05/11/24 第20回社会保障審議会医療部会議事録 第20回社会保障審議会医療部会                 日時 平成17年11月24日(木)                    14:00〜                場所 厚生労働省7階専用第15会議室 ○企画官 ただいまから、第20回会保障審議会医療部会を開催します。先生 方におかれましてはお忙しいなか、ご出席いただきましてありがとうござい ます。初めに本日の委員の出欠状況についてご報告します。本日は小山田委 員、鮫島委員、杉町委員、辻本委員、野呂委員、箱崎委員、堀田委員からご 欠席の連絡をいただいています。山本文男委員は遅れていますが間もなくお 見えになるものと存じます。  次に新しい委員をご紹介申し上げます。日本労働組合総連合会総合政策局 総合政策局長の龍井委員の交代に伴い、本日から新たな委員にご就任された 方をご紹介します。日本労働組合総連合会総合政策局生活福祉局長の小島茂 委員です。 ○小島委員 小島です。よろしくお願いします。 ○企画官 本日ご欠席の小山田委員の代理として、全国自治体病院協議会副 会長の邊見公雄参考人、鮫島委員の代理として、日本精神科病院協会副会長 の山崎学参考人、杉町委員の代理として、公立学校共済組合九州中央病院医 務局長の北村薫参考人にご出席いただいていますことをご報告申し上げます。 ご出席いただいている委員の皆様方は定足数を超えていますので、会議は成 立しています。  次にお手元の資料の確認をさせていただきます。座席表、議事次第のほか、 資料のほうは資料1、資料2、資料3、資料4があります。参考資料1、参 考資料2が委員からの提出資料です。参考資料3が新しい医療計画の考え方 です。参考資料4は広告の質の確保に関する制度の現状ですが、これは前回、 時間の関係で時間内にご発言いただけなかった見城委員からのお求めに基づ き、事務局のほうで用意した資料です。以上ですが、乱丁、落丁等ございま したら随時ご指摘いただけたらと思います。以降の進行について部会長、よ ろしくお願いします。 ○部会長(鴨下) 今日は、ちょうど第20回でけれども、ご出席いただいて ありがとうございます。議事に入る前に欠席の小山田委員、鮫島委員、杉町 委員の代理として出席いただいている、いまご紹介いただいた全国自治体病 院協議会副会長の邊見公雄参考人、日本精神科病院協会副会長の山崎学参考 人、公立学校共済組合九州中央病院医務局長の北村薫参考人、このお三方の 出席につきまして、ご異議はございませんか。 (異議なし) ○部会長 ありがとうございます。それでは早速、議事に入ります。本日の 部会はお手元の議事次第にありますように、最初に残された検討課題につい て議論いただいた後、本部会と併行して進めている関係する検討会における 検討事項について、これを事務局から報告します。その後、さらに事務局か ら、これまでの議論を踏まえた医療提供体制制度改革要綱(案)を示してい ただいていますので、この案についての議論をしていただきたいと思います。 さらに前回に引き続き、診療報酬改定の基本方針についての議論もお願いし たいと思います。本議題については、できる限り本日でまとめたいと考えて いますので、是非ご協力をお願いしたいと思います。議題が多岐にわたりま すので、本日はいつもより30分長い2時間半という時間を取っていますが、 よろしくお願いします。  最初の議題ですが、残された検討課題について約50分、14時50分ぐらい まで議論していただきたいと思います。まず事務局から説明をお願いします。 資料1です。 ○企画官 資料について説明します。「残された検討課題について」という ことで、1頁と2頁には残された検討課題の対象である地域医療支援病院、 特定機能病院、また人員配置標準、有床診療所に関して、夏の中間まとめで このような整理をいただいたというのを付けています。  それぞれの各事項についての見直しの方向性ということで、3頁以降につ いて説明したいと思います。地域医療支援病院についてですが、1つ目の○ で、制度創設当時、以前の説明で平成8年の医療審議会の答申にも記載して いましたけれども、地域支援病院の機能の1つとして想定していた在宅医療 の支援について、地域医療支援病院の管理者の義務ということで、医療法に 明記するとしてはどうかということを書いています。  2つ目の○は、地域医療支援病院が本来果たすべき機能を十分に発揮して いるかどうか、それが重要だということの観点からの措置として、(1)で現在、 地域医療支援病院の開設者からは毎年、都道府県知事に対して業務報告が出 ています。これについて知事が公表する仕組みを医療法に位置付けるととも に、承認要件を満たさなくなった場合等には、法に従って承認の取り消し等 を行う等の、厳格な運用というのを促していくことにしてはどうかと書いて います。  3つ目の○ですが、地域医療支援病院に本来求められる機能とはどういう ものであるべきかといった議論、あるいは中間まとめで紹介率の要件等に問 題があるのではないかといったことで、検討課題をご指摘いただきましたが、 これらについては地域医療支援病院の現状等の把握をした上で、さらに議論 を深めることが適当であろうということから、厚生労働省に、医療施設体系 のあり方に関する検討会を新たに設け、来年以降、検討を行うことにしては どうかと提案しています。  2は特定機能病院についての見直しの方向性についてです。1つ目の○は 医療計画の見直しで医療連携体制を地域ごとに構築するということですが、 その際でも高度な医療技術や専門性を必要とする治療などの医療需要に対応 できるといった機能、あるいは専門医等の医療従事者の養成や派遣など、人 的支援を行うという形で、「医療連携体制を支える高度な医療機能を有する 病院」が必要ということがありますから、特定機能病院にこのような病院と しての役割を期待するという趣旨で、「高度な医療の提供等に当たり医療連 携体制の構築に配慮すること」ということを、医療法上、特定機能病院の管 理者の義務として位置付けることにしてはどうかと考えています。  4頁ですが、特定機能病院についても今後の検討課題である専門医の育成 のあり方とか、医療機関からの機能分化と連携といった論点も踏まえ、本来 求められる機能、要件、名称等についての議論を深めることが適当と考えま すので、先ほど申し上げた新たに設置する施設体系のあり方に関する検討会 で、来年以降、議論を深めていくことが必要ではないかと書いています。  3は有床診療所についてですが、(1)の48時間の入院期間制限の規定及 び医療安全や医療の質の確保のための取組について、1つ目の○で有床診療 所のこれまで果たしてきた役割、あるいは今日提供しているような状況等を 踏まえると、48時間を超える入院は禁止する医療法の規定の必要性は乏しく なっていると考えられますので、この規定については廃止が適当ではないか と書いています。  2つ目の○で、これを踏まえて有床診療所において一層の医療安全の確保 を図る観点から、他の医療機関の医師との緊密な連携と、入院患者の緊急時 に適切に対応できる体制確保を、有床診療所の管理者の義務として医療法に 定めることにしてはどうか、これが2つ目の○です。  3つ目の○は人員配置標準等に関する記述ですが、(1)で有床診療所につい ては基本的には短期間の入院を前提とした施設ということで、これまでも具 体的な人員配置標準なしに運営されてきている。(2)で国民皆保険体制の我が 国においては、診療報酬における支払いの基準としての人員配置標準を定め ており、医療の質の確保に大きな役割を果たしている。(3)で、将来的には医 療法に基づき人員配置標準という規制を置くのではなく、それらの正確な情 報の公開により、医療安全や質の確保という仕組みに移行すべきことを検討 すべきとの意見もありますので、今回、有床診療所の療養病床以外の病床 (一般病床)について、具体的な人員配置標準を医療法で定めることはしな いとしてはどうか、これが3つ目の○です。  いま情報提供の話もしましたが、患者への情報開示を通じて医療の質の確 保を図る観点から、医療従事者の配置等一定の情報については、前回お決め いただいた医療情報の都道府県への届け出制度において届け出の対象にする とともに、院内掲示を医療法で義務付けることにしてはどうかと考えていま す。  (2)は医療計画に基づく基準病床数制度における取扱いに関してですが、 有床診療所は、短期間とはいえ、病院と同様入院医療を提供していることか ら、一般病床についても医療法における48時間の入院期間制限の規定の廃止 に伴い、原則として基準病床数制度の対象とする。具体的には、新制度の施 行後に新たに設置されるもの、療養病床から一般病床に転換も含みますが、 それについて基準病床数制度の対象として、既設のものについては新たに許 可を得ることにはしないとすることで、どうかと考えています。もちろん、 既存病床数としては既設のものもカウントします。  また有床診療所が、身近な場所で医療サービスを提供できる利便性のある 医療機関として、地域の医療を支える一定の役割を果たしていること。また 現在の基準病床数制度における運用を踏まえ、例えば病院を廃止して診療所 を1つ設ける場合、あるいは相続による場合等増床を伴わずに開設者が変更 になる場合については、都道府県知事の勧告の対象とはしないということで どうかということ。へき地・離島等については、開設に当たっての勧告の対 象としないことにしてはどうかと、3つ目の○で書いています。  なお、現行の基準病床数制度においては、がん、循環器病の専門病床等々、 一定の病床については病床過剰地域においても、必要に応じて例外的に整備 できるという特例病床の制度があります。これは現在は主に病院の病床を対 象にしていますが、有床診療所の場合であっても、医療連携体制を構築して いく中で地域で必要と知事が判断して医療計画に位置付けられた場合には、 この特例病床制度の対象となるという整理にしてはどうかと提案しています。  (3)ですが、人員配置の話あるいは情報開示の話、基準病床の話は(2) まで申し上げましたが、診療報酬の取扱いについては、現時点で事務局とし ての整理ができていませんので、本日、ご意見をいただければと思っていま す。なお、この関係の参考資料として7頁に、現在の有床診療所の入院基本 料についての資料を付けています。  6頁に戻って4の人員配置標準についてですが、(1)が病院における外 来患者数に基づく医師配置標準についてということで、中間まとめの際に、 病院における外来患者数に基づく医師数の規定の必要性について、引き続き 検討することが必要であると指摘をいただいたところですけれども、現時点 では事務局として方向性の整理案ができていませんので、本日ご意見を頂戴 したいと思っています。  (2)ですが、一定の圏域について知事が全国的な医師配置標準と別の 「数値」を設定できる仕組みについては、そういう全国一律のものよりも緩 やかに設定する数を上回っていれば、「標準を欠く」には当たらないという 取扱いとする仕組みを創設してはどうか。その際の要件として、対象となる 地域については、過疎地域等関係四法による指定を受けた地域、又はその地 域を含む人口が一定数以下の市町村といった、医師の確保が困難と判断でき る地域にしてはどうかと書いています。  (3)で、医療の質の向上や医療安全、医療の高度化等に対応するための 人員配置標準の充実について、1つ目の○は、高度な医療を提供し、医療安 全の確保が特に求められる特定機能病院における看護職員配置について、現 在、2.5:1ということですが、これを引き上げることにしてはどうかと考え ています。  2つ目の○で、病院薬剤師の人員配置標準については、医療安全の確保、 人員配置標準に係るこれまでの経緯、薬学教育6年制への移行の影響を踏ま えて、来年以降、厚生労働省に設置する検討会で具体的な検討を行うことに してはどうかと考えています。以上です。 ○部会長 ありがとうございました。いろいろご意見、ご質問等があると思 いますので、ご自由にお願いしたいと思います。 ○村上委員 3頁の地域医療支援病院の(2)で、承認の要件を満たさなくなっ たら取り消すというのは、これはこれでいいのですが、この承認の条件とい うのは、このままでいくといままで検討してきたことは一切載らないで、現 在ある承認の条件となるのだと少し不満だと思います。  例えば、ここで何度も問題になった紹介率等の問題については、今後の検 討課題とすると書かれていますけれども、ここのところは現実に地域医療支 援病院が単なる診療所の支援なのか、それとも地域医療の支援の病院である かということはまだ決まっていませんから、その辺の議論は確かにまだ煮詰 っていません。いずれにしても、もし診療所の支援病院であるとするならば 紹介率は残ってもいいのですが、その場合の紹介率のやり方としては門前ク リニックというのはおかしなことになる。門前クリニックがあって紹介率が 高いということは、決して診療所の支援にはなっていないはずなのです。