05/11/21 薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会農薬・動物用医薬品部会議事録      薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会農薬・動物用医薬品部会議事録 ○日時:平成17年11月21日(月)13:57〜15:00 ○場所:ホテルフロラシオン青山 はごろも ○出席者:  委員  井上(達)委員(部会長)、青木委員、大野委員、小沢委員、加藤委員、      志賀委員、下田委員、豊田委員、中澤委員、米谷委員、山添委員、吉池委員  事務局 松本食品安全部長、伏見基準審査課長、長谷部課長補佐、河村課長補佐、      広瀬課長補佐、近藤専門官  関係省庁 農林水産省消費・安全局畜水産安全管理課 小嶋課長補佐       農林水産省消費・安全局農産安全管理課農薬対策室 小峯専門官 ○議題:   (1)食品中の残留農薬等に係る残留規準設定について       ・ジノテフラン(農薬)       ・マラカイトグリーン及びロイコマラカイトグリーン(動物用医薬品)   (2)その他 ○事務局  それでは、先生方お揃いでございますので、これから薬事・食品衛生審議会 食品衛 生分科会 農薬・動物用医薬品部会を開催させていただきます。  本日はお忙しい中、お集まりいただき、ありがとうございます。どうぞよろしくお願 い申し上げます。  まず、開会に当たりまして、松本食品安全部長からごあいさつを申し上げます。 ○食品安全部長  恒例でございますので、一言ごあいさつ申し上げます。  まず、冒頭に委員の皆様方に厚く御礼申し上げます。本部会におきまして、数多くの 御審議を賜りました残留農薬のポジティブリスト制度につきまして、今般分科会の答申 をいただき、今月末に告示を行うこととしております。また、来年5月29日の施行とな りまして、すべて役所の手続は終わっているということでございます。このことにつき まして、改めて御礼申し上げます。  さて、本日は、農薬ジノテフランの残留基準、また、動物医薬品であるマラカイトグ リーン及びロイコマラカイトグリーンの残留基準について御審議いただきたいと考えて おります。  農薬のジノテフランにつきましては、本年9月27日に開催いたしました当部会におき ましてご審議いただいたところですが、今般のポジティブリスト制度に係る審議会の答 申を踏まえ食品分類を整理したことから再度ご審議をいただくことになったものでござ います。また、動物用医薬品のマラカイトグリーン及びロイコマラカイトグリーンにつ きましては、近年その毒性に関する問題から水産業における使用が規制されており、こ のような状況を踏まえまして、食品安全委員会において審議が行われたものでございま す。本日はこの2品目について御審議いただきますようお願いいたします。  簡単ではございますけれども、開会に当たりごあいさつ申し上げます。どうぞよろし くお願いいたします。 ○事務局  本日は、井上松久委員より欠席の御連絡をいただいております。農薬・動物用医薬品 部会の委員13名中12名の御出席をいただいており、部会委員総数の過半数に達しており ますので、本日の部会が成立しておりますことを御報告いたします。  それでは、井上(達)部会長に審議の進行をお願いしたいと思います。今後の御審議 につき、よろしくお願い申し上げます。 ○井上(達)部会長  ちょっと冷え込んできたところ、皆さん御参集いただきましてありがとうございま す。  最初に配付資料の御確認をお願いいたします。 ○事務局  まず、お手元に分科会の議事次第、こちらが3枚の紙でございます。  続きまして、資料1−1及び1−2がございます。  次に別綴じになっておりますが、資料2−1、その後ろに資料2−2が添付してござ います。  最後に参考資料でございます。参考資料1、そして2が添付してございます。  落丁等ございましたら、事務局までお願いいたします。 ○井上(達)部会長  それでは、配付資料御確認の上、審議に入らせていただきたいと思います。本日は食 品の残留農薬等に係る規準設定ということについて、農薬1品目、動物用医薬品1品目 ということでございます。先ほど松本部長からのお話もありましたように、農薬ジノテ フラン、マラカイトグリーン関係ということでございます。  まず最初に、農薬ジノテフランについて、事務局から資料の御説明をいただきたいと 思います。それで、資料の作成に当たりましては、いつものとおり、関係委員に既に資 料等について御検討いただいております。それではよろしくお願いします。 ○事務局  それでは、ただいまから、農薬であるジノテフランにつきまして御説明させていただ きます。  ジノテフランにつきましては、先ほども部長のあいさつにあったと思いますが、9月 27日に開催しました本部会で一度御審議いただきまして、報告書案について御了承いた だいております。その後、別途農薬等のポジティブリスト制度に関する暫定基準等の設 定につきまして、薬事・食品衛生審議会に対して諮問を行ったところですけれども、10 月24日同審議会より答申をいただきまして、その内容を受けまして、今回ポジティブリ スト制度の導入に当たって追加しました食品の分類がございますが、それにつきまして 反映させる必要があるということで、具体的にはチンゲンサイ、にら、タケノコ、その 他スパイス、その他ハーブのところでございますけれども、それらについて基準の検討 を行うということで再度御審議いただきたいと思っております。  先にちょっと日もあいておりますので、食品安全委員会が行いました当該物質の食品 健康影響評価の結果について再度簡単にご説明申し上げます。  資料の方ですが、1−1ということで、ジノテフランの関係でございます。1ページ 目が安全委員会の方から私どもの方に届きました評価の結果ということで、ADIとし て 0.22mg/kg/日を設定するということでございます。