05/10/05 社会保障審議会障害者部会(第28回)の議事録            第28回社会保障審議会障害者部会議事録  日時  :平成17年10月5日(水)15:00〜17:00  場所  :東京會舘丸の内本舘 ゴールドルーム  出席委員:京極部会長、嵐谷委員、安藤委員、伊藤委員、猪俣委員、江上委員、       大濱委員、岡谷委員、亀井委員、北岡委員、君塚委員、小板委員、       古畑委員、笹川委員、新保委員、高橋(清)委員、武田委員、丹下委員、       長尾委員、野中委員、広田委員、星野委員、松友委員 ○京極部会長  定刻となりましたので、ただいまから第28回社会保障審議会障害者部会を開催させて いただきます。委員の皆様におかれましては、お忙しい中お集まりいただきまして、ま ことにありがとうございます。本日は17時までの2時間の予定で進めさせていただきま す。  それでは事務局から、新たな職員も加わりましたので、その紹介とあわせて委員の出 欠状況並びに資料についての御説明をお願いいたします。 ○企画課長補佐  それではまず、前回の部会以降、厚生労働省内で人事異動がありましたので、新たに 着任した職員を御紹介させていただきます。  社会・援護局長の中村秀一でございます。  障害保健福祉部長の中谷比呂樹でございます。  大臣官房政策評価審議官障害保健福祉部併任の村木アツコですが、本日は所用により 欠席させていただきます。  障害保健福祉部企画課長の松嶋賢でございます。  現在おくれておりますが、障害福祉課長に藤木則夫が着任しております。  精神保健福祉課長の新村和哉でございます。  企画課社会参加推進室長の長田信一でございます。  大臣官房総務課企画官障害保健福祉部併任の横幕章人でございます。  続きまして委員の出欠状況ですが、本日は、岡田委員、小林委員、末安委員、高橋紘 士委員、堂本委員、福島委員から欠席との御連絡をいただいております。また、町野委 員がおくれていらっしゃるようでございます。  続きまして傍聴の関係ですが、今回多数の御応募をいただいておりまして、やむなく 抽選をさせていただいておりますことを御報告いたします。  続きまして資料の御確認をお願いいたします。資料番号は右肩に振ってございます。  資料1「障害者自立支援法案の国会への再提出について」。  資料2「平成18年度概算要求の概要」。  資料3「障害者自立支援法案の施行スケジュール」。  資料4は5種類ございます。4−1〜4−5まで、これは障害者自立支援法案のPR 資料ということでおつけしております。  資料5「障害程度区分判定等施行事業の実施結果」。  資料6「ケアマネジメントについて」。  資料7「新しい事業体系へ向けた見直しについて」。  資料8「障害福祉サービスの実施状況等について」。  最後に参考資料として、「平成18年度障害保健福祉関係概算要求の概要」。  資料は以上でございます。もし不足がございましたら御指摘いただければと思いま す。 ○京極部会長  それでは議事に入る前に、8月の人事異動で新たに社会・援護局長に就任されました 中村局長よりごあいさつをお願いしたいと思います。 ○中村社会・援護局長  改めましてごあいさつ申し上げます。8月26日付で社会・援護局長に就任いたしまし た中村でございます。本部会の委員の皆様には、平素より障害保健福祉に関して貴重な 御意見を賜っておりますことに対し、まず厚く御礼申し上げます。  前回の部会が7月12日でございました。障害者自立支援法案について前回以降動きが ございましたので、御承知の方も多いとは思いますけれども、私の方から御報告させて いただきます。  7月12日のときも途中経過を御説明申し上げましたが、衆議院で延べ36時間以上にわ たる審議と、9時間以上にわたる参考人質疑を行っていただいた上、前回の部会の後、 7月15日の衆議院本会議で一部修正の上可決されました。参議院に回りまして審議を行 っておりましたが、御承知のような事情で8月8日、衆議院の解散がございまして、審 議未了によりこの法律は廃案になったという結果に終わっております。  その後、総選挙が行われまして、厚生労働省としましては障害者自立支援法案を再び 国会に提出させていただくべく作業をしてまいりまして、9月30日の閣議で決定を得ま して、同日、現在開会中の特別国会に再提出したところでございます。この法案につい ては本日、参議院の方でまず審議をしていただくという運びになりまして、参議院本会 議において趣旨説明が行われ、審議が開始されているということでございます。  障害者自立支援法案は昨年3月から本部会で20回にわたって御討議いただき、その御 意見を踏まえた上で国会に提出した法案でございまして、市町村を中心として、障害の 種別にかかわらず一元的にサービスを提供する体制を整備する、今後とも必要なサービ スを確保するため、その費用を皆で支え合うという考え方に立って、在宅サービスにつ いては国及び都道府県の負担を義務的なものにするとともに、利用者負担の見直しもお 願いするということで、障害保健福祉施策はこれから一層強化していかなければなりま せんが、普遍的な仕組みに改革する大きな一歩となる法案であるというふうに私どもは 考えておりまして、早期成立をお願いしたいと考えているところでございます。  このように、これからの障害保健福祉行政にとって最も重要な法律でございますの で、この内容については、これから行政を担っていただく市町村の担当者はもとより、 一番大事であります利用者である障害者の方々を初め、国民の皆様に御理解賜ることが 最も大事ではないかと思っておりますので、本日の資料にも出させていただいておりま すが、いろいろ御理解をいただくための資料も作成したところでございますので、後ほ ど委員の皆様からもこの点について御意見をいただければ幸いと考えております。  障害者をめぐる施策については課題山積と思っておりますが、障害のある方が地域で 普通に暮らせるように支援することを施策の基本に、新しい部長とともに精いっぱい努 力してまいる所存でございますので、引き続き御支援、御協力のほどよろしくお願い申 し上げまして、ごあいさつとさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。 ○京極部会長  ありがとうございました。それでは議事に入ります。7月12日に開催されました前回 の障害者部会では、過去の障害者部会の資料の誤りについて事務局からの説明を聴取い たしまして、それについて本部会として了承した後、衆議院での障害者自立支援法案の 与党修正提案に関する事項について事務局より説明していただきました。前回の障害者 部会の後、およそ2カ月経過しておりますので、本日の会議前半では、前回の障害者部 会以降の障害者自立支援法案の経過について事務局より御説明していただきたいと思い ます。会議の後半では、障害者自立支援法案に関する改正項目ごとの検討状況について 事務局より御説明していただきたいと思います。したがって、前半、後半で大きく2つ に分かれることになります。  それでは、前回の障害者部会以降の障害者自立支援法案の経過について、事務局から 報告していただきますが、できるだけ簡潔にお願いいたします。 ○松嶋企画課長  企画課長の松嶋でございます。失礼して座ったまま御説明させていただきたいと思っ ております。  お手元に配付しております資料1、障害者自立支援法案の国会への再提出について、 資料2、平成18年度概算要求の概要について、この2つについて私の方から御説明させ ていただきたいと思っております。  まず、国会への再提出ということで、法案再提出までの経緯ということで、前通常国 会に予算関連法案として提出したわけでございますけれども、2月10日に提出しまし て、衆議院で36時間45分の審議を経まして、7月15日に衆議院は可決したわけでござい ます。衆議院における与党の修正提案を受けて、法案の提出の上、可決ということで、 与党賛成、野党反対、附帯決議は全会一致という状況でございました。次に、衆議院解 散により、参議院では審議未了ということで廃案になったわけでございます。8月8日 付で廃案となったわけでございます。  じゃあということで、前回提出した法案から今回提出した法案の変更点について御説 明させていただきますけれども、前国会における衆議院での与党提案による修正内容を 盛り込みまして、特別国会に出させていただいている次第でございます。その内容につ いては、目的規程の修正ということで、2ページの方に書いてございますけれども、障 害者基本法の基本的理念にのっとるよう追加したわけでございます。それから、検討規 程の修正・追加ということで、障害者等の範囲について検討することを明記して提出さ せていただいております。それから、障害者等の所得の確保ということについて、検討 規程を新たに追加して提出させていただいております。それからもう1点、施行期日の 変更ということで、利用者負担に係る改正事項について、当初は施行日を18年1月1日 からということでございましたけれども、通常国会で廃案になったことと、実施期間の 施行期日等を勘案いたしまして、18年4月1日に変更して提出させていただいていると いう状況でございます。  そこについては2ページ以降に書いてございます。目的規程の修正でございますけれ ども、障害福祉サービスに係る給付その他の支援、障害者基本法の基本理念にのっとり 行われるこの法律の目的規程に明記させていただいております。それから、自立支援医 療の施行期日の変更、別名公費負担医療と申しておりますけれども、その施行期日を17 年10月1日から18年4月1日に変更させていただいております。それから、検討という ことで、施行後3年を目途として、この法律の規程についての検討は、障害者等の範囲 の検討を含むことを明記する。就労支援を含めた障害者等の所得の確保に係る施策のあ り方についての検討規程を追加したわけでございます。  以降、3ページ、4ページについては、7月13日、衆議院厚生労働委員会において附 帯決議事項が11項目入りましたので、その項目を参考につけさせていただいておりま す。  これが今国会に再提出させていただいた経緯と変更点でございます。  それから、次に資料2でございますけれども、18年度における概算要求の概要につい ては、障害部全体の予算、大変厳しいシーリングのもとではございましたけれども、法 律の改正等、新しい制度・政策に入るということも含めまして、17年度予算が7525億円 に対し、8237億円ということで、712億円増、全体で9.5%増ということで増額要求を財 務省に対してしているという状況でございます。その内訳を見ていただきますと、上の 方で霞がかかっている数字のところが18年度要求額、7314億円、これが義務的経費とい う経費でございます。それが537億円増で持っていっております。その内訳の主な内容 は、自立支援給付費の福祉サービスが405億円増の4143億円。公費負担医療が70億円増 の724億円で要求させていただいております。特別児童扶養手当等ということで、31億 円増の1262億円という形になっております。  こうやって見ますと、特に福祉サービスの自立支援給付については対前年度で見ます と10.8%、居宅分だけを見ますと32.6%増ということで、大幅な増で要求させていただ いているという状況でございます。