第64回疾病・障害認定審査会原子爆弾被爆者医療分科会議事要旨


1. 会議の日時及び場所
 (1)日時  平成18年5月22日(月) 10:00〜17:00
 (2)場所  中央合同庁舎5号館 厚生労働省 9階 省議室
  千代田区霞が関1−2−2

2.委員の出欠状況
出席委員
池田委員
伊藤委員
佐々木会長
平松委員
藤原委員
泉二委員
山科委員
秋葉臨時委員
伊坪臨時委員
草間臨時委員
小出臨時委員
進藤臨時委員
関根臨時委員
田利臨時委員
難波臨時委員
平原臨時委員
横関臨時委員
欠席委員
谷口委員
 
 
 

3. 議題
 (1)原爆症認定審査
 (2)異議申立て審査
 (3)その他

4. 審議の結果
(1)原爆症認定審査
  諮問件数 答申件数 答申内訳 審議未了
認定 却下 保留
悪性腫瘍・良性腫瘍 34(1)件 23件 6件 17件 0件 11(1)件
造血機能障害 6件 1件 1件 0件 0件 5件
甲状腺機能障害 1件 1件 0件 1件 0件 0件
視機能障害 0件 0件 0件 0件 0件 0件
肝機能障害 0件 0件 0件 0件 0件 0件
その他 4件 4件 0件 4件 0件 0件
合計 45(1)件 29件 7件 22件 0件 16(1)件
   原爆症の認定審査について、45(1)件の諮問があり29(0)件の答申を行った。内訳は認定 7件、却下22件、保留 0件である。また、審議未了は16(1)件である。
*( )書きは前回審査未了分である。(別掲)

(2)異議申立て審査
諮問件数 答申件数 答申内訳 審議未了
認容 棄却 保留
32(10)件 0(10)件 0(0)件 0(9)件 0(1)件 32件
  *( )書きは前回審査未了分である。(別掲)

(3)その他

 分科会長の提案により、原爆症認定に係る大阪地裁判決(5月12日)について、意見交換を行い、以下の点について共通認識を得た。
 その後、今後も引き続き「審査の方針」に基づいて審査を行うことを確認した。

 原爆症に該当するか否かの判断は、科学的に算定された被曝線量と確立された科学的知見に基づいて行うべきである。今回の判決は、科学的に算定された被曝線量を軽視するとともに、国際的な評価が十分になされていない論文等を採用しており、また、低線量被曝による健康影響等については国際的に広く認知されていない見解に基づくものである。

 原爆症に該当するとの判断は、当該疾病が原爆放射線に起因するものであることについて「高度の蓋然性」があることが証明された場合に行うべきである。今回の判決は、これを認めつつも、個別の事例においては、当該疾病を発生させた他の原因について十分な考察を行わず、原爆放射線に起因しているとみても不自然ではない、あるいは、原爆放射線以外の原因によることが明らかではないといった判断の積重ねから結論を導いており、結果的に「高度の蓋然性」が証明されているとは考えられない事例を原爆症と認めている。
 なお、被爆者援護制度の中では、原爆症の認定を受けていなくても健康管理手当の受給などができるようになっている。

 分科会では、原因確率による推定のみを機械的に適用して判断するようなことはしていない。分科会では、科学的に算定された被曝線量と確立された科学的知見に基づき、個別の申請事例ごとに、総合的な観点から、審査を行ってきているところである。


照会先  東京都千代田区霞が関1−2−2
 厚生労働省健康局
 総務課 安里(2316) 石田(2317)

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