救急告示制度の見直しについて
救急医療提供体制の再構築に伴う救急告示制度の見直し
(見直しの背景)
◇ | 消防法(昭和23年法律第186号)第2条第9項に規定する救急隊により搬送される傷病者に関する医療を担当する医療機関は、救急病院等を定める省令(昭和39年厚生省令第8号)に規定された基準に該当する病院又は診療所から都道府県知事が認定したものとされている。 |
◇ | このような中、現行の救急医療提供体制については、以下の課題がある。
(1) | 小児患者を含む救急患者の増加により地域において質の高い効率的な救急医療提供体制の再構築が求められていること |
(2) | 医療計画の見直しにより今後は救急医療に関しても、各医療機関が医療機能を明示して機能分化を図ることにより、地域の実情に応じた望ましい医療連携体制の構築が求められていること |
(3) | 救急医療に携わる医師の長時間労働の改善が求められていること |
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◇ | 以上を踏まえ、別紙の基準に沿った、質の高い効率的な救急医療提供体制を地域で再構築するため、救急告示制度の見直しを行うこととしてはどうか。 |
◇ | なお、へき地など人口が少ない場合、都道府県知事は別紙基準を勘案して医療機関を認定することができるものとする。 |
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(救急告示制度の見直しの方針)
☆ | 上記の背景を踏まえ、救急告示制度に関しては、以下の方針を下に見直すこととしてはどうか。
(1) | 新たに救急医療の機能に応じた医療機関の名称を告示できるようにすること |
(2) | 新たな救急医療の機能については指標に基づいた基準を設けること |
(3) | 新たな救急医療の機能について認定された医療機関は政策評価を通じて3年ごとに更新すること |
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別紙
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救命救急センター |
入院機能を有する救急医療機関 |
救急医療担当医療機関 |
(1)構造 |
(人員) | 一定期間(三年程度)以上の救急医療の臨床経験を有し、専門的な救急医療に精通している医師が常時診療に従事していること。
院内の循環器、脳神経等を専門とする医師との連携があること。
夜間・休日の診療について交代勤務制と適切な超過勤務を導入していること。(宿日直制は認められない) |
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(人員) | 一定期間(三年程度)以上の救急医療の臨床経験を有し、救急医療に精通している医師もしくはその指導下にある医師が病院内で常時診療に従事していること。 |
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(人員) | 救急医療を担当する医師が夜間・休日を含めて診療に従事していること。 |
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(設備) | 高度な救命救急医療を行うために必要な施設及び設備を有すること。
重篤(重症で緊急度の高い)救急患者のために優先的に入院できる病床を有すること。 |
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(設備) | 救急医療を行うために必要な施設及び設備を有すること。 傷病者のために優先的に入院できる病床を有すること。 |
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(設備) | 救急医療を行うために必要な施設及び設備を有すること。 |
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(2)過程 |
(連携) | 初期救急医療機関や入院機能を有する救急医療機関、消防機関との連携体制を構築し、医療計画上明示されていること。
メディカルコントロール協議会において中心的な役割を担っていること。 |
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(連携) | 救命救急センターや初期救急医療機関、消防機関との連携体制を構築し、医療計画上明示されていること。 |
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(連携) | 救命救急センターや入院機能を有する救急医療機関、消防機関との連携体制を構築し、医療計画上明示されていること。 |
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(研修) | 臨床研修医を年間4人以上受け入れていること。
救急隊員(救急救命士を含む)の臨床での研修を年間120人日以上受け入れていること。 |
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(研修) | 救急隊員(救急救命士を含む)の臨床での研修を年間8人日以上受け入れていること。 |
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(3)結果 |
