06/06/12 平成18年6月12日薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会表示部会議事録      薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会表示部会議事録 【日時】平成18年6月12日(月) 午前13:00〜午後13:47 【場所】中央合同庁舎第5号館共用第7会議室 【出席委員】       丸井部会長、犬伏委員、海老塚委員、垣添委員、熊谷委員、田中委員       長野委員 【議題】  (1)遺伝子組換え表示対象品目見直しについて (2)その他 議事内容 ○事務局 出席予定をされている先生方がおそろいになりましたので、これから薬事・ 食品衛生審議会食品衛生分科会表示部会を開催させていただきたいと思います。本日 は御多忙のところ、御参集いただきまして誠にありがとうございます。  本日は、板倉委員、海老澤委員、小沢委員、西島委員、米谷委員より事前に欠席の御 連絡を受けております。今現在おられる先生方で過半数に達しておりますので、この 会は成立しているということになります。  それでは、まず議事の前に、私ども実は表示部会を開くのが久しぶりでございまして、 事務局の方も変わっておりますものですから、私ども事務局の紹介からさせていただ きたいと思います。  基準審査課長の伏見でございます。 ○伏見基準審査課長 昨年の8月に今の基準審査課に参りました伏見と申します。この 部会は初めてでございますけれども、よろしくお願いいたします。 ○事務局 それでは、議事について、座長の方よりお願いできますでしょうか。 ○丸井部会長 それでは、本日、久しぶりの表示部会ですけれども、どうぞよろしくお  願いいたします。  本日は割合すっきりした議事ですけれども、まずは、事務局の方から資料の確認をお  願いして始めたいと思います。よろしくお願いします。 ○事務局 それでは、お手元の資料の確認をさせていただきたいと思います。   一番最初のページがこのように議事次第になっております。議事次第のところに配  付資料、資料、それから参考資料1、2となっておりますが、そのページの下には座席  図があり、資料というものがございます。この資料は、食品表示調査会で検討された  事項を表示部会部会長に対する報告するものでございます。それから、その次に分厚  い参考資料1というものがございます。これが本日の議題に係る主な資料でございます。  その次のものが参考資料2で、これはパブリック・コメントの結果でございます。   こちら、資料、参考資料1、2と3つあるはずでございますが、もしお手元になければ、  お申し出ていただければと思います。  以上でございます。 ○丸井部会長 どうもありがとうございました。お手元資料はおそろいでしょうか。  それでは始めさせていただきます。本日は先ほどお話ありましたように、1枚目の議  事にございます「遺伝子組換え表示対象品目見直しについて」ということでございま  す。まず、遺伝子組換え食品の表示制度、これは平成13年4月から開始しておりまして、  昨年アルファルファを追加するということが決まりました。  それに続きまして、今回、食品として安全性の審査が終了しておりますてん菜につい  て商業栽培の見込みがあるという状況を踏まえまして、遺伝子組換え表示対象品目に  追加することについて、3月22日に開催されました食品の表示に関する共同会議で検  討され取りまとめられました。  御承知のように、食品の表示に関する共同会議、これは厚生労働省と農林水産省との  共同で行っております会議ですけれども、この共同会議が薬事・食品衛生審議会の本  日行っております食品表示部会の下部機関としまして、食品表示調査会という位置づ  けになっておりますので、今回共同会議で検討されたものは、すなわち食品表示調査  会ということで、そこから本日委員の皆様方に食品の表示部会で御議論いただこうと  いうことで本日このような形でお集まりいただいたということになります。  これに関連しましては、既にパブリック・コメントを募集して、そしてその結果もま  とめられております。本日はこうした成果を踏まえまして、遺伝子組換え表示対象品  目の見直しについて御検討いただきたいというふうに考えている次第です。  ということで、遺伝子組換えてん菜及び調理用の遺伝子組換えてん菜を主な原材料と  する加工食品に関する表示対象品目見直しにつきまして、事務局の方から御説明をい  ただいて、それから、委員の皆様方に御検討いただきたいと思います。