それから、裁量的経費ということについては、17年 度予算額693億円に対して866億円ということで、173億円の増で増額要求させていただ いている次第でございます。  それから、公共投資等関係予算ということで57億円ということでございますけれど も、ここは私どもの直轄施設、例えば高崎ののぞみの園とか、そういった直轄の整備費 でございます。社会福祉整備費の皆様の方の施設などを整備するやつはどうなっている んだ、ここには出ていないではないかということでございますけれども、そこは私ども の予算ではなく、社会局の方の福祉基盤課の方で計上してございます。そこも180億円 増ということで、約80億増で要求させていただいている次第でございます。  以上、そういうことで、厳しい財政事情ではございますけれども、私どもの方、全体 で712億円増の要求をさせていただいているということで、簡単ではございますけれど も、以上2点について御説明させていただきました。 ○京極部会長  ありがとうございます。ただいまの資料1及び2の事務局からの御説明について、質 問等がございましたら順次御発言ください。いかがでしょうか。大濱委員。 ○大濱委員  大濱です。企画課長の松嶋さんから説明があったんですが、居宅が32%伸びたという ことですが、その内訳については何か出ている資料はあるんですか。 ○松嶋企画課長  内訳については、大濱委員が言われているのは多分ホームヘルパーでなんぼとか、デ イサービスでどのくらい伸びたのかという内訳を知りたいということだと思うのでござ いますけれども、内訳がないと言ったらうそでございますけれども、実際には義務的経 費の中にぼーんと入れておりますので、居宅分で幾ら、施設分で幾らという形の大ぐく りの形にさせていただいたという形になっております。ですから、福祉サービス全体で 18年度概算要求4143億円、プラス405億円、そのうち居宅分だけを見てみますと1131億 円、プラス278億円ということになっております。施設分については3004億円、プラス 118億円増となっております。あとはその他ということで、サービスの利用計画の作成 経費だとか、そういったやつを入れ込んで福祉だけで4143億円。自立支援医療、いわゆ る公費負担で724億ということで、個人給付になるべく給付費は義務的経費でございま すので、全体の枠で要求しているということでございます。 ○京極部会長  ほかにいかがでしょうか。広田委員。 ○広田委員  広田です。自立支援法は4月1日から始まるということなんですけど、なぜ医療費の 方、公費負担の方だけ1月1日になってしまうのか。地方自治体が大混乱を起こさない かと思ってるんですけど。なぜそれだけ先にスタートするんでしょうか。 ○伊原企画官  自立支援医療の方も4月1日施行ですので。 ○広田委員  ごめんなさい、勘違いしました。すいません。また後ほど。 ○京極部会長  ほかにどうでしょうか。もし御質問ないようでしたら、次の議題に移りたいと思いま す。もちろん発言がある場合は、先ほどの資料1、2についてもあわせて御発言いただ きたいと思います。  障害者自立支援法案に関する各改正項目についての検討状況、それぞれ政策的に細か い議論がございますけれども、事務局から御報告していただきます。なるべく簡潔にお 願いしまして、討議の時間を長くしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 ○伊原企画官  障害保健福祉部の企画官をしております伊原でございます。資料3〜8まで大部でご ざいますので、簡潔に御説明させていただきます。私と横幕の方から全体を御説明させ ていただきたいと思います。  まず資料3でございますが、施行スケジュールであります。こちらは前回の通常国会 に提出した法案では1月1日となっておりましたが、それを4月1日と変更したという 内容でございます。  資料4ですけれども、自立支援法案に関しては、特に利用者負担をめぐっていろんな 御意見、御批判がございました。さらに、衆議院、参議院の審議を通じて、もともとの 政府の原案からさまざまな修正、運用面での御指摘がありました。そうしたことを踏ま え、現段階で特別国会に提案させていただいた法案のアウトラインと、特に関心の高い 利用者負担に関して、できるだけわかりやすい資料をつくろうということでつくったも のでございます。  簡単に御紹介させていただきますと、資料4−1は障害者自立支援法案についてとい うことで、なぜこの改革が必要なのかということとか、どのような法案であるかという ことを簡潔に御説明させていただいたものでございます。1ページ、2ページが、なぜ 改革が必要なのかということで、今回の改革がサービス量をふやすための改革であると いうことを御説明させていただいております。  3ページでは、障害者自立支援法案のポイントを説明しております。今回の改革は非 常に多岐にわたって複雑であるという御意見を承りますけれども、大きく分けて5つの テーマがございます。3障害を一元化していくのが1番目の項目。あるいは利用者本位 のサービス体系の実現を図るために今までの33種類ある施設体系を6つの事業に再編し ていく。あるいは規制緩和を進めてサービス量を拡大していく。これが2番目の項目。 3番目の項目としましては、福祉サイドから障害者の方の就労支援を強化する。4番目 に、現在基準がありませんけれども、支給決定の透明化・明確化をするためにルールあ るいは基準をつくっていく。5つ目が、こうしたサービス量を拡大していくためには財 源の安定的な確保が必要であるということから、国の費用負担について、現在の不確実 な裁量的経費を義務的負担に改める。同時に、今サービスを御利用いただいている方々 に、応分の費用を御負担いただく。これらの5項目が全体像であるということを御説明 させていただいております。  4ページは飛ばしまして、5ページ、特に利用者負担について御心配の向きが多いと いうことで、考え方を整理させていただいております。一つが原則ということで、定率 1割負担、食費の負担をお願いする。しかしながら、所得段階に応じた月額上限措置を 講じていく。こうした措置は高齢者医療とか介護保険制度にもあるわけですけれども、 障害者福祉を考えた場合、障害者の方の中には生まれついて障害があって稼得機会がな い、あるいは非常に少ないという方がいらっしゃいます。そうしたことを考えますと、 これらの原則だけでは十分に対応できないということから、さらなる配慮措置というこ とで3つの措置を掲げております。  一つは個人単位という議論の中で、月額上限措置の適用に当たって、税制や医療保険 で被扶養者でない限り、障害者とその御家族の中の配偶者のみの所得で判断していく。 それから、障害年金以外にほとんど収入・資産のない方については特別に配慮するとい うことで、入所施設、グループホーム利用者の方については、障害基礎年金6万6000円 以下の方には、その部分については定率負担をゼロにし、食費だけの負担にする。地域 で暮らす方について、ホームヘルプとか通所利用の方については、社会福祉法人減免制 度を導入して、月額の上限額を半分にする。そしてこれらの措置を講じても生活保護の 水準を下回ってしまう恐れがある場合には、生活保護にならない額にまで減額する。さ らに、食費、光熱費についても低所得者の方については軽減する。こういうきめ細かな 配慮措置を講じていく。  6ページは、同じく公費負担医療制度でございます。公費負担医療制度についての利 用者負担についても、月額上限措置に加えて、さらに負担に係る配慮措置としまして、 継続的に相当額の医療費負担が発生する重度かつ継続というような場合には、月の負担 額に一層低い上限を設ける。あるいは育成医療については、対象者に子育て期間中の世 帯が多いことを踏まえ、激変緩和のための経過措置を設ける。こうした配慮措置を講じ ているということを簡単にまとめさせていただいております。  これを踏まえて、お手元に4−2、4−3、4−4、4−5と、全体で福祉サービス の場合、利用者負担がどうなるかということを障害当事者の方、あるいは保護者の方 が、複雑ではありますが、追っていけばわかるような書類も用意させていただいており ます。4−4は自立支援医療の方であります。こうした書類を今後都道府県を通じて、 自治体あるいは自治体の現場で、多くの障害者の方々、関係者の方々に御説明いただく 材料としてはどうかと思っております。  資料5でございます。以前、この部会でも御相談させていただきましたが、障害程度 区分の試行事業というものを実施してまいりました。その実施結果が速報という形であ りまして、生データを集めたレベルではございますけれども、まとまっておりますの で、御説明させていただきたいと思います。  1ページ、まず経緯でございます。障害程度区分に関しては、昨年度、障害者の方に 介護保険の要介護認定基準というのがどれくらい当てはまるんだろうかということで研 究を行いまして、現行の要介護認定基準は介護給付に相当するサービスの必要度を判定 する上では障害者においても有効と考えられる。しかしながら、障害者に対する支援と いうのは機能訓練や生活訓練、就労支援など、今回の自立支援法案では訓練等給付に主 に相当すると思いますけれども、こうしたものについては介護給付に相当するサービス の判定に用いられるロジックとは別のロジックが必要であると考えられた。このような 研究結果が出ております。  今年度はこうした研究結果を踏まえ、新しい研究事業の一環として、介護保険におけ る要介護認定の認定調査項目、79項目ございますけれども、多動やこだわりなど、行動 面に関する項目、話がまとまらない、働きかけに応じず動かないでいるなど精神面に関 する項目、調理や買い物ができるかどうかなど日常生活面に関する項目、27項目を追加 した106項目の調査項目で試行事業を実施いたしました。  2ページをごらんいただけますでしょうか。事業の内容ですけれども、全国60の市区 町村で実施いたしました。各市区町村ごとに身体障害、知的障害、精神障害、10名ずつ を無作為で選んでいただいて、実際にその方々の障害程度の判定を行っていただいてお ります。実施内容でございますけれども、今回の試行事業の場合には、コンピューター ソフトというのは現在の要介護認定調査項目のものしかございませんでしたので、まず 79項目によって一次判定を実施いたしました。その上で有識者5名ほどで構成される審 査会を設置しまして二次判定を行いました。二次判定では、今回追加した27項目、106 項目全体の調査項目に調査員が付記した特記事項、お医者さんの意見書というものをも とに、介護の必要性に関する障害程度について、要支援から要介護5という区分で判定 を行っております。  その結果でございますけれども、3ページに調査対象者の基本属性という形で整理さ せていただいております。それぞれ30名ずつ選んでいただいて、大体600人ぐらいずつ 対象者がいらっしゃいます。年齢分布を見ますと、40歳以上65歳未満という方が全体の 6割を占めておりまして、高齢者の方の中にもいらっしゃいましたが、4.5%、80人と いうことでございました。  4ページに判定結果がございます。最終結果においては、全障害合わせて96%の方が 要支援以上と判定されました。障害種別で見ますと、知的障害で97.6%、身体障害で 96.8%、精神障害で94.6%ということになっておりました。一次判定から最終判定で変 更されたケースというのは、1790ケース中903ケースということで、約半分の50.4%で ありました。  