05/12/28 社会保障審議会介護給付費分科会第38回議事録 社会保障審議会 第38回介護給付費分科会議事録 1 日時及び場所 : 平成17年12月28日(水) 午前10時30分から12 時まで           霞が関東京会館 ゴールドスタールーム 2 出席委員:井形、池田、井部、漆原、大森、沖藤、神田(代理:浜田参考 人)、喜多、木下、木村、田中(滋)、田中(雅)、対馬、永島、 野中、花井、村川、矢野、横山の各委員 3 議題  (1)介護報酬の改定率等について  (2)その他 ○渡辺認知症対策推進室長より資料の説明。 ○山崎総務課長より資料5の説明。 (大森分科会長)  改定率のうち施設分がプラスマイナスゼロと書かれている。世間は施設分に ついてはほとんど今回は変えないと思っているが、そうではなく施設の中でい ろいろめり張りを効かせるものと理解している。 (渡辺室長)  7月の答申でユニット型と多床室との報酬のバランスということが宿題事 項として残っており、また各施設について重点化すべきところなどの具体的議 論も踏まえて、このプラスマイナスという中でメリハリをつけていくことにな ると思っている。 (木下委員)  施設の中で税金を払う施設とそうでない施設では、再投資の費用という面で は非常に大きな差が出てくるので、考慮してほしい。 (花井委員)  在宅の改定率はマイナス1%と出ていて、在宅中重度を重視してこれからそ こを充実していくという大きな流れの中で、訪問介護サービスが非常に重要な 役割を果たしてくるだろうと思っている。その意味で、訪問介護、ヘルパーに 影響する介護報酬については、上げるのは難しいと思うが、少なくとも現状を 維持するようお願いしたい。  介護予防ケアマネジメントについては、地域包括支援センターが主として行 うことになっているが、地域包括支援センターは他にも総合相談や権利擁護事 業等、非常に重要な役割を担ってくると思う。  地域包括支援センターが権利擁護も含めてさまざまな事業を展開していく ためには、創設当初は財政的な負担はできるだけ軽減した方が事業として展開 しやすいのではないかと思う。  その意味で、介護予防のケアマネジメントに係る介護報酬については、制度 発足当初の要支援の介護報酬の単位を一つの基準として、検討してほしい。 (横山委員)  予算編成の基本方針の中にも、介護報酬について経営実態調査の結果という 項目があるが、問題認識として各事業で会計システムが異なっているというこ と、それから国庫の施設整備の交付金もないということがある。三位一体の改 革で都道府県に裁量がゆだねられる中、国庫補助金の積立ての取崩をこのまま 続けていって、果たして正確な実態を把握することができるのか。  それから、医療の実態調査にならって3月の単月の数値を元にして判断をし ているようであるが、なぜ決算の数値にして調査をしないのかという問題もあ るので、是非見直しをお願いしたい。 (大森分科会長)  では、改定率については承っておき、次に療養病床の将来像について意見を 伺っていきたい。 (野中委員)  療養病床については、医療と介護の関係の中で大きな意味があるので厚生労 働省内で検討してほしいと要望していたが、先ほど何回か議論を行うと言って いたが、次の給付費分科会は1月26日で、そこで報酬が決まるというのに議 論がどうやって行われるのか疑問である。  この問題は施設の中に入っている人のことをどうするかということが一番 大きな問題であり、その問題を真剣に考えるべきである。社会的入院というの は入院している人たちの病態だけで解決できる問題ではなく、医療機関だけの 問題でもないと考えているが、そのことに対する検討が全くされていない。  新聞報道等でも、施設利用している人の健康状態が在宅に帰れる状態だから という結論をしたとされているが、例えば転換しても利用している人の費用負 担がもっとかかるわけだが、それに対する調査を全くせずに、ただ単に費用が かかるからという話では、路頭に迷わせることになりかねない。そういうこと をこんな短い期間で結論を出していいのか。  この問題提起に関しては意味はあると思うが、結論が先に出ている中で議論 をするというのは問題である。