05/12/07 中央社会保険医療協議会診療報酬改定結果検証部会平成17年12月7日議事録 05/12/7  中央社会保険医療協議会          第2回診療報酬改定結果検証部会議事録  (1)日時  平成17年12月7日(水)12:13〜12:47 (2)場所  第一ホテル東京「ラ・ローズII」 (3)出席者 遠藤久夫部会長 土田武史委員 室谷千英委員 小林麻理委員        白石小百合専門委員       <事務局>       麦谷医療課長 堀江保険医療企画調査室長 他 (4)議題  ○平成16年度改定の結果の検証について (5)議事内容 ○遠藤部会長  ただいまより、第2回診療報酬改定結果検証部会を開催したいと思います。  まず、委員の出欠状況について御報告いたします。本日は、全員の委員が御出席 されております。  また、本日は、保険局長及び宮島審議官は、公務のため欠席させていただく旨の 連絡を受けております。  それでは、議事に入らせていただきたいと思います。  本日は、前回に引き続きまして、「平成16年度改定の結果の検証」について議 題としたいと思います。  事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いしたいと思います。 ○事務局(堀江保険医療企画調査室長)  前回第1回をやりまして、その際に、16年度改定の結果をある意味で検証した 形になっているものとしまして、厚生労働省が委託しました小児医療に関する外部 調査の結果を御紹介したところでございます。そのほかに16年度改定の影響調査 を行ったものがあればという御発言がありまして、本日、検−1−1といたしまし て、精神科医療に関します調査研究について資料をお出しさせていただきます。  大分時間も押しておりますので、ごく簡単に、資料の見方だけ申し上げさせてい ただきたいと思いますが、あけていただきましたところの序文のところにございま すように、診療報酬改定の重点項目として挙げられた精神科医療につきまして、厚 生労働省から日本精神科病院協会が委託を受けて調査したものですということでご ざいまして、主な診療報酬改定項目が1ページのところの表に入っているところで ございまして、その退院前訪問指導料ですとか、複数による精神科訪問看護・指導 料等が、その16年度の改定になったものでございます。  本当にごく簡単に見ていただくようにいたしますと、3ページのところをごらん いただきますと、この上の方なのでございますけれども、(1)、(2)、(3)、(4)、(5)と書 いてあるところだけごらんいただきたいと思いますが、(1)、改定前と比べまして、 病院行動にどのような変化が起きたか、それから(2)、改定について、経営者層、要 するに理事長さんとかが収益及びケアの面でどのような評価をしているか、それか ら(3)といたしまして、評価がされたのにもかかわらず、そのサービスを提供されて いない医療機関において考えておられるところの阻害要因は何なのだろうかと、そ れから(4)といたしまして、幾つかの病院についてタイムスタディーをお願いいたし まして、それぞれの新設された項目についての人員、時間、人件費の実態等、それ から(5)といたしまして、精神科病院についても地域との連携、先ほども議論が出て きたところでございますけれども、が欠かせないけれども、精神科病院におきます 連携への取り組みはどのようなものがあったかというのを調査したのがこの報告で ございました。  それから、本日は資料としては用意してございませんけれども、DPCに関しま しても影響調査の結果というのは既に診療報酬基本問題小委員会の方には報告され ているところでございます。  それから、先回室谷委員の方から、在宅医療に関する状況、特に病院と診療所別 の実施状況と介護保険に関する資料のお求めがございましたので、御紹介するもの として準備いたしましたものが、検−1−2というところで、「在宅医療に関する 検証について」というものでございまして、在宅医療に関する検証に資する既存の 調査結果として次のようなものがございますということで、社会医療診療行為別調 査、それと施設基準の届出状況ということでございます。これらにおきまして、病 院・診療所別に点数の状況の把握が可能になっているというところがございます。  