06/02/23 第3回運動指針小委員会議事録 第3回運動指針小委員会             開催年月日:平成18年2月23日(木)             場  所 :厚生労働省専用第21会議室  中野補佐 おはようございます。定刻になりましたので、ただいまから第3回運動推 進小委員会を開催させていただきます。鏡森委員からは出席といただいておりますが、 まだ到着が遅れているようですが、お時間になりましたので、始めさせていただきます。 なお事前に、御欠席の連絡をいただいておりますのは、宮崎委員、吉池委員からでござ います。  次に本日の配布資料の確認をさせていただきます。まず最初に議事次第、委員名簿、 座席表に関するホチキスどめのものがございます。その次が資料1の冊子のホチキスど めでございまして、26ページまでです。参考資料でございますが、前回1月19日に行 われました第2回の運動所要量・運動指針の策定検討会の資料一式でございます。  一応本日の資料に関しましては、以上でございますが、もし不足、落丁等ございまし たら事務局までお申しつけください。よろしいでしょうか。  それでは早速議事に入りたいと思いますが、以後の進行を太田座長にお願いしたいと 思います。太田座長よろしくお願いいたします。  太田座長 それでは議事を進めたいと思います。よろしくお願いします。今日の議事 であります、健康づくりのための運動推進の案につきまして事務局及び下光委員より御 説明をお願いする予定です。ではまず事務局からお願いします。  中野補佐 まず資料といたしまして、お手元に配布いたしました資料1と参考資料両 方をごらんいただきながら、説明させていただきたいと思います。前回の第2回の運動 指針の小委員会で提出いたしました資料が、参考資料の39ページ、後ろの方、最後の資 料となっておりますけれども、そちらの方に前回の方は載っております。一応前回、こ ういった参考資料2のところで、39ページからの部分についての骨子案について、御提 出させていただいたところです。この骨子について御了解をいただいたということでご ざいます。  今回、事務局から提出させていただきました資料1でございますが、まず1ページ目 をお開きいただきますと、目次ということで、前回とは少し異なる点に関しましては、 2番目の策定にあたっての考え方を、1つの「はじめに(策定の趣旨)」というところ にまとめさせていただきました。2番目に目標の設定というものを新たに組み込ませて いただきました。  そして参考資料については少し修正させていただいておりますので、後ほど説明をさ せていただきます。  そして続きまして2ページ目でございますが、はじめにということで策定の趣旨。こ ちらの方は、本指針は、健康づくりのための運動基準2005に基づき作成されたものであ って、少なくとも1つの基準をまず最初に個々人の目標に設定をして、その基準を達成 することで生活習慣病を予防するということを目的として作成されているということを 書いております。  またこの指針では次の2つ目の○でございますけれども広く国民に向けて発信するも ので、対象は健康な方、あるいは健康審査において軽度の異常があり、生活習慣の改善 が指摘されているという方々を対象にしているということを書いております。  3ページ目でございますけれども、目標の設定、今回は新たに前回の考え方に追加し た部分といたしまして、先生方の意見の中にもありましたが、国民がこれを見るという 視点に立ったときに、実際に使ってみてもらえるような指針にしなければならないだろ うということで、一体自分がどういう目標を設定すればいいのかというのを、この指針 を見てわかるような形にしておかなければならないのではないかということで、個人が 目標設定できるために、少し工夫をさせていただく枠を設けさせていただきました。  それで表題としては、「身体活動で?それとも、運動で?−あなたの目標を知りまし ょう−」というメッセージを投げかけつつ、今回運動所要量が平成元年のものを改定し て、生活習慣病の予防を目的として、健康づくりのための運動基準2005を策定しました。 新しい基準では運動の基準値に加えて、身体活動の基準値等を示しております。身体活 動とはあまり聞き慣れない言葉なんですけれども、エネルギー消費を伴う体の動きを意 味しているということです。運動のみならず、日常生活活動における労働、家事、通勤、 通学といったものが含まれているということを説明しております。  そういったことで、今回は運動と身体活動ということで、2つの基準を示しておりま す。そのうちのどちらか1つをまずは満たしていくということで、「まずは」、という のが、1つのポイントではあるんですけれども、どちらか一方をまずは満たしていただ くということを推奨していくということです。  そのためにはまず、この下のフローチャートを試してみて、目標を設定してみましょ うということです。その下にフローチャート、今後もう少しわかりやすく示していく予 定なのですが、自分の身体状況の把握を1番ということ。身体活動運動の状況の把握と いうことで、今回新たに考え方としては、1METs・時というのがなかなかわかりにくい という御意見も多々ございました。  そこで専門家向けには、この1METs・時でいくということでございますけれども、国 民に対してはわかりやすくするために、この1METs・時というものを1個という考え方 で整理をさせていただいて、統一をしてわかりやすくしていきたいということです。  例えば運動基準を例に1日3個の身体活動、1週間に23個、ただ23個というのがな かなか割り切れないので、1日当たりにすると3個から4個なのですが、一応約3個の 身体活動。あるいは週に4個の運動ということで基準を満たしていくということです。 あなたは何個動いていますかということで、そういった下の図のような形で、1日に3 個どれを選ぶか。今実際に運動しているか、あるいは下の項目の中で、実際に運動を4 個しているかどうか、そこをまず自分なりに日常生活を思い浮かべていただいて、把握 をしていただくというようなことで考えております。  4ページ目でございますが、ここでその例示としまして、1個の身体活動、あるいは 1個この運動の内容と必要時間を以下の表に示しました。例えば主婦の方で毎日買い物 への行き帰りで20分歩いて、床を20分掃除して、子供と20分遊ぶということで、1日 3個、それぞれ20分ずつの項目で1個ずつということで数えると3個身体活動を行うこ とになりますので、身体活動の基準を満たすことが可能である。  また運動の部分では20分のテニスを週1回。これは10分を2個行うということで、 20分なんですけれども、また15分の速歩を週2回。これを15分のものを2個行うとい う考え方なんですけれども、そういったことを行う方は、週に4個の運動を行うことに なりますので、運動基準を満たすことができるということです。下の方に1個に相当す る身体活動と、運動の活動の内容と時間を例示しております。  それによって、この例を増やしていくかどうかということもございますが、できるだ けわかりやすく換算させていただくというような方向で考えてみました。  それで「あなたは、どちらでこの基準を満たしますか?御自分の目標を考えてみまし ょう」ということです。  その次のページに参りまして、5ページ目でございます。その次に生活習慣病予防の ために、身体活動か運動かの選択ということで、実際に自分の状況が把握できたわけで すので、健康づくりの運動あるいは身体活動の基準を満たしていますかというときに、 はいという方については左側に行っていただいて、現在の身体活動、運動量を保ちまし ょう。また体力に合わせて運動を増やしていきましょうということです。  また、いいえ、満たしていない方に関しましては、今後運動はできそうですかという ことで、運動を選ぶか身体活動を選ぶかということをチョイスしていただいて、はい、 という方に関しては、これは前のものをコピーしてしまいまして、抜けているのですが、 身体活動を増やしつつ、運動を始めましょうということで、今新しいものを用意できな かったのですが、身体活動を増やしつつというのを頭に加えて、運動を始めましょうと いうメッセージを投げかけます。  また運動できそうですかに、いいえの方に関しましては、身体活動量を増やすことか ら始めましょうというような形で、それぞれ皆さん、身体活動か運動かを選択していっ ていただく。基準を満たさない方については、そういったことでやっていただくという ことにしております。  そして3番目ということで、必要な身体活動量と運動量はどのくらいなのかというこ とで、ここでは個数の概念で、運動なら4個から今の自分の状況を引く。また身体活動 であれば23個から自分の個数を引く。その数だけ実施を、1週間当たりしなければなら ないということがわかって、それを実際に実施をしていくというような流れで考えてい ます。  これで3つの軸があったのですけれども、身体活動と運動だけですので、その下にな お書きで、体力のところについての基準にも触れております。この基準には、身体活動、 運動のほかに体力の基準も示されています。体力を強化し、高い体力を維持することに よっても生活習慣病が予防できます。運動の実施方法や効果は個人の体力レベルに応じ てさまざまあり、体力には個人のレベルに応じた強度の運動が必要です。体力を測定す る機会のある方は、運動の指導者と相談した上で、指針の体力に合わせた運動プログラ ムを作成し、体力アップを目指しましょうということで、体力についてもここで紹介さ せていただいております。  そういったことを今回新たに大きなフレームとしてつけ加えてさせていただきました ので、御意見をいただきたいと思います。  そして次の6ページ目からは、これまでの骨子のところを修正させていただいたとこ ろでございます。3の運動指針ということで、これは参考資料41ページ目からを以前と 比べていただく場合には、参考にしていただければと思います。  前回のところでは具体的には、こういった○の3つの項目があったのですが、幾つか 委員から御意見もございましたので、今回は複数案出たものについては、案の1、案の 2、案の3という形で御提示させていただきました。  次の7ページ目でございますが、ここから中身に入っているわけです。今回の案の1 の前に参考資料のところの41ページのところで、前回は「歩こう、一日一万歩!」とい うことで身体活動の目標をスローガンとして掲げておりました。  ただ歩こうということであると、分けて歩いてもよいという観点がなかなか伝わらな いのではないかというような意見がございまして、少し分けるということで、「朝に、 昼に、晩に歩いて」という、分けてもいいということをメッセージとして伝えるために、 分けて提示したのが案の1でございます。  さらに、案の2にはそれにさらに楽しくということもつけ加えた方がいいのではない かということで、長くなってしまうので、「いつでも、どこでも、楽しく歩こう、一日 一万歩!」というような形で、案を示させていただいております。  そして解説の部分でございますが、最初の解説のフレームは大きくは変わりませんが、 真ん中にサブのスローガンを掲げております。これは運動に対してネガティブな人への メッセージを入れた方がいいのではないか。