5ページに一次判定と最終結果についてどういう概要であったかということが示され ております。  6ページをごらんいただきまして、認定調査員・審査会委員の状況ということでござ いますけれども、認定調査員の職種を見ますと、行政職員が7割、相談支援事業者等の スタッフが約3割となっておりました。審査会委員の職種を見ますと、お医者さんが 26.3%、施設サービス事業者等関係者、学識経験者という順になっておりました。た だ、社会福祉士、精神保健福祉士、理学療法士、等々、この方々も施設サービス事業者 等関係者とも思われますので、一番多いのは施設サービス事業者等関係者であったので はないかと推測されます。  7ページにまいりまして、障害程度区分の開発に向けて今後検討をどう進めていくか ということについて整理させていただいております。まず基本的考え方でありますが、 障害程度区分の開発に当たっては、透明で公平な支給決定を実現するという観点から、 以下の3点を踏まえて行う。一つは、身体障害、知的障害、精神障害の特性を反映でき るよう配慮しながら、3障害共通の基準としていく。それから、調査者や判定者の主観 によって左右されにくい客観的な基準としていく。3つ目に、判定プロセス、判定する 際の考慮事項を明確化する。(2)としまして、介護給付、訓練等給付でそれぞれサービ ス内容が異なっていることから、それぞれの給付ごとに設定する。介護給付について は、介護の必要度に応じて区分していく。訓練等給付の障害程度区分については、支給 決定時の優先度の判定に用いるスコアの開発を進めていく。  それから(2)でございますけれども、今後の検討の進め方と検討課題でございま す。(1)、(2)、(3)という課題について、試行事業の結果、ちょうど今、生データがそ ろった段階でありますので、分析を進めるとともに、有識者、関係者の方々からヒアリ ングを実施しまして、その内容について詰めていきたいと思っております。  一つが、介護給付に係る障害程度区分についてであります。要介護認定調査項目79項 目以外の項目を一次判定でどのような形で反映するか。これについては9ページをごら んいただけますでしょうか。介護給付に関するプロセスをイメージ的に書いておりまし て、考慮事項としては大きく3つある。一つは106項目の認定調査項目。特記事項。医 師の意見書でございます。一次判定で用いられるのはこの106項目だろうということで ありまして、現在79項目を要支援から要介護5に換算するコンピューターソフトという のはあるわけですけれども、今回試行事業をやることにより、27項目も含めたデータが 1800例蓄積されましたので、この27項目と二次判定の結果との相関関係を分析しまし て、これを一次判定の中に盛り込んでいけないかということをまず考えていきたいと思 っております。それが8ページの最初の論点でございます。  もう一つの論点が、9ページでいきますと二次判定であります。一次判定結果を踏ま えて、さらにエキスパートの方々、審査会の委員の方々で御議論いただいて、二次判定 というわけですけれども、そこにおける基準、考え方をどう整理するかというのがもう 一つの論点ではないかと思っております。  8ページに戻っていただきまして、訓練等給付に関してもこうした支給決定時の優先 度の判定に用いるスコアをどうしていくのか、106項目の中からどのような項目を選ん でいくのかということについても整理が必要だと思っております。もう一つが認定調査 や審査会の運営のあり方について議論していきたいと思っております。  以上が障害程度区分の関係でございます。  12ページからは、今回の試行事業ではあわせて支給決定のプロセスを調査いたしまし た。これについての整理を行っております。調査の対象ですけれども、今回1800例あり ましたけれども、そうした方々は既にサービスを利用されている方でありますが、この 調査期間中に新たに支給決定を行った、あるいは変更を行った方が1800例の中にいらっ しゃいましたので、その方々について調査を行いました。  13ページに調査結果の概要が示されております。回答のあった事例として、55例あり ました。新規・継続の別で見ますと、新規事例が25事例、継続事例が30例ございまし た。相談支援、サポートという面では、市町村が実施したケースが49事例、相談支援事 業者が実施した事例が4事例、市町村が支給決定までを担当し、その後相談支援事業者 などが引き継いだケースが2事例ございました。  14ページに支給決定プロセスごとの状況ということで、アセスメントから順次書いて おりますけれども、アセスメントに関しては実施場所の、多くが自宅でありました。ア セスメントの実施者については市町村の事務職員が42名と多かったんですけれども、保 健師、福祉関係者等、多様な職種になっておりました。アセスメントの際には通常の障 害の程度の判定のためのアセスメント以外に、機能回復訓練の可能性とか、補装具の適 用とか、就労可能性といった項目についてもアセスメントしている事例も見られ、さら には、こうした必要性がある場合には他の専門家にさらなるアセスメントを依頼してい る事例も見られました。それから、利用意向の聴取、その方々のニーズあるいは希望と いうものもアセスメントと同時に実施している例が多かったようでございます。  15ページに、支給決定案の作成というのがございます。支給決定案の作成に当たって は、本人・家族以外にサービス提供者の方も同席の上、ケアの方針やサービスの具体的 内容などを確認して作成している事例も7例見られました。支給決定基準の説明も、口 頭のみで行われているケースが70%、書面を用いて行っているケースが9%ございまし た。  16ページにまいりまして、サービス利用計画の作成ということですが、これは支給決 定を受けた後でありますけれども、全体の78%がサービス利用計画を作成しておりまし て、そのうち7事例を見てみますと、計画作成に加えて、サービス利用契約の締結支 援、サービス提供事業者に対する支援目標、その役割、サービス利用について御家族が 消極的な場合にその活用を促す、介入する、こうした調整を行っておられたようであり ます。この計画の作成者は、市町村が86%で、相談支援事業者は6例でございました。  17ページは、今回の支給決定プロセス調査についての利用者からの御意見でございま す。  以上、障害程度区分判定事業の試行事業の結果でございました。 ○横幕企画官  資料6、ケアマネジメントについて御説明申し上げます。障害のある方一人一人につ いて心身の状況やさまざまな状態を踏まえて適切な支給決定につなげていくというこ と、公的なサービスだけでなくて、インフォーマルなサービスなども含めて種々のサー ビスを組み合わせて利用できるようにしていく、こういった観点から、新しい制度にお いて見直しを行うこととしております。  2ページおめくりいただきまして、特に相談支援について大きく2つ制度に位置づけ ることとしております。一つが、地域生活支援事業の中で市町村が必ず行うべき事業、 必須事業として相談支援事業を位置づけております。これによって最初の相談からサー ビス利用計画をつくって、サービス利用につなげていくという一連のところを支えてい くということを想定しております。  もう一つ、特にサービス利用者の中でも計画的な自立に向けた支援を必要とされる方 を対象として、今回新しく個別給付として、サービス利用計画の作成費を設けて、これ を相談支援事業者によって実施していくこととしております。  こういった相談支援事業の具体的なイメージを3ページに書いております。実際の事 業としましては、4ページをごらんいただきますと、これまで主に身体障害については 市町村を中心として、知的障害、精神障害については都道府県を中心として事業が実施 されてきたという経緯がございます。今回は、障害の種別にかかわらず市町村に一元化 していくという全体的な方針のもとで整理されているわけですけれども、相談支援につ いても、一般的な相談については市町村に、都道府県の方では高い専門性や広域的対応 を要するものを中心として実施していくと整理しております。  市町村と都道府県の具体的な役割分担のイメージを5ページに整理しております。都 道府県について大きく3つの柱で整理しております。1つ目が、相談支援を実施してい くための基盤づくり、環境づくりといったものです。2つ目が、広域的、専門性の観点 から、市町村域を越えて広域で実施していくことが適当であると考えられる分野。3つ 目に、新制度のもと、市町村が実施すべきと整理しつつ、当面は市町村で十分に実施す ることができないことも想定されるような部分、これを都道府県が市町村と一緒に実施 していくということを想定しております。この中の主なものは後で紹介したいと思いま す。  地域において実際にどういう形で相談支援体制をつくっていくかということを6ペー ジに整理させていただいております。市町村が地域生活支援事業として実施する相談支 援事業は、市町村がみずから行う場合、相談支援事業者に委託して行う場合、両方考え られますけれども、いずれの場合も地域の関係者、幅広く相談支援事業者を含めて行政 機関、サービス提供事業所、保健医療、教育、就労、当事者団体、こういった方々によ って構成される、地域自立支援協議会(仮称)、地域の関係機関によって構成される協 議会を設置するということとしてはどうかと考えております。この協議会において相談 支援事業に求められる中立・公平性を確保していくために相談支援事業の運営に当たる 評価などを行っていってはどうかということです。また、具体的に困難ケースがある場 合にどういった観点から取り組むことが必要であるか。地域の関係機関によるネットワ ークをどうつくっていくか。こういったことを協議していただくということを考えたい と思っております。  市町村を中心として、こういった体制をつくっていきたいと考えているわけですけれ ども、これに対して都道府県が積極的に支援を行っていくことが必要であろうと考えて おります。7ページをごらんいただきたいと思います。都道府県からの調整なり、支援 がないと、市町村間の取り組みにも大きな格差が出てくるのではないかという意見もか ねてより伺っているところであり、ここでは2つ挙げております。  一つは、市町村域ではなかなか確保することが難しいケースもあると考えられる専門 的職員、例えば精神保健福祉士を挙げておりますけれども、こういった人たちを地域の 相談支援事業者に配置していくということが一つ。  もう一つ、都道府県のレベルで相談支援に関するアドバイザーを設置する。こういっ た方々が市町村域を回っていって、それぞれの地域における相談支援体制、ネットワー クをつくっていくことに向けて支援をしていく。こういった形をとることができない か。地域生活支援事業の中でこういったことを事業として組み立てていくことができな いかということを検討しているところでございます。  8ページをごらんいただきますと、こういった事業を担っていく相談支援事業者につ いて、今回、ほかの福祉サービスの事業者と同様に都道府県知事が指定することとして おります。今後具体的な基準等について整理していく必要がございますけれども、特に その中でどういったところに着目していくかということですが、人員配置のところに、 相談支援専門員(仮称)というふうに書いてございます。