資料1 |
第1回看護基礎教育の充実に関する検討会 主な意見
1. | 看護基礎教育で習得する看護技術と臨床現場で求められるものとのギャップに関するもの |
○ | 基本技術について、例えば急性期病院では、シリンジポンプの調整や人工呼吸器の管理をすること、心電図を読むことを新人は求められており、資料に記載されている基本技術ができたとしても現場とは大変乖離している。 |
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○ | 看護学校を卒業した人たちは、配属部署の専門的な知識・技術を持っていないため、医療現場についていけずに辞めていく。特に高度医療の病院からどんどん辞めていき、楽な病院に移っている。 |
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○ | 離職率が基礎教育だけの問題ではなく、臨床研修の体制も非常に重要になる。そういうことも視野に入れてアウトプットを出すような議論をしてほしい。 |
2. | 看護基礎教育と新人看護職員研修との役割分担に関するもの |
○ | 新人に蘇生術ができることは求めていない。基礎教育でやっていない基本技術について基本的な知識があるか、それを基本的に理解できる能力があるのか疑問。 |
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○ | 急性期から療養型までさまざまな病院があり、新人にそのすべてに対応できるようにしなさいというのは無理。ギャップがあることを前提として、養成課程で教育すべきことと、オン・ザ・ジョブでやるべきことは区別して考えなければいけない。 |
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○ | 身体侵襲を伴うような技術に関しては、無資格の学生が実施できる範囲等が限られており、教育期間や卒後臨床研修が可能かどうかによって、基礎教育での到達レベルも変化してくる。 |
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○ | 臨床研修も含めて検討してほしい。 |
3. | 看護基礎教育の内容に関するもの |
○ | 病院に入ってからトレーニングが必要であるということは、基礎教育がなっていないということであり、現行の指定規則は直さざるを得ない。 |
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○ | 新任者が訓練期間なく、ある程度の実践ができるということを前提としたカリキュラムなのか、国家資格を持った場合に、何ができれば、どういう仕事をさせられるのか、を整理しなければならない。 |
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○ | 訴えられることに耐え得る技術・知識を持たねばならないなど、この10年で日本の医療や医療技術も大きく変わっているのに対して、看護教育があまり変わっていない。 |
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○ | 看護の専門性というのをどのように捉えるのか。変化に対応できる看護師という意味の専門性と、いまの技術に対応するという専門性は区別すべき。 |
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○ | 知識が増え、学ばなければならないことが増えている中で、基本的に何を学ばせれば現場に行って応用できるか。人間の生理、病理、解剖、薬理に関すること、フィジカル・アセスメントなど、基本的な力をつけるためにカリキュラムの内容、構成など、もう少し焦点を絞った基礎教育のあり方を考えてほしい。 |
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○ | 今は著しく技術の部分が少なく、基礎教育のあり方、特に技術のところで臨地実習の充実をもっと真剣に考えていかなければいけない。 |
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○ | 基礎教育で求められる能力は、すでに検討されてきており、求められていることができるためにはどうしたらいいのかという議論をするべきではないか。 |
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○ | どのような看護基礎教育のあり方が望ましいかというのは、患者側がどういう看護師であってほしいか、あるいは患者と家族たちが求める看護師像みたいなものもあり、同時に議論が必要ではないか。 |
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○ | 高校までの教育の中で常識なり学力として培われてきた部分も変化してきている。従来のスタートラインと同じレベルから積み上げていくだけでは解決できない問題もある。 |
4. | 教育期間に関するもの |
○ | 3年間の課程を前提にするかどうかも含めて検討してほしい。4年間で看護師と保健師を与えることの是非も含めて議論すべきである。 |
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○ | 教育期間の延長が重要であることは、いくつかの報告書で出されており、そのためにはどうするべきか、具体的なところに焦点を当てて検討するべきである。 |
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○ | 3年間の中では、内容を変えるなどの工夫の余地には限界がある。 |
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○ | 医師、薬剤師、歯科医師は、臨床研修制度の制度化や教育年限の延長がなされているが、これから重要となる看護の状況を考えなくてはならない。これまでは看護基礎教育のカリキュラムの改定の度、総時間数、特に臨地実習の時間が少なくなっており、教育期間の延長ということも含めて、臨地実習の位置づけを考え直す必要がある。 |
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○ | 看護師に期待される役割や学ぶべき知識・技術が増えているにもかかわらず、教育時間は変わっていない。この年限では足りないと思われ、単にカリキュラムの改正にとどめるべきではない。 |
5. | 看護と保健、助産の位置づけに関するもの |
○ | この検討会において看護基礎教育のあり方をグランドデザイン的に描いてはどうか。 |
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○ | 看護の大学が急速に増え、保健師と看護師をほぼ100%履修しているが、そのことの是非も保健師の側からは大変問題になっている。 |
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○ | 基礎教育とはどこまでのことか。また、専門職の生涯教育までを全部含めてグランドデザインを決めるのか。 |
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○ | 保健師、助産師、看護師の3師とも基礎教育、ジェネラルな教育という形で置いていいのか。アメリカ、韓国のように保健師、助産師をアドバンスコースと位置づける議論をしてほしい。 |