資料1

看護記録に関する現行法令上の規定(抜粋)


保健師助産師看護師法における「看護記録」の位置づけ
 現行の保健師助産師看護師法上、看護記録に関する規定は無い。(助産録を除く)


その他の法令上の位置づけ(病院、訪問看護ステーションの施設、運営に関する基準等)

(1)病院(地域医療支援病院・特定機能病院)の施設基準
医療法及び医療法施行規則において、看護記録は、地域医療支援病院及び特定機能病院の施設基準等の一つである「診療に関する諸記録」として規定。(2年間保存
<参考法令>
 ・医療法(昭和23年法律第205号)第22条、第22条の2
 ・医療法施行規則(昭和23年厚生省令第50号)第21条の5、第22の3

(2)保険医療機関における基準等
健康保険法及び老人保健法の規定に基づき「保険医療機関及び保険医療養担当規則」等において、保険医療機関は、療養の給付の担当に関する帳簿及び書類その他の記録をその完結の日から3年間保存しなければならないと規定。
<参考法令>
 ・保険医療機関及び保険医療養担当規則(昭和32年厚生省令第15号)第9条
 ・老人保健法の規定による医療並びに入院時食事療養費及び特定療養費に係る療養の取扱い及び担当に関する基準(昭和58年厚生省告示第14号)第9条

「基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて」において、病院・診療所の入院基本料に関する施設基準の中で、看護に関する記録について規定されている。
<参考通知>
 ・「基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて」(平成16年3月30日保医発第0227002号保険局医療課長通知)

(3)訪問看護ステーション運営に関する基準
介護保険法の規定に基づき、「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準」において、訪問看護計画書及び訪問看護報告書についての作成、整備等が義務付けられている。(2年間保存
<参考法令>
 ・指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第37号)第70条、73条の2

健康保険法及び老人保健法の規定に基づく厚生省令「指定訪問看護及び指定老人訪問看護の事業の人員及び運営に関する基準」において、訪問看護計画書及び訪問看護報告書についての作成、整備等が義務付けられている。(2年間保存
<参考法令>
 ・指定訪問看護及び指定老人訪問看護の事業の人員及び運営に関する基準(平成12年厚生省令第80号)第17条、30条


<参考法令(抜粋)>
医療法(昭和23年7月30日法律第205号)
【地域医療支援病院の法定施設等】[改正]全部改正:平成9年12月17日
 第22条 地域医療支援病院は、前条第1項(第9号を除く。)に定めるもののほか、厚生労働省令の定めるところにより、次に掲げる施設を有し、かつ、記録を備えて置かなければならない。
 集中治療室
 診療に関する諸記録
 病院の管理及び運営に関する諸記録
 化学、細菌及び病理の検査施設
 病理解剖室
 研究室
 講義室
 図書室
 その他厚生労働省令で定める施設

【特定機能病院の法廷人員及び施設の基準等】[改正]追加:平成4年7月1日
 第22条の2 特定機能病院は、第21条第1項(第1号及び第9号を除く。)に定めるもののほか、厚生労働省令の定めるところにより、次に掲げる人員及び施設を有し、かつ、記録を備えて置かなければならない。
 厚生労働省令で定める員数の医師、歯科医師、薬剤師、看護師その他の従業者
 集中治療室
 診療に関する諸記録
 病院の管理及び運営に関する諸記録
 前条第四号から第八号までに掲げる施設
 その他厚生労働省令で定める施設

医療法施行規則(昭和23年11月5日厚生省令第50号)
【地域医療支援病院の施設及び記録】[改正]追加:平成10年3月27日
 第21条の5 法第22条第1号から第8号までの規定による施設及び記録は、次のとおりとする。(1号、3号は省略)
 診療に関する諸記録は、過去2年間の病院日誌、各科診療日誌、処方せん、手術記録、看護記録、検査所見記録、エツクス線写真、紹介状及び退院した患者に係る入院期間中の診療経過の要約とする。

【特定機能病院の施設基準等】[改正]追加:平成5年2月3日
 第22条の3 法第22条の2第2号から第4号までの規定による施設及び記録は、次のとおりとする。(1号、3号は省略)
 診療に関する諸記録は、過去2年間の病院日誌、各科診療日誌、処方せん、手術記録、看護記録、検査所見記録、エックス線写真、紹介状及び退院した患者に係る入院期間中の診療経過の要約とする。

保険医療機関及び保険医療養担当規則(昭和32年4月30日厚生省令第15号)
【帳簿等の保存】[改正無し]
 第9条 保険医療機関は、療養の給付の担当に関する帳簿及び書類その他の記録をその完結の日から3年間保存しなければならない。ただし、患者の診療録にあつては、その完結の日から5年間とする。
老人保健法の規定による医療並びに入院時食事療養費及び特定療養費に係る療養の取扱い及び担当に関する基準(昭和58年1月20日厚生省告示第14号)
【帳簿等の保存】[改正]一部改正:昭和61年12月27日
 第9条 保険医療機関等は、医療及び特定療養費に係る療養の取扱いに関する帳簿及び書類その他の記録をその完結の日から3年間保存しなければならない。ただし、患者の診療録にあつては、その完結の日から5年間とする。

基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(平成16年2月27日保医発第0227002号保険局医療課長通知)
第1 基本診療料の施設基準等
 基本診療料の施設基準等については、「基本診療料の施設基準等」(平成16年厚生労働省告示第49号)に定めるものの他、下記のとおりとする。
 入院基本料等の施設基準等は別添2のとおりとする。

