  次に21ページが厚生年金相当部分に係る総合費用率でございます。同じような数 字でございますが、将来見通し、下の方で、平成16年度18.2に対し、16年度の実 績、鍵括弧のところですけれども、18.9となってございます。  22ページが独自給付費用率でございまして、実績、上の表の一番左の欄で、総報 酬ベースで12.1、標準報酬月額ベースで16.2となってございまして、対前年度比 1.2ポイント上昇でございます。  将来見通しの方が16年度で15.3に対して実績は16.2ということでございます。  23ページが厚生年金相当部分に係る独自給付費用率でございまして、将来見通し、 実績いずれも14.5という数字になってございます。  24ページの収支比率でございます。  こちらは16年度、実績93.5、対前年度比4.2ポイントの上昇でございます。  時価ベースでは80.8となってございます。  下の将来見通しとの比較ですが、74.8に対し、実績93.5ということでございます。 これは保険料収入が減少したということに加えまして、運用収入の実績が将来見通 しを大きく下回ったことによる影響であろうというふうに考えてございます。  25ページの積立比率でございますが、16年度の実績が10.9、前年度から0.5ポイ ント減少です。時価ベースも同様に10.9でございます。  将来見通しの方が一番下にあります10.3、これに対して実績が10.9ということで、 実績の方が0.6ポイント上回っておりますけれども、これは実績の年金改定率が将 来見通しと比較して伸びなかったということで、つまり支出が実績よりも少ないと いうことで、結果として積立比率の計算としては実績が高くなったということであ ろうと考えられるところでございます。  以上で、簡単でございますが、地方公務員共済組合の平成16年度財政状況の概要 の説明とさせていただきます。よろしくお願いいたします。   ○山崎部会長  ありがとうございました。ただいまの説明に関して何か御質問等ございますでし ょうか。近藤委員。   ○近藤委員 16ページ、去年は、私学共済に質問したのではと思うのですけど、貸付金が結構 ウエイトが高く10%ぐらい。それでこの貸付金というのは、対象はどういうところ なのか、例えば保証など、担保とか、そういうものはどうなっているのか。平均の 貸出利回りというのか、貸付金の収入利回り、平均利回りでもいいのだけれども、 それがどのくらいになっているのかわかりますか。 ○佐々木総務省福利課長  積立金の中の貸付金でございますけれども、これは共済に特有なものでございま して、地方公務員共済組合、いわゆる共済組合におきましては、長期、短期、福祉 の事業を併せて実施をしておりますので、長期の積立金の運用として、福祉の経理 なり、要するに地方公務員共済の中の他の経理への貸し付けと経理間での貸し付け というものを行っているところでございます。その他の経理に貸し付けをするとき に一定の金利を取りまして貸し付けを行っております。通常その金利につきまして は、財政融資資金、昔でありますと財投ですけれども、その金利を勘案いたしまし て金利をつけて、そしてその経理から返済をしてもらう、こういった貸付金の運用 の仕方をしているところでございます。   ○近藤委員  そうすると、例えば貸し出しのリスクがいろいろ起こった場合については、それ は一切この経理では関係なく、相手の問題になってくるわけですか。   ○佐々木総務省福利課長  それは福祉経理の方の責任で対処するという形になります。 ○近藤委員  そうすると、経理上は問題出てこないと理解して良いですね。   ○佐々木総務省福利課長  そうでございます。 ○近藤委員  ありがとう御座いました。 ○牛丸委員  先ほどの国共済と同じことを聞きますが、当然今の貸付金以外の資産運用に関し ては、共済なりの基準があると思います。そして運用委託して、その結果の評価と、 そういうことが何らかの形で公表されているかどうか、それをお聞きしたいのです が。 ○佐々木総務省福利課長  地方公務員共済の場合は、地方公務員共済組合連合会とともに、共済組合はたく さんございまして、それぞれのところで運用をやってございます。組合によって若 干違いますけれども、概ね先ほど御説明ありましたように、大きな組合におきまし ては、基本ポートフォリオを策定いたしまして、債券でありますとか株式、そうい ったものをどういうふうに組み合わせてやっていくというような基本ポートフォリ オを作成いたしまして、その管理をして、その運用して実績が出てくるということ でございます。  