05/10/05 第17回社会保障審議会医療部会議事録 第17回 社会保障審議会医療部会                 日時 平成17年10月5日(水)                    14:00〜                 場所 厚生労働省7階専用第15会議室 ○企画官 定刻になりましたので、ただいまから「第17回社会保障審議会 医療部会」を開会いたします。皆様方におかれましては、お忙しい中ご出席 くださいまして、誠にありがとうございます。  最初に本日の委員の出欠状況についてご報告申し上げます。本日は見城委 員、龍井委員、野呂委員、堀田委員、渡辺委員からご欠席の連絡をいただい ております。なお、龍井委員の代理として、日本労働組合総連合会生活福祉 局次長の花井圭子参考人。野呂委員の代理として、三重県健康福祉部医療政 策監の池田千絵子参考人にご出席をいただいております。ご出席をいただい ております委員の皆様方は定足数を超えておりますので会議は成立しており ます。  次に、本日参考人として本部会にご出席いただいております先生のご紹介 をさせていただきます。全国医学部長、病院長会議の会長であり、北里大学 の医学部長の吉村博邦氏でございます。なお、後ほどお見えになりますが、 全国有床診療所連絡協議会会長の内藤哲夫氏にもご出席いただく予定です。 先生におかれましては、本日お忙しい中ご出席いただきましてありがとうご ざいます。後ほど、吉村参考人からは特定機能病院について、内藤参考人か らは有床診療所について、それぞれ現状、役割等についてご説明をいただい た上で、各議題について委員の皆様方にご議論をいただく予定ですので、よ ろしくお願いいたします。  次に、お手元の資料の確認をさせていただきます。座席表、議事次第のほ か、資料1、特定機能病院について。資料2、有床診療所について。資料3、 人員配置標準の経過措置の取扱いについて。資料4は、吉村参考人からの提 出資料。資料5は、内藤参考人からの提出資料。あと、別途内藤参考人から の提出資料で2枚紙も追加でお配りをしております。  それでは以降の進行については、部会長よろしくお願いいたします。 ○部会長(鴨下) 本日お集まりをいただいてありがとうございます。議事 に入る前に、本日欠席の龍井委員、野呂委員の代理として出席いただいてお ります、日本労働組合総連合会生活福祉局次長の花井圭子参考人と、三重県 健康福祉部医療政策監の池田千絵子参考人、このお2人の出席について、ご 異議はありませんでしょうか。 (異議なし) ○部会長 ありがとうございます。では、早速議事に入ります。今回の部会 からは、前回の部会でご了承いただきました進め方に沿って、8月に取りま とめました「中間まとめ」に基づいて個別の検討課題をご審議いただくこと になっております。今回は「特定機能病院」「有床診療所」及び「人員配置 標準の経過措置の取扱い」、この3つの資料がありますが、これを取り上げ ることになりました。  最初の議題であります特定機能病院について、大体時間として14時50分 ぐらいまで議論をお願いしたいと思っております。では、事務局から資料1 の特定機能病院について、説明をお願いいたします。 ○企画官 資料1について簡単に説明いたします。資料1の「特定機能病院 について」ですが、1頁、8月1日の「中間まとめ」において、特定機能病 院については、上の四角に書いてあります指摘という形で取りまとめがされ ております。2の「特定機能病院の現状について」は、詳細は別紙参照とい うことで4頁以降に、特定機能病院80の病院について平成15年度の業務報 告の結果を整理したもの、これは以前の部会でお配りしたものを参考までに もう一度挙げております。  1頁に戻り、3で「特定機能病院に係る部会での議論」ということで、6 月にありました第12回の会に、「高度または専門的な医療について」という 議題の下でご議論をいただいたわけですが、その際に、各委員からどのよう な発言があったかということについて、拾い出し整理したものを3頁までに 記載しております。この後の審議に参考にしていただければと思いますので、 よろしくお願いいたします。 ○部会長 次に吉村参考人から特定機能病院の役割等について、これは私ど もの勉強の意味を兼ねておりますので、ご説明をお願いしたいと思います。 ○吉村参考人 全国医学部長、病院長会議の会長をしております北里大学の 医学部長の吉村で、専門は呼吸器外科です。本日、特定機能病院の役割に関 するヒヤリングということで出席をさせていただきました。この部会のメン バーの先生方を拝見いたしますと、いずれもそれぞれの領域でのオピニオン リーダーという先生方ばかりで、先生方のご期待に沿うような意見が述べら れるかどうかちょっと心配しております。逆に、識者の皆さんが、この特定 機能病院、あるいは大学病院をどのように見ておられるのか、あるいは、ど のようなことを期待しておられるのかというような、ご質問なり、ご意見を、 忌憚のないところをいただきまして、今後の大学病院の運営、あるいは改善、 充実に活かしていきたいと思っておりますので、是非よろしくお願いいたし ます。  資料は4です。最初コンピューター・プレゼンテーションを予定しており ましたが、やはり用紙にまとめてみました。最後のほうに「全国医学部長病 院長会議」で大学病院に関するアンケート調査を行っており、その要約も付 けておりますので、一応資料に沿ってご説明したいと思います。  まず1「はじめに」と書いてあります。読みながら適宜補足させていただ きます。医科大学の付属病院は、大学設置基準上の教育・研究病院として設 置が義務付けられている。一方、大学病院は医療法上の「病院」であり、医 療提供の立場からは、診療機能を分担する一病院としての位置付けにある。 そして、貴医療部会における医療提供体制に関する議論の中で、大学病院は、 医療法第4条の2に定める特定機能病院(「高度の医療を提供」「高度の医 療技術の開発および評価」「高度医療に関する研修」等の要件を満たす必要 がある)の承認を受けているが、必ずしも病院全体として高度医療を提供し ていないのではないか、などの問題点の指摘がなされております。したがい まして、現在、貴部会で承認要件や名称を含めた特定機能病院のあり方につ いての検討が行われると理解しております。  以下、私の私見を述べさせていただきます。次に、2として、特定機能病 院は、高度医療の提供、開発、評価、研修が義務付けられております。その 高度医療の定義ですが、通常の一般医療施設では対応が困難なもの。もちろ ん一般医療施設でも十分可能とは思いますが困難なものということで、(1)高 度先進医療。これは平成17年9月現在、臓器移植治療など109種類あります。 ご承知のように大学、歯科を含めて98大学病院。それから特定承認保健医療 機関、これは、このたびの新医師臨床研修制度導入以前の旧制度による研修 指定病院であり、病床数が300床以上とか、あるいは指導医が内科医は5名、 外科4名以上といろいろな条件があります。これがいま131施設あるという ことですが、この施設で行われている現在保険適応の認められていない高度 先進医療。  (2)に、特定疾患。これは国の指定の45疾患があります。ベーチェット病そ の他たくさんあります。(3)に、重篤な救急疾患。例えば、多発外傷、脳血管 疾患、虚血性心疾患、大動脈瘤、重度熱傷、中毒、代謝異常、敗血症、AR DS(成人型呼吸窮迫症候群)、最近はSARS(重症急性呼吸器症候群) というのでしょうか、そのように言われております。あるいは、喀血、急性 腹症など、こういった重篤な疾患が三次救命急救医療センターで、24時間、 365日の対応が義務付けられておりますが、これは高度医療に当たります。  (4)に、多領域に亘る、また人手を要する疾患。例えば糖尿病があったり、 高血圧があり、さらに心筋梗塞がある。あるいは人工腎臓を回しながら手術 をするとか、いろいろな疾患があります。(5)に、高度な医療器機を要する疾 患。例えば高エネルギーの放射線、最近言われている癌の診断であるペット (PET)、高圧酸素など、いろいろな高度の医療器機を用いる疾患があり ます。  (6)に、高度な技術を要する疾患。カテーテル治療、内視鏡的な治療、ある いは内視鏡手術。心臓外科や脳外科など非常に専門領域の診断・治療が含ま れると思います。(7)に、深夜などの夜間帯の対応を要する救急疾患。これは 特に小児の救急であるとか、あるいは母体搬送なども入ると思います。(8)に、 高度に専門領域の疾患。これは未熟児、特異な感染症、被爆治療など非常に 稀な疾患が入ります。  (9)に悪性腫瘍。この診断、例えばマンモグラフィの診断も大変高度なもの が最近要求されております。癌の化学療法、これは当然病態に応じて、また 副作用を十分に考慮しつつ行われております。放射線治療も最近は呼吸に同 期させて、その動きのある瞬間だけに放射線を照射するということも行われ ております。血液疾患は日進月歩の疾患であります。(10)に新しい診断・治療 法ということで、治験、移植、再生医療などが含まれます。  特定機能病院では、個々の単独の医療技術以外に、これらに総合的に対応 できる能力が求められていると考えております。個々の疾患は、それぞれの 医療機関でも十分対応可能な所もいっぱいありますが、これを総合的に対応 できること。また、このような高度医療の展開には、当然のことながら高度 医療以外の通常の医療が、安全に確実に遂行できる技術と能力を有すること が必要条件となります。高度医療だけをやっているような所では基盤が弱い のではないかと考えております。  このほか、高度医療をやるだけではなくて、やはり医療安全であるとか、 非常に低侵襲の医療であるとか、高水準の医療、例えば診断率が高い、治癒 率が高い、最新の医療機器・設備があるとか。それから、熟練した経験豊か な高度技術を有する専門スタッフが適正に配置されている、同時に情報がし っかり開示されている、患者の満足度が高い、こうしたことすべてが特定機 能病院では、当然求められることになると思います。  3番目はこの部会からいただきました命題です。「医療連携体制の中で特 定機能病院がどのような役割を担うべきか」ということです。現在の階層型 構造と言われております医療連携の現状について、ちょっと触れてみます。  