05/11/06 中央社会保険医療協議会総会平成１７年１１月１６日議事録


０５／１１／１６　中央社会保険医療協議会
　　　　　　　　　第７４回総会議事録　	

(1)日時　　平成１７年１１月１６日（水）９：３２～１０：５３
(2)場所　　厚生労働省専用第１８会議室
(3)出席者　土田武史会長　遠藤久夫委員　室谷千英委員　小林麻理委員
　　　　　 青柳親房委員　対馬忠明委員　小島茂委員　勝村久司委員
           宗岡広太郎委員（代　松井）　大内教正委員　飯塚孜委員　
           松浦稔明委員　
           松原謙二委員　青木重孝委員　野中博委員（代　三上）
　　　　　 石井暎禧委員　邉見公雄委員　黒﨑紀正委員　登利俊彦委員
　　　　　 山本信夫委員　
　　　　　 岡谷恵子専門委員　白石小百合専門委員
　　　　　 ＜事務局＞
　　　　　 麦谷医療課長　榮畑総務課長　堀江保険医療企画調査室長　他
(4)議題　　○　平成１８年度診療報酬改定について
(5)議事内容　　　　　

○土田会長
　それでは、ただいまより、第７４回中央社会保険医療協議会総会を開催いたしま
す。
　まず、委員の出欠状況について御報告いたします。
　本日は、宗岡委員、野中委員、針ヶ谷専門委員及び大島専門委員が御欠席です。
　宗岡委員の代理として松井さん、野中委員の代理として三上さんがお見えになっ
ております。
　なお、保険局長は、公務のため欠席させていただく旨の連絡を受けております。
　それでは、議事に入らせていただきます。
　今日は、医療経済実態調査の結果を踏まえまして、「平成１８年度診療報酬改
定」について議題としたいと思います。
　前回の総会においてもお話しいたしましたが、「中医協の在り方に関する有識者
会議」の報告書においては、改定率は、予算編成過程を通じて内閣が決定するもの
であること、中医協においても、医療経済実態調査等を踏まえ、改定率について議
論を行い、その結果を厚生労働大臣に意見として進言することがあり得るものとす
るべきであることということが明確にされています。
　それでは、この点について議論を進めていきたいと思いますが、最初に、１号側
委員より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。

○対馬委員
  それでは、「第１５回医療経済実態調査（平成１７年６月）結果速報に関する分
析」という資料、８枚物と、あと図表が、ちょっと枚数が多くて申し訳ないのです
けれども、１６ページの資料がございます。これにつきましては、医療経済実態調
査等々の説明を既に受けておりますので、そこと重複する部分もございますので、
ごく簡単にさせていただきたい、ポイントを絞ってということにさせていただきた
いというふうに思います。
　まず、今回の調査の特徴でありますけれども、できるだけ客体数を合わせるとい
う方向で御努力いただいているわけですけれども、４行目あたりですけれども、な
お、前回の補正値１４８床が今回１６０床ということになってございます。今回私
どもも１００床でやった場合にどうかといったことも検討しておりますけれども、
そういった制約がある。定点観測的な手法ということもおやりいただいて、これも
進展であろうというふうに思いますけれども、まだ今回参考的な扱いになってござ
いますので、私どもとしてもよく分析して、必要なデータをお願いしたいというこ
とを含めて、今後とも詰めていきたいというふうに思っています。
　１ページの真ん中の下の医療機関の経営分析ですけれども、一般病院等につきま
しては、今日は別な資料も出ているようですけれども、私どもの分析も、恐らくこ
れは日本医師会の見解でしょうか、基本的には変わっていないだろうというふうに
思っています。
　収支状況、前回調査に比較して、医業収入は８．３％増収だと、増益が１１．
１％あったということでございます。
　次のページでございます。先ほど申し上げました、１００床当たりで補正したら
どうなのだろうかということですけれども、ここもあまり変わりはございません。
医業収入は５．１％の増収、それから収支差額は１３．７％の増益、いわゆる増
収・増益ということでございます。国公立、これは補助金等が入りますので、そこ
は除きますと、これも同じような方向、増収・増益ということでございます。
　その次の「このように」という段落のところですけれども、一般病院は、おおむ
ね増収傾向だと。ただ、医業費用も増加しているということでございます。その４
行目、５行目あたり下のところになりますけれども、医業費用の中の細かいところ
をちょっと除きますと、やはり給与費それから経費、このあたりの増加というのが
医業費用全体を押し上げているのではないかなと、こういったところに対するいろ
いろな工夫の余地、経営上の課題ということがあるのかなと、こういうふうに思っ
てございます。
　特定機能病院の状況ですけれども、特定機能病院についても、全体的には増収傾
向になってございます。また、収支差額についても改善傾向にあるということでご
ざいます。ただ、国公立等が随分入っていますので、医業収支だけではなかなかと
いったところもございます。
　全体的に改善傾向にあるということの一つの要因としましては、この段落の一番
下に書いていますけれども、ＤＰＣ導入の影響が考えられるのかなと、こういうふ
うに思っています。さらに分析していく必要があるだろうと。
　それから精神病院、２ページ目の下の方ですけれども、全体的には増収でござい
ます。また増益ということでございます。このあたり、１００床当たりで見ても状
況は変わりございません。一番下に書いていますけれども、全体としては大幅な収
支といいますか、相当改善されていると。このあたりにつきましては、前回に精神
病院につきましても改定で評価をしていきたいということですので、前回改定の影
響もあるのかなと、こういうふうに思っています。
　それから３ページ目、診療所の方になります。診療所は全体的に有床・無床を含
めますと、医業収入の伸び率はほとんどゼロだと。それに対して医業費用が１％で
すけれども増えて、それが影響しまして、収支差額は若干の減になっているという
状況でございます。ただ、これは費用の中では給与費が１０％伸びているというこ
とであります。
　収支差額についても、前回松原委員から御指摘があったということですけれども、
内容的に、すべてこの診療所が同じように見ていけばいいということではなくて、
個人立診療所について開設者の報酬等が費用に入っていないということは存じ上げ
ているということでございます。したがって、すべて同じような議論はできないの
かもしませんけれども、私どもとしては、おおむね堅調に推移しているのではない
かと、５行目あたりに書いていますけれども、そう思ってございます。
　それから、ちょうど真ん中のちょっと上の「次に」というところがありますけれ
ども、診療所の収支率分布、これも、収支率が５０％を超えているというところも
相当多い。ただ、これも先ほど申し上げましたように、開設者の報酬等が入ってい
ますので、その分は勘案する必要があるだろうと、こういうふうに思ってございま
す。
　それから、有床・無床別にいろいろ分析しておりますけれども、このあたりにつ
きましてはちょっと細かくもなりますので、割愛させていただきたいというふうに
思います。
　４ページ目、診療所の中でも各診療科によっての差異があるだろうと。改善して
いますのは小児科、精神科、外科、整形外科、皮膚科だと。悪化しているのが内科、
産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科だと。その中では、増収・増益というのが小児科とか
整形外科、眼科、皮膚科だということでございます。減収・減益が外科、産婦人科
となっているという状況でございます。この中でも、特に例えば眼科あたりの収支
率が高いという印象を受けておるということでございます。
　それから５ページ目、損益分岐点の分析も行ったということであります。本当は、
この１６枚物の資料も参照しながら見ていくのがよろしいのかもしれませんけれど
も、ちょっと時間の関係もございますので、そこは割愛して、文章上だけで見てい
きたいということであります。
　概要のところですけれども、一般病院については、採算性は若干ですけれども改
善していると。ただ、１０４．３とか１０３．５ということで、１００を超えてい
るということであります。ただ、これは先ほど来申し上げていますように、国公立
等は補助金などが入っていますので、そこは、ここでは医業収入だけで見ています
ので、こういった数字になっています。いずれにしても、若干改善されているとい
うことでございます。
　特定機能病院についても、採算性は若干改善されているということでございます。
　それから６ページ目ですけれども、精神病院ですけれども、これは収支率が改善
されているというお話をしましたけれども、当然ながら損益分岐点比率から見まし
ても、１００を超えていたのが９６．３％と、これは大分改善されているのではな
いかなと、こういうふうに思います。
　それから一般診療所全体ですけれども、これは収支率が少し上がったということ
でございます。ただ、中身について見ますと、固定費、人件費ですけれども、そこ
は増えていると、こういう状況になってございます。
　それから、キャッシュフローの分析等も行ったところですけれども、ただデータ
が必ずしも十分ではありませんので、必ずこうだというのはなかなか言いにくいと
ころがございます。私どもの分析は、「ＢＡＳＴ（ＴＫＣ経営指標）」と書いてい
ますけれども、ＴＫＣといいますのは、会員が全国の税理士・公認会計士、約８，
０００名の組織だと聞いていますけれども、そういったところで、ＢＡＳＴという
のは経営分析を行っているということでございます。
　全体的には、概要のところに書いていますけれども、一般病院全体では、総合過
不足はプラスになっている。黒字病院は当然プラスですし、また、欠損といいます
か、赤字の病院についても、必ずしもその中身についてキャッシュフロー等を見て
いきますと、厳しい状況ということは言えないのかなと、活発な経営活動の影響と、
こういったことも言えるのかなと、こういうふうに思ってございます。
　それから、７ページ目の真ん中の下の給与費等ですけれども、全体的には職種別
賃金などを見ますと下がっているということが多いのですけれども、医療の関係で
すと、ここの６～７行目あたりに書いていますけれども、かなり軒並み増加といっ
たところも見られているところであります。ただ一部、看護師さん等々でマイナス
になっているところがありますので、全部が全部そうだということではありません
けれども、全体的にはそういう傾向がございます。
　それから最後に８ページ目ですけれども、あくまでも参考として他産業の経営状
況と合わせて一覧を出しているところですけれども、ここでも特に一般診療所の収
支については開設者の報酬など、見ていくときに厳密な比較は難しいといったこと
なども注釈に加えている参考資料ということでございます。
　以上のとおりで、特段厚生労働省の資料の説明等について私どもの見解が明らか
に異なるということではございませんけれども、これは毎回私ども行っているので
すけれども、きちんと検証していくといったことがやはり必要であろうかというこ
とで、御紹介させていただいたということでございます。ありがとうございました。