病状が安定していて施設に入っている必要がな いというだけで、その人たちを外に追い出すような議論というのは全くおかし い。  今回の介護保険法改正の中でも人間の尊厳という言葉が入ったわけだから、 尊厳ある選択ができるような状況にどうするかというプロセスをもっと検討 してほしいし、その議論を今後どう考えているのか答えてほしい。 (三浦老人保健課長)  現に介護療養型医療施設には多くの患者が入院しており、その入院患者の医 療の必要度や実態について把握しながら進めてきたと認識している。  前回の給付費分科会の審議報告の中にも、現に入院している患者の実態にも 留意しつつという言葉が入ったということで、そうした実態を踏まえて対応し ていく必要があると考えている。  そういう意味で、今回の介護療養型医療施設の取扱いについては、円滑に施 設及び入院患者の移行が図られるように努めていく必要があるという認識を 持っている。 (野中委員)  今回は費用のことばかり言っているが、社会的入院をつくったのはどういう 環境なのかということを検討すべきと思う。社会的入院を現場で見ていると、 やはり本人の病態とともに家族環境や生活環境を把握することが大事であり、 それが尊厳ある選択をできるということだと思う。  現状で起きている問題は小児の救急医療が同じような問題だと思う。小児の 救急は、昼の12時ごろに熱を出した子どもにとって本当に大事なことは、昼 の12時近くに医療機関に連れて行くことである。それがなぜ夜中になるのか ということを考えなければいけない。昼の12時に熱の出た子どもを親が仕事 をしているのに呼び出して病院に連れて行かなければならない事がおかしい。 そのことを解決しないで、ただ単に医療保険の中で解決しようとするから、費 用がかかったり、小児科の医師が燃え尽きてしまうと考えている。  社会としてその人をどう支えるかということを考えていくことは、介護の社 会化と同じように子育ての社会化という部分の中で地域の助け合い等をもっ と考えるべきである。  医療機関の在り方と同時に介護療養型医療施設がどういう役割を果たして いるのか。病状だけではなくて、その人の生活等を十分に検討して結論を出す べきである。方向性として間違っているとは思わないが、十分な議論をしてほ しい。 (木下委員)  資料「療養病床の将来像について」について、総論的なことは理解できるが、 具体的に見えてこないということで対応が難しい。「介護報酬上の評価につい て廃止することを検討する」としてここだけ平成24年度と数字がはっきり入 っているが、検討して廃止しないこともあり得るのか。  「経過的類型」とあるが、これは医師数や看護師数を減らした類型をつくる ということなのか。  「転換の支援等」とあるが、いつからどういう形で考えられているのか。「今 後、広く議論を行いつつ」というのはどこでどういう議論をしていくかもう少 し具体的に示してほしいと思う。  医療区分について、医療保険の方からは医療区分2、3を、医療区分1は介 護保険ではないかという表現があるが、医療区分1を介護保険で対応すること は老健局ないし保険者は了解しているのか。  意識障害があって経管栄養をしていて喀痰吸引が7回までの人は医療区分 1に入っているが、介護保険で対応することができるのか。喀痰吸引等は医療 行為になり、これをだれがやるのか。看護師、准看護師でも1,890時間という 教育実習を受けて医療行為をしているが、こういうことを代行していいのか。 安全と法律上の問題もあり、その辺の検討をしないで介護保険で対応が可能な のか。  医師数についても、例えば老健で100人に1人の医師配置は1年間で2割し か医師がいないという計算になり、あとの8割は医師のいない状態となる。そ ういうところで本当に安全な医療やケアができるのか十分検討する必要があ る。  介護療養型医療施設が老健や特養に転換という提案があるが、老人ホームで オンコール対応ということが前回の資料で出ていた。看護師や医師がオンコー ルで何分で来るのかという具体的なシミュレーションができているのか。  併設の病院から派遣するのであれば、早く来られるかもしれないが、夜間病 院にいる看護師は本来業務をやりながらオンコールで対応できるのかどうか。 