まず最初に(1)救急医療システムについて。これは「救急病院等を定め る省令を一部改正する省令」があります。これは平成10年3月27日に出さ れております。二次医療圏単位で初期から二次、三次医療を完結できる救急 医療体制の整備を進めることが定められております。  救急のほうは、一次、二次、三次ということではなくて、初期、二次、三 次と言われております。これは日本救急医学会による救急医療機関の区分で す。初期というのは、いわゆるプライマリケアということです。1番が初期 救急医療機関。これは休日・夜間救急センターが中心で、市町村が中心にな って整備をしております。軽症の救急疾患に対して外来で対応する施設です。 在宅当番医、あるいは休日・夜間救急センターが対応している。地域住民の 急病患者の医療を確保するということで、普通休日の午前8時〜午後6時、 夜間は午後6時〜翌日午前8時まで対応しております。  2番目に、第二次救急医療機関です。これは救急病院ということで都道府 県が中心となり整備しており、現在3,253施設あるということです。直接生 命にかかわらないような、しかも入院を要する中等症の救急疾患に対応する 施設ということで、精神科救急を含む24時間体制の、いわゆる救急病院、あ るいは病院の輪番制の病院として、主に有床診療所が対応しております。 3番目に、第三次救急医療機関です。これは救命救急センターで国が中心と なり、指定して整備しております。175施設と書いてありますが、先ほどお 聞きしましたら、この5月で184施設となっていますので、ご訂正いただき たいと思います。これは生命にかかわる重症な救急疾患、複数の診療領域に 亘る疾患に、常に必ず対応ができる高度な医療を総合的に提供する医療機関 と定められております。24時間、365日対応可能な施設ということで、要件 が、(1)重篤な患者を必ず受け入れる。(2)ICU,CCUなどを備え、常時重 篤な患者に高度な治療が可能である。(3)医療従事者に必要な研修を行う体制 を有するという要件になっております。  4、高次救急救命センターが各都道府県に1つあるかないか、現在17施設 しかありませんが、特に広範囲の熱傷、四肢の切断、急性中毒症等の特殊な 疾病の患者を受け入れる施設で、これは医療圏にいくつもありません。これ が指定されると県からかなりの助成が出ると聞いております。そのほか5番 目に特殊科目の救急医療体制ということで精神科、産科、特に低出生体重児、 眼科、耳鼻科とか。こういうものは地域の医師会や地域の専門医会などが当 番制で対応しておりますが未整備の地区が多いと聞いております。  私見でありますが、特定機能病院としては、原則第三次救急医療機関であ ることが望ましい。現在の特定機能病院には、第三次救急は特に要求されて おりません。もちろんこれを整備するには、それなりの対応が必要になるか と思います。  次に、(2)一般医療システムについてです。これは一次、二次、三次と 区分されているようです。1番目に一次、プライマリ医療、かかりつけ医と いう区分になっております。医療機関を訪れる患者の90%は、いわゆるcommon disease、風邪、頭が痛い、腹痛、軽症の高血圧、糖尿病、外傷、すり傷など があると思います。これは外来診療が中心ですので、診療所、一般病院の外 来診療という所で対応すべき医療ということになっております。  2番目に二次医療です。専門性の高い外来診療、あるいは入院を要する治 療です。有床診療所と一般病院、あるいは専門病院が担当すべき医療です。 3番目に三次医療、高度の専門医療です。先ほど申し上げました二次医療機 関では対応困難な、より高度な医療ということで、先進的な技術や特殊な医 療、稀な疾患に対応する。また、複数診療科に亘る医療、手のかかる医療。 専門医を含むマンパワーと充実した施設、設備が必要になります。したがい まして、特定機能病院は当然三次医療に対応できる施設であるべきと思って おります。  この階層構造は役割分担ですので、診療の流れは必ずしも一次→二次→三 次の順序でなくて、重症患者あるいは特殊な診療科、例えば目を怪我したと か、耳の病気とか、直接二次あるいは三次を訪れることは十分あり得ると思 います。ただ三次医療は、やはり原則紹介患者が望ましい。  私見ですが、現在特定機能病院では初診の患者は紹介状がなければ特定療 養費を徴収しております。これはある意味で妥当な対応ではないかと考えて おります。ただ、先ほど申しましたように、高度医療だけを行う医療機関は、 やはり基盤が非常に弱いわけで、二次医療の一部を含めた幅広い領域の診療 に対応できる能力のあることが当然重要だと思います。また、高度医療の展 開のためには、通常の医療を確実に診療できる。これは当然のことですが不 可欠です。それから、高度医療が終了した患者の逆紹介や、病診連携の充実、 また受け皿が当然必要になってまいります。特定機能病院の中で、個々に高 度医療別に、やはりそれぞれに対応できる診療能力、例えばスタッフ、設備、 器機といった成績をしっかり開示しておきませんと、特定機能病院だからと いって患者が受けたら、ある所では診療能力が足りなかったとか、いろいろ いま話題になっているところです。これはしっかりとその成績を開示する必 要があると思っております。  4番目、もう1ついただきました課題で「専門医の養成、専門医療や高度 医療の提供に関し、特定機能病院はどのような役割を担うべきか」。(1) 専門医の養成については、医学・医療の進歩に伴い、全ての診療領域でより 深く、また専門化、細分化の傾向が進んでおります。今回の新医師臨床研修 制度による2年間の必修科も、医師の行きすぎた専門医志向に対する反省に たって、全ての医師に幅広い初期診療(プライマリケア)に対応できる能力 を涵養することが目的で導入されたものと理解しております。  しかし、医師の研修は2年間では終わりませんで、むしろ、その後の5年、 10年にわたる専門研修がしっかり行われないと、現在の進んだ医療には到底 対応できない、ということはご理解いただけると思います。  来年3月には、いよいよ新医師臨床研修制度の第一期生というべき、初め て2年間の初期研修を終了する医師が誕生いたします。3年目以降の専門研 修が日本の将来を非常に左右することになります。現在は、残念ながら各医 療機関が研修医を奪い合うという状況にありまして、これは憂慮すべき状況 だと思います。どんな医師を、誰が、どこで養成するかを、これから真剣に 考えていく必要があると思っております。最初から有能な専門医はあり得な いわけで、指導者の下で厳しいトレーニングを経て、経験を積んで、切磋琢 磨をし、自ら勉強して、努力してこそ専門医が育つわけです。いかに医療提 供体制を整えても、専門医療を行う技術、技能を有するレベルの高い専門医 師が配置されなければ意味がないと思っております。  そういう意味で、全ての領域の専門医を1施設で育てることは困難であり、 領域に応じた連携病院とか、専門病院、地域の基幹病院、大学病院、さらに 留学といったもの、そうしたローテイトを繰り返しながら人間性を涵養し、 切磋琢磨してこそ立派な専門医が育つというように考えております。したが いまして、特定機能病院だけで専門医を育てることは困難でありますし、ま た望ましいことではないと思っております。地域単位の、いま盛んにそうい うことも始まっておりますが、医師養成のネットワークが必要だと。そうい った特定機能病院がプログラムの中心に位置することが望ましいのではない かと、個人的に考えております。  同じ質問で、(2)専門医療とか高度医療の提供については、先ほど述べ たとおりで、特定機能病院による高度医療の提供については、地域の中核病 院として位置付けられるべきと考えております。総合的な高レベルの専門診 療集団であることが重要であります。そのためには十分なマンパワーと、設 備、器機、予算措置が不可欠と考えております。また、個々の診療機能が、 先ほど申しましたように情報開示されていること、また、医療評価がなされ ていることが、特定機能病院として最も重要なことではないかと考えており ます。  5番目に、もう1つの課題で「医療連携体制、専門医療や高度医療の提供 にあたり、医育機関はどのような役割を担うべきか」、ということを問われ ております。冒頭にも述べましたが、大学病院は設置基準上、教育研究病院 として大学に設置が義務付けられております。また大学の使命は「知の創造」 と「知の継承」であると私は考えております。知というのは知識だけではな く技術とか、特に医学領域では倫理とか態度とか、あるいは文化などを含む 総合的なものが知であると考えており、これを新たに創造し、なおかつ継承 する。すなわち教育することが大学の使命であると考えております。  一方、医療法上は、先ほども申しましたが大学病院は患者への診療を通し て、医療体制の中で一定の診療分野を分担する一病院という位置付けにあり ます。医科大学は大学病院の高い診療のアクティビティがあってこそ、教育 研究が展開できると思っております。地域の基幹病院として高いレベルの診 療を提供する役割を果たすと共に、学部学生の卒前教育、学生臨床実習はも ちろん、卒後の初期研修、専門研修、また専門医の養成、新しい医療技術の 開発、検証等を行うに足る高いレベルの診療、高度医療を展開すべきと考え ております。  その課程で、もしプライマリケアが足りないということであれば、地域の 医療機関とも連携し、また、専門研修が必要であるならば、専門病院と連携 して専門医の養成を展開する必要があると思っております。医育機関である 大学病院は、ほぼ全診療科を網羅して、あらゆる疾患に広く深く対応できる 専門医師集団でありまして、連携病院を含めた全診療領域に亘る研修施設群 を形成することのできる重要な拠点施設になり得ると考えております。これ は当然すべての診療科、例えば眼科、皮膚科、放射線科、麻酔科、すべての 領域の医師を養成しなければいけないわけですので、これは1施設ではとて もなし得るものではないと思っております。この研修施設群は地域の都道府 県レベルで構築されることが望ましい。せっかく、各県に少なくとも1校の 医科大学が設置されておりますので、これを潰すと言ったら失礼ですが、そ の方向に行くのではなく、むしろこれを充実し、活用してはどうかと。