05/09/14 厚生科学審議会医薬品販売制度改正検討部会第17回議事録        第17回厚生科学審議会医薬品販売制度改正検討部会議事録          日時:平成17年9月14日(水)/10:00〜11:48          場所:厚生労働省17階専用第18・19・20会議室  井村部会長  それでは、定刻となりましたので、ただいまから、第17回厚生科学審議会医薬品販売 制度改正検討部会を開催させていただきます。  いつものことでございますが、皆様方、お忙しいところをご出席いただきまして、本 当にありがとうございます。よろしくお願いいたします。  それでは、議事に入ります前に、委員や本省の方で事務局に一部交代がありましたの で、そちらの紹介をお願いいたします。  事務局  それでは、まず、委員の交代について御説明をいたします。  森委員にかわりまして、このたび、東京都福祉保健局健康安全室薬務課長に就任され ました芦野研治さんに新たに部会委員として加わっていただいております。よろしくお 願いいたします。  芦野委員  芦野でございます。よろしくお願いいたします。  事務局  次に、事務局の異動のお知らせですが、8月26日付をもちまして、医薬食品局長が交 代になっております。新たに福井局長が着任しております。  福井医薬食品局長  福井でございます。おはようございます。どうぞよろしくお願いいたします。  事務局  このほか、北村総務課長、中垣安全対策課長、村上監視指導・麻薬対策課長、中村監 視指導室長がそれぞれ着任いたしております。  それでは、福井局長よりごあいさつをさせていただきます。  福井医薬食品局長  おはようございます。ただいま司会の方から御報告をさせていただきましたが、この たび医薬食品局長を、8月26日付でございますが、拝命をいたしました福井でございま す。どうぞよろしくお願いいたします。  井村部会長を初めといたしまして、各委員の皆様方におかれましては、昨年の5月以 来でございますが、この一般用医薬品の販売制度のあり方につきまして内容の深い御議 論を重ねていただいておりますことに、まずもって感謝を申し上げたいと思います。  この部会での御議論でございますが、この一般用医薬品を取り巻く環境が大きく変化 をしているということを踏まえまして、医薬品の安全確保に最大限配慮しつつ、医薬品 のリスクの程度に応じまして、販売制度の枠組みを見直す、構築するということである と認識をいたしているところでございます。  この部会も、先ほど部会長からお話がございましたが、今回で17回目ということでご ざいます。今後、部会としての意見のとりまとめに向けまして、より一層精力的な御議 論をお願いすることとなると思いますが、私といたしましては、委員の皆様方の高い御 見識に基づく御議論を踏まえまして、制度改正の実現に取り組んでまいる所存でござい ます。  部会長初め委員の皆様方におかれましては、引き続き御指導・御協力のほどをいただ けますようお願い申し上げまして、一言、ごあいさつとさせていただきます。どうぞよ ろしくお願いいたします。  井村部会長  それでは、続きまして、本日の委員の出欠状況を事務局の方から御報告いただけます か。  事務局  本日の委員の出欠状況でございますが、本日は、現時点で、委員20名のうち14名の御 出席をいただいております。厚生科学審議会の規定に定める定足数を満たしており、本 日の部会が成立しておりますことを御報告いたします。  なお、吉川委員からは、少しおくれて御出席との御連絡をいただいております。  それから、大山委員、高橋委員、谷川原委員、堀井委員につきましては、御欠席との 御連絡をいただいております。  また、本日は、オブザーバーとして、専門委員会から荻原専門委員にも御出席をいた だいております。  井村部会長  ありがとうございました。  それでは、引き続いて、事務局の方から本日の配付資料の確認をお願いいたします。  事務局  それでは、資料を確認させていただきます。お手元にお配りしております本日の資料 でございますが、1枚目に議事次第をお配りしております。次に、資料1「今後の医薬 品販売制度改正検討部会の進め方(案)」、資料2「検討項目2〜6及び8についての 第11回から第15回までの部会における意見のとりまとめ」、資料3−1「販売時におけ る対応のパターンについて」、資料2−3「相対的リスクの評価方法について」、参考 資料1「医薬品販売制度改正検討部会委員名簿」、参考資料2「医薬品販売制度改正に 関する論点の整理」を配付しております。  本日の資料は以上ですが、落丁などがございましたら事務局までお知らせください。  以上でございます。  井村部会長  ありがとうございました。いかがでございましょうか、そろっておりますでしょう か。  それでは、進めさせていただきまして、審議に入りたいと思います。  まず、事務局から、資料1に基づいて、今後の大まかなこの部会の検討の進め方につ いて、説明をお願いいたします。  事務局  資料1「今後の医薬品販売制度改正検討部会の進め方(案)」をごらんください。  1つ目、開催予定日を記載してございます。こちらにつきましては、各委員の御都合 も踏まえまして、こちらから調整をさせていただいて、通知をさせていただいていると いうものでございます。  2つ目、検討項目(予定)でございますが、昨年整理をいたしました「論点の整理」 というものがございますけれど、こちらに沿って再度御議論を深めていただきたいとい う趣旨でございまして、この開催予定日の中で、こちらの検討項目について議論をして いただきまして、各項目について一通り議論をした後、とりまとめに向けてさらに議論 を深めていただくという形にしたいと思っております。  以上でございます。  井村部会長  ありがとうございました。ただいまの資料1に基づきましたこれからの進め方につい ての事務局の説明について、委員の皆様方から御意見あるいは御質問がございました ら、御発言をお願いいたします。いかがでございましょうか。  このような進め方を予定させていただいて、よろしゅうございますか。               (「異議なし」の声あり)  井村部会長  それでは、このようにさせていただくことにいたしまして、引き続いて、次の資料2 につきまして事務局から御説明をお願いいたします。  事務局  それでは、資料2について御説明をさせていただきます。  資料2は、11回から15回までの意見についてとりまとめたものでございまして、前 回、これについて資料を提出させていただきまして、御議論をいただいたわけでござい ますが、これについての修正点を踏まえまして反映させていただいているところでござ います。  こちらにつきましては、事前に各委員の方に資料を発送させていただいておりまし て、事前に御確認をいただいているものでございます。ただ、その後に御意見をいただ いた部分がありますので、それについて御紹介をさせていただきたいと思います。  次に、2ページでございますが、ここでミスがございましたので訂正願いたいと思い ます。2ページの(6)の「添付文書の内容の伝達」というところの終わりから2行目の 「添付文書の内容をわかりやすく実行的に伝えることが重要である」の「実行」は「実 効」にかえていただければと思います。  引き続きまして、ご意見をいただいた部分でございます。  (2)情報提供の方法の(2)の「文書による情報提供」でございます。「消費者への 情報提供の方法については、確実性を期すべく、口頭に加え必要に応じて文書等を用い て行うことが適当である」という部分ですが、「必要に応じて」という部分を加えてお ります。これは望月委員から指摘をいただいたところでございまして、実は前回の議論 のときに児玉委員等からこのような意見があったのですが、ここの部分を反映しており ませんでしたので、この「必要に応じて」という部分を加えさせていただいておりま す。  ここが事前に御確認をいただいていた資料と違う点でございます。  説明は以上でございます。  井村部会長  ありがとうございました。前回からの修正点につきましては今説明のあったとおりで すが、これを除いては、既にお送りした資料によりまして事前に委員の皆様方に御確認 をいただいているということでございます。  ただいまの説明につきまして、特に問題はございませんでしょうか。こういうまとめ でよろしゅうございますか。  それでは、御了承いただいたということにさせていただきます。  引き続いて、資料3−1につきまして、事務局から御説明をお願いいたします。  事務局  それでは、次の説明に入らせていただきます。  今回、資料3−1と資料3−2ということで用意をさせていただいておりますが、先 ほどの検討項目にありました医薬品のリスクの程度の評価というものを今回議論をして いただこうということで、資料を用意しております。  資料3−1でございます。  まず、1.「リスクの程度の評価」と「販売時における対応」の関係でございます が、「リスクの程度の評価」というものにつきましては、専門委員会で検討されている ところでございます。ところが、このリスク分類というものをなぜ行っているかという ことでございますが、これについては、「販売時における対応」をリスクに応じて考え ていくということで、「販売時における対応」のあり方というものは部会で検討すべき 事項であろうと考えております。この「リスク分類」と「販売時における対応」でござ いますが、これについてどちらか一方を先にきちっと確定をするということはなかなか 難しい問題でございまして、これは両者のバランスを見ながら検討を進めて、最後にそ の組み合わせを決定していく、そういう問題であろうと認識しております。  こうしたことから、部会といたしましては、販売時にどういった対応があり得るのか ということのイメージを示すということで、専門委員会におけるリスク分類の検討の目 安としてもらうことにしてはどうかという御提案でございます。  次に、2.「販売時における対応」のパターンでございますが、対応のパターンを考 える要素として3つを上げております。  1つ目が対応者、2つ目が説明の有無、3つ目が文書の有無でございます。この3つ の要素につきましてそれぞれ述べております。  