06/02/15 中央社会保険医療協議会総会平成１８年２月１５日議事録


０６／０２／１５　中央社会保険医療協議会
　　　　　　　　　第８５回総会議事録　	

(1)日時　　平成１８年２月１５日（水）０９：３９～１５：１２
(2)場所　　東海大学校友会館　阿蘇・朝日・東海の間
(3)出席者　土田武史会長　遠藤久夫委員　室谷千英委員　小林麻理委員
　　　　　 青柳親房委員　対馬忠明委員　小島茂委員　勝村久司委員
           宗岡広太郎委員　大内教正委員　飯塚孜委員　松浦稔明委員　
           松原謙二委員　青木重孝委員　野中博委員　石井暎禧委員　
           邉見公雄委員　黒﨑紀正委員　登利俊彦委員　山本信夫委員
           大島伸一専門委員　岡谷恵子専門委員　白石小百合専門委員
　　　　　 ＜事務局＞
　　　　　 水田保険局長　宮島審議官　麦谷医療課長　榮畑総務課長　石原調査課長
　         堀江保険医療企画調査室長　水谷医療課課長補佐　他
(4)議題　　○　平成１８年度診療報酬改定について
           ○  その他
(5)議事内容
○土田会長　ただいまより、第８５回中央社会保険医療協議会総会を開催いたします。
　まず、委員の出欠状況について報告いたします。本日は、全員が御出席ですが、青柳
委員及び宗岡会員から、少し遅れる旨の連絡を受けております。
　なお、保険局長は、公務により途中退席させていただく旨の連絡を受けております。
また、宮島審議官は、公務のため少し遅れる旨の連絡を受けております。
　それでは、議事に入らせていただきます。
　まず、「平成１８年度診療報酬改定における主要改定項目（案）」について議題とし
たいと思います。
　前々回２月３日及び前回２月８日の総会におきまして、事務局より提出されました
「平成１８年度診療報酬改定における主要改定項目について（案）」について、一通り
御議論をいただきました。
　本日は、事務局より、この「主要改定項目（案）」について、個別の点数案を入れま
した資料が提出されております。また、前々回及び前回の議論を踏まえた追加の資料が
提出されておりますので、最初にその説明をお願いいたします。
○事務局（麦谷医療課長）　おはようございます。医療課長でございます。
　お手元の資料、中医協総－１という資料をごらんください。タイトルは、「平成１８
年度診療報酬改定における主要改定項目について（案）」という資料でございます。こ
の資料は、既に会長から御紹介がありましたとおり、２月３日、８日に配付いたしまし
た資料とほとんど同じでございますが、今日の資料は、個別の点数を書き込んでござい
ますので、その点だけが違います。内容はほとんど同じですが、若干修正もございます
ので、そのあたりを少し強調して御説明をしたいと思います。内容の大筋の説明は割愛
をさせていただきます。
　それでは、主に点数が記入されているところを中心に説明申し上げます。まず４ペー
ジ、ここは点数はございませんが、非常に論議の的になりました「医療費の内容の分か
る領収証の交付の義務付け」というところで、「具体的内容」につきましては、療養担
当規則を改正して、「保険医療機関等は、医療費の内容の分かる領収証を無償で交付し
なければならないこととする。」という規定をここでまとめさせていただきました。
　また、さらにもう１つの丸で、「患者から求めがあったときは、保険医療機関等は、
患者にさらに詳細な医療費の内容が分かる明細書の発行に努めるよう、通知で促す」と
いうふうにさせていただきまして、無償で交付しなければならない領収証というのは、
５ページにひな形がございます。この内容の領収証を医療機関に療養担当規則で義務付
けようと思っております。
　続きまして６ページ、セカンド・オピニオンの点数でございますが、通常の診療情報
提供料が診療情報提供料（I）ということで２５０点、それから新しくセカンド・オピ
ニオンのための診療情報提供料ということで５００点をここに提案しております。
　それから７ページ、外来迅速検体検査というのがございました。その日のうちに迅速
に検査するということでございますが、そこに「新」と書いてございます。検体検査１
項目ごとに、５項目を限度として、加算は１点でございますが、項目ごとにとれますの
で、５項目を限度として算定するということでございます。
　続きまして９ページ、生活習慣病指導管理料というのがございました。高脂血証、高
血圧症、糖尿病に対する指導管理料ですが、名称が分かりにくいということも含めまし
て、「生活習慣病管理料」と改め、さらに点数を、そこに書いてございますとおり引き
下げてございます。また、療養計画書の様式については中医協で御議論があったとおり、
できるだけ分かりやすいもの、患者さんにとって分かりやすいものに改めたものがそこ
の１０ページ、１１ページにつけてございます。
　それから１２ページ、「ニコチン依存症管理料の新設」でございますが、これは新し
い点数としてニコチン依存症管理料、１２週５回にわたる点数でございますので、初回
２３０点、２回目以降１８４点、最終回１８０点と、途中で断念されますとそこまでし
か算定されません。また、対象患者に、従前説明しておりましたものに加えて、ブリン
クマン指数、１日の喫煙本数掛ける喫煙年数が２００以上の者であること等を加えてお
りますし、施設基準におきましても、従来の禁煙治療の経験を有する医師が１名以上に
加えまして、禁煙治療に係る専任の看護職員を１名以上配置していること、あるいは医
療機関の構内が禁煙であること等を加えております。また、この管理料につきましては、
１２ページの一番下にアスタリスクでつけ加えてございますが、「本管理料の新設によ
る効果については、診療報酬改定結果結果検証部会による検証の対象とする。」という
ことにさせていただいております。
　それから１３ページ、「がん診療連携拠点病院に係る評価の新設」でございますが、
これは入院初日に２００点算定できるようにしております。
　それから飛ばしまして１６ページ、「在宅療養支援診療所の評価」でございます。
「在宅療養支援診療所の要件」の中に、ここで御議論の対象になっておりました「看護
職員」なのか「看護師」なのかというところは後でまたデータを提供して御説明申し上
げますが、「看護職員」ということで、一応結論はここに書いてございます。
　それから１８ページ、その在宅療養支援診療所が算定できる点数でございます。改正
案の右側にマル新というのが書いてございますが、地域連携退院時共同指導料（I）と
（II）というのがございまして、紹介元と入院先の病院がそれぞれ算定できますが、在
宅療養支援診療所の場合は高い点数というふうに、１，０００点と、それ以外は６００
点というふうに差が設けてございます。
　それから２０ページ、従来、寝たきり老人在宅総合診療料、あるいは在宅時医学管理
料と呼ばれていたものが一つになりまして、在宅時医学総合管理料というふうに、マル
新のところではなっております。なお、在宅療養支援診療所の方が、４，２００点、４，
５００点と高く設定してあります。
　それから２４ページ、ターミナルケア加算でございますが、従前、ターミナルケア加
算は１，２００点、１万２，０００円でしたが、改正案では、在宅療養支援診療所の医
師が最期を看取る場合は１０万円というふうに、高く設定してございます。
　それから２８ページ、初再診でございます。初診料・再診料につきましては、点数は
２９ページに書いてございます。病院２５５点、診療所２７４点という現行を、初診料
につきましては統一いたしまして、病院を引き上げ、診療所を引き下げ、２７０点で統
一しております。再診料につきましては、病院を１点引き下げて５７点、診療所、２点
引き下げて７１点ということで、病診の格差は、わずか１点ですが、是正してございま
す。それから継続管理加算、これは５点ついておりましたが、すべて廃止してゼロにい
たします。それから外来診療料つきましては、再診料が下がることに伴って２点下げて
おります。
　それからＤＰＣですが、３６ページをごらんください。ＤＰＣは包括されております
ので、トータルとして３．１６％下げております。
　それから３７ページ、リハビリテーションですが、これは既に提示してあります４つ
の疾患別リハビリテーションをそのように点数化しております。３７ページに表がござ
います。リハビリテーション料（I）というのは、医師またはリハビリテーション従事
者の配置が手厚い場合に高い点数ということで、例えば脳血管疾患ですと２５０点、運
動器ですと１８０点のようになっておりまして、リハビリテーション料（II）というの
は、一定の施設基準を満たす場合で、少し緩やかな基準でございますが、その場合は、
例えば脳血管でありますと１００点、運動器ですと８０点というふうに、ちょっと低い
点数になっておりまして、さらに従来なかった算定日数の上限が、１８０日、１５０日
等々、そこに算定日数の上限を決めさせていただきました。
　なお、３８ページの一番最後の丸、このほか、療養担当規則でリハビリテーションと
いうのは、「現行」と書いてあります、従来は、理学的療法、すなわちリハビリテーシ
ョンですが、「理学的療法は、投薬、処置又は手術によって治療の効果を挙げることが
困難な場合であって、この療法がより効果があると認められるとき、又はこの療法を併
用する必要があるときに行う。」という記述になっておりましたが、そこは「リハビリ
テーションの医学的な有用性が認知されている現状を踏まえ、見直しを行」い、「改正
案」としては、単純に、「リハビリテーションは、必要があると認められる場合に行
う。」というふうに、療養担当規則の文言を改正させていただきます。これは後ほど、
療養担当規則の諮問・答申のところでもう一度文章をお示しして説明申し上げます。
　以上がリハビリテーションです。
　それからちょっと飛びまして４９ページ、精神科のいろいろな算定がございますが、
「精神科デイ・ケアに係る評価の見直し」ということで、新しい点数として精神科ショ
ート・ケアというものを、そこに新しくつくってあります。
　それから、精神科で５１ページ、これは認知症、痴呆と言ってもいいですが、認知症
加算の新設ということで、精神病棟入院基本料を算定する重度の認知症患者につきまし
て、１日１００点を認知症患者入院のときに算定いたします。
　それから５２ページ、これはバブコメを反映した点数でございますので、これは後で
またそのことも申し上げますが、パブリックコメントによって変わった点数でございま
して、重度認知症患者デイ・ケア料（I）・（II）というのが従前ございましたが、こ
れを一つにいたしまして、重度認知症患者デイ・ケア料一本にして算定することになっ
ております。
　それから５４ページですが、「地域連携パスによる医療機関の連携体制の評価」とい
うことで、対象疾患は大腿骨頸部骨折だけでございますが、地域の医療機関が連携する
ということで、新点数としまして、入院時地域連携診療計画管理料１，５００点、それ
から退院時１，５００点というふうに設定をしております。
　それから飛びまして５７ページ、臨床研修病院につきまして、今まで３０点ついてお
りましたが、これを単独または管理型の病院の場合に４０点、それから協力型臨床研修
指定病院の場合、２０点を新しく加算いたします。
　それから５８ページ、いわゆるストロークケアユニットと呼ばれているものですが、
脳卒中のケアユニットを新しくつくります。脳卒中ケアユニット入院医療管理料という
ことで、１日につき５，７００点、２週間を限度として算定いたします。
　それから飛びまして６２ページ、小児はいろいろなことをやっておりますが、一つの
ハイライトとしまして、小児の入院医療につきまして、小児入院医療管理料というのを、
現在３，０００点のものを３，６００点、２，６００点のものを３，０００点というふ
うに大幅に引き上げております。
　それから、小児はいろいろなことやっておりますが、６６ページ、これは新しい点数
でございます。小児食物アレルギー負荷検査ということで、９歳未満の入院患者に対し
て食物アレルギーが強く疑われた場合、その原因抗原を特定するために食物負荷検査が
必要と判断された場合に実施をいたします。この新しい点数をつくっております。
  それから６７ページ、「ハイリスク分娩管理加算の新設」でございますが、ハイリス
ク、妊娠２２～２７週の早産ですとか、４０歳以上の初産婦等々、こういったハイリス
クの妊婦さんに対してハイリスク分娩管理を行ったときに、１日につき１，０００点を
加算いたします。
　それから、このようなことを連携して行うために、６８ページ、ハイリスク妊産婦共
同管理料というのを、紹介元の医療機関それから入院先の病院、それぞれ算定できるよ
うに、５００点、３５０点、設定しておりまして、さらに前回の中医協の御議論を踏ま
えまして、６８ページの「施設基準」のところに、ハイリスク妊産婦共同管理料（I）
の黒ぽつの２つ目、これは前回御指摘があって加えたものでございます。「年間分娩件
数、ハイリスク分娩管理を共同で行う保険医療機関の名称等の情報を院内掲示している
こと」という文言が加わっております。
　それから飛びまして７１ページ、７２ページ、「急性期入院医療の実態に即した看護
配置の適切な評価」ということで、看護配置を非常に厚くする。７対１、すなわち入院
患者７人に対して看護師１人の配置。従前の表記で言えば１．４対１と言いますが、こ
の手厚い看護配置を新しく創設しておりまして、点数につきましては７２ページをごら
んください。７２ページ、例えば今の１．４対１の配置の入院基本料ですと、７２ペー
ジの下の「改正後の病棟区分別の点数・基準一覧」のマトリックスの中で一番左の上で
す、一般病棟、１．４対１というのをごらんください。そこに点数が１，５５５点とい
う、従前に比べて非常に高い点数が設定されてございます。それから、その上の丸、看
護補助加算につきましても、現行の５区分を３区分ということで簡素化を図っておりま
す。
　それから飛びまして７４ページ、有床診療所における入院医療でございますが、従前
のあるいは現行の有床診療所入院基本料等を簡素化いたしまして、看護職員５人以上と
５人未満に分けまして、５人以上の、最初の１週間に非常に高く点数を設定してござい
ます。それから、ここに中医協で御議論ございました、「看護職員」ではなくて、最低
でも１人の看護師というのを、後でデータをお示しして御説明申し上げますが、アスタ
リスクをごらんください。「看護職員５人以上のうち、看護師が１人以上いることが望
ましい。」というような表記にさせていただきました。
　それから７５ページ、電子化加算、ＩＴの電子化加算でございますが、新しい点数と
して電子化加算３点を設定しております。内容につきましては、前回、前々回説明して
おりますので、割愛をさせていただきます。
　それから７７ページ、医療安全対策加算ということで、リスクケアマネジャーが配置
されている場合、入院初日に５０点を加算します。
　それから７８ページ、これも前回御議論あり、また、パブリックコメントでもござい
ました褥瘡ハイリスク患者ケア、これが新しく設営されております。具体的な内容とい
たしましては、算定要件はいろいろございますが、褥瘡ハイリスク患者ケア加算、１回
の入院につき５００点というのを、これは全く新しいものがここで提案をされておりま
す。
　それから７９ページ、「臓器移植の保険適用」につきまして、高度先進医療専門家会
議の結果を受けて保険適用しております。新しい点数といたしまして、マル新が２つご
ざいますが、一番下の方、「脳死臓器提供管理料（レシピエント１人につき）」という
ことで、従来、臓器提供施設には一円も行かなかったのですが、保険適用になりまして
からは、この提供施設に点数が１万４，２００点、これはレシピエント１人につきでご
ざいますので、多臓器を摘出して提供いたしますと、掛ける臓器というふうに、提供施
設に点数がつくことになっております。
　それから少し飛びまして８７ページ、「その他指導管理等に係る技術の評価」という
ことで、幾つか、マル新ではございませんが、加算の新設とか新しいものがございます。
１つは、エイズ患者さんに対するウイルス疾患指導料というのを、そこに加算を新設し
てあります。
　それから８８ページですが、特定薬剤治療管理料の適応を、抗てんかん剤ですとか免
疫抑制剤に拡大をしております。それから８８ページの３で、重症度の高い喘息患者に
対する治療管理を、これも加算を新設をしております。
　それから８９ページ、９０ページですが、慢性期入院医療の評価ということで、これ
は医療の療養病床ですが、中医協での御議論、御指摘を踏まえまして、区分ごとの点数
を一応書いてございますし、また、もう少し区分について勘案して点数を考えるべきだ
という御指摘を踏まえて、例えば８９ページの下の「改正案」をごらんいただきたいと
思いますが、従前の表記では、医療区分１が１つの点数になっておりましたが、ここは
２つの点数に分けてありまして、医療区分１のＡＤＬ区分３を高く設定をしてございま
す。
　それから少し飛びまして９３ページ、これは入院時食事療養費、１日１，９２０円を、
３食を３分割いたしまして、１食当たりに設定いたしまして、食べた分だけ保険で払う
ということにするという方針を示してあります。ここで３分割して６４０円というふう
に書いてございます。
　それから飛びまして９７ページ、９８ページ、「コンタクトレンズに係る診療の評価
の適正化」ということで、コンタクトレンズ検査料というのが９８ページに２つ、
（I）と（II）というのが設定してありまして、コンタクトレンズ検査料は包括化の点
数になっております。（II）というのが、非常に低く設定されておりますが、これは、
コンタクトレンズ診療に係る患者が７０％以上、１月のレセプトが７割以上コンタクト
レンズの診療に関するものだといった医療機関にあっては、この（II）の安い点数をと
るというふうにさせていただきました。
　それから１０１ページ、これは歯科でございますが、「かかりつけ歯科医初・再診
料」を廃止いたしまして、それぞれ歯科初診料、歯科再診料ということで低い点数を設
定しております。
　それから１０２ページ、新しい点数ですが、地域歯科診療支援病院の歯科初・再診料
の新設を、病院と診療所の連携と機能分化ということで、そこに２５５点あるいは５９
点と設営をさせていただいております。
　それから歯科におきましても、１０４ページ、乳幼児時間外加算を新設いたしまして、
初診時の時間外、休日・深夜における乳幼児加算の新設を行っております。
　それから、さらに歯科は１０６ページ、歯科疾患の指導管理体系を見直しまして、歯
科疾患総合指導料というものを新しく設定いたしまして、そこの真ん中にございますが、
１３０点、あるいは人員の配置に伴って１１０点というのをつくってあります。
  それから１０７ページ、歯周疾患の評価の見直しで、歯周疾患指導管理料機械的歯面
清掃加算というのをそこに新しくつくっております。
　それから飛びまして調剤ございますが、１１６ページ、調剤基本料の見直しで、調剤
基本料は、従前３種類ございましたが、これを１区分とまずいたします。調剤基本料４
２点と調剤基本料１と調剤基本料３の２区分を１区分といたします。それから、受付回
数４，０００回を超えて、かつ集中率７０％を超える保険薬局においては１９点と、こ
れも引き下げましたので、内容としては、点数は２つになるということでございます。
　それから調剤料でございますが、１１７ページ、現行は、１４日以下の場合が２つに
分かれておりまして、１５日から２１日、２２日から３０日、３１日以上となっていた
ものを、２２日以上３０日以下の部分と、３１日以上の部分を一つにいたしまして、簡
素化を図っております。
　それから１２１ページはジェネリック、「後発医薬品の使用促進のための環境整備」
ということで、これはもう何度も出ておりますが、処方せんの様式を変更して、新たに
「後発医薬品への変更可」のチェック欄を設けるということで、１２２ページに書いて
ありますような処方せんを標準様式にいたします。
　それから１２５ページ、透析医療でございますが、透析医療に係る評価ということで、
これも御議論いただきましたが、「具体的内容」の２つ目の丸、人工腎臓の夜間加算・
休日加算につきましては、現在５００点ですが、これを引き下げて３００点、それから
人工腎臓については、エリスロポエチン製剤を含め包括的に評価して適正化ということ
で、点数は上がっておりますが、薬剤は包括されております。
　それから１２６ページ、「処方料等の見直し」で、処方料はそのままですが、処方せ
ん料について１点引き下げております。なお、特定疾患処方管理長期投薬加算につきま
しては引き上げて、これを引き上げますと、薬が長く出ますので、再診料は算定されま
せんので、そのような効果を期待をしております。
　以上、概略ですが、点数が入りましたので、簡単に御説明を申し上げました。
　それから、追加資料が幾つかございますので、それも簡単に説明いたします。まず総
－２－１でございます。「ニコチン依存症管理料資料集」ですが、これは御議論のため
に同じものを添付したので、内容は、説明を割愛させていただきますが、同じものを今
日つけてございますし、前回説明いたしました総－２－２、「ニコチン依存症管理料追
加資料」につきましても、これは前回、矢島生活習慣病対策室長から説明がありました
ので、これもつけてはございますが、説明は割愛させていただきます。
　それから一枚紙の資料、中医協総－２－３という資料、これは新しい資料でございま
して、有床診療所の入院基本料を届け出ている施設のうち、看護師、准看護師を含めた
看護職員を５人以上配置している施設で、看護師がどのように配置されているかという
ことでございます。全体で見ますれば、看護師が結局いない、ゼロ人、つまり、すべて
准看護師であるというところは１９．９％、つまり２割である。言いかえれば、８割の
ところに看護師は最低１人いるということで、２割が准看護師だけというふうに、こう
いうデータが一応出されております。また、これは全国平均でございますので、地方に
よってはさらに准看護師の比率が高くなる地方ももちろんございますが、一応これはデ
ータとして今日提供しております。
  それから、総－２－４、タイトルは「平成１８年度診療報酬改定における医療機能の
分化・連携について」でございますが、これは前回の中医協におきまして、医療機能の
分化・連携をうたっているわけでございますので、それに対してどのような診療報酬点
数の改定を行ったのかという整理がないという御指摘でしたので、そこに資料を出させ
ていただきました。
　簡単に申し上げますと、「平成１８年度改定の基本方針」というのが、社会保障審議
会医療保険部会・医療部会から出されておりました。そこの記載事項を具体的に掲げま
して、それに対する対策を四角の「具体的対応」で行ったというふうに整理をさせてい
ただきました。
　まず、１ページの１でございますが、これは、社会保障審議会医療保険部会・医療部
会の基本方針の書きぶりは、「地域における疾患ごとの医療機能の連携体制に係る評価
の在り方について検討するべきである。」という御指摘でございましたので、その検討
の結果、今回の診療報酬の「具体的対応」といたしまして、地域連携パスですとか、が
ん診療拠点病院の評価ですとか、地域連携小児夜間・休日診療料の見直しですとか、ハ
イリスク妊産婦共同管理料を新設いたしました。これはすべて対応しているわけではご
ざいませんが、そのようなことを盛り込んだというふうに御理解いただきたいと思いま
す。
　それから２番目の基本方針は、「２４時間診療ができる在宅医療や終末期医療への対
応に係る評価の在り方について検討するべきである。」という基本方針でございました
ので、２ページをめくっていただいて、今回の「具体的対応」としては、在宅療養支援
診療所を新設いたしました。それから、入院から在宅療養への円滑な移行を促進いたし
ます。在宅療養における２４時間対応の体制を評価いたしましたし、患者の重症度を反
映した訪問看護の評価の見直しを行いました。また、在宅におけるターミナルケア及び
看取りに係る評価を、これは点数を高くして見直しておりますし、自宅以外の多様な居
住の場におけるターミナルケアの推進も、これも入っております。
　それから第３番目でございますが、「平均在院日数の短縮の促進に資するような入院
医療の評価の在り方や、急性期入院医療における診断群分類別包括評価（ＤＰＣ）の支
払い対象病院の拡大等について検討するべきである。」という御指摘でございましたの
で、「具体的対応」といたしましては、ＤＰＣ病院を拡大いたしますし、診断群分類の
点数を見直します。また、ＤＰＣにおきます入院期間Iの設定方法も見直しますし、包
括評価、調整係数についても見直します。
　それから４番目でございますが、「このほか、病院・診療所の機能分化・連携を推進
する観点から、病院と診療所の初再診料の格差の問題など、外来医療に対する評価の在
り方について検討するべきである。」という御指摘に対しましては、先ほど御説明申し
上げましたように、３ページ目、初再診料、外来診療料を見直しております。
　また５番目として、「診療報酬施策によって医療機関の診療行動や患者の受療行動を
誘導するのではなく、基本的な医療政策の方向性に沿って個別の診療報酬点数を設定し
ていく中で対応していくことを基本とすべきである。」という御指摘に対しましては、
全体にわたってそのような方針を貫いておりますが、例えば紹介率については、紹介率
で患者の動向を左右するのではなく、実際の診療所の機能、それから入院機能をそれぞ
れ評価いたしまして、個別に点数を設営したということでございます。
　以上が、この資料の説明で、一応基本方針と、それから医療機能の分化・連携の具体
的対応ということで、紙を提示させていただきました。
　それからもう１つございます。総－２－５という資料がございまして、これも前回中
医協で、透析医療のことで幾つか御下問と御指示がございましたので、資料を提出させ
ていただきました。
　まず、「透析医療に係る現状」ということで、現在何人ぐらいるのかという御指摘ご
ざいましたので、２００４年１２月３１日現在で、２４万８，０００人、透析患者がお
ります。毎年３万５，０００人が導入されますが、一方で、２万３，０００人がお亡く
なりになりますので、差し引き、毎年１万人ぐらいが増えるというというふうに御理解
いただきたいと思います。また現在、透析を行っている２４万８，０００人のうち、昼
間透析を行っている方が８割、それから夜間が１７％、その他ＣＡＰＤがおられますの
で、夜間透析は１７％というふうに御理解いただきたいと思います。
　また、エリスロポエチン等は何のために使うのだという御質問がございました。腎性
貧血の改善に使用される薬剤でございます。
　それから、実際透析患者のうち何％がエリスロポエチンを投与されているのかという
御質問で、そのときも答えましたが、８４％でございます。