それから、介護保険については、下記のようなものが調査結果としては活用がで きるということでございます。  簡単に見ていただけるように、1ページのところをごらんいただきますと、「往 診料」とありますその次のところに「在宅患者訪問診療料」、これは16年改定の 際に一部評価をされたものでございますけれども、これで見ますと、社会医療調査 の結果としまして、診療回数があり、それから点数として推計されたものが病院、 診療所、それから計という形で、どのような状況になっているかというものを取り まとめさせていただいているものでございまして、これが在宅医療に関係するとい うものとしましてずっと整理をさせていただいているものでございまして、こうし た手法というのが一つ、今回在宅医療そのものの議論も去ることながら、検証の手 法を進化させていこうということでございますので、調整させていただいてお出し させていただいた資料でございます。  それから、さらに既存の調査を活用してどのようなものができるかということで、 これは、検−2の方をごらんいただきたいと思います。これは16年度改定の結果 の検証という、既存の調査を活用したものですよということで、使いました資料と しては、先ほどの検−1−2のものと同等でございますけれども、特に、「小児医 療」、「精神医療」、「在宅医療」につきまして、16年度改定前後の状況につい て整理したものでございます。これも簡単にごらんいただけますように、1ページ 目のところをおあけいただきますと、「小児医療」というところで、「初診料・再 診料及び小児科外来診療料における小児の時間外加算」ということで、内容はすぐ そこの右のところに書いてございますし、16年度としてはどういう改定をさせて いただいたかというものが、「改定内容」というところで、(1)、(2)となってござい ます。そして、その下に、これは結果検証ということでございますので、当時設定 したゴールといいますか、目的というものが何であったかというところを、当時の 議事などあるいは資料などを見ながら整理したものでございまして、「予期した効 果」ということで、小児に対する時間外診療体制の充実というものが予期した効果 であったということでございます。そして右の方に、これは今回は16年度改定の 内容でございますが、15、16、それに14年のものもつけまして、14、15、 16の推移を見ているというものでございます。  今回いわば重点的というようなことで、部会の先生方の中で特定されてきており ますところの「小児医療」、「精神医療」、「在宅医療」についての16年度改定 前後の状況について、この1ページからは「小児医療」、そして2ページ以降、 「精神医療」、「在宅医療」と、こういう形で、その改定内容、そして診療行為の 度数等についてお示しさせていただいているところでございまして、先ほど申し上 げましたように、「予期した効果」というのは、比較的先ほどのような詳しさのレ ベルであるところが少し特徴として挙げられようかということでございます。  以上でございます。 ○遠藤部会長  どうもありがとうございます。  ただいま、独自に調査をされたものと、それから定例的にとっているデータを使 って重点的な項目について試行的に分析をされた例を出されたということでありま す。  中身についての御議論もあるかと思いますけれども、少し話を進ませていただき ながら、また、御意見賜りたいと思います。  前回、当部会におきまして、当面の進め方といたしまして、次の第3回会議にお いて、平成16年度改定の結果の検証について、試行的な検証結果及び今後の検証 に向けた課題について取りまとめて、取りまとめた内容については中医協総会に報 告することとしたところでありますけれども、本日、それに向けまして、私の方で 報告書に盛り込むべき事項につきましてメモを作成してあります。ごらんいただけ ればと思います。  中医協検−3ということでありますけれども、これは基本的には報告書の構成案 に比較的近いものではあるわけですけれども、内容的にどういうものを盛り込むべ きかどうかということを御検討いただくためのものでありますので、構成そのもの も修正されることも十二分にあるということでございますけれども、これにつきま して御検討いただきたいというふうに思うわけです。その中で、先ほど室長から御 説明あった内容については、また御質問、御意見いただければと思います。  