06/06/06 第25回独立行政法人評価委員会調査研究部会議事録          独立行政法人評価委員会調査研究部会(第25回)                   議事録                 6月6日(火曜)               厚生労働省専用第21会議室 1.開会 ○部会長   おはようございます。定刻になりましたのでただいまから第25回独立行政法人評価委 員会調査研究部会を開催させていただきます。委員の皆様におかれましては大変お忙し い中、お集まりいただきましてまことにありがとうございます。本日は全員御出席の予 定ということになっております。  それでは事務局より本日の議事について簡単に御説明をお願いいたします。 ○政策評価官  政策評価官でございます。  本日は3点の御審議をお願いします。一つ目は今年の3月31日付でございますけれど も、今回、統合いたしました前の産業安全研究所、産業医学総合研究所、それぞれ役員 の方、お一人ずつの退職がございましたので、その退職金に係ります業績勘案率につい て御審議を賜るというのが一つでございます。  二つ目に、医薬基盤研究所につきましては本年度から年度評価の対象となるというこ とで、この夏には事実上、1回目の評価の作業をお願いすることになっておりますけれ ども、その評価に先立ちまして評価の視点(案)をお諮りさせていただき、その後、御 審議をいただき固めて年度評価に向かっていただきたいというのが二つ目でございま す。  最後、三点目でございますが、いよいよ7月からの年度評価ということでございまし て、その進め方について今の段階で、事務局の方から御説明を申し上げ、御意見を賜る。  以上3点でございます。よろしくお願い申し上げます。   2.議事 (1) 独立行政法人産業安全研究所及び独立行政法人産業医学総合研究所の退職役員 の役員退職金に係る業績勘案率について ○部会長   はい。ありがとうございました。それでは最初に産業安全研究所及び産業医学総合研 究所の役員の退職金に係る業績勘案率につきまして、事務局から御説明をお願いいたし ます。 ○政策評価官  お手元の資料1−1、1−2という形で今から御説明をさせていただきます業績勘案 率、資料2という一回り大きいのが評価の視点でございまして、資料の3が進め方。参 考資料は、業績勘案率のこれまでのルールについてまとめた資料を用意をさせていただ きました。  資料1−1及び1−2でございます。産業安全研究所及び産業医学総合研究所の退職 金業績勘案率ということで、まず、1−1につきましては理事長がこの度、御退職とい うことで、在籍期間が17年4月1日から18年3月1日までということで17年度まで1 年間の御在籍でございました。  この期間というのはまさに今度、年度評価をしていただくということで、まだ、評価 委員会として固まった評価がございませんので、ルールに従いまして今回、仮のと言い ましょうか、暫定の実績報告を法人の方におつくりをいただき、委員の方々に事前にご らんをいただくように手配をさせていただいたところでございます。  私ども、事務局といたしましてはこの期間につきまして比較衡量という言い方がよろ しいのでしょうか、全体としては16年度とほぼ同じ水準ということを考えておりまし て、そういう意味では16年度、安研がいただきました評価の評点、具体的には1.53と いう形になりますが、これを言わば出発点として考える。そういたしますと、平均分類 のカテゴリーで言いますと1.5になります。  それに加えてこの資料で?から申し上げますと、これまで法人の方から、あるいは委 員の皆様方の方からこの期間のこの評価に対して特段の御指摘、いわゆる意見等という のをいただいておりませんので、ここはないということにいたします。これをもとに勘 案率を換算するというのがルールでございます。この調査研究部会で過去にもお取り上 げいただきましたように、言わば、1.0以上のものを出すときには目的積立金の存在と いうのがチェックポイントに入ってまいります。産業安全研究所、この期間において特 段の目的積立金の積立がなされておりませんので、結果、それを勘案いたしまして私ど もの方の試算といたしましては1.0という形で業績勘案率をお諮りをさせていただいて おるというのがまず資料1−1でございます。  続けて資料1−2でございますけれども、こちらは産業医学総合研究所の理事という ことで、この3月31日に御退職でございます。ちなみに産業医学総合研究所、当時にお きましては理事長のほか、役員はこの理事お一人ということでございます。  この方は、在籍期間は国の機関当時から、つまり13年の4月1日からこの任におあり になったということでございますけれども、この業績勘案率として御審議、あるいはお 諮りするのは独立行政法人期間ということでございますので、独法化されました16年1 月1日以降の18年3月31日、17年度末までの期間について、具体的には15年度、16 年度、17年度というのが勘案いただきます期間ということでございます。  これにつきましても具体的には16年度までは既に評価が固めていただいております けれども、17年度はございません。ということで17年度については同じく法人の方か らの実績報告を受けまして私どもとしては16年度の実績とほぼ同水準ということで16 年度、同水準を置かせていただき、在職期間に応じた勘案をいたしますと最終的には1.0 という形になる。これに基づきまして法人、あるいは委員会委員の方に事前にお配りを し、お諮りをしたところではこれまでのところ特段の御意見がないということでござい ますし、1.0ということになりますれば目的積立金という議論が出てまいりませんので、 ここまでの手順を踏ませていただきまして、私ども評価官室としては1.0というものを お諮りをさせていただくという次第でございます。  なお、今後、進行につきましては部会長の方にお願いをさせていただきますけれども、 業績勘案率の御審議におきましては質疑までは法人の方と必要に応じてやりとりをさせ ていただいて、あと、最終的に決める前の意見交換は法人の者は席を外させていただく ということがこれまでのやり方でございますので、そのような形で御進行いただければ 事務局としてはありがたいなというふうに思っております。私の方からは以上でござい ます。 ○部会長   はい。ありがとうございました。それでは本件につきまして御質問等、ございました らお願いいたします。御質問ございますでしょうか。御質問よろしゅうございますか。  はい。それでは先ほど御説明がございましたけれども、産業安全研究所及び産業医学 総合研究所の関係者の方々におかれましては本日はどうもありがとうございました。業 績勘案率の審議に入りたいと思いますので御退席のほど、よろしくお願いいたします。  よろしいでしょうか。それでは業績勘案率につきまして御意見等、ございましたらお 願いいたします。何か御意見ございますでしょうか。よろしゅうございますか。  はい。それでは産業安全研究所及び産業医学総合研究所の退職役員2名の退職金に係 る業績勘案率につきましてはいずれも1.0と決定するということで確認させていただき たいと思いますが、よろしゅうございますか。はい。ありがとうございました。では、 そのように決定するということにさせていただきたいと思います。今後の手続につきま しては事務局から御説明があればお願いいたします。 ○政策評価官  従来から評価委員会の方でお決めをいただきましたものにつきましては総務省にござ います政策評価独立行政法人評価委員会、政独委の方に通知をさせていただき、政独委 の方から特段の意見があるかないか、確認をさせていただくことになっております。政 独委の意見があれば、また、対応が必要になりますけれども、特段の意見がない場合に はそれに基づきまして私どもとして部会長にまずお諮りをさせていただいて、部会長の 方で確認がいただければそれをもってして「決定」という形で法人の方に業績勘案率を 通知させていただく、というルールに従った処理をさせていただきたいというふうに思 います。よろしくお願いします。 (2)独立行政法人医薬基盤研究所の評価の視点(案)について ○部会長   ありがとうございました。続きまして医薬基盤研究所の評価の視点(案)について御 説明をお願いいたします。 ○厚生科学課研究企画官  おはようございます。厚生科学課の研究企画官の林でございます。私の方から医薬基 盤研究所の評価の視点(案)について御説明させていただきたいと思います。  きょうの会議の冒頭、吉田政策評価官からも簡単な御説明がありましたけれども、本 年度から医薬基盤研が年度評価の対象となりますことから、そのための評価の視点(案) ということで御説明させていただくものです。資料は右肩に資料2と番号が振ってある、 独立行政法人医薬基盤研究所評価の視点(案)という表題の資料でございます。  この資料をごらんをいただきますと左端から項目、中期目標、中期計画、17年度計画、 そして一番右端が評価の視点(案)ということで、それぞれを並べて対比する形で作成 してございます。この評価の視点(案)の作成にあたりましては、評価委員会で御評価 いただく際のポイントという観点から、一つは5年後の評価という視点があり、もう一 つは各年度における評価が可能となるような視点にもしなければいけないということ で、2つの視点を同時に満たすようなものとなるよう、先行の評価の視点の例なども参 考にして作成しているものでございます。  また、ほかの独法でもそうなのですけれども、中期計画が個別具体的に規定されてい る部分が非常に多く、したがいまして、評価の視点も中期計画とほぼ同様の表記になっ ているところが非常に多ございますので、その点、あらかじめ申し上げておきたいと思 います。  医薬基盤研の中期目標、中期計画でございますけれども、大きく分けまして業務運営 の効率化に関する事項、国民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関す る事項、財務内容の改善に関する事項、その他業務運営に関する重要事項の大きく4つ から構成されております。このうち、2番目の国民に対して提供するサービスその他の 業務の質の向上に関する事項は、1枚めくっていただきまして2ページ目の一番上のと ころでございますけれども、中期目標、中期計画ではこの2番目の部分はさらにA.全 体的事項と4ページ目の一番上のB.個別的事項に分かれておりまして、さらにこのB. 個別的事項の中が1.基盤的技術研究、何枚かめくっていただきまして7ページの頭、 2.生物資源研究、10ページの真ん中ですけれども、3.研究開発振興、この3つに分 かれております。この3つの分類はきょう、別にお配りをしております医薬基盤研究所 の概要のカラーの資料があると思うのですけれども、それを1枚めくっていただくとそ の基盤研の業務が色刷りで分類されておりますけれども、その分類に対応した内容にな っているということでございます。  さらに、ちょっと説明に入ります前に、この10ページの3.研究開発振興の部分なの ですけれども、この部分は実は左端の項目で言いますと項目の13から16までは、この 業務が研究開発振興の業務が実は医薬基盤研設立前は、独立行政法人医薬品医療機器総 合機構にございまして、そのときに厚労省の独立行政法人評価委員会の医療福祉部会、 これは16年の12月でございましたけれども、ここで一度、審議をされておりまして、 そのときの評価の視点から表現は基本的に変わってございません。  それでは中期目標、中期計画に即して評価の視点(案)の考え方を御説明をしたいと 思います。なお、時間の関係もございますので、ポイントを絞って簡潔に申し上げたい と思います。資料2の1ページにお戻りいただけますでしょうか。  最初に1ページの左端、項目1、中期計画の欄で言いますと第1の業務運営の効率化 に関する事項を達成するためにとるべき措置でございますけれども、?のアのところ、 理事長の経営判断が迅速に業務運営に反映される業務運営体制を構築し、以下の措置を 実施するということで、一番目のポツ、状況に応じた弾力的な人事配置、定型的業務の 外部委託、非常勤職員・外部専門家の有効活用等により効率化を図るということと、2 番目のポツでございますが、研究テーマ等の変化に応じて必要な組織の再編・改廃等の 措置を講じ、柔軟かつ効果的な組織形態を維持するという中期計画になってございます。  このため、評価の視点では理事長の経営判断が迅速に業務運営に反映できる組織体制 が構築され、有効に機能しているか。状況や研究テーマ等の変化に応じた弾力的な人事 配置、柔軟かつ効率的な組織形態の維持、業務の進捗状況の管理等が適切に行われてい るかとさせていただいております。  次、項目の2に進みまして、中期計画で言いますと?