3枚目、1枚めくっていただきま して、3ページ目からがその評価書でございます。既に前回、詳細な部分については御 説明させていただいておりますので簡単に説明させていただきますと、資料の1−1の 7ページでございますけれども、この物質の審議の経過が記されております。ジノテフ ラン自体は平成14年の4月に既に初回の農薬登録がなされておりまして、ただ、この時 点ではまだ食品衛生法に基づく残留基準の設定がなかったということでございます。そ の後、16年2月に新たなに大豆、大根、メロン等について適用の拡大の新規制がなされ たということで、それを受けまして、当方として食品安全委員会に残留基準設定に係る 食品健康影響評価を依頼したということでございます。  今般6月に食品安全委員会から報告書について通知があり、一度9月の時点で御検討 いただいて、さらに今回、先ほどのような理由から再審議ということでお願いしている ものでございます。ジノテフランの評価ということで各試験が行われておりますけれど も、41ページから総合的にまとめた結果が総合評価という形で出ておりますので、それ につきまして簡単に説明させていただきますと、まずラットを使った動物体内運命試験 ということで、排泄経路は尿中で大部分はジノテフランであった。主要代謝物として 446-CO、446-DO等々があった。また、植物体内運命試験では、可食部への移行が僅 かであった。また、土壌中の運命試験ではジノテフランとか代謝物は土壌中で速やかに 分解されたということでございます。  あと、水中の加水分解試験、水中の光分解試験等々が行われております。ジノテフラ ン及びまたその代謝物に関する作物残留試験というものも評価いただいておりますが、 それによると、多くの代謝物はND又は0.12ppmと非常に微量であり、主な残留はジノ テフランであったということが記されております。  こられの結果から、暴露評価の対象物はジノテフラン、親化合物のみと評価書には記 載されております。  続きまして各種毒性試験の結果でございますが、これらにつきましては、44ページに 各試験の無毒性量の一覧表がございますので、これを見ていただければと思います。各 種毒性試験が実施されておりますが、急性毒性試験、また亜急性毒性試験、慢性毒性試 験、発がん性試験ということで、まず、第1に発がん性試験、慢性毒性試験等から発が ん性は認められなかった。繁殖試験で繁殖に対する影響は認められないということで す。催奇形性試験でも催奇形性は認められないということです。また、遺伝毒性試験で もすべての試験において陰性であったという結果が出ております。  その作用量につきまして、この表で最終的にイヌの90日の亜急性毒性試験において、 雌で58mg/kg体重/日未満、また、無毒性量が設定されなかったということがあります が、より長期のイヌの慢性毒性試験の雌の無毒性量をとりまして、22mg/kg体重/日をA DIの設定根拠としたということでございます。最終的にこれを安全係数100で割りま して、ADIとして0.22mg/kg体重/日が設定されております。これが食品安全委員会が まとめました食品健康影響評価の結果ということでございます。  この値を踏まえ、暴露評価等々で基準を決めるということになるわけですが、事務局 で作成しました残留基準値の設定の報告書案ということで、資料の59ページから取りま とめたものがございます。これは資料1−2ということでございます。大筋はほとんど 変わってございません。今回変わったというところが、冒頭にもお話したとおり、食品 の分類を変えたというところがございまして、それが答申を受けて確定したということ でございます。前回の報告書案ではそこら辺がまだ確定されてなかったものですから反 映されていなかったわけですが、答申を受けてその分類が確定したということで、それ を反映した形で報告書に修正させていただいたということでございます。具体的には、 資料の81ページでございます。これが規準の案、(別紙2)でございますが、ここでチ ンゲンサイ、にら、たけのこ、またページ1枚めくっていただきまして、みかんの皮、 その他のスパイス、その他のハーブというところに左側に「※」がついておりますが、 そこが今回ポジティブリスト制度の導入に当たって食品分類として再構築させていただ いたところでございます。  チンゲンサイ、にら、たけのこにつきましては、これまでそれぞれチンゲンサイであ れば、その他のあぶらな科野菜というところに分類しておりました。今回ポジティブリ スト制度導入に当たって、これらのもので分類されたものについて1日の摂取量が1g を超えるもの、また、かつコーデックスにおいてその分類があるものについては、そう いったその他分類の中から独立させるという考え方をお示ししたところでございまし て、それに従うと、この3つのものについては独立した分類としたということでござい ます。  スパイス、ハーブにつきましては、前回もいろいろ御議論いただきましたけれども、 それぞれ定義また範囲を決めて、今回ポジティブリスト制度導入に当たって、新たな分 類として設定したものでございます。資料81ページでございます。チンゲンサイでござ いますけれども、前回の報告書案では、その他のあぶらな科という中で統合して見てお ったわけですが、その分類を新たに独立させるということで、チンゲイサイにつきまし ては、資料の83ページのちょっと細かい字で恐縮ですが、注1)というところの2行 目、みつば、カボロネロ、からし菜,コールラビ、チンゲンサイ(パクチョイ)とござ いますが、農薬取締法の経過措置を踏まえ、その他あぶらな科の登録保留基準の値をも って、今回基準値に充てたということでございます。にら、たけのこにつきましても、 先ほどチンゲンサイと同じように分類を独立させたわけですが、ジノテフランという農 薬に関しては経過措置等もないということで、今回分類は出しておりますけれども、規 準は置かないという整理でございます。