結局この積立金につきましては、それぞれの組合員の保険料をお預かりしている という形になってございますので、共済組合としては、組合員への報告をきちんと しなくてはいけないという形になっております。共済組合の場合は、運営審議会あ るいは組合会というような審議機関、審査機関がございまして、そこのところにい ろんな決算報告とともにこういった運用状況というものをご報告させていただいて 審議をいただいているということでございます。当然のことながらポートフォリオ の作成等につきましては専門の委員の方々にも参加をしていただきまして、そうい った作成等に当たって審議をいただいているといったことも併せて行っております。   ○牛丸委員  ありがとうございました。 ○宮武委員  地方公務員共済は、標準報酬ではなくて本俸でいつも計算なさっているわけです が、そもそも論で恐縮ですけれども、なぜ本俸でやるのかということと、本俸でや っているのと標準報酬でやっているのとある意味では長短があるかもしれませんね。 片方は62万円以上一括で括るわけで、こっちは49万6,000円以上ですね。長所・ 短所、財政に与える影響という意味を含めて教えてください。 ○佐々木総務省福利課長  まず後者の財政面からいえば、私どもトータルとして、いわゆる手当率というも のを調査をいたしまして、それを踏まえて均一に手当率をかけると。標準報酬月額 でいきますと、それぞれの人なり職種によってバラツキが出るわけですけれども、 そういうことのないように、一定の手当率でやっているという形でございますので、 財政面という意味でのプラスマイナスの影響はあまりないというふうに考えており ますけれども、個々については、おっしゃるように標準報酬でいくか、手当て率を 使うかということは違ってくるわけでございます。  そこでなぜ地方公務員共済の場合に給与制をとって、手当については一定の率を 掛けるという形にさせていただいているかということでございますけれども、いわ ゆる国家公務員の場合には国家公務員制度として一般職の給与法なり人事院規則な りで全国家公務員統一の制度がありまして、それに基づいて手当というものが1つ の制度で決まっているわけでございます。  しかしながら地方公務員の給与制度につきましては、大まかな基準は地方公務員 法で決まっておりますけれども、具体的に、例えばどういう手当を支給するかとか、 どの程度の水準で支給するかという問題については、各地方団体、今では少なくな りましたけど、2,000の市町村なりにそれぞれ任されているということでございまし て、いろんなバラツキがあるということでございます。  一方で、年金制度というものは全地方公務員に共通の仕組みということでござい ますので、こういったバラツキのあるそういう手当の種類なり内容というものをそ のまま全国共通の仕組みに反映させるのはどうだろうかということで、共済年金制 度という体系の中では一律の指標を使わせていただいていると。こちらの方がいい のではないかということで、この給料月額を使いまして一定の手当率を掛けると、 こういった仕組みを採用しているそもそもの理由ということでございます。   ○宮武委員 そうしますと、国共済・地共済一元化という論議もあるわけですけれども、そう なったとしても、この本俸で計算する方式はそのまま維持する以外にないというこ とになるわけですか。 ○佐々木総務省福利課長  ちょっとそれは、一元化そのものがどのような形になっていくかというようなこ とも更にいろんな議論を重ねていかなければならないと思っておりますので、その 点について、今、私どもの方で、こうです、ああですという結論めいたところまで はなかなか申し上げられませんけれども、そもそもできた由来としては、そういう 趣旨で現在の仕組みになっているということでございます。   ○熊沢委員 11ページのところに、組合員数の推移という表があって、地方公務員については 少しずつ人数が減ってきているということが示されています。今、公務員の純減計 画とか、いろんなことが言われていまして、例えば次の財政再計算には実際そうい うことが行われれば、その影響を反映した財政再計算が行われますが、次の財政再 計算まで待っていて反映させればいいぐらいの財政影響なのか、次の財政再計算ま で待たないで、その途中でも何らかの形で財政影響がどのくらいあるかということ を示していく必要があるものなのでしょうか。外にいますとなかなかわからないの ですが、一般的に財政に対する情報の提供といいますか、そういったことについて 何かお考えがあればお聞かせいただきたいと思います。 ○佐々木総務省福利課長  これは16年の再計算の前提の数字ということであろうと思います。16年の財政再 計算をするに当たって厚生年金も同様でございますけれども、将来の加入者なり組 合員数の見込みをどういうふうにやっていくかということでいろいろ議論がござい ました。そのときに公務員につきましては、いわゆる人口の推移よりも更に減少率 が大きくなるであろうということを踏まえて見込んでおります。具体的には日本の 将来推計人口の中の生産年齢人口というものがあるわけですけど、生産年齢人口自 体がもちろんどんどん減少していくわけですが、その人口に対しても、更にその比 率が減少していくだろうというふうに見込んでおるわけでございまして、それによ りまして、これは向こう100年でございますけれども、大体地方公務員共済であり ますと、100年後には大体半分以上、6割ぐらいの減少率になるというかなり大きな、 これはマクロでございますけれども、減少率を見込んでいるところでございます。 そういった意味では、別に今の定員削減を踏まえてこうしたことではないのですが、 公務員自体というものが相当数、いわゆる一般的な人口減少よりも大きく落ち込ん でいくだろうということを頭に置いて、16年の財政再計算というものを行っている ところでございます。   ○都村部会長代理 今のにつきまして、少子高齢化が進んで、国から地方へという地方分権がますま す進んでくると、福祉サービス等の対人サービスのネットワークの形成、住民ニー ズの把握、人材の確保等がより求められるようになってきます。対人サービスだか ら、本当に質の高い人材が必要なわけで、そういう意味では、各地域、あるいは市 町村等でそういう対人サービスに従事する人の養成・確保、福祉の計画作りが本当 はもっと必要なのではないかという、一方でそういう面があると思うのですけれど も。 もう一つは、最終ページの実績のところの12の運用利回りの平成15年度のとこ ろが2.0になっているのですけれども、これは1ページの1.8%と違うのはミスプリ ントでしょうか。 ○佐々木総務省福利課長  その前の数字は全部四捨五入で合っていますので、その可能性が強いと思います ので、これは確認をさせて、もしそうであれば、きちんと訂正をさせていただきた いと思います。申し訳ございません。 ○都村部会長代理 はい。 ○佐々木総務省福利課長 それから、前の方の点でございますが、まさにおっしゃるとおりだと思いまして、 先ほど全部申し上げなかったのですが、実は公務員につきましては、生産年齢人口 の減少よりも、減少角度は強いだろうというふうに今回見込んでおります。その際 に、国家公務員と地方公務員の減少、これをどう考えるかということでございまし たが、そういう意味で、今まさに都村先生、お話ございましたように、地方公務員 の場合は、どうしても住民に身近なところでのサービスが多いということで、国家 公務員よりは減少幅は少なくすべきではないかというふうに考えております。  したがいまして、財政再計算のときには、国家公務員の減少率が一番激しくて、 それよりは地方公務員は少し今のような点も配して、少し緩めるといったような考 え方をとって再計算をいたしております。   ○山崎部会長  そのほかにございますでしょうか。  それでは、以上で地方公務員共済組合の財政状況についての報告聴取を終了いた します。報告者の方々には、お忙しい中、ありがとうございました。御退席いただ いて結構でございます。  最後に、私立学校教職員共済制度の平成16年度の財政状況について報告を聴取い たします。   ○山下文部科学省私学共済室長  文部科学省でございます。本日は日本私立学校振興・共済事業団も同席をさせて いただいています。どうぞよろしくお願いします。  お手元の資料3ということでございまして、私学教職員共済制度の財政状況の御 説明でございます。まず、1ページ目でございますけれども、収入総額は前年度に比 べまして、一番右の上のところでございますけれども、123億円、3.0%増加して4,194 億円となっております。主な収入源は掛金と運用収入ということでございます。掛 金は、2,680億円で、収入全体の63.9%を占めております。運用収入は、簿価ベー スで738億円となっておりますが、このうち正味運用収入は567億円でございまし て、時価ベースで1,103億円となっております。 一方、支出総額でございますけれども、年金者数が増加をしてございますが、こ の影響を受けまして、前年度に比べ257億円、7.1%増加して、3,893億円となって おります。 支出の主なものとしては、年金の給付費で2,252億円、基礎年金拠出金で1,401 億円となっております。