相談支援事業を実際に担う方 々、一定の実務経験と研修の受講、こういったところを目安として指定のあり方につい て検討を進めてまいりたいと考えております。また、指定について6年ごとの更新制と いう仕組みにしておりますので、例えば研修を継続的に受けていただくという仕組みも 組み合わせてできないかと考えております。  9ページ、今回新たに設ける個別の給付として、サービス利用計画作成費を御紹介い たしましたが、その中身、特にどういった人を対象とするか、サービス利用者すべてを 対象にするわけではございません。特に必要性の高い人としておりますので、その考え 方を書いております。長期間の入所・入院から地域の生活へ移行しようとする方、ある いは、ほかからの支援が得られず、自分では具体的な生活設計ができない方など、福祉 サービスを利用する必要があるけれども、みずからではその調整が困難な方々を想定し ていきたい。一方、施設に入っていらっしゃる人など、現に計画的な支援を受けられる ような方々はこの対象から除いていく。こういった方々を対象として個別給付を実施し ていくために、一定の国庫負担基準を設定して考えていくということができないかと思 っています。  また、具体的な相談支援を担っていく人材づくりも重要であると考えておりますの で、これまで国、都道府県でそれぞれ実施しております研修についても再編をした上、 その中身について標準カリキュラムを定めるなど、人材育成を図っていくこととしてい きたいと考えております。  資料7、新しい事業体系に関する資料でございます。3ページをごらんいただきます と、これまでも御報告しておりますとおり、既存のさまざまな事業を整理して6つの新 しい日中活動のグループに再編していくこととしております。その際、自立に向けた支 援、就労に向けた支援といったような形でサービスの機能に着目して整備していく。昼 と夜に区分していく。こういった観点から整理して、おおむね5年をかけて移行してい くということを考えております。  4〜8ページに、それぞれの新しい事業体系の特徴を整理したものを掲げておりま す。4ページが療養介護、生活介護、ともに常時介護を要する方々。特に療養介護の方 は、現に医療を要する方々を想定するものです。今の仕組みでいいますと、重症心身障 害児施設ですとか、筋ジスの委託病床を想定しているところです。  5ページ、これは地域生活に向けた一定期間の支援を想定した自立訓練でございま す。機能訓練が身体障害のある方々、生活訓練が知的・精神障害のある方々を想定し て、段階的な支援を通じて実施していくものです。  6ページは就労支援型です。今回大きく2つのタイプ、就労移行支援、これは一定期 間で一般就労に結びつけていこうということで、実習ですとか職場の開拓とか、そうい ったところまで段階を追って支援をしていこうというものです。一方、一般就労に結び つきにくい方々を想定して、期間の限定なく就労を支援していくものとして、雇用契約 に基づく方が雇用型、そうでない方が非雇用型といった形で整理しております。  7ページは、施設への入所を必要とされる方々、介護給付、あるいは訓練等給付の中 で特に必要とされる方々を想定して、施設への入所サービスを実施していくというもの です。  8ページ、これはむしろ小規模で、地域で暮らしていくことを支援するグループホー ム、特に今回、介護を要する方々が地域で暮らしていくことができるようにケアホーム を新しくつくっておりますけれども、この両方の類型を整理しております。  10ページ以降に、こういった新しい事業を考えていく上での主なポイントを整理して おります。10ページが目次となっておりまして、11ページからそれぞれについて記載し ています。利用者像、原則として障害程度において整理する。ただし、例えば年齢の高 い方々については障害程度の範囲を広げていくといった考え方も必要になるかと思って います。  12ページ、サービスの質の確保。これは今回一人一人について個別支援計画をつくっ て、初期の状態像の把握から、サービスにより提供すべき内容とその効果のところまで きちっと評価できるようにしていく。そのために事業者ごとに新しくサービス管理責任 者を置くことを考えているということでございます。  13ページから、規制緩和の主な事項を挙げております。効果的・効率的な事業を進め て、なるべく多くの人にサービスを利用していただくことが必要だと考えております。  14ページ、これまでも御説明していますが、多機能型、いろいろな事業を組み合わせ て最低定員を満たしていればよしとする形での緩和のあり方を考えております。  15ページは、定員の取り扱いの緩和でございますけれども、これは、報酬の支払い方 を、これまで施設サービスについては月払いとしておりましたけれども、日を単位とす る支払に変えていくこととしております。これにあわせて、定員の取り扱いに非効率な 面がございましたので、一定期間、実際の利用者の人数が定員を上回っていることも認 める、いわば柔軟に定員と実際の利用者の関係をとらえるということを考えているもの でございます。  16ページは食事の部分です。実費については施設利用者以外の方とのバランスを考え て、原則として負担していただくことにしておりますけれども、これにあわせて食事に 係る選択を広げていく、質を確保していくという観点から、食事の提供方法についても 見直しをしていくこととしております。あわせて、外部に調理業務を委託する取り扱い についても見直しをしていくこととしております。  17ページから後ろ、21ページまでのところは居住支援サービスについて書いておりま す。グループホーム、ケアホームを新しく見直すこととしておりますが、国会の中でも しばしば論点として取り上げられたところですので、その主な新しい視点を挙げており ます。  17ページは、グループホーム事業者が責任を持ってサービスを提供していくという観 点から、外部からホームヘルプサービスを利用するという実態を整理して、グループホ ーム事業者が責任を持って提供していくような形に改めていく。  18ページ、これはグループホームに配置される世話人の役割と、実際に指定する住居 のあり方、これまでは1カ所の住居でなければならないとされていましたけれども、複 数の住居であってもきちんとしたサービスが提供できるようになっていればいいという 形で、1カ所当たりの人数は少なくてもいいという形に持っていきたいと考えておりま す。  19ページ、障害程度の異なる方がケアホームとグループホームに分かれなければいけ ないのではないかというご心配がありましたので、これについては、責任あるサービス 体制をつくることを前提として、介護体制が整っているところに障害程度の比較的低い 方が利用されるような形での組み合わせができるというような対応で整理することとし ております。  20ページ、21ページには、引き続き議論していく必要のある論点を挙げております。 身体障害者の方々による利用、入所施設や病院の敷地内でのグループホームの考え方、 こういったところを今後整理していく必要があると考えております。  22ページは、現行の施設サービスに係る支援費、これも新しい体系とあわせて見直し をしていくということですが、毎年度見直しをしているのにあわせて、ことし4月から できるところを実施していくと考えています。  最後24ページ、今後の検討ですけれども、具体的な利用者像、サービス内容、報酬体 系などについてさらに検討を進めていきたいと考えております。 ○伊原企画官  最後、サービスの実施状況について御説明したいと思います。時間が押しております ので3分で御説明させていただきます。  このサービス実態調査は、今後サービス基盤整備を進めるために障害福祉計画という ものを策定していきたいと考えておりますが、その基本指針の策定のために今の日本の 障害福祉のサービス利用状況がどうなっているかということを把握するために行ったも のであります。障害者の方一人一人がどのくらいサービスを利用しているかということ を、全市町村を対象に行いました。  まず4ページをごらんいただけますか。今の福祉サービス基盤を見ていくときに、よ くホームヘルプサービスなどがどのくらい実施されているのかを示す、実施率を取り上 げます。そこに平成15年4月段階の実施率とございますが、これは支援費がスタートし た段階での実施率です。これと16年10月の数値を比べますといずれも大きく改善してお ります。しかしながら、精神障害者や障害児のホームヘルプの実施率を見ますと、とも に50%を下回っておりまして、まだまだ取り組みが必要だろうと考えております。た だ、人口カバー率で見てみますと、一番カバー率の低い精神障害者でも大体8割はカバ ーされているという状況でございました。  9ページをごらんいただけますか。これと対照的に、入所施設の状況を見ますと、入 所施設の実施率は身体障害者、知的障害者ともに全国で90%を超えておりまして、人口 カバー率も98%ということで、非常に高い水準になっていると思われます。  11ページ、こちらは利用人数であります。障害福祉サービスを利用されている方がど のくらいいらっしゃったかというものですが、身体・知的・精神障害者合わせて26万 4200人という数字でございました。一番多いのは知的障害者の方で12万1900人。以降、 身体障害者、精神障害者という順番でございました。  13ページをごらんいただきますと、通所系サービスというのがございます。知的障害 の方のサービス利用者数が多いと申し上げましたけれども、通所施設、デイサービスと いう、日中に通う場の部分が知的障害の方の利用が多いということがうかがえます。  15ページに、障害種別ごとの居宅系サービスと入所施設の利用人数の状況がございま して、在宅系のサービスを利用するか、入所施設を利用するかを比較したものですが、 この薄青い色とピンク色をごらんいただきますとおわかりのように、知的障害の方々の 場合は入所の比率も高いということがうかがえます。  17ページは、地域格差に関連して、都道府県別にホームヘルプサービスの利用者の対 人口10万比で比較したものですが、現在6.3倍という水準になっております。  入所施設の方を見ますと18ページでありまして、こちらも実施率は全市町村で行われ ておりますが、利用比率の方は結構格差がありまして、4.1倍という水準になっており ます。  1人の方が利用する費用額というものを分析しておりまして、20ページをごらんいた だけますでしょうか。右側の表に1人当たり費用額が出ております。居宅系サービス全 体で11万2900円/月の利用がなされておりますが、知的障害の方が14万4000円と一番高 くなっております。下のホームヘルプサービスをごらんいただきますと、身体障害の方 が一番利用額が高いということで、知的障害の方は通所系、日中活動のサービス利用が 多いのに対し、身体障害の方の場合には、在宅サービスの場合にはホームヘルプの利用 が多いと思われます。  22ページに、ホームヘルプサービスの1人当たり平均費用額というのがあります。こ れは1人の方がサービス利用を使う額ですが、3.3倍となっております。先ほどのホー ムヘルプサービスの利用者数と比べまして、形が違っておりまして、平均利用額の方は 比較的都市部、東京とか大阪とか愛知、こういうところで利用額が高くなっておりま す。  最後に23ページでございます。