05/12/22 労働政策審議会労働条件分科会労災保険部会第18回議事録 第18回労働政策審議会労働条件分科会労災保険部会 1 日時 平成17年12月22日(木)16:00〜 2 場所 厚生労働省共用第7会議室(5階) 3 出席者  〔委員〕    公益代表  西村委員(部会長)、石岡委員、金城委員 労働者代表 佐藤委員、須賀委員、高松委員、内藤委員、真島委員、吉田氏(寺 田委員代理)    使用者代表 杏委員、下永吉委員、平山委員 4 議題   労働者災害補償保険法施行規則等の一部を改正する省令案要綱について(諮問) 5 議事 ○部会長(西村)  ただいまから「第18回労働政策審議会労働条件分科会労災保険部会」を開催いたし ます。委員の出席状況ですが、本日は稲葉委員、岩村委員、那須委員、紀陸委員、泉川 委員、早川委員が欠席されております。また、寺田委員より代理者の出席の申出があり ましたので、本日は代理として、JEC総研労働政策局長の吉田和道様がご出席です。  それでは議事に入ります。本日の議題は、「労働者災害補償保険法施行規則等の一部を 改正する省令案要綱」についての諮問です。事務局から説明をお願いいたします。 ○労災管理課長(中沖)  労災管理課長です。本日諮問いたします省令案要綱につきまして、事務局より読み上 げをいたします。 ○労災管理課長補佐   労働者災害補償保険法施行規則等の一部を改正する省令案要綱。  第1、労働者災害補償保険法施行規則の一部改正。1、通勤災害保護制度の対象とな る事業場間移動の起点となる就業の場所。労働者災害補償保険法(以下「法」という) 第7条第2項第2号の厚生労働省令で定める就業の場所は、次のとおりとすること。(1) 労働者災害補償保険の適用事業に係る就業の場所。(2)特別加入者(個人タクシー業者 及び個人貨物運送業者、漁船による漁業者並びにこれらの者の行う事業に従事する者、 特定農業機械作業従事者並びに家内労働者及びその補助者を除く。)に係る就業の場所。 (3)その他(1)又は(2)に類する就業の場所。  2、通勤災害保護制度の対象となる住居間の移動の要件。法第7条第2項第3号の厚 生労働省令で定める要件は、同号に定める移動が、次のいずれかに該当する労働者によ り行われるものであることとすること。(1)転任に伴い、当該転任の直前の住居から当 該転任直後の就業の場所に通勤することが困難となったため住居を移転した労働者であ って、次のいずれかに掲げるやむを得ない事情により、同居していた配偶者(婚姻の届 出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。以下同じ。)と別居して いるもの。イ、配偶者が、要介護状態にある労働者若しくは配偶者の父母又は同居の親 族を介護すること。ロ、配偶者が、学校等に在学し、又は職業訓練を受けている同居の 子(18歳に達する日以後最初の3月31日までの間にある子に限る。以下同じ。)を養育 すること。ハ、配偶者が引き続き就業すること。ニ、配偶者が、労働者又は配偶者の所 有に係る住宅を管理するため、引き続き当該住宅に居住すること。ホ、その他配偶者が 労働者と同居できないと認められるイからニまでに類する事情。  (2)転任に伴い、当該転任の直前の住居から当該転任の直後の就業の場所に通勤す ることが困難となったため住居を移転した労働者であって、次のいずれかに掲げるやむ を得ない事情により、同居していた子と別居しているもの(配偶者がないものに限る)。 イ、当該子が、要介護状態にあり、引き続き当該転任の直前まで日常生活を営んでいた 地域において介護を受けなければならないこと。ロ、当該子が、学校等に在学し、又は 職業訓練を受けていること。ハ、その他当該子が労働者と同居できないと認められるイ 又はロに類する事情。  (3)転任に伴い、当該転任の直前の住居から当該転任の直後の就業の場所に通勤す ることが困難となったため住居を移転した労働者であって、次のいずれかに掲げるやむ を得ない事情により、同居し、かつ、当該転任の直前まで労働者が介護していた要介護 状態にある労働者又は配偶者の親族(以下「同居介護していた要介護状態にある親族」 という。)と別居しているもの(配偶者及び子がないものに限る。)イ、同居介護してい た要介護状態にある親族が、引き続き当該転任の直前まで日常生活を営んでいた地域に おいて介護を受けなければならないこと。