05/10/05 中央社会保険医療協議会薬価専門部会平成17年10月5日議事録 平成17年10月5日 中医協薬価専門部会            第25回議事録 (1)日時    平成17年10月5日(水)12:02〜12:31 (2)場所    厚生労働省専用18〜20会議室 (3)出席者   遠藤久夫部会長 土田武史委員 小林麻理委員        対馬忠明委員 小島茂委員 宗岡広太郎委員 松浦稔明委員        松原謙二委員 青木重孝委員 黒ア紀正委員 山本信夫委員        向田孝義専門委員 仲谷博明専門委員 渡辺自修専門委員        〈事務局〉        麦谷医療課長 赤川薬剤管理官 他 (4)議題    ○薬価基準制度の見直しを行うに当たっての論点        ○その他 (5)議事内容 ○遠藤部会長  予定では既に終了している時間ではありますが、ただいまより、第25回薬価専門部 会を開催したいと思います。  まず、委員の選任について報告いたします。  8月31日付で、向田専門委員、奥田専門委員、内匠屋専門委員が任期満了により退 任され、その後任として、9月22付で、それぞれ、向田専門委員、仲谷専門委員、渡 辺専門委員が発令されております。  それでは、新任の仲谷専門委員、渡辺専門委員より、一言御挨拶をお願いいたしま す。 ○仲谷専門委員  武田薬品の仲谷と申します。日本製薬団体連合会の推薦を受けまして、9月22日に 専門委員を拝命しました。また、その日に、国民全体の奉仕者として高い倫理を持って 行動するという宣誓書に署名をさせていただきました。  これからの専門部会におきましては、産業のエゴを言わない、患者さんにとって何が 一番いいかについての視点で考える、それから制度の論議ですから、制度の原則に立っ て議論をする、そのような思いを基本スタンスにして議論に参画させていただきたいと 思います。どうぞよろしくお願いいたします。 ○渡辺専門委員  社団法人医薬品卸業連合会から推薦を受けました渡辺でございます。現在は、メディ セオ・パルタックホールディングスという会社に勤務させていただいております。  医薬品卸売業のメンバーは、安全性を確保して、安定した医薬品の供給を通じまして 医療保険制度の円滑な運用に少しでも貢献したいと思って努力いたしております。しか しながら、日常の業務というものは、非常に地道で地味でございます。そういう観点に 立ちまして、現実・現場を直視して意見を申し上げたいと思っております。今後ともど うぞよろしくお願い申し上げます。 ○遠藤部会長  ありがとうございます。  次に、委員の出欠状況について御報告いたします。  本日は、室谷委員が御欠席です。  また、保険局長は、公務のため欠席する旨、また、宮島審議官は、公務のため途中退 席させていただく予定である旨、御連絡を受けております。  それでは早速、議事に入りたいと思います。  前回、当部会におきまして、「薬価基準制度の見直しを行うに当たっての論点(案) 」に基づいて御議論をいただきましたが、前回の御意見をもとに、若干ですが、同論点 案の修正を行っております。 また、産業界から御意見をいただいてまいりましたが、 それらを事務局にまとめていただいております。これらについて、事務局から説明をお 願いしたいと思います。  また、あわせて、容量が異なっていても価格がほぼ同額に設定されておりますいわゆ る「フラットプライス」について、諸外国の状況についても事務局から報告をしていた だきたいと思います。  それでは、事務局、よろしくお願いいたします。 ○事務局(赤川薬剤管理官)  中医協薬−1−1の資料をごらんください。「薬価基準制度の見直しを行うに当たっ ての論点(案)」でございます。この資料は、前回7月27日の当部会における御指摘 を踏まえまして論点案を修正いたしましたので、修正部分のみ御説明いたします。  まず1ページの「2.新規収載品の薬価算定」の「(3)原価計算方式」でございま すけれども、輸入原価に問題があるとの御指摘を受けまして、研究開発費と並び、輸入 原価の取扱いについても論点として追加しております。  それから3ページでございます。「3.既収載品の薬価改定」の「(3)薬価改定と 薬価調査」について、これも前回、未妥結仮納入等の不適切な流通実態の解消について 御指摘があり、また、この問題について、薬価調査の信頼性確保の観点から重要との御 指摘もございまして、ここに書いてございますように、「薬価調査の信頼性確保の観点 から、未妥結仮納入等の流通実態についてどう考えるか。」という論点を追加しており ます。  同じく3ページの「4.採算性に乏しい医薬品の取扱い」におきまして、特殊疾病に 対して必要な医薬品を供給するという立場から何らかの対応が必要との御指摘がござい まして、「(3)希少疾病用医薬品」として新しい項目を設けまして、「特殊疾病等を 適用とする希少疾病用医薬品の薬価算定における評価についてどう考えるか。」という 論点を追加しております。  また、同じく3ページの一番下になりますけれども、「5.