06/02/01 第28回労働政策審議会職業能力開発分科会 議事録について 第29回労働政策審議会職業能力開発分科会 日時 平成18年2月1日(水)15:00〜 場所 厚生労働省省議室(9階) ○今野分科会長 それでは、時間になりましたので、始めたいと思います。定足数にも達 しております。  ただいまから第29回労働政策審議会職業能力開発分科会を開催いたします。本日、委員 の出席状況ですが、玄田委員、佐藤委員、中馬委員、小栗委員、西原委員、谷川委員がご 欠席となっております。また、草浦委員の代理として、今日は藤代様に出席をしていただ いております。よろしくお願いいたします。  それでは議題に移ります。本日の議題は、お手元の次第にありますように、「職業能力 開発促進法及び中小企業における労働力の確保及び良好な雇用の機会の創出のための雇用 管理の改善の促進に関する法律の一部を改正する法律案要綱」についてです。これについ ては、厚生労働大臣より本日付で労働政策審議会長宛に諮問がなされたところです。これ を受けて、本分科会において審議を行うということです。まず事務局より説明をお願いし たいと思います。 ○杉浦総務課長 それでは、ただいま議題となりました、職業能力開発促進法及び中小企 業労働力確保法の一部改正法案の要綱についてご説明をいたします。まず、内容の説明に 入る前に、この2つの法律を一括して改正する形での要綱をとりまとめた経緯について、 一言ご説明をしたいと思います。  本分科会において、昨年7月以来、今後の職業能力開発施策のあり方についてご審議を いただいてきたところですが、その過程で、昨年10月26日の分科会において、いわゆる 2007年問題に対応した技能継承への支援については、技能の継承を受ける人材の確保策の 検討も併せて行う必要がある、というご意見が示されたところです。これを受けて、職業 安定分科会において、並行してご議論をいただくこととされたところです。  その後、それぞれの分科会におけるご議論の結果、ご案内のとおり、昨年12月21日に 本分科会における報告「今後の職業能力開発施策の在り方について」が、それから、本年 1月27日に職業安定分科会における報告「中小企業における技能の受け手となる人材の確 保に係る支援について」がまとめられまして、それぞれ労働政策審議会として建議をされ たところです。参考までに、資料2−1と資料2−2にそれぞれ、配付をさせていただい ております。  これら2つの建議は、1つは、若年失業者やフリーターの増加など、若者の雇用をめぐ る問題の深刻化、もう1点は、いわゆる2007年問題が目前に迫る中で、技能継承の受け手 となる人材として若者を養成する取組みの強化の必要性という、同一の課題への対処策を 中心としている点で、趣旨を同じくしているということが言えるわけです。このため、厚 生労働省において、関連する2つの法律を一括して改正することにいたしまして、その要 綱を作成いたしました。  次に、本法案要綱の調査審議の方法についてご説明をいたします。まず、本法律案につ いては、本日、当分科会において、職業能力開発促進法を中心にご審議をいただくわけで すが、この他、中小企業労働力確保法に関する部分については、2月9日木曜日に開催さ れる職業安定分科会においてご審議をいただく予定になっております。それでは、内容に ついて、担当のほうから案文を読み上げ、説明をいたしますので、よろしくご審議をお願 いしたいと思います。 ○村山調査官 それでは、慣例によりまして、初めに資料1を読み上げます。 (資料1読上げ) ○村山調査官 引き続き、先ほど課長から申し上げましたとおり、本日ご審議をいただく、 職業能力開発促進法の要綱を中心としてご説明を申し上げます。ただいま読み上げました 資料1の縦書きの要綱と、先ほど課長から申し上げました資料2−1「今後の職業能力開 発施策の在り方について」、昨年12月21日にいただいた建議ですが、これとの対照関係を 中心にご説明を申し上げます。  まず第一、職業能力開発促進法の一部改正の一、基本理念ですが、これは後で出てくる 具体的な措置の改正内容を踏まえて、基本的な理念についてこのように改正する、という ものでございます。