05/10/04 社会保障審議会介護給付費分科会第30回議事録          社会保障審議会 第30回介護給付費分科会議事録 1 日時及び場所 : 平成17年10月4日(火) 午前10時から午後1時           東京會舘(丸の内) シルバールーム 2 出席委員:浅野、井形、池田、石井、井部、漆原(代理:山田参考人)、        大森、沖藤、喜多、木下、木村、田中(雅)、対馬、永島、野中、        花井、村川、矢野、山本(代理:高橋参考人)、横山の各委員 3 議題  (1)ケアマネジメントの報酬・基準について  (2)これまでの主な議論等の整理(案)  (3)その他 ○渡辺認知症対策推進室長より資料に沿って説明。 (木村委員) ○全国介護支援専門員連絡協議会として提出した資料「介護報酬見直しに対する意見」 についての説明。  本意見書は当協議会がこれまで実施してきた介護支援専門員に対する実態調査、各都 道府県介護支援専門員協会からのアンケート結果を調査したものをまとめたものであ り、介護保険制度のかなめとして介護支援専門員は、さまざまな課題を抱えながらケア マネジメントを実施し、介護保険制度を支えてきたところは評価してほしい。  まずキーワードは、介護支援専門員が自立すること、これは経済的な自立であり、ま た質の問題がある。  「介護支援専門員の自立、公平・中立の確保」ということで、公平・中立を確保する ために、事業所の経済的な自立と社会的な自立が不可欠と考えている。16年度の経営概 況調査でも損益マイナス15.9%で、経済的に本体法人等に依存している状況がほとんど である。  報酬を設定に当たっては、質を確保する観点から適切なマネジメントができる標準担 当人数と、1件当たりの報酬とを一体的に考える必要がある。参考資料の15ページにモ デル事業でやった損益資産が載っているので参考にしてほしい。  2ページの「ケア マネジメントのプロセス評価」で、メリハリのある介護報酬にするべきと考える。現在 はケアプランの作成件数単位1件当たり8,500円の単一であるが、介護給付サービスの 実施に至らないと報酬に結び付かないというルールになっている。  例えば住宅改修のみ、医療保険の訪問介護のみ、介護保険サービス以外のみのプラン が設定され、それらのサービスが利用されても居宅介護支援事業所は無報酬となってい る。  先ほど減算の説明があったが、減算は適切なプロセス評価実施に必ずしも結び付か ず、かえって抜け道になっていると思う。むしろ介護支援専門員の質、それから意欲向 上にもつながる加算方式の導入をお願いしたい。  それから、多職種間・多事業者間の連携・調整・協働、それから長期継続マネジメン トを実践するために、初期訪問加算、入退院等、事業者との連携加算、サービス担当者 会議開催加算、医師との連携加算、それから住宅改修実施に関わる申請書等の作成支援 に一定の報酬の評価を入れてほしい。  次に「居宅介護支援事業所における介護支援専門員の担当人数の見直し」で、適切な マネジメントを実施するには現在の運営基準、特に標準担当人数の設定の見直しが急務 であると考える。標準担当件数を超えて担当している介護支援専門員が25%もあるとい う実態では適切なマネジメントはできないと考えている。  労働環境という観点からも、介護支援専門員は非常に多忙で、現状は併設が多いから 兼任も容認されているが、介護支援専門員の専門性の発揮、利用者本位のマネジメント 実施という観点からも専任制であるべきで、標準担当件数については30人から40人程度 に見直す必要があると考えている。  現状では、1人で100人の施設ケアプランを策定するというケースもあり、個々人の 状態像を踏まえた適切なケアマネジメントを行うことは非常に困難である。今回の改正 により地域ケアの充実によって地域に暮らすということで、退所後をきちんと見据えた ケアマネジメントの実施を求めるわけだから、今の施設介護支援専門員の運営基準を見 直し、役割の明確化をきちんと考えてほしい。  更に支援困難ケースや主治医の連携等、現場のケアマネジャー1人ではやり切れない ところについて、今回設置される地域包括支援センターにおいて担保してほしい。  軽度の利用者について、来年4月から地域包括支援センターの方にケアマネジメント をスムーズに移行する仕組みを作って、利用者が不安なく移るようにしてほしい。  また、現場のケアマネジャーは軽度者のマネジメントを難しいと考えているので、軽 度者のケアマネジメントにかかる報酬においても、その点を認識の上設定をお願いした い。  「介護支援専門員の自律」では、質の向上のためにきちんと研修を受け、質を上げて いきたいが、今の介護支援専門員養成講座課程における実務研修は40時間で、専門性の 高い介護支援専門員を養成する研修時間数としては不十分と考えている。  また、研修、実務研修後の現場での指導体制も不十分であり、個々人の自己研鑽にた よっているのが現状で、これでは介護支援専門員の質の確保は図れないので、その意味 で今回の現任研修の義務化は重要となる。現任研修は専門性の向上と実践能力の強化を 目指したプログラムとすべきで、職能団体である都道府県の介護支援専門員の協会等の 活用を視野に入れていきたい。  ケアマネジメントの質を上げていくことにより高齢者の自立支援がきちんとでき、そ れが結果として介護給付の適正化につながると考えている。 最後に、今日の意見書を踏まえ、私ども協議会は11月に介護支援専門員一人ひとりが会 員となる日本介護支援専門員協会を立ち上げることを決議し、介護支援専門員の質の向 上を図ることを報告する。 (井形分科会長代理)  実際に今の制度から新しい制度に移行するのはどのようにするのか不安なので、少し 経時的な移行計画にして、スムーズに新制度に移行するよう細心の注意を払ってほし い。 (矢野委員)  ケアマネジメントについては、前回の改定で、要支援、要介護状態別に報酬設定が行 われていたものを、一律にしたにもかかわらず、今回の改定でまた要介護度別の報酬設 定にするという考え方が示されている。現実にそぐわないということで下に戻すという ことだと思うが、その間の状況の変化について説明をしてほしい。  次に、主任ケアマネジャーのことが論じられているが、一定の管理体制が整った事業 所を評価することについては、栄養管理体制に対する評価のときにも申し上げたが、体 制を整えたからではなくて、ケアマネジメントという働きに対して報酬を与えるという 考え方をとるべきだと思う。  予防給付のケアマネジメントについては、「市町村が責任主体となり設置される地域 包括支援センターが実施するため、マネジメントの質は一定程度担保される」と論じな がら、「地域包括支援センターがケアマネジメントを委託する場合には、ケアマネジメ ントの質が低下しないようにする」と整理しているが、このつながりを説明してほし い。  地域包括支援センター自体が市町村の直営以外の形態もあることから、センターに在 籍する保健師などの業務量を勘案すれば、ケアマネジメントを委託するケースが相当多 くなると思う。そうすると、委託する場合と委託しない場合の判断基準が不明であるこ とを考えれば、運営協議会のチェックも限度があるので、減算の仕組みを入れるべきで ある。  また、対象が軽度者であり、自立や生活の質的向上がより求められることから、目標 の達成度合いに応じた評価をケアマネジメントにも導入することも検討してよいのでは ないかと思う。 (渡辺室長)  まず前回の改定以降の変化について、資料1−2の7ページに、前回改定前後の要介 護度別の投入時間の比較をしたものがあり、全体として比較すると改定後は少し傾きが 大きくなっているという実態がある。  また、14ページ「居宅介護支援にかかる介護報酬」で、15年報酬改定後は一律850単 位になり、特に軽度者について大幅な増となったため、全体の費用傾向で、要支援、要 介護1の費用に占める割合が増えてきている。  本体資料12ページについて、地域包括支援センターは直営でやる場合、委託をする場 合がそれぞれあるが、サービス担当者会議の未実施等を減算とするのがいいのか。ある いは、地域包括支援センターという制度的仕組みで担保されているとするのか、そこの 議論をお願いしたい。  それから、地域包括支援センターが委託をした場合の受託側の居宅介護支援事業所の 問題で、居宅介護支援事業所が地域包括支援センターからの委託を受けて予防給付の業 務の一部を行う場合、業務量が過大になるとマネジメントの質の低下が心配される。運 営基準上の規制というのはなかなか難しいところがあるが、何らかの形で指針等を示す 必要がないかどうかなど議論をお願いしたい。 (野中委員)  現状ではケアマネジメントが適切に行われていない根本的な原因に、ケアマネジメン トが理解されていないことがあると思う。ただ報酬を上げることだけでそれが理解され るとは思わない。  私は今日のような会議をすることが議論の公平性・中立性を担保するものと考えてお り、サービス担当者会議がきちんと行われていないことは、自ら公平性・中立性を保障 していないということである。サービス担当者会議の位置付けを現場の人も理解してほ しいし、特に市町村等の行政がケアマネジメントを理解していないことの方が大きい。  住み慣れた地域で住み続けることができるために大事なのはケアマネジメントであ り、そのプランをどう説明していくかも大事なことで、それに手間がかかるのは当たり 前である。そのことを理解しないで、担当者会議をやらなくてもいいとか、利用者の尊 厳とか選択等制度を全く理解しないで、自分たちの視点だけでサービスを提供する現状 を変える事が必要と思う。  私は木村委員の意見についてはある程度理解するが、サービス担当者会議の開催加算 とか、それから医師との連携加算などについては、医師との連携をしないでケアプラン ができると思っていることがそもそもおかしい。ケアプランをつくるには医師の情報が 必要であり、それを加算があるからやるという話では、ケアマネジメントに対する理解 が乏しい。  ケアマネジメントの重要性については認識がなくて、お金でつろうと思ってもそんな ことはできるわけがなく、むしろもっと現場でいろいろ苦労をしていることを理解し て、その方たちが評価されることの積上げがこの報酬では大事だと思う。  上から見て現場のことを知らずに、資料から何%という話はおかしいので、もっと現 場を見て、現場で何が足りないのか。そして、最終的には利用者が自立した生活を住み 慣れた地域でできることを確認し議論してもらいたい。  あと、今日の新聞に、報酬がこうなる予定と新聞報道されていたが、この様な状況で はまさしく公平・中立の会議ができない。どうしてこのような新聞報道がされるのか、 議論がきちんとできるように厚生労働省には注意してもらいたい。 (山崎総務課長)  新聞の件については、今日の資料は最終的には昨夜の8時ごろできた資料で、必要に 応じて委員の方には事前に説明することもあるが、それ以外は厳重な管理でやってい る。決して審議会の前に何か方針が決まっているわけではないので、今後そういうこと のないように十分努めさせていただきたい。  