そ ういう点の矛盾等々があって、もしここのところに承認の取り消し等を行う と言ったら、ここのところにその点の検討を入れるべきだと私は思っていま す。 ○部会長 このご意見について事務局から何かありますか。 ○総務課長 門前診療所の問題とか、現行制度における地域医療支援病院の 要件のあり方というか認定の仕方について、いくつか問題があることは承知 していますし、いま出ました問題についても、是非、来年以降検討する検討 会において課題として取り上げたいと思っています。  ただ、2つ目の○に書いてある 実際に地域医療支援病院が本来の役割を 果たしているかどうかを、きちんとチェックしていくべきではないかという ことについては、考え方としては現行の要件に基づいて認定をしているわけ ですから、それが果たしているかどうかをチェックする際には、現行の要件 に基づいて判断するのが基本だろうと思います。ただ、実際に都道府県等に 対して、(2)に書いているように承認取り消し等を行う際の通知等を流す際に は、いろいろな関係者、病院団体等のご意見もよく踏まえながら、現実に即 したような形で行き過ぎがないようにはしていきたいと思いますが、基本的 には現在の認定要件に基づいてやっている以上は、その要件に基づいて判断 するのが基本ではないかと考えます。 ○部会長 ほかに、どうですか。 ○山崎参考人 6頁の人員配置標準についてですが、その前に医療法という 言葉自体が現在の社会環境には合っていないような気がします。医療という のが国民に広くサービスを提供するということであるのであったらば、「医 療サービス法」というふうな法律名のほうが、より国民に身近な法律名にな るのではないかと考えています。それが1点です。  法律で決められている人員配置基準とか、あるいは構造基準というのは諸 外国には全くない基準なのです。先進国で法律でこういう人員配置や構造基 準を決めている国というのはありません。しかも人員配置標準あるいは人員 配置基準について、医師、看護師何人について何点というのが、診療報酬上 できちんと決められていることを、改めて法律で書く必要はないという気が しています。  構造基準についても、諸外国ではこのような構造基準はありません。例え ばどういう弊害が起こっているかというと、精神科病院をつくる場合に病室 が両側にあった場合、廊下を2.7mでつくらされるわけです。例えば同じサー ビスを提供しているホテルの廊下幅というのは1.5mを基準にしています。帝 国ホテルの廊下であっても2mしかないわけです。世界に冠たる帝国ホテル の廊下が2mなのに、田舎の精神科病院は廊下をつくるのに2.7mでつくらさ れているわけです。  その廊下幅というのは、看護の人たちに言わせるとストレッチャーがすれ 違うスペースだというのですが、ストレッチャーを頻回に使う総合病院の廊 下幅は2.4mなのに、反対にストレッチャーをそんなに使わない精神科病院は 2.7mでつくるという、非常に矛盾したことが起こっています。  医療費の適正化ということを一方で言うのだったらば、医療側の設備をど ういうふうに適切に使うかということも、同時進行で考えていかなければし ようがないと思っています。したがって、この人員配置基準と構造基準につ いては医療法という法律から外して、構造基準については消防法あるいは建 築基準法という、きちんとした法律で縛られているわけですから、新たに医 療法に構造基準を書く必要はないと思っています。 ○部会長 いまのことは、事務局からお答えはありますか。 ○土屋委員 人員配置標準に関連したことで申し上げたいと思います。いま までの経過の中で医師の人員配置標準について、いろいろ議論されてきまし た。医師の需給に関する検討会等々でも医師の偏在あるいは不足について議 論されてきましたが、これはという有効な対策というか妙薬は見つからない という状況にあります。  そんな中で、平成16年度の立入検査の結果はわかっていませんが、平成15 年の結果を見る限りでは、いわゆる適合率というもののワーストテンの中の 1位が医師数です。これも全国的には相当に格差があり、北海道あるいは東 北地区では50%台なのです。これが平成16年度には医師の研修制度がスター トしましたし、医師が特別その地域で確保されるとは考えられませんので、 立入検査の結果は、依然としてひょっとするといままで以上に悪化するかも しれないと我々は懸念しています。  平成15年で北海道・東北57.2%、全国では81.3%ということになってい ますが、これすら実は名義貸しとか名義借りという話があった上での数字で すから、その後、大変厳しいチェックをされたということからすると、この ままの配置標準でいくならばその結果は明らかです。  その中で、この人員配置標準について先ほどご意見を伺いたいとあった (1)の病院における外来患者数に基づく医師配置標準ですが、いままでの ここの議論の中で医師の外来配置標準は撤廃するやの方向が示され、単純に そんなことに乗っかったわけではないのでしょうが、一部には大変な期待を していたということは事実です。外来の医師標準配置が撤廃されれば、全体 としては医師の標準配置は緩和されるという期待を持った者が、少なからず あるわけです。単純にこの外来の医師配置標準が撤廃されることが考えられ ないとするならば、さて、どうするのかという話です。  私はいままで、この席でもたびたび申してきましたが、それぞれの地域に おける、それなりの地域医療を担っている医療機関は、何も全国一律の配置 標準に背伸びをして合わせる必要はさらさらないわけです。しかし、その結 果によって標欠になるというのは他に選択のしようがないわけです。ですか ら致し方なく名義借りということになるわけです。これが社会問題化したと いうことは、重く受け止めなければいけないだろうと思います。  私が兼々申してきたように、それぞれの地域の医療機関で身の丈に合った 配置標準が選択できるようなシステムを、どうしても導入すべきです。しか し、繰り返し申しますけれども、外来の医師配置標準を撤廃するということ が、何かぼかされてしまって通過してきてしまっています。もしこのままで いくならば、立入検査の結果がわかった時点で、当局の皆さんはこれに対し てどういうコメントをなさるのでしょうか。標欠医療機関なのだから、昭和 23年以来の古いルールではあるけれども、これに沿っていなくてはならない。 どうしても無理だったら廃院してください。あるいは診療所に転換していた だいたらどうでしょうかとおっしゃるのか。そうだとするならば、地域医療 は成り立たなくなっても致し方ありません。というコメントをなさるのか、 今日、ここではっきりしたことを伺っておきたいと思います。  これは、病院における外来患者数に基づく医師配置標準というものを、ど う考えるかによって大きく変わってきますので、ここでその辺をお伺いして おきたいということと、従来の私どもが申し上げてきたことを、もう一度こ こで強調しておきたいと思います。ご意見として承りましたということだけ で、通過してもらっては事の解決にはならないということを、ここで申し上 げておきたいと思います。 ○部会長 お答えいただけますか。 ○総務課長 医療法に基づく人員配置標準の制度の趣旨ですが、これが最低 基準かどうかというところはいろいろ議論があるところで、前回の部会でも 議論していただきました。その性格は別として、一応、医療法上、医療機関 において医師を置いていただきたいとし、期待はもっと高いのかもしれませ んが、標準という形で求めている基準ということで理解しています。その意 味でその基準を下回っているのであれば、すなわち土屋委員が言われている 立入り調査における標欠という状態は望ましいことではないと理解します。  ただ、一方で、地域における医師の偏在、あるいは診療科における医師の 偏在という問題が大きな問題になっていますし、特に離島・へき地等といっ た所においては医師不足が深刻であり、医療機関も医師を確保したくてもな かなか確保できないといった切実な問題があることも事実です。したがって、 昨年には配置標準の緩和措置といったものも医療法の施行規則を改正して、 そうした措置も講じたところです。  したがって、そこはもちろん政策としてどういう標準のあり方がいいか、 常に現実の実態を見ながら適切に対応していかなければいけないのは当然の ことですが、標準というものに対する考え方としては、それを満たしていな い場合は望ましくないと考えています。 ○村上委員 この範囲だったら診療所は何人診てもいいのですか、その辺が 私は納得できないのです。ですから、一部の病院では門前クリニックをつく って外来をやるということが起こってきているわけですから、そういう制限 をするなら、診療所も医師1人当たり何人としないとおかしいのではないか と私は思います。 ○邊見参考人 先ほどの土屋委員の思い、意見に追加するようで、また事務 局には申し訳ないのですが、いま、地域では医師の偏在、診療科偏在、地域 偏在と並んで、労働基準法の問題が非常に大きくのしかかっています。私の 聞く偉い人は、法律というのは破ってはいけない、乗り越えるものであると 言われましたので、乗り越えるべく頑張っていますけれども、もし労働基準 法を本当に全部守ってこの医療をやれば、ほとんど無理です。地域医療とい うのは崩壊します。もし本当に調べていただいて、医師あるいは他の職種も 含めて、有給休暇を取るなどというのはもっての外で、ほとんどの人が夜勤 で宿当直しても次の日働いています。  実は先日、ある政党のヒアリングに、我々の病院団体協議会の代表が行っ て外国の論文を見せました。それは夜間、宿当直で非常に厳しい労働条件で 働いた人が次の日に車の運転をして注意力テストをしたもので、それはいろ いろなアルコールを飲んで、かなりの酩酊状態に近い人の注意力と同じだっ たということです。その代議士の先生方には、「皆さん方はこういう人たち に手術してもらったり、診察してもらったりしているのですよとを申し上げ たら、納得されたのかどうか知らないですけれども、「うん」と言ったとい うことです。そのような状況が今の地域医療、病院医療の中にあるというこ とを、皆さんに知っていただきたいと思います。  私は先ほど土屋委員が言われたように、法律でここはやめろと言ってくれ たほうが我々病院長としては楽です。昨年、当院の医師が2人急死しました。 1人は過労死としていま申請中です。このような実態を是非ご承知いただき たいと思います。 ○小島委員 いまの医療法に基づく構造基準なり人員配置基準について、ど う考えるかという基本の議論ですが、これについて少し発言をしたいと思い ます。確かに将来的に構造基準なり配置基準について、そういうものを定め ないという方向を目指すというのは1つの方向だと思いますが、現実的に今 の段階で治療内容なりサービス内容を何で担保するかということになって、 構造基準あるいは人員配置基準に代わる、そういう治療内容を客観的に評価 できるような物差しがないと、新しい病院の設置を認める、あるいは医療保 険の適用をするといった場合、では何を基に適用するのかということになり ますので、そこはまさに基本的な点ですから、これから十分に議論すべき課 題だと思っています。  そういう観点から、いま地域医療における人員配置あるいは外来患者に対 する医師配置についてどうするかということがありますが、当然、それは医 療機関の役割をどう考えるかということにもかかってくるのだろうと思いま す。病院という医療機関がどこまで外来患者を診るかということにもかかっ てくると思いますので、そこは当然、基本的には入院を中心に診ることが病 院機能だと思っていますので、そういうところの関係の中で外来についての 医師の配置について、そこは少し機能の関係の中で見直すことが必要ではな いかと思っています。  今日の資料の3頁に、有床診の見直しについて記載されていますので、少 しそこについて発言させていただきたいと思います、これまで中間報告の中 でも、有床診療上における48時間の入院期間の問題について出されています。 今回示されているものについて、この48時間の入院時間の規制が有名無実化 しているということで、撤廃したらどうかということですけれども、私とし ては、もしこの48時間を撤廃するということであれば、とりあえず今の医療 法に基づく構造基準あるいは人員配置基準を適用することが、当然ではない かと思っています。  ここの3つ目の○に、将来的には人員配置基準を定めないといった方向性 が示されていますが、それは将来的な時点であり、先ほど冒頭に言ったよう に、現段階は何と言っても医療法がありますので、そこの適用を当然受ける べきではないかと思っています。それを有床診のほうが先取りするという形 で、人員配置基準については定めないといったことで本当にいいのかどうか という思いがあります。  有床診療所の機能を、もう一度きちっと位置付けする必要があるのではな いかと思っています。これも(1)の3つ目の○のところに、基本的には短 期間の入院を前提とした施設であるということで、いわば20床以上のベッド 数を持っている病院と、19床以下の有床診療所との役割は厳然とあるのだろ うと思っていますので、そういう観点で、もしここは48時間を撤廃するとい うことであれば、当然、20床以上の病院の機能も一部持たせるのだというこ とをやりますので、当然それには現行法に基づく構造基準なり配置基準が必 要ではないかと思っています。  