06/03/29 第33回労働政策審議会職業能力開発分科会 議事録について     第33回労働政策審議会職業能力開発分科会 日時  平成18年3月29日(水)10:00〜 場所  厚生労働省専用第8会議室 ○今野分科会長 時間になりましたので、第33回労働政策審議会職業能力開発分科会を 開催します。本日の出席状況ですが、黒澤委員、中馬委員、井上委員、中村紀子委員がご 欠席です。なお、長谷川委員の代わりに末永様が出席をしています。  本日の議題に入ります。今日の議題は4つあります。お手元に議事次第があると思いま すが、1つ目は、「雇用保険法施行規則等の一部改正に関する省令案の要綱」の諮問につ いて、2番目は、職業訓練実施計画(平成18年度)の概要の報告について、3番目は、市 場化テストの対象となる雇用・能力開発機構関連事業の報告について、4番目は、第8次 職業能力開発基本計画の検討についてです。  まず、議題1の雇用保険法施行規則等の一部を改正する省令案についての諮問について、 事務局からご説明をお願いします。 ○石田育成支援課長 資料1の12頁に省令の改正案要綱等がありますが、このうちから職 業能力開発分科会に係る部分の説明をさせていただきます。今回キャリア形成促進助成金 制度の改正になりますが、この概要や実績等については、これまで分科会でご審議の際に 随時説明しているところですが、念のため一番後ろの15頁の参考の3に、キャリア形成促 進助成金の現時点における概要のペーパーがあります。ここに書いてあるとおり1の(1) 〜(7)まで、7つのメニューがあります。基本的要件としていくつかそこに書いてあり ますが、(1)から、改正に絡めて少し説明したいと思います。  (1)の訓練給付金は、いわゆる事業主命令に係る訓練の給付の助成ということで、下 の枠の中にデュアルシステム導入に係る拡充措置があります。これで現在助成の対象とし ているのは、2行目に「当該デュアル訓練について」と書いてありますが、従来デュアル の中のOff-JTの部分だけを助成対象としていましたが、企業等からも負担軽減を求める声 等も配慮して、新しくデュアルのうちのOJTの部分を支給対象に加えるという趣旨の改正 をさせていただきます。  なお、分科会では既にご議論、ご建議を踏まえて、現在国会に提出している法案の中で、 実習併用型の職業訓練制度を設けることとしていますが、ここで可決された際には本年10 月からの施行になると思います。実習併用職業訓練の具体的内容等は、また皆様方のご意 見を伺いながら詰めていきますが、その支援についても、若年トライアルの奨励金や技能 承継等の助成金といったもので対応していくことになっています。  (1)、あるいは次の頁以降の(4)、(5)の説明を見ていただきますと、いずれも 職業訓練を受けさせるという形で、事業主主導の形で書いてあります。ここについては分 科会の議論、建議等も踏まえて、法改正に先んじて労働者自らの、いわゆる自発的な職業 能力開発の部分を事業主が支援するということに対して、新しく職業能力開発支援促進給 付金を創設するというように改正をしたいということです。これは、いまご覧になってい る頁には書いてありませんが、現在のものに対して新しい方向のものを1つ創設するとい うことで、その際16頁の(2)、あるいは(3)の休暇関係の現在あるメニューですが、 これらを単独のメニューとしては廃止して、いま申し上げた自己啓発を支援するという新 しい促進給付金の中に組み込んで、統合して整理する形にしたいということです。  最後にもう1つ。いま申しました新設メニューも含めて、賃金助成を内容とする助成メ ニューがここにありますが、それらのすべてについて企業側、労働者側の双方から柔軟か つ機動的な教育訓練という観点でご議論をいただいたことを踏まえて、1日単位の支給か ら時間単位に改めて、より活用しやすくするという趣旨の内容の改正をさせていただきた いということです。14頁の参考2の所に建議の関係部分を抜き出しています。いま説明さ せて頂きましたことに関係する所を読みますと、「労働者が自らの」「職業能力の開発や 向上に取り組むことができるよう」、「勤務時間等について」「事業主の取組を支援する ための助成金制度について充実を図ることが必要である」、という部分を受けた改正をさ せていただきたいということです。  資料1の省令要綱案の8頁に、該当部分の九があります。キャリア形成促進助成金制度 の改正が(一)〜(四)まで4つあります。いま説明しましたが、(一)でキャリア形成 促進助成金のうち、職業能力開発休暇給付金及び長期教育訓練休暇制度導入奨励金を廃止 するとともに、キャリア形成促進助成金として職業能力開発支援促進給付金を創設するも のとする、ということが1つ。  2つ目は、訓練給付金について対象若年者等を雇い入れ、当該対象若年者等に対して対 象若年者職業訓練等を受けさせる事業主に対し、業務の遂行の過程内における実務を通じ た実践的な技能及びこれに関する知識の習得に係る職業訓練が実施される期間に応じ支給 するものとすること、これは先ほどのOJTの部分を加えるという所です。  3番目は、冒頭に申しました創設する新しいものの内容について、職業能力開発支援促 進給付金について、年間職業能力開発計画に基づき、労働協約等に定めるところにより、 その雇用する被保険者であって、教育訓練、職業能力検定又はキャリア・コンサルティン グ(以下「教育訓練等」という。)を受けるものに関し、当該被保険者の申出により教育 訓練等を受けるために必要な経費を負担する又は必要な休暇を与える事業主に対して支給 するものとすること。  