これはよくホームヘルプサービスの利用の問題が取り 上げられますけれども、今回まだデータが集まって数週間しかたっておりませんので、 データを直近でまとめてみたものなんですけれども、居宅系サービス、ホームヘルプサ ービスについて、どのくらい利用した人が1カ月にいたかという分布を見たものでござ います。居宅系、ホームヘルプサービス、いずれも3万円未満という方が一番多くなっ ております。しかし、居宅系サービスをごらんいただきますと、15〜20万という層が次 に多くなっております。これは恐らく通所サービスを利用されている方々がこの層に属 しているんだろうと思います。高額なサービス量という意味で、100万円以上というと ころが出ておりますけれども、居宅系全体で1300人くらい、ホームヘルプサービスで約 900人となっております。  以上でございます。 ○京極部会長  簡潔な御説明ありがとうございました。ただいまの資料3〜8の事務局の説明につい て、御質問等がございましたら順次御発言ください。そして、先ほど触れました資料1 についての追加でも構いませんので、お願いいたします。できるだけ多くの委員に発言 していただきますよう、短目にワンポイントで絞って話をしていただきたいと思いま す。  それではどうしましょう、相当手が挙がっていますので、じゃあ高橋委員から。 ○高橋(清)委員  2つお伺いしたいと思います。一つは、資料5の9ページですが、障害程度区分の判 定試行事業の結果、一次判定に用いたのが79項目ですね。二次判定に用いたのが以下の 3つで、一次判定の結果と二次判定の結果が極めて変化したわけですけれども、その変 化にかかわった要因、27項目、特記事項、医師意見書、どれが一番大きな変化をもたら した要因だったか、それを一つ一つお聞きしたいと思います。  もう一つはケアマネジメントについてですが、かなり具体的な像が見えて、大変いい と思いますけれども、前回の部会で暫定的な給付というのがございましたね。お試し期 間みたいなものがありましたけど、それが今回は落ちているように思いますけれども、 それはどのように今後扱われるのか、それを教えていただきたいと思います。 ○伊原企画官  まず一次判定から二次判定で今回50%変わっているということなんですが、その要因 についてはまさにこれから分析しようとしている段階でございまして、実際、一次判定 結果から二次判定に向けて変わった方々の27項目がどうなっていたかとか、医師意見書 とか特記事項がどうなっていたということは今後分析しまして、その結果をまた有識者 の方々等のヒアリングなどでお話を聞いて整理していきたいと思っております。今の段 階でどの項目がどうだったかというのはちょっとわかりません。 ○横幕企画官  暫定支給決定ですけれども、訓練等給付については今回の資料には載せておりません けれども、これまでの考え方に沿って行うことを考えております。訓練等給付の方は、 御本人の希望なりを踏まえて、一定期間の暫定支給決定に基づく利用に基づき支給決定 をしていく。相談支援の中では、そういった形で利用される訓練等給付も含めて、サー ビスの支給決定や利用計画につなげていくというふうに整理していきたいと考えており ます。 ○京極部会長  どうもありがとうございました。関連で新保委員。 ○新保委員  高橋委員とやや連動するところがあるんですが、資料5で、訓練等給付については別 のロジックも考えられるというのは、恐らく精神障害者を想定した事柄が主にあるのか なと思うわけですが、しかしこの資料の中での判定結果、4ページを見ますと、要支援 以上というものが精神もそう大差なく出ているという数値になっています。ということ は、事業体系の中で精神の介護給付にかかわるような事業体系がそんなにしっかりない ところで、こういう形が出ているというのはちょっと矛盾していますので、その辺は例 えば先ほどの二次判定の結果、変更率が50.4%だったという大きな数値変更がございま すので、その要因が27項目追加すれば、その変更がなくなって判断基準がしっかりして くるのかどうかということが一つのポイントだと思いますので、その辺を少し教えてい ただきたかったということと、あわせて、判定区分そのものが今後のサービス計画に大 きく連動してくることですので、改めてその辺を御説明していただくか、あるいは今後 調査結果をもとにして御報告いただくかということでお願いできればと思います。 ○京極部会長  データの読み方の問題なので、簡単に。 ○伊原企画官  新保先生がおっしゃったように、二次判定で50%も変更するような仕組みのままで運 用するのは余りにもばらつきが大きくなると思っていまして、これからの分析になりま すが、結果を踏まえて見直したいと思っています。いずれにせよ、この27項目が相当影 響しているのではないかと思っています。その分析はできるだけ急いで行いたいと思っ ていまして、その結果はまたこの部会にも御報告させていただきたいと思います。 ○京極部会長  それではこちらの列からいきましょうか。なるべく全員発言していただきたいので、 時間が短ければ回りますので。じゃあ安藤委員。 ○安藤委員  安藤です。資料4−1について質問したいんですけれども、3ページですけれども、 障害者自立支援法案とはこんな法案ですと、わかりやすく整理されていますけれども、 最後の、安定的な財源の確保ですけれど、国の費用負担の責任を強化、費用の2分の1 を負担とあるんですけれど、これの注意点は義務的経費、つまり障害者の定率負担の部 分であって、地域生活支援事業についても裁量的経費になっております。定率負担がど うかについては市町村にその判断をゆだねることになっています。したがって、地域生 活支援事業については国の費用負担の責任強化ということにならないのではないかと思 うんですけれど、定率負担を必要とする部分と、そうではない部分、地域生活支援事業 の部分をどう判断するのかということをお伺いしたいんです。  2つ目ですけれど、4ページの3番目に、大きな地域間格差はそのままとなっていま す。実際に今の支援法案では、地域的な格差が大きいということが大きな問題になった わけなんですね。けれど、地域生活支援事業を今の裁量的経費とか、または市町村にそ の判断をゆだねるというのでは地域的な格差というものの改善がなかなか進まないとい う問題もあるのではないか。地域生活支援事業をどう財源的に確保するかという*** ***、地域的な格差をなくす****でどう考えているのか、お伺いしたいんです。 よろしくお願いします。 ○松嶋企画課長  安藤委員へのお答えでございますけれども、確かに地域生活支援事業については裁量 的経費に入っております。しかしながら、裁量的経費の中においても、総枠予算をとっ た中で、市町村で基本的な事業としてやってもらう基本事業と、地域ならではの事業と いうことで地域に応じてやってもらう選択できる事業というふうに分けていきたいと思 っております。ただ、安藤委員が言われるように、地域生活支援事業は裁量的経費で予 算が確保できるのかというお話でございますけれども、私どもの方、そこは今までの経 緯等も踏まえて努力をするとともに、一定の枠要求をさせてもらっているということ で、ことしもそこについては6カ月で200億、満年度でいけば400億の枠要求をさせても らっているということでございます。 ○伊原企画官  補足させていただきますと、今回の自立支援法案の考え方は、在宅サービスについて 国、全国一律に実施する事業、これを介護給付とか訓練等給付に整理し、地域で柔軟に 自主的に運営していただく事業というのを地域生活支援事業と分けております。現在の 居宅サービスについては、支援費制度のもとではすべてが裁量的経費でありましたけれ ども、全国一律に実施する介護給付、訓練等給付については義務負担にしたというとこ ろは、従来と比べて国の責任が大きくなっていると考えています。  それからもう一つ、では地域生活支援事業は今までと同じではないかという問題につ きましては、障害福祉計画というものを自治体ごとに義務づけまして、自治体ごとに自 分たちの町にあったサービス提供基盤の整備を図っていただく。こういうふうにサービ ス提供をきちっと確保していく仕組みにしていく法案だというふうに御理解いただきた いと思います。 ○京極部会長  こちらの列で、伊藤委員、猪俣委員という順番で。 ○伊藤委員  話は2点でございます。資料7の4ページ、日中活動サービスの概要のところです が、右側に生活介護の欄がございます。利用者像が出ております。常時介護を必要とす る者云々ということなんですが、この枠の中には常時介護をさらに超えたような医療的 ケアが大変濃厚な利用者も数多くいらっしゃるのではないだろうか。これは質問という よりお願いなのでございますが、この辺のところへの対応もしっかりとお願いしたい。 これが1点でございます。  2点目。次の5ページでございます。訓練等給付のところでございますが、身体障害 者の方は機能訓練、知的及び精神の障害者の方が生活訓練というような仕切り分けにな っておりますが、どうでしょう、実際現場の利用者の方を見ますと、身体障害者のうち 先天性の知的障害者の重複ではなくて、疾病や外傷による知的機能の低下を来している ような人々には、機能訓練のみでは対応できないニーズもあるのではないだろうか。む しろ生活訓練、すなわち社会的リハビリテーションの対象も含んでいるのではないだろ うか。そういう意味での仕切り分けをばっさりじゃなくて、何とかこの辺にニュートラ ルでもあればありがたいなというお願いでございます。以上でございます。 ○京極部会長  大変重要な御指摘だと思うんですけれども、何か。 ○横幕企画官  最初の方の点については御意見として伺っておきたいと思います。これまでの経緯も あろうかと思いますので、そういったところも踏まえて検討していきたいと思います。  2つ目のところについては、身体と知的・精神というふうに整理しておりますけれど も、具体的なプログラムを組むに当たってはいろんなケースが出てくると思いますの で、特に一人一人の方について必要とされているサービスがどういうものなのかという ことをきちんと踏まえてプログラムをつくっていく必要があると思いますので、機械的 な一律な形にならないよう、プログラムのあり方を検討していく必要があると思ってい ます。 ○京極部会長  じゃあ猪俣委員、お願いします。 ○猪俣委員  資料5についてですが、一部ダブりますのでお返事はいいんですが、次回追加資料と してもし分析結果を出していただければと思います。  一つは、5ページを見ますと、一次判定の結果と二次判定の結果がかなり大きく違っ た。特に精神障害者でそれが顕著な気がします。それは27項目を入れたのか、あるいは 特記事項によるものか、医師意見書によるものか、つまり二次の判定基準をしっかりし ておかないと、これは審査会ごとの新たな格差ができるのではないかということを心配 します。ぜひその辺を分析して判定基準として出していただきたいということが一つで す。  もう一つは、27項目で果たして適切かどうか、十分かどうかという問題です。精神障 害の場合を見ると要介護3以上が非常に少ないという結果が出ていますが、例えばこれ はアセスメントをしたり、支給決定書を作成する担当者が実際に携わったときに、この 基準での問題点、御苦労、あるいはこれでは足りないという意見はなかったのか、そう いうことももしあれば分析した結果を出していただきたいと思います。特にこの106項 目には医療を適切に受ける力を持っているかどうかという判定がなかなか出てこない。 