05/12/21 平成17年12月21日中央社会保険医療協議会診療報酬調査専門組織各分科会 DPC評価分科会議事録 05/12/21 診療報酬調査専門組織          平成17年度第5回DPC評価分科会議事録 (1)日時  平成17年12月21日(水)13:00〜14:16 (2)場所  霞が関ビル35階 東京會舘「ゴールドスタールーム」 (3)出席者 委員:西岡清分科会長、原正道分科会長代理、池上直己委員、        伊藤澄信委員、柿田章委員、熊本一朗委員、齋藤壽一委員、        酒巻哲夫委員、嶋森好子委員、武澤純委員、田所昌夫委員、        松田晋哉委員、三上裕司委員、山本義一委員、山口俊晴委員、        吉田英機委員、邉見公雄(中医協委員)オブザーバー 事務局:福田企画官、眞鍋課長補佐  他 (4)議題 ○ MDC毎の作業班 班長会議の報告       ○ DPC対象病院となる病院の基準について(案)       ○ 包括評価の範囲の見直しについて(案) (5)議事内容 ○西岡分科会長  では、ただいまから平成17年度第5回診療報酬調査専門組織・DPC評価分科会を開催 させていただきます。  まだおくれて到着される委員の方々がおられると思いますが、委員の出席状況でござい ますが、本日は信友委員より御欠席との連絡をいただいております。なお、オブザーバー として邉見先生にお出でいただくことになっておりますが、もう間もなくお出でになられ るものと考えております。よろしくお願いします。  それではまず資料の確認を事務局の方からお願いします。 ○眞鍋補佐  それでは事務局の方から資料の確認をさせていただきます。  座席表の下に本日の議事次第、一枚の紙があろうかと思います。その次に出席状況の紙 がございます。  次に「診調組D-1」。こちらからは本日の資料となります。診断群分類の見直しについ てでございます。次の資料「診調組D-2」、これは2枚の資料でございます。新規にDP C対象病院となる病院の基準について(案)でございます。その後ろに、またこれもホチ キスどめで、「診調組D-2参考資料」ということで、こちらは後で御説明させていただき ますが、これまでの基準などをまとめたものを参考資料としてつけさせていただいており ます。そして最後の資料「診調組D-3」、こちらは包括評価の範囲の見直しについて(案) でございます。以上でございます。もし乱丁・落丁等がございましたら事務局の方に申し つけいただければと思います。 ○西岡分科会長  よろしいでしょうか。それでは議題に移りたいと思います。本日は議事次第にございま すように、3つの事項について御検討をお願いしたいと思っております。  まず、MDCごとの作業班におきましては、本年9月より精力的に診断群分類の見直し を行ってきていただいていると聞いておりますが、先日12月9日にMDCごとの作業班の 班長会議が開催されまして、これまでの作業について了承されたとのことでございます。 それで、当分科会の齋藤委員がこのMDC作業班の総括でいらっしゃいますので、概要を 御報告いただくこととなっております。  次に、前回の分科会では中医協診療報酬基本問題小委員会での私の報告内容、並びに主 な質疑につきましてその概要を御報告させていただいたところでございますが、基本小委 におきまして当分科会で新たに検討することとされた2つの事項がございます。一つは、 DPC対象病院の基準、もう一つは包括評価の範囲の見直しでございます。これにつきま しても前回、御議論いただいたところでございます。本日はこうした前回の議論を踏まえ まして、具体的な案を用意させていただきました。さらに御議論いただきまして、時期が 押し迫った時でございますので、本日中には一定の取りまとめを行いたいというように思 っておりますので、どうぞ御協力方よろしくお願いします。  それでは最初の議題でございます、MDCごとの作業班、班長会議の報告につきまして、 齋藤委員からその概要をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。 ○齋藤委員  はい、御報告申し上げます。  DPCの円滑な施行のためには妥当な診断群分類ということがその根幹として重要でご ざいます。そういう視点に立ちまして、平成18年度の診療報酬改定に向けまして診断群分 類の見直し作業を本年の2月から行ってきたところでございますが、12月9日の班長会議 で一定の合意を得ることができましたので、その経過を御報告申し上げます。  それでお手元の資料、診調組D-1に沿って御報告申し上げますと、まず診断群分類の見 直しについてその視点を本年の当初に決定していただきました。(1)〜(4)までございますが、 DPCにおける診断群分類の視点とは何なのかという、基本的な点を当委員会で大変詳し く御議論いただきまして、それが最後まで大変有効に機能したということをまず御報告申 し上げたいと思います。  医療資源の同等性が担保されていること。これは在院日数であるとか、包括範囲の点数 であるとか、そういうものをプロットした時に一つの島を形成しているようなグループで あるということであります。ここでは平成16年度のデータが大変有効に活用されました。  それから臨床的類似性が担保されていること。臨床的な観点から見て全く違う病気なの に、たまたま島が一緒だというだけの理由で一緒にするわけにはいかないでしょうという ことであります。  それから、ともすれば余りに複雑になって枝分かれが微に入り細をうがってしまいがち な領域でございます。そういう点でできる限り簡素なものであって、コーディングに対し て臨床現場での負担が少ないと。これを分ける時の医事課であるとか、あるいは担当医の 戸惑いが少ない形ですっきり分けたいという視点でございます。それを実際に動かした場 合にいろいろな運用上の問題が発生し得るのでありますが、問題が少ないという4つの視 点を基本的な原則として決めていただきまして、それに則って作業をすることができたと いうことが、今回は大変円滑に取りまとめることができた大きな視点だったと思います。  それで本年の2月25日にまずMDCごとの作業班の班長会議を行いまして、16年度の 結果を取りまとめるということ。それに基づいて可能な限り速やかな分類をとり進めよう ということになっております。それで4月27日以降、中医協診療報酬基本問題小委員会に そういう状況を報告しまして、その中でも特に早急な見直しが必要なものとして3項目、 これはエダラポンとリツキシマブと、そして電気生理学的な心臓の検査という3項目でご ざいます。これを緊急避難的に出来高に移したという経緯もございます。それで7月1日 から9分類について出来高になりましたが、それらをどう取り込むかということも一つの 問題点でございました。  それで17年度の検討状況としましては、16年度のデータをもとに9月から作業を開始 しました。簡素化と、そして精緻化という、一見相反する2つの要件を入れなければなり ません。精緻化しますとどうしても複雑化するわけでございますので、そこのところで16 分類、各領域の主として内保連と外保連のそれぞれの領域の先生方には大変お骨折りいた だいたんです。そして松田先生、それから医科歯科大学の伏見先生にもお力添いをいただ いて、データを取りまとめることができたということであります。  主な見直し点としましては、手術による分岐を見直すと。一般に手術の後の分岐が大変 複雑になります。この資料の2ページ目にございますが、例えば食道、胃、十二指腸、他 腸の炎症の手術ありの群がこのように大変たくさん分かれてまいります。