有期事業に係るメリット増減幅の拡大関係
（労働保険徴収法施行規則の一部改正）


１ 　労働保険徴収法の改正

　従来のメリット制の増減幅は、継続事業については±40％、一括有期事業及び有期事業については±35％としてきたが、近年、建築の事業における災害率が全業種の災害率と同程度まで近づいていることから、有期事業に係る増減幅を±40％へと拡大する改正を行ったところである（改正後の労働保険徴収法第20条）。
２ 　省令で定める事項

(1) 　一括有期事業に係るメリット増減率の改正（徴収則別表第3）
　現行の徴収則別表第3は、継続事業及び一括有期事業に係るメリット増減率を定めたものである。現行では、継続事業について±40％の範囲で、一括有期事業については±35％の範囲で増減率を定めているが、今般の徴収法改正に伴い、

○ 継続事業及び一括有期の立木の伐採以外の事業について 　±40％の範囲
○ 一括有期の立木の伐採の事業について 　±35％の範囲

で増減率を定めるため（立木の伐採の事業については、今回の改正においては増減率の拡大を見送ることとする。）、徴収則別表第3の改正を行うこととする。
(2) 　有期事業に係るメリット増減率の改正（徴収則別表第6）
　現行の徴収則別表第6は、有期事業に係るメリット増減率を定めたものである。現行では±35％の範囲で増減率を定めているが、今般の徴収法改正に伴い、有期事業のうち、

○ 建設の事業について 　±40％の範囲

とすることを内容とする徴収則別表第6の改正を行うこととする（立木の伐採の事業について従前のとおりとすることについては(1)と同旨。）。
(3) 　その他所要の規定の整備
(1)及び(2)の改正に伴い、所要の規定の整備を行うこととする。


○ 改正後の労働保険の保険料の徴収等に関する法律（昭和四十四年法律第八十四号）（抄）

　（確定保険料の特例）
第 二十条　労災保険に係る保険関係が成立している有期事業であつて厚生労働省令で定めるものが次の各号のいずれかに該当する場合には、第十一条第一項の規定にかかわらず、政府は、その事業の一般保険料に係る確定保険料の額をその額（第十二条第一項第一号の事業についての一般保険料に係るものにあつては、当該事業についての労災保険率に応ずる部分の額）から非業務災害率に応ずる部分の額を減じた額に百分の四十の範囲内において厚生労働省令で定める率を乗じて得た額だけ引き上げ又は引き下げて得た額を、その事業についての一般保険料の額とすることができる。
一・二　（略）


メリット増減幅拡大に伴う影響額（一括有期事業）

１） 収支率区分別事業場数

増減率 -35% -30% -25% -20% -15% -10% -10% -5% 0% 5% 10% 10% 15% 20% 25% 30% 35% 合計
収支率 0% 〜5% 〜10% 〜20% 〜30% 〜40% 〜50% 〜60% 〜70% 〜75% 〜85% 〜90% 〜100% 〜110% 〜120% 〜130% 〜140% 〜150% 〜160% 以上
（業種） 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　
水力発電 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 2
道路新設 32 6 0 5 3 2 1 2 0 1 0 1 2 0 1 1 0 0 0 8 65
ほ装工事 228 61 25 40 26 17 19 16 6 8 7 8 7 8 6 7 4 7 2 42 544
鉄道新設 0 1 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 2
建築事業 3,530 1,028 396 589 376 341 257 201 156 65 123 49 96 91 77 73 65 60 52 616 8,241
機械装置 320 103 32 27 22 22 12 13 12 7 6 7 3 6 6 1 5 1 6 37 648
その他建設 2,951 688 304 407 296 218 208 146 155 62 142 55 96 83 83 59 61 47 49 698 6,808
既設建築 430 102 23 38 25 16 9 8 11 6 6 6 8 5 3 4 3 4 1 38 746
合計 7,492 1,989 780 1,106 748 616 507 386 340 149 284 126 212 193 176 145 138 119 110 1,440 17,056