伝えた方がいいのではないかという御意見 もございましたので、ここで考えたのは「今からでも遅くないよ、活動的な生活で人生 を活性化」というようなメッセージをここに載せて、これまでの種々の研究によって、 高齢になってから活動的になっても、健康に対する効果が得られるということが明らか になっていると。これから始めるのは既に遅過ぎるというお考えの方や、体を動かすこ とは健康に有益であると知っていても、苦手とか嫌いとか挫折感を味わったといったこ とで、否定的な感じをお持ちの方についても、今より少しだけでも体を動かして、健康 づくりを試みてくださいというようなことです。体を全く動かしていない人はというこ とで、徐々にハードルを上げていくということ。歩行に限らず、庭掃除とか洗車といっ たものを例示として挙げさせていただいております。  次の段のヒントについては前回と同様で、少し委員からの意見もございましたので、 例えば7番目に休日ショッピングに出かけたり、史跡を訪ねるなど、積極的に外に出て という項目を入れたり、前回の意見を少し加えさせていただいて修正をさせていただい ているところでございます。  次の8ページですが、こちらは運動のスローガンです。運動に関しては前回は「運動 もバランス良く」という標語を考えさせていただいたところでございますけれども、バ ランスというのはなかなかわかりにくい言葉で、一般の国民から見たときに、どうとで もとらえられるのではないかということで、なおかつ量という観点で、どれだけやれば いいかという目安もなかなかわかりにくいのではないか、という意見がございましたの で、今回は、「運動でいい汗かこう、週合計60分」ということで、合計60分というと ころについての数量的なところを掲げさせていただいております。  今回はそういった意味で、健康づくりの運動基準として1日3個の身体活動、週に4 個の運動ということで推奨しているわけですけれども、運動について、こういった週60 分の中で、週1回1時間でもいいですし。週2回30分でも、週3回20分でもさまざま なスケジュールで行うことが可能ですということを、この解説のお伝えさせていただく ということです。分けてもいいですというメッセージも、解説のところでございますが、 挙げております。  続きまして、サブテーマ、サブスローガンということで、運動の効果である爽快感と か達成感、そういったメッセージを盛り込むような必要もあるのではないかという御意 見もございました。そういったことで、「運動後、体調・気分は良い感じ」ということ で爽快感をこの中で盛り込みながら、運動にいいイメージを持っていただいて、より取 り組んでいただくように働きかけていくようなことで考えております。  ただここでは有酸素性運動についての必要量が、運動基準で量的に示されたわけです けれども、そういったことだけではなく、レジスタンス運動ということについても、定 性的ではございますが、重要性が明らかになっていますので、そういった意味で、スト レッチングあるいはレジスタンス運動、そういったものについても働きかけをして、バ ランスよくというのは、解説の中の3つ目のフレーズの最後のところに、「運動も食事 摂取と同様に、いろいろなタイプの運動をバランス良く行うことが理想的です」という ことで、解説の中に盛り込ませていただいております。  もう1つのサブスローガンということで、「ストレッチングで怪我しらず」というこ とで、今まで運動、身体活動ということについては話をしておりますけれども、準備運 動、整理運動というのが、なかなかきちんとした形で伝えていないところもあるのでは ないかということで、このサブスローガンで、ストレッチングというものを普及啓発し ていこうということで、スローガンとして掲げさせていただいております。  続きまして9ページでございます。運動基準の体力の部分については前回のスローガ ンにはなかったところです。どちらかというと、運動のところに入っていたものを今回 の運動基準が、3つの軸から決められたということで、1つ特出しとして考えてみまし た。ただ案の中、ごらんいただきましたように、案の3ということで、今までどおり運 動の標語の中に整理しているという御意見もございましたので、そういった3つを並べ させていただきました。  1つは「個人の体力にあった運動強度で、確実に体力アップ」ということで、考えさ せていただきましたが、なかなか強度という考え方がわかりにくいという御意見と、少 し長目ではないかという御意見もあったので、代案として案の2ということで、「自分 にあった運動の強さで、体力アップ」という御意見も出ていました。  またそれ以外にも御意見、本日もあるかと思いますけれども、今事務局で先生方の御 意見も踏まえて考えさせていただいたのが、以上でございます。そういった案の3つを 並べさせていただきました。  解説といたしましては、運動基準では体力の基準として、性、年代別の最大酸素摂取 量の基準値が示されています。基準値に満たない方は、基準値に達するように運動をし ましょう。また基準値を満たしている方も、それ以上の体力になるように運動しましょ うということです。  あとは運動の指導者と相談をして、適切な運動プログラムを組むことで、確実に体力 アップを図ることが可能です。ここでは客観的に指導者がいなくてもわかるようなとい うことで、「ご自分が『かなり楽である』と感じる強度の運動から始めて、慣れてくれ ば『ややきつい』と感じる運動を選ぶようにしましょう」ということで、指導者がいな くても、とりあえずはまずできるものということで、ここに書かせていただいておりま す。  「普段の歩くスピードが速くなったり、階段を登ることが楽になるなど、体力の向上 を自覚することができます」というよい結果が出ますということも、ここで書かせてい ただきました。  また「ご自分の体力を知りたい方は公営・民営のスポーツクラブ、体育館など最大酸 素摂取量を測定できる施設で測定してもらいましょう」ということで、測定についても どういったところでできるかという場の紹介もさせていただいております。  サブスローガンとしましては「筋力アップで若さを維持しよう」ということを、筋力 アップの部分で提示させていただいております。これに関しまして、筋力を日本人の年 代の平均値以上に保つということが、運動基準で推奨されているわけですが、自体重を 利用したレジスタンス運動によって筋力アップをして、そして活力、若さを維持増進し ていくということを目指しましょうということです。最後の参考資料というところの方 の6番と7番に御提示させていただきました。本日久野委員から御提出いただいたので すが、自分でできる筋力の判定法や、あるいは日本人の筋力の平均値、そういったもの をお示しさせていただいておりますので、それをもとに自分の筋力アップに活用してく ださいという形で、今の構成はさせていただいております。  参考資料のところの内容が、国民の指針の中で合うかどうか。あるいは内容がもっと いいものがあるかどうかということも、また御意見をいただければと思っております。  本文は以上でございますが、参考資料ということで、10ページ目からいろいろと事務 局あるいは一部の委員の先生方と御相談させていただきながら、資料を御提供いただき ながら、つけ加えさせていただきました。これについてもこういったものはいらないと か、いる、もうちょっと別のものがあるのではないかとか、こういうふうな工夫をした 方がいいのではないかという御意見もいただきたいと思っております。  1つは、最初の方は身体活動と運動と体力の関係についてわかりにくいという意見も ありましたので、ここで生活習慣病の発症、死亡という観点から、この身体活動量、運 動量、体力レベルというのが、それぞれ独立した形のファクターで、因果関係があった というようなことで、それをもとに運動基準がつくられており、その運動基準をもとに 今回の指針が示されております、ということをここで、イメージ図として提出させてい ただきました。  続きまして、11ページからは今回の個々人のライフスタイルに応じた量の目安を簡単 に計算できるという必要があるのではないかということで、身体活動と運動のそれぞれ の種目別の時間、個数、活動内容、そういったものについての職業別や休日とかいろん なパターンをお示ししながら例示をさせていただいております。それが次のページの中 段までございまして、12ページは運動の例でございます  そしてレジスタンス運動の一覧ということです。これは今後絵でも解説する予定です が、こういったレジスタンス運動がありますということを例示させていただきつつ、今 後安全への配慮についても、追加して書いていくべきではないかという意見もございま すので、そういった意見も取り入れていきたいというふうに考えております。  13ページ目からでございますが、こちらは準備運動、整理体操の一覧ということです。 今回運動、身体活動、体力というところにはなかなか乗ってこないけれども、やはり必 要だ、エビデンスはないけれども必要だということで、今回はストレッチ、あるいは徒 手体操、そういったものを、これは多分もうちょっと言いかえて国民にわかりやすいよ うな形にしていかないといけないと思いますが、まだ例示ですので、ぜひ御意見を幾つ かいただいていいものにしていきたいということです。今は、どの部位をストレッチン グするべきなのかという例示を示している段階です。  次の14ページ目からでございますが、身近な人を例にした身体活動・運動(例示)と いうことで、個々人の運動歴とかライフステージ、いろんな状況に応じて、運動・身体 活動の具体的な例示をさせていただくということを、ここで盛り込ませていただきまし た。  前回は最初のフレーム、最初のタイトルだけだったのですが、今回は少し先生方の御 協力もいただいて、具体的に実際にあった例を少し脚色させていただいて、作成させて いただいたところでございます。  まず1つ目は18歳の受験生の男性ということで、『運動でこころもカラダもリフレッ シュ!』という表題で、ここ見ればどういう内容が書いてあるかというのが簡単にわか る形です。自分がどこを見ればいいのか、簡単にわかるような形で、表題、タイトルを 工夫させていただきました。  最初は日常生活で、裕輔君がどういう状況であったのかということで、前段を書きま した。そして心がけたことはどういうことであったか、そして運動プログラムをどうい うふうにしたことによって効果があったのかないのか。ここでは運動プログラムという のが実際の具体的な例だけではなく、どちらかというと運動基準の例に合うような形、 もしくは意識した形でプログラムの方を組み立てさせていただいてやっております。  その次の15ページ目は、史郎さんの場合ということで、25歳男性サラリーマンで、 ここ最近心が晴れずに職場も休みがちで、うつうつとした日々を過ごしていた方。こう いった方が『運動で、「こころ」も「からだ」も自信回復』というような表題で、この 部分については書かせていただきました。  ここは運動プログラムというところで、ストレッチング運動と自転車エルゴメーター を中心にプログラムを作成しつつ、2週間後には筋力トレーニングを開始したような形 の構成になっております。これ以後バランスよく運動する例をお示しさせていただくよ うに、少し工夫をさせていただいております。  次の16ページ目でございますけれども、美香さんの場合ということで、30歳OL、 女性の方で、週5日勤務で運動歴があるということです。