それで、これら は先ほど4つのクライテリアに照らしますと必ずしもそこまで分けることはないと。3つ に整理できるだろうというようなことが内科系、及び外科系両方の先生方の共同作業で精 緻化と同時に簡素化が達成できたということの例の一つでございます。そういう分岐の見 直しです。  それから3ページにまいりまして、検査入院・教育入院を見直すということで、これも いろいろな疾病について検査入院・教育入院があったんですが、まずその定義が明確でな いと。糖尿病をとって考えましても、普通の治療入院でも当然教育も行われるわけであり まして、教育入院というものを取り出す必要が果たしてあるだろうかということで、島を プロットしてみますと島は形成されなくて、普通のB型糖尿病の治療入院の中に埋没して しまうと。そしてたまたまそういう分類があるために、恣意的な選択をかえって可能にし ているというようなアップコーディングの問題なども内包されます。そういうことで、こ の部分についても各学会の先生方に大変深い御理解をいただいて、検査入院・教育入院と いうものを廃止するという方向を目指すことができました。  それから手術・処置等の見直しですが、いろいろなツリーの混在、特にMDCごとの各 領域間で、こっちはツリーが細かくあるけれど、こっちは簡単だとか、整合性がないと診 断群分類のシステムそのものとしては非常に信憑性を損なうことになりまして、各委員の 恣意的なことになるということで、領域ごとの整合性ということにも特に力を注いでいた だきました。特に悪性腫瘍の分類、これは最後までMDC、あるいはDPCにおいて問題 を残すところですが、少なくとも内保連・外保連の各委員におかれては悪性腫瘍について も納得いく形での分類が可能であったということを、例えば食道であるとか、胃であると か、いろいろな器官領域について最終的に御発言いただくことができました。  それから副傷病の検討ですが、これも副傷病の有無によって領域によって逆転現象が生 じたり、点数や在院日数にほとんど差がないと。差がなければ副傷病をつける意味がない というようなこともございます。そういうことを逐一平成16年度のデータに沿って検証を 進めていただいたということであります。それで一定以上の件数があって、在院日数を相 当程度引き延ばすような副傷病というものに絞り込んでした方が、副傷病というものを求 める意義があるでしょうと、そういう結論でございます。  それからMDC横断的な疾患ですが、例えば糖尿病であるとか、急性腎不全、それから 播種性血管内凝固症候群、敗血症など、これらも細かい分岐、あるいは手術の有無による 細かい分岐を廃止するということに成功しました。  以上のような作業を通じまして、12月9日に各領域の委員全員からそれぞれ御発言をい ただきました。それで、自分たちとしては十分満足できる分類に達成することができたと。 そして、その中身について他領域の方々にも、部厚い資料が配布されたんですが、それに 基づいてこれでよいかということで、逐一他領域との整合性ということも御検討いただき ました。それによってかなり班長として言うのはちょっとおこがましいんですが、皆様方 の御努力によって精緻化と同時に簡略化が同時に達成できて、割合とすっきりした診断群 分類が達成できたのかなというように考えております。  疾患数としてはそういうことで簡略化がほぼ達成されて、16年度分類では591だったも のが、分類見直し後は520で、71減りましたし、それから診断群分類の数は3,074であっ たものが2,388で、686減るということになります。まだ若干16年度のデータに基づいて 微調整をする領域が残っておりますが、基本的な形としては班長会議で最終的な合意を12 月9日にいただくことができたということでございます。以上でございます。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。非常に大変なお仕事だったと思いますが、御苦労さまでござい ました。今の齋藤委員からの御報告に対しまして御質問等はございませんか。  ○池上委員  どうも御説明ありがとうございました。  1ページの1の(1)で御指摘になった医療資源の同等性というのは、これは基本的にはE Fファイルの情報に基づくというように考えてよろしいんですか。 ○齋藤委員  はい、平成16年度の7月〜10月までのEFファイルが主たるものだったというように 理解しております。それで、在院日数とその点数を二次元の平面にプロットした時に、一 つの島をつくるかどうかと。端的に言えば、それが同じグループだということの一つの根 拠にはなったわけです。それで、もちろんそのほかに(2)〜(4)になる点もあるわけで、いろ いろな指標がグループという点ではあり得るわけですね。そもそも分類とは何かという基 本的な議論を当委員会で当初に十分していただいたことが役に立ったかなと思っておりま す。 ○池上委員  そうしますと、そこにある以外のコストにかかわるデータ、例えばケアコストという、 いわゆる私どもが慢性期の方でやっておりましたケア時間とかそういう出来高の時の実績 になかったような項目は、資源の評価対象から除外されていると考えてよろしいんでしょ うか。 ○齋藤委員  これは出来高のものが中心ですよね。それが含まれた点数。 ○眞鍋補佐  まず検討の事実関係でございますが、MDCごとの作業班で私どもは事務局の中の一部 として資料等を用意させていただきました。そのデータは池上委員が御指摘のとおりで、 EFファイルのデータでございます。それで包括範囲の中でそこの点数はどうなっている かというところを見させていただいております。ですから池上委員が御指摘の別途調査を やったような結果はまだございませんで、ここにも反映されていないというそういう理解 でございます。 ○齋藤委員  ですから今後またいろいろな視点が出てくるわけですね。特に一番問題になるのは平成 18年4月以降に新しく開発された治療法であるとか、検査手技、そういうものは当然また アウトライヤーになってくる可能性がある。そのアウトライヤーをどのように扱うかとい うことも今後一つのルールを決めて、例えば2年間なら2年間一定期間外に出すかどうか とか、それで今御指摘のあったいわゆる介護のケアであるとか、いろいろなこともこれは 今のところは診療報酬の対象に、点数になっているものはそれで決まっているわけですよ ね。このグルーピングは。そういうことですから、診療報酬の点数に計上されていない行 為、これは病院のいろいろな機能にたくさんあって、これもいろいろな団体から要望など が出ているわけですが、診療報酬の点数に加えられていないものについては、この診断群 分類に入れることはできていないと。そういうことでございます。 ○西岡分科会長  池上先生、よろしいですか。これはまた先生の方で非常に正確な分類を今おつくりにな っているところでございますので、またそういうものが出てきたところでフィードバック されるのかもしれないと思いますが。 ○齋藤委員  診断群分類がすべてうまくいっているかどうか、それはまた。 ○西岡分科会長  ほかに御意見はございますか。 ○熊本委員  診断群分類がだんだんとブラッシュアップされてきて妥当性が強くなって非常にいいこ とだと思いますが、16年の時の改定の時も継続性というか、ベンチマーキングする、比べ るというのが必ずしも他の期間と同じ時期に比べるのではなくて、時の流れというか、そ れでも比べたいと思うんですね。