オンコール対応している間、病院にその看護師はいなくなり、いない時間は病 院が欠員事項になる可能性もある。簡単にオンコールというが、どこからだれ が行くということが言われていない。  介護療養型医療施設へ定時以外1日数回まで看護師による直接医療提供頻 度というものは34.8%という数字が出ている。前回、分科会長からこの点は確 認されて、総務課長がわかりましたと答えたが、それに対してどういう対策が なされているのか。看護師による観察も当然入っているが、高齢者の肺炎の症 状をどう考えているのか。  在宅療養を進めるという基本方針が示されているが、その元になる考え方、 あるいは調査結果に基づく考え方があれば示してほしい。  施設から退所を促すために在宅サービスの充実とあるが、在宅サービスを充 実するために必要な看護師や介護職員の数がどれだけ必要かということ及び その受給見込みについて何も示されていない。現実がどうなのかということを 示してほしい。  全体的に数字としては非常に合理的に表されているが、利用者に対する温か みが一切感じられず、非常の冷たい感じを受けている。 (山崎総務課長)  急に言われてもメモを取るだけでも精一杯なので、別途項目を出していただ き、その中でできる限りの範囲で答えたい。また木下委員の指摘のかなりの部 分は一体今後どうするのかということで、療養病床の取扱いの具体像をもう少 し明確にすべきではないかということが主眼ではないかと思う。  逆に言えばこの介護給付費分科会もそうであるし、医療制度関係の医療部会、 中医協もある。今回、医療構造改革推進本部でこういう形ができたが、これで 政策が決まったというわけではない。療養病床の話は、省全体としてこの議論 を進める必要があるので医療構造改革推進本部で検討項目を決めたというこ とである。  あらゆる検討が各局にまたがる事項であるため、今日いただいた指摘は後で 十分整理した上で、報告したいと思っている。 (木下委員)  厚生労働省として検討と書いてあるが、そのことが十分果たされていないと いうことを危惧している。 (矢野委員)  厚生労働省として、部局横断的に新しい案が示されたというのは大変結構な ことだと思うが、なぜこれを行うのかという目的をはっきり示す必要があるの ではないか。  私の理解では、社会的入院とか社会的入所の是正ということだと思う。介護 保険制度が発足して以来の課題に対して一石を投じるということになろうか と思う。そのような目的をはっきりさせて、国民の理解を得るということが大 事ではないかと思う。  転院・転所の場合のサポート体制については、よく考える必要があると思う。  平成23年度末という計画の終点が示されているので、それまでのプロセス を固めていく必要があると思う。  間際になってから行うのではなく、毎年作業を進めて最終の目標に達すると いうことでないといけないと思う。 (対馬委員)  この介護給付費分科会として是非早急にやってほしいということに対して 非常に早いタイミングで将来像が出され、いろいろな部局にまたがるところを 整理したことについては評価したいと思う。  確かにいろいろな問題があるが、年次計画を決めながら一つひとつやってい くことが大切だと思う。介護型と医療型の現在の状況がこれでいいという方は 恐らくいないと思うので、是非前向きな検討をしてほしい。 (田中(滋)委員)  介護療養型は6年後に廃止を検討すると書いてあるが、これは介護保険法上 の位置付けの変化であって、社会的役割としては転換と言え、十何万床がこの 世から消えるのではない。  そうなると、業態転換に伴う移行のモデルをきちんと示す必要があり、転換 先として、一般病床、医療療養病床、老健等さまざまな転換の方式があり得る。 それぞれの構造基準や人員基準や参酌標準を理解しなくてはいけない。わから ないままに単に転換するのは、社会的資源の無駄遣いである。  地域ニーズに合った形で、かつ経営者としてのビジョンに合った形で転換す るにはどうしたらいいかということを考えるモデルを皆で考える必要がある。  2ページに「助成等所要な措置」の「等」に入っているかもしれないが、こ れは金銭的助成だけで済む話ではなく、その転換が得だからとか、何とか駆け 込んでおこうという転換にしてしまってはいけない。 (池田委員)  この問題は平成7年の審議会のときからの議論で、ある意味でびくとも動か なかったものがこのような形で明文化されたということに関しては高く評価 したい。  ただ、療養型病床群に限ってみると地域格差が極めて大きいという問題をど うするかということがある。療養病床の最も多い高知県と最も少ない宮城県で は、高齢者1人当たりにして13倍という大きな差がある。したがって、居住 の質を中心とした新しいサービスに転換するということは療養病床が比較的 少ないところについてはかなりスムーズに動いて、介護保険の財政にもそれほ ど大きな影響は与えない。問題は、療養病床が極めて多いところで例えば老健 康施設あるいは特定施設である有料老人ホームに転換をするとどういうこと が起きるか。療養病床が老健に移れば要介護5の場合、1人当たり費用は46 万円から35万円になり、いい影響を与えるだろうし、特定施設に移れば現段 階で、46万が24万になりいいことだと思うが、そこにとどまっていいのだろ うか。療養病床の過剰な地域では病床数を減らすということを最初から目的意 識的に持っていなければいけないと思う。  例えば、療養病床はいっぱいあるが、急性期病院は全然ない地域がある。療 養病床を急性期の方に戻ってもらう。そういう割と地域的な状況に着目したき め細かい誘導策というものが必要になってくるので、その辺はかなり丁寧なモ デルとか、地域ごとに見た移行策をある程度示していく必要があるのではない かと思う。 (漆原委員)  療養病床がこれまで果たしてきた役割は大きいと思うが、療養病床に入院し ている方というのは整理し切れない部分という現実もある。  病態あるいは介護の必要度だけではなく、住んでいる地域社会、家族環境等 に十分配慮した形のものが必要と考えている。  医療の療養が医療必要度で決まるという話について、老人病院の歴史からす れば、高齢者医療のなかなか発展し切れなかった部分をずっと背負ってきたと ころがあるから、介護と医療という保険制度の中でもう一度医療保険の中で療 養患者を受け入れるならば、介護という視点を加えた上での高齢者医療、ある いは療養機能医療も組み立ててほしいと思う。  最後に、転換先として老健施設と書いてあるが、今の老健施設がどういうふ うに今後10年先に変わっていくかということも大きなテーマであるが、今の 療養病床の患者をそのまま老健に移したときに、老健の機能がそのまま整理で きるとは思えない。老健の機能、設備、人員基準に合わせて、介護保険制度全 体の施設の見直しを並行して進めてほしい。 (井部委員)  療養病床については、医療保険に移行するとしても医療に特化するという考 え方を、病気の診断と治療という限定をすると、療養病床は必ずしも病気の診 断と治療を積極的に行うというよりも、療養ということを主体にすると、狭義 の医療よりももっと幅広い看護とか介護といった機能を充実させて療養病床 を構築しなければならないと思う。  その意味では、医療必要度ということの中に看護や介護、ケアの部分が非常 に必要であるということを是非含んでおいてほしい。 (喜多委員)  介護保険の出発当時から、この在り方についてややこしいと主張していたの で、この方向づけについては評価したい。  そうそうたる方がこの推進本部の組織に入っているが、本当に実態を知って 議論を十分にやっていける体制かどうか心配である。具体的に皆が心配してい ることを、専門家が少ない人数で短期間にやる必要があるのではないかと思う。  推進本部のメンバーが1年続いて審議に参加することはないだろうし、メン バーが代わればまた議論は初めから始まるわけなので、できるだけ早く進めて はっきりしてほしい。 (沖藤委員)  このようなことを将来的に検討していくということには、反対ではないが、 もし介護保険の施設に組み入れられた場合、末期のときにはやはり医療ニーズ が発生するのではないかと思う。そのときは医療施設に移されて、安定すると また戻されるという状態になるのか。つまり、必要な医療ニーズが介護保険施 設においても配達されてくるということなのか確認したいと思う。  