4頁の(2)の1つ目の○で、48時間の撤廃に伴って原則として基準病床 数の対象とすることになっていますが、一般の20床以上の病院と同じベッド 数としてカウントするということであれば、こういう点からも当然、20床以 上の病院と同じような配置基準なり構造基準が是非必要ではないかと思って います。  (3)に、その際の診療報酬上の取扱いについてということで特段何も言 及されていませんけれども、これは意見ですが、やはりここは病院、診療所 の医療機関の機能あるいは役割を明確化することがまず必要ではないか。そ ういう形に沿って、その役割に応じた診療報酬上の減り張りを付けることが 必要ではないかと思っています。  7頁に、有床診に対する診療報酬の入院基本料の内容が出ていますが、こ こで入院基本料1、2、3という形であり、その他の加算という形でいちば ん右側に入院基本料1の場合、さらに夜間の看護師の配置あるいは看護師3 名以上といった場合には加算が付くといったことになっています。確かこれ は前回の平成16年度の診療報酬改定で付いたかと思いますが、そういう加算 を機能別といったことで付けていくと、ますます複雑な診療報酬体系になっ てしまいますので、ここはもっと簡素化し、役割に応じた診療報酬のあり方 という方向で見直すべきではないか。いま、病院のほうでも長期入院を短縮 するという方向で診療報酬評価されていますので、そういう観点からも、こ の有床診についてさらにその減り張りが必要ではないかと思っています。 ○三上委員 有床診の話が出ましたので少しお答えします。いままで小島委 員はここに出ておられなかったので、有床診に関して検討した内容はお聞き になっていないかもしれませんが、有床診は、いわゆる地域のニーズに柔軟 に応えることができる利便性の高い医療機関であると位置付けられたわけで す。実際に平均在院日数が16日ということで、48時間規制を撤廃するという ことで全員が合意したという経過があります。  医療法上の人員配置標準や設備基準を設けるかどうかについては、基本的 には、そういったものを求めることによって地域医療が崩壊する可能性があ るということで、利便性も高く柔軟に対応できるためには、そういったもの を有床診については緩めたほうがいいのではないかということで、今回のよ うな形になったということです。  それと診療報酬について、機能別ということでいちばん最後に点数表が出 ていますが、これが果たして妥当なものかについては、十分検討いただく必 要があろうかと思います。例えば入院基本料1の489点という点数が10人以 上ですが、全国有床診のアンケートを取ると、入院患者は19床で大体16人 ぐらいまでということです。16人に対して10人以上の看護師の配置があるこ とから、489点というのが果たして妥当か。16人の患者で10人の看護師の看 護料を、果たして人件費として支払うことができるのかというのは計算すれ ば明らかですし、また加算の部分についても、医師が1人増えることによっ て40点加算するということですが、これで果たして妥当なのかというのは考 えていただいたら明らかです。  ですから、医療法上、最低基準という形で決める場合には、それを担保す る診療報酬がなければならないということで、いろいろな基準を決めていく ということはいいわけですが、財源を用意しないで人員配置だけを厳しく決 めていくということは、問題があるのではないかと思っています。 ○古橋委員 3頁の特定機能病院についてですが、ここに書かれているよう に特定機能病院の管理者の義務というあたりで、医療連携体制の構築に配慮 する、このあたりは私は本当に必要で賛成です。特定機能病院はある意味で 高度で先進的な専門性の高い医療を行う所と位置付けられているとするなら ば、重症度も比例して高いというのが一般的だろうと思います。  在院日数の短縮の中で、退院の時点で患者の状態というのは、退院支援や 在宅状態になられたときのいろいろな連携的な医療サービスの提供も要りま すし、通院ということに対してのあり方の指導も要るだろうと思います。そ ういう点では是非とも特定機能病院の管理上は、医療連携に対してつなぐ、 あるいは退院の支援をしていくことの義務化を、是非とも謳っていただきた いと思っています。  次は6頁の人員配置です。特定機能病院について私は前々回、現状から1 対1の配置が事実から言っても必要だと発言しました。本日は参考資料の1 で人員配置に関しての意見を提出させていただいています。医療法上の特定 機能病院の規定となると、現行は2.5対1ですから、一足飛びというあたり が違和感が有る無しの議論もあるだろうと思いますけれども、私は是非とも 1対1としていただきたい。どうしてもそこがあまりにも乖離があり過ぎる のであるならば、最低でも0.5対1を保証することを義務付けることが要る だろうと思っています。  提出した参考資料の4頁の下の段をご覧ください。これは東大で起きた例 で、人工呼吸器の患者に蒸留水を補給しなければならないのを、エタノール を入れてしまったという痛ましい医療事故の実態です。この時は新人で11ヵ 月経っていましたけれども、ローテーションで、チームの中で新しい小児の 領域に来て満1ヵ月経ったナースが、何と新人で1年目で5人持っていて、 呼吸器を付けている方が2人、しかも1台は呼吸器が足りなくてよその病棟 から借りてきた呼吸器です。それに輸液ポンプが付いて腹膜灌流透析をやっ ているとか、交換輸血をやっているとか、MRSAの出ている患者であると いうことで、この新人は誰にも聞けない状態で、先輩たちは配慮をしている けれども、そこで一緒にやれない状態でした。しかもこの後、準夜も1年目、 深夜はこの昼間やった新人がまた深夜をやるという状態で、ここは2対1で 25人のナースがいたわけですが、非常に危ない状態で医療が行われていると いうことでした。結局、この新人の日勤帯は指導者がいないので、深夜勤者 が残って指導していくこともあったわけです。  こういう、非常に厳しい状態の中で医療が行われている現実がある。これ はここの病院だけではないわけです。是非とも特定機能病院及び一般病寝は 1.5対1としていただきたい。これは医療費が膨張するではないかというご 指摘もあろうかと思いますけれども、私はこの段階で病床数というものが、 より適切にコントロールされていくことが大事だと思っています。特定機能 病院はどんどん待機者がいますが、一般病院で稼動が云々という所は、在院 日数が短くなった分、空床を作らないための入院を起こしていかなければな らないという実態も現実にあると見ていますので、そのあたりをもって看護 職員の配置を上げていくことが、医療費が膨れることなので否定的にお考え いただくよりも、是非とも国民の安全という視点から、こうした点を是非実 施に移していただきたい。  もう1つは、外来が大変変わってきました。30人に1人という配置よりも、 通院患者の外来治療というのが大きく変わってきています。そのあたりも検 討がなされるべきと思っています。 ○部会長 時間なのですが、短く簡結に核心をおっしゃってください。長々 お話になると焦点がぼけてしまいますので、よろしくお願いします。 ○松井委員 第1点は地域医療支援病院について申し上げます。先ほど村上 委員が言われたことは大変重要な指摘だと思います。ただ、その意味でまず 業務報告ということをはっきりと位置付けて、実態を把握するということが 重要だと思います。門前クリニックの問題は、診療報酬上の歪みがあるから そういうことが起きているわけですから、そもそもこういう紹介率あるいは 逆紹介率という設定の仕方が、いいのかということを十分議論した上で、必 要であればそれを変えた上で変えた要件に合わないというときにはそれを取 り消すとか、そういう手順を踏まないと、病院関係者としては非常に困る問 題なのではないかと思います。それが1点目です。  先ほど配置標準で、特定機能病院について古橋委員からもっと上げてほし いという発言がありました。そのお気持は私は否定する気はないのですが、 では本来、特定機能病院だけがそういう配置があるべきなのかどうかという のは、十分議論しなければいけないと思います。なぜならば、医療の高度化 というのは特定機能病院だけではないということも踏まえて対応しなければ いけない。  もう1つ、特定機能病院というのはDPCで、どういった医療をやってい るかという内容での診療報酬も一方でありますから、看護の配置だけでなく、 そこに対する医師がどのくらい配置されて、医療資源が必要なのかというこ との全体の議論の中の1つとして、考えられるべき問題ではないかと思いま す。  有床診の問題は、三上委員から全部合意がなされた問題だという説明があ りましたが、私自身は、48時間というものがなくなっていいということを言 ってきたつもりはありません。繰り返しになりますが、残すべき機能のある 有床診とそうでないものというのは、もう少し仕分けをして対応してほしい と主張しています。48時間規制は廃止して、基準病床には実態としてはほ とんどカウントされないようになっているやに、この案は見えます。今後、 都道府県知事の権限でそういう医療費適正化に関する計画を作らなければい けないという中で、本当にこういうことでいいのかどうか。  さらに病診連携というときに、そもそも48時間というものが有名無実化し ているとしても、ではなぜそういうことを決めたのか。そういうことをきち っと踏まえた上で、全体の中での対応が必要だと思います。 ○山本(信)委員 座長から簡結にということですので、ポイントだけ申し 上げます。6頁の人員配置の(3)の病院薬剤師の部分ですが、これまで医 療機関における医薬品に係る医療安全の確保という意味で、病院薬剤師の人 数についていろいろ意見を申し上げてきました。今回、新たに検討会を設置 してということですから、是非、来年以降のなるべく早い時期に、この検討 会を設置していただき、これまでの経緯はもちろん、現状を踏まえた具体的 な人員配置がどうあるべきかという議論を、是非進めていただきたいと思い ます。 ○小方委員 簡単にご提案申し上げます。先ほど来、議論があった有床診療 所の件ですが、確かに今回ご提案がありますように、一般病床というネーミ ングも病院の一般病床と比べて混乱するとか、先ほど来、意見がありました ような問題をまだ抱えているので、いまもお話がありました、今回、事務局 から提案のある医療施設体系に関する検討会の対象は、地域医療あるいは特 定機能病院ということでお考えかもしれませんが、有床診療所の件もこの検 討会に委ねて、もう少し議論を深めたらいかがかなという提案です。 ○大橋委員 有床診療所を持っている1人として、村上委員、松井委員に反 論するのですが、外来数を病院と同じように制限しろということですけれど も、私は門前診療所は知りませんが、田舎へ行ったら話は違います。もう診 たくないですよ。私は1日1,000人以上診ていたときがあったのです。だか ら3日も寝ないでということもあり、これでは本当に死んでしまいます。そ れは地域の 患者のためです。いまの考えだと医師は金を儲けているだけで ということですが、金を儲けるためではない。そういう医師だけでないとい うことを言いたいのが1つです。一生懸命やってこれ以上もうできない。そ れだから私は医療から逃げてしまった。しかしその反面やっとこういう所で 医療関係者の意見も言えるようになった。本当にそういうのに反論するため に。現実を見ていいただきたい。松井委員だって一緒に田舎へ行ってみたら いい。私が市長を辞めたら、田舎の診療所を診ますが、時間外の患者さんが 来たら「診察時間外だから診られません」とは、医師として言えません。し かし、「診察時間が終了したからあなたは診察しません。他の病院に行って 下さい。」と言えば良いという医師会の幹部がいたのです。現実を知らな過 ぎると思う。委員はみんな病院の人じゃないですか。診療所をやっているの は俺だけだよ。  次に提案書を参考資料で出しますが、時間がないからまたそのときに言い ますけれども、現実には診療所がいっぱいあるから、地方ではやっていける のです。大きい夜間帯に救急患者を診ていただける病院が1つあるだけでい いです。また、病院は入院を主にやってもらいたい。我々は外来をやる。病 院で救急患者をとっていただける。これがいちばん基本だと思います。 ○部会長 残された検討課題でしたが、余計残されたような問題が多いと思 いますけれども、いろいろご意見をいただいて、これは事務局でもう一度、 少し整理をしていただくことと、特に医師の配置基準の問題は、まだまだい ろいろご意見があるだろうと思いますので、次回、是非、これについてもう 少し整理された案を出していただきたいと思います。議題の3にも今のこと は関わってくると思いますので、そこでもう少し議論を収斂できればと思い ます。  次の議題の関連する検討会における検討状況について、事務局から報告い ただいて、もう少し議論を進めたいと思います。