障害福祉サービスの基盤整備について
ーサービス利用者の将来見通しと障害福祉計画ー


平成17年12月5日


サービス利用者の将来見通し

推計結果のポイント

 ○ 新制度の障害福祉サービスについて、以下の3つに区分して推計
 ・ 訪問系サービス(ホームヘルプサービス)
 ・ 日中活動系サービス(生活介護、自立訓練、就労移行支援、就労継続支援、地域活動支援センター等)
 ・ 居住系サービス(施設入所、グループホーム・ケアホーム)

 ○  訪問系サービスについては、近年の動向を踏まえ、現在、利用率が低い地域を中心に利用者が増え、平成23年度には現在の1.8倍(約16万人)に増加

 ○  日中活動系サービスについては、旧体系サービスから新体系サービスへの段階的移行を見込むとともに、小規模作業所利用者の法定サービスへの移行や精神入院患者の退院促進により、平成23年度には利用者が現在の1.6倍(約47万人)に増加

 ○  居住系サービスについては、地域における居住の場としてのグループホーム・ケアホームの充実を図るとともに、自立訓練事業等の実施に伴う入所施設定員数の減少とグループホーム等への転換、一般住宅等への移行を進めることにより、平成23年度には、グループホーム・ケアホームの入居者が現在の3倍(約9万人)に増加。結果として、施設入所者及び退院可能な精神入院患者のうち約6万人が地域生活に移行する見通し

 ○  障害者の就労については、就労移行支援事業等の推進により、平成23年度には、福祉施設から一般就労への毎年度の移行者が現在の4倍(約0.8万人)に、福祉施設における就労の場が現在の10倍(約3.6万人)に増加


推計結果の概要 I

訪問系サービスの
利用者数
訪問系サービスの利用者数の図
日中活動系サービスの
利用者数
日中活動系サービスの利用者数の図
居住系サービスの
利用者数
居住系サービスの利用者数の図
一般就労への
移行者数
一般就労への移行者数の図
福祉施設における
雇用の場
福祉施設における雇用の場の図
 計数については、端数処理を行っているため、積み上げと合計が一致しない場合がある


推計結果の概要 II(訪問系)

<推計の考え方>

 各都道府県を人口当たりの利用者数に応じて区分し、各区分ごとの近年の伸び率を基に、今後予想される利用者数の伸び率を設定。

 これに加え、受け入れ条件が整えば退院可能な精神入院患者の退院促進に伴う利用者数を推計。

訪問系サービス(※)の利用者数推計
訪問系サービス(※)の利用者数推計のグラフ
 移動支援を除く


推計結果の概要 III(日中活動系)

<推計の考え方>
 現行の法定施設(入所及び通所)、デイサービス、小規模作業所等の利用者数を基礎として、近年の利用者数の増を踏まえ、利用者数を推計。
 これに加えて、受け入れ条件が整えば退院可能な精神入院患者の退院促進に伴う利用者数を推計。
 サービスの種類ごとの見込みについては、各サービスの対象者像(別添)を踏まえて推計。あわせて、小規模作業所利用者については、平成23年度末において現在の利用者の約8割が法定のサービス(介護給付、訓練等給付、地域活動支援センター)を利用するものと推計。

推計結果の概要 III(日中活動系)の図


日中活動系サービスの推計に係る対象者像

新体系サービス 対象者像
生活介護
 現在の法定施設の利用者のうち障害程度区分が区分3(要介護2)以上または50歳以上の区分2(要介護1)以上の者
 入所利用者の場合は区分4(要介護3)以上または50歳以上の区分3(要介護2)以上の者
自立訓練
(機能訓練)
現在の「身体障害者更生施設」の利用者
自立訓練
(生活訓練)
 現在の「知的障害者施設」の約2割、「精神障害者施設」の約2割の利用者を想定
 生活訓練利用後の日中活動としては、就労継続支援(非雇用型)への移行を、居住系サービスとしては、グループホーム・ケアホーム等への移行を想定
就労移行支援
 現在の「身体障害者施設」の約2割、「知的障害者施設」の約2割、「精神障害者施設」の約5割の利用者を想定
 就労移行支援利用後の日中活動としては、一般就労や就労継続支援(雇用型、非雇用型)への移行を、居住系サービスとしては、グループホーム・ケアホーム等への移行を想定
就労継続支援
(雇用型)
現在の「福祉工場」の利用者
就労継続支援
(非雇用型)
 就労移行支援の修了者の一部
 現在の法定施設の利用者のうち生活介護に該当しない50歳以上の者の一部
地域活動支援センター 現在の「デイサービス」・「精神障害者地域生活支援センター」・「小規模作業所」利用者の一部


日中活動系サービス見込量(年度別)

日中活動系サービス見込量(年度別)のグラフ


将来推計の概要 IV(居住系)

<推計の考え方>
 自立訓練事業等の実施に伴う施設入所からグループホーム・ケアホーム等への移行を推計。
 受け入れ条件が整えば退院可能な精神入院患者の退院促進に伴う利用者数を推計。

図
 計数については、端数処理を行っているため、積み上げと合計が一致しない場合がある


居住系サービス見込量(年度別)

居住系サービス見込量(年度別)のグラフ
 受け入れ条件が整えば退院可能な者


基盤整備の基本的な考え方

 新サービス体系への移行に関する経過措置期間中(平成18年度〜平成23年度)のサービス利用者の将来見通しを踏まえつつ、国は基本指針を定め、都道府県及び市町村は障害福祉計画を策定し、障害福祉サービスの計画的な基盤整備を進める。

1. 全国どこでも必要なホームヘルプサービスを保障
 立ち後れている精神障害者などに対するホームヘルプサービスの充実を図り、全国どこでも必要なホームヘルプサービスを保障

2. 希望する障害者に日中活動サービスを保障
 小規模作業所利用者の法定サービスへの移行等を推進することにより、希望する障害者に日中活動サービスを保障

3. グループホーム等の充実を図り、施設入所・入院から地域生活への移行を推進
 地域における居住の場としてのグループホーム・ケアホームの充実を図るとともに、自立訓練事業等の推進により、施設入所・入院から地域生活への移行を進める

4. 福祉施設から一般就労への移行等を推進
 就労移行支援事業等の推進により、福祉施設から一般就労への移行を進めるとともに、福祉施設における雇用の場を拡大


障害福祉計画の中長期的なスケジュール

障害福祉計画の中長期的なスケジュールの図


障害福祉計画策定に向けた手順について

障害福祉計画策定に向けた手順についての図


(参考)  受け入れ条件が整えば退院可能な精神入院患者の退院促進に向けて

受け入れ条件が整えば退院可能な精神入院患者の退院促進に向けての図

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