05/11/30 中央社会保険医療協議会薬価専門部会平成１７年１１月３０日議事録


平成１７年１１月３０日　中医協薬価専門部会
　　　　　　　　　　　　第２７回議事録
(1)日　　　　　時　　平成１７年１１月３０日（水）９：３０～１０：２４
(2)場　　　　　所　　厚生労働省専用１８～２０会議室
(3)出　　席　　者　　遠藤久夫部会長　土田武史委員　小林麻理委員
                     対馬忠明委員　小島茂委員　宗岡広太郎委員　松浦稔明委員
　　 　　　　　　　　松原謙二委員　青木重孝委員　黒﨑紀正委員　山本信夫委員
　　 　　　　　　　　向田孝義専門委員　仲谷博明専門委員　渡辺自修専門委員
 　　 　　　　　　　  <日本製薬団体連合会>
　　 　　　　　　　　青木初夫意見陳述人　奥田秀毅意見陳述人　古賀典之意見陳述人
　　 　　　　　　　　吉田逸郎意見陳述人
 　　 　　　　　　　　<欧州製薬団体連合会>
　　 　　　　　　　　大橋勇郎意見陳述人　マーク・デュノワイエ意見陳述人
　　 　　　　　　　　野口正喜意見陳述人
                      <米国研究製薬工業協会>
　　　 　　　　　　　ニュートンＦ．クレンショー意見陳述人
　　　 　　　　　　　アントニーＡ．バトラー意見陳述人　平手晴彦意見陳述人
　 　　 　　　　　　　<日本医薬品卸業連合会>
　　　 　　　　　　　松谷高顕意見陳述人　熊倉貞武意見陳述人　福神邦雄意見陳述人
                      <事務局>
                     麦谷医療課長　赤川薬剤管理官　他
(4)議　　　　　題　　○医薬品産業界及び医薬品卸売業界からの意見聴取について
　 　　　　　　　　　○その他
(5)議　事　内　容

○遠藤部会長
　定刻の９時半になりましたので、ただいまより、第２７回薬価専門部会を開催いたし
ます。
　初めに、委員の出欠状況について御報告いたします。本日は、全委員が御出席です。
なお、本日、保険局長及び審議官は、公務のため欠席される旨の連絡を受けております。
　本日は、前回御議論いただきました「次期薬価制度改革の骨子（たたき台）」につき
まして、我が国及び欧米の医薬品業界団体並びに日本医薬品卸業連合会から意見聴取を
行いたいと思います。
　意見聴取につきまして、次の皆さんに御出席いただいております。
　日本製薬団体連合会から、青木初夫さん、奥田秀毅さん、古賀典之さん、吉田逸郎さ
ん。
　欧州製薬団体連合会（エフピア）から、大橋勇郎さん、マーク・デュノワイエさん、
野口正喜さん。
　米国研究製薬工業協会（ファルマ）から、ニュートンＦ．クレンショーさん、アント
ニーＡ．バトラーさん、平手晴彦さん。
　また、日本医薬品卸業連合会から、松谷高顕さん、熊倉貞武さん、福神邦雄さん。
　以上の方々の御出席をいただいております。
　それでは、議事に移りたいと思います。
　日本製薬団体連合会、エフピア、ファルマ、卸連の順で御説明をお願いしたいと思い
ます。なお、質疑、意見交換につきましては、一通りの御説明をいただいた後、まとめ
て行うこととさせていただきたいと思います。
　それでは、まず、日本製薬団体連合会から、よろしくお願いいたします。