２） メリット増減幅拡大に伴う影響額（試算）

（単位：百万円）
増減率 -40% -35% -30% -25% -20% -15% -10% -5% 0% 5% 10% 15% 20% 25% 30% 35% 40% 合計
収支率 0% 〜5% 〜10% 〜20% 〜30% 〜40% 〜50% 〜60% 〜70% 〜75% 〜85% 〜90% 〜100% 〜110% 〜120% 〜130% 〜140% 〜150% 〜160% 以上
（業種） 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　
水力発電 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
道路新設 -5 -1 0 -1 -1 0 -1 -1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 -8
ほ装工事 -35 -16 -6 -14 -8 -5 -5 -5 0 0 0 0 0 2 1 1 1 1 0 4 -83
鉄道新設 0 -1 0 0 0 0 -1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 -2
建築事業 -653 -444 -266 -433 -209 -189 -116 -61 0 0 0 0 0 19 17 12 10 9 7 68 -2,231
機械装置 -79 -40 -20 -11 -13 -11 -8 -6 0 0 0 0 0 2 2 0 1 0 1 6 -176
その他建設 -427 -161 -77 -110 -96 -55 -59 -41 0 0 0 0 0 14 14 10 8 8 7 71 -894
既設建築 -85 -28 -10 -13 -7 -4 -2 -2 0 0 0 0 0 1 1 1 0 1 0 5 -142
合計 -1,285 -690 -378 -582 -333 -265 -192 -117 0 0 0 0 0 37 34 24 20 18 16 155 -3,537

　注） 平成16年度メリット適用台帳（速報値）の集計結果である。


メリット増減幅拡大に伴う影響額（単独有期事業）

１） 収支率区分別事業場数

増減率 -35% -30% -25% -20% -15% -10% -10% -5% 0% 5% 10% 10% 15% 20% 25% 30% 35% 合計
収支率 0% 〜5% 〜10% 〜20% 〜30% 〜40% 〜50% 〜60% 〜70% 〜75% 〜85% 〜90% 〜100% 〜110% 〜120% 〜130% 〜140% 〜150% 〜160% 以上
（業種） 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　
水力発電 328 124 13 26 14 7 4 3 6 0 2 2 1 1 0 2 1 0 2 6 542
道路新設 828 38 11 8 6 3 3 2 3 1 0 1 1 3 4 0 1 0 1 18 932
ほ装工事 547 8 8 9 3 0 3 1 1 0 0 0 1 1 0 2 0 1 0 18 603
鉄道新設 60 20 3 3 5 0 3 0 1 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 4 100
建築事業 18,682 1,305 461 316 167 150 98 78 69 22 50 19 54 39 30 44 31 32 35 646 22,328
機械装置 820 26 10 7 4 3 1 3 1 1 2 0 0 2 1 0 0 1 2 26 910
その他建設 4,940 177 48 52 21 19 11 5 11 4 9 0 6 4 4 5 3 7 6 135 5,467
既設建築 1,369 29 15 18 6 2 4 2 1 0 1 0 2 2 0 0 0 1 2 18 1,472
合計 27,574 1,727 569 439 226 184 127 94 93 28 64 22 65 52 40 53 36 42 48 871 32,354


２） メリット増減幅拡大に伴う影響額（試算）

（単位：百万円）
増減率 -40% -35% -30% -25% -20% -15% -10% -5% 0% 5% 10% 15% 20% 25% 30% 35% 40% 合計
収支率 0% 〜5% 〜10% 〜20% 〜30% 〜40% 〜50% 〜60% 〜70% 〜75% 〜85% 〜90% 〜100% 〜110% 〜120% 〜130% 〜140% 〜150% 〜160% 以上
（業種） 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　
水力発電 -446 -410 -57 -164 -51 -32 -8 -2 0 0 0 0 0 2 0 1 2 0 7 8 -1,150
道路新設 -119 -26 -12 -4 -4 -1 -15 -1 0 0 0 0 0 1 1 0 0 0 2 2 -175
ほ装工事 -31 -1 -1 -1 -1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 -34
鉄道新設 -34 -31 -1 -3 -4 0 -10 0 0 0 0 0 0 0 2 0 0 0 0 0 -81
建築事業 -1,729 -508 -180 -118 -89 -60 -27 -23 0 0 0 0 0 10 7 9 5 6 6 81 -2,610
機械装置 -149 -15 -2 -4 -2 -1 -1 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 1 6 -168
その他建設 -476 -123 -8 -33 -4 -3 -5 -3 0 0 0 0 0 0 1 1 1 1 1 14 -637
既設建築 -82 -5 -1 -2 -1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 -90
合計 -3,066 -1,119 -262 -329 -156 -97 -66 -29 0 0 0 0 0 14 11 11 8 7 17 113 -4,945

　注） 平成16年６月から平成17年５月までの１年間に、メリット収支率を確定させた単独有期事業の集計結果である。
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