『運動で、ナイスボディ!』 ということで、運動で美容の効果ということも関心のある方はたくさんいらっしゃるか と思いますので、そういったところに配慮した表題にして組み立てさせていただきまし た。  運動プログラムということで有酸素運動、筋力トレーニング、柔軟体操ということで 3つのプログラムをここでお示しさせていただいております。最後に効果は姿勢がよく なったり、さっそうと歩いている姿に自分自身で気づいているということで、まとめて おります。  続きまして17ページ4番目、浩二さんの場合に、38歳男性の営業職の人で、『通勤 経路は僕のジム』ということで、この方に関しては、内臓脂肪症候群ということを健診 で言われたという想定のもとに、減量を考えたというところをこの中で書いております。  そういったことで運動プログラムについては、どちらかというと通勤、あるいはそう いったこととは違った形で別枠で速歩ということで歩いて行く。運動の部分で、3カ月 間の結果をもとにどれだけ変わったか。あるいは浩二さんの行動変容について、継続を どうやって支えられたかというような例示です。そういったこともあわせて、参考にな るような形で書いております。  あと実際に悩んだことというのが、運動について、冬場はいいけれども、夏場はなか なか難しいというような、現実のサラリーマンの人にはわかりやすいというか、ヒント になりやすいような形に提示させていただいております。  次の18ページですが、由美子さんの場合ということで、45歳主婦『きれいになった ね!おかあさん』ということで、身体活動をすることによって、きれいになっていくん だということでメッセージを伝えて、このことに関心を持っていただきたいというタイ トルにしております。  由美子さんの場合は、今までの運動と違いまして、身体活動を中心にプログラムされ ております。今後こういったところに関しまして、できればMETs・時を個に変えていく 形で工夫させていただいて、今回はそこまで変更し切れませんでしたので、今回はこう いう形になっておりますけれども、今後はそういった形でもう少し工夫を加えていきた いというふうに考えております。  19ページ目でございますけれども、愛子さんの場合ということで、55歳女性で病後で、 健康不安のある人。『病気になったって運動で元気回復』ということで、治療後、寝た きりになったりしないように、運動、身体活動を推奨しているというような形で、そう いった人をターゲットに書いたものでございます。  そしてこの中では運動ということで、有酸素運動と筋力トレーニングというものを掲 げております。ただ運動指導中にモニターをつけたところ、やり過ぎであったというこ とも自覚をして、少し力を抜くように指導されたということです。ともすると一生懸命 される方については、やり過ぎというところも、一応ここに掲示をさせていただいて、 そういった警鐘も少し触れさせていただいております。  20ページですけれども、範子さんの場合ということで68歳高血圧、関節に痛みのあ る方、そういった方に『筋力アップで疲れしらず』ということで、ひとり暮らしの高齢 者の方で膝が痛いという方に対して、どういった運動を働きかけるといいのかという例 示をさせていただいております。  ここについても今後、いろいろと工夫をさせていただいていこうと思っておりますの で、また御意見をいただければと思います。  一応以上で例示は終わるんですが、まだ少し工夫の余地があると思ったところを2つ 追加をさせていただいております。  年齢的に見ると、50歳ぐらいの男性で、運動の方はあったんですけれども、身体活動 でメタボリックシンドロームを克服していくような、肥満を克服できるようなことを例 示できないかなということを、今後の課題として仮の題として、『通勤時間を利用して 歩数アップ』ということを少し書き加えていきたいというふうに、今先生方とも御相談 をしております。  また62歳男性で、こちらも身体活動の部分で、『余暇を通じて活動的な毎日を』とい うことです。高齢者については女性が多かったので、年齢構成から見るとそうなってし まうのかもしれませんが、62歳ぐらいの男性も入れておくべきではないかという御意見 がありまして、少し今後考えて追加させていただきたいというふうに考えております。 またそれ以外にも何か御意見がございましたら、お申しつけいただければというふうに 思っております。  そして22ページ目以降でございますけれども、こちらの方は自分でできる筋力判定法 ということで、実際に御自身がどういう筋力状況なのかということがわかるような形。 またそれをすることで、筋力アップにもつながっていくということで、例示をさせてい ただきつつ、やり方までここでお示しさせていただくというようなことを、大きく3つ 椅子の座り立ちということで、下肢の筋力の判定法が1つ目の22ページページ。  そして次の23ページ目は上体起こし、腹部の筋力の判定方法として、上体起こしの部 分についてお示しさせていただきます。  最後は24ページで、上肢の筋力の判定方法ということで、腕立て伏せ、こういったも のを身近なところで一般の人がすぐにできるような形で、筋力判定をしていただくよう な例示を久野委員から御提示いただきましたので、ここに資料として載せさせていただ きました。これについても御意見をいただきたいと思います。  その次の25ページ目でございますけれども、こちらについては7番ということで、日 本人の筋力の平均値。一体日本人の筋力はどういうもので、自分はどの位置に相当する のだろうということが、やはり基本的にこれをとって見た方が知りたいことではないか なと。これをまた自分の年齢から低ければ、頑張らなければいけないということを考え ていただくために、平均値というものがないでしょうかという話をさせていただいたと ころ、こういった資料もいただきました。これについても少し御意見を賜りたいと思っ ています。  一応全体の参考資料までが、今回の骨子案から膨らまして策定させていただきました 内容でございます。長くなりましたが、以上でございます。  太田座長 どうもありがとうございました。それでは下光先生、何か御追加がござい ますか。  下光委員 中野補佐の方から詳細な御説明があったので、あまり追加することはない んですけれども。この案を立てるに当たりましては、栄研の先生方、それから筑波の久 野先生、信州大学の能勢先生、早稲田の竹中先生、それから津下先生という先生方が何 回が集まりまして、いろいろディスカッションをしながら作成させていただいたもので あるということを、最初に申し上げたいと思います。  それからもう既に報告がありましてけれども、METs・時という表示については、大変 わかりにくいという御批判がございました。最後の最後になりまして、METs・時を1個、 2個という個数の単位で表現しようかということになっております。これも御意見をい ただきたいところです。  これにつきましては栄養の方のフードガイドが、昨年発表されました。そこで1SVと いう単位が使われています。これはおにぎり1つが、1SVということで、すべてSVあ るいは1個という表現でなされていますので、栄養の方と対応する形でこちらはMETs・ 時を1個というふうにして表現するということで、バランスがとれるかなという感じが いたします。  ただ私どもとしては本当は、METs・時という言葉、あるいはMETsという言葉をポピュ ラーにしたいなという、この際そういうチャンスなのかなということで考えてもいまし た。例えばキロカロリーというのは、国民の中でもポピュラーになっていますので、そ ういうレベルにまで持っていければという気持ちもあったのですが、やはりわかりにく いという御意見が強かったものですから、こういう形になっております。  それから少し悩ましかったのは、この指針につきましては、やはり基準に合わせてい かなければいけない。基準を国民にわかりやすくアピールするということで、基準以上 の内容をこの中に盛り込むのは、ちょっと難しいのではないかということがございまし た。  基準というのは御承知のように、生活習慣病予防のためのミニマム・リクワイヤメン トあるいは最低必要量(条件)という内容でございますので、必ずしも十分であるとは 言えない。特に最近はメタボリックシンドロームということが非常に大きな課題となっ て出てきておりますので、この基準はメタボリックシンドロームを予防するという視点 からは恐らく合致したものだろうと思いますけれども、メタボリックシンドロームにな った人を治療するとか、臨床の場では、この量ではひょっとしたら足りないのではない かという、先生方も同意見だろうと思います。そういうことがありまして、その辺が難 しいなという感じがいたしました。  ということで、あくまでもこれは予防、そしてポピュレーションストラテジーの中で の基準だということで、皆さん御確認していただければというふうに思います。以上で す。  太田座長 ありがとうございました。タイトルが健康づくりのための運動指針でござ いますので、最後に下光先生が言われたような視点で作っているということで、よろし いのではないかと、私自身も思っています。  前回の骨子案に基づいていろんな御意見をいただいて、各先生方のいろんな御努力と 御意見、それから事務局の御努力で、随分いい形のものができてきたというふうに思っ ております。ありがとうございました。特に国民の方にわかりやすいといいますか、そ ういう視点が随分盛り込まれてきていて、普及しやすいものにどんどんなってきたので はないかというふうに感じています。私自身はそう思っております。  今まで運動指針は確か2回ほど出ておりますが、そのときに私は両方とも関与してい て感じたのは、標語を作るところまでが精一杯というところがあったのですが、今回は その標語を作ってから、どうやって普及していくのか。あるいは国民の方々に、やって みようと思っていただけるか。そういう努力が随分されています。そういう意味で、完 成度の高いものになってきたというふうに感じています。それは私の勝手な意見かもし れませんが。  それではこれについて本当にいろんな御意見があると思いますので、どうぞよろしく お願い申し上げます。どうぞ御意見がありましたら。能勢先生お願いします。  能勢委員 2点ございます。実はこの9ページの標語3なんですけれども、「運動基 準の体力の目標に対応する標語ということで、案の1、案の2というふうに出していた だいているんですけれども、案の3で運動量の方に融合させてしまおうという、そうい う御意見が今中野さんからありました。  結論から言うと、これに関しまして、非常に反対いたします。なぜかといいますと、 運動量基準値が出ていて、それを達成していくということをみんな国民がやれば、体力 の弱い人というのは、絶対故障を起こすんです。ということでそのコンセプトの中に何 が抜けているかというと、個人の体力という概念、コンセプトが抜けているんです。と いうことでここは独立させて、はっきりと個人の体力に合わせたというところをアピー ルしてほしいということを強く思います。これが1点です。  もう1点は、筋力についてのことですけれども、これは参考意見として聞いていただ きたいのですけれども、運動指針というのが運動基準あるいは運動所要量の受け皿とし てつくられたわけです。だから筋力というのがすごく比重が高くなっているんです。