06/06/26 第5回労働政策審議会雇用均等分科会家内労働部会議事録 第5回労働政策審議会雇用均等分科会家内労働部会 議事録 日時:2006年6月26日(月) 13:30〜15:10 場所:経済産業省別館850号会議室 出席者: 公益代表:今田部会長、水野部会長代理、奥田委員   家内労働者代表:加藤(久)委員、加藤(昇)委員、豊田委員、矢ケ部委員   委託者代表:小林委員、杉山委員、橋本委員、山口委員、渡邊委員 事務局: 高崎短時間・在宅労働課長、片淵短時間・労働課調査官、柴田課長補佐 議題: 1. 部会長及び部会長代理の選出について     2. 第8次最低工賃新設・改正計画の進捗状況 及び第9次最低工賃新設・改正計画方針(案)について   3. 平成17年度家内労働調査結果について 4. その他 配布資料: No.1 労働政策審議会雇用均等分科会家内労働部会委員名簿    No.2 労働政策審議会令    No.3 第8次最低工賃新設・改正計画の進捗状況(平成18年5月31日現在)    No.4 第9次最低工賃新設・改正計画方針(案) No.5 平成17年度家内労働調査結果  No.6 家内労働関係資料 No.7 平成16年度家内労働実態調査結果 ○高崎短時間・在宅労働課長  厚生労働省短時間・在宅労働課長の高崎です。今日はどうぞよろしくお願いします。 時間は少し前ですが、皆さまお揃いですので始めたいと思います。  それでは、ただ今より第5回労働政策審議会雇用均等分科会家内労働部会を開催させ ていただきたいと思います。本日は、委員のうち相澤委員、石田委員、古川委員の3名 が欠席ですけれども、労働政策審議会の規定により規定議決数には達しています。また 本部会は公開ということにさせていただいております。その取り扱いについては「労働 政策審議会雇用均等分科会家内労働部会の公開について」という既に認められている文 書に従っているところです。  本日は家内労働部会の委員の改選後の最初の会合で、まず部会長及び部会長代理の選 出をしていただきたいと思います。まだ部会長が決まっていないということで、私が進 行役をさせていただいています。選出の前に、まず委員のご紹介です。お手元の資料No. 1をご覧いただきたいと思います。その部会委員名簿に沿って、出席の委員の皆さまの 紹介をさせていただきたいと思います。  公益委員の今田委員です。 ○今田委員  今田です。どうぞよろしくお願いします。 ○高崎短時間・在宅労働課長  奥田委員。 ○奥田委員  奥田です。どうぞよろしくお願いします。 ○高崎短時間・在宅労働課長  水野委員。 ○水野委員  水野です。よろしくお願いします。 ○高崎短時間・在宅労働課長  続きまして、家内労働者側の委員として加藤久美子委員。 ○加藤(久)委員  加藤です。よろしくお願いします。 ○高崎短時間・在宅労働課長  加藤昇委員。 ○加藤(昇)委員  加藤です。よろしくお願いします。 ○高崎短時間・在宅労働課長  豊田委員。 ○豊田委員  豊田です。よろしくお願いします。 ○高崎短時間・在宅労働課長  矢ケ部委員。 ○矢ケ部委員。  矢ケ部です。よろしくお願いします。 ○高崎短時間・在宅労働課長  委託者側の委員として、小林委員。 ○小林委員  小林です。よろしくどうぞお願いします。 ○高崎短時間・在宅労働課長  杉山委員。 ○杉山委員  杉山です。よろしくお願いします。 ○高崎短時間・在宅労働課長  橋本委員。 ○橋本委員  橋本です。よろしくお願いします。 ○高崎短時間・在宅労働課長  山口委員。 ○山口委員  山口です。よろしくお願いします。 ○高崎短時間・在宅労働課長  渡邊委員。 ○渡邊委員  渡邊です。よろしくお願いします。 ○高崎短時間・在宅労働課長  それでは、早速ですが議事に入らせていただきたいと思います。議事については、お 手元の議事次第に沿って進めさせていただきたいと思います。まず議題1の「部会長及 び部会長代理の選出について」です。部会長の選出についてはお手元の資料No.2「労働 政策審議会令」をご覧いただきたいと思います。その第7条の第6項に部会長の選任方 法について規定しています。そこに「部会に部会長を置き、当該部会に属する公益を代 表する委員のうちから、当該部会に属する委員が選挙する」となっていますが、この委 員というのは、労働政策審議会の本審の委員を指すものです。そういう意味では、本審 の委員で本部会に所属していただいているのは今田委員ですので、この規定に沿って今 田委員に部会長をお願いしたいと思います。  それでは、今田委員よろしくお願いします。 ○今田部会長  今田です。先ほど自己紹介はいたしましたが、そういう規定ですので、僭越ですが部 会長を務めさせていただきます。不慣れなものですので委員の皆さま方のご協力をいた だき、務めたいと思います。よろしくお願いします。 ○高崎短時間・在宅労働課長  部会長代理の指名をお願いします。 ○今田部会長  今、ご紹介があったように部会長代理の指名ということになっておりますので、部会 長代理は水野委員にお願いしたいと思います。よろしくお願いします。 ○水野委員  部会長代理をさせていただきます水野です。よろしくお願いします。 ○今田部会長  それでは、議事次第の順に従って審議を進めたいと思います。 ○加藤(昇)委員  すみません。先ほどの紹介のときに言えばよかったのですが、私の名簿ですけれども、 中央執行委員長になっていますが、中央執行委員の誤りですので訂正をお願いします。 ○高崎短時間・在宅労働課長  失礼しました。 ○今田部会長  よろしいでしょうか。それでは議題2の「第8次最低工賃新設・改正計画の進捗状況 及び第9次最低工賃新設・改正計画方針(案)について」事務局からご説明をよろしくお 願いします。 ○高崎短時間・在宅労働課長  それでは説明させていただきます。資料No.3と資料No.4に基づいて説明させていただき ますのでよろしくお願いします。まず、最低工賃の第8次の進捗状況ですけれども、 本日は初めて委員になられた方もいますので、まず最低工賃制度について、簡単に説明 させていただきたいと思います。  最低工賃と申しますのは、工賃の低廉な家内労働者の労働条件の改善を図るために家 内労働法という法律があり、この中で厚生労働大臣または都道府県労働局長が審議会の 意見を尊重して決定するということになっているものです。その額は、最低工賃を決定 しようとする地域内において、当該家内労働者と同一または類似の業務に従事する労働 者に適用される最低賃金との均衡を考慮して物品の一定単価ごとに決定するということ になっているものです。平成18年度5月末現在の最低工賃の決定件数は143件となってい ます。以上が最低工賃制度についての簡単な説明です。  続きまして、今後実施することになっている「最低工賃新設・改正計画」の関係です けれども、これは最低工賃の新設または改正を計画的に推進することを目的として都道 府県労働局ごとに取り組む具体的業種を設定した計画を策定して、この計画に沿って最 低工賃の新設・改正を図っていくということにしているものです。この新設・改正計画 は、昭和58年度を初年度とする3カ年計画という形でスタートして、本年平成18年が第8 次の計画の最終年度となっています。これが計画の関係の簡単な説明です。  その中身ですが、資料の3を見ていただきたいと思います。現在進行している第8次の 最低工賃新設改正計画の進捗状況です。計画の全体像については、資料No.3に示してい ます。平成16年度からの3カ年ということで順次進んできているということで、平成16 年度・平成17年度・平成18年度の各年度の改正予定等を記載しています。また、適用家 内労働者数300人未満の工賃については、別枠ということで、それぞれ改正の検討を行 うことにしています。