まず、対応者でございますけれども、これは専門家が対応するのか、それとも専門家 でない人が対応するのかということでございまして、定義を書いておりますが、ここで いう「専門家が対応」という意味は、専門家が必要に応じて関与できるということを前 提として、非専門家が対応する場合もここでは含めて考えることとするという整理にし てございます。  2ページですが、専門家でないというのは、それとの裏腹になりますけれども、専門 家の関与を前提としないと。完全に専門家以外の者だけで対応する場合のことを指しま すということでございます。  それから、ここでいう「専門家」の内容ですが、これにつきましては、「一般用医薬 品を扱うために必要な資質を有する者」を指すのですけれど、その「資質」について は、別途また機会を設けて議論していただくということを考えております。  2点目として、説明の有無でございますが、相談等がない場合にあっても、積極的に 販売側から説明を行う必要があるのか、その必要はないのかということでございます が、ただし、説明を行うためには専門的な知識が必要であろうということで、これにつ いては、後で関係してくることですが、非専門家単独で対応することは不可能ではない かという点を掲げております。  3点目でございますが、文書の有無ということで、販売時に説明を行う際に、さらに 必要事項を記載した説明文書を配布するのかどうかという点でございますが、この文書 の内容についても問題にはなってくるのですけれど、これについてもまた別途の機会に 議論をしていただくことを考えております。  以上の要素を考慮して、とりあえずのイメージとしてどのようなものが考えられるだ ろうかということを整理したものが、そのすぐ下の表でございます。次のような4パタ ーンが考えられるのではないかということでございます。  機械的に整理をいたしますと6パターン出てくるのですが、先ほど御説明いたしまし たように、説明の有無のところで、非専門家が説明を行うということは無理があるので はないかということで、「非専門家が口頭説明をする」というパターンについては除い ております。したがって、パターンについては4つ用意してございます。  3ページでございます。3.対応のパターンについての検討でございます。以上のよ うな対応パターンの類型に関しまして、以下の点についてどう考えるかということで、 こちらにつきまして議論をいただきたいと考えております。  論点1でございますが、「通常の商品とは異なる医薬品について、専門家が何ら関与 することなく販売を行うことは適切か。購入する側から相談があった場合に、専門家の 関与なくして適切に対応できるのか」。これは具体的にはパターン4のようなものがあ り得るのかどうかという点について議論していただきたいと思います。  それから、論点2でございますが、「口頭説明を行う際、専門家が対応する場合であ っても文書があった方が説明がしやすく、消費者側も理解しやすいのではないか」。こ れは何を言っているかというと、「専門家が口頭説明だけを行う」というパターン2 と、パターン1として「口頭説明に加えて文書を配布する」というものを掲げておりま すが、これは口頭説明を行うのだったら、文書もやはり出した方がいいのではないか。 あるいは、文書配布というのはある程度負担にもなるものだから、口頭説明だけを行う という類型も設けるべきではないか。そういった点について御議論いただければと思い ます。  説明につきましては以上でございます。  井村部会長  ありがとうございました。さて、この資料3−1の中身につきましては非常に重要な 意味を持っておりますので、ぜひ十分に御議論をいただきたいと思っております。  この1ページの1の「リスクの程度の評価」と「販売時における対応」の関係という ところで2つ○がございまして、その2つ目に、「リスク分類」と「販売時における対 応」については、両者のバランスをみながら検討を進める」と書いてございます。恐ら くこれはそうならざるを得ないのかなという気もするのでございますが、その次に、こ うしたことから、部会としては、販売時にいかなる対応があり得るのかということをま ずイメージを示すのだと。それに基づいて、これが専門委員会におけるリスク分類の検 討の目安となるという、そういうステップが切ってございます。  そういうやり方でこの部会の議論が進んでいっていいかどうか、そういう提案がござ いますので、この辺についてまず御意見をいただければと思います。その後の御説明 は、矢印が書いてありますこの3行の文章を前提として書かれているような気がいたし ますが、この辺は非常に重要なので、どうぞ御意見をお出しください。  まず、次の2ページの上から3行目のところで、「ここでいう「専門家」は、一般用 医薬品を扱うために必要な資質を有する者を指すが、その資質については、別途議論す る」という書き方がしてあります。この別途議論をしないままにこの先議論を進めてい っていいのかという、そういう問題点もありますし、たくさん問題点を含んでいると思 いますので、その辺について忌憚のない御意見をいただきたいと思っております。いか がでございましょうか。  児玉委員  まず、資料3−1の1ページの下でありますが、「専門家が対応」ということについ て説明がありますね。その意味は、「専門家が必要に応じて関与できることを前提とし て非専門家が対応する場合」と書かれていますが、「専門家が必要に応じて関与できる こと」というのが前提でありますから、この言葉にはいろいろ意味があると思います。 どの程度をもって「必要に応じて関与できる」のか。これは深く言えばきりがないので すが、きょうはそこまでやる必要はないかもしれませんけれど、少なくとも後の議論に 関係がありますので、私どもの感覚からいえば、この前送っていただいた諸外国の実情 も含めると、専門家がいて、そして非専門家がいたとしても、すぐに消費者の方のいろ いろな質問に応じられる体制を常にとっていく、つまりその場にいるということが前提 だったと思います。  我々のこの議論でもやはりそのような議論であったと思いますので、そのようにこれ は解釈していいわけですね。  井村部会長  私は、少なくともそのように解釈してこれを読んでおりますけれども。したがいまし て、「専門家の資質」ということを別途議論するということになっておりますので、そ れがどうなるかはわかりませんけれど、少なくともそういう専門家がそこにいるという ことが前提であるという、そういう意味であるととってよろしいかと思いますが、いか がでございましょう。  事務局  こちらにつきましては、どういうかかわり方があるのかというのを再度議論していた だく必要があると思います。まず、最初のイメージとしては、そこにいて、必要に応じ て関与することができるというパターンをまずイメージしていただければいいと思いま すが、ほかの関与の仕方があるのかないのか。例えば、専門家はそこの店にそのときは いないけれども、電話で相談もできるといった場合も、これは含み得るのかどうかとい うことをさらに別途議論していただければと考えております。  井村部会長  議論することがかなりふえてきますけれども、その点はいかがでございましょうか。 対面ということが必要かどうかということからまた議論しなければならないということ になるのでしょうか。  児玉委員  それをやり始めると、きょうの議論の中で、対面販売などの販売形態、あるいは陳列 方法等まで全部やらなければいけませんね。ですから、きょうどこまで議論していいの か。もちろん必要なことですから、やっていかなければいけないと思うのですけれど。  井村部会長  そうなんです。ですから、ここではとにかくできるだけ議論を進めていただくと。ど んどん意見を出していただいて議論する。それでまた次回にその続きをやっていく。そ う考えていただいてよろしいかと思います。とにかく重要な点でございますので、十分 ここで議論を尽くしていただいて、皆さんのイメージをある一つのイメージにだんだん 固めていかなければなりませんので、今のような点も含めまして、どうぞ御意見をお出 しいただきたいと思います。  田島委員  「専門家が必要に応じ」というところで、「専門家が常駐する」のか、それとも「連 絡可」であってもよろしいのかという、一つの問題点が出てきていると思うのですが、 これは鶏が先か卵が先かのような話で、お薬のリスクによってこれは対応が随分変わっ てくると思いますので、どうしましょう(笑)。  井村部会長  確かにそのとおりで、私と事務局の間でもちょっとディスカッションしたのですが、 矢印がついておりますこの3行の文章で、まずイメージを示して、それで専門委員会が あり、分類の目安とすると書いてありますが、逆に、リスクの分類がある程度進んで、 それを見ながら対応を考えるという、そういう考え方だってもちろんあり得るので、そ れについてももちろん御議論いただきたいと思ってここに出ているわけでございますの で、御意見をどうぞお願いしたいと思います。  児玉委員  一般用医薬品をいかに安全に消費者に提供できるかということがこの検討部会の大き な一つのテーマでありますね。そういう観点からすれば、今、田島委員がおっしゃいま したが、リスクというものと、そしてこういうものとがリンクするわけでありますか ら、どういうものがリスクの多い医薬品なのかということの議論がやや先行するのが当 然かなと、そういう気がします。  溝口委員  まさにそのリスクとの兼ね合いだと思うのですが、このパターン1〜4を見ますと、 1と2がリスクの高い医薬品で、3と4がリスクの少ない医薬品をイメージしているの ではないかと思います。  2つ言わせていただきたいのは、1つは、さっきも説明にありましたけれど、前から 申し上げているのですが、このパターン2はやめた方がいいんじゃないかということで す。というのは、順番にリスクは低いのかもしれませんが、私は、医師がインフォーム ド・コンセントする場合に、「口だけで言うのは言わないより悪い」ということを医局 員によく指導しているのですが、言ったことはきちんと文書として残して、相手の方が 見て、それをもとにセカンド・オピニオンを求めたり、自分で調べたり、それをもとに 質問したりということができるわけですから、言いっぱなしというのは必ず言った言わ ないになりますので、このパターン2はなしの方がいいのではないかと思います。  