○土田会長
　ありがとうございました。
　ただいまの説明について質問等おありかと思いますが、ほかにも資料が提出され
ておりますので、すべて終わってから質疑応答の時間を設けたいと思います。
　それでは次に、２号側委員より資料が提出されておりますので、説明をお願いい
たします。

○松原委員
　前回の「見解（その１）」に続いて「（その２）」でございます。一般病院、一
般診療所について、２年前の調査と比較いたしまして、収支差額がどのようになっ
ているかということを、金額を中心として表示してまとめてみました。
　医療法人の病院におきましては、収入が少し増えているけれども費用も増えて、
最終的には収支がマイナスとなっております。個人病院は、収入が６９２万円減っ
ております。しかし、医業費用、特に給与費を圧縮して費用を節約して少しのプラ
スになっております。国公立病院は収入が５，５３９万円と、大幅に伸びておりま
す。しかし、医業費用、これも給与費が中心でございますが、５，８５１万円増え
て、最終的に、差し引きして３１２万円のマイナスとなっております。
　一般診療所、個人立の場合でございますと、医業収入が１９万５，０００円減っ
ております。これは、前回も御説明申し上げましたように、収入はマイナス２．
０％ではなく、診療日が１日多かったということで、実際上は比べますとマイナス
４．３％のマイナスになっておりますので、これよりもはるかに大きく、前年と比
べる上ではマイナスになっております。ただ、医療費用のところを何とか節約して
おります。この内容につきましては、私どもの分析によりますと、設備を更新する
ためにリース費がここに入るわけでございますが、内視鏡であるとか、エコーであ
るとか、エックス線の機器であるとか、心電図であるとかを、なるべくそのまま使
って買いかえをせずに最新式にかえないで、何とか今年、この２年間をもたせたと
いうことのあらわれでございます。こういった、あまり圧迫が起きますと、適切な
医療ができなくなってしまう可能性がございます。ここの医業費用のマイナスいう
ことは、単純に経営努力だけで済む話ではございませんので、御理解いただきたく
思います。その結果として２万円ほどプラスになっているということでございます。
　また、その他の全体の医療法人立の一般診療所でございますが、これは、医業収
入が５１万８，０００円増えて、同じく医業費用が７５万２，０００円増えて、最
終的には赤字の２３万５，０００円となっております。ここにおいても医業収入が
増えたわけでございますが、これは比較的従業員の多い一般診療所でございます。
そこにおいて、医業収入は増えたけれども、医業費用も増えて、最終的にマイナス
になったということでございます。
　今回の調査は、今申しましたように、前回と比べて診療実日数が１日多いので、
本来は今回の収入を厚生労働省がいつも行っておられますように、マイナス２．
３％補正すべきでございます。前々回のときに私はこれを主張したわけでございま
すが、このマイナス２．３％収入を補正しなければならないということを前提とし
て御議論いただきたく思います。
　収入が大幅に減少したので、費用を大幅に節約して、何とか医業の継続ができる
ように、収入差をわずかにプラスにした個人病院、個人診療所について、これは余
裕があるわけではございません。今申しましたように、かなり収入がダウンして、
それに伴いいろいろな投資を差し控えざるを得なかったということでございます。
また、収入が大幅に増えているのに、それを上回る大幅な費用増加のために国公立
病院がマイナスになったわけでございますが、ここのところは見ておわかりいただ
けますように、看護基準をなるべく上げるために、最終的には給与費が多くかかる、
すなわち、給与費の削減ができなかったということでございます。
　国公立病院の医業費用の内訳を見ますと、給与費が５４％となっております。個
人病院等の給与費のパーセントよりはるかに高率でございます。もし医業収入の５
４％を給与費に使ったら、ほとんどの病院が赤字になってしまうというのが現状で
ございます。
　私どもが現在分析している中間報告として、「（その２）」をお出しいたしまし
た。
　以上でございます。

○土田会長
　ありがとうございました。
　それでは最後に、事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いしま
す。