この資料の平成16年度のところを見ていただくと、平成16年度中 に最低工賃について諮問し、あるいは諮問することを見送ったというものを青字で書い ています。何らかの検討をしたということです。同じように平成17年度のものについて は、そういう諮問をし、あるいは諮問見送りということに決定したものを緑色の文字で 表示しています。平成18年度は、これは予定ということですが、ピンク色の文字で表示 しているものが検討しているというものです。3カ年計画ということで計画的に最低工賃 の見直しというものが行われていますが、色が付いているところ、いないところ、ご覧 いただけばわかります通り、一部計画が遅れたり、未だ見直しに着手していなかったり というものもあるわけです。これらの状況を取りまとめたものが、その一番前にあるB4 版の表ということになります。  資料3-1の縦の表をご覧いただければと思います。これについて説明しますと、第8次 の計画の初年度である平成16年度の最低工賃決定件数は66件ということになっていて、 このうち16年度中に諮問した件数は30件で全体の45.5%ということになっています。 諮問状況の内容は、16年度における新設は0件です。工賃を改正したものが22件で全体の 33.3%、3分の1ということです。廃止したものが4件で、全体の6.1%です。  その資料に「見送り答申」というものがありますが、これは改正しようということで 改正諮問を行ったが、結果的には金額・件名・工程等すべて前回と同じ内容のまま、い わば現状維持といいますか、また行うという答申を得たものがこの「見送り答申」とい う形で従来整理しています。これについて、平成16年度は4件となっています。  「諮問の見送り」というものが29件、全体の43.9%です。この「改正諮問の見送り」 というものはどういうものかと申しますと、改正諮問に先立ち、工賃相場やその他実態 調査を実施して、どの程度工賃の改定が行われるかということを事前に調べた結果、地 域の関係公労使間で、今回は工賃額などの改正は行わないという方向で合意を得た場合 に改正諮問の見送りとして件数を計上しているというわけです。いわば、未着手という ことではなくて、着手はしたけれども諮問する前に、今回は見送りということで合議が なされたということです。  改正諮問を見送りにした理由ですが、経済情勢が厳しく工賃相場が上がっていない、 類似作業を行う労働者の賃金が上がっていない、あるいは家内労働者数の減少・仕事量 の減少というようなことが理由に挙げられています。  その他に未着手というものが7件、全体の10.6%ということです。この未着手のもの は、適用家内労働者数の減少が進んでいる中で、その減少の動向等を見計らい、廃止を 検討する予定のもの、関係公労使の合意の下で経済情勢などが好転して同種の雇用労働 者の賃金等が上昇するまでの当分の間、凍結しているというような事情があるものです。 以上が平成16年度の状況です。  続きまして、同じように平成17年度の最低工賃の決定件数ですけれども、これは全体 で56件となっています。うち平成16年度中に諮問した件数が13件で、全体の23.2%にな っています。諮問の内容は別状況ですが、新設は0件、改正したものが8件で14.3%、 廃止したものが4件で6.1%、見送り答申が1件という状況になっています。改正諮問の 見送りが35件で全体の62.5%、未着手は8件で全体の14.3%ということになっています。 以上が「第8次最低工賃新設・改正計画の進捗状況」についての報告です。  引き続きまして、「第9次計画の策定方針(案)」についても説明をさせていただきたい と思います。お手元の資料4-1をご覧いただければと思います。第9次最低工賃新設・改 正計画について、事務局としては平成19年度を初年度とする3カ年計画として第9次計画 を策定し、引き続き最低工賃の計画的な改正等を進めて、家内労働対策・家内労働者の 労働条件の改正を図って参りたいと考えています。その方針(案)が資料の4-1ということ になります。  この資料4-1を説明する前に、後に付いている資料4-2、4-3というデータの方を見て いただければと思います。そちらに最低工賃決定に関する状況等を整理しています。 まず、「最低工賃決定件数等の推移」というものを表にしていますけれども、最低工賃 決定件数は第6次の計画策定時の平成10年3月には183件だったものが、第7次計画策定時 の平成13年は171件、第8次の計画策定時の平成16年3月には154件。それで現状を先ほど 報告しましたが、本年の5月の時点では143件という形で減少してきています。適用家内 労働者数・適用委託者数についても同様に、第6次の計画策定時の平成10年は適用家内 労働者数が約18万8,000人、適用委託者数が1万5,000人。第7次の計画策定時の平成13年 は、適用家内労働者数が約15万3,000人、適用委託者数が約1万3,000人です。第8次は同 じように平成16年ですけれども、適用家内労働者数が約11万7,000人。適用委託者数が 約1万人という形で減少してきているということで、直近の平成18年5月の時点では適用 家内労働者数が約8万1,000人、適用委託者数が約7,000人となっています。 以上が資料4-2の説明です。  続きまして資料4-3です。こちらは全体の「委託者及び家内労働者数の推移」という ことですが、こちらの方も減少傾向があるということが見てとれると思います。家内 労働者数総数に占める最低工賃適用家内労働者の割合を見ますと、第6次計画時には41% だったものが第7次のときは46%、第8次は50%となり、直近の平成18年5月の時点では 39%という状況になっているわけです。  こういう状況を踏まえて、最初の資料4-1の方針(案)の方に戻っていただきたいので すが、第9次の計画の策定ということになるわけですけれども、中身としては、事務局 の方で準備したものは、前回第8次の計画方針と同じ内容ということになっているもの です。 具体的に言いますと、「最低工賃の改正については」というところを見ていただきたい のですが、(1)〜(5)までの要件に合致するものから優先的に計画にのせてやっていくとい うことで、原則として3年をめどに実態を把握して改正を行うということを目標にした いと考えています。この「原則3年をめど」ということについては、実態として平成16 年が平均3.4年周期で見直していただいており、平成17年は平均3.6年という周期で見直 していただいているという状況を踏まえて、第8次の計画と同じく3年とすることが適当 だと考えています。新設についても必要性の高い業種について、そこにある(1)〜(3)まで の要件に合致するものから優先的に行うということにしたいと思います。廃止について は、適用家内労働者数が100人未満に減少し、将来も増加する見通しがないなど、実効 性を失ったものについては廃止することも検討していくということにしています。  以上、簡単ですが、第8次の進捗状況と第9次の計画方針(案)についての説明をさせて いただきました。 ○今田部会長  どうもありがとうございました。ただ今の事務局の説明について何か意見、質問があ りましたら、どうぞ。 ○加藤(昇)委員  初めてこの審議会に出るので、過去の経緯もわからないまま質問するかもしれません けれども、お許しをいただきたいと思います。一つは、ただ今の説明の中で、第8次の 取り組みの経過と第9次の改正計画方針(案)の説明がありましたけれども、今年度平成 18年度は第8次の最終年度ということでよろしいのかどうか。そういうことであれば、 第9次の改正計画方針というのは、来年度平成19年度からの計画方針(案)という受け止 めで良いのかどうかということが1点です。  