机の上に「労働総覧」を置かせていただいていますので、もし、併せ て現行の職業能力開発促進法との対照関係なども参考にしながら、というご希望のある先 生には、1813頁から職業能力開発促進法が掲載されておりますので、そちらもご高覧いた だければと存じます。  まず、(一)青少年に対する職業訓練に関してです。現行は職業能力開発促進法第3条 の2の第3項、1814頁の真ん中あたりにおいて、「青少年に対する職業訓練は、特に、そ の個性に応じ、かつ、その適性を生かすように配慮して行わなければならない。」とされ てますが、それに付け加えまして、職業生活を営むために必要な基礎的素養を涵養し、就 職するための基礎的な能力や職業生活設計に前向きに取り組むような姿勢などを涵養し、 有為な職業人として自立することができるように、ということで、建議において示された 「自立」の方向性を付け加えるということです。  (二)中高年齢者の関係です。先ほど申しましたように、青少年に関する職業訓練の配 慮事項が書き足される形になります一方、生涯を通じて、あるいはキャリアの発展段階に 応じての訓練、という建議の趣旨を踏まえ、中高年齢者に対する職業訓練に関しては、そ れぞれの方が習得された技能や知識、職務経歴などの状況に配慮して行われるように、と いう基本理念を新たに盛り込むものです。  (三)です。職業能力開発促進、あるいは職業訓練自体の基本理念といたしましては、 これまでも第3条や第3条の2において、計画的に、あるいは職業生活設計に配慮しなが ら体系的に、というような考え方が書かれているところですが、今般、後でご説明申し上 げるような、自発的な職業能力開発促進の措置がかなり書き足される、あるいは、建議に おいてその重要性が打ち出されたということを踏まえて、自発的な職業能力の開発及び向 上を容易に図ることができるように、社会一般から配慮されるというような基本理念を新 たに付け加えるものです。  続きまして、二、事業主等の行う職業能力開発促進の措置です。まず初めの、実習併用 職業訓練、建議では「実践型人材養成システム」の関係です。これに関しては資料2−1 の6頁、上のほうに、「したがって、『実践型人材養成システム』の普及、定着を図ると いう観点から、このような理論面での学習とOJTと効果的に組み合わせて実践的な職業 能力を開発する職業訓練について、職業能力開発促進法に規定する事業主の行う多様な職 業訓練の一形態として位置付けることが適当である」という建議をいただいたところです。 これを踏まえて、先ほど読み上げた二の(一)ですが、現在でも第9条に、具体的には、 事業主の行われるOJT、OFF−JT、あるいは集合訓練等々いろいろな訓練の形態等 が書いてありますが、これに新しくこの組合せ型の訓練を付け加えるということです。  なお、建議においては「実践型人材養成システム」という大変良いネーミングをいただ いて、これは大いに運用面で活用していきたいと考えているところです。しかしながら、 「システム」というような片仮名言葉はなかなか法律になじまないということもありまし て、法律の要綱においては、OJT、即ち実習を伴う、併用する職業訓練である、という ようなことで「実習併用職業訓練」としております。  続きまして、建議に戻ります。先ほど見ていただきました、資料2−1の6頁の「した がって」からの文の後に、「同時に、これまでに類例のない教育訓練の仕組みであること を踏まえ、能力開発の質を確保する観点から、その適切かつ有効な実施を図る上で必要な 事項を、同法(職業能力開発促進法)に基づく指針において示すことが適当である」とい う建議をいただいています。これを踏まえて、要綱の(二)で指針の根拠規定を置いたと ころです。指針におきましては、この間の分科会のご議論を十分に踏まえながら、改正法 が成立した後に、座学と実習の内容を相互に関連づけることとか、担当者同士の相互連携 とか、そういったことについてしっかりと書いていきたい、このように考えております。  続きまして、要綱の(三)です。