(搬送) | 重篤救急患者の搬送依頼を全て受諾すること。 |
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(治療) | 重篤救急患者を年間365名以上受け入れる能力とそれに見合う実績を有すること。 |
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(治療) | 重症救急患者を年間365名以上受け入る能力とそれに見合う実績を有すること。 |
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(治療) | 夜間・休日の救急患者を年間365人以上受け入れる能力とそれに見合う実績を有すること。 |
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厚生労働科学研究費補助金「救急医療評価スタンダートとスコアリングガイドラインを利用したベンチマーキングに関する研究」(坂本班)要点
(ア) | 重篤救急患者の発生
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人口80万人あたり1日の重篤患者数: | 6.5人(患者調査より) |
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・ | 疾病の内訳
● | 病院外心肺停止1、内因性疾患4人、外因性疾患1.5 |
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・ | 1日約1000人のうち救命救急センター入院450人 |
・ |
各県毎の集中度: | アクセスの悪い地域(北海道など)の集中度が必ずしも低くない。(死亡の集中度59%) |
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(イ) | 救命救急センターのカバーする人口
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(ウ) | 救急科専門医の状況
・ |
救急専門医: | 約3000人(救命救急センター勤務734人、年間150人増加) |
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・ | 救命救急センターあたりの医師数
● |
救命救急センター専従医師: | 9.12人(1587人) |
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● |
救命救急センター専従救急科専門医: | 4.22人(734人) |
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・ | 60機関(34%)は救急科専門医が2人以下 |
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(ア) | 地域における救急医療の診療の質の管理 |
(イ) | 病院前救護の質の担保
● | 地域の救急隊等へのメディカルコントロール |
● | 地域の一般市民、企業への心肺蘇生法(AEDを含む)普及 |
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(ウ) | 地域で発生する重篤救急患者の初療 |
(エ) | 院内の専門科と連携した重篤救急患者の集中治療、高度医療(緊急手術、処置)
● | 緊急性の高い心疾患・脳卒中の診療・手術・集中治療 |
● | 外傷の診療・手術・集中治療(最重篤例をのぞく) |
● | その他重篤患者の集中治療 |
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(オ) | 研修医、救急救命士等に対する教育研修 |
(カ) | 災害医療 |
(ア) | 救命救急センター(人口80-100万人、1日重篤患者6.5人)
・ | 人員
● | 専従救急科専門医6(指導医2) ローテーションで初療を担当 |
● | 各科からの専従医5名 初療、集中治療、手術の介助など
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● | 集中治療医3 ICU管理を担当、日勤対応が基本 |
● | 救急患者の初期診療に責任を持つ看護師の配置 |
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・ | 設備等
● | 重篤患者の集中治療のためのベッド、設備の確保 |
● | 重篤患者の緊急処置、手術のための設備の確保 |
● | 必要な検査が行える体制 |
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(イ) | 高度救命救急センター(人口240万人)
・ |
● | 最重篤例の外傷の診療・手術・集中治療 |
● | 重篤熱傷の診療・手術・集中治療、リハビリ |
● | 地域中毒センター(分析も含む)としての機能 |
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(ウ) | 新型救命救急センター(人口30-50万人、1日重篤患者3.25人)
・ |
目的: | 救命救急センターへのアクセスの悪いところに設置し、重篤な救急患者の初期診療にアクセスできる時間を低下させる。 |