　それから、包括的評価はなぜするのだということでございまして、１ページの「３　
エリスロポエチンの包括的評価」ということで、丸の２つ目、「適切な透析の実施によ
り一定程度貧血の改善が期待でき、エリスロポエチンの投与量を減少させることが可能
であり、エリスロポエチンを包括的に評価することにより、適切な透析を実施するイン
センティブを付与することとなる。」ということで、このための論文等々、後ろにつけ
てございますが、皆様の注意を喚起したいために、３ページ、日本透析医会、つまり透
析を行っている医療機関の団体、日本透析医会から医療課に対して、「診療報酬改定に
関する緊急のお願い」というのをいただきました。たくさん書いてございますが、ハイ
ライトは４ページを開いてください。この４ページ、日本透析医会の要望書の２ページ
目でございますが、一番上の行をごらんください。「そこで、以上のような背景をもと
に、日本透析医会は、人工腎臓点数にエリスロポエチンが包括されることを強く望みま
す。」ということで、根拠は以下に書いてございますので、後で御参照いただきたいと
思います。このように、実際に透析を行っているところからの要望をもとに私どもでは
やっておりますので、役人が勝手に設営したわけではございません。
　これが透析医療の資料でございます。
　以上、今日追加資料について御説明申し上げました。以上です。
○土田会長　どうもありがとうございました。
　ただいま説明をいただきました資料の中で、追加の資料につきましてはそれぞれの項
目のところで御議論いただくことにしたいと思います。その上で、個別の点数表が入っ
た資料、最初に御説明いただきましたが、その資料に沿いまして、順番に御意見の集約
を図っていくこととしたいと思います。
　なお、前々回及び前回の議論の中で既に一定の意見の集約が図られていると思われる
項目につきましては、特段の御意見がない限り本日の議論の対象とはせずに、いまだ意
見の集約が図られていない項目に係る議論により多くの時間を割くこととしたいと思い
ます。よろしくお願い申し上げます。
　それでは、まず最初に、「I　患者から見て分かりやすく、患者の生活の質（ＱＯ
Ｌ）を高める医療を実現する視点」について御議論いただきたい思います。
　この中では、前回まで意見の集約が図られていない項目として２つございました。１
つは、４ページの「医療費の内容の分かる領収証の交付の義務付け」でございます。そ
れからもう１つは、１２ページの「ニコチン依存症管理料の新設」、この２つになろう
かと思います。
　ところで、前回の総会におきまして、１号側の委員の方から、１号側委員と２号側委
員の主張の隔たりが大きい項目については、既にそれぞれの主張が出尽くしているので、
公益委員の方から、両者の間をとる何らかの調整案を示していただけないかという御提
案がございました。これについては、２号側委員の方も基本的には御賛同いただけたも
のと理解しております。
　これを踏まえまして、この２つの項目につきまして、あらかじめ公益委員の方で考え
方を整理いたしました。その内容につきまして、遠藤委員の方から資料に沿って御説明
をお願いいたします。
○遠藤委員　それでは、中医協総－３に公益の意見を表明しておりますので、資料に沿
いまして読まさせていただきます。
　１  医療費の内容の分かる領収証の交付について
○　医療費の内容の分かる領収証の交付については、
・　患者が自ら受けた診療の内容及びこれに要した費用を確認することができる
  よう、保険医療機関等に、個別の診療報酬上の算定項目の分かる領収証の交付を義務
  付けるべきであるという意見と、
・　本来、領収証の交付として義務付けがなされる範囲は、領収した費用の総額のみと
  すべきであり、医療費の内容については、患者の求めに応じて、個別の診療の中で、
  個々の患者への説明を行うことで対応すべきものであるという意見とがあった。
○  この問題については、「必要な情報に基づき患者自身が選択して、患者本人が求め
  る医療を提供していく」という「患者本位の医療」を実現していく観点からも、今回、
  保険医療機関等に、医療費の内容の分かる領収証を無償で交付しなければならない旨
  を義務付けることが適当であると考える。
○  一方で、現状においては、診療等の度ごとに、時間を置かずに詳細な明細書を発行
  できるシステムを整えている保険医療機関等は極めて限られている。このような状況
  の下で、保険医療機関等に詳細な明細書の発行を義務付けることは、義務違反が最終
  的には保険医療機関等の指定取消にまで繋がるものであることを勘案すると、過剰な
  義務付けとなってしまうおそれもあり、一定の配慮をせざるを得ない。
　  今回、発行を義務付けるレベルとしては、診療報酬点数表の各部単位で金額の内容
  の分かる領収証とし、施行日までに体制を整えることが困難な保険医療機関等に配慮
  し、６ヶ月間の経過期間を設けることが適当であると考える。
○　その場合にあっても、保険医療機関等においては、患者から求めがあったときは、
  患者にさらに詳細な医療費の内容が分かる明細書の発行に努めることが適当であると
  考える。
　  なお、その際の費用については、現時点においては、保険医療機関等と患者との間
  の関係にゆだねられているものと解することができると考えるが、仮に費用を徴収す
  る場合にあっても、実費相当とするなど社会的に妥当適切な範囲とすることが適当で
  あると考える。
　  以上が、領収証につきましての公益の考え方であります。
　それでは、「２　禁煙指導に対する診療報酬上の評価について」の公益の考え方を述
べさせていただきます。
　２　禁煙指導に対する診療報酬上の評価について
○　禁煙指導に対する診療報酬上の評価については、
・　ニコチン依存症が疾病であるとの位置付けが確立されたことを踏まえ、禁煙指導に
  対する診療報酬上の評価を積極的に行うべきであるという意見と、
・　ニコチン依存症が疾病であるとしても、個人の嗜好の問題であるとの側面が強い喫
  煙の問題に関し、禁煙指導に対し国民の保険料財源を充当することについて国民的な
  コンセンサスが得られているとは言えないのではないかという意見とがあった。
○　この問題については、喫煙率が下がることにより、国民の健康状態が改善し、最終
  的には医療保険の支出を抑えることにも繋がることであることを踏まえ、議論を一歩
  進める観点から、今回、禁煙指導に対する診療報酬上の評価を導入し、保険導入の効
  果について十分検証した上で、さらに議論を深めることが適当であると考える。
○  具体的には、今回改定において、対象患者の要件、実施保険医療機関の要件、評価
  の対象となる禁煙指導の要件など、一定の限定の下に、禁煙指導について診療報酬上
  の評価を行うとともに、併せてこれを診療報酬改定結果検証部会による検証事項と明
  確に位置付け、その検証結果を踏まえ、次回改定において、必要に応じて見直しを行
  うこととするのが適当であると考える。
　  以上であります。
○土田会長　どうもありがとうございました。
　それでは、この最初の項目につきまして、公益委員の考え方を中心に御意見をいただ
きたいと思います。
○対馬委員　まず、「医療費の内容の分かる領収証の交付」の関係ですけれども、これ
は議論が出尽くしたのではないかということで、公益の先生方に汗をかいていただけれ
ばということで、そのことについてはお礼を申し上げたいとは思うのですが、意思決定
にかかわる部分については従わざるを得ないのかなというふうに思うのですが、ただ、
事実認識としてここはいかがなものかというのがございます。丸の３つ目のところです。
「現状においては」と書いていますけれども、「診療等の度ごとに、時間を置かずに詳
細な明細書を発行できるシステムを整えている保険医療機関等は極めて限られてい
る。」と、こうなっておりますけれども、外来で患者は３割負担をしなければいけませ
ん。御承知のとおり、３割負担するためには、詳細の中身が分かって、それでもって計
算して３割というのが導き出されるわけであります。したがいまして、コンピューター
を使っているところはコンピューターで計算をされますし、またそうでないところは、
手書きであれ何であれ、すべて明細レベルで出して、それから３割負担ということにな
るわけであります。したがいまして、システムを整えているのは極めて限られていると
いうことではないというふうに思います。
　私どもとしては、ただ、ここまでお書きいただいていますので苦慮するところなので
すけれども、少なくとも努力する必要があり、特に明細の分かる領収証の問題ですけれ
ども、２ページ目の真ん中のちょっと上のところですけれども、「発行に努めること」
ということが書いてございますけれども、これは、行政対医療機関の関係だけではなく
て、やはり患者との関係においては、少なくとも、患者への周知を図る必要があるかと。
例えば、先般は、様式の中に書き込んだらどうかという話も申し上げましたけれども、
それにこだわるつもりはございませんけれども、院内に掲示をするといったことを含め
て、患者さんに分かるような形でやることが最低限度必要であろうかというふうに思い
ます。
　それから、ニコチンの方でございますけれども、私ども支払側というのは、非常に慎
重な意見でございました。私ども支払側としても、何度も議論を重ねてきたところであ
ります。たばこの健康への影響でありますとか、ないしは禁煙指導の必要性ということ
については、これが必要だということの認識は人後に落ちないというふうに思っていま
す。例えば健保連でいいますと、いろいろな研修をやっていますけれども、禁煙セミナ
ーといったものは、禁煙だけのセミナーというのもやっていますし、それ以外に、例え
ば看護師・保健師研修という中において、コースの中にカリキュラムを取り入れるのが
７コースぐらいあるのです。ですから、禁煙が最大の研修のテーマになっているという
ことでございます。
  問題は禁煙そのものではなくて、これを保険適用するかどうか、まさにここにお書き
いただいたところであります。国民的なコンセンサスを得られるかどうかという、この
とおりであるわけですけれども、とりわけ今回、今日も資料が出ておりますが、前回説
明がありましたけれども、費用対効果の問題でありますとか、将来の保険財政への影響、
いわゆるエビデンスですけれども、ここの場はできるだけエビデンスを尊重しながら、
それに基づいて議論しようではないかということでしたけれども、そこは極めてデータ
としては乏しいのではないか、こういうことでございます。
　私ども率直な気持ちを申し上げますと、これだけ財源が厳しい中であえて今回導入す
ることはいかがなものかというふうに思うわけですけれども、公益の先生方がこういっ
た形でお示しいただいたのであれば、少なくとも、ここに検証すべきだということでお
書きいただいてはいるのですけれども、いずれこの諮問に対する答申は、全体これから
議論されていくわけですけれども、そのときに附帯意見ということがあり得ると思うの
ですが、その附帯意見の中でも、少なくともここにお書きいただいたようなことは明確
にしていただきたい。次回以降、仮にこれでやむを得ないということになったとしても、
ここはぜひ附帯意見の中に書き込みをしていただいて、それでもって今後とも議論して
いくことが必要ではないかと、こういうふうに思います。
○土田会長　ほかに御意見ございますでしょうか。
○勝村委員　今お聞きしますと、あらかじめ公益委員の皆さん方でまとめていただいて
いるということですので、その御努力には敬意を表し、尊重したいという立場ではお話
しさせていただきたいと思いますが、ただ、この件に関しては、今後のこともあります
ので、ぜひ１点ですけれども、これまでも何度か話をする機会があればと思ったのです
が、この後の議論のために、ちょっと一言ぜひ聞いていただきたいということがありま
す。それは、僕は決して経済とか法律とか医療に詳しいわけではありませんが、この中
では、最も医療事故や医療被害の実情は一番よく知っておるのではないかという、そう
いう立場からです。
　私は、１５年前に医療事故に遭って、そのころちょうど全国の医療被害者たちが一つ
に集まるという動きがあり、またその後薬害の被害者たちも一つに集まるという動きが
あり、その際、いつも中心のメンバーの一人としていろいろな被害を見てきたつもりで
す。その中で、私は事故から１年後に、ある雑誌に一つ文章を投稿していますが、そこ
に私はどう書いたかというと、漫然と繰り返されている医療被害の原因は中医協にある
のではないかという文章を僕は書いています。それは、その中医協の委員に責任がある
とか、中医協の委員がかわればいいという話ではなくて、中医協が決めている医療費の
単価が非常に問題があるのではないかということを僕は感じたわけです。それは、なぜ
平日の昼間に無理やりお産が誘導されているのか、それから、なぜ救急医療でみんな子
供がたらい回しに遭うのか、それから、必要のない手術がなぜされて、富士見産婦人科
病院のような事故が起こるのかということを考えたときに、患者が価値があると思って
いる医療行為に健全な単価が設定されておらずに、逆に患者からすると価値がないので
はないかと思うことに非常に高い診療報酬がついている。だから、いい医療をしようと
思うところは赤字になってしまっており、そうでないところは逆に黒字になっている。
そこを正さなければ、いくら医療者に倫理やなんやと言っておっても、医療事故はなく
ならないという視点でやってきました。
　では、どうしたらいいのかということを考えたときに、中医協の委員とか、厚労省の
役人の人たちがという、そういう問題ではなくて、皆さんそれなりにそれぞれ努力され
ておっても、そこが変わらない理由は何かというと、医療費の単価が一切国民に知らさ
れていない、そこに大きな問題があるということを訴え続けてきたわけです。それでそ
の結果、もう何度も何度も厚生省には通いましたが、当時、レセプトというのは患者は
全く見ることができませんでした。厚生省の指導でした。それで、患者本人であれ、裁
判所が請求しても見せてはいけないという指導を厚生省はしていましたから、一切見る
ことはできませんでした。何という薬が使われ、それにどんな単価がつけられているか
ということを、患者、国民は一切知ることができなかった。
　それではだめだということで、皆さんが御存じの、あらゆる医療被害者団体、薬害の
団体が全部一つになってレセプト開示運動というのを続けて、ようやくそれが実現した
のが９７年、事故から７年後であります。そのときに、当時の小泉厚生大臣が、子供が
死んでも遺族にレセプトも開示していないということが事実であれば憤慨にたえないと
言いました。知らなかったようなふりをしているのですが、それはもうとんでもない話
だったわけです。それを受けて私たちは記者会見をしたのです。ところがレセプトは開
示されたけれども、レセプトというのは１カ月単位で書かれているものであって、いつ
受けたか分からないし、そもそもレセプトを入手するには二、三カ月期間がかかってし
まう。しかも、一々健康保険組合まで行かなければいけない。そうではなくて、そのと
きの記者会見で、これからは窓口で支払うたびに明細が見られるようにならなければい
けないということを言って、当時の新聞は、次はそういうことなのだと、当時の厚生大
臣の発言も、レセプトを見るというのではなくて、患者に詳細な単価の分かる明細を知
らせていくということは当たり前だという趣旨の発言だったというふうに理解していま
す。
　それから８年たっていますけれども、いまだにそのことが、単価を知らせるというこ
との努力が足らない。それで、全くここに来て、薬害エイズの人たちが、第４ルートの
人たちが、自分が何という血液製剤をつけられたか分からないままで二次感染を起こし
てしまって自分を責めている、または、薬害肝炎の人たちが、自分に使われたフィブリ
ノゲンかどうかが分からない、カルテもレセプトも保管義務が過ぎていってなくなって
いるということがもうどんどん報道されており、いまだに病院の中で点滴に何が入って
いたのかということを知るのは至難のわざということがあります。
　私は、非常にうれしかったことは、この中医協が、患者の視点を重視していくんだと、
そのためにパブリックコメントも公聴会も開いていくんだと、そうするならば、僕は診
療報酬の単価をぜひ知らせていくという形で、ということを中医協として強くそれを打
ち出して、国民や患者に単価というもの、価値観といいますか、それと、正式名称、医
療行為がどういう正式名称であって、その単価が幾らなのかということを示していくと
いうことをやっていくんだと、そういう方向に動いていくんだということが、僕は今回
は中医協の改革にも合わせて強く打ち出してほしいと訴え続けてきたところです。
　それで、今公益委員の皆様方の、僕は公益委員の皆さん方を信頼すると決めてやって
おりますので、ここの項目に関しては尊重したいと思いますが、ひとつこれはお願いし
たいのは、この今言っている領収証というのは、この厚労省が今様式を示しているもの
は、これは明細ではないと思います。これは小さな合計、小計を書いてあるだけで、正
式名称も単価、中医協が決めているのは単価ですが、その単価を一切示していないわけ
で、これを明細と呼んでいたのはレセプトを開示していなかった時代の話だと思います。
これを明細と呼ぶのではなくて、これは小計を書いた領収証であって、本来国民に開示
されるべきは、単価と正式名称の分かる明細、レセプトというのはそもそも請求書です
から、そういう意味合いのあるものだということで、言葉遣いを僕はまず整理していた
だきたいということと、だけれども、公益委員の先生方の文章を読ませていただいて、
一定その方向への道筋もつけられておるのかなと思いますが、さらに私は強く道筋をつ
くっていくために、お願いしたいと思います。ここの項目ではこれで意見を控えさせて
いただきたいと思いますが、この後のＩＴ加算のところで、もう一度領収証の件に関し
ては、今言った趣旨で発言させていただきたいと思います。
　以上、長くなってしまいました。すみませんでした。
○土田会長　１号側、ほかにございますか。
○大内委員　ニコチンの問題ですけれども、禁煙、このことは、ここにも書いてありま
すけれども、嗜好の問題でして、これが保険適用ということでの是非が私はあるのだろ
うと思っております。嗜好の問題を保険でやるということについては、これは、ここの
中にも書いてありますけれども、本人の意思で始めて、なおかつ本人がやめようという
意思がない限りは、この問題は多分永遠のテーマになっているのだろうというふうに思
っています。
　それから、ここに書かれている丸の２つ目なんですが、「喫煙率が下がることによ
り」というふうに書かれております。これは、喫煙率が本当に下がるのかどうかという
問題なんですが、例えば今喫煙をしている人で、その人数で固定をしてしまって禁煙の
治療をしてやめていくということであれば、それは多分下がるのでしょうけれども、し
かし、若い年代といいますか、喫煙を始める方が増えてくるわけですから、だから、こ
こで確実に「喫煙率が下がることにより」という表現は当たっているのかなという疑問
を持っております。だからといって、しないでいいということではなくて、認識の問題
としてどうなのかという部分があります。
　それから、３ページの上の丸なのですけれども、私もこの問題については慎重にすべ
きだろうというふうに思っておりまして、この３ページの一番上に、「議論を一歩進め
る観点から」と、こうふうに書かれておりまして、その観点から、今回、診療報酬上の
評価を導入しようと、こういうことで、なおかつ、導入の効果については、導入した上
で十分検証していきましょうと、こういうふうに書かれておりまして、実態的に、導入
をすることによってどんなことが生じてくるのか、どんな形になってくるのかというこ
とが不明なままに先に走っていっていいのだろうか、後で検証すればいいのではないか
と、それは一つの方法としてはあるかもしれませんけれども、この問題、一体どのよう
な形で影響をさせていくのか、なっていくのかという部分が極めて不透明な中で、この
保険適用ということを進めてしまっていいいのだろうかというふうに疑問として思って
おります。
　私の意見でございます。
○土田会長　ほかに１号側として御意見ございますでしょうか。
　それでは、また後で出していただくことにして、２号側から御意見をどうぞ。
○邉見委員　公益委員の皆さん方によって、禁煙、ニコチン依存症管理料が新設される
というふうな方向、私にとってはこれは小さな一歩だと思うのですけれども、もっと大
きな一歩を踏み出してほしかったなというのが実感ですけれども、これを踏み出してい
ただいたことには大きな敬意を表するものです。今、我々の医療界において、禁煙とい
いますか、喫煙がどのような状況にあるかというのを、ちょっと現況をお話しさせてい
ただいて、今後の議論、また検証とか、次の議論もあるようですので、その議論の参考
にしていただけたらというふうに思っております。
　まず、たばこ、今日もブリンクマン指数というのが出ていまして、例えば２０本を１
０年飲めば２００、１０本を２０年というのでも２００ですね。こういうふうなたばこ
を長い間飲むことによって呼吸器官の上皮細胞がだんだん傷んでがん化していく、肺が
んに関しては、喉頭から気管、気管支と肺がんというのは、これはかなり実際的に証明
されております。それ以外に、のどから食道の方へ通って、咽頭がん、食道がん、ある
いは胃の上部、のどから肺の方へ行かなかった副流煙みたいなものが、胃の上部、噴門、
胃大部といいますか、こういう胃の上部がんになるということもほぼ証明されておりま
す。それから循環器、これは循環器学会などもおっしゃっていますけれども、心筋梗塞
とか、そういうふうなものになるのも、これも認められております。
　それから、一番医療費を食っておるのは、それでなくて、ＣＯＰＤと英語では言いま
すけれども、慢性閉塞性呼吸器疾患といいまして、肺というのは、シャボン玉と思って
いただいたら、気管がストローなんですけれども、シャボン玉の玉の部分、肺胞細胞と
いうところが膨らんだりへこんだりする弾力性を、たばこを長く吸うことによって失っ
ていくわけです。それによって、炭酸ガスを外へ出せない。結局、酸素とガス交換がで
きないということで、携帯型の酸素を背負って生活をしなくてはいけないと。非常に今
ＱＯＬが落ちる状況で、長い間医療費を食うわけです。月１０万円ぐらいの酸素の費用
とか、いろいろなものがかかります。横浜の公聴会でも数名お見えになっておられまし
たけれども、すべてがたばこというわけではございません、公害の場合もありますし、
いろいろな場合があるとは思いますけれども、たばこが一番原因になるというふうに言
われております。これはかなり大きな長い病気ですので、真綿で首を絞めるような感じ
でだんだん呼吸面積が減っていきますので、かなり医療費を食っておるというのは現状
です。
　それから、私は消化器外科なんですけれども、手術をしていますと、喫煙者は非常に
もう肺も汚いですし、消化器の手術でも何でも、全身ガス麻酔というのを、気管内送管、
全身麻酔というのをやりますと、当日の夜、ＩＣＵとかリカバリールームで喀痰吸引を
します。たばこを吸っている人は、普通の人の３倍４倍、痰を取らないといけませんし、
後の術後肺炎とか、あるいは無気肺といいまして、痰が詰まって肺に空気が行かなくな
る、そういうのが非常に多くて、これも非常に医療費を食っていると、在院日数が増え
る要因だというふうに思っております。
　それから、禁煙指導というのは、そういうことで、我々は手術のときに、手術を機会
にやめたらどうですかということでお勧めして、無償で、外来が暇になる午後３時ごろ
からやっているわけですけれども、実際に病院にとっては何もプラスにはならないわけ
です。例えば、皆さんも御承知かと思いますけれども、Ｔ女史という医師がおります。
禁煙運動のパイオニアですけれども、この方は、ホームページに禁煙マラソンとかいう
のを書きましたし、それから、先ほど大内委員の方からお話がありました学童、今、喫
煙がだんだん低年齢化しているのです、その学童の親御さんからの電話とかを受けて、
いっぱいやるわけです。１時間、２時間やっても無償なのです。だから、そういうこと
で、院長や経営者としたら、そういう人たちは経営的には非常に困るわけです。だから、
そういう方たちはだんだんと病院から去っていくのです。その方は、ある大学の教官に
なりましたし、私が知っているあとの何人かのパイオニア的な禁煙指導されている方は、
何か病院におりづらいので、保健所へ行ったりというような、これはやはりちょっと問
題ではないかなと。例えば火事を消した人には御褒美があり、火事を見つけた人も御褒
美があるわけですが、火事を一生懸命予防したり、起こらないようにしている人は褒美
がないというか、全く認められないというのは何か問題があるのではないかなというふ
うに思います。
　特に、今度「健康日本２１」という国策とも思うべきものが出て、禁煙運動はその一
つの柱だというふうになっております。我々も、医療費の削減という国策に、病院は非
常に苦しいのですが、それを受け入れようとしているわけですから、ぜひできればこの
禁煙運動はお認めいただきたいというふうに私は思います。
　以上です。
○土田会長　ほかにございますでしょうか。
　また御意見がありましたら出していただきたいと思いますが、今いただきました意見
の中で、対馬委員の方から、「極めて限られている」ということに対する疑問といいま
すか、そういう意見の表明と、それから次の２ページのところで、「発行に努める」と
いうことについて、掲示その他周知を図る必要があるのではないかという意見が出さま
した。
　これについて御意見をいただきたいと思います。いかがでしょうか。
○松原委員　まず、先ほどの勝村委員の意見にも少し触れたいと思います。私どもはや
はり患者さんと信頼関係があって、十分な適切な医療ができると思っております。その
面から考えますと、この明細書で明らかにするのではなく、やはり疑問があれば、私ど
もが診療の中で診療情報を開示する、つまり、カルテを開示して説明申し上げるという
形で、本来そういった内容をきちっと説明すべきだと考えております。そういった面で、
勝村委員がおっしゃられた時期には、そういったカルテの開示すらなかったわけでござ
いますが、この４～５年においては、診療情報の提供に関する指針を日本医師会がつく
り、必要に応じて十分な説明ができる体制になっているということをひとつ御理解いた
だきたく思います。
　また、明細書でございますが、今回公益の先生方におかれましては、領収証と明細書
の違いをはっきりと打ち出していただけたことに対しては非常に感謝申し上げます。こ
の明細書の発行を実際に行っている病院というのは、実際、ごくわずかでございます。
