(2) |
卵子提供に係る経緯について |
(1) |
ファン教授チームに提供された卵子は平成14年11月から平成17年11月までに4つの病院(ミズメディ病院、ハンナ産婦人科病院、漢陽大医科大学産婦人科、サムソン第一病院)で129名から採取した総数2,061個である。 |
(2) |
ファン教授チームに卵子を提供した病院は、漢陽大IRBが承認した同意書様式を使用せず、ほとんど卵子採取による合併症等危険性に対する記述がない略式の同意書を使用した。 |
(3) |
漢陽大IRBは研究計画書の承認の際、卵子採取による合併症等危険性に対する記述が不十分な同意書様式の問題点を指摘しておらず、合併症等危険性を記載した同意書様式とそれに伴う比較的厳格な同意取得手続が適用された例は平成17年1月に2次研究計画変更した後の6名のケースのみである。 |
(4) |
卵子採取機関が同意以前に提供者に採取の危険性に対して充分な説明を行ったかどうか、卵子を採取した人の中から卵巣過剰刺激症候群等で診療を受けた人が何人いるのか、排卵誘導のためのホルモン投与量が適正だったのか等に対しては資料を確保できず、これからさらに正確な調査が必要である。 |
(5) |
1名から最大で43個の卵子が採取され、5名は2回、1名は3回にわたって卵子を提供した場合もある。また、ミズメディ病院では卵子提供者のほとんどに金銭が支給されていた(他の卵子採取機関において実費補償の次元を超える金銭支給があったのか等は把握されなかった)。 |
(6) |
研究員1名による卵子提供は、卵子の不足問題等により実験不振であることに悩んだ研究員が、自身の意思により申し出、ファン教授が承知した上で行われた。また、研究チームは女性研究員に卵子提供に関する同意書を配布し、現研究員7名、前研究員1名から署名を受けた。 |
(7) |
獣医学部IRBはファン教授主導で委員を選定するなど、その構成や運営面において多くの問題点が所在している。 |