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・ | 期待される患者数に応じて以下のような必要人員となる
● | 専従救急科専門医5(指導医1) ローテーションで初療を担当 |
● | 兼任医5 オンコール対応 |
● | 集中治療医2 ICU管理を担当、日勤対応が基本 |
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(ア) | 救命救急センター、初期医療機関と連携し地域の救急医療体制を構築する。 |
(イ) | 地域で発生する救急患者の初期診療 |
(ウ) | 重症患者の入院治療 |
(エ) | 対応可能な高度医療(緊急手術、処置)の提供 |
(オ) | 対応困難な高度医療(緊急手術、処置)を要する患者の選別と救命救急センターへの転送 |
(カ) | 救急救命士等に対する教育研修 |
(キ) | 災害医療 |
(ア) | 二次医療機関(人口5万人に1カ所、1日入院患者2.5人)
・ | 人員
● | 救急患者の初期診療に責任を持つ医師(救急科専門医)、看護師(救急認定看護師)をおくこと |
● | 院内に救急患者の初期診療に対応可能な医師を配置する。 |
● | 常時、救急患者の初期診療に対応可能な看護師を配置する。 |
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・ | 設備など
● | 常時、必要な検査を行う体制がある。 |
● | 常時入院可能な病床の確保。 |
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(ア) | 医師の確保について
・ | 救急科専門医
● | 救命救急センターに約1000人必要(現状774人) |
● | 二次病院に1名おくと2400人 |
● | 現在の救急科専門医は2234人(認定医313人) |
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・ | 循環器、脳神経などの専門医
● | 多くの救命救急センターは総合病院におかれているので、院内でのこれらの専門医との連携は可能である。 |
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(イ) | 継続性について
・ | 人材育成
● | 研修医の教育を通じた養成 |
● | 救命救急センター専従専門医以外の専従医の枠を活用 |
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・ | 定着の労働条件の担保
● | 労働基準法に基づく労働時間の適正化 |
● | 救命救急センターにおける当直の廃止 |
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(ア) |
救急医療機関としての資格を問う: | 最低限の評価指標の提示 |
・ | 構造: | 人員、機材 |
・ | 課程: | 連携、研修 |
・ | 結果: | 搬送、治療 |
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(イ) | 救急医療機関としての機能、成果を問う:更に詳細な評価指標の提示の必要性 |
平成17年度厚生労働科学研究医療技術評価総合研究事業
「救急医療評価スタンダードとスコアリングガイドラインを利用したベンチマーキングに関する研究」中間報告書
2005.10.31
主任研究者 |
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帝京大学医学部救命救急センター | 坂本哲也
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分担研究者 |
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昭和大学医学部救急医学 | 有賀 徹
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聖学院大学総合研究所医療管理学 | 郡司篤晃
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慶応義塾大学医学部救急医学 | 堀 進悟
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聖マリアンナ医科大学救急医学 | 箕輪良行
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白鬚橋病院 | 石原 哲
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研究協力者 |
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国立災害医療センター救命救急センター | 大友康裕
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杏林大学高度救命救急センター | 山口芳裕
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順天堂大学医学部救急・災害医学教室 | 奥村 徹