4番目は、訓練給付金、職業能力評価推進給付金、地域人材高度化能力開発助成金及び 中小企業雇用創出等能力開発助成金について、事業主が負担した賃金に係る助成の上限額 を当該事業主の事業所における賃金日額により算定した額から所定時間数により算定した 額に改めるものとすることということで、日額算定から時間にするという部分の改正です。  なお、12頁で省令の施行は、平成18年4月1日から施行、その他所要の規定の整備を 行うものとするということです。以上です。 ○今野分科会長 ただいまの説明についてご質問、ご意見等がありましたらお願いします。  よろしいですか。  それでは、当分科会としては、雇用保険法施行規則等の一部を改正する省令案について、 妥当と認める旨の報告を、私のほうから労働政策審議会会長あてに行うこととしたいと考 えていますが、よろしいでしょうか。                 (異議なし) ○今野分科会長 それでは、そのようにさせていただきます。事務局が報告文(案)を用 意していますので、配布をお願いします。お手元に配布された文案を事務局に読み上げて 頂きます。 ○石田育成支援課長 案文、「平成18年3月29日 労働政策審議会会長 菅野和夫殿、職 業能力開発分科会分科会長 今野浩一郎、『雇用保険法施行規則等の一部を改正する省令 案要綱』について、平成18年3月20日付け厚生労働省発職第0320001号をもって労働政策 審議会に諮問のあった標記について、本分科会は、下記のとおり報告する。記 標記につ いては、妥当と認める。」  このような文案にしたいと思いますが、よろしいでしょうか。                 (異議なし) ○今野分科会長 それでは、そのようにさせていただきます。  2番目の議題は、「職業訓練実施計画(平成18年度)」の報告についてです。事務局よ り説明をお願いします。 ○久保村能力開発課長 職業訓練実施計画平成18年度分について、概要を説明させていた だきます。まず、職業訓練実施計画自体は、そこに書いてあるように国が設置する公共職 業能力開発施設の行う職業訓練のみに限っていますので、実績も含めて全容を見ていただ くということで、資料2の5頁に、公共職業訓練に係る平成16年度の計画・実績及び平成 17年度、18年度の計画で、平成17年度は途中段階ですが、1月末時点の実績を掲げていま す。この職業訓練計画については、予算要求の段階で原案を策定して、年末の政府原案策 定の中で政府案として決定され、昨日予算が成立しましたが、平成18年度の計画として成 立しているということです。  まず、平成16年度の計画と実績を見ていただくと、平成16年度については全体の一番上 の数字を見てみますと、計画と実績の間に約10万人ほどの乖離があり、この辺については 実績見合いの計画にしていくべきではないかという議論があったわけです。  もう1つは、雇用失業情勢が大変改善をしてきていることもありますので、雇用失業情 勢の改善を反映した計画にしていくべきであるという議論になっています。いちばん右側 の平成18年度計画の離職者訓練の所から見ていただくと、離職者訓練のトータルは平成18 年度計画において19万6,460人で、これは平成17年度の計画に比べると14.0%減になって います。  平成16年度の新規求職者の減少率は、大体7.6%程度でした。これはそれよりも多くな っていますが、雇用失業情勢反映分については、予算の具体的な中身の中で、従来の補正 予算などに付いていた緊急対策を削減する、あるいは予算の執行調査の中で委託訓練を削 減するなどの中で積上げでやっていますが、ほぼ14%の中の7.9%程度に該当しています。 残りの部分がいわゆる実績と、計画との乖離の部分を埋めていくことです。離職者訓練に ついては19万人余になっています。  在職者訓練ですが、これについては18万388人で、これも平成17年度に比べると15.6% の減になっています。在職者訓練については、機構法において真に高度な民間、あるいは 都道府県がやらない訓練を行うという縛りがかかっていて、その中で全体的な合理化を図 っていかなければならないということから、数値の絞込みを行っています。  学卒者訓練については、全体では2万6,607人で、平成17年度計画と比べると26.4%減 になっています。機構の部分については、0.9%増となっていて、これはデュアルシステ ム等の導入により若干数字が伸びています。都道府県の所で大幅に落ちているのは、実績 との乖離を埋めるという意味で、減数となっているところです。  大きな乖離があった原因ですが、主として都道府県の数字が大きく実績と乖離している わけですが、従来から予算計画の中で、予算を要求していく上でのテクニックという問題 もあるわけですが、数字はあまりいじらずにきたこともありまして、実績との乖離が起こ ったということです。平成16年度の計画で見ますと、都道府県では6万6,000人分ぐらい の乖離部分があります。ここを平成18年度計画で思い切って実績見合いにしたということ です。  もう1つの要因としては、機構の委託訓練の所を見ると、平成16年度で計画と実績との 間に3万2,000人ほどの乖離があります。これは委託訓練の執行率が悪かったということ で、この辺は平成17年度を見ていただくと大幅に改善をしていることもあり、委託訓練自 体は今後とも活用をしていかなければいけませんので、そこの改善を図りながら乖離を埋 めていくということで、平成18年度計画を策定させていただき、結果的にトータルとして、 このような形になっています。  次の頁の実績部分で、まず就職率についてです。合計のいちばん左の所を見ていただく と、離職者訓練について、施設内訓練については76.6%、委託訓練は59.8%です。この数 字は、5年前の平成12年度と比べてみますと、施設内訓練については平成12年度が59.0%、 委託訓練が46.0%でしたので、大幅な改善が図られています。