のアでございますけれども、不 断の業務改善及び効率的運営に努めるとともに、給与水準の見直し等による人件費の抑 制や調達コストの縮減等により、研究開発振興業務に係る一般管理費の中期計画予算に ついては、平成16年度と比べて15%程度の節減額を、その他の業務の運営費交付金に 係る一般管理費の中期計画予算については、17年度と比べて12%程度の節減額を見込ん だものとするなどとされております。  これに対応して評価の視点の方では人件費の抑制や調達コストの縮減等により、経費 節減に努めているかということを書かせていただいております。評価の視点のその下で ございますけれども、運営費交付金を充当して行う事業については、中期目標期間中に おける支出総額が中期目標の目標数値を達成しているかというものと、もう一つ、経年 比較により削減状況、例えば総額・経費ごとが明らかになっているか。また、削減のた めに取り組んだ事項の削減に及ぼした効果がどの程度明らかになっているかということ で、これを追加をしております。これは左側の中期計画の中には直接対応する文言は出 てこないのですけれども、ほかの独法の先行事例なども参考に追加をさせていただてい るものでございます。  次、1枚、めくっていただいてページ2でございますけれども、項目の3、中期計画 では第2、国民に対して提供するサービス、その他の業務の質の向上に関する事項に係 る目標を達成するためにとるべき措置というところでございますが、Aの?のアでござ います。理事長は研究所内外から意見を広く吸収し、本研究所が重点を置いて行うべき 事業内容を決定し、それに基づき予算、人員等研究資源を配分すると。研究テーマは原 則として有期限とし、積極的にテーマの再編、改廃等の措置を講じるということ。  イでは研究所内の各部門で連携を図り、異なる研究分野からの情報や研究手法等を積 極的に利用して戦略的な事業の立案・実施を図るという内容の中期計画になっておりま して、このため、評価の視点では研究所内外の意見を吸収し、事業の重点化、研究資源 の戦略的配分、研究テーマの再編・改廃等が行われているか。研究所内各部門間の連携、 異なる研究分野の情報・研究手法等の活用が戦略的な事業の立案・実施に生かされてい るかというふうにしております。  それから次、?は飛ばしまして、項目の4、?の情報公開のところでございますけれ ども、中期計画では独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律の第1条の規定 を常に意識して積極的な情報の公開を行うということと、外部監査の実施に加え、計画 的に内部業務監査や会計監査を実施し、その結果を公表するという中期計画になってご ざいます。このため、評価の視点では独立行政法人等情報公開法の趣旨にのっとり、積 極的な情報公開が行われているか。外部監査の実施に加え、計画的な内部監査が実施さ れ、その結果が公表されているかという、この2つを設定いたしております。  その下、?、成果の普及及びその活用の促進というところでございますが、アをごら んいただきますと本研究所の業務の成果についてホームページやパンフレット等におい て公表する。したがって、評価の視点では成果がホームページ等により迅速かつ適切に 公表されているかということと、あわせましてこのホームページへのアクセス数はどの ぐらいかということを見ることで具体的な評価を行えるようにしているということでご ざいます。  次、3ページでございますが、中期計画の欄をごらんいただきますと、イ以下、キま でありますけれども、イ以下、成果の普及に関する事項が大体並んでおります中で、一 番下のキの部分では活用の促進として研究振興部においては、特許権等の研究成果を受 託者に帰属させる、いわゆるバイ・ドール方式を適用し、研究成果の効率的な活用を促 進するとされておりまして、これに対応して評価の視点では研究振興においてバイ・ド ール方式による契約が締結され、成果の活用が促進されているかとしております。  次、項目の5、中期計画の?のアでございますけれども、ここでは研究交流を共同研 究等多様な形で積極的に進めるということと、また、周辺大学の連携大学院となり、大 学院生の受け入れを通じた交流を推進する。このために国内外の研究動向等の把握や自 らの研究活動に関する情報発信等を積極的に行うとされております。  評価の視点では大学、民間企業等との共同研究、受託研究等の件数や規模はどの程度 か。周辺大学との連携大学院の取り組みは進捗しているか。国内外の研究動向の把握、 みずからの研究活動の情報発信が積極的に行われているか。研究施設及び設備の共同利 用の実施状況はどのようなものか。共同利用を促進するためにどのようなPRを行った かというところを見ていく内容としてございます。  その下、イはちょっと省略をさせていただきまして、次、4ページのB.個別的事項 の1.基盤的技術研究、ここでは項目の6、中期計画で申しますと?の医薬品安全性予 測のための毒性学的ゲノム研究、その下、見ていただくと項目の7、?ヒト試料を用い た疾患関連たんぱく質の解析研究、ページをめくっていただいて5ページ、?疾患関連 たんぱく質の有効活用のための基盤技術開発、項目の8、?新世代ワクチン・抗ウイル ス剤開発基盤研究、6ページにいきますと?新世代抗体産生基盤研究、項目の9、?遺 伝子導入技術の開発とその応用といった種々の研究が並んでおります。  これらに対する評価の視点はすべてこの6ページの一番右端の評価の視点の欄をごら んいただきたいのですけれども、行政ニーズ及び社会的ニーズが明確になっているか。 各研究課題について適切に研究が進められているか。研究の成果が得られているか。特 に中長期的な観点から成果を評価する必要がある研究については、具体的な効果に関す る将来展望が示されているか。研究成果を公表できる場合には学会、メディア等に公表 しているか。効率的な研究への取組みがなされているかという形で研究の種類は違って も評価の視点はこういう形で統一して設定しております。  以上が基盤的研究の部分でございまして、次、7ページ、おめくりいただきまして、 ここからは2.生物資源研究でございます。生物資源研究には、項目の10、?の遺伝子、 ?の培養細胞、8ページの?の実験用小動物、9ページにいきますと項目の11で?の薬 用植物、10ページの項目の12の?霊長類がそれぞれございます。  ここで?の実験用小動物と9ページの?の薬用植物はちょっと順番を変えております が、これは???が基盤研の中では研究資源バンクということで一まとまりのものとし て運営されているのに対して、?の薬用植物と?の霊長類はそれぞれ薬用植物研究セン ター、霊長類研究センターとして独立して運営されていることを受けまして、ちょっと このように配列を変えさせていただいております。  これらの生物資源研究に対応する評価の視点といたしましては、例えば10ページ、霊 長類のところの評価の視点をごらんいただきたいのですけれども、白丸の2番目と3番 目以外は先ほどの研究のところと共通でございます。それに加えまして、この2番目と 3番目、生物資源の開発、収集、保存、維持、品質管理、供給等が適切に行われている か。データベース整備など、生物資源を利用する研究者の支援が適切に行われているか という生物資源研究に特有の内容をこのように評価の視点に追加しているということで ございます。  次に10ページの中期計画の欄の3.研究開発振興でございますが、ここは先ほども申 し上げましたように一度、他の委員会で評価を受けたものでございます。項目の13、中 期計画の?の国民の治療上の要請に即した研究開発の振興による国民保健の向上に係る 目標を達成するためにとるべき措置というところをごらんいただきますと、ア、有望案 件の発掘ということで、1番目のポツ、論文、各種研究報告書等からの情報収集により、 技術マップや産業の知財マップの充実を図ることにより、研究開発の動向の把握、有望 な研究や研究者の発掘に利用すると。その次のポツではマーケティングの観点から適正 な評価をするために、ベンチャーキャピタル等との連携を図り、実現可能性がより高い 案件の発掘精度を向上させるとされております。  したがいまして、評価の視点もこれに対応いたしまして、技術マップや知財マップの 充実が図られ、研究開発の動向の把握、有望な研究や研究者の発掘に利用されているか ということと、ベンチャーキャピタル等との連携を図り、実現性・収益可能性がより高 い案件の発掘精度の向上が図られているかという2点を設定をいたしております。  次、11ページでございますが、イの社会的要請に基づいた案件の採択のところでは、 中期計画では一番目のポツ、採択する研究開発プロジェクトのテーマは、将来的に実用 化という形で社会還元できる可能性が高く、社会的要請を反映したものとする。次のポ ツは飛ばしまして、3番目、社会的要請を公募テーマの設定に反映させるため、臨床現 場等に対しアンケート調査を実施する。アンケート結果等をどのように研究開発プロジ ェクトのテーマの採択に反映したかを公表し、その関係をわかりやすく国民に説明する となっておりまして、評価の視点では採択する研究開発プロジェクトのテーマは、将来 的に実用化という形で社会に還元できる可能性が高く、社会的ニーズを反映したものと なっているか。このため、アンケート調査の実施と案件採択基準の関係との公表等が適 切に行われているかということにさせていただいております。  ウ、国家政策上、重要性が高いテーマの選定・採択のところは中期計画では国家政策 上、重要性が高いものとして政策当局が推進する研究を行う場合には、政策目的に沿っ たテーマの選定、採択を行うと。これに対応して評価の視点はそういったことが行われ ているのかという表現にさせていただいております。  エは飛ばしまして、項目の14でございます。?のア、プログラムオフィサー制度の実 施。ここでは一番目のポツ、適切な選定プロセスを構築する観点から総合科学技術会議 における議論を踏まえ、プログラムディレクター、プログラムオフィサーを配置し、こ れら高度の専門性が必要とされる職種について積極的に外部から人材を登用する。  2番目のポツ、プログラムディレクター、プログラムオフィサーは開発の進捗状況に 応じ、研究開発計画の見直しを指導するとともに、研究開発資源配分の見直しを行う。 また、進捗が著しく遅延しているプロジェクトは原則として中止すると書かれておりま す。評価の視点ではプログラムディレクター、プログラムオフィサー制度を実施、研究 開発の進捗管理等が適切に行われているかどうかを見るという表記にさせていただいて おります。  次、12ページでございますが、中期計画のイ、政策目的の実現に適した評価手法の確 立と。ここで一番目のポツでプログラムの採択に際しての事前評価から終了時評価に至 るまで一貫した考え方に基づいて評価するための定量的指標を導入する。3番目のポツ で評価結果を研究開発資源の配分に反映させる。4番目のポツで希少疾病用医薬品等開 発振興業務に関し、試験研究の進捗状況報告等を適時求め、助成金の適正かつ効率的な 交付に役立てるということでございまして、対応する評価の視点といたましてはプロジ ェクトの採択に際しての事前評価から終了時評価に至るまで一貫した考え方に基づいて 評価するための適切な定量的指標が導入され、研究開発資源への配分への反映などに機 能しているか。希少疾病用医薬品等開発振興業務に関し、試験研究の進捗状況報告を適 時求めるなどにより、助成金の適正かつ効率的な交付が行われているかとしております。  次のウでございますが、外部有識者の活用等により実効性のある評価の実施というこ とで、これは2番目のポツをごらんをいただくと、外部有識者による研究課題や事業目 標の2段階評価を実施するということ、5番目のポツ、各研究開発プロジェクトにおい ては、プロジェクト終了時点での到達目標をそのための事業計画を明確にさせ、採択時 評価に役立てるとともに、年次フォローアップを行うこととされております。  その次のポツ、特に実用化研究については外部有識者を活用したプロジェクト評価を 適切な手法で実施するとともに、その結果をもとにプロジェクトの縮小・中止・見直し 等を迅速に行うと。また、延長申請がなされたプロジェクトについては終了時に延長の 必要性について厳格な評価を行うと。最後のポツ、希少疾病用医薬品等開発振興業務に 関し、助成金交付手続の簡略化や交付条件の明確化に努めるとともに、事業の透明性の 確保を図るとされております。  右側の評価の視点では今、申し上げたようなことがそれぞれきちんと行われているか どうかを見るという内容になっております。