○事務局（堀江保険医療企画調査室長）
　中医協総－１というものが１枚紙としてお出しさせていただいております。これ
につきましては、例年この形で中医協の方に御提出させていただいて審議に供する
ということでございまして、１６年度診療報酬改定以降、賃金あるいは物価の動向
がどのようになっているかということをお示ししているものでございます。
　賃金の動向で申し上げますと、人事院勧告の方で見まして、平成１６年から１７
年にかけまして、１６年度は、いわば本給はゼロ、賞与の方もゼロ。１７年度は、
本給の方はマイナス０．３％。これは、全俸給表の平均改定率でございますけれど
も、行政職の方におきまして、官民の比較をいたしまして、それに基づいて行政職
の部分を出し、それにほかの他職種については行政職に準じた推移と均衡させて対
応しているということでございまして、基本的には０．３％のマイナスとなってご
ざいます。また、賞与につきましては０．０５カ月分上げられたということでござ
いまして、４．４カ月分が４．４５カ月分ということで、年収ベースで見ますと０．
３％のプラスとなって、都合±０％と、こういうふうになっているところでござい
ます。参考に、その前２年間のときの指標が出ているところでございます。
　それから、物価の方でございますけれども、消費者物価につきまして、平成１６
年度はマイナス０．１％、平成１７年度は政府経済見通しにおける見込み数値でご
ざいますけれども、プラス０．１％ということでございます。２年間の増減率を加
えますと０．０％、こちらの方もプラス・マイナス・ゼロという形になっていると
ころでございます。
　以上が、賃金・物価の動向の御説明でございました。
　あわせまして、恐れ入りますが、中医協総－２の方をごらんいただきたいと思い
ます。正誤が１カ所ございましたので、報告申し上げたいと思います。申し訳ござ
いませんでした。
　医療経済実態調査の、病床規模別の収支を見ているところがございまして、本年
度、１７年度の部分はよろしいのですが、比較をするために用いました１５年の数
値につきまして、一般病院全体の数字を、「一般病院（国公立を除く）」のところ
にちょっと間違えて転記をしてしまいましたので、１５年の数値の部分が若干違っ
ているということがございまして、こちらのように正誤を出させていただいており
ます。言いかえますと、１１月２日、９日にお出ししましたものの、その４０ペー
ジと４２ページのところの１５年６月の数字が、同じ数字が載っていたということ
でございます。今日委員の方には、お手元の方に資料を置かせていただいてござい
まして、そちらは参考までにお渡しさせていただいていますけれども、差し替えを
させていただいたものでございます。
　以上でございます。

○土田会長
　それでは、議論に入りたいと思います。

○松原委員
　この件でございます。まず、総－２の、数値が間違っていたと。私ども、これを
もとに真剣に議論しておるわけでございます。この数値の間違いは、一部は私ども
日本医師会の方からおかしいということを申し上げたという経緯もございます。現
在、その他の数字につきましても検証中でございます。議論する土台の数値が間違
っておりますと間違った回答が出ますので、十分御注意いただくと同時に、今回に
つきましては、私どもこの数字を全部、全体的に今見直しておりますので、また後
日御報告申し上げるかもしれません。
　また、総－１でございますが、１６年、１７年、この改定において一番大事なこ
の変動というのが、２年間、給与もそして物価も変動が０％であった。これは非常
に大事なことでございますので、特に報道の方、御記憶をお願い申し上げます。
　また、健保連から御提出されました資料の件でございます。図表の５ページを見
ていただけますでしょうか。前回も厚生労働省の資料としてお出しいただいたもの
とほぼ同じものでございます。収支率の階級を示しているグラフでございます。
前々回のときに、対馬委員から、５０％以上も収支率があるということは、保険診
療としていかがなものかというお話をいただいたわけでございますが、私ども収支
率というもの自体を個人診療所に当てはめること自体が間違っていると思っており
ます。何度も申し上げておりますが、個人診療所の場合には、最終的な収支の数字
が、黒字・赤字を示すものではございません。ここから、院長・副院長の、特に院
長の給与を引いて、そして借金を返し、前回「（その１）」で申し上げましたよう
に、さまざまな投資の引き当てをしなければなりません。そういった数字をここに
持ってくること自体が間違いでございますし、極論を申しますれば、弁護士さんと
同じように、個人の開業医というのは、聴診器一本あれば診察ができるわけでござ
います。すなわち、大きな投資をしなくても、こういった、物を売る仕事ではござ
いませんので、収支率は高くとまって、極論を申しますれば、聴診器一本で診察を
すれば１００％の収支率になるわけでございます。そういった、個人診療所の特色
というものを全く無視してこういったグラフにされること自体、私はアンフェアな
ことではないかと思っております。これは厚生労働省がおつくりなったグラフでご
ざいますので、そこについては厚生労働省に対して、これは正しくない、適切な表
にはなっていないということを申し上げたく思います。すなわち、５０％以上が無
床診療所で非常に多いのは、これはその業種の特色によるものであって、物を売っ
たりするものではないということでございます。
　その右側を見ていただきますとおわかりいただきますように、一般診療所で法人
化しているところは、法人のところに院長の給与を乗せることができます。したが
いまして、個人立とほとんど同じ形で０％～１０％のところがトップに来ていると
いう形になります。もう一度申しますと、個人立は、院長の給与をみなしで引き当
てますと右側と同じ形になるということでございます。ここのところを特に報道の
方々にも御理解いただきたく思います。要するに、収支率をここで議論すること自
体が間違いであるということでございます。
　その証拠に、１６ページの図表を見ていただけますでしょうか、各そうそうたる
会社が並んでおります。この中に、個人立の無床診療所を入れていただいたという
ことは非常に名誉なことかもしませんが、しかし、この数字を見ていておわかりい
ただけますように、売上高のところが、これはけたが４つ違います。４つも違うも
のをここに持ってきて、今申し上げました収支率をここに掲示すること自体、私は
これは、申し訳ございませんけれども、アンフェアな資料だと思っております。
　４けたも違うものが、あるいは３けたも違うものをここに持ってくることが適切
かどうかといいますと、私は違うと思っております。さらに数字を見ますと、むし
ろどう見てもこれは製薬会社さんが非常に大もうけされていると、これは読み取れ
ると思うのですが、これにつきまして、もう少し１号側にも御努力、御協力いただ
いて、このような形で製薬会社さんが上にこれほど並ぶのが、果たして正しいこと
なのかどうなのか、御努力いただいている結果だと思います。そういったものを示
すための表であるということであれば私たちも理解できますが、ここに個人診療所
を、こんなにけたが小さいのに入れていただくということは、これは間違っている
と思います。
　もう一度申します。収益率をここで議論すること自体は、会計制度が違いますの
で、適切でないということでございます。
　以上です。

○邉見委員
　前回時間切れでしたので、私の意見を述べさせていただきます。
　まず数字は、当然大事なのですけれども、数字の裏にある医療の内容ということ
に、委員の皆さん、公益も含めて、御着目いただきたいと思います。人件費が多い
といいますのは、病院の場合は、夜勤者、日当直、待機者、このような方がいっぱ
いおります。有床になって大規模になればなるほどいます。今、手間暇、リスクの
かかるがんや脳卒中は、ほとんど病院へ行きます。また、病死の８０％は病院で亡
くなります。病院で亡くなるときに主治医が出てこないというふうな病院は、恐ら
くないと思います。どこにいてもオンコールで必ず出てくると思います。そういう
ものは皆人件費の中に入ってしまいます。それから、医療の高度化といいますのは、
決して、メーカーのように物をたくさんつくればつくるほど安くなったり機械化し
たりするものではありません。かえって、チーム医療とか、いろいろな職種を雇う
とか、医療安全とか、質の向上のためには人件費はかかるものというふうに理解を
お願いいたしたいと思います。
　それから、そのしわ寄せといいますか、ますます患者様ほか利用者のニーズが高
まりますので、そのニーズに対して、いろいろな対策、事務的な経費がかかるので
すね。医療以外のことで医療職は非常に時間をとります。今の病院では、事務職を
雇うことはもうできません。事務局を雇うということは、生産性が、ほとんどフィ
ーがつきませんので、全部医療職がやることになります。だから、大学病院の先生
方は非常にお気の毒です。今まで研究していた時間、講演に行っていた時間が全く
ありませんので、先週大島専門委員がおっしゃったように、一般病院以上に医育機
関は厳しいだろうと思います。
　そのような中で、どんどんと別の道を選ぶ医師、薬剤師、看護師が増えておりま
す。このままでは、日本の急性期医療を中心に、病院医療はバーンアウトしてしま
うのではないかと、私は非常に危惧しております。ぜひその辺のところを委員の皆
さんにお考えいただきたいというふうに思います。
　以上です。