ペ ージ数からいっても、ということが1点と。  もし国民のための平均値ということを例示するのであればこれは、最初の国民の運動 所要量なり運動基準の方に移すべきであって、ここにあるのはやはり場所的にもおかし いという感じがしました。ちょっと御検討をお願いしたいと思います。  太田座長 体力の話は確かにそうだろうと私も感じています。筋力の話は指針と所要 量との関係、あるいは基本的なエビデンスとの関係も含めてあると思います。今のこと も含めて、あるいは関連した事項でもいいのですけれども、何かございますか。  鏡森委員 今の御意見に近いのかもしれませんけれども、全体を見ていて、国民の現 状を見ていて、今運動離れをする人たちが非常に固まってきている話と。それから運動 をしたいという人たちがふえてきている事実。でも現実はなかなか動いていない。  ですから量としてこういうものが必要だと、それが非常に丁寧に、どのようにすれば 身体活動を維持し、運動量を目標まで達成することができるのか書いてありますが。  僕は公衆衛生で、保養医学というのを今やっていますけれども、健康日本21の一番大 事なところにもつながるようにしておいてほしい。メンタルです。メンタルはこの中を 見ると達成感だとかいろいろ配慮されていて、バラエティに富んだ運動などが入ってい ますが、もうちょっと、所要量との関係はこれでいいと思いますが、効果のところで例 えば睡眠だとかそういったものに結びつくようなものとか、解説に入れておいていただ きたい。しっかり運動してしっかり休むという。このリズム、メリハリがこの指針でも ちゃんとあるんだということです。健康日本21の目玉は何といっても、メタボリックシ ンドロームは1つありますが、自殺予防なんですから、そこのところにどこにつながっ ているのかという話をぜひお願いしたい。  それからもう1つは今の体力もそうですが、所要量としてはこういう書き方できちん とエビデンスに基づいて書かれているので、大変立派なものだと感服しております。  もう1つ、予防というならば、ここへ行きたいと思う人にはあきらめないような仕組 みです。確かにさっきのような達成感でつなぐとか、バラエティに富んだ運動とかとい うことで書かれていますが、もう1つやはり量が少なくても運動の習慣化という言葉で す。これはエビデンスも結構あります。運動を習慣化することによって、先ほどのメン タルもそうですし、体力の維持もそうですけれども、そういったエビデンスがあるので、 この量に達しなくても、習慣化をしてやっていくんだという、そういうニュアンスのと ころをぜひ入れてほしい。  だから脳の健康、習慣化、そして最後は、食育のところで出てきますが、運動は量的 なものを押さえて初めていろんな効果が出てくるわけです。食事でもありますように、 例えば孤食を避けるということがあります。さっきの習慣化、グループ化もそうなんで すが、一次予防をやっていて一番続くのは、最近の研究で温泉運動浴なんです。温泉運 動浴はちょっと量が足りないと思うんだけれども、それでも3年間追いかけると、骨折 が少ないとかそういうのが出てくるので、どうも集まってそしていろんなものを付加し ていくという、そういうグループがこういう指針を見て、もっとバージョンアップをし たいと、そういうつながりのストーリーができるようにぜひしていただきたい。  できればこういった運動指針が出てきて、それを活用することによって、食育のよう な体育育というのがあるか知りませんが、地域の活性化につながるような、そういう線 もどこか解説のところでぜひ忍ばせていただきたい。僕は運動の専門家ではないので、 これを見て、専門的なことは非常によく書かれているので、量的なものは非常によく押 さえていますが、こういった意味で睡眠、休養、それから脳の健康という意味、運動の 習慣化、それから地域との連携、そういったことをどこかに書いていただくと、大変立 派なものになるのではないかと思って、立派なものであるだけにそう思いました。  斎藤委員 これは内容については、専門の先生方がまとめられたので、それについて 私は特に専門ではないので、意見はないんですが、これでいいのではないかと思います。  あまり何でもかんでも盛り込もうとすると、国民の一般の人に伝えるものなわけです から、むしろある程度押さえ気味の方がいいのではないか。  皆さん御自身の立場から言うと、これも言いたい、あれも言いたいということになる と、これを見たとき、あるいは読んで聞かされたときに、ずれちゃうというか、一般の 国民に響かないということがあると思うんです。ですからそういう意味ではもちろん完 璧を期すために、これもあれもということになると思うのですが。それを大胆に削ると いうことも強いメッセージとして伝えるということには必要なのではないかと思いま す。  それからこれは本質とは関係ないかもしれませんが、国民に伝えるという意味からい うと本質的なことかもしれません。科学的なこと以外に国語的なこと。この言葉がだれ が作ったかというと、先生方かお役所の人かわかりませんが、やはりこれはコピーライ ターか何かを入れた方がいいのではないか。あるいはコピーライターほどではなくても、 こういうことに対して、ある程度研究している人を入れないと正確に伝わらない可能性 があるのかなと。  ちょっとまじめな方から言いますと、例えば身体活動と運動というものを分けたとい うことは、前から分かれているのかもしれませんが、いいことだと思うし。身体活動の 積み重ねで、それに運動がある程度加わってこれがいいんだということはすばらしい考 え方だと思うし、自分でもできると勇気づけられることだと思いますが。  一般の人が身体活動と運動はどう違うのというと、何かぱっと身体活動と聞くと、運 動も含むようにも聞こえるし。ですから例えば解説の中で言いかえているんです。日常 生活活動という言葉も使っているわけです。多分日常生活活動あるいは日常活動、ある いは生活活動という言葉の方が一般的だと。多分これだと正確ではないということで、 先生方が新しく身体活動にされたんだと思いますが、日常活動とか、日常生活活動ある いは生活活動というと、これは運動とはちょっと違うなという。一般的な常識というの は、一般国民にあると思うんです。この辺の言葉は、あまり解説しなくても、一般に伝 わるような言葉をもう1回、そういう方の専門家の意見も聞きながら考えたらどうかな と。  あと個というのがあります。これもちょっと違和感があるんです。1個の運動といわ れて何だろうと、つかめるのかなと思ってしまう。だから運動はつかめないだろうと。 一般的な、科学用語にあるのかないのか知りませんが、一般的な常識からいうと、1単 位とかユニット、その辺が単位という言葉には別の意味があるから避けたという理由が あるのか。ただ個といわれると、ものが見えちゃうというイメージがあります。  これは私は別に宣伝するときに、電通だとか博報堂のコピーライターと、好きなもの で議論をしたりするので、そういうようなことで私は言っているのです。むしろ私の意 見よりは専門家の意見を聞いた方がいいだろうと思います  あとはこれはあまりまじめではないですけれども、解説の方で、名前の選び方もやは りそういう専門家に聞いたらいいのではないか。美香ちゃんとか由美子ちゃんとか周り にいると楽しいという雰囲気にはなるのですが、70歳になったときにこの名前だと恥ず かしいなという、例えばそういう配慮。  あと愛子さんというとだれか特定の人を思い浮かべて、65歳で乳がんと。要するにそ ういう特定の人を思い浮かべるような言葉は避けるとか、細かいことですが、要するに 伝えやすくする工夫というところにもう少し力を入れた方が、といいうふうに思います。  太田座長 ありがとうございました。特に後半の伝えるための言葉の選び方とか使い 方。確かに私も講演なんかをする場合には、身体活動というよりも日常生活活動といっ たりします。そういうことはまたいろいろ御意見として反映させていただければという ふうに思っています。  先ほど言われました、どれぐらい削るのかという話がありましたが、これもまた御意 見があったらおっしゃってください。私としては指導者用のことも多分いろいろと考え ていると思いますので、そういう中でまた切り分けていくべき案件なのかなと、お聞き してなるほどと思っておりました。  斎藤委員 ナイスボディなんていうのは死語に近いかもしれませんので、その辺も聞 いた方がいいのでは。信籐さんなんか、ジャーナリストだから。  太田座長 今のことも含めまして、何かありましたらお願いします。どうぞ。  中島参事官 今これを田畑先生、下光先生、久野先生、能勢先生を中心におつくりい ただいておりますが、前回の運動指針というのは、割とスローガン的なものが中心でし た。 今回のものは、前回の運動指針と比べますと、スローガンと合わせて、一種のツ ールとして使っていけるようなものに、おかげさまでなってきているなというので、大 変ありがたいと思っております。  それでさらに今日の御議論も踏まえて、よりよいものに練り上げていく必要がござい ます。我々役所として今後の生活習慣病対策を考えていったとき、この運動指針という ものに、こういうことも、できれば期待したいんだよということを、ちょっとお話でき れば。  それはそもそも運動指針でカバーすべきものではないんだという御意見も当然あるの かもしれません。今斎藤委員からお話があったように、何もかも詰め込み過ぎると、か えってメッセージ性が薄くなるということも、確かにおっしゃるとおりでありまして、 ある意味でそぎ落としていくことも重要です。  我々としては、他の政策との関連なども念頭に置いて、こういうところを運動指針の 方である程度カバーしていただければ、その深さというのは、ものによって違うと思い ますが、ちょっと私なりに説明を聞いていて思った部分を申し上げます。  まずこの運動指針というのは「1に運動、2に食事、しっかり禁煙、最後にクスリ」 という形でスローガンとして打ち上げているわけです。正直言って運動施策というのは、 必ずしも十分これまで行われてきていなかったというのがあります。ある意味ではあれ もこれもこの運動指針の中で解決できればということを事務局としては思うし、ある意 味では関係者も、そう思ってしまうのでというところがあると思います。  まずは、私どもとしてのポイントは実は3つあります。1つはメッセージだけではな く、ツールとして使えるものにしていただきたいというところがあります。その意味で はこれはエビデンスがないんだということならやむを得ないのですが。例えば身体活動 なら23個なのかMETsなのか。運動するなら4だというわけですが、私個人として受け たときにどちらかでカバーしろと言われると、そうかねという感じがするわけです。す なわちこの身体活動量と運動量の間に互換性がないのかということが、1つ気になるわ けです。  例えば自分で目標を設定するときに自分の身体活動量というのは、それなりにわかる。 ここで当てはめていけば。それで23、身体活動をしないといけないのだけれども、例え ば私の場合に16ぐらいしかなかったとすると、あとの7を埋めないといけないというこ とになっていくけれども、この7というのは、身体活動で全部埋めるのか、運動で全部 埋めるのかといった選択を迫ることになるけれども、運動をほどほど増やし、身体活動 もほどほど増やして、柔道じゃないですけれども合わせ技で1本、目標値にいくという ことの方が割と国民は素直に感じるのではないか。  