お願いします。 ○事務局 それでは、遺伝子組換え表示対象品目に見直しついてということで御説明を  させていただきたいと思います。   皆様のお手元にあります資料というものがございます。こちらは食品表示調査会と  いう下部機関で決まったことをこちらの方に報告させていただいているというもので  ございます。この報告によりますと、「『遺伝子組換えてん菜』及び『調理用の遺伝  子組換え  てん菜を主な原材料とする加工食品』を表示対象品目とするよう進めるのが望ましいと  したので報告する。」という形になっております。  別添のところには、どのような形で、我々の食品衛生法上位置づけられるのかという  ことで、一番最後のページに書いておりますが、上が改正後ということで、「てん菜」  及び「調理用のてん菜を主な原材料とするもの」というような形で書き加えられるで  あろうと、これが報告なのでございますが、この報告に至った経緯等を御説明し、また、  科学的な議論なども織りまぜながら、若干御説明をさせていただきたいと思います。   参考資料1の1ページ目、これが食品表示に関する共同会議の検討・報告書に当たる  ようなものでございます。  見直しの経緯につきましては、今までの話でも若干あったと思いますので、少し省か  せていただきますが、平成14、15年の見直しについて検討した結果、品目追加変更は  行われてこなかったのですが、16年にアルファルファ及びアルファルファを主な原材  料とするものを表示対象品目に追加したところでございます。  2.のところでございますが、17年度の見直しの方向といたしまして、農産物として、  「てん菜」を追加、また加工食品として、「調理用のてん菜を主な原材料とするもの」  を追加するということでございます。この「調理用のてん菜を主な原材料とするもの」  という言いぶりでございますが、これは何なんだというようなことを、なかなかイメ  ージがつかめないと思います。てん菜というものは、そもそも工芸作物といたしまし  て砂糖をとる、てん菜糖をとるための原材料として使われる農作物でございます。た  だ、稀ではございますが、てん菜を野菜として食べる、そういう食文化を持った地域  がございます。北海道の十勝地方などでは天ぷらとして用いるというようなことを聞  いております。   このようにてん菜を野菜として使うような場合にも、これは適用すべきではないか  ということで、加工食品として「調理用のてん菜を主な原材料とするもの」というふ  うに追加させていただいております。   それでは安全性審査の状況について若干申し述べさせていただきたいと思います。  安全性の審査は、2系統のてん菜について行われました。H-77とH7-1という系統でご  ざいます。これらの系統は同じ遺伝子が入っているのでございますが、作物としての  系統が違うものです。遺伝子としては全く同じものを入れておりますので、片方の方  を例にして説明させていただければと思います。   23ページからでございます。これは「ラウンドアップ・レディー・テンサイH7-1系  統」というものについての、食品衛生バイオテクノロジー部会の報告資料よりとって  いるものでございます。   「ラウンドアップ・レディー・テンサイH7-1系統」は、除草剤(グリホサート)耐性  のものでございます。このグリホサート耐性の遺伝子としまして、CP4EPSPSという長  い名前なのですが、このような遺伝子を導入されているものです。この「ラウンドア  ップ・レディー・テンサイH7-1系統」につきまして、既存のものとの同等性に関する  事項ということで審査を行っております。遺伝子素材やまた食経験、構成成分、アレ  ルギー物質を出すかどうか、また、挿入遺伝子及び遺伝子産物についての検討が行わ  れております。この挿入遺伝子、遺伝子産物については、今までやっております大豆、  とうもろこし等々グリホサート耐性の遺伝子と同じ遺伝子を入れておりますので、ほ  とんど同じものであるというふうに言っていいかと思います。   これらの検討を行った結果、最終的に結論としては、29ページになるのですが、  「基準適合性に関する結論」ということで、「以上のことから、日本モンサント株式  会社から申請されたラウンドアップ・レディー・テンサイH7-1系統については、申請  に際して提出された資料を審査基準に基づき審査した結果、人の健康を損なうおそれ  があると認められないと判断される。」