学卒者訓練は、就職率が 91.8%で、同じく5年前の平成12年度については85.4%でしたので、これも大幅な改善 が図られている状況です。全体的に機構と都道府県を比べると、能開機構のほうが若干ず つ就職率が上回っている状況です。以上が全体の状況です。  1頁に戻りまして、職業訓練実施計画ですが、これは年度ごとに来年度で申し上げます と平成18年4月1日から平成19年3月31日までの期間について国が実施する職業訓練の 対象者数等を明確にして、計画的な職業訓練を実施していくという趣旨で行っているもの です。下に参照条文がありますが、能開法の第15条の7は、平成16年3月に雇用・能開 機構が独立行政法人として設置されたときに、独立行政法人としての性質上、国がいろい ろと指示、命令することができないということがありました。これは中期目標の中で3年 なり5年なりと期間を区切ってやることが可能なわけですが、年度ごとの雇用失業情勢等 の変動に対応できないということで、新たに機構法の改正に併せて能開法の改正も行って、 この条文を追加した経緯があります。  第15条の7の条文を見ていただきますと、「国が設置する公共職業能力開発施設の行う 職業訓練」となっておりまして、対象となるのは国が設置している雇用・能力開発機構の 職業訓練と、国立の障害者職業訓練校がありますのでこの部分。委託訓練は都道府県が行 う分も含めて、実施の主体は国ですので、その部分も含めています。  2番の「労働市場の動向」は、雇用失業情勢ですが、厳しさが残るものの改善が進んで いる状況です。しかしながらアンダーラインの所を見ていただきますと、不安定就労者に 改善の動きがみられるものの依然として多く、無業者の数は高止まりの状況が続いている という分析です。さらに、団塊の世代が一斉に60歳台に到達し引退過程に入っていく時期 が迫っており、現場の中核となる人材育成が重要であるという認識です。  障害者は、従来からの対応に加えて、障害者雇用促進法の改正が、この4月から施行さ れることがあります。この中では精神障害者が、実雇用率の算定対象とされました。さら に障害者自立支援法の施行の主なものは10月からですが、福祉から就労への移行というこ とが重要な課題になっているということです。次の母子家庭、あるいは生活保護対策も重 要になっています。  具体的な実施する職業訓練の対象者数及び主な取組です。対象者数については17万 5,200人で、下の※にある平成17年度計画に比べると、8.9%減になっています。先ほど 申し上げましたが、都道府県部分が除かれていますので、雇用失業情勢の変動に近い数字 になっています。主な取組としては、民間を活用することで委託訓練比率を高めていくこ とを考えています。効果的な職業訓練のための取組としては、相談支援、綿密なキャリア・ コンサルティング、情報提供を計画的にやっていくこと。就職実績に応じて委託経費を支 給する仕組みを導入していますが、これを確実に実施していく。離職者が自主的に選択で きる職業訓練の制度も推進をしていく。具体的なニーズを反映していくという意味で、オ ーダーメイド型の訓練を推進をしていく。デュアルシステムなどについて、ワンストップ サービスセンター、ジョブカフェなどについても、受講申込みを受け付けていくことをや っていきたいと思っています。  在職者訓練ですが、これについては10万5,000人ということで、これは機構分のみです が、平成17年度に比べて15.2%減ということです。主な取組としては、産業構造の変化等 に対応して、高度な技能及び知識の習得に力を入れていくこと。事業主のニーズを踏まえ て訓練科の設定を見直していく、オーダーメイドによる実施方法等を推進をしていくこと をやっていきたいと思います。  3番の学卒者訓練については、8,100人ということで、平成17年度計画の8,300人に比べ て200人減ということになっています。主な取組としては、ものづくりの現場の中核にな る若年技能者を養成していくこと、ニーズを踏まえて訓練科目を随時見直していくことを やっていきたいと思っています。  4番の障害者に対する訓練は9,900人で、平成17年度計画と同数です。委託訓練の比率 を若干高めています。  障害者については、障害者職業能力開発校において一層推進をしていき、特にいろいろ 支援が必要な障害者、新しい分野の障害者にも取り組んでいくことをやっていきたいと思 います。民間の教育訓練機関、社会福祉法人等を対象として、委託訓練を実施しています。 委託訓練については、政令指定都市において福祉、教育などとの連携体制を確立するとい う事業を推進していきたいと思っています。自立支援法の成立、施行を踏まえて、福祉施 策との密接な連携をしていきたいと思っています。  ちなみに委託訓練については、具体的にこれまでどういう所に委託しているかという点 ですが、社会福祉法人が26.1%、企業・事業所は25.7%、専修学校・各種学校は21.4%、 NPO法人が19.7%とそれぞれ20%前後で、このような所に委託しているという実状です。 特にNPO法人については、最近障害者の支援を専門に取り組む所もだいぶ増えてきまし て、そのような所も今後とも積極的に活用していけるようにしていきたいと思います。  最後に二重丸の所の「日本版デュアルシステム」ですが、これについては2万9,800人で、 昨年の委託訓練の分の2万8,000人を1,800人ほど上回る数字で実施をしていくこととして います。施設内の部分については1,800人で、実績を踏まえて昨年より100人ほど削減をし ているということですが、全体として3万1,600人ということで、昨年よりも拡充をして実 施をしていこうと考えているところです。