すなわち、身体活動量と運動量の互換性といったものがあるのか。それらを合わせた 1つの総体としての目標値みたいなものがあって、それを身体活動量からこれだけ選ん で、運動からこれだけ選ぶということができるのか、できないのか。どうもこれは運動 所要量のところを見せていただくと、かなりここの壁が高そうなんだけれども、そこを 今一度確認させていただきたいというのが、1つあります。  2つ目は、筋力の位置づけについて、能勢先生の方から所要量の方に移したらいいの ではないかという御意見があって、これは今後詰めていただく話です。一方で、今介護 予防ということも、既に介護保険制度が改正されて施行していきますので、そういう意 味では運動指針の中に介護予防も視野に入れて作ったんだよという色彩を残しておいて いただくと、我々としては大変ありがたい。  例えば安全に歩行できる能力といったものをどのように維持していくのかというよう なことは、介護予防では大変重要になります。そういうことも念頭に置いて、介護予防、 例えば歩行能力みたいなものも視野に置いて作ったんだよという感じにおいては、私は 筋力という要素を残していただくと、大変ありがたいということが2つ目です。  それからは3つ目は下光先生の方から最後に確認として、予防を念頭に置いたポピュ レーションアプローチとしてこれを位置づけているという、ある意味ではそもそもの前 提論の議論なんですが。欲を言えば、今度の15日から新たに委員会を設けて、メタボリ ックシンドロームに着目した標準的な健診、標準的な保健指導のプログラムみたいなも のの検討会というのを立ち上げさせていただいて、第1回目を開いたわけです。  そこでは具体的にどのような健診項目、どのような判定基準なのか。それからどのよ うな保健指導をしていくのかということになっていったときに、そもそもこの運動指針 そのものですべてをカバーするということは難しいことは承知しているのですが、ツー ルとして食事バランスガイドなり、今度の運動指針といったものが、いわゆるハイリス ク者に対する保健指導を行う際のツールとしても、専門家によって使えるようなものと して残しておいていただくと、ありがたいということです。  それは具体的にどういうことかというと、まず健診を受けたと。そして例えばメタボ リックシンドロームの予備軍だと言われた。そして内臓脂肪が、あなたはかなり蓄積し ていますと。内臓脂肪をこれだけ減らさないといけないという保健指導を受ける。その 際には食事指導、栄養指導、喫煙指導という形になっていく。そのときに食事だけで私 は頑張ってみますという方もおられれば、運動だけで頑張っていくという方もおられる。 さらには食事と運動をうまい具合に組み合わせてやっていきたいということもあると思 うんです。  ここで2つお伺いしたいんですが、そうした健診後の保健指導をするときの1つの指 導ツールとして、ここでいうMETsという概念を含めたものというのが、保健師、管理栄 養師、健康運動指導士等によって、これに即して指導ができるような足がかりというの を残しておいていただきたい。果たしてそういうエビデンスがあるのかどうかというの も、実はお伺いしたわけです。  ここでいう23とか4というのは、生活習慣病予防にならないという観点からのエビデ ンスであって、内臓脂肪を減らすかどうかというところのエビデンスが必ずしも23、4 にあるわけではないという御意見もあるので、そこも今日お聞かせいただきたいのです が、そういう話が1つあります。  それから食事と運動を組み合わせるというときには、私はやはり栄養摂取との互換性 のある単位である点が必要だと思います。私はMETsという、新たな概念を国民に覚えて くださいということは、かなり難しいだろうということだけでなく、やはりこれまでキ ロカロリーということでやってきたということの、ある意味ではメリットとして、栄養 ・食事指導との互換性のある概念の方が、指導する側、または指導を受ける側にとって はいいと思います。  そういう意味では3つ目は端的に言うと、内臓脂肪を減らしていこうというハイリス クアプローチの際に、ここでいう概念を使えるのかどうか。使えるのだとすると、それ は食事指導、食事の摂取カロリーとの互換性を持って指導し、また受けた側も食事はキ ロカロリーで提示され、運動の方はMETsで提示されて、そこの換算が大変、頭がこんが らがらないことが大切だと思います。そういう点について、ちょっと御意見を伺いたい と思います。  要するにポイントからいくと、そもそも介護予防という観点からは、筋力の問題、特 に歩行能力というのが重要なので、目配りをしていただけるとありがたいと思います。 2つ目がポピュレーションアプローチ、ハイリスクアプローチ、どちらをするにしても、 身体活動量と運動量の互換性といったものです。23or4なのか。23と4をうまい具合に 組み合わせて何かできないのかという話が2つ目です。3つ目は、ハイリスク者の内臓 脂肪減少のために、ここで御提示いただいた23なり4という概念は、有効なのかどうか。 そしてこの23とか4というのを食事カロリーのキロカロリーと容易に互換し合って指 導し得る、または指導を受けやすいということが可能なのかどうかということについて、 御意見を聞かせていただくと、大変ありがたいと思っております。  太田座長 最初の互換性の問題は、私も実はいつも自分では互換性を持って使ってい ます。具体的に、これは多分4ページぐらいのところにあると思うんですけれども、上 の方の身体活動は多分1日の単位で書いてあります。下の方が週の単位で書いてありま す。上の方を例えば1週間単位の表現を盛り込めば、それで互換性はできてしまう。合 わせてあるいはどちらかで、両方合わせて1週間単位の数字であれば、上の身体活動と 下の運動と合わせて、週に4やればいいという言い方になりますので、多分学問的には そんなに難しい話ではないと思います。  エビデンスが少ないという話については、例えばパフェンバーガーという有名な研究 者は、1週間で2,000キロカロリーとか、そういう表現のエネルギー消費の運動といい ますか、身体活動量をリコメンドしています。そういうようなことを考えれば、この身 体活動と運動の互換性というのは、週単位の表現でやればちゃんとできるのだろうとい うふうに思っています。  それから先ほど能勢先生が言われました、筋力の話は非常に重要だと思います。介護 予防の中でも、筋トレという言葉は変わりましたけれども、運動器の機能向上という名 前で入っていますので、やはりそういう意味での施策の関連性というのは、あった方が いいだろうと私自身も思っています。  栄養との関連性も多分先ほどのような話、キロカロリーという表現も一定の体重であ れば簡単な換算はできますので、そういう表現もできないことはないと思っているので すけれども、多分。田畑先生が何か言いたそうなので、どうぞ。 田畑委員 まず、身体活動と運動で互換性がないのかというご質問ですが、私たちが 行いましたシステマティック・レビューにより、世界的には身体活動を薦めるというの が一般的ですが、この運動基準では身体活動も運動も生活習慣病についてエビデンスが あるから両方を薦めています。 中島参事官が言われたように、それが国民には難しいということなら、運動に身体活 動を加えるというのは無理ですが、身体活動に運動を加えて23METs・時というのは可 能と思います。 筋力については、介護予防は視野に入っています。しかし、介護予防のみを視野に入 れた場合には、筋力の基準値は、平均値よりも、かなり低い値になります。一方、今回、 生活習慣病を予防する最低の観点では、ほぼ平均値という値になります。すなわち、こ の基準をしっかり守れれば介護予防も当然できると考えています。 この基準は、ポピュレーションを対象に生活習慣病の予防という観点で作成されまし たが、メタボリックシンドロームという視点で見直すことも可能です。日本人の男性の 歩数は平均8,000歩ぐらいが、この基準に合わせて、国民が身体活動を増やせば、1年 間に約2〜3kg増加を抑制する計算となり、これを守ればメタボリックシンドローム もポピュレーションとしては、使えるものと考えます。しかし、メタボリックシンドロ ームの予防に対する身体活動・運動・体力という観点で見た研究はまだ、少ないので、 それに対しての科学的エビデンスは不十分ということになります。 ですからこれを保健指導においてもまずは、やってみるということは非常に有効なこ とではないかというふうに考えます。  もう1つMETsと栄養分野ということですけれども、METsに体重をかけますとキロカ ロリーになります。例えば70キロの人でしたら、70キロカロリーです。例えば私はお ととい280キロカロリー自転車をこいだんですけれども、4METs。これで今週はいいな という形になりますので、カロリーとMETs・時というのは非常に密接した値ですので、 それはそういうふうに使っていただければ、栄養師の方も使えるというふうには思いま す。  下光委員 田畑先生に追加なんですけれども、おっしゃるとおりだと思います。それ で中島参事官がおっしゃった、大きな戦略の中でこの指針を使えるようにしていただき たいということについても、そのとおりだと思います。きのう国民健康栄養調査の解析 検討委員会がございました。まだ公表されていないですけれども、国民の中でやはりメ タボリックシンドロームの診断基準を満たすもの、及び疑いのあるものの割合が、男性 ではかなり高いというデータが出ております。ポピュレーションアプローチにも近い状 況になってきております。  その意味ではやはりそういうものをターゲットにした指針ということも含まれる必要 があるのかなというふうに思っております。  もう1つは栄養と運動。これは両方を総合してやっていかなければならないというこ とになります。やはり栄養と運動との互換性というんでしょうか。統一された単位とい うものがある必要があるのかということです。田畑先生がおっしゃるように、METsをキ ロカロリーに換算することはできますので、この辺のところも指針の中に盛り込んで、 恐らく運動でこのくらいやって、そして栄養で少しダイエットすれば、臨床の場でも使 える。あるいは健診後の保健指導でも使えるだろうと思いますので、そういうものを症 例提示として出していけば、うまく利用していただけるような形なのかなと思いますが、 いかがでしょうか。  太田座長 今お三方から、鈴木先生、久野先生、それから坂本先生という順番で、お 願いします。  鈴木(志)委員 管理栄養師が保健指導する場合に、ここで迷ってしまうところは、 個という数字が身体活動でも個で、運動で関しても個で、それぞれの個のベースとなる ところが違ってきてしまうので、私ども教える側がいくら理解していても1回の指導で、 1回の動機づけの指導で、運動はこういうふうにやった方がいい、身体活動がこういう ふうにやった方がいいと一生懸命こちら側が言ったのを、資料を見てくださればいいけ れども、言葉で伝える段階で、この個のベースになる数字が違ってくるところで、1回 2回限りの指導で、どこまで本当に理解してもらえるかというところに疑問を感じます。  なので個というふうに表していただくのであれば、身体活動の1個が運動によって何 個かというふうなところの方が、では何とかさんは身体活動で15個、運動の方で何個や りましょうというふうに。