それから、もう一つは、過去の経緯はわかりませんが、かつては改定周期が大体2年 サイクルで改定されていたと伺っていたのですが、現在は3年周期の改定サイクルで計 画が立てられているようですけれども。大変申しわけないのですが、その経過と、いつ から3年サイクルになったのかということをお聞かせいただければと思います。以上で す。 ○高崎短時間・在宅労働課長  説明いたします。スケジュールの関係については、加藤委員の指摘の通りで、第8次 の最終年度が今年度の平成18年度です。検討をお願いしている第9次の計画というのは、 平成19年度を初年度とする3年間の計画ということでお願いしたいというのが、私ども の考えです。平成18年が最後で、平成19年が第9次の初年度ということです。  あと改定周期の関係ですけれども、第7次までは2年ということできて、今動いている 第8次から3年ということです。 ○豊田委員  一つは、この間、中央家内労働審議会から家内労働部会になって第1回が平成13年の 3月でしたか。それ以降、第2回が平成14年3月、第3回が平成15年3月、第4回が平成16年 3月ということで、年度別に大体やられてきていたのですが、平成17年の3月末について は、都合等の問い合わせ等はあったのですが、その後全く何の音信もなしで、結果的に 未開催だったのかなと思うのですが、そういう状況。それから平成18年度の3月末につ いては、何の問い合わせもなかったのですが、今日の開会になっているという流れなの ですが、お聞きしたいのは、別に法的に毎年やらなければならないということになって はいないと思いますが、ここのくくりで年度ごとの到達や、あるいは調査等々やられて いるわけで、そういう点では、年度ごとにそれぞれの経過、そして、その中での課題、 問題点、改善点等も含めて議論されてきたと思うのですが、なぜ、そういう状況になっ ているのかを、今に至るもここに報告はないわけです。本来あってしかるべきではない かと思うのですが、その点どうなのかというのが第1点です。  もう一つは、ささいなことなのですが、今日、手元に配られた審議会令の省令の第7 条はわかるのですが、第8条のところで、21条第1項ということで「最低工賃専門部会」 という規定になっているのですが、これは少しおかしいのではないかと思うのです。私 の記憶では、前は第2項だったのですが第1項になっているので、いつ変わったのかを教 えてほしいということと、この「最低工賃専門部会」、法が改正されて地方からの審議 会が重視されているのですけれども、政策審議会の中に、この家内労働部会がぶら下が るという関係だろうと思うのですが、この辺とこの家内労働部会の関係違いも教えてい ただければというのが最初の質問というところです。  それから2点目の大きな点は、第9次の改定について先ほど課長からもお話があったの ですが、第8次とほとんど変わらないというか全く変わらないと言ってもいい中身では ないかと思うのです。それで3年間やって全く変わらず第9次ということで、果たして現 実の実態にかみ合っているのかどうなのか。せっかく貴重な国民の血税を使ってやって いるわけですから、その行政効果はどうなっているのか。そして、そのことは中小企業 はじめ、家内労働者の底上げにどう寄与しているのか。この辺が問われるところだろう と思うのです。その点で、試しに今日いただいたこの平成18年のしおり、それからこれ は東京の労働局でいただいたもので、平成17年度のものは非常にきれいで見やすいので すが、見てみますと、例えば、家内労働者の労働条件、工賃の実態はどうなっているの かを拾ってみました。前もこういうのがあったのですが平成14年版でいいますと、1時 間の家内労働者の工賃が平均で491円。男性823円、女性473円。これは平成18年版です。 平成17年版も平成18年版も同じなのですが、結局3年に1度の調査でやっているからそ ういうことなのかなと思うのですけれども。この1時間の平均工賃が471円なのです。 20円ほど下がっている。男性が692円で、100円以上でかなり下がっている。女性の場合 が451円という状況なのです。それからもっと言いますと、1カ月の家内労働者の平均工 賃です。家内労働者の条件でいう。平成14年の全体平均は50,223円。男性で14万386円、 女性で4万3,210円。これが平成18年版ですと、1カ月の平均工賃が4万6,822円です。 男性で11万4,457円ですから、専業が多いと思うのですけれども、3万近いへこみという ことですから、相当2割強の落ち込みとこうなっているわけです。それから女性が4万59 1円という状況です。  何が言いたいかというと、第8次と第9次のあり方について、やはりもう少し検討すべ きではないかと思っているわけです。先ほど課長からも説明がありましたように、第7 次までは2年サイクルだったのです。特に第6次などは「3年以内に必ずやる」みたいな方 針が出ていたわけです。そのようなこともあり、改定のペースが相当上がっていた。 しかも件数は前の方がかなり多かったのです。今は件数が非常に少なくなってきた。 ひどい所になると、地方で一つもないという所もあるわけですから。そういう点でいえ ば、もう少しその辺の問題があるのかなという点で、若干、検討を加えるべきではない かと。ただ漫然と第8次も第9次も同じというのでは、あまりにもいかがなものかという 感じがしているというのが一つです。  もう一つは、過日お話があって、私もそのつど言っていて、しつこいと言われるかも しれませんが。全国的な家内労働者の工賃がどうなっているかということは、今出され ているこの資料だけでは全然中身がわからないです。中身のわからないものをここで議 論するということ自体が無茶苦茶な話なのです。少なくとも、もう少し子細に渡ってわ からなくても、一定程度の中身がわかるような、かつてはこういう「最低工賃決定一覧 表」を出したわけです。この中には、初めて通常ではなくて出てくるものが、8時間当 たりの標準能率だったり、8時間換算額であったり、必要経費を除いた8時間換算額等々 であったりするわけです。こういうものがなければ、私は検討しようにも論議しように も、どこをどう論議すればいいのかとなるのではないかと思うのです。これはぜひ過日 の話だと費用対効果で、要するに費用をかけても効果の上がらないものはやらないみた いな、そのときお話があったのですけれども、主客転倒ではないのかという感じがしな いでもないです。いわば行政としてやらなくてはいけないことについては、金がかかっ てもやらざるを得ないし、そのことがまた行政サービスとして家内労働法の精神に戻る 方向になるのではないか。  ただ私が言いたいのは、これを見るとこの中で金がかかって大変だし、担当者が本当 に苦労されていると思うのです。現場で作っている方も相当苦労されていると思います。 見ただけで「うわあ」と思うくらいのものですから、委託者の方も当然家内労働者の方 も、もちろん地方の局も相当な苦労をされているのではないかと思うのです。せっかく 苦労されたものが生きるような方向をやる必要がある。そのこととあわせて、お話だと 平成16年が作られたのが最後だと。この場合は全部載せているわけです。だから非常 に分厚くなるわけです。  私は平成15年度をもらっていないので、14年度の場合であればそうではなくて、1 年間の改定した部分を載せているわけです。それ以前のものは一覧で出している。こう いうことならいいのではないかと思うのです。少し担当をされている職員の方の苦労も 減るのではないか。そういう点で、ぜひこれは今後少なくとも家内労働部会をやる以上、 こういうものを具体的に検討する中で、家内労働者の権利だとか低利の状態、低工賃の 問題、そのことをどう改善するのかということに生きてくるのではないかと思うので、 その点だけはしつこくて大変恐縮なのですがお願いしたいし、どうなっているのかお聞 きしたいと思います。