06/01/12 薬事・食品衛生審議会医療機器安全対策部会 平成18年1月12日議事録 薬事・食品衛生審議会 医療機器安全対策部会 議事録 1.日時及び場所   平成18年1月12日 10:00〜   厚生労働省 専用第15会議室 2.出席委員(20名)五十音順    井 部 俊 子、 小 野 哲 章、 甲 斐 知恵子、◎笠 貫   宏、    倉 田   毅、 小 柳   仁、 佐 伯 晴 子、 酒 井 順 哉、    佐 藤 道 夫、 澤     充、 勝 呂   徹、 土 屋 利 江、    土 屋 文 人、 長 尾   拓、 中 村 達 夫、 野 中   博、   ○外  須 美 夫、 松 谷 雅 生、 目 黒   勉、 山 口 照 英    (注) ◎部会長  ○部会長代理   欠席委員(1名)五十音順    天 笠 光 雄     3.行政機関出席者 黒 川 達 夫(大臣官房審議官)、   中 垣 俊 郎(安全対策課長)、   山 田 雅 信(安全使用推進室長)   岸 田 修 一(独立行政法人医薬品医療機器総合機構安全管理監)   別 井 弘 始(独立行政法人医薬品医療機器総合機構安全部長) 他 4.備  考   本部会は、公開で開催された。 ○事務局 それでは定刻になりましたので、ただいまから平成17年度第2回医療機器安 全対策部会を開催させていただきます。本日の部会は御覧のとおり公開で行いますけれ ども、カメラ撮りは議事に入る前までとさせていただいておりますので、関係者の方々 には御協力のほどよろしくお願いいたします。  本日御出席の委員の先生方におかれましては、お忙しい中お集まりいただきましてあ りがとうございます。21名の委員のうち、本日20名の先生に御出席いただいていると ころでございます。薬事・食品衛生審議会の規則で定足数は定員の半分となっておりま すので、定足数に達しております。天笠委員からは欠席との連絡を頂いているところで ございます。  続きまして、前回の安全対策部会から事務局側に人事異動がございましたので、紹介 させていただきたいと思います。安全対策課長が中垣に替わっております。 ○安全対策課長 よろしくお願いいたします。 ○事務局 本日遅れているようですけれども、医薬品医療機器総合機構の安全部長が別 井部長に替わっております。後ほど遅れて出席すると思います。それではこれから議事 に入らせていただきますので、カメラ撮りをされる方がいましたらここまでとさせてい ただきます。部会長、よろしくお願いいたします。 ○笠貫部会長 部会長の笠貫でございます。それでは議事に入らせていただきます。初 めに、事務局の方から資料の御確認をお願いいたします。 ○事務局 それでは資料の確認をさせていただきたいと思います。お手元に議事次第の 1枚紙、資料目録と書かれた1枚紙の次から資料ナンバーの付いた資料を配付しており ます。資料1-1が電波が植込み型心臓ペースメーカ等へ及ぼす影響に関する自己点検等 についてという表紙の付いた資料でございます。資料1-2はX線CT装置等と植込み型 心臓ペースメーカ等のという題名の付いた資料、資料1-3が新方式携帯電話端末から始 まる表題の付いた資料でございます。資料1-4が磁気共鳴画像診断装置から始まるタイ トルの資料、資料1-5はラジオ波焼灼法から始まる資料でございます。資料1-6は骨セ メント使用時における健康被害についてという資料、資料1-7はCypherステントと塩酸 チクロピジン製剤のというタイトルの資料でございます。以上が資料1のシリーズでご ざいます。  その次から資料2のシリーズになりますけれども、資料2-1が薬事法第77条の4の4 の規定に基づくというタイトルの付いた資料、資料2-2は医療機器不具合等報告という 資料でございます。資料2-3は医療機器外国措置報告という資料、資料2-4は医療機器 研究報告という資料でございます。  その次に資料3のシリーズになりますけれども、資料3-1が感染症定期報告の状況と いう資料、資料3-2が報告文献別一覧表という資料でございます。  その次から資料4のシリーズになりまして、資料4-1が調査会の設置についてという 資料、資料4-2が石綿(アスベスト)を含有する医薬品・医療機器等から始まる資料でご ざいます。  以上が本日の資料でございますけれども、もし過不足等がございましたらお申し出い ただければ有り難いと思います。なければ以上でございます。 ○笠貫部会長 資料の方はよろしゅうございますでしょうか。それでは本日審議事項は ないということでございますので、報告事項に入らせていただきます。では、議題1か ら御説明をお願いいたします。 ○事務局 それでは御説明させていただきます。まず資料1-1でございます。こちらは、 電波が植込み型心臓ペースメーカ等へ及ぼす影響に関する自己点検等についてというこ とでございます。最近、自動車等のドア等の開閉又はエンジンの始動・停止をキーを差 し込まずに自動で行うというシステムが導入されておりまして、これはいわゆるスマー トシステムと言われるものなのですけれども、昨年の7月、特定のスマートシステムが 一部の植込み型ペースメーカに影響を及ぼすおそれがあるということで、添付文書の改 訂等を行ったところでございます。しかしながら、そのほかのスマートシステム、それ からペースメーカ等について大丈夫なのかという話がございまして、総点検をさせた通 知でございます。これにつきましては、国内においては日本自動車工業会、それから外 車につきまして日本自動車輸入組合に協力を求めまして、ペースメーカ協議会の方と協 力して検査をしていただいているところでございます。こちらにつきましては、またま とまりましたらこちらの方で報告できるかと思います。  次は資料1-2でございます。こちらはX線CT装置等と植込み型心臓ペースメーカ等 の相互作用に係る使用上の注意の改訂指示等についてでございます。まだ記憶に新しい かと思いますけれども、昨年の春、日本メドトロニック社のメドトロニック InSync8040 において、X線と相互作用を起こしてしまってリセットが発生するという事象が臨床で 起きました。実際、臨床の現場ではこの機種だけが起きているところなのでございます けれども、ほかのペースメーカについても大丈夫かどうかということで総点検いたしま したところ、ほかの会社のペースメーカ等におきましても、オーバーセンシングが認め られたということでございます。それらを受けまして、各ペースメーカの製造販売業者 に対して添付文書の改訂指示等を出しまして、その内容につきましては次の2枚目にな ります。  オーバーセンシングというのは、心臓のペーシングを拾っているわけなのですけれど も、X線を当てたことによって本来拾わないパルスを拾ってしまうということです。ま ず、添付文書でどのようなことを注意喚起させたかと申し上げますと、1の(1)のア)、 これは植込み型心臓ペースメーカでございますが、「本品を植込んだ患者のX線CT検 査に際し、本体にX線束が連続的に照射されるとオーバーセンシングが起こり、本品の ペーシング出力が一時的に抑制される場合があるので、本体にX線束を5秒以上照射し ないよう十分に注意すること」。それから二つ目でございますが、植込み型除細動器(I CD)でございます。こちらは「本品を植込んだ患者のX線CT検査に際し、本体にX線 束が連続的に照射されるとオーバーセンシングが起こり、適切な治療の一時的な抑制又 は不適切な頻拍治療を行う可能性があるので、本体にX線束を照射しないように十分に 注意すること」。それぞれの詳細につきましては相互作用の項ということで、次の2の ア)、イ)ということで指示を出してございます。以上でございます。  続きまして資料1-3、新方式携帯電話端末及びRFID機器による植込み型医用機器 (心臓ペースメーカ及び除細動器)への影響についてということでございます。こちらは シリーズものの検討でして、総務省の方で毎年新型の携帯電話等が出るとそれを拾いま して、ペースメーカ等と相互作用があるかどうかというのをチェックしているものでご ざいます。今回御紹介いたしますのは、平成16年度に総務省の方で検討されました結果 についてです。同内容については、総務省のホームページの方でも確認できます。結論 といたしましては、新型の携帯電話を含みまして「植込み型心臓ペースメーカ装着部位 から22cm程度以上離すこと」という現行指針が妥当であることが確認されています。こ ちらの資料の2枚目ですが、11ページの真ん中のパラグラフに今の概要というか、結論 が書いてございます。  具体的には12ページ以降になりますが、ポイントだけちょっと御説明いたします。ま ず新型携帯電話、いわゆる第三世代のものなのですけれども、これで最も影響があった ものというのは心臓ペースメーカで、距離が携帯電話から8cmのところで影響が出てい るということでございます。  それから13ページにまいりまして、2)のRFID機器でございますが、これで最も 影響が出た距離は何かといいますと、ア)の心臓ペースメーカのところで14cmという結 果が出ておりまして、現行指針22cmを確保していれば問題なかろうという結論となって おります。RFID機器とは何ぞやという話があるかと思いますが、これにつきまして は絵が19ページに書いてございます。こういったものでございまして、16年度につき ましては特に据置きタイプとモジュールタイプについて検討されました。ゲートタイプ やハンディタイプについては既に調査済みということでございます。今回これらの電波 を発信する機器、ゲートの部分やこういった据置きの部分についてステッカーを各業界 団体で作りまして、17〜18ページに示させていただいております。  それから、今までのすべての指針を今回統合した形をとりまして、最新版のリバイズ されたものが15ページ以降にございます。これが最新の指針ということで今までの成果 をすべて取りまとめたものでございます。こちらについては後ほど確認いただければと 思います。  資料1-4でございます。磁気共鳴画像診断装置に係る使用上の注意の改訂等について ということでございます。