そし て、大学病院自らが専門医の養成を行うと共に、地域の連携病院を含めた卒 前・卒後の医師養成のプログラムディレクター、ダイレクターの役割を担う べきではないかと考えております。  6「終わりに」ということでまとめでありますが、特定機能病院には、(1)、 高度医療の提供、(2)、高度医療技術の開発および評価、(3)、高度医療に関す る研修。この3つの役割が課せられているが、単に技術的に高度で先進的な 医療のみを扱うだけでなく、一般の二次医療機関では対応が困難な高度の医 療を総合的に担う能力が求められていると考える。当然のことながら、高度 医療を担うべき特定機能病院には、厳しい承認要件と相応のオブリゲーショ ンが課せられるべき。また、個々の医療について診療能力や治療成績等、機 能評価についての情報が広く開示されることが不可欠と考える。  一方、医療計画の中でいかに医療提供体制を整えても、専門的医療を担う に足る技術、技能を有するレベルの高い、それぞれの領域の専門医がいなけ れば医療機関としての機能を発揮することは困難である。医療提供体制を構 築するにあたっては、レベルの高い専門医をバランスよく如何に養成し、適 切に配置するかという視点からの検討も極めて重要と考える。大学病院は医 育機関として高いレベルの診療を展開するとともに、明日の医療を担う医師 の養成と、医療技術の進歩・発展の拠点としての役割を担うべきと考えると いうことです。専門医については家庭医なども1つの専門性があるのではな いかと考えております。  次に、参考資料です。これは大学付属病院の病院長、医学部長にいろいろ なアンケートをいたしました。その中の大学病院のところだけを抜粋したも のです。「白書2003」から取りました。もちろん教育施設ですので、1とし て、大学病院の教育機能についてどうでしょうかという設問です。卒前教育 が第一という方が国立と合わせると70%。臨床研修が2番目ですよという方 が6割ぐらい。専門教育が3番目で56%。生涯教育も、4番目には必要だと いう方が9割近くありました。  2、生涯教育について、先ほど4番目ですよと言いましたが、「大学が関 わるべき」というところが83%。3、地域とのかかわりはどうでしょうかと いいますと、「教育機能とともに地域の中核病院であるべき」という答えが 全体の96%でありました。「教育機能が主だ」という方は4%にすぎなかっ た。  4番の現状はどうですかですが「現状でも地域の中核病院としての役割を 果たしている」とお答えになった方は9割であった。5番目の研究開発の予 算、人員、スペースについては、ほとんどの方が「不足している」と。  6、採算性と教育研究機能について工夫していますかとの質問に対しては、 効率化を推進しているのだと、例えば支出は合理化したり、人員の有効利用 を図ったり、いろいろなことをしている所が82%。また日数を延長したり、 時間を延長したりという所は18%でありました。院長は専任化したほうがい いかという問に対しては、ほとんど検討している所が多い。経営の専門化を 導入している大学もあります。また、検討中の所もあるということで、以前 の研究だけをやっておればいいという大学ではないということが、お分かり いただけるかと思います。  7、特定機能病院について、これがいちばん本日の課題かと思います。国 立大学では、特定機能病院の要件はどうでしょうかと。適切だという方が大 半でした。要件が厳しいわりに恩恵が少ないとか、都市と地方で多少異なる ので一律にしないでほしいという意見もありましたが、大半な方は、よろし いと。公立も要件は適当であるがメリットが少し少ないと。私立は要件も厳 しいしメリットも少ないと。私は、特定機能病院は厚生労働省からかなり手 厚い支援をいただいていると考えております。  8、診療報酬は、診療報酬だけで医師養成の教育経費はなかなか難しい、 何らかの予算措置をしてほしいという方がほとんどでした。9、外部評価に ついては、まだあまりしていないという所が多い。これは是非、充実する必 要があると思います。10、外部評価の項目は、やはり診療機能を評価すべき という方が6割近い。あるいは、地域とのかかわりについての項目を入れる べきである。  11、教育機能はどうでしょうかと、当然入れるべきという方が9割。12、 安全委員会などもほとんどの大学で設置されております。13、教職員も不足 していて非常にオーバーワークである。14、過重労働に対して検討をいろい ろしているという所が7割。15、また今までのように第一外科とか第一内科 とか、そういうことはもうやめて、臓器別に再編、統合、これはすでに4割 が行われております。それから56%が検討を行う予定と。予定なしというの は、すでに済んだのかどうか知りませんが4%ありました。  それから、16、学部とか大学院と臨床系教員と診療科の医師を併任すべき かという課題ですが、併任すべきという方が半分。併任しなくていい、別々 にしてほしい。また、1人で全部やるのは難しいと考えている方もおられま す。これはその目的がちょっと分からないのですが、別であってもいいので はないかという方も2割。別々できちんと人員が確保されれば、それにこし たことはないと思います。  「まとめ」として、現在の教育機能病院としての大学病院は、地域の基幹 病院としての役割を果たすと共に、その目的である教育・研究・診療の各分 野を総合的に行うことが求められており、そのためには、予算・人員等大学 病院の運営に不可欠な要素があまりにも不足している。また教職員がオーバ ーワークになっている。そういうことで予算も充実してほしいというのがア ンケートの要約になると思います。 ○部会長 どうもありがとうございました。先ほどの事務局からの説明と、 ただいまの吉村参考人のご説明、そして、資料1、あるいは吉村参考人から ご提出いただいた資料に関するご質問も含めて、自由に意見交換をお願いし たいと思います。 ○村上委員 特定機能病院は高度の医療、しかも新しい医療をやるのがもっ ともだということはよく分かっております。そのために現在大学病院が大変 苦しい思いをしているというのは分かります。診療報酬の点数の付け方をも っと考えていただきたいと思うのですが、この中に医師の養成に関しても 「医師養成教育経費の捻出は困難」というアンケートが出ております。これ は何も特定機能病院だけではないのであって、病院代表として言わせていた だきますと、現在の研修制度に対する財政措置については、特に研修医の教 育に対する財政措置は非常に少ない。これは診療報酬でみていると言われて いますが、たった30点しか付いていない。この辺のところは、研修病院に対 して考えていただかなければいけないと思う。特定機能病院だけの問題では なく追加させていただきたい。  更に言わせていただくと、特定機能病院と一緒にやっている、特定機能病 院は管理型でありますが、協力型の病院に関しては更に予算措置が付いてい ないという問題点も、どこかで言いたいと思っていたので、今回言わせてい ただきます。  もう1点付け加えますと、特定機能病院のいろいろな決め方において、い ちばん私が気にしているのは、看護師が2.5:1という、これは何とかし ないと。これで本当にいいのでしょうかということを申し上げておきたいと 思います。 ○古橋委員 ただいま村上委員からもありましたが、特定機能病院という、 患者の視点といいますか、国民の側からも考えてみる必要があると思ってお ります。いま吉村参考人からご説明がありましたとおり、本当に特定機能病 院というのは、高度先進医療、救急医療、この時代の先駆的医療を担うとい うことは、多くの国民の期待でもあり、私たちもそれなりに理解していると ころです。承認を受ける段階で、私はここ6年ほどから特定機能病院で発生 してきた医療事故を考えますときに、特定機能病院におきましては安全性を 確保する体制と、そこの機関としての倫理的意識の整備がとても大事だとい う気がしております。そういう点では、特定機能病院を位置付けますときに、 安全体制と倫理的意識の体制とか風土とか、そういうことを明解に謳えない かという気がしております。  それと、いま村上委員から言われましたように、安全性に直結することで ありますが、現在の特定機能病院の職員の配置要件の中で、看護職は何と 2.5:1です。これは医療法に一般病床が3:1となっているので、少しだけ 手当をして2.5:1という論理があったとしたら、本当にこれは情けないこと です。現在の特定機能病院は、2.5:1の病院は1つもありません。必要に迫 られて皆2:1になっておりますが、実態は1.68:1ぐらいになっているわ けです。これでも昼間、特定機能病院という密度の濃い医療をやっている病 院で、患者が日勤で大体7、8人に1人のナースがつく。夜ですと2:1で は、18人から19人で1人。よくても15人程度に1人のナースがつくという 実態です。中医協絡みの分科会の評価でも、夜間などは医療密度が濃くなっ ておりますので、DPCを取っているという意味での特定機能病院は、患者 の吸引の頻度が減ってきている。あるいは夜の不安や苦痛や心の問題には手 当できなくなっているという調査結果も出ております。  私は皆様に思い起こしていただきたいのです。1999年神奈川県下の市立医 大で起きました患者とり違い事故の実態は、1人のナースが心臓と肺の手術 を受ける患者2人をストレッチャーでお運びしたと。これが特定機能病院と いう高度医療をやる所の実態です。そういう点からいきますと、現実すでに 1.68:1ぐらいになっておりますので、私は1:1、特定機能病院は1:1 を置いていただく必要があるだろうと思っております。1:1にしても昼間、 大体4、5人に1人。夜7、8人に1人のナースがつくという結果になるの です。  そういう点では、高度先進医療としての特定機能病院には、まず安全性が 期待されていると思いますので、そういう点で看護職員配置については抜本 的な改めがいると思っております。  もう1つは、特定機能病院の機能の1つに「高度先進医療の研修」という ことが書かれております。これは何も医師だけの研修ではありません。特定 機能病院はチームで医療を遂行しているわけでして、新人看護職員が特定機 能病院で業務するための研修、これは改めてきちんとしたプログラムが必要 と思っております。