資料2についての説明をお 願いします。 ○指導課長 資料2の1頁から48について、医療計画絡みの検討会の報刻告 をさせていただきます。資料2の1頁からが医療計画の見直し等に関する検 討会です。2頁お開きください。2頁の囲みの中で、本検討会において7月 の段階で中間まとめを出していただきました。その具体化に向けて議論して いたところですが、その下に(1)から(3)まで書いています。(1)は、実際にこの 計画の作業を行う都道府県と国との懇談会を開催しています。その中で都道 府県の意見を聴取したり、そういった場でも配っていますけれども、(2)の新 しい医療計画のポイントといったものも、都道府県の方々にお示しするとと もに、検討会でも説明して、ご了承を得るべく議論を進めていただいていい るところです。  さらに(3)で書いているような、各都道府県レベルでさまざまな試みが医療 連携でなされています。こういった事例についてできるだけ資料を収集して 検討会に提供したりしているところです。  こういったものについて3頁以降ですが、検討会で議論いただいた資料を 今日も参考までに付けております。3頁は懇談会の資料です。4頁からは新 しい医療計画のポイントということで、都道府県等にご了解いただきたいも のをまとめた資料です。18頁以降は、都道府県レベルでのさまざまな試みの 資料等です。詳しくご説明はいたしませんが、後ほどご覧いただきたいと存 じます。46頁以降は、医療計画に今後記載すべき事項ということで、考え方 の資料です。これまでは救急・へき地外については、あまり細かく医療計画 の記載事項としてお願いしていなかったところですが、今後は、がん、脳卒 中等々についても、是非事業別にお書きいただきたいと考えており、そうし たことについても記載をしているところです。  なお、参考資料3として、新しい医療計画の考え方として横長のペーパー を付けています。これについてももう少し分かりやすく、今後医療がどのよ うに変わっていくのか、変わるために医療計画はどのように作られ実行され ていくのかを取りまとめたものです。これについての説明は省略させていた だきますが、こうしたものを使い、都道府県または住民の方々に今後の医療 計画、さらには医療のあり方といったものの説明をさせていただく予定にし ております。 ○部会長 次お願いします。 ○医事課長 資料49頁をご覧ください。委員のメンバーは6頁に記載されて いる方々で、座長は東京大学の樋口先生です。これまで4回にわたって検討 を行ってまいりました。第5回は12月1日に開催する予定です。51頁以降に 第4回に出した中間報告書(案)を付けております。  具体的な内容は49頁の2の検討項目の所にあります。これまで4回の検討 会で概ね了解が得られた内容ですが、処分類型としては、現在は取消しと医 業停止の2種類しかないわけで、これを今回新たに再教育制度を作ることと 併せて戒告処分を設けたらどうかということ。長期間の医業停止については、 上限は3年にしたらどうかということ。行政処分に係る調査権限については、 これを医師法上の明確な権限として位置づけたらどうかと。移籍については、 再教育の終了について書いたらどうか。再免許等に係る手続については、現 在取り消された方については医道審で認めれば再免許が出ることができると なっておりますが、これの具体的な手続等がないこと、また取り消された後、 再免許の申請ができるまでの期間の定めがないことから、これは5年とした らどうか、といったようなことが行われております。  国民からの……たる確認については、医師の個人情報の問題と、国民が知 りたいということについて、どういう形でやるかについては前回もご議論が あり、引き続き第5回においても議論をしていただくとしております。 ○看護課長 看護課長です。資料61頁から医療安全の確保に向けた保助看法 等のあり方に関する検討会のまとめの概要が2頁、それ以降3〜72頁まで、 まとめの本文で、本日それがまとまりましたのでご報告させていただきます。  6月の審議会でも前段のご議論をいただきましたものをご報告させていた だきましたが、今回、後半の5つの項目について、ご検討をいただきました。 個別の論点のところで、まず助産所の嘱託医師ですが、現状はここにありま すように、嘱託医師に専門以外の医師が選任されている事例があったり、ま た緊急のときに嘱託医師を経由しなければ搬送先が受け入れない問題が起き ているという指摘があり、今後、まず産科の医師を嘱託医師にすべきだとい うご意見、また後方支援として、連携医療機関を確保するための制度的な措 置を講ずることが必要である、といった方向でご意見がまとまっているとこ ろです。  2項目の新人看護職員研修ですが、新人の看護職員の場合は、臨床能力と 卒業時点の能力に乖離があるというご指摘があります。一方、新人教育は医 療機関の独自の取組みに委ねられている現実もございます。今後、看護師の 質の確保、新人の定着という観点から、何らかの制度化が必要であるという ところでは意見が一致いたしましたが、さらに細かい議論を、検討会を設け て進めていく必要があるとまとめていただきました。  3点目は、産科における看護師等の業務です。現状では助産は医師、助産 師のみに許された行為ということで、特に産婦に対する内診行為は、助産業 務の一環ということで整理をしているところです。これに対して、一定の条 件下で内診を看護師も行われるようにしてはどうか、というご提案があり、 ここにいちばん議論が集中しましたが、賛成論、反対論と多々ありました。 その中で助産師の需要供給の問題、確保策が非常に大事ではないかというこ とで、今年12月の看護職員需給見通しの確定を踏まえ、改めて検討していく と。そして、産科における看護師等の業務については、さらに保助看法のあ り方を今後、別途検討していくということで意見をまとめています。  4点目の看護記録ですが、現状保助看法上は、看護記録の記載義務は看護 師等にはかかっておりません。また、医療法施行規則においても、特定機能 病院や地域医療支援病院等ではありますが、そうでないところでは、明確に 看護記録は書かれておりません。こうした実態で、今後さらに法制化、保助 看法に記録の根拠を与えることについての検討をしていく必要があるという ご指摘、そのために必要な調査等があるであろう、といった点で意見をいた だきました。  さらに、今回の医療制度改正に関連して、病院における診療諸記録の中に 看護記録が当然含まれているのだ、ということを明らかにするための制度的 な措置を講ずる必要があるのではないか、という点でもご意見をまとめたと ころです。  5点目は看護職員の専門性の向上です。以前この部会でもご紹介したよう に、現在専門性の高い看護師としての、日本看護協会等で認定している仕組 みがありますが、これについても、今後さらに認定する機関におけます制度 の検証・整理が必要であるというご意見があり、一方、医療部会における広 告のあり方のご議論を踏まえつつ、今後そうしたナースの広告についても、 制度的な措置を取ることも考えられる、という点でご意見をまとめていただ きました。 ○医薬食品局総務課長 医薬食品局総務課長です。お手元の資料73頁で、行 政処分を受けた薬剤師の再教育等についてです。薬剤師については、平成16 年に薬剤師法等の一部が改正されました。その際、国会審議で付帯決議がさ れております。患者からの信頼が得られるように薬剤師免許の取消し等の行 政処分を厳正かつ公正に行うための仕組みについて検討を行うこと、という 付帯決議がなされております。先ほど医事課長等から医師、歯科医師につい て説明がありました。重複は省略いたしますが、薬剤師についても問題意識 等は似たような事情です。  3つ目のマルに書いてありますように、薬剤師についても医療の担い手の 一人として、今後医療に対する国民の信頼を一層高めていくためにも、医師、 歯科医師、看護師と同様に、行政の処分について、行政処分を受けた薬剤師 に対する再教育、戒告等、新たな処分類型の新設等を設けることによって進 めさせていただくというものです。 ○部会長 資料が分厚くて時間が限られておりますが、3時半ぐらいまで、 皆様方にいろいろご意見があれば出していただきたいと思います。 ○佐伯委員 医療計画についてです。尾形委員にも教えていただくことがあ るかもしれません。医療計画のあり方の検討会の議事録などをずっと拝見し ておりましたら、今後は立案する段階でも、それを検証する段階にも、評価 の段階にも、すべてができるだけ住民や患者の立場の人が入るようにと。そ れを具体的に委員会の中に、なるべく入るようにということが盛り込まれて いたかと思います。今回ご提出いただきました資料、縦で見ると13、横にす ると9と打ってある「新たな医療計画の作成に向けた国、都道府県、医療関 係者の共同作業」というチャートの中で、真ん中の都道府県が果たす役割の 2つ目の○に「県内の医療関係者との協議の場の設定」とあります。これは 「医療関係者及び住民、患者との協議の場の設定」ということでしょうか。 ここのところを確認したいと思います。 ○指導課長 今日はお付けしておりませんが、細かい作業を進めるに際して、 各都道府県における協議をこのようにしていただいたらどうか、という資料 があります。その中に、住民の方々も各都道府県で適当な協議会なり何なり があるはずですので、そちらをご参考いただきたいということを資料には書 いてありますが、ご指摘の資料の中には、私どもの配慮が行き届きませんで、 そこまで書いておりませんので大変申し訳ございませんでした。 ○佐伯委員 分かりました。それならばもう1つあります。患者の立場とし て、私はいま豊島区の国民健康保険の保険料を納めています。それで夫は自 分の会社のところの保険に入っています。結構保険の種類が別々で、受けて いて、そこの地域の中の地域の医療がどうであるかを、どれだけ保険の種別 を超えて考えることができるのか。あるいは、参加することができるのかが、 今後難しいといいましょうか、クリアしていくものかなと思うのです。その 辺りについての考えを、お聞かせいただけるでしょうか。 ○指導課長 医療の中身そのものについては、正直言いまして、保険の種別 であまり差別が本来あってはならないだろうと思います。結果としてそうい う差が出てきているのは仕方のないことかもしれません。被保険者の性格が 違いますから、結果として差が出てくるのはあり得ると思います。最初から 提供すべき医療の性格として、保険者ごとにどうだこうだという話というの は、なかなか難しい話があるという気はいたします。それよりも、私どもは 住民の方々が参加していただくのはもちろんですし、むしろ予防といいます か、そういった観点で今後、医療との連携という形のものをどう進めるかと いうことから考えますと、健康増進事業実施者ということでヘルス事業にも 関わっている関係者、関係団体の方々に参加いただくという中で、いまご指 摘のことも含めて検討していく方法はないかどうかを議論しているところで す。 ○佐伯委員 これだけ医療費かかりましたよ、というお知らせをいただくと か、窓口がそれしかありませんので。自分が住んでいる都道府県での医療の 受手であり、また、考え手であり、担い手であるという意識を、もっと住民 の方に持っていただくための、いろいろな取組みが必要かなと思っておりま す。 ○山本(信)委員 今日の資料2のいちばん最後の部分、70頁に、行政処分 を受けた薬剤師の再教育という問題がご提案されております。私ども新たに こうした仕組みを設けるというご提案ですが、以前に医療を担う者として、 こうした見直しを行い再教育をすることは不可欠のことであると私ども考え ております。いまこうした措置を、ここに記載がありますように、仕組みを 設けることでお進めいただきたいと思います。  もう1点は医療計画の部分です。いずれ数値目標等が出されてくると理解 しておりますし、今後検討会でも検討されるだろうと思いますが、数値目標 を設定する際に、医療現場で患者の……が安全かち安心して提供を受けられ るような体制については、当然構築されるべきだと考えております。その意 味からも、医薬品流通も含めて、医薬品提供体制の整備確保が、今日は十分 な資料が出ておられないということで、まだ多分たくさんおありだと思いま すが、そうしたものが目に見えるような記載を医療計画の中に、お願いをし たいということだけ申し上げておきます。 ○山崎参考人 先ほどの人員配置型基準のところで、構造基準を撤廃するに ついて、地域の住民についてきちんと病院側の情報を公開する制度とセット でしていくべきだと考えています。都道府県の役割として情報公開をどうい うようにするかという仕組みについて、お教えいただきたいと思います。 ○指導課長 いろいろなやり方があると思います。ここにありますような医 療計画を通して情報公開をしていくのもあるかと思います。前回の医療部会 で基本的な方向についてご了承いただきました、これは新たな制度としてで すが、医療機関から一定範囲の情報について都道府県に届出を義務化し、都 道府県がそれを分かりやすい形にし、インターネット等を使って情報提供す るという制度を、今度医療法改正をし制度化したいと。