2つ目は、今問題になっている情報の提供の仕方ですが、いるべきか、いるべきでな いかということですけれど、パターン2をなくせば1だけになるわけですが、この場合 だけが専門家が直接関与するわけですけれど、私は、双方向的であれば、対面でなくて もいいと考えています。  望月委員  専門委員会の方にも所属している立場で、向こうがこれを受けたときにどう検討して いくかという立場から考えますと、先ほど児玉委員が御指摘されていましたように、専 門家が必要に応じて関与できることを前提として、非専門家が対応する場合もこの対応 者の「専門家」という中に入っているというところは、もうちょっと明確化していただ いて、今、溝口委員がおっしゃっていましたように、例えば、パターン1は専門家が直 接関与する、そしてそれ以外の部分はこの専門家の意味は専門家の管理のもとに非専門 家云々という整理も一つしておいていただいた方が、専門委員会の方の検討はしやすく なるかなという感じがしました。  もちろん、先ほどから議論にありますように、リスクの程度によってそれは変わって くるということなのですが、投げるパターンとしては、そこを一つのパターンの案とし て御提案いただいておいた方がいいのではないかなと思いました。  井村部会長  ありがとうございました。今の点ですが、望月委員としては、どういう表現がよろし いでしょうか。  望月委員  ここの「対応者」のところの「販売時の対応方法」のところまで言及した形で文章を 絶対つけるとか、そういうところまで出すかどうかは別にして、そこは多分こちらが考 えることだと思いますので、リスク分類等の対応者とのパターンのところだけ、専門家 が直接関与するようなケースのリスクの高いものを……。  井村部会長  済みません、その「直接」という意味は?  望月委員  「対面で直接」です。そのケースと、それから、専門家が管理のもとに、個々には、 恐らく先ほど溝口委員がおっしゃっていた直接対面ではないケースも、専門家の管理の もとに非専門家という形は入ってくるのではないかと思います。そこを少し入れ込んで おいていただいた方が、委員会の方がわかりやすいのかなという感じもいたしました。  井村部会長  ありがとうございます。大分はっきりしてきました。  ほかに御意見はございませんでしょうか。  松本部会長代理  パターン1と2と、3と4で、口頭説明を必ずやらなければならないタイプと、やら なくてもいいタイプというふうに、リスクに応じて大きく分かれる。その中で、積極的 な口頭説明は要らないものについてさらに3と4が分かれるという場合の3と4の違い ですが、対応者は、非専門家でもいいのだということとの関係で、3と4の違いがどこ にあるのかということなんです。すなわち、パターン3は、対応者は専門家と書いてあ るけれども、非専門家でもいいわけですよね。専門家が必要に応じて介入できればいい のだということは、お客から何か質問があった場合に、それに対する回答は素人がやっ てはいけない。  そうなれば、近くにいる、あるいは電話等で専門家につないで、説明は専門家からや らなければならないというのがパターン3であって、パターン4は、その専門家もいな いし、つなぐ措置もとっていないというタイプの販売でもいいという薬がもしあるとす れば、それでここに入ってくるのだと。逆に言えば、素人なのだから、質問されても説 明しない方がいいと。説明しないで売るだけと、そういう販売方法をとるべき薬があれ ばパターン4に入ってくると。そういう理解でよろしいでしょうか。  井村部会長  少なくともパターン3についてはそれでいいかと思いますが、今の御意見について、 いかがでございましょうか。  田島委員  私は考えますのに、このパターン4というのは、お薬の中であり得ないんじゃないか と思うのです。ですから、これは削除してもよろしいのではないかと私は思いますが。  増山委員  先ほど田島委員も触れられたと思いますが、リスク区分がどうなっているか、その程 度評価がどのようになっているかということと、どういう人が関与するか、どういう資 質が求められるかというのは、かなり影響し合うことだと思います。私は個人的に、細 かい医薬品についての知識はないわけで、できれば、少なくともリスク区分が幾つにな るのかとか、あるいは、代表的な例えば1、2、3の3通りになった場合に、1の代表 的な医薬品がどういうものになるかというところまで、ある程度こういう想定になるの だということが固まらなければ、どのような情報提供がだれによってされるかというの が煮詰まりにくいのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。  井村部会長  ありがとうございます。ただいまの御意見も含めて、いかがでございましょうか。  田島委員  私も、今、増山委員のおっしゃることは非常にもっともだと思います。具体的にどの 薬がどのリスクになるというよりは、どのようなリスクの段階があって、それはどのよ うな専門家との関与があり得るかというような、もっと抽象的な議論でもやっていかな いと、どうもこれはまとまりがつかないような気がするのですが、いかがでしょうか。  事務局  片方のイメージが具体化しないと、もう片方ができないという話はあると思うのです が、後ほど資料3−2で、専門委員会でどのような形で検討を進めているのか、これか ら進めていくのか、そのイメージを持っていただくための資料も用意しておりますの で、こちらも参考にしていただきながら、部会の方では、抽象的にはなりますけれど、 まず、どんなイメージで販売時の対応というものがあり得るのかということについて考 えていただければと考えております。  田島委員  これは余りにも難し過ぎて……。これを3つぐらいに分けていただいて、えらい危険 なものとか、そこそこ危険なものとか、そういう分類でどのようにそのときにどのよう な資格の人が対応すればいいかという、もう少し粗々なところで。この○がたくさんつ いていると、私にはわからないのですが。  井村部会長  これはもしかしたら私が間違っているかもしれないのですが、今、田島委員が難しい とおっしゃった資料3−2の表ですけれど、これは一種の作業のやり方を示していると おとりいただいて、こういうふうにスコアをつけるということになるのだろうと思いま すが、ある程度準定量的なデータが出てきて、それをもとにどのぐらいに分けられるか ということを考えていくというのはこれからの専門委員会の作業なのだろうと思います が、望月委員、それでよろしゅうございますでしょうか。  望月委員  多分そうだと思います。  井村部会長  ですから、この表は非常に見にくいですけれど、作業の途中ではどうしてもこれに記 入していかないと作業ができないだろうと思いますので。そして、その結果として分け ていくという、そういう手順になるのだろうと思います。  児玉委員  資料3−1の2ページの下のパターン1〜4ですが、これを強いて読みかえて、まさ にパターンは実際の店頭を想定して、そして一般用医薬品を供給するときの販売時にお ける対応というパターン、特にそう読みかえてこれを見た場合、これはこれで議論の余 地があるのかなという気がするんです。リスクは横に置いておいて。  そうすると、店頭のパターンを考えますと、例えばパターン1というのが実際にある わけで、例えばH2ブロッカーなどの医薬品の供給のときには文書をつけているわけで すね。それから、一時、PPAでいろいろ問題があったときも、そういうものをつけて やっていますよね。というふうに、実際例としてはこれはあるわけでありますから、こ れはパターン1として存在するのかなと。結果としては確かにリスクのあるものが多い ですよね。  それから、パターン2を考えると、確かにそういう文書までは出していないけれど も、議論がありましたように、過量投与の恐れがあるとか、いろいろな問題で説明をし なければならないものというのはやはりありますよね。  それから、パターン3というのは、そこまでは言わなくてもいいけれども、言われた 場合はお答えするようなものもあると。  ですから、こういう対応方法というパターンからいくと、こういうパターンは確かに 存在するんですね。それは私も認めます。ただ、田島委員がおっしゃったように、パタ ーン4といわれますと、これは一般用医薬品の議論をしているわけでありますから、そ ういう観点からすると、これが医薬品というものであるならば、これはないのかなとい う気がするのは当然だと思います。要するに、医薬品というのは、何度も話があります ように、リスクの大小はあっても、当然、医薬品である限りリスクはあるわけでありま すから、それを全く専門家の関与しない、そこには存在しないところで供給するという ことは私どもは考えられませんので、これはないのかなという気がします。  したがって、どちらにせよ、対応方法という観点からいえば、この3つのパターンと いうのはわからないでもないのかなと、そういう見方もできるなという気はします。  もう1点は、先ほどおっしゃっていたように、そうはいっても、専門家が関与すると いう方法の中に、直接関与しなければならない。さっきから例を出して申しわけないで すが、例えばH2ブロッカーでも相変わらず結構事故があるわけでありますから、ああ いったことを考えれば、やはり直接関与しなければならないのか、あるいは間接でもい いのか、そういう議論は並行してあるのかなという気がします。  増山委員  今の話に関連してですが、このパターンを幾つか案として出していただいています し、これは現状ではいろいろな販売形態があるかと思います。これが実現できるとする なら、店頭販売を基本的にイメージするということでよろしいのでしょうか。カタログ 販売、配置販売、あるいはインターネットでの販売と、現状ではそういう売られ方があ るわけですが、それについてはどのように考えればよろしいでしょうか。  井村部会長  ありがとうございます。重要な点だと思いますが、今ここで事務局から説明があった ような内容で我々はイメージを持つということになりますと、ここで議論されているの は店頭の話だと考えていいのではないかと思いますが、事務局はいかがでございましょ うか。  事務局  事務局の方からちょっとコメントさせていただきたいと思います。