これにつきましては、FDA、Health Canadaの規制当局か ら経皮吸収貼付剤を貼付したままMRIによる検査を実施した場合に、患者にやけどを 引き起こすという注意喚起がなされました。米国においては、やけどを引き起こした症 例も現に報告されてございます。日本においては当該製品にどんなものがあるかという と、ノバルティスファーマ株式会社の製品でございますけれども、ニコチネル TTS、 ニトロダーム TTSといったものがございます。ただ、幸いなことに日本ではまだ症例 が出ておりませんで、これについては予防的に症例が出る前に注意喚起を図ったものと なっております。  注意喚起の内容につきましては次のページをめくっていただきまして、1の「1)禁忌 ・禁止の項に『導電性のある金属を含む貼付剤を使用したまま検査を行わないこと』と 記載すること」、それから「2)重要な基本的注意の項に『MRIを行う前に患者に対し、 導電性のある金属を含む貼付剤の使用の有無を確認すること』と記載すること」と指導 してございます。以上でございます。  続きまして資料1-5でございます。こちらはラジオ波焼灼法(RFA)に際して使用す る電気手術器の使用上の注意の改訂等についてということでございます。これはスティ ック状の機器でございまして、ラジオ波焼灼という形でスティックの先からラジオ波を 出しまして、がんを焼き殺すという機器でございます。ただ、その出力を急激に上昇等 をさせたときに肝内圧が急激に上昇しまして、肝破裂を生じるという危険性がございま した。そのために注意喚起を図ったものです。これの出所につきまして、症例ではなく 文献の方から上がってきた情報でございます。  これの注意喚起の内容でございますけれども、まず1の「警告」の項に記載している 内容としましては、「(1)焼灼中の肝内圧の上昇に伴い肝破裂を生じる可能性があるの で、急激な出力上昇又は長時間での焼灼に注意すること」。それから「(2)十分に焼灼 されていない腫瘍組織が播種性の再発転移を引き起こす可能性があるので、焼灼後は定 期的な検査を実施すること」。これはどういうことかと申し上げますと、このスティッ クを刺して肝臓の中の腫瘍を焼くわけなのですが、それが正確に焼き切れていない、正 確に治療ができていなくて生焼けの状態になっておりますと、つまり生きているがん細 胞がスティックを刺した経路にそのまま引きずり出されてきてしまって、そこのところ に転移してしまう可能性があるのではないかというものでございます。したがって、焼 灼後も定期的な検査を実施することということで注意喚起を図ってございます。  それから「重要な基本的注意」ということで、次のページの2でございます。「本品 の使用に当たっては、事前に当該機器の治療原理及び特性を熟知し、十分なトレーニン グを行った上で、通電出力や画像等を常にモニタリングしながら慎重に使用すること」 という注意喚起を図ってございます。  また「不具合・有害事象」ということでどういったものが挙げられるかというと、3 にございますが、こういった肝破裂等の不具合事象がございます。以上でございます。  次は資料1-6でございます。こちらにつきましては、昨年の8月、安全性情報によっ て注意喚起させていただいたものなのですが、2回前だと思うのですけれども、こちら の部会の御意見をお伺いしまして、骨セメントに係る症例を分析したらどうかというこ とで御提案があったことを受けまして、再度注意喚起を図ったものでございます。こち らの内容は何度もリフレインという形になりますけれども、大腿骨頭部骨折等で人工関 節置換術が行われることがよくあるのですが、この際に人工関節等のインプラント材を 生体骨に固着するするために、骨セメントと呼ばれるアクリル製樹脂を生体骨内に注入 することが医療上必要な場合がございます。ただこれにつきましてはもう既に何度も注 意喚起しておりますけれども、骨セメントの使用に伴って、その副作用として死亡に至 る重篤な血圧低下、ショック、肺塞栓症などが発現することが知られています。これに ついて過去三度注意喚起しておりましたけれども、やはり今回調べましたところ、5ペ ージになるのですが、重篤な国内症例が4年間で37例(うち死亡32例)という状況にな っています。詳細の部分については表1ということで、後ろの方にテーブルを付けてご ざいます。情報が入手できなかったものもございますけれども、入手できたものについ てはこのような形で既に公表してございます。  まとめでございますけれども、6ページの(5)に記載させていただきましたが、やは りリスクの高い患者への使用が認められている、麻酔医による監視が行われていない、 血液等による塞栓が認められた症例などが散見されました。それから新たな情報としま しては、骨セメントがセメントプラグを越えて髄腔に飛ばないよう適切なプラグサイズ を選択しないのではないかという症例もありました。これはどういうことかというと、 結局骨セメント自体、プラグがずれるとその分多く入れることになりますので、リスク が高まるだろうと。つまり、プラグサイズを適切に選択することによって適切な量の骨 セメントを入れることが必要だろうということでございます。そのほかちょっと補足的 でございますけれども、血栓や肺塞栓の危険因子としてそもそも長期臥床というのが挙 げられるので、骨折等が発生した場合には患者の方も受傷後すぐに病院に行っていただ いて、適切な治療を受けてくださいということが必要だろうということでございます。  続きまして資料1-7でございます。Cypherステントと塩酸チクロピジン製剤の市販後 安全対策の結果についてということで、過去こちらの安全対策につきましては何度か部 会の中でも紹介させていただきました。Cypherステントの安全対策を開始して昨年の夏 でほぼ1年間経過いたしまして、これまでに行われた安全対策に関する状況について、 医薬品・医療機器等安全性情報の中で紹介させていただいたものでございます。  こちらの安全対策について簡単に説明いたしますと、まずそもそもステント治療とい うのは血栓予防のための抗血小板療法というものを行うことが必須なのですが、通常の ベアメタルステント、今までのステントの場合は抗血小板療法が1か月程度でよいとさ れておりました。しかしながら、こちらのCypherステントにつきましては内皮が形成さ れるのに時間が掛かり、最低3か月は抗血小板療法をした方がよいだろうということを 受けて、塩酸チクロピジン製剤の使用が3か月ということで推奨されております。  しかしながら、塩酸チクロピジン製剤については血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)、 無顆粒球症、重篤な肝障害等の重篤な副作用が知られておりまして、これについては今 まで安全対策を継続しているところでございますけれども、特に「投与開始後2か月間 は、原則として1回2週間分の処方とすること」、「投与開始後2か月間は2週に1回 の定期検査(血液、肝機能)を行うこと」ということで注意喚起を図っております。Cypher ステントの製造販売業者であるジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社の方からは、 こういった問題を含めて計17回の注意喚起をやっております。  それから4ページの(3)になりますが、こちらはどういったことをやってきたかと言 いますと、患者さんがCypherステントを埋め込まれた後に当然転院をするだろうと。そ の際に検査漏れが生じるのではないかというおそれがあったことから、検査漏れ防止の ために通常医療機関から医療機関に当然連絡が行くものかと思いますけれども、それと 併せて更に患者の同意を得た上で患者が転院しますよという情報を製造販売業者、それ からチクロピジン製剤メーカーの方に流していただき、そこのチクロピジン製剤メーカ ーが転院先の病院にフォローに入って、検査をしっかりやってくださいということで注 意喚起をさせていただくという仕組みを作らせていただきました。こちらの制度の利用 があったのが1,243施設中319施設。ほかの施設はどうだったかというと、ここに書い てあるようにそもそも転院していません。それから患者が自分の転院情報を出したくな いので利用しませんといったようなことがありました。大体4分の1ぐらい利用されて いるという状況です。  総じてこの安全対策の結果でございますけれども、5ページの(4)です。重篤な肝障 害、顆粒球減少症、TTP等の副作用報告件数の年次推移というのをこちらの表の方に 取りまとめておりますけれども、Cypherステントが発売された平成16年8月前後を比 較させていただきましたが、副作用発現状況に大きな変化は見られなかったということ でございます。  ただ、これで安全対策が終わったというわけではなくて、引き続き医療関係者に対し て次のお願いをしております。(5)になります。(1)、(2)、(3)とございますけれども、(1) は投与開始後2か月間は1回2週間分の処方とするとともに、2週に1回の定期的検査 を実施すること。これはしつこいようですけれども、やらなければいけません。それか ら(2)でございますが、患者自身の判断で服薬を中止しないよう指導するとともに、重篤 な副作用に関する自覚症状を説明し、自覚症状を認めた際には主治医等へ相談するよう 適正な服薬指導等を行うこと。(3)といたしまして、塩酸チクロピジン製剤の副作用又は Cypherステントの不具合が発生したことを知ったときには、副作用報告等をお願いした いということでございます。以上で資料1のシリーズの説明を終わらせていただきます。 ── 説明中、安全部長着席 ── ○笠貫部会長 どうもありがとうございます。ただいまの事務局からの御報告について、 御質問等はございますでしょうか。佐伯委員、お願いいたします。 ○佐伯委員 植込み型ペースメーカのところで用語がちょっと混乱しそうな感じがしま して、「本品」、「本体」というのが私の素人の感覚で見ますとごっちゃになりそうで、 「本品」というのは製品全体のことを指しているのですか。