上から5番目の○、採択課題(指定研究を 除く)の論文発表数、特許出願件数については、中期計画に掲げる目標値の達成に向け た取組みが講じられているかというのは、このページの左側の中期計画には対応するも のがないのですが、これは13ページのエのバイ・ドール方式による研究成果の活用の中 に、この特許件数のこととかが書かれておりまして、それに対応する評価の視点でござ います。13ページをごらんいただきたいと思いますが、例えばこのエの2番目のポツの ところで採択課題(指定研究を除く)、1件当たりの査読付論文の発表数を中期目標期 間終了時までにその前の5年間の平均件数と比べて10%程度以上増加させるという、こ の部分に対応した評価の視点が先ほど申し上げた12ページの一番下の○ということで ございます。  バイ・ドールに関してはこのエの5番目のポツですか、製品化に近い実用化研究への 支援に特化することにより、研究開発の成功確率の向上や開発期間の短縮を目指すとい うことが中期計画に記載されておりまして、それに対応して評価の視点ではバイ・ドー ル方式による委託事業の支援対象を製品化に近い実用化研究に特化するなど、研究開発 の成功確率の向上や開発期間の短縮に向けた取り組みが講じられているかということで 設定をいたしております。  次、13ページの下半分ですが、項目の15、?利用しやすい資金の提供に係る目標を達 成するためにとるべき措置ということで、一つはアの電子化の推進、ホームページを活 用することにより公募開始の1カ月前には公募に係る事前の周知を行う。2番目のポツ で資金提供先との書類のやりとりについては原則として電子媒体のみで完結する仕組み の構築を進めると。イの審査の迅速化のところでは、公募締切から採択決定までの期間 を中期目標期間終了時までに0.5カ月程度、短縮するという中期計画となっておりまし て、このため、評価の視点ではホームページを活用し、原則として公募開始の1カ月前 には公募に係る事前の周知が行われているか。公募資金提供先との書類のやりとり等に ついて電子化の推進が図られているか。新規採択課題への採択決定までの期間について、 中期計画に掲げる目標値が達成されているかとしております。  その次、14ページの最初の部分は省略させていただきまして、項目の16、中期計画で 言いますと、?承継業務の適正な実施に係る目標を達成するためにとるべき措置、この 1番目のポツでは出資法人に対し毎年度報告を求め、研究成果の事業化・収益化を促す。 2番目のポツで出資法人が保有する知的所有権の将来収益を見通した上で外部専門家の 意見を踏まえ、期待される収益が管理コストを下回ると判断された場合は速やかに株式 の処分を実施する。貸付金の回収については計画的かつ確実に進めるものとするという 中期計画になっておりまして、評価の視点では出資法人に対し具体的な事業計画の策定 を求める等、研究成果の事業化・収益化が促されているか。出資法人について期待され る収益が管理コストを下回ると判断された場合に速やかに株式の処分が実施されている か。貸付金の回収については計画的かつ確実に行われているかの3点を設定いたしてお ります。  その下、項目の17、ここからは財務内容の改善に関する事項でございますが、第3、 第4、第5、第6、次の15ページの第7までございますけれども、対応する評価の視点 としては14ページですけれども、経費削減の達成度はどのくらいか。運営費交付金を充 当して行う事業について、中期目標に基づく予算を作成し、当該予算の範囲内で予算を 執行しているか。予算、収支計画及び資金計画について各品目に関して計画と実績との 間に差異がある場合には、その発生理由が明らかにされ、かつ合理的なものであるか。 競争的研究資金、受託研究等の獲得に向けた取組みを積極的に行うことにより、自己収 入の確保が適切に行われているか。研究施設・設備の有償貸与、成果物の有償頒布等に ついての取組みを積極的に行うことにより、自己収入の確保が図られているか。運営費 交付金が全額収益化されず、債務として残された場合にはその発生理由が明らかになっ ており、それが合理的なものであるかという各項目を設定いたしております。  次、15ページ、最後のページでございますけれども、項目の18の?人事に関する事 項のところをごらんをいただきますと、中期計画ではア、業務等の目標に応じて系統的 に研修の機会を提供し、職員の資質や能力の向上を図る。職員の意欲向上につながる人 事評価制度を導入し、職員の評価・目標達成状況を報酬や昇給・昇格に適切に反映する。 職員の専門性や業務の継続性を確保するため、適正な人事配置を行うという中期計画に なっておりまして、このため、評価の視点では業務等の目標に応じた研修が適切に実施 されているか。職員の評価・目標達成状況が報酬や昇給・昇格に適切に反映されるよう な人事評価制度を導入し、有効に機能しているか。職員の専門性や業務の継続性を確保 した、適正な人事配置が行われているかということで設定いたしております。  イの基盤的研究部で新たに採用する常勤職員は原則として5年以内の任期を付して雇 用するという中期計画に対応して、評価の視点では公募による採用選考等有能な人材を 広く求めるための適切な工夫を行っているか。任期制による採用が適切に実施され、流 動的で活性化された研究環境の実現に向けた取組みが行われているか。人件費の実績が 予算を上回った場合にはその理由が明らかになっており、それが合理的なものであるか ということを見る視点にしてございます。  ウの当研究所として製薬企業等との不適切な関係を生じることがないよう、適切な人 事管理を行うという部分に対しては、評価の視点では製薬企業等との関係を疑われるこ とがないよう、役職員の採用、及び退職後の再就職等に関して適切な規則が設けられ、 それに基づき適切な人事管理が行われているかとしてございます。  ?のセキュリティの確保のところでは防犯、機密保持のために研究所の入退所者の管 理を含めて内部管理体制を徹底するということと、情報システムに係る情報のセキュリ ティの確保に努めるという中期計画になってございますけれども、評価の視点では事務 室の入退室に係る管理体制が強化されているか。情報システムに係る情報セキュリティ の確保が図られているかとしてございます。  最後、?の施設及び設備に関する事項のところでは、評価の視点は施設及び設備に関 する計画の実施状況はどのようなものかということにしてございます。  以上、駆け足でございましたけれども、医薬基盤研の業務に関する主な評価の視点で ございます。よろしくお願いいたします。 ○部会長   はい。ありがとうございました。それでは評価の視点について御質問、御意見等をい ただきたいと思いますけれども、非常に多くの項目がございますので少し分けて御質問、 御検討いただけたらと思います。最初はまず、1ページの業務運営の効率化に関する事 項につきまして御意見ございますでしょうか。あるいは御質問ございますでしょうか。 どうぞ。 ○部会長代理  いきなり機動的かつ効率的な業務運営という事項が上がっているのですが、この研究 所の複雑な成り立ち、すなわち今、お配りいただいた概要を見ましても国立医薬品食品 衛生研究所大阪支所が母体になって、あと、3つの研究所の一部の業務を統合して成立 させ、しかも、センターが2つ、地理的に離れたところに位置している、そういうよう なことを考えますと、その前に私は今、すべての職員が等しく意見を述べることができ て、統合されてよかったと、そして満足して仕事を始めているかということが今後の発 展にとって非常に重要なことではないかと思います。  そこでこの評価の視点としては職員の満足度調査、あるいはそれに類したようなもの が行われているかどうかということを加えてはどうかと思います。 ○部会長   はい。ありがとうございました。この件についていかがでしょうか。 ○医薬基盤研究所企画調整部長  先生、御指摘いただきましたように医薬基盤研究所につきましては通常の独法化とは 異なりまして、いろいろな研究所から一部分だけ集めてきた独法でございまして、また それぞれの処遇が違っていたというようなこともございまして、今年度はそこら辺の意 見交換というのを中心に、今年度と言うか、昨年度ですね。理事長も何度か筑波の方に 行かせていただきましたし、北海道のあれも、種子島の方にも行っていただきましてい ろいろな意見を聞かせていただいております。そういうことで意見交換はさせていただ いております。  ただ、一般的に満足度と言いますか、そういう調査的なことは、そこまではやってお りませんで、意見交換をときどきさせていただいているということと、地理的なことも ございますので、筑波の関係につきましては毎月1回、来ていただいて意見交換をさせ ていただくというようなこともさせていただいているという状況でございます。  ですので、そういうことでいろいろなところの職員が同じ、今度、新しい基盤研とい うところで業務できるような形の意見交換は引き続きさせていただこうというふうには 思っております。 ○酒井委員  大変精緻な視点、御提供いただいたのですけれども、個別のことを御質問する前に全 般的なことを二つ、お聞かせいただきたいのですけれども、一つは私たち、これを評価 するにあたってやはり新しいこの研究所がどういう理念で運営、そのためにこういう中 期計画があり、各年度の計画があるというふうにやはりいつも何か私たちがチェックす るときによりどころになるものがやはりほしいというふうに思っていまして、ぜひ、そ の面をこの全体の前に前文として書いていただけないかというのが要望の一つです。  もう一つは、この視点を出すときに個々見ていますと本当に多様な視点で当然だと思 うのですけれども、この視点を洗い出すときにその視点のベースとなっている考え方は どんなものだったのかという、少しこれまでのこれをつくる経過をお話しいただけると ありがたいなと。少なくとも見ていますと効率という視点は確かにいろいろなところに ありますし、社会的行政的なニーズを取り込んだ研究活動をやるということとか、透明 性のあること、それに伴って常にいろいろなことを世の中に公開していくという視点も あるように見えるのですが、まだまだあるように思うのですけれども、もし、御紹介い ただけるようなことがあれば御紹介いただきたいと思います。 ○部会長   ありがとうございました。2点についてのお話がございましたけれども、まず、一つ はこの研究所の理念、成立の理念ですね。これについてはっきりさせてはどうかという ことですね。この件についてはいかがでしょうか。 ○医薬基盤研究所企画調整部長  医薬基盤研究所の概要の方をごらんをいただきたいと思いますが、設立の経緯につき ましては厚生労働省関係の試験研究機関の統廃合計画の一環ということになっておりま して、その中で医薬基盤研究所はどのようなことをやるかということでは、具体的に2 枚目でございますけれども、ここにありますように基盤的研究と生物資源研究と研究開 発振興の3つの大きな業務により、産学官の連携をすることによって創薬を支援すると、 医薬品開発を進めると、支援するというところが一番の業務の目的でございます。 ○酒井委員  そうしたことを私たちは今度、評価するときにはこの評価表を見ながらやることにな りますので、前文として今、おっしゃられたことを含めてこういう中期計画、5年の中 で目指すのだというようなことがあると個々の個別の評価をするときに非常にやりやす くなるというふうに思っていまして、そのお願いをした次第です。確かほかの研究、こ の部会でやるほかのところは昨年度、そういうことをやってきた。反省として示してい ただけたというふうに思っていますので、ぜひ、皆さんのところでもそうしていただけ たらいいなというふうに思います。 ○部会長   はい。わかりました。評価のときに理事長から全般についてのお話をいただいており ますので、そういった中で今、御質問がございましたような御説明をいただければこの 件はよろしいのではないかというふうに思っておりますが、そういうことでよろしゅう ございますか。 ○酒井委員  結構です。 ○部会長   はい。2点目で、先ほど御説明いただいたことに関係するのですけれども、全般的な 評価の視点の考え方について、今回の視点をどういう考え方でつくったかを御説明いた だけますでしょうか。 ○厚生科学課研究企画官  はい。今回の評価の視点は先ほど私の説明の最初のところでも申し上げましたけれど も、この医薬基盤研の中期目標、中期計画は大きく4つの柱がございまして、一つは業 務運営の効率化、もう一つは国民に対して提供するサービス、その他の業務ということ で、主には研究業務とか、あるいはその研究の基盤になる部分のサービスの提供ですね。 そういったものの質の向上。それから、当然、独法ですので財務内容の改善、それとそ の他業務運営に関する重要事項という4つから構成されておりますので、それぞれの柱 で求められている効率化、あるいは質の向上、そういったところを最優先といいますか、 一番重視をいたしまして、評価の視点を設定をさせていただているところでございます。  