○対馬委員
　松原委員が言われましたように、個人立の診療所については、私が口頭で申し上
げたとおりですので、細説は避けたいと思います。ただ、借金を返したり、設備の
引き当てをしたりと、こうおっしゃられますけれども、今個人立の診療所も、ほと
んど税理士さんの指導などを受けていますよね。そして、この資料などを見ても、
減価償却という欄はきっちりあるわけですよね。ですから、償却費の中にそれは一
般的には入っていると。もちろん入っていないのもあるかもしれませんけれども、
それを言い出すと、いろいろそれ以外の問題もあるわけです。例えば、車なら車で
もって、それは自家用なのかそれとも営業用なのかと、営業と言ったら怒られます
でしょうかね、診療なんかにも使っておられるのかという、細かいことを言い出す
と切りがないところがありますので、ここではやはり、借金をお返しするというの
は、一応減価償却という項目があるということだけはちょっと申し上げておきたい
なと、こういうふうに思います。
　私どもの問題意識としては、収支率、３割、４割、５割というのもあるのですけ
れども、全体的に、先ほど聴診器一本でというお話がありましたけれども、それで、
月当たり収支が二百二十何万といったのが本当に妥当なのかどうかといった問題で
ありますとか、そういった保険診療の中で、この前も申し上げたので、あまり細説
は省きますけれども、やはり高額番付の１０番以内に何人も入ると、その中にはや
はり保険診療でやっている方もおられるといったようなことが本当にどうなのかと
いったところでございまして、一方で病院の状況についてはかなり厳しい状況があ
るということも十分認識はしているつもりでございます。
　そういったことを含めて、やはり配分についてもっと我々中医協の委員として考
えていくべきではないかと、こういうことでございます。

○松原委員
　減価償却は、すべて償却できるわけではございませんし、また、建物その他につ
いてはそれなりの費用がかかります。さらに、聴診器一本でと申し上げましたけれ
ども、実際上は、平均して、今回のデータでも明らかになりましたように、２，０
００万から３，０００万の借金を背負って、そういった開業をしております。そう
いったことも御理解いただきたく思います。２２７万と何回もおっしゃいますが、
これがすべてが収入ではございません。前回お示ししましたように、さまざまな償
却を引いたり、経営のために必要なものを引けば、月給が１００万円前後にしかな
りません。これは、勤めておられる先生方とほぼ同等で、その上で、２，０００～
３，０００万の借金を背負って、これを地域医療の中でやっていくということの大
変さを御理解いただきたく思います。
　また、税務上の高額所得者の件を何度もおっしゃいますけれども、私たちもそれ
を見直してみました。確かに、その中には美容整形などの、これは自由診療の方が
かなり多く入っておられます。それから次に高額の方の場合には、医療法人を幾つ
も経営されている方がございます。そういった方は重ねての収入がございますので、
大変大きなものになっているというのは事実でございますが、例えば高額納税者の
中でトップクラスにいらっしゃる方でも、その中に、かなりの病床数を持って、幾
つかの病院を経営されている方はいらっしゃるのは事実でございます。そういった
方はいらっしゃいますけれども、９９％の多くの地域医療に貢献している医師たち
は、そのような高額ではございません。そういったものを無視したような形で高額
納税者だけを議論されるということも、私はアンフェアなことではないかと思いま
す。

○松浦委員
  １点は、この２号側の資料でございますけれども、１６年度と１７年度とを比較
された資料ですね。前回との比較という形で出ておりますが、私が前に、８月ごろ
でしたか、事務方から表をいただいたときに、この法人の収支の差額を平成元年か
らずっと改定年度ごとに１５年まで、ここで順番を打ってみたことがあるのです。
そうしたら、一般病院、医療法人、個人病院、国公立、個人、それからその他全体
で、もう全然順番がばらばらになってしまったことがあるのですが、それを、こう
いうことで議論はできるのかなという意味のことを私は言ったら、櫻井先生が、そ
んな比較の仕方をするものではないのだと、いわゆる時系列的な比較はこういうも
のでできないというような、するものでは、そういうための資料ではないというよ
うな意味のことを発言されたことがあるのですが、やはり日医としては、前回との
比較という形で時系列的な比較をこの資料でもってやるということについては、そ
れでよろしいのかということが１点。
　それからもう１つ、今も結局、医師の収入についての議論が出ているわけですが、
私は前回、税務上の所得でもって全部調査をしてみると、そうすると傾向が、現在
の税法上だれも否定できないデータが出てきて、非常に説得力のあるデータが得ら
れると。しかし、これは個人情報保護法に絡みますから、日医の方として了解をい
ただかなければそういう作業はできないだろうと。了解をいただけるための議論は
ぜひしてほしいということを申し上げたのですが、そのことについて議論はされて
おりますでしょうか。
　それからもう１点、邉見先生がさっき、病院の医師が非常に過酷な面がある、そ
のためにほかに方向を変えていってしまう医師も出てきておる、こういう発言をさ
れましたけれども、ちなみに、どちらの方向へシフトしていく傾向があるのでしょ
うか、それだけお聞きをしたいと思います。

○邉見委員
　最後の３点目の御質問ですけれども、４，０００人余り、年々やめておるようで
す。いろいろなパターンがあります。年をとられた方で、老健施設とか保健所とか、
そういうふうに行く、もう定年間近の方。若くしても、お父さんを継いで開業とか、
低年齢化しているようですが、早く病院に見切りをつけるというふうなことはある
ようですけれども、やはり診療所へ行く方もおられます。それから、全く別の生命
保険等々のところへ行く。体を壊されて全く別の何か学者ですね、保健学とか養護
学とか、そういうふうなところへ行かれる方もおられますし、かなり厳しい状況で
す。特にもう今は体力勝負ですので、当直明けに休みをとれるような状況は全くあ
りません。一晩に３回ぐらい呼ばれるのは、小児科、産婦人科ではざらです。だか
ら、かなり体力に自信がなければということで、かなり早くに体力の自信のない方
は別の方へ行くということだと思います。

○青木委員
　今邉見先生がおっしゃられたことで、追加になるかどうか。
　１つは、４０～４９歳の医師の構成比率を見ますと、ちょうど田中角栄総理大臣
が一県一医学部というような構想を出されたことも影響していて、現在そのあたり
の年代が構成比としては多うございます。ですから、従前からそのあたりで開業し
ていくというパターンというのは多かったと私は思うのですが、そういう年齢の方
が今構成比として多いということはありますが、ただ、もっとやはり大きいのは、
病院勤務があまりにも、今邉見先生が言われたような過酷な状況だと。だから、今
の状況を放置しますと、日本の一番ポイントになっておる病院の医療が崩壊してく
るということは考えないといけないというふうに私も思います。
　本日対馬委員の方から出していただきましたこの資料でも、診療所の収益はさほ
どでもないという結果をいただいたように思いますので、私は大変うれしいと思っ
ておるのですが、この「一般病院全体」というくくりで分析をしていただいており
ますが、これはやはり、公立病院がどうなのか、それからいわゆる公的病院ですね、
厚労省の調査で示していただいたようなパターンは最低のパターンで、ここで分析
をしないと本当のところはなかなか見えてこないのではないかというふうに私は思
います。ぜひそういう形での病院の分析をしていただけるともっと見えてくるので
はないかというふうに思います。
　もう一言すみません、よろしいですか。そこで見えてくることは、私はこの間、
先々回ぐらいで少し申し上げたと思うのですが、病院は病院としてやらなければな
らない医療がどの部分にあるのだということを十分そこで見えてこなければいけな
い、病院が余分なことをしておってはいかぬと。要するに、医療提供体制をきちっ
と形を整えれば、今の状況であってもよりいい体制ができるのではないか。お金が
ないお金がないという話はありますので、考えるべきはその方向ではないかという
ふうに私は思っております。
　以上です。