いろいろな形態が あるわけでございますが、今、増山委員の方から、薬種や配置も含めていろいろな販売 形態があるけれどもということでございますが、特に配置の方につきましては、これは 店頭での販売ではございませんで、例えば、口頭説明をするからといって、必ずしもこ れは店頭だということには限らないということでございます。  それから、補足で説明をさせていただきたいのですが、資料3−1の一番最後のペー ジに参考というのがございます。我々事務局の方として御提案させていただいているの は、パターンを何通りか考えまして、それに応じてリスク分類の方も、一体何本ぐらい 線を入れるのだろうということを念頭に置きながら専門委員会の方で議論をしていただ くということを考えておりまして、一番上に※印で書いておりますが、専門家の資質に ついては別途検討することとしている。そして、専門家の資質の程度、そして関与のあ り方によっても、さらに分類の線は加えられることはあり得るのだろうと考えておりま す。  ただ、ここで幾つも細分化をして、これが4本だ、5本だ、6本だということになっ てまいりますと、またこの時点での話が複雑になってき過ぎるのかなと私どもとして考 えましたものですから、ここではある程度パターンを幾つかくくって、それでおおむね 2通りぐらいだろう、3通りぐらいだろうと。例えばそんなようなことをイメージをし て専門委員会の方で議論をしていただくということを御提案させていただいているとい うことでございます。  井村部会長  事務局の御意向はわかりました。今の点について、委員の皆様方、いかがでございま すか。  今のような説明ですと、今ここでパターンはある程度分けられると。そして、こうい うパターンの分け方があるということがもし決まりますと、専門委員会の方としては、 それではリスク分離を3つにしようとか、2つにしようとかという話になっていくのか なと思いますが、そういうシークエンスで仕事をしていいかどうかということについ て、御意見をやはりいただいておいた方がよろしいかと思いますが。ここでいろいろな 意見が出たことを専門委員会の方にお伝えして、専門委員会の方がその意見を踏まえ て、というのが一番いい格好なのだろうと思います。  溝口委員  私の意見と田島委員の意見をあわせるとA案になるのですけれど、私はそれがいいと 思っています。  神田委員  専門委員会におけるリスク分類の検討の目安を、販売時にいかなる対応があり得るの かということを先に決めてから、そこに割り振るというようなことは、私たちからしま すとちょっとどうかなと思いますね。やはり逆のような気がいたします。リスクの程度 の評価があって、では、それをどのように情報提供するのか、売るのかと考えるのが自 然だと思いますので。一般論的ではありますけれども、そんな感じがいたします。  井村部会長  ありがとうございました。  どうもこのまま行きますと膠着状態になりそうなので、ここである程度、委員の皆様 方の御意見がどちらなのかということを伺っておきたい気がいたしますが。  まず、どっちが先でもいいんじゃないかという御意見があれば、いただきたいと思い ますが。  児玉委員  どっちが先かというか、まずこの議論を進める上で、先ほどありましたように、販売 時の状況というのは、正直言いまして、確かにリスク分類をお考えになるときに、イメ ージとしてはあり得るのかなという気がします。例えば店頭なのか、あるいは今大変問 題になっていますインターネットという販売の方法と随分違ってまいりますよね。した がって、それをやりますとなかなか大変だとは思います。でも、物の順序からすれば、 原則というものがありますから、原則論はやはり店頭販売であろうと思いますので、し たがって、私は、まず店頭を想定されてお考えになって、そしてその後に関与の仕方に よって、後でその辺の議論を加えていって、じゃあ、この場合はどうなるのだろうと、 そういう物の順序でいいのかなと。  したがって、繰り返しますと、今の時点では店頭を想定してリスク分類をお考えにな るのがまず基本かなと思います。これが第1点です。  2点目は、ここにパターンA、B、C案が出ておりますが、先ほど申し上げたよう に、ここの時点ではリスクというものが、これから作業に入るわけですから、具体的に 何がリスクAなのか、Bなのか、Cなのかというのはこれからされるわけですから、そ うすると、私が申し上げるように、今は販売時の対応によって分けたらどうなのだろう となると、このA、B、Cと。そうすると、繰り返して恐縮ですが、私は、自分の実体 験、自分の実際の店頭の状況からすれば、B案にならざるを得ないわけです。ケースを 分けますとね。私が申し上げているのはリスクではなくて、販売時の対応をあえて分け るとそうなるのかなという気がします。  Cは、さっき申し上げたように、あり得ないと。それは専門家が全くいないところで 医薬品の供給というのはあり得ないと思っていますから、Bかなという気がします。た だ、ここにも「直接」と「間接」という言葉が上の方には書いていますが、直接する場 合と間接にする場合とはまた違ってきますが、それはどういう順番で議論されていくの かは事務局にお任せしますけれど、私は、直接関与する、間接関与するというのを少し 横に置いて、販売方法、対応のやり方だけ、要するに文書を使う、口頭だけ使う、ある いは質問によって答えていくという分類からすると、やはりB案のようなパターンにな るのかなと。単純に申し上げると、そういうことです。  溝口委員  確かに医師と患者さんとの関係でもやはりBが多いと思うのですけれど、理想はやは りAであって、最初のあれにも、できれば必要に応じて文書等をということを書いて、 現状を認知した格好の言葉だと思うのですが、実際にやってみると、文書はもうそのと きは改めて書かなくても、でき上がったもの、例えば調剤薬局で配られるようなものに ちょっと加えるだけでもいいと思うのです。  パターンを既に幾つかつくっておいて、それを渡すのもいいし、一番大事なのは、説 明した人の名前であるとか連絡先があることだと思うのです。それは言葉ではできない ので、やはり文書が必要だと思います。  増山委員  今、Aがいいのではないかという幾つか意見が出ましたが、私も、医薬品を扱うのは 専門家でなければならないとか、原則対面販売というふうに思っているのですけれど、 ただ、現在の薬事法でも、今売られているような形は推奨していないわけですよね。つ まり、専門家の説明がないままどんどんとリスクの高いものも売られるというような現 状があるわけですので、厳しくいろいろ決めても、それが現実的でないということにな るのもすごく問題があると思いますので、もしこういう形態でやるということで進める のであれば、それと同時に、それをどう実効性のあるものにするか、安全性をきちんと 担保できるかということも、ぜひ同時に議論していただきたいと思います。  望月委員  先ほどの文書配布を口頭とあわせて行うというところに関してですが、一般用医薬品 の場合、もともと医療用とは違って、患者様が御理解いただけるような形の説明文書と いう、いわゆる添付文書に当たりますが、それが文書としては基本的には存在します。  それよりなおかつリスクが高いから、ある重点的なところを御説明して、そこはまた 確認できるような形で配布するというのは、例えば先ほどのH2ブロッカーのような場 合はあり得るのかなという感じがいたしますが、すべてについて一般の方向けの説明文 書が、十分とはいえないものかもしれないのですが、ある中ですべてにまた別途つける というのは、販売者側の負担もかなりあるのではないかなという気がいたします。  私は、先ほど溝口委員がおっしゃったように、説明したことはきちんとコンセントが とれているという形で文書を渡すというのが理想だと思うのですが、現実を考えるとB 案ではないかなと思います。ただし、先ほどの問い合わせ先、何か問題が起こったとき に問い合わせをしてほしいというところについては、文書で渡すという中に問い合わせ 先としての文書みたいなもの、あるいは外箱に売った方の店頭名と責任者の印鑑がある とか、そういう形の担保は必要ではないかと思っています。つまり、文書の配布の中身 の問題に少しなるかもしれませんが、そういう整理をしていただくことは必要ではない かなと思います。  そのことは、先ほど先生方皆さんがおっしゃっていたパターン4はあり得ないのでは ないかというところで、販売のときにだれがどうするということしかここでは表現され ていないのですが、売った後で何か起こったときに、それは「医師または薬剤師に相談 すること」ということが添付文書には書いてあります。そこのところで非専門家しか全 く関与していなかったら対応ができないのではないかというところもありますので、今 の問い合わせ先を文書化、あるいは外箱にきちんと表示することと、このパターン4は 全く要らないということと、全部パラレルな関係になっていくのではないかなと思いま す。  溝口委員  確かに添付文書があってすべてが書いてあるとおっしゃるのですが、あれを全部読む かどうかという議論がこの前あったときに、恐らく用法用量ぐらいしか見ないだろう と。大事なことは、副作用が起こったときに、特に大事なことを重点的に書いたものを ちょっと加えても悪くはない。僕はむしろ大事だと思っています。  例えば、症状が悪くなったときに、同じ症状は薬で悪くなることがあるわけです。例 えば、便秘薬を過量に飲んでいくと神経層がやられて逆に便秘が起こることがあるわけ です。それはやはりやめた方がいいのに、そういうときに続けて、まだ便秘があるから というのでどんどん飲み続けることがよくあるわけで、いろいろな薬でそういう逆の場 合がいっぱいあります。  そういうものを防ぐという意味では、例えば、今ある症状が悪くなったとき、あるい は他の症状が出たとき、このことは添付文書にも書いてありますけれど、必ず中止し て、来店するか、医師を受診するか、そういうことぐらいは必要なことだと思うので す。リスクのある薬は。  もう一つは、説明した人の連絡先と名前。リスクのある薬では、そういうものをこれ から義務づけていく必要があると私は思います。  増山委員  資料3−1の一番最後のページの参考のリスク分類の対応イメージというところです が、リスク分類の中身については今はまだ固まっていないわけですね。