ロ、その他同居介護していた要介護状態にあ る親族が労働者と同居できないと認められるイに類する事情。(4)その他(1)から(3) までに類する労働者。  3、通勤災害に関する保険給付の請求手続規定の整備。通勤災害に関する保険給付の 請求手続に係る規定について所要の整備を行うものとすること。  4、入居した場合に、介護(補償)給付の支給対象外となる施設の見直し。労働者が 入居した場合に介護(補償)給付の支給対象外となる施設から、労災特別介護施設を除 外するものとすること。  5、労働時間等設定改善推進助成金の創設及び労働時間短縮実施計画推進援助団体助 成金等の廃止。 (1)法第29条の労働福祉事業として、労働時間等設定改善推進助成金を支給するもの とし、労働時間短縮実施計画推進援助団体助成金、労働時間制度改善助成金、中小企業 長期休暇制度モデル企業助成金及び長期休暇制度基盤整備助成金は廃止するものとする こと。 (2)労働時間等設定改善推進助成金は、次のいずれにも該当する中小企業事業主の団 体又はその連合団体(以下「事業主団体等」という。)に対して、その実施する措置の内 容に応じて、支給するものとすること。イ、構成事業主が行う労働時間等の設定の改善 を推進するため、当該構成事業主に対する相談、指導その他の援助を行った事業主団体 等であること。ロ、イの措置の実施の状況を明らかにする書類を整備している事業主団 体等であること。  6、短時間労働者雇用管理改善等助成金の支給対象等の見直し。法第29条の労働福祉 事業として支給する短時間労働者雇用管理改善等助成金は、次のいずれにも該当する事 業主に対して、その実施する(1)の措置の内容に応じて支給するものとすること。(1) 雇用する短時間労働者についてその能力又は職務の内容に応じた評価及び処遇に関する 制度の新設その他の雇用管理の改善等のための措置を実施する事業主であること。(2)、 (1)の措置の実施の状況を明らかにする書類を整備している事業主であること。  第2、労働保険の保険料の徴収等に関する法律施行規則の一部改正。1、建設の事業 又は立木の伐採の事業に係るメリット制(事業場ごとの災害率による保険料の調整)の 増減率の改正。建設の事業又は立木の伐採の事業に係るメリット制の増減率を、継続事 業(一括有期事業を含む。)については、別添一のとおり、有期事業については別添二の とおりとすること。2、その他。その他所要の規定の整備を行うものとすること。  第3、労働者災害補償保険特別支給金支給規則の一部改正。通勤災害に関する特別支 給金の請求手続に係る規定について所要の整備を行うものとすること。  第4、その他。1、施行期日、この省令は平成18年4月1日から施行するものとする こと。ただし、第2の1の継続事業(一括有期事業を含む。)に係るメリット制の増減率 については、平成18年3月31日から施行するものとすること。2、経過措置。この省 令の施行に関し必要な経過措置を定めるものとすること。以上です。 ○ 労災管理課長   私からは通勤災害の保護制度とメリット制の関係について説明いたします。  まず通勤災害の保護の関係です。恐縮ですがお手元の参考1の3頁をご覧ください。 ここに先の通常国会で成立しました労働者災害補償保険法の概要が出ております。今回 ご存じのとおり、複数就業者の方については左側の三角形の図で、第1の事業場から第 2の事業場へ向かう(2)の部分について保護対象を拡大したわけです。また、単身赴任者 については、赴任先住居と、帰省先住居の間の往復、(6)の部分について保護対象とし たわけです。  今回諮問いたしましたのは、恐縮ですが参考1の2頁をご覧ください。こちらに具体 的な条文があり、第7条第2項で、2号と3号はそれぞれ線が引いてありますが、この 部分を今日諮問するわけです。2号は、厚生労働省令で定める就業の場所から他の就業 の場所への移動ということで、複数就業者の方について就業の起点となる就業の場所を 定めるということです。3号は、住居間の移動のあと、厚生労働省令で定める要件に該 当するものに限るということで、単身赴任者の方について移動の際の要件を定めるわけ です。  それでは具体的な中身について説明いたします。具体的には先ほど補佐から読み上げ た資料1の2頁、要綱の第1をご覧ください。(1)複数就業者の移動の起点は、労災保 険の適用事業場。(2)特別加入者の就業の場所です。