と、このような結論が出ております。この結  論は77という同じようなものですけれども、この77系統につきましても、同様の調査  をしておりまして、38ページにありますが、「ラウンドアップ・レディー・テンサイ  77系統については、健康を損なうおそれがあると認められないと判断される。」とい  うふうに審査が行われております。   それではもとに戻っていただきまして、食品としての安全性のところで、H-77とH7-  1系統が、安全性審査の終了がこのような形で行われ、77と7-1のところに、一番下に  あるのですけれども、平成15年5月6日、平成15年6月30日に、食品としての安全性審査  終了の告示が行われております。   この告示分につきましては、ページ数にいたしまして、19ページから22ページのと  ころに官報のコピーを付けさせていただいております。これらのように官報で告示さ  れまして、ラウンドアップ・レディー・テンサイ77系統及びH7-1という系統につきま  しては、食品としての安全性は審査されたということで終わっております。   あと飼料についての安全性につきましては、77系統については15年4月、H7-1系統  については、平成17年9月に安全性審査の手続は完了しております。   また、環境への安全性、つまりこれを農作物としてつくる場合、カルタヘナ条約と  の関係で審査が必要になるのですが、H7-1系統については、日本において平成17年5月  に隔離ほ場における使用について評価手続は終了しております。ただ、栽培、輸入な  ど一般的使用について生物多様性影響評価の承認申請を行うため、同年12月まで隔離  ほ場試験を実施してきているところでございます。ただ、これは日本でまだ作れない  ものであるということなのでございますが、米国ではもう作ることは可能でございま  して、日本でもし大丈夫だという話になりますと、米国で作ったりとか、その他の国  で作ったりということが想定されるというものでございます。まだ米国やその他の国  では作っていない。作物として商業栽培されていないというふうに聞いております。   それでは、もう一つ議論しなければならない点がございまして、そもそもこのてん  菜というものを使うには普通は砂糖として使う、もしくは糖蜜として使うということ  があるのですが、糖蜜もしくは砂糖からDNA等が検出されるかどうかということに  ついて議論がなされるべきであるというふうに思っております。   それにつきまして、独立行政法人農林水産消費技術センターと食品総合研究所が調  査を行っております。お手元の参考資料1の39ページから参考資料1-4というところで  ございます。「てんさい加工品からのDNA抽出とPCRによるてんさいDNAの残  存性に関する調査報告書」というものがございます。こちらについて、てん菜加工品、  つまり砂糖、糖蜜といったもの、例えば上白糖とか精製度が上がっていったものから、  精製度があまり高くないようなてん菜糖のようなものまで、もう一つは、製造工程で  出てくるようなものについて、DNAの残存性に関して調査を行っております。   それの結果なのですが、45ページになります。「PCR増幅結果」という3.2.  という表がございます。てん菜加工品1〜8、これは売っているもの、つまり市販され  ているようなものです。てん菜を含む密糖からグラニュ糖まで、どんどん精製してい  けば、そのような形になるのですが、そういったものについて、PCRで増幅した結  果、右に見えますように「− −」とあります。つまり増幅が見られなかったという  ふうに見てください。つまりDNAは検出されなかったということです。   それから、糖製造工程試料ということで、シンジュース、シックジュースとありま  すが、このシンジュース、シックジュースとは何なのかといいますと、47ページ、1  ページめくっていただいたところにございます。てん菜糖製造フロー、(A工場)、  (B工場)とありますが、B工場の方を見ていただいた方が多分わかりやすいのだと思  いますが、原料から濃縮をかけていって精製していくという過程を経る中で、一番最  初の方の段階でジュースをつくる。その薄いジュースがシンジュースです。それが濃  縮かけられて、濾過をかけられたものがシックジュース。