○青木意見陳述人
　それでは、日本製薬団体連合会から、意見を申し述べさせていただきます。
　まず最初に、基本的な点について申し上げます。我が国の国民皆保険制度は、現物給
付・出来高払い方式をとっておりまして、医薬品については実費償還を旨とする市場価
格主義を採用しております。したがって、薬価の算定と改定は、銘柄別市場実勢価格に
基づいて行われるべきであるというふうに考えます。
　また、我が国の薬剤費は近年横ばいでありまして、平成１７年３月期決算においても、
国内大手企業１１社のうち６社が国内市場では減収となっております。これは別添資料
１に記載してございます。
　通常の薬価改定だけでは相当の薬剤費が削減されると思われるところ、先発薬価に対
しまして市場実勢価格を割り込んでまで切り込みを行い、さらに薬剤費を削減しなけれ
ばならない必然性は見当たらないのではないかというふうに認識しております。
　後発品の使用促進と先発品・後発品間の競争につきましては、先発品と後発品のいず
れを選択するかを医師と患者にゆだね、価格の高低を反映する患者一部負担額の多寡等
を踏まえた競争を活性化させることによって、後発品の使用促進は図られ得るものとい
うふうに考えております。
　また、革新的新薬につきまして、現行の薬価算定ルールは必ずしもその価値を正しく
評価できるものになってはいないというふうに考えております。したがって、正当な価
格評価を行うことによって革新的新薬の開発・普及を促進し、短期的な薬剤費の増大の
可能性はございますけれども、信頼できる良質廉価な後発品の使用が促進されるという
ことも相まって薬剤費の節減は可能であり、また中長期的な医療費の節減にも寄与し得
るものというふうに考えております。
　それでは、「次期薬価制度改革の骨子（たたき台）」につきましての意見を申し上げ
ます。
　まず、薬価改定に対する調整幅方式でありますが、現行の２％の調整幅は維持される
ことは適切と認識しております。
　次に、後発品のある先発品の薬価改定でございますけれども、「たたき台」では、後
発品のある先発品の薬価改定方式について、「更なる適正化を図る」とありますが、
「更なる適正化」を図らねばならない根拠はないのではないかというふうに認識してお
ります。
　主要先進国で特許期間中、薬価が上昇するかもしくは横ばいであるのに対しまして、
日本は唯一、特許期間中も薬価が右肩下がりに下落いたします。資料２に記載してござ
います。特許期間中の新薬と後発品のある先発品のいずれも、海外先進国と比べ日本が
特段高薬価という状況にはございません。これは資料３に記載してございます。
　先発品は、研究開発や市販後調査等で得られた膨大なデータ・知見等をベースといた
しまして、当該成分全体のリスク管理という役割を果たしております。これは別添資料
４、５にございます。先発品と後発品の薬価格差は、こうした役割を支える固定的費用
や常に広範な安定供給を絶やさぬための固定的費用等を反映しております。
　「同一成分・同一規格の全銘柄の加重平均値」を用いて先発品薬価を改定する方式、
これは先発品の市場実勢価格をはるかに下回る予測不能な価格への引き下げを余儀なく
させ、後発品使用が促進されシェアが上がる中で、先発品薬価の下落が加速するという
ことがございまして、この方式は極めて理不尽であろうかと認識いたします。
　また、「特例引下げ」として導入した「一律引下げ率」を拡大する方式も、市場実勢
価格を割り込んで一定率を引き下げるという根拠のない不合理性を拡大するのではない
かというふうに認識しております。
　次に、再算定でございますけれども、単なる市場規模拡大の事実のみをもって機械的
に適用されることがないように、強く要望いたします。
　また、成人用の医薬品に小児の用法用量を追加した場合は、再算定の特例として薬価
の引き上げを行うことは適切と考えております。
　次に、薬価改定及び薬価調査でありますが、２％の調整幅の下では、薬価改定のたび
に薬価が下落していくことは不可避でありまして、改定の頻度が高まれば、製薬企業経
営に与える影響は甚大なものがございまして、ひいては医薬品の安定供給が困難となる
か、あるいは医療機関等における安定購入に支障が生じるおそれがございます。医療上
必要な医薬品で供給困難となっているものは既に相当存在することを踏まえると、改定
の頻度を高めれば、そのような医薬品がさらに増えることになると考えております。
　類似薬効比較方式でございますけれども、「たたき台」に示された補正加算の要件と
率に関する提案は、臨床医療に新たな治療手段をもたらす薬理的新規性が単独では評価
されず、個々の新薬の医療上の必要性も勘案されないと考えまして、別添資料６、７に
示すような加算要件の緩和、加算率の拡大をお願いしたいと思います。
　また、陳述書には書いてございませんが、革新的新薬の評価拡充の方法の一つとして、
補正加算の傾斜配分方式の見直しもぜひお願いしたいと考えます。
　また、小児用新規製剤につきまして、補正加算が新設され、広く適用されることが必
要と認識いたします。
　原価計算につきましては、類似薬効の医薬品が全く存在しない新薬もあり得ることか
ら、類似薬効比較方式以外の算定方式が必要と認識しております。
　外国平均価格調整でございますが、「たたき台」では、引き上げ対象から除外する例
が示されておりますが、これは公正性・公平性の観点から、同様に引き下げ対象からも
除外されるべきと考えます。
　示されている例のうち、非汎用規格のみが対象範囲にある場合を除外するケースとい
うのがございますが、除外するケースとして適切でないと認識いたします。
　また、１カ国のみの価格に基づき外国平均価格が算出される場合であっても、調整対
象とすることが必要ではないかというふうに認識しております。
　最後になりますが、本年７月に意見陳述いたしました「申請価格協議方式」につきま
して、その妥当性や方法について検討が進められるべきであるというふうに考えており
ます。当面、個々の新薬の医療上の価値とそれに基づく希望薬価について十分な理解を
得ていただくために、申請企業が薬価算定組織に直接意見表明を行うことが必要ではな
いかというふうに考えております。
　以上、意見を申し上げました。