その際に診断群分類は当然ブラッシュアップすることは いいことなんですが、その時の比べ方というか、前のデータというか、そういうものとの 比べ方に関しての配慮というかそういうこと、もしくは見方とかをそれを教えていただく とか、そういう御配慮もいただければなと思いましたので。 ○西岡分科会長  非常に貴重な御意見だと思います。 ○三上委員  副傷病の検討についての部分ですが、在院日数にほとんど差がない場合とか逆転現象が 生じる分類がある場合には、それを除外していくというようなことで、在院日数が延びる ようなものについてだけ特定するということなんでしょうけれど、この逆転する場合には どういう場合なのかということと、いわゆるついでの治療というような形で副傷病につい ての治療を同時に行う場合の評価はどのようにされるのかということについて教えていた だきたいんですが。 ○西岡分科会長  事務局から何かありますか。 ○眞鍋補佐  それではまず最初の質問でございますが、逆転現象というのは今、副傷病で分かれてい る分類がございまして、副傷病ありの方は入院期間Iの点数が低く出ているような、トー タルで計算するとまた違ってくるんですけれど、そういう点数構成がございまして、副傷 病ありなのになぜ入院期間Iの点数がこっちの方が余り差がないのか、あるいはほぼ同じ なのかというような指摘はあったところであります。MDCの作業班でやっていただいた 作業というのは、そこは副傷病をもう少し精査して、実際の在院日数なり一日当たりのな らした時の点数に利くような、影響があるようなものを今いただいているような副傷病か ら選び出すというような作業を進めておるということでございます。 ○西岡分科会長  具体的に何か例のようなものは出ますか。松田先生お願いします。 ○松田委員  最初の段階での副傷病の設定の仕方は、どちらかと言うと臨床の先生方からいただいた 意見をそのまま入れたというものです。実はその先生方たちが想定していなかった併存症、 例えば腎不全のようなあるものが実は「合併症なし」となり、逆に、先生方から挙げてい ただいた比較的軽い合併症が「合併症あり」になっていた事例がいくつかあります。そう すると「なし」の方に実は重い症例が集まってしまって、「あり」の方に軽い症例が集ま ってしまうということが起こってしまいます。これがそのような逆転現象の理由の一つで す。そこで研究班の方では、これ問題の分析を伏見先生がやってくれました。具体的には 定義表になくても今回のDPCの調査で集まってきた情報の中で副傷病として挙がってい るものすべてについてもう一回コーディングし直して、その影響というものをOLAPという 手法を使って分析していって、定義表になくても在院日数等に影響があるというものだけ を評価するという形で今回の見直しを行ったということです。ですから、この問題の原因 の一つとして最初の定義表の設定で、まだ副傷病のセットの仕方がデータがたりていなか ったということがあるだろうと思います。  あともう一つ、熊本先生からのご指摘の点でございますが、これも一応やはりこれは問 題だろうということで、すべてというわけには行かないと思いますが、一応つなげられる ような対応表をこちらの方で準備しようと思っております。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。何か事務局からありますか。よろしいですか。かなり具体的な お答えをいただきましたので非常にありがたいと思います。 ○酒巻委員  そうしますと、今の副傷病の考え方としては在院日数を主体とした見直しということを されたということでよろしいんでしょうか。そこは経費も絡まってくるだろうと思います が。 ○眞鍋補佐  当然在院日数の値と、それからあとは一日当たりの包括範囲の点数がどうなるか、両方 をデータとしてお出ししまして両方を見ていただいて検討していただいておりますので、 在院日数のみというわけではないです。 ○西岡分科会長  ほかに御質問、御意見はございますか。よろしいでしょうか。では齋藤先生、本当にあ りがとうございました。まだ大変でございますが、まだ続くと思いますのでぜひとも分類 の見直し作業を続けていただきたいと思います。ありがとうございました。  それでは次の議題に移らせていただきます。新規DPC対象病院となる病院の基準につ いてということで、事務局の方から資料の御説明をお願いします。 ○眞鍋補佐  はい、それでは診調組D-2、それからD-2の参考資料を用いまして御説明をさせてい ただきます。  新規にDPC対象病院となる病院の基準について(案)ということで、D-2でございま すが、そもそもこういう検討をやる位置づけについて御説明をさせていただきますと、こ ちらD-2の資料を一枚おめくりいただきまして、その一番下に「参考」というように書い てございます。これは前回のこちらの当分科会の資料でも出させていただいたところでご ざいますが、中医協の基本小委の資料から抜粋してございます。新たにDPC対象病院と なる病院の基準については、診療報酬調査専門組織・DPC評価分科会において急性期入 院医療を提供する病院として具備すべき要件等に関する技術的検討を行うこととし、その 結果を踏まえ基本小委でも検討する、ということにしたらどうかというようにこのような 提案が出されまして、基本小委でこのようにお認めいただきまして前回御議論いただいた ところでございます。  1ページ目にお戻りいただきまして、前回こちらの基準につきまして御議論いただいた ところでございますが、事務局で議事録を参考に主な意見というものをまとめさせていた だきました。多少割愛したものもございますが、そこは大変恐縮ですが御容赦いただけれ ばと思います。前回分科会における主な指摘ということでございます。これは分科会の流 れは時間的にもなるべくそのような形でまとめてございます。  これまでの調査協力病院・試行的適用病院に関する基準との整合を図る必要がある。そ れからDPC普及という観点から考えますと、地域的な配慮も二次医療圏という配置も考 慮すべきだという意見がございました。それから看護配置基準は重要な項目である。ほか に剖検率なども考えられるのではないかと。  次に、標準レセ電算マスターに対応したデータの提出が重要であって、将来的には標準 的DPC電子レセプト、この言葉は中医協の基本問題小委員会の資料に出てございますが、 こういうものによる請求が最も重要になるのではないかと。  次に倫理委員会というのも要素としては考慮したらどうかと。  次にいわゆる急性期医療を担う病院としては、麻酔医、放射線科医、病理医等の配置や、 救急医療を行っているということも考慮したらどうかという意見がございました。  次にDPCの対象病院という観点から、急性期病院を規定するというのはちょっと議論 が本末転倒というか、不適切なのではないかというような御意見が出されまして、その流 れで調査に適切に協力できれば対象としてよいのではないかというような御議論があった ところでありまして、手挙げ方式で希望する医療機関が参加しやすい基準であるべきであ ると。  次に小規模の病院への影響を検証すると、そういう必要があるのではないかということ でございます。  最後に、最後の「○」は西岡分科会長が最後におまとめいただいたところでございます が、実際にはある一定の基準というのは何らかが必要なんではないかと。また、データが 公表されると、例えば前々回で出したようなレベルで試行病院までのいろいろなデータは 個別病院のデータを公表させていただいたわけでございますが、そういうことに関しては 理解を得る必要があるのではないかというような、そういうまとめ方を最後にしていただ いたところでございます。  