そういう意味では、特定機能病院にきちんとした指導体 制、看護職に対する専任の指導職員の配置等が整備される必要があろうかと 思っております。 ○豊田委員 特定機能病院が発足して13年になるわけですが、その間、いま ここにも出てまいりましたとおり、いろいろな問題も出てきて、一応評価で きるいろいろな条件がすでにまとまっていると思うのです。現在は大学病院 とナショナルセンターを含めて82の病院しか指定されておりません。この13 年間の間にも、それぞれの病院の機能は高まっているわけです。  まず1つは、特定機能病院を承認する要件が病院単位になっているという こと、これは見直すべきです。大学病院以外にも、ここで書かれているよう な高度医療を提供できる病院が増えているわけですし、各領域ごとに特定機 能を承認していくという形に改めていかないと、常にこれは大学病院とナシ ョナルセンターに対するいろいろな議論だけに終わると思います。したがっ て、承認の基準を変えることが1つです。  特定機能病院の承認に当たっては、高度の医療を提供する、その中で要員 を養成していく、これは一体だと思います。しかしながら、もう1つ、高度 医療の研究開発、開発・評価、こういったことがこの中に入っているわけで す。これはいろいろな意味で考え直す必要がある。大きな問題としては、こ の部分に非常に費用がかかる、これを診療報酬を倍にしますとか何とかとい う話ではないと思います。日本の医療の将来を考えるとすれば、この部分に ついては別の、診療報酬ではないところで手当すべきです。逆にこれが要件 としてあると、市中の一般病院では、なかなか承認を受けられないという問 題もあります。3つの要件のうちのこの部分は別に考えることが、この際必 要ではないかと考えます。 ○杉町委員 ナショナルセンターあるいは大学病院以外でも、特定機能病院 にふさわしいような診療科を持っている所がほかにもあるだろうと感じてお ります。もう10年余り経ったわけですから、特定機能病院として認可を受け ている病院で、実際に高度先進的な医療の提供をなされたかどうか、高度先 進医療の開発がなされたかどうか、高度先進医療の研修が実際になされたか どうか、という検証が必要ではなかろうかという感じを持っております。  もう1つは、高度先進医療に力を入れる病院、特に大学病院、ナショナル センターみたいな所でありましたら、有床診療所や無床診療所、あるいは一 般病院からの紹介状を持って来て、ある程度病気が絞り込まれたような病気 を診るような、そのような病院であってもいいのではなかろうかという感じ を持っております。 ○佐伯委員 以前のときに何回か質問させていただいているのとほとんど同 じことなのですが、安心してかかれる病院なのかと。大きな病院として医学 部の学生もいるとか。北里大学病院は非常に配慮がありまして、いろいろな 所に「学生を育ててください」ということで臨床実習をやっている学生が来 ますが、「そこは教育の一環です」と、患者からも「是非、厳しく育ててく ださい」というメッセージを出していらっしゃるのです。これはかなり特殊 なことだと思います。  ほかの大学病院は、学生であると言ってはいけない、研修医と名乗っては いけない、と指導していらっしゃる所も、私、実際聞きました。そういう所 にまいりまして、高度医療と思って期待して行きますと、実験台にされると いいましょうか、教材にされているという現実はあると思います。  1つ疑問に思いましたのは、今日吉村参考人からお聞きいたしましたのは、 全部私見ということですが、これは会議として、そういうことについての一 定の統一見解があるのかどうかという点。  もう1つ、最近東京大学が出版した本で、『これからの医療と医学部のあ り方』というタイトルだったと思いますが、その中を読んでいますと、東京 大学では医学部の学生の教育はやらないで、高度な診療と研究に特化しよう ではないか、というような文脈があったと思います。その辺りも、いま平成 17年でありまして、いただきました資料は平成14年の調査ですので、臨床研 修の制度も違っておりますし、最近の会議での意見のやり取り等を、お聞か せいただければと思います。 ○部会長 これは吉村参考人へのご質問になりますかね。簡単にお答えでき る範囲でどうぞ。私見と会長としてのご意見があると思いますので。 ○吉村参考人 ご意見ありがとうございました。実は、私見であると申しま したが、これはある程度いくつかの私大協の先生とか、あるいは国立大学院 長会議の先生方ともお話をした上で、本日の私の意見をまとめました。全部 ではありませんけれども。  先ほど教育のことをちょっと言われましたが、教育はいま医学部では大変 に改革が進んでおります。ご承知のように、例えば、前ですと1時間目に内 科をやって、2時間目に皮膚科をやってというようにバラバラしていたので す。最近はブロック制といいまして、例えば、3週間は内分泌なら内分泌だ けをやるとか、午前中講義して午後実習をやるとか。あるいは、循環器を2 カ月やって、午前中講義をして、すぐ実習をやるとか。あるいは、ご承知の ように共用試験やカリキュラムの改訂など、大学をあげて非常に教育には取 り組んでおります。ですから、いまの東大が学生教育をやらない、というの はちょっとびっくりしました。むしろ東大の先生方は先頭をきって、学生の 実習を充実したいと。そして、卒前から卒後、さらに初期、後期と一貫して、 是非研修システムを作りたいということで、いまあちこちの部会で検討をし ております。  それから、学生がいるから危険ではないかという。確かに学生なら、しっ かり分かるようにしていただきたいと思います。例えばメイヨクリニックな どは米国の一流病院ですが、メイヨメディカルスクールのティーチングホス ピタルになっており、ティーチングホスピタルは皆一流病院です。当然ティ ーチングホスピタルでは学生もいますし、レジデントもいますしスタッフも います。  先ほど事故のことが問題になりましたが、もちろん、うっかり事故、技術 の未熟な事故、システムの事故といくつかあると思います。例えば未熟なた めの事故というのは、指導医とか、指導体制、あるいは管理者の責任です。 欧米では、例えば事故があったり、合併症があったりすると必ずそういった ことを評価して、1年ごとに契約をして、事故の多い人はもう契約しないと いう自浄作用が働いています。そういった管理システムといいますか、そう いうものをしっかりしていくことが未熟な医師の事故には大事だと思います。 うっかりミスは、ダブルチェックとか、ネームタグを付けるとか、薬剤をコ ンピューターで管理するとか、いろいろな方法がとられています。システム は、やはりいろいろな事例をフィードバックしたり、他の職種からのチェッ クをしたり、再教育をしたり、こういうことは全国の大学病院で、または、 一般の病院でも多分取り組まれているのではないかと思います。 ○佐伯委員 いまメイヨクリニックとティーチングホスピタルという言葉が 出ましたが、大学病院がいま高度の技能を持ったということと、ティーチン グホスピタルと全く異質なことをやっている現状なので、患者としてはとて もかかって不安だということがある。今後、ひょっとしたらどちらかを選択 するとか、棲み分けをするという発想はありませんか。 ○吉村参考人 教育は、当然高度でレベルの高い、しかも指導医がしっかり いる施設で研修がなされるべきだと思います。ただ座学で講義だけをしてい れば、それでよろしいということではない。学生はもちろんそうですが、卒 業してからも切磋琢磨、いろいろなディスカッションをしたり、診断の過程 を学んだり、適応を学び、適応された手術なり、それがどのような経過でど ういう結果をもたらしたかというようなことを、しっかりと経験を積んでい かないと、いくら本を読んでも、私はしっかりとした一人前の医師は育たな いのではないかと。そういう意味で高いレベルと。ただ大学だけでできると は私は思っておりません。連携した中で、5年なり、10年、15年とかけて、 しっかりとした専門医を。そういう意味で、これからの専門医のあり方は大 きな課題になってくると思います。 ○龍井委員代理(花井参考人) 吉村参考人に質問させていただきたいと思 います。3点ほどあります。  1つは、3頁のいちばん下に「特定機能病院の中で云々」とあり、「診療 能力、成績の開示が不可欠である」とあります。成績の開示というのは、具 体的にどういうことを指しているのか教えていただければと思います。  それから、4頁の(1)「専門医の養成について」という所、3つ目のパ ラグラフにあります「各医療機関が研修医を奪い合うような現状は憂慮すべ き状況である」とあります。臨床研修制度が始まって、研修医がプログラム によって選択していくことはいいことではないかというのが、患者の立場、 国民の立場に立ったらそういう認識のほうが強いと思うのです。逆に「奪い 合う現状を憂慮すべき」というのを、もう少し具体的にお話いただければと 思います。  3つ目は、高度な治療を行う医療機関であっても、最後は患者が退院した 場合に在宅に戻るということがあり得ると思うのです。地域における在宅医 療との関わりとか、あるいは、さまざまな高度な知識を持つ医療機関として の貢献について、どのようなことが検討されているのか、話し合われている のかがあれば、教えていただきたいと思います。 ○吉村参考人 簡単に述べさせていただきます。情報開示については、特に 専門医について、いま大変話題になっていると思いますが、例えば外科の専 門医は5年間のプログラムで取得できます。これは単に2年間の臨床研修を 終えた後、例えば消化器を50例とか、心臓とか呼吸器10例ずつとか、研修 を終えたというだけの専門医になっております。ですから、研修を受けまし た、その領域を担当していますよというのが現在の専門医です。今日、北村 先生もおいでになっておられますが、心臓血管外科専門医というのは、外科 の専門医を取った後、トータル7年のプログラム、そのうち3年間は指定の 施設で一定以上の手術経験を有する。例えば、術者として、いま20例。これ がやがて50例になるということです。また、助手として40例の心臓手術に 携わると専門医として認定されております。  