その中でも、二、三の病院が行っているわけでございますが、患者さんが希望したとき
だけにその明細書を出すというシステムになっております。勝村委員の住んでおられる
ところの枚方市民病院でも、今回そういった明細書を出すということになったわけでご
ざいますが、そこにおいても患者さんが希望したときにそれが出されるようなシステム
になっていると聞いております。
　そのような中で、領収証を詳しく書いて義務化するということは大変重たい仕事でご
ざいます。何度も申し上げていますけれども、プリンターを買ったり、プログラムをか
えたり、大変なエネルギーがかかるというのも事実でございますし、現場に恐らく大混
乱が起きるのではないかと、私どもは心配しております。
　そういった中で、私たちも今十分に議論をし、なるべく対応する方向で考えているわ
けでございますので、御理解賜りたいと思いますし、対馬委員がおっしゃいました「限
られた」ということと、それをまた告知すべしということについても考えますと、今回
領収証を各部ごとに内容が分かるものを出すということだけでも大変な混乱が起きると
思いますので、大変心配している状態でございます。
○土田会長　ありがとうございました。
　まだ御意見があろうかと思いますが、一応意見の集約を図っていきたいと思います。
それで、最初のこの領収証の問題ですが、先ほど対馬委員から意見がありましたように、
すぐ「明細書を発行できるシステムを整えている保険医療機関等は極めて限られてい
る」ということから、今回発行を義務付けるものとしては６カ月間の経過期間を設ける
という、そういう趣旨でございますが、確かに、どこまで医療機関がそういうことが準
備できているかというところは議論の余地があろうかと思いますが、ただ今回、初めて
の一歩でございますので、それで６カ月間、これは長いと見るか短いと見るか、これも
意見が分かれるかと思いますが、６カ月後には、少なくともこの領収証は全部スタート
するということになりますので、したがって、そこのところで、「極めて限られてい
る」という文言にこだわるかどうかは別として、このところは御了解いただきたいとい
うふうに思います。
　それからもう１点は、「医療費の内容が分かる明細書の発行」についてでございます。
これは、今回私たちは、患者の申し出があったときにそれを出してほしいという言い方
にまとめました。これもやはり勝村委員が発言がありましたように、まだまだ不十分だ
ろうということは十分認識しております。しかし、これもやはり最初の一歩でございま
すので、方向性はこれから内容の分かるような方向に持っていきたいという意思を込め
ての表現でございます。したがいまして、今回は、この公益の側で出した意見に沿いま
して、４ページにある領収証の発行というものを６カ月以内に義務付けるということと、
それからさらに詳しいことについては、患者さんから申し出を受けてそれで医療機関と
して発行してもらう。その場合の費用については、実費相当あるいは無料にする場合も
あろうかと思いますが、最大限、実費相当ということで発行をお願いしたいということ
でございます。
　ぜひともそういうことで、ここで１号側、２号側から御了解をいただきたいと思いま
すが、いかがでございましょうか。
　それからもう１点、対馬委員の方から、附帯意見として、何かもう少し広報、周知を
図るというような意見がございました。附帯意見については、また後でも幾つかござい
ますので、それをいただいた上で検討していきたいということで、附帯意見は一応差し
おいた形でここでの結論を出していただきたいということでございます。いかがでしょ
うか。
○対馬委員　御相談というか進め方ですけれども、個別に、I、II、III、IVと、こうや
っていくのだろうというふうに思うのです。そうすると、各々ごとにもちろん答えを出
していくのが一番望ましいのだろうというふうには思うのですけれども、その中で、こ
れまでもかなり議論をしてきましたし、I、II、III、IV、各々ごとにも恐らくかなり論
点が絞られていくのだろうというふうに思うのです。そして、こういった今回のこの明
細書の問題、明細書の問題についてはもう随分議論してきましたので、公益の先生がこ
こまでおやりいただいたので、我々としても、もうこれに従っていかざるを得ないのか
というふうに思うのですけれども、例えば禁煙指導についてはまだまだ意見の隔たりが
大きいような感じもしますし、個々個別ではなくて、ここはひとつちょっとペンディン
グにしていただいて、IIの項目、IIIの項目、IVの項目、ずっとやっていただいて、最後
にもう一回ということにしていただければ大変ありがたいなというふうに思うのです。
○土田会長　結構ですよ。
○松原委員  先ほど対馬委員から、ニコチンのところはまだ意見が十分でない、附帯意
見をつけたいというような意見があったと思います。私ども、ニコチンについては、ま
だ十分な意見がないのであれば、もう少し議論をすることについてはやぶさかではござ
いません。
　ただ、この領収証の問題は、もう十分に議論し、この件で大変なエネルギーと時間を
使ってきたわけでございます。その結果として、１号側からも、公益の先生方にゆだね
たい、私どもも、公益の先生方にゆだねたいということで、この公益の先生方の意見が
出てきたということにおいては、最大限尊重したいと思っております。内部でもさまざ
まな議論をし、この今回の公益の先生方の御意見というのは、私どもが譲れるぎりぎり
のライン、まさに苦渋の選択として選ぶことのできる最大のラインではないかと思って
おります。そういったことから考えますれば、私どもは、この領収証に関しては、公益
の先生方の意見に従い、了承したいと思うのですが、ただ、またこれに附帯意見がつい
て中医協の意見がまた増えるとなると、これはまた別の問題でございます。ぜひ、ここ
のところでフルストップにしていただいて、中医協の意見としてはここまでであるとい
うことであれば、私どもは最大限努力していただいたことに感謝申し上げ、これを了解
したいと思います。
　ニコチンに関しましては、まだ意見があるとおっしゃられておるわけでございますの
で、これはまた戻って、ニコチンのところで議論をすることにおいてはやぶさかではご
ざいません。
○土田会長　ありがとうございました。
　ちょっと僕の進め方が悪かったなと思いますが、これは一応、最初の領収証の問題に
ついて、とりあえずここで御了解いただきたいということについてはいかがでしょうか。
○勝村委員　松原委員とは大きく意見の隔たりがあることが理解された部分がある中で、
公益委員の先生方にまとめていただくということには、公益委員の先生方、御尽力いた
だいているお立場、この一ページ一ページをきちんとやっていかなければいけないお立
場はよく理解しますので、私もその方向でと思っておりますが、今最後に、「希望する
患者には発行する」ということをここに文章で書かれるわけですけれども、このことが
国民に伝わらなければ、今回の中医協、患者の視点に立ったということでずっと言って
いる中で、やはり不十分ではないかと思いますので、今対馬委員の方からありましたけ
れども、何らかのそういう手だて、欲しいと希望する人には出すべきだという御判断を
していただいたのですから、そういう趣旨が伝わるということに一定の配慮をお願いし
たい。そこが最後に残っていることだと思いますので、もうこれ、あまり時間もとるこ
ともできないと思いますが、その点、今日午後からもあるというふうに思っております
ので、その点も含めて、公益委員の先生方に御判断いただきたいというふうに思います。
○大島専門委員　勝村委員がこれほどこだわるというのは、医療の安全と質をどう担保
するのかという、その担保の仕方がはっきり見えてこないというところにあるのだろう
と思います。私はこれは全般で、今言うべきことではないのかなというふうにも思いま
すが、しかし、このような話になったので、少し意見を言いたいと思います。日本では
医療提供体制と、診療報酬と、それから安全と質という問題が、必ずしも一体化して議
論がされていないのです。したがって、患者側からいくと、勝村委員がこだわるように、
もう領収証しかないのだと、それぐらいしかそれを担保する方法がないのだというよう
な形で突き詰めてしまうということがあるかと思うのです。しかし、もう少し広い見方
をすれば、診療報酬をどう質と安全に関連させたものにしていくのかという議論は別個
にあっていいと思うのです。今日本の中でも医療の安全性についてどうすべきかといっ
た議論が進んでいますし、アメリカなんかでも随分進んでいると思うのですけれども、
質と安全をどう担保するのか、あるいはどう評価するのかというインディケーターとい
うのは、随分明らかにされてきています。そういったものをどう診療報酬に反映させて
いくのか、医療機関と医療の質と安全を同時に評価しながらそれをその診療報酬にどう
反映させるのかというような議論を始めてもいいのではないかという感じがしています。
　したがって、どこかでこれは多分妥協しなければいけない話だとは思うのですが、そ
ういったような方向性も、広い意味でこの中医協がどういう形でかかわるのかというよ
うな方向性をある程度示すことができれば、患者側の意見としての勝村委員も納得でき
るのではないかなというような感じがいたします。
○土田会長　どうもありがとうございました。
○松浦委員　それで、それに関して、私も今先生がおっしゃいましたけれども、改定率
というものが、これは内閣で決められることになりましたから、我々も、前回の改定な
んかは、安全に対して１兆何千億くれとかいうような、そういうもう乱暴な議論でしか
なかったのですが、安全という面に対しても、お金がかかるところはつけていこうと、
そのかわり下げるところは下げてもらう、こういう議論に支払側としても入ってくる、
そういうことですから、私は先生がおっしゃったような意見は大賛成でございます。
○土田会長　どうもありがとうございます。
　今、大島専門委員及び松浦委員からいただきました御意見については、恐らく１号側、
２号側、御異論はないものと思います。
　そこで、附帯意見については、喫煙のところ、それから今の領収証の問題、それぞれ
希望が出ていて、一方では、それは希望しないというふうに分かれております。これは、
今までやってきた議論と同じように、結局１号側、２号側の意見の対立ということでず
っと行ってしまうという、そういう感じがいたします。時間の都合がございますので、
附帯意見をつけるかどうかということについては、午後改めて議論をするということに
しまして、今回は、この文言、今回改定しますこの内容について御同意をいただきたい
というふうに思います。それで、その後に答申の方に附帯意見をつけるかどうかという
ことについては、改めて御議論したいというふうに思います。
　それから、全体的に、先ほど対馬委員からお話がありましたように、もう一度Iから
IVまで振り返って、その全体から見てIはどうかという意見は全く否定しませんので、
そういうことで全体の御議論を進めていただきたいというふうに思います。ただ、基本
的には、この公益側が出した意見というものについて、私たちはこれでお願いしたいと
いう意思でございます。
○大内委員　ニコチンの問題で先ほど邉見先生からいろいろとお話がございました。先
ほどの議事さばきでも、領収証の問題に限定されたのかなというふうに思ったものです
から、あえて発言はしなかったのですが、ニコチンの問題で、邉見先生のお話について、
禁煙運動だとか、そういうものについてストップだとか、そんなことを考えているわけ
ではございません。まさしく私も同じ意見でございます。先ほど冒頭に申し上げたのは、
本人の嗜好によることで出てくる問題、これを保険適用とすべきかどうかという是非に
ついてどうなんでしょうかということの疑問を申し上げたわけです。ですから、禁煙そ
のものをストップさせるだとか、運動をストップさせるだとか、そんなことは必要ない
だとか、そんなことを申し上げているつもりでは全くございません。くどいようですけ
れども、本人の嗜好によって発生してくる問題、障害を、保険の適用をするかどうかと
いう是非について、私はまだまだ議論が足りないのではないのかというふうに思ってお
ります。
　それともう１点は、バブリックコメントの件でございますけれども、この部分につい
て、先般の説明では、１，１００件余りの意見の中で、ほぼ８０％はこの問題について
意見を寄せられた、こういうふうに説明がございました。私はその中の、賛成なのか反
対なのかどんな意見なのかということは分かりません、聞いておりませんけれども、そ
れだけの関心の高さがあるというふうに、そのこともよくよく認識をした上でのこの問
題についての私の意見と、こういうことで申し上げております。
○土田会長　ありがとうございます。
　その点については、この公益側の意見、公益側としても十分検討いたしまして、その
結果、さらに条件を厳しくして、さらにまた検証を行いながら、改める必要あればまた
改めるという表現にしてございます。ですから、あくまで希望する人に対してこういう
ことを行っていきたい、それが保険給付としてどのような影響を及ぼすかということに
ついては、検証しながらまたさらに考えていきたいということでございますので、ここ
のところはぜひ御理解いただきたいというふうに思います。
○石井委員　先ほどから嗜好の問題と言われましたが、これは嗜好の問題ではありませ
ん。嗜好の問題で、吸いたい人は別に吸っていいわけで、そのことによって健康を害す
るかどうかについてここで議論しているわけではないのです。やめたいと思ってもやめ
られない依存症の人の治療としてここで問題にされているわけで、嗜好の問題でない、
病気の問題であるということを、この違いを認識していただきたいと思います。
○土田会長　ありがとうございました。
　これは大体もう意見が出尽くしておりますので。
○大内委員　そういう認識はできないですよ、私は。
○白石専門委員　そのニコチンの話なんですが、これは算定要件に、「喫煙の成功率を
地方社会保険事務局長へ報告する」ということで、何しろこのプログラムは１２週間で
終わるということですから、次期の改定の議論が始まる前にある程度データが上がって
きて、それを見て検証が可能ではないかというふうに見ることができるのではないかと
思います。
　ここからは意見なんですけれども、非常に世の中の注目も高いですし、保険導入につ
いては判断が難しい件なのですが、治療か嗜好かという問題は置いておいて、そのより
よい治療法の開発に向けてデータベースとして喫煙の成功率を利用できないかと。何人
受けて何人成功したのか、医療機関によって違うのか、患者特性とか、地域別のいろい
ろなデータも集めることができれば、もしかしたらもっとよりよい治療法なり見直しと
いうことにもつながるのではないかと思います。
○土田会長　ありがとうございました。
○対馬委員　領収証の問題については、前回にお願いしたわけですから、公益の先生の
意見に従いたいということで、あと附帯意見についても改めてまた別途議論したいとい
うことで、そこはそれでよろしいかと思います。
　ただ、ニコチンについても、ぜひこの文言でということですけれども、そこは先ほど
申し上げましたとおり、I、II、III、IVとやっていただいて、その後で再度議論なり確
認なりをさせていただければということで、この件については今の段階では支払側とし
ては留保させていただきたいと、こういうふうに思います。
○土田会長　分かりました。
○松原委員  １番目と２番目は、全然レベルの違う問題を一緒にしていますので、やや
こしいと思うのですが、今対馬先生がおっしゃったような形を私ども申し上げたわけで
はなくて、今回、本当に苦渋の状態で考え、決断したのは、この公益の先生方の提案を
のむということでフルストップにするのであれば、これで終了にしたいということでご
ざいます。さらにまた、附帯の議論をし始めますと、互いに隔たりのあるところでござ
います。時間の無駄だと思っております。
　ニコチンに関してはレベルが違いますので、もし御議論が尽くされていないのであれ
ば十分議論いたしますが、私はこれも公益の先生方の意見でよろしいのではないかと思
っております。
○土田会長　分かりました。それではここで片づけましょう。
　それで、最初の１番の領収証の問題ですが、これはやはり附帯意見をつけるかどうか
ということで、また同じ議論が繰り返されますので、ここで、これはかなり強力な強い
お願いになりますが、私たちの示したこの案で御了解いただきたいというふうに思いま
す。第一歩ですから、いろいろな不満が残ろうかと思いますが、その方向性について信
頼していただき、この文言で今回は決着を図っていただきたい、同意をいただきたい。
勝村委員にはまだまだ不満が残ろうかと思いますが、方向性は、今委員がおっしゃった
ような方向に向かっておりますので、一歩としてここを御同意いただきたい。
　第１、領収証の問題です。よろしいでしょうか。
　　　　　　　　　　　　　〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○土田会長　どうもありがとうございました。
　それでは、２番目のニコチンの問題について、やはりできればここで片づけて……
○小島委員　領収証のところは、もう附帯意見もつけないということで片づけるという
話ですか。
○土田会長　そうです。
　それで、ニコチンの問題ですが、ニコチンの問題についても、意見がずっと隔たって
おりました。それで、これについてまだ議論が十分ではないという意見がございますが、
これもある程度納得できます。しかしながら、エビデンスに基づいた議論というところ
が、前々回から問題になっておりますが、これは保険適用として行ったエビデンスはご
ざいませんので、したがって、ここでいろいろ公益側で条件をつけたわけですが、そう
いう条件でもって、なおかつ自分が禁煙したいという希望を表明した患者さんに対して
こういうことを行いたいと。その結果について、またさらに、先ほど白石専門委員から
ありましたように、検証をして、次回の診療報酬改定の際には、こういう結果であるか
らこれを継続するのかあるいは改めるのかあるいは廃止するのかということをまた御審
議いただくという条件でございます。したがって、これですべて決まったというわけで
はございませんで、初めての試みとして保険診療を行ってみたいということですので、
これについても非常に厳しい要件をつけておりますから、そこのところを御考慮いただ
いて、お考えいただいて、ぜひとも同意していただきたいというふうに思います。
　御同意いただけますでしょうか。
○大内委員　先ほど石井先生は病気だと、こういうことで治療行為として当然やるべき
だと、こういう御意見がございました。私は認識が先生とはちょっと違っておりまして、
なぜ認識が違うのかということになりますと、先ほど、くどいようですけれども、嗜好
品ということ言っています。嗜好の問題だと。それは、自動販売機で売られているので
す。だれでも買えるのです。先生の言うとおり、病気の因子だということで、それで病
気だという位置付け、認識をされているのであれば、私から、そういうことで言うのだ
ったら、もう日本でたばこを売るのをやめてしまえと、そんな話にもなりかねないとい
うことで、私はそんな認識をしているものですから、そういうことを片一方でそのまま
置いておいて、この問題を保険で適用すべきかどうかという是非について、私はもうち
ょっとやるべきだろうというふうに思っているものですから、そういう意見を申し上げ
ておきます。
○土田会長　多くの方が感じておられるのではないかと思いますが、大内委員がいわれ
たことは石井委員のいわれたことと少し次元が違いますね。ニュアンスが違います。で
すから、たばこをやめなさいということではなくて、たばこを売っているのはもちろん
ですし、例えばお塩でも、いっぱいとり過ぎると体を悪くします。ですから、もちろん
たばこを吸うのは嗜好ですが、その結果としてニコチン依存症という病気にかかった場
合、なおかつ自分がそれを自覚してやめたいというふうに希望される方に対してどうす
るかという問題ですから、たばこの販売あるいはたばこを吸う吸わないという問題とは
やや次元を異にする問題だというふうに思います。ということで……
○勝村委員　すみません、領収証の件なのですけれども、今土田会長からいただいた、
常に誠実にしていただいたと思っていますので、第一歩であって、今後への含みを言っ
ていただいたということで、ここのページはと思いますが、本当にいろいろこだわって
申し訳ないのですけれども、僕はこれは、あらゆる医療被害を防止するための切り札だ
と思っていますので、先ほどもお話しさせていただきましたけれども、この後のＩＴ加
算のところでもう一度議論させていただきたいと思います。
○土田会長　議事録にきちっと残しますので、そのこともつけ加えておきたいと思いま
す。
○対馬委員　先ほど申し上げまして、I、II、III、IVでやっていって絞り込みをして最
後にまとめると言って、それはそうだと、こう御理解賜ったと思ったのですが、また
各々やっていくということになりますと、個別問題ごとに私ども支払側として意見を一
致させて、例えばニコチンの問題等があるわけですね、そういったのは、個別ごとに
我々は打ち合わせをやっていかなければいけないと。それはいささかこの議事の進行と
してもいかがなものかというふうに思いますので、私の御提案としては、それは最後に
I、II、III、IV、やっていって、こうした問題はそんなに多くはないだろうという、そ
の最後のところでもう一回議論していただければ、その段階では私どもとしても、支払
側としては腹固めをすると。それを一つ一つやっていくのでしょうか。
○土田会長　今の問題、ニコチンの問題ですか。
○対馬委員  ニコチンの問題でございます。ですから、そこはほかのI、II、III、IVも
含めてでございますけれども、各々ごとに決めていくのであれば、各々ごとに我々支払
側として意見が違うもの等、一つ一つ意見を調整していく必要があるだろう、こういう
ふうに思いますので、公益の先生方に前回お願いしたのも、まずは、この議論が尽くさ
れたものについてです。
○土田会長　Iでやったところですね。
○対馬委員　そうです。領収証の問題とあと最後の処方せんについての問題ですよね。
○土田会長　分かりました。
○対馬委員　そこについてはぜひお願いしたいということですから、もう言われれば、
それはある意味のむ覚悟を決めているということですけれども、ニコチンについてはそ
ういう状況ではありませんし、またほかの問題、II、III、IV、やってみないと分かりま
せんけれども、そういったところで幾つかに絞られて、そこで各々診療側はどうなんだ
と、支払側はどうなんだといったところでの決断を迫っていただければ、それはそれな
りに対応いたしますけれども、一つ一つやっていくのであれば、我々としてもちょっと
一つ一つ答えを出さなくてはいけない、こういうことになりますので、そこはいかがな
ものかというふうに思います。
○松原委員　御主張ごもっともな点もあると思いますけれども、１が片づきましたので、
２がサスペンドで、その次をやって、最後また２に戻っても結構だと思います。
○土田会長　分かりました。それでは１号側、２号側、ニコチン中毒症についてはまた
改めてということでございますから、それでは分かりましたということで、IIに進みま
しょう。どうもありがとうございます。
○小島委員　その前に、IIに行く前に、２つほど発言をしておきたいところがります。
○土田会長　何でしょうか。また繰り返しの議論は……
○小島委員  いや、そうではなくて、手術に関する施設基準と在総診のところです。１
４ページの「手術に係る施設基準の見直し」ということで、基本的には今回廃止すると
いうことで、これはやむを得ないというふうに思います。それで、新たに検討会を立ち
上げるということが、１４ページの「具体的内容」のところに入っております。これは
以前にも支払側から発言をしておりますけれども、ぜひこの検討会の中には、保険者な
り患者の視点を代表できるような委員の参加をお願いしたいということです。ぜひ検討
会を立ち上げる場合には、そういうことに十分配慮していただきたいというふうに思い
ます。そこが１つであります。
　戻りますが、６ページのセカンド・オピニオンの件です。ここでも、今日初めて点数
が出てきまして、情報提供料（I）が２５０点と、セカンド・オピニオン推進のための
IIの方は５００点ということであります。倍の差がありますので、このIIの方では、セ
カンド・オピニオンにつける情報提供料として、患者からの希望を受けて、当該医療機
関あるいは医師が診療方針を記載をするということになっております。それはきちっと
やはり担保できるような適切な運用が図れる措置をぜひお願いをしたい。それと、この
セカンド・オピニオンを扱っているという医療機関については、そこについての情報開
示、院内掲示を徹底することも必要だと思います。
　以上、２点です。
○土田会長　後半の方のこのセカンド・オピニオンについては、ここでそのようにして
いただきたいということで、医療課長にお願いしてよろしいですよね。
○事務局（麦谷医療課長）　はい。詳細は通知のときにまた御説明申し上げます。
○土田会長　最初の方の１４ページの検討会についてはまだ全く議論がしておりません
ので、改めて御意見等承りたいということで、このことは一応議事録に残しておくとい
うことにしたいと思います。よろしいでしょうか。
○小島委員　はい。
○土田会長　ありがとうございました。
　ほかにIでございますか。
○岡谷専門委員　「在宅療養支援診療所の評価」のところでございますけれども……
○土田会長　これはIIです。
○岡谷専門委員　すみません。
○土田会長　Iでほかにございますでしょうか。
　それでは、Iは、先ほどニコチン中毒症の問題が一応決着を見ておりませんが、それ
はそれとしてIIに進めさせていただきます。「II　質の高い医療を効率的に提供するた
めに医療機能の分化・連携を推進する視点」について御議論いただきたいと思います。
　それで最初に、こちらの方で御指摘しておきたいと思いますが、前回までに意見の集
約が図られていない項目としては、１６ページ、ただいま岡谷専門委員の話がありまし
た「在宅療養支援診療所の評価」の中の「在宅療養支援診療所の要件」がまだ意見の隔
たりがございます。それから２８ページ、「初再診料、外来診療料等の見直し」につい
てもまだ意見の一致を見ておりません。それから３０ページ、「紹介患者加算の廃止」、
この３つの項目になろうかと思います。それで、まだそのほかにございましたら、その
後でまたお伺いいたしますが、最初にこの３つの項目について御意見を承りたいという
ふうに思います。
　まず１号側委員の方から、どうぞ。
○対馬委員　初再診料の問題です。２８ページ、２９ページですけれども、前回の議論