これはこの後、要綱 の中でも出てきますが、そういうことも1つのやり方としてあるのではない かと思います。また、いろいろなやり方があるかと思います。 ○古橋委員 医療計画の作成あるいは実施に向けては、都道府県の役割は本 当に大きいと私もかねてから発言させていただいております。現行法でも、 医療計画は都道府県において作成されるという規定です。新しく変わってい く医療計画は、従来のものとはかなり内容的に違う、期待もあるわけですが、 過日都道府県へのアンケートなど新聞報道によりますと、現在の都道府県の 意識というのは、さほど積極的ではなく、やや困難な意識を持っているとい う報道されております。懇談会は3回開いておられるわけですが、今後都道 府県の活性化といいますか、意欲といいますか、取り組む姿勢といいますか、 それはどのように進められていくのかということ。  もう1つは、14頁によりますと、来年度都道府県において医療機能調査を 実施することになっております。これはずっと医療計画検討でも議論をして きたと思いますが、この調査の内容は施行規則の中に謳われていく、いま法 の中で定めたいというご説明がありましたが、来年度のことなのですが、具 体的にどのような構想があるのかどうか。私は都道府県のそうしたエネルギ ーといいますか、取組み度合いといいますか、そこが明暗を分けるという気 がしているのです。その辺り、現段階での厚労省の思い、お考え、いやここ まで大丈夫というようなことがありましたら、伺いたいと思います。 ○指導課長 古橋委員ご指摘のように、当初こういった考えを検討会等で打 ち上げましたときに、各都道府県の反応は確かにこれまでのものとは違った ものですので、非常に不安というか、できるのかという動きが多々寄せられ てまいったのも事実です。ただ、その後3回の検討、国との懇談会、また個 別の会議も開いておりますので、そういった中で、具体的にこういうことも 考えているのだ、こういう方向性もいま議論しているのだということを、私 どもとしてはかなり丁寧にご説明を申し上げている中で都道府県のほうも、 逆提案といいますか、そういった形でご理解を得られてきていると私どもと しては考えております。ただ、若干細かいところはまだ詰まっていないとこ ろも確かにありますので、今後すべてが法律の本則とか、政令の話にはなり 得ませんので、細かい点については通知レベルに落として、都道府県のほう でお示しすることになるのですが、少なくとも概要については年内に考え方 をまとめて、細かい点については、その後適宜お示しをし、事務方がお困り にならないような対応をとってまいりたいと考えております。 ○松井委員 医療計画の問題についてです。先ほど地域医療支援病院の役割 をどのように考えるべきかという意見を述べましたが、特定機能病院も含め て、本来医療計画というのは、医療提供体制全体をどのようにしていくかと いうことですから、地域医療支援病院の条件、あるいは要件を見直していく のは医療計画の中でやろうとするのか、あるいは、特定機能病院も含めてで すが、どちらが、後、先、みたいな形になるのでしょうか。ここに書いてあ るのは、疾病ごと、事業ごとみたいになっておりますので、病院という枠組 みとは必ずしもならないような気がするのです。ニワトリか卵かの議論かも しれませんが、本来これは併せて規定され、整備されていくものだと考える のですが、いま考えておられるのはどうなっているのか教えてください。 ○指導課長 医療計画の中では特に地域医療支援病院のことがかなり出てく ると思いますが、医療法の中の整理としますと、地域医療支援病院という形 の書きぶりといいますか、そういったものは本則には明示されています。そ ういったものについては、医療計画と全体的な地域のやり方の中で本則に出 ている地域医療支援病院を、こういうような形で利活用させて住民の方々に いい医療を、ほかの医療機関とペアでやっていただくという立て方であると 我々理解しております。  そういう意味からしますと資料1にあるように、今後、地域医療支援病院 がいかにあるべきかという議論がこれからなされるということになれば、そ の中で、出てきたものについては、今回は間に合いませんが、次回の医療法 改正の中に反映させていくことになろうかと思います。 ○三上委員 今回の医療計画の中で数値目標が出されてきました。横書きの 資料、7、8、9頁辺りに書いてありますが、この数値目標は、8頁には、 いつまでに達成するのか、誰がどのような役割で活動するのかと書いてあり ます。基本的には誰のための数値目標なのかが大切であります。ここには、 全国平均を大きく下回る分野について改善方法を検討するということは、聞 くところによるとペナルティーとか、早く達成すれば何かご褒美があったり、 達成しなければペナルティーがあったりというようなことが考えられている と聞きますが、これは誰のためのものなのか。ペナルティーがあるというこ とになりますと、例えば在宅で介護する方がないのに強制的に、平均在院日 数を下げるために、総入院数を引き下げるために退院させられることも当然 起こり得ますし、家族で看とり率を上げるために終末期であっても病院に入 院させずに、家族にご迷惑をかけながら在宅で看ていることも当然起こる可 能性があるわけです。誰のための数値目標なのかをはっきりし、数値目標に ついても、その数値目標が妥当なのかについても今後検討する必要があると 思います。数値目標の導入は、もう少し慎重にやっていただきたいと感じて おります。 ○部会長 これは次の議題であります医療提供体制制度改革要綱(案)、に も関係いたしますので、この辺で次に移り、一緒に議論していただければと 思います。  資料3について、事務局から説明をお願いいたします。 ○企画官 資料3、医療提供体制制度改革要綱(案)について説明いたしま す。  1頁、「はじめに」です。最初の4行は8月までに中間まとめをいただい たということを書いております。医療部会においては中間まとめの基本とし て、また関係する検討会の議論を踏まえて、本年中に意見をまとめるという ことで、9月以降引き続き検討を進めてきたところであるが、これまでの議 論を踏まえ、医療提供体制に関する意見を次のとおり取りまとめると書いて おります。  中間まとめについて説明しますと、中間まとめではまず基本的な考え方を 整理するとともに、その時点までに方向性について整理できたものについて 記載し、引き続き検討が必要だというものについては別に書いております。 中間まとめの中で、今後予算や事業などをどんどんやっていく必要があると いうものを盛り込み、それの予算要求等をしているわけですが、今回は9月 以降に検討を進めてきた内容を整理しつつ、制度改正を行う必要があるもの について、夏までのものも含めて盛り込みました。  14行目に戻ります。その改革の全体像が一覧にできるようにする観点から、 中間まとめまでの段階に方向性が整理された事項を整理するとともに、法律 や省令など、どのレベルでの制度見直しが必要かについて参考として付けて おります。その他、また、それ以下の内容については資料1、資料2に入っ ております。今日も議論しかけのものも便宜上記載しておりますが、今日こ こまでの議論を踏まえ、必要な修正等はしなければならないことだと思って おります。以下順次説明します  1頁の1、総論として現行の施設規制法の性格の強い医療法ですが、これ を患者の視点に立ったものとなるよう、必要な規定の追加も含めて全体的な 構造の見直しをしていく。2、患者・国民選択の支援については、(1)広 告規制制度の見直し、(2)情報提供の推進、(3)その他情報提供の推進 策。これについては前回ご議論をいただき、方向性をいただいたものを具体 的に、個別事項に書き分けをし整理しております。1つ目のマルが広告規制 の包括規定方式の導入。2つ目のマルが医療の実績情報についての研究開発。 3つ目のマルが広告規制違反についての間接罰方式に移行。ただし議論の中 で虚偽広告についてはきちんと罰則を適用できるように残すべきだというご 議論もありましたので、括弧書きを14行目から付けております。また、広告 規制、少人数の検討会のことが17行目からのマルに記載しております。  (2)情報提供の推進ということで、本来こちらのほうが広告の話より先 の話ですが、国、都道府県、医療機関についての責務規定の新設。また、先 ほどもご質問がありましたが、26行目からのものが医療機関について一定の 情報を都道府県に届出をして、都道府県がこれを整理して、住民が利用しや すい形で公表する制度の創設。具体的な医療の一定の情報については、検討 会で検討する、ということが29行目からのマルです。  (3)は、その他、情報提供の推進ということで、医療機関による実質的、 技術的な取組みによりインターネット等による提供、医療情報の信頼を確保 することが大事ですので、ここの中でしっかりとしたガイドラインを作成を し、適切な情報提供がインターネットを通じて行われるように取り組んでい くということです。4行目は標榜診療科の追加の件で、6行目からは名称の 規制と院内掲示の話です。10行目からは相談体制の責務規定をつくること、 入院時の診療計画の作成・交付義務、退院時の退院計画の作成・交付の努力 義務について医療法に規定を置くと、これは全回ご議論いただいた件です。 16行目のマルは、先ほど看護課長から説明した診療に関する記録として看護 記録を省令上明記するという件です。  3ポツの医療安全対応の総合的推進については、中間まとめの段階で医療 安全対策ワーキンググループの検討をもとに整理いただいたものを記載して おりますが、30行目のマルは資料1にあったものを記載しております。32行 目は先ほど看護課長から報告したものの1つです。4頁の1つ目のマルは資 料2で説明した行政処分の関係を、各職種のをすべてまとめて記載しており ます。4頁の7行目の4ポツは、医療機能の分化連携の推進です。1つ目は 医療計画制度の見直しで、非常に多くの内容が入っておりますが、かなり包 括的な形で、主要な事業についての医療連携体制の追加、これへの関係者の 協力規定を置くというのが医療法です。また、これに数値目標を設定すると いうこと、作成・実施評価の見直しの政策循環機能の仕組みを盛り込む。3 つ目は、国が基本方針を定めることを医療法上明記することを書いておりま す。21行目は、これは技術的な話ですが、現在の医療計画では、いろいろな 事業についてすべて二次医療圏ごとに明らかにするようにと書いております が、今回の医療計画の見直しの観点から、いろいろな各事業、すべて二次医 療圏でという条文は削除する必要がある。その他、医療計画に関する規定の 整備をする必要があるというのが21行目からのマルです。  4の2は在宅医療の推進です。これも前々回、在宅医療の議題のときに報 告をして、方向性を整理いただきました内容を記載しております。2つ目の マルの地域医療支援病院の件は資料1にあったものです。これが5頁の最初 のマルまで記載しております。  4の3の医療施設の類型、医療施設に係る基準の見直しとして、(1)地 域医療支援病院、(2)医療診療所、(3)特定機能病院、(4)人員配置 標準とあります。これは今日の議題1、残された検討課題に関するもので、 あの資料に書いてあるものを便宜上書いておりますが、本日の議論で修正等 が必要かと考えております。7頁の4の4は薬局です。これは前々回ご議論 いただいたものを記載しております。4の5は公的医療機関です。これは9 月22日の会議で報告した医師確保総合対策の中で盛り込んでいた内容の1つ です。公的医療機関については公私の役割分担の観点から、一般医療につい ては公的医療機関が本来主たる事業として行う必要はないという認識のもと で、ただ、へき地・離島における診療、あるいは救急医療など、その確保が 特に求められている事業の実施を通じて、地域医療支援が公的医療機関の責 務であることを明確にする。その上で、厚生労働大臣、あるいは都道府県知 事が、公的医療機関の開設者、または管理者が、そうしたことではなくて一 般の医療ばかりをやっているような場合について、こうした事業実施に関す る命令を行う権限を新設してはどうかということを記載しております。  8頁の5ポツは医療法人制度改革についてです。これも中間まとめまでに 整理いただきました内容を記載しております。6ポツは医療に従事する者の 質の向上です。1つ目のマルは、先ほど医療安全の所に書いてあるものと同 じものです。2つ目のマルは、先ほどの資料3の中に入っておりませんが、 中間まとめまでの段階で整理いただきました内容、名称独占、新たな保健師、 助産師、の免許付与に関する看護師の試験合格要件を記載しております。最 後に7ポツの医師偏在問題の対応については、先ほどの4の5の公的医療機 関の話と同様で、医師確保総合対策で打ち出しておりました内容としまして、 都道府県医療対策協議会の制度化、同協議会への参画についての関係者の責 務ということ。