個々には中期計画でこれこれのことを最初の年度に比べてこの5年間で何%、節減し なさいとか、あるいはこういうことを達成しなさいということが示されていますので、 それがきちんと毎年度できているかというところを見ていただくということでございま す。ですので、全体の精神はさっき先生が御指摘になったように効率化とか、質の向上 とか、財務内容の改善とか、そういったところを外さないようにしつつ、個別の項目に ついて設定をさせていただいているということでございます。 ○部会長   よろしゅうございますでしょうか。ほかには御質問、御意見ございますでしょうか。 どうぞ。 ○部会長代理  項目の2でもいいですか。 ○部会長   項目の2、結構です。1ページ。 ○部会長代理  この中期目標のウを拝見しますと、ここでは効率化のみでなく社会的政策的要請に配 慮して少し突っ込んだ研究も行うことというふうに、その趣旨が読めますので、そうす ると評価の視点でもやはりどのような新たな社会的政策的要請があったかと。あった場 合には研究所はどのようにそれに配慮したかというところを評価の対象にさせていただ きたいと思っています。 ○部会長   この件、いかがでしょうか。 ○厚生科学課研究企画官  御指摘ありがとうございます。確かにそういうふうに書かれておりますので、そうい うこともどういうふうな形で反映できるか、また、具体的なことは検討させていただき たいと思いますけれども。 ○部会長   はい。ありがとうございました。そのほか、ございますでしょうか。それではまた先 に進めさせていただきまして、あと、全体的なところでもし、御意見があれば、また、 伺いたいというふうに思います。  それでは次に全体的な事項が2ページのところから7ページまででしょうか。個別事 項の前までですね。全体的な事項につきまして御質問、御意見等ございましたらいただ きたいと思います。いかがでしょうか。失礼しました。7ページではなくて3ページで すね。2ページ、3ページ、全体的な事項につきまして御質問、御意見ございましたら いただきたいと思います。どうぞ。 ○清水委員  2ページの項目4のところで御質問させていただきたいと思います。?の情報公開の イのところで外部監査の実施に加え、内部業務監査や会計監査というふうに書いてあり ますが、まず、この内部監査というものはどういう部門がされる予定であるのかという ことと、外部監査、内部監査、いずれにつきましてもどういうレベルの報告書を公表予 定にされているのかということをお伺いしたいと思います。 ○部会長   はい。いかがでしょうか。 ○医薬基盤研究所総務部長  内部業務監査の実施の部署なのですが、当法人は比較的事務的な職員というのが限ら れておりましてかなり少数的なところがあります。一応、内部監査する場合には監事が 2名おりますので、2名のもとにある程度、職員を人選をしまして2名程度つけてお手 伝いをしつつ、内部監査を行うという体制にしております。 ○清水委員  それは会計監査も同じですね。ここに書いてあります内部監査の会計監査というとこ ろも。ということでございますか。そうしますと内部監査室的なものは理事長直属とか、 そういうものは設置されないということで、あくまで監事監査の一環ということでござ いますね。 ○医薬基盤研究所総務部長  はい。そうです。 ○清水委員  では、後半の報告書のレベルのお話をお伺いできますか。 ○医薬基盤研究所総務部長  報告書は一応、監事が評価をしまして、理事長に対して文書で指摘事項、あるいは改 善点等を記載しまして提出しております。それをホームページの方に公表するという形 にしております。 ○清水委員  そうしますとかなり踏み込んだ改善要望とか、改善提案とか、そういった指摘事項等 も公表される御予定ということでございますね。外部監査についても1枚の監査報告書 ということだけではなくて、いろいろレベルとしてはマネジメントレターですとか、内 部に踏み込んだものもあると思うのですけれども、そういう改善提案のようなものも積 極的に示されていくというふうなことが予定されているわけですね。 ○医薬基盤研究所総務部長  17年度、一応、とりあえず行いましたので、今後、そういった形で多少なりとも踏み 込んだ形で書いていただくようなことになるかと思います。 ○部会長   そのほか、いかがでしょうか。よろしゅうございますか。はい。それでは次に個別事 項に関して、まず、最初に基盤的技術研究につきまして御質問、御意見をいただきたい と思います。これは6ページまでのところでしょうか。どうぞ。 ○酒井委員  まだ、貴所の構造がよくわからないための質問なのですけれども、この概要に書かれ ていますように予算規模が116億円で外部への研究助成金、90億を含むと書いてあるわ けですけれども、その場合に自所で行われる研究開発業務とこういった助成金で研究が 進む面、それを多分、管理したり、できあがったものをいろいろされるのでしょうけれ ども、そこの区分けというのはこの評価の視点との関係ではどんなふうになるのでしょ うか。   ○部会長   この件、いかがでしょうか。 ○医薬基盤研究所企画調整部長  基盤研の業務、基盤的研究と生物資源研究、研究開発振興の3本がございます。3つ がございますが、そのうち、基盤的研究と生物資源研究は医薬基盤研究所自体で実施し ている研究でございます。研究開発振興につきましては先ほどの助成金、90億というこ とでございますけれども、これは外の機関に配分するお金でございまして、その90億円 分は基盤研の研究、つまり基盤的研究、生物資源研究には使っておりません。  という関係でございまして、研究開発振興部分は言ってみれば研究費の配分機関とし ての言ってみれば評価みたいな形をいただくのではないかなというふうには思っており ますし、基盤的研究と生物資源研究につきまして研究の実績を御評価いただくのかなと いうふうには思っております。 ○酒井委員  一つ事例でお示しいただけると大変わかりやすいのではないかと思うのですけれど も、きょう、先ほど御説明を受けた中の項目なり、視点の中で今、おっしゃられた自所 の中でやる部分の評価とそういった外部へ委託するものの評価というのはどこで出てく ることになるのでしょうか。 ○医薬基盤研究所企画調整部長  基盤研の研究所内でみずから行う研究、基盤的研究と生物資源研究でございますけれ ども、基盤的研究の方は4ページ目から出ておりますし、生物資源研究は7ページ目か らですし、外に研究をお金を流してやっていただく配分して行うのが10ページの研究開 発振興の部分でございます。  みずから行う研究につきましては基盤的研究の方は本当に医薬品の開発の支援になる ような基盤的研究ということでございますので、基本的にはほかの研究所と同じ項目の 視点というような形をとらせていただいておりますし、になっているかと思いますし、 生物資源研究につきましては生物資源、例えば遺伝子でありますとか、細胞であります とか、動物でありますとか、霊長類、薬用植物、5つございますけれども、その生物資 源の保持、管理、品質管理等含めまして供給というような事業的なところが入っており ますので、そういう業務的なところの視点を研究にプラス、基盤的研究のところに業務 的なところの視点を入れさせていただいております。  10ページ目からの研究開発振興の部分でございますけれども、これは全体が全部、研 究開発の助成の部分でございますけれども、助成の種類につきましては3種類ございま すが、3種類についてはちょっと概念がございますので、この概要の資料の11ページを ごらんいただきたいと思います。  研究開発振興の部分につきましては中期目標、中期計画、評価の視点につきましても 前の医薬品医療機器総合機構の内容をそのまま引っ張ってきております。実は内容的に はここに11ページの概要にございますように基礎研究推進事業と実用化研究支援事業 と希少疾病用医薬品等開発振興事業の3つの業務がありますが、それぞれに項目ができ ておりませんで、まとめてそれぞれの資金とか、そういうところで縦割りで書かれてい る状況でございます。  基礎研究推進事業と言いますのは、大学とか、試験研究機関に医薬品開発のための基 礎研究ということで外に助成金を流す部分でございますし、実用化研究支援事業につき ましてはベンチャー企業等に医薬品の臨床に入る前、あるいは入る直前ぐらいの事業に 対してベンチャー企業に対する支援事業となっております。3番目の希少疾病用医薬品 の開発振興事業でございますけれども、これは薬事法で希少疾病ということで医薬品と して指定されたものについて助成するというような事業でございます。ちょっと研究開 発振興の部分についてはそれぞれの事業ごとに分かれてなくて縦割りになっているもの ですからちょっとわかりにくいですけれども、そういう形になっております。 ○部会長   はい。ありがとうございました。よろしゅうございますか。そのほか、個別的事項の 基盤的技術研究の評価の視点につきまして御意見ございますでしょうか。どうぞ。   ○田宮委員  全体にもかかわることなのですけれども、今の議論の中でやはりどういう視点で見て いくか、全体の枠組みというのはちょっとわかりにくいところがあると思います。あく まで研究所であるということになりますと、どういう成果がアウトカムとして出たかと いうのが研究の評価視点として重要だと思います。  私はこの委員に着任して間もないので経過がわからないところもあるのですけれど も、今、伺うと全体の理念が創薬支援が目的であると、つまり、いかによい創薬ができ ているか、その支援ができているかがアウトカムになってくるかと思います。  3つの部分があって、3つ目は研究のあくまで開発の振興が中心で、最初の2つが研 究である、つまり、直接の研究を成果とするということが今分かりました。そうなりま すとこの資料の3ページでアウトカムとしての文言を探すと、科学ジャーナルに掲載さ れた論文数というのが右側のところに載っています。これらは項目でいうとウですので、 基盤的研究及び生物資源研究、今、おっしゃられた直接の研究をするところの成果とし て、この言葉が出ております。また、口頭発表、特許の出願というのもその下のところ に出ておりまして、こう見てみますと、直接の研究の成果としてのアウトカム指標はこ の科学ジャーナルの論文と口頭発表と特許出願というふうに捉えることが最初の2つの 部分ではできるように思うのです。  それが後半の個別のところになると余り出てきません。それは別の書き方をしている からいいということであればそれでいいのですけれども、やはりどうしてもいろいろな 研究所が統合されたのでそのプロセスのところの評価が多いのだとは思いますが、重要 な成果物として目指すところがどのぐらい達成できているかという視点での評価視点が もう少しわかりやすく出ているとありがたいなと思います。  あと、もう1点お伺いしたいのは、科学ジャーナルというのがやはり研究の成果とし ては大事ではないかなと思って見てみますと、そこに「掲載された論文の質が高い水準 に確保されているか」というのが3ページの上から2段目のところにあります。大学に おきましても論文の質の評価をどうするかというのはすごく難しい視点で、インパクト ファクターがいいのかとかいろいろあります。これらもどんなふうに評価するのか、も う少し具体的に評価のところがあると、難しい点だとは思うのですが、ありがたいなと いう2点目です。  全体からしたアウトカム評価の部分がどう位置づけられているかというところと、も うちょっと細かいところですが、この科学論文の質のところをどんなふうに考えておら れるかというのを確認させていただきたいと思います。 ○部会長   はい。ありがとうございました。この件についていかがでしょうか。最初は成果の表 現が全般にわたってうまく表現できているかどうかということの御指摘でございますけ れども、まず、この件について。 ○厚生科学課研究企画官  はい。今、田宮先生から御指摘のあった3ページのところ、記載がちょうど基盤的研 究部分と生物資源研究部分、自所でやる研究です。その成果について年間何報ぐらい科 学ジャーナルに掲載をされているかとか、国際会議、シンポジウムでの発表をどれぐら いやっているかとかということで、この部分で私どもとしては一応、成果は評価をでき るのではないかというふうに考えております。  ですので、個別のところでは、最初にまとめて書いてございますので、論文の発表数 とか、口頭発表とか、具体的な記載は後ろの方ではしてございません。  あと、個別の研究評価の、自所でやっているところの評価の視点のところは、これま での独法の評価の視点とも一応、表現は平仄を合わせてございますので、ここを変える と他に影響があるかもしれないということもございます。 ○部会長   はい。よろしゅうございますでしょうか。最初の点については。 ○田宮委員  はい。分けて書いてあるということで後ろには出てこないということですね。わかり ました。 ○部会長   次に、2点目。 ○政策評価官  事務局から申し上げることがいいのかどうかわかりませんけれども、今、田宮委員か らのお話は、まさにこの評価委員会として実際の評価を作業されるときに委員の皆さん 方の問題意識、あるいは要チェックポイントと言いますか、重点チェックポイントとい う形で受け止めさせていただかなければいけないと思います。要はそれが評価の視点と いう形になってあらわされていて、実績を報告する法人側からすると評価委員の先生方 がここを見たいと思っているので、そこに答えられるような実績報告をしてこないと評 価委員会との間ではうまく橋渡しができないよと。そういう意味で評価の視点をこうい う形で御議論いただいていると私自身は理解しております。  そういう意味では一つ目の点についての目標の数値のところも、書き方がこれでいい かどうかという問題もさることながら、ロジカルにこのペーパーが整理できているかど うかというのは、研究企画官の整理も一つあると思いますので、それに沿ったというこ とであるにしても、実際にこの委員会で御議論いただくときには、特に論文数というも のについては特別のチェックポイントでもあるので、報告をいただくときにできる限り、 個別の後ろに出てまいります各論と言いましょうか、個別的事項の内容をもわかるよう なまとめ方を実績報告として法人の方からお願いしたい。そのように御指示があったと いうことで整理ができるのかなと思います。。  後段は実はちょっと難儀でして、表現ぶりとして今、企画官の方からお話がありまし たように他の法人における評価の視点との表現ぶりの並びという非常に事務的なことも あるのですが、問題は今田宮先生のお話にありましたように、どの分野でも論文の質を どうやって見るかというのは難しい話であります。ここでこう書いた上にあっても基盤 研を御評価いただくときに、ここに書いてある「質が高い水準」にという言葉がどうい う形でこの委員会の先生方の間でコンセンサスが得られるのか。それをもう少しなるべ くコンセンサスが得やすいように、何らか既存のと言いましょうか、確立した評価とい うか、ベンチマークというか、というのがあるのか、ないのか。事務方の立場からすれ ば委員の皆様方からも御示唆をいただければと思いますし、あるいは法人なり、所管課 の方からこういうのならあるのですがと、とりあえずということになるのか、既存のも のとしてということになるのか、何らかの形でそれぞれ御提案なり、御示唆をいただい てコンセンサスが得られる範囲で進めていくしかないのかなと思います。  ただ、それが具体的にどうかというのは私、知見がございませんので、まさにこの場 で御議論いただくなり、あるいはアドバイスをいただければ事務方として整理がしやす い。委員会の先生方と法人、あるいは所管課との間の橋渡しがしやすいように、今伺っ ていて思います。 ○部会長   はい。ありがとうございました。前半の話はまさしくそのとおりで今後、お進めいた だく際にそういう視点でお話をいただければ評価委員の先生方もいろいろと御質問な り、評価がしやすいということでございますので、ぜひ、関係者の方、よろしくお願い したいと思います。  2つ目の点についてはなかなか難しい問題ですが。どうぞ。 ○武見委員  今のことにちょっと関連してなのですけれども、一つ一つではなく全体的な話になっ てしまうと思うのですが、確かに研究所ですからアウトカムとしての論文というのは非 常に大事な部分ということには全く同意いたしますが、一方で、ちょっとこの分野のこ と、私はそれほど専門ではわからないのですが、研究を始めたからといってすぐいわゆ るペーパーまでいくわけではない中で、やはりそのいいアウトカムを生み出すためにい かに組織をつくっていくかとか、どう効率化していくかというところがすごく大事だか らこそ、これだけたくさんの評価の視点が出てきているのだと思うのですね。  そういう意味で考えたときに、いわゆる民間の研究所でもなく、大学でもなく、いわ ゆる独立行政法人としてこの研究所があることの意義というのでしょうか、それを評価 できる部分というのがいわゆるどこら辺にあるのかということが少し私としては明確に 知っておきたいなと、評価をしていく上でということが一つです。  もう一つは、例えば今、ちょうど3ページのところ、今、田宮先生の御指摘であけて いるのですけれども、一番上のところとかにも、例えば講演会、一般公開と、こういう ことも当然必要なわけで、適切に実施とか、いわゆる非常に質的な表現でたくさん出て くる。適切にとか、着実にとかという言葉が出てきて、これはしょうがないという気も するのですが、これまでこの部会で評価してくる中でこの適切にというのは何をまた適 切としたらいいのだろうかというのはすごく難しいところだったと思うのです。  今回、この評価の視点を検討される中でこうした部分について、それはもしかすると 評価方法、視点というよりは方法なのかもしれませんが、その辺についても御検討され た、今回、新たな独法ということで、もし、そういうことがあったのであれば少し聞か せていただいておくと今後、評価をしていく上で非常に参考になるかなと思いましたの で、2点です。 ○部会長   はい。この件、いかがでしょうか。まず、一つ目の話について。 ○厚生科学課研究企画官  まず、この民間でもなく、大学でもない独立行政法人としての研究所の独自性という ことなのですけれども、例えば行政ニーズに沿ったもの、あるいは社会、国民のニーズ に沿った研究であって、やはり民間が単独では手を出せないような部分を担っていくと いうのが一つあると思います。だから、そういう関係では行政ニーズ、あるいは社会的 ニーズが明確になっているかとかというような評価の視点がそういうことに関係をする のかなと。 民間が手を出しにくいという意味では、例えば、希少疾病用医薬品がこの 中に入っていたかと思いますけれども、そういういわゆるオーファンドラッグと言われ ているようなものはその典型例でして、そういうところをやはり積極的に開発を促進し ていかなければいけない。そのためのサポートをやっていくということがあります。  あと、研究の基盤的なところですね。私ども、バイオリソースと呼んでいますけれど も、その細胞バンクだとか、あるいは実験小動物でも一般の実験動物を扱っているとこ ろでは手に入らないような特殊な疾病に特化したようなモデル動物を開発したりとか、 そういうこともやはりこの研究所でないとできないのではないかと思います。そういう 点が全体の評価の視点の中で希薄であるということであれば、そこは表現は考えたいと 思うのですけれども、担うべきところとしてはやはり民間、あるいは大学の基礎的なと ころでは余りやられていないような実用化の部分ですね。医薬品とか、医療機器にやは り実用化をされなければいけないというところがありまして、そういうふうなところの 研究であって、ほかのところではやっていないなようなところにここの研究所は力を入 れていくべきだというのが私どものスタンスでございます。 ○武見委員   別に希薄だと申し上げたわけではなくて、やはりそこがクリアにわかりやすいととて も評価しやすいということを申し上げたかったのです。 ○医薬基盤研究所企画調整部長  はい。先ほど適切にとかというような表現がという御指摘いただきまして、できるだ け報告させていただく中で具体的な例示等書けるところは記載させていただきたいとい うふうに思っております。  研究論文等、5年で60報以上というような計画になっておりますけれども、ここも例 えば私ども、医薬基盤研究所では例えば具体的に言いますと基礎的研究で一応、これは 最初の昨年の4月の時点ですけれども、6本のプロジェクトが動いておりますが、その うちの例えば医薬安全性予測のための毒性学的ゲノム研究につきましては企業15社と の共同研究でございまして、共同研究になりますとなかなか発表自体も知的財産権の問 題がございましてなかなか出しにくいというようなところもございます。  そういうところでなかなかそういう論文数だけで評価いただくというところもなかな か難しいのですけれども、個々の研究テーマにつきましては個別のところで具体的な、 できるだけ具体的な数値、ほかの先行独法と比べるとかなり具体的に中期計画に数字が 記載されていると思いますが、その点のようなところを御考慮いただきたいというふう に思っております。  医薬基盤研究所の業務は創薬の支援というふうに申し上げましたけれども、創薬と言 っても医薬品企業が10数年かけて医薬品一つに関しましては200億とか300億をかける わけでございまして、その中で医薬基盤研究所でどのぐらいできるかということになり ます。 もう少しありますと、そういう広い分野でございますのですけれども、例えば 基盤的研究の研究者の数から言いますと10数名でございまして、その中で基盤研ででき 得るところをどこに焦点を当てていくかというところで中期計画の最初の段階でこのテ ーマになっているということでございまして、これの中期計画のテーマにつきましては 着実に進めていきたいと思っておりますし、それなりにこれをもってすぐ医薬品ができ るわけでございませんが、医薬品の開発の効率化等につながるのではないかというふう に思っております。 ○部会長   はい。ありがとうございました。市川委員、どうぞ。 ○市川委員  この個別的な事項の内容を読むとかなり細かい数値目標が書かれている。先ほどちょ っと論文のことでおっしゃられましたけれども、かなりこういうのはいいのかなという 表現がちょっとありますが、例えば110個の化合物をいろいろやりますとか、新規のた んぱく質、400個見つけますとか、そういうときの評価の仕方というのがそれは新規で あるかという云々ということの新規であるというのは結構容易にとれる可能性もある し、それは有用であるかとか、創薬につながっていくかというような価値判断も含めて 多分、数値目標をつくられたのかなという気もするのだけれども、そういう数値目標の 根拠ということですね。かなりの研究員がこのぐらいでこのぐらいの開発は可能だとい うシチュエーションがあってされたかどうかということですね。  結局、評価の場合、それに基づいてする可能性があります。そうすると500個になっ ていなかったらどうなのでしょうということで、でも、すごい努力していいものが出て いますねということだったら評価はいいわけだけれども、研究の場合、往々にしてそう いうことがあると思うのですね。結果論的にそれが価値あるものであるかとか。その辺 の表現が本当は評価の中にちょっと入っている方がいいのではないかなという、むしろ アドバイス的なことなのですけれども、そういう感じがします。  もう一つはアウトカムの見方というのがこのデータベースということが大体主流にな っているわけですけれども、このデータベースのいわゆる質的なものというか、どうい うものが含まれていて、それがどれだけ公開され得るものかというのが多分、このプロ ジェクトの非常に大きなところにあるのではないかというように思います。  結局、論文等々、あるいは学会メディアというものの発表というのは、先ほどの御質 問の中にもありましたけれども、大変難しい問題があると。だから、逆に言うとこのデ ータベースにあるものがどれだけ社会、広い意味で社会ですけれども、そういうのが利 用できる格好にしようしているのかと、あるいは使用されたのかとかというような数値 ですね。どれだけデータベースがどれだけ企業の人が、あるいは一般の研究者、大学研 究者を含めていろいろな研究所の人がこれだけ使いましたよというところの評価が入る ようなものが言葉としてほしいと。データベースを構築しますというだけではなくて、 その後ろを見るともう公表できる場合にはとなっているので、その辺で間に少し評価の 問題が入っていいのではないかなということは思います。  先ほども言った内容と一つ関係するわけですけれども、基本的にやはりこういうのは 技術開発的なもの、あるいはそこへ持っていくための何かというのがいろいろな創薬の ための役立つことではないかというように思います。もちろん知識情報というのがあり ますけれども、それ以上に何か技術的な開発をしてほしいという期待がここに寄せられ ているのではないかと私自身は思います。  そういう意味でこういうたんぱく質の定量法、その他は一応、書かれておりますけれ ども、そのほかにもう少し関連して出てきたものにどれだけ付加的な何か新しい技術が あったのかというようなところも評価の対象にしたいなというように私は個人的には思 います。その辺について。 ○部会長   はい。ありがとうございました。