それで「本体」というのは 結局どう係るのかなのです。本体を植え込んでいるということなのか、本体に照射され るという目的語に使われているのか、ちょっとその辺がなぜ「本品」と「本体」と分け ているのか。ひょっとして「本体」というのは何か別の意味で使っていらっしゃるのか。 その辺りを教えてください。 ○事務局 こちらにつきましては、意味的には同一のものとなってございます。すみま せん、こちらにつきましてはちょっと確認させてください。 ○笠貫部会長 それでは今のは確認していただくことにいたしまして、後で御報告いた だけると思うのですが、ほかにございますか。土屋委員、お願いいたします。 ○土屋(文)委員 MRIでのアルミニウムその他を含む導電性のものについてですが、 これは添付文書が変わったことは分かるのですけれども、こういう場合、もちろん医療 機関がそういうことを聞きなさいとはいうものの、患者さんに対して特別にこういうこ とをしなさいとか、そういうお知らせなどの徹底はされているのでしょうか。今院内処 方も50%を超えておりますので、実際に薬をもらう場合は薬局でもらう方もかなりいる と思います。ですからそういった場合に再度確認…、要するに患者さんにもMRIをか けるようなときには気を付けてくださいなど、今注意喚起そのものが医療機関において 検査のときにというようなことがいろいろ書いてあるものですから、服薬指導の一環と して、もしそういうことがあるときにはということをやっていくことも、医療機関側も 気を付ける、患者さん側も気を付けるというような形がやはり現実としてそういうこと をなくしていくのかなと思うものですから。 ○笠貫部会長 事務局の方、お願いいたします。 ○事務局 こちらにつきましては薬剤師会の方に通知をしておりまして、当然服薬指導 のときにそれは情報提供がされているということになるかと思います。 ○安全対策課長 このニトロダームと申しますか、貼付剤を売っている側、あるいは貼 付剤の使用上の注意にやはり同じようなことを書くべきだと。それを受けた形で、患者 に情報提供がなされるべきだというような御意見だろうと考えております。  そういう点から申し上げますと、医薬品側、貼付剤側の使用上の注意も同様に改正す るという手続をとっているところでございまして、それを受けた形で対応されていくの だろうというふうに考えております。また究極的には、こういったものを使わないよう な処方変更と申しますか、製剤変更と申しますか、そういうことも可能性を検討してく れということもお願いしているところでございます。いろいろな手段を使って不幸な事 態、MRIがかなり汎用されていくようなことも考えられますので、そういう点から申 し上げますといろいろな手段を講じていきたいというふうに思っております。 ○笠貫部会長 MRIの場合には、必ず患者さんの同意書を取るときに何を使っていま すかということを各医療機関では記載されていると思います。このニトロダームテープ はたくさんの心臓病患者さんに使われていますけれども、その中にはまだ入っていない かもしれませんので、その辺を徹底すると最後のところでのチェックにはなるかと思い ます。MRIを撮る側の最終の同意書の中に入れるというのも指導として入れていただ くといいかもしれません。どうぞ。 ○松谷委員 同じ意見ですけれども、注意事項が「通電性のある金属を含む」と。これ はやはり具体的に現時点でどういうものがそうかということを書かないと、このままで はこういった貼付剤を使わない臨床科では全く想像がつかないと思います。 ○笠貫部会長 そして同意書を取るということで。どうぞ。 ○安全対策課長 御指摘はそのとおりだろうと考えております。そのために今回通知す る中では、現時点でこれに該当するのはニコダームあるいはニコチネルの2品目である ということを明示したところでございまして、その時々で当然品目名は変わっていきま すから、その点については今後とも留意していきたいというふうに考えております。  また同意書の件でございますが、使用上の注意の一環として同意書を取るときにどう のこうのと、そこまではなかなか書けないのでございますけれども、御指示を踏まえて、 また情報提供する際にはそのような点につきましても意を尽くしていきたいと思いま す。 ○笠貫部会長 例えばAEDの場合のやけどの問題が出てくるのですが、先ほどの御説 明の中にこういうアルミニウム製剤は余り使わない方向にという指導をしていくお考え ととってよろしいでしょうか。 ○安全対策課長 物性の問題、安定性の問題あるいはそこから出てまいります吸収性の 問題と、解決しなければならない点というのが幾つもあるのだろうと思います。もちろ ん使わなくて済むものであればこういった通電性のものを避けていくという方向性とい うのは当然のことだろうと思いますし、その代替可能性というのも検討してもらうよう にお願いしているところでございます。 ○笠貫部会長 ほかにはございますでしょうか。酒井委員、お願いいたします。 ○酒井委員 X線CTと心臓ペースメーカの関係のことなのですけれども、基本的にペ ースメーカというのは電位差を拾ってシンクロナイズされるわけです。その際にX線の 照射によってということで現象はよく分かるのですけれども、工学的にX線によってペ ースメーカのどこかのデバイスに対して悪さをしてリセットしたりしているのか、それ ともX線装置から何らかの電磁波が出ていたりして、それでオーバーセンスしていると か、その辺の状況がよく分からないものですから教えていただきたいのですけれども。 ○事務局 こちらの発生原理でございますけれども、CMOS回路というものがござい まして、これは通常のCPUなどによく載っているいわゆる半導体なのですが、そこに X線が入ることによって不要電流が生じまして、そういったところがリセットにつなが っているというところまで解明できてございます。つまり、X線発生装置の方の電磁波 というよりは、むしろX線がCMOS回路に入ることによってそういう事象を起こして いるということでございます。 ○酒井委員 そうしますと、半導体の特性が変わってしまっているということですね。 CMOSの半導体の特性が変わってしまうために起こっているだろうと。 ○事務局 特性が変わるというところまで聞いてございませんけれども、少なくとも電 流が発生するようだというところまでは確認できております。またこれは可逆的な反応 とされていますけれども、変性については特定できていないという状況です。 ○笠貫部会長 ほかにはございませんでしょうか。佐伯委員、どうぞ。 ○佐伯委員 資料1-5のところで、最後の方に生焼けにならないようにということで、 「十分なトレーニングを行った上で」というようなことがありますけれども、これは実 際にこういう手技をなさる先生方の集まりの学会であるとか、何か認定医のそういうと ころでそのようなきちんとした安全な方法研修というのがもうできているのでしょう か。 ○安全対策課長 関係学会と既に連絡を取っておりまして、この使用上の注意のところ にトレーニングという言葉がございますが、関係学会の御協力を得てこういったトレー ニングが行えるように私どもからもお願いしておりますし、それを受けて関係学会も動 き始めていると聞いております。そのトレーニングの中の一つの項目として、生焼けと いう表現がいいのかどうか分かりませんが、委員が御指摘の点についても当然のことな がらトレーニングされていくのだろうと考えてございます。 ○笠貫部会長 かなり高度な専門的知識と経験を必要とするトレーニングがどうあるべ きかというただいまの御指摘は、医療機器の正しい使い方にとっては非常に大事なこと だと思いますので、特に通電出力や画像をどのようにモニターしていくかはup-to-date に進歩していくところですので、関連学会への連絡ということも是非これから進めてい ただきたいと思います。ほかにはございますでしょうか。どうぞ。 ○外部会長代理 私は資料1-6の骨セメントに関して、ちょっと意見を述べさせてもら います。今日は貴重な報告として、平成13年度〜16年度までの件数あるいはその内容 等についてこういうふうに出していただいているわけですけれども、これを見てもいろ いろな注意喚起にもかかわらず死亡例は決して減っていないと。相変わらず日本全国で 10人前後の方がこの医療器具によって亡くなっているという現実があるわけです。それ をもうやむを得ないと。もうこういう注意喚起で済ますしかないし、このままこの形で 行くということでいいのかどうかということだと思うのです。それは80歳、90歳の高 齢者が多いからやむを得ないのではないか、あるいは骨セメントを使うことによって患 者の骨折の治療が非常にうまくいくために、これを使用するのはマイナスの面よりもプ ラスの面が大きいということでこういう形で今やっているわけですけれども、果たして このままでいいかというのはやはり考えるべきだと思うのです。  せっかくこういうデータを見て、例えば麻酔科医がいるところといないところ、これ は麻酔科医がいても発生しているということはこうやって明らかになっているわけなの ですけれども、これを見ますと、例えばこういうせっかく貴重な情報で、私はこのデー タから有意差とかそういうものが出るとは思いませんけれども、31例中30例が女性だ ったと。ということはもうほとんど女性に起きているわけです。このことの意味は一体 何なのだろうかと。骨折の男女比がそれほど偏っているとは私は思わないのですけれど も、後で勝呂先生にコメントをいただければと思いますが、これほど女性だけに死亡例 が偏っている。何かそこに原因はないのか。あるいはこのセメントガンが2例を除く全 症例で使用していたことについて何か意味があるのかどうかはよく分かりません。ただ、 厚生労働省の方からも例えば整形外科学会、麻酔科学会にこの辺のところの情報をこう いうふうに起きていると。それを防ぐ手段は何かないか学会の方でも考えてほしいと。 