それから、ケアマネジメントで野中委員の指摘はもっともであり、3年前に委員から ケアマネジャーが主治医に情報をくれないという話があり、国から都道府県、市町村、 またケアマネジャーにもお願いして、最低限の情報はきちんと主治医に伝え、ケアカン ファレンスもやってもらいたいとお願いしているのだが、現場ではまだ全然できていな いという話も聞いている。  今回の介護報酬の議論とは別に再度趣旨の徹底を図っていきたいと思うし、基本的な 部分の対応は改めてとりたいと考えている。 (野中委員)  提案についてはある程度現状から見れば理解できるが、本当にこれをやることによっ て利用者の選択が適切に確保できるという保障がどこにあるのか。現場でうまくいって いるところではどうしてうまくいっているのかを検討する必要があると思っている。  自立支援法のケアマネジメントの議論でも、障害部でモデル事業を実施したところ、 結果としてうまくできた地域があった。それはスーパーバイザー的にケアマネジメント を理解している人がいた事によると報告を受けた。これが見本だということを見せるこ とが大事と思う。私は障害部の担当官がまじめにやってくれたことを評価しているし、 障害者にも介護を必要とする人たちにもケアマネジメントは大事である。  つまり、ケアマネジャーがもっと頑張らなければいけないが、ケアマネジャーに対し てもっとモデルプランを見せるべきと思うので、その点について理解をお願いしたい。 (池田委員)  ケアマネジメント制度は介護保険発足とともに創設されてから5年の経験しかないか ら、さまざまな問題を起こしていることはやむを得ないが、現実のケアマネジャーの活 動を見ると、玉石混交としか言いようがない。  介護報酬を要介護度別に設定して4種類加算はやめるというのは、元に戻す形という ことになるが、これは適切だろうと思う。  もう一つ、加算か減算かという話は、実務的に見て減算方式を取ると、やっていない ということを立証するのは保険者であり、加算方式では事業者側にいくわけで、加算に した方が実務的に楽だし、そのことによってインセンティブが働くので、この点は減算 よりも加算に変えた方がいいのではないかと思う。  あと、ケアマネジャーを見ていて心配なのは、家族に言われたことをそのままケアプ ランにしてしまうという、御用聞き的な方から、本当にスーパーバイズもソーシャルワ ークもできるような優秀なケアマネジャーが同一な形でしか評価されていないというこ とには納得できない。  日本ではケアワークに熟達するとソーシャルワークができるという幻想があるようだ が、ソーシャルワークとケアワークは全く異質なものである。今のケアマネジャーとい うのはケアワークであるという位置付けになっているし、多くはケアワーカー出身で、 ソーシャルワークのトレーニングは積んでいないのだが、実際は支援困難事例と称する ソーシャルワークを強制されている。  今度主任ケアマネジャーがつくられるが、ケアマネジャーの機能をケアワーク、ソー シャルワーク、スーパーバイズの3つに分けて、少なくとも一般のケアマネジャーはき ちんとしたアセスメントからケアプラン作成、そして家族本人の説得、同意というもの が得られ、最低限の技術は一定水準まで上げるということを目標にしてほしい。  あと、ケアマネジャーが支援困難事例を一人で抱え込んでしまわないように、ソーシ ャルワークのできる社会福祉士が必置となり、そして主任ケアマネジャーが置かれる地 域包括支援センターにつなげるようにしてもらいたい。  今度の主任ケアマネジャー制度は、良心的で有能なケアマネジャーを活用できるため のキャリアアップシステムとして、厳格かつ可能性のあるような形で運営して、ケアマ ネジャーの質の確保をはかってほしい。  次に、予防ケアプランというのは基本的にはアセスメントの段階、基本的な指針をつ くる段階、個別のプランをつくる段階、そしてサービスの提供を行う段階、の4つに分 けられる。サービス提供は事業者がやるから、アセスメントと基本指針と個別プランを どこでつくるかということが非常に重要になるが、この議論を聞いていると、これを全 部丸投げするという印象が強いが、それはいかがなものか。少なくともアセスメントと 予防の基本指針をつくるところは、地域包括支援センターの直轄の事業として行うべき ではないか。  人手についても、要支援に転換するのは認定者のうち150万人くらいで、実際は2割 がサービスを使っていないから、実数は120万人となり、均等に12か月に割れば3,300人 の保健師で済むことになるので、基本的には小規模自治体は少なくともアセスメントか ら基本指針の作成に至る過程はきちんと地域包括支援センターが責任を持つという方向 を明らかにすると、各自治体もこれから動きやすいのではないかと思う。 (野中委員)  今の池田委員の話では、ケアマネジャーが1人でやるという話になるので、ケアマネ ジャーは多職種連携なくしてはケアマネジメントができないと付け加えたい。 (池田委員)  ケアマネジメントの基本は多職種協働ということにあり、そこが現在なおざりにされ ていることが最大の問題であるということに関しては、野中委員と共通の意見である。  それにインセンティブを与えてやらせるためにどうするかということを考えたとき に、野中委員と違って私は加算方式の方が有効と考えている。 (横山委員)  居宅事業の併設と居宅サービス事業の利用について相関関係があるのは当然で、利用 者のサービス利用は、まずサービス提供事業所に対するアプローチから始まるケースが 多いし、その場合、併設する居宅介護支援事業所を経由してケアマネジメントが開始す ることになると思う。  