その他」のところで、新 薬の薬価算定プロセスにおける企業側からの意見聴取について御指摘がございまして、 新たに「(2)薬価算定過程」の項目を設けまして、「薬価算定組織における薬価算定 過程において、申請企業から意見聴取することをどう考えるか。」という論点を追加し ております。  それから、この論点案の別添なのでございますけれども、「現行の薬価基準制度につ いて」につきましても、1点追加記載させていただいております。6ページをごらんい ただきたいと思います。業界団体からの意見聴取におきまして、補正加算について実際 に適用された加算率の多くが最低限度の2.5%に張りついているといったような意見 がございましたけれども、一方で、これに対応します有用性加算の範囲というのは、ご らんいただきますと、最低5%からというふうになっているので、この点が大変わかり にくいということでございまして、今回、訂正させていただいております。それぞれの 加算におきまして、「傾斜配分により何〜何%」ということをつけ加えさせていただい ております。  なお、この「傾斜配分」につきまして、6ページの右下のところで説明をさせていた だいております。「薬価算定基準で定める所定の算式により、新規収載品の1日薬価に 応じ、加算率をその0.5倍から1.5倍までの範囲内で補正する方式」、これを「傾 斜配分」と言っております。例えば内服薬、あるいは外用薬もそうでございますけれど も、1日薬価が300円、あるいは注射薬でございますと、1日薬価が1,500円を 標準といたしまして、それより1日薬価が高ければ低い加算率、低ければ高い加算率に 補正すると、こういうようなことをしております。これは、基準の明文化以前から長ら く運用していることでございまして今日に至っているということでございます。もちろ んこの算式等につきましては、基準で明文化されておるところでございます。  それから、資料番号がついてございませんけれども、1枚紙で、「薬価基準制度見直 しに関する医薬品業界の意見(概要)」というものがございます。これは、6月22日 の薬価専門部会における日本医薬品卸業連合会からの意見聴取、それから7月27日の 薬価専門部会における日本製薬団体連合会、米国研究製薬工業協会(PhRMA)及び 欧州製薬団体連合会(EFPIA)からの意見聴取において主張された各団体の意見の 概要につきまして、新薬と既収載医薬品について分けましてまとめたものでございま す。詳細の説明は省かせていただきます。  それから続きまして、中医協薬−2−1及び薬−2−2の資料をごらんください。 「医薬品の価格設定に関する国際比較研究」についての概要とその報告書でございま す。  この研究は、平成15年12月12日の中医協におきまして、規格間における薬価の 差異の有無については、海外における実態を含めて調査・研究を行い、その結果を踏ま え次々回以降の改定において、すなわちこれから検討が行われようとしている改定にお いてということでございますけれども、検討を行うとされたことを受けまして、平成 16年度の厚生労働科学研究費補助金、行政科学推進研究の分野でございますけれど も、これの助成によりまして、主任研究者に日本大学薬学部の白神教授になっていただ きまして行われた研究でございます。  概要によりまして御説明をいたします。「1.調査研究の概要」でございますけれど も、海外では、医薬品によって含量が異なっても同一価格としているケースや、ほとん ど価格差を設けていないケースなど、いわゆるフラットプライスということでございま すけれども、この価格設定が見られるということでございます。この研究では、米国、 イギリス、フランス、ドイツを対象といたしまして、同一成分で含量に複数規格がある 先発医薬品の価格設定の実態を調査し、分析を行ったということでございます。  「2.結果概要」でございますけれども、含量規格が複数ある成分は、全部で473 成分あった。そのうち1カ国でもフラットプライスのある成分は169成分、35.7 %であったということでございます。  この別紙の定義を参照いただきたいのですけれども、裏の2ページに書いてございま すけれども、ここで言うフラットプライスの定義でございます。「該当条件1」のとこ ろをご覧いただければよろしいかと思いますが、2規格間の価格の傾斜が0.1以下の ものをフラットプライスとするということと、それから含量規格が3規格以上ある場合 につきましては、そのうちの2規格の間での該当条件1のフラットプライスの定義が1 組でも満たされていればフラットプライスというふうに定義をするということでござい ます。  戻りますけれども、そういったことでやった場合に、全体で35.7%、フラットプ ライスということであったということでございます。また、国別にフラットプライスの ある成分数を見ましても、米国で34.4%、ドイツで24.9%、イギリスで 22.5%、フランスで9.4%というようなことで、国によっても違ったと。  