次に82ページのスパイス、ハーブのところでご ざいます。これらについても前回は分類が確定しておりませんでしたので、規準は置い ていなかったということでございます。これらについても分類を置くことについて確定 しましたので、スパイス、ハーブそれぞれの経過措置で置かれている基準値を充ててお ります。この結果、その他スパイスについては5ppm、その他ハーブについては5ppmと いうことでございます。ただ、スパイスの中で、スパイスの範囲に入れてあるみかんの 皮につきましては、資料の71ページに作物残留試験の結果を列挙してございますが、 ○22温州みかん(果皮)ということで、作物残留データがございます。2例の結果でご ざいますが、1.95と3.46ppmという作物残留試験の結果が出ております。その最大残留 量の3.46の方をとりまして規準を設定して、今回10ppmという値を基準値案ということ でお示ししてあります。ですので、規準の分類の中ではみかんの皮とその他のスパイス 類(みかんの皮を除く)という形で規準を設定するということで案として挙げさせてい ただきました。  食品の分類の再構築を行いましたので、摂取量についても若干補正を加えておりま す。摂取量については、参考資料1ということで、お手元にあるかと思いますが、米か ら始まりまして、野菜等々の摂取量、国民平均、高齢者、妊婦、小児という形で算出さ せていただいております。今回、この関係で、吉池先生の方にいろいろ骨折っていただ きまして、こういった独立したものにつきまして再度算出させていただいたところでご ざいます。ですので、摂取量については、例えばチンゲンサイでいきますと、6パラ、 だいこんから始まるブロックの下から4つ目にチンゲンサイございますが、これはもと もとその他のあぶらな科に入っておりましたので、チンゲンサイの摂取量を差し引くこ とによって、その他のあぶらな科からもその摂取量を差し引いております。  にらとたけのこについても同様にして補正を行っております。  また、参考資料の3ページですが、1枚めくっていただきまして、下の方に、みかん の皮、その他のスパイス、その他のハーブという分類の部分がございます。これらつき ましては、それぞれ非常に摂取量が低いであろうということで、ただ、それも0ではな いということで、0.1gという数値を置かせていただいて、次に申し上げます摂取量の 計算の根拠となる数値で挙げさせていただいております。新たに補正しました農作物の 摂取量に基づきまして、農薬の摂取量を計算するということになりまずが、資料の75ペ ージの(3)の表でございます。ここも農作物の摂取量の数字は動いております。ま た、食品分類も変わりましたので数字が若干動いておりますが、前回お示したものと比 べますと、例えば国民平均につきましては、前回9.4というのが9.3、幼小児については 変化なし、妊婦については7.6が7.5、高齢者については10.0から9.9ということで、逆 に数字が下がっております。それは差し引いたりしたものもありますので、その分が下 がっておるということになろうかと思います。  いずれにしましても、前回、今回の数字を見ましても、ADIに対する比は、かなり 低いもので、今回お示しした基準値案を基準値として設定いたしましても安全性には問 題ないものというふうに考えております。また、75ページの(4)ですが、下線引いて おります。この部分についても、前回と同様なことですが、今回設定する、基準が本規 準として設定されるということでございますので、現時点の告示の中で暫定基準という ふうに設定されておりますが、それについては、この規準案が本基準となって施行され れば、暫定基準は削除されるということを書いております。ただ、書きぶりといたしま しては、前回の案では前段のところ、本剤については、暫定基準の最終案に暫定基準が 定められているといった書きぶりでしたが、その部分は審議会の答申書が今回出ました ので、それを踏まえた書きぶりに修正させていただいております。以上でございます。 よろしくお願いします。 ○井上(達)部会長  御説明ありがとうございます。ただいまの事務局の御説明について御審議いただきた いと思いますが、御質問とか、何か御指摘いただく点がありましたらお願いいたしま す。特に事前に見ていただいている先生方から御追加の御説明などありましたら、ぜひ お願いいたします。御説明にもありましたように、一度毒性部分と先生方には資料を見 ていただいて御審議いただいているところでございますけれども、そういったところも 含めてで結構でございますので、改めてどうぞ。 ○吉池委員  今、事務局から、個々に数値を見ていく新たな食品についての説明がございました。 その中で「その他のスパイス」、「その他のハーブ」については、資料1−1の85ペー ジにその定義が書かれていますが、当然「その他」ですので、主だった食品は差し引か れている残り分になります。そうしますと、きちんと区別して摂取量を算出する方が望 ましいわけですが、食事量を調べる調査においては、このようなマイナーなものについ て積極的にとらえようとはなかなかできません。例えば調味料等についても、食塩の摂 取量は栄養学的に重要ですのでかなりしっかりと把握・確認等をするわけですが、コシ ョウをどれだけ振ったかとか、そういう細かいスパイス類になると、基本的にはそれら を把握するような形になっていません。ハーブをご覧いただいても、これらを除くと、 特に外食などではほとんど認識されないようなものになっています。そういう意味から 、今回は数字に及ぼす影響はほとんどないのだろうと思いますが、今後、仮にこのよう なものが判断に際して大きなウエイトを占めるような場合は、摂取量で見るのか、場合 によっては参考データとして流通等の情報も考えていく必要があるのだろうと思われま す。