胸腹部臓器の障害認定に関する専門検討会報告書における
障害等級に係る検討結果の概要

 呼吸器の障害
 障害の労働能力に及ぼす支障の程度を総合的に判定して認定する(具体的な認定基準は定められていない)
 呼吸機能の低下については、原因となった傷病や臓器により区別することなく、動脈血ガス分圧、スパイロメトリー等の検査結果等に応じて、第1級から第11級に区分

 循環器の障害
 障害の労働能力に及ぼす支障の程度を総合的に判定して認定する(具体的な認定基準は定められていない)
→(1)心臓の機能に障害を残したもの(心筋梗塞の後遺症状等)
 運動耐容能の程度(身体活動の制限の程度)に応じて、第9級又は第11級
→(2)ペースメーカ又は除細動器を植え込んだもの
 ペースメーカを植え込んだものは第9級、除細動器を植え込んだものは第7級
→(3)弁置換を行ったもの
 抗凝血薬療法の施行の有無により、第9級又は第11級
→(4)大動脈
 偽腔開存型の大動脈解離が治ゆしたものは、第11級

 腹部臓器の障害
 障害の労働能力に及ぼす支障の程度を総合的に判定して認定する(ひ臓の亡失(第8級)を除き、具体的な認定基準は定められていない)
→(1)食道
 食道を狭窄し、通過障害を残したものは、第9級
→(2)胃
 胃の障害については、胃の亡失の部位及び範囲並びに消化吸収障害等残存する症状により、第7級から第13級に区分
→(3)小腸
 人工肛門を造設したものは、パウチ等による維持 管理の困難性の有無により、第5級又は第7級
 消化吸収障害については、小腸の切除の程度等に応じて、第9級又は第11級
 小腸皮膚瘻については、瘻孔から漏出する小腸内 容の量及びパウチ等による維持管理の困難性の有無により、第5級から第11級に区分
 腸管の癒着による腸管狭窄症状については、第11級
→(4)大腸
 人工肛門を造設したものは、パウチ等による維持管理の困難性の有無により、第5級又は第7級
 大腸皮膚瘻については、瘻孔から漏出する大腸内容の量及びパウチ等による維持管理の困難性の有無により、第5級から第11級に区分
 腸管の癒着による腸管狭窄症状については、第11級
 大腸を大量切除したものは、第11級
 排便機能障害のうち、便秘については、その程度に応じて、第9級又は第11級、便失禁については、その程度に応じて、第7級から第11級
→(5)肝臓
 慢性肝炎については第11級、肝硬変については第9級
→(6)胆のう
 胆のうを亡失したものは、第13級
→(7)脾臓
 脾臓を亡失したものは、第13級
→(8)膵臓
 膵臓の機能障害は、その程度に応じて、第9級又は第11級
→(9)ヘルニア
 ヘルニア内容の脱出・膨隆が起こる腹圧の程度に応じて、第9級又は第11級

4 泌尿器の障害
(1)腎臓
 一側のじん臓の亡失(第8級)等を除き、具体的な認定基準は定められていない
 腎臓の障害については、腎機能の低下の程度により、第9級から第13級に区分。ただし、一側の腎臓を亡失し、かつ、腎機能の低下が認められるものは、腎機能の低下の程度による障害等級の直近上位の障害等級に区分。
(2)尿管、膀胱、尿道
 尿路変向術
 尿路変更術を行ったものは、第7級
 尿路変更術を行ったものは、永続的な尿路変向の術式及びパッド等による維持管理の困難性の有無により、第5級から第11級に区分
 排尿障害
 糸状ブジーを必要とするものは、第11級
 排尿障害については、その程度に応じて、第9級又は第11級
 尿失禁
 膀胱括約筋の変化によることが明らかな尿失禁は、11級
 尿失禁については、その障害の程度に応じて、第7級から第11級に区分
 頻尿
 頻尿に関する認定基準は定められていない
 頻尿を残すと認められるものは、第11級

5 生殖器の障害
(1)生殖機能を完全に失ったもの
 両側のこう丸を失ったものは、第7級
 生殖機能を完全に失ったもの(両側のこう丸を失ったもの、無精子症、両側の卵巣の亡失、卵子の無形成)は、第7級
(2)生殖機能に著しい障害を残すもの
 陰茎の大部分の欠損、瘢痕による膣口狭窄等は、第9級
 生殖機能に著しい障害を残すもの(陰茎の大部分の欠損、勃起障害、射精障害、瘢痕による膣口狭窄、不妊症)は、第9級
(3)生殖機能に障害を残すもの
 一側のこう丸の亡失等は、第11級
 生殖機能に障害を残すもの(骨産道の狭窄)は、第11級
(4)生殖機能に軽微な障害を残すもの
 軽い尿道狭さく、陰茎の瘢痕又は硬結等により陰萎があるもの及び明らかに支配神経に変化が認められるものは、第14級
 生殖機能に軽微な障害を残すもの(一側のこう丸の亡失等、一側の卵巣の亡失)は、第13級

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