なお、支出のうち、年金保険者拠出金は68億円となってお ります。前年度と比べ75億円、52.2%減少しておりますが、これは、前年度におき ましては、平成9年度からの5年間を一括精算された際に、加入者増での追加拠出 で支出が増加したためでございます。  また、その他の支出額のところで172億円、前年度比約4倍となっておりますけ れども、これは平成16年度にマネージャーストラクチャーの見直しを行いまして、 信託運用について、バランス型運用から特化型運用へ変更いたしまして、いわゆる 損切りを行ったために96億円の信託運用損を計上した、そのことと、更に73億円 の有価証券売却損を計上したためでございます。  この結果、収支残は簿価ベースで前年度比133億円、30.7%減少して、301億円と なっております。  また、時価ベースでは、前年度比219億円、35.5%増加して836億円となってお ります。  これによりまして、平成16年度末積立金は簿価ベースで3兆2,102億円、時価ベ ースで3兆3,079億円となっております。  次に2ページ、これは1ページの図式化ということでございまして、説明は省略 をさせていただきます。  3ページ、受給権者数と年金総額等についての記載でございます。平成17年3月 末の受給権者数ですが、合計で前年度と比較いたしまして、1万2,800人、5.0%増 加して27万1,000人となっております。また、平成16年度末の年金総額は合計で 前年度末と比較して54億円、2.0%増加して、2,729億円となっております。  次、4ページのところ、減額支給の通退相当及び増額支給のところは他の共済と同 様、支給の規定がないため数値は入れておりません。下段の表、男女合計となって ございますが、この表をご覧いただきますと、私学共済から支給されます加入者期 間20年以上の退年相当の平均年金月額につきましては、前年度と比較して下段のと ころの右でございますけれども、6,032円、3.3%減少して、17万4,090円となって おります。  また、基礎年金を含めました平均年金月額でございますけれども、その3段下、 一番右のところ、5,025円、2.4%減少して、20万7,096円となっております。なお、 平均加入期間は376月となっております。通退年金平均年金月額につきましては 1,591円、これは下から4段目でございますけれども、4.4%減少して、3万4,432 円、通退年金平均加入期間としては86月となっております。  次に5ページでございますが、5ページは4ページのただいまの下段の結果を男女 別に分けたものでございます。ご覧いただきますと、一番上の右の男性のところで すが、前年度と比較して7,054円の減、19万4,501円、女性は前年度と比較してマ イナス4,753円、14万2,617円となっております。  6ページでございますけれども、これは新規裁定者に係る分でございまして、加入 者期間20年以上の新規裁定の退年相当の平均年金月額、一番上の右でございますけ れども、1万919円、6.9%減少して、14万6,805円、平均加入期間としては393月 ということになってございます。  男女別で見ますと、4つ下、1万2,496円、7.1%減少して16万3,246円、平均加 入期間401月。  女性の場合は、下から4つ目でございますが、9,422円、7.5%減少して、11万5,870 円。平均加入期間は377月ということでございます。  7ページでございますが、上段の3段については、4ページで御説明をしたとおり ですが、特別支給分の欄でございますが、こちらの60歳の定額部分、加給年金部分、 これはほかの共済と違いまして13年3月末のところも記入してございますが、14 年3月末から極めて少額になっておりますのは、平成13年度は定額部分及び加給年 金部分の支給開始年齢が60歳から61歳になった年度に当たるためでございます。 同様に、特別支給の61歳のところの定額部分、加給年金部分が17年3月末のとこ ろから前年に比べて極めて少額になっているというところは平成16年度が定額部分 及び加給年金部分の支給開始年齢が、61歳から62歳になった年度に当たるためです。  また、65歳以上の本来支給分のうち定額部分については、昭和61年4月に60歳 以上であった基礎年金対象外の者の定額部分に当たるものでございます。  次、8ページでございますが、これは説明を省略させていただきます。  9ページも同じく説明を省略をさせていただきます。  10ページ、退職年金受給権者の年齢構成ですが、平均年齢は男性で69.3歳、女性 で70.8歳となっております。