併設のサービス利用が始まった場合、ケアマネジャーとしてケースの状況把握、相談 対応などがしやすいので、ケアマネジメントの効率性や利用者ニーズに則した実態を無 視してはいけないと思うし、中立・公正についてはケアマネジメントの質的な評価を別 途考えるべきと思う。  それから、公正・中立なケアプランの作成に対する評価というのは具体的にはどんな ことを考えているのか。  要介護度が重いほどサービスの種類が増え、サービス担当者会議等の業務も増えてお り、相関関係があるので、これらの状況を勘案した要介護度別報酬設定が望ましいと考 える。  次に、ケアマネジメントについて、先ほど木村委員からも話があったとおり、ケアマ ネジャーの業務は余りにも繁雑、膨大化していて、担当件数の引下げなどによる報酬水 準の確保という話は理解できるが、介護給付費、保険料に影響することを考慮しなけれ ばならない。  減算の対象としては、月1回利用者の居宅訪問、3か月に1度居宅サービス計画の実 施状況の把握という要件があるが、サービスの実施状況等の把握についてサービス事業 者等の担当者や利用者、家族との電話等の連絡でも可能にするなど、ケアマネジャーの 業務量を軽減する方策をとるべきと考える。  続いて、主任ケアマネジャーについて、公正・中立な質の確保ということと主任ケア マネジャーの業務の位置付けがどうリンクするのかという問題が解消されないと、加算 の評価は難しいのではないかと考える。  続いて地域包括支援センターについての運営費と予防給付費の関係はどうなっている のか。報酬水準は給付管理業務も簡素化されることを踏まえた報酬水準とすべきとある が、予防マネジメントでは運営財源としては小さいものになるような感じがしている。 地域包括支援センターが行う業務が多岐に及んでいるが、それだけの業務をかかえて運 営が可能なのかと懸念している。 (三浦老人保健課長)  資料1−1の10ページにある通り、これからの介護給付に係るケアマネジメントにつ いて、公平・中立という観点からの適正な評価をすべきという観点から見直しを行って はどうかと考えている。  つまり、報酬に関する論点として、基本的なケアマネジメントのプロセスを位置付け て、それが適切に行われている場合に評価を行う。具体的な方法論として、基本動作が 守られなかった場合「減算等」という形で対応してはどうかということである。  なお、11ページには、対応が難しい者に対するケアマネジメントを積極的に行ってい る場合に対する評価の設定についても書いた上で、全体として中立性、公平性が担保さ れるようなスキームを提案している。  それから、地域包括支援センターの関係について、基本的には地域包括支援センター における人件費相当については、地域支援事業という形で、一方でそれぞれの地域包括 支援センターに供給されることになるので、それを踏まえて介護予防に関するケアマネ ジメントに対する報酬を設定していくことが基本ではないかと考えている。 (大森分科会長)  予防給付のケアマネジメント経費はセンターにいくということだが、委託する場合に はどういう切り分けになるのか。 (三浦老人保健課長)  基本的には、まず地域包括支援センターに介護予防のケアマネジメントに対する報酬 は支払われることになるので、それぞれの地域包括支援センターから各居宅介護支援事 業者に対して委託される場合については、その中から委託の費用が支払われると考えて いる。 (木下委員)  まず新聞報道について、これは多分3回目で相変わらず後を断たないので、今後も注 意してほしい。  ケアプランの公平中立性が保てないという最大の原因は、ケアプランの目標がはっき りしていないことだと思う。アセスメントをして目標を出すのが最初の段階だが、とも するとサービスを決めてから後でサービスに合った目標を決めているという現状がある のも事実で、新予防給付では目標を設定してから行うということがはっきり書かれてい るので、その点はある程度改善されるのではないかと思っているが、今までのケアプラ ンについても目標をはっきり設定するということを強調する必要があるが、その部分を 報酬で誘導するというのはいかがなものか。  それから、資料1―1の10ページ「報酬に関する論点」で初回アセスメント等の後に 退院・退所という医療機関と施設、在宅サービスの連携とあるが、入院・入所について も連携が必要と思うし、入院・入所する場合の目的をはっきりさせておき、施設ではそ の目的に合ったケアプランに沿ってやるべきだと思う。  先ほど利用者のニーズとプランの目的が合っているかという話があったが、そこもケ アプランの目標がはっきりしていれば、それに合った利用者のニーズとそのバランスを どう考えていくかということが重要で、多職種協働については手間が増えるかもしれな いが、他の人の情報を利用するということで省力化できる面もあると思うので、そのメ リット、デメリットははっきりさせるべきと思う。  介護保険が始まってケアプランがともすると給付管理と誤解されているので、プラン に沿ったサービスを提供することが基本であり、給付管理はそれに付随したものである という理解をした方がいいと思う。  地域包括支援センターについては期待が大きいが、段階的実施ということを考えない と、大変なことになると思う。 (大森分科会長)  退院時ではなく入院時についてもという指摘について、その前に在宅や施設でどうい うケアを受けてきたかという情報が入院時に病院に伝わるということか。 (木下委員)  入院・入所時に在宅の情報が途切れているというか、ケアマネジャーがそこに介在し ていないこともあるので、その連携がうまくできれば入院・入所の目的がはっきりし て、目的に合ったケアができるのではと考えている。 (浅野委員)  1点目は、要介護度別の報酬について、知事会でメンバー県にアンケート調査をした 結果、要介護度別の差を設けるべきではないという意見が多かった。実際に軽度者のケ アマネジメント、ケアプランをつくるのは本当に楽なのか、時間数ではそういう数字が 出ているようだが、実務を行っている者の受け止め方がポイントだと思う。仮に格差を 設けるとしても、その格差は最小限にすべきではないかという意見が多かったというこ とも申し添える。  2番目はケアマネジメントの公正・中立の確保ということであるが、そもそもケアマ ネジメント、ケアマネジャーが介護サービスの事業者に属しているということがシステ ム的な欠陥ではないか。実態として仕方がないということかもしれないが、ではどうや って本当に公正・中立なシステムになるようにしていくかという方向性が見えないと、 この議論は変な方向にいくのではないかと思う。アンケート調査で、ケアマネジャー1 人当たりの担当件数を引き下げるべきで、それにより独立のケアマネジメントだけで成 り立つ事業所が出てくるという意見も多数あった。  3点目は地域包括支援センターについて、これは初めて出てくる存在なので、余り決 め打ちをしない方がいいのではないか。気になっているのは3業種を必置としてやると いうことで、大事なのは実際のサービスを置かれた地域的な条件の中で最大限どうする かということだと思うので、形をまず決めるというのはおかしいと思う。  それから、間違ったら直す、一番いいものを1年2年かけてやるということで始めた 方がいいと思う。地域包括支援センターについても地域ごとの多様性を認めてほしい。 (川尻計画課長)  地域包括支援センターについては、介護保険法の改正の中で市町村単位で2年間は設 置しないことができるという経過措置を設けているし、また、3職種についても保健師 あるいは社会福祉士に代わる職種も認め、小さな地域で地域包括支援センターを置くと いう場合には、業務量に見合った形で3人の専門職でなく2人として兼務も認めるとい うような形で地域の実情に応じて地域包括支援センターが置けるようにしている。 ○渡辺認知症対策推進室長より資料2「これまでの主な議論等の整理(案)」に沿って 説明。 (野中委員)  この辺のサービスを考えるときに従来のサービスとの関係を考えないといけないと思 う。  それから、入院は医療が必要だからされるわけだが、入院においても退院後の生活を 踏まえたプランを立てていくことが必要である。そうした中で、小規模多機能は非効率 と思うので、まず既存のサービスをもっと検討して活用することが大事と考える。住民 が住み慣れた地域で住み続けるために横断的なケアマネジメントを、今後の議論でお願 いしたい。 (対馬委員)  介護報酬の支払いの形態が、まだ余り議論されていないと思う。  払い方によって各々メリット、デメリットもあるし、またそれによって誘導されてい くということもあるので、この資料中「適当である」というところを既決事項にしない ようお願いしたい。 (横山委員)  目標達成に対する評価について、そもそも介護保険におけるサービスは状態改善を目 指して行われるということが大前提であると思う。ケースの年齢や心身の状況あるいは 家庭、地域の状況など、いろいろな要素を考慮した上で目標達成を考えていかなければ ならない。  これらはこれからの実践や事例研究、人材の質の向上で確保すべきではないかと思っ ていて、この点に関しては、サービスからの離脱が安易に行われては本末転倒ではない かと懸念を持っている。  また、目標達成に対する評価については、社会保障全体に影響を及ぼす大きい問題だ と思うので、医療ではこの評価をどう考えているのか。  2番目に、介護予防通所介護と通所リハについて、介護予防の対象者は利用時間が多 様化するし、予防プログラムを継続して受けるためのインセンティブも必要になると考 えている。そのためにも送迎は必要なサービスであり、これを包括設定された場合、利 用時間の多様化に影響を及ぼすし、送迎費用を確保できなくなるのではないか。入浴加 算についても同様であり、既存サービスにもこれは連動してくる課題であると思う。 (花井委員)  通所系サービスを主軸としたという介護予防訪問介護の表現が、介護予防訪問介護が 通所系サービスに従属しているかのように思われてしまうので、そうでははないという ことを明確な表現にしてほしい。  それから小規模多機能型居宅介護について、このサービスは利用者が登録することに なっているが、緊急時の対応を考えた場合、本当にそこを使えないとしていいのか、検 討する必要がある。  それから、特養のサテライトについて、少し離れた距離にあっても、生活相談員やケ アマネジャーの役割がきちんとサテライト入所者まで届くような運営基準を検討してほ しい。  最後に介護予防について、まだ筋トレが強制されると信じている方もいるので、急激 に現場で実行されることがないようお願いしたい。 (矢野委員)  今回は介護予防という新しい仕組みを取り入れるので、事例の集積を続けていく必要 があると思う。成功事例や失敗事例ともにである。それで、3年後に初めて見直しをす るのではなく、今から見直しの準備をしておく必要があるということを提案したい。  目標の達成度合いに応じた介護報酬の設定という考え方についても、軽度化した事例 や重度化した事例ごとに、どういう方向を見出すべきか考えていく必要があると思う。  