「事業主がその雇用する労働者の職業生活設計に即し た自発的な職業能力の開発及び向上を促進するために必要に応じて講ずる措置」ですが、 法律でいうと、現在も10条の2、10条の3、あるいは指針の根拠規定としての10条の4と いった規定がありますが、そこに次に掲げるような措置を追加するというのがこの要綱の 趣旨です。  資料2−1の建議でいうと、いま見ていただいた「実践型」の後の章のロの所で、キャ リアの発展段階、円熟段階における措置として、7頁の上のほうに、法制的な措置が必要 なご提言をいただいています。具体的には、7頁の上に「こうした中で」という書出しが ありますが、その後の「職業能力開発促進法における事業主の環境整備措置として、現行 の有給教育訓練休暇等に加えて」の後に、職業キャリアの発展段階においては、企業に勤 務しながら、社会人大学等に通学するといったことが行いやすくなるよう、勤務時間につ いて配慮する、すなわち短縮措置などを考えていただくということで、条文の順番などの 関係で順番が逆になって恐縮ですが、これが要綱でいうと(三)ハの勤務時間の短縮に当 たるものです。  続きまして、建議において、職業キャリアの円熟段階において、退職後の再就職等に向 けた準備を行うための休暇制度の導入ということをご提言いただきまして、これを踏まえ たのが要綱のロです。  その次の「また」で始まる段落ですが、キャリア・コンサルティングについて重要性を 増しているというご指摘を賜りまして、その上で、事業主はキャリア・コンサルティング 体制の充実等に配慮していくこととする、というようなご提言をいただいております。こ れを踏まえて、(3)のイの所で、これもキャリア・コンサルティングという片仮名が法 律上使えないものですから、そのような形で、外部資源も活用しながら相談の機会を確保 する、という趣旨を新たに追加するという要綱をとりまとめたところです。  続きまして、要綱の三、3頁になりますけど、熟練技能等の習得の促進です。こちらは 建議でいうと、資料2−1の7頁(2)のロの所で、事業所内における熟練技能を習得し やすい環境の整備というご提言をとりまとめていただいた所です。それで、8頁にご提言 内容が、1、2、3(○の中に1、2、3)という形で具体的に書いてあります。「事業 主が以下の措置を講ずることで」、ここはいろいろご議論があった結果、「促す規定」と 位置づけていただいたところです。具体的には1(○の中に1)の所で、例えばデータベ ースのような形で、あるいはわかりやすいマニュアルのような形で、熟練技能等に関する 情報を体系的に管理し、労働者の求めに応じて提供しやすいようにしていくこととか、2 (○の中に2)として、若手の方を含めて労働者が熟練技能等を活用する業務に、希望に 応じて、実情に応じて従事する機会を確保していただくとか、また3(○の中に3)とし て、職長さん、あるいはベテランの方々など、熟練された方々がノウハウやスキルをOJ T等で、マンツーマンの形で、後継者に教えやすいように配置その他の雇用管理に配慮す ること、というようなご提言をいただいたところです。  こうしたご提言を踏まえ、要綱でいうと3頁の所ですが、事業主は、必要に応じ、そう した情報を体系的に管理し、提供すること等の必要な措置を講ずることにより、職業能力 の開発及び向上を促進する、ということが書かれております。建議いただいた内容全てを 網羅的に書くのは、分量との関係で技術的にもなかなか難しい所などもありますから、具 体的には(二)の所で、指針に具体的に書ける根拠も併せて設けたところです。  続きまして、3頁の四、事業主その他の関係者に対する援助の充実です。これは法律の ほうでいうと、第3章の2節「国及び都道府県による職業能力開発促進の措置」というこ とで、いろいろな支援の措置が書かれております。その中でも15条の2「事業主その他の 関係者に対する援助」ということで、例えば相談・援助とか助言・指導、情報提供、ある いは推進者講習、指導員派遣、委託を受けて訓練の一部を実施すること、施設開放など様 々なことが書かれている所です。ここに、援助として、二(三)イのキャリア・コンサル ティングの規定ですが、そうした相談を担当する者にこれからなろうとされる方、あるい は、現に担当していらっしゃる方に対しての講習の実施を追加するというのが要綱の趣旨 です。