例えば、これを 今この場で、もしA案だとするなら、リスク分類のパターン1に該当するのはおおよそ どのような医薬品が対象になるのかということがはっきりしないと、うまくそこがイメ ージできないのですが、いかがでしょうか。  井村部会長  ありがとうございます。そのとおりだと思いますが、最初に説明がありましたよう に、対応の仕方とリスクの分類というのは、お互いにバランスを考えながらつくり上げ ていくという、そういう基本的な考え方に立てば、今、パターンについては議論が大分 煮詰まってきているような気がいたしますので、この辺で資料3−2の説明をまずして いただいて、先ほどの難しいという表などについても御説明をいただいて、そして2つ あわせて最後に議論するということにさせていただいて、よろしゅうございますか。  それでは、資料3−2について御説明をお願いできますでしょうか。  事務局  審査管理課でございます。審査管理課の方から、資料3−2に基づきまして、現在、 リスクの程度の評価ということで、専門委員会の方で検討、あるいは作業中のもの、あ るいは今後の作業について御説明を申し上げます。  この資料3−2でございますが、本年の2月10日の第9回の部会で1度御説明を申し 上げましたけれども、再度、確認のために御説明を申し上げます。  相対的なリスクの評価についてでございますが、添付文書の情報をもとに基礎情報を 抽出いたしまして、リスクファクターごとに評価を行うというのが、基本的な方針でご ざいます。  まず、相対的な評価を行うための基礎情報の抽出でございますが、その基礎情報の抽 出作業につきましては、一般用医薬品につきましては85製品群というのがございまし た。これを例えば医薬部外品に移行した製品群でございますとか、生薬成分、その他成 分に着目しました相対的なリスクが適当でない製品群を除きますと、47の製品群に再分 類ができます。この47の製品群を、使用上の注意として、これは医療用の添付文書の情 報に基づいて、ワークシートという形で基礎情報を抽出してございます。  なお、医療用の添付文書につきましては、できる限り同一成分、同一剤型のものを用 いることにいたしましたが、医療用の医薬品として使用されていない成分につきまして は、やむを得ず異なる剤型のものを用いております。  ワークシートにつきましても既に配布をしておりますが、ワークシートの作成に当た りましては、医療用の添付文書の記載内容を、リスクの程度、リスクファクターAから Hまでというふうに分類いたしまして抽出をしております。1ページの下にリスクファ クターのA〜Hが書いてございます。  Aが薬理作用、Bが相互作用、Cが重篤な副作用のおそれがあるかどうか、Dが濫用 のおそれがあるかどうか、Eは患者背景についてのリスクファクターを抽出しておりま す。Fが効能・効果について、Gが使用方法、Hがスイッチ化等に伴う使用環境の変 化。このようにA〜Hに分けてございます。  次に、2ページでございますが、作成上の留意点ということで、ワークシートの中に は、医療用医薬品としての効能・効果や用法用量−−これは1日当たりの上限量などの 調法でございますが、この辺の情報も参照できるように、ワークシートに付記しており ます。  それから、添付文書で確認できるいろいろな事象の発現頻度というものも評価の中の 検討材料の一つでございますので、「頻度」に関する情報もワークシートに入れており ます。  このような形で、ワークシート、基礎情報を抽出いたしまして、次に、相対的リスク の評価方法の整理というところに入るわけでございます。  評価の対象でございますが、大きく分けて2つに分かれるかと思います。  先ほどありましたA〜Eまでというのは、どちらかというと医薬品の各成分の特性で ございますとか物性という観点でございますので、これが1つの大きなカテゴリーとし て着目できるのではないか。  それから、FとGにつきましては、誤使用とか過量使用ということで、また別の観点 でございますので、ここは2段階のカテゴリーに分けて評価をしてはどうかとなってお ります。  評価の方法でございますが、2ページの下に書いてございます。ワークシートのBと Cは、先ほどの1ページにありましたように、相互作用、重篤な副作用のおそれがある かどうか、患者背景−−これもやはり重篤な副作用につながるおそれのところにつなが りますので、これについては4区分に分類をするということ。  もう1つ、過量投与等の関係のFとGにつきましては3段階の評価に分類するという ことでございます。  それから、スイッチ化等の環境の変化につきましては、2つの評価、2段階の評価に 分類をするとしております。  まず、B欄、相互作用の欄につきましては、併用禁忌につきましては評価A、併用注 意を評価B、記載がないものを評価Cということで、A・B・Cの順番にややリスクの 程度が低くなっている、低く評価をしたという感じでございます。  3ページでございますが、併用禁忌のうち、特に注を要するものというのが使用上の 注意等にございます。この場合には、これをAAとして評価をして、よりリスクの高い 評価としております。例えば、ここに書いてございますように、気管支拡張成分に対す るカテコールアミン製剤−−例えば不整脈や心停止が起こる危険性があるというところ から、こういうものはよりリスクの高い評価としているということでございます。  それから、C欄というのは重篤な副作用のおそれというところでございますが、これ につきましては、薬理・毒性に基づきます副作用及び特異体質やアレルギー等に基づく 副作用等の記載がある場合をAといたします。それから、この場合にはC’欄というの が別途設けられておりますが、「重篤ではないが注意すべき副作用のおそれ」という記 載がある場合には評価をBとしたいと考えております。ここも同じように、C欄に特に 注意を要するものという記載がある場合には評価をAAとしていきたいと思っておりま す。  それから、E欄は、患者の背景−−既往歴や治療状況等についての記載でございます が、ここは適応禁忌のものをA、慎重というものをB、記載のないものをCということ で、それぞれ評価を分けております。  適応禁忌のうち、特に注意を要する適応対象については、ここもやはり同じようにA ではなくてAAということで1ランク上の評価を与えるということにしております。こ れが1つの物性、製品・成分の特性にのっとったカテゴリーの作業の方でございます。  それから、別途、FとGにつきましては、先ほど申し上げましたように、過量投与の 問題とか誤使用の問題という観点でございますが、この場合にはそれぞれ該当する情報 がある場合にはP、ない場合にはQということにしております。  特に注を要する過量使用等については、先ほどのAAと同じような考え方で、PPと いう評価を与えると考えております。  それから、3ページの下でございますが、一般用医薬品の添付文書に記載されている 情報が、特に注意を要するものと考えられた場合には、各リスクファクターにおける評 価に反映をすると考えております。  このような形でいろいろと評価を各成分ごとにしていくわけでございますが、そうし ますと、理論的には、物性に着目したものと、誤使用・過量使用の評価結果というもの は、5ページに書いてありますような組み合わせというものが考えられます。5ページ の表が見づらくて、あるいはおわかりづらくて恐縮でございますが、既に出しておりま すので、もう一度これを使用させていただきました。  イメージといたしましては、「AAが3つ」というのが、先ほど申しました副作用等 の問題等で特に注を要するものというものに評価が与えられたものについてはAAとす るということで、「AAが3つ」のものというのが評価で与えられた場合には、このよ うな組み合わせが考えられる。  あるいは、「AAは2つ」だけれどもとなると、残りがAとかBとかABがないとい うように分かれると思います。  基本的には、上に行くに従ってリスクが高いというイメージでお考えいただければよ ろしいのではないかと思います。  こんな組み合わせでリスク分類をしていくわけですが、これですと、なかなか全体的 なイメージを先生方におつかみいただくことができませんので、次のページの「リスク 分類(イメージ図)」をごらんいただきたいと思います。このような形で最終的に専門 委員会の方ではおまとめいただこうかなと考えておりますが、これはあくまでもイメー ジとして考えていただきたいと思います。  縦軸としましては、製品群と書いてありますが、風邪薬とかいろいろなものの製品群 の名前がここに入ります。そして、それぞれリスク評価の結果で、例えば「AAが3つ 」になったものはその製品群の中でこういう成分がありますよ、あるいはAAはないけ れども「Aが3つ」のものはこういう成分がこの製品群にありましたと、そういうこと で分類をして、1つの表で横断的にお眺めいただけるような形で、我々として専門委員 会の方に作業をお願いできればと思っています。  したがいまして、ここのイメージ図の中のリスクの程度でございますが、この場合に は、左に行くに従って医薬品としてのリスクが高くなるという形で最終的にイメージを 見ていただければと思います。  このようなイメージの作業等を今後専門委員会の方にお願いをしたいと考えておりま すが、最後に、きょうのいろいろな議論を踏まえまして、専門委員会に依頼をしたいと いう事項について事務局から案をお出ししております。  まず、1点目は、先ほども御説明申し上げました相対的リスク評価方法に基づきまし て、実際の製品群ごとの各成分のリスク評価を行っていただき、本部会における審議状 況に合わせて提示をする。そういう作業をお願いしたいというのが1点です。  それから、今も途中まで審議がございました「対応パターンに応じ」というところで ございますが、きょうの議論を踏まえまして、どこの分類の線を引くのが適当なのかと いうことを、専門的な見地から御意見を部会の方に審議状況に合わせて御提示を願いた い。こんなことを専門委員会の方にお願いをしたいと考えておりますので、この辺につ いても御議論をいただければと思います。  事務局からは以上でございます。  井村部会長  ありがとうございました。  