○遠藤部会長
　どうもありがとうございました。
　それでは引き続きまして、エフピアからお願いいたします。

○大橋意見陳述人
　欧州製薬団体連合会会長の大橋でございます。
　このたび、中央社会保険医療協議会薬価専門部会におきまして、このように再度意見
陳述の場を設けていただきましたことに、深く感謝を申し上げます。
　本題に入る前に、私どもは、欧州におけるさまざまな医療保険制度・薬価制度を経験
をしているという立場から、日本における薬価制度改革に際し、正確な情報提供及び問
題提起を行い、検討のお役に立てるよう積極的に参画させていただく所存でありますこ
とを申し述べさせていただきます。
　それでは、前回１１月１８日の貴部会に示されました「次期薬価制度改革の骨子（た
たき台）」につきまして、下記のとおり意見を述べさせていただきます。
　なお、時間の関係もございますので、私どもとしては、今回特に新規収載医薬品の薬
価算定のうち、２つの項目について述べさせていただきます。他の意見につきましては、
後ほど資料をごらんいただきたいと思います。
　初めに、私どもの意見書の３ページ、「たたき台」では６ページに当たります「II．
新規収載医薬品の薬価算定」の「１．類似薬効比較方式」について、画期性及び有用性
加算の要件の緩和及び加算率の引き上げを行うとともに、補正加算として「小児加算」
を新設してはどうか、このような提案を高く評価をいたしております。
　しかしながら、補正加算における有用性加算体系及び要件の緩和、並びに加算率につ
いては、私どもは、貴部会の専門委員及び日本製薬団体連合会が提案されております
「革新的新薬の評価体系および要件の緩和への改変、ならびに加算率の引き上げ」とい
うものを支持をいたします。
　その理由といたしまして、私どもが７月２７日の貴部会の意見陳述におきまして提案
させていただきましたものにあります、すなわち「臨床的優越性（要件ロ）の要件を緩
和するおよび加算率の引き上げ」というものも包括されているからでございます。さら
にこの提案では、各有用性加算体系の要件を統一し、「革新性加算」という呼称に一本
化するということは非常にわかりやすいと考えております。また、要件では、「たたき
台」で示されたもの以外に薬理的新規性を独立し新設した点、加算率では、拡大された
加算幅の中で臨床的優越性の要件を満たす新薬については高く評価するなど、満たした
要件並びに臨床的有用性、薬理的新規性のレベルによって適用する基準加算率に濃淡を
つける点、さらに、革新的であると認定された新薬については、エビデンスのレベルや
対象疾患に関する薬物療法の状況等に応じて付加的に評価する点、それなど、有用性の
高い新薬への評価項目が総括的になされているということからでございます。
　一方、私どもが７月の意見陳述の際にも提案をいたしました類似薬効比較方式におい
ても、薬価算定上の適切な類似薬がない新医薬品や原価計算方式が適用となる新医薬品
については、医学的に合理的と考えられる医薬品の価値やベネフィットをベースとした
企業の届出価格、すなわち薬価届出制、これを薬価算定組織において説明・検討するシ
ステムを早い時期にお考えいただきたいと、このように存じます。
　次は、私どもの意見書の４～５ページ、「たたき台」では９ページに当たります「３．
外国平均価格調整」について、「以下のような場合には引上げ対象から除外することと
してはどうか」、これについて私どもは、当該ルールでは、例外的な事象にとかくとら
われがちですが、今までどのような機能を果たしてきたか、今後どのような機能を果た
していくべきかという根本に立ち返って議論しなければならないと考える次第でござい
ます。
　そのようなことを踏まえ、７月の意見陳述の際にも述べましたとおり、本意見書の４
ページ中段に４項目をお示しし、再確認させていただくとともに、現行ルールの維持を
求めたいと思います。
　なお、このような理由から、「類似薬効比較方式（II）の場合」については、薬価の
内外価格差の是正という観点をかんがみ、他の薬価算定方式と同等に扱われるべきこと
であることから、同意いたしかねます。
　さらに、「外国平均価格が１カ国のみの価格に基づき算出されることとなる場合」に
つきましても、調整対象となる国が１カ国という理由で調整を実施しないということは、
有用な医薬品が迅速に患者へアクセスされず、かつ国際的にバランスのとれた価格で評
価されないことから、日本の医薬品産業の発展にも影響を与えるものと考えること、そ
して、その時点で基準となる価格が１カ国であるため、それを基準にすることがふさわ
しいと考えることから、同意をいたしかねます。
  また、例示されております複数の規格がある場合の２とおりを調整から除外するとい
うことは、真に医療現場で必要とされる規格を日本において開発するというインセンテ
ィブが働かない場合があり得ることを意味しており、対応を慎重に議論するべきもので
あると考えております。
　以上、「たたき台」につきまして意見を述べさせていただきました。御清聴ありがと
うございました。以上でございます。