また、スパイスといっても、最終的に使われる形が農作物としての元のものとは違 っていますので、そういうプロセスでの変化についても、今後の議論としては必要にな るのかと思っております。以上です。 ○井上(達)部会長  どうもありがとうございます。関連した御意見とか、事務局、何か今の御指摘にはあ りますか。 ○事務局  吉池先生の御意見を踏まえまして、また、必要に応じて部会の方でも御検討いただく ような場面が出てくると思いますので、よろしくお願いします。 ○米谷委員  前回のときに確認しておけばよかったのかもしれませんけれども、75ページの一番下 のところに、先ほど最後に御説明がございましたけれども、暫定基準があるけれども、 今回、本基準になることによりさきの暫定基準は削除されるということで、今回の基準 値案を見ていますと、例えば一番最後のところ、82ページの下から83ページのところで 、畜・水産物等の基準、多分これはアメリカの基準値をもってきて、それを暫定基準値 にしていたのだと思いますけれども、このところは基準値案として正式に書かれていま すけれども、それが本基準になると理解すればよろしいのでしょうか。それともここは 暫定基準のまま残っているということでしょうか。 ○井上(達)部会長  御説明をお願いいたします。 ○事務局  ここの部分はすべて本基準に、今回の検討を踏まえて、暫定基準と本基準が混在する ということはなくて、すべて左端に書いてございます基準値案というのが本基準という 形で扱いになるということで御了解いただければと思います。基本的に、済みません、 先ほど説明が落ちましたが、答申案というのが、84ページ以降出ております。これが最 終的な本基準として答申の案ということでございます。 ○井上(達)部会長  いかがでしょうか。 ○米谷委員  1つ1つ農作物の方も見ていたのですが、いろいろな場合があるものですから。実際 のデータに基づいて本基準案が決まったものと、外国の基準からそのまま持ってきたも のが混在していますが、全部本基準にするという方針ですね。 ○井上(達)部会長  そういうことですか。 ○事務局  はい。 ○井上(達)部会長  いかがでしょうか。 ○米谷委員  今まで暫定基準というふうなとらえ方であったのが、急にこれを本基準に持っていき ますよということですので、一度ここで御議論いただければとは思いますけれども。 ○井上(達)部会長  齟齬があるということでしょうか。 ○米谷委員  問題なければよろしいのですけれども。 ○事務局  基本的に農作物につきまして、従来の本基準の設定の仕方を踏まえて基準値の設定を しております。暫定基準の場合については、それ以外のものについても拡大した形で暫 定的に基準を置いておりますけれども、今までのルールに乗っていないところについて は、暫定規準を外しておりますので、従来暫定基準で置いたものをすべてそのまま本基 準にするということではないということでございますので、今までの基準値を置くとき のルールで置いているということです。 ○井上(達)部会長  というスタイルには差がないということですか。たまたま多かったということです か。ほかにはありませんか。 ○加藤委員  以前にも同じような質問があったかとは思うんですが、もう一度確認させていただき たいのですが、基準値の案の方で空白になっている部分、告示の時期が迫っていますの で、腹案はできておられるのではないかと思うんですけれども、これは最終的にどうい う手続でここのところ、0.01一律基準にするのか、それとも分析法の定量下限に相当す る値、そのどちらにするのかという判断なり、それはどういう手続で、いつごろされる ようなシステムになるのか、その点について教えていただきたいのですが。 ○事務局  基本的にここの空白の部分というのは一律基準が入るということになります。それは 今の告示と同時進行で告示化の作業をしていきますので、最終的にこの基準が施行にな った段階で、そこが今の暫定基準もすべて貼り直しというか、改正されるということに なりますので、手続的には今度の暫定基準の施行に間に合うような形で今手続をとって いるところです。暫定基準の施行が5月末になりますけれども、それにこの新しいもの が入るような形で準備をしているところです。 ○井上(達)部会長  その点はよろしいですか。 ○加藤委員  はい。 ○米谷委員  その点なんですが、このジノテフランというのは、資料1−2に書いてありますよう に、Powが非常に小さなものでして、測定の際には、LCMSの方に持っていくものでして、 そういうものは我々の分析法開発の計画では、今年度にLCMSが適用でるかどうかを確認 するという項目に入っているものです。ですから、今年度末にそのデータが出てきます ので、非常に時間的には厳しいことは確かで、その辺、加藤委員もよく御存じで、多分 そういう御質問をされたのだと思います。ですから3月末までに0.01でできるかどうか が確認できればよろしいのですが、確認できない場合には0.01でいってしまう可能性は ございまして、できるだけ早く分析の方で、数値0.01でできるかどうかを確認しないと いけない項目であることは確かです。 ○井上(達)部会長  実質的に測定が間に合わないようなものというのはもともと想定されているのでした よね。そういう問題点は残念ながら内包しているというところですね。一応委員の先生 方は御存じではあるわけですけれども、ほかにはいかがでしょうか。毒性については、 前、皆さんに見ていただいておりますし、ちょっと物によって、イヌの90日間など慢性 毒性、低用量のところが無毒性量が設定できなかった点だとか、注釈がついていますけ れども、これは食べるとえらいまずいんですか。刺激かなんかあるんですね。神経毒性 は大したことないんですか。動物がちゃんと食べてくれないらしいですね。どうしても 体重が減ったりするらしいですね。毒性に問題はないということは私からも申し上げま すけれども、ほかにはありませんか。