それから、同じ成分であれば同じ企業が各国で販売しているケースが多いにもかかわ らず、販売している国が2カ国以上あってかつすべての国でフラットプライスとなって いる成分はわずか17成分ということであったということで、また、フラットプライス の採用は各国での医療現場の要望の違いや市場の状況を踏まえた企業の販売戦略の違い による可能性が示唆されたということでございます。  また、フラットプライスの割合につきましては、薬効群による違いも大きくて、下の 左側の図−1でございますけれども、循環器疾患用剤ですとか精神神経疾患用剤で多く 見られているということでございます。また、この薬効群による違いを各国別に見ると 一層顕著ということで、また、各国における医療現場での要望の違いや市場の状況を踏 まえた企業の販売戦略の違いがうかがえる。  また一方で、各国の主な薬効分類について、含量に対する価格の傾斜を見ますと、こ れは右下の図−2にございますけれども、薬効分類ごとに全く異なる傾向を示している ということで、国ごとに異なる要因でこうした傾斜が決まっているということが想定さ れた。  こういう結果の概要になってございます。  説明は、以上でございます。 ○遠藤部会長  ありがとうございます。  前回御配付させていただいたもの以降修正されたものについての説明をいただいたわ けでありますけれども、時間が限られておりますので、ただいまの御報告に対する御質 問でも結構でありますし、それから、薬価制度全般に関する考え方等々についての御意 見でも結構でございますので、自由に議論をしたいと思いますが、いかがでございまし ょうか。 ○対馬委員  最後に説明いただいた国際比較の関係ですけれども、海外の実態調査を行っていただ きたいと中医協でお願いしたわけですが、外国平均価格がどうなのかとか、規格間比の 問題がどうなのかと、こういうことですけれども、この概要を見ますと、主としてフラ ットプライスを中心に書いているようでして、これで答えが出ているのか、すべてを網 羅しているのだろうかというのが一つ疑念があるのですけれども、これが一応お願いし たことに対する答えなのかどうかというのが1点です。  それからあともう1点は、最後の結果のところでコメントがありましたけれども、含 量に対する価格の傾斜、日本の場合はかなり立っているのではないか。先般の日薬連、 そういったところでもそういったデータが出されていましたけれども、さらに国ごとに 異なる要因で決まっているということですけれども、一番下の右側の表を見ますと、日 本の場合は明らかに立っていると思われるのです。日本の場合はほぼ1番手か2番手に なっているということは、非常に立っているという表ではないかというふうに思うので すけれども、結論的に各国によってばらばらです、こういうことになっているのですけ れども、どうもいかがなものかなと、こう思うのです。 ○遠藤部会長  それでは、事務局、お願いします。 ○事務局(赤川薬剤管理官)  繰り返しになりますけれども、平成15年12月12日の中医協で了解されました 「平成16年度薬価制度改革の基本方針」におきまして、規格間における薬価の差異の 有無につきまして、これは平成16年度中に海外における実態を含め調査・研究を行 い、その結果を踏まえ次々回以降の改定において検討を行うと、こういうふうにされて おりますので、規格間における薬価の差異の有無に関しまして、この海外調査を行った ものであるという、基本的にそういうことでございます。  規格間の比については、2番目の御質問にございましたように、図−2を見ていただ きますと、これはまさに傾きというのは、規格間の比の問題でございまして、こういう 各国、国ごとでもばらつきますし、薬効分類でも全く異なる傾向を示している、まさに そういう結論であったということでございます。  また、具体的に日本が高いのではないかという御指摘につきましては、日本というの は、概要の図−2をご覧いただければと思うのですけれども、この傾きについて、青い 色の折れ線が日本のもの、横軸が薬効分類、縦軸が傾きで、0から1までございますけ れども、0というのは完全にフラットな状況、1というのが、これが含量に比例した規 格間比になっているという意味でございますけれども、これをざっとごらんいただきま すと、大体0.5から0.9ぐらいのゾーンに日本の場合は入っているのかなという、 ここの主な薬効群で見ると、そういうような状況であったということでございまして、 オレンジ色のドイツなどはちょっと下の方に、0.5以下のところに多く折れ線が来て いるというところから見ますと、確かに傾斜が大きいのかなということは言えるという ことでございます。 ○遠藤部会長  よろしゅうございますか。 ○対馬委員  はい。 ○宗岡委員  ここに論点を整理していただいているのですけれども、2つ御意見を申し上げたいと 思うのです。  1つは、「1.