この括弧内には、特別加入者につ いては、住居と就業の場所との間の往復の実態が明確でないため通勤災害の対象外とな っているものもありますので、こうしたものを除いております。(3)は、(1)又は(2) に類する就業の場所です。これは国家公務員災害補償制度など、他の災害補償制度に関 する就業の場所を想定しております。いわゆる、制度間の相互乗入れを考えております。 こうした他の制度については、労災保険法の改正を受けて、来年1月の次期通常国会に 改正法案を提出する予定と聞いておりますので、こうした改正後の施行日に合わせて、 公務部門の就業の場所と労災保険適用就業の場所との間の移動を相互に保護するために、 通達でこの中身を明らかにしたいということです。  次に単身赴任者の関係です。2頁の要綱の第1の2に列挙してありますように、保護 される移動の先は(1)から(4)まであります。まず(1)転任により通勤困難とな ったため、やむを得ない事情により配偶者と別居している、つまり配偶者との関係です。 やむを得ない事情としてはイからホまであります。イ、配偶者が要介護状態にある父母 や同居の親族を介護していること。ロ、配偶者が学校に通う18歳までの子を養育するこ と。ハ、一、配偶者自身が引き続き就業すること。二、持家を管理すること。それに加 えて、これらに類する事情となっております。例えば配偶者が継続して地域の特定の医 療機関にかかっている場合など動けないような状況がありますので、今回の法改正の趣 旨に沿うものを通達により示す事にしております。  (2)18歳以下の子と別居している部分です。具体的には3頁以下に配偶者のない労 働者についての規定です。やむを得ない事情としてイロハとあり、イ、要介護状態にあ ります子が引き続き転任前の地域で介護を受けなければならないこと。ロ、子供が学校 等に在学していること。ハ、これらに類する事情となっております。これは先ほど(1) で申し上げたものと同じように、例えば子供が継続して特定の医療機関にかかっている ことなどを、通達において示す予定です。  (3)自ら同居介護していた要介護状態にある親族です。こうしたものと別居してい る労働者です。やむを得ない事情としては、イ、引き続き転任前の地域で介護を受けな ければならないこと。ロ、これに類する事情で、例えば労働者が同居介護していた親族 を一旦連れて転居したが、やはり転居前の地域で介護を受けたほうがいいということに なって別居することとなる。こうしたことを念頭に置いて通達で示す予定です。  (4)はこれに類する労働者です。元々一家で東京に住んでおり、父親だけが単身赴 任で大阪に行ったケースで、その後、さらに父親が福岡に転任になって引き続き単身赴 任状態が続く場合です。これは最初の単身赴任と同じように取り扱うべきであろうとい うことで通達で示すことにしております。  次はメリットの関係で、要綱案の6頁目の第2の部分です。先の特別国会で成立しま した改正労働保険徴収法において有期事業のメリット増減幅を、従来の±35%から ±40%に拡大したことに伴う改正です。8頁に具体的な改正後の姿を付けておりますの で、こちらの表をご覧ください。別添1は、一括有期事業である建設事業に係る増減率 を±40%の範囲で定めるため、徴収法の規則の別表第3の改正を行うものです。具体的 には、表の上段の増減率の下に事業の種別が入っております。建設事業は、従来の右端 の35%のほうに入っておりましたが、これを40%のほうに移動することになりましたの で、右は立木の伐採だけが明示される形になります。同じく別添2として、単独有期事 業である建設業に関する増減率を、±40%の範囲で定めるために別表の改正を行うこと になっております。これも参考のために付けております。以上が具体的内容です。  なお、他の内容についてはそれぞれの担当課長から説明をいたしますが、本省令案の 施行期日について私から、予め説明をいたします。施行期日は平成18年4月1日として おります。ただし、一括有期事業に係るメリット制の関係については、やはり改正の趣 旨を早期に実現するという必要性から、平成18年3月31日としております。私からは 以上です。 ○ 労災保険業務室長(本間)   労災保険業務室長の本間です。私からは介護(補償)給付の支給対象外施設の見直し について説明します。資料は参考2です。  