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日本医科大学高度救命救急センター | 小井土雄一
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日本医科大学多摩永山病院救命救急センター | 島田 靖
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帝京大学医学部救命救急センター | 森村尚登 |
「救急医療体制の今後のあり方と評価方法について」
1.はじめに
わが国の救急医療体制の整備は昭和39年に当時の厚生省から出された「救急告示病院等を定める省令」によって始まった。その後、昭和52年に「救急医療対策事業実施要項」が発表され、この要項で示された初期救急医療体制、第二次救急医療体制、そして第三次救急医療体制からなる救急医療体制の階層化および、第三次救急医療体制の中核を担う施設としての救命救急センターが定義されている。その後、平成9年に「救急医療体制基本問題検討会」から報告書が出され、二次医療圏における救急医療体制の完結、救急医療体制の一元化、大学病院における救命救急センター機能の確保、ヘリコプターを活用した広域搬送の推進、救命救急センターの再評価とランクづけ等が提言されている。
一方、わが国の救急医療の需要は年々増加し、昭和38年に日本全国で21万5千人であった救急搬送人員数は、平成元年には246万8千人、平成15年には457万7千人となっている。また、救急患者の原因疾患は昭和41年には急病38.9%、交通事故または一般負傷が合わせて42.5%と外傷が疾病より多かったのに対し、平成15年は急病が58.4%、交通事故または一般負傷が合わせて26.4%と比率が逆転している。
このように、国民の高齢化などにより疾病構造が変化し、救急医療の需要が質、量ともに変化しつつあることを鑑みて、将来を見通した救急医療体制の今後のあり方について検討する必要がある。
2.基本的考え方
救急医療体制の今後のあり方について検討するためには、まず現在および将来の救急医療に関する需要を具体的に分析し、これに対応できることを目標とする必要がある。また、救急医療体制を確立するためには救急科専門医や医療施設などの人的物的資源が必要となる。現在の人的物的資源から達成可能な目標を経時的に示していく必要がある。
質の高い救急医療を提供していくためには、一定数以上の重症患者を集約することを前提とし、重症度・緊急度によって医療機関が選択できる救急医療体制を構築すべきである。
現在の救急医療体制は、医療従事者にとって質的および量的に過酷な当直制によって維持されている。長期的に継続可能な救急医療体制として、交代勤務制などへと労働環境を改善した上で、救急科専門医の役割を明確にしてその確保に努めるべきである。
こうしたことを踏まえると、救急医療体制の今後のあり方に基づいた、救急医療機関および地域救急医療体制の新たな評価方法を策定する必要がある。新たな評価方法については、救命救急センター内で行われる診療のみを評価するのではなく、救命救急センターを有する医療機関において全診療科の協力の下で、どのように重症救急患者に医療が提供されているのかという診療の過程と結果を評価していくことが重要である。
3.救急医療に関する需要と人的物的資源の現状
救命救急センターは人口100万人に1施設の割合で概ね30床の専用病床を有する施設として整備されてきた。平成17年7月1日現在で、全国に186施設の救命救急センター(その内、高度救命救急センター17施設、新型救命救急センター9施設)が認可されている。平成15年の日本総人口が1億2761万9千人であるから、平均すると人口約70万人に1施設まで整備されたことになる。救命救急センターのカバーする医療圏別の人口は50万人未満の救命救急センターが29%、50〜80万人が29%、80〜110万人が28%、110万人以上が14%であり、80万人台が20%ともっとも多い。標準的な規模として80万人の医療圏を持つ救命救急センターを典型例として以下の試算を行う。
人口80万人あたりの1日の重症患者発生数は患者調査より約6.5人程度と推定される。重症患者の疾病の内訳は、総務省消防庁の救急自動車による急病に係わる疾病分類別搬送人員数および厚生労働省の救命救急センター実績調査(平成16年度)に基づくと、1日あたり病院外心肺停止0.5〜1人、心大血管疾患0.5〜1.5人、脳卒中1〜1.5人、その他の内因性疾患1.2〜1.5人、外傷0.8〜1人、中毒およびその他の外因性疾患0.5〜2人程度と推定される。
一方、厚生労働省の救命救急センター実績調査によると救命救急センターで入院治療を必要とする重症患者は年間16万4千人であり、病院到着時に重症と判断された傷病者48万1千人の内、約34.1%の患者が救命救急センターに入院していると推定される。なお、各都道府県別に分析すると、救命救急センターのカバーする面積が広い地域(例えば北海道など)であるからといって、必ずしも救命救急センターへの入院率が低い傾向はみられない。
また、同調査によれば救命救急センターの専任医師数は平均9.12人であり、内、救急科専門医は4.22人であった。しかし、救急科専門医の数が2人以下の救命救急センターもいまだ60施設(34.5%)存在している。
平成11年から厚生労働省は救命救急センターの充実段階の評価を行っているが、救命救急センターの構造(ストラクチャー)を主たる評価対象とした同評価は、毎年充実度Aと最高の評価を受ける施設の割合が増加し、平成16年度は174施設中、170施設(97.7%)が充実度Aの評価となっている。この現状を踏まえ、評価方法の改善が望まれている。