それでは、ただいまの事務局からの資料3−2についての御説明について、御意見や 御質問をお願いいたします。  児玉委員  一番最後の横書きのリスク分類のイメージ図ですが、これをAとかBとかというの は、理由はわかっているのですけれど、ただ気になるのは、たしかこの議論の中で、一 般用医薬品の特性というのが、過量投与と使用方法に問題のあるものがある。したがっ て、それでPというものを考えたわけですね。PPというものもあったはずですね。と ころが、この最後のイメージ図のところにはPPというのは出てこないわけでありまし て、どこへ行ったのかなと。その辺はどうなのでしょうか。  事務局  あくまでもイメージ図でありまして、ここの部分については大まかに御理解いただく ためにここの評価をまずAの数を中心に記載をさせていただきましたので、当然、先生 が御指摘のPの評価、あるいはPPをどう考えるのかということについては、この1枚 前のところにも「引き続き検討する」と書いてございまして、そこについては変化はご ざいません。ですから、最終的なイメージ図として、ここの項目をもう少し改正する必 要があると思いますし、さらに、より見やすい図はないかということも既に先生方から も御意見をちょうだいしておりますので、そこは引き続き事務局の方で検討させていた だきたいと思います。  井村部会長  今のこの新しく出てきたリスク分類のイメージ図ですが、これは専門委員会の方では どのようにお考えになったのか、望月委員、もしお答えがいただければと思いますが。  望月委員  私が専門委員会で見たのは、5ページのリスク評価分類のイメージ図というものだけ で、今、児玉委員が言われたPPが反映されていないというイメージ図は、まだ専門委 員会では見ておりません。  井村部会長  そうですか。ありがとうございます。  事務局、説明が不足して申しわけございません。これは専門委員会の方にはまだお示 ししておりませんで、あくまでもその前の図まででございます。今後の作業において、 このような形で作業をお願いしたいというときに御提示をしたいと思います。  望月委員  私も、児玉委員がおっしゃっていたPPが入っていないというのは気になっておりま したので、それは考慮する必要があるかなと思います。それから、前の5ページの図 も、イメージとしてまだ提案されているだけで、私は、最終的にリスクの高い方から低 い方にどうこれが流れていくかというのは、まだ議論はされていないと理解しておりま す。  例えば、今ここで初めて拝見したPPが入っていないイメージ図の場合でも、まだ議 論がされていないのでどうなるかわからないという点で、1つ私の個人的な意見を申し 上げておきますと、例えばAAが3つあるか2つあるか1つあるかということ、あとは AAが全くないかということで、今、左側がリスクの高い方で、右側が低い方と分かれ ておりますが、ここに関して、例えばAAが1つの場合と、AAはないけれどもAが3 つの場合、このグレードは、AAが1つの場合が左で、Aが3つあるのが右でいいかと いうのは、まだ全く議論しておりません。ですから、これはあくまでもイメージ図だと 思っていただいた方がいいと思います。  井村部会長  ありがとうございます。恐らくこのように1つの表にまとめるということは至難のわ ざになってくるかなという気がいたしますが、それでも何らかの工夫をしていただい て、ある程度の序列ができるような、そういう作業はしていただけるのではないかと期 待しております。  溝口委員  大変御苦労があったと思いますが、過去に重篤な副作用を起こした幾つか医薬品があ りますね。それがこれに当てはめたときにハイリクスになるのかどうか。恐らくならな いんじゃないかと思うのです。後で副作用を起こしたという情報がなければ。そうする と、これも一つの方法ですが、前から申し上げていますけれど、未知のものを見つける 手段を別途考えておく必要があるかなと思っております。  井村部会長  ありがとうございます。  ほかに御意見をどうぞ。ここでの御意見は専門委員会の方に確実に反映されると考え ていただいてよろしいかと思いますが、いかがでございましょうか。  この「リスク分類(イメージ図)」というのは、まだ専門委員会の方ではこれでやる かどうかということを決めてはいない、事務局の方からこういう御提案があるというこ となのだろうと思いますが、御意見はございませんでしょうか。  それでは、この作業はこの流れでやっていただくということで、よろしいですね。  ありがとうございました。  そのように作業していただく上で、先ほど、資料3−1で議論がありましたようなパ ターンとリスク分類の関係というのは、作業が進むことと、それを受けてこちらの部会 で議論をするということで、だんだん最後の決着に向かって進んでいくのかなという気 はいたします。この時点で、例えば分類が先か、パターンを決めるのが先かということ で、どちらかに決めてしまうということもちょっと難しいかなという気もいたしまし て、先ほど児玉委員が御発言になりましたように、一応、パターンとしては、一番ティ ピカルな例として、店頭で販売するときということをイメージした場合には、こんなふ うなことが考えられるなと、そういう御意見は皆様方からは御反対がなかったような気 もいたします。  店頭以外に、インターネットの場合はどうするかという話もございましたけれど、イ ンターネットでも専門家が関与することは可能だという御意見もきっと出てくるのでは ないかという気もいたしますので、その辺はきょうはなかなか詰まらないかなという気 はいたします。  資料3−1と資料3−2をまとめまして、もう一度お考えいただいた上で、ここで御 意見を賜れば大変ありがたいと思いますが。  松本部会長代理  その両者をあわせてということでありますが、先ほどから出ています口頭説明に加え て文書を配布する場合に、文書の中に添付文書に書かれていることの中の特に重要なこ とについて再度記載をするとともに、もし何かあった場合にはこういうところに連絡し なさいという連絡先を書くべきだという意見がありましたが、その連絡先とか質問先や 相談先については、パターン1の場合に限定されないで、パターン2の場合もパターン 3の場合もそれは伝達すべきものだろうと思います。  そして、伝達の仕方としては、別途の文書で渡すか、あるいは外箱にシールを張るな り判子を押すなりでも構わないかもしれませんけれど、何らかの形で「ここに連絡して ください」と。それは別に販売店そのものではなくても、共同で運営している薬剤師会 などの相談センターなどでもいいと思うのですが、「もし何かあればここに御相談くだ さい」という部分を除いた当該購入した医薬品の特に注意を要すべきところに限定しま すと、そういう文書は一体だれがつくるのかなということなんです。  各販売店が独自につくると恐らく情報量にでこぼこが出てくるでしょうから、製薬メ ーカーが、添付文書とは別に手渡し文書として、そのダイジェスト版のようなものをつ くるのかなという感じがしてまいりまして、それなら、添付文書にもう1枚要約版を入 れて第2添付文書としてつけておくのと余り変わらなくなってくるのではないかなとい う気がいたします。  そうしますと、積極的な説明が要らないものと、説明を必ずしなければならないもの との2段階分類は、3つに分けるよりは、分類するときは悩む場合が少ないから楽だと 思うのですが、口頭説明をしなければならない、すなわちリスクの高い方の中にいろい ろなものが入ってくる結果、その中でもさらにリスクの高いものが逆にあいまいに薄ま るという感じがいたしまして、特に注意してもらいたい点については、むしろ製薬メー カーがつくったお仕着せのダイジェスト文書ではなく、販売店の方が何か工夫をして、 手書きのようなものでもいいと思うのですが、本当に注意を喚起するべきことはやると いうことの方が、安全確保を購入者に印象づけるという点ではいいのかなという気がい たします。分類は2分類の方が簡単でしょうけれども、リスクの高いものに注意を喚起 するという点では、3つに分けて印象づけるという工夫をした方がいいのではないかと いう気がいたします。  井村部会長  ありがとうございました。  溝口委員にちょっと伺ってよろしゅうございますでしょうか。文書にかねてからこだ わっていらっしゃいますので、ちょっと伺いたいのですけれど、結局、先生が非常に重 要視されておられますことは、販売する方がこれだけのことをしたぞということのある 程度の証拠があるのがよろしいと、そういう意味で文書を強調されていることがあるの かなという気もするのですが。もちろん、その製品についての説明ということもあるか もしれませんが、先生が一番重要視されているのはどの辺でしょう。  溝口委員  先ほど申し上げたように、松本委員が分けられましたように、後半の連絡先の方は統 一した格好でもいいかと思います。大事なことは、添付文書というのはPL法を意識し てかなり網羅的にすべてのことが書いてあるんです。それは読む側からすると、どこを 読んで、どこが大事なのか全くわからない。見本として新風邪薬何とかというのを厚労 省が出されていますけれど、みんな同じ重みでズラッと書いてあるわけです。しかし、 望月委員も前におっしゃっていましたけれど、一般の方は用法用量しか見ない、どうや って飲むかしか見ないと。  一番大事なのは、どうも病気がよくならなかったときにどうしたらいいか、新しい症 状が出たらどうしたらいいか、その2点だと思うのです。それをきちっとすべての薬局 薬店の責任ある医師や薬剤師、もしくは頭が伝えるべきだと思います。また、そのとき に、どういう行動をとるべきか、中止して来店すべきか病院へ行くか、そのことをきち っと責任ある人が伝える必要がある。  文書にこだわるところはそれだけです。これを見ていても、副作用のところを見て も、ショック、スティーブンス・ジョンソン、肝障害、間質性肺炎、そして右側に症状 がいっぱい書いてありますけれど、患者さんで問題になるのは症状なんですね。ですか ら、どういうことが起こったときにどうするという、次の行動目標をきちっとそこで伝 達すべきだということであります。  井村部会長  ありがとうございました。  望月委員  私も、溝口委員がずっと御指摘されている部分はそのとおりの対処が必要だと思って います。