 別添2 入院基本料等の施設基準等
 第1 病院の入院基本料に関する施設基準
 入院患者の数及び看護要員の数等については下記のとおりとする。
(4) 看護の実施は次の点に留意する。
 看護に関する記録としては、看護体制の1単位ごとに別紙3に掲げる記録がなされている必要がある。なお、これらの記録の様式・名称等は各病院が適当とする方法で差し支えないが、記録の作成に際しては、重複を避け簡潔明瞭を旨とすること。
 第2 診療所の入院基本料に関する施設基準
 看護関連記録が整備され、勤務の実態が明確であること。なお、看護関連記録の様式、名称等は、各診療所が適当とする方法で差し支えない。

別紙3 入院基本料に係る看護記録
  入院基本料の届出を行った病棟においては、看護体制の1単位ごとに次に掲げる記録がなされている必要がある。ただし、その様式、名称等は各保険医療機関が適当とする方法で差し支えない。
 1 患者の個人記録
(1) 経過記録
 個々の患者について観察した事項及び実施した看護の内容等を看護要員が記録するもの。
 ただし、病状安定期においては診療録の温度表等の余白にその要点を記録する程度でもよい。
(2) 看護計画に関する記録
 個々の患者について、計画的に適切な看護を行うため、看護の目標、具体的な看護の方法及び評価等を記録するもの。
 看護業務の計画に関する記録
(1) 看護業務の管理に関する記録
 患者の移動、特別な問題を持つ患者の状態及び特に行われた診療等に関する概要、看護要員の勤務状況並びに勤務交代に際して申し送る必要のある事項等を各勤務帯ごとに記録するもの。
(2) 看護業務の計画に関する記録
 看護要員の勤務計画及び業務分担並びに看護婦、准看護婦の受け持ち患者割当等について看護チームごとに掲げておくもの。

指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準 (平成11年3月31日厚生省令第37号)※介護保険法の規定に基づく省令

【訪問看護計画書及び訪問看護報告書の作成】[改正]最終改正:平成15年3月14日
 第70条 看護師等(准看護師を除く。以下この条において同じ。)は、利用者の希望、主治の医師の指示及び心身の状況等を踏まえて、療養上の目標、当該目標を達成するための具体的なサービスの内容等を記載した訪問看護計画書を作成しなければならない。
 看護師等は、既に居宅サービス計画等が作成されている場合は、当該計画の内容に沿って訪問看護計画書を作成しなければならない。
 看護師等は、訪問看護計画書の作成に当たっては、その主要な事項について利用者又はその家族に対して説明し、利用者の同意を得なければならない。
 看護師等は、訪問看護計画書を作成した際には、当該訪問看護計画書を利用者に交付しなければならない。
 看護師等は、訪問日、提供した看護内容等を記載した訪問看護報告書を作成しなければならない。
 指定訪問看護事業所の管理者は、訪問看護計画書及び訪問看護報告書の作成に関し、必要な指導及び管理を行わなければならない。
 前条第4項の規定(※)は、訪問看護計画書及び訪問看護報告書の作成について準用する。
 (※)第69条第4項
 当該指定訪問看護事業所が指定訪問看護を担当する医療機関である場合にあっては、(中略)訪問看護計画書及び訪問看護報告書の提出は、診療録その他の診療に関する記録(以下「診療記録」という。)ヘの記載をもって代えることができる。

【記録の整備】[改正]追加:平成15年3月14日
 第73条の2 指定訪問看護事業者は、従業者、設備、備品及び会計に関する諸記録を整備しておかなければならない。
 指定訪問看護事業者は、利用者に対する指定訪問看護の提供に関する次の各号に掲げる記録を整備し、その完結の日から2年間保存しなければならない。
 第69条第2項に規定する主治の医師による指示の文書
 訪問看護計画書
 訪問看護報告書
 次条において準用する第19条第2項に規定する提供した具体的なサービスの内容等の記録
 次条において準用する第26条に規定する市町村への通知に係る記録
 次条において準用する第36条第2項に規定する苦情の内容等の記録
 次条において準用する第37条第2項に規定する事故の状況及び事故に際して採った処置についての記録

指定訪問看護及び指定老人訪問看護の事業の人員及び運営に関する基準 (平成12年3月31日厚生省令第80号)※健康保険法及び老人保健法の規定に基づく省令

【訪問看護計画書及び訪問看護報告書の作成】[改正]最終改正:平成14年2月22日
 第17条 看護師等(准看護師を除く。以下この条において同じ。)は、利用者の希望、主治の医師の指示及び心身の状況等を踏まえて、療養上の目標、当該目標を達成するための具体的な指定訪問看護等の内容等を記載した訪問看護計画書を作成しなければならない。
 看護師等は、作成した訪問看護計画書の主要な事項について、利用者又はその家族に説明しなければならない。
 看護師等は、訪問日、提供した看護内容等を記載した訪問看護報告書を作成しなければならない。
 指定訪問看護ステーションの管理者は、訪問看護計画書及び訪問看護報告書の作成に関し、必要な指導及び管理を行わなければならない。

【記録の整備】[改正無し]
 第30条 指定訪問看護事業者は、従業者、設備、備品及び会計に関する諸記録を整備しておかなければならない。
 指定訪問看護事業者は、利用者に対する指定訪問看護等の提供に関する諸記録を整備し、その完結の日から2年間保存しなければならない。

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