4.救命救急センターの役割と機能
このような現状を踏まえ、救命救急センターの役割、機能として以下のものを挙げる。
○ | 救命救急センターは地域における他の救急医療機関(初期救急医療機関、入院機能を有する救急医療機関、小児救急医療機関)との連携により、地域全体の救急医療の質を管理すること。地域の初期救急医療機関や入院機能を有する救急医療機関、消防機関、行政等との連携体制を構築して、そこで合意された救命救急センターの役割が地域の医療計画に明示されること。 |
○ | 救命救急センターは当該地域においてメディカルコントロール体制の要(かなめ)として機能し、救急救命士および救急隊員に対するオンラインおよびオフラインメディカルコントロールによって地域の病院前救護の質を保障すること。同時に地域の一般市民、企業への心肺蘇生法(AEDを含む)普及等を通じて、救急疾患への対応、事故の予防や救急通報前の対応等の改善に努めること。 |
○ | 救命救急センターを有する医療機関は地域で発生する重篤(重症で緊急度が高い)救急患者の診療に責任を持つこと。重篤救急患者の初期診療は救命救急センターの専従救急科専門医の役割として特に重要である。救命救急センターにおいても、外傷の初期診療のみでなく、疾病構造の変化に対応して心疾患や脳卒中などを含む内因性疾患による重篤救急患者の初期診療をより重視すること。 |
○ | 緊急度の高い心疾患や脳卒中などの内因性疾患は、病院前において必ずしも重篤と判断されず、自力で救急外来を受診する患者も多い。すべての重篤救急患者に適切な初期診療を提供するためには、救命救急センターを有する医療機関を受診するすべての救急患者に対して、救命救急センターの専従医が診療を行うか、もしくはプロトコールの作成および教育や診療の検証により初期診療の質を管理すること。 |
○ | 緊急度の高い心疾患、脳卒中や急性腹症などの内因性疾患に対して、救命救急センターを有する病院は初期診療のみでなく高度専門医療(緊急手術、処置等)や集中治療を提供できる体制を確保すること。高度専門医療は救命救急センターの専従医のみによって行われる必要はなく、病院内の循環器、脳神経、消化器などの専門科と連携して患者にとって最適の医療を提供すること。 |
○ | 重篤な外傷に対しても、救命救急センターを有する病院は初期診療のみでなく緊急手術、集中治療を24時間いつでも即時に提供できる体制を確保すること。この際、救命救急センターの専従医のみに拘らず、病院内の脳神経外科、整形外科などの専門科と連携して専門的な治療が迅速に行われればよい。 |
○ | 即時手術を必要とする体幹部の損傷などは、救命救急センターにおいて適切な初期診療を受けた上で、当該センターで専門的な治療が困難であれば、より広域を対象とした専門性の高い施設(高度救命救急センター)に迅速に搬送すること。 |
○ | その他の重篤救急患者についても、救命救急センターの専従医はその初期診療だけでなく、集中治療についても責任を持つこと。重篤救急患者の集中治療については、救命救急センターの中で初期診療を担当する専従医との役割分担が施設により考慮されても良い。 |
○ | 重篤救急患者に対する診療の質を管理するために、病院外心肺停止症例や外傷症例登録に参加すること。 |
○ | 救命救急センターは地域において救急医療に関する教育・研修の拠点となること。教育・研修は臨床研修医、救急医療に従事する医師、医学部学生、看護師、救急救命士および救急隊員などを対象とすること。 |
○ | 平常時に重篤救急患者に対する救急医療を提供している救命救急センターは、災害発生時には災害医療の中心として機能すること。そのためには、日常的に災害医療訓練を繰り返すことが必要であり、DMAT(災害派遣医療チーム)への参加が望まれること。 |
5.救命救急センターの類型化とその体制
従来からの人口100万人程度を対象とした救命救急センター、高度救命救急センター、そして平成15年度から整備が始まった新型救命救急センターそれぞれの役割については今まで明確にされていなかった。高度救命救急センターについては、救命救急センターに収容される患者のうち、特に広範囲熱傷、指肢切断、急性中毒等の特殊疾病患者を受け入れるものとされているが、上記疾患の多くに対して従来からの救命救急センター等においても治療が行われているのが実態である。また、新型救命救急センターは小型救命救急センターともいわれるように、救急医療対策実施要項を改訂し、従来は「概ね30床」であった専用病床の数を「概ね10床以上」に緩和したためにできたものである。
救急医療に関する需要の変化とそれぞれの救命救急センターにおける人的物的資源を考慮した上で、新たな役割分担に基づく類型化と体制のあり方について提案する。
1) | 救命救急センター
カバーする医療圏の人口が80万人、1日の重篤救急患者が6.5人と想定する。その場合、以下のような人員、設備等が必要である。
・ | 人員
(1) | 専従救急科専門医6名(内、指導医2名) |
(2) | 各科からの専従医5名(循環器・脳神経の専門医を含む) |
(3) | 集中治療医(重症患者管理と救急医療に精通した医師)3名 |
(4) | 救急患者の初期診療に責任を持つ看護師(救急認定看護師) |
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・ | 設備等
(1) | 重篤救急患者の集中治療のためのベッド、設備 |
(2) | 重篤救急患者の緊急処置、手術のための設備 |