運動の方だったら、これをやっていただければ4個になりま すよとか、そういう形の方が。身体活動なしで生活する方というのは、ほとんどないと 思いますので、では運動だったらとか。個というののベースを合わせていただく方が、 指導する上では、簡単です。運動の認識と身体活動の認識を説明するだけで、保健指導 約15分やれという形で持っていく場合には、無理が生じると思います。そこら辺のとこ ろを検討していただけたらと思います。  太田座長 それはさっきの話で、週単位とかあるいはもっと言えば、キロカロリーと か表現を変えれば、すぐできると思いますけれども。  久野委員 筑波大の久野です。1つ中島参事官がおっしゃったポイントの中で、合わ せ技というか運動と身体活動ということです。個人的には、ずっとこのワークをしてい たときにも、私自身はそういう考え方が強いんです。  ただ忘れてはいけないのは、今回の1つの基準とか指針のポイントがいわゆる身体活 動だけでも、実は予防効果があるというエビデンスが出たという点なんです。ですから そこを逆に大事にしたいということが、ずっとあったので、そういう点。つまり今まで は我々一般の国民は運動しなければいけないと思っていたのが、日常の身体活動だけで も予防効果があるんだという、そういうエビデンスが出たことのメッセージをきちんと 伝えるということをひとつ忘れてはいけないだろうと思います。  ただし現実的にはやはり合わせ技ということが、それが普通のことだと思いますので、 そのあたりの見せ方の問題だというふうに、個人的には今参事官のお話を聞いて感じて いました。  それからハイリスクアプローチのことに関して、どのあたりまで、一般向け国民向け の指針で見せられるかということの問題。これもある程度技術論の話になってくるのか なと。あとは実際にやはり今一方で準備をされている指導者向けのところで、そのあた りの具体的なことをきっちり落とし込んでいくことが重要ではないかと、今の議論の中 で感じました。  それから少し議論から外に出てしまうかもしれませんけれども、今日の提出の中で介 護予防というお話、筋力のデータを出させていただきました。これは基準の所要量の方 のワーキングのメンバーの早稲田の福永教授と相談しながら出してきました。  その中で少しコンセプトだけをお話させていただきますと、今まで一般的に筋力は握 力で代表される場合が多いわけですが、明らかに加齢の介護予防まで考えますと、上肢 と下肢の筋力系の落ち方が明らかに違うわけです。ですから握力だけの評価ということ が非常に問題だというのが、ある面では最新の考え方だということです。上肢と下肢を 区別した筋力の評価ということをきちんと提示することが、ポイントだろうと、そうい う視点で挙げてあります。  それからもう1つは国民向けということで、逆に言うと、家庭でもだれでもできると いうような内容まで落とし込むということで示させていただいています。その中で1点 だけ気になるのが、25ページを開いていただきたいのですが、椅子座り立ちのデータで、 各年齢男性の方を見ていただきますと、70歳台で13.3秒で、80歳台で10.6秒と、実は 80歳代で若返るデータになってしまっているのですが。これは、昨夜データを見直しま したら、80代のnが、ほかの年代は100以上いるのですが、ここのn数は4人しかいな くて、非常に元気な高齢者80代の方だけのデータになってしまっています。ですので次 回はここは、前期高齢者と後期高齢者というくくりにさせていただいて、そこまでは60 代、64歳までは各年代ごとにして、それ以降は前期高齢者、後期高齢者というくくりで 出させていただくのがいいのかなというふうに思っております。長くなりましたが、す いません。  太田座長 ありがとうございました。坂本先生お願いします。  坂本委員 早稲田大学の坂本です。この小委員会の指針を見ましての感想を少し話を させていただきたいと思います。  身体活動、いわゆる運動、体力と3つに分けて、ここに書かれているのは、非常に自 分も嬉しく思います。当然介護予防ではなく、要介護予防のために筋力アップは非常に 必要だと思います。そういう意味で、3つに分けて話を作ったということは、非常に感 心しております。  それからもう1つ、他の委員からもたくさん出ましたけれども、やはり個々の人に対 する運動量を示していくに当たってはMETsを使った方が、適切のように思われます。体 重がわかれば、その人の運動量がきちんと個々に指示ができ、鈴木委員の方からも言わ れたような苦労も少しは減ると思います。  それで自分はカタカナ用語は、実はあまり好きではないのですけれども、この場合に は個というよりはMETsの方をぜひ使ってほしいという気持ちがします。  もう1つですけれども、やはりここでは運動の指針ということなので、運動のことし か書いていないんだと思いますけれども、先ほど来出ていますように健康については、 運動、栄養、休養のバランスが重要ですから、特に減量とかしていく上では、運動だけ ではやはり無理があるかと思います。当然少々でもよいですから、食事の方も少し減ら しましょう。もっと大ざっぱに言うと腹八分目にしましょうねというぐらいの標語を入 れておく方が、運動指針といえども重要なのではないかと思います。  もう1つのことですが、一日一万歩という標語が出ていますけれども、自分のこの1 週間の1日歩数は最低で1万3,000歩。スポーツクラブなんかに行くともっとふえて2 万5,000歩ぐらいになっています。それでも、食事の摂り方に大きな問題があると思う んですけれども体重はふえてくるんです。飲み会とかが多いせいだと思います。どうし てもそういう自分の経験からいっても、運動指針といえどもやはり最後には少しでもよ いから、食事のとり方についての何らかの標語的なものを入れていくことが絶対必要だ と思います。感想です。  太田座長 ありがとうございました。それでは田中先生、お願いします。  田中委員 これは実際に、この指針は疫学的な調査をもとにエビデンスをもとにつく られたので、まだ介入研究でコンファームされていないので、いろいろと気になるとこ ろはあるんですけれども、しかしこれでおもしろいかなという実感はあります。  中島参事官がおっしゃったことも含めて、身体活動と運動、トータルで23METs・時以 上、積極的に運動が4METs以上推進できれば、相当な効果があるのではないかという感 じがします。  例えばメタボリックシンドロームのことに関しまして、我々も2つの厚生科学の班に 入っていまして、デューティとして仕事をしているんですけれども、田畑先生の方でや らせていただいたものでいきますと、ある病院の職員健診で引っかかった人たちを対象 に積極的に介入しまして、それは運動だけで食事はコントロールしていません。主とし て自宅でやるプログラムですので自己申告ですけれども、腹囲が有意に減りました。そ の減り方は週の時間に比例しています。120分以上だときちんと減っているんです。と いうことは、それは4METsの運動ですから、倍でしょう。普段の生活、トータルは調べ ていませんけれども、恐らくいけるのではないかという感じがします。  それともう1つは国際肥満学会の方のPhysical Activity Taskforceの私もメンバー なのですが、そこでいつでも議論になっているのは、減らすのはやはり1日30分の運動 ではちょっとまずいと。体力維持はいけるだろうと。やはり1時間以上プロモートする ことをしようということになっているんです。それを考えましても、この23METsという 単位であれば、それを充足する可能性が十分にあるというか、いいかなという感じです。  気になるのは、カロリー計算のところ、ここはちょっとMETs・時で、確かにいいんだ けれどもややこしくなるという感じがあります。それはなぜかというと1個という単位 にしまして、僕もちょっと混乱していますから、ここのところはぜひクリアにしていた だきたいのですけれども、例えば3METs・時の運動をやった。1時間歩いたというとき には、確かにカロリーとしては、3×体重70キロの人でしたら、210キロカロリー。し かしそれはトータルアマウントです。じっとしていても1METs・時と。デルタ値で2METs ・時です。それはデルタ値でいくと140キロカロリーです。そのことと、こうやって1 個にした場合がちょっとややこしくなってしまう。そこのところが気になります。  太田座長 では津下先生お願いします。  津下委員 今田中先生がおっしゃったことはまさしく例示を出すときに、運動量を計 算するところできちんと前提をお話しておかないといけないなと思います。最初私も、 1METsは引かないといけない。付加分を考え、23METs増やすんだというふうに思ったの ですが、そうではなくて、3METs・時以下の運動はカウントしないというのが、ルール になっています。そして安静時を引かない形で計算するんだと。  通常、私たちは付加量、例えば今までよりも60分余分に運動しましょうとか、という 表現で指導しています。その場合は付加量で考えて、何キロカロリー余分に運動をする という考え方なんです。  この論文を精査された方法は、ベースの1METsを引くのではなく、3METs・時以上の ものだけの寄せ集めで、23個になるんだということです。やはり実際に計算していくと、 理解が進むものと思います。  田中委員 そこのところは換算が、非常にややこしくなるような気がしています。1 METsの運動を1個にしたわけですね。  津下委員 3METs以上の運動をとりあげているということです。参考資料の方の11、 12ページをご覧下さい。運動基準の方は1METsからずっと表が並んでいます。睡眠から 全ての行動、生きている以上は、消費エネルギーはあるわけです。ここの3METs以下の 運動をカウントしないというルールを明記し、実際の計算の仕方を、明示していかない といけません。何もしなくても1METs使っているんだから、3METsの運動をしても2 METsじゃないかというという考え方ではないというのが、今回の論文レビューされた方 法論だったということです。例示のところで計算法はお示ししましたが。  田中委員 そうすると、カロリー計算のところがややこしくなってしまう。これはあ くまでも運動の質の問題、質と量の問題。そこをどういうふうにクリアしていくかとい うのが、1つ課題のような気がします。  太田座長 田畑先生、何か意見ありますか。  田畑委員 これについては身体活動量、運動量を示すということでやったわけです。 カロリーについては、換算の可能性はありますけれども、そこについては、考えないで やりました。しかしそれを付加量でするか、そうじゃないかということについては、エ ネルギーとの関係はありますけれども。それについては、まだ非常にあやふやな部分が 多いということで、今回は示していません。  例えば、日本人の身体活動レベルPALは1.75程度ですが、基礎代謝量と食事誘発性熱 生産量にアンケート調査による身体活動により消費されたエネルギーを足しても、1.6 ぐらいにしかならない。つまり、無意識に身体を動かし、記録誌に残らない身体活動が あり、全身体活動を対象として、基準を作るとかなり計算上、不合理が出てくる。そこ で、人間がしっかり記憶できる3.0METs以上の強度の身体活動・運動を今回の運動基準 では採用しました。