建議の7頁の真ん中あたりにありますが、先ほどの事業主のキャリア・コンサルテ ィング対策の充実とワンセットで、国はキャリア・コンサルタントの養成や資質の向上に 積極的に取り組んでいただくことが適当である、というご提言をいただいておりますので、 これを要綱に盛り込んだものです。  続きまして、事業主に講じていただく実習併用職業訓練の関係です。これを国として認 知し、あるいは支援していくスキームについて書いているのが要綱3頁の要綱五です。再 度戻って恐縮ですが、資料2−1の建議6頁で、「その上で、『実践型人材養成システム』 のうち、訓練の期間、時間数、内容等の面で若年求職者の就職促進策として有効であると 認められるものについては」ということで、客観的な基準で質が担保されるものについて は認定を行って、これを実施する事業主を対象とする支援策を講じることが適当である、 ということをいただいております。  これを踏まえて、要綱の3頁の五ですが、(一)と(二)で、まず、事業主に実施計画 を作成していただいて、大臣認定を申請していただくことができる、とした上で、(二) の所で、青少年に実践的な職業能力の開発及び向上を図るために効果的な訓練の内容に関 する基準として厚生労働省令で定める基準に適合すると認めるときは、その旨を認定する ことができる、というような仕組みを採らせていただくのが建議を踏まえた要綱上の措置 です。これに関しては、既に先生方ご案内のとおり、職業能力開発促進法には、現在でも 認定職業訓練という枠組みもありますが、そうした、基本的な訓練の質を担保するという 考え方からこうした仕組みを取ったものです。  (三)ですが、ここは建議でいうと、6頁の、先ほどの固まりの支援策、いろいろとご 提言をいただいて書いてある段落の最後の所に、「さらに」ということで、6頁の下から 3分の1ぐらいの所ですけど、「実践型人材養成システム」を実施する事業主を対象に、 「若年者の受入れに積極的に取り組んでいることを称揚するための表示制度について検討 することが求められる」という、委員からの具体的なご提案をいただいて、これを明記し たという経緯がありました。これを踏まえて、要綱の4頁の(三)ですが、そうした、先 ほど申し上げたような、認定を受けました実施計画に関わる実習併用職業訓練を実施され る事業主には、訓練される方を募集される等の広告などに、きちんと質の担保された訓練 であることを示していただくための、認定を受けている旨の表示をすることができること とする、あるいはまた、虚偽表示のようなものは法律上禁止する、というようなことを書 いています。  それから、建議で、いま申し上げた「称揚するための表示制度」の上の所で、現行の 「日本版デュアルシステム」のうち訓練生を雇い入れて実習を行っている事業主、これは 具体的には専門課程や普通課程の活用型で、教育訓練機関主導型ではあるけど、雇用付き の、本格的な現場中核人材の育成を行っていただいている、それをお願いしている事業主 に対するアンケート調査、あるいは研究会における検討結果として、訓練に伴う人的負担、 具体的には、訓練指導員のような方も含めた教育担当者の配置の負担が大きい、というよ うなご意見が多数示されているという現状をご紹介申し上げたところ、本分科会において は、こうした負担を緩和する方策についての検討が求められる、というご建議をいただい たところです。この問題に関しましては、一義的には当然、公共職業能力開発施設のほう で、様々な助言とか、あるいはまた、指導員を派遣したりとか、そういったことで支援さ せていただくというのが基本であると思いますが、それは当然の仕事になりますので、法 律上書くまでもなく、当然実施していくものです。  さらに、上乗せの法律上の措置として書いておりますのが、要綱4頁の六、委託募集の 特例です。これは、特に中小企業においてそういった負担が大きいということから、認定 を受けられた中小事業主が、一定のきちんとした相談援助機能があるということで承認さ れた、上部の事業協同組合等の団体のほうに、そうした職業訓練担当者についての募集を 委託する場合については、職業安定法36条1項と3項で、こうした委託募集については、 個々の委託元の中小事業主のほうに許可申請ないしは届出申請の義務づけが強行法規の形 でかかっておりますが、この規定は適用しないと、規制緩和措置をするものです。  