それでは、ただいま御意見がないようでしたら、 本報告案をもちまして、当部会の報告ということにさせていただきたいと思いますが、 よろしゅうございますか。                (「はい」と声あり) ○井上(達)部会長  ありがとうございました。次は、動物用医薬品のマラカイトグリーン及びロイコマラ カイトグリーンの審議でございますが、事務局から資料の説明をお願いいたします。こ れについても、資料の作成に当たっては、関係委員に既に資料等について御検討をいた だいております。ではよろしくお願いします。 ○事務局  それでは、資料2−1に基づきまして御説明をさせていただきます。本日御審議いた だく品目は、表題にございますとおり、マラカイトグリーン及びロイコマラカイトグリ ーンという物質でございます。まず、マラカイトグリーン(MG)ですが、こちらは緑 色の合成色素でございまして、繊維等の染色に使用されているものとなっております。 また、同物質は、抵菌活性を示しまして、安価で、また利用しやすく、水カビ病の治療 薬として広く水産業において使用されておりましたが、近年毒性にかかる問題から、食 用動物への使用が制限されている物質でございます。JECFAやIARC(国際がん 研究機関)、このような国際機関で評価はなされておりませんが、欧州等の諸外国にお いて養殖水産動物への使用が禁止されているという状況でございます。  なお、我が国におきましては、平成15年6月の薬事法の一部改正法に伴いまして、平 成17年7月31日をもちまして食用水産動物に対する使用が禁止されている物質でござい ます。また、この物質の食品衛生法上の取り扱いにつきましては、本物質は個別基準を 有しておりません。したがいまして化学品的合成品たる抗菌性物質という観点から、現 行の告示第370号に含有してはならないという規定が適用されております。無論我が国 における安全性評価も行われていないという状況でございます。また、ロイコマラカイ トグリーン(LMG)でございます。こちらはMGの主要な代謝物となっておりまし て、MGが動物体内で還元されることにより生じるものでございます。細菌等における 阻止円の比較の知見からでは、この物質の抵菌活性は親物質でありますMGに比較いた しまして100倍程度低いと。つまり抵菌活性はほとんどないというふうにされておりま すが、この物質の残留時間がこちらにも記載されておりますとおり、MGよりも長いと いうことがわかっております。したがいまして、MGが使用された場合に、この物質が 残留する可能性があるわけでございますが、本物質についても、我が国の安全性評価は 過去なされておりません。MGにつきましては、諸外国等を含めまして、今お話したと おり使用が禁止されているわけでございますが、我が国の輸入時の検査におきましても 検出が確認されている等、輸入時検査が強化されていることは皆様のご記憶にも新しい ところであると思います。また、諸外国の検出例を見てみますと、LMGも検出されて いるということが報告されております。このような状況を踏まえまして、今般MG及び LMGにつきまして、個別基準の設定のために内閣府食品安全委員会に対し、食品健康 影響評価を依頼したところでございます。こちらが1ページ目でございます。次に2ペ ージ目を御覧ください。2ページ目の2.に薬剤の概要をお示ししております。こちら は左側がマラカイトグリーン(MG)、右側がロイコマラカイトグリーン(LMG)と いう物質の構造式となっておりまして、常温における性状につきましては、MGは常温 では青緑色の結晶、LMGは白色の結晶ということになっております。ともに水に可溶 という性状を有しております。次に3.MG及びLMGの安全性についてでございま す。こちらの2つの物質については、諸外国において実施された試験結果を収集し、そ の結果、通常の動物医薬品で要求されている体系的な毒性試験は実施されていないもの の、米国における亜急性毒性試験及び2年間の発がん性試験が報告されており、これら の内容を総括すると、2ページ目のちょうど中段以降になりますが、こちらの内容にな っております。まず、【亜急性毒性試験】でございます。亜急性毒性試験のうち〈マラ カイトグリーン〉については、米国のNTP、欄外に書いてございますが、National Toxicology Program でございます。こちらによるラット、マウスの28日間、亜急性毒 性試験の結果が報告されております。毒性所見としましては、ヘマトクリット、ヘモグ ロビン、赤血球数の低値等の貧血傾向が認められているものとなっております。また、 ラットについては、雌の300ppm以上の投与群での肝臓の相対及び絶対重量の増加、雄の 600ppm以上での肝臓の相対重量の増加、また血液生化学検査における雌の600ppm以上投 与群におきましてγ-glutamy1transferaseの活性の増加が確認されております。病理組 織学的検査においては1200ppmの雄、雌ともに肝細胞空胞化が認められており、ラット における肝毒性が示唆されたものとなっているところでございます。  次に3ページ目の上から3行目でございます。こちらに〈ロイコマラカイトグリーン〉 についての記載がございます。  こちらでは、ロイコマラカイトグリーンについて米国NTPによるラット、マウスの 28日間亜急性毒性試験が報告されております。毒性の所見としては、ラットの1160ppm 投与群でヘマトクリット、ヘモグロビン、そして赤血球数の低値等の貧血傾向が認めら れているというものでございます。また、ラットのすべての投与群において、肝臓の相 対重量の増加が認められ、1160ppm投与群では絶対重量も増加しているというものでご ざいます。マウスにつきましては、1160ppm投与群、こちらも雌で肝臓の相対重量の増 加が認められております。