介護(補償)給付については、お示しのとおり労災保険法及び同法施行規則により、 所定の介護施設に入所している間は支給しないこととされております。その理由につい ては、これらの介護施設においては十分な介護サービスが提供されること。それと共に、 介護に要した費用が明確にして徴収されていないことによります。  介護(補償)給付の支給対象外施設の一類型として、労災特別介護施設が施行規則で 定められているものです。労災特別介護施設というのは、重篤な障害を有する被災労働 者の終身の介護施設として全国に8カ所設置しております。その入居者が負担している 入居費用については、これまで入居生活に必要な費用を包括するものとなっています。 他方、負担する額は、単に年収に応じているだけのもので、介護に要した費用を含めて、 各費目別の負担が不明確なものとなっていますし、また、受益に応じたものになってい ないという実情にあります。  昨今、公的な介護施設における利用者負担のあり方が問われる中で、先般、介護保険 が見直しされたわけですが、その際にも公平性の観点から、食費などのホテルコストは、 原則受益者負担とするという考え方が採られたところです。こうした情勢を十分踏まえ て、今般、労災特別介護施設における費用負担のあり方を見直し、公平性を担保すべく 受益者負担、応益負担という考え方を基本として、各費目別の負担を明確にして徴収す ることとしました。  これに伴い、他の食費などと同様に、介護に要した費用についても明確にして徴収す ることになり、介護(補償)給付の支給対象とすべきものとなりますので、労災特別介 護施設を介護(補償)給付の支給対象外の施設としている現行の規定を削除するという ものです。ご理解を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。以上です。 ○ 勤労者生活部企画課長(坂本)   勤労者生活部企画課長の坂本です。私からは、労働時間等設定改善推進助成金の創設 及び労働時間短縮実施計画推進援助団体助成金等の廃止について説明いたします。お手 元の参考3をご覧ください。  改正のポイントは今申し上げた2点です。まず第1に、現行の時短促進法改正に基づ く助成金の規定の削除について説明いたします。本年11月2日に、労働安全衛生法等の 一部を改正する法律が公布され、時短促進法が改正されその中で、公益法人改革の一環 として労働時間短縮支援センターが廃止されたところです。この改正に伴い、労働時間 短縮支援センターを通じた現行の4つの助成金支給についても廃止することにいたした わけです。労働者災害補償保険法施行規則においては、労働時間短縮支援センターを通 じて支給する助成金として、お手元の資料にあるとおり4つの助成金を定めております が、時短促進法の改正に伴い、これらの規定をすべて削除したいということです。  2番目に労働時間等設定改善推進助成金について説明いたします。これも時短促進法 の改正に伴うもので、昨年の労働政策審議会の建議においても、中小企業事業場等にお いて労働時間等設定改善委員会の設置や、今検討が進んでおりますが、労働時間等設定 改善指針に基づく措置の実施を円滑に行う上で一定の支援が欠かせないというご指摘を いただいているところです。  今回、労働時間等の設定の改善を図るという法律の趣旨の実効性を確保する観点から、 我が国においては中小企業が大半を占めていることもあり、中小企業における取組を推 進することが重要です。特に業界内で強い横並び意識等がありますので、それを踏まえ た業界団体のネットワークを活用することが、大変重要ではないかと考えているところ です。そうしたことから中小企業の事業主が行う、労働時間等の設定改善の取組、その 取組を推進・支援するために、中小企業事業主の団体等が実施した事業に対して、費用 の助成を行うこととしてはどうかということでありまして、そのため労働時間等設定改 善推進助成金を今般、新設規定してはどうかということです。  その支給要件としては、資料にもありますように事業主団体等であること、構成事業 主に対して適切に相談、指導等の援助を行うこと、援助の内容を明らかにする書類の整 備がきちんとできることを要件としております。以上です。 ○ 短時間・在宅労働課長(高崎)   雇用均等・児童家庭局短時間・在宅労働課長です。私からは本日の諮問要綱6頁の第 1の6、短時間労働者雇用管理改善等助成金の支給対象等の見直しについて説明します。 