それから軽度の方がマイナス5%になっているが、ホームヘルパーの支援が あってこそ暮らしていける軽度の方が結構いて、そういう方に不安が広がって いる。この改正に関する情報が届いていない気がするので、今後高齢者、特に 軽度の方が安心できるような制度の説明をお願いしたい。 (磯部老健局長)  各委員から建設的な意見をいただいたので、これを推進本部のメンバーに確 実に伝えたいと思う。療養病床の問題は6年かけてこういう目標に向かうとい うことで、今入院している方をすぐどこかに移すということは考えていない。 平均的に言えば今、療養型に入っている方の平均入院期間は1年10か月くら いなので、基本的には今入院している方をどこかへ移すということにはならな くて、今後入院する方にどう対応するかが問題と思う。  沖藤委員が言われた最後のところで移らないようにしていける方法、今回の 介護報酬でも看取りということに相当重点を置きたいと思っているが、そうい う方向でやっていくにはこれから6年かけてどういう施策を充実させるか検 討していきたい。野中委員の指摘にあった在宅についても、6年かけてできる だけ社会的入院の方が地域で暮らしていけるようにする方針を出していきた いと思う。 (三浦老人保健課長)  今、介護報酬の中身を詰めているところで、都道府県あるいは市町村と連携 しながら全体の考え方を更に浸透させていくことは必要であり、さまざまな機 会を通じて引き続き努力していきたい。  報酬が決まれば、その内容に基づいて更に具体的な話ができるのではないか と考えている。 (永島委員)  この話が出てから、療養型から出されるのではないかとか、あるいは出てほ しいということを言われたとか、既にうわさは聞いている。認知症の人に関し ては医療必要度だけではなくて、例えばほかの施設からケア上困難な人が療養 型に移されて、薬を過剰に投与されて静かにさせられて、挙げ句の果てにすご く早い期間で体が弱ってしまうというケースもうわさで聞いている。  前の介護保険部会のときからずっと主張しているが、認知症に対して正しい ケアがされていない。介護をしている家族は不安であるということを言ってお きたい。 (井形分科会長代理)  介護保険導入時、福祉施設の整備がほとんどなされていなかった背景から介 護保険対応の療養型病床をお願いしたという雰囲気があった。今これだけ施設 が整備されてきて、見直しが起こるのはやむを得ないと思う。  看取りの件については、療養病床の方が看取りに対応しやすい側面があった わけだが、多くの方がほぼ末期なのに、今まで介護保険でターミナルを余り重 視していなかったから、ターミナルは我々の責任ではないという施設があるわ けである。  安らかな死は長寿社会のキーワードであり、客観的に救命が難しいというこ とが断定されるようなケースについては、福祉施設全体でターミナルに対応す るシステムをつくっていく。それが今度の見直しに入っているから、療養病床 がなくなるから死の対応ができなくなるということにはならないと思う。 (野中委員)  ターミナルも含めてケアマネジメントがいかに大事であるか。福祉施設に限 らず、ターミナルに関してもケアマネジメントの中で本人が今後どうしたいの かを病状に合わせてきちんと考えて、その生活をどう支援していくかというこ とがターミナルであり、末期の死の現場だけではなくて、生活されているとき から何をどうするかという作業をいつも話し合っていくことがケアマネジメ ントの根底であるということを認識しなければいけない。  福祉関係者を非難するつもりはないが、死に近付いたら医療に任せればいい ということがあった点をお互いに反省しながらつくっていくことがターミナ ルケアの原点だと思う。  以前にも質問した気がするが、徹底的にケアマネジメントをしたときに新予 防給付のサービスではなくて従来の介護サービスが必要だと判断される場合 に、厚労省としては、きちんとしたケアマネジメントの中で使えると答えがあ ったと思うが、現場では新要支援と判定されたら新予防給付しか使えないとい う認識であり、それで生活がつくれるかどうかという不安が先ほど沖藤委員が 言われたことだろうと思うので、厚労省の方できちんと答えてほしい。  