現在の専門医というのは、皆さんが考えていられる本当に技術の高い専門 医とは必ずしも同じではありません。これはある意味で単に標榜科を示して いるだけの専門医にすぎないという意見もあります。それと、実際には技術 の認定も必要になると思います。これは専門医の認定機構に私も北村先生も 理事として入っております。やはり標榜専門医は、しっかりした技術の認定 が必要だと思います。技術認定というのは、もちろん夫々の施設における診 療科のダイレクターがいちばんよく分かっているわけです、その人の技術は。 麻酔科の医師とか、内科の医師でも、各施設の診療科の中で判断されること が1つと。しかし、社会的には第三者機関のようなものによる、オンサイト インスペクションを行うとか、あるいはビデオを見たり。そういうことでし っかりとした技術認定が必要となると思います。  特に心臓外科領域では、例えば心臓外科といいましても虚血性疾患、弁膜 疾患、小児の先天性心臓疾患、大動脈疾患など、さらに細かく専門性に分か れておりますが、それを現在のところは全体で20例経験したとか、50例経験 したとかということで専門医になっております。実際には、そこから更に、 何回も申しますように、専門研修を経て、経験を積み、本当の意味の専門医 に育つわけです。もちろん、特定機能病院のスタッフの人はほとんど専門医 を持っております。専門医を持っている人だけではなく、それからさらに経 験を積んでいきますと、医科大学ですと助手に入り、ある程度のレベルに達 すると講師とか、講師からさらに一定の技術があるとか、それなりの管理能 力があると助教授とか。教授となりますと全国公募となります。  以前は確かにご指摘のように、医科大学の教授は研究とか論文中心に選ば れておりましたが、現在は国公立すべて診療能力を非常に高く評価した上で、 選ぶことになっております。これは私見ですが、専門医かそうでないかでは なくて、技術のグレードもあると思うのです。例えばAランクとかSランク とか。そういうものがあれば、ここにはBランクの医師が5人いますよ、S ランクの人もいますよというものが出てくれば、そういうものが将来開示さ れるといいますか、専門医のところでしっかりとした技術認定がされるよう になれば、また変わってくるのではないかと。是非、そういう方向にいって いただきたいと思っております。  もう1つは、研修医を奪い合うと。これは失礼しました、ちょっと表現が 悪かったかもしれません。初期研修は大変に結構で、プライマリケアの、お そらく2年間でかなりの力がついたと思います。ただ2年間の研修を終わっ て、それで皆さんハッピーかといいますと、これからだと思うのです。2年 間で全て終わって、これで日本中どこへ行っても立派に診療ができるのであ れば大変結構だと思いますが、2年間終わった後、プライマリケアをやるに しても、へき地に1人で行くにしても、やはりそれなりの経験が必要です。 そのシステムがちょっと。  皆さんあまりにもプライマリケアばかりに焦点が当たりまして、良かった とホッとしているが故に、それが終わった後、各診療機関が自分の所でその まま研修を続けさせたいということで、大学は大学で、あるいは自治体病院、 国立病院がそれぞれ頑張って、頑張っておられるのですが、それがいい方向 であればよろしいかと思いますが、必ずしも、本当にしっかりとした指導で きるような病院でないような所でも、そのまま研修医の人がずっと研修を続 けるというのは、いかがかなというのが私の意見です。奪い合うという表現 が悪かったら訂正させていただきます。しっかりとした後期のシステムを作 っていくことを医療界全体で考えていきたいと考えております。  最後の在宅のことですが、当然高度医療が終わりましたら、それなりの地 域の連携病院との間で地域連携室とか、今いろいろなことが行われておりま す。これはもう大学に限らないと思います。多くの高度医療機関では、連携 もしながらその役割分担というものをしっかりと構築しないと、当然システ ムは成り立たないと思いますので、委員のご指摘のとおりだと思います。 ○部会長 ありがとうございました。おそらくまだまだご意見はあろうと思 いますが、時間が少し過ぎておりますので、ただいま出されました意見を踏 まえて、事務局のほうで論点整理をしていただいた上で、できればもう1回、 短くてもご議論をいただければと思います。今日、まだご意見を言われなか った方もあろうかと思いますが、特定機能病院は非常に多面的な問題を含ん でいると思いますので、もしございましたら、事務局のほうにペーパーで出 していただければよろしいかと思います。それではお忙しいところ、参考人 の吉村先生、ありがとうございました。  では、次の議題である「有床診療所について」の議論をお願いしたいと思 います。大体40分ぐらいで終えたいと思います。参考人としておいでいただ いております内藤哲夫先生は、全国有床診療所連絡協議会会長でいらっしゃ います。よろしくお願いしたいと思います。 ○内藤参考人 このように医療部会で発言の機会をいただきまして、誠に感 謝しております。本医療部会ではすでに有床診療所の現状の説明や論点の整 理が進められていると理解しておりますが、それらを踏まえた上で、本日は 現場の有床診療所の開設者の立場から、お話をさせていただきたいと思いま す。現状をさらにご理解いただくと共に、将来方向についての我々の要望を、 ご理解いただければ幸いだと思っています。講演に先立ち、我が国における 有床診療所(一般病床)の変遷の経緯と、その存在意義など、現状について の資料を提出しましたので、お読みいただければと思います。 ☆PPT 内容は、地域の中での役割、現状、課題、将来に向けた展望、制 度・基準、診療報酬に関する要望ということで、分けて話させていただきま す。 ☆PPT 「地域医療の中での役割」については、有床診療所が地域に根ざ して住民に密着した医療を行っていることは、すでに皆さんもご存じのこと ですが、改めて申し上げますと、有床診療所の地域医療での役割は、大きく 分けて2つだと思います。1つ目は、身近なかかりつけ医機能というのがあ ります。地域連携の中での中心的な役割を果たすと共に、専門医療も提供す ることができます。全国の有床診療所の中で救急告示医療をやっている医療 機関は、11.6%あります。中には外科の手術、胃の手術、胆嚢の手術、腸閉 塞の手術、整形外科では骨折の手術など、専門的にやっている人もたくさん おります。全て専門科としてやっているわけです。  先ほども専門医のお話がありましたが、有床診療所の中では外科の専門医、 内視鏡の専門医、整形外科の専門医というのが多数おりまして、専門医的な 手術をやっている所が多いのです。脳外科の手術をやっている所もあり、非 常に活発に脳外科専門でやっている有床診療所もあります。産婦人科に至っ ては、日本全国の出産の大体47%が、有床診療所でお産をしているわけで、 日本の産科においては非常に貢献しているということをご報告申し上げてお きたいと思います。眼科の専門医もいます。耳鼻科もいます。各科に亘って 単科で標榜しているのが有床診療所の特徴で、何でもやるという有床診療所 はあまりありません。長い間、大学病院または国公立病院といった大病院で 自分で仕事をして、自分にある程度の自信が持ててから有床診療所を開設し ている人がほとんどです。  2つ目は、高齢化社会に向けても、多様なメニューを提供しています。も ちろん訪問看護ステーションもありますし、在宅医療、内科の訪問診療とい うのは、1医療圏に216件もやっている所があります。 ☆PPT 地域医療の中での役割ですが、地域医療の中では実際に多様な機 能を果たしています。本年2月に日本医師会と全国有床診療所連絡協議会は、 協議会会員を対象に、大規模な実態調査を行いました。診療科ごとに入院患 者の病気を見ると、施設ごとの違いはあるものの、有床診療所が多様な専門 科的入院医療を行っていることがわかります。急性期、亜急性期、慢性期と、 いろいろな医療の段階がありますが、それらを現実に行っているのが有床診 療所です。 ☆PPT 地域医療の現状を申し上げますが、まず歴史的な経緯を先に申し 上げたいと思います。これは医療部会でもお話があったかと思います。そも そも医師が病床を持って開業するということは、我が国でずっと昔から行わ れてきた医業形態でした。ところが戦後、日本が爆撃で広範囲にやられて、 昭和23年に占領軍によって、GHQの下でつくられた医療法第13条の48時 間規定が、いまでも残っているのです。いわば取り残されたのが有床診療所 です。ただし昨年、厚生労働省より48時間制限の「診療上やむを得ない事情」 についてという、より広い解釈の通知がなされました。 ☆PPT これがそれです。有床診療所の地域医療の中での問題は、いろい ろ考えられておりましたが、医療法第13条では「診療所の管理者は、診療上 やむを得ない事情がある場合を除いては、同一の患者を48時間を超えて入院 させることのないよう努めなければならない。ただし、療養病床に入院して いる患者については、この限りではない」となっています。 ☆PPT しかし現時点で48時間規制があるにもかかわらず、入院患者の平 均在院日数が16.6日、一般病床の平均在院日数が2日(48時間)以下という のは、3%に過ぎません。入院して2日で治れば主治医は帰すわけですが、 お腹の手術をしたり整形外科の手術をした人や内科的にも重症の人は、とて も2日では帰れないわけですから、この16.6日というのは、全国の平均がこ うなったということです。 ☆PPT これは非常に小さくて分かりませんが、皆さんにお配りした「現 状(1)」というのをご覧になっていただくと分かります。先ほど申し上げ た「診療上やむを得ない事情がある場合を除いては」というのが、どういう 場合かわからず、非常に漠然としています。私は横浜ですから、横浜市の衛 生局長に問い合わせました。そうしたら横浜の衛生局長から厚生労働省の総 務課長宛に、「診療所における患者の入院について」という疑義照会が行わ れたのです。「医療法第13条において、診療所の管理者(医師)は入院させ ている患者を48時間以内に退院させるように努めるべきと規定されています。 