恐らく私とか松本先生がおっしゃっているB案のところのパターンが3つある ものの最終的な目的で、リスクが比較的高いものについては、その患者さん、患者さん に応じたリスクを回避するための情報提供を文書化して渡す−−これが多分パターン1 なのだと思います。  それは添付文書ではいっぱい網羅的に書いてありますから、むしろその患者さんごと に合わせた形で文書を出すというのは、かなりハイリスクの方の分類のもので、残りの 部分は、添付文書、もしくは今松本委員がおっしゃったダイジェスト添付文書という か、それが入っていて、それをきちんと読むということを啓発するという形で対応する ということで、パターンが3つで、溝口先生がずっとおっしゃっていて、私もそこは大 事なことだと思っていますので、そこはきちんと担保されていくのではないかなと思い ます。  神田委員  リスク分類のイメージ図を説明していただいて思ったのですが、「専門家が対応」と いう中に、非専門家も条件つきでいればいいと、それも含めて考えることとするとなっ ているところがやはりちょっと引っかかったのですが。リスクがどの程度高いのかは私 はわかりませんけれども、専門家が必ず対応するという分類もなくていいのだろうかと 思いました。  「専門家が関与できれば非専門家が対応する」というは、何かあいまいさがあるよう な感じがするんです。その「非専門家」というのがどういう人なのかということがもう ちょっとよくわかりませんし、専門家の対応も常駐なのか電話なのかとか、そういった こともわからない中でイメージ図の説明を聞いて、その辺がちょっと気になりました。  児玉委員  今のことと、先ほどの溝口委員のお話も全部関連しますが、私も、このB案のパター ンというのは、確かに現状を想定するとこういうパターンであると、こう申し上げたわ けです。ただ、溝口委員も、今のお話も含めてですけれど、現在、日本で一般用医薬品 を供給するに当たって、専門家が直接供給しなければならないというのはないんです。 そこが問題なんですよ。  溝口委員のおっしゃっているのは、ここでもいろいろ出ているように、安全性を担保 するためのいろいろな考え方があるのですが、こういうリスクなどを詰めていくと、一 般用医薬品の中でもより安全性を担保しなければならないものがやはりあるわけですか ら、それについてはきちっと文書も含めて対応しようではないか、わかりやすくしよう ではないかと。ただし、それについては専門家が直接供給すべきであろうと。そのよう に明確にした方がいいのではないかというのは、私は賛成なんです。ですから、それは 今後の議論でぜひお考えいただきたいと思います。  そのかわりに、医薬品については、これもおっしゃったように、例えば副作用の報告 を義務化するとか、陳列方法をきちっとするとか、そういうものも義務づけた形で、よ り消費者のために安全に供給すると。そういうメリハリをこの際きちんとつけたらどう かと。この機会に、消費者から見て、より気をつけなければならない医薬品は何だろう と。これは口で言うのは簡単ですけれど、なかなかわかりませんよね。それをこの機会 に、消費者から見てより気をつけなければならない医薬品というものはそのようにして 供給されるものであって、そのようなパッケージになっているというように、きちっと 明確化していくためにも、この際、ジャンルをつくるということが大事かなという気が いたします。それはAパターンであろうがBパターンであろうが、同じであろうと思い ます。  溝口委員  もう一つ、文書にするメリットがあるとすれば、専門家がきちっと説明したという証 拠が残ることだと思います。それが大事だと思います。  増山委員  先ほどちょっと申し上げた意見の繰り返しになるかと思いますが、私はまだイメージ がはっきりできていないのですけれど、例えば、もし教えていただければと思うのです が、口頭説明プラス文書配布を必要とする医薬品は、おおよそどういったものを想定す るのかということですとか、例えば、口頭説明でよろしいのではないかというふうに今 何人かの方がおっしゃっていると思いますが、それがどういうものかにもよると思うの です。本当にリスクもなく、消費者が十分これなら口頭説明でリスクを回避できるとい うような、そういう群の薬があるのであれば、おおよそこういうものであるというイメ ージがおありの方がいらっしゃれば、教えていただきたいと思います。  はっきり言うと、例えばスイッチOTCは一番リスクが高いと。そして、総合感冒薬 のようなものは2番目だと。そして、3番目は例えば胃腸薬とか、あとはそれ以外と か、そういうもう少しはっきりとこういう薬をイメージしているのだということがわか るような議論をしていただけるとありがたいのですけれども。  井村部会長  ありがとうございます。ごもっともだとは思いますが、今の増山委員の疑問に答える ためにも、きょうここで議論をしたパターンについての大体の考え方はかなり煮詰まっ てきたと思いますので、それを踏まえて、専門委員会の方である程度作業をしていただ いて、その結果、増山委員が考えていらっしゃるような疑問にある程度答えられるよう な、例えば代表的なものとして、こういうものはこのくらいのリスクのもので、これは このくらいのものでと、そういうエグザンプルが出てくるような資料がもし専門委員会 の方から上がってくれば、それでよろしいかとは思いますが、それでよろしゅうござい ますか。  増山委員  はい。  井村部会長  とにかくこの部会と専門委員会の方でバランスをとりながらという原則はそれでよろ しいだろうと思いますので、きょうは、まずその対応の仕方のパターンについて、余り 強い御反対が出てきませんので、B案のような格好を皆さんがイメージしていると。た だ、専門家についての定義はまだ完全には決まっておりませんので、それはまた別途に 議論をしていくということになろうかと思いますが、それをきょうの大体のまとめとさ せていただいて、それを踏まえて専門委員会の方で、先ほど御提案がありましたよう な、あの表がそのまま採用されるかどうかは別として、とにかくリスク分類に入ってい ただくということで、よろしゅうございますでしょうか。  それでは、専門委員会の方にとにかくお願いをするということにいたしましょう。  増山委員  済みません、1つ確認させていただきたいことがあるのですが。最初の資料の1に戻 るかと思うのですけれど、その中の検討項目(予定)というところの下から2番目の 「情報通信技術の活用」という項目ですが、この中で議論された内容としては2通りあ って、1つは、インターネット、あるいは電話ですとか何か新しい技術を何らかの形で 情報提供に活用できるのではないかという、そういう余地がまだあるのではないかとい う話と、インターネット販売が、あるいはインターネットで責任のないところでどんど ん情報が提供されてしまうという、マイナスの面も問題があるのではないかという指摘 があったかと思いますが、それは両方ともこの中に組み込まれて議論されるという理解 でよろしいでしょうか。  井村部会長  今、増山委員のおっしゃったことが私にはちょっとよく理解できていないのですが、 この対応にいたしましても、リスクの分類等に関することといたしましても、この情報 通信技術を活用するというのは、いろいろな情報を集めて、それを利用して情報提供の 資料にするということについては、もちろん有用なのですけれど、対応するときにはあ くまでも補助的な手段として考えるというのが、皆様方の御意見の集約だったような気 もするのですけれど。  増山委員  具体的には、この部分では活用しないという選択もあるかと思うのです。それは資料 2の一番最後の7ページを具体的にはイメージしているのですが、「インターネット販 売やカタログ販売、個人輸入」というところで、「対策を講じるべき」という一文があ るのですが、そういったこともこの中に含んで議論していただけると考えてよろしいの かということなのですが。  井村部会長  済みません、「この中に含む」という意味がよくわからないのですが。  事務局の方から発言を求められましたので、事務局、どうぞ。  事務局  今のとりまとめの話でいいますと、資料2の6ページ、4.情報通信技術の活用で、 情報通信技術の活用というものが情報を伝えるという意味においては活用できる場面が あるのではないかということを一つ言っております。  もう1点、別の観点として、販売の場面で活用できるのではないかといった意見もあ り得るのではないか。  その2点なのですが、その2点ともについて議論をするのかということが増山委員の おっしゃっている趣旨だと思うのですけれど、検討項目で掲げられておりますのが、情 報通信技術の活用ということで、その中身が何なのかというところがはっきりしないの で、そこは議論するということでよいのかと、そういう御趣旨だと思います。  販売方法を考えていく中で、そこについては議論も必要だと思いますので、おっしゃ っているように理解をしていただいて結構だと考えております。  井村部会長  議論を進めていく上で、こういう活用の仕方があるのではないかという御意見が出て きて、それについてまたみんなで考えるということはあり得ると思います。  児玉委員  今の増山委員の御発言をお聞きしていて、先ほど私は、この対応イメージを議論する 上で、とりあえず原則的なイメージとして、店頭で対応するという意味ですと私は申し 上げたと思います。ですからここで議論しているわけでありまして、これが煮詰まって きた時点で、だれが安全性に責任を持って供給するのか、どのように供給するのかとい うことをリスクを見ながらもっと詰めていく段階で、そのときに、では、店頭外におけ る、特に今社会的に問題になっているインターネット、個人輸入、この問題を解決して もらわないと、幾ら店頭によってきちっとした供給の安全性を担保していても、一方で 無制限では意味がないじゃないかと。率直に申し上げて、そういうことをおっしゃって いるわけですね。  増山委員  はい、そうです。  児玉委員  その辺の議論を、今後、それはあるのでしょうねと、こう申し上げているわけです。  井村部会長  わかりました。  松本部会長代理  「販売時の情報提供あるいは説明」という言葉がかなり多義的だから、今のような疑 問が出てくるのではないかと思います。