でも、私ども支払側としましては、初診料の統一については評価したい、それから再診
料につきましては、基本的には統一の方向だろう、ただし、それが一気にというのはな
かなか難しいということであれば、形の上ということではなくて、やはりインパクトの
ある実質的な形でもって踏み込んで行うべきではないか、こういうふうに申し上げたわ
けであります。
　今回改めて点数表を見ますと、再診料につきましては、病院が１点引き下げて、診療
所が２点引き下げて、結果的には格差という面からしますと１点の是正にとどまってい
るということからしますと、前回の私どもが主張してきたこと、それから公益の先生の
発言は、必ずしも正確ではないかもしれませんけれども、一気にというのはなかなか難
しいですよねというような発言はあったというふうに思うのです。そういうことからし
ますと、ここでもう少し踏み込んで、その財源について、もっと救急とかそういったと
ころに使っていくべきではないかというふうに思うのですけれども、その点、事務局と
してのお考えを聞かせていただきたいというふうに思います。
○土田会長　１号側、ほかにございますでしょうか。
○松浦委員　初めに、初診料・再診料で、これは全体で額を減らすことになるのですが、
前にマイナス１．５％のうちでどのぐらいのウエートを占めているのでしょうかと、こ
ういう質問をしたことがございます。それで、もう一度これがマイナス１．５％が全体
で何千億になるので、この初診料・再診料が何百億ぐらいになる。さらにまた、初診料
と再診料のきき方というのは全般に違うそうですから、ですから初診料が何百億で再診
料がどのぐらいきく、こういうことが分かればちょっとデータとして出してほしい。
　それから、本番は３０ページの「紹介患者加算の廃止」について、私は相当抵抗して
おったのですが、この抵抗するには私も多少勉強もさせてもらわなければいかぬと思い
まして、いろいろな資料も多少出していただいて検討しまして、総－２－４の初めの文
章と、それからもう１つ、私も考え方が前とちょっと変わっておりますが、参考として
「紹介率を基礎とした紹介患者加算等の届出状況について」というのがございますが、
これを見ますと、病院が紹介率ということに着目をしてというか、そういう仕組みの中
で、自分のレベルアップを図ったということがこれではあまり強く見られない。特に病
院数が９，０００幾らある中で、こうやって数字に出てきているのは非常に少ない、こ
ういうことですから、６年もたって紹介率ということについては、それに基づいてレベ
ルアップをしようと図った病院というのは、大体そういうことになってきているのかな
という感じを持っております。
　それからもう１つは、こうしたことによって、既に自分自身で努力をして、このレベ
ルを上げていった病院に対してどういう配慮がなされておるかということについても、
現在の示されておりますこの点数で計算をすると、そういうレベルアップしたところに
ちゃんと配慮がされておるのかという点について、それも多少配慮されておるようだと
いう認識も持ちましたので、私は相当時間を割いて勉強したつもりですけれども、専門
家の先生方から見ればわずかな勉強に見えるかもしれませんが、「紹介患者加算の廃
止」ということについて、抵抗することはやめます。
　以上でございます。
○土田会長　１号側、ほかにございますでしょうか。
○小島委員　１６ページの「在宅療養支援診療所の評価」の件です。これは、前回私の
方からも強く要件として、看護職員ではなくて看護師を配置すべきと発言をしました。
今日示された資料総－２－３を見ますと診療所で５人以上のところでも、全国平均で見
ると２割ぐらいしか正看がいないといった実態もありますので、とりあえず今回はこう
いう形でスタートせざるを得ないのかなというふうには思います。在宅療養なり在宅治
療のかなめとなる支援診療所と位置付けることでありますので、本来は正看護師の配置
ということが必要ではないかと思っております。今後そういう方向での整備をぜひお願
いをしたいと思います。
　それと、ここにありますような要件は、今回新たな制度でありますので、十分な検証
が必要であると思います。今後の検証部会で十分な検証をお願いをしたいと思います。
○土田会長　ほかにございますか。
　それでは、先ほど対馬委員のからの質問についてお答えください。
○事務局（麦谷医療課長）　病院・診療所の再診料の格差についてお尋ねがございまし
た。御指摘のとおり、病院が１点、診療所が２点ということで、下げ方が甘いのではな
いかという御指摘でございますが、その下に「継続管理加算」という、これは再診料に
ついている加算がございまして、この５点をすべて下げておりますので、これは再診料
の下げにほぼ匹敵するものと御理解いただければと思います。
　それで、トータルの質問を松浦委員の方からもございましたのでお答え申し上げます
が、初診料は、病院は引き上げて統一しておりますので、ここではマイナスの財源が全
く出ません。引き上げた分と診療所で引き下げた分とで相殺されておりますので、した
がって、ここは財源は全く出ませんで、実は再診料と継続管理加算と外来診療料だけで
お金を出すとなりますと、初診料は財源が出ませんが、再診料等で出す財源は６００億
円でございます。
　このマイナス６００億円の評価でございますが、対馬委員から、まだ甘いのではない
かという御指摘ですが、これは、さらに再診料を下げますと、医療費に対して非常にき
きますので、病院はともかく診療所の経営は立ち行かなくなるのではないかという判断
で、この程度にとどめさせていただきました。
○松浦委員　私は、ここで今点数をどういじってほしいということではなくて、これか
らの考え方として申し上げたいのですけれども、今初診料でゼロ、それから再診料で６
００億円、こういうことでございますが、むしろ再診料というのは、いろいろな診療科
目によって、患者が来る回数が違うのだそうですから、一律にざっとはいかないのだと、
こういうことだそうですが、初診料は恐らく一律にばっといくのだと思うのです。
　今大島先生がおっしゃったような安全の議論とかそういうことになりますと、支払側
が意見を言うときに、とにかく値が上がるものはタブーだというような気持ちで発言を
せざるを得なかった。それがこの改定率が内閣で決められたら、どうしてもそれだけは
下げなければいかぬわけですから、だから、上げる部分についても積極的に意見を言え
るようになってきたのです。それは非常にいいことだと私は思うので、むしろこういう
全体的に平均にずっと一律にかかっていくというようなところで、これから下限はアッ
プする場合にはアップしていく、減算する場合には減算していくというような視点も十
分に入らないと、本当にメリハリの効いた診療報酬改定にはならないという気がしてお
りますので、この際意見として申し上げておきます。
○土田会長　ありがとうございました。
　対馬委員は、今の医療課長の回答でよろしいですね。
○対馬委員　はい。
○土田会長　それでは、２号側の方で御意見等ございましたら、どうぞ。
○石井委員　１つは紹介率の問題ですが、ここに今日の資料で出されておりますように、
紹介率についてはいろいろ問題があるというのは、もともと紹介率に関しては我々は廃
止という要求は出しませんでしたが、紹介率をいろいろ手直ししてほしいという要求は
既に最初から出していたので、その意味を今回の改定全般の問題として、今回の改定案
はこのままでもいいとは思うのですが、問題点として、一般論として申し上げたいこと
があります。
　それは、さっき大島専門委員が発言されたことと関係あるのですが、この紹介率にし
ろ、それから手術に係る施設基準での手術数といったものすべて、大島専門委員が言わ
れた医療の質と安全にかかわるいろいろな臨床的な指標の一つとしてとらえることがで
きると思うのです。要は、医療の質と安全をどう高めるかというところがこういった評
価をするときのかぎですので、そういった問題としてこの紹介率の問題を考えますと、
外来紹介率を例えば急性期入院の機能のメルクマールにすることは、これはなかなか無
理があるので今回の全般的なことにはそのとおりだと思うのです。
　しかし、今日の資料のすべての文言は、全部そのままでいいとは言えない点は多少あ
るのですが、全般にはそのとおりだと思うので、そういう意味では紹介率という間接評
価から、医療連携にしろ、それから病院の機能評価についても、直接のいろいろな数値、
いわゆる成果としての患者さんの直接の数とかそういったものに評価の軸を移していく
ということには基本的に賛成です。これからはいろいろな施設要件等が本当に成果に結
びつくかということを十分に検討した上で取り入れていただきたい。
　これまで在院日数等々に関して言えば、ある程度それは急性期の指標としては意味が
あったことは確かだと思うのです。しかし、成果と関係ない指標ががいろいろ混在して
いますので、これからぜひ大島専門委員の言われたような意味での医療の質といったも
のとこれがどう関連するのかという形で検討していただきたい。それがないために、思
いつき的と言っては悪いのですが、そういうことで紹介率の計算式もできたために、あ
まり根拠がなく、いろいろな種類の紹介率ができてしまったということがあったと思う
ので、これからの問題としては、病院の評価というのは、入院機能をどう評価していく
かということが中心になると思いますので、そういった内容でやはりきちっとやらなけ
ればいけません。いわゆるこれまで言われていた外来紹介率については、外来紹介の場
合は、外来における専門機能との関係で実は紹介というのは行われるわけなので、入院
機能とはまた別個にこの外来機能における連携の問題もあるので、こういったものをご
っちゃにしないで、一つ一つどういう機能についてのインディケーターであるかという
ことをはっきりさせるような形で今後の議論とかデータを出していただきたいというこ
とを、まずお願いしておきたいと思います。
　紹介率に伴う急性期の問題については、また別に発言したいと思います。
○土田会長　どうもありがとうございました。
　２号側、ほかに御意見ございますでしょうか。
　今１号側、２号側から御意見をいただきまして、また、質問に対して医療課長の方か
ら答えてもらいましたが、その意見等々を考えて言いますと、１６ページの「在宅療養
支援診療所の評価」については、質問以外に特に異論等の御発言はなかったように思い
ます。これについて御同意いただけますでしょうか。
○岡谷専門委員　別に反対とかそういうことではないのですけれども、在宅医療を推進
していく観点から、今回かなりな見直しがされたことについては、基本的にはよかった
と思っています。
　ただ、ちょっと意見を言わせていただきたいのは、今回、例えば２４ページに、「在
宅におけるターミナルケア及び看取りに係る評価の見直し」ということで、これも含め
て在宅療養支援診療所という診療報酬上の新しい制度を中心として評価が決められてい
ったわけですが、例えば看取りをすると言っても、亡くなったその日だけが看取るとい
うケアをすることではなくて、在宅での看取りを中心に在宅診療を行っている診療所な
どの実態をみましても、例えば月の平均の在宅死数が約６名の診療所なのですけれども、
その６名の平均のケア期間というのは約６０日かかっているわけなのです。
　ですから、看取りをするということは、そこに至るまでのすべてのいろいろな診療、
訪問看護も含めて、そういうケアを引き受けていくということです。例えば疼痛の管理
を必要とする患者さんが約７０％いらっしゃる、呼吸とか皮膚とか栄養とか、そういう
ことも含めて約４０％の患者さんがそういうケアを必要とするというようなことが実態
としてあります。今回初めてですので、「在宅療養支援診療所の要件」がこれで決まる
ということは異存はないのですけれども、先ほど２号側の小島さんの方からも意見が出
ていたように、この制度を始めた後の実態をきちんと調べて、本当にここで評価をした
ようなことが量的にも質的にもちゃんと実態としてあらわれているかどうかということ
をきちんと検証していただきたいということをお願いしておきたいと思います。
○大島専門委員　在宅医療で高齢者医療に直接関与することなので、国立長寿医療セン
ターという私の所属している立場から一言お話ししなければいけないかと思って言わせ
ていただきます。
　天につばを吐きかけるような話になるかも分かりませんけれども、高齢者が増えまし
て、そして、手間もお金も随分かかる。これはだれもが分かる。それが医療費をどんど
ん、あるいは社会保障費をどんどん圧迫している。それで財がもたないということが現
実問題になってきて、これは何とかしなければいけない。医療の中でそれをどう解決し
ようかと考えてきたときに、いろいろな知恵を絞って絞って、多分絞りまくったのだろ
うと思います。理想的な高齢者医療というのはどうあるべきかということと、財、社会
的なコストをいかに抑えることができるか、この２つを両立させるような施策はないか
というところで出てきたのがこの在宅医療へシフトするという考え方だろうと思う。そ
れを国民が一体どう望んでいるのかということも、そこでは十分に非常に大きな旗印に
なっていまして、住みなれた町で最期を迎えたい、あるいは病院ではなくて家族のそば
で亡くなりたい、アンケートあるいは希望を聞けば、国民の多くはそう答えます。多く
の方が、病院で亡くなりたいとか、あるいはどこでもいいからなんていうような答え方
しないと思うのです。
　ところが、それには前提が当然ありまして、基本的な高齢者医療の形というのはこう
であって、その能力を持っている医者はこういう地域に何人こういう形でもって配置さ
れていて、そういった在宅を行う介護体制というのはこういうふうにあって、地域の連
携体制というのはこういう形でもってできています、だから、心配しなくても、最期を
在宅で看取るということについても医療体制、介護体制について全く心配ありませんよ
というふうに言われて、初めて手を挙げて、家族の周りで最期は迎えたい、あるいは住
みなれた町で最期は逝きたいのだというようなことが出てくるのです。
　ここからが非常に天につばきを吐きかけるような話になりますが、一言で言ってしま
えば、そういったいわゆる理想的な在宅医療、あるべき在宅医療、あるべき高齢者医療、
地域の連携の在り方といったようなものは問題ないのかと言われますと実は答えられな
いというのが今の実態です。これは非常に寂しい話なのですが。実態は、今岡谷専門委
員が申しましたように、こんなことはだれもが簡単に想像がつくことで、うちで亡くな
りたいということを仮に決めたとします。それまでに一体どういう経過があるのかとい
うのは、介護もいろいろなことも含めて、だれもが簡単に想像がつくことです。そうい
ったプロセスについて、一体現状の体制でだれがどういう形でどういうやり方でもって
いくのだということについては、今申しましたように、基本形も何もないわけですから、
そうすると、今の現状の在り方の中で模索しながらやっていかざるを得ないという実態
があります。
　医療に関して言えば、例えば１万点ですから１０万円ですよね。１回看取るときに１
０万円が点数でついたということになると、１０万円だったら悪くないなと、夜中の二
時三時に呼ばれて診て、死亡診断書だけ書いてくるかというようなそんなとらえ方をさ
れたのでは、これは大変なことになるだろうというふうに思います。
　それで、現状日本全体の持っている医療資源をどう活用するかということからいけば、
これは具体的には医師会を中心にしたかかりつけ医の先生方にいろいろな負担がかかっ
ていくことは間違いないと思うのです。しかし、かかりつけ医の先生方の多くが、在宅
医療の在り方というのは一体何かというのがまだはっきり分かっていない。それから、
地域連携についても、病院団体等と医師会あるいは在宅との地域連携というのは一体ど
ういう形がいいのかということについてもまだはっきり分かっていない。
　そういうような実態にありますので、最後はお願いでしかないわけですけれども、医
師会、病院団体も含めて、もちろん私は長寿医療センターでありますので、何とかある
べき姿というのを早く構築してということに一生懸命努力をしたいと思いますけれども、
最後は泣き言みたいな話になりましたが、医師会も病院団体も、こういった方向に今診
療報酬体系が行っているということは、事実ですので、この実態を踏まえた上で、より
いい医療提供体制について早急に相談をして構築をしていただきたいということをお願
い申し上げたいと思います。
○青木委員　今おっしゃっていただいたことはよく分かる話です。これまでの在総管、
在医管等のありようを反省した部分でこういう形を厚労省が考えられたわけです。今回
出てきたこれだけのいろいろな仕組みというものは、今までのシステムの中にはなかっ
たことですから、これをできるだけ活用するように、今後我々が努力するしかないとい
うふうに考えます。
○土田会長　どうもありがとうございました。
　いろいろと貴重な御意見をいただきましたが、「在宅療養支援診療所の評価」につき
まして、事務局から提案されました内容で基本的には御同意いただいたということでよ
ろしいでしょうか。
　どうもありがとうございます。
　それから、２８ページの「初再診料、外来診療料等の見直し」につきましても、１号
側、２号側から特に異論はございませんでした。
○対馬委員　結論的にはやむを得ないというふうに思うのですけれども、やはり患者に
とっての分かりやすさということからしますと、今後とも病診格差については引き続き
検討していくということが必要だというふうに思いますので、先ほどもお話があったの
ですが、附帯意見というのは、たしか２年前のときに、９項目か１０項目ぐらいあった
と思うのです。ですから、あまり議論が対立するのでここは附帯意見にも入れないのだ
ということではなくて、やはりその段階でできるだけ共通するところは出しながら議論
していって、織り込めるところは織り込んでいったらよろしいのではないかな、こうい
うふうに思いますので、この問題についてもそういったことをやっていただければ大変
ありがたい、こういうふうに思います。
○松原委員　ここのところも議論の分かれるところでございますが、あるべき姿を求め
るということでございましたら、議論に応じたいと思っております。
○土田会長　分かりました。それでは、２８ページの「初再診料、外来診療料等の見直
し」については、附帯意見を含めて、一応最後の方でもう一度御議論いただくというこ
とにしたいと思います。
　それから、３０ページの「紹介患者加算の廃止」につきましては、お名前を出して失
礼ですが、松浦委員の方から、内容はよく分かったというような御発言をいただきまし
た。それから石井委員の方からは、医療の質と安全性をどう高めるかという視点から今
後検討が必要であるというような御意見をいただきました。そういうような意見を踏ま
えながらでございますが、この加算の廃止ということについて御同意いただくというこ
とでよろしいでしょうか。
　どうもありがとうございます。
　それでは、初再診料のところは一応残りましたが、そのほか、このIIの項目で御意見、
御質問等がございましたら、どうぞ。
○邉見委員　はい。
○土田会長　ちょっとお待ちください。最初に、対馬委員からＤＰＣについて発言があ
るそうです。
○対馬委員　ＤＰＣについては拡大ということで、特に２号側の委員の御理解を賜った
ことに対してお礼を申し上げたいというふうに思います。
　質問は、３６ページの「ＤＰＣにおける調整係数の見直し」なのですけれども、全体
的には３．１６％というのはあるわけですけれども、医科全体としてはマイナス１．
５％というのがあるわけです。もちろん、ＤＰＣの中には薬剤等も入ってきますので、
１．５にこだわるということでは必ずしもないのですが、ただ、ＤＰＣ病院は急性期だ
というふうに思いますので、今回全体的に急性期については随分いろいろな配慮もして
いるという中におくと、素人的な直感的に言うと、１．５と３．１６の中間ぐらいにそ
の急性期についてはあるのかなと、こういう感じもするのですけれども、何ゆえに３．
１６％なのかということについてお願いしたいというふうに思います。
○邉見委員　関連です。今の対馬委員と同じような意見を特に病院の方からいただいて
おります。特に国立大学附属病院長協会からは、今ＤＰＣの精度を高めるための検証が
継続されている中での一律的な調整係数の引き下げには絶対反対であるというふうな文
言もいただいておりますし、日本私立医科大学協会からは、ＤＰＣの調査には非常な人
的な資源を投入している、こういうものをやっていることを全く評価しないで、ただ結
果だけからそういうふうな係数を下げるのには全く反対であるというふうな意見もいた
だいておるのを付記しておきます。
○土田会長　これについては、医療課長、いかがですか。
○事務局（麦谷医療課長）　ＤＰＣの下げ率を何％にするか、確かに御議論のあるとこ
ろでございまして、ＤＰＣというのは、御存じのとおり、入院料として位置付けられて
おりますので、そういう意味では技術料分だけ、１．５なり、その分を下げるという考
え方はありました。一方では、前回資料をお出しいたしましたが、出来高と比べて６％
高いという結果もありまして、そこはなかなか何％とはっきり計算上出ないわけでござ
いますので、薬が包括になっていることもあり、全体の下げ率３．１６％を今回適用し
たということで、これは割り切りでございますので、理屈でやったわけではありません。
そういう割り切りをしたということです。
○松原委員　こういう計算をされたということでございますが、本来であれば、出来高
の一個一個を適切に金額を合わせてどうなるかという点数を決めるのが筋だと私どもは
思っております。ただ、現時点におきましては、最初に入ったところの金額を保障する
という非常に奇妙なシステムになっておりますので、調節がなかなか難しいということ
も理解しております。
　その中で、明らかにＤＰＣにかかっている全体の規模の医療費に対して今回のマイナ
ス改定は起きているわけでございますので、これを「えいや」と、こういうふうな形に
されたということについては、ほかに方法がなければ仕方がないと思いますが、しかし、
次回からはもう少し緻密なやり方をすべきではないか、何らかのルールが要るのではな
いか、調整係数の在り方について十分議論が要るのではないかと思っております。そこ
のところは、先ほど申しましたように、最初に入ったところを保障するという奇異なこ
とがあるので、９％なり６％なり、高どまりするということもございますが、長い目で
見れば、やはりフェアな在り方、適切なルールが必要なのではないかと思っております。
ただ、今回はこういったことでございますので、いたし方ないのではないかと思って見
ております。
○青木委員　私も同じふうに思っております。ＤＰＣそのものは、前年度の額を留保し
ていくということを基本にして成り立っておりますから、このマイナス改定の中で、現
時点では、先ほど課長は６％とおっしゃられましたが、６．９％は通常より見た場合高
いという状況になっております。その中で、今回の薬も包括されておる、検査も包括さ
れておる中で、まだ本当はちょっと足らないと思っているのですが、３．１６というの
は妥当な額だと思います。
○松浦委員　すみません。議論を聞いていたら、ちょっと興味が出てきました。
　実は、ＤＰＣをやっている病院というのは、当然救急をやったり、急性期病院、ここ
で高いレベルに位置付けられている病院ですよね。ですから、そういうところを削ると
いうことになっているわけですが、そういうところを評価しようという方向ではなくて、
３．１６％は削るという方向になるわけですね。これはマイナス３．１６％といったら、
金額にしてどのぐらいになるのでしょうか。
○事務局（麦谷医療課長）　ＤＰＣの３．１６％のマイナスは１５０億円です。
○松浦委員　それ以上は申し上げません。
○土田会長　この３．１６は、今日初めて出てきた数値ですよね。ですから、当然意見
の対立があるだろうというふうに予想はしておりました。さてどうしましょうかという
ことですけれども、１．５％と、それからもう一方は６．９％でしたか、そういう意見
の隔たりがありましたので、どこに落ち着くのかというふうに関心を持って見詰めてい
たのですが、かなり大ざっぱな３．１６％だったと思います。
○松浦委員　これは、むしろ診療側の内部の意見の対立のように思えます。
○土田会長　それは、もう言わないことにして。
○松浦委員　我々は下げる方ですから関係ないですが、ただ、こういうことにこれから
なってくると思うのです。ですから、そういうときには、全部が平均に下がろうと、こ
ういう意識といいますか、考え方というのは、診療側にも非常に大事なことなので、そ
うしないと、これから今のような感覚でいきますと、初診料はゼロだと、後でやるのだ
ということになると山谷が出てきまして、それは当然内部で対立が起こってくるという
ように思いますけれども、それはむしろ診療側で調整された方がいいのではないですか。
○土田会長　診療側はいかがですか。
○青木委員　ちょっと言わずもがなというところはありますが、今回の診療報酬の改定
を医療側から全体で見た場合に、急性期の大きな病院というのは、特定機能病院を含め
て、私から見ますと、ある部分温存されております。診療所からははぎ取るような形を
感じます。私は中小病院の出身ですが、中小病院のところも同じような感じを受けます。
これは、坂出の市民病院もそういうふうに感じておられると思います。
　ですから、ある部分は薄く、ある部分はたくさんはぎ取る、こういうふうなことが今
回は起こりました。我々としては、こんな悲しいことはございません。次に対するファ
イトの問題でも、本当に残念です。中でけんかが起こることも大変残念です。ですから、
次から、できるだけ調整して、プラスでお願いしたい、こう思います。
○松原委員　実は、これは先ほど計算した３．１６％の１５０億円というのは、比較的
低い数字です。実際のところは、６月、７月、８月からＤＰＣの試行病院が入っており
ますので、年間の総トータルでいいますと七、八千億円になっております。つまり、１．
６倍ぐらいの費用になっておりますので、本来それに掛けますと、３．１６だと適切な
金額なのですが、そういった調整の入ったところでございますので、そこのところも勘
案して、金額を「えいや」と出したというところだと私は思っております。
　これにつきましては、高い、低いという意見もありますが、この比率はそういったこ
とも含んで、本来であれば、もっと高いところにの１．６倍に３．１６を掛けたかった
ところでございますが、そこのところも引かれたのではないかと思っております。あと
は私ども内部で十分に議論申し上げます。
○土田会長　先ほど松浦委員の方から、これからもこういう形で全体が下がるのだとい
う発言がございました。これは調整係数については、まだ全体的な見直しがありますの
で、同一にしていくという作業がありますから、今回はあくまでも今回限りのものだと