以上です。 ○高崎短時間・在宅労働課長  それではまず、スケジュールの関係ですけれども、それは冒頭で私の方から説明して しかるべきだったと思います。その点、配慮が足らなかったことは申し訳ないと思いま す。  実は私自身は昨年の夏に着任しまして、昨年の時点でどういう状況があったかという ことについては承知していませんが、ただ、例年3月という時期が非常に国会で忙しく、 特に最近、私どもが所属しております雇用均等・児童家庭局が少子化等の関係もありま して、非常に国会業務が爆発的に多くなってきているという状況があります。昔の婦人 少年局なり女性局時代とは随分、様変わりしているということがありまして、これは想 像になりますけれども、多分昨年3月という時点では日程調整等はさせていただいたと しても現実問題として難しかったのだろうと推察いたします。ただそれが結果的にずる ずると国会等も続いている中で昨年のようなことになったのではないかと思います。そ の点についてはそういう理由だったのかなということでして、ご了解いただきたいと思 います。  今年につきましてそういう意味で3月は難しいと私自身も考えまして、あきらめたと いいますか、難しいと判断いたしました。私もそういうことで昨年はやっていないとい うことを担当の方で聞きましたので、そこは国会等の状況を見て、また夏になってきま すと予算等いろいろ始まるものですから、そういうこともありまして委員の皆さまの日 程を調整させていただいた上で、本日にセットさせていただいたということになってい ます。その点につきましてはよろしくお願いしたいと思います。以上1点目になります。  法律の部分ですけれども、今私はその点については承知していませんでしたが、労働 総覧を見る限り、平成13年の第1項が削除されて第2項が第1項に繰り上がったということ になっていまして、なぜそうなったかはともかく、そういうことで第1項がなくなって 従来の第2項が第1項になったということのようです。そういうことで理解いただければ、 いわば実質変わっていない、規定がずれただけということです。  あと家内労働者をめぐる就業実態といいますか、特に収入、時間当たりの収入等の状 況につきまして詳細に説明いただいたところですし、また額等も下がってきているとい う状況を披露していただいたところです。私どもの方はあとで説明、報告することにな っているわけですが、毎年、家内労働者をめぐる概況調査あるいは実態調査ということ で事業状況の把握等には努めているところです。その中にありまして家内労働者をめぐ る状況につきましては、現状で見れば先ほどご説明した通り、家内労働者数も減ってい ます。委託者数も減少しているという状況です。  その減少した理由を見ますと、製品の需要が減少したというものが約8割という状況 になっているわけで、その辺は家内労働者をめぐる状況は厳しいということです。しか しその中にあっても家内労働者の労働条件を確保し向上していくということ、家内労働 者の生活安定に資するためにという家内労働法の目的ということは引き続き厚生労働省 の重要な課題であると考えているところです。  実態はそういうことであるわけですが、今日は私どもの方で提案させていただいてい ます、第9次の改定の計画につきましては、そういう状況にある中で具体的に最低工賃 を見直していく計画をどういうふうにセットしていくかという提案です。私どもの方か らは「漫然と」という話もありましたけれども、資料の方にもつくしていますが、最近 の諮問のスケジュール、あるいは諮問自体の見送り等の率等も高いという状況も踏まえ まして、2年と従来第7次まではやっていたという指摘ですが、最近の状況を見ますと、 結果的に周期を早めるかどうかということになるのですが、平均的な年数がここのとこ ろ3年強だということを考えますと、私どもとしては、そういうことを踏まえた上で3 年周期ということを引き続きやっていくのが適当ではないかということで考えています。  一覧の関係ですけれども、タイトなものを作るのは大変だとご心配もいただいたわけ ですが、どういう形で作るか作らないかという判断は判断としまして、いわば、件数等 が減ってきている中にあって、従来通り資料を作っていくということではなくて、いろ いろ適宜行政の方も業務の見直しを進めているところです。その中にあって現在作成し ていないということになっているわけですが、委員の方からご指摘があったように昔は もっと薄い新設の部分だけで整理していた時期もあったというような示唆もいただきま した。資料の整理の進め方についてはこちらの方でも検討していきたいと思います。た だ中身について委員は内部の資料をお持ちですけれども、中身はあくまで行政内部の資 料と外向けの資料はきちんと整理をつけていかなければならないものとしてあるわけで、 その中にあって行政の参考資料としてどういう資料を作っていくのか、あるいは外に出 していい資料についてはどういう形で整理していくのか、あるいはしおりのようなもの でいいのかなど、そのあたりはいろいろバリエーションもあろうかと思いますので、検 討したいと思います。 ○今田部会長  よろしいでしょうか。 ○豊田委員  結構です。ただ冒頭のものは礼儀として、一般常識として、やらないという連絡があ ってもいいのではないかという話です。そういうものがないとお互い、それなりにいろ いろ日程もあるわけですから、その辺はきちんと配慮してもらったらどうかというささ いな話なのですが、よろしくお願いします。 ○今田部会長  他の方。 ○加藤(久)委員  工賃改定のサイクルの件なのですが、2年前のこの部会のときに第7次では2年だけれ ども、第8次は3年を原則にということで説明があって、ただ3年にするからといって工 賃の改定を遅れてもいいということではなくて、適時やっていきたいという説明をいた だいたと思うのです。  第6次のときに2.9年くらいだったと思うのですが、3年にしたためにまた延びてしまっ たのかなと。そのとき、平均が3.何年ですから、全然改定されていないものもあるので はないかと伺いましたら、「10年改定のないものもあります」ということでしたので、 今ここ数年やっと地域別最低賃金も改定して上がるようになってきましたし、パートの 賃金も少し上昇している傾向もありますし、最初の冒頭の説明の中にも「地域の類似の 労働者の賃金も勘案して」ということもありましたので、できるだけ工賃の改定サイク ルも、もっと見直しを早くして、もっとサイクルを短くされるように努力をお願いした いと思います。 ○高崎短時間・在宅労働課長  お答えいたします。工賃の見直し、要は改定です。早いに越したことがないと言いま すか、経済状況がよくなってきて、上がるという方向にあるときに、それは当然のこと でして、今進行しています第8次につきましても見ていただければわかりますように、 できるだけ早く見直すということで最初の方の年次に多い見直しということでやってい まして、決して我々として直ったからゆっくりやっていいということではなくて、そこ は賃金課・室にも働きかけをしまして、できるだけ早く見直していくということでやっ ていきたいと思います。  しかしながら、確かにここのところよくなってきているのかもしれませんが、過去景 気等も厳しい状況もあり、結果的に見直ししたものの諮問を見送ったというものが半数 近く、あるいは半数を超えているということでいきますと、とりあえず見込みで短くす るというよりは3年ということでやらせていただいて、できるだけ早く見直し計画にの せてもらって早めに見直していただくということでやっていきながら、景気等、先が見 えない部分がありますが、仮に好転していって持続的な安定的な経済成長にのって、最 低賃金等の見直し等も進んでくるというようなことになってくれば、今3年にしたもの が2年にまた戻すということも、将来のことばかり言っていると鬼が笑うような話にな りますが、ありうるわけで、とりあえず第9次については8次の状況なり最賃といっても まだまだ今から状況が読めない部分もありますので、そこはとりあえず平成19年度初年 度については3年ということでやっていく。