購入する医薬品が決まった時点以降の、この医 薬品を安全に使うためにはこういう点に注意してくださいという説明と、そのもう一つ 前の段階で、どの医薬品が自分の現在には一番適切なのか、あるいはむしろ医師に行っ て受診した方がいいのかとか、医薬品選択の時点における説明−−これを「説明」とい うのが正しいのかどうかちょっと疑問もあるのですが、それと分けて考える必要がある のではないかなという気がいたしまして、パターン3の積極的な「口頭説明なしで販売 してもいい医薬品」というのは、言いかえれば、患者の側が、消費者の側が「自分はこ れなのだ」ということを決めて、「これをください」と言えば、特に質問されなけれ ば、販売してもいい薬という感じがするわけです。  そして、質問があれば当然お答えしますと。「私、風邪ひいているんですけれど、ど れがいいでしょうか」と言われれば、アドバイスはするのでしょうけれど、特定のメー カーの特定の「これをください」と言われて、それがもしパターン3のタイプの薬であ れば、「はい」と言って売っても構わないというわけですから、そこだけ置きかえれ ば、タカログ販売でもインターネットでも構わないという話に論理的にはなると思いま す。当該製品が販売してもいい商品として厚生労働省によって許可されているものであ って、パターン3で売ってもいいということは、そういうことであると。  そして、消費者側が説明を受けた上でないと買いたくないということであれば、店頭 で買うとか、あるいはインターネットでも質問に応じるような販売方法をとっている業 者もあれば、そういう形で確認して買うと。そこで医薬品として販売許可の出ていない ものを売るとかというのは論外ですから置いておきますが、通常、店舗で売ってもいい としているものをインターネットで口頭説明なしで売れるという場合に、売ってはいけ ないという論理はなかなか出てこないのではないか。違法なことをするリスクが高いか らという、別の理屈を立てないとちょっと難しいかなという気がいたします。  したがって、ここでいう口頭説明というのを、患者が医薬品をみずからの判断で決め てもいいタイプの医薬品と、そうではない、必ず専門家が関与して、「この薬があなた にとって適切かどうか」を決めた上でないと販売できないものという分類で考えていい のかどうかというところなんですね。  井村部会長  それはちょっと簡単にはいかないんじゃないかという気がいたしますけれども。  松本部会長代理  そうしますと、「積極的な口頭説明なしで売ってもいい」というのは、どのように合 理化いたしますか。  井村部会長  今、先生がおっしゃっているのは、口頭での説明がなくても売っていい薬というのが 例えば決まったとしますね。それをインターネットで売っても文句は言えないのではな いかと、簡単に言えばそういうことですね。  松本部会長代理  つまり、患者がみずから購入を決めることができる薬ということですよね。  井村部会長  いやいや、患者がみずから決めても、それが非常にリスクが高ければ、当然、積極的 に説明しなければいけないわけです。  松本部会長  それはパターン1ですから、つまり、パターン3という医薬品がもし存在するとすれ ば、それは店頭以外で販売してはいけないという論理とはつながりにくいのではないか ということです。  井村部会長  それはよくわかりました。とにかく今の松本委員のお話は、安全性というよりは、法 的な解釈としてこういうことではないかというお話だったと思います。それは非常に説 得力もあるのですが、その辺について御意見はございますか。  田島委員  これはここの委員会ということではなくて、現状としては、インターネット販売とい うことに関しますと、医療用の医薬品でも売られている場合というのが多々ございま す。このようなことは、今後、厚労省の方で再検討していただきたいということをこの 場を借りてお願いしたいと思います。議論を混乱させて申しわけございません。  井村部会長  そういう御意見はよくわかります。ここでの議論からちょっと外れましたけれども、 事務局の方に受けとめていただいて考えていただくということにさせていただきたいと 思います。  議論を戻しまして、松本委員のお話は、確かにそういうことになるかなという気はし ないでもありませんが、それについては、積極的に説明をしなくていい薬というのは、 確かに分類をしていくとあり得るかもしれないということでございますので。  児玉委員  私は先ほど確認をしたと思うのですが、資料3−1の1ページの一番下に掲げている 文書ですが、「専門家が対応」という言葉に対して、「専門家が必要に応じて関与でき ることを前提として」ということに対して、私は先ほど質問しましたね。「この意味は ?」と申し上げたわけです。ここと関連するのかなと。おわかりになりますか。  井村部会長  もうちょっと説明してください。  児玉委員  要するに、今、松本委員のおっしゃる意味も、法的な解釈からすればそういうことに なるのかなと私も聞いていました。しかしながら、ここはやはり医薬品の販売について でありますから、そのときに、相談をしなくてもいいけれども、あるいは積極的に本人 が相談を求めなくても販売してもいいけれども、しかし、相談を求められたときはすぐ 答えなければならない。ということは、すぐ横に専門家がいるという状況ですよと私は 申し上げたわけですね。そこをどう解釈するかと、こう申し上げているわけです。  したがって、インターネットで販売されて、すぐにそれは電話でと、それでいいのか と、そういう議論はまたあってもいいのかなということです。  井村部会長  いかがでしょう、松本委員。  松本部会長代理  おっしゃるとおりで、相談したい場合には即時に対応できる体制がとられていれば、 現場にいなくてもいいという論理に恐らくなっていくと思います。あとは、相談に乗っ てくれている専門家と称する人が本当に専門家かどうか、うそをついているんじゃない かと。インターネットの世界はうそつきの世界が多いですから(笑)、そういうリスク が別途あるということはもちろん問題かと思います。その点、実際の店舗で実地に営業 している方がうそをつくというケースは余り考えられないから、その方が安全だろうと いうことだと思います。  望月委員  ちょっと議論が今とずれていきますが、松本委員がおっしゃったことの中で、私は、 専門委員会の方にきちんと御理解いただいておいた方がいいかなと思っているのが、こ の「口頭説明」というところなんです。口頭説明は、先ほど松本委員の意見が出る前ま では、リスクに関して対応が必要な部分について恐らく口頭説明する、あるいは文書で 提供するということを想定してさっきまで議論していたような気がするのですが、実際 にはたしかこの委員会の最初の時点で、どの薬剤が適切なのかということのアドバイス をもらうとか、今度は、買った後に何か問題が起こったときにアドバイスをもらうと か、そこまでこの「口頭説明」の中に含まれていると解釈した方が、今の議論からいく といいのかなと思いますので、それでよろしければ、そのことを専門委員会の方に、こ この「口頭説明」はそういう含みがあるということで、きちんとお伝えいただいた方が いいかなと思います。  井村部会長  ありがとうございます。私もそのとおりだと思いますが、今の望月委員の御意見のよ うなことで専門委員会の方にこの部会の意見としてお伝えするということで、よろしゅ うございますか。  それでは、きっとまだまだ細かいことで難しい点が出てくるだろうと思いますし、法 的な側面もこれからも松本委員からよくよくチェックをしていただいて、考えていきた いと思います。  今のような部会の意見、大体のところでございまして、まだ完全には決まっておりま せんが、それを専門委員会の方にお伝えをいたしまして、リスク分類についての作業を 進めていただくということで、本日の議論を閉めさせていただいてよろしゅうございま すでしょうか。  どうもありがとうございました。  それでは、今までの議論と異なる追加の御意見がございましたら、どうぞお出しいた だいて結構でございます。  安田委員  前回、7月8日の第16回の委員会のときでございますが、配置販売業で行うべき個人 情報の保護対策について、増山委員から質問がありました件にお答えさせていただきた いと思いますが、よろしいでしょうか。  井村部会長  はい、どうぞ。  安田委員  特に従業員を雇用して配置販売業を行っている業者、個人業者も含めて、お答えした いと思います。概略5項目程あります。  私どもの業界では、顧客台帳のことを懸場帳と申しておりますが、その内容は外部に 漏らしてはいけない情報であることを従業員に周知徹底するということが1つです。  2番目に、顧客台帳に取り扱い注意の表示を行う。  3番目に、顧客の個人情報、会社内部のものは、だれでも見ることができないよう に、顧客台帳を施錠できるロッカーなどで管理する。  4番目に、コンピュータなどで電子情報化された情報については、パスワードなどで アクセス制限を徹底する。  5番目に、会社が有する顧客情報、個人情報を漏らさぬよう、従業員と契約書を交わ すなど、個人情報保護に関する社員教育を行う。  このような5項目を徹底するように、配置家庭薬協会は呼びかけておりますことを報 告させていただきます。  以上です。  井村部会長  ありがとうございました。ただいまのような措置をとっておられるということで、そ れが十分かどうかという議論は今ここではする必要はないかと思います。そういう点が もしあれば、事務局の方とまたお話し合いをしていただければよろしいかと思います。  ほかにございませんでしょうか。  もしなければ、本日の部会はここで閉じさせていただきます。暑い中を御出席いただ きまして、どうもありがとうございました。  事務局  次回、第18回の部会につきましては、9月29日・木曜日、14時からの予定でございま す。よろしくお願いいたします。                                     −了−                  (照会先)                  厚生労働省医薬食品局総務課                  TEL:03-5253-1111(代表)                  担当:生田(2725)、目黒(2710)、石井(2713)