いうふうに解釈した方がよろしいかと思います。
　その上で御意見を伺いたいのですが、１５０億円という金額をどう評価するかという
ことですけれども、その数字を踏まえた上で、先ほど対馬委員から１．５％が妥当では
ないかという意見がありましたが、今回は３．１６％でお認めいただくというようなこ
とでいきませんでしょうか。
○対馬委員　今回いろいろな意見がある中で、今ここのタイミングでもってこれを変え
るということは、全体の項目、すべて縦横斜めの計算をやっての上での話ですから、大
変難しいのだろうという感じはいたします。これは要望になりますけれども、ＤＰＣの
調整係数というのは、先ほど松原委員が言われたとおりでして、やはりルールなり物の
考え方なりはどうなのだという議論があって、それからマイナス３．１６なら３．１６
というのがありますので、そういう意味では、事務局に最後の最後にこういったのが出
てくるのではなくて、方向性なり、あと議論のできる素材なりを出していただいてとい
うことを、今後のこともありますので、要請しておきたいというふうに思います。
○土田会長　大事な御指摘だと思います。
　それから、邉見委員の方からも、３．１６に対する反対の意見がございました。
○邉見委員　日本の医療のトップランナーである特定機能病院とか、そのような中での
医療の機能が落ちないように、やはり一律というのはどうかなという気はいたしますけ
れども、いろいろなことを考えると仕方ないかなという気もいたします。
○土田会長　無理やり妥協を求めていることになりますが、先ほど申しましたように、
調整係数については、今各医療機関で違うわけですが、これを同一に図っていくという
作業がこれからございます。そこでまたいろいろ御議論があろうかと思いますが、今回
の診療報酬改定につきまして、このマイナス３．１６ということで、非常に苦渋の選択
だと思いますが、御同意をいただきたいと思います。よろしいでしょうか。
　　　　　　　　　　　　　〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○土田会長　どうもありがとうございました。
　ほかに御意見あるいは御質問等ございましたら、どうぞ。
　それでは、大分予定の時間をオーバーしながら進めていて大変恐縮ですが、次のIIIの
項目に進ませていただきます。「III　我が国の医療の中で今後重点的に対応していくべ
きと思われる領域の評価の在り方について検討する視点」ということでございます。
　この中で、前回まで意見が集約されていない項目を最初に申し上げておきます。１つ
は、６８ページの「ハイリスク妊産婦共同管理料の新設」、それから２つ目は、７３ペ
ージ　「紹介率を要件とする入院基本料等加算の廃止」、これは先ほど勝村委員からの
話もあった点です。７４ページ「有床診療所における入院医療の評価の見直し」、４つ
目が、次の７５ページですが、「電子化加算の新設」、５つ目が、７８ページの「褥瘡
ハイリスク患者ケア加算の新設」の５点になろうかと思います。
　それで、最初にこの５つの項目について御議論いただき、またそのほかにございまし
たら御指摘いただくということで議論を進めてまいりたいと思います。
　最初に１号側委員、いかがでしょうか。
○対馬委員　まず、小児についてのいろいろなところで配慮していただいたということ
にはお礼を申し上げたいということと、あと褥瘡についても、前回、これは７８ページ
でしょうか、意見を申し上げまして、それを取り入れていただいたことに対してお礼を
申し上げたいということで、まずはお礼だけにとどめておきたいというふうに思います。
○土田会長　１号側、ほかにございますでしょうか。
○小島委員　７４ページの「有床診療所における入院医療の評価の見直し」のところで
す。これも、前回私は、看護職員５人以上いる有床診については、せめて１人は看護師
の配置をすべきだという意見を述べましたけれども、先ほども同じようにデータが出て
いますけれども、実態としてはなかなか厳しいということであります。その中で、７４
ページは、今回は前回からに比べますと、そこは基本料のところに星印で「看護職員５
人以上のうち、看護師が１人以上いることが望ましい。」という表現が入りましたけれ
ども、その「望ましい」ということだけでは単なる文章だけの話ということになりまし
て、具体的にそれについて診療報酬上何も評価されないということになりますので、私
の思いとしては、今回はこれでやむを得ないということでありますけれども、今後の見
直しの中では、当然これは５人以上看護師がいる場合の有床診については、最低１人以
上の看護師の配置ということが必要になってくると思いますので、そういう方向で受け
とめたいというふうに思っております。
○土田会長　ありがとうございました。
○勝村委員　７５ページの「電子化加算の新設」のところですが、前回の中医協でもち
ょっと発言させていただいたのですが、ここの「必要的に具備すべき要件」で示されて
いる領収証がこれまでの議論の経過を踏まえれば、また、電子化加算、ＩＴ加算という
趣旨を考えれば、レセプトの電算化等々考えれば、ここで小計の領収証という言葉が出
てくるというのは、ちょっと不自然な印象を受けているわけです。そもそもここでは、
単価、正式名称の分かる明細書の発行というのがＩＴ化によって簡単にできるわけです
ので、そのことを評価していくという形であるべきだというふうに思います。
　実際に、先ほど松原委員からもありましたけれども、多分そういうことをもう既にや
っている医療機関に関して私の方が詳しいと思いますが、正式名称や単価の分かる明細
書を発行している医療機関では、手間は一切かかっていない、そのことで説明に追われ
るということも現実にない、３年やっているところでもそうだと。しかも、今後これか
らやっていこうと思っているところも、メーカーと相談したところ、ほとんど費用もか
からない。それは当たり前のことであって、既に小計の分かる明細書を出しているとこ
ろはすべて詳細な明細を入力してあるわけで、しかも、１カ月単位でレセプトが出せる
わけで、その都度発行ボタンを押すだけで自然と出てくるのだということであるわけで
す。
　そういうことを進めていくのだという意思表示がここに出てこなければいけない。先
ほども言いましたが、価値というもの、何に価値を与えるのかということが点数であっ
て、単価の「価」というのは「価値」だと思います。患者がカルテを見るというのは当
たり前のことですが、そうではなくて、患者が単価や正式名称を医療を受けた直後に見
て、なぜこんな単価なのか、もっと価値があるのに何でこんなに安いのか、こんなに価
値を感じないのになぜこんなに高い単価になっているのか、そういうことを患者に見せ
ていくことをして、初めてパブリックコメントとか公聴会の意味があると思っています。
そういうことを進めていくという意思表示を中医協がすることによって、患者の視点の
重視ということになると思います。
　しかも、この間の議論からして非常に不健全だと思うのは、２号側の委員からも、加
算ならばいい、また、昨年春、医療安全のための検討のワーキンググループで野中委員
と一緒でしたけれども、患者とのこういう情報を含めた情報共有というのが非常に大切
なのだということを厚労省としては強く方針として出しているはずなのに、縦割りなの
かどうか分かりませんが、せっかく医療安全のためにやってきた議論ということ等を踏
まえても理屈に合わないというふうに考えております。
　ここはとりまとめなければならないタイムリミットの直前で、また公益委員とか事務
局の方に非常に過大な御迷惑をおかけするのも恐縮ではありますが、ここの要件のとこ
ろをぜひ御一考いただきたいのと、もし無理であるならば、例えば３点のところを、さ
らに詳しい明細を出すのであったらそこには４点なのだとか、５点なのだとかいうこと
で、そのことには価値があるのだということを意思表示していくという形をとっていた
だきたいというふうに強くお願いしたいと思います。
○宗岡委員　今の勝村委員の意見に全面的に賛成です。これは、ずっと繰り返しこのこ
とについては申し上げてきたわけなのですけれども、平成２２年までの時限的な措置と
して加算する目的というのは、１つのデータをレセプトのオンライン化請求というのと、
患者への詳細な医療費の内容が分かる明細書を発行する、両方に活用していくべきだと、
そのための補助であるべきだというふうに今考えております。
　したがって、ここで表現している「必要的に具備すべき要件」というのは、レセプト
と同程度の詳細な明細書を患者の求めに応じて発行することが可能なシステムを導入し
ていることというふうに考えるべきであろうというふうに思っております。そして、診
療報酬で点数をつける以上、患者にとってメリットのあるものということを重視すべき
でありまして、それは当たり前に発行すべき内容の領収証に対して加算するということ
ではないはずだというふうに考えております。
　以上です。
○土田会長　ありがとうございました。
　ほかにございますでしょうか。勝村委員、手短にお願いします。
○勝村委員　はい。領収証のこともいくらでもお話ししたいのですが、控えておるつも
りなのですけれども、言いたいことは幾つもあるのですが、もう１点、６７、６８ペー
ジのハイリスク分娩の加算の件です。
　産科における医療事故の問題が非常に気になっておるところで、こういう加算を新設
していただいたのですけれども、私としては、前回もこの施設基準に関して、もう少し
踏み込んだ、先ほどから大島専門委員とか石井委員とかが御発言されておられるように、
本当にこれで産科の質が高まっていくなということ、安全が確保されていくなというこ
とが実感できる形の施設基準をお願いしたい。いろいろな手法があるはずだということ
で、例えば特定機能病院のように紹介率のことを導入するなりということもお願いして
きておりましたが、先回から今回に関しては、その点に関しては一切変更がなされてい
ないという理解でいいのかなというふうに感じておるわけです。
　とすると、これまで日本では、総合周産期母子医療センターとか、地域周産期母子医
療センター、こういうものをきちんとやっていって、ハイリスク分娩に対応していくの
だと言いながら、その数が十分でない、またはそこに与えられている費用も十分でない
ということが言われておって、さらにそういう本当の意味で、周産期の医療に一生懸命
努力されている人たちを増やしていき、かつその人たちに手厚く、やりたいことはきち
んとできるようにということが質を高めることだと思うのですが、そういう意味で、そ
ういうものをもっと増やしていくというか、そういう形のものを地域に増やしていく、
そういう姿勢があればありがたいと思うのです。
　非常に不安なのは、事務局の方に質問したいのですが、このままでは、例えば年間分
娩が１２０件あれば、逆にハイリスクを扱っていいのだと。例えばハイリスクを扱うの
だったら、新生児科の医師が常時いるのだ、ＮＩＣＵがあるのだとか、それから、助産
師も３名とかになっておりますが、常にいるのだとか、いろいろなことが考えられるわ
けです。私も素人考えで言っているのではなくて、さまざまな産科医療をよくしたいと
いう医療関係者の人たちからいろいろな意見をいただいて勉強させていただいています
し、厚労省自身も産科の医療関係者から話を聞いて考えてみたいということを前回御発
言いただいたというふうに思います。年間１２０件以上というところが本当にハイリス
クを扱って安全なのか、そうではなくて、本当にハイリスクを扱って大丈夫な施設基準
をきちんとしているのか、さらにそういうところを地域に、本当に日本国内にきちんと
広げていこうというつもりで、そういう戦略というか、そういう気持ちでつくっていた
だいているのかということがちょっとよく分からないという状況にあります。その点に
関して、事務局の方から御説明いただきたいなというふうに思います。
○土田会長　ほかにございますか。
　それでは、今質問が出たことについて、事務局でお答え願います。
○事務局（堀江保険医療企画調査室長）　先回の議論の中で、委員の方からも、「ハイ
リスク妊産婦共同管理料の新設」について、施設基準といたしまして、年間分娩件数、
ハイリスク分娩管理を共同で行う医療機関の名称等の情報、こういった件についての掲
示といったようなことの指摘がございまして、今回６８ページの「施設基準」のところ
に書き加えをしているというので対応させていただきたいと考えてございます。
○土田会長　つまり、６８ページの「施設基準」のところの２つ目のぽつの記述という
のが新しく加えられたということだと思います。
○勝村委員　前回の議事録を確認していただきたいのですが、２つ私はお願いをして、
１つは、今発言された趣旨で、施設基準というものでもうちょっときちんと担保してほ
しいということをお願いしました。それに関しては、課長の方から、産科医の先生とも
相談して考えてみたいということでした。もう１点が、今室長がおっしゃったことで、
それに関しては、その瞬間に「承知いたしました」というふうに課長から言っていただ
いたということです。私はその２点目に関しては、「承知いたしました」と言っていた
だいたことに関しては反映していただいたと思っていますが、１点目の産科の専門家の
人たちと厚労省なりに検討して考えてみたいという件はどうなったのかということを御
質問させていただいているわけです。
○事務局（麦谷医療課長）　私の理解が合っているかどうかちょっと分からないのです
が、６７ページの「施設基準」である、専ら産科医療に従事する医師が３名、それから
年間分娩件数が１２０件、助産師３名、こういったものはすべて産婦人科学会、産婦人
科医会と相談して決めた数字でございます。
　それから、さらに踏み込んで産科医療全般についてどのようにするかというのは、私
どもで所管しておりませんので、それはまた別途、厚生労働省として取り組むべきもの
だというふうに理解しております。
○土田会長　これはもちろん御存じでしょうが、正常分娩はこの保険給付で言う診療報
酬の対象ではありませんので、一応そこを前提の上で御議論いただきたいと思います。
○勝村委員　具体的に前回例えばいろいろな案をそちらの方から示していただきたい、
例えば特定機能病院のように紹介率を基準の中に設けるというような形で確保できない
かとかいうようなことを例として挙げたわけです。今も僕も幾つか言いましたけれども、
特に新生児のＮＩＣＵがあるとか、新生児科があるとか、そういうふうなこととかを担
保せずに、ハイリスクの分娩を扱う医療機関を今のままで増やしてしまっていいのか、
本当に安全確保できるのかという点がありますので、具体的にこの時期なので言うとす
れば、分娩件数１２０というところをもう少し増やすこととか、新生児科があることと
か、そういうふうな安全、質を担保できるための施設基準というものをできれば今日じ
ゅうにつけ加えていただきたいということです。何らかの回答は今日いただけるものと
思っておりました。
○事務局（麦谷医療課長）　これは、私どもで産婦人科学会、産婦人科医会、両方とも
代表を複数呼びまして、別室で長時間かけて協議いたしまして、そのようなことも私ど
もから一応申し伝えましたけれども、そのような必要はない、例えばＮＩＣＵがあると
か、そういうふうな条件は必要ない。ハイリスク分娩の管理であれば、このような条件
で、あるいは分娩件数も１２０でいいということでございました。２００とかというこ
とも検討した結果、学会と医会、両方とも１２０ということで回答をいただきましたの
で、そのように設営させていただきました。
○勝村委員　非常に大事なことなので、説明責任があると思うのですけれども、その理
由とか根拠は、どういう理由だったわけですか。
○事務局（麦谷医療課長）　ちょっと今この場にお持ちしておりませんが、必要があれ
ば、またそれは整理をして御説明することは可能でございます。
○土田会長　この問題については、学会の方に問い合わせてやっていただきたいという
ような勝村委員の前回の発言に対して、医療課長の方は、学会と相談した結果、これで
いいという回答であったという、そういうことです。
○勝村委員　まとめていただいて恐縮なのですけれども、私としては、一生懸命ハイリ
スク分娩とかにかかわっている関係者の人たちの話を私なりに聞いて、これでは安全が
担保できないのではないかということも聞いておりましたので、もう少し何とか工夫で
きないものかということを前回お願いした。それに対して、前回課長の方から、産婦人
科学会の人とも相談をするという返事をいただいたことで、私は特にやり方については、
担保はお願いしているわけであります。
○土田会長　それで、課長の方はそれを相談して、こういう形にしたということですよ
ね。
○事務局（麦谷医療課長）　手続的には、私どもはどなたに出席ということはありませ
んので、学会の窓口、それから医会の窓口、学会によっては、当然常任理事の社会保険
担当の方、医会のたしか副会長でしたか、お出になって協議をさせていただきましたの
で、そういう意味では、両団体の代表と話をさせていただいたという認識でおります。
○土田会長　これは大島専門委員、こういう問題についてはいかがですか。
○大島専門委員　ちょっと勝村委員のこだわっているところがよく分からないのですが、
専門家に対して、専門家の判断を信用できないということになると、これはもう話が前
へ進まないので、もし疑問という形であるとすれば、勝村委員の言っている、御自身が
いろいろな情報を得ている背景というものをきちんと出されて、その背景がいわゆる専
門的な観点から見たときに十分に担保されるものであるということを証明する必要があ
るだろうと思います。
○土田会長　どうもありがとうございました。
○勝村委員　長い時間話すと恐縮なので短くしておって、それが言葉足らずでというこ
とを言われても非常に困るのですが、この施設基準であれば、このことによって日本の
ハイリスクの分娩が本当に確保されていくなと、新たなハイリスクの分娩をするところ
がきちんとできていくなと。例えば個人的には、従来ハイリスクの安全を担保するため
にはこれだけの基準が要るだろうということで設定されている総合周産期母子医療セン
ターとか地域周産期母子医療センターがもっと増えていくべきだというふうに思ってい
るわけです。そこまでできないにしても、もう少しそれに準ずるという形である医療機
関に対して、ハイリスク分娩をやっていっていただこうということであるとすれば、今
ここに出ている施設基準は、よく見ていただいたら、特に今までやってきていた普通の
産科のところで、さらにハイリスクもやってもいいよという程度の数字になっていない
のかということを危惧しているわけです。できるだけ無理のない範囲で総合周産期母子
医療センター、地域周産期母子医療センター並みの医療機関を日本じゅうに増やしてい
きたい。そのために医療費を使っていっていただきたいという趣旨に沿った施設基準に
なっていないのではないか。
　その点、もう少し専門家の人たちから、なるほど、こうすればいけるのではないかと
いう実感のある施設基準をいただけないものか。１カ月に１０件のお産をしているとこ
ろで、小児科を確保していないところでハイリスクの分娩を扱って本当に大丈夫なのか
ということをちょっと感じている。例えばですが、話が長くなりますので、これでやめ
ておきます。
○土田会長　石井委員は産婦人科専門ですので、どうぞ。
○石井委員　問題は、現実的にこの施設基準で一番重要だと思われるのは、専ら産科医
療に従事する医師が３人以上、これが重要ですがこれが困難なのです。産科、小児科に
関する検討委員会も、実際にこれはほとんど確保できない状況が全国的に生まれている。
１名でいるところもだんだん減っているというところで、このハイリスク分娩加算の要
件でも、これは相当集中された病院で可能です。ですから、勝村委員がおっしゃるほど、
周産期医療について全面的な構造は持っていなくても、地域的にある程度集約されたと
ころで、大体この状況が担保されることを目標にする状況になっている。
　分娩数については、もうちょっと多いとかという話は確かにあると思いますが、現実
に医師が３名以上で助産師が３名以上というような状況の病院自体が極めて少なくなっ
ているので、これをあまり厳しくするのは、その内容としては、特にＮＩＣＵを持つと
ころということになりますと、県の中に幾つあるかというようなことになって、果たし
て、ここで言う例えば４０歳以上の初産婦云々と、これをハイリスクとすると相当広範
な意味でのハイリスクですので、これをそこに全部集中するというのは現実的に可能か
ということは、ちょっと疑問だろうと思うのです。
　この中でも非常に問題になれば、もっと周産期センター等々に行きますし、それから、
生まれた子供が非常な未熟児であれば、そういったところに大体送るというようなこと
になっておりますので、このハイリスク分娩は、特に分娩管理というところまでですの
で、ここですと、この程度まで広げておかないと、逆に現実的ではないと僕は感じてお
ります。
　実は、産科医の地域的な不足というのは、これは想像を絶するほど進んでおりますの
で、それに合わせてある程度現状では考えざるを得ないのではないかと思います。
○土田会長　どうもありがとうございます。
　今まで御意見を承ってまいりましたが、勝村委員の主張されることもそれなりの根拠
があってということだと思いますが、ただ、先ほど課長から話がありましたように、し
かるべき学会等々からの意見は一応きちんと踏まえての提示であろうと。さらに今石井
委員から話がありましたように、従事する医師が３名以上という枠が本当は重要なのだ
という御指摘がございました。
　そこで、勝村委員の発言については議事録にとどめて、さらに検討をしていくという
ことはしていきたいと思いますが、今回のことについては、一応の手続、あるいは一応
の安全性というものを考慮した上での案であるということで……。
○勝村委員　ちょっと納得できないです。
○土田会長　ちょっと待ってください。ということで、納得はできない点が残ろうかと
思いますが……。
○勝村委員　まとめをつぶすつもりはありませんが、ちょっと一言言いたい。
○土田会長　そういうことで御同意をいただきたいというふうに思います。よろしいで
しょうか。
○勝村委員　いや、同意をしますが、ちょっと一言。
　そういう石井さんがおっしゃるような議論をこの場でしておく必要があるということ
は、中医協として感じておくべきだと思うのです。「専門家が言ったから」として結果
だけが出ている、というのではなく、それはなぜそうなのかという説明責任を果すとい
う形をとってほしい。これは常々僕が言ってきていることです。そういう発言がこの場
で出ないままで、結果だけを出して、「専門家が言ったのだから」ということでは納得
できない。市民感覚というのがある。
　もう１つは、現状はこうだからということで新たな加算をつけるということは絶対納
得できない。現状をどう変えていきたいから加算なのだという話をしていただきたい。
本当に安全確保するためにはどうしていくのかと。そういうことを僕はなぜ真剣に考え
ているかというと、被害を知っているからだということだけはわかっていただきたいと
思います。
○土田会長　どうもありがとうございました。
　ただ、つけ加えて言うと、みんな真剣に考えているのだということをあえて申し上げ
たいと思います。
　それでは、次に移ります。
　最後になりますが、７８ページの「褥瘡ハイリスク患者ケア加算の新設」については、
公益側でいろいろ議論いたしまして、１つの意見としてまとめております。それにつき
まして、遠藤委員の方から説明をお願いします。
○遠藤委員　それでは、先ほどの中医協総－３の資料、３ページをごらんになっていた
だきたいのですが、「３　褥瘡管理対策に係る診療報酬上の評価について」ということ
で、公益委員の意見をまとめさせていただきました。
３　褥瘡管理対策に係る診療報酬上の評価について
○　褥瘡管理対策に係る診療報酬上の評価については、これを医療従事者の専門性に係
  る診療報酬上の評価の問題と捉えて、慎重に解すべきであるとの意見があった。
○　しかし、この問題については、診療報酬調査専門組織における調査結果において積
  極的な知見が得られていることを踏まえた対応が必要であると考える。
○　具体的には、急性期入院医療において、褥瘡ハイリスク患者に対し、予防治療計画
  に基づき総合的な褥瘡対策を実施することに対する診療報酬上の評価の問題と捉えて、
  今回改定において評価を行うことが適当であると考える。
○　医療従事者の専門性を診療報酬上評価すること全般にわたる問題については、次回
  改定に向けて、引き続き議論を行っていくこととしたい。
  ということで、資格を評価するというのではなく、技術を評価するという形で認めて
いきたいというのが公益側の立場であります。
　以上でございます。
○岡谷専門委員　私たちも、医師に限らず、広くいろいろな職種も含めた技術の評価、
要するに患者さんに対して効果のあるきちんとした技術を評価していくという方向では、
今回これが評価していただけることについてはありがたいというふうに思っております。
○土田会長　どうもありがとうございました。
　この褥瘡対策について、新たに評価するということにつきましては、先ほど対馬委員
の方から賛同の意見をいただいております。
○松原委員　これも十分議論を尽くしたことでございます。公益の先生方の御判断に任
せたいと思っております。
○土田会長　どうもありがとうございました。
　IIIで、ほかにございますでしょうか。
　それでは、IVに進ませていただきます。「IV　医療費の配分の中で効率化余地がある
と思われる領域の評価の在り方について検討する視点」について御議論いただきたいと
思います。
　最初に、意見の集約が図られていない項目について申し上げます。８９ページ、「患
者の状態像に応じた慢性期入院医療の評価」が第１点です。２つ目が、飛びますが１２
１ページの「後発医薬品の使用促進のための環境整備」でございます。第３点が１２５
ページの「透析医療に係る評価の適正化」の３点になろうかと思います。この３点につ
いて御議論いただきたいと思います。
　１号側委員、いかがでしょうか。
○対馬委員　最初の８９ページの慢性期の入院についてですけれども、前回意見を申し
上げて、それが入っているということでは評価したいというふうに思います。まだこれ
から７月を目指してやっていくということでしょうから、例えば分類の精緻化でありま
すとか、患者特性調査票の活用でありますとか、アップコーディングの防止とか、さま
ざまな問題があるというふうに思いますので、今後とも、特に分科会がございますので、
分科会とも連携をとりながら、仕組み、システム、このあたりのブラッシュアップをぜ
ひ図っていただければと、こういうふうに思います。
○土田会長　どうもありがとうございました。
　１号側、ほかにございますか。