先ほど市川委員の方から御提案いただきましたもの につきまして何か。 ○医薬基盤研究所企画調整部長  どうもありがとうございました。質的な面につきましては確かに数字がいろいろ並ん でいますけれども、その背景につきましてはこの中期計画を作成する際に5年間でどの ぐらいできそうかというところで各御担当していただく研究者に意見をいただいて設定 したものではございます。  ただ、それに関しましても数字に関しましては5年たって、それがそのままというの もあれでございますけれども、今、直ちにそれが正しいのかどうかという話になろうか と思いますが、それに関しましては進捗状況という意味では少し一つあるのかなとは思 います。ただ、御指摘のように質的な面というところがどういう、例えば100であれば 100の質は何かというようなところは御報告できればできるだけ御報告できるような形 にはしたいとは思っておりますが、当面の例えば17年度のということになりますと、プ ロジェクト立ち上がったばかりのものも幾つかございますので、なかなかちょっと質的 な面でまたいろいろ御説明するのは難しいところもございますけれども、できるだけ御 説明の中で努力はさせていただきたいと思っております。  また、データベースにつきましてもこれも同じくデータベースというのは幾つか出て まいるのですけれども、データベースと言ってもまずは例えば共同研究でつくったデー タベースですと、まずは共同研究の企業との企業間でまず使うというのが前提になろう かと思いますし、その中でその後、どういうふうに公表していくのかというような形に なってこようかと思いますので、それぞれのデータベースにつきましてもプロジェクト ごとに性格が違ってまいりますので、そこも御紹介できるような形は考えさせていただ きたいというふうに思っております。 ○中村委員   市川委員と同じ意見なのですけれども、ここで数値が記述される数値自体が目標にな るという危惧を感じます。むしろここは「適切に行われる」という表現に止めておく方 がよろしいのではないでしょうか。  論文件数とか、口頭での発表とか、そうなりがちですけれども、何に対する評価かと いうことが大事だと思います。この説明資料の3ページを見ますと基盤研究所の位置づ けが非常に明確になっています。大学と製薬企業との関係において基盤研究所の3つの 部門がどういうふうな役割をするかということが書かれてますので、それに対してどう いうような貢献をしているかということこそ、評価の対象になるのではないでしょうか。 製薬企業、大学等、関連するところがこの基盤研究所をどのような視点で見て評価して いるかという視点も必要と思います。  今回のこの評価のスキームでは、この製薬企業、大学等の基盤研究所に対する見解等 が反映されるというのは外部評価あたりになるのかなという気がするのですが、外部評 価の評価項目からは、該当する事項が見あたりません。  繰り返しになりますが、説明資料の3ページで言われている基盤研究所が行おうとし ている大学、あるいは製薬企業に対する役割、これが適切であるかどうかにアンケート でも何でも構いませんが、どういうふうな目で見られているかという情報を評価用デー タとして知りたいという気がします。いかがなものでしょうか。 ○部会長   いかがでしょうか。 ○中村委員   視点が単なる件数ではなくて項目として製薬企業とか大学とか、かかわっているとこ ろに対して貢献しているという情報が何か出てくれば我々としても基盤研究所の目的に かなっているという評価ができるのではないかという気がするのですが。 ○医薬基盤研究所企画調整部長  今の説明の御指摘は例えば製薬企業に対して例えば生物資源がどのように利用されて いるかというようなアンケートをとると評価しやすいのではないだろうかという。 ○中村委員   そうですね。外部評価とか、いろいろな評価があると思うのですが、そこの中でそう いう生の活動が数値が高いとかという形で評価されていればよろしいのではないかと思 うので、是非、少し配慮していただきたい。 ○医薬基盤研究所企画調整部長  わかりました。基盤的研究の部分と生物資源研究につきましては外部研究評価委員会 を開催させていただきまして、それぞれのテーマごとにいろいろ御意見等をいただいて おります。そのときに評価の方には製薬企業の方、あるいは医療機器の企業の方も入っ ていただきまして御意見もいただいておりますので、そういう。 ○中村委員   その内容がこの我々の評価の中で反映されれば非常にありがたいという感じですか ね。 ○部会長   お進めいただくときにそういう視点を配慮していただきますと我々としても非常にわ かりやすいということですね。そういう内容でよろしゅうございますでしょうか。中村 委員の御発言については。 ○中村委員  はい。ぜひ、お願いします。 ○部会長   では、外部評価委員会等においてもいろいろ御検討いただいているということなので、 そういう視点での評価もご説明いただきますと我々としても非常にわかりやすいという ことでございますのでよろしくお願いいたします。 ○医薬基盤研究所企画調整部長  はい。わかりました。済みません。ちょっと補足でございますが、生物資源ですと例 えば細胞を供給して使っていただくというような話になるのですけれども、例えば基盤 的研究ですと例えば一番最初の安全性予測の研究などですと、研究がある程度、進んで いかないと企業の方も使っていただけないと言いますか、例えば安全性予測ですのでデ ータベースが構築されて、予測ソフトができないと予測できませんので、そういう意味 ではある程度できた段階ではないとそういうことが御評価いただけない部分もございま すので、そういうところも。 ○中村委員  ただ、基盤研究部門というのはこれからスタートするわけではなくて実績があるわけ ですから、対象となっている箇所あるいはそれを使ってくれるところが「期待していま す。」ということだけでも評価は容易なことではないでしょうか。単なる論文件数何編 というのではなくて、むしろそちらの方が大事じゃないかという気がするのですけれど も。 ○医薬基盤研究所企画調整部長  わかりました。それぞれ医薬品の製造プロセスがございますが、どのところのステッ プに貢献しているかというのはそれぞれ視点がございますので、そういう観点からわか るように御説明はさせていただきたいと思います。 ○中村委員  そうですね。外の機関がどういうふうに見ているかという情報があると、我々は、非 常に素晴らしいとか、もうちょっと頑張るべきだとかという判断ができますので、ぜひ、 そういうデータも含めてほしいと思います。 ○部会長   はい。ありがとうございました。大分、全般的な話に話は進んでおりますけれども、 7ページにございます生物資源研究のところで特に評価の視点の方で御意見なり、御質 問なり、ございますでしょうか。生物資源研究固有の何かコメントがございましたらい ただきたいと思いますが。よろしゅうございますか。どうぞ。 ○部会長代理  私は昨年度の途中で委員になりましたので基盤研についてわからないところが少なか らずあるのものですからちょっと御質問させてください。  この8ページのアとか、先ほどの4ページの項目7のところで財団法人ヒューマンサ イエンス振興財団というのが特に登場するのですが、この会社というのでしょうか、こ の性格、あるいはどこに所在しているのか、どういう特徴があるのかということについ てかいつまんで今、御説明いただけるとあとで評価のときに役立つと思うのですが。 ○医薬基盤研究所企画調整部長  はい。ヒューマンサイエンス振興財団につきましては、東京に本部がございます。ヒ ューマンサイエンス振興財団では会員会社が製薬企業、食品の企業で100社ぐらい会員 企業として入っているかと思いますが、その中で医薬品開発、食品開発に資する事業を 行うということというふうに聞いております。  その中でヒューマンサイエンス振興財団の方ではバンク事業というのを行っておりま す。これはちょっとわかりにくいかと思うのですが、前に例えば細胞バンクですと医薬 品食品衛生研究所の時代からヒューマンサイエンス振興財団と連携をとってやっており ますけれども、基本的には医薬基盤研究所で細胞の種株をつくりまして、ヒューマンサ イエンス振興財団の方でそれを増やして配分すると。配分はヒューマンサイエンスの事 務が行っているというような関係で、基盤研は種株をつくって、供給業務をヒューマン サイエンス振興財団が行っているというような役割分担で継続しております。  医薬品開発に資する事業ということでございますが、4ページ目でたんぱくの研究が ございますが、これは企業との共同研究の形態、幾つかパターンがあるのでございます けれども、例えばこのたんぱくの4ページの研究ですけれども、項目7の?でございま すが、ここに関しましては製薬企業20社をヒューマンサイエンス振興財団でまとめてい ただいておりまして、その形式上は基盤研とヒューマンサイエンス振興財団との共同研 究。その研究の中身のこの部分の実質的にはヒューマンサイエンス振興財団が研究を実 態をやっていただくというような割り振りでやっております。  例えば共同研究ですとその上の毒性ゲノム研究ですと、これは基盤研と15社との個別 の契約というような形になっていまして、これから共同研究をやるにあたっていろいろ なパターンが出てくるかと思うのですが、とりまとめをしていただくパターンとしては ヒューマンサイエンス振興財団というような形でのとりまとめもございます。  ということでございまして、ヒューマンサイエンス振興財団、もともと医薬品とか、 食品の研究開発に資する事業を行っておりますので、基盤研と近い業務もございます。 具体的には生物資源の供給の部分は連携をさせていただいておりますし、たんぱくのと ころは企業のとりまとめということで機能を果たしていただいているという状況でござ います。 また、ヒューマンサイエンス振興財団につきましては別途、また、資料が、 パンフレット等入手しまして先生の方に説明させていただきたいと思います。 ○部会長   ほかに生物資源研究固有のコメントございますでしょうか。それでは次に研究開発振 興のところにつきまして御質問、あるいは御意見ございますでしょうか。どうぞ。 ○清水委員  11ページのところなのですけれども、一番上のイですね。特に産業投資特別会計から の出資という話があるのですけれども、これは最初にこの法人の事業の概要について随 分前にお伺いしたときに、要するに出資でもって研究助成をしていくという特殊なスキ ームを組むというお話を伺ったかと思うのですが、産投特会からお金を出すということ はやはり長期的であるけれども、回収していかなければいけないというふうな命題があ ると思うのですね。そこのところがこの評価の項目のところですと、間接的に書かれて いるのかもしれないのですが、どちらかというと社会的ニーズを反映するとか、そうい ったことが中心になっているように思いますので、やはり回収という視点を明確に入れ るべきではないかなというふうに思っております。   ○医薬基盤研究所企画調整部長  補足、御説明させていただきますと、先ほど研究開発振興の業務については、この3 つというふうに御紹介させていただいております。概要の方の11ページでございます。 今、産投特会の部分は今、現時点では実用化研究という部分のバイ・ドールの研究費を 補助しているというところでございます。  今、先生から御指摘のありました出資法人の関係は実は出資事業についてはもう既に 新たな出資法人の設立というのはもうやめておりまして、言ってみれば15社ほど、新た に実用化研究のところが産投特会の部分でございます。ですので。 ○清水委員  出資法人とは違いますよね。 ○医薬基盤研究所企画調整部長  はい。わかりました。済みません。これもそうですね。研究支援となっているのです けれども、ただ、これは実用化研究事業については16年度から始まった事業でございま して、今、まだ、支援して3年から5年ということで研究支援を行うことになっており ますが、その後、医薬品の承認申請ということになっていますのでかなり評価について は先になろうかと思うので。 ○清水委員  申し上げたいのは、非常に長いこと、事業だということはよく最初のときの御説明で わかっているのですが、そういうふうな要するに将来的な見込みというのですか、回収 というふうなことを視点に置いた計画というのですか、そういったことはやはり法人と しては常にお持ちになるべきだというふうに思いますので、そこのところはちょっと欠 けているのではないかということです。 ○医薬基盤研究所企画調整部長  はい。採択の際の視点ということで考えているのがございますので、御説明の際にこ ういう視点でやらせていただくということで御説明させていただきたいと思っておりま す。 ○清水委員  評価の視点としてもそういったところを加味していただきたいという、加味したいと いうふうに、していただきたいというふうに思います。 ○政策評価官  若干、議論がかみあっていない。出資は今、しているのですか。していないのですか。 今、委員の方から回収業務の話があったかと思うのですが、回収業務というのが行われ ていて、それが適切かどうかを評価の視点としてウォッチすべきではないかという御指 摘ですか。ではないのですか。 ○清水委員  違います。あくまでも11ページのこの一番上の産投特会からの財源が出ている研究助 成についてです。 ○医薬基盤研究所企画調整部長  これは実用化研究の部分ですので出資とはまた別の話でございます。やはりここは産 業特会から今、やっている事業のことであろうかと思いますけれども。 ○清水委員  始まった事業ということ。 ○政策評価官  回収ということは、だから、事業として出てくるか、出てこないかというのがまず一 つあるのだと思うのですけれども。 ○清水委員  いえ、それは予定されているということなのですよね。 ○医薬基盤研究所企画調整部長  実用化研究も提供した場合、つまり承認されたときには一部を返していただくという ような契約になっております。ですので、先ほど先生が御指摘のようにかなり長期的な パターンで。 ○清水委員  ちょっとよろしいですか。済みません。ちょっと長くなってしまうと思いますので、 長期の事業であることはわかりますし、すぐどうのこうのという話ではないのはわかる のですが、当初の契約だけではなくて途中、やはりウォッチしていかなければいけない わけですよね。そういうことを申し上げているので、要するに社会的なニーズとかだけ では少し足りないのではないかということを申し上げたわけです。 ○部会長   この件が評価の対象になるかどうかということは一つあると思うのですね。その点は いかがなのでしょうかね。 ○医薬基盤研究所企画調整部企画評価課長  済みません。先ほどのバイ・ドール事業の件ですけれども、評価をしているのは11 ページのところに一番上ですけれども、これについては将来的に実用化という形で社会 還元できる可能性が高いというような実用化の可能性を評価するということでして、御 指摘のとおり、この事業につきましては契約を結ぶ前の段階で実用化の可能性がどれだ けあるか。 また、将来的に収益がどのぐらいを見込むかということを適切に評価した 上で、さらにその成果の達成状況もウォッチしていくという仕組みになっております。 それの仕組みがまた実績評価の段階でお示ししたいと思っています。視点には一応、こ ういった形で入っているということです。 ○清水委員  間接的にそういうふうに読めるのですけれども、それは実用化というところで読める ことは可能なのですが、ただ、最初の段階ではなくてやはり途中段階もそういった回収 可能性ということをぜひ、ウォッチしていただきたいということで評価の項目として明 文に入れにくいのかもしれませんが、そういう視点は持っていただきたいということで す。 ○部会長   この点につきましては御説明のときもそういうことを意図してお話いただきますと、 この表現の社会に還元できる可能性というところを今、清水委員の方からお話がござい ましたように我々として見させていただくということになろうかと思いますのでよろし くお願いしたいと思います。そういうことでよろしいでしょうか。  そのほか、ございますでしょうか。どうぞ。 ○部会長代理  10ページの項目12の3.研究開発振興の中期計画のところにゲノム科学等を応用し た医薬品・医療機器の開発を促進するとあります。ずっと通して感じていることなので すが、創薬の方は割とすんなり理解できるのですが、医療機器の開発というところがも う一つ、具体的に見えにくいのですね。どんな医療機器が開発されることをこの研究所 には期待したらいいのかということなのです。  公募の演題で採用されたものを拝見しますと、運動障害計測診断支援機器から薬剤溶 出人工骨まで幅広いのですが、研究所としてのスタンスはどういうところに置かれてい るのかということをお伺いしたいと思います。 ○部会長   いかがでしょうか。 ○医薬基盤研究所企画調整部長  医薬基盤研究所で研究支援を行っておりますけれども、研究規模と支援規模としては 数10億規模でございます。ですので、基本的に医療機器の中で今、例えば汎用性がある ものとか、基礎疾病みたいなものに対応するものとか、そういうものを対象に考えてお りますけれども、一つの視点としてはかなり実現可能性に近いようなものを対象に採択 するというような方針をとっておりますので、分野を特定、この特定の分野ということ では余りちょっと考えておりませんで、できるだけ広い分野の中から開発可能性が高く て汎用性、有用性がありそうなものというところで公募して、対応する、採用するとい うような形を今、とらせていただいている状況でございます。 ○部会長代理  今、私は研究開発振興のところで取り上げましたのでちょっと誤解を招いたかもしれ ませんが、基盤研究の方でも医療機器の開発というのはテーマに入っているわけですね。 その場合のスタンスですね。それを教えていただきたい。 ○医薬基盤研究所企画調整部長  医療機器の場合はかなり個別開発になるとかなり個別ごとになってくるのですけれど も、医薬品の例えば基盤的研究の中でもいろいろテーマで研究をさせていただいており ますが、その中は基本的には開発の段階で効率化できるようなものを、例えば安全性予 測とかございますけれども、それは医療機器にも使っていただけるものではないかなと いうふうには思っております。  例えばたんぱくですとたんぱくが見つかれば当然、医療機器開発にもつながりますし、 診断薬開発にもつながると思いますので、そういう意味では医薬品と医療機器の研究開 発そのものではございませんけれども、その開発プロセスの中での医療機器の支援にも なっているようなものを採用させていただいているということかと思っております。  ただ、個別に医療機器を目的にしてやろうというところでは実際問題としてはそこま でなっていないと。先ほど申しましたけれども、実際上、今のところ、20名弱の対応で ございますので、その中でできそうなものというところでいろいろ外部の方とも相談し て進めさせていただいているのが現状でございます。 ○部会長   よろしゅうございますでしょうか。はい。それでは14ページの第4の財務内容の改善 に関する事項につきまして御質問、あるいは御意見等、ございましたらいただきたいと 思いますが、いかがでしょうか。よろしゅうございますか。  それでは全般につきまして既に大分いろいろと御意見をいただいておりますけれど も、何か御発言ございますでしょうか。どうぞ。                 ○田宮委員  済みません。先ほどアウトカムの論文の話を私の方で出させていただいたので、その 後の議論を受けて一つ確認させていただきたいと思います。この研究所はあくまで支援 をするということの方が期待されていて、この位置づけの図を見て改めて考えたのです けれども、最終的なアウトカムを研究所から出すことということよりも、むしろアウト カムを最終的に出す企業なり、大学なりを支援するということが中心なのかなと改めて 思います。そうなるとやはり最終的なアウトカムだけで図るというのは適切ではなくて、 それも重要ではありながら、かつ中村委員がおっしゃったように中間の裏方として大学 なり、企業なりにどの程度、貢献しているかという視点も重要なのかなというふうに思 いましたので補足をさせていただきます。 ○部会長   ありがとうございました。どうぞ。 ○岩渕委員  一番最後のところなのですが、製薬企業等との関係を疑われることがないよう役職員 の採用及び退職後の再就職等に関して適切な規則が設けられ、それに基づき適切な人事 管理が行われる。これは確かに書けばこういうことにはなると思うのですけれども、た だ、非常に支援とか、そういう業務の特性がありまして、それともう一つは自然科学系 の研究という分野もあって、その研究自体が結構、汎用性があって、ありていに言えば 例えば通常のいわゆる天下りの批判の中にはほとんど何の役にも立たないのに、ただ、 ただ、禄をはむのが批判の根本的なところだろうと思うのですが、こういう場合にはそ れぞれ皆さん、すごい技術を多分、お持ちになっていらっしゃるわけでしょうし、そう いう意味で言いますと、では、例えば民間企業に行くというのは、請われて行くと言い ますか、もう実に有用な人材として再就職することだって、これはありますし、職業選 択の自由、これ、あり。  そういうことも含めると書けばこういうことなのですが、疑われることがないように というふうなこと、適切な基準みたいなものを設けるという、そこのあたりのところが 実は非常に難しい作業になるのではないかというふうに心配しておりますし、余り杓子 定規に李下に冠を正すなみたいなことをがちがちやっていくのがこういう場合に適切な のかどうかという点で、素人考えですけれども、非常に難しいのだろうなというふうな ところなので、その基本方針みたいな考え方もちょっと教えていただければありがたい というふうに思います。 ○部会長   はい。この件、いかがでしょうか。 ○医薬基盤研究所総務部長  質問に対しましてお答えします。ここで項目として入った経緯、いわゆる中期計画、 中期目標にですね。これはどちらかと言いますと、研究振興部のいわゆる研究振興、こ れが入り込みまして、そのときにかなりいわゆる医薬品機構ですか、そこでやっていた ときには企業との癒着とか、そういったものがないようにと。いわゆる資金の提供が主 目的になっていましたので、それが引き継いでこちらの方にも入ってきたということな ので、そこはやはり同じように継承する必要があるのかなということで、これを入れた という経緯がございます。  実質、研究者が成果を上げて外部に、先ほど先生がおっしゃったように優秀な先生が、 研究者が民間に天下りと言ったら言葉もおかしいですけれども、優秀な人がほかのとこ ろにも行かれるという道はやはりつくるべきかなとは思っております。ですから、余り これはがちがちに厳しくというところまでは状況によって違うのかなというところでは ありますけれども、これは経緯としてはこういった形でつくりあげてしまったという形 でございます。 ○部会長   いかがでしょうか。 ○岩渕委員  あと、ですから、それまでの研究成果、そういったようなデータベースまで含めた格 好でもって異動するというような形というのは情報の管理みたいなところというのもや はりやられることになるのでしょうか。具体的には。 ○医薬基盤研究所企画調整部長  データベースとか、そういうものにつきましては基盤研としての知的財産の規定も設 けておりますので、ここで言っております人事管理と言いますのは、もう退職されたら 自由に何でもどうぞということではなくて、一定の範囲内で確認はさせていただきます というような観点での規定というようなことで考えておりますけれども。 ○部会長   どうぞ。 ○政安委員  大学と共同研究したり、企業と共同研究したり、支援するという観点から踏まえます と、15ページに基盤研の人事に関する事項の中にもう少し大学を支援したり、企業を支 援したりという、この研究職員のそういう外への働きかけの動きがわかるような項目が 入っているともっと見えてくるのではないかなと思いましたので、その辺、また、どの ような形かで表現していただけたらありがたいと思います。 ○部会長   はい。ありがとうございました。よろしくお願いします。そのほか、ございますでし ょうか。どうぞ。 ○中村委員  岩渕委員が先ほどの質問されたこと、関連するのですけれども、ここは評価項目、ど ういうふうにしたらいいかということの審議なので、私は今のその質問に対して役職員 の採用及び退職に関して適切な規則が設けられ、この適切な規則がいかに設けられるか によるのではないかと思うのです。  研究開発振興とある以上、やはりこの文言は必要であって、ただ、それが岩渕委員が おっしゃるように基盤的技術研究、あるいは生物資源研究に研究している人たちまで縛 るようなものではないだろうと。ですから、ぜひ、そこら辺を適切に書いていただきた いというか、ルールを決めていただきたいという気がしますけれども。コメントです。 ○部会長   はい。ありがとうございました。 ○清水委員  補足で手短に2点お願いしたいのですけれども、冒頭に申しました監査の件につきま しては監事監査と内部監査というのは違いますので、そこはきっちり評価の項目とも区 別していただきたいということが1点です。  最後の方で先ほどちょっとお話が出ておりました承継事業というところで、出資と融 資事業というのはこれはもう新規はやらないというふうな理解でよろしいわけですよ ね。