しかし、医師が、患者の病状等を十分に検討した結果、当該患者が当該診療 所において引き続き治療を受けることが適切であると判断した場合、同条の 『診療上やむを得ない事情がある場合』に該当すると考えられますが、この ことについて御教授願います」と、去年、医政局総務課長宛に出したわけで す。これに対して医政局総務課長から横浜市の衛生局長宛に、「診療所にお ける患者の入院について」という回答が来ました。「平成16年2月19日付け、 衛地医第383号にて照会のあった標記の件については、貴見のとおりと思料す る」という返事です。この通知は、診療所の医師は患者の病状等を十分に検 討した結果、当該患者が当該診療所において引き続き治療を受けることが適 切であると判断した場合は、医療法第13条の「診療上やむを得ない事情があ る場合」に該当するという結果になったわけです。  したがって第13条というのは、治療をする主治医が必要であれば、必ずし も48時間でなくてもいいことになるわけですが、中には48時間中に治って 帰る人もいます。しかし、それは主治医が「もう帰っていい」と言うからで、 胃がんの手術をしたり、腸閉塞の手術をしたり、いろいろな手術をした場合 とか内科的にも重症である場合は、どうしても48時間で帰れない場合が多い わけです。救急告示の所が全国には大体12%ぐらいあるわけですから、そう いう人を48時間で帰すわけにはいかない。48時間以上置いてもいいというこ とになれば、この医療法第13条はまさに現実に乖離した、空文化した文章と 言わざるを得ないので、これはどうしても第13条から廃止していただきたい というのが、全国有床診療所の意見でした。 ☆PPT 診療報酬の件を病院と比較して見ますと、ご覧になっていただけ れば分かると思います。「入院基本料5」というのは、病院の最低の入院基 本料です。そのいちばん低い基本料と有床診療所の最高の基本料を比較しま すと、病院のほうが1,223点、有床診療所の入院基本料のI群1(19ベッド の中に看護師が10名以上いなければならない有床診療所)においては712点 で、その差は一日500点以上あります。お金に直すと1ベッドにつき、1日 5,000円以上違ってくるということです。このような状態をいまも続けてい るわけです。 ☆PPT このようにスライドを見ますと、1979年ごろに全国で2万9,000 医療施設あったのが、経営不振でだんだん無床にし、いまでは全国で1万 5,300の有床診療所になったわけです。やはり入院させれば当直の医師も要 るし、看護師も置かなければいけない、食事も与えなければいけない、掃除 のおばさんも要るということで非常に経費がかかって、入院させても赤字に なって閉鎖する人が多いのです。中には入院では非常に収入が少ないけれど も、外来で努力したり、本当の高度医療と言いますか、胃の手術とか結腸の 内視鏡的ポリベクとか、その他整形外科、乳腺専門医等いろいろなことをや りながら、手術をしながら経営努力をしていく人もおります。しかし、そう いうこととはまた別に、こんなに苦しい経営なら止めようということで、ど んどん無床になっていって、いまでは最初のときの2分の1ぐらいの医療機 関になってしまいました。  ただ無床の診療所はどんどん増える一方です。前から見れば右肩上がりの 数になっています。病院はあまり変化がありません。このような状態を考え ますと、非常に厳しいということが言えるわけです。大体1日に5,000円以 上差が付くと、どのぐらいの差になるかを考えてみますと、経済性を見てい ただくと分かりますが、19ベッドあったからといって、19人満タンに入るわ けではありません。大体15人から16人というのが、全国の平均になってお ります。そういう状態で計算していっても、1カ月何百万円という差が付い てくるわけです。  しかし、中には医療の質が病院とほとんど変わらない医療をしている所も 結構多いのです。どうしてかというと、有床診療所を開業する人は殆ど、専 門科でやるわけです。何でも屋ではなくて、整形外科なら整形外科、消化器 外科なら消化器外科、眼科なら眼科、婦人科なら婦人科というように、自分 の技術を専門科として経験したことを標榜しながら開業して、地域に密着し た医療をやっているというのが現状です。 ☆PPT 現状が先ほどとは変わってきましたが、ここに無床化の理由を出 させていただきました。なぜ無床になったかというと、収入に比較して人件 費の比率が高く、経営上、非常に苦しいということです。例えば有床診療所 による収入を100としますと、入院から上がってくる収入が30%で、外来が 70%ぐらいになってきております。この点ではよほど経営努力をしないとで きません。  また有床診療所の先生方も、ある程度高齢化してきており、新しく開業す る先生が少なくなってきております。それは土地を買って診療所を建てて、 その借金を返済するだけの能力が、この入院基本料ではできないからです。 一晩入院させて食事を与え医師・看護師付きで、いちばん高い有床診療所の I群1で7,120円しかありません。これはもうビジネスホテルより安いので はないかと思います。それに本当はこんなに安くてやれるわけがない。これ を我慢して、今やっているというのが現状です。  こういう入院基本料の低額が、無床化の理由になっているのですが、本当 に医療機関の先生方のやる気がなくなってきているのです。又、一方第13条 の問題があるから、毎日びくびくしながらやっています。この第13条には57 年の経過があって、最近、看護師などの静脈注射の解禁が行われましたが、 あれも長い間の慣習として解禁されたわけです。このようなことを考えてい きますと、当然第13条の撤廃と合わせて入院基本料の問題も解決していかな ければ、無床化につながっていくのではないでしょうか。非常に地域に密着 した有床診療所、特に過疎地においては、有床診療所のベッドがなければ、 入院できない所もあるわけです。  去年、患者にアンケートを取って「無床にする」かもしれないと聞いたと ころ、それに対して12万件以上の患者から、「どうしても継続してくれ。是 非無床にしないでください」と言った投書が多かったと聞いております。今 後の国民の医療をどうしていくかという真剣な考えは、みんな持っているわ けですから、こういうことを考えながら、やっていかなければいけないなと 思っています。  また有床診の院長は35%が高齢化になっておりますから、精神的、体力的 な限界もあると言っています。それと同時に、人材確保も非常に苦しいわけ です。収入が少ないものですから、なかなか高額で人を雇うことができない ということで、人材確保が苦しくなっているというのが現状です。 ☆PPT これは省略いたします。 ☆PPT これも先ほどと同じことですから、省略させていただきます。看 護職員の配置はI群1か所で、本当は10人以上という所が、アンケートでは 14.5人となっております。非常に多くの看護師が配置されているところもあ りますが、それは特殊な医療をやっている所である。 ☆PPT 医師数ですが、1人でやっている「1人医師」の所が67%で、2 人が28%となっております。こういうことを含めて、「2人医師」の所をよ く調べてみますと、やはり親子、兄弟でやっている所が多く、新たに医師を 雇うだけの収入はありません。「2人医師」を入れた場合、去年は40点加算 されました。40点ということは400円です。それが19床で、平均が大体15床 ぐらいの入院ですから、掛けていきますと400円の15床は6,000円です。400 円加算したのを1カ月30日で換算すると、18万円か20万円にしかならない。 それで1人の医師を雇っていくというのは無理なことです。そういう問題も 含めて、今後は医療安全のほうに取り組んでいきたいと思っております。  最後に制度・基準・診療報酬に関する要望です。これは先生方皆さんに申 し上げているように、形骸化した、いわゆる空文化した非現実的な48時間規 制というのは、医療法第13条から撤廃していただきたいというのが、私たち の心からのお願いです。また我々は、人員配置に見合った評価をしていきた い。有床診は日本の医療の文化です。国民のために尽くすべく、我々は十分 に自覚して働いていきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いし たいと思います。 ○部会長 どうもありがとうございました。ただいまのご説明と提出いただ いている資料について、ご質問があれば、これらを含めて是非活発なご討論 をいただきたいと思います。 ○大橋委員 いま内藤参考人からお話をお聞きして、過疎地では有床診療と 病院とは同じ機能があるということでしたが、私も同じではないかと思って います。大変苦労していると思います。私のほうが田舎ですが、田舎へ行っ たら有床診療所しかなくて、病院がない所だってあるわけですから、現実に は有床診療所が病院をやっていたりするわけです。これは一例ですが、私は 小児科医です。自分が開業したとき、外科の先生がいました。外科、小児科、 内科、眼科、全部やっていましたよ。すごいなと思いました。小児科につい てもものすごく知識があるのです。  先ほど吉村参考人から、特定機能病院の専門医の養成ということで、経験 を積み切磋琢磨して、自ら勉強して努力してこそ専門医が育つと言われまし たが、まさに田舎で有床診療所をやっておられる方は、それをやっています。 オールマイティにできなければ駄目だよ、眼科から耳鼻科から全部できて専 門医に行くのだよと、先ほど吉村参考人が言っていましたが、それをやって いるのではないかと私は思いました。ですから48時間を撤廃して、病床を病 院と同じ点数にしてほしいというのは、私も感じました。私の所は無床にし たいなと思っておりますが。 ○小山田委員 地域医療を担っている立場から、意見を申し述べたいと思い ます。地域、特に地理的条件の悪い所での有床診療所の果たしてきた役割、 その功績は計り知れないことは、私どもも十分によく知っております。しか し先ほど来、お示しになられたように、この25年間に有床診療所が半減して いるという事実は何を物語っているのか。これについて私は2点に絞られる と思うのですが、いかがでしょうか。  1つは、経営が成り立っていかないということです。もう1つは、その有 床診療所を担っておられる医師の心身的な負担が、あまりにも多すぎるので はないかということです。