第24回社会保障審議会医療保険部会 資料2
平成17年11月25日


国保共同事業の実例について




国民健康保険財政の安定化と都道府県単位での保険運営の推進

現行事業
(平成17年度までの時限措置)
(1) 高額医療費共同事業 1,932億円(国、県、市町村で負担)
 高額な医療費の発生による国保財政の急激な影響の緩和を図るため、各市町村国保からの拠出金を財源として、都道府県単位で費用負担を調整。
(2) 保険者支援制度 824億円(国、県、市町村で負担)
 低所得者数に応じ、保険料額の一定割合を公費で補填
(3) 財政安定化支援事業 約1,000億円(交付税措置)
 国保財政の安定化、保険料(税)負担の平準化に資するために一般会計から国保特会に繰入れを行うことができるものとする。
金額は事業規模

見直しの方向
 (1)〜(3)については、必要な見直しを行うとともに、新たに保険財政共同安定化事業を創設する。
 (1)及び(2)の事業に要する国費550億円については、平成17年度までの時限措置なので、18年度の予算編成過程の手当を検討することが必要となる。


保険財政共同安定化事業(仮称)の概要

1. 趣旨
 共同事業の対象を拡充し(レセプト1件30万円超(注))、財政運営の規模を拡大することにより、高額医療費が国保財政に与える影響を更に緩和し、小規模保険者等の財政の安定化を図る。
 発生した医療費にかかわらず、被保険者数に応じて拠出する分を加えることにより、都道府県内の保険料の平準化を図る。
 本事業を通じ、将来は都道府県単位の国保財政運営を目指す。
 (注) レセプト1件の金額については、実績を踏まえて今後更に検討
2. 事業の実施主体
 各都道府県の国保連合会
3. 拠出金
 過去に発生した高額医療費の実績、及び被保険者数に応じて市町村が拠出
4. 交付金
 実際に発生した高額医療費に応じて、市町村に交付
(参考)
 高額医療費共同事業
(1) 事業対象
 著しく高額な医療費(レセプト1件70万円超(注))の医療費のうち、70万円を超える額を対象
 (注) レセプト1件の金額については、実績を踏まえ見直しが必要
(2) 拠出金
 過去に発生した、著しく高額な医療費の実績に応じて市町村が拠出し、1/2を公費負担(国・県で折半)
(3) 交付金
 実際に発生した、著しく高額な医療費に応じて市町村に交付


保険財政共同安定化事業(仮称)のイメージ

保険財政共同安定化事業(仮称)のイメージの図


国民健康保険共同事業モデル計算例

S市のグラフ   (16年度データ)
S市
被保険者数: 32,000人
事業対象額: 18.6億円
被保険者数が多く、年度ごとの医療費の振れ幅が小さい
T市のグラフ T市
被保険者数: 10,500人
事業対象額: 6.6億円
共同事業の実施により、医療費増の発生リスクが都道府県単位で緩和。
K町のグラフ K町
被保険者数: 1,700人
事業対象額: 1.0億円
被保険者数が少なく、年度ごとの医療費の振れ幅が大きい。

※事業対象額・・・ 1件当たり30万円以上医療の給付費のうち保険料及び国調整交付金で賄われる部分

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