このメモに沿ってちょっとお話しさせていただきたいと思いますが、基本的な構 成が5つに分かれておりまして、一番初めが、診療報酬改定の結果検証に関するこ れまでの議論ということになっておりまして、なぜこういうことをやるのかという ことであります。  第2が平成16年度診療報酬改定の結果検証についてというところでありまして、 これがある意味で本筋の話になるわけでありますけれども、ただ、今回は極めて時 間もありませんし、使えるデータも少ないということでありますので、どういう位 置付けでやるのかということで、検証作業の方針ということをここで書いてありま す。  中身を申し上げますと、本格的な検証作業は平成18年度改定の検証から行うこ ととして、そのための試行的な位置付けとして実施するということであります。  したがいまして、検証の対象も、16年度改定時に重点項目とされていたもの、 「小児医療」、「精神医療」、「在宅医療」、「DPC」、これに関して調査の対 象としたいというふうに考えているわけであります。  それから(3)でありますけれども、では、何を診療報酬の改定項目ごとに調べ るのかということでありますが、結局、使えるデータに制約があるということで、 先ほど資料の中にありました社会医療診療行為別調査というのが非常に細かく統計 をとっているものでありますので、これで回数と点数がわかるということで、基本 はこれがベースになるだろうというふうに思うわけであります。それ以外に、届出 医療機関の調査等々いろいろあるかと思いますので、それらを組み合わせて使うと いうことと、それ以外に、先ほど御説明ありました「精神医療」を含めて幾つかの 独自の調査、その外部の組織がやっている調査がありますので、それらをまとめて いこうということだと思います。  それと、そういうことを調べた上で、3番目としまして、平成16年度の改定が 与えた影響の検証結果の総括というようなことが一つまとめられるだろうというふ うに思うわけであります。  それから、そのような一応この試行を行った上で、この検証を踏まえた上での今 後の課題としていろいろなことが考えられるだろうということを少しここに書き並 べておきました。 5番目に、平成18年度改定に向けて、今度は改定をする際に、この検証すると いうことを前提にしなければならないので、どういう視点が必要かというようなこ とを幾つか書かせていただきました。例えば改定目的を明確にするとか、あるいは 可能であるならば、改定効果の評価指標のようなものをつけられれば、つけたらど うかとか、幾つかのことをランダムに書いてありますので、御検討いただければと 思います。 このような形で一通りのメモをつくらせていただいたわけでありますけれども、 それでは、例えば一番最初の「はじめに」などというのは、これは既に中医協で議 論されてきた内容で、我々以上に事務局の方が詳しいかと思いますので、簡単に、 この「はじめに」というのはどういうような内容なのかということをお話しいただ ければと思いますが、よろしいでしょうか。  では、お願いします。 ○事務局(堀江保険医療企画調査室長)  「はじめに」のところ、これまでの議論ということで、もう御案内のように、昨 年の中医協の全員懇談会了解、それから今年の7月にまとめられました中医協の在 り方に関する有識者会議のところで、精神としては一緒なわけでございますが、例 えば中医協で言われていたことといたしましては、中医協の場において医療費の動 向の報告等が行われていましたが、これまでは、診療報酬改定に至る取り組みと比 べてその取り組みは不十分であったと言わざるを得ないということで、審議の透明 性確保の観点からも、診療報酬改定の結果の検証を行い、その後の議論につなげて いくことが必要であるというようなことが、その両方に共通された精神としてあっ たわけでございまして、その下の方なのでございますけれども、14年度改定の話 というのが書いてございます。