お手元の参考4を見てください。その中身ですが、まず改正の考え方です。実は見直し ということで、現行も短時間労働者雇用管理改善等助成金はあるわけですが、その助成 金、つまり現行の制度については、そこにありますとおり短時間労働者に対する雇入時 の健康診断、あるいは講習、保険・共済の適用等、いわば福利厚生面について、雇用管 理改善に取り組んだ事業主に対して助成金が支給されることになっているわけです。現 行のパート労働法、それに基づくパート労働指針においても、福利厚生面以外にも、本 人の能力や処遇の部分について、通常の労働者と均衡を考慮した取扱いを要請している ところですが、いわば助成金がそれに追い付いていなかったということで、今般それを 見直しし、短時間労働者の能力や職務の内容に応じた評価及び処遇に関する制度の新設 等を行った事業主に対して支援するもので、いわばバージョンアップするものです。  具体的な支給要件は2に書いております。具体的にはイからヘに書いております措置 を行った事業主に対して、それにかかる事務的経費の一部という考え方で、30万円、あ るいは50万円を定額支給するものです。イ、短時間労働者の能力又は職務の内容に応じ た評価及び処遇に関する制度を新設した場合。ロ、短時間労働者について通常の労働者 と同様の評価及び処遇に関する制度を新設した場合。ハ、通常の労働者への転換に関す る制度を新設した場合。ニ、短時間正社員制度を新設した場合。ホ、短時間労働者に対 して、通常の労働者に対するものと同様の教育訓練等を行ったもの。ヘ、イからホにあ る取組みに加えて、短時間労働者の健康診断等に関する雇用管理改善措置を講じた事業 主に対しても、支給することといたしているところです。これらの助成金については、 先ほどの時短の助成金と同様に、その措置状況を確認するために書類を整備することを 要件に加えております。以上です。 ○部会長   ありがとうございました。ただいまの説明につきまして、ご意見、ご質問がありまし たら、承りたいと思います。 ○ 内藤委員   確認の意味というか理解を深める意味でご質問をします。別紙2頁から始まっており ます通勤災害保護制度の対象となる住居間の移動の要件の中で、この文書を読んでちょ っと思いつくものが幾つかあるのですが、それは対象になるのかどうかという見解をお 聞きしたいのです。例えば、(1)のハ「配偶者は引き続き就業すること」とあります。 これは子供と同様に、配偶者が引き続き就学するとか、職業訓練を受けている場合に適 用されるのかどうかが1つです。  4頁の(3)(配偶者及び子がない者に限る)という要件で、「同居介護していた要介 護状態の親族が引き続き当該転任の直前まで日常生活を営んでいた地域において介護を 受けなければならないこと」とあります。例えば子供がこの親族の介護に当たっていた 場合は、子供がいるということになりますので、これはこれに該当しないのかどうか。 この意図について見解をいただきたいと思います。 ○ 労災管理課長   最初の1点目ですが、その他配偶者が労働者と同居できないと認められる、類する事 情という項目があります。実は、この通達の中で明示する予定でした。いっぱいあった ものですから、1つしか申し上げなくてすみません。例えば学校に在学し、職業訓練を 受けていること、あるいは配偶者自身が介護状態にあること。こういったことも含めて 明示する予定です。  2点目についても、類する事情の中で読む予定です。 ○須賀委員   それとの関連です。通達はいつごろ出される予定ですか。 ○労災管理課長   通達については、できるだけ早く出したいと思っております。今日はいろいろご議論 もあると思いますので、そういったものを踏まえて、できれば2月末か3月ぐらいに出 して、施行の1カ月ぐらいの間に周知できるようにしたいと考えております。 ○高松委員   いまと同様で関連です。(3)「直前まで介護」とあります。転勤を認定した以降、同 様の要介護状態の事象が発生した場合、その取扱いはどうなるのでしょうか。 ○労災管理課長   転任、一定期間内にそういう事情が生じた場合は対象にしたいと考えております。実 は、国家公務員については、人事院規則で3年とありますので、そういったものも参考 にしながら考えていきたいと考えております。 ○平山委員   単身赴任者の場合ですが、単身赴任先は国内、国外を問わないということでよろしい ですね。それともう1点は、帰省するというときに定期性といいますか要するに、企業 に仕組みがあって、それに則している場合、そういうのは一切問わずに、極端ですが年 に1回、たまたまそういうことで帰省しましたと。そういう場合に仮に被災したとして も、定期性は問わないのだということでよろしいのでしょうか。 ○ 労災管理課長   基本的には国内外を問わない予定です。ただ、海外に派遣される者については特別加 入の制度になっておりますので、当然そこが前提になってまいります。  あと、定期性の問題についてですが、基本的に単身赴任の方についての部分ですね。 ○平山委員   そうです。 ○労災管理課長   本人がいつ帰省するかどうかは本人の自由ですので、基本的には、過度な定期性を求 めるものではないと考えております。 ○須賀委員   全般を通じてですが、「類するもの」が随所に出てきています。どうしても通達でカバ ーできない事情も当然あり得る話で、これに対して、どうカバーされようとするのか。 それは個別ケースごとに、1件ごとに判断するというこれまでの運用があったと思いま すが、それらを含めてどう対応することになるのか、お聞きしたいと思います ○労災管理課長   今回は法改正としてかなり画期的なものですので、私どもとしては、法改正の趣旨に 沿う形で、出来る限り考えるケースは明示していきたいと考えております。ただ、改正 法施行後に、委員ご指摘のように、想定できない、また想定範囲内のものも当然あり得 るわけですので、そうしたケースが出た場合は、労使にきちんとご意見をお伺いした上 で、必要があれば追加ということにしていきたいと考えております。 ○須賀委員   いまのお答えはちょっとふに落ちないのです。必要があれば労使に相談をするという ことは、こういう部会の場で相談をするということになるわけですか。 ○労災管理課長   いろいろやり方はあると思います。通達の問題ですから、個別にご相談を申し上げる と。というのは、審議会をわざわざ開かなければ追加できないということになりますと、 救済に欠けることにもなります。できるだけ迅速に対応したいという観点から、もしご 相談ということになれば、個別にご相談ということを念頭に置いております。 ○須賀委員   ということは、実際に申請のあった要件に関しては、今回の法改正の趣旨を踏まえて、 前びろに救済ができるような形のものを、運用として考えていきたいという趣旨で理解 してよろしいですか。 ○労災管理課長   そういうことです。 ○須賀委員   分かりました。 ○内藤委員   子供というものの扱い方ですが、例えば就学しているケース等について、「18歳に達 する日以後の最初の3月末まで」と書いてあり、「以下同じ」とも書いてあります。例え ば、4頁の(2)項で「当該子が要介護状態にある」というケース、これは18歳以上だ と該当しないという理解でいいのでしょうか。「以下」というのは、どこまでが以下なの か分かりませんが、学校等に在学する場合も該当するのですか。みんなそうでしょうか。 ○労災管理課長   この要綱だけを見ると、確かに18歳未満でなければならないように思います。ご指摘 については私自身も、やや異様な点がありますので、ここはすみませんが、よく整備さ せていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 ○内藤委員   余計なことですが、いろいろな要件が複雑に組み合っておりまして、この4項目だけ で整備でき得るのかどうか。4項目だけの分け方も、配偶者がある場合と、ない場合と、 両方ない場合という区分けが、果たして適切な区分けなのかどうかも含めて、少し整理 をしないと、類するもののケースが山ほどあるような気がしますので、ひとつよろしく お願いしたいと思います。 ○労災管理課長   確かに、我々も全部ここで書くことができればいいと思って最初やったのですが、全 部書くと書ききれなくなりますし、逆に書いてしまって、そこに書いてないと救われな いということになっても困るということで、大変恐縮ですが、やや不明確な部分もあり ますが、そういう形になっているのをご理解いただきたいと思います。その点は、きち んと整理いたしますのでよろしくお願いいたします。 ○真島委員   短時間労働者の雇用管理改善等助成金の見直しのところでお聞きします。