○対馬委員
　青木委員の言われたのはおおむねいいのですけれども、診療所がさほど高くなく
てというのはどこを言われたのか私は全くわかりませんで、私どもの資料でいうと、
３ページ目の５行目ぐらいですけれども、「一般診療所の収支率については、概ね
堅調に推移している。」ということを言っているので、ちょっとよく意味がわから
なかったので、そこの点だけは申し上げておきたいというふうに思います。

○小林委員
　すみません、私は中立的な立場で申し上げます。
　会計の立場でございますけれども、先ほど松原委員からも指摘がありました、対
馬委員から提出されました図表の１６ページですね、これは「売上高経常利益率」
と書いてございまして、もちろんこれは参考資料でありまして、注のところにも、
あくまでも各業種・各企業の云々という注書きがあるのでございますけれども、こ
れは、新しい病院会計準則に倣った損益計算書から出した数字をもとにしているわ
けではなく、中医協の医療経済実態調査の結果、収支差額というのがベースになっ
ていると書いてございますので、これをそのまま「売上高経常利益率」と書いたの
では、かなりなミスリードであります。ですので、ここの表のところにアスタリス
クも何もなく、そのまま「売上高経常利益率」と書いたのでは、これだけがひとり
歩きすると非常に恐ろしい結果になりますので、それだけ申し上げたいと思います。

○対馬委員
　わかりました。本文の方では、「一般診療所の収支差額には開設者の報酬に充て
られる部分も含まれている」ということはきっちり書いているのですけれども、確
かにこの１６ページ目の下の方に書いていませんので、次回以降仮に出すのであれ
ば、そういったことはきっちり書くように、明示するようにいたします。ありがと
うございました。

○松原委員
　公益委員からこのグラフは適切でないとお墨つきをいただきました。
　もう１つ申し上げますると、一番下のところに、少し例えば、院長の給与が入っ
ていないと書いてあるから表をつくっていいというものではないと私は思います。
表自体がひとり歩きすると今おっしゃいましたけれども、そのとおりでございます
ので、そういった場合には表をおつくりにならないのがフェアな形ではないでしょ
うか。
　それから、松浦委員から御指摘をいただきました時系列の話でございますが、パ
ーセントにつきましては、大きい金額、小さい金額によって、小さい金額が少し変
動しただけでも大変な大きなパーセント変動になります。そういったことから考え
て、金額で検討するのが適切ではないかというのは、櫻井副会長も申し上げたこと
だと思いますが、もし御懸念でございましたら、今度私かだれかのかわりに櫻井副
会長を委員として出席させて御説明申し上げますので、いつでも言っていただきま
したら対応いたします。別に任期が切れても特別委員で出てくることについて問題
はないのではないかと私は思っております。
　さらに、その税務上の問題でございますが、残念ながら、まだ私ども内部で議論
しておりません。申し訳ございません。
　また、この表の見方でございますが、これは１５年と１７年を比べたものでござ
いますので、金額でどのようになったかということをお示ししたものでございます。
　それから、先ほどの青木委員の説明に補足いたしますと、確かに、病院の大変な
事情、私たちも理解しております。その中では、例えば、勤務医の先生が嫌気が差
しておやめになるということも多々あると私も思います。その理由の１つは、青木
委員が説明しましたように、医師数は二峰性になっておりまして、人数は７５歳の
ところが非常に多うございます。また、５０歳前後が非常に多うございます。これ
は、一県一医大制ができたためでございまして、その５０歳前後のところが非常に
大きなピークを迎えております。逆に申しますると、これから病院に残っていて副
院長・院長にならないとなれば、ではやめて開業しようと、その年代がぎりぎりの
ところに来ているということで、非常に多く開業しているというのもございます。
大変な２，０００～３，０００万から５，０００万近くの借金を背負って開業する
わけでございます。だれも払ってくれないわけでございますので、そこの責任を全
部１人が持たねばなりません。そういった年代のメンバーが増えていたところに、
当直しても次の日は休めないという過酷な状態において、５０歳前後になったメン
バーが、このままでは無理だと考えているのも事実でございます。
　もう１つ要素がございます。これは２年間の研修のやり方が変わったために、本
来であれば、若くて働き盛りで、夜中でも、私もそのころにはもうほとんど寝ずに
診療して、病院で当直していたわけでございますが、そういったメンバーが病院の
中で入ってこなくなっているというのもあります。この大学病院で供給、すなわち、
医局で供給していたメンバーが、非常にアンバランスな形で適切なところに配属さ
れなくなっているという事実もございますので、そういったものが重なって、今病
院は大変な事情にあるというのも私たちも理解しております。経済の問題で解決で
きるのか、システムの問題で解決しなければならないのかという議論は残りますが、
何とか病院の窮状を救うべく努力しなければならないとは私どもも思っております。
　以上です。

○土田会長
　ありがとうございました。

○山本委員
　冒頭会長がおっしゃられたのは、次回の改定率について、内閣が決めることにな
るわけですけれども、中医協として意見を述べられるという場であるということで
ありますので、一言意見を述べさせていただきます。
　各号の委員の申されているのは、いずれにしましても、数字の上に出てくるだけ
ではなしに、具体的な中身についてもう少し議論をするべきではないかということ
だと思いますので、私もそのことにつきましては賛成であります。ぜひ数字だけで
はなしに、実質的な中身について十分な議論をした上でお願いをしたいことと、こ
の中医協の場に求められていますのが、透明性、公平性でありますので、その議論
につきましても、その改定率決定に当たっては、透明性が保たれて、公平で、かつ
説明可能なような改定率になるような意見をこちらから述べられるような取りまと
め、あるいは議論をしていただきたいと思います。

○松浦委員
　重ねて税務上の所得調査について、ぜひ日医の中で御議論いただいて、特に日医
も前回の会長選挙なんかを見てみますと、透明性ということを非常に強く言われて
おりますから、そういったもので出てきて、ただ１カ月のデータだけでもって高い
わ安いわという議論をここでしなければならぬと、こういうことはできるだけ避け
た方がいいので、説得力のあるこの数字を使うためにもぜひ御議論をいただきたい
と、重ねて要望させていただきます。
　それと、前回との比較をするということは、やはり時系列的な意味での一つの展
開を見てみると、こういうことも必要だろうと思います。私はそういうこともやっ
てみることは必要なことだと思っております。
　それで、この資料をいただいたときに、私は、１番、２番と言って数字で順番を
つけまして、こういった、その議論をやったときの資料の中に、２枚目、３枚目に
は、給料をずっと書いた表があったのです。あれは８月の資料でしたか。今回また
１６年のデータが出ていますから、それも加えて、実は、どういう傾向にあるかと
いうグラフを私はちょっと自分でつくってみたのです。あまりそういう筋の資料は
出さない方がいいという意見もあるのですけれども、この診療報酬を議論するとき
には、１つは時系列的に見てどうなっているか、それからもう１つは、全体的に日
本の職種別に見て、医師並びにコメディカルの給料がどのあたりにあるのかという
ことも、やはり私は大事なことではないかと思いますので、お叱りを受けるかもし
ませんが、こういうグラフを次回私は提出させていただきたいと思います。一般の
給料では、一般のほかの職種のこれは使うことができませんので、たまたま私の役
所の、これはもう公表していますから、それでもなおかつ今地方自治体の給料も高
いと、こう言われておりますので、それも入れて、どういうような位置にあるのか
ということを、参考のために御認識いただく。それを決定的な材料にするというわ
けでは決してございませんので、次回に提出をさせていただきたいと思います。よ
ろしくお願いします。