そういったものがどんどん  と濃縮、濾過、結晶という形の過程を経て砂糖やグラニュ糖になっていくというふう  なものでございまして、先ほどの45ページの糖製造工程試料といいますのは、シンジ  ュース、シックジュースという製造工程内における半製品といいますか、まだ製品に  なっていない、製造工程で抜き取ったものであると御理解ください。このようなシン  ジュース、シックジュースにつきましては一部DNAが検出されました。しかし、それか  ら濃縮や結晶過程を経るにつれ検出されなくなっていくというような結果が得られて  おります。これらの結果より、てん菜加工品、つまり糖蜜や砂糖、上白糖といったも  のから、DNAは検出され得ない、という結論を出しております。   これらの結論に基づきまして、今回の表示対象品目といたしましては、農作物とし  てのてん菜、調理用のてん菜を主な原材料とするものであって、遺伝子組換えのてん  菜を使って作った砂糖についてはDNAは検出されないので、これについては表示対  象としないという結論になろうかと思います。   このような結論につきまして、共同会議におきまして議論がなされ、この3月22日の  会議において、この見直しについて(案)というものが承認されたというような過程で  ございます。  以上です。 ○丸井部会長 御説明どうもありがとうございました。何か、このてん菜につきまして、  委員の方から御質問あるいは御意見などがございましたら、ぜひお出しいただければ  と思いますが、いかがでしょうか。3月に共同会議の場で若干議論がありましたけれ  ども、そのときに、農業関係の方ももちろんいらっしゃって、先ほどのようなことを  いくつか質疑がございました。 ○事務局 参考資料2について説明を追加いたします。   この参考資料2というものは、パブリック・コメントの募集の経過と結果報告でご  ざいます。平成18年3月28日から4月27日まで、1カ月間にわたりパブリック・コメン  トを募集いたしました。これはこの食品表示の共同会議の結果につきまして、資料を  明らかにし、これにつきます意見を求めたところでございます。この意見募集で、意  見提出方法は、インターネット、郵送及びFAX、いずれかでお願いしますという形  でしましたところ、インターネット、郵送、FAXすべて0件ということで、全く意見  が提出されなかったということがございます。パブリック・コメントの結果、全く意  見がなかったということを付け加えさせていただきたいと思います。 ○丸井部会長 ということで、パブリック・コメント、何の反応もなかったということ  でちょっと寂しいようなところがありますが、そういったことも含めて御意見があり  ましたら、ぜひこの場でお出しいただければと思いますが、いかがでしょうか。 ○海老塚委員 これを見直し対象にするということについては、結論として私よろしい  かと思うんですけれども、加工品でPCRでDNAの残存が確認できなかったという  分析の結果について御説明願いたいのですけれども、このPCRの結果で検出できな  いというのは何をもって検出できないと言われるのか。検出されるということと、検  出できないということの判断基準は、科学的に言ったらどういう説明になるのかをお  聞かせ願いますか。 ○丸井部会長 事務局の方、よろしいですか。 ○事務局 今回のてん菜固有のDNAを検出できるかどうかというところは食総研、農  林水産消費技術センターの方は技術的に非常に難しかったと聞いております。そうい  った中で、DNAのプライマーを見つけるところから始まったのだというふうに、プ  ライマーをどういうふうに設定するのかというところをしていたのですけれども、別  添3、50ページの内在性DNA配列検知用プライマー対というものの開発を説明して いるところでございます。てん菜といいますのも、飼料用ビート、テーブルビート、  フダンソウと同一種であって、砂糖用の品種群がてん菜と呼ばれているので、いろん  なバリエーションがありますと。そういった中で、特異性のある配列があるのかどう  かということで、19種類の同じような、アカザ科フダンソウの多年草植物である   B.vulgarisというものの種子を調べまして、それらに特異的な内在性のDNA配列検  知用に開発したプライマー対3というもの、それから4というものを何とか見つけ出し  たというふうに聞いております。   このプライマー対3と4というものにつきまして、特異性をもう一度種苗管理センタ  ーから入手したほかのものを用いて検討したところ、一応アカザとシロザについては目  的長のバンドが増幅したと。プライマー対3はB.vulgarisも特異的であると。