構成割合で見ますと、男性は60歳台が32.2%と最も 高く、次は65歳台で24.4%となっております。女性も同じく60歳台が26.6%で最 も高く、次は65歳台で23.8%となっております。男女ともに60歳台が最も高い割 合を示して、次に65歳台が高い割合を占めております。  なお、男性の平均年齢69.3歳でございますが、最低で57歳、最高では107歳で ございます。女性では最低56歳、最高108歳、いずれも退職年金ということでござ います。  次に11ページでございますが、これは加入者数や加入者の平均年齢等を記載をし てございます。加入者数が平成16年度においても増加を続けております。前年度の 平成15年度末と比較をいたしまして、平成16年度末では、一番右ですが、7,200 人増の44万1,500人となってございます。男性で2,700人増の21万1,600人、女 性で4,500人増の22万9,900人となっております。  参考までに加入者の増減を学校種別に申し上げますと、増加している学種として は、大学、専修学校、幼稚園、中学校、小学校ということでございまして、逆に減 少している学種としては短大、高校などでございます。なお、各種学校は変わらず ということになってございます。  また、加入者数は平成18年3月末におきましても、更に6,526人増加している状 況にございます。  加入者の平均年齢は前年度と同じく40.8歳ということでございまして、男性で前 年度と同じ46.6歳、女性で0.1歳上昇して35.6歳ということになってございます。  また、標準給与月額の平均でございますが、前年に比べて1,280円、0.3%の減少 で、36万9,692円ということになってございます。  下段の表ですが、こちらの一番上、標準給与月額総額は298億円、1.5%増加しま して、17年3月末現在で1兆9,572億円となりまして、賞与を含めた給与総額は2 兆6,263億円となっております。  次に12ページでございます。12ページから14ページは加入者の年齢別、加入期 間別分布でございますけれども、一番高い割合が右の上から3番目の25歳台の 15.6%になってございますが、以降、55歳台まで10%程度で推移をしておりまして、 60歳台でも7.1%を占めております。  また、加入期間の分布は、加入期間5年未満の割合が最も高く、37.5%となって おりまして、加入期間が長くなるほど割合が順次低くなってきております。  13ページは男性の加入者の分布でございまして、25歳までの若年層の割合が低い という傾向が見られるということでございます。  14ページでございますが、女性の加入者の分布では、若年層が占める割合が男性 と比べて逆に高くなっておりまして、また、加入期間の分布でも、加入期間10年未 満の者で全体の約3分の2を占めております。これは主に女性加入者の場合、幼稚 園の先生が多いということがその要因と考えておるところでございます。  15ページ、標準給与月額別の分布では、男性の25%が上限の62万円ということ になっておりまして、男性の標準給与月額の平均は、45万1,260円となっておりま す。女性の場合は、20万円台を中心に分布をするという結果となっておりまして、 女性の標準平均給与月額の平均は、29万4,631円となっております。  次に16ページ、積立金の運用状況でございます。  平成16年度末の積立金は、簿価ベースで言いますと、3兆2,102億円、時価ベー スで3兆3,079億円でございまして、その73%を有価証券と包括信託で運用してお ります。資産構成のうち包括信託は簿価ベースで7,234億円に対しまして、時価ベ ースでは7,190億円となってございまして、44億円の含み損となっております。こ れは企業業績がよくなり、景気回復に対する期待などから株価が上昇し、時価が大 きく改善したものの前年度末の含み損が579億円以上もあったということがござい まして、依然として時価が簿価を下回っている状況でございます。  その他の運用資産では、時価が簿価と同額か、上回る結果となっております。  17ページでございますけれども、17ページ以降は、11年度財政再計算における将 来見通しと16年度実績との比較ということでございまして、17ページは収支状況の 比較ということでございますが、将来見通しと実績が大きく乖離をしてございます。 大きく乖離した項目は掛金収入、運用収入及び支出のその他でございます。掛金収 入は将来見通しでは3,000億円のところ、実績では都道府県補助金収入を含め2,758 億円となっております。