一方で、そうした募集が適正に行われるように、六の(二)で、募集を受託した中小事 業主団体は必要な事項について届出をするということです。要約すれば、この特例措置の 内容は、1つが、報酬を伴う募集の場合に許可から届出に緩和されることと、もう1つが、 個々の中小事業主の申請義務を解除して、団体のほうで一括して届け出る措置をするとい うものです。他法の先例にも倣いながらこうした特例を設けた、という趣旨です。  続きまして、要綱でいう4頁の七「その他」です。  (一)で都道府県の審議会等の必置規制について、任意に設置することができるように 緩和するとあります。これは、法律上は雑則の章になりますが、91条に「都道府県知事の 諮問に応じて、都道府県職業能力開発計画その他職業能力の開発に関する重要事項を調査 審議し、及びこれらに関し必要と認める事項を関係行政機関に建議することを任務とする 審議会その他の合議制の機関を置く。」と規定されております。この関係については、建 議の内容と離れて恐縮なのですが、資料4「職業能力開発促進法の見直しに係る閣議決定 等」のいちばん下の所に、「事務・事業の在り方に関する意見」ということで、平成14年 に地方分権改革推進会議から頂戴した意見が記載されております。  この地方分権改革推進会議においては、基本的に、都道府県等における地方自治の本旨 に即したような活動を促進する観点から、そこに書いておりますように、主として政策の 企画立案に対して意見を述べる審議会等については、地方公共団体が独自の判断で設置が できるようにする方向で見直しを行うということです。そこには抜書きしてありますが、 他の法令において必置されているものも含めて、国の法律によって必ず置くということを 求めている審議会等の機関について、条例により置くことができる等の規定に改正するこ とが求められているところです。こうした意見を踏まえて、今回の法改正の機をとらえま して、要綱五の(一)にあるような必置規制について、任意設置に緩和することをお願い するものです。  以上が本日、主としてご審議いただく職業能力開発促進法の関係ですが、併せまして、 中小企業労働力確保法で、本分科会からの建議に関わる部分についても簡単にご説明を申 し上げます。  第二の一、改善計画の作成で、中小労確法における雇用管理改善計画の新しい類型を追 加するという内容を書いていますが、これに関しては資料3、「職業能力開発促進法及び 中小企業労働力確保法の改正案の概要」があります。2番の中小企業労働力確保法におい ては、中小企業団体や個々の中小企業が雇用管理の改善に関する計画を策定して、それが 大臣定めの基本指針、一種の判断基準に照らして、適当な場合に都道府県のほうで認定を していただき、それに国はじめ関係の支援の措置が発動されるというスキームの法律です。  いままでの計画内容、計画類型は、左側から3つ書いてありますように、労働環境改善 に向けて取り組まれる中小企業団体が、労働環境を改善して、あるいは福利厚生などを充 実して、労働力を確保するための計画とか、あるいは個別の中小企業が高度な知識、技能 を持たれる人材を確保したり、新分野に進出されたりするときの計画などが類型として掲 げられている所です。いちばん右側に「新設」、矢印で、太枠で囲っておりますけれど、 実践的な職業能力の開発・向上が必要な青少年の方々に良好な雇用機会を提供されるとい う、中小企業団体や中小企業の計画的な取組みがなされる場合には、そういったものも計 画類型に加えて、下に書いてあるような支援措置を発動しようというのが今回の改正の趣 旨です。  その支援措置の、特に本分科会のご提言で関わるのは1(○の中に1)の所ですが、事 業主が、若者に実践的な職業能力、熟練技能を習得させるために職業訓練を行う場合に支 援となっておりますが、具体的には本日お配りしているもう1つの資料、資料5がありま す。