○小島委員　今の８９、９０ページのところの慢性期入院医療の評価の件です。こうい
う形で今回大きく見直しをするということでありますけれども、その際に十分配慮して
いただきたい。今入院されている難病患者の皆さんについては、十分な医療が保障され
るよう十分配慮をしていただきたい。今入院されている患者の皆さん、大分不安を抱い
ていることもありますので、そこはぜひ十分な経過措置なり説明と配慮ということが必
要であると思いますので、そこについては重ねて要望しておきたいと思います。
○土田会長　ありがとうございました。
　ほかにございますでしょうか。
○宗岡委員　透析医療について、１２５ページです。前のときにも申し上げたのですけ
れども、たくさんの患者さんがこの医療を受けて生活していらっしゃるという実態があ
るということを理解しておりまして、それを配慮した提案だということを事務局の今日
の資料を拝見して分かったわけなのですけれども、たくさんの要請状、その他いろいろ
話を見たり聞いたりいたしますと、やはり患者さんの不安が非常に大きいように思える
のです。したがって、今日御説明いただいたような資料の内容を、患者さんのみならず、
医療提供側の方にもぜひ十分御理解いただいて、第一線の医療現場で両方で納得しなが
らこの中で治療がちゃんと整然と行われるように、特に医療提供側の方にも御配慮をお
願いしたいと思いますし、それから、本件についての無用な誤解があるとすれば、それ
を解消するように事務局の方にも最善の努力をお願いしたいというふうに思っておりま
す。
　一番の懸念は、やはり仕事をしながら、社会に貢献しながら、この治療を受けるとい
う人がたくさんいらっしゃるということで、もちろん、そのほかの方も大事なのですけ
れども、夜間診療の問題にしても、休日診療の問題にしても、御本人にとっての非常に
大きな問題意識を持っていらっしゃるわけで、そういう点での各ステークホルダーの皆
さんに御配慮いただくように、重ねてお願い申し上げたいと思います。
○土田会長　ありがとうございます。
○小島委員　今の件です。ここは重ねて、例えば夜間あるいは休日加算が減額されると
いうことによって、宗岡委員が指摘されたような、働きながら透析を受けるということ
が制限されてはいけない。医療機関が夜間診療なりあるいは休日をやめてしまうといっ
たようなことはないと思いますけれども、あってはならない。そのことを透析患者の皆
さんは大分不安を持っております。
　それからもう１つ、エリスロポエチン製剤を含めた包括化については、これによって
患者さんにしわ寄せがかからないよう、適切な時間確保といったことについても、今後
の運用の段階で配慮をお願いをしたい。医療機関の皆さんも十分御配慮いただければと
思います。
○土田会長　今１号側から幾つか要望が出ておりますが、医療課長をはじめ事務方及び
医療機関側に、重ねて今の御意見を尊重していただきたいというふうに思います。
　ほかにございますでしょうか。
　それでは、２号側。
○野中委員　今透析の医療につきまして、非常に関心を持っていただきましてありがた
く思っておりますし、私も透析医療に長年携わってきて医師として一番うれしいことは、
透析患者さんが社会復帰をしていただき、社会で働いていただいていることを実感する
時です。そういう面で、休日あるいは夜間あるいはエリスロポエチンが、患者さんのＱ
ＯＬという部分にとっては非常に大きな関係がございます。前回の「骨子」を読みまし
て、ある面ではもっと検討が必要ということで意見を述べさせていただいたところでご
ざいます。
　今回、実際に点数を見、それから、透析医会の意見、また私も多方面の透析関係の医
師の先生方からいろいろな意見をいただきました。確かに包括という部分で、多少御懸
念の部分があるとの意見もあったことは事実です。しかし、今回の点数表を見まして、
また、今回は引き上げでなく引き下げということでございますので、この条件ならば、
ある程度患者さんに対しては御迷惑をかけることは少ないと判断します。理解をして、
患者さんに対しての社会復帰には御迷惑がかからないように私たちも配慮すべきと思い
ます。ただし、今後患者さんの社会復帰にとって迷惑がかかっているか、かかっていな
いか、これは実態を踏まえて検討をしていただきたい。
　また、貧血に関しましては、この間課長も答えていただきましたように、透析時間が
ある面では非常に影響しています。薬を使わなくて透析時間を確保して、患者さんが社
会復帰という、仕事に励みながら治療を受けていただく事が一番大事でございますので、
この点について改めて今回の点数部分を医療機関が一考することも必要と思っています
ので、そういう面でも一応理解したいと思います。
○石井委員　同じ立場なのですが、今回の改定で、特に包括化の問題に関しましては、
透析医会の方から、むしろこれは積極的に受けとめるという内容として出されておりま
すので、透析医会、医療機関の側がそういう形で臨んでもらえるのだったら、この包括
化についても我々としても懸念なく認めることができると思うのです。
　ただし、今回のこの問題に関しては、むしろ患者さんからずっと反対意見が出たとい
うところは重視しておかなければいけないと思う。それはどういうことかといいますと、
透析に関しては、これまで経済的な採算性というようなことで、まだ採算性があるのだ
からということで、どんどん切り下げられてきたという経緯があります。そういう中で、
食事の問題等々患者さんにとってもいろいろな不便な問題もこれまで発生してきており
ますので、そういう中から、今後透析がどういう方向に行くのかということに関して、
患者さんの不安があったのもまた無理からぬことだと思います。
　特に今回の包括化が夜間加算の廃止という形で最初はまとめられて出されますと、全
体の印象としては、ただ切り下げということに重点があるように最初は思われます。そ
ういう形で包括化も考えられたら問題があるので、患者さんが不安があるのは当然です。
これは１号側も言っていらっしゃるように、我々も患者さんの不安を受けとめて、今後
経済採算性だけで考えるのではなく、患者さんの社会的復帰の問題としても考える必要
があります。それから、透析医療機関が、これまでの切り下げに対応して規模の拡大や、
集約化をしてきたのですが、こういったことをこのまま進めていいのかどうか、適正な
地域医療としての透析医療機関の配置ということも含めて考えますと、財政的な観点か
らの単純な切り下げだけを今後ともやっていくということではやはりいけないのではな
いか、今後の改定の問題として一つ指摘しておきたいと思います。
○土田会長　ありがとうございました。
○松原委員　先ほど療養病床の難病の方の御指摘がございました。私どももそこのとこ
ろを一番心配しております。パーキンソンやＡＬＳの患者さんたちが今回の改定で一方
的につらい目に遭わないように、ぜひ運用の面で事務局に御配慮いただきたいと思いま
す。
　以上です。
○石井委員　もう１つ、療養病床の問題ですが、今回の改定で、医療と介護の関係の整
理が一歩進んだことについては高く評価したいと思います。今回の改定が、介護報酬の
問題と医療報酬の問題の同時改定ということの中で、医療と介護の関係を患者さんにと
って切れ目のない社会保障体制を構築するという観点から整理されたと理解しておりま
すので、今回はその第一歩で、これで十分にその流れができたとは必ずしも言えません
ので、今後とも社会的入院を廃絶し、人間らしい生活の保障と、それから必要な医療と
介護の保証をお願いしたい。医療が必要ならば介護は要らない、介護が必要ならば医療
は要らないということではございませんので、今回初めて医療と介護は二者択一ではな
いという方向が打ち出されたわけですから、こういった内容をシステムの問題としても、
今後とも検討し、切れ目のない社会保障体制を構築していただきたいと思いますので、
今度でこれが終わったのではないという点を強調しておきたいと思います。
○土田会長　どうもありがとうございます。
○登利委員　歯科の方から、今日点数が出ましたので。１０１ページに、「「かかりつ
け歯科医初・再診料」の廃止」の問題が出ました。これは、前回も申し上げましたよう
に、歯科には２つの初診料があったということで、これを一本化するということで、患
者さんにとりましては非常に分かりやすくなった。こういう点では結構かと思いますが、
ただ、今度この２７４点が１８０点ということになりますので、１号側に言わせました
ら、メリハリのついた改定であるというふうに評価していただけるのだろうと思います。
　一方で、医科の病院と診療所も、すべて初診料が一緒になる。病院の歯科の地域歯科
診療支援病院歯科初・再診料も、医科と同じ点数になるということでございますが、こ
の歯科の初診料だけが極端に低いということになりますので、また新たに患者さんに分
かりにくい初診料になってしまったという宿題が残りますので、今後の診療報酬改定で、
この辺をぜひ同じようにしていただくように御検討していただくこと、要望でございま
す。
○土田会長　議事録にとどめたいと思います。
○邉見委員　３点以外でもよろしいのですか。
○土田会長　ちょっとお待ちください。
　３点に関係して、ほかにございますでしょうか。
○遠藤委員　透析につきましては、両側の委員の皆様御賛成ということでありますので、
特にあれですけれども、検証部会といたしましても、医療のアクセスあるいは質の変化
に直結するような内容でもありますので、大変重要視して、何らかの形で検証していき
たいというふうに思っております。
　９４年に、たしか透析液とか血液凝固阻止剤などが包括化されたのですけれども、そ
のときは、患者団体と透析医会が、クオリティーにどういう変化があったかという独自
調査をされておりますので、類似のことを我々は今回もきっちりやるべきだと、そのよ
うに思っております。
　以上でございます。
○土田会長　それから、真ん中の後発医薬品の使用促進に関連しまして、公益側として
意見をまとめておりますので、遠藤委員の方から説明をお願いします。
○遠藤委員　それでは、中医協総－３にお戻りいただきまして、４ページでございます。
４　後発医薬品の使用促進のための環境整備について
○　後発医薬品の使用促進のための環境整備については、
・　先発医薬品の銘柄名を記載した処方せんを交付した医師が、その後発医薬品に変更
  して差し支えない旨の意思表示を行いやすくするよう、処方せん様式を変更すべきで
  あるという意見と、
・　そのような意思表示は現行の処方せん様式の下でも可能であり、処方せん様式を変
　更する必要はないという意見とがあった。
○　この問題については、良質かつ廉価な後発医薬品の使用を促進することは、患者の
　選択肢を拡大させ、かつ、医療保険制度の持続可能性の維持にも資するものであるこ
　とから、積極的に後発医薬品の使用促進のための環境整備を図っていくことが必要で
　あると考える。
○　このような観点から、今回、処方せん様式を変更し、「備考」欄中に新たに「後発
　医薬品への変更可」のチェック欄を設けることにより、後発医薬品の使用促進を図っ
　ていくことが適当であると考える。
　以上が、公益側の意見であります。
○土田会長　この意見につきまして御意見等ございましたら、どうぞお願いします。
○松原委員　これも十分議論を尽くしたところでございます。私どもの中には、先発品
と後発品と同じものではないという意見の医師もかなりおります。そういった考え方も
含めて御説明したわけでございます。最終的には、これを決めるのがやはり医師であり、
そして、その責任は私は医師が負うものだと思っておりますので、そういったことを踏
まえての御意見と理解しておりますので、了解いたします。
○土田会長　どうもありがとうございました。
　ほかにございますでしょうか。それでは、この３点について、ここで御了解いただい
たということで進めさせていただいてよろしいですか。
　それでは、そのほかの論点につきまして。
○邉見委員　「入院時の食事に係る費用の算定単位の見直し」につきまして、ちょっと
細かくて申し訳ないのですが、９３ページの「具体的内容」のところで、３行目で、
「３食を限度として実際に提供された食数」ということで、私は、実は当院で、３食以
上食べる人がいるのかとびっくりしまして聞きましたら、実際、昨日の日本病院団体協
議会でも、例えば消化器の胃を切った人などは４食、６食分けてとっている、そのたび
に配膳もしているし、いろいろな手間もかかっているということです。非常に例外的で
はございますけれども、どこか療養担当規則等で、実際に手間暇かかっておりますので、
御配慮をお願いいたしたいというふうに思います。
○土田会長　ただいまの点について、医療課長、いかがですか。
○事務局（麦谷医療課長）　療担規則というよりも、別途そのような特殊なケースにつ
いて、何かできるようなことを考えたいと思います。また、健康なというか、さらに食
べたいという人についても、ちょっとまた考えたいと思います。
○土田会長　ほかにございますでしょうか。
　よろしいですか。それでは、一応IVについて御了解いただいたということにしたいと
思います。
　それで、先ほど対馬委員等々から御発言がありましたように、また全体に戻りまして、
幾つか御意見を承りたいと思いますが、私のメモによりますと、１２ページの「ニコチ
ン依存症管理料の新設」の問題、それから、先ほど僕はちょっと失礼なことをしてしま
ったのですが、電子化のところで、勝村委員及び宗岡委員から、この要件の変更につい
て御意見がございました。それについて、２号側あるいはほかの方から御意見をいただ
く前に飛ばしてしまいましたが、そこを含めて２点ですが、ほかにまだございましたで
しょうか。ほかも含めて結構でございますが、それについてもう少し御議論いただきた
いというふうに思います。ただ、時間が押しておりますので、できるだけ手短にお願い
いたします。
○宗岡委員　ニコチンについてなのですけれども、これも繰り返し申し上げているとお
りでして、両側あるいは事務局との見解の相違があるのかもしれませんけれども、どう
してもちょっと拙速ではないかという気がしてしようがないのです。これだけたくさん
の喫煙者がいる日本で、十分な国民的な議論がされないままに、トライアルとしてやる
からいいではないかという論理はいかがなものかというふうに私は思うのです。やはり
これだけたくさんの人が喫煙をし、そのうちのマイノリティーの方が病気だと自覚をし
て病院に通うということを前提とした制度設計だということだと思うのですけれども、
全体として、この種の問題についての教育宣伝といいますか、我々に対するプロパガン
ダといいますか、あるいは議論の場というのか、それがほとんどないままに、去年の秋
にこれが持ち出されて、どうしても今年の４月にやりたいということについては、やは
りどうしても抵抗感があります。
　今回の議論の中でも問題になりました手術の施設基準もそうですけれども、こういっ
たような議論が尽くされていないというふうに思われる問題については、できるだけ早
く議論を再開して、何も２年後でなくてもいいので、その間に十分な議論をした上で、
実行に移すなら実行に移すということにすべきではないか。したがって、この問題が病
気ではないとか、あるいは反対であるということを申し上げているつもりはなくて、広
範の国民に関連することであるがゆえに、より広範な議論をすべきだろうということを
申し上げたいと思います。
○土田会長　どうもありがとうございます。
　いつも宗岡委員には説得させられそうになって、なかなか困るところがあるのですが、
貴重な御意見ですので、２年以内にという話も含めて、少し考えさせていただきたいと
思います。
　ほかに御意見ございますでしょうか。
○邉見委員　御意見は非常によく分かりまして、私も非常に悩むところでございますけ
れども、この施設基準を見ていただきますと、かなり厳しいのです。私は先ほど大きな
一歩ではなく小さな一歩と申し上げたのは、これなのです。かなり縛りがかかっており
まして、「禁煙治療に係る専任の看護職員を１名」なんてことは、これは大変なことで
して、なかなかこういうことだけに１人の看護師を今の病院で出せるかなと、これはか
なり厳しい縛りがついていると私は思うのです。だから、それほどたくさんの施設がや
るのではなく、先ほど白石専門委員がおっしゃったように、パイロットスタディー的な
ものになるのではないかなというふうに思います。
○宗岡委員　邉見委員のおっしゃることもよく分かる気がします。ただ、今の議論とい
うのは、やはり中医協を聞いている人しか分からない議論だと思うのです。しかも、か
なり限定的に適用されるということを主張されるわけですけれども、そういうことも含
めて議論すべきではないかというふうに私は思うのです。それは、中医協の場に任され
ていることかもしれませんけれども、こういった大半の国民が巻き込まれるといいます
か、関連するものについては、我々はもっと開かれた議論を聞いた上でやる、今回の公
聴会もそうだと思うのですけれども、そういうふうな姿勢が求められているのではない
か。中医協の独断でこういうことをやるということについては、私自身は非常に抵抗感
がある。ちょっと言葉はきついかもしれませんが、あえて申し上げたいと思います。
○松原委員　まず１点、ＩＴの話を。私どもは、もともと点数をつけること自体にずっ
と反対しております。今でも反対でございます。３点を４点とおっしゃいましたが、こ
れも反対でございます。また、ぎりぎりの選択のところで、こういった条件でというこ
とでございますので、いまだにこの点数をつけるところは反対でありますし、この内容
についても、いろいろと言いたいところはございます。
　ニコチンに関しましては、私は何度も申し上げておりますように、これは国民的な喫
緊の問題でございます。希望する人だけがこれを受けるわけで、国民全員が強制的にこ
のニコチンの治療を受けろと言っているわけではございませんので、そこのところは御
理解賜りたく思います。
　条件に関しましても、施設基準が前回よりも非常に厳しくなっているように思います。
専任ということで、専従ではございませんので、専従よりも大分問題はないのかと思い
ますが、「医療機関の構内が禁煙であること」、これは診療所におきましては、テナン
トであるところがほとんどなので、自分の支配が及ばないところまで禁煙にするのは事
実上無理でございます。そういったところでも禁煙に対して治療を行いたい医者が熱心
にできるような体制を整えてくださるということだと理解しておりますので、よろしく
お願い申し上げます。
○土田会長　ありがとうございました。
○勝村委員　ＩＴ加算の件なのですけれども、松原委員が今反対だとおっしゃいました。
その理由というのがよく分からないわけです。これは、簡単にできることだということ
は証明されておって、現に実施している医療機関があるということです。それと、病院
側の委員からは、以前の議論の中で、加算するのであればできるのではないかというこ
とでしたし、野中委員と一緒だった医療安全対策の検討ワーキンググループの報告書も、
こういうことを推進していく必要というのが非常にあるというコンセンサスが得られた
上での報告書であったというふうに理解しています。
　公益委員の先生方に御尽力いただいて、義務付けとかは無理だけれども、こういう方
向を広げていく形をとろうということで通知を出していただくということを受けて、基
本的にはそういう形をとって、患者の情報提供ということを推進していく医療機関には、
ＩＴとして簡単にできることなので加算していくのだということで、価値観というのが、
何に価値を置こうとしているかということが非常に分かりやすい、そういう診療報酬体
系というものであればいいなと思います。
　実は、僕はこの間、中医協にしていただいたことで非常に感謝していることが１点あ
りまして、それは、４年ほど前の薬剤の情報提供料というものです。家に持ち帰る薬、
正式名称を知ることがなかなかできませんでした。それが、その提供料というものに価
値があるのだという判断をしていただいて、今回はもう、それが十分に普及したという
ことで廃止になるようですが、この間には本当に飛躍的に家に持ち帰る医薬品の情報が
患者に提供されるようになりました。１月３１日に、医薬品副作用被害救済・研究振興
調査機構が薬の副作用情報をホームページに全部掲載するとニュースが流れたら、翌日、
そのホームページがパンクしたというニュースが流れていました。正式名称を知る、単
価を知るという動きを中医協としてしていくのだということを今回の中医協の改革の中
で姿勢としてぜひ出していただきたいということで、改めてお願いしたいと思います。
○対馬委員　電子化加算の関係ですけれども、「必要的に具備すべき要件」の中の「医
療費の内容の分かる領収証を交付していること」ということですが、ここは、必ず、少
なくとも遅くとも６カ月以内にやることになるわけですよね。ですから、必要的という
か、絶対的にやらなくてはいけないということをここに書いていても、６カ月間だけの
問題になるわけです。そこは仮に百歩譲ったとしても、これは時限立法なのです。時限
立法ということは、できるだけそういう方向にやっていきたいというもの。診療報酬の
中でそういったことをやるのがどうかという議論はあるのですけれども、ここまで来て
いますからそれは分かったということでいきますと、少なくとも「選択的に具備すべき
要件」、先ほど公益の先生も、明細の分かる領収証というのは本来的にはそういう方向
なのだけれども、今急にというわけにはなかなかという話もございましたけれども、少
なくとも「選択的に具備すべき要件」の中に明細の分かる領収証の発行を具備している
ことと言うことが一つのメッセージになるのではないかなと、こういうふうに思います。
この点に関しては、先ほどはたばこの件についてはここで議論をと言いましたけれども、
この点もやや議論が出尽くしていますので、公益の先生方に電子化加算のところについ
て御議論いただければなと、こういうふうに思うのです。
　あと、御提案ですけれども、我々の方としても、一たんお昼の休憩にしてはどうなの
でしょうか。
○土田会長　今それを提案しようと思っていたのですが、どうもありがとうございます。
○松原委員　一言だけ。今の意見を受けまして、大変な事務的なエネルギーがかからな
いのであれば、確かに私どもは、具体的に義務化のところに義務があっても意味がない
と思います。今対馬委員がおっしゃったように、選択のところの１項目で入るというこ
とであれば、これは私どもの中で何とか私は説得いたしますので、了解いたします。
○土田会長　どうもありがとうございます。ちょうどいいタイミングです。
○邉見委員　ちょっとよろしいですか。
○土田会長　手短にお願いします。
○邉見委員　会議の進め方ですけれども、私は、ニコチンもそちらにお任せしたい。
○土田会長　今それを提案したいと思っているのですが、よろしいでしょうか。
　それで、ここで非常に時間が押しておりますので、わずか３０分ですが、昼食を兼ね
て休憩にしたいと思いますが、その間に、先ほどニコチンの問題と、それから今ＩＴ化
の問題、これについては、一応各１号側、２号側、もう一度御議論いただいて、また公
益もいたしますが、そこでその２つの点を一応ペンディングにしたまま、今回の総会は
休憩にしたいと思います。
　１時半に再開します。
　　　　　　　　　　　　　　　午後１時００分休憩
　　　　　　　　　　　　　－－－－－  －  －－－－－
　　　　　　　　　　　　　　　午後１時３５分再開
○土田会長　それでは、ただいまより第８５回中央社会保険医療協議会総会を再開いた
します。
　出席状況について報告いたしますが、針ヶ谷専門委員が御欠席ということになりまし
た。
　最初に、先ほど残しておりました２つの点について、１号側、２号側からもう一度御
意見を承りたいと思います。
○対馬委員　まず、ニコチンの問題ですけれども、１号側としての意見は基本的には変
わらないのですけれども、ただ、事ここに至っているわけでございますので、公益委員
の先生方、午前中に意見はちょうだいしたのですけれども、再度、特に宗岡委員、邉見
委員のやりとり等々も踏まえて、そこも勘案していただいたところで御判断をいただけ
れば、私どもとしてはそれに従おうということでございますので、どうぞよろしくお願
いしたいというのが１点でございます。
　それから、電子化加算でありますけれども、本来、私どもとしては、電子化加算の
「必要的に具備すべき要件」の中に明細書つきの領収証をということなのですけれども、
これもなかなか今この場でもって、各委員の同意というのは大変難しかろうということ
でございますので、「選択的に具備すべき要件」の中には、明細の分かる領収証発行シ
ステムを具備していることといった要件を織り込んでいただけないかなと。これは、松
原委員の方も、それに向かって何とか努力したいというお話もございましたので、それ
をおやりいただけないかなと、こういうふうに思ってございます。
　以上のとおりです。
○土田会長　ありがとうございました。
　それでは、２号側。
○松原委員　ニコチンについては、もう十分私どもは議論いたしましたので、これは公
益の先生方の御判断にお任せしたいと思います。
　また、ＩＴにつきましては、いろいろと意見があるようでございますが、いつまで議
論をしていても仕方がないので、今日の朝同意したところの、患者さんから求めがあっ
たときは保険医療機関は患者さんにさらに詳細な医療費の内容の分かる明細書の発行を
できるように具備するということであれば、選択要件の中に入れていただければ十分か
と思っております。
○土田会長　どうもありがとうございました。
　このニコチンの問題については、ただいま両側の委員からお話がありましたように、
公益側として意見をまとめるようにということでございました。この点については、公
益側でもただいま議論をしてきたのですが、結果からいいますと、午前中申し上げた４
点の中にニコチン依存症の話として公益側の意見をまとめてございます。また繰り返す
ことになりますが、この内容で御同意いただきたいというのが公益側の意見でございま
す。
　それから、２点目のＩＴ化につきましては、今１号側、２号側から、７５ページの
「選択的に具備すべき要件」というところに新しく文言を加えるということで同意の意
見をいただきました。
　そういうことで決めさせていただいていいかどうか、御意見を承りたい。
○大内委員　ニコチン依存症の件については、先ほど対馬委員の方から申し上げたとお
りでございますけれども、委員の一人としては大いに不満な部分でございまして、最終
的にはやむを得ないかなというふうには思いますが、今度この問題を保険適用に導入と
いうことで、その条件がそれぞれきちんと整理をされているわけですけれども、その辺
は厳格な運用ということをまずきちんと求めておきたい。
　それからもう１つは、今回こういうことで入れるということになりますと、予算の部