実績が将来見通しを下回った要因としては、将来見通しで は、賃金上昇率2.5%と見込んでおりましたが、実際にはマイナス0.4%ということ で、賃金の実績が将来見通しを下回ったことによるものでございます。  また、運用収入も、将来見通しでは、1,383億円となっておりましたが、実績では 738億円でございまして、これも将来見通しでは4%で見込んでいた運用利回りが実 際には1.8%となったことによるものであります。  また、その他支出は、将来見通しで51億円のところ、実績では240億円となって おりまして、これは先ほど述べましたように、16年度においてマネージャーストラ クチャーの見直しに伴う損切りを行ったために96億円の信託運用損を計上したとい うことによるものでございます。  次に18ページでございますが、加入者数及び受給者数の比較でございます。  加入者数は、将来見通しでは厚生年金の被保険者数と同様の傾向で減少すると見 込んでいるのに対しまして、実際には毎年増加をしておりますことから、その分が 将来見通しと実績の差としてあらわれてきています。また、受給者数では年金待期 者、私学共済の年金受給権がありながら、年金を請求していない者ですが、これを 入れておるため、それが見通しと実績の差となってあらわれております。この年金 待期者は約5万人にのぼっておりまして、資料18ページの受給者数の中の通退相当 の欄の将来見通しのところに記載している人数がございますが、18万600人ござい ますけれども、これは年金待期者を含んだ人数でございまして、(13万800人)が年 金待期者を除いた人数となっております。  なお、年金待期者の取扱いにつきましては、年金数理部会の御指摘を受けまして、 平成16年度の財政再計算では改善をしたところでございます。  次に19ページ、年金扶養比率は、平成16年度の実績で5.14となっております。 これは退職年金受給権者数によるもので、括弧書きで表示してございます退職年金 受給者数で見た場合には6.15となりまして、将来見通し、これは一番下の左でござ いますけれども、将来見通し6.12との差は小さくなっているということでございま す。  次、20ページ、総合費用率でございます。平成16年度の実績で11.5%となって おりまして、将来見通しにおける平成16年度の9.8%より高くなっております。こ れは賃金上昇率を将来見通しで2.5%としておりまして、標準給与総額は3兆722 億円と見込んでおりましたが、実際の賃金上昇率が平成12年度で1.1%、13年度で 0.005%、平成14年度で0.3%、平成15年度で0.2%、平成16年度でマイナス0.4% であったために実際の標準給与総額が2兆6,263億円にしかなっていないことがそ の要因でございます。  21ページ、厚生年金相当部分に係る総合費用率は、平成16年度の実績で10.7% となってございまして、将来見通しにおける平成16年度の8.9%より高くなってお ります。これは先ほどの総合費用率と同様の理由によるものでございます。  22ページにつきましても、平成16年度の実績で独自給付費用率8.0%に対して、 将来見通しと実績の差が出てございます。総合費用率と同様の理由によるものでご ざいます。  23ページでございますが、厚生年金相当分に係る独自給付費用率につきましても、 平成16年度の実績で7.2%、将来見通しとの実績の差があらわれてございますが、 これも総合費用率の場合と同様の理由によるものでございます。  24ページの収支比率でございますけれども、平成16年度の実績で86.8%となっ ております。ここでは運用収入というところをご覧いただきますと、将来見通しほ ど多くはなかったということが最たる要因となっておりまして、将来見通しと実績 との差としてあらわれているということでございます。  25ページでございますが、積立比率は平成16年度の実績で10.5となっておりま す。  以上、駆け足で御説明をしましたが、財政状況でございます。   ○山崎部会長 ありがとうございました。ただいまの御説明につきまして、何か御質問等ござい ますでしょうか。牛丸委員。 ○牛丸委員 先ほど1ページの収支状況の説明の中で、平成16年度の支出の172億円ですか、 それに関してマネージャーストラクチャーの変更ということが出てきましたが、も う少し説明していただけますか。 ○笹山日本私立学校振興・共済事業団資産運用室長  私どもの方では、国内株式、外国債券、外国株式という資産については、自主運 用ができないということで、委託運用をしているわけですが、もともとはバランス 型運用で、5・3・3・2の規制の下に全て同じような運用をやっていました。