それから、介護予防訪問介護のサービス区分について「身体介護」、「生活援助」と いう区分を一本化することは、妥当な考え方だと思っているが、やはり生活援助型サー ビスは制限的な運用を考えていくべきである。 (永島委員)  認知症高齢者グループホームについて、入居者は入院の場合に契約解除になるという ことがあり、元のグループホームに入りたいから入院のときは利用料と二重払いになり 大変な負担になっている現状があった。  これは空き部屋をショートに使ったグループホーム側は空き部屋を担保しておくため の料金と、ショートステイ利用料を重複して取れるということなのか。 (川尻計画課長)  グループホームのショートの関係は、現在構造改革特区という形で実験的に行われて いるが、1つの部屋について2人が部屋代を払うということは適当とは言えないので、 そういうことのないように整理すべきだと考えている。 (永島委員)  それでは、入院費と利用料の二重払いというのは仕方のないことなのか。 (川尻計画課長)  グループホームの居住費については、まさに利用者と施設の契約によることになる が、例えば入院している間も自身の持ち物を置いていて、自分の部屋として使いたいと いうことであれば、それは部屋として占有するのだから、居住費を取るという形になる と思うし、荷物を倉庫等に保管して、他の人にショートで使ってもらう場合には、ショ ートの利用者が居住費を払い、元の利用者は払わなくていいという形で合理的に整理し てはどうかと考えている。 (渡辺室長)  グループホームは、住まいにサービスが付いている形態であり、例えば普通にアパー トに住んでいて入院した場合に、その間のアパートの家賃等をどうするかという関係と 同じなので、そこは事業者と利用者との間でどのような整理をするかということにな る。 (永島委員)  グループホームは事業者が小さく、今の考え方を現場で明確に理解されているとは言 えないので、考え方にはかなりばらつきがあると思う。 (井形分科会長代理)  主な議論の整理というのは、この審議会が近い将来に諮問を受けて審議会の責任とし て答申しなければいけない項目なので、例えば包括払いとか、あるいは訪問介護の位置 付けとか具体的な意見を出していくべきである。 (井部委員)  小規模多機能型居宅介護については、野中委員からも指摘があったように非効率では あるが、介護だけではなく看護や医療にも関連した方たちの社会的なニードをかなえる ことは介護保険制度の理念にも関係していることで、こうしたサービスも提供できるよ うな体制は必要と思う。  ケアマネジメントに関しては重要な機能であり、介護保険制度の理念に立ち返って、 そこのところをしっかりと理解してケアマネジメントを行うような研修や、職業倫理の 在り方の検討が必要と思っており、単に給付の管理とか方法論だけに終わることがない ようにしなければいけない。  特に介護保険はサービスのメニューが明確であって、それに対する報酬もわかりやす い、とても近代的な制度だと思うので、その点を崩すことなく、利用者にとってわかり やすい制度体系であるべきであってほしい。 (田中(雅)委員)  小規模多機能型居宅介護について、この利用については前回の資料ではなじみの関係 づくりが重要であるという観点から、利用者を登録というかたちで固定するということ であったが、大事なことは利用者の選択だと思うので、むしろ利用者が自由な選択を可 能にするような形にするべきではないか。 (山田参考人)  介護予防通所介護、介護予防通所リハについて、「共通的サービス」については月単 位の定額報酬というのは十分理解できるが、「選択的サービス」はある程度の専門性も あるし、具体的にプランで週何回ということもあるので、これは個別に加算という考え 方もあると思う。  それから、要支援1と2の報酬水準の議論は、やはり現行の要支援者と要介護1の実 態はかなり違うと思うので、ここは積極的に分けて要介護状態にならないことを積極的 に評価するのがいいと思う。  それから、目標の達成度合いに応じた介護報酬の設定については、一生懸命やっても 結果が出ないというのは多々ある話なので、これに対してペナルティを課すのはスター トの時点では少し難しい。事業者単位の評価とすることについてはある程度理解でき る。  栄養改善については、これは介護予防にかかわらず今後の検討課題になると思うが、 在宅での栄養の取り扱いは重要な課題だと認識してほしい。 (沖藤委員)  今回の改定は、新予防給付に力点を置いて会議が進行されてきたが、現場での中重度 の方の家族の介護疲労というのは想像以上のものがあり、こうした介護疲れをケアマネ ジメントの中にどのように織り込んでいくのかということを木村委員にお尋ねしたい。 つまり介護疲れをしていくから、いろいろなサービスを勧めても支払いたくないという 家族もあるわけで受け入れない。それによって介護疲労がどんどん高まっていくので、 介護疲労そのものの分析というよりもむしろ勧めても受け入れられないケアマネジメン トについてどのように対応しているのか。  第2点は、インフォーマルサービスの取扱いについて、報酬設定においてもインフォ ーマルサービスを組み入れるかによって設定の仕方が違ってくると思う。   (大森分科会長)  ケアマネジャーが家族にも本人にも望ましいと考えるプランと、実際につくっている プランとの間に相当大きなずれや差が出てきて、悩んでいるケースは多いと思う。  現場では一生懸命やっても、家族をなかなか説得できずに困難なことが起こる。