それは何かと申しますと、昨年16年、そして今年 の17年に入りまして、そういう取りまとめも内部・外部からなされたわけでござ いますけれども、14年の時点において、14年度改定に際しまして、14年度改 定の評価について必要なデータを収集した上で、各項目に対する評価を行うのだと いうのが中医協の診療報酬体系の見直しに係る審議の概要というところに位置付け られておりまして、そうしたものといたしまして、それを15年10月時点でどう いう評価をしていこうかということで、いろいろ例もございますけれども、例えば 在院日数の短縮化をしたようなものであれば、どれだけ平均在院日数が短縮できた のかどうかとか、あるいは、急性期の入院加算の算定状況はどのように変わったで あろうかというようなもの、今ほんの一例を申し上げさせていただきましたけれど も、そうしたような、どういう項目を評価すべきであるかというようなことを、そ の当時としては比較的整理まではしてみましたというところがございまして、その 後、あまりそこは表に出ての議論にはなっていないという経過がございましたとこ ろでございます。  それから、少し上にございますが、社会保障審議会の方では、この改定をした結 果についてまたその報告をしてほしいということがありましたということでござい ますので、そういったあたりがこれまでの議論としては出されてきたものの大まか な全体像かというふうに考えているところでございます。 ○遠藤部会長  ありがとうございます。  その辺をうまくまとめたものを「1 はじめに」というところに入れたらどうか ということであります。  少しそれでは2、3につきまして続けて解説させていただきますと、結果の検証 ということでありますけれども、この方針は、先ほど申し上げましたように、試行 的な位置付けという形で、12月中に中間的な取りまとめをするということで考え ておるわけでありますので、この16年度改定の影響につきましては、18年に入 った後も続けてやるべきだというふうには案では述べております。これは、16年 の変更が17年に与える影響というのがあるわけですけれども、2年目になります とまた効果が違うということもありますので、継続してやったらどうかということ であります。 今回の報告書の検証の対象としましては、先ほど来出ておりますように、重点項 目ということで、「小児医療」、「精神医療」、「在宅医療」、「DPC」という こと。それ以外に、例えば16年度改定で新たに保険導入された主な技術というも のは入れるかどうか、あるいは、算定要件、施設基準等が変わったようなものの、 その後の動静がどうなっているか、これらを入れるかどうかということは検討事項 かと思います。  それから、16年度改定が医療費全体にどう影響を及ぼしたかということは、興 味のあるところではあるわけでありますけれども、これは基本的に、価格の変化が 全体にどう影響を及ぼしたのかという因果関係を明確にした形の分析はなかなか難 しいということがありますので、今回についてはそこまでは言及はしないというふ うに考えておきたいというふうに思います。  それから次が、診療報酬改定項目ごとの検証ということで、結局、何を検証の効 果の尺度とするかということでありますけれども、これは診療回数と点数につきま しては把握ができるということで、基本的にはそれをベースにしたいということ、 それと、先ほど来の独自調査があるものについては、それをまとめたいということ であります。  3を飛ばしまして、4の今回実施した検証を踏まえた今後の課題ということで、 どういうような独自な調査が必要なのか、あるいは、既存の統計によってどういう ことが検証方法として使えるかということの、その再検討を今後やってみる必要が あるだろうということであります。  それから、検証対象の選定基準というものも明確にしていくことが必要ではない かということで、とりわけ、重点的な検証対象につきましては、改定時にあらかじ め特定しておくということも必要だというふうに思いますし、診療報酬改定の主要 事項や国民の関心の高い事項を選ぶのか、あるいは、改定とは直接関係ないにして も、診療回数の非常に大きな変化があるようなものは拾うのか拾わないのか、対象 とするのかどうか、あるいは、今回は薬や材料は入れておりませんけれども、物に よっては、医薬品や医療材料・機器も入れる必要があるのかどうかというようなこ とも検討する必要がある。  それから、この結果をわかりやすい形でどうまとめるかということでございます。  18年度の改定に関しましては、幾つかの懸案事項があるということで、検証を 実施することを前提として診療報酬改定の目的や目標を明確化していく必要がある だろう。それから、可能な場合はあらかじめ改定効果の評価の指標を設定しておく 必要があるだろう。