さらにラットの1160ppm投与群につきましては、γ-glutamy1 transferaseの活性が増加しており、病理組織学的検査におきましては、580ppm以上投 与群に肝細胞の空胞化が認められ、MGと同様に肝毒性が示唆されたものとなっている ところでございます。なお、マウスの1160ppm投与群では、膀胱の移行上皮細胞でアポ トーシスが認められており、これらの知見から、げっ歯類においては、MGよりもLM Gの方が強い毒性を示すことが示唆されたものとなっているところでございます。次 に、3ページ目の中段以降、【マウスを用いた2年間発がん性試験】  これ以降に、6ページ目でございますが、こちらから変異原生に係る試験の結果が報 告されております。いずれもMG、LMG、そして変異原生試験につきましては、 in vivo in vitroという試験に分かれているものでございます。こちらの試験結果につ きましては、10ページ以降に総括されておりますので、10ページを用いまして御説明を させていただきます。10ページ目の4.食品健康影響評価について【発かん性について 】という欄がございます。こちらの発がん性については、上段にございますように、米 国NTPにおいてMGについてマウス、ラット、LMGについても同様に2年間の混餌 投与試験が実施されているところです。MGについては、中段でございますけれども、 マウスの経口投与試験において発がん性は認められないと書かれており、雌ラットにお いては甲状腺濾胞上皮細胞腺腫及び腺がんを合計した場合の発生頻度、肝細胞腺腫、乳 腺がんの発生頻度のわずかな上昇が認められたということになっておりまして、恐らく MGの投与に起因して腫瘍性病変のわずかな増加が示されたとされているところでござ います。LMGについては、雌のマウスにおきまして、肝細胞腺腫、腺腫とがん腫の合 計発生頻度の上昇が認められており、LMGの投与に起因して腫瘍性病変の発生頻度の 増加が示されたとされております。また、雄のラットにおきましては、甲状腺濾胞上皮 細胞腺腫及び腺がんを合計した場合の発生頻度、精巣の両側性の間質性細胞腺腫の発生 頻度のわずかな上昇が認められたことから、恐らくLMGの投与に起因して腫瘍性病変 のわずかな増加が示されたとされているところでございます。さらにLMGにつきまし ては、雌ラットにおきまして、甲状腺濾胞上皮細胞腺腫及び腺がんを合計した場合の発 生頻度、肝細胞腺腫の発生頻度のわずかな上昇が認められたことから、恐らくLMGの 投与に起因して腫瘍性病変のわずかな増加が示されたとされているところでございま す。MGとLMGの発がん性についての評価するためのデータにつきましては、現時点 では、こちらにお示ししておりますとおり、米国NTPの試験のみであります。また、 対照群との比較で明確な統計学的に有意な腫瘍性病変発生数の増加が認められた例はほ とんどありませんでしたが、MGの雌ラットの肝細胞腺腫、乳腺がん、LMGの雄ラッ トの甲状腺濾胞上皮細胞腺腫、がん腫、雌ラットの肝細胞腺腫、雌マウスの肝細胞腺 腫、がん腫については、用量と発生数からは無視し得ないと考えられたと報告されてお ります。また、MG、LMGともにラットでは投与による好酸性細胞巣が明らかに増加 しており、肝細胞腺腫との関連性が示唆されたものとなっております。これらのことを 踏まえまして、現時点において得られている知見からは、LMGが雌マウスの肝臓に発 がん性を有することが示唆されたとされております。また、ラット肝臓及び甲状腺にも 発がん性が弱いながらも示唆されたとされております。さらに、MGは雌ラット肝臓及 び乳腺における発がん性が弱いながらも示唆されたというふうに評価をされているとこ ろでございます。こちらが発がん性に係る評価でございます。  次に変異原生の部分でございます。こちらは11ページに要約がなされております。 【遺伝毒性について】  遺伝毒性については、まず、in vitroのAmes 試験、前進突然変異試験、Comet試験、 in vivoの小核試験、前進突然変異試験、32 P-post label法によるDNA付加体形成試 験、Big Blueマウスあるいはラットを用いて肝臓における導入lac1あるいはcII遺伝子 の突然変異試験が実施されており、ほとんどの試験においては陰性の結果が得られてい るところでございます。MGについては、in vitroのAmes試験でTA98について代謝活性 化系存在下で陽性という反応です。またComet試験については、代謝活性化系の有無に かかわらず陽性、in vivoの32 P-post label法によるDNA付加体形成試験で雌マウス 及び雄ラットの肝臓DNAについていずれも付加体の増加が認められているという結果 となっております。次にLMGですが、in vitroで実施された範囲内の試験ではすべて 陰性でしたが、in vivoではマウス抹梢血を用いる小核試験において弱い陽性、Big Blue マウスの肝臓における導入cII遺伝子の突然変異試験で弱い陽性、32 P-post label法に よるDNA付加体形成試験において、雄ラット、雌ラットの肝臓DNAについて付加体 の形成が認められております。これらの結果については、2004年の英国のCOMとCO Cは共同声明において、MGについてはラット、マウスともにDNA付加体が形成され ることから、MGはin vivo変異原生物質であるとみなすのが賢明であるとしておりま す。また、LMGについては、雌Big Blueマウス肝臓においてcII遺伝子の突然変異発 生率の増加が認められることからLMGはin vivo変異原生物質であるとみなすべきで あると結論しているところでございます。  遺伝毒性に関するデータを整理いたしますと、この前の資料に掲載されているわけで ございますが、各種の結果が得られているところでございます。各種の結果については 、MGについては、Comet試験で陽性、in vivoの小核試験は陰性、ただし、この小核試 験については用量不足の可能性が残っているとしております。