ですから、全体のエネルギー消費量と対等である全身体活動と整合 性が出てこないのは仕方がないということです。  矢島生活習慣病対策室長 田畑先生にうちの方から難しいお願いをしたので、大分御 苦労をされているので、大変申しわけないと思っています。大事なポイントがありまし て、やはり今回私どもは新しい健診・保健指導のプログラムをつくろうということで、 メタボリックシンドロームの概念を利用するということです。そういうふうに新しい動 きが出てきた時点と田畑先生にいろいろな仕事を依頼した時点と、時間的なずれがある ので、大変申しわけなく思っています。  今回新しい健診保健指導のプログラムを入れるときに、メタボリックシンドロームの 概念を使ってやろうということは、大筋で流れはできております。その中で食事の方は、 ほぼそういう形で話がまとまりつつあります。運動の方もできればそこのところと互換 性がないと、運動は別ですと、多分学問的にはそこは別にしないといけないですし、お 持ちいただいているデータも、そういうところになっています。そこはちょっと学問的 に明らかにできている話は話として、1つまとめていただいて、ポピュレーション的に やはりこうあるべきだというのが1つあるんだと思います。  それはそれで1つまとめていただいた上で、例えばメタボリックシンドロームの人を 予防するために、具体的に食事の話と運動の話をここからしていくときには、そこはま だデータがないという前提で、これからも引き続きデータを集めて、より良いものにし ていくという前提を立てた上で、今は日本、我々の持っているデータはこれまでだとい うことで、もうこれはやむを得ない。今我々はそこのところは、論証できるものは、こ こまでしかないけれども、でもやはりここからは委員会ということで御了解をいただい た上で、メタボリックシンドロームを予防する観点で運動と栄養との互換性がうまく保 てる形とするならば、どういうことを御提案いただけるか。そこはエビデンスについて は、なかなか今の段階では難しいんだと思います。そこのところは、これから引き続き、 検討しながらデータを集めるという前提で、お話をしていただければ大変ありがたいと いうふうに思っております。  いろいろと御無理をお願いしていることは、重々承知しておりますので、誠に申しわ けございません。  太田座長 今ちょっとadditionalな話と、restingの基礎代謝を含めた話が出ていま すけれども、栄養の場合は多分総量でも見ることができるし、additionalで見ることも できる。今回の場合は多分田畑先生は、総量でしか見ていないと思います。実際に今あ るデータはそういうデータしかないと思います。  さっき田畑先生が言われたように、今回はそういう一定の限界を踏まえた上で、ある 程度以上の、先生がさっき3METsと言われた、それぐらいのある程度以上付加が行える 状況のもので、総量として見ていく。そこで、栄養との換算をしていくという形で考え ていくしか、現実的でわかりやすい表現はないのではないかなと思っています。  もっと学問的にいえば、例えば運動した後のエネルギー代謝というのは、一時増加し ますので、そういうことだけ考えれば、私自身はもっと学問を積み重ねていけば、 additionalという話も随分変わってくると思うんです。  やはり大事なことは、さっき言われましたように、国民の方にどれくらい説明がいく かということと、とても大きな範囲で間違いはないということ。それからさっき栄養の ことも含めて、一定の何らかの互換性を持つというふうなことを考えた場合には、 additionalではなくて、総量でいくしかないんだろうと思います。  戸山委員 すばらしい運動指針が出て、最終的には国民に向けて、国民がそれをいか にアクセプトしてやってくれるかということにかかると思います。そうするとその場合 に国民の側から見た場合には、イントロダクションとしてやはり生活習慣病対策にしろ、 これだけ運動がいいんだというものをより強くアピールするやつを、まず置くというこ とが1つ大事だと思います。  それからもう1つは、例えば営業でカロリーだと私なんか食事の方はなかなかわから ないので、バナナ1本90キロカロリーですか。ああいうふうなものがしみついていると、 たくさん出して運動は1METs、1個どうのこうのがあるんですけれど。その中でよりシ ンプルに日常生活の中で、運動の中で、1つぐらいでもう国民がしみつくぐらいのやつ を提示した方が、国民は多分覚えていてくれるのではないかというふうな感じが少しし ます。  それからもう1つは、前にも申し上げたかもしれませんけれども、これはあくまでも 健康な人でやれる人というふうなことになります。例えば私は整形外科ですので、膝の 痛い人、糖尿病ぐらい患者さんはいらっしゃいます。それから腰痛の患者さんもいる。 そうするとそれは、リジェクトしてあくまでも健康な人でいいですよというふうな形で いくのか、それともここのところの20ページ、膝の痛い人に関して少し触れられている ので、その辺まできめ細かく、この中で盛り込むのかというふうなものも、先ほど斎藤 先生がいやスリムに単純にいった方が明快でいいよというふうなお話もありました。そ の辺はどちらかということも、少し大事になってくるかなと思います。  生活習慣病というふうなものになると、例えば膝が痛いために、運動ができなくなっ て悪循環に入っている人がいっぱいいると思います。いい指針が出て、生活習慣病を抑 えますよというふうにいっても、示されてもできませんよと。それは病院へ行って徹底 的なものの手前の患者さんというのは、いっぱいいると思うんです。その辺はどうする かとちょっと考えるべきかなと思います。  太田座長 今先生が言われたところは、非常に悩ましいところだと思います。多分指 導者向けのところで、ボーダーラインの人たちに対する対応について、少しやっていく のかなというイメージでおります。  田中委員 2点ありますけれども、1つは中島参事官がおっしゃった介護予防に関し て、私どもはかなり介護予防のことを積極的にやっています。そのために筋トレが必要 であると、中島参事官がおっしゃったように。筋トレというのは歩くための筋力を維持 しなければならない。そのとおりだと思います。  それで提案ですけれども、レジスタンス運動の一覧というところ、12ページですけれ ども、これはスクワット等、いわゆる筋トレのメニューが出ています。実はもう十分な エビデンスがあることとして、歩くことをちょっと工夫するだけで筋力がついてきます。 筋力というのは一番重要なのは、筋パワーだと思います。それは階段を上り下りするこ と。坂道を上り下りすることです。それはぜひ入れていただきたいと思います。そうす ると日常生活の中で工夫すれば、筋トレもできるということになります。それが1つ。  もう1つはこの事例は大変よくできていると思います。非常にわかりやすいと思いま す。ただちょっと確認ですけれども、これは明らかにそういう実例があるという前提で つくられているものかどうかということです。それとこの中で、僕が見落としているの かもしれませんけれども、こうやって本当に体力が上がった。最大酸素摂取量が上がっ たという事例が含まれているのかどうか。そこのところを確認したいのですが。  太田座長 今の点について、手短にお願いします。  津下委員 かなり事例ベースで作っております。完全に一致しているわけではありま せんけれども。もう1つは実際に、今回の運動指針の動基準量に合わせた形にとらさせ ていただいた部分があります。  もう1点は、実際に効果を、例えば体重とかで示しています。このデータはある程度 本物です。ただ、これは栄養をどうしたとかいろいろなこともすべてが書き切れている わけではありません。これだけの運動だけでこうなるかというと、食事の部分も本当は もう少し書かないといけないというふうに思っています。具体的な事例ベースで、書い ております。  太田座長 では能勢先生、斎藤先生、竹中先生という順番でよろしくお願いします。  能勢委員 今戸山先生がおっしゃったことについて、ちょっと意見を述べさせていた だきます。私たちも膝が痛いとか腰が痛いという方々を対象に運動指導をやっているの ですけれども、やはりベースは個別運動指導ということになります。何らかの形で、そ の方のそれなりの体力測定をして、それに準じた形でトレーニングをすると、非常に改 善していきます。膝の痛いのも腰の痛いのも改善していきますので、そういうデータベ ース、膝の痛い人でもこれぐらいの運動をすれば、どれくらい改善するというようなデ ータベースを蓄積するというような、そういうアプローチをしていただきたいと思いま す。  今私の周囲に整形外科の先生がたくさんおられるんですけれども、どちらかというと やめさせる方向で、行かれる方が多いです。なぜかというと、エビデンスがないからで す。怖いからやらせないという方が多くて、だんだん悪循環になっていくということを、 ひしひしと感じています。ぜひその辺の研究をしていただきたいと思います。  斎藤委員 やはりリスクを持った人、グレーゾーンの方の運動は、これはここに入っ ているというよりも、医師の指導とかトレーナーの指導で、別のものだという考えでい かないと、それまで含むということになると、何か今運動をしていこうと。運動が栄養 などに比べるとおくれているから、今回運動を一般国民に訴えていこうという趣旨から 少し離れてしまうのかなという気がします。  それはさっき私が言ったように、あらゆることをカバーするということ、あるいは強 いメッセージを与えて、それに対して一般的に予測されるリスクについては、その都度 説明していくということでいいのではないかというのが1つです。  それから先ほど議論になっていた、日常活動、眠っていても0.9METsだとか。それの 総和で考えていくとか、そういうような問題については、やはり運動する方向のメッセ ージなんですから、例えば3ページの最初の「身体運動で?」。これは私は日常運動と いう方がいいと思うのですが、そこに例えば意識した身体活動でとか、意識した日常活 動で。あるいは意識した日常生活活動でという意味を入れて、要するにただ寝ていたり、 服を着たり起き上がったりとか、そういうことを言っているのではないというのは、一 般の人はわかるわけです。ですからやはり3METs以上の運動、この言葉でいうと身体活 動をなるべくしていきましょう。日常生活もただのんべんだらりとして、その総和が1 日何METsになったというのではなく、家の中でも意識して体を動かすようにしましょう というメッセージを込めた方がいいと思います。そういう意味では意識したとか、何か 言葉をつけ加えた方がいいのかなと思います。  それから私は、個というのを単位というふうに改めたらどうかという、これは問題提 起なのですが。それで、皆さん、もちろん書いてあるからだとは思うのですが、ほとん ど個、個と話が決まっちゃったみたいですが。例えば個と決めたことに何か学問的な意 味があるのか。その辺先生方が決めると、ひょっとしたら何か学問的にあるのかなと思 っちゃうんです。たとえなかったとしてもなんですけれど。だからその辺がもしあるの なら教えていただきたい。  正直言って何か違和感があります。身体活動についてはそんなに強く、私は反対はし ません。違和感は、ちょっとしっくりこないけれども、そんなに強く反対しませんけれ ども。個というのは、かなり違和感があるので、これについてはそうではないという。 