プライマ  ー対4はアカザ科の特異的な増幅産物が得られるプライマーであるということで、この  3と4が、てん菜及びてん菜とよく似た種のものを検知し得るプライマーであるという  ことを証明しております。このプライマーを用いまして、今回の対象となりました47  ページの「てんさい糖製造フロー」のところにある9、10、11、12というような形で、  てん菜糖の製造フローから出てくるこのよう液体のようなもの、それから市場から買  い上げたりとか、提供していただいたりとかして入手した1から8までのところを、こ  のプライマー3と4を用いて増幅するかどうかというところで、アカザ科もしくはB.vulg  arisというてん菜を含む一群の植物群であるものが入っているかどうかということを  確認したというふうに私は理解しております。以上です。 ○海老塚委員 プライマーの特異性については、多分検討されて妥当な結果だと思うん  ですけれども、要するに私の聞きたいのは、例えば54ページとか、PCRの結果を見  たときに、どのレーンには検出できるとか、できないという、そういう判断をどうい  うふうにされているかと。染色された後、バンドの例えば非常に薄いけれども、存在  する、しないというところの、これは確認できないというのはどの辺をもって言って  いるのかというのが私にはわからない。 ○事務局 吸光度がどれくらいの精度を持ってということですか。 ○海老塚委員 ええ。要するに量的な問題ですね。確かにそういう特異的なバンドは増  幅されているんだけど、このようなある検出条件のもとでは、目視では検出できない  というようなものも含まれているのか。ポジティブに出ているものについては全く問  題ないと思うんですけれども、結果として見えているものがあるという判断するのは  簡単なんですけれども、本当にないのか、あるけど、ある検出方法だと検出できない  という程度のものなのか、そこの判断の基準はどの辺に置いているのかということが  ちょっとこの資料だけではわからなかったので御質問したのです。 ○丸井部会長 そうですね。確かに見えるという、認められるというのはわかりやすい  し、それは確かに確認できるけれども、見えない、あるいは確認できないというのを  どのように保証するのかということですね。これは科学的な証明をどうするかという。 ○海老塚委員 今まで検知対象になったようなものについても、PCRの結果で判断す  るというようなものは今まであったと思うので、そういうところをもう一度御確認い  ただいた方がいいのではないかと思います。 ○丸井部会長 これは先ほど来、御説明のように、専ら農林水産省のかつての機関、あ  るいはその下部機関で行っているので、今回、厚生労働省の事務局で、そこについて  詳細に御説明を恐らく現時点ではできないと思うのですけれども、どういうふうに扱  いましょうか。従来、表示対象としてきたものも、同じような手続を踏んできている  と思うので、その辺のところを事務局で確認いただけますか。 ○事務局 先ほど丸井部会長がおっしゃられたように、今までのやり方と今回とで違う  のか否か。もし違うとするならば、どう違って、検知できないということを何をもっ  てそうしているのかということについて、確認して、後日、資料を委員の皆様に回覧  するような形でさせていただきたいと思います。 ○丸井部会長 御質問ありがとうございました。海老塚委員、先ほどの御発言で、基本  的に、結論はこれで構わないのだけれども、この部分については確認をしておきたい  という主旨であったと思います。これについて事務局でお調べいただいて、それで各  委員にその旨、御連絡いただいて、納得いただけるということであれば、その上で一  応最終的な結論にできると思います。よろしいでしょうか。 ○海老塚委員 はい。 ○丸井部会長 あるいはほかの委員から御質問なり、御意見なりございますでしょうか。   例えば、これは食品としての安全性は、既に平成15年の5月、6月には官報にも出て  いるわけですが、現在これが議論されているというふうに随分おくれてきているのは、  ほかの、例えば飼料としての安全性などの確認がおくれたためですか、それとも何か。 ○事務局 遺伝子組換えの表示制度というのは、あくまでも商品化とか、市場に出ると  いうことが前提になって表示を行うことになっております。