それから利用者にとって施設は療養型だろうが、老健だろうが、特養だろう が、施設であり、利用者にとって施設、在宅とは何なのかを医療構造改革推進 本部できちんと議論してほしい。 (三浦老人保健課長)  新予防給付利用者、つまり要支援に属する方が従来のサービス、つまり介護 給付を同時に利用できないかということについて、制度上は新予防給付は要支 援者、介護給付は要介護者という形で区分けがされている。  そういう点では、直接的に介護給付を利用するということは制度上難しい。 一方で新予防給付はケアマネジメントのサービスを含めて16種類のサービス がある、その内容としては重度の方のサービスを見直ししながら、軽度の方に 合う仕組みとして位置付ける形で内容の検討が進められたものであるので、従 来のサービスが利用できないからと言って直ちにその方の生活を支えること ができないということにはならない。むしろケアマネジメントの中でどのよう なサービスが個別に必要なのかということを十分議論して、どのような配慮を すれば軽度の方の生活が維持できるのかが重要だと思うので、野中委員が言わ れるようにケアマネジメントが特に重要なのではないかと考えている。 (木下委員)  先ほど局長から介護療養型医療施設の平均在院日数が1年数か月と説明が あったが、あれは退院された方の平均の在院日数ということで、今入院してい る方の平均在院日数ではない。長期入院している方は何年も入院しているので、 そこは理解してほしい。 (大森分科会長)  資料の中で都道府県の方から特定施設について、今のところコントロールで きない仕組みになっていて相当危惧感があって、強い要望書が出ていまして、 先ほど総務課長から、これは法律改正事項で対応するという趣旨の話があった と思うが、都道府県は相当関心を持っているので、もう一度説明をお願いした い。 (山崎総務課長)  三位一体の関係で、要望書を見るとわかると思うが、今回の三位一体の中で 政府、与党において決まった内容としては、施設整備自体の見直しとともに施 設等の給付費に関して国、都道府県の負担割合の見直しとなっている。  これはいろいろな議論があるが、これを最終決定という形で政府として決め ている。施設という部分で具体的に見ると、老人福祉施設、老健施設、療養病 床に加えて特定施設も入っている。特定施設というのは在宅という扱いにはな っているが、基本的にこれはあるまとまりの集団をつくっていくという形態な ので、これに関する指定権限ということで考えた場合には都道府県にコントロ ールしてもらうという形になっている。  今の法律でいくと、今回介護保険法を改正して来年の4月から変わるわけだ が、その特定施設のうちの介護専用型ということで最初から要介護者が入るも のについては都道府県において計画をつくって、一定枠で調整できていけるが、 健康な方が混ざって入るというケースについては、今のところそういう手段を 持っていない。ある程度の責任を都道府県が負うのであれば、介護専用型以外 の特定施設についても都道府県として調整できるということも合わせて検討 してもらわないと困るということを指摘いただいている。  施設給付等に関する負担見直しも法律事項なので、三位一体関連法案の中の 1つとして介護保険法の改正を予定しているが、その中で都道府県における指 定に関する権限について見直しを行って、都道府県の要望にもこたえることの できるような検討を進めていきたいと考えている。 (大森分科会長)  この分科会において9月から今回まで12回にわたって来年4月の介護報酬 改定に向けて議論を行ってきた。前回は、これまでの議論を踏まえて審議報告 を分科会として取りまとめ、また本日事務局より説明があったとおり、次期介 護報酬の改定率も政府で決定されたところである。  そこで、次回はこれまでの議論を踏まえて、事務方から具体的な介護報酬単 位、指定基準の見直しに係る諮問案を提示してそれを議論したいと思っている が、それでよろしいか。  それでは、皆様の賛同を得たということで、事務方にその準備をしてもらう こととして本日は以上で閉会とする。 照会先 老健局 老人保健課 企画法令係 TEL03(5253)1111(内3948 3949)