また、へき地・離島等の診療、救急などへの関係者の責務規 定の新設、また、小児科、産科医師の確保が困難な地域での医師偏在問題へ の緊急避難的措置としての医療計画の見直し、対策協議会の設定を通じた医 療機関の集約化・重点化の促進を、取りまとめ案ということで記載をしてお ります。 ○部会長 ただいまの資料3の説明に関して、質問を含めて意見交換をお願 いしたいと思います。 ○山崎参考人 2頁の情報提供の推進のところです。いま精神科医療でどう いう問題があるかというと、ビル診の精神科診療所が急速に増えております。 そうすると朝の9時から夕方の5時までの診療で終わってしまいますので、 患者が急性増悪したときに、患者は主治医と連絡がつかない。そういう患者 はどうするかというと、精神科救急もシステムに上がってくるのですが、反 対に精神科救急をしている病院にしますと、準夜とか深夜で患者の情報が全 然入らない状態で患者を診察するという変な現象になっています。したがっ て、精神科を含めて、ビル診をしている開業医の先生がきちんと準夜、ある いは深夜に患者についての情報を救急担当の病院に、診療情報ができるよう な義務化をしてほしいと思います。 ○尾形委員 1頁の総論の所で、医療法について患者の視点に立ったものと なるよう必要な規定の追加も含めて、全体的な構造を見直すと書かれており ます。これは大変結構なことだと思います。先ほど佐伯委員が言われたこと とも関わりますが、4頁で医療計画制度の見直しという所を見ると、ここで も患者あるいは住民、あるいはサービスの受手の視点といったところが全く 入っていません。この辺、法的にどう盛り込むかについてはいろいろ難しい 問題はあると思いますが、やはり工夫がいるのではないかと思います。これ が1点です。  2点目は5頁の有床診療所のところです。これは先ほどいろいろ意見が分 かれたところですが、基本的には先ほど小方委員からご提案がありました、 医療施設体系に関する検討会でさらに検討すべきだ、という意見を私として は支持いたします。 ○渡辺委員 1点だけ、7頁の公的医療機関の所です。これは率直に言って、 内容の問題よりも文章の意味が全く分かりません。まず文章を整理していた だきたい。これを読むと、要するに公的医療機関というものは一般医療を行 ってはいけないのだと読みとれます。いずれにしても、非常に分かりにくい 文章なので、もうちょっと整理してください。 ○北村委員 医療提供体制制度の改革の中で1つ項目になるのかならないの か分かりませんが、医療を支える人材育成体制のあり方が、極めて乏しくし か書かれていないような気がします。先ほど看護師の専門家の問題も多少出 ておりましたが、厚生労働省が国家試験を実行され、初期研修を法制化し、 それの評価、あるいは改善へ向けての努力、今後どうしていくのかというこ とも極めて重要だと思います。我が国ではそれに引き続く、後期研修に相当 するものは先進医療国の中で唯一、放ったらかしになっている部門でありま す。やはり初期研修の評価と改善に向ける努力と、我が国の後期研修のあり 方を厚生労働省が主体性を持って、もちろん特定機能病院のあり方、大学病 院のあり方として、文部科学省との対応もいるかもしれませんが、専門医の 育成も含め、後期研修のあり方というもの、我が国の医療を携わる人材育成 という観点が、ほとんどないのではないかという気がしておりますので、お 考えいただければと思います。 ○佐伯委員 いまの発言ともかなり関係してくると思いますが、3頁の12行 目に入院時の入院計画の策定及び患者への交付・説明を義務とすると。こん なところで誰が説明をするのかという辺りが分からないと思います。例えば 主治医が説明するということであれば、主治医の説明能力をもっとつけない といけないということで、最後の8頁の医療に従事する者の資質の向上の中 に、きちんとしたコミュニケーション能力、説明能力をつけるようなこと、 あるいは、説明能力があるということを認定した上での専門医であるとか、 そんなことを盛り込んでいただきたいと思います。  もう1つは、いまご意見を伺っていて本当にそうだと思ったのは、今朝も 午前中、福島県立医科大学へ行って学生のコミュニケーション授業をやって きたのです。彼らはとても目を輝かせて、やりたい、患者との対話をしたい と思っているわけです。しかし、実際にそれを発揮できる医療の場が、現実 はとても忙しく時間が許されない。そういうことで皆は、目の色がだんだん 死んでいく。それが研修医の2年目、3年目ぐらいだと実感しているのです。 患者としっかり話をして、患者が理解して納得するということに医療の原点 があるのだ、ということが保証できるような診療報酬の体系であるとか、そ ういうことをお考えいただきたい。  もう1つは、医学部を卒業するまでは文部省の管轄であるというところで、 何か日本の医療をするのだという覚悟といいましょうか、その考え方が学生 の中で少し、薄いかなという気がするのです。日本の医療をする人を育てて いるのだということであれば、1年生ぐらいから厚生労働省の何かが入って いくのがいいのかもしれないし、日本の医療を担う人たちの教育のところを 厚生労働省も参画してやっていただきたいと思っております。 ○松井委員 資料3は、いわば法律に関係する事項しか付いてないような気 がいたします。いまご指摘のあった件は大変重要です。とりまとめの方法と して、医療法の改正に関わらなくても重要なことは書き込んでいくやり方が 1つあるのではないかと思います。先ほど山崎参考人からのお話でビル診の 件ですが、ここでは有床診のことでもう少し、いろいろな形で連携がとれる ようなことを義務付けるというような書き方になっていますが、方式として はIT化をもう少し進める必要があると思います。その診療情報を誰が持つ のかという議論はありますが、患者1人ひとりがポータブルにして持ってい くやり方と、もう少しネットワーク化するなどいろいろな方式があるかと思 います。カルテの電子化は看板を掲げて一切進んでいない状況にありますの で、対応の仕方を単に義務付けということでいいのか、やり方は十分議論し た上で、実効性の上がるものを考えるべきであると思いました。 ○山本(信)委員 資料の3頁です。先ほどご指摘のあった12行目辺りです。 入院時、入院計画は当然のことだと思いますが、退院時は、現実に退院後は 患者は地域で薬物療法を受けるわけですので、そうした意味からすると、こ の情報提供の中に、いずれ細かくなる段階で結構ですが、医薬品の情報、ど んな治療を入院中してきたのかといったことが抜け落ちないような配慮をお 願いしたいのが1点です。  もう1点は、全体を通してですが、今回これをまとめるに当たり、医療安 全対策の総合推進、あるいは在宅医療の推進といった部分で、薬剤師の役割 が明確に位置づけられております。本項も1項設けまして、薬局のあり方に ついて、医薬品の提供拠点としてどう貢献するか、医療提供施設としての薬 局のあり方を明確に位置づけていただきましたことについては感謝を申し上 げます。是非、今回の改革でこうしたことが事前にできますようにお願いし たいと思います。 ○邊見参考人 先ほど山崎委員からありました精神科だけでなく、小児科は もちろん、内科、外科に関してもビル診療というのは、かかりつけ医といい ましても、1週間168時間、そのうち48時間だけかかりつけ医で、あとの120 時間は別の人が診ているという実態は、かなり深刻だと思います。一般の医 師はみな頑張っているのですが、そういうような人が一部にいるということ は、ちょっと問題ではないだろうかと思っております。 ○大橋委員 有床診療所の件です。先ほど三上委員が言われたように、この 間の会議で十分討議したと私は思っています。撤廃と決まったのだからそれ でいいのではないか。有床診療のことをよく書いてあるし、私はこれでいい と思います。他に意見はあるかもしれませんが、そうでないと堂々巡りにな るのではないかという感じを受けます。 ○土屋委員 医療計画見直しについてです。医療連携体制の構築に関わる協 議への関係者の協力についてとあります。これは医療法に規定するというこ とですが、これは医療計画の見直し等の検討会において、医療連携体制の構 築に向けて「中心となって調整する組織」と最終的になっているわけです。 ここには、何かぼかした表現になっているのではないか。最初は「拠点病院」 ということになっていました。それが「核となる医療機関」となりました。 それが最終的に、こういう「調整する組織」と変わってきた経過があります。 これは大変大きな意味を持っています。特定の医療機関が、お手盛りの医療 連携体制をつくるために「調整する組織」になってはいけないだろうという ことや、その地域の医療連携をどうしていくのかを皆で考えたほうがいいの ではないかということから、これはそういう表現に変わったわけです。  最後の頁、医師偏在問題の対応のところにも、医療対策協議会を制度化し となっています。私どもは地域の医師会がいちばんいいのではないかという ことを申し上げたのですが、そうでなければ、少なくとも地域医療対策協議 会等で協議するということを明確にしておいたほうがいいのではないでしょ うか。今までの経過からいうと、意識的にここをぼかしたのではないかとい う邪推をしますので、書き込んでいただくことが必要かと思います。  あと、患者宅での薬剤の交付のサービスが云々と。これは後のほうにも出 てまいりますが、在宅医療を薬局の先生方が推進する上において、医療提供 施設として考えるのだということですが、これは医療法の上ではどうなるの ですか。薬事法だけではいけないのですか。 ○山崎参考人 8頁の医師偏在問題の対応についてです。現在の医療の体制 は、医師が偏在しているということだけではないと思うのです。医師数の絶 対数が足りないということであって、偏在とは違うと思います。地域の医師 数を確保するのに、医学部の定義ですが、地域枠の上乗せというような対応 の話が出ているのですが、現行定員で地域枠の数を増やしてもしようがない のです。だから、現行定員プラス地域枠を10%なり、20%なり、定員数自体 の総数を増やしていかないと足りないということ。  いま医学部の生徒の4割程度は女性です。女性医師が増えたことによって どういうことが起きたかというと、病院の当直医の確保が非常に大変になっ ています。あと、産休、育児休を取るために、フル勤務のドクターが減って きています。一方では開業医が増えていますから、当然病院側の勤務医が減 っているという構造的な不足であって、偏在ということだけで片付けられる 問題ではないと考えています。  したがって、偏在というのではなくて、医師不足問題への対応と、偏在と いう言葉を消していただきたいと思います。 ○部会長 これに対していかがでしょうか。 ○三上委員 8頁の7行目、医療法人の所を見ていただきたいのです。特別 医療法人制度について、現行の税制に基づく特定医療法人の要件を参考に新 たな要件を設定するということが書いております。特別医療法人や特定医療 法人については、現在税制との絡みでいろいろ検討しているところですが、 社会福祉法人との違いについても十分検討する必要があるので、特定医療法 人及び社会福祉法人との要件を参考にというような形で加えていただくと、 検討する範囲が広がるのではないかと思います。 ○古橋委員 医療法の冒頭には、医療提供の理念というのが謳われておりま して、患者本意の医療とか患者の視点の重視ということは既に書かれていま すが、ずっと議論した中で改めてこうした医療提供体制の中で本当に重要な のが、患者の視点とか患者国民、患者住民、国民の視点と医療提供者の関係 をずっと確認しつつ来たわけですので、参考資料の3にあるような患者本意 の医療を、ある意味で住み慣れた家庭や地域でというところで謳えるのかど うかはわかりませんが、ここをもう少ししっかりと最初のところに、改めて 医療法できちんと謳うことを希望したいと思います。  先ほど、小方委員や佐伯委員からもありましたが、私も医療計画でそう言 いながら、医療提供者の視点の発想しかないのかなという気がします。実際 に現場におりますと、この時代の医療は患者と一緒にやらなければうまく運 ばないというのが実感ですので、そのあたりはくどいようですが、もう一度 発言させていただきます。  もう1つは、医療提供者の中で看護職の問題ばかりを言うようで恥ずかし いのですが、日本の医療の中で130万を超えようとしている看護職が、本当 に現場の最終実行者として働いています。その看護職の教育の体系が、医師 はたった一本のコースです。薬剤師も、たった一本のコースです。国家免許 を持つための看護師には、なんと8本ものコースがあるのです。そして、年 限にも差があります。私は卒後臨床研修のところでは、検討会でも議論がな されたことを大変ありがたく思っていますが、今後はこの看護職の基礎教育 が長く放置されてきていますので、これも大きな医療提供体制を考える中で、 医療法にどう謳うかということとは少し外れると思いますが、看護職の基礎 教育の方法の事実、現状を課題としてお願いしたいと思います。