その文脈で、今までこの  てん菜につきましては、市場にまだ出ないというふうに私ども聞いておりましたが、  今回、開発会社の方から、そろそろアメリカの方で栽培が始まるというような見通し  が立っているということの情報を得まして、市場化されるのであれば、表示制度もき  ちんとしておかなければならないということでございます。それで、15年と17年度と  いうギャップが生まれているのだと御理解ください。 ○丸井部会長 御説明がありました。そのほかに何か、どうぞ、熊谷委員。 ○熊谷委員 今まで気づかないでいたのですけれども、「調理用」のという言葉なので  すけれども、とうもろこし、ばれいしょも「調理用」のという言葉が使われています  けれども、この調理用のというのは、調理用でないものを使った場合は表示しなくて  もよいということを意味しているんですか。どういうことなんでしょう。 ○事務局 調理用の何かがあるというふうにあるのではなくて、調理用途で使われて加  工されたということでございまして、別に調理用に例えば栽培されているとか、調理  用に市場に流れているというような意味ではございません、 ○丸井部会長 熊谷委員の御指摘は、今回に限らず従来の例えばとうもろこし、ばれい  しょでも、調理用のとうもろこしを主な原料とするとか、調理用のばれいしょを主な  原料とするというふうな文言があって、これと共通する御質問ですね。 ○熊谷委員 そうですね。いや、今まで気づかなくて申し訳なかったのですけれども、  これ、単なるとうもろこしとか、じゃがいもではいけなかったんですか。 ○丸井部会長 今までも食品衛生法、調理用の大豆、調理用のとうもろこしとずっと使  ってきています。これは食品衛生法の中の法律的な使い方として恐らくきちんと確立  されているものだと思いますが、特にそれ以上の御説明をどなたかからしていただく  必要があればですが、今回に限っての話ではないので、ただ「調理用」というのが必  ずつくのはなぜかという一般的な御質問なので、熊谷委員御自身は納得されてはいら  っしゃるようですけれども。 ○熊谷委員 今回のこの件に直接かかわりあることではありませんので、また、いずれ  かの機会に。 ○事務局 これは食品表示に関するQ&Aというものがありますが、これの2−10とい  うところで、「大豆(調理用)を主な原材料とするものは具体的にどのようなものが考  えられますか」というようなQ&Aがございます。この中で、「調理用とは、一般消  費者向けに販売され購入後調理するようなもの。例えば五目豆や弁当、惣菜等が考え  られます。なお、ここで特に大豆(調理用)としているのは、単に大豆を主な原材料と  したものとすると豆腐、みそなどといったもの。別表に掲げられている食品について  もすべてこの号で読むことができてしまうからである」というふうな解釈をしており  ます。   今回、なぜ調理用のてん菜だというようなことを言っているかといいますと、砂糖、  これについては表示は書けないということにさせていただいております。つまり、て  ん菜を加工したものというふうにしますと、別個で、例えば砂糖は要りませんとかと  いうことを書かなければいけないと。ですからそれを避けるために「調理用」だとい  うふうに言っていることもあると御理解いただければ。大豆などにつきましては、一  般に調理されたような食品群を指しているというふうになっております。 ○丸井部会長 熊谷委員よろしいでしょうか。Q&Aで、既にこれについて説明はして  いるということですね。今回、そうするとてん菜が入ることで、Q&Aはてん菜につ  いても、同じような項目が加わるというふうに考えてよろしいのでしょうか。 ○事務局 わかりにくいというような御指摘がございましたら、Q&Aに盛り込む必要  があるか検討したいと考えております。 ○丸井部会長 よろしいでしょうか。 ○犬伏委員 先生方の中で、こんな初歩的なことをお尋ねしてはいけないのですけれど  も、先ほどお砂糖になったらDNAは入らない。油の場合もたんぱく質が入らない。  だから表示は要らないという話ですよね。DNAがお砂糖の中にもし入っていて食べ  たら危険なんですかというのをお尋ねします。表示するか、しないかの線引きは、そ  こにDNAたんぱく質が残っているかどうかだけのことを意味するということなので  すね。でも、安全か、安全でないかというのと混同してしまう。DNAが残っていま  せんからもう表示はしませんという先程の技術センターの説明だと、私たちの中に入  ってくるときにどういうふうに理解されるかというのがちょっとわからないなと思う  のですが。 ○事務局 確かにそこは難しいというか、切り分けがなかなか難しいようなところもあ  ろうかと思います。そもそもDNA組換えされた食品で国の安全性審査を受けている  ものは安全であるということがあります。その遺伝子産物、つまりDNAによってつ  くられるもの、たんぱく質、そういったものが入っていたとしても、それは安全であ  るというふうなことがまず大前提にあった上で、その食品が遺伝子組換えのものであ  るかどうかということの表示は、DNAやたんぱく質などといった物的証拠みたいな  もの、それがあるか、ないかということをもって表示できる、できないということを  していると。  だから安全性と表示は関係ない。 ○犬伏委員 安全性と表示は関係なく、組換え由来のものでもDNAが検出できない状  態であるならわざわざ組換え由来という表示は必要なく、検出されるものに関しては、  安全性に関わりなく表示をするという意味を私たちはどのように受け取るべきなのか  気にかかるところです。 ○事務局 私どもも周知といいますか、広報に努めようとパンフレットなどを出してい  るところでございます。今後とも広報に努めて参りたいと考えております。 ○犬伏委員 多分DNAという言い方ではなくて、非組換えか、組換えかの検査が可能  か、可能でないかという事柄に変えてもらった方が分かりやすいと思います。それを  何で証明するのといったら、それはDNAの存在だよという話になれば非組換えか、  組換えか、お砂糖や油になってしまうとDNAがないのでわからないという話だけだ  と、一般的なところに来るときには、そこが不安をつくってしまう種になるかなとい  う気がしたものですから。 ○事務局 そういった御意見があるということは、皆さんわかりにくいということもあ  るのでしょうし、そこは国民の皆さんにお伝えするときに何か工夫が必要なのかなと  いうご指摘と思います。 ○丸井部会長 どうも御意見ありがとうございました。今回の議事というよりは、遺伝  子組換え食品の表示のあり方自体についての少し一般的ではありますけれども、非常  に大事な御意見いただいたと思いますので、従来の既に認められているものも含めて、  どのように表示するとわかりやすいのかということは少しこれから先も、先ほどお話  ありましたけれども、御検討いただければと思います。また、いろいろな表示に関連  する調査会や、こちらの表示部会でも、また、そういったことが検討の課題になるか  と思います。どうぞよろしくお願いします。   いろいろ非常に根源的な御意見もいただきまして、本日、てん菜についての表示を  どうするかという御議論いただきまして、先ほど海老塚委員からもお話ありましたよ  うに、もう一度PCRのところの、事務局の方で御確認いただいて、そしてその結果  を一応我々の方にお知らせいただいて、その上で、基本的には、これを表示対象とし  て認めていくという、本日でなく、もう一段階だけ置かせていただいて、御納得いた  だいて、それで最終的に認めるということで、特に御異議なければ、私の方で最終的  に認めさせていただくということでよろしいでしょうか。  (「異議なし」と声あり) ○丸井部会長 ありがとうございました。それでは、そのように、事務局、この先、お  進めいただけたらというふうに思います。   特にこれから先の手続、今のことも含めて、もし何かありましたら。 ○事務局 委員の皆様方に承認いただけるかどうかというところは、私どもで資料を作  らせていただきたいと思います。   今後でございますが、先生方に承認いただきましたら、手続にかかわるスケジュー  ルにつきまして、12ページにございますので、それだけ若干目を通していただきまし  て、皆様に御確認いただきたいと思います。現在、共同会議、パブコメが終り、現在  WTO通報中でございます。表示部会が今回開かれましたが、これでよろしいという  ことで承認いただきましたら、その後、分科会、薬食審の方に報告いたしまして、省  令改正の手続になります。いつぐらいになるかということは手続がどれくらいかかる  かわからないので、申し上げることができませんが、年内には省令改正が行われれば  と考えております。  以上です。 ○丸井部会長 それでは、委員の先生方、御審議どうもありがとうございました。   本日はこれで終了させていただきます。どうもありがとうございました。 【照会先】 厚生労働省医薬食品局食品安全部基準審査課   担当 松岡、有本、関井    TEL:03-5253-1111(内線2921) 1