ただし、できるだけ前倒し、早め早めという ことで検討していきたいと思っているところです。 ○豊田委員  課長のおっしゃることはよくわかるのですが、法的に言いますと最低工賃は毎年改定 してもいいのです。3年、2年と決まっていない。本来であれば最賃に合わせて原則毎 年改定すればいいのです。ただ、なかなか難しいという問題があるし、同時にその賃金 との均衡をいうならばその辺はきちんとすえなくてはいけない。しかし結果として、現 実問題として、2.5年、3.6年、3.2年になるなどあり得ると思うのです。だから原理原 則のところと、現実的なところともっと柔軟に対応すべきだろうと思うのです。しかし、 やはり原則は譲れないということはきちんとすべきだと思う。そうしないとずるずるい ってしまう。だからそのために、法でもって規制をかけているわけです。その規制を本 来、監督すべき推奨すべきところの省が、3年でもいいという話になったのでは、これ は本来の趣旨から逸脱するのではないかという問題が一つある。  もう一つ、最低工賃を早くやれば良いということではないのです。もっと言えば今日 はもう時間がないから言いたくないのだけれども、本来、最低工賃の今のあり方が是か 非かという問題も含めて前から問題になっているのですが、結局、難しいからそこを避 けてきているのです。そういうことを言うと大変恐縮ですが、各現場では相当な苦労を されて毎年やっていらっしゃる。それが本当にやりがいのあるものになっているのかと いうと、私は厳しいものがあるのではないかという感じがしているのです。だから、や る以上、本当に家内労働者の底上げにもなる。同時に中小業者の方で言えば、家内労働 者の工賃がこれだけかかるから、最低これ以下では納められませんよということにもし ていかないといけない。いわば社会のセーフティネットの一つとしてそこをすえていか ないといけないのではないか。その辺の観点が全然これにはないのです。いわば最賃の 場合は、きちんとした生活の保障があるけれども、最低工賃はそれがないのです。そう いう点もあるのですが、いずれにしてもそういうことも含めて最低でも原則的な問題を きちんとすべきだということを原理として出しておきたいと思います。 ○杉山委員       私も初めてでよくわからないのですが、この部会の性格というのを私ながらに判断を しますと、要するにこういう最低工賃制度など、決め方自身を検討する役割を持つ部会 ではなくて、決められた制度のもとでそれをどう改正、廃止などを進めていくかという ことを審議する委員会、部会であるように私は思っております。そういう意味で、今日 のテーマとして一番大事なのは、第9次をどういうことで進めていくのかということで、 今も豊田委員からいろいろ意見が出まして、それを私ながらに判断をいたしますと、こ ういうものは経済の状況がどういうことであるかによって判断をすべきである。要は高 度成長のようなときで、年、数%というような伸びを経済全体でしているという状況に おいては、当然のことながら毎年改訂しなければ追いつかないという事も考えられると 思いますが、現在の経済情勢、きわめて低成長というか安定成長、ある意味でいえばマ イナス成長というような状態においては、3年に1度こういうものを見直して検討すると いう経済情勢にあるのではないか。従ってそういう意味で見ると、この9次の方針とし て3年とありますのは、説明が私は妥当でなかったと思うのですが、「8次のまま」と言 うからおかしいので、9次のあり方として3年でいくべきだと考えているということであ れば、私は納得できる内容ではないかと思う次第です。 ○豊田委員  一言いいですか。私は最低工賃のあり方の意義をはっきりさせないといけないのでは ないかと。現行工賃とは違うのです。労使でもって交渉して春闘でやるという話とは全 く違うのです。法規制としていわばセーフティネットとして、最低工賃、最賃もそうで すけれども最低限のものを決めるということなのです。そういう点で言えば景気の悪い ときにこそきちんとしなければいけないのです。そのときにこそ、ぐっと下げられてい くというのが現場にいる我々、家内労働者の実態なのです。そういう点では最低の下限 を決めることによって、法として家内労働者のいわばセーフティネットをそこに一つ定 める。言っては悪いけれども、景気のいいときには黙っていても現行工賃は放っておい ても上がっていくのです。そういう点では、法規制としての最低工賃の域をきちんとす べきではないかというのは私の意見です。以上です。 ○今田部会長  いかがでしょう。一応ご意見はいただいたということでよろしいでしょうか。次の第 3議題の今の話とかかわってくるかもしれませんが、17年度の家内労働概況調査結果を 事務局から説明いただきたいと思います。 ○柴田課長補佐  それでは議題の3、平成17年度家内労働調査結果について報告をさせていただきます。 資料としましては、お手元のNo.5、白表紙の家内労働調査結果報告書をご用意ください。 家内労働調査としましては、家内労働概況調査と家内労働等実態調査の2種類の調査を 実施しております。1ページをお開きください。  家内労働概況調査は都道府県の労働局において、家内労働法第26条に基づく委託状 況届、監督指導結果、関係団体への照会等によりまして、毎年10月1日に現在の家内 労働者数、そして委託者数等を業種別・累計別・男女別に把握いたしまして、家内労 働対策の基礎資料としているものです。また家内労働等実態調査は、委託者・家内労 働者そして家内労働類似の就業形態ということで在宅就業をテーマとしまして3年に 1回のサイクルで実施をしています。  平成17年度は委託者調査を実施しました。まず、家内労働概況調査の方から説明さ せていただきます。5ページの第1表をご覧ください。横の表になっていますけれども、 まず右側の「区分」というところです。上から家内労働従事者数、家内労働者数、内 訳がありまして、補助者数、委託者数となっています。右側が平成17年の数字です。 家内労働者数は上から二つ目の20万7,142人です。そして、家内労働者とともに同居の 親族などが家内労働者の仕事をする補助者が9,483人で、この二つを合計しますと一番 上の家内労働従事者数で、21万6,625人です。委託者は一番下ですが1万5,010という数 でした。 これを推移ということで見ていきますと、昭和48年の家内労働者数は184万4,400人で、 この年をピークにして、減少を続けております。平成17年は減少幅で見ますと、対前年 4.2%でしたので、近年になく減少幅が少なかったと見ていただけると思います。 続きまして、家内労働者を男女別に見ますと、女性は90.9%になります。 また累計別に見ますと家庭の主婦などが世帯の本業とは別に従事する、内職的家内労働 者が93.6%。そして世帯主が本業として従事する専業的家内労働者は5.2%となってい ます。  次に、その下6ページですが、第2表をご覧ください。業種別に見ますと、1番多いの が衣服、その他の繊維製品製造業でして、6万1,430人で、全体の3割を占めています。 次いで下の方ですけれども、電気・機械器具製造業。そして一番下、その他雑貨等とあ ります。ここは右側の方にありますように、玩具・漆器・人形・造花・洋傘などの製造 加工ですけれども、それらを全部合わせまして「その他」と言っていますが、これら3 業種を合わせて全体の約6割を占めているという状況です。