そう いうときに、ケアマネジャーは実際にはどう考えているのだろうか。 (永島委員)  電話相談であった話だが、デイサービスをまだ一度も受けたことがない認知症の人 で、家族はデイサービスを受けさせて、介護疲れから解放されたいと考えているが、本 人は行きたくないと言う。本人はデイサービスというものが理解できなくて、そこに連 れて行かれたら帰れなくなると思っていて、結局ちゃんと帰ってくるということを説明 しなかったからなのだが、こうした説明についてもケアマネジャーの仕事になるのか教 えてほしい。 (木村委員)  プロセスを踏んで本人と家族と一緒に担当者会議をやっているところは、恐らく今の 話にはなりにくいと思う。問題は本人もいない、家族もいない状態でサービスを供給す る場合、本人だけには話したが家族には話していないとか、そういうずれがどんどん出 てきていることにあると思う。  そうならないように本人と家族とケアマネジャーと、カンファレンスを個別サービス 事業所等と同じ目標を持った形で行い、またお金の話もきちんとする。  だから、ケアマネジャーはこのままサービスを受け入れないと次にこうなるという予 後予測をして、サービス導入の必要性をしっかり説明しなければいけないと思う。  認めたくないが、ケアマネジャーの質にはかなり差があると思うので、今後質の向上 をきちんと行っていきたいと考えている。  インフォーマルサービスの方は、制度施行時からケアプランに入れていく整理であっ たが、インフォーマルサービスだけやったら居宅介護支援事業者が介護報酬をもらえな いし、事業者同士の関係からも併設施設が多いので、そのサービスを入れていくという 志向になってしまうと思う。  ケアマネジメントについて、軽度者の人たちは特にインフォーマルサービスだけでも それをケアプランとしてきちんとやっていけると思うが、現在の報酬体系ではケアマネ ジャーはただ働きとなってしまう。 (大森分科会長)  その点は池田委員から、今回の介護予防サービスで組まれるサービスと、社会福祉と いうか、支援事業みたいなサービスは区別をする方向という意見が出ていたと思う。非 常に大切な議論なので、もう一度そのことを説明してもらいたい。 (池田委員)  介護保険は社会福祉制度ではなく、ソーシャルインシュアランスであり、ソーシャル インシュアランスとは保険事故が厳密に定められて、その保険事故に対して無条件で給 付が行われるという権利義務関係を持っている。したがって、特定の人のみに必要なニ ーズを保険に組み込むと、保険は肥大化して崩壊してしまうという問題があるから、結 局そこの分け方がきちんとしないと制度的に大変なことになる。  先ほどから、インフォーマルなサービスという言葉が出てきたが、余り正確にインフ ォーマルなサービスは使われていない。例えば、介護保険サービス以外は皆インフォー マルサービスと思っているようだが、それは違って、インフォーマルサービスというの は家族や隣人やボランティアやNPOのサービスを言うわけで、行政が社会福祉として やっているサービスはフォーマルサービスである。  そしてケアマネジャーが絶対持っていなければいけないのは、インシュアランスサー ビスについてはもちろんだが、フォーマルサービス、つまり自治体が社会福祉、高齢者 福祉としてやっているサービスについてである。  それから、経済的動機でサービスの利用を抑制されているということについては、所 得水準によって起きる現象ではなく、大多数は払えないではなく払いたくないというこ とであり、そこに手当をすると制度そのものが成り立たなくなるということも付け加え たい。  あと、家族介護と社会的介護サービスは全く違うものであり、家族サービスを再現す るために介護保険を入れたら幾らあっても足りないのだが、家族も本人も欲しがるサー ビスは家族サービスであり、それは介護保険では出ないということをはっきり理解する 必要がある。介護保険というのは前の高齢者福祉という措置制度を引き継いでいるよう に見えてしまうが、高齢者福祉も措置制度も残っているので、介護保険がどういうもの かということをきちんと国民的に議論をするべきと思う。 (浅野委員)  我々地方側としては今、切実な問題があり、それはスケジュールのことである。新し い給付に対する新しい報酬体系を、年を越してから示されたのでは絶対に間に合わな い。  今、我々の方の事務方に聞いたら11月がデッドラインということで、それまでに出し てもらわないと間に合わない。スケジュール的には実施主体に近ければ近いほど切羽詰 まり切っているので、是非スケジュールを示して、そこから逆算してこの審議もしない ととても間に合わない。 (山崎総務課長)  この分科会が始まる段階においてもその話があり、それを踏まえて、まず最初に新規 サービスについて基本的な考え方を決めるということで、それを優先的に進めて、既存 サービスはその後という形で、2つに話題を分けて進めている。  後で説明する予定であったが、次回に新規サービスについての基本的考え方の整理を 提示したいと考えている。細部まではなかなか難しいが、事業者にとってもビジネスモ デルとしてできるかどうか、更に市町村の体制としてどうかという骨格になる部分は優 先的に議論をしていきたいと思う。  加えて、毎回3時間にわたる議論、また毎週1回ずつ開催しているのは、そういう現 場のこともあってのことで、厚生労働省としても間に合うようなスケジュールでやって いきたいと考えている。 (浅野委員)  細かい部分はいつ示すのか。確定したものとして示すのはいつになると今日、決意表 明として示してもらいたい。  