また、ラット及びマウス の肝臓でDNA付加体が明確に示されておりますが、マウスの肝臓で突然変異は検出さ れず、ラットの肝の突然変異については知見が得られていないとしております。LMG については、発がん性が示唆されているマウスの肝臓でcII遺伝子突然変異が弱いなが らも陽性であるが、DNA付加体形成試験やin vitroでの遺伝子突然変異試験は陰性で あり、ラットの肝ではDNA付加体形成試験は陽性であったが、cII遺伝子の突然変異 やin vitroでの突然変異試験は陰性であったとされております。そして、これらのこと を考え合わせますと、DNA付加体生成やcII遺伝子の突然変異等のin vivoにおける突 然変異を一義的に説明できないとしております。しかながら、現時点で得られている結 果から総合的に判断した場合、MG、LMGが遺伝毒性を有する可能性は否定できない とする判断が賢明であろうと判断をしております。なお、確実な結論を得るためには、 さらなる試験の追加が必要であろうという追記もされているところでございます。最後 の【食品健康影響評価について】でございます。  こちらについては、先ほどの発がん性の試験結果、変異原生の試験結果を踏まえまし て、最後の3行ですが、発がん性のメカニズムを明らかにすることはできず、ヒトにお ける発がんリスクは明確ではないが、現時点で評価した試験結果から見る限り、げっ歯 類における発がん性が示唆され、遺伝毒性も否定できないことからMG及びLMGにA DIを設定することは適当でない、という結論が得られているところでございます。こ れを受けまして、次に13ページの資料2−2でございます。こちらが部会の報告書案と いう形となっております。 1.としては(1)品目名:マラカイトグリーン              ロイコマラカイトグリーン (2)用途:水産業における水カビ病の治療(MG) (3)化学名: (4)構造式及び物性  次の14ページでございます。 2.許容一日摂取量(ADI)評価というものでございます。こちらは先ほどの食品安 全委員会の評価結果そのものを引用しております。 3.諸外国における規制状況でございます。諸外国におきましても、MG及びLMGに ついては規制がなされているところでございます。 EUにおいては、その和として2μg/kg 、MRPLsが設定されております。また、 豪州、ニュージーランドにおいては「不検出」。その検出限界は同様に2μg/kgとなっ ております。また、米国におきましても使用が禁止されておりますし、カナダにおいて も「食用魚類は含有してははならない」という規準が定められているところでございま す。先進諸国においても、これらMG等について規制がなされているという状況でござ います。  最後の4.残留規準の設定でございます。食品安全委員会における評価結果を踏ま え、MG及びLMGの残留基準として「不検出」という基準を設定することとしたいと いうものが当部会の案でございます。説明は以上でございます。 ○井上(達)部会長  ありがとうございます。それでは、このマラカイトグリーンとロイコマラカイトグリ ーンについての御審議をお願いいたします。念のため全体を勘案して、発がん性がある と認定した方がよかろうという微妙な表現でもってこれを認定しておりますが、それに 伴ってADI設定を行わない方がよろしかろうという御判断の御提案であります。 ○大野委員  この報告書のところでいいですか、「許容一日摂取量評価(ADI)評価」というと ころなんですけれども、第2パラグラフのところの「MG及びLMGは」というところ で、4行目までに「乳腺の発がん性が弱いながらも示唆された」ということで、そのあ たりに「ただし」というところがあって、「認められた腫瘍性病変の多くは腺腫であっ た」ということなんですけれども、この物質的な表現なんですけれども、「ただし」と いうのは必要ないのではないかと思ったんですけれども、実際はがんも出ているわけで すね。この腺腫ということによって、特に発がん性に関する懸念が非常に弱くなるとか 、そういうことだったら必要ですけれども、懸念がこれによって弱くなるとか、そうい うことがなければ、「ただし」というのはなくてもいいのではないかと思ったんですけ れども、これは井上先生に伺った方が一番いいと思うんですね。 ○井上(達)部会長  事務局の方から、先に、事務局はいかがですか。 ○事務局  今、大野先生からの御指摘のとおりでして、「ただし」というふうに書きますと少し つながりが悪いのかなというふうに思っております。ですので、先生の御指摘のとおり 削除するか、または「なお」とか、そのような書きぶりにしておいた方がよろしいかと は思っております。 ○井上(達)部会長  私もそう思いますですね。「なお」ぐらいでしょうかね。 ○大野委員  もう一つ、結論にはかかわりないことなんですけれども、その後の文章なんですけれ ども、「発がん標的臓器における遺伝毒性については」云々と書いてあって、in vivo での遺伝毒性にまとめてくれているのですけれども、その3行ぐらい下に「これら及び in vitro試験結果を含め、現時点で得られたデータを総合的に評価すると」云々と書い てあるのですけれども、in vitro試験結果について、その前の文章で全然触れてないん ですね。それで、「発がん標的臓器における」というところの前に、「一方、Comet試 験を除くほとんどのin vitro遺伝毒性試験においては陰性であった」ということを入れ ると文章がつながってきてよろしいのではないか。そこでin vitroということで絞る と、その後の「発がん性標的臓器におけるin vivo遺伝毒性については」云々というこ とをやると文章がきちんとつながるかと思います。 ○井上(達)部会長  丁寧に御検討いただきありがとうございますが、事務局いかがですか。 ○事務局  ありがとうございます。先生の御指摘のとおり、2.は文章を追加して修文したいと 思います。 ○井上(達)部会長  わかりました。ほかにはございますか。 ○小沢委員  中国産の養殖のウナギから出たということで、消費者からは非常に関心の高いところ なんですが、分析法はどういう水準で現在あるのか伺いたいのですが。 ○事務局  小沢先生の御指摘の分析法でございますが、現在におきましても、私どもの方で通達 法で今お示ししているところでございます。この通達法は平成16年12月16日に出してお りまして、現在はこの試験法に準じて皆さまが検査を行っているものと考えておりま す。今回、この基準値の設定につきましては不検出という形で設定をすることを考えて いるところでございます。この不検出で設定いたしますと、当然ながら試験法につきま しても告示という形でお示しをすることになります。告示で試験をお示しする場合につ きましては、当然ながらこの通知法を今度は告示法という形に置き直しまして、皆様の お手元にお届けするということになります。現在試験法につきましては、この基準の告 示に向けまして、その検討を行っております。基本的には物質の特性を踏まえまして、 液体クロマトグラフの方法によるということになろうと考えております。 ○井上(達)部会長  ありがとうございます。今の御回答でよろしゅうございますか。 ○小沢委員  はい。 ○米谷委員  御説明がありましたように、現行はたしかマラカイトグリーン本体を対象としており ますので、方法としましては、液クロで、あと検出の方は可視部吸収でやり、そのとき の検出限界はたしか5ppbだったと思います。今回はロイコを無色のものも対象としな いといけないということで、ビジブルではだめだということで、LCMSの方に持って いこうと考えております。世界的にもその方向でやっていると思いますけれども、検出 限界としては2ppbを目標に開発しようと考えているところでございます。ですから不 検出ですけれども、検出限界2ppbという諸外国と同じレベルになろうかと思います。 ○井上(達)部会長  ありがとうございます。 ○中澤委員  これに限らないと思いますが、動物薬あるいは農薬において、最近LC/MSやLC/MS/MS がよく使われるようになって、分析の精度がかなり上がってきています。私どももそう なんですけれども、少し質量分析に頼り過ぎているところがあって、添加回収試験とか キャリブレーションを考えたときに、重水素等でラベル化された標品が利用できるかと か、あるいはこれは重水素置換が起きるものですから、余り安定なサロゲイトではない ということで、できれば13Cのサロゲイトが本当は使えればいいんですけれども、ほと んど使えません。そういう状況で残留試験を行って、しかも不検出というようなときに は相当慎重に分析法を設定する必要があります。今、米谷先生の方でいろいろ検討され ているとは思うのですが、その辺のところを慎重に検討していただければと思います。 ○井上(達)部会長  そういう御指摘でございますけれども、ありがとうございます。ほかにはいかがでし ょうか。よろしゅうございますか。  それでは、ただいま御意見がないようですので、本報告案をもちまして、当部会の報 告ということにさせていただきたいと思いますが、よろしゅうございますか。                (「はい」と声あり) ○井上(達)部会長  ありがとうございます。この2つの案件につきましての今後の手続について御説明を お願いいたします。 ○事務局  本日、御審議をただきましたジノテフランにつきましては、こちらは既に食品安全委 員会から通知を受け取っておりますが、マラカイトグリーン及びロイコマラカイトグリ ーンにつきましては、食品安全委員会からの正式な通知を受けた上で、食品衛生上の修 正が必要でなければ、報告案を部会報告書としたいと考えております。  また、今後の手続につきましては、食品衛生分科会にお諮りするとともに、パブリッ ク・コメント、WTO通報の手続を進める予定としております。  以上でございます。 ○井上(達)部会長  ありがとうございます。では、そういうことでよろしくお願いします。  議題の1が終了したわけですが、議題の2はその他ということでございます。これに ついてはいかがでしょうか。 ○事務局  その他でございますが、きょうは先生たくさんお見えでございますので、次回の日程 を、できればここで調整させていただきたいと思います。 ○井上(達)部会長  そうですか。 ○事務局  次回、12月を予定しておりまして、また動物薬と農薬数剤を御審議いただくことを予 定しております。以前に12月いっぱいまで、先生方に日程をお聞きしたところ、12月20 日の午後が一番都合の良い先生が多かったものですから、その日あたりをと考えている のですが。 ○井上(達)部会長  12月20日という御提案ですが、御都合の悪い先生は、青木先生が御都合悪い。あとは いかがですか。現時点では青木先生と中澤先生、いかがいたしましょうか。 ○事務局  その日で進めさせていただいても構いませんでしょうか。 ○井上(達)部会長  残念でもそうさせていただくというのが事務局のお考えですね。 ○事務局  できればそうさせていただきたいと思います。 ○井上(達)部会長  よろしゅうございますか。いろいろ支障があろうかと思いますが、事前に御説明した りしてお進めいただくということで、20日の午後に部会を設定するということを御了承 いただきたい。 ○事務局  時間と場所については、また追って御連絡申し上げます。よろしくお願いいたしま す。 ○井上(達)部会長  ほかにはございますか。ありがとうございます。  それでは、以上をもちまして、本日の部会を終了いたします。皆様御協力ありがとう ございました。 照会先:医薬食品局食品安全部基準審査課乳肉水産基準係、残留農薬係 (03−5253−1111 内線2489、2487)