○事務局（堀江保険医療企画調査室長）
　結果速報の方に職種別の月給の推移が出ていることだけは、８２ページのところ
にございますので、ごらんください。

○岡谷専門委員
　今回の医療経済実態調査の感想ですけれども、特に給与のところで、看護職員の
給与だけがかなり減額というか下がってきているということに関して、１２８万人
の看護職は本当に唖然としているのではないかというふうに思っております。ある
データでは、一般病院、特に急性期の病院で働くナースの６０％が燃え尽きている
というか、バーンアウトを起こしているというようなこともございますので、本当
に過酷な状況の中で２４時間働いているナースの給与というものをもう少し考えて
いかないといけないかなというふうに思っておりますし、収益の分配ということに
ついても、これはここでの議論にはならないかもしれませんが、考えていかないと
いけないかなというふうに感想を持っております。

○土田会長
　ありがとうございました。

○勝村委員
　こういう議論をするときに、一つ根本的な問題として、医療が今のままでいいの
かどうかということがあると思います。だから、現状の医療を続けていくために、
どれを何％上げてほしい、これではだめだということももちろん大事なことなので
すけれども、それ以上に、現状でいいのかどうかという観点でやはり考えていくと
いうことを、もっとこういう場でしていかなければいけないと思います。ところが、
それをするときに、総額で、全体を全部一まとめに、一くくりにして、何％上げる
のか下げるのかという議論をしているようでは現状は全く変わらないと思うので、
中身の議論をとお願いしているところなのです。
　特に病院の人は大変だとか看護師さんは大変だということを、重々いろいろなと
ころからも僕たちも聞いていて知っていて、それを何とかしなければいけないと思
うのですが、それ以上に、もっと本当ならこういう場で出てくるべきなのは、やは
りもっと患者側がいろいろな経験をしているという声が出てくるべきだと思います。
この場でも言いましたけれども、私自身もつい最近救急車のたらい回しに遭ったわ
けです。救急車はすぐ来ましたけれども、３つの病院から全部断られて、救急車が
道路脇にとまってしまって、どうしましょうかと私に聞くという場面がありました。
そういうことはよくあるのですかと言うと、子供では本当によくありますねという
ことを救急車の人が言っていたと。僕は尿路結石だったのですけれども、大したこ
とはなかったからよかったのですけれども、もっと子供が本当に救急のときに……。
こういう医療は僕たちたまたまの経験ではなくて、こういう問題をいろいろ考えて
いるいろいろなグループの人たちと僕らは交流していると、もうかなりの放ってお
けないことがたくさんある。
　前回も発言して、少ししつこいかも知れませんが、産婦人科の学会は、学会自身
が、夜間の人手の少ないときよりも昼間の人手がいるときの方が安全だから、陣痛
促進剤を使った方が安全なのだという見解を発表しているわけです。ところが、そ
こで被害がたくさん起こっているわけです。そういうことを本当に国民は望んでい
るのか。救急車はすぐ来るけれども、夜中に産科の医師がいる病院なんて探すのは
大変ですよということでは全く意味がない。救急車を２４時間体制にしている意味
がない。
　そういうように考えたときに、診療所というのは、救急車が診療所に患者を運ん
でいくことはできないと考えると、僕は今の医療の中で一つ絶対変えてほしいと思
うことがあります。それは、今の話を聞いて、病院から診療所へ医師が流れていく
ような流れがもしできつつあるのだったら、逆に診療所の方から病院の方に医師が
流れていくような形も必要なのではないか。診療所がなくなってしまえばいいと思
いませんけれども、診療所が１人１つずつでやっていると、検査のリース代や何や
ということがそれだけ人数分かかるわけですけれども、２人で１つ、３人で１つと
いうふうにやっていくと、そこで体制を変えて夜中にもちょっと順番でやっていこ
うと、看護師さんのような形で２４時間体制もしていけるだろうしというふうに思
うわけです。
　医療は人間相手の仕事ですから、僕は、人件費をもっとかけることに関して、つ
まり、薬よりも人手ということにもう少しシフトしてもらうことに、一般の国民は
何の異存もないというふうに思いますし、看護師さんの体制をもっと増やすことに
異論もないと思います。そういうふうに、効率とか救急とかを考えて、一つの流れ
をやはりつくっていくという目的が見えてこないと医療は変わらないと思います。
なので、今会長さんがおっしゃったように、今の目的は何％上げる下げるという目
的なのだと思うのですけれども、今までと同じように、全体で何％上げるのだ下げ
るのだと言っても、中身の価値観を変えない限りは全く動きというのはつくれない
と思うのです。例えば診療所に関してはどうなんだ、病院に関してはどうなんだ、
看護師さんに関してはどうなんだ、それらの職種に関してどうなんだ、または、診
療科ごとに関してどうなんだと、国民はどんな声が、どんな不満が多いんだ、医療
者たちはどういうところで一番苦労しているのだと。そういうことをどう動かして
いって、どうその辺を健全な、国民側から見て納得のいく医療にしていくのかとい
う、そういう意図、そういう議論を経た上での、だから何％ぐらい、だからここは
上げるべきで、だからここはこうすべきでというような、そういう議論に持ってい
っていただきたいなと思います。
　そういう意味では、こういう経済実態調査とかが出てくれば、すごく、これはこ
れ、あれはあれでという議論がいろいろあるのだと思うのですけれども、僕はもう
少し絶対的に、それぞれを前後に、つまり時系列に見るのではなくて、もっとこの
データを左右に見て、どういうバランスを、どっちからどういう流れをつくってい
くべきなのかということを素直に提言できるような、そういうまとめをお願いした
いというふうに思います。

○宗岡委員（代理松井氏）
　私は、勝村委員がおっしゃられたことは全面的に賛成です。やはり考えていただ
きたいことは、国民並びに患者は、これまで保険料もより多く納め、さらには一部
負担も増えてきたという状況がございます。そういたしますと、国民の側はそれな
りに痛みを分かち合いながら、この医療保険制度を支えてきたと思っております。

　今回の医療経済実態調査、特に個人立の診療所については、ここに出ているもの
は正確でないという、そういうことを仮に捨象したとしましても、傾向値で見れば、
病院と診療所の収支構造にはやはり大きな違いがあるのではないかと思います。そ
ういたしますと、さらには診療科ごとの差も大きい。それならば、本当に必要な医
療はどういうところに財源が行くべきなのかということもあわせて議論されるべき
ではないかと思います。今の経済情勢並びに財政状況も踏まえますと、公的医療保
険という中ではなかなか全体を引き上げるのは難しい状況も見てとれると思います。
そういたしますと、限られた中でもメリハリをつけた形での対応が必要なのではな
いかと思います。
　最後に、事務局に１点質問があります。医療経済実態調査の７０ページのところ
で、診療科別のところの「その他」のところを見ますと、全体から比べますと、い
わゆる収支差額は大きくなっているというところが見えると思います。非常に難し
いかもしれませんけれども、この中で、特に目立って収支差が大きいような診療科
と言えるのかどうかわからないのですけれども、そういうものがあったら、わかっ
たら教えていただきたいのですけれども。
　以上です。