分があると思いますが、今回適用することによってどれぐらいの医療費を予算としても
くろんでいるのか、その辺は私は分かりませんけれども、その辺が分かったら教えてい
ただきたいというのが１つと、予算を超えるなどということはまずあり得ないだろうな
ということも、あわせてこの場で申し上げておきたいと思います。
○事務局（麦谷医療課長）　このニコチンの禁煙指導管理を導入した場合の医療費の増
額は、年間約１０億円と見込んでおります。
○土田会長　よろしいですか、１０億円だそうです。
○大内委員　はい。
○勝村委員　医療費の単価が分かる明細書を患者に示していく、中医協がまさに決めて
いる医療の個々の単価とその正式名称を患者、国民に示していくという姿勢を中医協と
して打ち出していくということをずっとお願いしてきたところでありますが、先ほど、
それは医療の安全の切り札であるというふうに言いましたけれども、同じように、これ
は中医協の改革の切り札でもあるというふうに僕は思っているわけです。
　今回そういう形でまとめて御尽力いただいたことはありがたいと思いますが、けさ土
田会長がおっしゃったことと同じように、これは手法は問わず、私としては、本当に患
者、国民に医療費の詳細な正式名称と単価を伝えていくのだという中医協の姿勢のあら
われの第一歩なのだという位置付けでぜひお願いしたいというふうに思います。
○土田会長　ありがとうございました。
○松原委員　私どもといたしましても、今のＩＴ化についてはかなりつらい選択でござ
います。朝この点については御同意いただきましたので、それをこちらにコピーして持
ってくるということでございますれば、いたし方のないことだと思っております。
○土田会長　それでは、懸案となっておりました２点はそういう形でまとめさせていた
だきたいと思います。御協力ありがとうございました。
○対馬委員　１つだけ。取りまとめのときに大変申し訳ございません。１点、個別では
ないのですが、全体にかかわることで、今回の改定の一つの眼目は、簡素化という項目
だったというふうに思いますし、また、前回質問したときには、まだ今の段階で分から
ないけれども、全体が分かったタイミングでということでしたが、全項目、何項目中、
大体このぐらい簡素化になるのだということについてお答えいただければというふうに
思うのです。
○土田会長　答えられますか。
○事務局（麦谷医療課長）　数え方にもよるのです。これは何を数えるかによりますが、
医科、歯科、調剤の点数を実は区分で分けております。どんな区分かというのは、また
なかなかややこしいのですが、区分は幾つかございまして、例えば医科でいいますと、
点数を決めている区分が１，８０５項目ございます。それから歯科ですと３７２項目、
調剤ですと１２項目で、すべてで２，１８９区分というのがございます。これをさらに
細分していろいろな診療行為を数えて、例えば支払基金でコンピューターに入れている
ものを行為で数えると８，０００幾つということになりますが、それはちょっと比較が
できませんので、この区分で比較をいたしました。
　２，１８９の区分ですが、１８年でその区分をもう一度診療報酬改定後に数えますと
２，１０７となっておりまして、区分で８２項目減っております。これは、簡素化かど
うか、また評価をいただかなければいけませんが、いずれも例えば医科でいいますれば
５８区分、歯科は２３区分、調剤では１区分、区分をそれぞれ減らしておりますので、
一定の簡素化はなったのではないか、このように考えております。
○対馬委員　ありがとうございました。ただ、全体からしますと、もう少しという感じ
はなくはないので、我々中医協の委員としての責務でもありますけれども、引き続き、
御努力、御尽力もお願いしたいな、こういうふうに思います。
○松浦委員　全体から見た感じをちょっと申し上げますが、やはり初診料が全然さわら
れていなくてゼロということで、いみじくも青木委員がおっしゃったように、小規模と
いいますか、中小のいわゆる医療機関、私どもの病院もひっくるめて、そういうところ
をひっぺがして結局特定機能病院とか地域医療支援病院に持っていった。ですから、診
療側には、これからはぜひ共同してこの負担を負うのだという意識を持ってほしいとい
うことが１点と、それから、せっかく特定機能病院とか地域医療支援病院に持っていっ
たのですから、これは民間で赤字を打つところはないと思いますけれども、この中で、
特に公的な医療機関は赤字を打たないように、赤字を出さないように、これだけは強く
要望しておきたいと思います。
○青木委員　先ほどの区分で２，１８９が２，１０７になったと。この数字以上に随分
簡素化されたように私は思うのですが、簡素化された大部分は、今までついておった加
算がゼロ、廃止という形でなくなっておるという簡素化であるということを私としては
実感をしております。このことは大変寂しいことでございました。
　もう１つは、技術の再評価、もしくは新しい技術を入れたと。本日の「主要改定項目
について（案）」の資料では、８１ページを中心に、その前の「高度先進医療の保険導
入」、それから次の「新規技術の保険導入」ですが、こういうところで新しくマイナス
改定の中で、５０もの新しい技術を保険の中に導入した。関係される先生に感謝したい
と思いますし、事務局の努力にも感謝したい、こういうふうに思います。私どもとして、
誇っていいことではないかというふうに思う次第です。
○邉見委員　私ども病院団体として、初めて中医協に参加させていただいて、感想を述
べたいと思います。
　まず、就任の御挨拶で申し上げましたように、我々病院は、３０くらいの専門職から
成っております。その中で、例えばソーシャルワーカー、これは病診連携のキーマンで
あって、入院から在宅へ、あるいは病院から診療所へという、こういうキーマンでござ
いますけれども、この人たちの報酬とかそういうふうなことは議論にすらなりません。
それからまた、医療安全の最前線に立っております、航空機でいえばいろいろなコック
ピットのようなところで働いております臨床工学技士、このような人たちのことも全く
触れられませんでした。我々の準備不足もございますけれども、今後は、原価割れをし
ております手術等を含めまして、数字をもってこの場に臨みたいというふうに思います。
よろしくお願いいたします。
○土田会長　ありがとうございました。
　それでは、まとめの方に入らせていただきたいと思います。
　今年の１月１１日に、厚生労働大臣より中医協に対しまして、平成１８年度予算案の
編成過程において決定された改定率を前提として、また、社会保障審議会医療保険部会
及び医療部会において策定されました「平成１８年度診療報酬改定の基本方針」に沿っ
て診療報酬点数の改定案を作成するよう諮問が行われました。中医協におきましては、
昨年の秋から継続的に議論を行ってきた成果を踏まえつつ、諮問を受けて以降、本日の
今この時間まで精力的に議論を進めてまいりました。
　本日は、これまでの中医協における議論の成果を踏まえまして、事務局より答申案に
添付する診療報酬点数表等の改正案が提出されておりますので、説明をお願いいたしま
す。その際、今回の改定においては、１月の「現時点の骨子」を取りまとめ、これにつ
いて中医協として初めて国民の意見を募集するという手続をとりました。事務局からの
説明に当たっては、意見募集手続を経て、「現時点の骨子」からどのような点に変更が
あったのか、つけ加えていただきますようお願いしております。
　それでは、よろしくお願いします。
○事務局（麦谷医療課長）　お手元にないと思いますので、今から答申書に添付する診
療報酬点数表等をお配りいたします。非常に厚いものですので、ちょっとお時間をいた
だきたいと思います。
　　　　　　　　　　　　　　　　　〔資料配付〕
○事務局（麦谷医療課長）　委員の方々のお手元には既に届いているかと思います。傍
聴の方々には順次今お手元に配付をいたしております。
　非常に厚いものと、それから、「平成１８年度診療報酬改定の概要について（案）」
という総－４という紙も一緒に行っているかと思いますが、総－４の方は、この答申の
診療報酬点数の概要でございます。これは午前中に説明した点数入りの文書とほとんど
似通っています。ごらんいただくと分かりますが、午前中に私が概要で御説明申し上げ
たものより相当詳しく、すべての点数が入っております。例えば個別手術の点数ですと
か、検査の点数、それから、いろいろな指導管理料の点数、これがすべて入っているも
のがお手元のこの製本された白い冊子でございまして、別紙１、「診療報酬の算定方法
（改正案）」と書いてあるものが点数表本体でございます。
　例えば１ページをめくっていただきますと、「診療報酬の算定方法（改正案）」の下
に、「「健康保険法の規定による療養に要する費用の額の算定方法」及び「老人保健法
の規定による医療に要する費用の額の算定に関する基準」を統合したもの」と書いてご
ざいますので、これでお分かりのとおり、老人診療報酬点数がここで合体しております。
若人と老人を一つにした点数表となっておりまして、順次後でごらんいただきたいと思
いますが、おめくりいただくと、すべての点数がこれで入っております。
　ただし、先ほどお決めいただいた電子化の加算、あの要件につきましては、これには
反映されておりませんので、御了解いただきたいと思います。
　この点数表を逐一説明をいたしますと大変でございますので、先ほど会長から、国民
の意見募集手続及び公聴会を踏まえてどのようにこの点数表にその意見を反映したかと
いうことを説明しろという御指示でございましたので、それをいたします。
　まず、一々ページを言いませんが、例えば「ニコチン依存症管理料の新設」につきま
しては、パブコメ、公聴会で、賛成意見、反対意見、ともに多数寄せられておりました
が、診療報酬改定結果検証部会による検証事項として位置付けるなどの限定の下に、今
回保険適用するというふうにさせていただきました。
　それから、「在宅療養支援診療所の評価」につきましても、従前看護師のみを掲げて
いましたが、このパブコメ及び公聴会におきまして、看護師だけでなく准看護師も認め
てほしいということで、看護職員に改め、本日、中医協で御理解をいただいたところで
ございます。
　それから、午前中触れましたが、精神科の「重度認知症患者デイ・ケア料の見直し」
につきましても、これは廃止すべきではないかという意見で出しておりましたが、廃止
すべきでないというパブリックコメント、公聴会での御意見を踏まえまして、点数を見
直した上で医療保険に評価することを継続しております。
　それから、精神科の作業療法の見直しも、精神科作業療法は入院後早期に限らず、む
しろ内容を充実させ、継続的に行うべきというパブリックコメント、公聴会の意見がご
ざいましたので、そのようにしております。
　それから、「小児医療及び小児科救急医療」につきましても、さらなる重点評価をす
べきであるということで、パブコメ以降、さらに重点評価をしております。
　「産科医療」に関することにつきましても、新設する点数の算定要件の設定に当たっ
て、院内掲示等の情報公開を要件に追加するなど、患者の視点を重視するように配慮し
ております。
　それから、これはパブコメで重点的にあったことですが、医療技術に関しまして、例
えば輸血管理料を新設すべきであるというパブリックコメント、これは非常に科学的な
コメントがございましたので、それは新設になっております。
　それから、慢性期の入院医療に関しまして、特定疾患療養病棟の見直しにつきまして
難病団体からパブリックコメントがございまして、また、公聴会当日意見発表がござい
ましたので、多発性硬化症とパーキンソン関連疾患について、ＡＤＬによる限定をして
おりましたが、それを廃止しまして、すべての難病患者が医療区分２に該当するように
配慮する方向で盛り込んでおります。
　それから、ジェネリック、「後発医薬品の使用促進のための環境整備」につきまして、
これも意見を踏まえまして、処方せん様式を変更する方にいたしました。
　それから、「透析医療に係る評価の適正化」につきましても、人工透析の夜間・休日
加算の廃止に反対という意見が非常に多かったことを踏まえて、廃止ではなくて、当該
加算に係る評価について一定程度の引き下げにとどめることにいたしました。
　以上、会長の御指示により御説明申し上げました。以上です。
○土田会長　どうもありがとうございました。
　本日は、これまでの中医協における議論を踏まえまして、「医療費の内容の分かる領
収証の交付の義務化、処方せん様式の変更等に係る保険医療機関及び保険医療養担当規
則等の改正」について、厚生労働大臣より諮問がなされておりますので、これについて
事務局より説明をお願いします。
○事務局（麦谷医療課長）　それでは、同時にお配りしてあります左肩がステープラー
でつづってあるものが幾つかございます。それが今御指示のありました諮問の紙でござ
いますし、また案でございますが、別紙２は「厚生労働大臣の定める選定療養の改正
案」でございます。
　それから、そのままつづりをめくっていただきますと、別紙３が「特定療養に係る療
養についての費用の額の算定方法の改正案」でございます。
　それから、さらに２ページめくっていただきまして、午前中、食事療養費につきまし
て、３食を３分割するという話がございました。別紙４、「入院時食事療養費に係る食
事療養の費用の額の算定に関する基準の改正案」ということで、現行が１，９２０円を
改正案が６４０円としております。
　それから、もう１つめくっていただきまして、別紙５、これも訪問看護療養費の規定
がございますので、「訪問看護療養費に係る指定訪問看護の費用の額の算定方法の改正
案」をそこの別紙５とつけてございます。
　以上、先ほどは別紙１でございまして、別紙２から別紙５をつけてございます。
　それから、別紙６というのがございます。これは、「厚生労働大臣が指定する病院の
病棟における療養に要する費用の額の算定方法」でございまして、これがＤＰＣの案で
ございます。このＤＰＣの案にさらに「診断群分類点数表」という横表をつけてござい
ます。これが別紙６でございます。
　それからさらに、諮問書をつけてございます。左肩に「写」という文字のある紙でご
ざいまして、右肩に「厚生労働省発保第０２１５００１号」と書いてある紙でございま
して、「諮問書」、その下に括弧書きで内容を書いてございます。「医療費の内容の分
かる領収証の交付の義務化、処方せん様式の変更等について」ということで、これで諮
問書でございまして、１ページめくっていただきまして、別紙１、「保険医療機関及び
保険医療養担当規則（改正案）」として、右側をごらんください、「領収証の交付」で
ございますが、「第五条の二の二　保険医療機関は、前二条の規定により患者から費用
の支払を受けるときは、正当な理由がない限り、個別の費用ごとに区分して記載した領
収証を無償で交付しなければならない。」ということで、午前中御説明申し上げました
ことに呼応して療養担当規則をこのように改正いたします。
　次の歯科材料につきましては、別に定めてあったものをここに書いただけで、「別
に」と書いてありましたのを、内容を「治験に係る診療において、当該治験の対象とさ
れる機械器具等を使用する場合その他」ということを文言として入れました。
　それからもう１つ、これも午前中、リハビリテーションのところで説明いたしました
が、療養担当規則で「理学的療法」というところに、「理学的療法は、投薬、処置又は
手術によつて治療の効果を挙げることが困難な場合であつて、この療法がより効果があ
ると認められるとき、又はこの療法を併用する必要があるときに行う。」となっていた
ものを「リハビリテーション」という項にいたしまして、「リハビリテーションは、必
要があると認められる場合に行う。」という療養担当規則にしております。
　あと関連で、次のページは歯科診療のところがリハビリテーション、それからもう１
つおめくりいただきまして、これも午前中御議論いただきましたが、３ページですが、
処方せんの様式をこのような標準様式、備考欄の右下に「後発医薬品への変更につい
て」、「後発医薬品への変更可」、「保険医署名」という項目を設けておる処方せん様
式を標準にするということでつけてございます。
　あとは、文言はほとんど同様で、「保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則」ですとか、
「老人保健法」に基づくものとか、内容は同じでございますが、各法律によってつけて
ございます。
　以上です。
○土田会長　どうもありがとうございました。
　それでは、１月１１日の諮問に対する答申書に添付する診療報酬点数表等の改正案及
び本日諮問が出されました療養担当規則等の改正案について、御意見がございましたら、
どうぞお願いいたします。
　また、その際、答申案に附帯意見として盛り込むべきであると考える事項がありまし
たら、あわせて御意見をお伺いしたいと思います。
○松浦委員　それでは、さっきのことなのですけれども、これだけ盛り上げたところに
ついて、特に特定医療の担当する地域医療支援病院と、こういうところは公立が多いは
ずですから、ですから、これを全部人件費に食われちゃったなんていうようなことにな
らないように、赤字を極力減らすように、これは無駄かも分かりませんが、中医協とし
て一つ文言をつけておく、こういうことはどうでしょうか。
○対馬委員　ニコチン依存症管理料は、あまりもうここで議論するつもりはないのです
けれども、先ほど公益の先生の決定ですからそれでいいのですが、できれば確認という
ことで、先生方がお書きいただいたことについて、ここは一番最後までもめたわけです
から、国民的コンセンサスの形成に引き続き努めるとか、ないしは保険財政の影響度に
ついて検証するといったような項目も挙げていただければありがたいということ。
　二つ三つ申し上げますと、あと急性期医療についてですけれども、今日の議論で一応
方向性を出されたのですけれども、まだまだ全体感が、特に紹介の問題とか在院日数の
問題とか、そういったことについても総合的に検討する必要があるのではないかという
ふうに思います。
　あと、手術についても、新たな技術評価の仕組みをできるだけ早急にといったような
ことも、できればというふうに思います。
　あと慢性期については、これは先ほど口頭で申し上げましたけれども、まだまだこれ
からやっていくべきことが多いわけですから、分科会等でもってやっていくべきだとい
うようなことをお書きいただければと。
　あと歯科とか調剤等々もあるのですが、最後になりますが、いわゆる国民的な議論の
場ということで、今回公聴会でありますとか、ホームページなどによる国民からの意見
募集ということをやったわけですけれども、これについても、今後も推進していく必要
があるのですけれども、また改善を図っていくということも必要だろうと思いますので、
これはやはり国民に向けたメッセージということで、今回の答申の附帯意見の中にはぜ
ひ織り込むべきではないのかなと、こういうふうに思います。
○土田会長　ありがとうございました。
　ほかにございますでしょうか。
○小島委員　先ほどの午前中の議論の中でも、ぜひ附帯等の意見をつけていただきたい
と要望しましたので、改めて具体的に言います。
　対馬委員が指摘されたところで言えば、慢性期入院の見直しについてです。今入院さ
れている難病などの特定疾患の患者の皆さんが必要な医療が保障されるように十分配慮
すべきとうことを、ぜひ文章で残していただきたいと思います。
　それと、在宅療養支援診療所、新たなものができるということですので、具体的にど
う形で地域で運用されるか、引き続き検討あるいは検証していくということについても、
ぜひ附帯意見の方に入れていただければと思います。
　それから、午前中意見を言いましたけれども、セカンド・オピニオンに対する評価で
新たに設定された項目が幾つかあります。今回見直しによって新たに設定された項目な
どを中心的に、検証ということについては、引き続き行っていくことについてもぜひ附
帯意見に入れていただければと思います。
　以上です。
○土田会長　ありがとうございました。
○大内委員　生活習慣病に関して、これまで私の方から何回か意見を申し上げてまいり
ましたけれども、最終的に今まとめられたということで、本当は意図するところの到達
点ということでいいますと、なかなかそういうところへは行っていないというふうに個
人的には思っております。そこで、この場でも申し上げてきたとおり、患者が十分理解
して納得できるというような形で運用されるように、その辺はぜひぜひ私の方から再度
お願いをしておきたいというふうに思います。患者が十分理解をし、納得ができるとい
うような形でのドクターの対応ということをぜひ求めたいというふうに思っておりまし
て、あまり言うと、また繰り返しの話みたいになりますけれども、会長の方からの御指
示の通達の件もございますけれども、その辺も含めてきちんとした対応をお願いをした
いというふうに思います。
　以上であります。
○土田会長　ありがとうございます。
　１号側、ほかにございますでしょうか。
　それでは、２号側。
○松原委員　先ほども議論のあったところですけれども、ＤＰＣの計算は今回のみの計
算法ということで、やはり今後適切な算定ルールの構築が必要だと思いますので、よろ
しくお願いします。
○邉見委員　急性期医療に関してですけれども、昨日までは点数がついておりませんで
したので、入院基本料のところで、急性期の２対１を今とっているところ、あるいは２．
５対１がどうなるかということで、病院団体としては非常に議論が続出しました。今日
の点数を見まして、ある程度評価されている、事務局が信義を守っていただいたという
ふうに思っておりますけれども、病院によりましては、紹介率と一緒に急性期入院加算
とか、急性期特別入院加算とか、いろいろ減りますので、その分手術とか麻酔とか救急
とかで厚くしているということになっておりますけれども、田舎では、救急車もあまり
来ない、小児もいないというふうな地域中核病院もございます。この辺のところを療養
担当規則等でちゃんと評価して、その人たちが泣かないように、ぜひ配慮をお願いした
いというふうに思っております。
○土田会長　ありがとうございます。
　ほかにございますでしょうか。
　ほかに御意見等もないようでしたら、引き続いて答申の手続に移らせていただきたい
と思います。ただいま１号側、２号側から、附帯意見及び幾つか御意見を承りました。
それを踏まえて、答申案及びそれに添付する附帯意見の案を作成いたしますので、しば
らく休憩といたします。
○小島委員　１つだけ。先ほど配られた資料の総－４の概要です。この中で、２３ペー
ジのＩＴ加算評価のところ、「選択的に具備すべき要件」となっている。これは、本文
と比べると、２４ページにある一番下の２つの項目、「レセプト電算化システムを導
入」、それから、「医療費の内容の分かる領収証を交付」すること、この２つは上の
「必要的に具備すべき要件」に入っている、こちらにも入っている。これはあえてこう
入れたのですか、それとも、単なるコピーの間違いなのかなのです。
○事務局（麦谷医療課長）　ミスでございます。すみません。間違いです。
○土田会長　間違いだそうです。どうもありがとうございます。
○松原委員　すみません。私が先ほど同意したのは、患者の求めがあったときはという
文章がコピーの中に抜けておりますので、それも修正をお願いします。
○土田会長　ほかにございますか。
　それでは、しばらく休憩にさせていただきます。
　　　　　　　　　　　　　　　午後２時１６分休憩
　　　　　　　　　　　　　－－－－－  －  －－－－－
　　　　　　　　　　　　　　　午後２時２９分再開
○土田会長　お待たせいたしました。それでは、再開いたします。
　最初に、答申案を配ってください。
　　　　　　　　　　　　　　　　　〔資料配付〕
○土田会長　ただいま配っていただきましたのが公益委員によって作成いたしました答
申書（案）及び附帯意見書（案）でございます。
　事務局より朗読をお願いいたします。
○事務局（水谷補佐）　朗読させていただきます。
　　　　　　　　　　　　　　　　答  申  書
（平成１８年度診療報酬改定及び医療費の内容の分かる領収証の交付の義務化、処方
せん様式の変更等について）
　平成１８年１月１１日付け厚生労働省発保第０１１１００１号をもって諮問のあっ
た件について、別紙１から別紙６までの改正案を答申する。
　また、平成１８年２月１５日付け厚生労働省発保第０２１５００１号をもって諮問
のあった件については、諮問のとおり改正することを了承する。
　なお、答申に当たっての本協議会の意見は、別添のとおりである。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　別添
１　ニコチン依存症管理料については、保険導入の効果に係る検証の作業を通じて、
  禁煙指導に国民の保険料財源を充当することに関し、さらなる国民的なコンセンサス
  の形成に努めること。
２　手術に係る施設基準については、再び診療報酬上の評価を行うことを視野に入れて
  、速やかに調査及び検証を実施すること。
３　質の高い医療を効率的に提供するための医療機能の分化・連携については、今回改
  定の影響について継続的に検証を行い、その結果を踏まえ、診療報酬体系における急
  性期医療の評価の在り方について、引き続き検討を行うこと。
４　ＤＰＣについては、円滑導入への配慮から制度の安定的な運営への配慮に重点を移
  す観点も踏まえ、調整係数の取扱いなど、適切な算定ルールの構築について検討を行
  うこと。
５　慢性期入院医療については、患者分類を用いた包括評価の実施状況について、診療
  報酬調査専門組織を通じて客観的なデータを収集して検証を行うこと。また、難病患
  者や障害者に対し、必要な医療が確保されるよう、十分に配慮すること。
６　新たに設定された診療報酬項目を始めとして、改定項目に係る検証を確実に行うこ
  と。さらに、ホームページ等による国民からの意見募集、公聴会の開催など、国民の
  意見を募集する仕組みの改善について検討すること。
　以上でございます。
○土田会長　ありがとうございました。
　ちょっとだけつけ加えておきますが、先ほど小島委員だったと思いますが、セカン
ド・オピニオン、それから在宅療養支援診療所について御意見を賜りました。そこは、
６番目、「新たに設定された診療報酬項目」というところでセカンド・オピニオン及び
在宅療養診療所がありますので、そこで解釈していただきたいと思います。
　それから、大内委員の方から、生活習慣病について意見がございました。それにつき
ましては、議事録にきちっと掲載するということと、それから、医療課長の方から、あ
るいはそのほかの部署から適切なる通達を出してもらうということで対応したいという
ふうに考えております。
　以上でございます。
　御意見等ございましたら、どうぞ。よろしいでしょうか。