そういうような形で常に刺激して、やはり患者にとっては骨折は非常に大変な大きな疾 患ですけれども、それが手術によって、この医療器具によって命を無くすという悲惨な 状況が起きているわけですから、何とかしたいという気持ちはあるわけです。非常に難 しいところで原因がはっきりしないという、あるいは塞栓やいろいろな理由があるのだ けれども、それをゼロにするべく努力は、やはりこういう注意喚起だけではなくて積極 的に動くべきだと私は思います。ですから今回こういう貴重なデータですので、例えば 女性でこういうときにはもう前もって昇圧剤を使ってはどうですかとか、それはまた別 のところで考えるべきことかもしれませんけれども、やはりある形のリーダーシップを 持ってこの委員会なり、厚生労働省の方から動きを見せてほしいというふうに私は思い ます。 ○笠貫部会長 どうぞ、お願いいたします。 ○勝呂委員 整形外科学会の方でも、やはりこのような骨セメントの問題というのは医 療安全委員会というところで再三話題になりまして、事あるごとに会員には啓もうして おります。ですからそれでもある程度起きてきてしまっているのは現実だという形で、 現在のところ骨セメントに代わる優れたものが出ない限り、なかなか難しいのではない かと思うのです。やはりこれは対象を見て分かるように、皆さん80以上、たまたま69 歳の方が入っていますけれども、非常に高齢の方が多いと。  もう一つ、今我々整形外科の方で解析しているのは、大腿骨頸部骨折というのは患者 さんはほとんど女性なのです。やはり骨粗鬆症との関連で、単なる転倒だけでも内側骨 折といって内側が折れてしまうと、これは骨接合術をしても決してつかないのです。そ うすると骨接合術をして、例えば3か月あるいは半年免荷しなさいと。80歳過ぎの人に 免荷させて、残りの人生を考えるととてもじゃないのですけれども、直ちに動かせると いうのは人工骨頭を骨セメントでしっかり固定する。そうしますと翌日から動けると。 今はもっと進んできて、MISといって低侵襲の方が入ってきているので、そうします とその日のうちに夕方からもう動かしてしまうという形ができるので、いろいろな努力 をしております。  もう一つ、女性に多いというのはやはりエストロゲンとかそういうこともDVT、そ れからエンボリの血栓塞栓症の問題もかなりこれに絡んでいるのではないかと。臨床的 には従来骨折して何日かおいて手術で、もうその間に深部静脈血栓ができているのです。 ですから逆に医療側の体制で骨折してきたら、リスクさえ許されればそのままその日の うちに早期に手術をしようとか、そういう傾向で努力していることは事実です。先生が 最後に御指摘したように、逆に昇圧剤を前もって使ったらどうかというのも、これは要 するに体力的にリスクの高い人には骨セメント注入前にある程度の昇圧剤を使うという ことも、一応啓もうとしては整形外科学会ではかなり言っております。そういう努力を していますけれども、私もいろいろを分析を見せていただいたのですが、ほとんどの症 例がセメント注入直後に起きているというのは、やはりモノマーが血中に流出している のではないかと思うのです。ですからもう一つ我々として、整形外科の立場でお話しし ていいのか分からないのですけれども、使用テクニックのところをもう一工夫すると頻 度が減るのではないかと思います。私自身30年ぐらいずっと使っていますけれども、か なりリスクが高い人にやっているにもかかわらず血圧が下がることはありますが、生命 予後に影響したのはなく、逆にうまく使えばいいものなので、会の方からもやはり整形 外科学会に出していただければいいと思うのですけれども、この会とは別に我々整形外 科の立場として再度使用の仕方の最終の詰めというのをすべきだと思うのです。なぜか というと、これは実はほどほどの固さにならないうちに入れるタイプの症例だと思うの です。ですからモノマーが血中に移行しているというのがあるので、その辺のところも 再度専門医を目指すという形のところではトレーニングが必要だと思っております。で すからこういうレポートは日整会の方にも来ているので、努力はしております。 ○笠貫部会長 そうしますと、代替品がないため使わざるを得ないことと高齢者でも85 歳以上の超高齢者といいますが、3分の1がそうなのですね。そうしますと安全対策と しては先生が御指摘のモノマーが血中に流れないようにというより安全な使い方を是非 学会の方で徹底していただきたいと思います。それからこういった代替品のない、リス クを伴う場合の頻度については学会で確認するのでしょうか。 ○勝呂委員 本邦では大体20万パックぐらい使われているはずだったと思うのですけ れども、ちょっと忘れてしまいましたが、一つの症例に大体二つぐらい使うので、日本 で股関節、人工骨頭併せて7〜8万件毎年行われているのです。その中のこれぐらいの 頻度という形でいくと頻度としては非常に低いので、私の個人的な印象ですけれども、 もう少し努力すれば半減がもう少し可能ではないかなというのが印象なので、努力する 価値はあると思うのです。 ○笠貫部会長 そうしますとそういった避け難いものと避けられるものとが含まれると しても、頻度が少ないけれども、インフォームド・コンセントの方で説明していただく ことが必要かなと思うのですが、その点について事務局から何か加えることはございま すでしょうか。 ○安全対策課長 勝呂先生のお答えに尽きているのではなかろうかと思いますし、また 部会長代理からも御発言いただきましたとおり、私どもが既に分かっているようなこと で不幸な事態が起きるのをできるだけ避けたい。そのためにはいろいろな努力を積み重 ねていきたいというふうに考えているところでございます。そういう面から申し上げま すと、また勝呂委員にお世話になって学会との間もつないでいただいて、私どもからも 学会にまたアプローチをしていきたいというふうに考えております。よろしくお願いい たします。 ○笠貫部会長 ほかにはございますでしょうか。どうぞ、お願いいたします。 ○外部会長代理 今、勝呂先生が言われましたように、35年間かなりの症例の手術をや っても起きない。ある先生方ではまず心配ない先生方がおられるし、そういうときには ほとんど起きないのです。ただこうして事例が出てくると、やはり何かそこに違いがあ るのだろうと私は思うのです。器具の持っている危険性と、腕でカバーできる分、ある いはよく分かっている部分と。そのことをやはり学会としてもそうでしょうけれども、 モノマーのことなどももう少しはっきりした形で、使用中にはこういう危険度がこうい う段階で、あるいは何秒後こういう状態の柔らかさになったときには起きる確率が非常 に少なくなるのだと。そういうことで徹底していただければ、この頻度は減っていくの だろうというふうに私は思います。ですから器具の持っている危険性はある程度あるけ れども、そのことをやはり熟知すると。使用者がやはりその情報をかなり徹底していく べきだなというふうに思っています。 ○勝呂委員 御指摘のようにいわゆる人工関節センターではないですけれども、そうい うところでは皆無に近いというふうに考えていいと思います。高齢者がいろいろな事情 で転倒して入る先という面もあるので、そういう社会的なバックもあると思うのですけ れども、この問題というのはもう30年以上昔に動物実験を再三やったのです。世の中か ら消滅していて、それでまた最近話題になって出てきたという形で、基礎実験はもう30 年以上前にされていて既にデータがあるので、もう一度それの周知をすると。それから 僭越ながらもし各セメントメーカーには昔ベーシックなセメントテクニックのセミナー のようなものがずっとあったのです。そういうことをやって数が減ってまたそういうこ とがなくなってしまったということもあるので、定期的にそういったセミナーなども一 つの手かと思います。その辺のところも、日本整形外科学会の医療安全委員会というと ころに私の方からまた話させていただきたいと思います。 ○笠貫部会長 井部委員、どうぞ。 ○井部委員 資料1-3の携帯電話端末の影響についてですが、一般に病院に入ると携帯 電話使用禁止というところが多いように思います。この報告を見る限りはある一定の条 件は距離とか、それからほかにも精密機器があるかもしれないのでそういうところは使 えないと思いますけれども、一律に携帯電話禁止というのは余り科学的ではないのでは ないかと思っています。なぜかといいますと、ベッドの上での生活を強いられる人にと って外とつながるということはとても重要なことであり、携帯電話で話ができるかとい うのは大切と思います。こういうところは病院の中でも携帯電話が大丈夫だというよう な提案をもう少し積極的にしてもいいのではないかと思うのですけれども、その点に関 してはいかがでしょうか。 ○事務局 携帯電話自体がそもそも常にユーザーが携帯しているものとして想定され、 動けない患者だけではなくて基本的に移動可能な方が持っていて、病院の中で仮に解除 してしまった場合に、医政局と相談する必要はあるのですけれども、そういった不特定 多数の人が、どういった形でペースメーカ植込み患者に近づいていくのか分からないと いうところがございます。その部分については確かに患者さんの電話を掛ける権利とい うものはあるのかもしれないのですが、御理解いただけたらと考えております。 ○笠貫部会長 この携帯電話の場合にはペースメーカだけということでなくて、病院の 中で使われています人工呼吸器、あるいは自動注入器とか種々の電波の影響を受けるも のがたくさんあるということもありまして、病院というものは厳しくされているのだと 思うのですが、これについては一つのガイドラインがございます。病院の中での携帯電 話と日常生活の中での携帯電話とペースメーカの関係ですけれども、病院にはたくさん の医療機器があって、それに携帯電話がどのように影響するかという観点から決められ ているのだろうと思います。中村委員、どうぞ。 ○中村委員 患者さんのコミュニケーションの権利というのは大切だと思うのですけれ ども、聖路加病院は全室個室だと思うのですが、病院で携帯電話を禁止しているのはや かましいというか、そういうことがあって禁止していることもかなりの部分ではないか なと思います。