○事務局（堀江保険医療企画調査室長）
　今の７０ページのところ、例えば内科、小児科、精神科等々と診療科別の分析を
してきて、最後に「その他」と来て、「その他」なので、その以外ですということ
で、何となく目立つけれどもわからないということで、ただ、前回も今回もやや収
支差としては高めに出ているというところはございます。私どもの方で、これはま
さに内科、小児科、精神科、こういうふうに分類をしていって「その他」となって
いますものですので、またしかし、今回どれが当たったかとかいうことも、あまり
そういう意味で個別性までしておりません。ただ、例として申し上げれば、例えば
泌尿器科ですとか性病科とか、リハビリテーション科、放射線科、アレルギー科と、
こういったようなものを主に標榜されている診療所というのが、この内科、小児科、
精神科云々というところの主にされるところには位置づけていませんと、こういう
ことでございまして、まさにどれがこの、やや大きく見える数字をつくっている原
因かというところまでは私どもはわかりませんというか、そこまで詳細に見ないこ
とが、これはむしろ、こういうアンケート調査のルールかなと思っています。

○小島委員
　時間がありませんので手短に。やはり診療報酬改定あるいは改定率の考え方につ
いて、中医協の立場からどういう物の言い方をするかということでありますので、
それではやはり中医協の役割ということを踏まえた考え方を示すということで、そ
れについては先ほど勝村委員なり松井さんが指摘されたような、まさに診療報酬の
配分の中身といいますか、それをどう見直すかといったような、それは結果的に医
療機関の機能分化あるいは連携をどう図るかといったような、そういう方向での配
分の見直しということが必要だろうというふうに思っています。やはり、病院の過
酷な勤務実態ということも踏まえて、そういうものをどう改善するかということが、
結果的に患者にとっては安全な医療に結びつくということになりますので、そうい
うような方向での見直しが必要であるというようなことがやはり１つ大きなポイン
トだろう。
　もう１つは、改定率、全体の総枠、そうはいってもどうするかということになれ
ば、事務局から出ております人勧の実態、それから物価の動向といった場合には、
この状況では、全体的に診療報酬をプラスにするという動向ではないということは
はっきりしているわけであります。
　さらに、医療保険の実態といいますか、前回示された内容では、とりあえず、被
用者健保の方では合計で７，０００億ぐらいの黒字ではないかという指摘がありま
したけれども、それは、総報酬、ボーナスからも同じ保険料率で徴収するというこ
とがあるということで、そういう特別な事情があるということでありますけれども、
私が加入しています政管健保の実態からいいますと、被保険者、加入者自身も、こ
の間減ってきている。やっと最近景気が持ち直しでやっと歯止めがかかったかなと
いう状況だと。それから月例の標準報酬月額、いわば賃金ですね、これもこの６年
間ぐらいずっと下がり続けてきたということで、これもやっと何とか歯止めがかか
りつつあるというような状況でありますので、そういう状況から見ても、診療報酬
を総枠としてプラスになるという動向ではなくて、どちらかといえば、トレンドと
してはやはりマイナスの動向、そういうものを踏まえた改定ということが必要では
ないかというふうに思っています。
　以上です。

○青木委員
　今の、マイナスではなくて、プラスで改定をしていただかないといかないという
ふうに私どもとしては考えております。
　それから、先ほど勝村委員それから松井さんからのお話は、私も同じことを考え
ておるということを申し上げたわけで、松井さんにはよくおわかりのことだと思う
のですが、医療部会で討議されている内容、だから、病院と診療所のこのバランス
をどうかと、こんな単純な話ではとてもいかない。病院の仕事は何であって、診療
所の仕事は何であって、それぞれが魅力を持てるような職場をつくり出していくと
いう観点で医療部会で議論されておることを私どもここで実現をしようということ
が、我々の一番大きな仕事なのだというふうに考えておりますと、こういうことで
ございます。

○土田会長
　どうもありがとうございました。

○松原委員
　もう１つすみません。

○土田会長
　短くお願いします。実は、この後基本小委で大分議題を抱えておりまして、それ
で、ちょっと申し上げますと、次回の総会でこの公益側として大臣にどういう意見
を申し上げるかというような素案を取りまとめて提出したいと考えております。そ
こでもう一度議論をいただきまして、納得していただきましたら、それを大臣の方
に上げたいというスケジュールで考えているわけですけれども、ただ、今大分接近
してきましたので、またここを離れてしまうとちょっときつくなるのですが、どう
ぞ。

○松原委員
　手短に申しますと、診療所がどうの、病院等がどうのではなくて、むしろ私は、
今青木委員が申しましたように、病院機能をどうするか、診療所の機能をどうする
か、病診連携をどうしたら患者さんにとって一番適切な形になるか、大きな病院に
行って３時間待って３分診療になるのか、それとも手短なところに行って、きちっ
とした専門的な治療も受けられるのか、そういったことも含めて十分に考えなけれ
ばならないと思っております。そういったことが一番大事で、やはり病診連携を適
切に行うことが、この中医協の義務でもあるのではないかと思っています。
　それからもう一言は、先ほど申しました２年間の増減率は、賃金も物価も０％で
ございます。プラスはあり得ないとおっしゃいましたけれども、私どもからすれば、
逆に言えば、ゼロとゼロですので、マイナスはあり得ないと。ただ、医療の安全確
保と質の向上のためにはプラスにしていただきたいと申しているわけでございます。
　それから、今回のこの取りまとめでございますが、やはり、先ほどありましたよ
うに、数値の非常に間違いが１カ所出ていると、まだほかにあるかもしれませんの
で、私どもはもう少しこれを議論させていただきたく思っております。

○石井委員
　賃金及び物価の動向で、大体横ばいだから医療費は横ばいで良いという考えにつ
いては反論しておきたい。というのは、年々高齢化が進んできて、高齢の方が多く
なると病気が多くなります。特に老人だから医療費が高いわけではありません。こ
れはいろいろな調査でも明らかで、老人だから病気になりやすいということが基本
原因ですので、いろいろな対策を立てても、減りようがないわけです。どうしても
医療の全体な必要量はやはり増えていく。そこで病院における人が増えたり、給与
費が増えていくわけです。病床はもう限られていますから、急性期病床は減ってい
る状況の中では、１床当たりの重症度が高まるという形で先ほどの議論になってい
るわけなので、大きな流れを考えていただきたい。ですから、無駄な医療をやる必
要はないのですが、総体として考えてみると、人件費、物件費が横ばいであるから
といって、医療費がそのままの水準で抑えられるということは言えないだろうと思
いま。

○対馬委員
　あと１分だけで済ませますので。

○土田会長
　１号側は最後ということで。

○対馬委員
　病診連携等中身についての議論をしなくてはいけないというのはそのとおりなの
ですけれども、一方でマクロの見方をした場合に、今まさに医療制度改革という全
体的な議論をしていると、そういう中において診療報酬もどうかと、こういった議
論も一方ではあるわけです。その場合には、持続可能性がどうかということもあれ
ば、また我々支払側としての負担ということもあり、よくその中で議論されるのは、
現在の２６兆円から、これは給付費ですが、１８年度２８兆円から３７年度予測で
５６兆円になると。それを何とか下げて、７兆円は下げなければいけない。下げる
に当たって患者さんの負担はどうかと、こういった議論がよくされるのですけれど
も、そのベースとなりますのは、２６兆円が５６兆円になると、それを下げたとし
ても４９兆円だと。さらに経済財政諮問会議の民間議員が言っているように、７兆
円下げたとしても、２８兆円からどんどん増えていくと、こういうのをどうするか
という問題だということはよく認識していただきたい。これを支えるのは、やはり
我々の保険料であり、また国民の税金であると、そういう中においての今回の診療
報酬改定の議論であると、これもまた一つの事実でございますので、そこは我々と
してもよく踏まえなくてはいけないのではないかと、こういうふうに思っています。