基本運 用方針を定めたのを機に、それを特化型に移そうということで、バランス型からそ れぞれの資産に特化するような運用形態に変えました。その際に一部運用機関の方 も整理しましたが、当時は評価損がかなり大きくて、1回でその整理ができませんで したので、平成16年度に更にそこの部分をもう一度見直そうということで、投資ス タイルが偏った状態をリスク分散するためのスタイル管理の導入を目的として、運 用機関の見直しを行うことにしました。  その際に評価損がなかなか減らない状態を維持しても効率的な運用ができないの で、将来につなげるためには新たに中小型とかバリューの運用を得意とする優秀な 運用機関を採用して、そのかわりに既存の運用機関でなかなか改善が進まないとこ ろを解約するというような手続をこのマネージャーストラクチャーでとりました。 ○牛丸委員 要するにその年に資産運用に関して従来とは違った大きな変更をしたということ ですね。 ○笹山日本私立学校振興・共済事業団資産運用室長 16年度に大きく変更しました。 ○牛丸委員 先ほどの国共済・地共済に御質問しましたのと同じですが、資産運用に関しての、 今、基準の変更があったというお話ですけれども、そういう基準とか、実際収益に 対する評価、そういったことが、まさにこの年には大きな変更があったわけですけ れども、そういうことが何らかの形で公表されているのでしょうか。 ○笹山日本私立学校振興・共済事業団資産運用室長  私学事業団の内部には、他の共済さんと同じように、評価委員会というものがあ りまして、そちらの方に運用結果については報告をして評価をしていただいており ます。それと共済運営委員会、理事会というところに報告をして、その後にホーム ページ、私学の加入者向け、学校法人向けの広報誌で公表するような形をとってお ります。 ○牛丸委員  公開はされていると。   ○笹山日本私立学校振興・共済事業団資産運用室長 はい。 ○牛丸委員 わかりました。 ○山崎部会長  ほかにございますでしょうか。熊沢委員。   ○熊沢委員 11ページのところに加入者数の推移が載っており、短大とか、高校が減っている という御説明があったのですが、就学年齢に対応する人口が減っている中で、私学 共済に入っておられる加入者数が増えているということについて、その要因をお持 ちであれば教えていただきたいということと、例えば増えているというときに、学 校の数が増えているのか、学校当たりの加入者数が増えているのか、そのあたりは いかがでしょうか。 ○山下文部科学省私学共済室長  私の方からまず御説明申し上げます。大学等につきましては、学部の新設等がご ざいまして、もちろん要因として考えられるのは、新しいニーズに対応した改編に 伴って学部等を新設してくるわけでございますけれども、既存の学部についても、 学年進行で学生数を削っていく過程にあるわけでございます。一足飛びに教職員の 減少ということにはすぐにはつながっていないと。改編その他で増やすことは増や すけれども、即座の減少はないというようなことで伸びてきているというのがあり ます。これは学校の種類によりまして、大学、専修学校あたりがそういったことへ の対応、幼稚園につきましても、新しい保育の形態というものに対する少子化等へ の対応ということで増えてきているということが要因でございます。中・小につき ましても、一貫校教育等の影響が出ているかと思われます。  ただし、減少しております短大につきましては、4年制大学への移行というような こと、高校につきましても、減少につながってきているということがございまして、 加入者数としては、団体そのものの加入が増える、新しいことができているという ことが主な要因としてあるということでございます。   ○堂前日本私立学校振興・共済事業団数理統計室長  既設の大学関係ですと、今、なかなか明確につかめない面があるのですけれども、 医科大学とか附属病院を持たれているところが増えているようです。かなり増やし ているようです。幼稚園あたりですと、手のかかる3歳児が大分増えているので、 教職員が増えていると、そのようなことだと思います。   ○山下文部科学省私学共済室長 医科系でも、特に福祉とか保健の学部学科等の新設があるということでございま す。 ○都村部会長代理 将来見通しと比べると、これは古いといえば古いのですけれども、将来見通しよ り加入者数が2万人も多くて、特に新規加入者数が1万7,000人も実績では多くな っていますね。それも11年の財政再計算当時ではあまり予測できなかったというこ とでしょうか。