基本的な考え方の整理」の(4)に、「後発品の使用促進方策」とい うのを書いていらっしゃるのですけれども、「どう考えるか」という書き方になってい ますけれども、ぜひ、松浦さんがさっきから申し上げていますように、全体の医療費を 抑制しながらどうやって施策を打っていくかというのが今回のテーマだと思いますの で、そういう観点から、同一の効果のある後発品をもっと促進して使っていくというふ うな視点がどうしても必要だろうというふうに思っていまして、これは、患者の選択肢 の拡大あるいは患者の負担の軽減という側面も、あるいは薬剤師の方々の役割も含め て、何とかこれを前進させたいというふうに思っておりまして、もちろんお医者様の処 方せんの中でそれが選択ができるようなものというふうになろうと思いますけれども、 ぜひそれについては前進したいものだなというふうに思っております。  それから、最後のところの3ページの一番下の「薬価算定過程」でございますけれど も、我々中医協はいろいろ御批判をずっとここ一、二年されてきたわけですけれども、 そのうちの一つは、やはり決定プロセスの透明化ということについて疑義があるという ふうな御指摘をいただいておりました。この薬価についても、申請した企業から見ます と、どうしてそういうふうになるのかということについて、なかなか理解が得られてい ないという実態があるというふうに理解しておりまして、こういう決定プロセスの中で 意見を言ってもらうということは、そういう意味での前進になるのではないかというふ うに思っておりまして、ぜひこれは前向きに取り組んでいただきたいものだなというふ うに思っております。  以上、2つ御意見を申し上げました。 ○遠藤部会長  宗岡委員、ありがとうございました。  ほかに御意見。 ○山本委員  この論点整理そのものがこれから薬価制度を見直していこうという意味での論点整理 というふうに理解をしておりますので、その中で、さまざまな問題が発生すれば、それ を直していくということについて私も賛成であります。そういう観点からしますと、3 ページの「(3)薬価改定と薬価調査」の部分で、現在おおむね2年に1回の調査が行 なわれているわけですが、それ以上頻回な調査を行うというようなお話が聞こえてまい ります。本来、そうしたことについては、もし頻回の調査が必要ならば、この場でそう した議論があった上で進むべきであって、ただ回数だけ増やせばいいよというような議 論が先走っているように思います。その辺はまずいかがなのか、1点お伺いしたいので す。  それから、今回追加されました「薬価調査の信頼性確保の観点から、未妥結仮納入」 の問題でありますけれども、これは流通そのものの問題ですので、中医協で議論するの はなじまないかとも思いますが、ただ、現実にそうしたことがあることによって、現行 の薬価調査の信頼性が損なわれるのであれば、それは確かに問題でありますので、実態 としてそういうことが存在するのであれば、これからの議論の中で十分そうしたことが 起こらないような対策をとっていただいた上で議論をするということが必要だと考えま す。ぜひそのあたりもよろしくお願いいたします。 ○遠藤部会長  これについて、事務局何かありますか。後から追加をしたということでありますが。  今御指摘あった点については、留意して議事を進行するつもりでありますけれども、 それに加えて何か事務局の方で。 ○事務局(赤川薬剤管理官)  頻回調査ということで、薬価調査の頻度についてちょっとお尋ねがございましたの で。これは前にも申し上げていることでございますけれども、昭和62年の中医協の建 議におきまして、以前は部分改正で年1回改定をしていたというような前提があったわ けでございますけれども、その昭和62年の建議では、市場における価格の安定にある 程度の期間を要するので、市場価格の形成を待って、おおむね2年に1回程度の全面改 正になることはやむを得ない、当時こういう建議がなされたということでございます。 ただ、当時と現在ではまた事情が違っておりますので、それはまた部会で御議論いただ ければというふうに思っております。 ○遠藤部会長  ありがとうございます。  ほかに。 ○松原委員  類似薬効比較方式をとっているわけでございますが、実際のところを見ますと、類似 薬効ではなくて、類似薬を探して、それを基準にして計算しているという問題がござい ます。そういったことがございますので、非常に非常識な数値が出てくる場合があるの ではないかと私ども考えております。新規の薬剤を画期的な加算をして、あるいは有用 性の加算をするというのは、私どもはもっとよく評価してもよろしいのではないかと思 いますが、そのベースとなるところにつきましては、やはり常識から外れるようなもの であってはならないと考えております。そういったことから、この類似薬効比較方式の 中で、現実問題として類似薬となっているというところも一度議論したく存じます。  また、こういった類似薬がないので原価方式で計算するわけでございますが、私、前 回申しましたように、原価方式でございますと、輸入したバルク末の金額によってすべ てが決まっていきます。