資料1

看護基礎教育の充実に関する検討会について


1.検討会開催の趣旨
 急速な少子化・高齢化の進展や疾病構造の変化、国民の医療に対するニーズが多様化・拡大する中、患者の視点に立った安全・安心で質の高い医療の提供が求められている。同時に、患者・国民自らも積極的・主体的に医療に参加できるよう、看護職員には、患者・家族との十分なコミュニケーションによる適切な医療の選択の支援、在宅医療の充実による患者の生活の質の向上を支援すること等が求められている。
 また、健康フロンティア戦略はもとより、介護保険制度の見直しや、平成17年12月に政府与党合意された医療制度改革大綱にも示されているように、介護予防と生活習慣病予防が、これまで以上に重視されている。看護職員には施設内のみならず、地域社会の保健福祉分野でもマネジメントやリーダーシップ機能を発揮し、保健指導や予防対策を推進する役割を担っていくことが期待されている。
 一方、新卒看護職員の多くは、看護基礎教育終了時点の能力と看護現場で求められる能力に大きなギャップがあり、医療事故等への不安を抱えている。また、新卒看護師が就職時に一人でできるという看護技術が少なく、看護に必要な能力が身についていないとの指摘もある。
 看護をとりまくこれらの状況の変化を踏まえて、既に「新たな看護のあり方に関する検討会」報告書(平成15年3月)においては、看護職が時代の変化と要請に応え、その役割と責任を果たしていくためには、今後ますます、看護師等の判断力や責任能力を向上させるとともに、豊かな人間性や人権を尊重する意識の涵養等が求められており、看護師等の養成のあり方についての様々な課題に取り組んでいく必要があると指摘されている。特に、学生の看護技術の実習の範囲や機会が限定される傾向にある中で、学ぶべき知識・技術が増大していることから、看護基礎教育の内容を充実させること等が提言されている。
 さらに、医療制度改革の一環として、医療提供体制のあり方を議論するにあたって提示された「医療提供体制の改革のビジョン」(平成15年8月 厚生労働省)において、医療を担う人材の確保と資質の向上を図る観点から、看護については、看護基礎教育の内容を充実するとともに、大学教育の拡大など、看護基礎教育の期間の延長について検討を行うこととしているところである。
 そこで、前回のカリキュラム改正から10年経過したこともあり、国民の看護ニーズに的確に応えられる看護職員の養成のあり方について検討し、看護基礎教育のさらなる充実を図ることを目的に本検討会を開催する。

2.検討課題
 ○ 看護をめぐる現状と課題
 ○ 期待される看護とあるべき看護基礎教育のあり方
 ○ 保健師・助産師・看護師教育の到達目標と教育課程

3.スケジュール
 ○ 平成18年12月を目途に10回程度開催する
 ○ 必要に応じてワーキンググループでの検討を行う

4.検討会の位置づけ
 ○ 厚生労働省医政局長が有識者の参集を求めて開催する
 ○ 庶務は厚生労働省医政局看護課において行う

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