(3) | 必要な検査が行える体制 |
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専従救急科専門医は交代制勤務により24時間体制で重症救急患者の初期診療を担当する。内2名の指導医は臨床だけでなく、地域のメディカルコントロールを担う。
重篤救急患者の初期診療のためには、全ての勤務時間帯で2名以上の医師が救命救急センターに勤務している必要がある。交代制勤務により専従救急科専門医を補助するのであれば、各科から専従医として5名に相当する派遣が必要となる。各科からの専従医は、重篤救急患者の初期診療だけでなく、それぞれの専門分野を生かして手術、集中治療およびその補助も行う。各科からの専従医には循環器疾患と脳神経疾患の専門医が含まれていることが望ましい。
専従集中治療医は他の専従医の協力を得て24時間体制で重症患者管理を行い、必要に応じて重篤救急患者の初期診療を補助する。
複数の重篤救急患者が同時に搬入された場合は、救命救急センターの専従医だけにこだわらず、救命救急センターを有する医療機関全体の医師の協力を得て診療を行う体制の確保が望まれる。
救急外来においては、救急患者の初期診療に責任を持つ看護師を配置する必要がある。この看護師は救急医療に高い専門性(救急認定看護師)を持つことが望まれ、救急外来における看護業務の質を高める役割が求められる。特に、多数の受診患者の中から緊急度の高い救急患者をトリアージする能力が重要である。
設備としては、重篤救急患者の緊急処置に対応できる救急外来、常時緊急手術が可能な手術室(血管内治療を含む)、1日平均6.5人で平均在室日数3日間として20床の集中治療のためのベッドが必要となる。重篤救急患者の診療に必要な検査(血管撮影やMRIを含む)は24時間体制で行える必要がある。集中治療のためのベッドを円滑に運営するために十分な後方病床を持つかもしくは院内の各病棟による積極的な患者受入態勢が不可欠である。
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2) | 高度救命救急センター
カバーする医療圏の人口を240万人程度と想定し、救命救急センターの機能に加え、以下の機能について集約化を図る
(1) | 極めて重篤な外傷の初期診療・手術・集中治療 |
(2) | 重篤熱傷の初期診療・手術・集中治療、リハビリテーション |
(3) | 地域中毒センター(分析も含む)としての機能 |
(4) | 切断肢の再接着 |
(5) | 脊髄損傷の初期診療・手術、リハビリテーション |
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3) | 新型救命救急センター
医療圏の面積が広く人口が少ない地域においては、救命救急センターへのアクセスが悪いことがある。新型救命救急センターは、このような地域における重篤救急患者の初期診療を適切に行うことを目的とする。カバーする医療圏の人口が30-50万人と想定される。
新型救命救急センターは期待される患者数に応じた人員が必要となる。専従救急科専門医と専従集中治療医の役割は救命救急センターと同様であり、同程度の人員が必要である。各科からの専従医のかわりに、救命救急センターではオンコールで対応する各科からの兼任医が専従救急科専門医による重症救急患者の初期診療を補助する。新型救命救急センターは、1日平均3.3人で平均在室日数3日間として10床の集中治療のためのベッドが必要となる。 |
6.入院機能を有する救急医療機関の役割と機能
入院機能を有する救急医療機関は、地域で必要とされる救急医療に関する需要に対して貢献することが求められる。具体的には、以下の役割、機能が必要である。このような医療機関の役割と機能が地域住民に十分に理解されるために、わかりやすい名称(例えば、地域救急医療センターなど)を用いることが望ましい。
○ | 他の入院機能を有する救急医療機関、救命救急センター、初期救急医療機関、消防機関と連携して、適切な地域救急医療体制を構築すること。 |
○ | 救急車の受入と重症患者の入院治療を行うこと。 |
○ | 対応可能な高度医療(緊急手術、処置等)については可能な限り提供できることが望ましい。ただし、対応困難な高度医療(緊急手術、処置)を有する患者については、初期診療においてこのような患者を選別し、適切な初期診療の後、救命救急センターへ転送する体制が必要である。 |
○ | 地域において救急救命士および救急隊員の教育・研修に貢献すること。 |
○ | 災害発生時には地域における災害医療の中心として機能すること。 |
7.入院機能を有する救急医療機関の体制
カバーする医療圏の人口が5万人、1日の救急入院患者が2.5人の地域における入院機能を有する救急医療機関を想定する。その場合、以下の人員、設備等が必要である。
・ | 人員
(1) | 救急患者の初期診療に責任を持つ医師(救急科専門医)、看護師(救急認定看護師等)を置くこと |
(2) | 院内に救急患者の初期診療に対応可能な医師を配置すること。 |
(3) | 常時、救急患者の初期診療に対応可能な看護師を配置すること。 |
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・ | 設備等
(1) | 必要な検査を常時行う体制があること。 |
(2) | 入院可能な病床を常時確保していること。 |