助成金の支 給額は書いてありますが、この30万円と50万円の根拠は、どこからきているのでしょ うか。 ○ 短時間・在宅労働課長   お答えいたします。考え方としては、この助成金はすべからく事業所に制度を導入し ていただくことが前提になっております。その場合、当然専門家にご相談されたりとか、 あるいは、就業規則を変更するに際していろいろ会議を開いたりとか、そういうさまざ まな、いわゆる事務的な経費がかかることを前提に、その事務的経費について、中小企 業は3分の2相当額、大企業については2分の1相当額という形で一応組んで、その額 を丸めて30万円、ロについては、短時間労働者用の制度から、さらにもう一段上げて通 常の労働者並みの制度に引き上げてもらうということで、もう一段、取組みとしてその ステップが高いということで、経費がかかるであろうという前提で、50万円と組んでい るところです。  いずれにしても、事業場において、そのような制度を導入していただく際の経費の一 部をみるという考え方です。 ○部会長   そのほかの点についても、ご質問、ご意見ありましたらお願いいたします。 ○ 平山委員   参考3に「労働時間等設定改善推進助成金」と。従来の時短促進法の際には、一応助 成する対象の事業みたいなものを、ある程度特定して列挙された。何々助成金とかとい うことですね。今回は形を変えて改善推進助成金になるということですが、支給要件は ここに記載されていますが、事業の中身について、何か特定していくというお考えがお ありかどうかです。これが1つです。  もう1点は、時短促進法をこれまでやってきて、いわゆる労災保険からどのぐらいの 助成金の規模の事業を実施してきて、これまでの間助成してきたことと、それで実際に、 具体的に何がどう進んだと評価されているのか。その評価がありましたらお聞かせいた だきたいと思います。 ○ 勤労者生活部企画課長   事業の中身ですが、確かにこれまでのものは長期休暇とか、単体で明確に書いてあり ました。今回の法律改正そのものが、時短のみならず、労働時間の設定改善ということ で、時短も含めてさまざまな労働時間をめぐる条件の改善を対象にしているものですか ら、今回の助成金も、長期休暇とか、そういうものに限ってということではなく、より 幅広く、弾力的に実施できるようにしているわけです。しかしながら具体的には、計画 年休制度の導入ですとか、長期休暇の取得促進、所定外労働の削減などを対象としつつ、 支給対象事業として、例えばいろいろな好事例集などを収集したり、あるいは、実際に それを使った指導など、この趣旨に合うようにきちんと示して、行っていきたいと考え ております。  支給することによってどういう効果が図られたかというのは、なかなか難しいところ です。例えば、平成16年度において、これまで労働時間短縮実施計画推進援助団体助成 金を活用したものが291企業あります。その企業の平均によると、総実労働時間が平均 1,956時間から1,910時間と、年間約46時間の短縮を図られたというデータがあります。 もう1つ例を挙げますと、長期休暇制度の基盤整備助成金ですが、同じく平成16年度で 89団体で実施いたしました。その中で254事業場で連続7日以上の連続休暇を新たに導 入していただいたところです。年次有給休暇の取得率が42%から7%増加し、49%にな ったという実態があります。  まだまだ不十分ですが、なるべく確実に効果が上がるように指導してまいりたいと思 っております。 ○ 部会長   ほかにご意見はありませんでしょうか。ほかにご意見がないようですので、諮問のあ った件につきましては、当部会として妥当である旨、労働条件分科会に報告したいと考 えますが、いかがでしょうか。   (異議なし) ○ 部会長   それでは、そのようにさせていただきます。報告文については、私に一任ということ でよろしいでしょうか。   (異議なし) ○ 部会長   それでは、そのようにさせていただきます。本日の部会はこれで終了させていただき ます。  本日の議事録の署名委員については、労働者側代表として内藤委員、使用者側代表と して杏委員にお願いしたいと思います。  それでは、今日はお忙しい中ありがとうございました。         照会先:労働基準局労災補償部労災管理課企画調整係               電話03-5253-1111(内線5436)