この解決策としては、診療報酬の改定が是非必要 です。2番目の医師の心身的な負担の過重を減らすには、やはりどうしても 他の医療機関との連携、ネットワークが必要だと感じております。また、そ れに伴い、48時間の規制を決めた第13条の条項は撤廃すべきという意見です。 ○内藤参考人 実は無床にした理由の中に、やはり経営が成り立たないとい うのが大きな理由になっております。成り立たないというのは、入院基本料 が5、6年前からほとんど上がっていないのです。ナースなどの一人ひとり の人件費、時給などは病院と同じ人件費です。しかし入院基本料を含めた診 療報酬体系の値上げがなされていないものですから、それで苦しいというの が1つです。  もう1つは高齢化になったということです。そういう意味で経営努力をす るためには、いろいろなことで努力をしなければいけません。例えば手術を したり、いろいろな検査をしたりしていって立ち直っていくというのが経営 努力ですから、それになかなか追い付いていけない人もいると思います。そ ういうことが原因ではないかと思っています。 ○松井委員 これまで有床診が果たしてきた役割を、全く否定するつもりは ないのですが、おそらく大都会の状況と地方、あるいは過疎地における有床 診の役割は、もう少し違っている可能性があるのではないでしょうか。それ は大橋委員がご指摘のとおりのような気がいたします。  もう1つは、診療科によって本当にベッドが必要な場合と、そうでない場 合というのも違っている可能性があるのではないかと思います。そういう中 ですべて48時間の規制が不要かどうかということについては、もう少し考え ていただけないものでしょうか。内藤参考人の所は横浜ですが、横浜という と都会ではないかという気もするのです。例えば東京の23区内における有床 診などは、どのようなものとお考えになっているのでしょうか。  それから48時間は撤廃して、基準病床には含めない、さらには施設基準あ るいは配置基準はどのように考えて対応していかれたいのか。私としてはも う少し機能や類型などが分かれた形で、必要なものは病院のほうに寄ってい って対応していき、そうでないものはプライマリケアを一線で担ってくださ る方向に、機能分化を進めていただくのが筋ではないかと思うのです。もう 少し都会の状況とか、診療科による類型化ができないか、そのようなことを 教えていただきたいのです。 ○内藤参考人 今年4月30日に、広島で第18回の全国総会が行われました。 そこにも東京から数十人の有床診の熱心な人たちが来ました。やはり東京で もこの48時間の規制があるために、非常に心配しながらやっているというこ とです。  ご承知かと思いますが、名古屋と大阪で、新しく来た行政の係官がある診 療所へ行って、48時間以上入院させていたら、「明日退院させなさい」と言 って退院させるのに苦労したことがあるのです。そういうことが大阪でも1 回ありました。もう50年も続いている有床診療所の第13条が空文化している、 死文化していることが分かっているにもかかわらず、新しく来た方は知らな かったのです。文章に残っているために「帰しなさい」と言って、その中に 入っている患者が非常に怒って、「どういうことだ」と盛んに言われて来た のです。そこでそのときの指導課長に日本医師会から電話をして、大阪と京 都にお願いし、「実はこういうことだから」と言って、また病室に戻しても らったという経緯があります。  文章が残っていると、どうしてもそういうようになってしまうので、こう いう死文化した文章というのは要らないのではないかというのが、我々の意 見です。何も役に立っていない文章ですから、これは要らないのではないか ということを申し上げているわけです。先ほどある委員から、なくさなくて もいいのではないかとおっしゃる意味も分からないでもないのですが、あっ ても何にもならないものは、必要ないのではないかと思っているわけです。 ○山本(文)委員 私はいつもここで有床診療所も無床も一緒にして「開業 医」と言っていますが、医療における開業医の存在というのは特に過疎地域、 私が住んでいるような所では、大変重要な役割を分担していると思うのです。 ですから48時間規制で拘束するということは、現代の医療から考えていくと、 少し矛盾があるような気がします。  先ほどの内藤参考人のお話を聞いておりますと、開業医というのはほとん ど自分の専門で開業しているわけです。しかも私は、経験豊かな人たちが多 いと思います。私の町でも開業医がたくさんいますが、そういう人たち一人 ひとりを見ていますと、みんな内科、外科、耳鼻咽喉科、眼科というように、 全部それぞれの専門で開業しているのです。あれもやります、これもやりま すというような人はおりません。  「入院は48時間以上無理だ。できない。駄目だ」というように言われるけ れど、経験豊かな皆さんが開業しているのです。いまは、入ってきた患者を そのままどこかへ転送するということは、簡単にいかない時代なのです。こ れはもう皆さんもご存じだと思います。ですから、その人にお任せしたらど うですか。例えばこの人は3日いたらよそへ転院させることができるとか、 5日いれば退院させてもいいというようなことを、開業医の判断にお任せす る。そういう人たちが開業しているのですから、そこら辺りは少し規則の上 で考えたらどうかと思うのです。  もう1つは、私の所は人口が大体41、42万人くらいの医療圏で、中核病院 みたいなものがあります。そこには全科ありますが、3カ月以上入院する人 は置かないのです。3カ月経ちますと、「どこかへ転院したらいかがでしょ うか」と言って、病状のいかんにかかわらず、そういうことをやっているわ けです。それで私など、よくその相談を受けます。「どこの病院へ行きたい のかね」と言うと、「ここへ来きたい」と言うから、そういう所に頼みに行 ったことがいくつもあります。今でもやっています。  地域の実情から考えると、できれば有床診療所へそういう人が入っていく ということも必要ではないかと思います。ですから、そういう実態をもう少 し考えていただいて、有床・無床の診療所のあり方をはっきりと決めていっ たほうが、地域の医療としては、そこへ住んでいる人々にとっては、大変大 きく貢献します。言い換えますと、それが地域の医療として住民の皆さんた ちに、大きな安心感を与えていくことになります。いつまでも古いしがらみ に偏ってやるよりも良いと思います。  先ほどのお話によりますと「やむを得ないときは」と言っていますが、こ れが日本のいちばん悪い癖です。何でも「やむを得ないときは」というよう に必ずやる。これは医療に限らず、ほかのこともそういうようによくやりま す。ですから、そこら辺りをきちんと明文化していったほうが、開業医たち にはいいのではないでしょうか。  私は、全国には10万ぐらいの皆さんがおられると思います。そういう皆さ んたちが安心して地域の医療に貢献できるよう、そういう環境をつくってや ることこそ大事ではないでしょうか。もう要らないよ、そんなものは無視だ というようになると、我々のような田舎のほうは困るわけですから、そこら 辺りも配慮していただいて、有床・無床診療所の新しいあり方を見つけてや ることが、いちばん大事なことではないでしょうか。以上、私の意見として 申し上げておきます。 ○三上委員 48時間の規制を撤廃するかどうかについては、皆さんもういい のではないかという一定の意見だろうと思います。また診療報酬についても、 人員配置が十分であれば、病院と同じように付けてもいいのではないかとい う意見も、大体そうだろうと思います。  松井委員のほうからは、48時間規制を撤廃し、診療報酬を上げるのなら、 基準病床に入れて規制すべきではないかというお話でしたが、有床診療所は 病院のような大きな医療資源ではなくて、逆に言えばいまの地域医療計画と いうのは、二次医療圏単位で病床規制というか、基準病床数が決まっており ますから、ある程度大きなエリアの中の医療計画なのです。有床診療所とい うのは、やはり本当に小さな地域のニーズに応えて柔軟に対応できるところ が、今までずっと日本の医療を担ってきたいちばん大きなところだろうと思 うのです。そういう意味では基準病床に入れて病床規制というか、開設規制 がなされないように、いつでも開設できるような状態にしておくほうがいい のではないでしょうか。  地域の事情によっては、先ほど説明がありましたように、医師が1人でで きるということもあります。また以前に、看護師がいないのではないかとい う話も出ておりましたが、実際に調査いたしますと、いちばん低い看護師の 配置がゼロという所でも4人以上、患者も4人ですから1:1のような感じ になるわけですが、必要であれば必要なだけの人員配置がされているという ことで、その辺はもう地域にお任せするというのがいいのではないかと思っ ております。 ○龍井委員代理(花井参考人) いくつかの質問をしたいと思います。いま 48時間のお話が出ております。それから地域における役割というのは、私も 地方出身ですので、その辺は十分理解しているつもりです。それにしても今 後、医療機能をどういうように分担していくのか、地域の中でどういうよう に分けていくのかというときに、有床診療所が今後どのような機能を持って いくのかというのが、まず打ち出されるべきではないかと考えます。その上 で医療の質を確保することの1つの指標が、人員配置基準だったと考えてお ります。ですから看護基準を上げてほしいという要望が、患者側からも出て いるわけですし、もちろん、さまざまな医療団体からも出ているわけです。 そこも確保しつつ、その地域の中でどういう役割を果たしていくかというの がセットではないかと考えます。  それと同時に、もし地域の中の機能としてさまざまな機能が必要であれば、 19床で分けている病院と診療所の区分がどうなのかということも、併せて検 討される課題ではないかと考えます。 ○内藤参考人 先ほどから48時間を止めて、入院基本料のアップという問題 がありましたが、我々有床診療所のこの前の常任理事会でも、構造設備基準 を病院並みにしようということで大体やっています。いままで経過措置とし ては、1ベッド4.3平方メートルでした。病院も経過措置では4.3平方メート ルですが、新築あるいは造改築した場合は6.4平方メートルにしてくれと。 