「今後の労働契約法制の在り方に関する研究会」
報告書(ポイント)


労働契約法の必要性
背景
 労働条件決定の個別化
 経営環境の急激な変化
 集団的労働条件決定システムの機能の低下
 個別労働関係紛争の増加
 労働者の自律的な働き方に対応するために労働時間法制の見直しを検討する必要
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 労使当事者が実質的に対等な立場で自主的に労働条件を決定することを促進し、紛争の未然防止等を図るため、労働契約に関する公正・透明なルールを定める新たな法律(労働契約法)が必要
 仮に労働時間法制の見直しを行うとすれば、労使が労働契約の内容を実質的に対等な立場で自主的に決定できるようにするための労働契約法が不可欠

労働契約法の基本的考え方
 労使自治の尊重と実質的対等性の確保  ・就業形態の多様化への対応
 労働関係における公正さの確保  ・紛争の予防と紛争が発生した場合への対応

労働契約法の性格
 労働基準法とは別の民事上のルールを定めた新たな法律
 履行確保のための罰則は設けず、監督指導は行わない
 強行的な実体規定のほか、手続規定や任意規定、推定規定なども活用
 労働基準法についても、労働契約に関するルールの明確化等の観点から見直しを行う

具体的内容
労働契約法
(1) 労働条件の設定の運用状況を常時調査討議し、労働条件の決定に多様な労働者の意思を適正に反映させることができる常設的な労使委員会制度を整備
(2) 労働契約の成立・変動・終了に関する要件と効果を規定
 採用内定、試用期間、配置転換・出向・転籍、懲戒、解雇、退職等のルールの明確化
 安全配慮義務、労働者の個人情報保護義務等の整備
 「雇用継続型契約変更制度」の導入
 解雇の金銭解決制度の導入の検討 等
(3) 有期労働契約の雇止めについてのルールの整備など有期契約労働者にも対応

労働基準法の見直し
(1) 契約期間の上限規制の趣旨が労働者の退職制限の防止に限られることの明確化
(2) 採用内定期間中の解雇予告制度の適用除外
(3) 労働条件明示や就業規則の記載事項・作成手続の見直し
(4) 第18条の2など民事的効力のみを有する規定を労働契約法に移行

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