いや個というのは、こういうときに使う言葉として、一般性があるんだという議論が、 数人の先生方であったのだとしたら、教えてください。  太田座長 田畑先生か下光先生かどちらかで。  下光委員 斎藤議員がおっしゃるように、僕は個人的にはやはり単位という言葉を使 った方がいいかなと。もし個という言葉、あるいは単位という言葉を使うのであれば、 ユニットあるいは単位の方が響きもいいし、ベターかなというふうに思います。  あと問題になるのは、METsという言葉をまた使うかどうかということなのですが。そ れと別に考えて、個か単位かということであれば、斎藤議員の御提案の単位という方が いいのかなという気がしておりますので、その辺のところは田畑先生、いかがでしょう か。  田畑委員 非常にタイトなところであったので。いい案があれば、皆さんお願いしま す。  太田座長 それでは竹中先生、お待たせしました。  竹中委員 早稲田大学の竹中です。先ほどからエビデンスに関する話が中心になって きましたので、私は引っ込み思案ですから、あまり話をしない方がいいかなと思ってい たのですけれども。  私の専門は、始めさせて続けさせて逆戻りを予防するということを考えたプログラム づくりというのが中心なんです。そういう観点からすると、この指針がほとんど運動を やったことがないような人たち、国民の6割、7割いる人が見て、どういうふうに思う のか。まず読んでくれるかどうかというのをまず考えてしまいました。  それは問題だと思うのですけれども、先ほど中島参事官がおっしゃったように、ツー ルとして使用していくというのであれば、例えば地域で行っている健康教室とか運動教 室。そういうふうなところでツールとして渡していく。そして指導のときにそれを役立 たせていくというイメージを持っていけば、使い方はいいのではないかというふうに考 えました。  あと私たちの専門からすると、知識を相手に与えて、相手の態度を変えて、それをい かに行動に結びつけるかということまで考えるんですけれども、これの使いどころとい うのは、知識を与えて態度を変えるぐらいの初歩的な、そこら辺ぐらいまでを意識した ものとして考えていけば、この中身からちょうどうまく合っているのではないかという 感じがします。  あとは指導者用のガイドラインというのが作成されると聞いています。そういうとこ ろに知識を与えて、態度を変えて、それをどうやって具体的な行動に移させていくかと いうことを中心にしたガイドラインをしっかり出していけばいいのではないか。そこに はまず個に応じたものも含まれるのではないかと思います。  最後に2つほどですけれども、どうしても最初にもう少し、身体活動と運動に関する definitionをしっかりと出すことが必要なのではないかと思います。そこら辺が何かと いうことを相手の人にわからせるということが、まず1つ大きなことだと思います。  それからもう1つは、特に運動をあまりやったことのない、興味のない人たちに目を 引かすという意味では、読まなくても目で見てわかるようなものというのを、最初あた りにぼんと出していくのも必要なのではないかと思いました。大体以上が意見です。  太田座長 ありがとうございました。本当に国民の方にやっていただく、あるいは始 めていただいて継続していただくためには、いろんな工夫とか説明が必要なのだろうと 思います。ありがとうございます。  あと約10分ぐらいですが、どうぞお願いします。  相馬委員 NPO法人JWSの相馬です。今日の小委員会のテーマにはふさわしくな いかもしれませんが、実は幾つかアイディアを考えてきております。それを皆さんに御 披露させていただきたいと思っています。  最初に斎藤議員がお話になりましたように、私はNPO法人JWSをやっているので すけれども、実はもともと本職は広告会社のクリエイターです。それを言うわけではな いのですけれども、そういう前提でコミュニケーション戦略の組み立てというのを考え てきております。  ここには3つ、コミュニケーションのためには必要なのではないかということです。 1つはメインになるキービジュアル。それから指針となる数値。あるいは目標ですけれ どもそれをスローガンという形で出す。それから最後にそれをどういうふうにコミュニ ケーションするのかという、メインのキーワード。この3つでもって、今回の目的を果 たすためのツールになり得るのではないかと思っています。  ただしそれぞれメディアによって、レベルが違うと思いますので、一番高いところで いうとテレビコマーシャルだと思いますが、今回の運動指針の一番根底となる指導者向 けのツール、あるいはカタログ等はここに書いてあるようなことをきめ細かくやってい けば、それはそれでいいと思います。やはり一番大きな目標というのは、最終的に国民 にどういうふうにアピールするかということだと思うんです。そういう意味で非常に単 純な構造で作ってきましたので、お見せしたいと思います。  ビジュアルですけれども、最初に健康づくりのための運動指針とありますので、健康 という文字を1つロゴ化してまいりました。これは日本人ならだれでもわかる漢字で、 非常に親しみやすい字を使ってやっています。まず健康という大前提になるテーマです。  それから運動指針です。これを1つのビジュアル化しました。先ほど来出ていますけ れども、互換性があるのかという話があるんですけれども、身体活動と運動というもの を両輪を、1つの人間の歩くというところからたとえました。女性の方には日常の身体 活動が入っています。こちらの方には運動が入っています。その2つを歩くという行為 で、健康を支えているというふうなことをシンボライズした、キービジュアルでござい ます。  それから同じようなこと、これは人間が、買い物袋を下げていますけれども、買い物 袋の中には身体活動が入って、日常の身体活動が入って、足元にはスポーツが入ってい る。この2つで、健康が成り立っているということの、1つのビジュアルです。  これをだんだん具体化していきますと、ここにスローガン、先ほども言っていました ようにスローガンです。仮にステップ一日一万歩、ストップ生活習慣病というスローガ ンが入っていますけれども、こういう、我々の言葉でいう座布団です。スローガン、キ ーワードというのをここに置いておきます。それに、コミュニケーションワード、キャ ッチフレーズ、これはたまたまチョイス運動ということが入っていますけれども、こう いう構成で、1つの広告をやっていきたいというふうにと思っています。  例えばこれは自転車ということで、自転車の両輪で、日常活動と運動というようなこ ともあるのではないか。これはあくまでも1つのキービジュアルの考え方で、これは完 成形ではありません。こういうふうなことでもって、キービジュアルがまず必要ではな いかと思っています。  それから、根本となるスローガンワードですけれども。  太田座長 大分時間がかかりますか。あと1、2分でお願いします、すいません。  相馬委員 ではこれは次回ということにさせていただきたいと思いますけれども、い ずれにせよ、こういうふうなことでもってやっていかないと、なかなか国民に伝わって いかないのではないかと思っています。  1つは具体例としては、環境庁は小泉総理あるいは小池大臣を使って、いろんなキャ ンペーンをやってます。それから企業にスローガンを、ロゴマークを入れて、企業のコ マーシャルの中で具体的にそういうことをやっているものがあります。そういうふうな 運動にしていかないと、なかなか国民のレベルに伝わっていかないのではないかという ふうに思っています。  太田座長 ありがとうございました、今用意いただいた3種類の、しかもそれぞれし っかりした量のあるもの、また事務局の方でいろいろと御意見を伺って、よろしくお願 い申し上げます。  特に今日、御意見を伺っていない信籐先生、鈴木先生、いかがでしょうか。  信籐委員 時間がない中でかいつまんで1つだけなんですが。やはり先ほど竹中委員 がおっしゃったように、いかに国民の方にできるだけメッセージを届けていくかという のが、どうしても一番気にかかるところです。その手法に関しては、僕もその専門家で はないですから、さっき先生がおっしゃったような形がいいのかなと思ったんですけれ ども。  それに付随して付加して、1つだけ自分が感じたことを申し上げます。最後にいろん な年齢の男女の例が載っています。あそこでふと思ったんですけれども、すごい変なこ とを申し上げるかもしれないので御勘弁いただきたいのですが、何かすごくいい例が多 くて、それはそれですごくポジティブな印象があっていいのですけれども、その先に何 があるのかなという感じがしたんです。  すごいばかみたいな話ですけれども、人間は最後は死ぬわけです。例えば自分がフィ ットネスや運動や生活を考えるときに、僕も一応折り返しは過ぎているので、どういう ふうにこれから衰えて、どういうふうに死んでいくかということを考えながらやってい る点があります。  フィットネスや健康づくりと考えたときに、最終的にどうやって死んでいくかという ことが、イメージとしてついてこないと何かいまひとつリアリティがないなという感じ がして、すごくそういうことを感じました。まとまりがなく雑感で申しわけないですけ れども。だから大筋として、国が出すものとして、こういう形がすごくいいと思うし、 できるだけ柔らかくつくろうという形で工夫がされているので、それにはすごく好感を 持ちましたが。  本当に極端な例で申しわけないのですが、例えば60代、70代、80代の方がこういう ふうに自分の生活を少しずつ収れんさせていって、最後はこういうふうに息を引き取り ましたみたいな例があってもいいのではないかなという感じがしました。それだけです。  太田座長 ありがとうございました。ほかはよろしゅうございますか。多分まだおっ しゃり足りない部分、あるいは先ほどの相馬先生にもまだ全部ディスプレイしていただ いていませんが、そういうものがございましたら、どうぞ遠慮なく事務局の方に御連絡 なり、情報提供、お願い申し上げます。あと、事務局の方から何か。  中野補佐 次回のスケジュールに関しましては、また後日、日程調整をさせていただ きたいと思っております。本日の資料1に関しまして、さまざまな先生方から御意見を いただきましてありがとうございました。またそれをもとに、少し一部の先生方と御相 談させていただいて、更新させていただいて、次の会議でまた御意見をいただくという 段取りで考えております。もし今本日言い足りないことがあった場合には、今週1週間 ぐらいをめどに、事務局、メールアドレスで、うちの事務局の大澤の方から日程調整等 送っていると思いますので、そういったところにメールでも結構ですし。または電話、 FAX等でも結構ですので、御連絡をいただければと思っております。以上でございます。   太田座長 今日初めて案として出していただきました。皆さん方、大筋ではかなり御 賛同いただけたというふうに理解しております。本当にありがとうございました。同時 に貴重な意見をたくさんいただきました。それから問題点、さらによりいいものにする ための資料等も御提案いただきました。本当にいいものになるなという実感がしており ます。今後とも御協力をよろしくお願い申し上げます。どうもありがとうございました。 (終了) (照会先) 健康局総務課生活習慣病対策室(内線2974,2338) - 1 -