例えば服薬管理ができない、まとめて大量に飲んでしまう、あるいは時に拒薬をしてし まう、あるいは訪問看護があって初めて何とか在宅生活を維持しているとか、あるいは 身体的には歩けるけれども病院にはだれかがついていかないと行けないとか、そういう 問題が出てきにくいのではないかというふうに感じます。ぜひこの27項目で十分だった のかという現場の声についての分析もお願いしたいと思います。 ○京極部会長  大事な御指摘だと思いますが。これはよろしいですね。今お答えできるところはして いただいて、次回またということで。 ○伊原企画官  今の御指摘を踏まえてよく分析したいと思います。ただ、申し上げたいことは、この 障害程度区分は介護給付のための障害程度区分でございまして、精神障害の方の一般的 な障害の程度を評価するものではないということが1点。それから、現在、精神障害の 方には要介護5がないとか、3とか4が少ない、知的障害もどちらかといえば身体に比 べて要介護の出方が低いというような御議論もございますけれども、実際今福祉サービ スの入所施設、通所施設の人員配置などを見てみますと、身体障害、知的障害、精神障 害、それなりに、精神障害の方の場合、精神病院に入院されていることが結構おられる こともあるのかもしれませんが、一番人員配置が手厚いのは身体、知的、精神という順 番になっておりまして、ケアの係り度というのは、今回の最終結果に出たような内容を 反映しているのではないかというふうには思います。いずれにしても、よく分析してや りたいと思います。 ○猪俣委員  ごく簡単に申し上げます。要するに対象者が作業所に通っているとかという人が中心 になったと思うんですが、国の施策として7万2000人の長期入院の方を地域社会に戻す と、当然その方も対象になるわけです。現に病院に入院している長期在院者がどのくら い対象になったのかという問題もあるんです。現実に精神に対する福祉的サービスが少 ないから重い人が出てこなかったという、これはパラドックスの関係にあるということ をちゃんと理解して進めていただきたいと思います。 ○京極部会長  それじゃ岡谷委員。 ○岡谷委員  1点だけ。ケアマネジメントのところで、資料6の7ページの相談支援体制の整備に ついてというところです。相談支援事業が市町村に新制度で一元化されるということに なっておりますけれども、この相談支援に係る専門的職員を市町村に配置ということ で、ここに専門的職員として精神保健福祉士、就労支援のコーディネーター、権利擁護 の専門家とか、発達支援の専門家等々ということが書かれております。従来、例えば精 神障害者の方の地域でのいろいろなサービスに関しましては、都道府県がやっていたと きには保健師などがそういうことを担っていたということがございます。ここで「等」 というふうに書いてございますが、こういう専門的職員というのは、ここに挙がってい る以外に何かきちんとそういうことを担える人材というのをお考えになっているかどう か、お聞きしたいと思います。 ○京極部会長  これに関してはいかがでしょうか。 ○横幕企画官  現時点で想定される主な形をここに挙げさせていただいておりますけれども、個別の 資格を列挙するというよりは、市町村のレベルで専門的な対応が必要とされるのはどこ なのかといった観点から整理していきたいと考えております。 ○京極部会長  北岡さん。 ○北岡委員  利用者負担についてお尋ねしたいと思います。このたびの障害者自立支援法につい て、障害のある人の地域移行を考えたときに、私は日中活動の場と生活の場を分離する というような考え方を高く評価しておりまして、そこで利用者負担について、このたび 資料で提出されたものについてはグループホームを利用しながら通所施設を利用すると いうようなことが事例として御紹介されておりますが、これまでの施設体系でいう入所 施設の生活の場を利用しながら、その施設の場所以外のところで提供される日中活動を 利用される方の利用者負担の考え方というのはどのように整理されていらっしゃるの か、お尋ねしたいと思います。 ○伊原企画官  今の御質問は、グループホームで利用されている方が通所を利用した場合は、通所の 利用者負担とグループホームを合算して個別減免しているのに対して、入所に入ってい るときも同じように、その人が昼間別のところに行ったら同じような扱いになるのかど うかという御質問でよろしいですか。 ○北岡委員  そうですね。その考え方については…… ○伊原企画官  同じです。全く同じ扱いになります。 ○京極部会長  じゃあ笹川委員。 ○笹川委員  ちょっと私は聞き漏らしているのかもしれないんですが、費用負担の軽減のところ で、例えば居宅生活をしていて、施設利用を全くなしに、例えば移動支援だけ、あるい はホームヘルプ事業を利用する場合の軽減措置というのはどうなっているのか。食費そ の他いろいろ軽減措置がありますけれども、移動支援だけを利用するような場合の軽減 措置というのがちょっとよくわからないんですが、その点と、それから、これはお願い ですけれども、障害区分を出す場合に、視覚障害者が180名ほど入っていると聞いてい ます。身体障害としてまとめられますと、いろいろ実態と合わない部分が出てきますの で、詳しく分析する場合は、身体障害の中でも障害種別ではっきりしたデータを出して いただきたい。  それから、これはお尋ねですけれども、審査委員の中に今回の場合、障害当事者が入 っていたかどうか、その辺を聞かせていただきたいと思います。 ○伊原企画官  まず在宅サービスを利用した場合の利用者負担の話でございますけれども、笹川委員 には申しわけございませんが、具体的なケースとして、資料4−3の5ページに、ホー ムヘルプを利用する場合ということで、月125時間利用した場合、これは現在の国の全 身性障害者の方の国庫補助基準ですけれども、この場合の例が挙げられております。配 慮措置としましては、所得段階別の月額上限というものがございます。課税世帯の場合 は4万200円、住民税非課税の場合は2万4600円、2級の障害年金、年間80万円相当の 年収の場合には1万5000円となっています。これがまず一つの措置で、さらに、社会福 祉法人減免措置というのがございまして、ここではホームヘルプの例として挙げられて おりますが、125時間の場合、仮に普通に使いますと1カ月22万円の費用がかかります ので、その1割負担ですと2万2000円でありますが、低所得の方の場合には社会福祉法 人減免措置を利用すると、月額上限が2分の1となり、1万2300円ないし7500円という 額になります。これが在宅サービスで訪問型のサービスを利用した場合の配慮措置でご ざいます。  それから、視覚障害のデータでございますけれども、今後分析する中で視覚障害とい う障害に着目した分析もやっていきたいと思っております。  それから、審査会の中に障害当事者の方が何人いたかでございますけれども、審査会 の委員の方は全体で9名が障害当事者の方だったと承知しております。 ○京極部会長  それでは手短に、小板委員、古畑委員。 ○小板委員  授産的な工賃なんですけれども、今のところグループホームについては控除は3000円 というふうに出ているような気がするんですけれども、その他、入所についても通所に ついても、働いていただくお金が全部利用者負担金に回っていくということでは、ちょ っと働く意欲がなくなるんじゃないかということで、その辺のところの範囲を御説明い ただきたいということと、それからもう一つは、入所施設から各事業所へだんだん行く ようになっていくわけですけれども、その場合に、かなり施設から通所という形が出て くると思うんですけれども、これについての送迎とか、そういった問題についてどうで すかということと、もう1点は、分場という制度が今あるんですけれども、この分場制 度については将来的にどういうお考えなのかお聞きしたいんですが。 ○伊原企画官  各論にわたる話なので横幕企画官と手分けしてお話ししますが、一つは働く工賃の取 り扱いであります。今回障害者の方が働くということをどんどん進めていこうという議 論の中で、利用者負担の問題はこの方向と相矛盾するのではないかという御指摘が、国 会の中を含めてございまして、大きく3つの措置を講じることになっています。一つ は、グループホームに入居されている方については3000円の控除というのがございます が、そのほか、さらに6万6000円を超える部分について1割負担が発生しますけれど も、工賃収入の部分については、その15%だけを御負担いただくという配慮を行ってお ります。  それから2番目に、在宅で暮らされている方も、通所した場合に負担がふえるという 問題がございまして、そこに関しては社会福祉法人減免制度で月額上限を半分にすると いう措置を講じておりまして、資料4−3の5ページをごらんいただきますと、ケース 1のところにそれが出ております。本来ルールでいきますと2万9200円となりますもの を、食費に関しては5100円、1割負担部分については7500円というふうに配慮して1万 2600円という形にしております。工賃と一口で言っても、いろいろあります、月10万い ただいている方もいれば、月3000円という水準の方もおられて、ルールとしてなかなか 難しいんですが、我々の考え方としまして、1万2600円の負担は障害年金で負担できる 水準で設定しているということでございます。  それから3つ目が、就労継続支援という場合の、雇用関係のある場合の措置でありま して、こうした場合に労使関係がある中で、給与を払いながら利用者負担をとるのがな かなか難しいという御意見、この審議会でもいただきました。これを踏まえまして、事 業主の御負担で利用者負担をとらない、あるいは軽減するという扱いを行っておりま す。このように、この制度においても、働いた工賃というものを特別な扱いとさせてい ただいているところであります。 ○横幕企画官  あと2つ、細かくなってきますが御質問がありましたので。一つは送迎ですけれど も、今の制度ではデイサービスについて送迎に着目した評価が行われております。新し い制度の中では、特に送迎に着目した評価が必要であるというような方々がいらっしゃ れば、そこの部分については検討していくということになると思いますが、一方で、例 えば就労継続支援などのサービスですと、やはり自分で通うということを前提として整 理していく必要があると思っています。  それから分場という御質問がありましたけれども、具体的な基準はこれからですけれ ども、基本的な考え方として、サービスの質が確保されていればなるべく実際には、効 率的にサービス提供ができるようにしていただく、例えば場所が1つでなければいけな いというような考え方ではないようにしていくことを考えています。 ○古畑委員  古畑です。資料4−2の表の中で、資産が350万以下の方の減免ということなんです が、当然、判断能力が不十分な方も対象になると思うので、今からですと時間的に相当 無理があると思いますけれども、成年後見人等をきちんとつけた形で減免の申請をする というところを、啓発といいますか、呼びかけといいますか、大至急やっていただけれ ばと思いますが、いかがでしょうか。 ○伊原企画官  おっしゃるとおりで、今回障害者自立支援法の国会の審議の中でも、成年後見を初め とする権利擁護の問題は非常に大事だと、随分言われておりまして、我々としても成年 後見がもっと普及するような取り組みをしていきたいと思っています。