○遠藤部会長
　どうもありがとうございました。
　それでは引き続きまして、ファルマからお願いしたいと思います。よろしくお願いし
ます。

○クレンショー意見陳述人
　ニュートン・クレンショーと申します。ファルマの代表といたしまして中医協で意見
を述べさせていただきますことを感謝申し上げます。私どもの意見を述べさせていただ
きますこと、そして、この改革の対話の一員として参加させていただけることに感謝を
申し上げる次第であります。
  資料の２ページから始めたいと思います。一般的なコメントを申し上げ、そしてその
後で、この「たたき台」のポリシーについて申し上げます。
　厳しい緊縮予算の中で、日本が国際水準に合った医療制度を支援する諸政策を策定し
ようとする場合に直面する数多の課題について、ファルマは十分な認識を持っています。
ファルマはさらに、医療制度の中で適切かつ必要な代価を決定することが困難きわまり
ない作業であることについても十分な認識を持っています。この点において、ファルマ
は厚労省、中医協、及びその他の関係各者の努力に感謝の意を表します。ファルマは、
厚労省の医薬品産業ビジョンで概説された「日本に国際的競争力を持つ研究開発型製薬
産業を支援する環境を確立する」という厚労省の目標に全面的に賛同するものでありま
す。こうした環境により、投資の活性化、高度な技術を要する雇用機会の育成、研究開
発の迅速化が実現し、さらに、国内患者への革新的な新薬の提供拡大といった重要課題
も達成できると考えられます。
　３ページ。ヨーロッパ及びその他の先進諸国の経験から判断する限り、新薬のイノベ
ーションに対して十分な報酬がない場合、必然的に国内の研究開発型製薬産業の破壊に
つながることがわかっています。外国平均価格調整の適用、補正加算の適用拡大、ある
いは新薬価格設定における新たなデータ本位制度の導入といった諸政策が必要なのは、
上記の理由からであります。これら諸政策に基づく奨励措置の継続あるいは拡大は、イ
ノベーションに対する罰則とも言える再算定や２年ごとの薬価改定といった政策の撤廃
とともに、長い将来にわたり日本及び日本の患者にメリットをもたらすことになります。
　４ページ。緊縮予算の下であっても、ファルマは、イノベーションに対する報酬向上
による患者への新薬提供拡大と、医療費全体の抑制という２つの目標を達成することが
可能であると考えます。私どもの提出データが示すように、製品サイクル初期段階での
報酬やインセンティブを引き上げる政策に要するコストは、製品サイクル終盤にコスト
削減目標で行うジェネリック製品の使用拡大等の政策で達成可能なコスト削減のほんの
数分の１にすぎません。効果的な価格改定を行う際に絶対不可欠な要素は、業界に対し、
限りある研究開発費を、国際的ポートフォリオのどの分野に、いつ、どのように投資す
べきか、価格設定に関して確実に正しいシグナルを送ることであります。新薬の価格引
き上げによる相殺を行わずに製品サイクル終盤の価格を引き下げた場合、研究開発型製
薬産業の日本への投資を冷え込ませる可能性があり、ひいては患者に対する新薬提供を
阻む結果をもたらすと考えられます。
　５ページに、重要問題のリストを設けてあります。「たたき台」にあることに関して
です。幾つかについて申し上げます。
　８ページをお願いいたします。「外国平均価格調整」であります。外国平均価格調整
は、日本の薬価を国際的な水準とするために導入されたものであります。日本ではさま
ざまな引き下げの仕組みによって薬価が構造的に下落し続けており、特許期間中の医薬
品の価格は欧米諸国の中で最も低く、ポーランド、ギリシャに比べてもさらに低い水準
となっています。このため外国平均価格調整は、国際的新薬が日本でも発売されるよう
最低限度の価格水準を保証する役割を担っており、その意義は近年ますます重要なもの
となっています。現行の外国価格調整制度の引き上げ調整機能は、幾つかの特定のルー
ル（例：引き上げ調整の２倍上限、外国価格がある規格とない規格が混在している場合、
外国価格がない規格の価格差をゼロとして変化率が算出される）によって弱められてい
ます。日本の国内価格と外国価格の価格差をこれまで以上に拡大させるようなルール変
更は容認しがたい。また、引き上げ調整のみを制限することは受け入れられません。こ
れは海外で先行して発売された新薬を不利に扱うものであり、国際的な新薬の日本での
開発を阻害し、ひいてはこれらの新薬への患者のアクセスを低下させるものであります。
　９ページ。外国平均価格調整は、その目的を達成するため、すべての新薬に適用され
るべきであります。引き下げられるべき規格と引き上げられるべき規格がある場合、引
き上げ調整となるか引き下げ調整となるかは複数の条件の組み合わせによる偶然の産物
であることから、外国平均価格調整の趣旨に照らし、対象外とすることは受け入れられ
ます。ただし、「外国平均価格と比べて高い規格と低い規格とが混在する場合」を除外