むしろ、東 南アジアなどの日本以外の国がどんどん大学化に絞られて、一本化されつつ あるということも併せて発言をさせていただきまして、たくさんの道筋が果 たしてこれでいいのかというあたりを問題提起として発言をさせていただき たいと思います。 ○部会長 まだおありかもしれませんが、いろいろと貴重なご意見をいただ きました。私からは1つだけ、先ほどの山崎参考人の医師偏在のことについ て発言をさせていただきたいのですが、偏在は偏在だと言えると思います。 大橋委員邊見参考人の意見などを付け合わせますと、いまの医師はべらぼう に忙しい医師と、そうでない医師がいる。時間的に働けない妊娠中の、ある いは育児中の女性医師もありますが、それも含めて人口10万あたりの医師数 は、いまは先進国の中でも206とかなり多くなっています。ですから、絶対 数としては医師不足とは言えない状況。これも、また労働基準法云々になり ますとビル診療の48時間が当たり前だということになってしまいますが、い ずれにしてもそういうことで診療科による偏在は事実としてありますし、地 域の偏在もありますので、ここのところは報告書に書かざるを得ないのでは ないかと思います。事務局は、これに対して意見はありますか。よろしいで すか。 ○医事課長 ただいまの医師の偏在の問題については、私ども医師需給の検 討会の中で今年度末を目途に、具体的な数字の根拠等をいろいろやって出そ うと思いますので、そちらのほうの検討を踏まえてということになろうかと 思います。以上です。 ○部会長 それをいかに解決するかが問題ではないかと思います。もう1つ 重要な事項が残っていますので、次に移ります。  診療報酬改定の基本方針について、ご議論をお願いしたいと思います。資 料4です。 ○保険局医療課長 資料4をご参照いただきたいと思います。これまでのご 議論を踏まえまして、叩き台を基に委員の先生方のご指摘を中に入れまして、 修正した案です。読みながら、それぞれ詳しく注を付けていきたいと思いま す。これは、社会保障審議会医療部会、医療保険部会から中医協にお出しい ただく、平成18年度診療報酬改定の基本方針の案です。  1頁は、平成18年度診療報酬改定に係る基本的考え方です。最初の○が前 振りで、キーワードが質の高い医療と国民皆保険制度の堅持です。読みます。 「国民の健康長寿という人間にとっていちばん大事な価値を実現するために は、国民の安心の基盤として質の高い医療を効率的に提供する医療提供体制 の構築、将来にわたる国民皆保険制度の堅持とが不可欠である」。これを受 けまして次の○で、今後の基本的な医療政策の方向性として、いくつか書い ています。特に最初の黒ポツで、患者本位という書き方がわかりにくいと言 われましたので、患者本位の説明を前に付けました。読みます。「医療を受 ける主体である患者本人が、医療に積極的かつ主体的に参加し、必要な情報 に基づき患者自身が選択して、患者本人が求める医療を提供していくという 患者本位の医療が提供される仕組みを構築していくこと」。次の黒ポツは、 生活習慣病の予防に積極的に取り組むということで、ここは読みません。  次の黒ポツで国民の安心を先に持ってきて、経済・財政を後にというご指 摘がありましたので、そのようにしましたので読み上げます。「人口構成等 の構造変化に柔軟に対応するとともに、国民の安心や制度の持続可能性を確 保するといった観点から見直しを行い、経済・財政とも均衡がとれたものと するために、過大・不必要な伸びを具体的に厳しく抑制することを通じて、 将来にわたり国民皆保険制度を堅持していくことが求められると言える」と いうことです。基本的なこうした考え方に基づきまして、1頁の最後の○の 平成18年度診療報酬改定は、次の4つの視点から改定が行われるべきである ということです。(1)患者から見てわかりやすく、患者の生活の質を高める医 療を実現する視点。(2)質の高い医療を効率的に提供するために、医療機能の 文化・連携を推進する視点。(3)我が国の医療の中で、今後重点的に対応して いくべきと思われる領域の評価の在り方について検討する視点。(4)医療費の 配分の中で、効率化余地があると思われる領域の評価の在り方について検討 する視点です。次の○は前回も説明しましたが、診療報酬点数で制度政策を 引っ張るのではなくて、制度政策が先にあって、診療報酬点数がそれを補完 するという趣旨が書いてあります。  2頁の2つ目の○は、いわゆる混合診療のことです。「一方、基本的な医 療政策の方向性に必ずしも沿ったものではない医療については、単に診療報 酬点数上の評価の適正化を行うだけでなく、必要かつ適切な医療は基本的に 保険診療により確保するという国民皆保険制度の理念を基本にしつつ、特に 患者の選択に係るようなものについては保険診療と保険外診療との併用を認 める制度の活用により、応分の負担をしていただくことも含め検討していく べきである」と結ばせていただきました。これが、最初の基本的な考え方で す。以下、先ほど申し上げました4つの視点について、それぞれ書いてあり ます。  2頁の真ん中ごろは、4つの視点から見た平成18年度改定の基本方針です。 (1)は先ほど読みましたので割愛します。(1)の視点のうちの最初の○、「必要 な情報に基づき患者自身が選択して、患者本人が求める医療を提供していく という患者本位の医療」と説明を加えました。まず、患者から見てわかりや すい医療としていくことが前提であり、患者に対し、医療に関する積極的な 情報提供を推進していくことも必要であるとともに、患者の生活の質を高め る医療を提供していくことが必要である。次の○も、ご指摘に基づいて表現 を変えました。「このため、診療報酬体系の見直しに当たっては、そもそも 診療報酬体系自体を患者にとってわかりやすい体系とする視点に立って見直 しを推進すべきである」。以下が、指摘に基づいて書いた文章です。「とり わけ診療報酬上、評価されている医療のうちには、実際に提供されているが、 患者が明確にわからないままに費用を負担しているものもあるとの指摘もあ り、現行の診療報酬の名称等の位置づけも含め、点検を行っていくべきであ る」。この内容の1つの例としては、生活習慣病指導管理料です。高脂血症、 高血圧症、糖尿病の生活習慣病指導管理料を1つの例として、前回お示しし ました。  3頁の最初の○は、領収書等の話です。「患者への情報提供の推進の観点 からは、患者が保険医療機関を受診等をした場合に、医療費の内容のわかる 領収書の発行を受けることができるよう、診療報酬体系を患者にとってわか りやすいものとする取組みと合わせ、所要の経過措置を講じた上で保険医療 機関や保険薬局に医療費の個別単価など、詳細な内容の分かる領収書の発行 を義務づけることを視野に入れ、情報提供を強力に推進するべきである」。 実は、この領収書の話はあちこちに出てきますので、この基本方針だけでは なくていろいろな文章に出てきますので、関連のものはすべて文章の表現を 統一しています。次の○は、生活習慣病の重症化予防を推進するための方策 ですので割愛します。  3頁の(2)の2つ目の視点です。最初の○は「質の高い医療を効率的に提供 するため、地域の医療機能の適切な分化・連携を進め、急性期から回復期、 慢性期を経て在宅療養への切れ目のない医療の流れを作り、患者が早く自宅 に戻れるようにすることで患者の生活の質を高め、また必要かつ十分な医療 を受けつつ、トータルな治療期間が短くなる仕組みを作ることが必要である。 このため、地域における疾患ごとの医療機能の連携体制に係る評価の在り方 について検討すべきである」。これは医療部会で議論されたことを踏まえて、 このように表現しています。  2つ目の○、「また高齢者ができる限り住み慣れた家庭や地域で療養しな がら生活を送れるよう、また身近な人に囲まれて在宅での最期を迎えること も選択できるよう、支援していく体制を構築することが必要である。このた め、入院から在宅への円滑な移行を図りつつ、介護保険との適切な役割分担 の下、24時間診療のできる在宅医療や終末期医療への対応に係る評価の在り 方について検討すべきである」。これは当然ですが、今回介護保険と同時改 定ですので、そのことも含まれているというふうにご理解いただきたいと思 います。最後の○、「さらに、我が国の医療については諸外国と比べ、平均 在院日数が長いというご指摘があり、医療機能の分化・連携を図りつつ、医 療資源を集中的に投入することにより、必要かつ十分な医療を確保しつつ、 平均在院日数の短縮を図っていくことが必要である。このため、平均在院日 数の短縮の促進に資するような入院医療の評価の在り方や急性期入院医療に おけるDPCの支払い対象病院の拡大等について検討すべきである」。DP Cの拡大については、中医協で出されていますが、趣旨は同じです。4頁の 最初の○、「このほか、病院診療所の機能分化・連携を推進する観点から、 病院と診療所の初再診療の格差の問題など、外来医療に対する評価の在り方 について検討すべきである」。  3つ目の視点です。最初の○は先ほどと同じで、国民の安心を先に持って きまして、経済財政を後に持ってきたという逆転をご指摘に基づいて換えた ものです。3つ目の視点の2つ目の○は、ご指摘に基づいて表現を変えてい ますので読みます。「例えば産科や小児科、救急医療等については、診療科、 部門による医師の偏在により、地域において必要な医療が確保されていない との指摘があることも踏まえ、特に休日、夜間等における医療機関の連携体 制を確保していく観点からも、これらの領域に対する診療報酬上の適切な評 価について検討すべきである」。これは、ここでご指摘を受けたものを踏ま えて文言を直しています。次の○、「また、医療分野においてはIT化が遅 れているが、IT化を推進していくことは被保険者医療機関、保険者審査支 払い機関等のそれぞれにとってメリットのあることであり、解決すべき課題 を整理しつつ、これを集中的に推進していくための方策についても検討すべ きである」。これは前のとおりです。  次の○は、ご指摘を踏まえて文言を修正しています。「さらに医療の安全 性のさらなる向上の観点から、医療安全に係るコストの実態を踏まえつつ、 診療報酬上のさらなる取組みの可能性についても検討していくべきである」。 4頁の最後の○も、ご指摘を踏まえて表現を変えています。「このほか、医 療技術については難易度、時間、技術力等を踏まえた適切な評価を進めると ともに、新しい医療技術については有効性、安全性等のほか、その導入の効 果についても十分に確認した上で、適切に保険導入を図っていくことが必要 であるが、その際には保険導入の手続の透明化、明確化の視点に十分配慮し ていくべきである」。  4つ目の視点です。最初の○は先ほどと同じく、国民の安心を先に持って きて、経済財政を後に持ってきた、ご指摘を踏まえた逆転です。2つ目の○ は前回と変わっていませんが、重要なので読み上げます。「このため、患者 の状態像に応じた慢性期入院医療の評価の在り方、入院時の食事に係る評価 の在り方、外来診療における不適切な頻回受診の抑制のための評価の在り方、 コンタクトレンズ診療等における不適切な検査の適正化のための評価の在り 方、かかりつけ歯科医、かかりつけ薬局の本来の趣旨に即した適正な評価の 在り方等について検討をすべきである」。次の○は、これもご指摘を踏まえ て文章を直しています。「また、医薬品については画期的新薬の開発を促進 する薬価制度を構築していく一方で、良質かつ廉価な後発医薬品の使用を促 進することは、医療保険制度の持続可能性の維持に資するものであることか ら、後発医薬品の使用促進のための環境整備の方策についても検討すべきも のである」。最後の○、「このほか、医薬品、医療材料、検査等のいわゆる 『もの代』については、市場実勢価格等を踏まえた適正な評価を進めるべき である」。「終わりに」の2つの○は当然ですが、前回に入っていませんの で読み上げます。「終わりに。中央社会保険医療協議会におかれては、本基 本方針の趣旨を十分に踏まえた上で、具体的な診療報酬の改定案の審議を進 められることを希望する。また、平成18年度診療報酬改定の結果については、 本基本方針に即した改定であったかどうか。実際の改定の効果がどの程度あ ったのか等について中医協において検証を行い、その結果を当部会にご報告 いただくことを希望する」。ちなみに、検証のための部会は既に中医協で設 営されていますので、手続は既に始まっています。以上です。 ○部会長 どうもありがとうございました。ただいまの説明、資料4に関す るご質問等も含めまして、あまり時間はありませんが、正味15分ぐらいでご 自由にお願いします。 ○山崎参考人 5頁の薬と医療材料について、診療報酬の改定の度に薬価の 引き下げで診療報酬の改定の財源というのを作っていますが、薬とか医療側 の材料というのは流通経費とか消費税案の負担分を考えると、病院にとって 全く赤字なのです。新しい薬価が決まると赤字分を交渉して、購入薬価を下 げると次の診療報酬の改定で、また薬価を下げるというイタチごっこを毎回 しているのです。したがって、もうそういうイタチごっこはやめて、医療材 料と薬品については、国が現物支給で各医療機関に提供するという制度も考 えたらどうかと思います。 ○大橋委員 4頁の真ん中で、産科や小児科の救急医療の連携と診療報酬上 の適切な評価について検討されるべきであるということで、私は参考資料1 に提案書を出させていただきました。病院の初診料を値上げせずに夜間、特 に深夜帯の診療費を上げるように提案したわけですが、行政の立場として決 して私はその医療費を上げようというわけではなくて、医療費はある程度抑 制することを当然頭に置きながら、けれども適材で効率的に患者は夜間に診 てもらえることがいちばん大事ではないか。たらい回しがないということ。 例えば、小児科の診療所を1人でやって、夜間も診ようと。夜間の診療点数 を上げれば、診る気にもなるのではないか。病院が例えば小児科に医者を2 人以上置いていただき、その地域で必ず深夜に診ていたということになれば、 夜間の診療所でも診ると言っていただける様になり、非常によい循環になっ て、夜間のたらい回しがなくなり、それこそ救急病院は要らなくなるのでは ないかと思います。  病院も、うんと点数を上げなければやらないと思います。1人でやってい る人は、そのまま夜間診療所で十分に収入は入るけれども、病院の外来で小 児科を2人でやっている人が夜中にやっている人に、病院に収入が入っても この2人に収益が十分に行かなければ、だんだん嫌になってやる気が無くな ってしまうと思います。ですから、そういう点で病院でも点数を増やし、実 際にやっている人に収益がきちんと行くようにお金を十分に出してやれば、 昼間の起きているうちに我々医者として、外来の医療費をそんなに上げる必 要はないと思います。以上です。 ○土屋委員 病院と診療所の機能分化・連携で、これは病院と診療所の初再 診の検討、見直しをするという話ですが、本当に病院は入院機能を、診療所 は外来機能をという考え方を進めようとするならば、病院の初診料を特定療 養費制度でうんと上げていいから、自由に決めなさいという在り方は、単に 患者や国民に対する嫌がらせに過ぎないわけで解決策にはならない。本質的 なところでは、病院が入院、機能となれば、入院だけで成り立つような仕組 みでないといけないだろう。一気にはいけないにしても、入院に関わるいろ いろな諸費用をきちんと原価計算をした上で、このくらいならば当然成り立 つはずであるという方向でない限り、いまのような形でできるだけ国民ある いは患者を病院に近付けないようにしようとしても、効果はないでしょう。 医療経済実態調査でもわかりますように、病院の収入の内訳を見ると多分に、 むしろ、外来に関する収入のほうが上がってきていて、それに対する依存度 はますます高くなってきています。病院としてもそれは放棄できないという 仕組みになっています。ですから、本当にこれを進めようとするなら、病院 が病院機能として本質的には、それが成り立つような仕組みを考えないとい けないと思います。  入口のところで少々嫌がらせをしても、患者は受託したい思ったら初診の ときだけ無理してでも行くと思います。というのは、受入側としてはそうい う形で受け入れてしまいますので、背に腹は替えられませんから。これは本 質的なところから見直さないと、入口のところだけの辻褄合せでは、病院の ほうが低いからだ。では、病院のほうを上げるか。診療所を下げるかという 議論では、本質的なところの何らの解決にもならないのではないかと思いま す。いま医療課長はこれの評価の在り方について検討されるとおっしゃいま したが、その辺の視点を入れて一気にいけないにしても、何らかの配慮をし ていただくことが大事ではないかと思います。 ○三上委員 いまのことと同じです。いままで診療報酬で政策誘導をしてい たことがまずかったことが基本方針に書かれていまして、今後はそういうこ とではなく、政策があってそれに診療報酬を付けるのだということがありま して、4頁のいちばん上の2つ目の○の病診の初再診の格差の問題などをや るという話ですが、これは当然、連携を推進する観点からやるわけではなく て、いま問題なので元へ戻すという話だと思います。だから、政策誘導がま ずありきということであれば、診療所にかかってから病院にかかるような受 療行動を誘導するために、診療報酬は設定するというのではないということ ですよね。医療課長に確認しておきます。また、当然ここで病院と診療所の 格差を是正するという話があれば、入院についても病院と有床診の間の格差 というのは是正してもらわなくてはなりませんし、人員に応じたような配置 をしていただきたいと思います。  もう1つは、2頁の4つの観点からとして、患者から見てわかりやすいと いうところですが、いちばん下の○に「明確にわからないまま、費用を負担 しているものがある」とか、3頁の上に「医療費の内容のわかる領収書、診 療報酬体系の患者にとってわかりやすいもの、医療費の個別単価などの詳細 な内容のわかる領収書」ということがここに書かれているということは、い ままで包括の拡大ということで、どんどん包括してきたわけです。以前は出 来高であって、現在の基本料も看護料であるとか入院環境料であるとか、食 費もそうですが、その他医学管理料とか薬も注射もすべて別々になっていた のを包括にしてきた。これをわかるようにするということは、包括の中でも 個別の単価をわかるように書くことなのか。あるいは、今後は包括を少しず つ出来高のほうに修正する。例えば、DPCでも乖離の大きいものについて は出来高に変えることがありますし、その辺を修正するのかどうかを医療課 長に伺いたいと思います。 ○保険局医療課長 中医協と同じ議論をここでするかどうかもありますが、 基本的な考え方はいま委員からご指摘いただいた諸々のこと。例えば薬価の ことや小児科、産科、病診の連携、それからいま三上先生からご指摘をいた だいた包括化のことは、すべて私どもで書き止めて中医協にお伝えしますの で、中医協でご議論をいただきたいと思います。 ○古橋委員 3頁の下から2つ目の○で、質問をします。「介護保険との適 切な役割分担の下」という言葉があります。私も実際にサービスを受ける側 からすれば、医療保険も介護保険も同様の適用ということは当然あるだろう と思いますが、こういう書き方がされている場合に具体的に介護保険との併 用等については、どんな構想でどんな内容であるのかを教えていただきたい と思います。  もう1つは2頁の下の○で、わかりやすい体系とする視点に立って見直し を推進。これは本当にそのとおりだと思いまして、現行の網の目のように本 当のプロのプロでないと読み解けないような体系というのはなかなかわかり にくいと思いますが、何かこれに関しても方針としての構想というのがある のであれば、差し支えなければ教えていただきたいと思います。 ○保険局医療課長 最初の介護保険との連携ですが、例えば中医協でいま始 まっている議論の中では医療の療養病床、介護の療養病床がありますので、 これをどうするかという話。それから、これは明日中医協でご議論をいただ きますが、医療の療養病床に医療区分と申しますか、一度これは中医協で出 ていますが、医療区分を考えて、医療区分の医療度の低いところは本来、介 護保険で見るべきではないかという議論がありますので、そういった意味で は介護保険と医療保険の境界領域、あるいは仕分けの領域が中医協で議論が なされると考えています。  わかりやすい診療報酬は、既に中医協でも再三再四そのような指摘がされ ていますので、これから点数が議論され、さらにそれに付随するいろいろな 通知の形態が議論されますので、その中でわかりやすい点数になっていくと 思いますし、中医協の委員の先生方もそのように考えておられます。 ○部会長 最後に短くお願いします。 ○松井委員 最後の領収書の発行の義務付けですが、確かに医療機関におけ る対応の期間が必要だと思いますが、できる限り早く実施していただくよう にお願いをしたいと思います。これですと、いつ実施するのかがよくわから ない。知るところによりますと、保険薬局のほうは相当こういう整備が進ん でいると聞いていますので、できるところは早くやってもらう対応を是非お 願いしたいと思います。  それから、先ほどDPCについて、かえってわかりにくいものになるので はないかというご指摘をおそらく三上先生はされたかったのではないかと思 いますが、DPCそのものはそれぞれの医療内容について、病院ごとの状況 が比較できるということで、医療の内容の比較ができるという意味合いが大 きかったのだと思います。目指すべきは、これは1日あたりの単価になって いますので、本来ここを一入院毎に包括化していくことと、それをやってい く過程では本当にコストがどうなっているのかを十分に調査をしながら対応 していかないと、本当の意味での救急医療体制というのはうまくいかないの ではないかと思います。 ○小島委員 参考資料として、私と松井委員と小方委員の3名で、基本方針 に対する意見書を提出しています。ここに出されている内容は中医協等で議 論されている、あるいは検討される項目なども踏まえて、そういうものを睨 みながら意見として出しています。その内容は、概ね今日示された内容には 含まれていますので、是非この基本方針の中にはそういう趣旨を踏まえた内 容というふうにご理解いただければと思いますので、よろしくお願いします。 ○三上委員 我々も、DPCがベンチマークとの比較ができるということで、 非常に有効な手段だと思います。我々が問題であるというのは、包括払いと いうところのPPSが問題であるということであって、医療提供があるとす れば必要な医療を適切に提供して、それを適切に評価していただくことがい ちばん大切であって、提供してもしなくても同じ価格であるのは潔くないと いう話です。  最後に1つだけ申し上げたいのは、5頁の最後に、物に対する評価に対し て外国価格間調整というのが中医協でもよく問題になっているのですが、こ こに書かれていない。いわゆる人工骨頭とかペースメーカーとか、カテーテ ルの類に非常に外国との価格差がある。この間、中医協で初めてイギリスの 価格とアメリカの価格に5倍ほど違う価格があって、アメリカの価格に近い 薬価を付けようとしたときに1回止まったことがありました。一号側の方が 文句を言われないのが不思議なのですが、イギリスで5分の1の価格のもの を日本がどうしてアメリカと同じような5倍価格で薬価を決めるのかに非常 に不思議に思いましたし、これがいちばん簡単に効率化の余地がある部分で はないかと思いますので、ここのところに外国との価格調整についての文言 を入れていただきたいと思います。 ○部会長 ありがとうございました。いろいろとご意見を頂戴しまして、実 はこの問題は今日で3回目ですが、これまでのご意見をいただいて大きな方 向は大体決まってきたかなと思います。今後の手続は、事務局から言われて いるのは医療保険部会と連名でこの方針をまとめてほしいということで、医 療保険部会は明日に開議が開かれるということですので、そちらのほうの要 望あるいは意見等を突き合わせまして、事務局でまとめさせていただく。そ れを一応、部会長として責任を持って提出したいと思いますが、その点で最 後はこちらにご一任いただきたいのですが、よろしいでしょうか。 ○土屋委員 それについて伺いますが、これはダイレクトに中医協のほうに 行くわけですか。社会保障審議会そのものには行かないわけですか。 ○部会長 私の理解では、社会保障審議会には行かないですね。 ○保険局医療課長 社会保障審議会の日程がありますので、うまくタイミン グが合えば社会保障審議会にご報告するというふうに考えたいと思いますが、 日程がうまく入らなければこれだけでというわけにもなかなかいきませんの で、社会保障審議会運営規則により、「部会の議決は会長の同意を得て、審 議会の議決とすることはできる」とされていますので、時間があれば掛けま すが、時間がない場合はいま私が読みましたとおり、会長の同意を得て審議 会の議決とするということにさせていただきたいと思います。 ○部会長 よろしいですか。一応、そういうことにさせていただきまして、 医療提供体制に関わる検討項目が大変多い中、いろいろとご審議いただいた おかげで、中医協の在り方の見直しに伴って新しいこの部会としての任務で あったわけですが、診療報酬改定の基本方針に関わる医療部会の責任を果た したのではないかと思います。  先ほどの審議の資料3、医療提供体制の制度改革要綱については、できま すれば今日お出しいただいたご意見をまとめて、次回に最終的に取りまとめ をしたいと思います。本日は時間を過ぎましたので、これで終わりにします が、何か特別ご発言はありますか。大変長時間にわたって、ご審議をありが とうございました。  事務局から、今後の日程等をご連絡いただけますか。 ○企画官 次回は12月2日(金)の午後2時から開催ということで、本日ご議 論いただきました資料3に相当するものについてご意見をさらにいただきま したので、また調整しまして引き続きご議論をいただく予定としています。 場所については、また改めてご連絡を申し上げます。お忙しいところ恐縮で すが、ご出席をお願いします。 ○部会長 どうもありがとうございました。 照会先 医政局総務課 山口、野崎 連絡先:03−5253−1111(内線2518)