　　　　　　　　　　　　　〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○土田会長　どうもありがとうございました。
　それでは、ただいまより答申書をお渡ししたいと思います。
　　　　　　　　　　　　〔会長から保険局長へ答申書手交〕
○土田会長　どうもありがとうございました。
　それでは、保険局長より一言御挨拶をお願いしたいと思います。
○水田保険局長　それでは、一言御挨拶を申し上げます。
　昨年秋以降、今回診療報酬改定につきましては、委員の皆様方に精力的に御審議をい
ただきまして、本日答申に至りましたこと、また、この御尽力に対しまして敬意を表す
るところでございます。
　特に今回の診療報酬改定におきましては、全体で３．１６％、診療報酬本体で１．３
６％という過去に例のない大幅なマイナス改定という制約条件の下、また、さらに社会
保障審議会から大きな改定の方向性につきましては基本方針をいただく、そういった制
約条件の難しい中で行われたわけでございまして、そういう点につきましても敬意を表
しますとともに、また、今回プロセスにおきましても、新しい試みがなされたところで
ございます。公聴会でありますとかパブリックコメント、こういうことを通じまして、
前回の診療報酬改定以来さまざまなことがございましたけれども、そこで提起された課
題につきましては、評価につきましては今後あろうかと思いますけれども、それぞれそ
れなりにこたえていただいたものと、このように考えてございます。本当にありがとう
ございました。
　事務方といたしましては、今後いただきました答申をもとに、４月の改定実施に向け
まして、３月には告示あるいは関係通知の発出というものに向けてこれから努力をして
いきたいと思っております。
　また、その過程で、いろいろ御議論、またさらなる御検討をいただくようなこともあ
ろうかと思います。どうぞよろしくお願い申し上げまして、私の御挨拶とさせていただ
きます。どうもありがとうございました。
○土田会長　どうもありがとうございました。
　ここで終わればいいのですが、まだまだ案件が残っております。ただ、一応答申が終
わりましたので、私の方からも一言お礼を申し上げたいと思います。
　ただいま保険局長からお話がありましたように、改定率と基本方針が中医協の外で決
められまして、その枠の中で議論をするということになりました。それに加えて、今回
大きな制約条件になったのが、１０月からスタートでしたので、審議する時間が非常に
少ないということでございました。しかも、その改定の幅が非常に大きいということで
したが、そういうことからどれだけ深い議論ができるかということが問題となっており
ました。そういう中で、１号側、２号側から、実に内容のある議論をしていただきまし
た。心から敬意を表したいと思います。また、お礼を申し上げたいと思います。
　私がこの席に着くようになってから、日本では数少なくなった当事者自治という決定
の仕組みというものを大事にしていきたいというふうに申し上げました。診療側と支払
側の意見が対立するというのは、これは当たり前のことでありますし、また、それで意
見をどんどんぶつけていただきたいわけでございますが、ただ、ここは決定機関であり
ますので、どこかで折り合いをつけていただかなくてはいけないということで、その折
り合いのつけ方というものにいろいろと皆様方の御協力を賜ってまいりました。それで、
１号側、２号側がうまく折り合いがつかないときには、公益側で一定の方向を示すとか、
あるいは一定の意見を申し上げるというようなことで、診療報酬改定を決定していきた
いというふうに考えてきましたし、また、そういうふうに行ってまいりました。
　それで、合意の形成も、単なる中間点を探るということではなくて、新しい改革の方
向、あるいは診療報酬体系の在り方というものを模索する中で、新しい決着点を見つけ
たいというふうに思ってまいりました。そうした合意を図る上で、１号側、２号側から、
多大な御協力をいただいたことはもちろんですが、大島専門委員及び岡谷専門委員をは
じめとして専門委員の方々、それから各分科会の方々から、非常に貴重なる意見、専門
家の意見あるいは現場の意見というものを寄せていただきました。私たちにとっては、
非常に大きな励ましあるいは支えとなりました。また、公聴会やパブリックコメントか
らも大きな示唆を与えていただきました。この場をかりてお礼を申し上げたいと存じま
す。
　時には傍聴にいらしているマスコミ等の方々から、改革が進んだとか、あるいは後退
したというようないろいろ御意見を寄せられましたが、この中医協の姿勢としては、決
してぶれなかったというように思っております。しかし、そうした中で、今回決定いた
しました診療報酬改定が最良のものであったかということは、とても断言できません。
いろいろ問題がまだ多く残っていると思います。残された問題、あるいは新しい問題に
ついて、引き続き積極的に取り組んでいくということで、中医協の役割を果たしていき
たいと考えております。
　最後になりましたが、麦谷課長をはじめとして医療課の皆様方、それから関係する厚
生労働省の皆様方に対しまして、心から感謝を申し上げたいと思います。実に柔軟に、
かつ粘り強く、文字どおり寝る暇もないような努力をしていただきました。お礼を申し
上げたいと思います。まだこれからも事務的な作業は続きますので、どうぞ体を壊さな
いようにお気をつけて頑張っていただきたいと思います。
　長くなってしまいましたが、お礼の言葉にかえさせていただきます。どうもありがと
うございました。
　再び審議を続けていただきたいと思います。
　一つ確認をしておきたいと思います。それは、先ほど最後のＩＴ化のところのつけ加
えるべき文言でございます。１号側、２号側、若干食い違っているのではないかという
ような意見もありましたので、もう一回確認の意味で申し上げておきたいのですが、必
要に応じてというところにつけ加える文言ですが、一応読み上げます。「患者から求め
があったときに、患者に詳細な医療費の内容の分かる明細書（個別の診療報酬点数の算
定項目の分かるもの）を発行できる体制を整えていること」という場合に認めるという
ことでございます。よろしいでしょうか。
　どうもありがとうございました。
　それでは、次の項目に移ります。次は、「市場拡大再算定品目（案）」について議題
としたいと思います。
　本日は、薬価算定組織の飯野委員長代理に御出席をいただいておりますので、説明を
お願いいたします。
○飯野委員長代理　私は、薬価算定組織委員長の代理であります飯野でございます。今
回検討しました「市場拡大再算定品目（案）」について御報告いたします。総会資料の
総－５になると思います。
　薬価算定組織における検討の結果、市場拡大再算定要件に該当すると判断し、平成１
８年度薬価改定に際し再算定によって薬価の引き下げを行う品目の案は、ここにありま
す資料の１ページの一覧表に示したとおり、８成分、２１品目でございます。
　最初に、市場拡大再算定の要件など、その概要について簡単に説明いたします。資料
の２ページをごらんいただきたいと思いますけれども、まず、市場拡大再算定となる品
目には、（１）市場拡大再算定対象品と、（２）市場拡大再算定類似品の２種類がござ
います。（１）の市場拡大再算定対象品は、イ、ロ及びハの３つの要件すべてに該当す
るものであり、そのうちイ及びハについては、それぞれ（イ）または（ロ）のいずれか
の要件に該当するものです。特にポイントとなる要件はハの要件で、年間販売額が基準
年間販売額の２倍以上、かつ１５０億円超というものであります。また、（２）市場拡
大再算定類似品は、イ、ロまたはハのいずれかの要件に該当するものであり、簡単に言
うと、市場拡大再算定の対象となった医薬品を比較薬として薬価算定したものについて
は、類似品として同様に再算定を行うというものであります。今回報告する品目が
（１）市場拡大再算定対象品、（２）市場拡大再算定類似品のいずれに該当し、また、
その要件のうちどれに該当すると判断したかにつきましては、資料１ページの一覧表の
右から３番目に、「該当する要件」の欄にその条件を記載しております。
　次に、資料の２ページに戻りまして、市場拡大再算定における加算の要件について説
明いたします。市場拡大再算定による薬価の引き下げ率は、薬価算定ルールに基づき、
その市場規模の拡大率により決定されますが、平成１６年度の薬価改定ルールの見直し
により、市販後に集積された調査成績により、真の臨床的有用性が直接的に検証されて
いる場合には、有用性加算（II）を準用した補正加算率が適用され、その分だけ引き下
げ率が緩和されます。薬価算定組織における補正加算率の適用に関する検討の結果は、
資料１ページの一番右の「加算」の欄に記載しております。なお、実際に適用される加
算率はαでありますけれども、１日薬価に応じて、傾斜配分に基づく割合の数字となり
ます。
　それでは、個々の品目の検討結果について説明させていただきます。資料の１ページ
をごらんいただきたく思いますけれども、一番左の通し番号１のアリセプト、次、６番
のタミフル、７番のレベトール、及び８番のリツキサンの合計４成分９品目については、
いずれも要件イ（イ）の原価計算方式により薬価算定されたものに該当し、また、要件
ロの薬価収載日から１０年を経過していないものに該当し、さらに要件ハ（イ）の年間
販売額が薬価収載時点における予想年間販売額の２倍以上で、かつ１５０億円超に該当
することから、市場拡大再算定対象品に該当すると判断いたしました。
　このうち通し番号の１のアリセプト及び８番のリツキサンについては、市販後に集積
された調査成績により、真の臨床的有用性が直接的に検証されている場合、これに相当
すると判断し、いずれも補正加算率Ａ＝５と評価しました。具体的には、薬価算定組織
としては、アリセプトの場合は、患者のコミュニケーション能力等のＱＯＬの改善、リ
ツキサンの場合は、生存期間の延長等に関する市販後の調査成績を評価したものであり
ます。
　次に、通し番号２番のオメプラゾール、オメプラゾン及び３番のタケプロンの合計２
成分、８品目については、いずれも要件イ（ロ）の原価計算方式以外の方式により薬価
算定されたもので、薬価収載後に使用実態が著しく変化したものに該当し、また、要件
ロの効能変化承認日から１０年を経過しないものに該当し、さらに要件ハ（ロ）の年間
販売額が効能変化承認日の直前の薬価改定時点における年間販売額の２倍以上で、かつ
１５０億円超に該当することから、市場拡大再算定対象品に該当すると判断いたしまし
た。
　次に、通し番号４のパリエットについては、要件イ（ロ）の原価計算方式以外の方式
により薬価算定されたものでありまして、薬価収載後に使用実態が著しく変化したもの
に該当し、また、要件ロの薬価収載日から１０年を経過していないものに該当し、さら
に要件ハ（イ）の年間販売額が薬価収載時点における予想年間販売額の２倍以上でかつ
１５０億円超に該当することから、市場拡大再算定対象品に該当すると判定しました。
　最後に、通し番号５のランサップについては、市場拡大再算定類似品の要件イの薬価
収載の際の比較薬が通し番号３のタケプロン、すなわち市場拡大再算定対象品であるこ
とから、市場拡大再算定類似品に該当すると判断いたしました。
　以上で、「市場拡大再算定品目（案）」の報告を終わらせていただきます。
○土田会長　どうもありがとうございました。
　ただいまの説明につきまして御質問等ございましたら、どうぞ。
○対馬委員　これは今御説明があったことで、市場拡大再算定品目になるということは
分かるのですけれども、ここに現行薬価というのもちょうど真ん中あたりにあるわけで
すが、恐らく現行薬価に対してこれは売り上げが２倍以上になったり、１５０億円以上
になったりした場合に単価を落とすと、例えば０．９を掛けるとか、そういったことに
なっているのではないかと思うのですが、現行薬価に対して、最終的に薬価がどうなっ
たかというのは書いていないのですが、これは何か特段書いてはいけないとか、そうい
うことがあるのでしょうか。これは薬価算定組織の問題なのか、それとも事務局なのか
がよく分からないのですが、いずれにせよ、これを見ても、何か肝心なところが抜けて
いるような感じがしてしようがないのです。
○事務局（赤川薬剤管理官）　お答えいたします。
　いつも総会には、新薬の算定薬価につきましてはあらかじめお諮りしておりますけれ
ども、新薬につきましては、まだ流通していないものということでございまして、ただ、
今回の再算定品目、これは改定一般にも当てはまることでございますけれども、既に流
通している医薬品につきまして、これは現に取引も行われていることでございますので、
これにつきましては、薬価の実際の告示をする際に公にするというふうにこれまでも考
えてまいりまして、ただ、市場拡大再算定の引き下げ率につきましては、その拡大倍率
によりまして、中医協で御了承いただいている算定基準に従いまして機械的に算定でき
るというものでございますので、ここでは公表することは差し控えさせていただいてい
るということでございます。
○対馬委員　ちょっとよく分からないところもあるのですけれども、ここではというこ
とは、ルールがもう決まっているのですと、ルールが決まって、これに一定のルールを
掛けるとということなので、そうすると、計算するとおのずと出てくるのであるならば、
ここでは差し控える必要性はないように思います。いずれにせよ、これまで中医協、今
日も随分議論してきましたけれども、できるだけ透明化を図っていくのだ、中身が分か
るようにしていこうではないか、国民的議論に供しようではないか、こういう観点に立
ったときに、細かくはなりますけれども、こういった様式一つについてもできるだけ分
かりやすい様式、分かりやすい形にしていただきたいということですので、特段聞いて
いて、なるほどそうか、それならばやむを得ないなということでない以上は、できるだ
けそういうことで検討をよろしくお願いしたいというふうに思います。
○土田会長　対馬委員の今の意見は、素人考えでいえば、もっともだというふうに思い
ますが、このことに関してほかにございますか。事務局の方でも結構です。なるべくそ
ういう透明化を図るという方向で今動いておりますので、いろいろ影響があるというこ
とから今日差し控えているのだと思いますが、どうぞ。
○事務局（赤川薬剤管理官）　会長が今おっしゃったとおりでございますけれども、大
体改定の幅は、これは０．９で拡大倍率でもって、２倍の場合は０．９倍になるという
ことで、実際のここに掲げている品目については、１０～１５％の幅の範囲で引き下げ
るということでございます。ただ、加算の認められているものについては、その分緩和
されるということでございます。
　以上でございます。
○土田会長　ありがとうございました。大分分かりましたよね。
　ほかに何か御質問等ございますでしょうか。
　ほかに御質問などないようでしたら、説明のあった件については、中医協として了承
することとしたいと思いますが、よろしいでしょうか。
　　　　　　　　　　　　　〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○土田会長　どうもありがとうございました。
　飯野委員長代理におかれましては、長い間、どうもありがとうございました。
　　　　　　　　　　　　　　〔飯野委員長代理退席〕
○土田会長　次に、「高度先進医療」について議題としたいと思います。
　まず、「高度先進医療の技術ごとの施設基準の見直し」につきまして、事務局より資
料が提出されております。説明をお願いします。
○事務局（福田企画官）　お手元の資料、中医協総－６－１をごらんいただきたいと思
います。
　表題に、「高度先進医療の技術ごとの施設基準の見直しについて」というものでござ
います。高度先進医療専門家会議の方で、厚生労働大臣の定めます高度先進医療及びそ
の施設基準、これに規定いたします高度先進医療の施設基準、これにつきまして見直し
することが適当と認められるものにつきましてまとめをいただきましたので、それを今
回報告がされるということでございます。
　具体的な内容につきましては、お手元の資料の次のページからをごらんいただきたい
と思いますが、まず別紙１というところでございます。こちらの方は、「既存の高度先
進医療の施設基準の修正等について」ということでございまして、個別の説明は省略さ
せていただきますけれども、現行の施設基準が真ん中でございまして、現行の施設基準
の修正及び追加となる項目につきまして、右側の欄に具体的に記載をさせていただいて
ございます。技術症例数でございますとか、経験年数、または当該の分野、診療科とい
ったようなところについて変更が加えられているということでございます。こういった
ことにつきまして、ここでいきますと１ページ目から３ページ目まで同じような形でご
ざいます。
　４ページをお開きいただきたいと思いますけれども、こちらの方が別紙２ということ
でございまして、先ほどの方が施設基準の見直しということでございましたが、こちら
の方は「高度先進医療技術の適応症の修正について」ということでございます。同じよ
うに真ん中に現行のもの、そして、右側の欄に改定後の適応症ということでお示しをい
たしてございます。
　なお、その次のページ以降に、参考までにもう少し分かりやすいような形で参考例と
いうものをお示しをいたしてございます。
　事務局からの説明は、以上でございます。
○土田会長　ありがとうございました。
　ただいまの説明につきまして御質問等がありましたら、どうぞ。
○小島委員　今御説明がありました別紙１の施設基準の見直しのところ、個別のところ
を見てみますと、現行の施設基準については、症例数を今回の見直しでいわば少なくし
ている、あるいは経験年数も３年というものを１年といったような形で下げているとい
うことについて、これは、現在行われている高度先進医療について、それなりに普及し
てきたということで少し施設基準の方を緩和するというような、そういうことなのでし
ょうか。
○事務局（福田企画官）　施設基準につきましては、冒頭の紙にも書いてございますけ
れども、それぞれの実施状況にかんがみということでございまして、その技術の困難性
とか安全性とか、さらには普及性とか、患者さんの数とか、さまざまな観点から高度先
進医療専門家会議の専門家の方に御審議をいただきまして、その結果といたしまして、
こちらにお示しをしておりますような形で、見直すべき要件という形で数字が変わって
きている。物によりましては、少し条件がきつくなっているようなものもございますけ
れども、全般的にはその技術が普及してきているといったような観点から、比較的緩和
の方向になっているということかと思います。
○土田会長　ほかにございますでしょうか。
　ほかに御質問などないようでしたら、説明のあった件については、中医協として承認
するということにしたいと思います。よろしいでしょうか。
　　　　　　　　　　　　　〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○土田会長　どうもありがとうございました。
　次に、「施設基準に適合するものとして承認がなされた高度先進医療」について議題
としたいと思います。
　事務局より資料の説明をお願いします。
○事務局（福田企画官）　お手元の資料、中医協総－６－２をごらんいただきたいと思
います。
　こちらの方、高度先進医療につきましては、厚生労働大臣の定める施設基準に適合す
るものについては、その基準に適合した場合には承認をなされ、その結果を中医協の方
に御報告をするという取り扱いになっているところでございます。
　１ページにお示しをしてございますように、平成１８年１月承認分といたしまして、
一覧表に掲げてございますが、合計５つの医療機関から、技術の件数としては９件、技
術の種類としては８種類のものが承認をなされたということでございます。
　なお、具体的なそれぞれの医療機関と技術の内容につきましては、２ページ、３ペー
ジのところにお示しをしてございます。
　なお、具体的な承認に当たってのそれぞれの施設基準につきましては、それ以降のペ
ージに参考２としておつけをいたしているところでございます。
　事務局からの説明は、以上でございます。
○土田会長　ありがとうございました。
　ただいまの説明につきまして御質問などございましたら、どうぞ。
○勝村委員　特にこの件に関してということではないのですが、高度先進医療全体に関
して、１年の最後ですのでちょっと思うのですけれども、先ほど大島専門委員からも御
指摘があったのですけれども、専門家の皆さんが非常に御尽力いただいて議論していた
だいた結果であるということを尊重したいともちろん思っておるのですが、今の時代、
専門家の皆さんには、だからこそ、国民への説明というものをきちんとしていただく役
割を担ってほしいというふうに思っておるわけです。
　それで、私は昨年の夏ごろにも、この高度先進医療の専門家会議からこういう案が出
てきてここで承認をということだったのですけれども、あまりに情報がなくて、専門家
ではないのだから理解することは不可能という話ではなしに、ここに出てくるというこ
とは、この資料がホームページを通じて国民に公開され、ここが公開の場であるという
ことも踏まえて、できるだけたくさんの資料を出せる範囲で出していってほしいとお願
いして、この間随分力を尽くしてきていただいているところだと感じています。先日に
は、脳死臓器移植の問題でも、新聞に大きく載るようなことが議論を経ないでなってし
まうということとかもあったりしたわけです。
　今後なのですけれども、専門家の皆さんには非常に恐縮なのですけれども、一応薬害
エイズの事件の反省を受けて、それまで非公開だった厚労省の専門家の皆さんの審議会
がどんどん公開されたという経緯がありました。その中でも、この中医協の公開が一番
おくれたわけです。そのときには、一応中医協が公開できない理由というのも私は厚労
省から随分聞かされたこともありましたが、今こうして現に公開されておって特に支障
はないわけです。私が不信を持っているとか、そういうことではなしに、先進医療専門
家会議は既に公開されておりますし、昨年の夏には課長さんの方から、先進医療も議事
を公開しているからその流れで高度先進医療の方もというようなニュアンスのお話をい
ただいたと思うのですけれども、それを私が見てどれだけ理解できるかというようなレ
ベルの議論を超えて、できればこの際、高度先進医療専門家会議の中身も、今後のため
に公開していくような手続というか、何らかのそういう方法というのをとっていただく
ことはできないものかということを、ちょっとこの機に御提案させていただきたいと思
います。
○事務局（福田企画官）　今お話がございましたように、先進医療専門家会議の方は既
に公開になってございますので、そこでの新しい技術についてのいろいろな蓄積の方も、
いわゆる新規技術の独自性みたいな、そういった議論も一方ではあるわけでございます
けれども、基本的には高度先進医療につきましても公開をしていくという方向でも検討
していきたいというふうに考えてございます。
○土田会長　よろしいですね。
○勝村委員　はい。
○土田会長　ほかにございますでしょうか。
　ほかに御意見、御質問等ないようでしたら、本件に係る今日の質疑はこのくらいにし
たいと思います。
　次に、「医療機器の保険適用」について議題としたいと思います。
　区分Ａ２及び区分Ｂについて、事務局より資料が提出されておりますので、説明をお
願いいたします。
○事務局（福田企画官）　お手元の資料、中医協総－７－１をごらんいただきたいと思
います。平成１８年２月１日から新たに保険適用となっております医療機器について御
説明をいたします。
　まず、医科についてでございますけれども、区分Ａ２につきましては、１ページ目に
お示しをしてございますとおり、全部で１２件ということでございます。
　次に、２ページをごらんいただきたいと思いますけれども、区分Ｂでございます。こ
ちらにお示ししているとおり、２２件ということでございます。
　３ページをごらんいただきますと、こちらは歯科でございますけれども、歯科につき
ましては、区分Ａ２は該当がございませんが、区分Ｂにつきまして、こちらにお示しを
してございますとおり、３件が適用となってございます。
　以上、医科、歯科、計で３７件ということでございます。
　事務局からの説明は、以上でございます。
○土田会長　ありがとうございました。
　ただいまの説明につきまして御意見、御質問等ございましたら、どうぞ。
　それでは、本件に係る本日の質疑はこのあたりとしたいと思います。
　その他に移りますが、よろしいですか。
　先日１月２５日ですが、総会で御了承いただきました「薬価算定の基準」及び「特定
保険医療材料の保険償還価格算定の基準」等について資料が配付されております。
　これについて事務局から補足等ございましたら、どうぞお願いします。
○事務局（赤川薬剤管理官）　お手元に資料が中医協総－８－１、８－２、９－１及び
９－２がございますけれども、ただいま会長より御説明のありましたように、１月２５
日の総会で、見直しの内容については既に御了承いただいております。本日お配りして
いる資料は、その改正の内容も含めまして、全体としてはこのようになるということを
お示ししたものでございます。変更部分については下線が引いてあるということでござ
います。
　もし本日お認めいただければ、本日付で通知として発出したいというふうに考えてお
ります。
　以上でございます。
○土田会長　ただいまの説明につきまして何か御質問などございましたら、どうぞ。
　よろしいですか。それでは、そのようにお願いしたいと思います。
　後半はすごく順調に進みまして、すべての案件をこなすことができました。どうもあ
りがとうございます。
　ここが４時までというふうに前回申し上げまして、恐らくそんなにかからぬだろうと
いうふうに思っておりましたが、３時を回った時点で終わることができました。
　最後に、先ほどのお礼の中でちょっと申し忘れたのですが、今回の議論、検討につき
ましては、毎回大幅に時間を延長してしまいまして、そのことをおわび申し上げたいと
思います。ただ、できるだけ徹底した議論を行えば、おのずからどこかに落ち着くだろ
うと考えておりましたので、いろいろと御意見を出していただくということで時間をか
けてしまいました。御協力に感謝申し上げるとともに、おわび申し上げたいと思います。
　それでは、本日の中医協はこれで閉会としたいと思います。
　次回の日程について、何かございますでしょうか。
○事務局（麦谷医療課長）　次回の開催日程については未定でございます。追って御連
絡申し上げます。
○土田会長　それでは、終わります。ありがとうございました。


【照会先】
厚生労働省保険局医療課企画法令第１係
代表　０３－５２５３－１１１１（内線３２８８）