それで次の2ページに事務局で作業をさせていただきまして、具体的な基準案というも のを考えさせていただきました。それで前回の分科会における主な指摘を踏まえ次のとお りとしてはどうかということでございます。「○」が2つございまして、まず1つ目の○ でございますが、まずDPC対象病院となる希望のある病院。これは中医協の基本小委の 方で手挙げ方式でというようなことがすでにコンセンサスというか、了解事項という形で ございますので、まずはDPC対象病院となる希望のある病院であって、下記の基準を満 たす病院であると。  一つとして、看護配置基準2:1、これは今は一番手厚い一般病棟入院基本料で2:1 が一番手厚いんですが、2:1以上であること。ただ、実際には後でデータをお示ししま すが、現在2:1を満たしていない病院が、実は試行病院にもございます。そういうとこ ろに関しては、平成20年度までに満たすべく計画を策定していただくと。ちゃんと人員配 置基準を2:1に引き上げていただくような計画を立ててくださいと。  次に、診療録管理体制加算を算定している、または同等の診療録管理体制を有すること。 診療録管理体制加算というのは全退院患者にかかる退院サマリーが作成されているとか、 その情報は一つの中央の部分に集まっていることですとか、あとはそういう情報を用いま してICDで言いますと大分類ぐらいでは統計的な解析がちゃんと行われていることと か、そういうような要件でございます。そういう体制を有していること。  次に、標準レセ電算マスターに対応したデータの提出を含め、7月〜10月までの退院患 者にかかる調査に適切に参加できること。この3つが私どもとして満たす病院としてはど うかというように考えているところでございます。  また、上記に加えて下記の基準を満たすことが望ましいということで、こちらも前にあ った主な指摘でございますが、急性期病院という観点から救命救急とか、病理とか、麻酔、 あとは画像診断管理加算というようなそういうものを望ましいというような基準、もちろ んこれで足切りをするわけではないんですが、こういうような病院がDPCとしては望ま しいというようなメッセージであるということもありまして、望ましいということでこの 4つの基準をつけさせていただいているところでございます。  それで次に参考資料の御説明をさせていただきます。前回、池上委員からこれまでの基 準はどうだったのかという御指摘をいただいておりまして、それを幾つか抜粋してまいり ました。1ページ目のものが、こちらは今年度、平成17年度に今年の6月に広げる時に合 意いただいた内容でございまして、実は定性的な見方となってございます。2つ目の○の (2)ですが、「下記の条件を満たす病院であって、これまでの調査対象病院との整合や 調査の精度をより高めるという趣旨に合致する病院」ということで、具体的に一つ決まっ ておりますのは「7月から10月までの退院患者に係る調査のすべての調査項目についてデ ータ提出可能な病院」ということでございます。  次に2、3ページが、こちらは試行的適用病院を拡大する時の、そういう試行的適用病 院に導入する時の中医協に出させていただいた資料でございます。対象医療機関としまし て、案となっておりますが、一定の基準を満たすもの。それで一定の基準は何かと言いま すと、協力する意思のある医療機関、それからデータと病床比がおおむね3.5以上、それ からデータの質が確保されていること。こういうような基準でございました。  次に4ページでございますが、こちらはデータ収集対象医療機関、いわゆる調査協力病 院の基準ということでございますが、これは過去の16年の改定の時に以前お出しした資料 でございます。こちらの対象医療機関としまして、看護体制としては原則として2対1以 上であること。次に診療計画策定体制、そして病歴管理体制、そして最後にレセプトデー タの管理体制といったような4つのこういう基準に該当するということがこの時には必要 とされております。  それで次の5ページをおめくりいただきたいと思います。これは前回に出したものから、 ちょっと数字の間違いがあるので、そこを直させていただいておりますが、基本的なとこ ろは変わってございません。7月以前の情報を各施設からいただいた情報で、どういう加 算なり、どういう診療料を取っているかということをまとめたものでございます。それで 今回基準として出させていただきましたのは2対1でございますが、入院基本料で申し上 げますと一般病棟入院基本料のI群の1と言われるところでございます。特定機能病院で 言いますと、特定機能病院のI群の1というのもこれに相当している基準でありました。 それでこれを見ていただきますと、今はDPC試行的適用病院で62あるわけでございます が、こちらでI群の1を届け出ている病院が48、次にI群の2、これは2.5対1でござい ますが、これが14ということでございます。これらの病院に関しましては本日お示しした 基準では2年後には2対1に看護配置基準を整えてほしいというような書き方にしている ところでございます。  あとは診療録管理体制加算でございますが、上から3つ目の行というか、表と言います か、上から3つ目の表でございまして、そこの右から3つ目の列を見ていただきますと、 診療録管理体制加算という項目がございまして、DPC対象病院ですと63、試行的適用病 院ですと61、次に調査協力病院ですと218というようなそういう算定状況になっていると いうことでございます。  その他の基準として出させていただきました救命救急入院料なり、あとは画像診断管理 加算とか、麻酔とか、病理診断はそれぞれほかのところに書いてございますが、以上のよ うな状況でございます。  こういうような基準を参考にしまして、あとは前回の御指摘を踏まえまして診調組D- 2にありますように、その2枚目にありますような基準を考えさせていただいたところで ございます。以上です。 ○西岡分科会長  ありがとうございました。その後に施設基準等についてというのが参考資料についてお りますが、それも御参照いただけたらと思います。では、これに関しまして御意見を御討 議をお願いしたいと思います。 ○酒巻委員  参考資料としてテーブルを出していただいておりますが、この資料の4ページに平成16 年度のデータ収集対象病院に対しては、診療計画策定体制があるということを基準として 設けているようなんですけれど、これは今度の新しい基準としては入れないというか、考 慮しないということになるんでしょうか。 ○眞鍋補佐  当然これも考えたわけでございますが、これに相当する点数として診療計画を策定する 時の加算が入院料につくような形に、そういうような点数がございます。それで、ほぼす べての病院でこういうことをやられておるというような状況でございますので、敢えてそ こを一つ明確な基準とする必要はないのではないかというようなことで、敢えてここは書 いていないところであります。 ○西岡分科会長  酒巻先生、よろしいでしょうか。 ○酒巻委員  既に行われているはずであろうという推測で、必ずしも加算というような格好で明示さ れていなくてもやっているはずだ、ということで理解しているということですね。 ○西岡分科会長  池上委員、前回、この一番最初の御意見をいただいているのですが、いかがでございま しょうか。 ○池上委員  ありがとうございます。私が申し上げた意見は、今度試行的適用病院に関しては基本的 に18年度からDPC対象にするということが決まったように伺っておりますので、そうし た場合にはこの試行的適用病院が満たしていない基準を新たに課すというのは問題ではな いかということを申し上げました。