○土田会長
　ありがとうございました。

○松原委員
　お互いによく議論いたしましょう。

○土田会長
　１１月２日に調査実施小委員会がございまして、その後は１１月９日の総会、そ
れから今日、３回、この医療経済実態調査をベースにして議論をいただきました。
３回とも非常に内容のある議論だったと思います。
　そこで、先ほど申しましたように、次回の総会までに、公益委員と事務局の協力
をいただきまして意見書というものを取りまとめたいというふうに考えております。
それで、次の総会でお諮りした上で、それでいいということであれば、あるいは修
正もあり得るかと思いますが、大臣の方に報告したいというふうに考えております。

○松原委員
  申し訳ございません。数値が間違っていることを私たちは検証してからにしたい
と思いますので、それは１週間後にお願い申し上げます。

○土田会長
　ちょっとそのことに触れたいと思うのですが、これまでの議論ですと、これまで
というのは、つまり今年以前、前回までということですが、１号側、２号側からそ
れぞれ改定率を出していただきまして、そこで詰めていくという作業が主にござい
ました。今回は内閣の方で改定率を決定するということになっていることを皆さん
踏まえてだろうと思いますが、１号、２号ともその具体的な改定率というものは出
ておりません。ただ、今回はプラスあるいはマイナスという数字は出ておりますが、
具体的な数字は出ておりません。それで、これは、取りまとめのことですから、ま
だどうなるかわかりませんが、確かに松原委員がおっしゃったように、数値が正確
ではないということがあるかもしれませんが、そこの具体的な数字を挙げてどうの
こうのということは、そこまで踏み込んで言うかどうかということはちょっと検討
させていただきたいと思います。
　それで、具体的な内容につきまして、先ほど病診の連携の話とか、あるいは機能
分化、あるいは提携の問題等々出てまいりました。そういうことを踏まえながら、
改定率を内閣の方で決定する場合に何らかの示唆を与えるという方向で意見を取り
まとめたいというように考えております。ということで……

○松原委員
　申し訳ございませんが、もう１週間よく検討させてください。もう一回議論した
く思っております。

○土田会長
　というのは、２５日の総会の前の基本小委なり……

○松原委員
  ２５日にもう一度総会を開いて、この件をもう一度議論させてください。その後
でそのようにしていただくのは結構でございます。

○土田会長
　それは数字の問題……

○松原委員
　数字の問題もございますし、もう一度チェックし直したいと思っております。

○土田会長
　ただ、内閣の方で改定率の決定の時期がありますので、それとの関係がございま
すから、ですから中医協の方の都合だけで１週間おくらせるということになります
と、どうなりますかね、その辺がちょっと検討させてください。今ここではもう１
週おくらせるということは、すぐ申し上げることはできません。したがって、一応
御意見は伺っておきますが、その内閣も方で決定するところの関係の中で考えてい
きたいと思いますので、ですから、どうしても今の調査等々のことでございました
ら、基本小委なりどこかで取り上げるということは可能ですが、もう一度総会を開
いて、それで２５日に間に合わせるということは、日程的にかなりきつくなります
ので、そこは、もちろんこちらは検討いたしますが、２号側でも御検討いただきた
いということであります。

○松原委員
　では、少しサスペンドさせていただいて、あと検討させていただきますが、主張
は変わりません。

○土田会長
　それでは、一応そういう留保条件がついておりますが、次回の総会で私どもの出
す意見書を御議論いただくということについては、御了解いただけましたでしょう
か。

○松原委員
　それを議論したいと思っておりますので、了解いたしません。

○宗岡委員（代理松井氏）
　はい。

○土田会長
　今、議事の進行についてですか。

○宗岡委員（代理松井氏）
　さらに議論するというのであれば、医師会の方でもっと違うデータも出してくだ
さるのかどうか、それは松浦委員が何度も申し上げているような、新しいものが出
てきて議論するという前提なのかどうか、そこをまず確認させてください。

○松原委員
  今回の数字をまず私どもチェックしておりますので、それを見た上で判断したい
と思っております。

○対馬委員
　今回中医協は大変注目を浴びているわけですね、新しい体制の中で、新しい形の
中でどういった中医協の中で議論され、また、どういった答えを出すのかどうか。
それが内閣の決定とのタイミングの関係があるというのは、私は会長の言うのはま
ことにそのとおりであろうというふうに思いますので、それを、数字のチェックが
必要だからというのはあまりに瑣末な理由ではないでしょうか。もしそうであれば、
それこそ今日明日じゅうに数字をチェックして、徹夜してでもやると、そのぐらい
のことが必要ではないでしょうか。

○松原委員
　対馬さんの出された資料ももう一度見てみたいと思っておりますので、それを、
２～３日で回答を出せとおっしゃるのであれば、それを判断して公益委員の会長の
方に申し上げたいと思います。

○土田会長
　わかりました。これは時間の関係がありますので、もう一度内閣の方の改定率の
動向なども聞きながら判断したい。それで、このことについて２５日の総会でかけ
るかどうかということは、大変僣越ですが、私の方の判断に任せていただきたい。
非常に日医に対して失礼な言い方でありますが。つまり、内閣の改定率に対してど
ういうインプレッションを与えていくかということの問題ですので、そこの見合い
で決定したいと思いますから、そこのところは……

○松原委員
　事務局にちょっといいですか。内閣に対しての御意見というのはいつまでに出さ
ねばならないのでしょうか。

○事務局（麦谷医療課長）
　特にスケジュールは決まっておりません。ただ、周囲の状況は予断を許さない状
況にあるということだけは申し上げておきますが、例えば２５日までとか３０日ま
でとかという何か締め切りとかいうことはあるわけではございませんので、これは
また逐次情報を会長にお伝えしようと思っています。

○松原委員
　そうしますと、最悪３０日でも構わないわけですね。

○土田会長
　ですから、それは検討しながら、ですから、十分２５日以外の日に設定するとい
うこともあり得るということでお任せいだきたいと思いますが、よろしいでしょう
か。

○松浦委員
　お答えできない問題なら結構なのですけれども、これは中医協として自発的に内
閣に意見を申し上げるのですか、それとも内閣から要求されたのですか。

○土田会長
  いえ、自発的です、もちろん。
　ですから、自発的ですからいつでもいいといえばいつでもいのですけれども、や
はり一定の効果といいますか、そういうのは中医協の役割として当然行われるべき
ことであろうというふうに考えておりますので、ですから、内閣に対して、例えば
１２月５日ぐらいで構わないということであれば、もちろん議論を進めた方がいい
わけですから、そういうふうに判断させていただきますし、それが不可能であると
いうことであれば、それに対して対応するしかないということで、できるだけ日本
医師会の側の意見は十分汲み取っていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願
いしたいと思います。
　それでは……

○事務局（堀江保険医療企画調査室長）
　せっかくの進行を申し訳ありません。１点だけ。内閣といいますか、お出しだく
のは、厚生労働大臣にお出ししていただくことがあり得るというのが内容でござい
ますので、ちょっと何かあまり大げさなものではないということです。

○土田会長
　わかりました。あまり軽んじられても困りますが。
　それでは、総会はこれで終わりにしたいと思います。
　次に基本小委がございますので、ちょっと時間をちょうだいいたします。

【照会先】
厚生労働省保険局医療課企画法令第１係
代表　０３－５２５３－１１１１（内線３２８８）