一つの例としま して、精神障害者の方には成年後見の利用を進めるための支援措置の対象になっていな いものですから、来年度の概算要求にはそれを盛り込んで、そういうこともやっていき たいと思いますし、あるいは今御指摘のようなことも、この制度の運用に当たって配慮 していきたいと思います。 ○京極部会長  武田委員、お願いします。 ○武田委員  2点あります。一つは、ショートステイが介護給付になっているということで、グル ープホームであったり、あるいは在宅であったり、日ごろ就労関係の継続であったり、 就労移行、訓練等給付を受けている人でも、そんなに頻繁ではないにしろ、ショートス テイを利用することはとても地域で暮らす上で重要なことだと思うんですけれども、介 護給付に入っていると、先ほどの資料でもあったんですけれども、そこに入っていかな い。判定を受けるときは訓練等給付のところになっていくと思うんです。でも、ほんと にショートステイが急に状態が悪化したときに、入院するまでではないけども、1週間 なり2週間なり、特に精神の場合、就労が決まった途端に調子を崩しちゃう、そこでシ ョートステイでサポートすることで就労ができるというのは私たち日ごろ体験している ことですので、ぜひショートステイのあり方について、介護給付に入ってはいても、そ ういった緊急時の対応ができないかということをぜひ検討していただきたいということ が1点。  それと、訓練等給付のところなんですけれども、優先順位を支給決定段階で判断する とあるんですが、何をもって優先順位をつけていくのかというところがちょっと、あち こち見てもわからなかったもので、事前に資料を送っていただくことで今回随分読んで くることができたんですけれども、ここのところだけが何をもって優先順位とするのか というのが見えなかったので、教えていただければと思います。 ○横幕企画官  最初の方ですけれども、訓練等給付の中で、生活訓練という類型を想定していますけ れども、これはいろいろな形でのサービスの提供を組み合わせていくようなことを今後 標準的なプログラムをつくっていく中で検討したいと考えておりまして、典型的には通 所とか訪問を組み合わせていくというふうに考えておりますが、今御指摘のあったよう なケースもあると思いますので、必要な場合にはショートステイを組み合わせていくと いったプログラムのあり方についても考えていく必要があると思います。 ○伊原企画官  それから、障害程度区分の優先順位ということですが、基本的に訓練等給付は利用す る意思を持った方を尊重していこうということと、もう一つは暫定支給決定というプロ グラムをやりますので、その方の適否とか、どういう支援がふさわしいかはそこで判断 できると思っています。ただ、地域において例えば定員数が50人しかないところを70人 の方が希望しているような場合があったとき、そのときに優先順位をつける必要があ る。これはむしろこれから研究班の方々とも議論していかなきゃいけないと思います が、より重度な方から暫定支給決定を受けられるような判断基準が必要ではないかと思 っておりまして、定員を上回る希望があった場合の、どなたから利用していただくかと いうときの基準をつくる必要があるかなと思っております。 ○京極部会長  それじゃ長尾委員。 ○長尾委員  先ほども出ました障害程度区分についてですが、これから解析されるということで、 その結果によってまた判定基準を変えられるということなんですが、一次判定で用いら れている79項目に27項目を追加されたということですが、二次判定の結果等を踏まえ て、医師の意見書等に書かれている項目を27項目に追加して新たな一次判定の項目を追 加するようなこともあり得るのかどうか。それとも、二次判定は二次判定として基準を きちっととらまえて判定基準とされるのかということが一つ。  それから、資料7の5ページですが、訓練等給付の中の知的障害、精神障害であっ て、下記の条件に該当する者ということで、病院施設を退院・退所し、リハビリテーシ ョンの実施が必要な知的障害者、精神障害者となっていますが、退院・退所した人とい うようなこういう限定としてされるのか、例えば家庭でも重度な人を家族が支えながら 何とか持っているという人を何らかの形で訓練等給付、生活訓練等を行う場合というこ ともあり得ると思うんですね。こう規定してしまうと、そういう人たちが阻害されるよ うなことが起こらないのかということがありますので、その辺が1点。  もう1点ですが、資料7の7ページの施設への入所の訓練等給付ということ、この施 設というのは、いわゆる支援施設、社会福祉事業である支援施設と解していいんです か。そこへの入所が訓練等給付も行うことが可能なのか、その3つお願いしたいと思い ます。 ○伊原企画官  最初の問いに私の方から答えさせていただきますと、資料5の9ページのところであ りますけれども、コンピューターとして自動的に、機械的に出てくる項目にどうするか という問題は、エビデンスというか、ある程度データの蓄積が必要だと思っておりまし て、今回の一次判定結果に反映させるコンピューターの議論の中には、今回の27項目を 一つのベースとして考えていきたいと思っております。それから、先生に御指摘いただ きました医師の意見書とか特記事項、このあたりについても詳細に分析しまして、一定 のルールが見いだせれば、それは二次判定の基準として扱っていくのではないかなとい うイメージを持っております。 ○長尾委員  もう一次判定の項目は追加しないという、今後見直しにおいてもそういうことはしな いということですか。 ○伊原企画官  見直さないといっていることではなくて、まず一次判定結果について得られているデ ータというのは、昨年度に実施したデータと今回の試行事業のデータです。その試行事 業の中には79項目と27項目で一応得られておりますので、基本のベースはここから考え るのかなと思っています。ただ、当然このほかの項目とかいろいろ御議論が出てくると 思います。あるいは特記事項、医師の意見書の中でも出てくると思いますが、このあた りについては二次判定のところで考えていくのかなと思っております。 ○横幕企画官  長尾先生からの御質問の後の方ですけれども、訓練等給付に係る部分ですが、この資 料には、標準的プログラムをつくる上で想定される主たるタイプを掲げておりますが、 在宅の方も対象として、必要な方は対応していくというふうに考えております。  それから入所の部分ですけれども、訓練等給付に伴う入所の部分は施設入所支援とは 制度的には別のものと整理していこうと思いますけれども、具体的な運用の仕方、基準 については、これから整理していきたいと思っております。 ○広田委員  広田です。障害区分なんですけれども、精神障害者の手帳ができて10年たつんですけ れども、そのサービスが余りふえてないんですけど、なぜそれを使えなかったのか、な ぜ障害者区分に持ってきたのかなというのが1点。  それと、現在、仲間たちが障害区分について、これは違うんじゃないかということで 調査をしていますので、そういうものが反映できるものにしていただきたいということ と、資料5の7ページの(1)のアです、身体障害、知的障害、精神障害の特性を反映 できるよう配慮しつつ、3障害共通の基準と書いてありますが、精神の病を持ちながら 生活のしずらさを抱えているということが障害ですので、「特性を配慮する」で終わっ た方がいいのではないかと。それから、前回の1の資料ですかね、所得の確保というの が出ているんですけど、これを見ていますと、地域自立支援協議会というのが立ち上が るということで、大変だなと、こういうものが立ち上がるたびにお金がない、お金がな いという話になって、結局はサービスは置けなくなっちゃうから、できるということは 一見よさそうなんだけど。国も、小さな政府といいながら、こういうふうにふやしてい くのかなと思っているんですが。私は、危機介入の相談で、駆け込み寺みたいな相談を 受けているんですね。そういう中で、5カ月ぐらい大変な状態で入院して、退院してき て、例えばホームヘルパーと生活支援センターに行った方がいいというようなアドバイ スを受けても、ドトールコーヒーとかエリーゼとか行った方が生活支援センターよりい いというふうな話も割と多いんですね。そういうところの店員さんとか店長さんという のは、かなり精神障害者に理解を示してくれていて、危機的な状態など電話をいただけ るというような、そういうふうな一般の喫茶店のような安いところなんですが、こうい うふうなものを見てきますと、当然、障害者部会なんだからでしょうけど、精神障害者 が地域の中で暮らすときに、医療や福祉ばかりに支えられて暮らしているような図なん ですけど、実はそういうところに行っている人もたくさんいると。そのときに、減免と か何とかということではなくて、きちんと今度の国会で出てくる所得の保障ですね、自 分が使いたいところに使える所得の保障を、本人の所得がない人にしていただきたい。 兄弟なんかに援助されると、そこはとても気兼ねをして、障害者本人と障害者の家族と の関係がこじれますから、ぜひ所得の保障をきちんと本人にして、法案が通ると1割払 うことになりますが、初めて精神障害者がインフォームドコンセントという契約の医療 を使うという中で、厚生労働省はぜひインフォームドコンセントを徹底的に全国の精神 科医療機関に指導していただいて、何のために飲む薬なのか、お金を払えば、今まで捨 てていた薬ももらわないようになるし、何のために飲むかということも明確にわかるよ うになると思いますので、1割というふうに負担する側からは大変になるけれども、な ったかわりにきちんと医療機関で説明を受けられたと。そして所得保障で自分のお金が 入ってきて、そこからサービスを買う消費者なんだというところにしていただきたいと 思います。よろしくお願いいたします。 ○京極部会長  それじゃお答えを。 ○伊原企画官  まず、精神障害者の保健福祉手帳が障害程度区分に使えないかということなんです が、今回の法案自体が身体障害、知的障害、精神障害という、それぞれ法律で分かれて いたものを一本にしようというのが大原則でございます。そういう意味では、障害特性 というのはそれぞれ大きくあると思いますし、谷間の問題とか、両方の障害のある方も いらっしゃると思います。そういう意味では、それぞれの障害別に基準をつくっていく のではなくて、身体障害、知的障害、精神障害というそれぞれの障害があったとして も、サービスとして介護給付というものは共通しているわけですから、その給付にふさ わしい区分を障害にかかわりなくつくっていこうというのが今回のねらいですので、精 神障害者手帳だからいいとか、身体障害者手帳だからこれで程度区分は要らないという ふうにはならないと思っています。そういう意味では、新しい共通の基準をつくってい く必要があると思っております。ですから、先ほど資料5のところで、身体障害、知的 障害、精神障害の特性を反映できるように配慮する、それはもちろんでありますけれど も、基準自体を分けていくとすれば、これはせっかく法律を一本にする意義が相当没却 されてしまうのではないかと思っておりますので、介護という面で必要な基準であれ ば、それは精神、身体、知的、全部共通の基準、あるいはその他の訓練等給付の基準で あれば、その基準として共通のものを決めていくというふうにしていきたいと思ってい ます。もちろん、実際のサービスを提供する段階になりますと、障害種別だけじゃなく て、お一人お一人違うと思うんですね。