それから、検証に当たっての必要な調査ということを事前に検 討していく必要があるだろう。定量的なもの、定性的なものですね。それから、今 回は診療報酬改定が医療費全体に及ぼす影響については議論しておりませんが、そ の把握の手法を含めて今後検討する必要があるだろうということであります。 検証結果につきましては、社会保障審議会の作成した基本方針に則した改定であ ったかどうか、実際の改定の効果がどの程度であったか等について、社会保障審議 会に報告をするということであります。  これが、ざっとメモでございますので、これについて御意見、御質問いただけれ ばと思います。 ○土田委員  1点ちょっと確認したいのですが、この結果の検証というのは、次期の改定に対 して、前の改定がどういう影響を与えたかということを見ながら、次期改定を進め ていくということですよね。つまり、16年度改定がどういう結果をもたらして、 それを踏まえながら次の18年度改定に向けていく。それが今回は、あらかじめ準 備がなかったわけですから、十分できるかどうかということは別だと思いますが。  この最後に説明いただいた、この報告書に盛り込むべき事項の整理ということで 言えば、第3番目までが16年度改定にかかわる結果の検証でして、それで、4項 目以降が、次回からどういうふうな形で検証を進めていくべきかというふうに分か れておりますので、とりあえずこの第3項目までの検証がある程度まとまった時点 で、もし可能であれば、18年度改定にそれを役立てるものなら役立てたいという ふうに思っているのですが、どうですかね、そういうふうにできますかね。 ○遠藤部会長  これは私もその最終的なこれの目標がどうなのか、つまり、18年度改定のため にやるのかどうかということについては、必ずしも私はそうは理解していなかった わけでありまして、これは、基本的な社会保障審議会の方針に沿っているかどうか ということのチェックでありますので、16年度改定の結果を17年だけの1年の 影響を見て、それで18年度改定に向けるというのは、場合によってはちょっと無 理もあるわけですね。ただし、時間的に間に合うのであるならば当然それを18年 度改定に利用するのはいいかと思うのですけれども、ここの私の理解するところで は、必ずしも18年度改定のための調査ではないのではないかというふうに思って おるのですけれども、これついてはちょっと事務局に、その辺はどういうふうに理 解したらいいか、聞いてみたいと思うのです。事務局の御意見で結構でございます。 ○事務局(堀江保険医療企画調査室長)  御審議いただいたらと思いますが、恐らく、対象分野を比較的絞り込んで、ただ し、それは16年度改定の重点であったという意味では、十分、それをもって代表 できるのかもしれませんけれども、ただ、こういうものを検証したらいいのではな いかというものが必ずしも十分に議論できているわけではなくて、特に重点のとこ ろで、どういうものが検証にたえ得るような資料があるかということでお求めがあ って、本日までいろいろ資料をお出しさせていただいているところでございますの で、16年度改定の結果というのは、16年度と17年度でもってわかるわけでご ざいますけれども、それで、では16年度の改定の内容でこういう面で思った内容 と違ったので、もっと18年度改定ではこうだという意味合いでの活用というのは 少し難しいかもしれませんというのが1つでございます。 それからあと、ただ、18年度改定をしていただく際にどういうことを着眼しな がら改定をしていただいた方がいいかというところは、16年度改定の結果、今幾 つかの分野で見ていくと、やはり浮かび上がってきていまして、可能ならばもう少 し明確な目的というか、極端に言えば数値化できるものもあるならば、それもして いただくと、そこに達しているのかどうかみたいなことが議論できるわけで、そう したことが言えるのではないかということがございます。  それから、先ほど部会長の話で、1つだけ補足させていただきたいのでございま すけれども、検証の内容というのは2とおりあって、改定されたものが企図したそ の趣旨に合った効果をもたらしていたかどうかというのが1つ。それからもう1つ は、これは先々の話でございますけれども、18年度改定の基本方針というのが出 てくるわけで、この基本方針に沿った改定となるか、なっていないかというような あたりが、次のときの改定の検証の内容になるのだと、そのように理解しておりま す。 ○遠藤部会長  ありがとうございます。  したがいまして、18年度改定にもちろん利用できる内容が出ていれば、時間的 に間に合えば、それはもちろん検討するのは構わないわけでありますが、というこ とです。 ○小林委員  今のに関係しているのですけれども、結局、診療報酬改定というのは、やはり縮 減していくその財源というのをいかに効果的に使っていくのかということだと思う のです。ですから、例えば16年度の試行的な検証におきましても、その重点分野、 「小児医療」ということに関して、ミクロで見るのではなくて、この改定を行った 結果、やはり目的は「小児医療」に対する効果がどのように出たのかということを やはり射程に置かないといけないと思うのです。  ですから、その16年度のところで、例えば一番最初のところの小児に対する時 間外診療体制を充実したということで、非常に見やすいわけなのですけれども、そ の下のより効果的かつ効率的な小児の入院医療の提供というのは、では、この診療 報酬改定でどうなったのかというのは、非常に見えにくい部分があるということだ と思うのです。ですから、その辺のこの診療報酬改定、過去に行われたものがどう いうインパクトになっていくのかということもここから学べるのではないかと私と しては思っておりますので、18年度改定に対するインプリケーションもそこの点 ではあるのではないかと思っているところです。 ○遠藤部会長  したがって、18年度改定に使えるものについては使えるということを、全くそ れは否定するものではないわけでありますが、18年度改定のためにこれを行って いるというと、時間的にもかなり難しいところもあるということだということを申 し上げたわけです。  それから、それは皆さん方の御意見だと思いますが、どうなのですか、18年度 改定に、改定目的に資するようにということを非常に重要な目標の一つにされたい という御意見ですか、そうすると。 ○土田委員  いや、最初からそういうわけでつくったわけではありませんので、ただ僕の言い たいのは、この第3項目の報告の時期の問題で、ですからすべてその改定が終わっ て3月末にこういう16年度改定の結果が出ましたということだと、今審議してい ることと、つまり18年度改定ですね、そのことが一応決まった後で16年度改定 の検証が出てもちょっと時期がずれてしまうので、どうせだったら、18年度改定 の審議の過程で出せるものは出していくという程度のことです。  それで、今小林さんが話していたように、実際は、この表なり数値に見えるとこ ろは見えていく、ところが、見えないところは見えないのがいっぱいあるわけで、 見えないところは、では、次の検証のときにどういうデータが必要かという議論に なっていくと思うのです。ですから、あまりかたく考えないで…… ○遠藤部会長  基本的にはその辺については全く合意ができていると私も思います。  事務的に、これを公表する時期というのはいつぐらいになるということになるの でしょうか。 ○事務局(堀江保険医療企画調査室長)  11月2日の際に、「当面の進め方について」ということでお諮りさせていただ いたのですけれども、要は、年内に3回程度行って、まとめられる部分は年内にま とめて、中医協の総会に部会から報告していただこうという話でございます。 それから、それで、言葉の尽きない部分というのは、当然、そのときのペーパー にはあまりなかったのですけれども、遠藤部会長からも、やはり16年度改定の検 証というのも、年が明けても引き続き行っていくべきではないかと、要するに、3 回やって終わりましたというものでもないでしょうという話がございましたのが1 つ。  それからあと、12月までの報告したものについて、18年度改定の結果に向け て、例えば改定をしていただく際に、こんなあたりは御注意いただいたら、御注意 といいますか、御留意いただいたらどうかというような部分は、またそれはそれで 御議論いただいて、今回遠藤部会長がまとめていただきましたペーパーにも出てい ますけれども、何かこういったことが検証を今回やってみて課題として浮き上がっ てきていますよというのを具体的にお伝えいただくというようなことになるのかと 思います。 ○遠藤部会長  ありがとうございました。 ○土田委員 僕は全くそれで結構だと思います。 ○遠藤部会長  では、そのような方向で、どっちみち12月の終わりまでにはこれは報告しなけ ればいけないというものになっております。 ほかにございますでしょうか。 ○白石専門委員  そもそもなんですが、今回検証するということになって資料をいろいろ拝見させ ていただいたのですが、平成16年度の検証はなかなか難しいというのが感想でし て、それは、データの制約というのももちろんありますけれども、実は、平成16 年度改定のいろいろな個々の目標があまりよくわからないというところがあるとい う感想をを持ちました。検証するためには、そもそもどういった目的で改定するの かというところが非常に重要になってくるのですが、大きな目標はともかくとして、 個々の改定の目標というのがよくわからなかったというところがあります。ですの で、先ほどから平成18年度改定にいかに役に立てるべきかというお話があります けれども、先ほどの室長のお話もありましたが、検証を前提として次の改定に臨む となりますと、やはり目標の明確化というのが図れるという、そういうメリットが あるのではないかと思います。  それで、平成18年度から本格的にやるのだということで理解しておりますけれ ども、18年度の影響を見るためには、改定前と改定後と両方比較しないとなかな か影響というのは見にくいところがあると思います。  5番目のところにちょっと飛んで恐縮なんですが、来年度の改定に向けてという ことで、「必要な調査についての検討」とありますが、これに関して必要なものを 企画できるかどうか、時間的な制約が非常にありますけれども、改定前にも調査の 実施などの検討をすることも必要ではないかというふうに考えております。 ○遠藤部会長  貴重な御意見をありがとうございます。  まさに検証することを目的に必ずしもしていなかったということがあったわけで ありますので、そこら辺がちょっと不明確になっているわけで、それを18年度改 定では、そこを明確にするべきだということをここで盛り込んでいるわけでござい ます。 ○小林委員 今の白石委員のにつけ加えて、私が思うのは、「小児医療」の自体の 目的が、分野の目的が何なのかということと、それを構成している個々のサブカテ ゴリーといいますか、そこの目標が何なのかということもやはり連携して見ないと いけないと思うのです。だから、結局、エリアといいますか、分野の、「小児医 療」だったら「小児医療」というところが、全体、効果を持たなければいけないけ れども、それを構成している個々の目標は何なのだというところをやはり明確化し なければいけないだろうと。それで全体的にインパクトを高めていくということは 必要だろうというふうに考えています。 ○遠藤部会長  ありがとうございます。  私も多少この経済学の分野で医療を扱っていて、いろいろ実証研究をやった経験 がありまして、実はなかなか難しいのです、正直申し上げまして。まして、全体の 医療費に与えた影響などを価格の改定だけで検証するなんて非常に難しい話であり ますし、「小児医療」といいましても、なかなか細かいところまでブレークダウン しますと、本当に独自の調査をきちっとやっていくという形でなると思いますので、 非常にそれは重要な御指摘でありますが、やはりどこかを捨ててどこかにフォーカ スを置いてというようなやり方を少しずつしていく、あるいは分析にしても、ある 程度条件を緩めた形にするというようなことをしていかざるを得ないのかなという ような感じがしますけれども、おっしゃるとおりであります、あまりにも包括的過 ぎるので。 ○小林委員  基本的なコンセプトとして…… ○遠藤部会長  はい、おっしゃるとおりだと思いますので。ありがとうございます。  ほかにございますでしょうか。  それでは、時間も押しておりますので、このメモがこれでいいかどうかも含めて、 あるいは御意見等々を事務局の方に何かあれば提出していただいて、次回は、これ に沿いまして、新たに御意見を踏まえながら私の方で総会へ報告するための報告書 案を作成させていただきまして、これをもとに次回の検証部会で引き続き議論させ ていただきたいというふうに思います。 次回の日程につきましては、追って事務局より連絡いたしますので、よろしくお 願いいたします。  それでは、本日はこれにて閉会いたします。ありがとうございました。 【照会先】 厚生労働省保険局医療課企画法令第1係 代表 03−5253−1111(内線3288)