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入院機能を有する救急医療機関においては救急患者の初期診療に責任を持つ医師と看護師がいることが必要である。責任を持つ医師は救急医療について相当の知識および経験を有する救急科専門医であること。救急科専門医の指導のもとに、救急患者の初期診療に対応可能な医師を配置する必要がある。救急患者の診療にあたる医師は病院内で常時診療に従事している各科との兼任医でもよいが、24時間体制で救急患者の診療を優先的に行える人員の確保が必要である。
救急外来において救急患者の初期診療に責任を持つ看護師は救急認定看護師であることが望ましい。救急外来には、救急患者の初期診療に対応可能な看護師を常駐させて、常に緊急度の高い救急患者をトリアージする必要がある。
設備としては、必要な検査を常時行う体制が必要である。また、救急外来の整備ともに、救急患者が優先的に入院可能な病床を常時確保する必要がある。
8.救命救急センター医師の確保、継続性について
救命救急センターで重篤救急患者の初期診療にあたる救急科専門医は各施設6名(新型救命救急センターは5名)が必要となる。 平成17年7月1日現在で、全国に186施設の救命救急センター(17施設の高度救命救急センターを含む)が設置されていて、内9施設が新型救命救急センターなので、救急科専門医が1,107名必要となる。一方、平成16年の厚生労働省による全国救命救急センター実績調査によると、救命救急センターに勤務する救急科専門医(もしくは認定医)は774名であるので、333名不足している。救急科専門医(もしくは認定医)は毎年150名程度が新規の認定を受けているので、不足は次第に改善すると考えられる。一方で60施設の救命救急センターは救急科専門医が2名以下であり、これらの施設に救急科専門医を増やすことが急務である。
全国の入院機能を有する救急医療機関において人口5万人に対して救急科専門医を1名配置するためには、救急科専門医が約2400名必要となる。救命救急センター以外に勤務している救急科専門医は1773名なので、約700名の救急科専門医が不足していることになる。救急科専門医の養成については日本救急医学会に負うところが大きいので、同学会には救急科専門医の養成に一層の力を尽くすよう期待する。
救命救急センターでは病院内各科からの医師の派遣を必要とするが、この医師が救急重篤患者の診療に専従するためには、救命救急センターを有する病院自体の救命救急センターに対する積極的な応援体制が必須となる。救命救急センターを有する病院をあげての取組が極めて重要である。救命救急センターを有する病院の多くは総合病院なので、救命救急センター以外にも循環器、脳神経などの専門医が勤務している。循環器、脳神経などの専門医を確保するためには、病院内での連携が必要となる。
新型救命救急センターの兼任医5名は、オンコール体制で専従救急科専門医に協力する必要がある。24時間体制で対応するためには、最低5名の兼任医が必要となるが、病院内のより多くの医師が兼任医の役割を分担することも可能である。しかし、兼任医として重篤救急患者の初期診療にあたるためには、本来の所属科に関わらず、救急初期診療について十分な教育・研修を積んで、救急初期診療の質を確保する必要がある。
また、このような医師を確保していく際には、継続性も考慮する必要がある。
そのためには、医療従事者が育成され、定着していくことが必要である。
人材の育成に関しては、初期臨床研修において必修化された救急研修期間および救命救急センター専従専門医以外の専従医の枠を活用した後期研修において、人材の育成をはかっていくことが望まれる。
育成された医師が定着するためには、生涯にわたり働ける環境が必須である。そのためには、救命救急センターにおいても労働基準法に基づく労働時間の適正化が必要である。救命救急センターは24時間体制で重篤救急患者の初期診療にあたるので、夜間や休日も昼間と同様の体制が必要となる。不測の事態に備えて待機する宿日直体制では不十分なので、交代勤務制および適切な超過勤務によって夜間や休日に初期診療にあたる医師を確保すべきである。
9.救急医療機関の評価について
今まで述べてきた体制を具現化するためには、適切な法制整備、政策誘導が必要である。救命救急センターなど個々の類型においては
別紙1に示す構造を確保することが求められるので、適切な法制整備などにはこの面での充分な配慮も望まれる。これらを経て行われる救急施設の評価については、救急医療機関としての資格を問うことを目的とした最低基準に基づく評価と、あるべき姿を見据えた上での機能についての評価とが考えられる。
今回は中間報告としてまず前者の救急医療機関が満たすべき最低限の基準にについて、別紙のように提示する。
別紙2に示す重篤の基準については、関連学会等の協力を得て、死亡率、集中治療室入院日数、医療費などとの関係について調査し、より実態を反映するものに改訂を重ねていく必要がある。
今後は、更に研究を進め、後者の救急医療機関の機能についての評価指標を検討し、提示していく必要がある。
別紙1
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救命救急センター |
入院機能を有する救急医療機関 |
救急医療担当医療機関 |
(1)構造 |
(人員) | 救急科専門医が常時診療に従事していること。
院内の循環器、脳神経等の専門医との連携があること。
夜間・休日の診療について交代勤務制と適切な超過勤務を導入していること。(宿日直制は認められない) |