するという提案について、「大幅に高い規格と低い規格とが混在する場合」に限定して
除外すべきと考えます。
　１６ページに移りたいと思います。加算率であります。新薬の加算率について、基準
加算率（Ａ値）の上限及び下限を引き上げるという点においては、日薬連の提案を支持
します。なお、基準加算率の適用は、上限・下限の中間点を原則とし、特段の根拠があ
る場合のみ中間点と異なる加算率を適用することとすべきであります。さらに、傾斜配
分による補正加算率は廃止すべきであります。
　１８ページをお願いします。これも同じ点であります。こちらですが、新薬の日本に
おける薬価をあらわしております。下がっているということです。外国平均価格調整前
の算定薬価でありますが、外国平均価格の７０～８０％まで下落しています。また、こ
の下落が継続していることがチャートに示されています。また、２年に１回の薬価改定
により薬価が引き下げられるため、仮に２０～３０％の加算が与えられたとしましても、
特許期間中に得られるリターンは外国の水準を上回ることはありません。
　１９ページをごらんください。補正加算の拡大による財政への影響というのは、後発
品の使用促進による削減額と比べてごくわずかであります。加算率に関するファルマの
提案を実施したとしても、その財政への影響は非常に小さいものであります。過去３年
間に加算が付与された２７品目を対象として、ファルマの提案を実施した場合の影響を
試算したところ、当該２７品目の年間販売額の増加額は合計８２億円でありました。こ
の額は、後発品の使用促進による削減額と比べてごくわずかであります。後発品のシェ
アが数量ベースで３０～４０％に増加した場合の薬剤費の削減額は、７，０００億円か
ら１兆２，０００億円に達しています。
　それでは、３０ページに移っていただきたいと思います。このチャートを見ていただ
きますと、２００３年の薬価を示しております。そしてこれは、標準単位当たり異なる
国との比較をしたものです。これを見ていただきますと、もし米国がこの指標の基準１．
０ということで使われてしまいますと、いろいろな国の価格、薬価というのを比較して
おります。ブルーのところ、これは実際に特許のついたものでありまして、日本という
のは米国価格の３３％であります。そして、前にも述べた国、ギリシャ、ポーランド以
下ということになってしまいます。
　それでは、２２ページに戻っていただきたいと思います。「新たな薬価算定方法に関
する具体的提案」に関してであります。このことも新しい薬価算定に関しての議論とい
うものが行われる。これは、このバイオ製剤を含むすべての新薬に対して新しい薬価算
定方法を適用するか否かの原則ができるということです。そして、この重要な原則とい
うのを理解することが必要だと思います。これによって、この企業が実際に現行ルール
で算定する薬価が新薬の革新性に対して価値を正確に反映していないと判断した場合、
現行ルールを超える算定薬価で申請できるものとします。そして、明らかに政府によっ
て償還価格というのは決定されるわけでありますけれども、やはりこの企業との協議を
経ることによって透明性があるべきである。それから、薬価算定組織というのは、現行
ルールで算定する薬価と異なる薬価の妥当性を評価する責任を持っているというふうに
考えています。
　さて、２６ページの方に移っていただきたいと思います。ここでは、２つの最後のコ
メントを申し上げたいと思います。「薬価改定の頻度の見直しについて」であります。
２年に１回からさらに頻繁にやるということでは、日本の市場についての価格というの
を非常にゆがめてしまう。これは、逆ざやというものが生じている非常に大きな問題が
あります。調整幅２％の下で行う、それからまた、大手薬局チェーンや大規模病院と中
小の医療機関との間で購買力／購入価格に大きな格差を生じているという状況の中で、
より頻繁に薬価改定を行うことは、これらの問題をさらに拡大するというふうに考えら
れます。また、不適切な取引慣行を改善しないまま頻繁に薬価改定を実施すると、市場
に深刻な混乱をもたらすことが予想されます。それからまた、投資先としての日本の市
場の魅力が一層失われることになり、現行の流通の実態、改定ルールの下で、これを行
うことは現実的ではありません。
　２７ページ。この「再算定」について申し上げたいと思います。予想販売額を上回っ
た薬剤、そして効能変化を追加した薬剤、また、健康保険の償還基準が変更になった薬
剤については、通常、薬価再算定の対象となります。この再算定は、市場原理に反する
とともに、イノベーションの適切な評価、研究開発投資の促進、患者の新薬へのアクセ
スの改善といった考え方と完全に矛盾するものであります。したがって、再算定という
のは廃止されるべきであるというふうに考えます。
　これが我々の持っているコメントでありまして、御清聴を感謝いたします。ありがと
うございました。