前年に比べまして減少幅が 非常に大きかった業種をご覧いただきますと、真ん中から少し上の方ですけれども、紙 ・紙加工品製造業で21.5%の減。印刷同関連及び出版業で17.1%減ということでした。  続きまして、7ページの第3表、都道府県別に家内労働者数をご覧いただきたいと思い ます。家内労働者が1番多いのは静岡県です。静岡県は1万4,280人で、第2に多い所が東 京都、そして愛知県、大阪府という順になっていまして、この4都府県が家内労働者1万 人を超える所です。  次に、8ページをご覧いただきたいと思います。8ページは危険有害業務についてで、 第4表です。危険有害業務に従事する家内労働従事者数は、2万2,085人となっています。 その内容ですけれども、動力ミシンやニット編み機等を用いる動力により駆動される機 械を使用する作業が最も多くなっておりまして、危険有害業務に従事する家内労働者全 体の8割近くを占めている状況です。  最後に、委託者の状況です。9ページ第5表をご覧ください。委託者数は先ほど申しま したように1万5,010です。業種別に見ますと家内労働者と同じように衣服その他の繊維 製品製造業に関する委託者が4割。そして電気機械器具製造業、その他雑貨等にそれぞ れ1割ずつありますので、家内労働者と同じ傾向で、この3業種合わせて全体の6割を占 めているという状況です。家内労働概況調査につきましては、以上です。  続きまして、家内労働実態調査、委託者調査について報告いたします。平成17年の委 託者調査ですけれども、前回実施をしましたのは平成14年度でありまして、調査項目は 同じ内容で実施をいたしました。委託者をこの調査では営業所単位でとらえております ので、都道府県労働局を通じ1,600営業所に調査票を送付して、その回収率は93.5%で した。  それでは10ページ第1図からご覧いただきたいと思います。順次ご覧いただきます。 委託者の営業所の規模を示していますけれども、第1図は雇用労働者の数が5〜29人が 44.9%で、0人あるいは1〜4人という、こういった30人未満の営業所が6割以上を占めて います。  次に、その下の「2.委託している家内労働者の数」ですが、第1表を見ていただきま すと表の構成比のところ、20〜29人のところから左側ですが、全部を累計いたしますと、 家内労働者数30人未満のところになりますが、平成17年度の調査では家内労働者30人未 満、累積度84%でして、前回調査よりも家内労働者の数が少なく、30人未満が多くなっ てきているという状況です。  次に、11ページの第2表をご覧いただきたいと思います。家内労働者に委託をする理 由というところですけれども、これは複数回答で求めていますが、「手作業であるか ら」という理由が最も多くなっております。この手作業であるという理由を挙げる業 種で一番多いのは食料品製造業、そして紙加工品製造業となっております。  次に4です。委託する仕事量の過去1年間の変化と今後1年間の見通しについて聞いて おります。グラフとして12ページの第2図をご覧いただきたいと思います。帯グラフで、 上の方のグラフですが、平成17年度において1年前の比較をしまして、「増えた」ある いは「変わらない」というところで、「変わらない」という回答が47.8%で、その下 の平成14年度調査結果から見ますと「変わらない」というところがかなり増えており ます。 逆に、「減った」とする率が平成14年度調査に比べて減っているという状況です。  続きまして、今後1年間の見込みについて聞いたものですが、「変わらない」とした ものが57.2%、これは14年度調査に比べると増えているわけです。また、「減らしたい」 というところは若干減っていますし、「わからない」と答えているものも15.5%。これ は14年度時点では「わからない」と答えたところが20.6%だったので、そういう意味で は先行きのところが3年前に比べると、少し不透明なところが減っているとご覧いただ けると思います。  続きまして、13ページの第3表をご覧いただきたいと思います。冒頭に課長が申し上 げましたけれども、1年前に比べて仕事量が減少したとする委託者に対して、その減少 理由を聞いていますが、「製品の需要減少」と答えたのが8割と最も多くなっています。 また、併せて14ページの第4表ですが、今後「減らしたい」あるいは「中止をしたい」と 答えている委託者に対して、その理由を同じように聞いていますが、これについても製 品の需要減少というところが半数を占めていまして、業種別に見ますと繊維工業あるい は木材・木製品・家具・装備品製造業というところが製品の需要減少を理由に「減らし たい」「中止した」という回答をしている業種と見ていただけると思います。  続きまして、委託契約の方法について15ページをご覧いただきたいと思います。15ペ ージの第5表ですが、委託契約の方法としましては家内労働手帳とするものが大半ですし、 また家内労働手帳の形式としましては、伝票式というものがその多くを占めているとい うことです。  さらに16ページの第6表、業種別の不良品の取り扱いの取り決めについて聞いています。 取り決めをあらかじめしている割合が56.6%でして、それを実際にどうしているかとい うと、「やり直しをさせる」というのが65.7%ですが、それについて「問題にしない」 という率は17.5%となっています。  その下の家内労働者の募集方法というところです。17ページの第7表をご覧いただきた いと思います。家内労働者の募集方法を見ますと家内労働者を介する、あるいは従業員 を介するというところを合わると54.4%を占めて、その委託者の営業所関連の所から募 集をすることが多くなっていると見ていただけると思います。  続きまして、工賃の決定です。工賃の決定時期につきましては18ページの第8表です。 これは平成17年9月30日が調査時点ですが、その3年以上前の平成14年9月30日以前とい うのが4割です。また1年以内である平成16年10月1日〜平成17年9月30日というところが 34.1%ということで、前回調査よりここの順位が入れ替わっているという状況がありま す。  その次ですが、19ページの第9表は最低工賃の決定要素についてです。「工賃相場ある いは世間相場とする」、あるいは「納入価格や利益を決定要素とする」と答えている、 そのような順になっております。  そしてその次が、家内労働者に対する経済的援助です。20ページの第10表です。経済 的援助の内容ですが、一番多いのは機械器具あるいは補助材料購入費を援助の内容とす るものが3割を超えています。また、一時金・ボーナスとするのがその次に多くなって おります。  続きまして21ページの第11表です。1営業所当たりの平均援助額をご覧いただきたいと 思いますが、4万5,211円で前回調査は2万8,092円ということなので、前回調査に比べる と大幅に増加をしている状況でした。  最後に、家内労働者に対する安全衛生対策について聞いています。22ページの第12表 をご覧いただきたいと思います。危険有害業務を家内労働者に委託している委託者数の 割合ですが、5.6%となっています。危険有害業務の内容について、一番多いのが「動力 により運転する機械を取り扱う業務」51.3%、その次が「有機溶剤または有機溶剤含有 物を取り扱う業務」、そして3番目が「鉛等を取り扱う業務」という順になっています。  23ページの第13表をご覧いただきたいと思います。これらの業務を委託している委託 者について講じている安全対策に関して内容を聞いています。一番多いのは「回転軸な どに覆いをつけさせる」というのが23.3%、そしてその次に多いのが「有害物の名称や 取り扱いの留意事項を表示する」という順番になっています。  