現場にいる者としては電波の安全という以前に、マナーというか静かに 静養するという意味が強いのではないかなと思います。 ○松谷委員 今多くの病院では絶対使ってはいけないところ、フリーに使っていいとこ ろ、それから動かないでメールだけならいいとかいろいろな細かいことを注意して、そ ういうことで大体区分けする傾向になっていると思いますので、大丈夫だと思います。 それはいろいろ科学的なことを根拠としまして。そういうガイドライン的なものが、ど このガイドラインかちょっと忘れましたけれども、そういう指導といいますか、病院の 機能に関する教育のものがありまして、そういうことで区別してなるべく患者さんの便 宜性を大切にしようという動きになっています。 ○笠貫部会長 どうぞ。 ○澤委員 先ほどの骨セメントですが、報告者が企業というのが大部分なのです。やは りこれは予後が極めて悪かった、死亡例が多いわけですので、医療機関からこの資料の 提出を求めるということをすべきではないかなと思います。これは骨セメントに限らず、 医療機器によるいろいろな不具合事象というものをもう少し医療機関側から提出させる という努力をしないとよくないというふうに思いますので、是非御検討いただきたいと 思います。 ○事務局 その点については、こちらも積極的に努力してまいりたいと思います。 ○勝呂委員 実はそれに関しまして、基本的には厚生労働省側に不具合情報のホームペ ージがありましてそこに載せてきてくる形になっているのですけれども、実態として企 業が報告していますが、その報告に当たるのはほとんど医師が関与しているという形で す。今私たちの方で埋込み型インプラントなどの調査をしているので、ここ数年の部分 がまたきちんと出てくるのではないかと思います。それは企業ではなくて一応全国の整 形外科医を対象にこういうものをやっているので、ちょっと時間を頂ければ今度医師側 からの報告が出てくるのではないかと思います。 ○安全対策課長 一般論でお答え申し上げますと、平成15年の薬事法改正におきまして こういった不具合あるいは副作用の報告を医療関係者から厚生労働省に直接頂くという のを条文の中で明示させていただいたところでございます。それを承りまして、ポスタ ーやカレンダーを作るということもやりましたし、年1、2回そういったものを医師会 の御協力も得て配らせていただくということをしているところでございます。また非常 にお忙しいわけでございますから、より簡便な報告ということで電子的に報告いただく システムもつい最近稼働を始めたところでございます。  そういったもろもろの努力をしているところでございますが、現場のお医者さんから 見ると、今、勝呂先生がおっしゃったように企業を通じた報告というのも選択肢として ないわけではございませんから、そういう意味でいずれから来ても直接我々が総体的に つかまえる体制を構築するということが重要なのだろうということで、努力をやらせて いただいているところでございます。今後ともまたいろいろなやり方をアドバイスいた だければ有り難いと思っております。 ○笠貫部会長 そのほかにはございませんでしょうか。どうぞ。 ○酒井委員 資料1-3のRFIDのことですけれども、今回調査されているのが125kHz 帯で到達距離が約10cmぐらいと言われています。また135MHzが約50cmぐらい、2.4GHz が約2mぐらいと言われています。私がお聞きしたいのは、今回14cmでRFIDが引っ 掛かったのはどの周波数帯かというところなのですけれども、先ほど述べた以外に300 〜900MHzぐらいの新しいUHF電波方式もあり、一番物流目的で5mぐらい到達するよ うなものもキャリアを作られている現状にあります。  まずこの14cmについてがどの周波数帯に合っているのかということと、そういう周波 数別にどれが一番危ないかということを明確にした方がやはり分かりやすい。全体とし ては分かるのですけれども、何が一番影響しているのかというところであります。特に 工場のような広いところでは、そこにペースメーカを持って働いている人などは影響を 受けやすいのかなという推測ではありますけれども、ここでお答えいただければと思い ます。 ○事務局 周波数帯について今手持ちのデータがございませんので、お調べして後でお 答えしたいと思います。周知の方法として、周波数帯の区分けも含めて周知すべきかど うかの点についても総務省が中心となってやっているものですから、そこについても関 係省庁と相談しながらやらせていただければと思います。 ○笠貫部会長 私はこのペースメーカ分科会に関係しておりまして、すべてのタイプと 周波数の検討はしております。一番悪いものについて14cmで出たとすれば携帯電話とペ ースメーカの22cmと同じように、機種によって違いがある場合には一番悪いものに対し ての安全域を見てガイドラインを作るという趣旨で出されています。細かいことについ てはある程度報告書の方に出ると思いますので、読んでいただけたらというふうに思い ます。  私から一つ、Cypherステントのチクロピジンについて副作用を大分気にしておりまし た。結果としてこの安全対策を終始徹底したということだと思うのですが、チクロピジ ンについての重篤な副作用が、前年度このCypherが出る前と比べて余り増えていなかっ たということは、成果として大変上がったのだろうと考えております。ちなみに平成15 年7月と平成16年6月と平成16年7月〜平成17年6月まで、販売数もチクロピジンと しては増えていますでしょうか。 ○安全対策課長 正確なデータを持っておりませんけれども、チクロピジン全体の消費 量から申し上げますと、Cypherステントの消費量がそれほどの部分を占めているとも考 えておりませんし、ある面で申し上げますと、これは先発品メーカのデータでございま すが、後発品の発売の問題であるとか、ただ単純にこう言えるものではないのだろうと 思っております。総体的に申し上げますと、大きく変わったことはないというふうに聞 いています。 ○笠貫部会長 そういう意味でもこのチクロピジンの安全対策については是非続けてい ただきたいと思いますし、先ほどの転院したときのことを心配されていたわけですけれ ども、患者の同意が得られなくて収集できなかったということは、患者さんにもチクロ ピジンの安全性を十分インフォームした上で、できるだけ転院についての協力も得られ るようにしていただけたらと思います。  特に意見がございませんでしたら次の議題2に移りたいと思います。事務局の方から 御説明をお願いいたします。 ── 小柳委員退席 ── ○安全対策課長 申し訳ありません。議題2に入る前に、先ほどの佐伯委員の最初の御 質問、すなわちペースメーカで「本品」と「本体」と言い分けしていることについてお 答えさせていただきます。  担当から聞いておりますところで申し上げますと、ペースメーカがあって、これにリ ード線がくっついた状態、すなわち製品全体としてを「本品」と言っていると。それに 比べてこのペースメーカそのものを「本体」と言っていると。リード線の部分と外した 部分、すなわち今回の事例で申し上げますと、携帯電話とかあるいはCTとかとの関係 で問題となるのは、いわゆるペースメーカそのものの部分、本体部分でございますから そこを「本体」と言い、全体を「本品」と言っているということで御理解願えれば幸い でございます。ただ、一般になかなか分かりにくい用語であるのも事実でございますか ら、今後このようなことをする際には何かの注意をしたいと思っております。ありがと うございました。では議題2の説明をさせていただきます。 ○事務局 それでは資料2-1でございます。薬事法77条4の4の規定に基づく薬事・食 品衛生審議会への不具合・感染症報告についてということでございます。こちらでござ いますけれども、前回6月に報告されたものは昨年のものだったのですが、平成17年4 月1日〜平成17年11月30日までの報告受付分ということで、今回は締めさせていただ きます。不具合・感染症報告につきましては国内、国外併せて7,649件。それから外国 措置報告、例えば外国でリコールがあったとかそういった措置報告が300件。それから 研究報告につきましては33件ございました。また一方で医療関係者からの医療機器不具 合等報告ということで、こちらの方が290件でございます。資料2-2以降でございます が、資料2-2に医療機器不具合等報告のリスト、資料2-3に医療機器外国措置報告のリ スト、それから資料2-4に研究報告という形でお示しさせていただいております。以上 でございます。 ○笠貫部会長 どうもありがとうございます。それではただいまの御説明に御質問等は ございますでしょうか。 ○事務局 一点オプチペンプロという10本に1本程度壊れるということで、ここ数年間 対策を講じてまいりました。こちらにつきましてはメーカーを指導いたしまして、昨年 の6月6日から8月末までの間に、改良品に切替えということでオプチペンプロ1につ いては供給を停止しております。その代わりに新型のオプチクリックというもの、オプ チペンプロ1で不良を起こした部分について改良させまして、その改良品を供給してい るところです。昨年4月からの分を全部拾っていますので、一見やはり件数が減ってい ないのではないかと思われるかもしれませんが、オプチペンプロ1については供給を停 止されている状況でございますので、来年の報告以降徐々に減っていくことになろうか と思います。ただし海外でまだ使われているらしく、海外報告分については引き続き報 告されてきます。 ○安全対策課長 追加して説明させていただきますと、ページ数が振っていなくて恐縮 でございますが、資料2-1の最後の紙を御覧いただきたいと思います。医療機器不具合 等報告についてということで、昨年の4月から11月末までの状況をまとめたものでござ いますが、ここの不具合・感染症報告を見ますと7,649件となっております。大体年に 5,000件程度が従来のペースでございますから、そういう点から申し上げますと、まだ 4か月を残した時点で7,600件というのが非常に大きい数字であるわけでございます。 