広田委員も私もそれぞれ人が違うのと同じよう に、ケアのあり方は違ってまいりますので、障害程度区分は共通であったとしても、ケ アのつくり方はケアマネジメントをしっかりやるとか、個別支援計画というのをきょう 横幕の方から提案させていただきましたが、そういうものをきちっとつくるということ で、一人一人の状態に合ったケアを提供していくということが基本ではないかと思って おります。 ○京極部会長  じゃあ星野委員、手短に。 ○星野委員  お願いから。まず、現行利用者が大変この新しい資料なんかで見ていくと、今のサー ビスがちゃんと利用できるのかなという不安が広がっていますので、お金が払えるかと か、今の場所にいられなくなるのではないかとか、あるいは手続はどうなるんだろうか とか、そういう意味でいくと、経過措置の分まで含めて、早目に説明ができるような体 制をぜひお願いしたいと思いながらなんですけれども、一つ一緒になって悩んでいるん ですが、資料7の6ページのところで、就労継続支援事業で、特に非雇用型を見てみま すと、(1)で、就労移行支援事業を通って雇用に結びつかなかった方がここを使えると いう話になると、具体的に考えてみますと、この新しい制度が理解されて、なじんで、 それぞれの事業が一定限そろうまでの間、養護学校の卒業の人たち、当分の間、2、3 年、就労移行支援事業がなかったら非雇用にいけないのかというようなことを考えたり しますが、そういった経過措置も含めて整理をして、ぜひ早く出していただけたらとい う思いを持っております。  それからお願いなんですけれども、お願いというより意見ですね。資料7の15ページ で、利用実態に即した支払い方式、日払いということが明確に示されたわけですが、報 酬の日払いについて再検討はできないのか。例えば施設入所支援やケアホームやグルー プホーム、こういう居住支援サービスは生活の継続性、安心というものが確保されなけ ればいけないわけですから、どうも日払いという方式だとそこに大きな問題が起きるな ということが一つ。  それから、日中活動サービスについても、介護給付は居住支援と一体となるものが基 本になると思いますから、そういう意味では、居住支援の部分と重なってのこと。訓練 等給付も、到達目標を設定して行われるサービスであるわけですから、その目標に向か っていく経過、プロセス、それは利用者自身の意思とか、あるいは意欲とか、心身の状 況とか、それに柔軟に我々は対応していかなきゃいけない。そういう意味でいくと、結 果払いみたいな形で日払いという話は、何かなじんでこないなという思いを持ちますの で、そういう再検討ということができればぜひお願いしたいと思います。以上です。 ○京極部会長  きちっと議事録に残りますので、それでよろしいですか。お答えがあれば。 ○横幕企画官  最後の部分だけよろしいですか。基本的には、今回利用者の方々にはサービスの利用 に応じた負担をお願いするということですので、サービスを利用する、しないにかかわ らず、月単位で払っていくということは、そういった原則から考えると基本的に改めて いく必要があるのではないかと思っています。ただ、一方で、おっしゃったように、利 用に当たって不安が生じるのではないかということもありますので、支給決定をしてい くとき、特に訓練等給付の方ですと暫定支給決定という仕組みを通じてきめ細かくサー ビスを提供できるようにしていく、さらにサービス利用計画、そういったことを通じて 取り組んでいきたいと思っております。 ○京極部会長  じゃあ野中委員、もう時間がございませんので、あと1人に絞りたいと思います。 ○野中委員  皆さん方が御質問されているのは、実際にこういうサービスを受けて、実際に生活が できるかどうかという不安があるから質問されていると思います。法律の骨格部分に関 してはある程度評価できますが、危惧するのは、現場でサービスが適切に提供される現 状になっているかどうかに対する現状把握を、厚生労働省には厳重にしていただかない と皆さん方の不安が消えないと思います。障害者区分事業の即応はしていただきました が、その結果が、現状であれば障害者の区分はある程度できる。それでお金が決まっ て、あとは御自由にという話、現状の市町村行政ではそれしかできないと思います。今 回、プランまでつくっていただきましたけれども、この現状から見て、適切にプランが 提供できるには何が必要なのか、あるいは市町村で適切にサービスが提供できるかどう か、何が足りなかったかを聞かせていただきたい。資料5の最後の参考資料2の最後の 支給決定サービス利用のプロセスの全体像、これが的確に市町村でそのとおり実施され るのか、またそのことをどうやって厚生労働省は実現していくのか。覚悟も含めて、具 体的にどうするのかを一番聞きたい。介護保険でも5年間やってなぜ見直ししなきゃい けないのか。最大の理由は、正当なプロセスを踏んでなかったからですよ。正当なプロ セスを踏みさえすれば、そのことをまず理解すれば、少なくとも利用者さんには適切な サービスが提供できたはずです。一番の問題は、そのプロセスを踏まなかったことと思 いますけれども、障害者の方の場合も同じと思います。現状でそのプロセスがほんとに 踏めるのかどうか。この障害者の実施結果からどういうことを感じられたか、それを踏 まえて今後どうされるか、お聞きしたいと思います。 ○京極部会長  ちょっとこれは大きな、そもそも論になっちゃうので局長からお話しいただいた方が いいかと思います。 ○中村社会・援護局長  各委員の方から御意見をちょうだいしてどうもありがとうございました。今回の部会 で、これまでの法律案の細部について、これまで私どもが検討してきた内容、利用者の 皆さん、国民の皆さんにわかっていただくための資料、新しい材料としまして、データ 的には資料5の試行事業、あるいは資料8の障害者福祉サービスの実施状況について、 2つの新しい点だと思いまして、その点について御議論が集中いたしました。我々はこ れから細則をつくっていくために、これらの資料を踏まえながら、また賜りました御意 見を踏まえながら、さらに検討させていただきたいと思います。  最後の野中先生の御意見は大変、私は前に介護保険の担当局長もしておりましたの で、いろいろ考えさせられることでございますけれども、やはりケアマネジメント、障 害程度区分が適切にでき、それにふさわしいケアマネジメントの体制、相談支援体制、 そういったことが市町村につくられていくということが一番重要な課題だと思います。 必ずしもこれまでそれが十分ではなかったということと、精神障害についてはこれまで 支援費の対象ではなかったということもあり、また、都道府県の仕事であったり、市町 村の仕事であったり、3障害それぞれ分かれていたということもあります。先ほど来企 画官の方からも、障害福祉計画をつくってもらうというようなお話もしましたけれど も、まずは障害行政を市町村の行政として受けとめてもらう。そういう中で国は国でき ちんと費用を確保する。そういうことによって進めていくということが第一ではないか と思います。  それから、資料8のサービスの実施状況をざっと見ますと、金額が出ていないのでち ょっと不親切な資料だったと思うんですが、在宅サービスと施設サービスを比べてみま すと、ざっと計算しますとこの月に700億円のお金が平成16年10月に使われていたこと がわかります。そのうち412億円が施設で、298億円が在宅、ラフに言って、したがって 6割ぐらいが施設ということで、そういう意味では、在宅給付が介護保険なんかの比較 でいいますと、今5:5になっていますから、障害施策は施設偏重かなと。また、知的 障害、身体障害、障害児、精神障害と分かれていますが、これで見ると64%が知的障害 のサービス。31%が身体障害のサービスで、障害児の方のサービスが3.2%。これは私 のラフな計算ですが、精神障害については1%ないんですね。これがここの障害福祉サ ービスの利用実態把握調査の結果の我が国の、1年前でデータもこれから伸びていると は思いますが、断面をとるとそういうことでございまして、こういう中でどういうふう に考えたらいいか。身体障害の方については、しかしホームヘルプサービスは300億の 在宅サービスの中で100億使っている。しかし、身体障害の方はホームヘルプサービス でいうと3分の2は身体障害の方が使っておられる。ですから、身体障害者の方の在宅 サービスの7割以上がホームヘルプサービス。それに対して知的障害の方は通所やデイ サービスが多いなど、さまざまな特性がある。我々はこういったことをもっともっとデ ータを積み重ねて、3障害共通でやりますけれども、置かれている障害の状況によっ て、きちんと適切なサービスメニューを組み立てていき、施設と在宅のバランスがこれ でいいのか、3障害のバランスがこういうことでいいのか、障害福祉サービスでは今は そういう意味では精神障害の方は1%ないわけですから、そういうことがいろんな意味 で障害程度区分のことに反映したりしてきますので、しかし今はこれしか材料がありま せんので、こういう材料の中から、我々はちゃんと組み立てていきたいと思っておりま す。貴重な御意見をちょうだいしましたので、これからその作業もやってまいりたいと 思いますので、引き続き御指導、御鞭撻をお願いしたいと思います。 ○京極部会長  お約束の5時をちょっと回ってしまいまして、発言したい方が何人かいらっしゃいま すけども、大濱委員も手を挙げていたんですけど、ちょっとこれできょうは打ち切らせ ていただきたいと思います。国会開催中でもありますので、行政官の方もそれぞれ予定 がございますので、議論していきますとあと30分くらい延長になってしまいますので、 松友委員も大変申しわけないんですが、お許しいただきたいと思います。  さまざまな御意見ありがとうございました。いずれにしても、国会が今開催されてい ますので、状況を我々としても見守っていくとともに、引き続き部会においても、準備 状況について必要に応じて皆様の議論を活発にしていきたいと思います。  最後に、新たに就任されました中谷障害保健福祉部長よりごあいさつをお願いいたし ます。 ○中谷障害保健福祉部長  中谷でございます。ただいま局長及び部会長からサマリーがありましたので、まこと にそのとおりでございます。ただ、本日御意見をいただけなかった委員の先生方におか れましては、私たちのドアはいつもオープンでございますので、ぜひ御意見をお寄せい ただけたらと思っております。また、あしたからいよいよ法案の本格審議でございま す。またこの部会にさまざま状況を報告し、また御指導を得ていきたいと思っておりま す。どうぞよろしくお願いいたします。以上でございます。 ○京極部会長  ありがとうございました。それでは終了時間を若干過ぎましたけれども、次の日程に ついて事務局より御説明をお願いいたします。 ○企画課長補佐  次回の日程についてですが、本日さまざまな御指摘もいただいたところでございまし て、委員の皆様とも御相談しながら開催の方を決めさせていただきたいと思っておりま す。よろしくお願いいたします。 ○京極部会長  以上で本日の部会を終了いたします。どうもありがとうございました。                                    (了) (照会先)     社会保障審議会障害者部会事務局                     厚生労働省 社会・援護局障害保健福祉部                       企画課 企画法令係(内線3017)