以上が平成17年度家内労働調査結果についての説明です。 ○今田部会長  どうもありがとうございました。質問、意見がありますか。 ○加藤(久)委員  1点質問させていただきます。 家内労働者の概況調査のところで7ページの第3表ですが、全体では家内労働者数は減っ ているのですが、1万人を超えているところが4件ということで、静岡だけは前の調査よ り増えているようなのですが、全体が減っていく傾向の中で、静岡県での家内労働者数 が増えている理由がわかれば教えていただきたいと思います。 ○豊田委員  今、平成17年度の概況調査それから実態調査の話をいただいて、大変克明に精査をさ れていると思うので、大変な苦労があるのではないかと敬意を表しておきたいと思いま す。 在宅就業に関する平成16年度のものはこれから報告いただくのかどうかわかりませんけ れども、これと併せて労働の概況調査もやっていると思うのですけれども、16年分はつ いていないようなのですけれども、もし作っているならば後でいただきたいし、また作 っていないとすればどうしてなのかと。そういうことで、よろしくお願いいたします。 ○今田部会長  まず、静岡の件から。 ○柴田課長補佐  静岡につきましては、どういう要素で増えているのか、手持ちの資料がありませんの で、申し訳ありませんが別途お答えさせていただきたいと思います。  それから豊田委員のご指摘の平成16年度の概況調査につきましては、調査表の中には ついておりませんけれども、しおりの中では公にしておりますのでそれはお届けをした いと思います。  やはり冊子には作っていないということで、家内労働のしおりの方に掲載をしている ということです。 ○今田部会長  よろしいでしょうか。  21ページのところで家内労働者1人当たりの経済的援助額というのが、前回からかなり 大幅に上がっているのですが、これはどのような背景があると考えたらよいのでしょう か。 全体の調査。 ○高崎短時間・在宅労働課長  ここに掲げているデータ以上に、個々の行ごとになぜそうなったかというところまで は把握していませんので、結論から言うと、そこの要因分析まではできていないという 状況ですが、見てわかる通り、業種によっては非常に増えているものもあれば減ってい るものもあり、全体として増えているということでもないし、委託者の数が分母として それほど多くないとすると、イレギュラー的なものも反映してしまうのかと直感的には 思いますが、こういう形で調査として集計したこと以上に要因分析まではできていない ので、この場でお答えすることは難しい状況です。 ○今田部会長  はい、わかりました。何かありませんか。 ○加藤(昇)委員  質問なのですが、報告のあったこの報告書で、各産業別に家内労働者数などが報告さ れているわけですけれども、これと現在設定をされている最低工賃のそれぞれの産業な り、あるいはその産業ごとの適用労働者数なりとの関係がどのようになっているのか教 えていただければと思います。見ていますと、設定されている最低工賃は繊維関係、あ るいは私どもが関係しております電気機械器具製造業、あるいは電子関係なりが大半を 占めるような感じがしていますが、調査による家内労働者の分布、内訳などを見てみま すと確かに繊維や電気が多いことには変わりはないのですが、その他の産業も含めてそ れぞれ家内労働者が分布をしているわけであって、こういう実態と設定されている工賃 との関係がどうなっているのか、あるいは時折、実態を踏まえた新設などが取り組まれ ているのかどうかなどについて教えていただければと思います。 ○高崎短時間・在宅労働課長  全体の家内労働者数の分布、あるいは最低工賃を適用されている適用家内労働者数と の分布とのクロスということだと思いますけれども、お手元に配っている資料でいえば、 資料4-3というところに全体としての数、およびそのカバー率というものは本日のデー タで示していますが、業種別というものについては集計していませんので手元にはない のですが、ただ、基のデータはあるのでそれは可能だと思います。確実にできるかどう かはあたってみなければわかりませんが多分大丈夫だと思いますので、次回、検討いた だく際にはその辺りも用意する方向で考えたいと思います。一応、全体の適用状況はそ の表にあるような状況になっているということです。  新設の関係ですが、先ほど報告したとおり、平成17年についてはゼロということで ございました。全体として労働者数も委託者数も減っていくという中で、昨今の経済情 勢もあって新設というものが出てこないということもありますけれども、もちろん先ほ どの基準にもありましたとおり、必要な場合は設定していくということですから、それ は地域の実情に応じて関係する公労使が検討いただけるものだと思っていますし、当然 そういう方向で検討していただきたいという旨を徹底していきたいと思っています。幾 つかの最低工賃を合同するという形で新設するというのはありますが、それは今、委員 のご指摘の趣旨ではないと思いますので、そういうことです。 ○今田部会長  いかがですか。よろしいでしょうか。 ○豊田委員  付随している資料の説明があってからと思っていたのですがないようなので、時間も だいぶ迫っているので手短に二つほどお聞きしたいと思います。  一つはこの間これは出されていた資料なのですが、今日出されていたかどうかは精査 していないのですが、家内労働法による趣旨を具現化するという点ではすべてとは言い ませんが、家内労働対策予算が一つあると思います。そういう点で家内労働対策予算が、 かつて平成10年辺りは1億4,000万円弱とかなり一定の金額があったのですが、平成15年、 16年がそれぞれ7,600万円、7,400万円と半減させられているわけです。平成17年、18年 はどうなったかさっぱりわからないという状況なので、その辺をできれば教えてほしい ということと、この間、法ができてだいぶ経ちますので、35年という中で改めて在宅就 労という形でのテレワーク等の動きもありますし、ILOにおける177号条約、いわば在宅 形態の労働に関する条約、当初は家内労働条約という仮訳もあったのですが、どこでど う変わったのかわかりませんがそうなっていて、新しい働き方も含めた産業構造の転換 等もあるわけですが、それにふさわしい対応をしていく上で、家内労働予算の問題が一 つあるのです。何が言いたいかというと、この間、家内労働旬間が止められる、要する に廃止されるということで地方の方はそれなりに頑張っていたのですが、地方も「本省 がやりませんからもう止めた」ということで普及啓発を含めてやらなくなるという状況 があるわけです。それで、特に私が強調したい問題は、家内労働ができた一つの原点で あるヘップサンダルの有機溶剤中毒による死者が出て、そして非常に劣悪な危険作業の 中で家内労働がそこを担っていると、こうした劣悪な労働条件を改善するという点で、 一つは有機溶剤検診がずっとやられてきたのですが、これが平成17年度にそれまで無料 であったものが有料化になったわけです。1人当たり4,000円近い健診の費用を取る。 検査も非常に簡単なものです。有機溶剤の場合は一応問診などもありますが、要するに 尿を採取して終わりなのです。「なんだ」という家内労働者の反発もありまして、結局、 有料化したものだから平成17年度は受診者がゼロになってしまったのです。 「18年度は止めます」ということでは、やはり、本来あるべき行政として、いかがなも のかという点があると思うのです。やはり危険有害業務に従事している人が2万2,000人 ほどいるという話もあるわけですけれど、そういう点で言えば少なくともその辺の大変 厳しい予算の中ではあれ、最低限必要なものについては法の趣旨を生かして具現化をす るという点で、いかがなものかということなので、ぜひこれは再考をお願いしたいとい う点が一つです。  