廊下幅も片幅1.8m、中廊下2.7mとするということで話合いで決まっている わけです。こういう構造設備基準は病院並みにあると思っていただいて結構 だと思います。 ○部会長 ほかにありますか。 ○古橋委員 ただいま参考人からたくさんの情報をいただきますと、規模は 19床以下と言えども、有床診療所も国民の医療需要に非常によく対応できて いること、患者からの要望もあること、あるいはへき地等で病院のないエリ アにおいては、有床診療所が病床として非常によい役割を果たしているとい うことを伺いました。私も経験的に本当にそうだなと思っております。  そこで疑問の1つは、そうであるならば、なぜ基準病床から外していくの かという疑問です。これは今後、医療計画が新たに動いていくときに、エリ アに暮らす人たち、地域の人々にわかりやすい医療提供体制と医療状況を、 情報的にどんどん提供していくことが、1つの柱になっていると思います。 そういう中で二次医療圏と言えども、町々には暮らすエリアというのがある わけです。そういう中で有床診療所だけは病院の数から外すという辺りは、 国民によく分かることなのかどうかということです。  規模が小さくても適切で、需要に応える医療が提供されているならば、私 は基準病床としてカウントして、そこに必要な提供できる医療の枠というか、 大きさというものを暮らす人々にお知らせする必要があるように思います。 そこが外れるとなると、都道府県の医療計画上もやや捻れてきたり、住民が 理解していく上でも、自分たちの暮らす地域にこうした基準病床という概念 があるという辺りについても、有床のあそこは違う、外れているということ では、私は素朴に疑問が生じます。  経営の問題もありますし、人の確保もありますが、国民が受ける医療の重 要な提供の場としては、やはり入院病床というところにカウントされて、初 めて応分の存在感もあるのではないかと思います。看護職としては、診療所 で働くことの大切さとか、いい看護ができるという辺りで、やはり療養環境、 労働環境等で整ってきている診療所というのは、大切にしていかなければな りません。自分たちが働かせていただく場として、きちんととらえていかな ければならないと考えております。そういう点でも私は、この基準病床から 外すことの意味がよく分かりません。むしろその中に入れた都道府県下の医 療計画があったほうが、人々にわかりやすいのではないかと思っております。 ○三上委員 いまのご意見に対して、答えさせていただきます。いわゆる基 準病床の考え方ですが、私はどこに何ベッドあるかという既存病床として換 算されるのは、別に構わないと思うのです。現在の基準病床制度というのは、 いわゆる医療計画の中の病床規制のための制度で、この中に入れられたら困 ると。既存病床として、ここに何ベッドあるかということを開示するのは当 然のことです。それと、地域によってさまざまな事情があることは、お分か りいただいたと思うのです。本来医師1人、看護師1人で有床診療所をつく らなければいけないような地域があるかもしれないけれども、規制法である 医療法で人員配置基準等を縛ることによって、できないということがあって は困りますので、そういう小規模のものについては、人員配置などは医療法 で縛らないほうがいいのではないかという意見を述べたわけです。 ○部会長 いろいろなご意見をいただきました。まだおありかもしれません が、有床診療所についても先ほどの特定機能病院と同じように、ただいまの ご報告あるいはご意見を踏まえて、事務局のほうで論点整理をしていただき たいと思います。参考人の内藤先生、どうもありがとうございました。  それでは、もう1つ議題が残っております。事務局から資料3、「看護職 員等の人員配置標準に対する経過措置の取扱いについて」の説明をお願いい たします。 ○企画官 1頁の上の四角の中に「中間まとめ」の文章を書いております。 平成12年の一般病床における看護職員の配置標準の見直しの際に設けられた、 へき地等や200床未満の病院に対する経過措置が、平成13年3月の施行で、 平成18年2月末の5年間で終了いたします。この経過措置の取扱いについて は、5年間というのが標準数を満たす看護職員を確保するために必要な期間 として設けられていますが、へき地等における配置の実態や、今後の人員配 置標準のあり方の議論を踏まえて検討を行い、早急に結論を得るものとする というように書いていただきました。1番の「現行制度と検討の必要性」は、 いま申し上げたようなことです。  2つ目の○にありますように、具体的に経過措置として適用されている範 囲としては、一般病床における看護職員、現行は3:1ですが、経過措置と して4:1というのがあります。あと精神特例の看護職員で、現行制度では 4:1ですが、既存経過措置では6:1です。感染病床の看護職員で、現行 3:1というのが本則ですが、経過措置としては4:1です。結核病床につ いては医師、看護職員、薬剤師とありますが、それらについて従前の数字が あります。これらについて医療法施行規則の中に経過措置として、平成18年 2月まではこの数字でというように書いてあるのが、現在の法令です。  なお2頁ですが、へき地等というのはどういう範囲かと言いますと、こう いう範囲だということで、(1)から(4)があります。全体はいま整理中ですが、 現状はどうなっているかということを、平成16年度の立入調査結果の中から、 この関係の分だけ抜粋をして集計いたしました。いま4種類の経過措置の対 象の話を申しましたが、それぞれについて現状はどうだったかということを ご説明いたします。  表のいちばん上ですが、一般病床を有する病院のへき地・離島等の病院が、 全国に466カ所あります。「○→○」と書いてあるのは、4:1の基準でも 3:1の基準でも満たしているのが460ということです。4:1は満たして いるけれども、3:1になると満たさなくなるというのが6です。現状で 4:1も満たしていないのが×ということで0です。  次の2つ目のブロックは、旧「その他の病床」ということで、200床未満 の病院が全国で4,108あり、同じく3:1をすでに満たしているのが3,844、 4:1なら満たしているけれども、3:1だと満たしていないのが213、い までも4:1を満たしていないのが51ということです。4,100のうちの200で すから、大体5%程度です。以下同様に見ていただけるわけですが、精神に ついても1,024に対して54ということで、大体5%程度という形で見ていた だけるかと思います。こういうのが現状です。  3頁のいまの看護職員等の配置状況を見ますと、経過措置の対象となって いる病院のうち、5年間の経過期間をもって経過措置が廃止されたとしても、 ほとんどの病院は引き続き本則の人員配置標準を満たします。経過措置の廃 止に伴い、配置標準を満たさなくなる施設は約5%程度です。ただ、これは 現在というか、平成16年度の調査でこうなったということで、これが平成18 年2月で切れるということであれば、来年3月になるまでの間に対策を考え ていただくという形になろうかと思います。こういう現状であることを踏ま え、経過措置の趣旨を考えますと、当初の予定どおり本則に戻るということ で、平成18年2月末をもってこの経過措置は終了し、これらの病院について 本則の配置標準を適用することにしたいと考えております。こういったこと はできるだけ早めにアナウスする必要があるだろうということで、本日の会 議にご報告させていただきました。 ○部会長 ただいまの説明、資料3に関する質問も含めて、ご審議をお願い したいと思います。ご意見はありますか。 ○山本(文)委員 これは今度、診療報酬を下げるための布陣ではないので すか。例えばいまは6:1が最低とすれば、最低を4:1に持ってくるとい うやり方をするのではないですか。そのための布陣のような気がするのです が、診療報酬とのかかわり合いは全くないのですか。 ○総務課長 私どもは診療報酬とは全く別の観点から、本来法律としては 3:1ということで決まったものを、当分の間の措置として経過的に設けた ものです。医療法のあるべき姿として、運用として今回経過措置を廃止して はどうかという提案で、診療報酬のことは全く考えておりません。 ○山本(文)委員 いま最低が6でしょう。それを上げると、最低が上がる ことになるわけです。率とか額は別として、いまの診療報酬でいくと6の所 の診療報酬が、今度最低として4に上がっていく可能性があるような気がす るのです。2、3年前に例の総料制にするという議論をだいぶした、あのこ ろにまた戻るような話もあるようです。この6:1あるいは4:1を3にす るとか、4にすることについては、それはいいと思うのです。それは当然や るべきだと思いますが、それが診療報酬の最低になっていくと、その分だけ 底上げになる。そうすると診療報酬がその分だけ圧縮されることになるわけ ですから、そういう心配をして、そういうように受けとめるのです。そうで なければいいのですが。 ○総務課長 来年の診療報酬改定については、先日もこの医療部会で保険局 からもご説明がありましたし、医療部会としても基本方針についてご審議い ただく予定もありますので、またそこでご議論いただければと思います。ま た今日の委員からのご意見については、保険局にお伝えしておきたいと思い ます。 ○部会長 よろしいでしょうか。それでは事務局からのご説明のとおり、経 過措置については予定どおり、来年2月で終了ということで、この部会とし て了承したいと思います。今後は事務局のほうで各都道府県を通じて、適切 な周知を行っていただきたいと思います。  そろそろ時間ですので、本日の議論はこれで終わりたいと思います。何か 特にご発言はありますか。それでは事務局から今後の日程等について、ご説 明をお願いします。 ○企画官 次回の日程は、10月20日(木)午前10時から開催の予定です。 場所および議題については、追ってご連絡させていただきます。お忙しいと ころ恐縮でございますが、ご出席いただきますよう、よろしくお願いいたし ます。 ○部会長 それでは本日はこれで閉会いたします。大変お忙しいところ、長 時間にわたってありがとうございました。 照会先 医政局総務課 山口、野崎 連絡先:03−5253−1111(内線2518)