この原因が何に由来するかという点を説明したのが先ほどの担当の話でございまして、 オプチペンプロうちこの製品だけでどうも年間10,000件程度報告が出てきていると。も ちろんこれにつきましては、先ほど申し上げましたとおり昨年の8月31日をもって機器 及び医薬品部分のカートリッジは供給が停止されたわけでございますので、そういう意 味から申し上げますと対応はとられたということが言えるのだろうと思いますが、その オプチペンプロ1によるものでございます。  具体的に申し上げますと、資料2-2を見ていただきますと最初にオプチクリックがず らっと並んで、2ページの下の方からオプチペンプロ1というのが並んでいるわけでご ざいます。これが今申し上げたところでございます。更に加えますと、1ページのオプ チクリックにつきましても改善がなされまして、たしか昨年の暮れから新しい製品が出 回っているところでございます。そういう面から申し上げますと、こういった糖尿病の インスリンのカートリッジの問題等についても少しずつ改善してきているということ を、この件数の増加と併せまして御報告させていただきたいと思います。よろしくお願 いいたします。 ○笠貫部会長 ありがとうございます。ほかにございますでしょうか。どうぞ。 ○澤委員 資料2-2の12ページでハイドロヴュー眼内レンズがございますが、前回の部 会でも確認させていただきましたけれども、すべて新しいガスケットに替えた製品はこ の中には含まれないということになるのでしょうか。 ○事務局 含まれてございません。 ○澤委員 ではそれ以前のものばかりですか。 ○事務局 古いタイプのものでございます。 ○澤委員 では問題ないですね。ありがとうございました。 ○笠貫部会長 ほかにございますでしょうか。佐藤委員、どうぞ。 ○佐藤委員 これは事務局へのお願いで恐縮なのですけれども、このリストは一般的名 称の50音順に並んでいまして、ある意味では医療機器の分類別にはなかなか見づらいと ころがあるので、できれば別の医療機器のコード番号がありますね。あの順番に並べて いただけると、例えば整形外科のところはそこにまとまって見られて、見る者としては 非常に助かりますので、できればそういうふうにお願いできないかなと思います。注文 ばかりで申し訳ありません。 ○佐伯委員 似たようなことなのですけれども、例えば先ほどありましたオプチペンの ようにその後どうなったかという、今もう出荷停止していますとか、何か改善中である とかそういうのも備考欄のようなところに入れていただくとより分かりやすいかと思い ます。 ○安全対策課長 いずれも次回以降工夫してみたいと思います。 ○笠貫部会長 お願いいたします。どうぞ。 ○土屋(利)委員 このインスリンペン型注入器につきましては前回から不具合報告数が 多いものですから、私も関連する業者3社を呼びまして、この注入器の承認審査の基準 作りの上でも重要なところですので、新しい基準作りにおいては注入量が一定しない等 を防ぐために必要な方策を盛り込んだ基準案作りを指導したところです。 ○笠貫部会長 ありがとうございました。ほかにはございますでしょうか。佐藤委員、 お願いします。 ○佐藤委員 引き続きで恐縮です。昨年の11月でしたか、こういう審議会でこれだけの 立派な資料を作っていただいているわけですけれども、総合機構からそれ以外にもうち ょっと詳しい、例えば機器の使用状況だとか、そういうものを医薬品と併せて過去にさ かのぼって公表するというような新聞報道がありました。それが今月からということに なっていましたが、その後どうなっているのかをちょっと教えていただけたら有り難い と思います。 ○安全管理監 医薬品医療機器総合機構ですが、今御質問があった中の医薬品にかかわ る副作用報告の部分と、それから医療機器にかかわる部分についてちょっと御説明申し 上げたいと思います。  医薬品の副作用報告について、平成16年度報告分から順次患者の年齢階層あるいは原 疾患、副作用等々についてラインリストの形でもってホームページに掲載し、関係の製 薬企業、医療関係者、その他多くの国民の方々がそれを閲覧できるという準備を進めて おります。情報を整備されたものから順次掲載していきますので、一度にというわけに はまいりませんけれども、一応予定としてはこの1月末から順次少しずつでも掲載して いきたいと思っております。  また、医療機器の不具合報告につきましても情報が整備されたものについて、一般的 名称あるいは不具合の状況、健康被害状況、そういったものを機構のホームページに提 供するということをできればこの3月末から、逐次やはり医療関係者あるいは企業、広 く国民に閲覧できるような形でもって作業を進めていきたいと思っております。 ○笠貫部会長 ほかにございますでしょうか。外委員、どうぞ。 ○外部会長代理 このように医療機器の不具合報告が出てきているわけですけれども、 この中でどういうふうに分析をやったのか。これからやろうとしているのか。そしてそ れからどういう対策が打てるかということなのですが、例えばやはりこうして見ますと 死亡例とか重篤な結果に至った症例に関しては非常に気になるところなのです。例えば やはり生命維持に関する機器というのは非常に重要で、除細動器、自動除細動器が今全 国のあちこちで使われるようになったと。それによって非常に助かったという方もおら れるわけですけれども、これを見ると何例かが作動しなかった、それによって死亡した というようなことがぱっと見ただけでも数人ぐらいいるように思うのです。それに対し てはどういうふうに手を打ってきたのか。あるいはまだ症例としてはこれぐらいなので これからその機器の不具合というのではないのでしょうけれども、いろいろな条件、今 の状況でこういうことになったのでしょうが、やはりこうやって報告されてきたからに は、私は一人一人が貴重な何かを発信しているのだと思うのです。そういうところを是 非酌み取って行かなければいけないのだろうと思うのですけれども、これについてはい かがなのでしょうか。 ○安全対策課長 まず一般論でお答えさせていただきたいと思います。こういった不具 合報告あるいは医薬品ですと副作用報告が毎日来るわけでございます。4月〜11月まで オプチクリックの問題で膨らんでいるとは申し上げても、大体年間医療機器で5,000件、 医薬品で25,000件ほど今報告されております。企業から医薬品機構に来る、医療機関か ら厚生労働省に来る、これをお互いが共有し合って重篤な例については即座に検討し、 一週間まとめた段階ではそれぞれの担当官が集まって検討し、少しおかしいなというよ うなものについては有識者の先生、部会の先生はもちろんでございますが、御相談し、 それで日々の対策を打ってきていると。今回打った主なものについて先ほど議題1のと ころで報告させていただきましたし、それ以外のより詳細なものにつきましては安全性 情報の使用上の注意の改訂という形で一般にお知らせしているというような体制になっ ているわけでございます。  また、本日の会議の最後のところで御相談、御報告申し上げることにしておりますけ れども、より緊急な事態が起きたときにこの部会の先生方全員にお集まりいただくとい うのもなかなか各分野の問題もございますから、緊急対応のために調査会を新たに作っ て、問題が起きたときにその分野の専門の先生方に集まっていただくというような対応 もとっていきたいというふうに考えているところでございます。  一般的に申し上げますとそのような形でやってきているところでございまして、そう いう意味から申し上げますと、部会の先生方それぞれお忙しい中、これについてちょっ と教えてください、あれについて教えてくださいというお頼みをしているわけでござい ますけれども、今後とも御協力をよろしくお願いしたいと思います。AEDの問題につ いて担当の方からお答えさせていただきます。 ○事務局 御指摘のありましたAEDでございます。恐らくレールダルの関係のものだ と思いますけれども、これは4月にクラスI回収をやっておりまして、オーストラリア、 アイルランドでそれぞれ3件、2件と死亡症例が出たことを受けて世界的に回収の措置 をとってございます。日本についてもこれと同一の素材を持ったケーブルについてはす べて回収という措置をとってございます。  それからその後もばらばらと来ているものについて、なぜこういったことが起きてい るのかというのを確認しましたところ、例えば事前の定期チェックを行っていないため に切れているのが発見できなかったといったことがございましたので、それについても マニュアルを作らせ、その中で事前のチェック体制をユーザーの方でしっかりと組んで もらうようにという注意喚起を行っております。 ○外部会長代理 ありがとうございます。あと一点だけ、例えば13ページの365番なの ですけれども、まだ1例しか挙がってきていない。ただ麻酔学会等ではちらほら発表が 出てきているものですから、これからちょっと注目していただきたいのですけれども、 空気圧式のマッサージ器というのが肺塞栓予防で広く使われております。日常的に手術 室や病棟で使われているものだと思います。それのはっきりした検討というのはまだ出 ていないかもしれませんが、コンパートメント症候群が発生したという報告がこれに出 てきておりまして、学会等でまだペーパーというわけではなくても発表レベルでちらほ ら出てきておりますので、この点については注目していって、やはり予防的に使う道具 が患者にそういう重篤な有害事象を起こしているということですので問題になる可能性 はあると思います。よろしくお願いします。 ○笠貫部会長 先ほどの自動除細動器AEDですが、この事前チェックが十分ではなか ったということは大事な問題だと思うのです。病院の医療機器は病院の臨床工学技士が チェックします。一般のところに置いてあるAEDに関して、どこがどう責任を持って 定期的なチェックをするかというガイドラインです。