増え方が大きいのですけれども。 ○山下文部科学省私学共済室長 要するに、今申し上げましたような大学等の、これは俗な言い方を言いますけれ ども、生き残りをかけて新設の学部等への移行というか、学生のニーズに対応した 改編というものに伴うということでございまして、そこまでは予測はできなかった ということが実情でございます。 ○都村部会長代理  学校数も増えているのですか、学校数自体も大学とか。   ○山下文部科学省私学共済室長 学校数自体も増えてございます。 ○都村部会長代理  そうですか、ありがとうございました。   ○宮武委員  2つほど教えてください。よく私学共済は幼稚園の教員が多くて、その方が割合 早く結婚退職なさったりするといって、新陳代謝が激しいと聞いていますけれども、 具体的に加入者の中でどれぐらいの数が幼稚園のそういう先生方なのかということ が1つ教えていただきたいのと、もう一つは、結局私学共済として様々な共済につ いての事務をなさる人件費とか事務費がかかるわけですけれども、そういのは短期 給付もご一緒になさっているケースが多いわけですけれども、こういう財政状況の ところではどこか見るところがあるのですか。例えば支出の中のその他のところに そういう事務費が入っているのですか、それとも全くそれは別なんですか、それも 含めて教えてください。 ○佐藤文部科学省共済調査官  お尋ねの加入者数のうちの幼稚園の割合ですけれども、44万人の加入者のうち幼 稚園の加入者が9万4,000人おります。そのうち女性が8万人という結果になって おります。  それから、2点目の事務費のことですけれども、私学共済の場合には、年金、医療 の掛金とは別に事務費の掛金を加入者学校法人からそれぞれ折半でいただいており まして、その事務費については別の勘定、事務に関する勘定を設けておりまして、 そこで経理をしております。   ○宮武委員 ここに入ってないんですね。 ○佐藤文部科学省共済調査官 これとは別の勘定ということになっております。ここはあくまでも給付に関する ものだけを載せております。 ○宮武委員 44万人で幼稚園9.4万人というのは、要するに何年の数字ですか。 ○佐藤文部科学省共済調査官 これは平成16年度末です。 ○宮武委員 ありがとうございました。 ○堂前日本私立学校振興・共済事業団数理統計室長 若干補足いたしますと、14ページをご覧いただきたいと思います。先ほど私学共 済室長が若干申し上げましたけれども、年齢別、右の上4万7,130人、5万3,240 人、3万1,440人、ここにかなり幼稚園の方が固まっている。この中にいますのが、 20〜25歳の4万7,000人の中に幼稚園が3万人ぐらいいらっしゃいます。それから、 順にいきますと、その下で2万2,000人、その下が7,600人ぐらい、幼稚園の方が いらっしゃいます。 大学は加入者規模が大きいものですから、大学もやはりいらっしゃいまして、 20〜25歳に戻りますと、1万2,800人、その下が2万700人、1万3,900人という形 でおります。 ついでですので、加入年数のところをちょっとご覧いただきますと、5年未満、5 〜10年未満、ここに女性が非常に多く固まってございまして、こちらも大学と幼稚 園が相当数占めておりまして、例えば5年未満のところですと、10万4,000人中、 大学が4万人ぐらい、幼稚園が4万8,000人ぐらい占めてございます。 ○山下文部科学省私学共済室長  大学というのは病院の看護士さんですね。   ○宮武委員 ありがとうございました。 ○山崎部会長 ほかにございますでしょうか。  それでは、以上で私立学校教職員共済制度の財政状況についての報告聴取を終了 します。報告者の方々には、お忙しい中、ありがとうございました。 これで、平成16年度の財政状況についての報告聴取は全て終了いたしました。  この後の取扱いですけれども、昨年11月に平成15年度までの聴取を取りまとめ た公的年金財政状況報告を作成・公表いたしました。今年も公的年金財政状況報告 を作成してはどうかと考えていますが、いかがでしょうか。    (「異議なし」と声あり) それでは、今年も公的年金財政状況報告を作成することといたします。  なお、技術作業委員会についてでありますが、委員の異動がありましたので、田 村前委員、山崎前委員に代わって、熊沢委員に入っていただくことにしたいと思い ます。熊沢委員よろしくお願いいたします。  本日はこれで終了したいと思います。どうもありがとうございました。 −了− (照会先)  厚生労働省年金局総務課首席年金数理官室  (代)03-5253-1111(内線3382)