もう一つは前回も私が言ったかと思うのですけれど、家内労働者の一覧といいますか、 家内労働者の監督実施状況および処置状況という実態調査があります。過日もらったも のと今日もらったものが少し違うので古いのは削除されているようですけれど、お聞き したいのは監督実施指導のこの数が極めて減ってきているのです。過去で言いますと、 大体4〜5%ぐらいのところで、実態指導事業所数ですから委託者との関係で、多いとき は6%です。そうしますと、それが平成14年には極端に前年度の12年度は5.0%だったも のが14年度は2.7%、15年度が2.4%、そして16年度には1.5%という状況になっている のです。これも極端に減っているのです。その間はずっと5%前後の推移をしていたの です。全体の状況をつかんでいたということなのです。その辺も今後はもう少し増やさ なければ、より正確な統計として取る以上は数値ではないと思うのです。あまりにも少 なすぎる。それが一つです。  それからもう一つ、これも過日言ったのですけれど、26条が欠落しているのです。時 間がないのでいろいろは言いませんけれども26条は極めて重要な法規制、家内労働法の 一つの大きな眼目というかポイントでもあるのです。いわゆる委託者に状況届け、いわ ば委託状況届けというのが義務づけられています。そして委託の業務に関して負傷した、 あるいは傷病にかかった、4日以上休業したあるいは死亡してしまったというようなこ とについては届出がされるということになっているのです。他のものは統計を取ってい てこれだけは統計がないですという話ではないのです。本来、取るべきものを取らない で統計上ないからということではおかしいのではないか。少なくとも法で決まっている もので、他は全部このように一応、違反率等については取っているのに、この26条がな い。26条違反は2万円以上の罰金等、罰則がかなり重いのです。これだけなぜ継子にし ているのかわかりませんけれども、今日初めて言っているのではなく、前回も言ってい るのです。やはりその辺をきちんとしなければならない。何が言いたいかというと、家 内労働者の実態をきちんと把握するための一つのメルクマールは、法律に基づいていえ ば委託状況届けなのです。それがほとんどつかまれていないというのは、先ほどから詳 しく報告をされていますが、実態調査は3年に1度ですけれども、概況調査で処理に至る まで数字が細かく掌握されていて苦労があると思いますけれども、信憑性というものが どうなのか、担保されるのかという懸念があるのです。実質調査、業務統計だからしよ うがないという面もあるのかもしれないけれど、法律で担保されているものについては きちんとやるべきだ。そうでなければ、ルールを無視しても構わないということになっ たらまずいのではないか。その辺だけはどういう考えなのかを聞きたいです。 ○今田部会長  これに付け加えてですか。 ○加藤(昇)委員  簡単な質問で申し訳ないのですが、時間が迫っていますけれども、資料No.7で配付さ れているような家内労働等実態調査結果で、ここでは主に情報サービス関係、あるいは IT関連などの職種がこの調査対象になっているのではないかと思いますが、これらの仕 事に家内労働法が適用されているのかどうかだけ教えていただきたいと思います。 ○高崎短時間・在宅労働課長  初めに加藤委員からの質問にお答えしたいと思います。家内労働法の適用の範囲につ きましては家内労働法上に定義があり、それに該当するものは該当するということで、 在宅就業あるいは在宅労働という場合に、例えばIT関連機器等を使うテレワークといわ れるような成果的なものが物として出ない、あるいは原材料の提供を受けないような形 のものについては家内労働法の対象にはなりませんので、そういう形での在宅就業とい うことであればそれは入っていないということだと思います。いわゆる製造業以外のも のについては入っていないということだと思います。  豊田委員の指摘の件ですが、私どもの考え方は全くその通りでして、家内労働法とい う法律があり、それに基づいてさまざまな法的な規制がかかってくるわけでして、それ をきちんとやっていただかなくてはならないことは当然ですし、そうしていただけるべ くいろいろな形で周知することはもちろんですが、適宜必要に応じて監督指導に行って それを確認していくことが必要だということはその通りだと思います。ただ、ご案内の 通り、家内労働の施行の関係につきましては労働基準監督署の方でやっているわけで、 労働基準監督機関の方もさまざまな行政ニーズというものを抱えた中で、与えられた体 制の中でどのような形でやっていくのかということは、実は労働基準監督機関の方で全 体のいろいろなことを調整する形で、事業所数等も組んでいるということが現実として はあるわけです。私どもとしては家内労働法というものを所管している立場から、必要 な監督指導をきちんとしてほしいということは従来も要請してきていることでもありま すし、本日また委員の方から改めてその点について、実施事業所率の下がり方が極端な のではないかというような指摘も受けましたので、その旨をきちんと監督機関の所管す る方に伝えて、対応をお願いしたいと思っています。  ただ、これは私どもが直轄でやっているということではないので、最終的にそれをど のような形で組んでいくかということについては、そちらの方で対応していくというこ とではありますが、私どもとしては家内労働という立場から要請していきたいと思って おります。以上です。 ○豊田委員  すみません。まだ第26条の件が挙がっていないです。 ○高崎短時間・在宅労働課長  今日、実は私も第26条の件は承知していませんでしたが、多分ずっと取ってきている 項目があって、その辺との整理なのかとは思いますが、指摘いただきましたので、単な る漏れなのか何なのか、そこは確認させていただきたいと思いますが、それは、ここで はそういうことです。 ○豊田委員  地方の局では、この第26条をきちんと取っている局もあるのです。だからそれが反映 されないのはおかしいと思っていますし、それからやはり先ほども触れたように、第26 条は法律でいうところの一つの大きなポイントなのです。委託状況届によってきちんと 家内労働の実態をつかむ、また委託者もそのことによって家内労働者の把握をしながら 問題の改善を図っていく関係なので、これは前回から言っているのですが、その辺をど うでもいいとしてしまったらまずいのではないかということだけ、改めて強調させてい ただきたいです。 ○渡邊委員  家内労働者がだんだん減っているという傾向は、非常に理解できますけれども、この 統計そのものが、なぜ静岡、愛知、東京や大阪が多くて、他がだんだん減っているとい うのを読むのにも、産業の地域性、そういうものを反映しているのではないかと思いま すけれども、増えている所は増えている、全体には減っているというものをもう少し理 解するために、申し上げたように地域的な統計の分布の表をほしいと思いますがいかが でしょうか。 ○高崎短時間・在宅労働課長  加藤委員からも同趣旨の指摘も承っています。元のデータがありますので、その加工 の仕方だと思います。今後工夫したいと思います。 ○今田部会長  それでは時間は一応3時までの予定でしたので、意見がなければ終了させていただい てよろしいでしょうか。どうもありがとうございました。では本日はこれで終了とさせ ていただきます。  議事録の署名委員は渡邊委員と加藤委員です。よろしくお願いします。  どうもご協力ありがとうございました。 ○高崎短時間・在宅労働課長  どうもありがとうございました。 照会先:厚生労働省雇用均等・児童家庭局短時間・在宅労働課家内労働係(7879)