「治験を含む臨床研究基盤整備に係る専門作業班」の報告書について


治験のあり方に関する検討会は、平成17年7月に、治験のあり方に関する主な論点を別紙1のとおりとりまとめた。このうち、A−1については、専門作業班を設置して具体的に検討することとされた。

これを受けて、平成18年8月に「治験を含む臨床研究基盤整備にかかる専門作業班」を別紙2のとおり設置した。同専門作業班は各論点にかかる議論を深め、報告書をとりまとめた。これを、平成18年1月に以下の意見を付し、治験のあり方に関する検討会に報告し、了承されたものである。

平成18年度は、
「全国治験活性化3カ年計画」の目標達成度合いの評価を行うとともに、3カ年に盛り込まれた事項のうち、さらに取り組みを深化させるべき事項について引き続き取り組む。
平成19年度を開始年度とする次期計画策定のための検討を行う。



別紙1
治験のあり方に関する主な論点

A. 専門作業班を設置して具体的に検討する事項
I. 治験を含む臨床研究基盤の整備について
1. 治験を含む臨床研究の活性化のための新たな計画の必要性及びその内容の検討
2. 医療機関の治験実施体制の充実
(1)  治験に係る医療機関ネットワーク及び個々の治験実施施設のさらなる質の向上方策の検討
(2)  データマネジメントや関係職員の研修等を行う制度の検討
3. 関係職員等の養成・確保
(1)  さらなる医師の治験参画意識とインセンティブの向上方策の検討
(2)  治験関係者の養成等と質の向上方策の検討
(3)  CRO、SMOの健全な育成と適切な選択の促進方策の検討
4. 患者等の治験参加の促進
(1)  治験の意義等についての効果的な啓発方策の検討
(2)  患者や被験者への情報提供の拡充のための(仮称)臨床研究登録制度の整備の検討
5. 治験実施企業における取組みの促進
(1)  治験業務に係るIT化や手続き、書式の標準化など企業負担の軽減方策の検討
(2)  ベンチャー企業の育成や企業の研究開発の促進方策の検討
6. 医薬品・医療機器の開発に係る研究開発の推進
(1)  画期的医薬品や医療機器の開発のための基盤研究やトランスレーショナル・リサーチを含む臨床研究のさらなる推進方策の検討
(2)  データマネジメントや関係職員の研修等を行う制度の検討(再掲)

B. 関係者のヒアリングや関係資料の収集・分析等を踏まえ、今後論点整理をする事項
I. 全体について
1. 国際共同治験への参画や同時申請の促進方策の検討
2. 日本のみならずアジアにおける治験環境の整備の必要性と実施する場合の方策の検討

II. 治験制度について(検討にあたり治験費用の分析が必要)
例)
1. 治験手続きの見直し(医薬品の特性に応じた手続き等の検討含む)
2. 国際化等を念頭においたGCP省令の運用
3. 中央IRBの検討を含むIRBの質や機能の向上
4. 被験者募集の合理化
5. 医師主導治験において関係企業の果たすべき役割(費用負担を含む)
6. 医療機器の特性を考慮したGCPの運用
7. 患者の希望による治験薬等の未承認医薬品の適正な使用
8. 補償のあり方
9. 知的財産権の帰属
10. 医師主導治験における患者負担のあり方
11. 被験者の権利を守る制度の整備
12. 利益相反
13. 副作用および有害事象報告のあり方

III. 審査・承認制度について
例)
1. 医薬品医療機器総合機構における審査体制のさらなる充実
2. 医療機器に対する二課長通知の適用等、承認制度の緩和



別紙2

治験を含む臨床研究基盤の整備に係る専門作業班
委員名簿


荒川 義弘   東京大学医学部助教授・附属病院臨床試験部副部長

岩崎 甫 欧州製薬団体連合会技術委員会委員長

梅原 貞臣 日本製薬工業協会医薬品評価委員会臨床評価部会副部会長

楠岡 英雄 独立行政法人国立病院機構大阪医療センター副院長

小林 史明 社団法人日本医師会治験促進センター科学技術部薬事担当部長

庄司 龍雲 米国研究製薬工業協会在日技術委員会臨床小委員会委員長

野田 義寛 日本医療機器産業連合会GCP委員会副委員長

平井 俊樹 財団法人日本薬剤師研修センター専務理事

森下 典子 独立行政法人国立病院機構本部医療部研究課治験推進室治験専門職

吉田 易範 富山県厚生部くすり政策課長

(敬称略)
(○:座長)

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