審議が遅れたせいで、1月になってしまったでは、とても耐えられないから、今日聞 かせてほしい。 (山崎総務課長)  毎月都道府県会議等をやっており、その中でかなりの部分は示しているつもりで、現 在は最後の段階の点数や基準について議論が入っているわけだから、全くの白紙状態と いうわけではないと考えている。  少なくとも一旦示してまた修正ということではますます混乱することになるので、審 議会の意見を踏まえた上で最終的には市町村や県を含めて混乱なきように責任を持って やっていきたいと思っている。 (浅野委員)  今日議論されていることは、報酬を何点にするというよりも、もっと基本的な内容も 含まれているのではないかと思うので、そういう部分については早く確定をしてほし い。 (大森分科会長)  これだけの人数で毎回多くの意見が出るので、強引に決めるのではなく、やはりいろ いろな立場からいろいろな意見があって、全体としてはここに落ち着きそうだという段 階で政府から諮問とならないといけないと考えている。  しかし、浅野委員の要望についても理解できるので、一日も早く打ち上げるという方 向で皆で努力したいと思うのでよろしくお願いしたい。 (木村委員)  地域包括支援センターが委託する場合のケアマネジメントの質の問題のところで、仮 にアセスメントをした人間とケアプランをつくる人間がばらばらでは、全然その課題分 析をできないと思う。アセスメントから一連のケアマネジメントプロセスをきちんと踏 むという形にして委託しなければ、ケアマネジメントの質は新予防給付において担保で きないと思うので、地域包括支援センターから居宅支援事業所に委託する場合の役割分 担をもう一回検討してほしい。  それから、提言したサービス担当者会議開催加算というのは、何とかしてサービス担 当者会議を開催しやすい仕組みができないかということで現場から提案したものであっ て、お金を付けたら会議を開催するという意味ではないことを付け加える。 (花井委員)  ケアマネジメントの問題で、ケアマネジメントの費用が全額介護保険から給付され る、その理屈というのは何だったのか。 (山崎総務課長)  制度当初の話であり、保険制度を考えた場合、利用者が1割負担するのは原則で、ケ アマネジメントだけ大変議論があり、支払い者側にとっても、財務当局も大変な議論の 中で、ケアマネジメントについてはその利用を促進するという中で、10割給付という形 を導入したものである。  こういう社会的なサービスを導入すること自体に、どう国民が考えるかという危惧を 感じていたのが一つの大きな背景かと思う。逆に言うと、想像以上に利用されているわ けで、どうしてケアマネジメントだけ利用者負担がないのかということになり、いいケ アマネジメントでない者にも一律に保険給付するのはどうかという議論は逆に経済財政 諮問会議からもあり、そういう意見があることもまた現状である。 (野中委員)  医療においても問われているのは、患者から選ばれるとの視点を十分理解することだ と思う。介護の現場でもやはり利用者から選ばれるという視点が大事と思う。ただ、実 際に選ばれる認識は少く現状である。ケアマネジャーが何をするかが重要になる。  沖藤委員の話は、利用者にとって自らの家族、本人も含めての生活が見えないから、 介護が不幸な結果になる。生活をつくることが本来のケアマネジメントであり、池田委 員の説明もよく分かるが、それは皆でつくっていく作業を積み重ねることによって生ま れると思う。  介護保険は、介護をまだ必要としなくても保険料を払っている人に、介護を必要とす る状況になってもサービスを受けて自らの選んだ所で生活ができるとの希望を与えるこ とが、真の介護保険が持続可能な制度になる事と思う。是非そうした視点で介護保険の ケアマネジメントからさまざまなサービスも考えてほしい。 (石井委員)  主任ケアマネージャーの質の確保についての議論はまだ今後行っていくのか。  木村委員が出された現場からの声というところで、研修を強く求めている。私も広島 のケアマネの連絡協議会に関与しているが、本当に必要な研修というのはなかなか難し くて、新予防給付については専門性が求められる新たなサービスであり、その研修をど う義務付けていくのか教えてほしい。  優秀なケアマネジャーは幾つものデイサービスに、見学は幾らでもできるからと何か 所も連れて行き、気に入ったところを利用してもらう、そうしたケアマネジャーが増え るための研修でなくてはいけないと思う。 (古都振興課長)  介護支援専門員の生涯研修体系の在り方に関する研究委員会として、井形委員を中心 に中間報告をいただいているので、この趣旨を踏まえてきちんとした研修体系をつくっ ていきたいと思っているが、あわせてこの場での議論も踏まえながら検討してまいりた い。 (大森分科会長)  それでは、次回の議題について、事務方と協議して私から発言することとします。  介護予防サービスなどの新規のサービスについては、本日の議論を含め、これまで3 回にわたり議論をしてきたが、次回はこれまでの議論を踏まえ、報酬改定に向け、各サ ービスの報酬や基準の体系に関する、より具体的な議論をしたいと考えている。  ついては、事務局にそのためのたたき台を作成して、委員の皆様に御議論いただきた いと私は考えているが、そうしてよろしいでしょうか。  先ほど浅野委員からも要望があったので、より具体的な議論を集中的に進めたいので 協力をお願いしたい。 ○大森分科会長より閉会の宣言 照会先 老健局 老人保健課 企画法令係 TEL03(5253)1111(内3948 3949)