それに対して、この具体的基準案として提示いただい ております、2ページになりますが、看護配置基準については2対1を満たしていない病 院が14ありますけれど、これについては平成14年度までに満たすという、これは努力義 務ではなく達成しなければいけないということでございますね。それで、それ以外にここ に挙げられた診療録管理加算に関しても、これは1病院だけですけれど、試行的適用病院 の中で満たしていない病院があります。それでこの標準レセ電算マスターについては多分 問題ないと思いますが。  ですからこの今、試行的適用病院のうち1病院は診療録管理加算を取っていないので、 これも看護と同様に平成20年度までに満たすということが義務化する必要があるのでは ないかということが一点と。それから(4)〜(7)まで「望ましい」ということで掲げられたも のは、現在のところはどうも必ずしも今試行的適用病院の少なくとも2割程度は満たして おりませんし、特に病理診断に至っては半数という条件でありますので、これを望ましい ということは恣意性のある判断に陥る危険性がありますので、必ずしもこれは「望ましい」 のは、望ましいというのはそれはわかるんですが、これは条件の一部というように読み取 れる書き方は適切ではないと思います。もし条件の一部になさるのであれば、「現在の試 行的適用病院の看護人員配置基準について平成20年までに満たすことが条件」ということ を平成18年度からDPC対象病院となることの附帯条件として課すならそれは結構だと 思いますが、そうでなくて新規のものについてのみ(4)〜(7)を課すというのは前回申し上げ ましたようにフェアではないというように判断しますが、いかがでしょうか。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。今回の中ではDPCを希望する病院は手挙げ方式になっており ますので、特に専門病院などはこの項目は満たすことが不可能になるわけですね。ですか ら形としては上の3つということが必須条件になるのかなというように考えているんです が。 ○柿田委員  今の話ですけれど、やっぱり(4)〜(7)はもちろん標準的な良質な病院という意味では急性 期病院は持つべき条件だと思いますが、今見るとこの種の診療科の医師そのものが専門領 域が偏在していて数が少ない。そうするとDPCを普及させていく上でのインセンティブ にもなかなかなりにくい現状かとおもいます。これは将来的にも難しい問題でもあります ので「望ましい」という表現をどうとらえて、どのように位置づけるかというところがす べてだろうと思うのですが恣意的に、「望ましい」けれど残念ながら専門医がおりません、 というようなことが横行するようでは何の意味もなくなりますので、どのような表現がい いか、その辺を一つ御議論いただいた方がいいように思います。 ○三上委員  これはDPCをどうしても普及するのかどうかということをこの会で検討していくとい うような趣旨ではないかと思いますので、普及しなければならないということを前提にお 話しするよりは、どうするのかということを判断すると。それで、きょうは中医協でこの DPCの問題がまた報告されまして、そこで議論になったのはいわゆる在院日数の短縮に よって入院医療の効率化などで医療機関としての機能が向上して、診療内容に悪影響があ るとは認められなかったというような報告についての2号側等からの意見がかなり出た。 これは判断が早いんじゃないかと。実際の事例というか、特定共同指導なり個別の医療機 関を検索した中でアップコーディングだけではなくてさまざまな問題が出ているので、西 岡先生が最後に言われたようなある一定の基準ということが必要であると。ですから、基 準を低くして急性期の病院が診療報酬が高くなると経営上はうまく行くんだからというこ とで、この短期間だけでもそういうところに入っておきたいということでどんどん入って くるということではなく、少しまだ検索中なんだということを前提にハードルは少し厳し 目のところで、いわゆるある一定基準の病院だけでやっていくというのが正しい、今の時 点では正しいのではないかと思いますので、こういう望ましい基準についてもできる限り 満たしてほしいという形でやっていく方がいいんじゃないかと思います。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。貴重な御意見だと思います。ほかに。 ○酒巻委員  この(4)〜(7)については、例えば少なくとも1つ以上満たしているような病院となるとど の程度になるんでしょうか。感じでというと失礼ですが。 ○眞鍋補佐  すみません、ちょっと今は正確にお答えできません。最低でも1つと言われると、例え ば画像診断管理加算、これは191の試行病院が満たしているということでございます。そ れで麻酔管理料ですと207とか、最低でも1個と言いますと大体これぐらいのところが入 って条件を満たすということになろうかと思います。それで、全部を取っていないので、 済みません、私どもはきょうは準備しておりませんで大変申しわけございませんが、どれ かと言われるとこういう形で画像診断管理加算ですと191の病院は満たしているというこ とになります。 ○三上委員  これはDPCは急性期の病院ということを特定しますと、一番大切なのはここの参考資 料の5ページの表の中では、特定集中治療室管理料、これを取っているかどうかというこ とが急性期病院として一番質の面で担保できるんじゃないかと思いますので、ほかの病理 診断料加算でできるとかそういうことは急性期のあれではそれほど大きくはなくて、やは り集中治療というか、ICUの体制がどの程度整っているかというのは非常に大きなファ クターではないかと思いますので、できればこれを8番ぐらいに入れていただいてと思い ますが。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。非常にいいポイントを突かれていると思いますが、ほかに御意 見は。 ○酒巻委員  もう一つよろしいでしょうか。池上先生が先ほどお話しされた(2)の診療録管理体制につ いて平成20年程度までというように言われましたけれど、ある意味でそういう目標という のをできるものについては目標を与えていった方がよいと思うんですね。確かにこれはあ る意味で「あるレベル以上」というところに線を引こうとしていますが、そればかりでは なくて、この先に例えば現在の特定機能病院であってもやはりクリアするのはとても大変 なところまでレベルを上げていくという必要性があるだろうと思いますし、今ここでクリ アランスを決めたからこの先ずっと動かないんですよという意味ではなくて、先々の目標 はまた新たに決まっていくんですよという、ここには文言として書けるかどうかわかりま せんが、そういう姿勢なのだということをどこかに置きたいような気がするんですが。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。どうぞ御自由に御発言を。 ○伊藤委員  この参考資料を見せていただいて気になるのが、臨床研修病院の入院診療加算が特定機 能病院でも取ってなかったりということが随分、気になるデータのような気がするんです が、臨床研修病院というのは少なくとも外部の研修医に対して情報が公開されていたりと か、外部の人たちが入ってくるという意味で、客観性というか情報の公開が保たれている ということから考えると、そこら辺のところが一つの基準になるのではないかなという気 がするんですが、そういうのを導入するということはお考えにならないんでしょうか。 ○西岡分科会長  特定機能病院で取ってないところがあるんですか。 ○伊藤委員  ちょっとこのデータから言いますと、取ってないというのはすごく違和感があるもので すから。 ○熊本委員  同様にその右に診療録加算もございますよね。これはもう必ずしもDPC対象病院も全 部ではないんですね。しかし多分DPC導入に当たってはこの診療録管理体制はちゃんと しないと、多分データ提出というところでかなりできないと思うんですね。だからこれの 場合には診療録管理加算の場合には加算を取れるかどうかということで、取られていない 病院もこの中にはあるということであって、これはこの診療録加算に関してだけ言えば加 算を対象にするよりも、この原案でつくられているように体制を有しているということで もこの点に関してはいいのかなと考えました。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。ほかに、どうぞ。 ○山口委員  2ページの(4)〜(7)というのは、結局こういうものにDPCに参加できる病院はこういう 病院であるべきだという、何かそういう理想像があって決めたのではなくて、単に数を絞 るために作ったように見えます。というのは、両方やっているところもあるでしょうけれ ど、病院によっては救急はやっておらず、癌のことばかりをやっているところもあります から、そういうところは悪いわけでは決してないわけですよね。ここでなぜこの4つが挙 げられたのかよく理解できません。つまり、今回、追加として参加していただくべき病院 はどういう病院であるのかというのが何かあるわけではなくて、単に数を絞ろうというそ ういう視点のように見えますが、いかがでしょうか。 ○西岡分科会長  では事務局、お願いします。 ○眞鍋補佐  はい、まず上の3つは満たす病院であって、下は「望ましい」というような表現をさせ ていただきましたのは、中医協基本小委の方で手挙げ方式で段階的に拡大していくと。そ の時に基準をつくってくださいというように、こちらの分科会にミッションが与えられて いると。その時に基準としてはやはり(1)、(2)、(3)であると。だから(1)、(2)、(3)を満たせば それはもちろんお入りいただいて結構ですし、対象病院となりますと。それで(4)〜(7)につ いてはちょっと私も説明がなかなか難しいところがあるんですが、いわゆる急性期の入院 医療であるということを何らか打ち出したいなと思っておりまして、ただ「望ましい」と したのは、これを要件にしてしまうと確かにクオリティが決して低いわけではなく高いの に、そういう機能を持っていないだけで入れないということはいけないんだろうと思って おります。ですから、これは「望ましい規定」というものですが、実際の入る・入らない、 対象病院になる・ならないというような区分けに用いるつもりはありません。 ○西岡分科会長  この項目は前回の議論の時に、急性期病院として御指摘いただいたものが並んでおりま す。それで、きょうまた三上委員の方からICU加算ということを御指摘いただいたとい うことで、これが必ずしも必須であるという形にはならないということで。そうでないと、 例えば癌研とかそういうのは入れなくなってしまう可能性がありますので、やはりそれは 考慮しなければいけないというように考えてはいるのですが。 ○松田委員  前回の委員会で私が、こういうものを考慮したらどうかということを発言させていただ いたわけですが、その意図はDPCが支払いに使われることによって臨床の質が落ちるか もしれないという粗診粗療の話があるわけです。そういう粗診粗療というものを予防する ためには、やはり医療の場合には人的サービスでございますので、その人的基準というも のがある程度あるのではないかと思います。その医療の質を直接評価するような指標とい うようなものがもしあればいいわけですけれど、それを現行のルーティンで集めている情 報の中から作ろうとすると、これは非常に負荷がかかるだろうと思います。そういう意味 では、現行の診療報酬点数表から作成できる指標で情報で代替できるようなものがあれば、 そういうものである程度臨床の質を保障するという側面を持たせた方がいいのではないか と考えています。従って、私はこういうものがあった方がいいのかなと思います。ただ、 これを基準にしてしまうと、先ほどから委員の先生方からいろいろと、これが参入障壁に なってしまうということがあり得ると思いますので、「望ましい」程度でいいと思います が、やはり質を保障するということを考えると何らかの基準が必要ではないかなと思いま す。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。ほかに。 ○原分科会長代理  今、松田委員が言われましたように、やはり質の担保というのは放射線科医とか麻酔科 医とかそういうのは内科の先生がやれるからいいとか、麻酔も外科の先生がやれるからい いとか、そういう話は論外ではないかと思います。ましてや病理医が必要だということを 「望ましい」と表現するか・しないかはまた別問題として、日本が今病院ランキングなん かを言っていますが、本来あの中に例えば外科手術をして、それは本当に悪性であったか どうかなんて、そういう質の検証はされていないんですね。やはり病理医・放射線医これ は表現はともかくとして、項目として今後とも抜くべきではないと私は思います。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。ほかに御意見は、よろしいでしょうか。  御議論いただきましてありがとうございます。きょうの御議論を踏まえさせていただき まして、新規にDPC対象病院になる病院の基準ということで、まず3つの点。それから さらに望ましいという形で、これは一つの努力目標にもなるかと思いますが、きょう御指 摘いただいたトータル5つのポイントをつけた形で中医協の基本問題小委員会に報告をさ せていただきたいと思います。  あと、細かいところにつきましては私の方に御一任をお願いできればと思いますが、よ ろしいでしょうか。 ○全員  異議なし。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。では、そのようにさせていただきたいと思います。  次の議題でございます。包括評価の範囲の見直しについてということで、事務局より資 料の御説明をお願いします。 ○眞鍋補佐  はい、それでは診調組D-3に沿いまして御説明させていただきます。  包括評価の範囲の見直しについて(案)、前回の分科会におきまして包括評価の範囲の 見直しの方針としてこの四角にございますとおり、これは合意をいただいたというように 認識しております。前回の分科会ではそれぞれの「・」ごとに、こうしてはどうかという ように御提案申し上げたところであります。  まず基本方針というのは、これは平成15年3月の閣議決定のことを指しておりますが、 基本方針を踏まえて今後支払い方式としての拡大を図る中で、継続的にDPC制度導入の 影響に関する検証を行っていく観点から、現行の包括範囲については原則として維持する と。その上で、現行の包括範囲であって、ただドクターフィー的要素が強いもの、あるい は現行の包括範囲外であってホスピタルフィー的要素が強いもの。それと個別の項目につ いては見直しを検討したらどうかと。  