次の頁に図表がありますが、この部分だけを抜 き出したものですので、後ほど参考にご覧いただければと思います。説明は以上です。 ○今野分科会長 ご質問、ご意見はございますか。 ○谷川委員 たぶん説明されたのだと思いますが、公共職業訓練の計画・実績の推移とい うA4の表があります。平成18年度の計画と平成17年度の実績に注が付いている所を見ま すと、機構として編掛けをしている数字の所で、平成17年度の実績がいちばん上で26万何 某という数字があって、計画数のほうが小さくなっています。ずっとその原因は何かなと 見ていきましたら、在職者訓練の機構が11万2,800人分ぐらいあって、10万5,000人分の計 画になっているのですが、これは要するに先ほどおっしゃっていたのは、雇用情勢が良く なったのでここの所は少なくしたということで、そのような数字になっているのでしょう か。 ○久保村能力開発課長 在職者訓練については先ほど申し上げましたように、機構自身の 取組として真に高度なものに絞るということと、民間が行うものはやらないという整理に なっているわけで、全体としては合理化をしていくという流れになっているわけです。そ ういう意味で、計画ベースでは平成17年度に比べると大幅な削減という形になっていて、 実績もそれに比べると通常を若干下回るような形になると思いますので、そのような形で 少しずつ減少させていくということになります。 ○今野分科会長 よろしいですか。 ○谷川委員 はい。 ○今野分科会長 ほかにございますか。よろしいでしょうか。  それでは、次の議題に入りたいと思います。議題3の市場化テストの対象となる雇用・ 能力開発機構関連事業の報告についてです。 ○杉浦総務課長 それでは、資料3に基づき説明します。いまお話がありました市場化テ ストという手法を取り入れていくということで、2枚目をご覧ください。昨年12月に規制 改革・民間解放推進会議のほうでの第2次答申が出て、その抜粋を付けていますが、公共 サービス効率化法、いわゆる市場化テスト法という法律が、現在、国会に提出されていま して、政府の中で民間でできるものは民間へという思想の下に、公共的なサービスに競争 原理を導入して、できるだけ効率的にやっていくという内容の法案が提出をされていると ころです。昨年の秋から年末にかけて、各省庁のいろいろな事務について市場化テストの 手法を導入したほうがいいのではないかという議論を規制改革会議と調整をしてきたとこ ろです。  その結果、職業能力開発行政の関連で申しますと、下のほうに書いてある雇用・能力開 発機構がやっている2つの事業について、この市場化テストの対象とすることが決定され たわけです。1つは(ア)「アビリティガーデン」における職業訓練事業の一部です。ア ビリティガーデンはご案内のとおりですが、雇用・能力開発機構の設置をする訓練施設で、 錦糸町にあります。もともとアビリティガーデンはホワイトカラーのための能力開発を行 う中核的な施設として、平成9年から設立をされています。ここでは民間で実施し難いよ うな訓練コースを開発して、そこで業界団体のご協力を得ながら開発をした結果、施行を 一定期間やって、定着をしてきたところで民間のほうに普及をさせていこうという流れで 行っている施設です。在職者訓練のうちの開発施行実施を修了した後、一定期間が経過し たコースについては、ある意味で定着をしてきているということで、民間事業者と比較を して、よりコストがもし民間のほうが安ければ、民間のほうに実施を移していくというよ うな手法で、この市場化テストの導入を図ることにしたわけです。(ア)に書いてありま すように、現在一定期間が経過した12コースのうちの6コースについて、この市場化テス トの対象とするということです。  もう1つは、「私のしごと館」における体験事業の関係です。私のしごと館はご案内の とおり、同じく雇用・能力開発機構の設置・運営をする施設です。京都府にありまして、 若い人の職業意識啓発を中心にやっています。現在私のしごと館の事業のうち、体験事業 ということで若い中高生などを中心にいろいろものづくりなどの39の業種について、体験 しながらその仕事を味わってもらおうということでやっています。すでに39のうち34のも のについては、業界団体や京都府ですので、西陣織などの伝統工芸の関係の団体に協力を して、委託をしてやっているわけですが、それ以外の5つの職種について、今回市場化テ ストの対象にしたいと考えています。まだ法律が国会にかかっていて、成立するのがいつ かはよくわかりませんが、この答申の案文としては、国会で成立したあかつきには市場化 テストを平成18年中に実施し、平成19年4月から落札者による職業訓練事業を実施する というような書き方になっていますが、法律が通った後も、しばらく開始までの一定手続 の期間を要することになると思いますので、若干この期間からは実施は遅れることになる と思います。いずれにしてもこのような形で、一部職業能力開発関係の事業について、市 場化テストというやり方を導入することになりましたので、ご報告をさせていただきます。 以上です。 ○今野分科会長 ご質問、ご意見をお願いします。 ○佐藤委員 市場化テストは通した後ですと、今度は、例えばアビリティガーデンもエン トリーするやり方でやるわけですか。つまり官も入札に参加すると。 ○杉浦総務課長 アビリティガーデンについては、まだ決まっていません。 ○佐藤委員 トライアルは、官はエントリーしていないわけですね。それはまだ決まって ないと。  官を入れるかどうかは、今後詰めるのですね。 ○杉浦総務課長 まだ決まっていません。 ○今野分科会長 ほかにございますか。 ○玄田委員 市場化テストの対象となる6コース、5職種の内容を教えていただけますか。 ○久保村能力開発課長 現在の段階では、今年度の実績を踏まえて、来年度に入りました ら仕様書等を作って、具体的にどういうコースを出すかを決めていくことになります。現 在では決まっていませんが、考え方としてはアビリティガーデンで開発に1年かけて、2 年間施行をすることで3年かかるわけですが、4年目からは継続実施、普及を図っていく 形になっています。4年目以降になったコースの中で、いわゆる業界共通型のものを全体 で見ていくと、全部で121あるのですが、その中で12コースほどそのようなものがありま して、今後民間に普及していっていただけるようなコースを半分ぐらい取りまして、6コ ースぐらいを選んでいきたいと考えています。 ○玄田委員 5職種についてはどうですか。 ○石田育成支援課長 先ほど総務課長から説明しまして、要するに京都ならではの伝統工 芸関係の団体など、いろいろな所にすでに委託をしていますが、そのような所はすべて除 いて、具体的には宇宙開発や小型製品組立、CGデザイナー、プログラマー、雑誌編集、 以上の5つです。 ○今野分科会長 ちなみに業界共通型というのは、例えばどんなものですか。 ○久保村能力開発課長 現在やっている在職者訓練の中でいうと、例えばリスクマネジメ ントシステム構築力向上や、あるいは実践企画能力向上、ビジネスプレゼンテーション力 向上、管理職のための成功する目標管理の実践的展開です。このように比較的集まりが良 くて実績のあるものを継続実施していますので、民間のほうでも十分取り組んでいただけ るようなものをこの中から選んでいきたいと思います。 ○玄田委員 わかりました。 ○今野分科会長 ほかにご質問はございますか。この私のしごと館の5職種というのは、 普通民間でやってもペイしないですね。  皆さんいままでやっている業界団体の方たちは、何か持ち出しもあってやっている、お 願いをしているという感じですよね。 ○上村職業能力開発局長 山野委員の所にもご協力をいただいています。 ○今野分科会長 持ち出しているのではないですか。 ○山野委員 確認をしておりませんが。でも結構自弁でいっている美容師も多いようでご ざいます。なかなか1人の人を集中的にそこにするというわけにはいかないので、皆さん 交替で、いろいろな所から集めていっていただいているようです。でも、楽しいと言って います。 ○今野分科会長 ほかにご質問はございますか。よろしいですか。  それでは、この議題はこの辺にして、最後ですが、第8次職業能力開発基本計画の検討 について入りたいと思います。これまでも幾度もここで議論してきた内容ですので、私と してはできれば今回の議論で、基本計画の基本的な内容については決めていきたいと考え ています。ご協力のほどよろしくお願いします。  まず事務局から、前回からの変更がありますので、それについて説明をしていただきた いと思います。 ○杉浦総務課長 それでは資料4に基づき、前回変更された部分を中心にご説明をいたし ます。まず副題ですが、前回もご議論いただきまして、「働く力」というような表現を入 れたらどうかという意見もありました。ここも、後ほど各委員からさらにご意見を頂戴し たいと考えておりますが、とりあえず、前回と同じ文言にしてあります。  4頁ですが、右側に縦の線が入っている部分です。そこは玄田委員から、「現場力」と いう言葉をどこまで考えるかということで、議論のあった部分です。私どもとしては、あ まり広く捉えるよりも、普通の現場、いわゆる企業の中の事業所などの現場ということで 考えるのがいいのではないかということで、「ものづくりの現場をはじめ様々な現場にお ける実践的な経験に裏打ちされた技術・技能及び問題解決能力や管理能力」というような 表現にさせていただきました。  8頁。第3部の1ですが、下から2行目、「第三に」というところです。ここについて は、職業キャリア形成の今後の取組の問題について、「キャリア権」という言葉に関し、 鈴木委員からの指摘をいただいたところであり、御議論もいただきまして、キャリア権と いう言葉は使わないようにしていますけれども、平成13年の法改正の中で、そういった 思想をすでに取り入れているということを踏まえまして、「今後、職業キャリア形成支援 施策を能力開発の中心的な柱としていく上での理論的な面からの根拠付けや整理が求めら れる」というような表現にしています。  それから、2の(1)の「働く者」に対する職業キャリア形成支援政策の推進というと ころです。ここは前回は1(○の中に1)〜5(○の中に5)という形で、若者ですとか、 キャリアを中断している人を含めて、どこまでを対象とするべきかという議論をいただい たところです。それについては、今回、計画で全く新しく、雇用労働者以外の者に踏み出 すというようなことでは必ずしもないわけで、すでに職業意識啓発として、先ほど出てき た、私のしごと館でやっている事業、あるいはニート対策としての若者自立塾というよう に、それぞれ施策について、すでに取り組んでいるところです。そのようなことを踏まえ て、今後、雇用労働者に対する施策に限らず、幅広く、職業キャリア形成支援をさらに進 めていくという書きぶりで、1(○の中に1)〜5(○の中に5)という形で定義づけを するような形ではなくて、文章の中で書き込むように変更しております。  次は18頁です。ここは、働く者の職業生涯を通じた持続的なキャリア形成への支援の 中の準備期における支援ということで、若者に関する記述です。ここは、前回ご指摘いた だいた部分ではないのですけれども、昨年末にいただきました建議で、いちばん後ろのほ うに、今後の検討課題をいくつか書かせていただいていたのですけれども、そこで、若者 に対する取組についての記述がありましたので、そこをできるだけ忠実に、そういった表 現を取り込んだ施策を書くという形で整理をさせていただいております。