○遠藤部会長
　どうもありがとうございました。
　それでは続きまして、卸連からよろしくお願いいたします。

○松谷意見陳述人
　日本医薬品卸業連合会の会長を務めさせていただいております松谷でございます。よ
ろしくお願いいたします。
　「次期薬価制度改革の骨子」に対する業界の意見を申し述べます。「薬価改定におけ
る調整幅方式について」でございますが、調整幅は、「薬剤流通の安定のための調整
幅」として２％と定められております。薬価算定方式については、平成４年から実施さ
れたＲ幅方式は、当初Ｒ幅１５％からスタートし、逐次１０％に引き下げられました。
その時点で、Ｒ幅の検証を行うことになっていたにもかかわらず、何の議論もなく、さ
らに５％、長期収載品目については２％まで引き下げられました。平成１２年１月の中
医協総会では、それまでのＲ幅方式に変え、新たに調整幅方式として２％が設定された
ことは、御高承のとおりであります。この２％という水準は、取引実態の格差等を吸収
し、安定供給を行う上では不十分でありますが、現行の２％の調整幅は少なくとも維持
される必要があります。また、調整幅の意義及びその水準の妥当性について、中医協で
時間をかけて検討していただくようお願いいたします。なお、医療機関等における薬剤
の損耗コスト等は、調整幅で吸収すべき流通コストの対象ではなく、医療機関等の経営
コストの一要素として診療報酬の中で手当てされるべきものと私どもは考えております。
　２番目に、「後発品のある先発品の薬価改定について」でございます。薬価基準制度
は、市場価格主義と銘柄別収載という２つの基本理念の下に成り立っております。すな
わち、銘柄ごとに薬価調査による把握された市場実勢価格に即して新しい薬価基準が定
められなくてはなりません。したがって、「たたき台」で提案されている(1)の成分加重
方式は、同一成分の全銘柄の市場実勢価格の加重平均値を用いることから、銘柄別収載
の原則を大きく変更するものであり、十分な議論のないままこれを採用することは納得
できません。また、後発品のある先発品薬価の一律引き下げ率をさらに拡大する案につ
いては、市場価格主義からの逸脱を一層広げるものであり、極めて不合理であります。
したがって、承服することができません。いずれにしても、薬価調査の結果を見てから
算定ルールを恣意的に変更する後出しじゃんけんのようなやり方はフェアでないという
ことは、かねてから私ども主張しているところでございます。
　「薬価改定及び薬価調査の頻度について」でございます。医療保険からの償還価格で
ある薬価は、市場実勢価格に即して設定し、薬価と市場実勢価格との差額である薬価差
益はできるだけなくし、患者・医療保険財政に還元するという考え方は適切であると考
えております。しかし、薬価改定に伴うコストは、現在、医薬品卸に大きな負担となっ
ております。それに加えて、メーカー、医療機関、保険調剤薬局、行政当局が負担され
ているコストは大きな金額になっていると推測しております。その中で、特に利益率の
低い医薬品卸業にとっては、特段の財政的な処置がないまま、従来以上に改定頻度を増
すことになれば、その負担は極めて大きいものであります。さらに、市場も低迷すると
考えられ、ひいては医薬品卸経営の悪化を招き、質の高い医薬品流通に弊害を生ずるお
それがあります。卸の経営実態については資料の４ページに載っております。また、薬
価改定が繰り返されることにより、エッセンシャルドラッグなど医療で必須な医薬品の
多くが低薬価となっています。このような、医療で必須な医薬品の安定供給に懸念が生
じないようにすることが絶対に必要であります。したがって、改定頻度については、こ
のような点も含めて慎重に検討していただきたいと考えております。
　４番目として、「未妥結・仮納入の是正等について」でございます。薬価調査の時点
において価格が未妥結の場合、その取引は価格が決定されないために、薬価調査の対象
から除外されております。したがって、薬価基準制度の適正な運営を確保するためには、
未妥結・仮納入を是正し、薬価調査の精度を上げて、その信頼性を確保することが必要
であると考えております。したがって、中医協において、未妥結・仮納入について適切
な対応策を図るべきであるという基本的な指針を明示していただくよう要請いたします。
また、「たたき台」では明示されていませんが、いわゆる総価契約についても、薬価基
準制度の適切な運営を図る上で、是正措置を講ずる必要があると考えております。現在
の医薬品の取引において、個別銘柄の価格交渉を行わずに、取引対象の全銘柄の合計価
格、すなわち総価でのみ価格交渉を行うといういわゆる総価契約が、大手の病院・保険
調剤では主流となっています。銘柄別収載の薬価基準制度においては、個別銘柄ごとに
製品の価格に見合った価格が市場における取引で決定されることを前提としています。
総価契約も、未妥結・仮納入も、ともに重要な解決すべき課題であると考えております。
　最後に、「医療に必須な医薬品の安定供給について」。先ほども述べましたように、
エッセンシャルドラッグなど、医療で必須な医薬品の多くが長期にわたり薬価基準に収
載され、薬価改定が繰り返されて低薬価になっています。そのため採算がとれなくなり、
安定供給に支障が生ずるおそれがあるので、これらの医薬品については、「その必要性
を評価した上で、最低薬価を設定する」とする「たたき台」の提案については、賛成い
たします。
　以上、卸連からの意見陳述を終わらせていただきます。

○遠藤部会長
　ありがとうございました。
　それでは、ただいまの御説明に関しまして何か御質問、御意見があればお願いしたい
と思います。１５分程度時間をとりまして意見交換ができればと考えております。
　なお、時間が限られておりますので、大変恐縮ですけれども、お一人の発言を長くて
も２～３分にまとめていただければと思います。また、御発言の冒頭で、御質問なのか
御意見なのかをおっしゃっていただいて、御質問であれば、どの団体に対する御質問な
のかをおっしゃっていただければと思います。
　また、医薬品の業界団体の皆様からの御発言につきましても、各団体で原則お一人の
方にお願いしたいと思います。また、発言時間は長くても２～３分にまとめていただけ
ればと思います。
　それでは、どなたか御質問、御意見ございませんでしょうか。

○青木委員
　日本製薬団体連合会にお伺いしたいと思いますが、外国価格平均をとるときに、今ア
メリカと欧州の主要国４カ国ですか、これの平均価格をとるという形になっております
が、ちょっと乱暴な話かもしれませんが、私どもが薬を納入していただくときに、どう
いう形で納入していただくかと言えば、一番安い問屋さんから買います。これは当たり
前のことで、私的感覚で言えば、この外国価格平均、平均をとる必要はないので、一番
安い国の価格をメルクマールにして、それを我が国の薬価とするというような形は、ど
ういう不合理があるのでしょうか。

○青木意見陳述人
　購買する側からとりますと、一番安いところから購入するというのが一番自然なディ
シジョンでありまして、これを提供する側からいたしますと、一番低い薬価では、すべ
てのコストを賄うことができるかどうかという問題が出てまいります。したがって、先
進国全体の状況を見て、平均のところというのを我々は考えたわけであります。