具体的にはこちらの場にそれぞれ一つ一つ出しまして、先生方に一つ一つ見ていただく というより、まず事務局で整理させていただきたいということで、こうした方針に沿って 事務局において要望を踏まえて、要望の中からこの包括範囲の見直しにかかるものをピッ クアップしまして、それを整理させていただいたということでございます。  それで提案でございますが、今回事務局においてこの方針に沿いまして、次のページに ありますが、要望等について整理を行いましたところ、次のものについて対応することが 適当と考えております。(案)の一つ目は、画像診断管理加算、これは今は包括範囲内に 入っているんですけれど、これを包括範囲の対象外とすると。次に、手術前医学管理料及 び手術後医学管理料というものがございます。これは今は出来高算定できる指導管理等と いうものに入っている2つの項目でございまして、ただこちらは手術前医学の検査とかそ ういうもの、それから手術後の検査などを包括したものでございまして、DPC自体が検 査を包括すると言っておりまして、その外にこういう検査を包括してある点数が出来高で 取れるというのはちょっと制度上整合性がないということもございまして、こちらの方は 包括評価の対象とするということでいかがかというように整理させていただきました。  それで次の2〜3ページ目が、これまで我が厚生労働省はいろいろなところからの要望 をいただいておりまして、DPCに関してはいろいろな要望をいただいておるんですが、 特にこの包括範囲に関して要望があるところをピックアップしてございます。例えば一つ 目に画像診断管理加算で、これはDPCの包括の対象外とすべきと。あとは動脈造影カテ ーテルでは材料代も出来高にすべきであるとか、あとは手術に使用した材料について出来 高にするべきであるとか。あとは高額な医薬品・特定治療材料・画像診断ですが、こちら は日本病院団体協議会の方からの御要望でありますが、こちらの方は恐らく齋藤先生が、 先生は今日はもうお帰りになってしまわれましたが、診断群分類の見直しの方でかなり高 額な群でつくった分類とかできるような形になってございますので、そちらで対応できて いるのではないかというように思ってございます。  次に3ページの病理組織診なんですが、病理検査にかかわる診療報酬を出来高払いにす るというような要望がありました。それで前回の平成16年改定におきまして病理の診断料 に関しましては、包括範囲から包括範囲外にそういうような取り扱いをしております。で すからドクターフィーと言われるところは一応対応してきているのではないかなと。  あとは最後に、これは事務局の提案なんですけれど、手術前と手術後医学管理料、こち らは包括の範囲にさせていただきたいということで、そういうそれぞれの要望をそれぞれ 検討しまして、やっぱり物代というか、材料代はやはり含めていくというような原則は、 これはやっぱり見逃せないということで今回対応すべきというように考えられましたの は、1ページにあります画像診断管理加算と、そしてこの手術前後の医学管理料という2 つでいかがでしょうかということで御提案申し上げております。以上です。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。今の御説明に関しまして御質問、御討議をお願いしたいと思い ます。 ○三上委員  6番の手術前医学管理料・手術後医学管理料の検査にかかわる点数ですけれど、これは 包括に入っているようで出来高で算定できるということなんでしょうか。 ○眞鍋補佐  現在は包括の対象外でございます。今、包括の対象内というのは、入院基本料、基本的 な検査とか、高額でない処置とかそういうのがそれぞれ決まってございます。それと同時 に出来高で算定できるものも決まってございます。それは手術の部とか指導管理の部とか 決まっておりまして、この2つの医学管理料は指導管理等の部に入ってございます。です ので、その部を全体で出来高算定できるというようにしておりますので、今は出来高算定 ができるような形になってございます。  ただ、内容を見ますと検査をまとめた点数でございますので、そこは検査はDPCにな りますと検査はやっぱり包括の中でございますので、これは包括の中に取り込ませていた だきたいというような提案でございます。 ○三上委員  これは一般的な術前手術にかかわるようなものが外来にかなりシフトしたということが 言われておりますし、この辺のところが全部包括にして高く包括の点数をするとさらに外 来にシフトするとかいろいろなことが起こる可能性がありますので、ちょっと技術的なこ とを考えていただきたいなと思いますが。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。多分これはデータをはじき出しまして、どういうような形にす るのが望ましいかというようになるかと思いますが。今のような御意見でもしお気づきの 方がございましたら、ぜひともお願いします。どうぞ。 ○吉田委員  これで来年4月から372に拡大するわけですね。実際に我々は平成15年からDPCレセ プトを審査しておりまして、非常に混乱を起こしているのがあるんです。できれば包括し てもらった方が審査員としても審査しやすいし、それから健保連からの再審も大分減ると 思うんですね。少し提案ですが、例えば特別食加算がこれが外出しですね。それが特食を 取ってくると健保連から病名がないということで戻ってくるんですね。それからこの在宅 医療について、急性期病院として在宅医療を別出しでいいのかと。問題はこのリハビリと 精神科専門療法、これが入院中にやってきても外出していると取れないわけですね。それ に対する病名がないということで、非常に混乱しているんです。ですから審査する側とし てはできるだけ包括にして、健保連の方からも文句が出ないようにしていただきたいと思 いますが。 ○眞鍋補佐  ちょっと技術的に可能かどうか検討します。特に特別食などは、これは療養費でござい まして、現物給付である診療報酬点数とは全く別な体系になってございますので、ちょっ とこれは制度上厳しいかなというように思います。  あと、ほかにいただいた御指摘もちょっと検討させていただきますが、ドクターフィー 的要素がやっぱり強ければそこは学会とも調整してどうかという感じになると思います が、一応事務局で受け止めさせていただきたいと思います。 ○西岡分科会長  よろしくお願いします。そのほかに何か御意見がございましたら。  それではこの包括評価の範囲の見直しにつきましては、これをまた分科会長である私の 方から基本問題小委員会の方に報告を行うこととさせていただきたいと思います。それで、 きょうの議論の内容も踏まえまして微調整もあるかと思いますが、それに関しましては私 の方に御一任をお願いできたらと思っております。よろしいでしょうか。 ○全員  異議なし。 ○西岡分科会長  ありがとうございました。それで、きょうの議題は以上なんでございますが、それ以外 に何か御意見がございましたら承りたいと思いますが。 ○吉田委員  これはレセプト審査にかかわることですが、これだけ拡大しますと全国規模で審査会に いっぱい来るわけですね。それで実際にDPC診療報酬請求書の記載要項の中でもいろい ろ混乱しているものもありますので、これについてこの分科会でやるのかどうかわかりま せんが、一応審査委員会として改善してほしいという点が結構ありますので、それを緊急 的にやっていただきたい。それは会長から基本問題小委員会の了解をとるんでしょうか。 ○西岡分科会長  はい、これはどうなんでしょうか。 ○眞鍋補佐  ありがとうございます。今のレセプトの記載要領ということで認識しますが、それはレ セプトの記載要領自体というか、レセプトの請求に関する細かい規定は請求省令という省 令で決まっておりまして、私ども医療課で作業をしております。  それで今いただいた御指摘はどちらかと言うと、我々事務的にレセプトの組織を変える なら変えるというように検討をそれは当然することになると思いますので、そこはどちら かと言うと中医協で御議論いただくというよりは、私どもが受け止めるべき内容かなと思 っております。 ○邉見オブザーバー  関連してよろしいですか。今の吉田委員と同じようなことがやっぱり各都道府県でも起 こっております。私は兵庫県の方でずっとDPC対象病院の審査を担当しておりますが、 非常に難しくて混乱しております。どんどんとふえていくということになると、もうこう いう専任を兵庫県でも置こうかということになっておりますが、1人の人が同じところを ずっと見るのもどうかということもありまして、非常に苦渋しております。  それともう一つ、先ほどから拡大に対して要件が、麻酔・放射線・病理というようなも のが出ておりますが、これはやっぱり松田委員のおっしゃったように、ある程度の質の確 保が、やはり日本の医療の非常に貧しいところ麻酔・放射線・病理、この医師のための医 師、患者さんの目に見えないけれど病院の縁の下の力持ちというようなところですね。主 治医にならなくて、レセプトにもなくて、あるいは開業もしにくいと。そういうようなと ころにちゃんとしていないから非常に困ったことが起こって、そこへも人が行かないとい うことになっていると思いますので、その辺のところはちゃんと押さえなければいけない のではないかと。精神科専門病院であるとか、あるいは眼科専門病院であるとか、そうい うものは別の枠、あるいは精神科救急とか、別の枠でDPCに入っていただいたらいいの ではないかと思います。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。三上委員どうぞ。 ○三上委員  直接今のと関係するかどうかわかりませんが、個々の例を引き合いに出して申し上げる のは非常に問題なんですが、今DPCを拡大する方向で進んでおりますが、現在調査協力 病院のところを何軒か聞きますと、やはり出来高での点数は非常に高くしておいて早いう ちにDPCに入りたいというところが結構多いです。というのは、現在の方式が前年度の 診療報酬を担保できるような形にするために、できる限り高めといっても限度があると思 いますが、数%なりとも膨らませた形でDPCに入ってそれを担保される形にして、今度 は3%なり4%なり経費を圧縮するというような形で利益を出していきたいというように 考えているところが非常に多いように思います。今までの15年から導入されたDPCが、 事務局に聞きますともともと100%のがDPCに入ると3%程度は経費が抑制されている と。その3%を補填するために1.03の調整係数をつくったというような話。その次の年も 同じように94%に下がっているけれど、100%のところを前年度の1.03%を担保するとい うことで、15年度からスタートしたところは6.9%程度出来高よりプラスになっていると いうような話を聞いておりますし、そういうようなところをねらって短期間でも対象病院 になりたいというようにして今いろいろ焦りながら調査協力病院が試行的病院になりた い、あるいは対象病院になりたいと思っておられるような形が多いと思うんですね。  この調整係数が非常に高い状態で今我々検討しておりますが、この状態で出た結論が果 たして正しいのかどうか。確かに粗診粗療というのは非常に高い点数をつければ必要があ りませんから起こらないと思いますが、これは調整係数がなくなってきて1.0あるいはそ れが1号側が厳しい状態で締めてきた場合に、粗診粗療というのは必ず起こるだろうと思 いますし、その辺のところは我々委員としては十分に考えた上で案を想定して分析しなけ ればいけないと思います。きょうの中医協でも診療内容についての検討が果たして、在院 日数が短くなっただけで本当によくなったのかとか、あるいは効率化が本当に再度それは 医療としてよかったのかというようなことについての成果についての評価の仕方につい て、はっきりした根拠がないということを指摘されておりましたので、その辺についても 十分に検討していただきたいと思います。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。貴重な御意見だと思います。また現状がそういうことが起こっ ているということであれば非常に由々しきことではないかと思いますが。 ○酒巻委員  今の三上先生の御意見は私も賛成なんですが、その上で多分ここに書いてある(4)〜(7)と いったようなものをなるべく早く義務化していく。つまり、効率化した部分というのは質 の方にやはり転嫁していくと。そういう仕掛けをつくっていかないと結局、効率化しまし た、はいよかったですね、という格好になり兼ねないのであって、必ず質が担保されるん だという仕掛けがあると、義務的に(4)〜(7)をつくっていくという形がいいのではないかな と思いますが。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。非常に貴重な御意見だと思いますが、ほかに。 ○嶋森委員  DPCで在院日数が短くなって看護の方でもかなり大変な状況になっています。看護要 員2:1を確保している病院をするというのは非常に適切で、今後診療報酬上ももう少し 高い配置を必要となる状況があるのではないかというように考えます。ただ、先ほど三上 先生がおっしゃいましたが、在院日数が短くなって効率化がいいかどうかということは、 これからは中身の問題を検討する必要があります。ただDPCを導入することによってた くさんの医療施設の中の例えば在院日数の指標を比較できるなど、目に見える形で皆が見 えるようになったということは、中身をこれから検討する材料として非常によかったかな と思います。だから、これから質をどうやって見ていくかということはこれからの議論か なというように改めて認識しています。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。その部分がこの委員会の非常に重要な役割になるんじゃないか と思っております。ほかに御意見はございますか。  それでは、きょうの御議論を以上とさせていただきたいと思います。それで事務局の方 から今後のスケジュール等につきましてお願いします。 ○眞鍋補佐  はい、ありがとうございました。今後のスケジュールでございますが、年内は何も予定 しておりません。それで年が明けまして中医協の基本問題小委を含む一連の議論が開始さ れるのが11日からとなってございます。それでその中で西岡先生の御予定を確保させてい ただきまして、きょうの議論を調整させていただいたものを御報告させていただくという 運びになろうかと思います。  現段階では以上でございます。 ○西岡分科会長  ありがとうございました。きょうは非常に活発な御意見をいただきまして、うまくまと めができることができました。ありがとうございました。それでは平成17年度第5回診療 報酬調査専門組織・DPC評価分科会を終了させていただきたいと思います。本日はお忙 しい中ありがとうございました。 −了−       【照会先】        厚生労働省保険局医療課医療係        代表 03−5253−1111(内線3276)