ですから、線が 引いてある部分からなのですが、「このため、『若者の人間力を高めるための国民宣言』 が出されたことを踏まえ、若者が人間力をみがき、発揮することを通じ、職業人として自 立できるよう、次の施策を講じる。」ということで、「1(○の中に1)小中高校、大学 のそれぞれの段階において、職業との触れ合いや職業意識の啓発を通じ、働くことの理解 を深めさせ、生きる自信と力をつけさせる。」、具体的には以下は、前回書いてあった部 分ですけれども、そういったようなものを取り込んで2、3(○の中に2、3)について も、建議の内容を書いています。  次が20頁です。ここは、江上委員からご指摘がありましたけれども、「創業サポートセ ンター」にかかる記述のところで、新たなビジネスチャンスに加えて、自己の能力発揮の 場を求めて積極的に転職や起業を志すということを追加しています。  22頁です。一番下、玄田委員、今野分科会長をはじめ、いろいろな方からご指摘をいた だいた、「非正社員」に対する取組の部分です。玄田委員から、いずれにしても、非正社 員というのは、いろいろな対応があるので、その辺をよく把握して対策を講じていくべき ではないかというご指摘がありましたので、それを踏まえまして、「『非正社員』の勤務 実態及び職業能力開発の在り方については、本人及び企業のニーズが様々であることから、 今後、国においてそれらをより詳細に把握した上できめ細やかな施策を検討する必要があ る。」と書き替えています。  32頁です。(6)施策の周知・広報というところです。ここは草浦委員から、「あっさ り書き過ぎている」というご指摘をいただいたところですので、現在行っている、「職業 能力開発促進月間」、「技能の日」といったような諸行事を活用するとともに、「施策ご とにポスターやリーフレットの作成、ホームページの活用を実施して」、というような記 述も加えました。また、「今後、能力開発に対する関心を高め、理解を深めるとともに、 制度や各種支援策の活用を図るためには、「2007年ユニバーサル技能五輪国際大会」など 各種技能競技大会を積極的に活用するほか、施策に関する各種の情報について、企業や働 く者が利用しやすいものとなるように提供することが重要である。」と書き足しています。  細かい文言の修正は、その他いろいろありますが、大きく段落的に変更を行った、ある いは、議論があったところでの修正は概ね以上です。よろしくお願いいたします。 ○今野分科会長 ありがとうございました。ご意見、ご質問よろしくお願いします。 ○江上委員 概ね理解しておりますが、ちょっと些細なことなのですけれども、9頁の2 の(1)で、政策を対象にする人をいま行っている政策も含めて書き直していただいたと ころですが、2段落目の「今後、人口減少社会が到来しつつある」というところで「経済 社会の活力の維持・向上」と書いてあります。次にも、「多様な人材1人1人が就業する ことを通じて、経済社会の発展に寄与できるよう」と書かれてあり、「経済社会」という 言葉が続き過ぎるなという感じがします。特に今回はやはり、豊かな国づくり、豊かな社 会、豊かな地域と、非常に包括的なコンセプトもありますし、国でもサステーナブル(持 続可能)な社会といろいろ言っていますので、経済だけではなくて、豊かな社会とか、少 しそういうニュアンスも含めたほうが、より膨らみがあるかなと思います。 ○今野分科会長 それではそういうことを考慮して、また文言を考慮していただきたいと 思います。他にございますか。 ○鈴木委員 32頁に書かれてある「雇用保険三事業として実施されている事業については、 『PDCAサイクル』による目標管理を行っており」云々ですが、このPDCAサイクル による目標管理というのは、別に雇用保険三事業にかかわらず、全てに対してこういう取 組姿勢があってもいいのではないか。これは意見ですが、そういう印象を持ちます。 ○今野分科会長 では、これについての内容自身は問題ないと。 ○鈴木委員 問題ないのですが、なぜ、ここだけ「さらに」と取り出しているのかなとい う、違和感があります。 ○今野分科会長 なるほど、どうですかね。 ○杉浦総務課長 ここの段落では、全体が政策評価を通じた効率的な施策ということで、 その上に書いてあることは、政策評価のシステムに基づいてやっていくということが書い てあるのですが、それでに加えて、現在やっていることでもありますので、書き加えたと いうことです。もちろんそういった視点で、行政全般を見ていくということは重要だと考 えますので、表現は工夫したいと思います。 ○佐藤委員 特に内容について、よくやってくださってありがとうございます。1点、こ れは直しようがないのですが、4頁での正社員の定義なのですけれども、ここは雇用期間 に定めのない者を正社員と書いてあるのですけれども、雇用期間の定めの有無で、正社員・ 非正社員を区別するという議論については、実態はどうなっているかというと、いわゆる パートタイマー等、正社員ではないとして企業が雇用している者の中に、雇用期間の定め ない者というのが3割から4割います。他方、働いている人が自分は正社員だと思ってい ても、例えば、雇用期間に定められている人が5%ぐらいいるのです。だから、実際上、 企業が正社員、パートだというふうに雇用管理していることと、雇用期間の定めそのもの が実態は対応していないのです。ですから、ここを「定めがないと正社員だ」と言うと、 厳密に言うと、いわゆるパート社員の中でも雇用期間の定めがない人がいると。派遣もそ うですね、正社員派遣もありますから。実態はそうだということがあります。そこは非常 に難しいところです。 ○今野分科会長 「いわゆる」正社員ですよね。 ○佐藤委員 「いわゆる」正社員ですよね。難しいのはよくわかるのですけれども。パー トタイムの就業期間実態調査の個人に、雇用期間の定めはありますかと聞くと、3、4人 はないと答えます。たぶん、実際もそういう雇用管理は行われているのだと思います。そ ういうパートタイマーはたくさんいるのです。 ○今野分科会長 とりあえず今回はこれでいいですか。 ○佐藤委員 ただ、実態はそういう状況であるということです。 ○今野分科会長 副題はどうですか。ずっと懸案事項なのですけれども。前回は小栗委員 から御意見を頂戴しました。 ○小栗委員 やっぱりもうちょっとではないかなと思います。「人を育てる」というと、 やはりカテゴリーが広過ぎて、第8次職業能力開発基本計画の心意気みたいなものが少し 示されていないと私は思うのです。人ではないような気がして、もうちょっと絞り込んだ 表現が何かないかなという意見は相変わらずあります。 ○今野分科会長 前回は何とおっしゃいましたか。 ○小栗委員 「働く力を育て、活かす仕組みを作っていく」というニュアンスでどうかと 提案しました。「人」というところがあまりにも漠然とし過ぎていて、教育だったり、環 境だったりいろいろですから。最後の最後に咎める気はないですけれども、せっかくだか らピカッと光るものを作っていただきたいなという意見です。 ○今野分科会長 いかがでしょうか。 ○谷川委員 世代みたいなものはあえて取り上げないということなのでしょうか。例えば、 「若年層の職業キャリアの何々と、それを育てる環境の再構築」等とすると、もう少し絞 込みはできるような気がするのですが。いま一番問題なのは、90年代の終わりぐらいから、 以前、議論にもありましたように、若者がフリーターになっていることがかなり大きな問 題だと思いますので、それにスポットを当てるか、あるいは技能の継承、2007年問題の団 塊の世代などにスポットを当てるか。いまの副題だと、若干印象的に絞込みがされていな いような感じがするのですが、次代を担う若者を育てようということは、若者が将来元気 よくやれる社会を目指そうと。結果として、たくさん赤ちゃんが生まれてほしいというこ とで。そういう感じはするのですが。 ○今野分科会長 谷川委員は「働く力」以上にもっと対象を絞れという、そういうご提案 ですよね。 ○谷川委員 提案というよりスタンスははっきりしたほうがわかりやすいのではないかと いうことです。みんなそれぞれの世代に問題を抱えていることは認めますので、その中で も、5年間何に絞って行っていくのかということをはっきりさせたほうが、訴えかけやす い。中高年も大問題を抱えていますので、60歳代前半については企業的は一生懸命やりま すけれども、どんどん若手に場所を譲らないといけないという問題も抱えています。 ○佐藤委員 反対ではないのですが、基本計画の内容がかなり広いので、その副題では少 し狭くなってしまう気がするのです。ただ、副題としては今の副題は長いという気がして います。「『人を育てる環境』の再構築」だけでもいいという気もするのですが、玄田委 員は「持続的」が大事だと言われる。そうすると「職業キャリアの持続的発展の実現『と』 「人を育てる環境」の再構築」の『と』が気になるのです。副題の副題として、というの は変ですけれども、コロン(:)か何かにして、「職業キャリアの持続的発展の実現: 『人を育てる環境』の再構築」にするというような感じではいかがでしょうか。 ○今野分科会長 「と」ですね。 ○佐藤委員 副題の副題みたいになってしまいますけれども、コロン(:)か何かにする。 だから、「職業キャリアの持続的発展の実現」ということで、それは具体的には人を育て る環境を再構築をしていくのだ、というふうに。「と」とすると2つのことをするような 感じで気になります。でも、たぶん同じことを別の側面から言っているのだと思うのです。 副題の副題みたいではないかと、読んだ感じはします。であれば、そういうメッセージを 出したほうがいいと思います。 ○今野分科会長 内容的には「と」ではなくて「ための」なのですかね。 ○江上委員 谷川委員がおっしゃったように、若年層に焦点を当てるという考えもあると 思うのですけれども、やはり、今回は個人に軸足を移す。そこから若年者も高齢者も障害 者も女性も全員参加で、働く力を発揮するんだということが、非常に大きなメインのコン セプトになっているのではないかなと思います。そういう意味で、今までの大転換だと思 うのですが、やはり非常に国民的にはわかりやすいタイトルということで、先ほどおっし ゃった「働く力を活かし育てる仕組みの再構築」というのは、すごくいいと思います。副 題に「職業キャリアの持続的発展を実現する」と付けるととてもいいかなと思います。 ○今野分科会長 前回「活かす」は安定行政的なので除こうかという話になったのですよ ね。 ○江上委員 そうですか。 ○今野分科会長 いま、江上委員が言われたことをもう一度確認すると、「働く力を育て る環境の再構築」としておいて、その副題として「職業キャリアの持続的発展の実現にむ けて」とか、そういうふうにするということですか。 ○佐藤委員 「実現のために」ということですか。 ○今野分科会長 内容的には「実現のために」という感じですね。  要するに第8次職業能力開発基本計画というのはメインタイトルではなく、ただ、扉に ついていると。メインタイトルが「働く力を育てる環境の再構築」等となるわけですね。 ○佐藤委員 そのほうがいいかもしれませんね。 ○今野分科会長 そういうことですかね。それがいいかもしれないです。最後は、決めう ちなので、いろいろご意見いただいたので、あとは、ご相談させていただいて決めうちで いきましょう。 ○山野委員 32頁なのですが、先ほど鈴木委員から職業能力開発政策のうち、雇用保険三 事業については、PDCAサイクルによる目標管理を行うと書かれてあって、そこに、あ えて雇用保険三事業を入れる必要はないというようなご趣旨のご発言があったと思うので すけれども。 ○鈴木委員 そういう意味ではなくて、PDCAというのは、すごく大事なことだから、 それに、雇用保険三事業はもちろんですが、すべての施策に渡って、PDCAをやったら どうかと、こういう意見です。 ○山野委員 でもそこに、雇用保険三事業というのは、入れていただいたほうが私として は大変はっきりするかと思います。 ○上村職業能力開発局長 鈴木委員がおっしゃったことは雇用保険だけではなくて、全体 もこういう考え方で行ってもらいたいということなのです。 ○鈴木委員 そういうことです。 ○上村職業能力開発局長 ですから、さらにというか、特に動いていることを強調して、 ここに書いたのです。 ○鈴木委員 今の文案では、雇用保険三事業だけ取り出しているみたいなので、そこだけ 少し気になりました。それだけのことです。 ○今野分科会長 「さらに」という表現が、ということですね。実態としては、雇用保険 三事業以外の事業についてのPDCAはしていないということですか。 ○鈴木委員 そういうふうにも読めてしまいますよね。 ○杉浦総務課長 その上のほうに政策評価について記述していますが、そこでも、来年度 の予算を作る段階において、どのぐらいのものというのを作っていることは事実なので、 あまり、仰々しくPDCAでやっていますという言い方はこれまでしてきていませんでし た。特に政策評価のほうは、実績をよく評価しろということにウェイトが置かれていって いますので。思想としては、その流れが入っていると思いますけれども、PDCAでやる というような言い方は、特に雇用保険三事業のほうで言い出したものですから、そこをち ょっと強調して書いた形です。 ○今野分科会長 一般論としては、どのような政策でもどんな事業でもPDCAは行って いるのですよね。 ○杉浦総務課長 そのとおりです。 ○今野分科会長 では、その辺は表現を工夫していただきます。 ○鈴木委員 ちょっと1カ所気になったので確認なのですが、8頁の中ほどのところです。 「多くの場合、上司、同僚、後輩との切磋琢磨」という言葉が出てくるのですが、同僚後 輩との切磋琢磨というのはあるのでしょうけれども、上司との切磋琢磨という言い方はす るのでしょうか。そこは読んでいて、ちょっと引っかかったのですけれども。いまはそう いう時代なのかなとも思うのですが、ちょっとここがひっかかりました。 ○今野分科会長 「職場での」切磋琢磨ですね。 ○佐藤委員 内容的には「職場での」でいいのではないでしょうか。上司であるかどうか は思う人は思えばよいということで。 ○半田キャリア形成支援室長 いまの点に関して1点だけ事実をご報告しておきます。キ ャリア・コンサルティングの普及促進のための様々な導入展開事例の研究を、16年度17年 度とやってまいりました。その中で、企業内におけるキャリア形成支援において、キャリ ア・コンサルタントの役割も重要なのですが、実は、上司の役割も極めて重要であると。 そういう結論が出ていまして、そういう報告書もまとまっています。ということも少しご 参考に申し上げておきます。 ○佐藤委員 普通は切磋琢磨は、同レベルの人が使うのですよね。まあ、管理職も部下も 同レベルだと思えばいいのですか。 ○今野分科会長 「職場での」とすれば問題ないと思います。ほかにございますか。 それでは今日ご意見いただいた内容を踏まえて、修正していただきますが、基本的な内容 については、ご同意を頂いたということにさせていただきます。修正内容については、あ らためて事務局から各委員にご連絡を申し上げて、ご説明をさせていただきたいと思って おります。その後のスケジュールをご説明いただけますか。 ○杉浦総務課長 これまで何回もご議論いただきまして感謝しております。いま分科会長 のお話にありましたように、一応実質的な内容については、今回でご議論をまとめさせて いただくということにさせていただきまして、次回の手続きとしては、この計画自体をこ ちらのほうから諮問をしまして、労働政策審議会へ報告し、労働政策審議会としての答申 をいただく手続が必要になります。その時期は、私どもとしては、来年度からの計画です ので、できるだけ早くやりたいとは思っていますが、実は、この計画の案文の中に、いま、 国会に提出している職業能力開発促進法等改正法案にかかる内容が随所に触れられている ところでございまして、そこは、法律案というような書きぶりになっています。今後5年 間の計画でもありますし、法律が通った上で、それを前提として施策ということになりま すと、その法律が成立したところで、手続的には確定して諮問・答申をいただくというこ とが適当ではないかと考えております。前回、平成13年の場合にも、これは4月だった のですが、国会で法案が成立した後、諮問と労働政策審議会の報告が行われているという ような手続になっておりますので、国会の審議状況は未定ですが、法案が成立したら、で きるだけ速やかに一度、分科会を開かせていただいて、諮問させていただくという段取り でやらせていただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。 ○今野分科会長 今後のスケジュールですが、この点について何かご質問はありますか。 よろしいでしょうか。それでは今日はこれで終わりたいと思います。議事録の署名ですが、 本日は労働者側委員は小栗委員、使用者側は鈴木委員にお願いをしたいと思います。それ では、今日は終了いたします。ありがとうございました。 【照会先】厚生労働省職業能力開発局 総務課 企画係 (内5313)