○遠藤部会長
　ありがとうございます。
　青木委員、よろしゅうございますか。

○青木委員
　その場合、例えば現状において、米国の薬価というのは、医療制度の違いもあって、
随分飛び離れた価格であることが一般的ですよね。この米国価格を除外してしまういう
ことはいかがなものでしょうか。

○青木意見陳述人
　オリンピックの体操の採点のように、一番高いところと一番低いところを除外すると
いうのも一つの方法かとは思いますけれども、現在のところは、多くの薬を創出してい
るのは米国でありまして、研究開発に関する投資を含めて米国における薬価は決まって
いるということから、我々は米国の額も大きな参考になるというふうには考えておりま
す。

○青木委員
　ありがとうございます。

○遠藤部会長
　ありがとうございます。
　ほかにございませんでしょうか。

○対馬委員
　製薬団体連合会にお伺いしたいのですけれども、「後発品のある先発品の薬価改定」
の問題、特許期間中でも、日本は唯一薬価が下がっていくということなのですが、これ
は、データなども出ているから、事実そうなのだろうと。ただ、このあたりの原因とい
うか、先ほど卸の方からのお話もありましたけれども、総価買い方式、こういったこと
が影響して特許期間中でも下がっていくのかというふうにも思われますし、このあたり、
原因をどう見ておられるのか、ひいては日本の市場価格ということが、こういった特許、
それから特許が切れた段階の中で正常に機能しているのかどうか、このあたりについて
の御意見を伺いたいというふうに思います。

○青木意見陳述人
　薬価が定期的に下がっていく一番の原因は、やはり市場実勢価格主義ということでご
ざいまして、正常の経済行為としては、できるだけ安く買って高く売るというのは、こ
れは経済行為の基本でありまして、その安く買うという方に合わせて払う方を決めると
いう市場実勢価格主義というのは、私はこれは資本主義の経済原理からは離れていると。
しかしながら、これは医療というシステムの中で決まったものでありますから、我々は
これは原則としては受け入れるというふうに考えています。したがって、この基本方針、
２年に１回の薬価改定によって値段が下がっていくという、この基本的なスキームにつ
きまして、反対しているつもりはございません。
　それから、後発品の使用に対しても我々は賛成しております。ただし、我々が言って
おりますのは、先発品の値段を下げることと、それから後発品の使用を促進することは、
どちらかというと矛盾する、反対の方向の動きではないかというふうに考えているわけ
であります。海外におきましても、先発品の特許が切れてブランド品の値段を下げると
いうことはございません。ただし、後発品が出てまいりますから、シェアが極端に減り
まして、売上が激減いたしますという状況はあります。

○遠藤部会長
　ありがとうございました。
　対馬委員、よろしいでしょうか。

○対馬委員
　総価山買いとかなんか、そのあたりが影響しているのではないかという質問をしたつ
もりなのですが、そのあたりはどうでしょうか。

○青木意見陳述人
　総価山買いにつきましては、これは卸さんが使っていらっしゃるビジネスなので、
我々としては、その辺のところの解析は十分しておりませんけれども、ただし、これも
経済行為としてアメリカなんかでは総価山買いというのは、これは普通でありまして、
メーカーが医薬品の薬価交渉をいたしますけれども、ある年限を区切って、すべての薬
効群のあれをパッケージで病院と契約するということはやっております。ただし、日本
以外の国では、そうやって値引きをしたのが次の段階で、薬価を定価としますと、定価
の下方修正に反映するということはございません。

○遠藤部会長
　対馬委員、卸連の御意見は必要ありませんか。

○対馬委員
　そうですね、卸連。

○遠藤部会長
  では、今の対馬委員からの御質問に関して、卸連で御意見があれば承りたいと思いま
す。

○松谷意見陳述人
　総価山買いといいますのは、取引している全部の商品の薬価から何プロ引きというふ
うなことが契約の主体になりますから、したがって、総価は、個々の銘柄価格の平均値
みたいなものになります。仕切り価から見たら、非常に高い、薬価差のほとんどないよ
うな商品と、比較的市場競争の激しい商品と、仕切り価のベースが違います。したがっ
て、オーファンドラッグですとか、一部の抗がん剤ですとか、血液製剤だとか、こうい
うものは総価によって、本来なら価格が下がらないのに下がってしまうということが当
然ある。それから、市場が大変激しい価格競争をしている一部の商品については、総価
によって、逆に、救われている面もある。この両方がプラスとマイナスで働いているわ
けですから、その意味で言ったら、平均で言えば合理的かもしれませんけれども、銘柄
別薬価収載という基本理念を大きく崩しているのが総価であるということと、一つ一つ
の商品の銘柄、ブランドに対する価値を守るということから言えば、やはりメーカーが
非常に大きく薬価について関心のあるはずですから、私は総価山買いというのは、新薬
メーカーというか、開発型メーカーにとっては非常によくない取引ではないかというふ
うに、自分では認識をしております。