ですので、14ページの評価の項目は非常に項目16のところですね。重要なことが ぽつぽつと3つ上がっているような状況になっているのですが、当然、これ、出資も融 資も規律している規則なり要綱なりが多分あるのだろうと思うのですけれども、そうい うものに準拠してきちんとそういう管理が行われているかというところも重要ではない かと思いますので、例えば要綱等に従いというふうな言葉を入れていただくこともちょ っと検討していただけたらいいのではないかなというふうに思いました。 ○部会長   はい。ありがとうございました。そのほか、ございますでしょうか。これまで非常に 貴重な御提案なり、御意見をいただいておりまして、この件につきましてはきょう、い ただいた御意見を少し整理させていただきまして、7月7日の次回部会までに事務局の 方で精査、調整をしていただきまして可能であれば次回部会の冒頭に各委員に確認、了 解できるよう取り計らいたいというふうに思いますけれども、そういうことでよろしゅ うございますでしょうか。評価官、よろしいですか。   ○政策評価官  御熱心に評価を念頭に置いていただきながら御質問、あるいは御意見を賜りました。 非常にありがたいと思います。  今、部会長の方からお話がございましたように、まず、この評価の視点の文言をどう 整理するかという部分と、今日いただきました御意見をもとに実績報告を今後作ってい く中で、きちんと委員の皆様方が求めておられるような、あるいはチェックしたいとお 感じのところがわかるようなプレゼン資料の準備をさせていただくという部分と、両者、 あろうかと思います。  もちろんいずれも法人の方で努力をしていただくことになろうかと思いますが、評価 の視点という文言ベースにおいても今、部会長の方からございましたように、あるいは きょうの御意見の中にも、誤解を生まないようにある程度文言を整理しておくべきでは ないかというところもあったように思います。  議事録を改めて整理をさせていただきますけれども、お話を伺っておりました範囲で 順不同で申し上げます。  統合組織ということで職員の中で統合効果と言いましょうか、統合をどういうふうに 受け止めているのか。それは高まっているのかというようなポイントがそもそもであり ますけれども、この基盤研の理念と言いましょうか、何が目的なのということからこと 解いて、現状がどうなっているか。あるいはそれをどう評価するかということの視点が 必要ではないかということ。  そういう意味では社会的な、あるいは政策的な要請というものがどのように基盤研と して受け止められているのか。あるいはそれが実際に研究につながっているのかという 視点。大学、あるいは民間とは違う独法という組織として、どういうふうに評価するの かということが意識されるべきというお話。あるいはあちらこちらに出てまいりますけ れども、「適切に」、「着実に」というところは、書きようがなければ実際の質の評価 も含めて説明の中でできる限り、評価していただいた際に共通認識いただけるように、 あるいは説明が行き届くように工夫する必要があるのではないか。  言葉は同じかもしれませんけれども、数値目標である程度明確に評価する反面、価値 の部分、あるいは内容の部分というものをきちんと最終的な評価に折り込めるような仕 組み、あるいは説明を工夫すべきというお話。  あるいはデータベースみたいな事業につきましてはそれがどのように利用されたか、 あるいは利用できるようになっているか。ユーザから見たデータベースというようなも の。あるいは使われ方としてのデータベースという視点。  あるいは切り口、個々の個別事項について中期目標、中期計画に定められている項目 の関連と言いましょうか、付随という言葉も出たかと思いますが、という部分の付加価 値、言葉に書いてあるものではないかもしれないけれども、周辺で出てきたよという場 合をなるべく成果としてつくりあげられるような視点。  あるいは大学なり、企業から見て、この基盤研がどう位置づけられているか、どうい う評価になっているかというような話を何らかの形でこの場に届けさせる、あるいは届 けてもらうような工夫。あるいはそういう評価の視点。 あるいは産投特会との関係でもございましたけれども、もうちょっとあそこの部分に ついては入口の契約だけではなくて、その後の話をどのような形で進捗しているのかと いうこともちゃんと見るべきではないか。  また、これは最後、まさに人事の話のところでも出てきました。企業、大学への働き かけという意味で見たときに、その活動状況がわかるような工夫、あるいはそれが評価 の視点に表現として反映できるのかどうかというような点。  幾つか漏れもあろうかと思いますし、意をとりそこねている部分もあろうかと思いま すが、きょう、いただきましたご指摘を改めて冒頭、申しましたように議事録も精査す る。また、法人の実績がどうなっているかというのもあります。評価の視点は最終的に はこの委員会としてお決めいただくものでございますから、その事務方として少し案を 整理した上でできる限り、次回までの間に個別にお諮りをし、また、その時点での御意 見、追加があれば整理をさせていただいた上で最終的には次回きちんとこの会議におい てお決めいただくというような段取りを心得たいというふうに思います。よろしくお願 い申し上げます。 ○部会長   ありがとうございました。そういう方向で整理させていただきまして次回、確認をさ せていただきたいというふうに思いますのでよろしくお願いいたします。どうもありが とうございました。 ?平成17年度個別項目に関する評価の進め方について ○部会長   それでは次に個別項目に関する評価の進め方につきまして御説明いただけますでしょ うか。 ○政策評価官  お手元の資料、資料3でございます。いよいよ年度評価でございます。資料3の2ペ ージ目をごらんをいただきますと既に委員の皆様方に御調整をお願いいたしまして多 少、委員の中で御都合の悪い方もおられる中、大変恐縮でございますけれども、事務局 としてある程度の割り切りもさせていただいた中、今後、5回の日程を今、押さえてさ せていただいております。  次回は7月7日金曜日でございますが、17時から国立健康・栄養研究所。次々回にな りますが、7月18日火曜日の9時半から、これは統合されてしまいましたけれども、前 の産医研の17年度事業評価。この日はダブルヘッダーでございまして、同じく18日午 後2時から安研についてお願いをする。7月の20日木曜日でございますが、13時から 本日、評価の視点を御議論いただきました基盤研をそれぞれ予定をさせていただいてお ります。  資料3の1ページ目にございますようにそれぞれにつきましては、既に昨年御経験の 方々の中ではイメージがわくかと思いますけれども、まずは重点的な報告。特にきょう も御議論がありましたように法人が与えられている使命と言いましょうか、目的から照 らしてどうかという重点的な項目の報告。さらに個々の中期目標、中期計画、あるいは 評価の視点における固まりごと4つほどに分けまして実績として御報告をさせていただ き、それぞれごとに質疑、意見交換をしていただいた上で記入をしていただいて、それ をまとめていく。この作業を4回にわたってお願いしたいと思っております。  それぞれの部会でそれぞれ個別の法人が御議論いただきました後、若干、いろいろと 調整をさせていただく、あるいは起草委員という形で今、主筆をこの部会ではお願いを しております。繰り返しになりますけれども、7月7日の健栄研で言えば武見委員、政 安委員、産医研については田宮委員、酒井委員、安研については田村部会長、中村委員、 基盤研につきましては鈴木部会長代理及び市川委員というのが既にお願いをしておりま す御担当かと思います。その委員の方々を中心に総合的評価と言っておりますが、文章 をまとめていただき、それを持ち寄って、また、それと並行して財務会計の評価もいた だいた上で8月4日金曜日の第30回でございますが、それぞれの法人のを持ち寄って、 この部会としての一つの仕切りと言いましょうか、全体的な御議論をいただくというこ とを日程的に予定をしております。  非常にこれから夏に向かってお忙しい時期、それぞれ御予定のある中ではございまし ょうが、できるだけ、私どもの方も法人、あるいは所管課の方にも御協力をいただいて、 会議に先立って資料をお手元に届けるような努力でありますとか、あるいは個別にこう いうところについてはというような御指摘があれば会議までの間になるべく円滑に進む ように取り組ませていただきながら、お忙しい中での時間を有効に使って評価をお願い したいと事務局としては思っております。よろしくお願い申し上げます。 ○部会長   ありがとうございました。ただいまの事務局の御説明につきまして御質問等ございま すでしょうか。どうぞ。 ○武見委員   直接の質問ではないのですけれども、この個別項目を拝見していて、昨年までこの左 3つの研究所についてさせていただいたときには、いわゆる4つのグループと言うので すか、大体そろっていて、いわゆる細かいことは違うけれども、大きな括りとしては似 たような形で統一されて進んでいるのかなという感じがしていたのですが、きょう、議 論したこの医薬基盤研究所を見ますとむしろ組み立て方はこの研究所の独自性にあわせ てというのでしょうか、かなり今までとは違う形でなってきていると思うのですね。  例えば最初のところに入っているような外部評価のこととか、情報公開とか、外部と の交流などというのは今までですと3つ目のところに入っていたとか、何か別にそのこ とは気にしなくてもいいことなのかもしれませんけれども、むしろ今後はそれぞれの研 究所の独自性にあわせて、何もそれを統一する必要はなくてという考え方でこうなって きているというふうに理解してよろしいでしょうかという質問です。 ○部会長   いかがでしょうか。どうぞ。 ○政策評価官  私からお答えするのが適切かどうかという思いはありますけれども。ご覧いただいて おります個別項目の立て方は、そもそもで言えば中期目標、それに基づく中期計画の立 て方による。設立時期が同じような法人はそのときに同じような形で中期目標、中期計 画を立てておりますので、どうしてもそれに似通った形になってまいります。  そういう意味では法人それぞれの抱える事業目的の違い、あるいはタクスの違いとい うものもございましょうし、ある程度、時期というものもあるのかなと感じております。 されど刻々と事態は変わっておりますし、労働安全衛生研究所という形で一皮むけてバ ージョンアップして今、活動を始めておりますものもあります。今後、ある程度、それ ぞれの法人に応じた内容に沿って議論をいただきますが、ある程度、この評価委員会の 委員の皆様方もだんだんラインナップが広がってまいりますと、共通部分と違う部分が 評価の作業を通じてもよりわかりやすくなってきたのかなというふうに勝手に私などは 思っております。今、お話のございましたように共通部分と違う部分を意識しながら、 逆に委員の皆さん方から共通部分としてこういう視点がいるのではないかと、あるいは 独自部分としてはというような御指摘をいただきながら、その中で整理をしてまいりた いと思っております。 ○部会長   はい。ありがとうございました。よろしゅうございますか。そのほか、何か御質問、 あるいは御意見ございますでしょうか。よろしいでしょうか。それではこのような方法 で個別評価を進めさせていただきたいと思います。  それでは最後に総括といたしまして何か御質問、御意見等あればお願いいたします。 全般的なことで何かございますでしょうか。よろしいでしょうか。 3.閉会 ○部会長   それでは長時間にわたりお疲れさまでございました。本日の会議はこれで終了とさせ ていただきたいと思います。では、今後の予定につきまして事務局から御説明をお願い いたします。 ○政策評価官  重ねてでございます。本日、事務方として少しゆったりめでお時間をいただくべく、 委員の皆さん方の日程調整をさせていただきました。そういう意味で逆に早朝からの招 集ということで大変御迷惑をおかけしたかと思います。  次回以降はきょうとは内容が違いますけれども、御案内のように1回当たりの時間も 長うなりますし、場合によってはダブルヘッダーということもございまして大変御迷惑 をおかけします。次回は7月の7日ということで健康・栄養研究所の個別評価、冒頭、 本日、御議論いただきました基盤研の評価の視点についても確認をいただきながら進め させていただきたいと思っております。よろしくお願い申し上げます。 ○部会長   はい。ありがとうございました。それでは本日は以上とさせていただきたいと思いま す。長時間にわたりまして熱心な御議論、ありがとうございました。 (了) 照会先:政策統括官付政策評価官室 企画係 電話 :03-5253-1111(内線7783)