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(人員) | 救急科専門医もしくはその指導下にある医師が病院内で常時診療に従事していること。 |
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(人員) | 救急医療を担当する医師が夜間・休日を含めて診療に従事していること。 |
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(設備) | 高度な救命救急医療を行うために必要な施設及び設備を有すること。
重篤(重症で緊急度の高い)救急患者のために優先的に入院できる病床を有すること。 |
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(設備) | 救急医療を行うために必要な施設及び設備を有すること。
傷病者のために優先的に入院できる病床を有すること。 |
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(設備) | 救急医療を行うために必要な施設及び設備を有すること。 |
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(2)過程 |
(連携) | 初期救急医療機関や入院機能を有する救急医療機関、消防機関との連携体制を構築し、医療計画上明示されていること。
メディカルコントロール協議会において中心的な役割を担っていること。 |
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(連携) | 救命救急センターや初期救急医療機関、消防機関との連携体制を構築し、医療計画上明示されていること。 |
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(連携) | 救命救急センターや入院機能を有する救急医療機関、消防機関との連携体制を構築し、医療計画上明示されていること。 |
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(研修) | 臨床研修医を年間4人以上受け入れていること。
救急隊員(救急救命士を含む)の臨床での研修を年間120人日以上受け入れていること。 |
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(研修) | 救急隊員(救急救命士を含む)の臨床での研修を年間8人日以上受け入れていること。 |
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(3)結果 |
(搬送) | 重篤救急患者の搬送依頼を全て受諾すること。 |
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(搬送) | 救急患者の搬送依頼を全て受諾すること。年間搬送件数750件以上あること。 |
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(治療) | 重篤救急患者を年間365名以上受け入れていること。 |
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(治療) | 救急患者の入院を年間365名以上受け入れていること。 |
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(治療) | 夜間・休日の救急患者を年間365人以上受け入れていること。 |
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別紙2
重篤救急患者の基準
救命救急センター入院患者の重篤の基準として以下のものを提示する。
1. | 病院外心停止 | | 病院前心拍再開例、外来での死亡確認例を含む |
2. | 重症急性冠症候群 | | ST上昇型急性心筋梗塞または緊急冠動脈カテーテル施行例 |
3. | 重症大動脈疾患 | | 大動脈解離もしく大動脈瘤破裂 |
4. | 重症脳血管障害 | | 来院時JCS 100以上または開頭術もしくは血管内手術施行例 |
5. | 重症外傷 | | Max AISが3以上または緊急手術施行例 |
6. | 重症熱傷 | | Artzの基準による |
7. | 重症急性中毒 | | 来院時JCS 100以上または血液浄化法施行例 |
8. | 重症敗血症 | | 感染性SIRSで臓器不全、組織低灌流または低血圧を呈する例 |
9. | 重症体温異常 | | 熱中症または偶発性低体温症で臓器不全を呈する例 |
10. | 特殊感染症 | | ガス壊疽、壊死性筋膜炎、破傷風等 |
11. | 重症呼吸不全 | | 人工呼吸器管理症例(1〜10を除く) |
12. | 重症急性心不全 | | 人工呼吸器管理症例(1〜10を除く) |
13. | 重症出血性ショック | | 24時間以内に10単位以上の輸血必要例(1〜10を除く) |
14. | 重症意識障害 | | JCS 100以上が24時間以上持続(1〜10を除く) |
15. | 重篤な肝不全 | | 血液浄化療法施行例(1〜10を除く) |
16. | 重篤な急性腎不全 | | 血液浄化療法施行例(1〜10を除く) |
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