そういったことを防ぐ意味でも、やはり類似薬効比較方式の中 の議論をもう一度やり直して、適切な類似薬効を代表するものを考えた上で、この原価 方式がどのような形になるのかということもあわせて検討したく考えます。 ○遠藤部会長  ありがとうございます。  新規収載品に関する価格の決め方についての御議論がされました。それから、後発品 の利用促進についての御議論、あるいは流通についての御議論がされたわけでありま す。 ○向田専門委員  先ほど宗岡委員から2つお話しございまして、後段の方、我々の提案について御賛同 というか、いただけるということで、ありがとうございました。  ただ、前半の方の、先ほどの後発品のことでございますけれども、全体の医療費の中 でということで、それは当然わかりますし、良質・廉価な後発品が今後使用促進される ということに関しては、我々全く異論ございません。ただ、その中で一つの立場といた しましては、今なかなか進まないからと言って、それは先発品が悪いのだからと言っ て、先発品にその責を負わせるということはいかがなものかというふうに考えておりま す。患者のニーズに合わせまして、先発品と信頼できる後発品があって、その中で患者 さんが選ぶということができるよというようなことで、先ほど処方欄のチェックのお話 もありましたけれども、それについても私たちは異存はないところでございますけれど も、ただ、診療報酬や調剤報酬にインセンティブを与えてやるということについては、 誘導的にやるということに関しては、ちょっと慎重な議論が必要かなというふうに認識 をしております。  以上です。 ○遠藤部会長  ありがとうございます。  ほかにございませんでしょうか。 ○対馬委員  今回、発端がクレストールから来ているわけで、この問題はあるわけですから、やは り外国平均価格調整と規格間調整の問題については一応の答えを出すべきだろうなと。 外国価格平均のときには、かなり規格間とラップしたり、剤形の問題にしろ、いろいろ あるのですけれども、やはり明らかな乖離がある場合に調整していくのだということに すると、もう少しすっきりするのではないのかなと。今ですと、ほんのちょっとかかる とすぐに計算してということがあります。また、規格間調整は先ほどもちょっと申し上 げましたけれども、あまりに立ちすぎていますと、どうしても外国と比較していくと、 どこかでひっかかると、こういったものになってきますので、そのあたりの是正を今回 やってはいかがかと、こういうふうに思います。 ○遠藤部会長  ありがとうございます。 ○松原委員  私どももクレストールの件でこういった議論が始まったことを歓迎しているわけでご ざいますが、今対馬委員がおっしゃいましたように、この規格間の問題と外国価格との 問題は、やはり適正な形になるような結論を出していただきたく思います。クレストー ルのときに、同じものでなぜアメリカで安くて日本だけが高くなるのかということに対 する結論は出していただかねばならないと思っております。  また、追加して申し上げますと、外国の平均価格を求めるときに、例えば公的な保険 を中心にやっているところと、自由価格競争でやっているところを平均するということ が果たして本当に正しいことなのかどうなのか、そういった、何の平均をとるのかにつ いても、ぜひ十分な御議論をいただきたいと思っております。 ○遠藤部会長  ありがとうございます。  この論点案に書かれている内容について、まだ御議論の対象になっていないものもあ りますけれども、これについて何か御意見がございますでしょうか。  それでは、恐らくは時間が12時半ということですので、この会場の利用時間を御配 慮いただいてのことだと思いますけれども、今回は、まずは論点の第一ということであ りまして、この議論は今後続けていくつもりです。本日は、非常に重要な点について御 指摘をいただいたということであると理解いたします。  それから、後発品の使用促進につきましては、薬価部会が対象といたします価格をど う決めるかという手段だけでは議論ができないところが出てきます。それはそれでまた 恐らく基本小委で議論されるのでしょうけれども、薬価部会としましても、後発品の促 進についての議論がもしあれば、そこら辺は分けずに議論をしていきたいというふうに 考えております。  それでは、まだまだ御議論はあるかと思いますけれども、本日はまず第1回目の御意 見を集約したということであります。  本日の審議はこのあたりといたしまして、次回以降引き続き御議論いただきたく思い ます。  また、事務局においては、本日の議論等々に沿うような形の資料の準備がもしできれ ばお願いしたいと思います。  次回の日時及び場所につきましては、追って事務局より連絡いたしますので、よろし くお願いいたします。  それでは、本日はこれにて閉会いたします。ありがとうございました。                          【照会先】                      厚生労働省保険局医療課企画法令第2係                 代表 03−5253−1111(内線3276)