この内容は既に、予算等の段階でも調査審議をいただいているものですが、「中小企 業雇用創出等能力開発助成金の拡充について」ということで、先ほど言ったような、そう した青少年に良好な雇用の機会を創出し、積極的に訓練を実施していただけるような、計 画的な取組み、特に典型的には、従来若い人の助成の対象になってこなかったマンツーマ ン型のOJTのようなもので技能継承をする場合に、OJT講師の謝金などについても、 一定助成しようという仕組みを今回の枠組みの中で設けようというものです。  以上、施策の説明が長くなりました。いま申し上げた中小労確法の関係は、いただいた ご建議でいうと、先ほどの建議の資料2−1へ戻っていただきまして、7頁の(2)です が、「技能の継承のための措置の充実」で、イの所に「中小企業における技能継承に対す る支援」とあります。その中で、技能の継承を通じた「現場力」の強化の観点に立って、 特に中小企業へのご支援を重点的に講じるために、法制的な措置を含めて検討を進めるこ とが適当であるというようなことで、いま、申し上げたような、マンツーマン型のOJT 等に関する計画的な取組みに対して、支援を行うことが適当であるというご提言をいただ いたことから、こうした措置についても、職業安定分科会におけるご建議と、今回、整合 的な形で法案の中に盛り込もうというものです。  要綱の一番最後の所ですけれども、6頁の最後、第三で、施行期日ですが、平成18年 10月1日から施行するものとすることとしております。いま見ていただきましたように、 省令とか指針等の下位法令で委ねられている部分もありますし、そうした部分についても、 本分科会はじめ、関係の場で十分ご審議いただくとともに、教育機関や経済団体とも十分 な連携が図れるように、関係府省ともいろいろと具体的な詰めをする時間も若干必要だと いうことがございまして、平成18年10月1日の施行日でお願いできればと考えていると ころです。  以上、資料がいろいろばらけて恐縮でございましたが、説明に代えさせていただきます。 どうぞよろしく、調査審議をお願いします。 ○今野分科会長 ありがとうございました。  それでは、ただいまの説明について、ご質問、ご意見をお願いいたします。いかがです か。特にございませんか。  ご意見、ご質問がないと終わってしまうのです。悪いことではないのですが。ご質問、 何でも結構ですので。  内容的には大分長い時間かけて議論してきたことですが。それでは、よろしゅうござい ますか。  それでは、ご意見、ご質問がないようですので、先へ進めさせていただきます。  当分科会としては、この「職業能力開発促進法及び中小企業における労働力の確保及び 良好な雇用の機会の創出のための雇用管理の改善の促進に関する法律の一部を改正する法 律案要綱」について、私から労働政策審議会長宛に、妥当と認める旨の報告を行いたいと 考えておりますが、よろしゅうございますか。 (異議なし) ○今野分科会長 それではそのようにさせていただきます。  それでは、ここで局長よりご挨拶がございます。 ○上村職業能力開発局長 妥当と認める旨ご報告いただき、大変ありがとうございました。 建議に至る過程等でいろいろご意見をいただきましたが、それらも踏まえて、関係の法律 案を早急にとりまとめて、現在開会中の国会に提案したいと思います。なお、職業安定局 においては、9日に職業安定分科会を開催する方針と聞いており、同分科会を経た上でと いうことになりますけど、改正法案をまとめて提出したいと思います。  本当にいろいろご協力、ご尽力をいただいて、お礼を申し上げます。ありがとうござい ました。 ○今野分科会長 本日の議事はこれで終了いたします。議事録の署名ですが、本日は、労 働者側は長谷川委員、使用者側は五嶋委員にお願いいたします。  最後に、事務局から時間、日程についての説明がございます。どうぞ。 ○杉浦総務課長 次回ですが、前回の続きというか、基本計画の第4部の残りの部分、技 能の振興や、国際関係といった部分を中心にご議論いただきたいと思っておりまして、2 月21日火曜日の午後4時から開催したいと思います。場所は本日と同様、ここ省議室で行 いますので、是非よろしくお願いします。以上です。 ○今野分科会長 それでは、本日はこれで終了といたします。ありがとうございました。 【照会先】厚生労働省職業能力開発局 総務課 企画係 (内5313)