○遠藤部会長
　ありがとうございました。
　ほかに御意見、御質問ございませんでしょうか。

○松原委員
　少し突飛な質問を２つほど。
　私ども後発品を使うというときに一番大きな問題は、名前が変わるということにござ
います。患者さんに一つの薬を出していて、それを後発品に変えるとなると、別の名前
になる。非常に突飛な質問ですが、日本製薬団体連合会さんにお聞きしたいのですが、
例えば後発品が出るときに、商標登録がありますけれども、その名前を国にお返しいた
だくとか、そういうことはできないでしょうか。
　２番目ですが、これも突飛な質問でございます。私どもその薬を使っていて、なるべ
く患者さんに合う薬を使いたいものですから、院内処方の場合にはなるべく多くの種類
を置いておくようにしております。ところが、実際に２年ぐらいたちますと、使用期限
が切れてすべて破棄しなければなりません。非常にもったいない話でございます。これ
は患者さんの安全のためには仕方のないことでございますが、一たん納入していただい
たものを返すとなると、財政の問題が起きますが、例えば使わずに包装のまま期限が切
れたものを新しいパッケージの新しい期限のものに取り替えていただくというようなこ
とはなかなか難しいですか。
　２つとも私どもで議論しているときに出てくる非常に突飛な意見ですが、ぜひ一回聞
いてみたいという、私たちの仲間内の意見がございますのでお聞きするわけでございま
す。

○遠藤部会長
　それでは青木副会長、答えられる範囲でどうぞ。

○青木意見陳述人
　薬の名前につきましては商標で、これは知的所有権でございますから、我々としては
それは適正な値段で譲渡するということも考えられますけれども、普通には、それをほ
かに、特許が切れたときにお渡しするということはちょっと考えたことはございません。
それと、もし、本当にそれがすべて同じ名前になってしまいますと、後発品をどうやっ
て処方せんにお書きになるのか、メーカーの名前を書いてお書きになるのかというよう
なこともございますけれども、それともう１つは、クオリティーに対する責任とかいろ
いろな事象に対しましての責任がどのように所在するかということも非常に不明確にな
るのではないかと。我々としては、先発品メーカーといたしましては、たとえ特許が切
れましても、自分のところの製品につきましては、副作用を含めてすべてのイベントに
対しまして責任をとっているつもりでありまして、それが名前によって、今、メーカー
名も書けばというお話もございますけれども、それがだんだん情報が流れていって、ど
この製品かわからなくなってきたというようなこともございますので、いろいろな面で
不便があるかというふうには考えます。
　それから、期限の切れたものを取り替えて、これは商習慣に関してのことですので、
私としてはちょっとお答えしがたいところがありますので、例えば松谷さんなんかいか
がお考えでしょうか。

○遠藤部会長
  では、もしお考えがあれば、よろしくお願いします。

○松谷意見陳述人
　厚労省の「医療用医薬品の流通改善に関する懇談会」で、返品問題を今取り上げてお
り、医療機関、メーカー、我々卸の間で、返品の在り方はどうあるべきかということを
議論しておりまして、そのまだ途中段階でありますが、我々はなるべく返品はしていた
だきたくないというお願いを一方でしております。また、我々が返品を受け取ったもの
についてはぜひメーカーに受け取って、破棄をしてもらいたいと、いろいろ検討を重ね
ております。その場でももう少し議論をしてからでないとちょっと私もお答えしづらい
問題でございます。

○遠藤部会長
　ありがとうございます。
　松原委員、よろしいですか。

○松原委員
  同じ名前で、例えばある薬で後発品が出た時に、先発品の製薬名をつけるという方法
を、私どもの中で議論をしながら考えているのですが、そうすれば今のような問題は起
きなくなると思いますが、やはり商標の問題でございます。その商標にかけてきたいろ
いろな販売の意欲がございますので、そこまでは否定するつもりはありませんが、価格
の問題を、下げないかわりにそれをお返しいただくとか、そういったことが可能かどう
かということを、お聞きしたわけございます。
　また、返品問題も、私どももなるべく多くの薬剤を適切に使いたい。それは、患者さ
んが非常にさまざまな状況にございますので、置いておくと２年たって使えなくなって
しまうというのが非常に苦痛だという現場の意見があるのでお聞きしたわけでございま
す。今までにない質問で申し訳ございません。

○遠藤部会長
　それでは、いろいろとまだ御意見あるかと思いますけれども、時間の関係で、本日は
このくらいにさせていただきたいと思います。
　日本製薬団体連合会、エフピア、ファルマ、卸連の皆様、ありがとうございました。
　次回は、これまでの御議論を踏まえまして、「次期薬価制度改革の骨子」の案を私と
事務局で作成いたしましてお示しいたしますので、さらに御議論をお願いしたいと思い
ます。
　日時及び場所につきましては、追って事務局より連絡いたしますので、よろしくお願
いいたします。
　それでは、本日はこれにて閉会いたします。ありがとうございました。


　　　　　　　　　　　　　　　【照会先】
　　　　　　　　　　　　　　　　厚生労働省保険局医療課企画法令第２係
　　　　　　　　　　　　　　　　代表　０３－５２５３－１１１１（内線３２７６）