AEDについては、一つはいかに 一般の人たちに啓発、研修を受けるかということと、それからAEDの機械をどう維持、 管理しますかというもう一つの観点からいうと、非常に大事な問題かなと思ったのです が、この点についてはこれからどういうふうにお考えでしょうか。 ○安全対策課長 申し訳ございません。AEDの使用につきましては御存じかと思いま すけれども、医政局の方でいわゆる医療行為との関係、整理という観点から検討が続け られてきたところでございます。また、その検討の中で使う方々の研修等にも力を入れ ていこうというようなことがまとめられたことは承知しておりますが、今具体的に御指 摘の、では管理責任というのはだれに発生するのかと。厚生労働省のビルの中にも1階 にございますが、あの管理責任は厚生労働大臣にあるのか、だれにあるのかという点に つきましてちょっと勉強不足で申し訳ございません。至急資料を取り寄せ、部会の先生 方にまた御報告させていただきたいと思います。恐縮でございます。 ○笠貫部会長 先ほどペースメーカの本体、本品の話が出たのですが、ここで最近目立 つのは本体よりもリードトラブルです。断線、リード不全についてどのようにか整理は されているのでしょうか。ペースメーカ本体ではなくて、ペースメーカのリードの断線、 リード不全というものについては何か傾向があるということはございませんでしょう か。 ○事務局 私どもの方で既にリードの取扱い等については添付文書で注意喚起をさせて いるのですが、やはり長期留置例などで何度も折り曲がるような動作が起きる、リード がちょうど体の可動域に当たるような部分についてよく切れるであるとか、そういった 傾向については把握してございます。これについては既に注意喚起はしてございます。 ○笠貫部会長 ありがとうございます。ほかにはございませんでしょうか。どうぞ。 ○目黒委員 ちょっと気になったのですけれども、10ページの279番のIABP、大動 脈バルーンカテーテルです。これは件数としては10と突出して多いような気がしている のですが、何かメーカーの方に対応、対策等はしているのでしょうか。私も実は以前こ のメーカーのものを使っていて、変えてからほぼ起きなくなったので非常に気になって いるところなのですけれども。 ○事務局 こちらにつきましてはバルーンパンピングするときの場所にもよるのですけ れども、例えばきれいな血管であれば問題ないのですが、バルーンパンピングする部位 に病変などがあるようなところで使用しますと、そういったことが原因で割れるという ことは知られています。先生が特にこのメーカーに限ってというお話であればちょっと お教えいただければと思いますけれども、ただ私どもの方で把握しているものについて は病変のところでバルーンに患者の硬い部分が当たるであるとか、そういったものにつ いては把握してございます。 ○目黒委員 他メーカーが余り少ないのにここのところが多いということもあって、実 は私はこの委員会に一番最初に来たころにこのメーカーのバルーンをかなり使っていた のですけれども、比較的多いなという気がしていたものですから。本数も多分出ている とは思うのですけれども、これはラプチャーすると非常に大変なので、血栓形成、抜い てまた入れるというのも非常に大変なテクニック、労力も要するし、患者さんに負担も 掛かることですので、ちょっと多いのでメーカーの方に確認を取っていただければいい かなというふうな気がします。 ○事務局 分かりました。 ○笠貫部会長 それではございませんようでしたら、次の議題3に移らせていただきた いと思います。事務局の方から御説明をお願いいたします。 ○事務局 続きましてお手元の資料3-1と3-2に基づき、御説明させていただきます。 薬事法第68条の8に基づく医療機器の感染症定期報告の状況について御報告させてい ただきます。  まず資料3-1、横長のものでございますけれども、感染症定期報告の状況でございま す。期間は平成17年4月1日〜平成17年11月30日まで生物由来製品の販売業者等か ら報告された感染症定期報告のうち、文献の調査につきまして報告順に表にして並べた ものでございます。合計で44件の報告が寄せられております。この報告を同一文献ごと、 また感染症ごとに整理し、重複等をまとめたものが資料3-2の報告文献別一覧表でござ います。今回も資料3-2のこちらの一覧表に基づきまして、概要を御説明させていただ きます。  今回の報告でおよそ20の感染症に関する文献等が提出されております。文献が提出さ れた主な感染症でございますが、前回に引き続きまして1ページのE型肝炎、またトリ インフルエンザウイルス関連が2ページ、3ページと続いております。4ページではB SEやクロイツフェルト・ヤコブ病関連、5ページではブタ連鎖球菌などになっており ます。これらの論文につきましては事前評価委員であります先生方に御確認いただき、 国立感染症研究所の倉田委員と御相談しながら研究所の先生方にコメントをお願いする など、措置を講ずる必要性を含め御意見を頂いております。本委員会におきまして一通 り感染症については御検討いただいたところでございますけれども、今回の文献等につ いて主なものを御紹介させていただきます。  まず資料の1ページでございますが、前回に引き続きE型肝炎に関する論文がござい ます。また10番以降でございますけれども、トリインフルエンザウイルスに関する各国 からの報告等がなされております。3ページの36番ではWHOにおけるインフルエンザ 流行に対する準備計画について、そのほか37番以降で各国の流行などの報告がなされて おります。いずれにしても我が国の各製品についてはウイルス不活化工程がございます。 これらの感染症に関する安全性は確保されていると考えております。続きまして50番で ございますが、エボラなどのウイルスに対するワクチンの開発。4ページの55番ではウ エストナイルウイルスのワクチン開発などが報告されております。また61番ではコロナ ウイルス、SARSウイルスの関係でACE阻害剤の関係の報告。5ページでは72番以 降で中国におけるブタ連鎖球菌感染について報告が寄せられております。  これらの概要につきまして倉田委員、甲斐委員、山口委員にも御覧いただいたところ、 海外の流行に関する報告、また製品の製造工程における病原体の不活化工程などを踏ま えると、緊急の措置を講ずる必要はないが、今後とも報告者は情報収集に努めるように ということでございました。追加の御発言等がございましたら、またよろしくお願いし たいと思います。事務局からの説明は以上でございます。 ○笠貫部会長 どうもありがとうございます。それでは事前評価委員でいらっしゃいま す倉田先生、甲斐先生の方から何か御意見がございましたらお願いいたします。 ○倉田委員 ただいま事務局から説明がありましたように、結論はそういうことです。 ほかの一般医薬品と同じように報告集の文献の方を全部頂いておりまして、それを我々 部長、室長、50人ぐらいにこれで大体全部カバーできていますけれども、そのまま送っ て全部見て、特別のコメントがあれば、コメントということはこれは製剤として物が出 てくる場合に、機器としてもその場合に何か問題があるかという観点から読むというふ うにして、結論としては事務局の説明で別に問題はなかろうと。ただ、これは会社はず っと必要とすることがあろうということでありまして、いつどういう格好で変なものが 紛れ込むか分からないという観点で、こちらは勉強させられている面もございますから、 非常にいい資料があって今後も検討を続けたいということであります。以上です。 ○山口委員 今倉田先生がおっしゃったように、病原体を含む原材料が使われていると いうことではなくて、感染症に関する情報を共有しながら医療機器に関する安全対策を 講じていくということで、今最初に事務局の報告がありましたように、ここに関して今 回の報告で特に問題のあるようなものはないというふうに考えられます。  ただ一点だけ、2番の文献でE型肝炎については最近よく報告があるのですけれども、 E型肝炎は最近人獣共通感染症だというようなことが言われているのですが、人獣共通 感染症としては遺伝子型3、4のみが考えられるという報告がここでされております。 国内で輸血等で感染が報告されているのがE型肝炎で食肉等を通じたものであることか ら、これは非常に注目すべき報告だなというふうに考えております。私の方からは以上 です。 ○笠貫部会長 ありがとうございます。甲斐委員、お願いいたします。 ○甲斐委員 事務局から説明がございました感染症定期報告についてですけれども、今 回は事務局のおっしゃるとおり目立って措置が必要な報告は見当たらなかったと思いま す。海外での人獣共通感染症の発生や流行を報告した論文もございましたが、今後も引 き続き情報収集に努めていただければというふうに思います。あとは事務局からの説明 で今回はよろしいと思います。 ○笠貫部会長 それではただいまの御説明、コメントに対して御質問はございますでし ょうか。特にございませんでしたら、今日予定しておりました報告事項はこれで終了に なりますけれども、議題1、2を通しまして御意見がございましたらお願いします。井 部委員、どうぞ。 ○井部委員 最初の議題なのですけれども、これは個人的な関心なのですが、試験をす るように、自己点検をするようにというのが資料1-1でしたけれども、ワイヤレスキー システムが植込み型ペースメーカの作動状況に及ぼす影響の試験は、どのような試験を されるのかちょっと教えていただきたいのですが。 ○事務局 試験設計につきましては総務省がやっている携帯電話と電波の試験設計に準 じまして、それと同じような形でやっております。車の方から電波を発信する部位が床 の部分であるとか、後ろのリヤの部分であるとか数か所あるのですが、そこを発信源と してそれから4π方向にペースメーカを配置して、なおかつ人体に入ったときの効果を 勘案して水等を満たした人体モデルを作っているのですが、そういったものを設置して、 総務省の実験と方法に準じて実施しています。 ○井部委員 つまり本物の人間は使っていないということですね。 ○事務局 モデルでございます。 ○井部委員 ありがとうございます。 ○笠貫部会長 ほかに御質問等はございますか。どうぞ。 ○目黒委員 先ほどちょっと気になったのですが、資料1-4の磁気共鳴、MRIのこと です。この文面でいくと多分金属製のものがあるときに何か影響が出るということなの ですけれども、記憶が定かではないのですが、前に心電図用の電極リードというのがあ りまして、それは金属でなくて最近はカーボンファイバーを使うことがあるのです。そ れをぐるぐる巻いて置いておいた場合に、要するにちょうどコイルに電流が発生してや けどを起こすのではないかという懸念があった、あるいはあったという事例があったか と思うのですが、もし注意喚起するようであれば前の事例があれば一応調べていただい て、そこを念頭に置いた文章を書いた方がいいのではないかと。医療現場でやはりそう いうことが結構多いものですから、それも調べていただければと思います。 ○事務局 事実関係を確認した上で御相談したいと思います。 ○笠貫部会長 ほかにはございませんでしょうか。佐伯委員、どうぞ。 ○佐伯委員 資料1-7のステントについて、この手術を受ける方はかなりいらっしゃる と思うのですけれども、受けた後は恐らく割と短期間で御自宅に帰られるということに なると、かかりつけ医と病院との本当の連携というのが必要になってくるだろうと思う のです。退院時に必ずその方がかかるかかりつけ医が、処方とかそういう今後の安全管 理のようなことまで全部分かった上できちんと引き受けていただきたいなと思います し、かかりつけ薬局というのもその地域にその方が処方せんを持っていくということに なればきちんと守っていただきたいという気がしますので、医政局の方でやっている医 療連携ということも絡めて、今後こういうことを重点的にお願いしたいなというふうに 思いました。 ○安全対策課長 委員が御指摘のとおりだろうと考えております。特にこの件につきま しては医療機関と医療機関の連携、あるいは医療機関と企業を仲介した連携、医療機関、 企業、医療機関という形の連携をどのような形でとっていくかというのが一つの問題の 所在だったのだろうというふうに考えているところでございます。現在までのところ、 先ほど部会長からも発言がございましたとおり、ある面で行くと適正にと申しますか、 的確にやっていただいているのだというふうに考えております。今後手抜かりがないよ うに、引き続き努めていきたいと考えております。 ○笠貫部会長 ほかにございますでしょうか。それでは最後にその他を残しておりまし たので、その御報告をお願いしたいと思います。 ○安全対策課長 まず資料4-1に基づきまして、調査会の設置について御報告を申し上 げます。用紙をめくっていただきますと、医薬品等安全対策部会とこの医療機器安全対 策部会の両部会に調査会なるものを設置させていただいたところでございます。具体的 に申し上げますと、薬事分科会規程第4条の規定というものがございまして、部会の中 に調査会を作ることができるという規定がございます。先ほどちょっと申し上げました けれども、緊急の案件で部会の先生方の御意見をお聞きするというときに、この部会自 体は非常に多くの専門の分野から先生方においでいただいているわけでございます。一 方仮に起きると考えますと、何か起きた場合にいろいろな分野の先生方にお集まりいた だくというのも、効率の面から申し上げますとなかなか御無理を申し上げることができ ないということから、このような調査会を作るということで分科会長、部会長の御了解 を頂いたところでございます。  具体的には部会長の笠貫先生、部会長代理の外先生のほかに土屋先生と目黒先生の4 人にまず入っていただいて、その時々の案件に応じて部会の先生はもちろん、部会に入 っておられない先生方にも参考人で来ていただいて運用していくということを考えてい るところでございます。そういう点から申し上げますと、今何かあってこのようなこと をやっているわけではございませんが、今後緊急に先生方の御意見を聞くということに なりますとこの調査会を開催させていただきます。それも通常の時間ではなくて、朝早 くとか夜遅くとか、土曜とか日曜とかというようなことも事態によっては考えられると ころでございますので、御協力をよろしくお願いしたいと思っております。  もう一つ、資料4-2に基づきましてアスベストを含有する医薬品・医療機器等につい て、担当の方から御報告させていただきます。 ○事務局 それでは資料4-2でございます。アスベストを含有する医薬品・医療機器等 の実態把握調査の結果についてでございます。1枚めくっていただきますと冒頭の部分 に概要がございます。薬事法に基づく医薬品、医薬部外品、化粧品及び医療機器を対象 に、石綿を含有する製品の製造販売の実態についての調査を実施いたしました。その結 果、69社115製品の製造販売に係る報告がなされまして、すべての製品につき、既に製 造販売が中止されています。なお、これら115製品の使用による石綿の健康被害につい ての報告はございません。またごく少数の例外を除きまして、通常の使用時に石綿の環 境への放出の可能性はないこと等の回答を受けました。さらに、通常の使用時に石綿の 環境への放出の可能性ありと報告された医薬品2社2製品及び医療機器2社2製品につ きましては、そのいずれについても、当該企業から、患者が吸入するおそれはなく、健 康への影響はないと考えられる旨の回答がございました。  これに関する具体的なものにつきましては更に1枚めくっていただきまして、2ペー ジです。医療機器のところになりますが、医療機器2社2製品についてでございますけ れども、(3)のイでございます。株式会社トクヤマデンタルの歯科用鋳造器、それから 次のページの株式会社吉田製作所の歯科用鋳造器で共に歯科用鋳造器でございまして、 これは歯の中に詰める詰め物等を鋳造するものです。当該鋳造器につきましては専ら歯 科技工士等が使用するものであって、患者の治療等に直接使用するものではございませ ん。したがって、本品使用により患者が石綿に暴露される影響はないと考えられるとこ ろでございます。  調査結果につきましては、こちらの冊子の後ろの方にリスト化してございまして、特 に御関心があろうというところは今のところだろうと思います。以上でございます。 ○笠貫部会長 ただいまの御報告に御質問等はございますでしょうか。 ○酒井委員 別件でちょっと御相談したいことがあります。昨年の6月から添付文書に ついては今電子媒体でインターネットで見られるようになってきているわけですが、私 は最初のベータ版からずっとかかわっておりまして毎月フォローアップしておりました ら、昨年の11月現在で登録企業数が約30社、アイテム数が289アイテムと。これは現 在市販されている企業の件数、アイテム数からすると極めて少ない件数になっておりま す。特に病院の中におきましては医療機器というのが毎回再利用していくものですから、 添付文書がどんどん紛失してしまうという状況の中で、医療スタッフが添付文書を十分 に把握できない状態で使われていくというところは極めて問題であって、そういう環境 の中でいつまでにメーカーの方に協力を依頼するのかということであります。  私はメーカーの方にヒアリングをさせていただきましたら、添付文書の新様式と旧様 式の通知がいつまでにするかが明確になっていないとか、画像自体の重さがFD、いわ ゆるフロッピーのサイズですから、画像をきれいに出そうとすると入らないからかなり 粗い画像になって見にくいというところで、運用してきてからいろいろな使用上の問題 が出てきているようでございます。つきましては、これについては医薬品総合機構の方 で運用されていると思いますので、是非何らかの対応をしていただければ有り難いと思 っております。 ○安全管理監 医薬品医療機器総合機構ですが、昨年の6月から医療機器の添付文書を 電子媒体として企業から頂いて、それをホームページに掲載するという事業を始めてき ましたところ、今御紹介のありましたようになかなか掲載件数が進んでいません。こう いう状況から、医療機器業界に何とか多く、早く掲載できないだろうか、何がネックに なっているのだろうかということをお願いと同時に事情聴取してまいりました。その結 果、大体少し改善状況にございまして、先ほどは290何件とありましたけれども、今月 にはもう500件ということで、ただこれでも少ないのですけれども、その背景としては 今御紹介もありましたが、改正薬事法に対応した添付文書の経過措置期間がこの3月で 一応切れます。この4月以降新たに出荷するものについては、改正薬事法に対応した添 付文書を付けなければならないということが決まっておりますので、そうなりますと3 月中に企業としては新しい添付文書に改訂することも考えられます。その新しい添付文 書を画像情報として作り、掲載していくということで様子見というところもあったので はなかろうかなという感じがいたしますけれども、もう少し何か問題点がないのだろう かということは更に今業界と詰めているところでございます。 ○笠貫部会長 酒井委員、よろしいでしょうか。医療機器の添付文書については是非進 めていただきたいと思います。先ほど安全対策課長の方から、調査会は緊急性というこ とで朝でも夜でも、土曜でも日曜でもという心構えで安全対策部会として医療機器の安 全対策にかかわっていきたいと考えております。皆様の御協力を頂きまして、今日の議 事はこれで終わりにしたいと思います。 ○安全対策課長 どうもありがとうございました。引き続き安全対策のために御協力、 御支援をよろしくお願い申し上げます。ありがとうございました。 ○事務局 次回の部会は6月ごろを予定しておりますけれども、特に早めて審議が必要 になった場合には開催予定が早まるかもしれませんので御承知おきください。6月の具 体的な日程の調整につきましては、委員の先生方の御都合を伺って決めさせていただき たいと思います。本日はどうもありがとうございました。                                    ( 了 )  連絡先: 医薬食品局 安全対策課 課長補佐 渡邊(内線2748)      - 1 -